Fastening structure and spectacle of the spectacle lens assembly |
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申请号 | JP2012276298 | 申请日 | 2012-12-18 | 公开(公告)号 | JP5596772B2 | 公开(公告)日 | 2014-09-24 |
申请人 | 一成 大浦; | 发明人 | 一成 大浦; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 左右独立したレンズを一体化した眼鏡レンズ組立体を眼鏡フレームに止着せしめるための眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、左右のレンズと、左右各レンズのブリッジ側の端部を係止して両レンズを一体化させるブリッジ部材と、一端をブリッジ部材に着脱可能に嵌合して他端をフレームに止着するジョイント部材とからなり、前記ブリッジ部材は、前後上下の四面すべてにジョイント部材が着脱可能に嵌合し得る係止孔を有することを特徴とする、眼鏡レンズ組立体の止着構造。 ブリッジ部材は、それぞれ両側に係止爪を有する前パーツと後パーツとから成り、前後両パーツの係止爪により左右各レンズのブリッジ側端部を挟んで前後両パーツを結合することにより、左右のレンズを係止して一体化することを特徴とする、 請求項1に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 前パーツと後パーツは、それぞれ前部係止孔と後部係止孔を有し、結合時に左右のレンズの相対するブリッジ側端部間に間隙を設けて左右のレンズを係止することにより、結合後のブリッジ部材の上面と下面にそれぞれ上部係止孔と下部係止孔となる開口部を形成することを特徴とする、 請求項2に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 前パーツと後パーツの少なくとも一方は、前後両パーツを結合せしめる一組の突起部を有し、左右のレンズのブリッジ側端部には突起部が嵌合する切欠部を有することを特徴とする、 請求項3に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 左右レンズのブリッジ側端部の少なくとも片面には、結合時に前後両パーツいずれかが嵌合する段差面と前後両パーツいずれかの係止爪が嵌合する係止溝を有することを特徴とする、 請求項4に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 ジョイント部材は、先端にロック部を設けた一組の弾性を有する係合爪を備えた略U字形を成し、ブリッジ部材への嵌合時には、係止孔に貫入した係合爪のロック部が突出部の側面に係合することでジョイント部材にブリッジ部材が止着されることを特徴とする、 請 求項4又は5のいずれかに記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 ブリッジ部材は、前後両パーツと、さらに前後両パーツの間に挟まれる一組の中間パーツとから成り、前後両パーツの少なくとも一方の一組の係止爪はそれぞれネジ孔を備え、中間パーツは対向する内側辺に凹型切欠を有し、左右のレンズのブリッジ側端部にはそれぞれ貫通孔を設け、ブリッジ部材の結合時には、貫通孔を通したネジを前後両パーツの少なくとも一方のネジ孔に羅合させることによりレンズをブリッジ部材に係止するとともに、両中間パーツの間に垂直方向の間隙を設けることにより、結合後のブリッジ部材の上面と下面にそれぞれ上部係止孔と下部係止孔となる開口部を形成することを特徴とする、 請 求項3に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造。 請求項1乃至7に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造のいずれかを備えた眼鏡。 |
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说明书全文 | 本発明は、左右独立した眼鏡レンズを一体化した眼鏡レンズ組立体を眼鏡フレームに止着せしめるための止着構造、及び該止着構造を備えた眼鏡に関する。 近年、眼鏡は消費者のニーズの変化を背景に多様化が進み、使用の目的や状況に応じて消費者が複数の眼鏡を使い分けることも一般化しており、レンズは性能の向上と多機能化が、フレームはデザインや構造の多様化が進みつつある。 眼鏡は、使用者の視力、顔の形状、用途や使用実態等の個別情報に基づいたレンズとフレームの適切な組み合わせと微妙な加工・組立・調整が必要とされるため、従来は、主に眼鏡店が、個々の消費者の要望に応じて一点づつ加工・組立・調整を行って完成させるのが一般的であり、消費者自身がレンズやフレームを自由に交換して組み合わせを変更することは困難であるという課題があった。 これに対しては、必要な度数が異なる場合が多い左右のレンズを、玉形中心、玉形幅、玉形高さ、玉形中心間距離、レンズ間距離等、個々の使用者ごとに計測・設定した諸元(以下「レンズ諸元」と記す。)に基づいて加工して一体化した眼鏡レンズ組立体を作成し、これをフレームに止着すれば、一つの眼鏡レンズ組立体に複数のフレームが適用可能となる。 かかる構成の眼鏡については、特許文献1乃至3記載された発明のほか多数の眼鏡レンズ組立体交換式眼鏡が提案されている。 しかし、これらの先行技術は、特定の形状・構造のフレームに対応する眼鏡レンズ又は眼鏡レンズ組立体を着脱可能として交換できるものの、いずれもレンズ・フレームの双方に専用の構造が要求され、多様なデザイン・構造のフレームに適用可能なものではなく、レンズとフレームの組み合わせが限定されざるを得ない。 また、フレームへのレンズの止着の構造上、レンズを取り付けるフレームのデザイン・構造が異なる場合、レンズ諸元が変動する可能性が高く、使用時の視力や見え方も異なるおそれがあるという問題を有する。 そのため、かかる眼鏡レンズ組立体交換式眼鏡は、専ら既存の眼鏡に補助的に第二のレンズを装着するいわゆる「前掛け眼鏡」やレンズを一時的に跳ね上げて使用する「跳ね上げ眼鏡」等には適用されてきたものの、上記課題を解決し得るものではなかった。 本発明は、かかる事情を鑑みて為されたものであり、個々の使用者ごとに計測・設定したレンズ諸元に基づいて加工して一体化した眼鏡レンズ組立体を、多様なデザインのフレームに着脱可能に止着せしめることを可能とし、使用者が好みのフレームを自在に交換できる眼鏡レンズ組立体の止着構造及び眼鏡を提供するものである。 上記課題を解決するために、請求項1に記載した眼鏡レンズ組立体の止着構造は、 左右 独立したレンズを一体化した眼鏡レンズ組立体を眼鏡フレームに止着せしめるための眼鏡 レンズ組立体の止着構造であって、左右のレンズと、左右各レンズのブリッジ側の端部を 係止して両レンズを一体化させるブリッジ部材と、一端をブリッジ部材に着脱可能に嵌合 して他端をフレームに止着するジョイント部材とからなり、前記ブリッジ部材は、前後上 下の四面すべてにジョイント部材が着脱可能に嵌合し得る係止孔を有することを特徴とす る。 なお、前記係止孔の構成は、文字通り「孔」の形状であっても良いし、ジョイント部材と着脱可能なその他の形状であれば特に限定されない。 前述の通り、眼鏡レンズは左右で度数が異なる場合が多く、また、左右のレンズは個々の使用者ごとに計測・設定されるレンズ諸元に基づいて最適な位置関係に保持されねばならない。 通常のリム式眼鏡では、フレームのデザイン・構造に合わせてリムに嵌めこんだ際に上記レンズ諸元が実現されるよう左右のレンズを切削加工するため、加工済みのレンズを異なるフレームに転用することは基本的に困難である。 リムレス式眼鏡の場合は多少許容度が大きいものの、基本的には同様である。 そのため、消費者は多くの場合、眼鏡ごとにレンズとフレームをセットで購入せざるを得ない。 請求項1に記載した発明では、左右のレンズのブリッジ側端部をブリッジ部材で係止して一体化させた眼鏡レンズ組立体を、ジョイント部材を介してフレームに止着する。 ブリッジ部材のサイズや構造を規格化することにより、個々の使用者ごとに計測した度数やレンズ諸元に基づいて左右のレンズの加工範囲や配置は一意に定まり、最適な状態に一体化された眼鏡レンズ組立体を制作することができる。 また、ジョイント部材やノーズパーツの形状やその他端のフレームへの止着構造も規格化することにより、眼鏡レンズ組立体を異なるデザイン・構造のフレームに適用可能とできる。 これにより、一つの眼鏡レンズ組立体につき多様なフレームを交換して使用可能となる。 ところで、眼鏡フレームには様々な形態が存在し、大きく、フルリム型(レンズの外周全縁をリムが抱持するもの)とリムレス型(リムの一部又は全部がないもの)、ツーポイント型(リムが皆無で左右のレンズの各1点をブリッジで接続し、テンプルもレンズに直接止着するもの)に大別される。 請求項1に記載した発明に係る眼鏡レンズ組立体は、上記のうちフルリム型とリムレス型への適用を想定している。 フルリム型の場合、眼鏡レンズ組立体はリムの前方あるいは後方からフレームに止着する。 リムレス型の場合は、大きく、蝶番を介してテンプルを取り付けたフレームがレンズの上方のみに位置するアッパーリム型と、下方のみに位置するロウワーリム型に分けられ、アッパーリム型に対しては眼鏡レンズ組立体は下方からフレームに止着し、ロウワーリム型に対しては上方から止着する。 本発明に係るジョイント部材の他端側は、フレームの形態に応じて、フルリム型で眼鏡レンズ組立体を前方から止着する場合はフレームのブリッジ部分の前面部分に前方に向けて、フルリム型で眼鏡レンズを後面から止着する場合はフレームのブリッジ部分の後面部分に後方に向けて固定される。 また、アッパーリム型の場合はフレームのブリッジ部分の下面部分に下方に向けて、ロウワーリム型の場合はフレームのブリッジ部分の上面部分に上方に向けて、それぞれ固定される。 なお、ジョイント部材の他端側のフレームへの固定方法は、接着、ネジ止め、フレーム側に設けた孔への嵌合のほか、フレームとの一体成型を含め任意である。 フレームに対してジョイント部材を固定するべき位置と角度については、フレームの形態に関わらず眼鏡レンズ組立体のブリッジ部材がフレームに対して所定の位置と角度で保持されるよう設定して規格化することが望ましい。 ここで、フレームがフルリム型の場合は、眼鏡レンズ組立体を前方から止着する際には ブリッジ部材後面の係止孔に、後方から止着する際にはブリッジ部材前面の係止孔にジョ イント部材を嵌合させる。 一方、フレームがリムレス型の場合は、アッパーリム型の場合 は、ブリッジ部材上面の係止孔に上方から、ロウワーリム型の場合は、ブリッジ部材下面 の係止孔に下方からジョイント部材を嵌合させる。 また、係止孔はジョイント部材が着脱可能に嵌合し得るから、使用者は容易にフレームを交換して眼鏡レンズ組立体を止着することができる。 上述のようにブリッジ部材の形状や大きさとフレームへのジョイント部材固定の位置や角度が規格化されていれば、フレームの形態に関わらず止着された眼鏡レンズ組立体はフレームに対して所定の位置や角度に保持されるから、フレームの交換による見え方や掛け心地の変化による不都合や違和感を防止することができる。 なお、ブリッジ部材自体は、ジョイント部材を着脱可能に係止できるものであれば、一体成型されたものであっても良いし、複数のパーツを組み立てて構成するものであっても良く、特に限定されない。 次に、 請求項2に記載した発明は、 請求項1に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、ブリッジ部材が、それぞれ両側に係止爪を有する前パーツと後パーツとから成り、前後両パーツの係止爪により左右各レンズのブリッジ側端部を挟んで前後両パーツを結合することにより、左右のレンズを係止して一体化することを特徴とする。 本発明に係る眼鏡レンズ組立体は、基本的にツーポイント型の眼鏡と同様にブリッジ部材で左右のレンズを連結して一体化するものである。 しかし、ツーポイント型の眼鏡がテンプルをもレンズに直接止着する構造であるため、テンプルを含めた眼鏡全体の歪みがレンズに直接影響を及ぼして見え方や掛け心地を変化させるという問題がある。 これに対し、本発明では、眼鏡レンズ組立体がテンプルとは独立した構造であるため、その歪みはレンズに直接の影響を及ぼさない。 また、ツーポイント型の眼鏡のように左右のレンズにそれぞれネジ孔を穿ち、その1点のみでネジ留めによってブリッジに接続する構造の場合、ブリッジの変形やネジ留めの緊張力がレンズの位置や角度に影響を及ぼして見え方や掛け心地を変化させるという問題がある。 また、レンズ交換の際には、一旦ネジを抜脱させてから改めてネジ留めを行う必要があり、眼鏡店等の専門技術者でなければレンズへのネジ孔の掘削や適正なネジ留めは難しい。 これに対し、本発明では、ブリッジ部材が、それぞれ両側に係止爪を有する前パーツと後パーツとから成り、前後両パーツの係止爪により左右各レンズのブリッジ側端部を挟んで前後両パーツを結合することにより、左右のレンズを係止して一体化するため、レンズ自体にネジ孔を穿つ必要はなく、ネジ留めに伴うレンズへの緊張力も生じない。 また、レンズは前後両パーツの係止爪に挟まれてブリッジ部材に係止されるため、係止によるレンズの変形を極小化できるだけでなく、フレームに対するレンズの位置や角度が一意に決定され、眼鏡の使用中に容易に変化することが防がれる。 さらに、ネジのような別個の止着部材や専門的技術を要するネジ留め作業も不要であるから、使用者は必要に応じて独力でレンズを交換することができる。 なお、ブリッジ部材が有する係止爪の構成は、文字通り「爪状」の形状に限定されるものではなく、前後両パーツの一部がレンズのブリッジ側端部を挟んで前後両パーツを結合することにより、左右のレンズを係止可能であれば良く、また、必ずしも前後パーツの係止爪が同一又は対照の形状である必要はない。 次に、 請求項3に記載した発明は、 請求項2に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、前パーツと後パーツが、それぞれ前部係止孔と後部係止孔を有し、結合時に左右のレンズの相対するブリッジ側端部間に間隙を設けて左右のレンズを係止することにより、結合後のブリッジ部材の上面と下面にそれぞれ上部係止孔と下部係止孔となる開口部を形成することを特徴とする。 かかる構成によれば、結合後のブリッジ部材には前面、後面、上面、下面のすべてに同時に係止孔を設けることができるから、眼鏡レンズ組立体を前記すべての形態のフレームに適用可能となる。 なお、この場合に形成される係止孔は、その内部構造を含めすべて同一の大きさ及び形状となるようにすることが適当である。 次に、 請求項4に記載した発明は、 請求項3に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、前パーツと後パーツの少なくとも一方は、前後両パーツを結合せしめる一組の突起部を有し、左右のレンズのブリッジ側端部には突起部が嵌合する切欠部を有することを特徴とする。 上述の通り、レンズはそのブリッジ側端部が前後パーツの係止爪に挟まれる形でブリッジ部材に一体的に係止されるのでレンズが前後方向への移動が規制されるが、本発明の構成によれば、レンズの切欠部がブリッジ部材が有する突起部に嵌合するのでレンズの上下左右方向への移動も規制され、レンズは所定の位置に位置決めされる。 また、レンズ側の切欠部の形状とブリッジ部材側の突起部の断面形状や大きさを規格化しておけば、切欠部の長さ、すなわち突起部への嵌合位置を使用者ごとのレンズ諸元に応じて設定することにより、個々のレンズの大きさや形状に関わらず、同じ設定の切欠部を設けたレンズの中心のブリッジ部材に対する位置は一意に定まる。 これにより、使用者は、あらかじめ突起部への嵌合位置を適切に設定した切欠部を有する複数のレンズを、一つのブリッジ部材に対して自在に交換して使用可能となる。 また、左右のレンズの形状を、それぞれブリッジ部材側に突出する突出部を設けた形状とし、突出部の先端に切欠部を設けるように構成すれば、レンズの突出部をブリッジ部材にて挟む形で眼鏡レンズ組立体を構成することができる。 かかる構成では、 なお、かかる突起部を有するレンズは、本願発明者の有する特許発明(特許第5046333号:眼鏡レンズの歪防止構造、眼鏡レンズの切削加工方法)の眼鏡レンズの切削加工方法により安価かつ効率的に製造することができる。 該切削加工方法によれば、眼鏡レンズの外側に円弧中心位置を有する逆円弧状曲線部をなす円弧部を設けたレンズが得られるため、突出部を有する左右のレンズをブリッジ部材に結合して一体化した眼鏡レンズ組立体は、左右のレンズの外縁部を連続的かつ一体的な曲線にでき、デザイン上も優れたものとすることができる。 次に、 請求項5に記載した発明は、 請求項4に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、左右レンズのブリッジ側端部の少なくとも片面に、結合時に前後両パーツいずれかが嵌合する段差面と前後両パーツいずれかの係止爪が嵌合する係止溝を有することを特徴とする。 本発明に係る構成によれば、たとえばレンズのブリッジ側端部の前面に段差面を設けておけば、前パーツの厚みの一部または全部をレンズのブリッジ側端部表面に埋め込む形とできるため、レンズと前パーツとの一体性を高めることができ、眼鏡レンズ組立体の前面外観デザインを優れたものとすることができる。 また、係止爪を係止溝に嵌合させることにより、係止爪自体の厚みの一部又は全部をレンズ表面に埋め込む形とできるため、デザイン上の一体性を高めることができるだけでなく、係止爪がレンズ表面上でズレることを防止するため、ブリッジ部材へのレンズの結合がより確実となる。 次に、 請求項6に記載した発明は、 請求項4又は5に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、ジョイント部材が、先端にロック部を設けた一組の弾性を有する係合爪を備えた略U字形を成し、ブリッジ部材への嵌合時には、係止孔に貫入した係合爪のロック部が突出部の側面に係合することでジョイント部材にブリッジ部材が止着されることを特徴とする。 本発明の構成によれば、係合爪側がジョイント部材の一端となり、略U字形の底部を他端としてフレームに固定する。 眼鏡レンズ組立体をフレームに止着する場合は、係合爪側をブリッジ部材の係止孔に挿入することにより、ブリッジ部材の内部で、係合爪の先端に設けたロック部が突出部に係合する。 止着時には、係合爪自体の弾性反発によりロック部が突出部の側面に押圧されてブリッジ部材とジョイント部材が確実に係合され、眼鏡レンズ組立体とフレームとの止着が完了する。 かかる係合の強さは、眼鏡使用時の使用者の動きや振動程度では眼鏡レンズ組立体が容易にフレームから脱落せず、かつ、使用者がフレームと眼鏡レンズ組立体を両手で分離しようとした場合は、係合が解けてジョイント部材を係止孔から抜脱可能な程度とする。 また、後述の通り、ノーズパーツを装着することにより、その装着部が係合爪の間に入り込んで嵌合するため、ダブルロック状態となるため、係合はより確実となる。 これにより、使用者は工具等を一切用いることなく、簡単に眼鏡レンズ組立体をフレームに着脱できる。 次に、 請求項7に記載した発明は、 請求項6に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造であって、ブリッジ部材が、前後両パーツと、さらに前後両パーツの間に挟まれる一組の中間パーツとから成り、前後両パーツの少なくとも一方の一組の係止爪はそれぞれネジ孔を備え、中間パーツは対向する内側辺に凹型切欠を有し、左右のレンズのブリッジ側端部にはそれぞれ貫通孔を設け、ブリッジ部材の結合時には、貫通孔を通したネジを前後両パーツの少なくとも一方のネジ孔に羅合させることによりレンズをブリッジ部材に係止するとともに、両中間パーツの間に垂直方向の間隙を設けることにより、結合後のブリッジ部材の上面と下面にそれぞれ上部係止孔と下部係止孔となる開口部を形成することを特徴とする。 本発明の構成では、左右のレンズのブリッジ側端部にはツーポイント型眼鏡に用いるレンズと同様に貫通孔を設ける。 また、前後両パーツの少なくとも一方の一組の係止爪にそれぞれネジ孔を設け、ネジによってレンズを直接ブリッジ部材に止着する。 かかる構成においては、前後両パーツの係止爪にネジ孔を設け、レンズを前後の係止爪に挟んだ状態でまとめてネジ留めしても良いし、前後いずれかのパーツの係止爪のみにネジ孔を設け、レンズと当該パーツの係止爪とのみをネジ留めしても良い。 前述の通り、レンズをブリッジ部材に直接ネジ留めする場合、ネジ留めの緊張力がレンズの位置や角度に影響を及ぼすおそれやネジ留め作業の手間が生じる。 しかし、度数の無いサングラス用レンズや、たとえばウェアラブルコンピュータのディスプレイ・スクリーン用レンズ等、度付レンズほど厳密なレンズ諸元が要求されない場合、あるいは、左右のレンズ自体を別々に交換する必要がない場合には、ネジ留めでのより確実なレンズの固定が適当である。 また、その場合であっても、眼鏡レンズ組立体自体はジョイント部材によってフレームに容易に着脱可能であり、複数のフレームを交換して使用することができる。 また、本発明の構成では、上部係止孔と下部係止孔を形成するために、前後両パーツの間に一組の中パーツを垂直方向の間隙を設けて挟み、結合後のブリッジ部材の上面と下面に、前後両パーツと一組の中パーツで囲まれた開口部を形成して係止孔としている。 さらに、中パーツは、それぞれ内側辺に凹型切欠を有するため、前後両パーツに挟んで結合させた状態で、ブリッジ部材の内部に前後両パーツの両方又はいずれかに設けた係止孔に対応する水平方向の間隙を形成する。 かかるブリッジ部材の構成によれば、 請求項6に記載の発明に係る略U字形のジョイント部材を、上方、下方、前方、後方のいずれからも嵌合させて眼鏡レンズ組立体を該ジョイント部材を固定したフレームに止着できる。 具体的には、係止孔に貫入させたジョイント部材の係合爪先端のロック部がブリッジ部材の内部で両中パーツの凹型切欠の断面に係合し、眼鏡レンズ組立体とフレームとの止着が完了する。 最後に、 請求項8に記載した発明は、 請求項1乃至7に記載の眼鏡レンズ組立体の止着構造のいずれかを備えた眼鏡である。 フレームの形態は、フルリム型はもちろん、フレームがレンズの上部に位置するアッパーリム型、下部に位置するロウワーリム型のいずれのリムレス型にも適用可能であり、フルリム型の場合は、眼鏡レンズ組立体を前方、後方のいずれの方向から止着する眼鏡であっても適用可能である。 以上述べた本発明に係る眼鏡レンズ組立体の止着構造は、フレームにレンズを組み込むという従来の眼鏡の構成に対して、眼鏡レンズ組立体とノーズパッドを使用者ごとに独立したセットとして提供し、これをジョイント部材を有する複数のフレームに止着可能とする構成を特徴としていることから、次のような技術的効果を奏する。 (1)個々の使用者についての計測データにより定まるレンズ諸元に基づいて製作した眼鏡レンズ組立体は、本発明に係るジョイント部材を所定の位置及び角度で固定したあらゆる形態のフレームに止着して使用できる。 そのため、使用者は、少なくとも一つの眼鏡レンズ組立体を保有しさえすれば、多種多様なフレームを自在に交換して組み合わせることができ、フレームの交換による見え方や掛け心地の大きな変化等の不都合も生じないため、使用者にとって眼鏡デザインの選択上の自由度を大きく拡大する効果を奏する。 また、交換するべきはフレームだけで済むので、複数の眼鏡を購入することに比べて、使用者のコスト負担は大幅に低減可能となる。 また、逆に、用途や使用実態に応じたレンズによる複数の眼鏡レンズ組立体を保有していれば、それらを同じフレームに交換して止着して使用できる。 (2)従来、レンズの破損や度数の進行等の都度、使用者は、眼鏡店等に足を運んで眼交換用レンズを発注するか眼鏡自体を預けるかし、レンズの切削加工・フレームへの装着後に、改めて眼鏡店等に出向いて調整を受ける必要があった。 しかし、請求項1乃至7に係る眼鏡レンズ組立体の止着構造を適用すれば、使用者は、自分のレンズ諸元に基づく所定の切欠部や係止溝等を切削加工した同じレンズを入手しさえすれば、専門的な技術や工具を必要とせずに、自ら簡単にレンズを着脱でき、精密な調整も不要である。 また、あらかじめ切削加工済の予備のレンズを用意しておけば、直ちにレンズを交換して眼鏡の使用を継続することもできる。 そのため、眼鏡のレンズ交換における使用者の労力や時間を大きく削減でき、眼鏡の使用不能期間も短縮できるという効果を奏する。 (3)フレームの構造設計やデザイン上の自由度を大幅に拡大する効果を奏する。 従来は、度付レンズの使用を前提とする限り独立した左右のレンズを使用するため、量産フレームの構造やデザインにおいては、レンズ諸元を最大公約数的な範囲に収める必要があり、これがレンズの装着位置や装着方法、ひいてはフレームの構造やデザインを制約していた。 しかし、本発明に係る眼鏡レンズの止着構造を適用すれば、ジョイント部材を固定する位置や角度についての所定の規格以外の制約は大幅に減少するから、フレームのデザイナーにとってのデザインの自由度は飛躍的に拡大する。 以下に、本発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。 (第一実施形態) 図3は、ブリッジ部材2の詳細を示す拡大図であり、上図は前方から、下図は後方から見た状態を示す。 ブリッジ部材2は、前パーツ20と後パーツ30とから成り、いずれもパーツ本体21、31の両側部に一組の係止爪22、32が突出するとともに、各パーツ本体21、31は、それぞれ中央部に略長方形の係止孔23、33を備える。 また、本第一実施形態では、前パーツ20のパーツ本体21はその背面の係止孔23の外側に突出する略円柱形の一組の突起部25を有し、後パーツ30のパーツ本体31はその背面の係止孔33の外側に一組の貫通孔34を有している。 そして、各突起部25にはそれぞれ盲管ネジ孔26を設けている。 前後パーツ20、30の結合は、一組の突起部25をそれぞれ一組の貫通孔34に嵌合させ、後パーツ30側から貫通孔34を通したネジ(図示せず)を盲管ネジ孔26に羅合させて行うが、結合状態において、前後パーツ20、30の間には突起部25によって所定の間隔が保たれる。 なお、一組の突起部25と一組の貫通孔34は、それぞれ前後パーツ20、30のいずれに設けても良いが、ブリッジ部材2の正面にネジ頭が露出させると外部からの美観を損ねるので、図の通りの配置がより望ましい。 なお、前パーツ20の背面の係止孔23の上方には後述のノーズパッドの先端を固定するための凹部24を設けている。 図4は、ノーズパーツ40の拡大図である。 ノーズパーツ40は、鞍型のノーズパーツ本体41の上部に装着部42が突出し、使用者の鼻に当たる部分には一組のパッド43を備える。 また、装着部42の先端部正面には、ブリッジ部材2に装着した際に前記凹部24に嵌合する凸部44を備え、これによりノーズパーツ40の脱落が防止される。 図5は、ジョイント部材50の拡大図である。 ジョイント部材50は、先端にロック部52を設けた一組の弾性を有する係合爪51を備えた略U字形を成し、ブリッジ部材2への嵌合時には、いずれかの係止孔に貫入した係合爪51のロック部52が突出部25の側面に係合することでブリッジ部材2に止着される。 ジョイント部材50は係合爪側がその一端となり、略U字形の底部をその他端としてフレーム60に固定する。 眼鏡レンズ組立体1をフレーム60に止着する場合は、係合爪側をブリッジ部材2の係止孔のいずれかに挿入することにより、ブリッジ部材2の内部で、係合爪51の先端に設けたロック部52が突出部25に係合する。 かかる状態で、係合爪51自体の弾性反発によりロック52部が突出部25の側面に押圧されてブリッジ部材2とジョイント部材50が確実に係合され、眼鏡レンズ組立体1とフレーム60との止着が完了する。 なお、一組の係合爪51間の間隔は、ノーズパーツ40の装着部42の幅と一致させており、ブリッジ部材2にノーズパーツ40とジョイント部材50の両方を装着した際に、装着部42がジョイント部材50の略U字形の内側面にぴったり嵌合する形となる。 これにより、ジョイント部材50は係合爪51のロック部52とノーズパーツ40の装着部42とによりダブルロック状態となり、ブリッジ部材2に確実に固定される。 図6は、本第一実施形態に係るレンズ10のうち左側のレンズ10Lを正面から見た拡大図である。 レンズ10Lのブリッジ側端部11の先端には水平右方向に向けて突起部25の断面直径より僅かに小さな幅の切欠部12を設けており、その内部には突起部25の断面形状に対応する略円形の嵌合孔13を形成している。 レンズ10Lをブリッジ部材2に装着した際には、突起部25が切欠部12に進入し、突起部25の円形断面が嵌合孔13に嵌合することでブリッジ側端部11がブリッジ部材2内の所定の位置に固定される。 レンズ10Lの素材を一定の弾性を有する樹脂等とした場合、突起部25は切欠部12の入口を僅かに押し拡げつつ侵入し、嵌合孔13に嵌合した際に切欠部はその弾性により原状復帰する。 そのため、レンズ10Lに嵌合による歪みが生じることはなく、また、使用者はレンズ10Lがブリッジ部材2に適正に装着されたことを適度なクリック感により感知できる。 また、ブリッジ側端部11はレンズ10Lの表面よりやや薄く整形することで段差面14を成し、レンズ10Lの表面には切欠部12の延長線上右方向に向けて係止爪22に対応した形状の係止溝15を設けている。 レンズ10Lの装着時には、突起部25が嵌合孔13に嵌合すると同時に、前パーツ20の側辺が段差面14を覆いつつ段差に突合し、係止爪22が係止溝15に嵌合する。 本第一実施形態では、レンズ10Lの裏面も同様の切削加工を施して後パーツ30、係止爪32がそれぞれ裏面の段差面14、係止溝15に嵌合するため、レンズ10Lは前後パーツ20、30及び係止爪22、32により表裏両面から挟まれる形でブリッジ部材2に固定される。 この際、レンズ10Lは、突起部25と嵌合孔13の嵌合により左右方向の、前後パーツ20、30の側辺と段差との嵌合により上下方向の、係止爪22、32と表裏の係止溝15の嵌合により前後方向の位置決めが成されるため、ブリッジ部材2に装着されたレンズ10Lは左右・上下・前後のいずれの方向にもズレを生ずることなく固定されるのである。 なお、レンズ10Rについてはレンズ10Lと対照形を成すため図面を省略している。 また、本第一実施形態では、レンズ10への段差面14、係止溝15の切削加工をレンズ両面に施しているが、眼鏡レンズ組立体のデザイン上の条件によっては、片面のみに切削加工を施しても良く、その場合であっても上述のズレを生じない固定は可能である。 ここで、ブリッジ部材2及び内部の突起部25、係止爪22、32の形状や配置を規格化するとともに、レンズ10Lへの切欠部12及び嵌合孔13、段差面14、係止溝15の形状やサイズ、配置を使用者のレンズ諸元に基づく仕様データとして数値化すれば、眼鏡レンズ組立体1の仕様は一意に定まるから、使用者ごとにあらかじめ計測・設定したレンズの仕様データさえ得れば、レンズメーカー、フレームメーカー、眼鏡店等のいずれを問わず、都度の計測を行うことなく使用者に適合した眼鏡レンズ組立体をいつでも製作できる。 また、レンズの片方を破損したような場合でも、使用者は、仕様データをレンズメーカーに伝えて新しいレンズを発注するだけで、届いたレンズを自ら交換装着して、容易に適正な状態で使用することが可能となる。 次いで、図7乃至図11は、本第一実施形態に係る眼鏡レンズ組立体1の組立状態を示す図である。 図7及び図8は、眼鏡レンズ組立体1を後方から見た図であり、後パーツ30を省略して、ノーズパーツ40を下方から、ジョイント部材50を上方から装着する場合の状態を、図9は、後パーツを装着してネジ34を締結して眼鏡レンズ組立体を完成させた状態を示している。 図10及び図11は、眼鏡レンズ組立体1を前方から見た図であり、図10は、前パーツ20を省略してジョイント部材50の装着状態を見た図、図11は、前パーツ20を装着して眼鏡レンズ組立体を完成させた状態を示している。 ここで、図7、図8、図10から分かるように、ジョイント部材50をブリッジ部材2に上方から下方に向けて装着した後に、ノーズパーツ40をブリッジ部材2に下方から上方に向けて装着すると、ノーズパーツ40の装着部42がジョイント部材50の一組の係合爪51の間にぴったりと嵌合し、係合爪51の間隔を押し拡げて突起部26の側面に押し付ける形となる。 このため、フレームへ眼鏡レンズ組立体1を止着した際に係合爪51と突起部26の嵌合によって第一段階の固定がなされた後に、ノーズパーツ40を装着することでより強固に固定されるのである。 かかるダブルロック機構により、フレームへの眼鏡レンズ組立体1の止着は確実なものとなる。 次に、図12乃至図23は、本発明の第一実施形態に係る眼鏡レンズ組立体1の止着構造を適用した眼鏡を例示するものである。 このうち、図12乃至図14は、いわゆるアッパーリム型のフレーム60に眼鏡レンズ組立体1を適用した眼鏡を示し、図12は、眼鏡レンズ組立体1にフレーム60、ノーズパーツ40を装着する前の状態を斜め前方から見た図である。 フレーム60は、アッパーリムにテンプルを一体的に取り付けた形状を有し、アッパーリムの中央下面にジョイント部材50を一組の係号爪を下方に向けて固定している。 アッパーリムへのジョイント部材50の固定は、接着、ネジ留め、嵌合等、方法は任意であるが、フレーム60を金属又は合成樹脂等の素材とする場合は、フレーム60にジョイント部材50を一体成型して設けても良い。 図13は、前図と同じ状態を後斜め下方から見た図である。 ブリッジ部材2の前後パーツ20、30の間に生じた間隙のうち、上側を上部係止孔としてジョイント部材50を嵌合し、下側を下部係止孔としてノーズパーツ40を装着することにより、眼鏡が完成する。 図14は、完成したアッパーリム型の眼鏡を示す斜視図である。 図15乃至図17は、いわゆるフルリム型のフレーム61に前方から眼鏡レンズ組立体1を適用した眼鏡を示す。 図15は、眼鏡レンズ組立体1にフレーム61、ノーズパーツ40を装着する前の状態を斜め前方から見た図である。 フレーム61は、ブリッジ部分中央の前面にジョイント部材50を、一組の係合爪を前方に向けて固定している。 フレーム61へのジョイント部材50の固定は、接着、ネジ留め、嵌合等、方法は任意であるが、フレーム61を金属又は合成樹脂等の素材とする場合は、フレーム61にジョイント部材50を一体成型して設けても良い。 図16は、前図と同じ状態を上方から見た図である。 ジョイント部材50を眼鏡レンズ組立体1の後パーツ30に設けた係止孔33に嵌合することで、フレーム61に眼鏡レンズ組立体1を止着し、ノーズパーツ40は、ブリッジ部材2の下部に形成された係止孔に装着される。 図17は、フレーム61への眼鏡レンズ組立体1とノーズパーツ40の装着を完了した完成状態を示す。 本図では、フレーム61と眼鏡レンズ組立体1の構造上、レンズ10R、10Lの外側縁はフレーム61のリムに抱持されずにリムの前方に保持される形となる。 かかる構造は、近年普及が進みつつあるファッション性を重視した眼鏡には一般的に見られるデザインを構成するものであり、眼鏡レンズ組立体1はジョイント部材50によってフレーム61に対して常に適正に配置されて止着されるので、レンズ10R、10Lの外側縁をリムによって抱持する必要はないが、デザイン上の要請からレンズ10R、10Lの外側縁をリムの前方に突出させずにリム内に収めることももちろん可能である。 その場合、眼鏡使用中のフレーム61やリムの歪みがレンズ10R、10Lに影響を及ぼさないよう、レンズとリムとの間に僅かな間隙を設けるようにフレームを設計することが望ましい。 図18乃至図20は、いわゆるフルリム型のフレーム62に後方から眼鏡レンズ組立体1を適用した眼鏡を示す。 図18は、眼鏡レンズ組立体1にフレーム62、ノーズパーツ40を装着する前の状態を斜め前方から見た図である。 フレーム62は、ブリッジ部分中央の背面にジョイント部材50を、一組の係合爪を後方に向けて固定している。 フレーム62へのジョイント部材50の固定は、接着、ネジ留め、嵌合等、方法は任意であるが、フレーム62を金属又は合成樹脂等の素材とする場合は、フレーム62にジョイント部材50を一体成型して設けても良い。 図19は、前図と同じ状態を斜め上後方から見た図である。 フレーム62のブリッジ部背面にはジョイント部材50を後方に向けて固定しているほか、眼鏡レンズ組立体1を装着した際に前パーツ20の一組の係止爪22を嵌合させるための切欠き65を設けており、ジョイント部材50を眼鏡レンズ組立体1の前パーツ20に設けた係止孔23に嵌合することで、フレーム62に眼鏡レンズ組立体1を止着し、ノーズパーツ40は、ブリッジ部材2の下部に形成された係止孔に装着される。 図20は、フレーム62への眼鏡レンズ組立体1とノーズパーツ40の装着を完了した完成状態を示す。 本図では、フレーム62と眼鏡レンズ組立体1の構造上、レンズ10R、10Lの外側縁はフレーム62のリムに抱持されずにリムの後方に保持される形となる。 かかる構造も、近年普及が進みつつあるファッション性を重視した眼鏡には一般的に見られるデザインを構成するものであり、眼鏡レンズ組立体1はジョイント部材50によってフレーム62に対して常に適正に配置されて止着されるので、レンズ10R、10Lの外側縁をリムによって抱持する必要はないが、デザイン上の要請からレンズ10R、10Lの外側縁をリムの後方に突出させずにリム内に収めることももちろん可能である。 その場合、眼鏡使用中のフレーム62やリムの歪みがレンズ10R、10Lに影響を及ぼさないよう、レンズとリムとの間に僅かな間隙を設けるようにフレームを設計することが望ましい。 図21乃至図23は、いわゆるロウワーリム型のフレーム63に眼鏡レンズ組立体1を適用した眼鏡を示し、図21は、眼鏡レンズ組立体1にフレーム63を装着する前の状態を斜め前方から見た図である。 この眼鏡の場合、フレーム63のブリッジ部にノーズパッドを取り付けるか一体成型するかすることが可能なので、部材としてのノーズパーツ40は不要である。 フレーム63は、ロウワーリムにテンプルを一体的に取り付けた形状を有し、ロウワーリムのブリッジ部上面にジョイント部材50を一組の係号爪を上方に向けて固定している。 ロウワーリムへのジョイント部材50の固定は、接着、ネジ留め、嵌合等、方法は任意であるが、フレーム63を金属又は合成樹脂等の素材とする場合は、フレーム63にジョイント部材50を一体成型して設けても良い。 図22は、前図と同じ状態を前方から見た図である。 ブリッジ部材2の前後パーツ20、30の間に生じた間隙のうち、下側を下部係止孔としてジョイント部材50を嵌合することにより、眼鏡が完成する。 図23は、完成したロウワーリム型の眼鏡を示す斜視図である。 (第二実施形態) 前パーツ80は、パーツ本体81の両側部に一組の係止爪83が突出し、各係止爪83は、その先端部裏面には盲管ネジ孔84を備える。 後パーツ90は、パーツ本体91の両側部に一組の係止爪93を有する。 また、パーツ本体81、91は、それぞれ中央部に略長方形の係止孔82、92を備える。 一組の中パーツ85は、前後両パーツの間に挟まれ、対向する内側辺に凹型切欠86を有するとともに、その外側面はそれぞれレンズ70R、70Lのブリッジ側端部の外縁形状に対応する形状とする。 ブリッジ部材4の結合時には、両中パーツ85の間に垂直方向の間隙を設けることにより、結合後のブリッジ部材4の上面と下面にそれぞれ上部係止孔と下部係止孔となる開口部を形成する。 本第二実施形態に係るレンズ70R、70Lは、いずれもいわゆる玉型の形状とし、ブリッジ側端部にはそれぞれ貫通孔71と、裏面に係止爪93に対応する切欠部72を設けている。 レンズ70R、70Lをブリッジ部材4に装着する際には、前パーツ80の係止爪83裏面の盲管ネジ孔84と、レンズの貫通孔71を一致させた上で、ネジ94を貫通孔71に通して盲管ネジ孔84に羅合させて固定する。 また、後パーツ90は、一組の中パーツ85を介して前パーツ80の裏面に取り付ける。 この際、中パーツ85は垂直方向の間隙を設ける形で前後パーツ80、90に挟まれる形となる。 ここで、各中パーツ85の厚みをそれぞれレンズ70R、70Lの切欠部72におけるレンズの厚みと一致させ、各中パーツ85の裏面と切欠部72の底部とを面一と成さしめるとともに、後パーツ90の厚みを切欠部72の深さと一致させておくことにより、レンズ70R、後パーツ90、レンズ70Lの裏面が凹凸の無い一体的な連続面となり、デザイン上優れたものとできる。 また、本第二実施形態では、前パーツ80、中パーツ85、後パーツ90は、相互に接着している。 なお、図示はしていないが、本第二実施形態では、後パーツの係止爪93を前パーツ80の係止爪83と同長として、その先端部にレンズの貫通孔71に対応する貫通ネジ孔(図示せず)を設け、切欠部72を貫通孔71を含めて係止爪93が嵌合する形状とすれば、ネジ94で後パーツ90、レンズ70、前パーツ80を一体的に係止することもできる。 さらに、前後パーツ80、90の配置は、レンズへの切欠部72の設置位置とともに前後を逆転させても良いが、ブリッジ部材4の正面にネジ頭が露出させると外部からの美観を損ねるので、図の通りの配置がより望ましい。 図29乃至図36図は、本第二実施形態に係る眼鏡レンズ組立体3をアッパーリム型の眼鏡に適用した場合を例示する図である。 図29及び図30は、リムとテンプルが一体となった略U字形のフレーム64のブリッジに相当する位置の下面にステー66を介して一組の係合爪67を下方に向けて設置することで、フレームとジョイント部を一体成型しており、眼鏡レンズ組立体3はブリッジ部材4の上部の係止孔によって下方からフレーム64に止着される。 また、図31及び図32は、同様の一体成型により、ステー68aを介して一組の係合爪69を後方に向けて設置したフレーム64を用いた例であり、眼鏡レンズ組立体3はブリッジ部材4の前パーツ80に設けた係止孔82によって後方からフレーム64に止着される。 これらの例は、サングラスのほか、3D映画鑑賞用の専用眼鏡やウェアラブルコンピュータのディスプレイ・スクリーン用レンズ等、軽量かつ比較的簡易な構造の眼鏡への適用が好適である。 ところで、使用者の顔のタイプ、特にノーズパッドを載せる鼻とテンプルを載せる耳の位置関係によっては、眼鏡の着装時におけるフレームの保持角度が異なる。 その結果、図33に示すようにフレームに対するレンズの傾斜角度も変化し、使用者の眼とレンズ軸との角度も変化するため、レンズの性能が十分に発揮できないおそれが生じる。 従来の眼鏡では、いわゆる「レンズ跳ね上げ式」の眼鏡を除き、レンズはフレームに固定されており、眼に対するレンズ軸の傾斜角度を調節することはできないため、特定のフレームのデザインが気に入っても使用者の顔のタイプに適合しない場合もあり、フレームの選択肢が制約される場合があった。 しかし、本発明を適用した眼鏡の場合、レンズを固定した眼鏡レンズ組立体はフレームとは独立しているため、フレームへのジョイント部材の取付部に角度調整機構を設ければ、眼鏡レンズ組立体全体のフレームに対する傾斜角度を変化させることができるので、使用者の目に対するレンズ軸の角度を最適に調整することが可能となる。 たとえば、図29乃至図32に示したアッパーリム型のフレーム64、65に、図34に示すような取付角度調整機構を有するジョイント部材53を用いれば、眼鏡レンズ組立体全体のフレームに対する傾斜角度を変化させることができる。 ジョイント部材53は、フレームへの取付部分54を可塑性を有する素材で構成して任意の角度に曲げることができるものとしているが、傾斜機構は、二つの部材から構成したジョイント部材53をネジ等により任意の傾斜角度で固定可能としても良く、その構成は特に限定されない。 図35は、上記の取付角度調整機構を有するジョイント部材53をフレーム65に適用した眼鏡の一例の部材の分解図であり、図36はその完成図である。 フレーム65はブリッジ部分にジョイント部材53を固定するステー68bを備えている。 以上、本発明に係る眼鏡レンズ組立体の止着構造及び該止着構造を適用した眼鏡に係るの実施形態の具体的な構成について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において改良又は変更が可能であり、それらは本発明の技術的範囲に属するものである。 本発明に係る眼鏡レンズ組立体の止着構造及び該止着構造を適用した眼鏡によれば、多種多様なフレームを自在に交換可能で、専門的な技術や工具を必要とせずに、自ら簡単にレンズを着脱でき、精密な調整も不要な眼鏡を低コストで提供できるので、消費者にとっての利便性と商品選択の自由度を拡大できる。 また、フレームの構造設計・デザインの制約も低減できるため、従来以上に多様でユニークな眼鏡フレームの開発を促進できる。 さらに、本発明が普及すれば、次に述べるように、眼鏡やその部品の流通構造自体を変化させ得る効果も期待できる。 まず、レンズメーカー、フレームメーカー、眼鏡販売店の連携強化を通じて、使用者の選択肢の拡大、使用者のニーズをより反映させた商品提案が可能となる。 眼鏡及びその部品は、量産品としての特性と、使用者の視力や顔の特性等のデータ、用途や使用実態等のニーズに応じて一品ごとに完成させる受注生産品としての特性を兼ね備えた製品であり、かかるデータやニーズ等の使用者情報の収集と製品のカスタマイズは主に眼鏡店で行われる。 医療上の適正な矯正視力は眼科医で処方される場合が多いが、最終的には眼鏡店で眼鏡ごとにその使用実態・ニーズに適応した実用矯正視力を決定する。 従来は、一部の例外を除き、レンズメーカーはレンズの、フレームメーカーはフレームの開発・製造に特化して量産可能な一定の規格内で製品のバリエーションを提供しているため、個々の使用者の情報の入手は困難であるだけでなく、レンズメーカーとフレームメーカーの間での情報の共有や開発上の連携は必ずしも十分でなかった。 一方、眼鏡店は使用者情報を有するが、前述の構造上・デザイン上の制約を有するメーカーの量産品の中から使用者のニーズに応じた組み合わせを提供せざるを得ないのが実情であった。 しかし、本発明を適用すれば、ブリッジ部材、ジョイント部材、ノーズパッドを規格化可能であり、個々の使用者ごと情報に基づいたレンズの選択とその切削加工の仕様さえ決定すれば眼鏡レンズ組立体の仕様も一意に定まる。 これにより、レンズメーカー、フレームメーカー、眼鏡店の相互間で、部品の仕様の規格化と眼鏡の仕様データ等の情報の共有が可能となれば、部品の開発・設計上の連携強化が図られ、部品の多品種少量生産の効率向上による、使用者のニーズや嗜好を反映させた商品の選択肢拡大が期待できる。 また、従来の眼鏡製造のノウハウを有さない事業者であっても、規格化された部材とレンズ諸元に基づくジョイント部材の取付位置等のデータがあればフレームや眼鏡を製造可能となる。 最終的には、レンズメーカー、フレームメーカー、眼鏡店はもちろん、多様な業界の事業者が、部品のメーカーを問わず完成品の眼鏡を提供できるようになり、従来は事実上困難であった眼鏡の完成品や部品の通信販売や、使用者が自ら組み立てる手作り眼鏡製作キットを普及させることも可能となる。 その結果、眼鏡の製造及び流通の形態を、より消費者のニーズを反映できる形態へと変革できる可能性が期待できる。 さらに、本発明を適用すれば、眼鏡レンズ組立体の主要な部材とレンズの切削加工の仕様の規格化が容易となる。 その結果、消費者は、視力測定やレンズ諸元の測定ができる最小限の設備と技能者を備えた場所であればどこでも眼鏡を購入できるようになる。 たとえば、ファッション用やスポーツ用の眼鏡を例にとれば、アパレルショップや美容院、フィットネスクラブ等のスポーツ施設などに視力測定設備を導入し、店舗スタッフやインストラクター等にレンズ諸元測定の研修を受けさせて技能者とする。 そうすれば、店舗や施設内で施設利用者の視力測定・レンズ諸元の測定をして眼鏡レンズ組立体の仕様データを作成するとともに、利用者にフレームのサンプルから好みのフレームを選んでもらい、仕様データとフレームの型番をレンズメーカーあるいはフレームメーカに送って眼鏡を発注し、届いた完成品を店舗や施設で利用者に手渡すことが可能となる。 これにより、ファッションやヘアメイクなどとのコーディネイトやスポーツの用途に応じた眼鏡の構造やデザインといった、消費者の眼鏡に対するより実際的かつ具体的なニーズを踏まえた眼鏡選びへの提案が実現できる。 また、鉄道駅構内等の一角に設備と技能者を備えた簡易な視力測定スペースを設置すれば、通勤帰りに立ち寄った消費者が仕様データを作成して発注し、宅配便で届けられた眼鏡レンズ組立体に、インターネット通販等で別途購入したフレームを自由に組み合わせて使用するといった、従来はおよそ不可能であった眼鏡の購入方法さえ実現し得る。 以上の通り、本発明は、単に現状の眼鏡における技術的課題を解決するにとどまらず、眼鏡という量産品でありながらカスタマイズの重要性の高い特性を有する製品に関する製造・流通全般に渡る産業構造を大きく変革し得る可能性を有するものである。 1 眼鏡レンズ組立体(第一実施形態) |