眼鏡型補聴装置システム

申请号 JP2015550112 申请日 2013-12-30 公开(公告)号 JP2016506177A 公开(公告)日 2016-02-25
申请人 ジーエヌ リザウンド エー/エスGn Resound A/S; ジーエヌ リザウンド エー/エスGn Resound A/S; 发明人 イェスパー ウデーセン; イェスパー ウデーセン; カール−フレドリック ヨハン グラン; カール−フレドリック ヨハン グラン; マリア メルセン アンデルセン; マリア メルセン アンデルセン;
摘要 眼鏡型補聴装置システムは、第1の無線補聴器送受信機および第1の音響出 力 トランスデューサを有する第1の補聴器と、第1の無線眼鏡送受信機および第1の複数のマイクロフォンを備えた眼鏡であって、第1の複数のマイクロフォンは第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響 信号 から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の 指向性 マイクロフォンアレイを形成している眼鏡と、聴力損失補償処方に従って第1の電気信号を処理するための第1のプロセッサと、第1の電気信号を第1の音響出力トランスデューサに加えるための第1の増幅器と、を含んでおり、第1の無線眼鏡送受信機は第1の電気信号を第1の補聴器に無線で送信するように構成されている。
权利要求

第1の無線補聴器送受信機および第1の音響出トランスデューサを有する第1の補聴器と、 第1の無線眼鏡送受信機、前記第1の無線眼鏡送受信機を前記第1の補聴器とペアリングするように構成された第1のプロセッサ回路、および第1の複数のマイクロフォン、を備えた眼鏡であって、前記第1の複数のマイクロフォンは前記第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成している、前記眼鏡と、 聴力損失補償処方に従って前記第1の電気信号を処理するための第1のプロセッサと、 前記第1の電気信号を前記第1の音響出力トランスデューサに加えるための第1の増幅器と、 を備え、 前記第1の無線眼鏡送受信機は前記第1の電気信号を前記第1の補聴器に無線で送信するように構成されている、眼鏡型補聴装置システム。第2の無線補聴器送受信機および第2の音響出力トランスデューサを有する第2の補聴器をさらに備えており、 前記眼鏡は、第2の無線眼鏡送受信機、前記第2の無線眼鏡送受信機を前記第2の補聴器とペアリングするように構成された第2のプロセッサ回路、および第2の複数のマイクロフォン、を備えており、前記第2の複数のマイクロフォンは前記第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、 前記システムは、前記第2の電気信号を別の聴力損失補償処方に従って処理するための第2のプロセッサと、前記第2の電気信号を前記第2の音響出力トランスデューサに加えるための第2の増幅器と、を有しており、前記第2の無線眼鏡送受信機は前記第2の電気信号を前記第2の補聴器に無線で送信するように構成されている、請求項1に記載の眼鏡型補聴装置システム。前記第1の無線眼鏡送受信機は前記眼鏡の近位側サイドバー内に配置されており、前記第2の無線眼鏡送受信機は前記眼鏡の遠位側サイドバー内に配置されており、前記第1の補聴器が近位側補聴器であり、前記第2の補聴器が遠位側補聴器である、請求項2に記載の眼鏡型補聴装置システム。前記第1の無線補聴器送受信機と前記第2の無線補聴器送受信機の各々は、無線信号を検出するための無線信号検出器と、前記検出された無線信号の電力を推定するための無線電力推定器と、前記検出された無線信号の前記電力が所定の限界を超えると推定されたときに、対応する無線補聴器送受信機の送信電力を低減するための無線電力制御器と、を備える、請求項2または3に記載の眼鏡型補聴装置システム。1つまたは複数の補聴器と一緒に使用するための眼鏡であって、 第1の無線眼鏡送受信機と、 プロセッサと、 第1の複数のマイクロフォンであって、前記第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成している前記第1の複数のマイクロフォンと、を備えており、 前記第1の無線眼鏡送受信機は前記第1の電気信号を第1の補聴器に無線で送信するように構成されている、眼鏡。第2の無線眼鏡送受信機と、 第2の複数のマイクロフォンであって、前記第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成している前記第2の複数のマイクロフォンと、をさらに備えており、 前記第2の無線眼鏡送受信機は前記第2の電気信号を第2の補聴器に無線で送信するように構成されている、請求項5に記載の眼鏡。前記第1の無線眼鏡送受信機および前記第2の無線眼鏡送受信機は、前記第1の無線眼鏡送受信機と前記第2の無線眼鏡送受信機との間の無線リンクを介して近位側補聴器と遠位側補聴器との間で情報を無線でやり取りするように構成されており、前記近位側補聴器は前記第1および第2の補聴器のうちの一方であり、前記遠位側補聴器は前記第1および第2の補聴器のうちのもう一方である、請求項6に記載の眼鏡。前記第1の無線眼鏡送受信機および前記第2の無線眼鏡送受信機は、前記第1の無線眼鏡送受信機と前記第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して前記近位側補聴器と前記遠位側補聴器との間で情報をやり取りするように構成されており、前記近位側補聴器は前記第1および第2の補聴器のうちの一方であり、前記遠位側補聴器は前記第1および第2の補聴器のうちのもう一方である、請求項6または7に記載の眼鏡。眼鏡補聴器システムと一緒に使用するための装置であって、 無線眼鏡送受信機と、 前記無線眼鏡送受信機を補聴器とペアリングするように構成されたプロセッサと、 前記装置を眼鏡に対して確実に固定するための構成要素と、 複数のマイクロフォンであって、前記複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から電気信号を発生させるように構成された指向性マイクロフォンアレイを形成している前記複数のマイクロフォンと、を備えており、 前記無線眼鏡送受信機は前記電気信号を無線で送信するように構成されている、装置。眼鏡型補聴装置システムを動作させる方法であって、 第1の無線補聴器送受信機、第1の補聴器プロセッサ、および第1の音響出力トランスデューサ、を有する第1の補聴器を提供するステップと、 第1の無線眼鏡送受信機、眼鏡プロセッサ、および第1の複数のマイクロフォン、を備えた眼鏡を提供するステップと、 前記第1の無線補聴器送受信機を前記第1の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、 前記第1の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、 前記音信号を無線送信に適した第1の電気信号に変換するステップと、 前記第1の無線眼鏡送受信機から前記第1の無線補聴器送受信機に前記電気信号を無線で送信するステップと、 前記第1の無線補聴器送受信機によって前記電気信号を無線で受信するステップと、 前記受信した電気信号に対して第1の聴力損失補正処方に従って第1の聴力損失補正を適用するステップと、 前記第1の補聴器の前記第1の音響出力トランスデューサを使用して第1の音信号を提供するステップと、 を含む方法。第2の無線補聴器送受信機、第2の補聴器プロセッサ、および第2の音響出力トランスデューサ、を有する第2の補聴器を提供するステップであって、前記眼鏡は第2の無線眼鏡送受信機および第2の複数のマイクロフォンを備える、前記第2の補聴器を提供する前記ステップと、 前記第2の無線補聴器送受信機を前記第2の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、 前記第2の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、 前記音信号を無線送信に適した第2の電気信号に変換するステップと、 前記第2の無線眼鏡送受信機から前記第2の無線補聴器送受信機に前記電気信号を無線で送信するステップと、 前記第2の無線補聴器送受信機によって前記電気信号を無線で受信するステップと、 前記受信した電気信号に対して第2の聴力損失補正処方に従って第2の聴力損失補正を適用するステップと、 前記第2の補聴器の前記第2の音響出力トランスデューサを使用して第2の音信号を提供するステップと、 をさらに含む請求項10に記載の方法。無線信号の存在を検出するステップと、 前記無線信号の信号レベルを決定するステップと、 前記決定された信号レベルを第1の所定のレベル限界と比較するステップと、 前記決定された信号レベルが前記第1の所定のレベル限界を超える場合に前記第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方の送信電力を低減するステップと、 前記決定された信号レベルが前記第1の所定のレベル限界未満である場合に前記第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方の前記送信電力を増大させるステップと、 をさらに含む請求項11に記載の方法。前記決定された信号レベルを第2の所定のレベル限界と比較するステップと、 前記決定された信号レベルが前記第2の所定のレベル限界未満の場合に前記第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方を待機状態に入らせるステップと、 をさらに含む請求項12に記載の方法。眼鏡を使用して近位側補聴器の動作特性に関するデータを遠位側補聴器に無線で送信する方法であって、 近位側補聴器の第1のプロセッサの動作特性に関するデータを提供するステップと、 前記近位側補聴器内に配置された第1の無線補聴器送受信機から前記眼鏡の近位側サイドバー内に配置された第1の無線眼鏡送受信機に前記データを無線で送信するステップと、 前記第1の無線眼鏡送受信機によって前記データを受信するステップと、 前記第1の無線眼鏡送受信機から前記眼鏡の遠位側サイドバー内に配置された第2の無線眼鏡送受信機に前記データを送信するステップと、 前記第2の無線眼鏡送受信機において前記データを受信するステップと、 前記第2の無線眼鏡送受信機から前記遠位側補聴器内に配置された第2の補聴器送受信機に前記データを無線で再送信するステップと、 前記第2の補聴器送受信機によって前記データを受信するステップと、 を含む方法。前記第1の眼鏡送受信機から前記第2の眼鏡送受信機に前記データを送信する前記ステップは、前記第1の無線眼鏡送受信機から前記第2の無線眼鏡送受信機に前記データを無線で再送信するステップを含む、請求項14に記載の方法。前記第1の眼鏡送受信機から前記第2の眼鏡送受信機に前記データを送信する前記ステップは、前記第1の無線眼鏡送受信機と前記第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して前記データを再送信するステップを含む、請求項14または15に記載の方法。

说明书全文

本出願は眼鏡型補聴装置システムに関する。より詳細には本出願は、関連する眼鏡と無線で通信することが可能な補聴装置システムに関する。本出願はまた、眼鏡、1対の補聴器と一緒に使用するための無線装置、眼鏡型補聴装置システムを動作させる方法、および1対の補聴器の間でデータを無線で送信する方法に関する。

本出願のコンテキストにおいて補聴器とは、確認された聴損失を有する人、すなわち、自身の環境においてある種の音の知覚に困難を有する人のの後ろまたは耳の中に配置されるように構成された非常に小さい電子装置であると理解されたい。聴力損失の範囲および性質は、様々な周波数からなる範囲で人の聴力に関する検知オージオグラムを記録し、続いてたとえば補聴器において人が音の知覚に困難を覚えるある周波数範囲を増幅することによって、その人の聴力損失が補償されるまたは軽減されるように補聴器を選択しプログラムすることによって、専門の聴覚訓練士または補聴器調整士によってルーチン的に決定されている。このコンテキストにおいて、記録されたオージオグラムおよび補聴器にプログラムされる対応する補償が聴力損失補正処方の意味となる。

眼鏡もまた、乱視や他の適応問題などの視覚的欠陥が補正されるように専門の検眼士によって調整されるのが通常である。眼鏡以外にも、補正の手段にはまたコンタクトレンズ、および最近では光屈折切除術、すなわち、レーザ眼科手術を含めることができる。視覚の難点と聴力の欠陥はいずれも年齢とともに進行する傾向が強くかつ住民の平均余命が長くなり続けているため、現代社会の多くの高齢者が聴覚と視覚の両方に関して確認される問題に悩まされており、したがって1対の処方眼鏡と1つまたは2つの補聴器との両方を同時に使用することが必要となることがある。

耳かけ型(Behind−the−ear;BTE)補聴器は、使用時に眼鏡の眼鏡サイドバーが補聴器と絡み合うため眼鏡と一緒に使用することが困難であると言われている。したがって、眼鏡と一緒の場合はBTE補聴器ではなく、耳あな型(in−the−ear;ITE)や外耳道挿入型(In−the−canal;ITC)の補聴器を使用することが好ましい。しかしITE補聴器は、ITE補聴器の空間的制約のためにITE補聴器内の指向性マイクロフォンの効果が制限され、BTE補聴器と比較して音の指向性が劣る。補聴器における指向性、すなわち、ある特定の方向からの音を増強する機能は、2つ以上のマイクロフォンを適当なフィルタ処理と一緒に、ある特定の方向、すなわち、通常は補聴器ユーザが所与の任意の時点で対面している方向からの音響信号を選好する指向性マイクロフォンアレイの形で利用することによって得るのが通常である。指向性マイクロフォンを有するITE補聴器が存在してはいるが、ITE補聴器内の指向性マイクロフォン対のマイクロフォン同士の距離が短いために、前方向からの音が選好されるように前方向以外の方向から来る音を識別する補聴器の能力が厳しく制限される。このため、眼鏡をかけている補聴器ユーザはBTE補聴器が提供する指向性の改善からの恩恵を十分に得ることが不可能である。

補聴器と一緒に使用するための無線の外部マイクロフォンが知られている。ハンドへルド型、テーブルトップ型およびクリップ留め型を含む様々なタイプの外部マイクロフォンが存在する。このような無線マイクロフォンを眼鏡と連携して使用すれば有益となろう。しかし、1つまたは複数の無線マイクロフォンを眼鏡の上または眼鏡の中に目立たないように位置決めする方式はいまだ存在していない。

現在の補聴器は、たとえば外部マイクロフォン、リモート制御器、パーソナルサウンドシステムまたは他の補聴器と双方向で通信するために無線送受信機を備える。好ましい送受信機システムは、補聴器との無線通信のために2.4GHz周波数帯域を活用する。この無線通信は、リモート制御コマンド、ディジタルオーディオストリーム、処方調整電文、サービス読出し、信号処理コーディネーションパラメータおよび同期インパルスを備えることがある。

本出願のコンテキストにおいて送受信機とは、無線信号を送信および受信することが可能な電子装置であると理解されたい。このような無線装置は、市販のユニットとしてまたは補聴器の機能、すなわち、増幅、圧縮、聴力損失補償などを提供する集積回路の一部として具現化されることがある。補聴器と一緒に使用するための好ましい送受信機は、送受信機の所望の目的に応じて送信機と受信機の両方として、送信機単独として、または受信機単独として動作するように構成されることがある。たとえばリモートマイクロフォンユニットが補聴器と一緒に使用される場合に、マイクロフォンユニットの送受信機と補聴器の送受信機の両方を、別々に構成された同一の回路によって実際に実現し得る場合であっても、そのマイクロフォンユニット内の送受信機を単に無線信号を送信するようにだけ構成することが好ましいことがあり、また補聴器内の送受信機を単に無線信号を受信するようにだけ構成することがある。送受信機は物理的サイズが小さいために、補聴器内に容易に収めることができる。

ある補聴器から別の補聴器に送信される無線同期信号は、補聴器のユーザの頭が送信された信号に対する障害物となるため、ユーザの頭の反対側にある補聴器によって知覚できるように十分に強力にしなければならない。したがって、無線信号を別の補聴器に送信する間の補聴器送受信機のパワー要件のために、スペースの観点からITEタイプ補聴器の内部に収めるために物理的に小さくしなければならない補聴器電池に対して大きな負荷がかかる。したがって、2つの補聴器の間の無線通信を電池への負担がより少ない方法で促進する必要性が存在する。

眼鏡をかけている補聴器ユーザでは、補聴器自体が眼鏡のサイドバーと絡んだ状態になり、たとえば、結果として補聴器ユーザの耳介から補聴器が外れるリスクがあるため、BTEタイプ補聴器の使用でトラブルを抱えていることが多い。補聴眼鏡(hearing spectacles)とも呼ばれる補聴器内蔵の眼鏡が存在するようになって久しいが、その補聴器ユーザが眼鏡を常時かける必要がない場合、たとえば、その補聴器ユーザが読書の際にだけ眼鏡を必要とする場合において使用が制限される。このケースでは補聴器ユーザは1対のITE補聴器で我慢しなければならないことがある。しかしITE補聴器は、ITE補聴器の外側シェルの寸法が小さいことによりマイクロフォン同士の間の可能な最大距離が限定されているため、本来、補聴器ユーザに対して限定された指向性の音情報しか提供していない。さらにITE補聴器の寸法が小さいほど補聴器電池の物理的サイズおよびパワー機能に対する制約を受け、このため、たとえば1対の両耳型補聴器の間の無線通信が困難となるまたは不可能となることさえある。したがって眼鏡をかけているITEタイプ補聴器ユーザに良好なマイクロフォン指向性や補聴器間の無線の情報のやり取りなど、BTEタイプ補聴器に関連付けられた補聴器の特徴を常時提供することが有益となる。さらに、これらの特徴を1対の既存のITE補聴器に対していかなる大幅な変更も加えることを要しないで提供できれば有利である。

第1の無線補聴器送受信機および第1の音響出力トランスデューサを有する第1の補聴器と、第1の無線眼鏡送受信機および第1の複数のマイクロフォンを備えた眼鏡と、を備える眼鏡型補聴装置システムを提唱しており、前記第1の複数のマイクロフォンは第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、前記システムは聴力損失補償処方に従って第1の電気信号を処理するための第1のプロセッサと、第1の電気信号を第1の音響出力トランスデューサに加えるための第1の増幅器とを有しており、第1の無線眼鏡送受信機は眼鏡からの第1の電気信号を第1の補聴器に無線で送信することが可能である。この方式によれば、眼鏡内に配置された指向性マイクロフォンアレイによって捕捉されたオーディオ信号の適正なビーム形成がこれで実行され得るために、補聴器の指向性が改善され得る。

1つまたは複数の実施形態では前記眼鏡補聴器システムは、第2の無線補聴器送受信機および第2の音響出力トランスデューサを有する第2の補聴器を備えており、前記眼鏡は第2の無線眼鏡送受信機、第2の電池および第2の複数のマイクロフォンを備えており、前記第2の複数のマイクロフォンは第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、前記システムは聴力損失補償処方に従って第2の電気信号を処理するための第2のプロセッサと、第2の電気信号を第2の音響出力トランスデューサに加えるための第2の増幅器とを有しており、第2の無線眼鏡送受信機は眼鏡からの第2の電気信号を第2の補聴器に無線で送信することが可能である。この方式によれば、効率のよい両耳型の指向性眼鏡型補聴装置システムを実現し得る。眼鏡型補聴装置システムのこの実施形態は、補聴器ユーザの両耳に対する指向性を改良し、これによりユーザが自身の環境内の音の空間的な始点を特定することをより容易にする。

例示的な眼鏡補聴器システムでは、第1と第2の無線補聴器送受信機の各々は、無線信号を検出するための無線信号検出器と、検出された無線信号のパワーを推定するための無線パワー推定器と、検出された無線信号のパワーが所定の限界を超えると推定されるごとに対応する無線補聴器送受信機の送信パワーを低減するための無線パワー制御器と、を備える。したがって、補聴器の第1の無線送受信機に要求されるパワーを、ユーザによって補聴器と眼鏡が同時に着用されるごとに低減させ得る。補聴器の第1の無線送受信機と眼鏡無線送受信機ユニットとの間の送信距離が比較的短いことによって、補聴器の送受信機によって検出される無線信号のレベルが比較的高くなる。補聴器は次いで、それ自体の送信パワーをこれに従って低下させるように構成されることがあり、これによって補聴器が消費するパワーが低減される。このことは補聴器送受信機からの送信の間、たとえば、アクノレッジ送信の間の待機時間を延長することによって実行され得ることが好ましい。別法として、眼鏡内に配置された複数のマイクロフォンからのオーディオを補聴器にストリーミングするための一方向性の無線ストリーミングシステムを提供するように補聴器内の送信機を完全にシャットダウンさせることがあり、これによって補聴器のパワーがより一層節約される。

さらに、1つまたは2つの補聴器と一緒に使用するように構成された眼鏡を開示する。本眼鏡は、第1の無線眼鏡送受信機と、電池と、プロセッサと、第1の複数のマイクロフォンと、を備えており、前記複数のマイクロフォンは第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、第1の無線眼鏡送受信機は前記第1の電気信号を無線で送信するように構成されている。したがって、眼鏡からの無線信号によって、補聴器による無線の受信および再生成に適した指向性マイクロフォン信号が提供される。

1つまたは複数の例示的な実施形態では、本眼鏡はさらに第2の無線眼鏡送受信機および第2の複数のマイクロフォンを備えており、前記複数のマイクロフォンは第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、第2の無線眼鏡送受信機は第2の電気信号を無線で送信するように構成されている。本眼鏡に第1の無線眼鏡送受信機と同様の方式で構成された第2の無線眼鏡送受信機を設けることによって、両耳型の指向性マイクロフォンの信号が補聴器ユーザに対してたとえば眼鏡の近位側サイドバーおよび遠位側サイドバーから同時に伝達され、これにより優れた音響指向性を有する眼鏡型補聴装置システムを提供し得る。

1つまたは複数の例示的な実施形態によれば、本眼鏡の第1および第2の無線眼鏡送受信機は、第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の無線リンクを介して近位側補聴器と遠位側補聴器との間で情報を無線でやり取りするように適応されている。これによって2つの補聴器の間の無線通信のために有効な手段が提供される。

1つまたは複数の例示的な実施形態では、本眼鏡の第1および第2の無線眼鏡送受信機は、第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して近位側補聴器と遠位側補聴器との間で情報をやり取りするように適応されている。この構成は、無線眼鏡送信機のいずれもがその無線信号を数センチメートル、たとえば、近位側眼鏡サイドバーと近位側補聴器との間、または遠位側眼鏡サイドバーと遠位側補聴器との間で送信することが可能であるだけでよいため、補聴器同士の間で情報を送信する間において眼鏡送受信機と補聴器送受信機の両方の送信パワーを節約するために利用され得る。

本明細書に記載した1つまたは複数の実施形態はまた、眼鏡補聴器システムと一緒に使用するための無線装置であって、無線眼鏡送受信機と、プロセッサと、装置を眼鏡に対して確実に固定するための手段と、複数のマイクロフォンと、を備える装置に関するものであり、前記複数のマイクロフォンは複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から電気信号を発生させるように構成された指向性マイクロフォンアレイを形成しており、無線眼鏡送受信機は前記電気信号を無線で送信するように構成されている。このような装置は、比較的薄いフレームを有する既存の眼鏡と一緒に使用するのに適当となり得、この場合、装置をたとえば眼鏡のサイドバーのうちの一方または上側ブリッジに対して確実に調整し得る。調整されたときに本装置は補聴器ユーザに、装置の複数のマイクロフォンによって捕捉される指向性マイクロフォン信号を表す無線オーディオストリームを提供し得る。

本明細書に記載した1つまたは複数の実施形態はまた、眼鏡型補聴装置システムを動作させる方法に関するものであり、前記方法は、第1の無線補聴器送受信機、第1の補聴器プロセッサ、および第1の音響出力トランスデューサ、を有する第1の補聴器を提供するステップ(眼鏡は第1の無線眼鏡送受信機、眼鏡プロセッサ、および第1の複数のマイクロフォンを備える)と、第1の無線補聴器送受信機を第1の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、前記第1の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、音信号を無線送信に適した第1の電気信号に変換するステップと、第1の無線眼鏡送受信機から第1の無線補聴器送受信機に前記電気信号を無線で送信するステップと、第1の無線眼鏡補聴器によって前記電気信号を無線で受信するステップと、受信した電気信号に対して第1の聴力損失補正処方に従って第1の聴力損失補正を適用するステップと、第1の補聴器の第1の音響出力トランスデューサを使用して、受信した聴力損失補正済み信号を第1の音信号として再生成するステップと、を含む。本方法によって、眼鏡の複数のマイクロフォンによって捕捉された指向性の音信号の近位側補聴器への無線の送信が可能となり、これにより補聴器ユーザが体験している音環境に関する改良された指向性情報を補聴器ユーザに提供することができる。

1つまたは複数の例示的な実施形態によれば、眼鏡型補聴装置システムを動作させる方法はさらに、第2の無線補聴器送受信機、第2の補聴器プロセッサ、および第2の音響出力トランスデューサ、を有する第2の補聴器を提供するステップ(眼鏡は、第2の無線眼鏡送受信機、および第2の複数のマイクロフォンを備える)と、第2の無線補聴器送受信機を第2の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、前記第2の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、音信号を無線送信に適した第2の電気信号に変換するステップと、第2の無線眼鏡送受信機から第2の無線補聴器送受信機に前記電気信号を無線で送信するステップと、第2の無線補聴器送受信機によって前記電気信号を無線で受信するステップと、受信した電気信号に対して第2の聴力損失補正処方に従って第2の聴力損失補正を適用するステップと、第2の補聴器の第2の音響出力トランスデューサを使用して、受信した聴力損失補正済み信号を第2の音信号として再生成するステップと、を含む。本方法は、補聴器ユーザに音環境の指向性の情報を無線およびバイノーラル式に伝達することを可能にし、これにより補聴器ユーザは自身の環境中の音源の位置特定がより容易になるため、2つの補聴器のユーザにさらに良好な指向性情報を提供する。

本明細書に記載した1つまたは複数の実施形態はまた、眼鏡を使用して動作特性に関するデータをたとえば近位側補聴器から無線で遠位側補聴器に送信する方法に関するものであり、前記方法は、近位側補聴器の第1のプロセッサの動作特性に関するデータを提供するステップと、前記データを無線で近位側補聴器内に配置された第1の無線補聴器送受信機から眼鏡の近位側サイドバー内に配置された第1の無線眼鏡送受信機に送信するステップと、第1の無線眼鏡送受信機によって前記データを受信するステップと、前記データを第1の無線眼鏡送受信機から眼鏡の遠位側サイドバー内に配置された第2の無線眼鏡送受信機に伝達するステップと、第2の無線眼鏡送受信機内で前記データを受信するステップと、前記データを無線で第2の無線眼鏡送受信機から遠位側補聴器内に配置された第2の補聴器送受信機に再送信するステップと、第2の補聴器送受信機によって前記データを受信するステップと、前記受信したデータを遠位側補聴器の第2のプロセッサに利用可能にするステップと、を含む。本方法によれば、遠位側補聴器によって捕捉しかつ復号するために補聴器ユーザの頭を迂回させる必要がある近位側補聴器からの無線信号が眼鏡内の無線送受信機によって提供され、これによって近位側補聴器の電池が近位側補聴器の無線送受信機にパワーを提供する負担から解放されるために、2つの補聴器の間の無線通信のより有効な方法を提供することができる。近位側補聴器からの無線送信が伝播するのは数センチメートル、すなわち、近位側外耳道に存在する近位側補聴器から使用時に近位側耳介に置かれた近位側眼鏡サイドバー内の無線送受信機までだけで済むため、近位側補聴器の送受信機のパワー要件が大幅に軽減される。

1つまたは複数の例示的な実施形態では、前記データを第1の眼鏡送受信機から第2の眼鏡送受信機に送信するステップは、前記データを無線で第1の無線眼鏡送受信機から第2の無線眼鏡送受信機に再送信するステップを含む。眼鏡内の電池を補聴器に利用可能なものより大きくかつ強力にすることによって、無線眼鏡送受信機により多くのパワーを提供し得るため、無線情報を一方の補聴器からもう一方の補聴器まで中継するために無線眼鏡送受信機を使用する際の送信範囲が増大され得る。

代替的な一実施形態では、前記データを第1の眼鏡送受信機から第2の眼鏡送受信機に送信するステップは、前記データを第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して伝達するステップを含む。これによって、補聴器ユーザが眼鏡をかけている間にデータを一方の補聴器からもう一方の補聴器まで伝達する巧みかつ有効な方法が可能となる。

実施形態に関するさらなる特徴および利点について従属クレームによって開示している。

眼鏡型補聴装置システムは、第1の無線補聴器送受信機および第1の音響出力トランスデューサを有する第1の補聴器と、第1の無線眼鏡送受信機、第1の無線眼鏡送受信機を第1の補聴器とペアリングするように構成された第1のプロセッサ回路、および第1の複数のマイクロフォン、を備えた眼鏡であって、第1の複数のマイクロフォンは第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成している、眼鏡と、聴力損失補償処方に従って第1の電気信号を処理するための第1のプロセッサと、第1の電気信号を第1の音響出力トランスデューサに加えるための第1の増幅器と、を備え、第1の無線眼鏡送受信機は第1の電気信号を第1の補聴器に無線で送信するように構成されている。

選択的に、上記システムは、第2の無線補聴器送受信機および第2の音響出力トランスデューサを有する第2の補聴器をさらに備えており、眼鏡は、第2の無線眼鏡送受信機、第2の無線眼鏡送受信機を第2の補聴器とペアリングするように構成された第2のプロセッサ回路、および第2の複数のマイクロフォン、を備えており、第2の複数のマイクロフォンは前記第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成しており、上記のシステムは、第2の電気信号を別の聴力損失補償処方に従って処理するための第2のプロセッサと、第2の電気信号を第2の音響出力トランスデューサに加えるための第2の増幅器と、を有しており、第2の無線眼鏡送受信機は第2の電気信号を前記第2の補聴器に無線で送信するように構成されている。

第1及び第2プロセッサ回路は、別々のプロセッサに設けられていてもよいし、1つのプロセッサに設けられていてもよい。

選択的に、第1の無線眼鏡送受信機は眼鏡の近位側サイドバー内に配置されており、第2の無線眼鏡送受信機は眼鏡の遠位側サイドバー内に配置されており、第1の補聴器が近位側補聴器であり、第2の補聴器が遠位側補聴器である。

選択的に、第1の無線補聴器送受信機と第2の無線補聴器送受信機の各々、あるいは少なくとも一方は、無線信号を検出するための無線信号検出器と、検出された無線信号の電力を推定するための無線電力推定器と、検出された無線信号の電力が所定の限界を超えると推定されたときに、対応する無線補聴器送受信機の送信電力を低減するための無線電力制御器と、を備える。

1つまたは複数の補聴器と一緒に使用するための眼鏡であって、その眼鏡は、第1の無線眼鏡送受信機と、プロセッサと、第1の複数のマイクロフォンであって、第1の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第1の電気信号を発生させるように構成された第1の指向性マイクロフォンアレイを形成している第1の複数のマイクロフォンと、を備えており、第1の無線眼鏡送受信機は第1の電気信号を第1の補聴器に無線で送信するように構成されている。

眼鏡、例えば、プロセッサは、第1の無線眼鏡送受信機と第1の補聴器をペアリングする第1のプロセッサ回路を有していてもよい。

選択的に、眼鏡は、第2の無線眼鏡送受信機と、第2の複数のマイクロフォンであって、第2の複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から第2の電気信号を発生させるように構成された第2の指向性マイクロフォンアレイを形成している第2の複数のマイクロフォンと、をさらに備えており、第2の無線眼鏡送受信機は第2の電気信号を第2の補聴器に無線で送信するように構成されている。

眼鏡、例えば、プロセッサは、第2の無線眼鏡送受信機と第2の補聴器をペアリングする第2のプロセッサ回路を有していてもよい。

選択的に、第1の無線眼鏡送受信機および第2の無線眼鏡送受信機は、第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の無線リンクを介して近位側補聴器と遠位側補聴器との間で情報を無線でやり取りするように構成されており、近位側補聴器は第1および第2の補聴器のうちの一方であり、遠位側補聴器は第1および第2の補聴器のうちのもう一方である。

選択的に、第1の無線眼鏡送受信機および第2の無線眼鏡送受信機は、第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して近位側補聴器と遠位側補聴器との間で情報をやり取りするように構成されており、近位側補聴器は第1および第2の補聴器のうちの一方であり、遠位側補聴器は前記第1および第2の補聴器のうちのもう一方である。

眼鏡補聴器システムと一緒に使用するための装置であって、無線眼鏡送受信機と、無線眼鏡送受信機を補聴器とペアリングするように構成されたプロセッサと、装置を眼鏡に対して確実に固定するための構成要素と、複数のマイクロフォンであって、複数のマイクロフォンによって捕捉された音響信号から電気信号を発生させるように構成された指向性マイクロフォンアレイを形成している複数のマイクロフォンと、を備えており、無線眼鏡送受信機は電気信号を無線で送信するように構成されている。

眼鏡型補聴装置システムを動作させる方法であって、第1の無線補聴器送受信機、第1の補聴器プロセッサ、および第1の音響出力トランスデューサ、を有する第1の補聴器を提供するステップと、第1の無線眼鏡送受信機、眼鏡プロセッサ、および第1の複数のマイクロフォン、を備えた眼鏡を提供するステップと、第1の無線補聴器送受信機を第1の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、第1の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、音信号を無線送信に適した第1の電気信号に変換するステップと、第1の無線眼鏡送受信機から第1の無線補聴器送受信機に電気信号を無線で送信するステップと、第1の無線補聴器送受信機によって電気信号を無線で受信するステップと、受信した電気信号に対して第1の聴力損失補正処方に従って第1の聴力損失補正を適用するステップと、記第1の補聴器の第1の音響出力トランスデューサを使用して第1の音信号を提供するステップと、を含む。

選択的に、上記の方法は、第2の無線補聴器送受信機、第2の補聴器プロセッサ、および第2の音響出力トランスデューサ、を有する第2の補聴器を提供するステップであって、眼鏡は第2の無線眼鏡送受信機および第2の複数のマイクロフォンを備える、第2の補聴器を提供するステップと、記第2の無線補聴器送受信機を第2の無線眼鏡送受信機に対してペアリングするステップと、第2の複数のマイクロフォンを使用して音信号を捕捉するステップと、音信号を無線送信に適した第2の電気信号に変換するステップと、第2の無線眼鏡送受信機から第2の無線補聴器送受信機に電気信号を無線で送信するステップと、第2の無線補聴器送受信機によって電気信号を無線で受信するステップと、受信した電気信号に対して第2の聴力損失補正処方に従って第2の聴力損失補正を適用するステップと、第2の補聴器の第2の音響出力トランスデューサを使用して第2の音信号を提供するステップと、をさらに含む。

選択的に、上記の方法は、無線信号の存在を検出するステップと、無線信号の信号レベルを決定するステップと、決定された信号レベルを第1の所定のレベル限界と比較するステップと、決定された信号レベルが第1の所定のレベル限界を超える場合に第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方の送信電力を低減するステップと、決定された信号レベルが前記第1の所定のレベル限界未満である場合に前記第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方の前記送信電力を増大させるステップと、をさらに含む。

選択的に、上記の方法は、決定された信号レベルを第2の所定のレベル限界と比較するステップと、決定された信号レベルが第2の所定のレベル限界未満の場合に第1および第2の無線補聴器送受信機のうちの一方を待機状態に入らせるステップと、をさらに含む。

眼鏡を使用して近位側補聴器の動作特性に関するデータを遠位側補聴器に無線で送信する方法であって、近位側補聴器の第1のプロセッサの動作特性に関するデータを提供するステップと、近位側補聴器内に配置された第1の無線補聴器送受信機から眼鏡の近位側サイドバー内に配置された第1の無線眼鏡送受信機にデータを無線で送信するステップと、第1の無線眼鏡送受信機によって前記データを受信するステップと、第1の無線眼鏡送受信機から眼鏡の遠位側サイドバー内に配置された第2の無線眼鏡送受信機にデータを送信するステップと、第2の無線眼鏡送受信機においてデータを受信するステップと、第2の無線眼鏡送受信機から遠位側補聴器内に配置された第2の補聴器送受信機にデータを無線で再送信するステップと、第2の補聴器送受信機によって前記データを受信するステップと、を含む。

選択的に、第1の眼鏡送受信機から第2の眼鏡送受信機にデータを送信するステップは、第1の無線眼鏡送受信機から第2の無線眼鏡送受信機にデータを無線で再送信するステップを含む。

選択的に、第1の眼鏡送受信機から第2の眼鏡送受信機にデータを送信するステップは、第1の無線眼鏡送受信機と第2の無線眼鏡送受信機との間の電気的接続を介して前記デー再送信するステップを含む。

他の知見及び特徴は、以下の実施形態の詳細な説明を読むことによって明らかになるであろう。

図面は実施形態の設計および有用性を示しており、同様の要素について共通の参照番号で言及している。これらの図面は必ずしも縮尺どおりに描かれていない。上に列挙した利点および目的ならびに他の利点および目的をいかにして得るかについての理解をより深めるために、添付の図面に示したこれらの実施形態についてのより具体的な説明を提示する。これらの図面は単に例示的な実施形態を示しており、したがって特許請求の範囲の趣旨の限定を考えたものではない。

従来技術による補聴器を示したブロック概要図である。

眼鏡型補聴装置システムを示した図である。

眼鏡サイドバー向けを意図した無線眼鏡送受信機およびマイクロフォンアレイを示したブロック概要図である。

既存の眼鏡のサイドバー上に取り付けるように適応させた眼鏡部を示した図である。

既存の眼鏡のサイドバー上に装着するための無線装置を示した図である。

眼鏡型補聴装置システムの無線機能の取扱いについて示したフローチャートである。

無線リモートマイクロフォンとして使用される眼鏡を示した図である。

図面を参照しながら様々な実施形態について以下で説明する。図面は必ずしも縮尺どおりに描かれていないこと、また同様の構造または機能の要素については図面全体を通じて同じ参照番号によって表していることに留意すべきである。さらに、これらの図面は単に実施形態の説明を容易にすることだけを目的としていることにも留意すべきである。これらは、特許請求した発明に対する網羅的記述を意図したものや、特許請求した発明の趣旨の限定を意図したものではない。さらに例証している実施形態は、必ずしも示した態様や利点のすべてを有する必要はない。ある特定の実施形態と連携して記載した態様または利点は、必ずしも当該実施形態に限定されるものではなく、そのような図示がない場合やそのような明示的な記載がない場合であっても他の任意の実施形態で実施することが可能である。

図1は、第1のマイクロフォン2、第2のマイクロフォン3、遅延ユニット4、A/D変換器5、ディジタル信号プロセッサ6、D/A変換器7、音響出力トランスデューサ8、無線送受信機9およびアンテナ10を備えた従来技術の補聴器1を示したブロック概要図である。使用されているときに、補聴器1の第1のマイクロフォン2と第2のマイクロフォン3は、環境からの音を捕捉するとともに、遅延ユニット4によってある方向からの音が選好されるようにこの音を対応する電気的入力信号に変換する。電気的入力信号は次いで、A/D変換器5でディジタル信号に変換されるとともに、DSP6でさらなる処理を受ける。この処理は、たとえば増幅、フィルタ処理および圧縮を含むことがあり、また聴力損失に対する補償のために補聴器調整専門員によって提供される聴力補償処方に従って実行される。聴力損失補償済みのディジタル信号は次いで、音響出力トランスデューサ8を駆動させて補聴器1のユーザの利益に合わせた処理済みの音を再生成するのに適した電気的出力信号に変換するためにD/A変換器7に供給される。

無線送受信機9は、補聴器1のDSP6にアンテナ10によって受信された無線信号を提供する。補聴器1向けとした無線信号はたとえば、リモート制御信号、オーディオストリーム、処方調整電文などで、また補聴器1によって送信される無線信号はたとえば、サービス読出し、別の補聴器への信号処理コーディネーションデータ、同期インパルスなどである。従来技術の補聴器1と連携して使用される無線送受信機9の好ましい構成は2.4GHz周波数帯域におけるディジタル送信スキームを利用しており、これによって補聴器1までの約8〜10mの有効送信範囲を伴った検知可能な送信パワーレベルで動作する外部送信機(図示せず)が提供される。

図2は、前側マイクロフォン13と、後側マイクロフォン14と、電子式送受信機および信号プロセッサ回路15と、アンテナ16と、電池17と、を開示するために一部が切り欠かれた眼鏡の近位側(たとえば、右側)サイドバー11の概要図である。図2にはまた点線によって補聴器ユーザの右側耳介Pを示唆しており、この耳介に使用時に右側眼鏡サイドバー11が置かれることが想定され、また近位側の右側ITE補聴器12が補聴器ユーザの右側外耳道に据えられるように構成される。以下の検討では、左側眼鏡サイドバーおよび左側ITE補聴器についても同様の構成が補聴器ユーザの頭の左側、すなわち、遠位側に配置されるものと仮定している。

使用時に眼鏡サイドバー11内の前側マイクロフォン13と後側マイクロフォン14は、環境から音響信号を捕捉して電気信号に変換し、これが電子式送受信機および信号プロセッサ回路15に供給され、ここで電気信号はアンテナ16を介してITE補聴器12に無線送信するのに適したディジタル信号に変換される。眼鏡サイドバー11の電子式送受信機および信号プロセッサ回路15は、この音響信号を無線で補聴器12に連続してストリーミングする。補聴器12はこのディジタル信号を受信するとともに、眼鏡サイドバー11内の前側マイクロフォン13および後側マイクロフォン14によって捕捉された音響信号を再生成する。

ITE補聴器12の構成はいくつかの実施形態では、図1に示した従来技術の補聴器1と実質的に同様であり、すなわち、眼鏡と連携させるために図2の補聴器12に技術的特徴を追加する必要がないことがある。最初の使用に先立って、眼鏡サイドバー11の電子式送受信機および信号プロセッサ回路15は無線送受信機の通信範囲内に入り、使用時に偶然補聴器の範囲に入った他の無線装置からの無線信号を除外するために相互に対にしなければならない。眼鏡サイドバー11の対応する送受信機および信号処理回路15に対して補聴器12をペアリングする動作は、無線識別電文の単純なやり取りとして実行され、これにより、ペアリングされた装置がオンにされかつ範囲内に入るたびに装置の認識を可能にすることがある。ペアリング動作はたとえば、補聴器が調整される時点で専門の聴覚訓練士によって実行することも可能であるが、ペアリングの手続きはあまり複雑ではないため、補聴器ユーザによって購入後に自宅で同様に容易に実行され得る。

ITE補聴器12と比較して眼鏡サイドバー11の後端部には利用可能な大きな空間があるため、眼鏡サイドバー11では、ITE補聴器12が快適に収め得るものと比べてかなり大きな電池17を保持することが可能であり、したがってITE補聴器12にパワーを供給する電池(図示せず)と同様のタイプの電池が使用された場合に可能となるものより多くのパワーを眼鏡サイドバー11内の送受信機および信号処理回路15に供給することが可能である。これによって、眼鏡型補聴装置システムに対して顕著な少なくとも2つの利点を提供することができる。その第1は、眼鏡型補聴装置システムの眼鏡に2つの補聴器の間で無線送信を伝達するための送信中継器の役割をさせ得ることであり、これにより、補聴器の無線送受信機は2つの補聴器の間の直接の無線通信に関連するかなり過酷なパワー要件から解放される。その第2は、補聴器送受信機に関して要求される有効送信距離が8〜10mから数cm、すなわちITE補聴器12から補聴器ユーザの耳介Pの最上部に配置された眼鏡サイドバー11まで短縮されるために、補聴器の送信パワーが全体として大幅に低減され得ることである。このことはたとえば、補聴器の送信同士の間の待機期間を増大させることによって、または補聴器から送信される電文の継続時間を短縮することによって実現され、したがって、補聴器の送受信機の送信機のデューティサイクルの低減によってパワーを低減させ得る。

1つまたは複数の例示的な実施形態では、近位側眼鏡サイドバーの無線眼鏡送受信機回路15は、たとえば眼鏡の鼻ブリッジ(図示せず)を介して遠位側眼鏡サイドバーの対応する無線眼鏡送受信機回路(図示せず)と電気的に接続されている。この構成によれば、たとえば眼鏡の近位側サイドバー内の無線眼鏡送受信機から眼鏡の遠位側サイドバー内の無線眼鏡送受信機に送信するためのパワーが必要でなくなるため、無線眼鏡送受信機においてパワーを節約し得る。

ユーザの頭から眼鏡が外されて畳まれるごとに、眼鏡サイドバー11内の送受信機および信号処理回路15は自動的にパワーオフされ、眼鏡サイドバー11の無線電子回路15とITE補聴器12との間の無線送信リンクは解除されることが好ましい。これにより、ITE補聴器12はもはや、無線オーディオストリームを受信することができないが、その内部のマイクロフォンによって捕捉された音は再生成する。眼鏡サイドバー11内の電子回路15と補聴器12との間の無線接続をセットアップする間に、補聴器調整士はユーザに対して、ITE補聴器12からの音響出力信号を補聴器ユーザに提供するために、ITE補聴器12の内部のマイクロフォンからの信号が眼鏡サイドバー11内に存在する前側および後側のマイクロフォン13、14から発せられ無線で受信された信号と所定の程度で混合されるカスタマイズ式補聴器調整を提供することができる。これによって、眼鏡が仕舞われるごとに眼鏡からの信号をよりシームレスに切断する。

補聴器12の調整の間に補聴器調整士は補聴器ユーザに対して、補聴器ユーザが使用時に経験し得る多種多様な聴き取り状況に向けた異なる聴き取りプログラムからの選択肢を提供することがある。この調整には、補聴器12と一緒に調整し得る眼鏡の眼鏡サイドバー11の送受信機および信号処理回路15と補聴器12をペアリングするステップを含むことがある。次いで、ITE補聴器12と関連付けられたリモート制御(図示せず)を、たとえば送受信機および信号処理回路15からの無線信号と関連付けられた補聴器12内の1つまたは複数のプログラムを提供するために眼鏡サイドバー11内の送受信機および信号処理回路15を制御するように構成することがあり、前記プログラムはリモート制御によって適当な補聴器プログラムを選択することによって、補聴器ユーザによって起動されており、これによってマイクロフォン13、14からのビーム形成済み信号に関わる1つまたは複数のプログラムが補聴器ユーザに提供される。

いくつかの状況では補聴器12の無線送受信機(図2には図示せず)は、たとえば補聴器12による無線受信を目的としてテレビ受像機からオーディオ信号を無線で送信する装置からの無線信号の受信に困難を生じることがある。このことは、たとえば補聴器12のアンテナ(図示せず)を補聴器自体内の空間的制約のために非常に小さく製作しなければならない場合に該当することがある。眼鏡サイドバー11の送受信機および信号処理回路15の再送信機能、ならびにアンテナ16が補聴器12のアンテナより良好な無線受信機能を有し得ることによって、補聴器調整士はテレビ受像機から無線で送信されたオーディオ信号を受信しかつこれを補聴器12に再送信するように構成される眼鏡サイドバー11の送受信機および信号処理回路15を有効化するプログラムを補聴器ユーザに対して提供するという選択肢を有している。

眼鏡サイドバー11は、眼鏡が補聴器12と一緒に使用されなくなるごとに、電池17によって提供されるパワーを節約するために、送受信機および信号処理回路15をパワーオフにするためのパワースイッチ(図示せず)を備えることがある。このパワースイッチ(図示せず)は、たとえばサイドバー11上に便利に配置されることがあり、または使用と使用との間で眼鏡が仕舞われているときに眼鏡を一緒に畳み込むことによって作動させることがある。

図2に示した実施形態では、眼鏡サイドバー11に2つのマイクロフォン13、14しか示していない。しかし、補聴器ユーザに対してより良好な指向性信号を提供するためには眼鏡サイドバーの各々の中に3つ以上のマイクロフォンを有することが有利になり得る。一実施形態(図示せず)ではマイクロフォンは眼鏡フレーム内に作り付けることがあり、この場合、ユーザによって眼鏡が着用されたときに前方を向くことが好ましい。マイクロフォンの位置決めはまた、眼鏡フレーム自体の選択した構成とマッチングするように選択されることがある。

図3は、一実施形態による眼鏡のサイドバー内に作り付けることを目的とした眼鏡型補聴装置システムの一部を形成する回路21のブロック概要図を示している。回路21は、前側マイクロフォン22、後側マイクロフォン23、遅延ユニット24、マイクロフォン増幅器25、A/D変換器26、送受信機27およびアンテナ28を備える。音響信号は前側マイクロフォン22と後側マイクロフォン23によってそれぞれ捕捉され、本プロセスで電気信号に変換される。図3に示した実施形態では、指向性の情報は遅延ユニット24によって電気信号から取得されているが、当技術分野で周知の他の任意の適当なビーム形成手段を使用してマイクロフォン22および23からの信号から導出し得ることは当業者であれば理解するであろう。この電気信号は、増幅器25によって増幅されかつA/D変換器26においてディジタル信号に変換される。A/D変換器26から出力されたディジタル信号は送受信機27の入力に供給され無線信号に変換されかつアンテナ28を介して無線で送信される。

使用時において回路21は、眼鏡のサイドバー内に配置されるように構成された無線の指向性補聴器マイクロフォンシステムの役割をする。図2に関連して説明したように補聴器12に対してペアリングされた後に、回路21はペアリングされた補聴器からの無線信号が送受信機27によって検出されるまで待機状態となり、これによって、眼鏡がたとえば眼鏡ケースに仕舞われるごとに電池パワーを節約することができる。回路21は待機状態にあるときに、電池パワーを大量に流出させることなく眼鏡を数日間、さらには数週間保管することを可能にするように、パワーをまったくまたはほとんど引き出すことがないように構成されることがある。一方、回路21にパワーを供給する電池(図示せず)は、高パワーのBTE補聴器で使用されるのが典型的である電池タイプと同じタイプとすることができる。このことは、顧客が補聴器の電池を購入する間に眼鏡補聴器システムと一緒に使用するための電池を取得し得るため、調整士と補聴器の販売業者に対する物流の簡略化という利点を有する。補聴器ユーザによって眼鏡が着用されると、送受信機27はペアリングされた補聴器12(図2参照)によって送信された問合わせ信号を検出し、これにより、本質的に前側マイクロフォン22および後側マイクロフォン23によって捕捉された音をディジタルオーディオストリームとして無線で補聴器12に送信する起動状態に入る。

補聴器12は、眼鏡の回路21に対してペアリングされると、回路21の送受信機28からの無線のディジタルオーディオストリームを受信すること、受信したディジタルオーディオストリームを復号すること、復号されたディジタルオーディオストリームに対して聴力損失補償処方に従って補正信号処理を適用すること、および聴力損失補正済みのディジタルオーディオストリームを補聴器ユーザへの音響信号として再生成することが可能である。回路21内の前側と後側のマイクロフォン22、23からそれぞれ発せられるディジタルオーディオストリームは、音環境に関する指向性の情報を備えており、本質的にこの指向性の情報は補聴器に利用可能となり、さもなければ補聴器の内部のマイクロフォンからこの指向性情報を取得する機能を欠くことになる。

一実施形態(図示せず)では補聴器12は、あらゆる内部マイクロフォンの存在を完全には伴わないことがあり、補聴器回路は単に無線送受信機、信号プロセッサ、および音響出力トランスデューサを備えるのみである。この実施形態によれば、補聴器内の空間がたとえばサービス寿命を長くしたより大型の電池向けに解放される。

一実施形態では無線補聴器送受信機は、受信した無線信号のパワーを検出するための手段と、受信した無線信号のパワーが所定の限界を超えるごとにそれ自体の送受信機の送信機のパワーをたとえば送信機の公称パワーの10%まで低減させ、これにより、期待される電池寿命を延ばすための手段と、を備える。パワー消費を低減させ得る提唱される方法の1つは、補聴器から送信される電文の長さを短くすること、または補聴器からの連続する送信の間の待機休止を増大させることによるものである。ただし、選択した送受信機技術および送信プロトコルによって提供される制限および可能性に応じて他のパワー低減方針が利用されることもあり得る。

この実施形態は、無線送信機の受信したパワーが距離の2乗に逆比例すること、すなわち

を活用している。上式において、Prxは受信したパワーであり、Ptxは送信されたパワーであり、Dは距離である。この構成の正味の結果は、補聴器ユーザが眼鏡を着用するごとに補聴器がパワーを節約するように適応され得ることである。このことは、補聴器ユーザが眼鏡を着用したときに、無線送信距離が短くなり、したがって、眼鏡送受信機が対応する補聴器の近くに来るために、補聴器によって検出される送信パワーが所定の限界を超えることに由来する。眼鏡が外されるごとに、無線補聴器受信機は送信パワーの低下を検出し、さらには眼鏡送受信機から受信した無線ディジタルデータストリームからの送信パッケージの喪失が始まることがある。次いで補聴器は、自らの無線送受信機を完全にシャットダウンすることがあるとともに、存在する場合には、その内部のマイクロフォンからの信号が無線送受信機を使用している間抑制されている場合、その内部のマイクロフォンからの信号を再有効化することが好ましい。

図4は、眼鏡部32の対応する窪み34に眼鏡のサイドバー31のピン33を埋め込みかつ眼鏡部32を適当なネジ40によって眼鏡サイドバー31に固定することによって、既存の眼鏡のサイドバー31上に取り付けるように適応させた眼鏡部32の部分分解図である。図4では眼鏡部32は、前側マイクロフォン35、後側マイクロフォン36、電子回路37、アンテナ38および電池39が見えるようにするためにその外側シェルの一部を取り除いた状態で示している。電子回路37は、マイクロフォン35、36からの信号を処理すること、および処理済みのマイクロフォン信号をたとえば補聴器(図示せず)にアンテナ38を介して無線で送信すること、が可能である。使用時に電池39は、眼鏡部32の電子回路37にパワーを提供する。眼鏡部32は、既存の眼鏡のサイドバー31上に当初装着されていた対応する当初の眼鏡部(図示せず)と置き換えられるように適応させている。

眼鏡部32を装着する前にこの当初の眼鏡部(図示せず)は固定用ネジ40を緩めるとともに、眼鏡サイドバー31のピン33から引き抜くことによって取り外されている。眼鏡部32の前側部内に具現化した窪み34は、眼鏡部32を眼鏡サイドバー31に調整したときに眼鏡サイドバー31のピン33を受け容れるように構成されている。眼鏡サイドバー31上で眼鏡部32を調整した後に、固定用ネジ40が締め付けられ、眼鏡部32は眼鏡のサイドバー31に確実に固定されたままとなり、補聴器(図4には図示せず)と一緒に使用する準備が整う。

図5は、既存の眼鏡の眼鏡サイドバー41上に装着されるように適応させた無線眼鏡送受信機装置42を備える一実施形態による眼鏡補聴器システム50の一部を示している。無線眼鏡送受信機装置42は、実質的に細長い溝43、前側マイクロフォン46および後側マイクロフォン47を備える。図5では、無線眼鏡送受信機装置42のハウジングの一部が、無線眼鏡送受信機装置42のハウジング内に配置された電池44、電子回路45およびアンテナ48が見えるように切り取られている。実質的に細長い溝43は、図5に示唆したような眼鏡のサイドバー41を受け容れるように構成されている。無線眼鏡送受信機装置42は、長手方向の溝43によって眼鏡サイドバー41をつかむとともにその一部を収容するように適当に形成された適当なプラスチック材料やエラストマ材料などの実質的に弾力性のある材料から製作されることが好ましい。眼鏡サイドバー41上に装着したときに無線眼鏡送受信機装置42は、ネジ、クランプなどの適当な任意の締結手段によってさらに固定されることがある。

使用時に無線眼鏡送受信機装置42は、補聴器ユーザの側頭部の隣に位置決めされるように、上で示唆したように眼鏡サイドバー41の上に装着される。電子回路45は、前側マイクロフォン46および後側マイクロフォン47によって捕捉された環境からの信号を処理し、処理した信号を補聴器ユーザによって同時に装着されるように意図された補聴器(図示せず)に無線で送信する。図5では、無線眼鏡送受信機装置42を近位側構成で図示している。同様の無線眼鏡送受信機装置(図示せず)は遠位側補聴器(図示せず)と一緒に使用するために遠位側眼鏡サイドバー(図示せず)上に装着されることがあり、本質的に近位側無線眼鏡送受信機装置42の左右対称像として具現化されることがある。無線眼鏡送受信機装置42は、特に眼鏡が比較的薄いフレームであり、そのため眼鏡サイドバー41も比較的薄い場合、既存の眼鏡サイドバー41に対して、眼鏡自体にさらなる修正を行うことなく調整し得るので有益である。

図6は、眼鏡型補聴装置システムの一実施形態の無線機能の取扱いを示したフローチャートである。このフローチャートは、補聴器側から見た取扱いルーチンを示している。以下では、補聴器と無線眼鏡送受信機が、無線信号の範囲内に存在しかつパワーオンとなっていると仮定している。この無線眼鏡送受信機の目的は、眼鏡のサイドバー上またはサイドバー内に配置したマイクロフォンによって捕捉されたオーディオ信号を補聴器に無線でストリーミングすることである。

パワーオンのときに補聴器ファームウェアは、補聴器のブートアップシーケンスを実行するとともに、別の装置が存在しかつ範囲内にあるかどうかを検出するために無線問合わせ電文が送信される、図6の取扱いルーチンのステップ601で無線通信を開始する。無線識別電文が外部の装置から受信されると、取扱いルーチンはステップ602でその外部装置の識別子をメモリ内の信頼可能装置識別リストと比較することによって、その装置が補聴器に対してペアリングされたかどうかをチェックする。その外部装置がリスト内に見出せなかった場合、その外部装置はペアリングされておらず、したがって、さらなる通信を実行可能とする前にペアリング動作を実行しなければならない。

取扱いルーチンはステップ603でペアリングサブルーチンに入り、ペアリングコマンドの受信を待機する。ペアリングコマンドの受信はステップ604でチェックされる。ペアリングコマンドが受信されない場合、ルーチンはステップ603に戻り待機を続ける。ペアリングコマンドが受信されるとルーチンは、補聴器に対する外部装置の実際のペアリングが実行されるステップ605に続き、さらにペアリング手続きが適正に完了したかどうかをルーチンがチェックするステップ606に続く。これが当てはまらない場合、ステップ605のペアリング手続きが反復される。ペアリングがうまくいった場合、ルーチンはステップ607において、ペアリングされた外部装置の識別番号をメモリ内に記憶するとともに、ステップ602にループバックして、ペアリングされた外部装置についての再チェックを実行する。

ステップ602のペアリングチェックが肯定的であった場合にルーチンは、ペアリングされた装置からの無線オーディオストリームの受信を開始するためにオーディオバッファおよび他の通信パラメータが設定されるステップ608の開始シーケンスを実行する。次いでルーチンは、無線で送信されたオーディオのストリーミングブロックが補聴器によって受信されて復号されるステップ609に続く。受信したオーディオストリーミングデータブロックを復号する間に、巡回冗長検査(CRC)が実行されて取扱いルーチンに伝えられ、これをステップ610でチェックする。このチェックによって、受信したデータブロックが補正を受けるべきであると分かった場合、ルーチンは受信した無線信号の受信信号強度インジケータ(RSSI)を検査するステップ611に続く。CRCチェックによって送信エラーが見つかった場合、ルーチンはステップ610から、その無線信号レベルをさらに詳しく検査するステップ616に分岐する。信号レベルが所定の最小値を超えている場合は、データブロックのエラー補正が可能となり得、ルーチンは受信したデータブロックに対してエラー補正が実行されるステップ617に続く。データブロックに対するエラー補正が完了すると、ルーチンはエラー補正済みのオーディオストリーミングデータブロックを再生成するためにステップ613に続く。

しかしステップ616において検査したときに信号レベルが所定の最小値未満である場合にはシステムは、眼鏡サイドバーの送受信機が補聴器の受信範囲を超えたと結論付け、これによりルーチンは無線信号自体が破損したと見なされるステップ618に分岐する。ステップ618からルーチンは、補聴器の無線送受信機の送信機がシャットダウンされるステップ619に続き、ステップ619からルーチンは眼鏡サイドバーのペアリングされた送受信機との無線接続を再構築するためにステップ602にループバックする。

RSSIの取扱いについて以下でさらに詳細に説明する。ステップ611においてRSSIレベルが検査されると、この情報は無線補聴器送受信機の送信機セクションの動作モードを決定するために使用される。RSSIレベルが、図6ではHIで示す所定の値を超えている場合、ルーチンはアルゴリズムによって無線補聴器送受信機の送信機セクションを低パワー送信モードにするステップ612に分岐する。高RSSIレベルが補聴器の非常に近く、すなわち、数センチメートル以内にある眼鏡サイドバー送受信機から発せられるとの仮定の下にこれが実施される。このことはたとえば、補聴器が外耳道内に配置されておりかつ眼鏡が補聴器ユーザの鼻と耳にそれぞれ置かれているときに当てはまることがある。ステップ611で検査されたRSSIレベルが所定の値未満である場合にはルーチンは、ステップ615に分岐して、無線補聴器送受信機の送信機セクションを公称パワー送信モードにする。パワーモードに関するこの取扱いによって、補聴器と眼鏡のサイドバー内の送受信機との間の通信は、眼鏡を一時的に外した場合であっても、有効な方式で可能となる。ステップ612における低パワーモードの実際の取扱いはたとえば、補聴器からの送信の間の待機期間を拡大することによって、または補聴器からの送信の長さを短くすることによって、補聴器送受信機によって実行されることがある。

無線補聴器送受信機の送信機セクションの動作モードが何であるかによらず、ルーチンはステップ612またはステップ615からそれぞれ、オーディオストリーミングデータブロック全体を補聴器のプロセッサの外部信号向けの再生成バッファに配置することによって、受信したオーディオストリーミングデータブロックが補聴器によって再生成されるステップ613に続く。再生成バッファの内容は、無線送信取扱いルーチンと同時に実行されている外部オーディオ再生成ルーチン(図示せず)によって取り扱われる。ステップ613からルーチンは、眼鏡サイドバーの無線送受信機への無線送信に関するアクノレッジ受領が作成されて無線補聴器送受信機の送信機セクションによって送信されるステップ614に続く。ステップ614からルーチンは、次のオーディオストリーミングデータバッファが眼鏡サイドバーの送受信機から無線で受信されるのを待機するためにステップ609にループバックする。

図7は、リモートマイクロフォンシステムとして使用されるように構成された眼鏡補聴器システムを示している。図7では第1の人AがITE補聴器12を着用しており、第2の人Bが眼鏡を着用している。眼鏡サイドバー11は、前側マイクロフォン13と、後側マイクロフォン14と、マイクロフォン13、14によって捕捉された音信号を第1の人Aが着用している補聴器12に無線で送信するための送受信機(図示せず)と、を備える。図7は近位側補聴器12および近位側眼鏡サイドバー11を図示しているが、第1の人Aが遠位側補聴器(図示せず)を着用しかつ第2の人Bが遠位側眼鏡サイドバー(図示せず)を着用していることが含意される。

使用時に第2の人Bは第1の人Aにある距離から話しかける。この話しかけは補聴器12のマイクロフォン(図示せず)によって高い信頼性で捕捉するには弱すぎするが、同時に第2の人Bが着用した眼鏡サイドバー11内に配置されたマイクロフォン13および14が捕捉するには十分に明瞭であることがある。眼鏡サイドバー11内の送受信機(図示せず)はマイクロフォン13、14によって捕捉された話しかけを第1の人Aが着用している補聴器12に無線で送信し、これにより、本質的に第1の人Aの恩恵とするための無線リモートマイクロフォンシステムが構築される。マイクロフォンと送受信機は第2の人Bが着用している眼鏡内に離散的にかつほとんど見えないように組み込まれているため、この無線リモートマイクロフォンシステムは、第2の人Bと第1の人Aとの間の会話を改善する一方で、たとえば第2の人Bの衣服に外部装置を取り付ける場合より目立たない。

特定の実施形態が示され、説明されているが、これは、特許請求の範囲に記載の発明を好適な実施例に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。また、特許請求の範囲に記載の発明の意図及び範囲から逸脱しないような変更および改良がなされ得ることは、当業者にとって明らかであろう。従って、明細書および図面は、限定的ないとよりもむしろ例示であると見なされるべきである。特許請求の範囲に記載の発明は、代替例、改良および均等物を含むことが意図されている。

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