UEモビリティステータスを判定するための方法及び装置

申请号 JP2013519171 申请日 2011-06-29 公开(公告)号 JP5920938B2 公开(公告)日 2016-05-18
申请人 テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル); 发明人 チュアン、ジャンドン; チェン、シシアン;
摘要
权利要求

無線通信ノード(12)において無線ユーザ機器(UE)(10)モビリティステータスを判定するための方法であって、 a−無線チャネル上で通信するUEに関連付けられるUEの測定を実行するステップと、 b−第1の時間において前記無線チャネルのチャネル特性を判定するステップ(S2)と、 c−より遅い第2の時間において前記無線チャネルのチャネル特性を判定するステップ(S3)と、 d−前記第1の時間及び前記第2の時間において判定される前記チャネル特性に基づいて、チャネル特性誤差メトリックを判定するステップ(S4)と、 e−前記チャネル特性誤差メトリックを所定の閾値と比較するステップ(S5)と、 を含み、 当該方法は、 f−前記閾値比較に基づいて、時間及び周波数のうちの少なくとも1つにわたる前記無線チャネルの変動の程度に対応するUEモビリティステータスを判定すること(S6,S7)、を含み、 前記UEモビリティステータスは、チャネル変動のより高い程度を示す、より高いUEモビリティステータスに対応する第1の状態と、チャネル変動のより低い程度を示す、より低いUEモビリティステータスに対応する第2の状態と、を含み、 前記方法は、 ある実行回数の繰り返しにわたり生成される前記UEモビリティステータスの複数の異なるUEモビリティ状態の候補のうちの1つの回数の、繰り返しの前記実行回数による除算結果に対応するイベントレートを判定することと、 判定される前記イベントレートを所定のレート閾値と比較することと、 前記レート閾値との比較に基づいて、前記UEモビリティステータスを判定することと、 をさらに含むこと、 によってさらに特徴付けられる、方法。前記UEモビリティステータスに影響を及ぼす1つの要因は、前記第1の時間から前記第2の時間までの前記UEの移動である、請求項1に記載の方法。前記UEモビリティステータスは、3つ以上の異なるUEモビリティ状態と、2つ以上の異なる所定の閾値と、を含む、請求項1に記載の方法。前記UEモビリティステータスは、UEごとに判定される、請求項1に記載の方法。前記UEモビリティステータスは、少なくとも1つの無線リソースブロックごとに判定され、無線ブロックは、無線通信について複数のUEに同時に割り当てられ得る、請求項1に記載の方法。前記第1の時間及びより遅い前記第2の時間において判定される前記チャネル特性はN個のサブキャリアに基づいて生成され、Nは1よりも大きい整数変数であり、Nの値は所望のノイズ抑制を達成するために充分に大きく設定される、請求項5に記載の方法。前記イベントレートを所定の時間間隔にわたって少なくとも1つの無線リソースブロックごとに判定し、少なくとも1つの無線リソースブロックは、無線通信について複数のUEに同時に割り当てられ得ること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。所定の時間間隔にわたって複数の無線リソースブロックのグループごとに前記イベントレートを判定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。所定の時間間隔にわたってUEごとの前記イベントレートを判定すること、をさらに含む、請求項1に記載の方法。前記UEモビリティステータスの測定は、前記第1の時間における前記UEからのリファレンスシーケンスを含むアップリンク送信を受信することと、当該リファレンスシーケンスを用いて前記第1の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定することと、より遅い前記第2の時間において受信されるリファレンスシーケンスを用いて、前記第2の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定することと、を含む、請求項1に記載の方法。異なるタイプのリファレンスシーケンスが異なるアプリケーションについて用いられる、請求項10に記載の方法。前記第1の時間と前記第2の時間との間の時間間隔は、用いられるリファレンスシーケンスのタイプに依存する、請求項11に記載の方法。各リファレンスシーケンスは、ある数の周波数サブキャリアを用いて通信され、周波数サブキャリアの前記数は、設定に依存し又は前記無線通信ノードによって決定される、請求項10に記載の方法。前記リファレンスシーケンスを処理して前記チャネル特性を判定することは、前記方法の第1のアプリケーションについては無線リソースブロックごとに実行され、前記方法の異なる第2のアプリケーションについてはUEごとに実行される、請求項10に記載の方法。前記UEモビリティステータスの測定は、前記UEから送信されるデータシンボルを含むアップリンク送信を受信することを含み、 前記方法は、 前記データシンボルをデコードすることと、 デコードされた前記データシンボルを精度についてチェックすることと、 前記第1の時間及び前記第2の時間のうちの少なくとも1つにおける、少なくとも1つの正確にデコードされたデータシンボルから再構築される、UEにより送信されたデータシンボルを用いて、前記第1の時間及び前記第2の時間のうちの少なくとも1つにおける前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定することと、 をさらに含む、請求項1に記載の方法。前記データシンボルは、ペイロードデータシンボル又はシグナリングデータシンボルのいずれかである、請求項15に記載の方法。判定された前記UEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプのチャネル推定アルゴリズムが用いられ、判定された前記UEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプのチャネル推定アルゴリズムが用いられるように、判定された前記UEモビリティステータスをアップリンクチャネル推定について用いること、 をさらに含む、請求項1に記載の方法。アップリンクチャネル推定についての前記UEモビリティステータスは、無線リソースブロックごとに判定される、請求項17に記載の方法。ある無線リソースブロックについては第1のタイプのチャネル推定アルゴリズムを用い、別の無線リソースブロックについては異なる第2のタイプのチャネル推定アルゴリズムを用いること、をさらに含む、請求項18に記載の方法。アップリンクチャネル推定についての前記UEモビリティステータスは、複数の無線リソースブロックのグループごとに判定される、請求項17に記載の方法。判定された前記UEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプのMIMOスキームが用いられ、判定された前記UEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプのMIMOスキームが用いられるように前記無線通信ノードにおいて用いられるMIMOスキームを選択するために、判定された前記UEモビリティステータスを用いること、 をさらに含む、請求項1に記載の方法。ダウンリンク閉ループMIMOアプリケーションについてはUEモビリティステータスが低い状態にある1つ以上のUEを識別することと、アップリンクマルチユーザMIMOアプリケーションについてはモビリティステータスが低い1つ以上のUEを識別することと、をさらに含む、請求項21に記載の方法。判定された前記UEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプの適応アンテナビーム形成スキームが用いられ、判定された前記UEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプの適応アンテナビーム形成スキームが用いられるように、判定された前記UEモビリティステータスを前記無線通信ノードにおいて用いられる適応アンテナビーム形成スキームを選択するために用いること、 をさらに含む、請求項1に記載の方法。低いUEモビリティステータスについてはマルチアンテナビーム形成適応が選択され、高いUEモビリティステータスについてはシングルビームアンテナスキームが選択される、請求項23に記載の方法。前記チャネル特性誤差メトリックは、下記のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法:前記第1の時間において判定される前記チャネル特性と前記第2の時間において判定される前記チャネル特性との間の平均誤差、前記第1の時間において判定される前記チャネル特性と前記第2の時間において判定される前記チャネル特性との間の平均二乗誤差、及び、前記第1の時間において判定される前記チャネル特性と前記第2の時間において判定される前記チャネル特性との間の相関。無線通信ノード(10)における無線ユーザ機器(UE)(12)モビリティステータスを判定するための装置であって、 a−無線チャネル上で通信するUEに関連付けられる測定を実行し、 b−第1の時間(H1)において前記無線チャネルのチャネル特性を判定し、 c−より遅い第2の時間(H2)において前記無線チャネルのチャネル特性を判定し、 d−前記第1の時間において判定される前記チャネル特性及び前記第2の時間において判定される前記チャネル特性に基づいて、チャネル特性誤差メトリックを判定し(26,28)、 e−前記チャネル特性誤差メトリックを所定の閾値と比較する(32)、 ように構成されるデータプロセッサを備え、 当該データプロセッサは、 f−前記閾値比較に基づいて、時間及び周波数のうちの少なくとも1つにわたる前記無線チャネルの変動の程度に対応するUEモビリティステータスを判定し(34)、 前記UEモビリティステータスは、チャネル変動のより高い程度を示す、より高いUEモビリティステータスに対応する第1の状態と、チャネル変動のより低い程度を示す、より低いUEモビリティステータスに対応する第2の状態と、を含み、 前記データプロセッサは、 ある実行回数の繰り返しにわたり生成される前記UEモビリティステータスの複数の異なるUEモビリティ状態の候補のうちの1つの回数の、繰り返しの前記実行回数による除算結果に対応するイベントレートを判定し、 判定される前記イベントレートを所定のレート閾値と比較し、 レートの前記閾値比較に基づいて、前記UEモビリティステータスを判定する、 ようにさらに構成されることを特徴とする、装置。前記UEモビリティステータスは、3つ以上の異なるUEモビリティ状態と、2つ以上の異なる所定の閾値と、を含む、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、前記UEモビリティステータスをUEごとに判定するように構成される、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、前記UEモビリティステータスを少なくとも1つの無線リソースブロックごとに判定するように構成され、無線リソースブロックは、無線通信について複数のUEに同時に割り当てられ得る、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、所定の時間間隔にわたり無線リソースブロックごとに前記イベントレートを判定するように構成され、無線リソースブロックは、無線通信について複数のUEに同時に割り当てられ得る、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、所定の時間間隔にわたりUEごとに前記イベントレートを判定するように構成される、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、前記第1の時間におけるアップリンクUE送信においてリファレンスシーケンスを受信し及び使用して、前記第1の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定し、より遅い前記第2の時間における前記アップリンクUE送信においてリファレンスシーケンスを受信し及び使用して、前記第2の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定するように構成される、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、前記リファレンスシーケンスを処理して、第1のアプリケーションについては少なくとも1つの無線リソースブロックごとに、異なる第2のアプリケーションについてはUEごとに、前記チャネル特性を判定するように構成される、請求項32に記載の装置。無線基地局に含まれる、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、アップリンクチャネル推定についての前記UEモビリティステータスを無線リソースブロックごとに判定するように構成される、請求項26に記載の装置。前記データプロセッサは、ある無線リソースブロックについては第1のタイプのチャネル推定アルゴリズムを用い、別の無線リソースブロックについては異なる第2のタイプのチャネル推定アルゴリズムを用いるように構成される、請求項35に記載の装置。前記データプロセッサは、アップリンクチャネル推定についての前記UEモビリティステータスを複数の無線リソースブロックのグループごとに判定するように構成される、請求項26に記載の装置。前記UEモビリティステータスの測定は、前記UEからのデータシンボルを含むアップリンク送信を受信することを含み、 前記データプロセッサは、 前記データシンボルをデコードし、 デコードされた前記データシンボルを精度についてチェックし、 前記第1の時間における第1の正確にデコードされたデータシンボルから再構築される、UEにより送信された前記データシンボルを用いて、前記第1の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定し、より遅い前記第2の時間における第2の正確にデコードされたデータシンボルから再構築される、UEにより送信された前記データシンボルを用いて、前記第2の時間における前記無線チャネルの前記チャネル特性を判定する、 ように構成される、請求項26に記載の装置。

说明书全文

[関連出願] 本願は、2010年7月15日に出願されたPCT親特許出願(PCT/IB2010/002070)の一部継続出願であり、当該出願の開示は、参照によって本明細書に取り入れられる。

本技術は、無線通信に関し、特に、無線チャネル変動を検出することに関する。

本願において、無線チャネルを介して何らかの手法で通信するユーザ機器(UE:user equipment)についての「UEモビリティステータス」という用語は、当該無線チャネルの経時的な変動の程度に対応する。(LTEが非限定的な一例である)セルラ通信システムにおいて、UEのモビリティステータスは、アップリンクチャネル推定、閉ループMIMO、マルチユーザMIMO(v−MIMO)、適応アンテナビーム形成、無線リソーススケジューリング、干渉管理等といった、当該システムによって採用される多くの技術の設計について有用な情報を提供することができる。例えば、UEモビリティステータスが既知である場合、これらの技術は、より有効に且つ効率的であるように設計されることができる。 米国特許出願公開第2007/0147533号明細書は、アグリゲートチャネルを形成する複数のチャネルの知識に基づいて算出されるアンテナ重みと共にビーム形成された信号を送信するための送信アンテナのアレイを採用する。当該アグリゲートチャネルについての特性のセット、例えば、電遅延プロファイル、周波数相関、アグリゲートチャネルの予期されるビーム形成利得、送信アンテナの数、ビーム形成重み適用遅延値、予期されるドップラープロファイル、又は伝搬チャネルの予期される遅延プロファイルなどが算出される。チャネル推定は、算出された特性のセット基づく。国際公開第2010/120217号は、チャネル変動(channel variability)に基づいてチャネル品質情報(CQI:channel quality information)を補償することを説明する。国際公開第2011/007258号は、受信されるリファレンス信号を用いて、チャネル推定技法を選択する。欧州特許第1592139号明細書は、端末からのダウンリンク無線品質情報レポーティングに統計的な処理を実行し、それを用いてダウンリンクトランスポートフォーマットを判定する。米国特許出願公開第2011/0096680号明細書は、リファレンス信号(RS:reference signal)又はサブキャリアの別のセットについて為される他の既知の信号測定に基づいて、OFDM信号における所与のサブキャリアについてのチャネル品質推定を導き出す。サブキャリアの第1のセットについて電力遅延プロファイルが算出され、電力遅延プロファイルの遅延拡散に依存して、第1のチャネル品質推定値を外挿し又は第1のチャネル品質推定値を平均化することによって、第2のチャネル品質推定値が判定される。米国特許出願公開第2008/0049814号明細書は、受信されるパイロットシンボルをフィルタリングすることによってチャネルインパルス応答を各々取得する第1の可変タップ係数フィルタ及び第2の固定タップ係数フィルタを用いてチャネルを推定し、チャネル相関性に従って1つを選択する。

2010年7月15日に出願された親PCT特許出願(PCT/IB2010/002070)は、その開示が参照によって本明細書に包含され、2つのUEモビリティステータスモードを有するように設計されるアップリンクチャネル推定を説明する。当該出願において、チャネル推定は、UEが低いUEモビリティステータスにある場合には平均化アルゴリズムを、UEが高いUEモビリティステータスにある場合には補間アルゴリズムを採用する。こうしたタイプのデュアルUEモビリティステータスモードチャネル推定は、平均化のみ又は補完のみのいずれかを用いるシングルUEモビリティステータスモード推定よりも、様々なチャネル状況下で有効且つ効率的である。ただし、UEモビリティステータスは種々の他のアプリケーション例において用いられ得る。有意な利得を提供する1つのアプリケーション例は、UEがUEモビリティステータス「低」にある場合には閉ループMIMOを、ペアの又はグループ化されるUEがUEモビリティステータス「低」にある場合にはアップリンクv−MIMOを用いることである。

本願において対処する問題は、種々のアプリケーション及び技術において広く用いるためのUEモビリティステータスを、どのようにして有効に、効率的に且つリアルタイムで判定するかである。例えば、ダウンリンク閉ループMIMOのアプリケーションにおいて、UEは、ダウンリンクチャネル品質情報(CQI:channel quality information)を測定し、当該閉ループを形成するアップリンク制御チャネルを介してサービング基地局に当該ダウンリンクCQIをレポートする。これらのUEは、UEモビリティによって引き起こされるダウンリンクチャネル変動がCQIレポーティング期間の時間にわたって充分に小さくなって、レポートされるCQIが実際のチャネル品質をより厳密に且つ正確に表すことを確保するように、ゆっくりと移動しなければならない。そのため、有効に且つリアルタイムでUEモビリティステータスを判定することができるメカニズムが、ダウンリンク閉ループMIMO技術についてその所望の設計利得を達成するために重要である。こうしたタイプのアプリケーションについて、UEモビリティステータスを1ミリ秒の時間スケールで判定するためのアップリンクチャネル推定手続きは、新たなシナリオをカバーするために数百ミリ秒に拡張される必要があり得る。

無線ユーザ機器(UE)モビリティステータスは、無線通信ノードにおいて判定される。無線チャネル上で通信するUEに関連付けられるUEモビリティステータス測定(measurements)が実行される。UEモビリティステータスは、時間及び周波数のうちの少なくとも1つにわたる無線チャネルの変動の度合いに対応する。第1の時間及びより遅い第2の時間における無線チャネルのチャネル特性が判定される。判定されるチャネル特性に基づいて、チャネル特性誤差メトリックが判定され、所定の閾値と比較される。UEモビリティステータスは、閾値比較の1回以上の繰り返しに基づいて判定される。UEモビリティステータスに典型的に影響を及ぼす1つの要因は、第1の時間から第2の時間までのUEの移動である。

一例において、UEモビリティステータスは、チャネル変動のより高い程度を示す、より高いUEモビリティステータスに対応する第1の状態と、チャネル変動のより低い程度を示す、より低いUEモビリティステータスに対応する第2の状態と、を含む。UEモビリティステータスは、3つ以上の異なるUEモビリティ状態と、2つ以上の異なる所定の閾値と、を含んでもよい。

UEモビリティステータスは、UEごと、無線リソースブロックごと(無線リソースブロックは、無線通信について複数のUEに同時に割り当てられ得る)、及び/又は、複数の無線リソースブロックのグループごとに判定されてもよい。

一例において、第1の時間及びより遅い第2の時間において判定されるチャネル特性はN個のサブキャリアに基づいて生成され、Nは1よりも大きい整数変数である。Nの値は、好適には、所望のノイズ抑制を達成するために充分に大きく設定される。

例示的な実施形態において、ステップa〜eが複数回繰り返して実行される。各繰り返しの結果は、複数の異なるUEモビリティ状態の候補のうちの1つに対応するUEモビリティ状態イベントである。UEモビリティステータスは、複数回の繰り返しから結果として得られるUEモビリティ状態イベントに基づいて判定される。ある実行回数の繰り返しにわたり生成される複数の異なるUEモビリティ状態の候補のうちの1つの、繰り返しの当該実行回数による除算結果に対応するイベントレートが判定され得る。判定されたイベントレートは、所定のレート閾値と比較される。UEモビリティステータスは、レートと閾値との比較に基づいて判定され得る。実装例に依存して、イベントレートは、所定の時間間隔にわたって、UEごと、無線リソースブロックごと、又は、リソースブロックのグループごとに判定され得る。

1つの例示的な実施形態は、アップリンク送信されるリファレンスシーケンスを用いてUEモビリティステータスを判定する。第1の時間において受信されるUEからのリファレンスシーケンスが用いられて、当該第1の時間における無線チャネルのチャネル特性が判定され、より遅い第2の時間において受信されるリファレンスシーケンスを用いて、当該第2の時間における無線チャネルのチャネル特性が判定される。異なるタイプのリファレンスシーケンスが、異なるアプリケーションについて用いられ得る。第1の時間と第2の時間との間の時間間隔は、用いられるリファレンスシーケンスのタイプに依存し得る。1つの例示的なアプリケーションにおいて、各リファレンスシーケンスは、ある数の周波数サブキャリアを含み、周波数サブキャリアの当該数は、設定に依存し、又は無線通信ノードによって決定される(made)。リファレンスシーケンスを処理してチャネル特性を判定することは、方法の第1のアプリケーションについては無線リソースブロックごとに実行されることができ、方法の異なる第2のアプリケーションについてはUEごとに実行されることができる。

別の例示的な実施形態は、アップリンク送信されるデータシンボルを用いてUEモビリティステータスを判定する。UEからの受信されるデータシンボルは、デコードされ及び精度についてチェックされる。少なくとも1つの正確にデコードされたデータシンボルから再構築された、UEにより送信されたデータシンボルが用いられて、第1の時間及び第2の時間のうちの少なくとも1つにおける無線チャネルのチャネル特性が判定される。データシンボルは、ペイロードデータシンボル又はシグナリングデータシンボルのいずれかであってよい。

1つの例示的なアプリケーションは、判定されたUEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプのチャネル推定アルゴリズムが用いられ、判定されたUEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプのチャネル推定アルゴリズムが用いられるように、判定されたUEモビリティステータスをアップリンクチャネル推定について用いる。アップリンクチャネル推定についてのUEモビリティステータスは、1つの例示的な実装において無線リソースブロックごとに判定されてもよい。さらに、第1のタイプのチャネル推定アルゴリズムは、ある無線リソースブロックについて用いられることができ、異なる第2のタイプのチャネル推定アルゴリズムは、別のリソースブロックについて用いられることができる。別の例示的な実装において、アップリンクチャネル推定についてのUEモビリティステータスは、複数の無線リソースブロックのグループごとに判定される。

別の例示的なアプリケーションは、判定されたUEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプのMIMOスキームが用いられ、判定されたUEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプのMIMOスキームが用いられるように無線通信ノードにおいて用いられるMIMOスキームを選択するために、判定されたUEモビリティステータスを用いる。UEモビリティステータスが低い状態にある1つ以上のUEがダウンリンク閉ループMIMOアプリケーションについて識別されてもよく、モビリティステータスが低い1つ以上のUEがアップリンクマルチユーザMIMOアプリケーションについて識別されてもよい。

さらに別の例示的なアプリケーションは、判定されたUEモビリティステータスが第1の状態にある場合には第1のタイプの適応アンテナビーム形成スキームが用いられ、判定されたUEモビリティステータスが異なる第2の状態にある場合には第2のタイプの適応アンテナビーム形成スキームが用いられるように無線通信ノードにおいて用いられる適応アンテナビーム形成スキームを選択するために、判定されたUEモビリティステータスを用いる。UEモビリティステータス低についてはマルチアンテナビーム形成適応が選択され、UEモビリティステータス高についてはシングルビームアンテナスキームが選択される。

非限定的な例示的なチャネル特性誤差メトリックは、第1の時間において判定されるチャネル特性と第2の時間において判定されるチャネル特性との間の平均誤差、第1の時間において判定されるチャネル特性と第2の時間において判定されるチャネル特性との間の平均二乗誤差、及び、第1の時間において判定されるチャネル特性と第2の時間において判定されるチャネル特性との間の相関を含む。

UEモビリティステータス測定についての2次元信号モデルの非限定的な例である。

UEモビリティステータス測定についての2次元信号モデルの別の非限定的な例である。

サービングノードと、当該サービングノードのセル又はサービスの地理的な領域内に位置するサービングされるUEとを有するセルラ通信システムを示す。

UEモビリティステータスを判定するためにネットワークノードによって遂行される手続きの例を図示する非限定的なフローチャートである。

ネットワークノードについての処理回路の非限定的な機能ブロック図の例である。

UEモビリティステータス判定の一例を複素空間において図示する図である。

下記の説明は、説明のためであって限定のためではない特定の実施形態などの具体的な詳細を示す。ただし、これらの具体的な詳細以外に他の実施形態が採用され得ることが当業者によって理解されるであろう。幾つかの例において、周知の方法、インタフェース、回路及び装置の詳細な説明は、不必要な詳細で説明を不明瞭にしないように省略される。個々のブロックは、様々なノードに対応する図面において示される。これらのブロックの機能は、個々のハードウェア回路を用いて、適切にプログラムされるデジタルマイクロプロセッサ又は汎用コンピュータと連動してソフトウェアプログラム及びデータを用いて、並びに/又は、特定用途向け集積回路(ASIC:applications specific integrated circuitry)を用いて、並びに/又は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)を用いて、実装され得ることを当業者は理解するであろう。無線インタフェースを用いて通信するノードも、適切な無線通信回路を有する。ソフトウェアプログラム命令及びデータは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に記憶されてもよく、当該命令がコンピュータ又は他の適切なプロセッサ制御によって実行される場合に、当該コンピュータ又はプロセッサは機能を実行する。

従って、例えば、本願における図面は例示的な回路又は他の機能ユニットの概念図を表し得ることが当業者によって理解されるであろう。同様に、任意のフローチャート、状態遷移図、疑似コードなどは実質的にコンピュータ読取可能な媒体において表され、従ってコンピュータ又はプロセッサが明示的に示されるか否かを問わず、コンピュータ又はプロセッサによって実行され得る様々な処理を表すことが理解されるであろう。

図示される様々な要素の機能は、ハードウェア回路、及び/又は、コンピュータ読取可能な媒体に記憶されるコード化された命令の形のソフトウェアを実行することが可能なハードウェアといった、ハードウェアの使用を通じて提供され得る。従って、そのような機能及び図示される機能ブロックは、ハードウェア実装されるもの及び/又はコンピュータ実装されるものとして、従って機械実装されるものとして理解されるべきである。

ハードウェア実装の観点から、機能ブロックは、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、縮小命令セットプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むがこれに限定されない(例えば、デジタル又はアナログ)ハードウェア回路、並びに、(適当な場合には)そのような機能を実行することが可能なステートマシンを含み又は包含し得るが、これらに限定されない。

コンピュータ実装の観点から、コンピュータは1つ以上のプロセッサ又は1つ以上のコントローラを備えると一般的に理解され、コンピュータ、プロセッサ及びコントローラという用語は互換的に採用され得る。コンピュータ、プロセッサ又はコントローラによって提供される場合、単一の専用コンピュータ若しくはプロセッサ若しくはコントローラによって、単一の共有コンピュータ若しくはプロセッサ若しくはコントローラによって、又はそのうちの幾つかは共有され若しくは分散され得る複数の個別のコンピュータ若しくはプロセッサ若しくはコントローラによって、機能は提供され得る。また、「プロセッサ」又は「コントローラ」という用語は、上記に挙げたハードウェアの例など、そのような機能を実行すること、及び/又は、ソフトウェアを実行することが可能な他のハードウェアも指す。

本技術は、任意のセルラ通信システム及び/又はネットワークに適用され得る。本明細書において、無線ユーザ機器(UE)は、任意のタイプのモバイル無線ノード、例えば、移動局(MS:mobile station)、端末、ラップトップ、PDA、小型基地局、センサ、リレー等として理解される。ネットワークノードは、基地局ノード、リレーノード、ピコセル、フェムトセル、パーソナルエリアネットワークノード、eNodeBとして機能するUE、WiFiアクセスポイントなどといった、UEと通信してネットワークとアクセスすることができる任意のノードとすることができる。

UEモビリティは、周波数ドメイン及び時間ドメインの双方において無線チャネル特性に強く影響を及ぼし、周波数及び時間において変動するチャネル応答特性をもたらす無線チャネルフェージング現象を引き起こす。異なるUEモビリティの速さ(speed)は、他のチャネル状況が与えられれば時間及び周波数において異なる程度のチャネル変動を反映し得る異なるドップラー効果を生成する。UEの速さ又は速度(velocity)は、大抵、UEモビリティステータスに影響を及ぼす最も重要な要因であるが、当該速さ又は速度は必ずしも最も重要とは限らず、しばしば他の要因が存在する。関連する要因に関わらず、UEモビリティステータスは、ある期間にわたる、例えば、(移動している又は固定された)UEが測定信号を当該UEのサービングeNodeBに送信する際の、無線チャネル応答特性における変動の程度のメトリックである。UEモビリティステータスは、チャネル変動の程度を反映するために用いられる1つ以上のメトリック、及び、本技術が用いられるシステムのパフォーマンスによって決定され得る1つ以上の設計パラメータの定義に依存する。

システムの1つのタイプは、セルラ通信システムを含む。多くのセルラ通信システムは、何らかの形の直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)技術を用いており、データ送信が幾つかのサブストリームに分割され、各サブストリームが別個のサブキャリア上に変調される。OFDMAベースのシステムは、利用可能な帯域幅を、時間、周波数、符号のうちの2つ、及び/又はこれらの任意の組み合わせによって定義される無線リソースブロック(RBs:resource blocks)にサブ分離する(sub-divide)。非限定的なLTEベースの一例として、リソースブロックは、周波数ドメイン及び時間ドメインにおいて、それぞれ180KHz及び0.5msであり得る。全体の/利用可能なアップリンク及びダウンリンク送信帯域幅は、例えば、20MHz、100MHz等、非常に大きくなり得る。

概観として、ネットワークノードは、UEモビリティ及び他の要因によって引き起こされる無線チャネル応答特性の変動に関連するUEモビリティステータス測定値(measurements)を受信して、2つの固定された時点(time instants)の間のチャネル変動の大きさを推定する。これは、非限定的な1つの例示的な実施形態において、該当する(concerned)UEによって物理アップリンク共有チャネル(PUSCH:physical uplink shared channel)上で送信される復調リファレンス信号(DMRS:demodulation reference signals)、又は、サウンディングリファレンスチャネル上で送信されるサウンディングリファレンス信号(SRS:sounding reference signals)といった、受信される既知のリファレンス信号を用いることによって為され得る。非限定的な別の例示的な実施形態においては、PUSCH又は物理アップリンク制御チャネル(PUCCH:physical uplink control channel)上で受信される、デコードされ、巡回冗長検査された(CRC:cyclic redundancy checked)UEデータも、UEモビリティステータス測定値の精度を改善して、より正確なチャネル推定を達成するために用いられ得る。

双方の例示的な実施形態において、2つの時点間のチャネル応答特性変動の大きさは、所定の大きさの閾値と比較されて、UEについての関連付けられるUEモビリティステータス、例えば、2モードステータス実装におけるステータス「高」又はステータス「低」が最初に決定される。最初の決定の後、好適には、関連付けられるUEモビリティステータスの1回以上の付加的な決定の繰り返しが続いて、特定の回数のUEモビリティステータス判定の繰り返し内でのあるUEモビリティステータスイベントが発生するレートに基づいて最終的な決定が為される。

適切な大きさの閾値、繰り返しの回数、及びレートの閾値を判定するための技法が下記に記載されるが、これらの設計パラメータについての具体的な値は、好適には特定のアプリケーションに依存して判定される。また、UEモビリティステータス判定のために用いられるメトリックは、UEごと、無線リソースブロック(RB)ごと、又は複数のRBのグループごとに処理されてもよい。RBごと又はRBのグループごとの処理は、特定のUEとは独立して実行されてもよい。RBごと又はRBのグループごとのアプローチは、(1)UEの移動は一定のままであっても、異なるRBが周波数ドメインにおいて異なるチャネル変動を経験し得る状況において、(2)特定のUE各々を識別する必要が無いので、実装コストを低減するために、(3)チャネル推定及び最尤合成(MRC:maximum likelihood combining)/干渉低減合成(IRC:interference reduction combining)の独立した並列処理を可能にするために、及び(4)最終的な判定についてレートの測定値を計算するためにより多くの測定イベントを生成するために、有利であり得る。

UEのモビリティステータスを推定し及び判定するために、UEモビリティステータスを有効に且つ好適にはリアルタイムで反映する、UEモビリティについての何らかのタイプの測定値が取得されなければならない。UEのアップリンク無線チャネル特性変動についての経時的な測定値が好適である。図1Aは、UEモビリティステータス測定についての2次元信号モデルである。一方の次元は周波数であり、他方は時間である。例えばLTEシステムにおけるeNodeBの受信機など、ネットワークノードに既知の2つの例示的なリファレンスシーケンス(RS:reference sequences)が、アップリンク無線チャネル上でUEによってネットワークノードへ送信される。この非限定的なLTEの例において、各リファレンスシーケンスは、時間ドメインにおいては1つのシングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC−FDMA:single carrier-frequency division multiple access)シンボルを、周波数ドメインにおいては複数のサブキャリアを占有する。2つのリファレンスシーケンス(シンボル1及びシンボル2)の間の時間間隔(time interval)は、好適には、例えばUEモビリティによって引き起こされる、経時的なチャネル特性変動を有効に反映するのに充分な長さである。さらに、周波数ドメインにおける各リファレンスシーケンスのサブキャリアの数は、好適には、充分なノイズ抑制を可能にする(permit)のに充分な大きさである。しかしながら、2つのリファレンスシーケンスの間の時間間隔、及び周波数ドメインにおける各リファレンスシーケンスのサブキャリアの数は、任意の適切な値を有してもよく、好適には、UEモビリティステータスが重要となる特定のアプリケーション各々に基づいて判定される。

他方で、今述べたリファレンス信号及び2つのパラメータは、標準によって判定され得るかもしれない。例えば、デュアルUEモビリティステータスモードの推定アルゴリズムでのPUSCHチャネル推定のLTEへの適用について、2つの復調リファレンスシーケンスシンボル(DMRS)が当該モデルの2つの通常のリファレンスシーケンスの代わりに用いられてもよい。この場合において、通常の巡回プレフィックス(CP:cyclic prefix)がサブフレームにおいて用いられ、当該サブフレームについてUEにいくつのRBが割り当てられるかに依存して各DMRSのサブキャリアの数がリソースブロック(RB)の整数倍であるとき、2つのDMRSの間の時間間隔は7個の(7)SC−FDMAシンボルである。この例において、サブキャリアの間隔が15KHz離れている場合、RBは12個のサブキャリアを含む。同様に、何らかのアプリケーションについてこのモデルにおいてSRSが用いられる場合、2つの時間的に連続するSRSシンボルが用いられてもよく、関連のある時間間隔及びサブキャリアの数は、標準によって与えられ得る。

図1Bは、UEモビリティステータス測定についての2次元信号モデルの別の非限定的な例である。この実施形態は、無線チャネル、例えばLTEにおけるPUSCH又はPUCCH上で単独で又は1つ以上のリファレンス信号と共に受信される、デコードされ及びCRCをパスした(CRC-passed)データを採用する。図1Bに示される例は、共に用いられることができるデータシンボル及びリファレンスシンボルの双方を示す。あるいは、データシンボルのみが用いられてもよく、又は、時間間隔はデータシンボルとリファレンスシンボルとの間にマーキングされ得る。デコードされ及びCRCをパスしたデータシンボルを用いることにより、アップリンクチャネル推定及びUEモビリティステータス推定の精度を改善することができる。シンボル0に対してシンボル7、シンボル1に対してシンボル8、...、等、様々な手法で1つの時間間隔、例えばTTIにおいてシンボルの複数個のペアが形成されることができる。最初は、時間間隔TTIについて受信されるオリジナルの信号が保存される(saved)。次に、デコードされたデータが、例えば既知の手法で取得され、例えばCRCチェックによって精度がチェックされる。正確にデコードされたデータは、既知の変調符号化スキームを用いて、受信されたTTIにおいてオリジナルのデータ信号についてUEによって送信された、受信された各データシンボルを再構築するために使用される。再構築されたデータシンボルが用いられて、オリジナルに受信された各データシンボルの各サブキャリアサンプルに、再構築された各データシンボルの対応するキャリアサンプルの複素共役を乗じることによって、受信されたオリジナルの信号に含まれる対応するデータ情報が除去される。この乗算の積は、当該サブキャリア及び当該シンボルに対応するチャネル応答サンプルを提供する。正確にデコードされたデータを用いることによって、結果として得られるチャネル応答サンプルは、2つのリファレンスシーケンスシンボルを用いる最初の(first-time)チャネル推定から取得されるものよりも正確であるはずである。その後、通常の巡回プレフィックスが用いられる場合、第1のシンボルにおいてデコードされたデータを用いて推定されるチャネル応答は、第7のシンボルにおいて推定されるものと比較される。同様に、第2のシンボルは第8のシンボルとペアを組むことができるなどである。

下記の表1は、幾つかの典型的なアプリケーションにおいてUEモビリティ測定モデルを用いるための幾つかの非限定的な例を与える。

図2は、セル14と呼ばれる、サービングノードのサービスの地理的な領域内に位置するユーザ機器(UE)12にサービングするサービングノード(システムに依存して、当該サービングノードは、基地局、ノードB、進化型(evolved)ノードB(eNodeB又はeNB)等と呼ばれることができる)を有するセルラ通信システムを示す。通信は、eNB10とUE12との間で双方向的である。eNB10からUE12への通信は、ダウンリンク方向において行われると呼ばれる一方、UE12からeNB10への通信は、アップリンク方向において行われると呼ばれる。図1において与えられるリファレンス信号モデルに基づいて、LTEアプリケーションにおけるPUSCH又はSRSチャネルといったアップリンクチャネル上で、UEのサービング基地局へのリファレンスシーケンス送信を実行しているUEが図示される。

図3は、UEモビリティステータスを判定するためにネットワークノード、例えば図2における基地局、によって遂行される手続きの例を図示する非限定的なフローチャートである。ネットワークノードは、無線チャネル上で通信するUEに関連付けられるUEモビリティステータス測定を実行する(ステップS1)。それらの測定に基づいて、無線チャネルのチャネル特性が、第1の時間において及びより遅い第2の時間において判定される(ステップS2)。ネットワークノードは、第1の時間において判定されるチャネル特性と第2の時間において判定されるチャネル特性とに基づいて、チャネル特性誤差メトリックを判定する(ステップS3)。チャネル特性誤差メトリックは、所定の大きさの閾値と比較される(ステップS4)。当該閾値比較に基づいて、第1の時間とより遅い第2の時間との間の測定期間について、最初のUEモビリティステータス判定が為される(ステップS5)。幾つかのアプリケーションは、この最初のUEモビリティステータス判定だけで充足されるように処理され得る。他のアプリケーションは、複数のUEモビリティステータス判定から利益を受け得る。その場合、ネットワークノードは、複数の測定期間にわたるUEモビリティステータスを判定する(ステップS6)。所定の期間にわたるUEモビリティステータスの各判定結果の発生レートが判定され、当該レートは所定のレート閾値と比較される(ステップS7)。

図4は、図3におけるステップを実行するネットワークノードについての処理回路の非限定的な機能ブロック図の例である。処理回路の各機能がここで説明される。最初に、時間ドメインリファレンス信号シーケンスx1及びx2を含む信号が、例えばネットワークノード又は何らかの他のノードにおける無線回路によって、RFからベースバンドに変換された後に受信され、処理回路10において処理される。FFT(fast frequency transform)ユニット12は、当該信号の時間ドメインリファレンスシーケンスx1及びx2を受信し、それらを周波数ドメインに変換する。シーケンス除去ユニットは、ネットワークノードにとって既知である、x1*及びx2*によって表される各リファレンスシーケンスの複素共役に受信信号を乗じることによって、2つのリファレンスシーケンスをこれらのそれぞれの受信信号から除去する。シーケンス除去は、x1及びx2にそれぞれ対応するチャネル周波数応答シンボルを表すH1及びH2を生成する。

実際には、H1及びH2は、送信の期間にノイズ及び干渉と混ざることがあり、従って、UEモビリティステータスを判定するためにH1及びH2が用いられる前に、H1及びH2は、ノイズ抑制フィルタリングによってさらに処理される必要がある。一般に、このノイズ抑制フィルタリングは、周波数ドメイン又は時間ドメインのいずれかにおいて為されることができる。図4は、時間ドメインフィルタ18が用いられる非限定的な例を示す。例えば、UEのペアから180度オフセットされる2つの同一のDMRSが同じ周波数リソース及び時間リソースを占有する技術のアップリンクv−MIMOアプリケーションを考慮されたい。このような例示的な状況下では、H1及びH2の各々は、1つのUEに各々対応する2つのチャネル周波数応答を含み、これらはフィルタリングによって分離されなければならない。2つのペアのUEからの2つのリファレンスシーケンス間の180度のオフセットを活かすために、時間ドメインにおけるフィルタリングがここでは好適である。時間ドメインフィルタリングは、有効な任意の形態とすることができる。例えば、最大サンプルベースの時間ウィンドウフィルタは、v−MIMOを用いるPUSCHチャネル推定のアプリケーションにおけるこの時間ドメインフィルタリングについての良い候補となり得る。このタイプのフィルタリングは、入力時間シーケンスのうち最大の大きさのサンプルの位置を特定し(locates)、時間ウィンドウを用いて当該最大のサンプルから十分に遠いサンプルを除外する(filter out)。フィルタは、最大のサンプルの周囲の残りのサンプルを出力する。時間ウィンドウの幅は、配置されるサイトにおけるチャネル応答の最大の時間拡散に依存する設計パラメータである。時間ドメインフィルタリングを実行するために、IFFTユニット16及びFFTユニット20が必要である。IFFTユニット16は、H1及びH2周波数応答を時間ドメインに変換し、FFTユニット20は、時間フィルタ出力を周波数ドメインに変換する。

スプリッタユニット22は、x1及びx2に対応する2つのチャネル周波数応答シーケンスを表す2つの時間ドメインフィルタリングされた複素シーケンスH1及びH2を分割する。これら2つの周波数ドメイン複素シーケンスは、UEモビリティステータス判定手続きへの入力である。2つの異なる時間におけるチャネル周波数応答シーケンス間の誤差を生成するために、スプリッタ22は、H1及びH2を2つの異なるパスにルーティングする。例えば、H1は遅延ユニット24において遅延される。遅延ユニットは、H1とH2との間のタイミング差を補償する。遅延の量は、2つのリファレンスシーケンス間の時間間隔に基づいて判定されてもよく、好適には、技術の適用にも依存する。誤差判定ユニット26は、H1とH2との間の誤差、例えばサンプルごとにH1をH2から減算した差を判定し、これはRBにおけるサブキャリア上の信号に対応する。これを達成するための数学的な詳細は、下記の式において示される。

誤差は、1つ以上の基準に基づいて誤差処理ユニット28によって処理される。誤差処理アルゴリズムは、当該メトリックに基づいてUEモビリティステータスの有効な判定を可能にする有意義なメトリックを提供する任意の形とすることができる。非限定的な例示的なメトリックの候補がここで説明される。

1つの例示的なメトリックは、平均誤差メトリックであってもよい。H1及びH2の平均誤差は、例えば下記のように算出され得る。ここで、Nは、H1及びH2によって含まれるサブキャリアの数である:

図5は、f(H1)の大きさによって正規化されるこのメトリックの生成の幾何学的説明を示す。

別の例示的なメトリックは、H1及びH2の平均二乗誤差を算出する平均二乗誤差である。例示的な計算は、H1及びH2の同じ定義と共に下記に提供される。

第3の例は、H1及びH2の大きさの積によって正規化されるH1とH2との間の相関を算出する正規化相関メトリックである。下記の計算は、H1とH2の同じ定義を用いる。

ここで、( )*は、その複素共役を表す。

前述したように、メトリックは、当該メトリックが有意義であって、UEモビリティに起因するチャネル特性変動を反映するのに有効である限り、任意の形式とすることができる。誤差メトリックの一般的な形式は、g(H2,H1)によって表される、H1とH2との間の誤差の関数として記述され得る。g(H2,H1)は、閾値のセットによって定義され及び判定される限定された数の離散的な(discrete)UEモビリティ状態(states)の観点での、UEモビリティステータスの指標である。1つの閾値を用いると、2つのUEモビリティ状態、即ち、ステータス「低」及びステータス「高」が定義される。このようなUEモビリティに関する2つの状態の情報は、多くのアプリケーションについて充分である。ただし、UEモビリティステータスのさらなる粒度(granularity)から利益を受けるであろうアプリケーションについてどれが有益であり得るのかに依存して、UEモビリティ状態の数は2より大きくし得る。例えば、2つの閾値を用いて3つのUEモビリティ状態が定義され、3つの閾値を用いて4つのモビリティ状態が定義され得る等である。

ユニット28における誤差処理は、「UEごと」、「RBごと」又は「RBのグループごと」に実行され得る。UEごとに処理されるリファレンスシーケンス処理は、処理が各UEに対するものであることを意味する。ただし、占有される周波数帯域全体は、当該帯域が1つのUEによって用いられるのか、又は複数のUEによって用いられるのかに関わらず、全体として取り扱われてもよい。この場合、誤差メトリックは(UEごとの代わりに)RBごとに判定され、各特定のRBにわたりチャネル特性応答がどのくらい変動するかを1つ以上の適切に設計される閾値に従って示す。UEごとの処理と比較すると、このタイプの処理(handling)は、アップリンクチャネル推定など、幾つかのアプリケーションについてさらなる利益をもたらし得る。

例えば、PUSCHチャネル推定及びデュアルUEモビリティステータス(「高」/「低」)アルゴリズムを用いるアプリケーションを考慮されたい。目標は、UEが一定の速さで移動するとしても、異なるRBが周波数ドメインにおける異なるチャネル変動を経験し得るという事実を活用することである。これは、チャネル推定が、チャネル変動からの周波数ダイバーシティを活かすために異なるRBを計算に入れる(account for)ことを可能にする。

RBごとの処理の別の利益は、各特定のUEを識別する必要がもはやないという理由で低減される実装コストである。UE識別の除外は、他のタスクのための処理リソースを解放する。RBごとの処理の別の利益は、チャネル推定及びMRC/IRC合成(combining)の並列処理が可能になること(enablement)である。MRC/IRC合成はRBごとに為されることができるため、帯域全体のチャネル推定が完了するまで待機する必要がない。RBごとの処理による別の利益は、より多くの測定イベントが生成されて、レート測定値を統計的に改善することができることである。

下記の非限定的な例示的なステップは、アップリンクチャネル推定を例にとり、ユニット28によるRBごとの誤差処理を実行するために用いられ得る。第1に、(この例において)15KHzの周波数間隔に対して各RBについてのサブキャリアの数のパラメータNを12に設定する。第2に、RBごとに、アップリンクチャネル推定に関与する周波数帯域の様々な部分を占有するUEとは独立に、誤差メトリックを算出する。第3に、各RBの誤差メトリックを予め定義される大きさの閾値と比較することによって、2つの異なる時点にまたがる各RBにわたるチャネル変動を判定する。最後に、UEモビリティステータスが「低」である場合には平均化アルゴリズム、又は、UEモビリティステータスが「高」である場合には補間アルゴリズムを、チャネル推定のために各RBに適用する。

前述したように、パラメータNの値は、好適には、ノイズ抑制に対して充分に大きい。Nがあまりに小さい場合、ノイズ抑制フィルタリングはあまりに弱くなり、メトリックの精度に不利な影響を及ぼし得る、算出されるメトリックにおける多量の残存するノイズを残す。RBごと又はRBのグループごとの誤差処理について、これは問題ではない。なぜなら、例えば12個のサブキャリアを含むRBは、パラメータNがノイズ抑制に対して小さすぎないことを確保し、残りの効果は閾値の大きさを適切に選択することによってさらに低減されることができるからである。そのため、UEモビリティステータス判定の充分な精度は、RBごとの誤差処理について実現することができる。他方、LTEシステムにおける単一のRBは、180KHzの帯域幅を有し、これは、多くのアプリケーションにおける周波数キャリアにおけるほとんどのフェージングチャネルのコヒーレント帯域幅よりも小さい。結果として、RB内のチャネル周波数応答の変動は、通常小さい。メトリックを算出する前に各RBのチャネル特性応答に移動平均を実行することによって、チャネル特性応答への移動平均により生成される著しい歪みの影響を被ることなく、ノイズ抑制はさらに強化されることができる。

図4に戻ると、大きさ判定ユニット30は、処理された誤差メトリックの大きさを判定する。処理された誤差メトリックの大きさは、閾値ユニット32によって比較されて、チャネル変動の程度についての最初の判定が為される。処理された誤差メトリックの大きさは、次いで、閾値ユニット32において閾値と比較される。単一の閾値の例について、誤差メトリックの大きさが当該閾値を超える場合、UEモビリティステータスはステータス「高」であると判定され、そうでない場合にはステータス「低」である。

この閾値処理の例は、平均誤差メトリックの例と共に図5においてグラフを使って表現される。複素平面は、その半径が閾値に等しい円によって2つの決定領域に分離される。誤差メトリックが円の領域に入る場合、2つの時点にまたがるチャネル特性応答の小さな変動に起因してUEモビリティステータスはUEモビリティステータス「低」の状態にある。そうでない場合、UEはUEモビリティステータス「高」の状態にある。

レーティング及び最終判定ユニット34は、閾値ユニット32から決定を受信する。1つの誤差はUEモビリティ判定について充分であり得るが、複数の異なる時点にわたって誤差判定及び閾値処理が複数回繰り返して実行される場合には、より良好な結果が取得され得る。レーティング及び最終判定ユニット34は、各UEモビリティステータスという結果になった繰り返しの回数をカウンティングすることができる。例えば、UEモビリティステータス「低」又はUEモビリティステータス「高」(本例においては2つのUEモビリティ状態のみを仮定する)は、最初のUEモビリティ判定に加えて、後続のM回にわたる繰り返しによって判定される。ここで、Mは整数である。レートrは、2つの状態の例において、

と定義され得る。複数回の繰り返しの状況において、最終的なUEモビリティステータス判定は、レートと閾値との比較に基づく。r>Rの場合、UEはUEモビリティステータス「低」にある。そうでない場合、UEはUEモビリティステータス「高」にある。ここで、Rは、例えば0と1との間の所定の実数である。

ユニット34による「イベントカウンティング」のための幾つかの非限定的な例示的な方法が、非限定的な2つのUEモビリティ状態(「高」/「低」)の状況について、ここで説明される。一例において、送信時間間隔(TTI:transmission time intervals)ごとに2つのリファレンスシンボルを用いるRBごとに、イベントはカウンティングされてもよい。TTIごとの各RBについての算出されるメトリックが閾値よりも大きい場合、イベント「高」がカウンティングされる。そうでない場合、イベント「低」がカウンティングされる。別の例は、TTIごとに2つのリファレンスシンボルを用いるUEごとにイベントをカウンティングする。TTIごとの各UEについての算出されるメトリックが閾値よりも大きい場合、イベント「高」がカウンティングされる。そうでない場合、イベント「低」がカウンティングされる。第3の方法は、イベント「低」又はイベント「高」を算出するためにサウンディングリファレンス信号(SRS)を用いる。少なくとも2ミリ秒だけ離れた2つの隣接するSRSシンボルが用いられて、メトリックが算出される。算出されるメトリックが閾値よりも大きい場合、イベント「高」がカウンティングされる。そうでない場合、イベント「低」がカウンティングされる。別の方法は、CRCチェック又は同様のものをパスした後に、例えばPUSCH又はPUCCHからの、デコードされるデータを用いて推定されるチャネル応答を用いる。予め定義される間隔だけ離れた2つの正確にデコードされるデータシンボルは、まずこれらの対応するチャネル応答を推定するために用いられ、次いで前述の(previous)方法と同様の手法でメトリックを算出するために用いられる。算出されるメトリックが閾値よりも大きい場合、イベント「高」がカウンティングされる。そうでない場合、イベント「低」がカウンティングされる。

閾値ユニット32において用いられる閾値のような設計パラメータM及びRは、任意の適切な値であってよい。適切な値を判定するための1つの非限定的な例示的な方法は、用いられるべきアプリケーションの観点からのパフォーマンスシミュレーション及びラボテストによるものである。ステップ1:適当なリファレンスシーケンスタイプ(例えば、DMRS、SRS、PUSCH、又はPUCCH)、時間間隔、及び誤差処理オペレーションモード(UEごと、RBごと、又はRBのグループごとの処理)が判定され、UEモビリティステータスを知得する必要がある特定の技術アプリケーション、及び、パフォーマンスと実装の複雑さとの間の設計トレードオフに基づいてもよい。これは、メトリックの算出において用いられるサブキャリアの数を判定する。1つの非限定的な例として、RBごとの誤差処理が用いられる場合、Nは12であり得る。ステップ2:状態の数、及び各状態を識別することができる対応する閾値の数が、当該アプリケーションについて判定される。ステップ3:算出において用いられるべきメトリックのタイプが、パフォーマンスと実装の複雑さとの間の設計トレードオフに基づいて選択され得る。ステップ4:パフォーマンスシミュレータが、例えばLTEシステムといったシステム及びアプリケーションの要件について作られる。シミュレータは、リファレンス信号モデルを用いるリファレンスシーケンス送信、SRS信号送信、UEアップリンクチャネル推定についてのPUSCH送信又はPUCCH送信、UEモビリティマネジメント及び図4に示されるユニットの機能性をシミュレーションする。ステップ5:シミュレーションがコンピュータ上で実行されて、種々のチャネル状況下での閾値、M及びRの様々な値について、信号対干渉雑音比に対するブロック誤り率などのシステムパフォーマンス曲線が生成される。特定のアプリケーションに依存して、他の曲線が用いられてもよい。ステップ6:当該アプリケーションについて意図される目標/目的を達成するために、要求される閾値、M及びRが、シミュレーションから生成されるパフォーマンス曲線に基づいて選択される。閾値、M及びRの選択後、選択された値を微調整するために、ラボテストによる検証は有益であり得る。

様々な実施形態が示され及び詳細に説明されたが、特許請求の範囲は任意の特定の実施形態又は例に限定されない。上記説明はいずれも、任意の特定の要素、ステップ、範囲又は機能が必須であり、それが特許請求の範囲に含まれなければならないことを暗示するものとして読まれるべきではない。特許される主題は、特許請求の範囲によってのみ定義される。法的保護の範囲は、許可される請求項において記載される文言及びそれらの均等物によって定義される。当業者に既知の上述された好適な実施形態の要素の構造的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に取り入れられ、本願の特許請求の範囲によって包含されることが意図される。さらに、ある装置又は方法が、述べられた技術によって解決されるべきあらゆる課題に対処する必要はなく、それは本願の特許請求の範囲によって包含されるべきである。いずれのクレームも、「ための手段(means for)」又は「ためのステップ(step for)」という文言が用いられない限り、米国特許法第112条の第6パラグラフの適用を受けることを意図しない。さらに、本明細書におけるいかなる実施形態、特徴、コンポーネント、又はステップも、当該実施形態、特徴、コンポーネント、又はステップが特許請求の範囲において記載されるかに関わらず、公衆に開放されることを意図するものではない。

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