協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラム |
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申请号 | JP2014526708 | 申请日 | 2013-03-22 | 公开(公告)号 | JP5884909B2 | 公开(公告)日 | 2016-03-15 |
申请人 | 日本電気株式会社; | 发明人 | 清水 大晃; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 対向局からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段と第二指向手段とを協調させて制御する協調制御装置であって、 自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を取得する位置情報取得手段と、 前記位置情報取得手段が取得した前記自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を用いて、前記第一指向手段の位置情報による目標角度を算出する指向角度生成手段と、 前記第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用することによって、前記指向角度生成手段により算出した前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去するための前記第一指向手段の運動学を用いた目標角度に換算する換算手段と、 前記換算手段により換算された前記第一指向手段の前記運動学を用いた目標角度から前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を減算して得られる前記第一指向手段の目標誤差角度を積算する積算手段と、 前記積算手段が積算した前記第一指向手段の前記目標誤差角度を、前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度に加算して、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去することが可能な前記第一指向手段の協調制御時の目標角度として出力する加算手段と、 を備えている協調制御装置。前記積算手段は、あらかじめ定めた周期の演算周期毎に前記積算手段により前記第一指向手段の前記目標誤差角度の積算動作を実施することを特徴とする請求項1に記載の協調制御装置。前記第一指向手段の指向角度が、前記第一指向手段の前記協調制御時の目標角度に到達するまでの間、前記積算手段における積算動作を停止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の協調制御装置。前記第一指向手段および前記第二指向手段の回転軸は、2軸以上の複数軸からなり、前記換算手段において、前記第一指向手段および前記第二指向手段の二つの指向手段のうち、前記指向角度誤差を除去しようとする前記第二指向手段の複数軸それぞれの指向角度誤差を、前記第一指向手段の複数軸それぞれの指向角度誤差に運動学的定式化により換算することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の協調制御装置。第三指向手段をさらに備え、前記換算手段において、複数の指向手段のうち、前記指向角度誤差を除去しようとする指向手段の指向角度誤差を残りの指向手段それぞれの指向角度誤差に運動学的定式化により換算することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の協調制御装置。対向局からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段と第二指向手段とを協調させて制御する協調制御方法であって、 自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を取得する位置情報取得ステップと、 前記位置情報取得ステップが取得した前記自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を用いて、前記第一指向手段の位置情報による目標角度を算出する指向角度生成ステップと、 前記第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用することによって、前記指向角度生成ステップにより算出した前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去するための前記第一指向手段の運動学を用いた目標角度に換算する換算ステップと、 前記換算ステップにより換算された前記第一指向手段の前記運動学を用いた目標角度から前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を減算して得られる前記第一指向手段の目標誤差角度を積算する積算ステップと、 前記積算ステップが積算した前記第一指向手段の前記目標誤差角度を、前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度に加算して、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去することが可能な前記第一指向手段の協調制御時の目標角度として出力する加算ステップと、 を有している協調制御方法。前記積算ステップは、あらかじめ定めた周期の演算周期毎に前記積算ステップにより前記第一指向手段の前記目標誤差角度の積算動作を実施することを特徴とする請求項6に記載の協調制御方法。前記第一指向手段の指向角度が、前記第一指向手段の前記協調制御時の目標角度に到達するまでの間、前記積算ステップにおける積算動作を停止することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の協調制御方法。前記指向手段として、第三指向手段をさらに備え、前記換算ステップにおいて、複数の指向手段のうち、前記指向角度誤差を除去しようとする指向手段の指向角度誤差を残りの指向手段それぞれの指向角度誤差に運動学的定式化により換算することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の協調制御方法。コンピュータに、 請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の協調制御方法に基づく処理を実行させることを特徴とする協調制御プログラムが格納された記録媒体。 |
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说明书全文 | 本発明は、協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムに関し、特に、対向局からの光信号の受信用に用いる二つの指向手段において、第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用して求められる第一指向手段の指向角度誤差を演算周期毎に順次積算した積算結果を用いることにより、第一指向手段の指向角度が該第一指向手段の目標角度に到達することができ、第二指向手段の指向角度誤差をキャンセルすることが可能な協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムに関する。 非特許文献1の"光空間通信における機上搭載追尾制御系の協調制御アルゴリズム"(清水大晃ら、第49回飛行機シンポジウム)に記載された関連技術においては、対向局と光空間通信を行う際に、対向局からの光信号を追尾して受光することを可能にする指向手段として、第一指向手段(例えばジンバル)と該第一指向手段上に精追尾用として設置した第二指向手段(例えばFPM:Fine Pointing Mechanism(精追尾機構))との二つの指向手段を備えている。ここで、第二指向手段の指向角度誤差αと第一指向手段の指向角度θg、目標角度θ'gとの間には、次の式(1)の運動学的/幾何学的変換式に示す関係が成立する。 なお、式(1)には、簡素化のために、1軸のみについて示している。ここで、 α:第二指向手段指向角度誤差 θg:対向局と自局との位置情報(例えば、GPS(Global Positioning System)により測位した位置情報)から求められる第一指向手段指向角度 θ'g:第二指向手段指向角度誤差αを第一指向手段指向角度誤差に運動学的に換算したものに対して第一指向手段指向角度θgを加算して得られる第一指向手段目標角度 ここで、前記非特許文献1においては、第二指向手段の指向角度誤差αを、式(1)を用いて、第一指向手段の指向角度誤差(θ'g−θg)に換算して、第一指向手段の指向角度をθgから目標角度θ'gに制御することによって、第二指向手段の指向角度誤差αをキャンセルすることができるものとしている。なお、式(1)は、CPU(Central Processing Unit)のあらかじめ定めた演算周期毎に計算される。 清水大晃ら(日本電気株式会社)、"光空間通信における機上搭載追尾制御系の協調制御アルゴリズム"、第49回飛行機シンポジウム、平成23年10月。
しかしながら、前記非特許文献1に記載の技術は、図5の実線l1にて示すように、第一指向手段の指向角度をθgから第一指向手段の目標角度のθ'gに向けて回転させ始めると、同時に、図5の長破線l2にて示すように、第二指向手段の指向角度誤差αも解消し始めてしまう。その結果、図5の短破線l3にて示すように、式(1)により、第一指向手段の目標角度が変化して、θ'gからθ"gに変わってしまう。このため、第一指向手段の指向角度は、当初の目標角度であったθ'gには到達することができず、θ"gまで回転した状態で落ち着いてしまうことになる。また、第二指向手段の指向角度の誤差についてもαから'0'になってキャンセルされることはなく、α"になってしまう。したがって、第二指向手段の指向角度の誤差αをキャンセルすることができないという問題が生じてしまう。図5は、前記非特許文献1に記載の従来の技術の課題を説明するための説明図であり、説明を簡素化するために、 α=θ'g−θg として説明している。 (本発明の目的) 本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたものであり、光信号の受信用に用いる二つの指向手段において、第一指向手段の指向角度を第一指向手段の目標角度に確実に到達させ、第二指向手段の指向角度誤差を確実にキャンセルすることが可能な協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムを提供することを、その目的としている。 前述の課題を解決するため、本発明による協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムは、主に、次のような特徴的な構成を採用している。 (1)本発明による協調制御装置は、対向局からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段と第二指向手段との二つの指向手段を協調させて制御する協調制御装置であって、 自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を取得する位置情報取得手段と、 前記位置情報取得手段が取得した前記自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を用いて、前記第一指向手段の位置情報による目標角度を算出する指向角度生成手段と、 前記第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用することによって、前記指向角度生成手段により算出した前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去するための前記第一指向手段の運動学を用いた目標角度に換算する換算手段と、 を少なくとも備えた協調制御装置において、 前記換算手段により換算された前記第一指向手段の前記運動学を用いた目標角度から前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を減算して得られる前記第一指向手段の目標誤差角度を積算する積算手段と、 前記積算手段が積算した前記第一指向手段の前記目標誤差角度を、前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度に加算して、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去することが可能な前記第一指向手段の協調制御時の目標角度として出力する加算手段と、 をさらに備えていることを特徴とする。 (2)本発明による協調制御方法は、対向局からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段と第二指向手段との二つの指向手段を協調させて制御する協調制御方法であって、 自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を取得する位置情報取得ステップと、 前記位置情報取得ステップが取得した前記自局と前記対向局との位置情報あるいは該位置情報および自局と前記対向局との姿勢情報の双方を用いて、前記第一指向手段の位置情報による目標角度を算出する指向角度生成ステップと、 前記第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用することによって、前記指向角度生成ステップにより算出した前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去するための前記第一指向手段の運動学を用いた目標角度に換算する換算ステップと、 を少なくとも有する協調制御方法において、 前記換算ステップにより換算された前記第一指向手段の前記運動学を用いた目標角度から前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度を減算して得られる前記第一指向手段の目標誤差角度を積算する積算ステップと、 前記積算ステップが積算した前記第一指向手段の前記目標誤差角度を、前記第一指向手段の前記位置情報による目標角度に加算して、前記第二指向手段の指向角度誤差を除去することが可能な前記第一指向手段の協調制御時の目標角度として出力する加算ステップと、 をさらに有していることを特徴とする。 (3)本発明による協調制御プログラムは、少なくとも前記(2)に記載の協調制御方法を、コンピュータによって実行可能なプログラムとして実施していることを特徴とする。 本発明の協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。 すなわち、対向局からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段と第二指向手段との二つの指向手段において、第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用して第一指向手段の指向角度誤差を求め、さらに、求められた第一指向手段の指向角度誤差を目標誤差角度として積算した結果を用いることによって、第一指向手段の目標角度を算出することにしているので、第一指向手段の指向角度を第一指向手段の目標角度に確実に到達させることが可能となり、第二指向手段の指向角度誤差を確実にキャンセルすることができる。 本発明の実施形態に係る協調制御装置のブロック構成の一例を示すブロック図である。 図1の協調制御装置における協調制御時の目標角度の演算動作の一例を説明するための演算フローチャートである。 図1の協調制御装置の積算器における積算の効果を説明するための説明図である。 図1の協調制御装置の積算器における積算動作に対する演算周期の変化による影響の一例を説明するための説明図であり、図3の説明図の演算周期の(1/2)に半減した演算周期に設定した場合の動作を示す。 図1の協調制御装置の積算器における積算動作に対する演算周期の変化による影響の一例を説明するための説明図であり、図3の説明図の演算周期と同一の演算周期に設定した場合の動作を示す。 従来の技術の課題を説明するための説明図である。
以下、本発明による協調制御装置、協調制御方法および協調制御プログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による協調制御装置および協調制御方法について説明するが、かかる協調制御方法をコンピュータにより実行可能な協調制御プログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、協調制御プログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。 (本発明の特徴) 本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、対向局と光空間通信を行う際に、前記非特許文献1の場合と同様に、対向局からの光信号を追尾して受光することを可能にする指向手段として、第一指向手段(例えばジンバル)と該第一指向手段上に精追尾用として設置した第二指向手段(例えばFPM:Fine Pointing Mechanism(精追尾機構))との二つの指向手段を備えている。ここで、本発明は、前記非特許文献1とは異なり、第二指向手段の指向角度誤差に運動学を適用して第一指向手段の指向角度誤差を求め、さらに、求められた第一指向手段の指向角度誤差を積算した結果を用いて、第一指向手段の目標角度を算出することによって、第一指向手段の指向角度を第一指向手段の目標角度に到達させることを可能にすることを主要な特徴としている。 より具体的には、本発明は次のような仕組みを採用している。まず、自局と対向局との位置情報を用いて、第一指向手段の位置情報による目標角度を算出して、さらに、算出した第一指向手段の位置情報による目標角度を、運動学を適用して、第二指向手段の指向角度誤差を除去するための第一指向手段の運動学を用いた目標角度に換算する。 しかる後、換算した第一指向手段の運動学を用いた目標角度から第一指向手段の位置情報による目標角度を減算した第一指向手段の目標誤差角度を演算周期毎に順次積算していく。 さらに、前記演算周期毎に積算した目標誤差角度の積算結果に、第一指向手段の位置情報による目標角度を加算することによって、第二指向手段の指向角度誤差を除去することが可能な第一指向手段の協調制御時の目標角度として出力するという動作を行うことを主要な特徴としている。 而して、第二指向手段の指向角度誤差を確実にキャンセルすることができるという効果を奏することが可能になる。 (実施形態の構成例) 次に、本発明による協調制御装置の実施形態についてその構成例を図1のブロック図を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る協調制御装置のブロック構成の一例を示すブロック図である。図1に示す協調制御装置100は、自局1と対向局2との間で光空間通信を行う場合を例にとって説明しており、対向局2側の協調制御装置100のブロック構成については、以下の説明において必要とするブロックのみを記載し、他のブロックについては記載を省略して示している。 図1の自局1側に示すように、協調制御装置100は、第一指向手段3、第二指向手段4、第一指向手段角度センサ5、第二指向手段角度センサ6、受光センサ7、自局位置情報取得器8、第二制御器9、第二ドライバ10、第一制御器11、第一ドライバ12、レーザ発生器13、対向局位置情報取得器14、位置情報による指向角度生成器15、換算器16、積算器17、および、加算器18を少なくとも含んで構成されている。つまり、協調制御装置100は、対向局2と光空間通信を行う際に、対向局2のレーザ発生器13からの光信号を追尾して受光することを可能にする指向手段として、第一指向手段3(例えばジンバル等の粗制御用の指向手段)と該第一指向手段3上に精追尾用として設置した第二指向手段4(例えばFPM:Fine Pointing Mechanism(精追尾機構)等の精制御用の指向手段)との二つの指向手段を備え、位置情報による指向角度生成器15と積算器17と加算器18との演算結果を用いて第一指向手段3と第二指向手段4とを協調させて制御するように構成されている。 第二指向手段4は、対向局2側のレーザ発生器13が発生した光通信用の光を受光するミラーを2軸に回転させる手段であり、第一指向手段3は、第二指向手段4をさらに2軸に回転させる手段である。第一指向手段角度センサ5は、第一指向手段3の回転角度を検出する手段であり、例えばレゾルバを用いて構成される。ここで、第一指向手段角度センサ5が検出した第一指向手段3の回転角度は、第一制御器11に第一指向手段3の現在角度として入力される。また、第二指向手段角度センサ6は、第二指向手段4におけるミラーの傾き(回転角度)を直接検出する手段であり、第二指向手段4に取り付けられている。 自局位置情報取得器8は、自局1の位置情報(例えば、GPS(Global Positioning System)による位置情報)を取得する手段である。対向局位置情報取得器14は、自局1側において自局位置情報取得器8により取得された自局1側の位置情報を対向局位置情報として対向局2に送信する手段である。対向局2側の対向局位置情報取得器14においても同様に対向局2の位置情報を対向局位置情報として自局1に送信してくる。位置情報による指向角度生成器15は、対向局2側の対向局位置情報取得器14から取得した対向局位置情報と自局位置情報取得器8にて取得した自局位置情報とを用いて、第一指向手段3の位置情報による目標角度を生成する手段である。 第一制御器11は、位置情報による指向角度生成器15から加算器18をスルーして出力されてきた第一指向手段3の位置情報による目標角度、または、加算器18により第一指向手段3の位置情報による目標角度と積算器17からの積算結果とを加算して得られる第一指向手段3の運動学を用いた目標角度と、第一指向手段角度センサ5にて検出された角度(現在角度とする)とから、位相補償を施して、第一指向手段3の制御信号を生成し、第一ドライバ12を経由して、第一指向手段3に出力して、第一指向手段3を目標角度に指向させるための手段である。この結果、対向局2側のレーザ発生器13から発生された光通信用の光は、第二指向手段4のミラーに入射して、反射され、受光センサ7(例えば、4分割受光素子)に導かれることになる。 また、第二制御器9は、第二指向手段4の目標角度を0度とし、受光センサ7の出力かまたは第二指向手段角度センサ6の出力かのいずれかを選択して、第二指向手段4の指向角度誤差である現在角度を生成し、第二指向手段4の目標角度と第二指向手段4の現在角度とから、位相補償を施して、第二指向手段4の制御信号を生成し、第二ドライバ10を経由して、第二指向手段4に出力して、第二指向手段4を目標角度(この場合、0度)に指向させるための手段である。 また、換算器16は、第二指向手段角度センサ6にて検出されたミラーの傾き(回転角度)すなわち第二指向手段4の指向角度誤差と、第一指向手段角度センサ5にて検出された第一指向手段3の回転角度とに基づいて、第二指向手段4の指向角度誤差を除去するために、第二指向手段4の指向角度誤差に運動学を適用することによって、位置情報による指向角度生成器15によって生成された第一指向手段3の位置情報による目標角度を、第一指向手段3の運動学を用いた目標角度に換算する換算手段である。 また、積算器17は、換算器16にて換算された第一指向手段3の前記運動学を用いた目標角度から、位置情報による指向角度生成器15によって生成された第一指向手段3の位置情報による目標角度を減算して得られる目標誤差角度をあらかじめ定めた演算周期毎に順次積算する積算手段である。この結果、加算器18は、位置情報による指向角度生成器15から出力される第一指向手段3の位置情報による目標角度に、積算器17にて積算された積算結果を加算することにより、加算した結果を、第一制御器11の目標角度として、すなわち、第二指向手段4の指向角度誤差を除去することが可能な第一指向手段3の協調制御時の目標角度として、第一制御器11に出力することになる。 ここで、第一指向手段角度センサ5の出力である第一指向手段3の2軸それぞれの回転角度をAZ(アジマス)軸Ψ、EL(エレベーション)軸θとすると、位置情報による指向角度生成器15にて生成される第一指向手段3の目標角度Ψg、θgは、次の式(2)、式(3)によって与えられる。式(2)、式(3)によって与えられる第一指向手段3の目標角度Ψg、θgを、本実施形態においては「位置情報による目標角度」と称する。 なお、変数a、b、cは、前記非特許文献1において記載されているように、次の式(4)、式(5)に示す自局位置情報から対向局位置情報までの目標ベクトルによって定義される。
ここで、第一指向手段3の指向角度が、式(2)、式(3)で表される目標角度Ψg、θgすなわち「位置情報による目標角度」に正しく指向している場合には、第二制御器9は、受光センサ7の出力を用いて、第二指向手段4を2軸とも0度に制御しているものとする。また、同時に、第二指向手段角度センサ6の出力が2軸とも0度になっているものとする。 しかる後、対向局2と自局1とのいずれかが移動して、対向局2のレーザ発生器13が発する光の光軸がずれて、第二指向手段4のミラーが傾き、第二指向手段角度センサ6の出力である2軸の回転角度が、X軸が0度からα度(≠0)に、Y軸が0度からβ度(≠0)に変化したものとする。かかる場合には、第一指向手段3と第二指向手段4との間の運動学的定式化により、第二指向手段4の2軸の回転角度(すなわち指向角度誤差)をキャンセルすることが可能な第一指向手段3の目標角度Ψ'g、θ'gは、前記非特許文献1においても記載されているように、次の式(6)、式(7)によって与えられる。式(6)、式(7)によって与えられる第一指向手段3の目標角度Ψ'g、θ'gを、本実施形態においては「運動学を用いた目標角度」と称する。
また、前述したように、従来技術においては第一指向手段3の指向角度が目標角度に到達することができず、第二指向手段4の指向角度誤差αをキャンセルすることができなくなるという課題を解決するために、本実施形態においては、式(6)、式(7)によって与えられる第一指向手段3の「運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g」から式(2)、式(3)によって与えられる第一指向手段3の「位置情報による目標角度Ψg、θg」を減算した目標誤差角度を積算する積算器17を備え、さらに、第一指向手段3の「位置情報による目標角度Ψg、θg」に対して、積算器17の積算結果を加算する加算器18を備えている。 ここで、積算器17、加算器18における積算、加算の手順について以下に説明する。次の式(8)、式(9)に示すように、「運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g」−「位置情報による目標角度Ψg、θg」の減算処理を、演算周期毎に実施し、減算結果を目標誤差角度として演算周期毎に積算器17にて積算している。
一方、第一指向手段3の協調制御時の目標角度Ψ'a、θ'aは、次の式(10)、式(11)に示すように、「位置情報による目標角度Ψg、θg」に、式(8)、式(9)によって与えられる積算結果ΔΨ'gsum、Δθ'gsumを加算器18にて加算することによって得られる。
なお、電源オン時は、積算器17における積算結果ΔΨ'gsum、Δθ'gsumは、次の式(12)に示すように初期化されている。
ここで、式(6)、式(7)によって与えられる第一指向手段3の「運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g」は、図1に示す換算器16によって演算して出力され、式(8)、式(9)によって与えられる積算結果ΔΨ'gsum、Δθ'gsumは、図1に示す積算器17によって演算して出力され、式(10)、式(11)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度Ψ'a、θ'aは、図1に示す加算器18によって演算して出力される。 (実施形態の動作の説明) 次に、図1に示した協調制御装置100の動作の一例について図2の演算フローチャートを用いて説明する。図2は、図1の協調制御装置100における協調制御時の目標角度の演算動作の一例を説明するための演算フローチャートである。 図2の演算フローチャートにおいて、協調制御装置100が電源オンになったか否かを確認し(ステップS1)、電源オンになった場合(ステップS1のYES)、前述の式(12)の演算を行い、積算器17における積算結果ΔΨ'gsum、Δθ'gsumの初期化を行う(ステップS2)。しかる後、前述の式(2)、式(3)の演算を行い、「位置情報による目標角度Ψg、θg」を算出する(ステップS3)。 次に、ユーザから入力された指令として、粗制御と精制御との協調制御の指示が入力されて、協調制御オンになっているか否かを確認する(ステップS4)。協調制御がオンになっていない場合は(ステップS4のNO)、ステップS5の演算をスキップして、ステップS6に移行するが、協調制御がオンになっている場合は(ステップS4のYES)、ステップS5の演算を実行する。 ステップS5に移行すると、まず、前述の式(6)、式(7)の演算を行い、「運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g」を算出し、さらに、前述の式(8)、式(9)の演算を行って、「運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g」−「位置情報による目標角度Ψg、θg」の減算処理によって得られる目標誤差角度の演算周期毎の積算を行い、しかる後、式(10)、式(11)の演算を行い、「位置情報による目標角度Ψg、θg」にさらに式(8)、式(9)の積算結果を加算して、第一指向手段3の協調制御時の目標角度Ψ'a、θ'aを算出する(ステップS5)。 次に、演算周期を次の周期に更新するために、次の式(13)に示す時間に関する演算を行い、演算周期の更新を行った後(ステップS6)、ステップS3に復帰する。 ここで、Δtは、あらかじめ定めた演算周期を与える時間間隔を示している。 なお、図2の演算フローチャートには明確に図示していないが、協調制御オンの場合は、第一指向手段3の目標角度は、式(10)、式(11)の演算により求められる第一指向手段3の協調制御時の目標角度Ψ'a、θ'aとし、協調制御オフの場合は、第一指向手段3の目標角度は、位置情報による目標角度Ψg、θgとしている。 次に、積算器17において、前述の式(8)、式(9)の演算を行って、(運動学を用いた目標角度Ψ'g、θ'g)−(位置情報による目標角度Ψg、θg)の減算結果によって得られる目標誤差角度の演算周期毎の積算を行う効果について、図3の説明図を用いてさらに説明する。図3は、図1の協調制御装置100の積算器17における積算の効果を説明するための説明図であり、説明を簡素化するために、EL軸の1軸についてのみ示し、第二指向手段4のX軸のαのみ第一指向手段3のEL軸角度θに影響するものと仮定する。 図3の説明図において、横軸は時間を示し、縦軸は角度を示しており、かつ、図3の横軸の時間軸に示すように、演算周期としては、第一周期から第六周期までの6周期について示している。また、図3の一点鎖線l4にて示す右上がりの階段状の直線は、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aの軌跡であり、図3の実線l1にて示す右上がりの曲線は、第一指向手段3の指向角度の軌跡であり、図3の長破線l2にて示す鋸歯状の曲線は、第二指向手段4の指向角度の軌跡である。 ここで、初期状態にある時刻t0以前においては、協調制御はオフとして、第二指向手段4の指向角度(すなわち指向角度誤差)はαであり、また、第一指向手段3の指向角度は前述の式(3)に示すθgであるものとする。 時刻t0において、ユーザからの指示により協調制御をオンになると、第一周期において、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施し、図3の一点鎖線l4にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、次の式(14)によって与えられる角度に設定される。つまり、積算器17における第一周期の積算処理結果は、入力されてきた第二指向手段4の指向角度αそのものであり、第二指向手段4の指向角度誤差αを除去するための第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aを算出する加算器18においては、第一指向手段3の位置情報による指向角度θgに積算器17の積算結果である第二指向手段4の指向角度αを加算することになる。 ここでは、説明を簡素化するために、第二指向手段4の指向角度αを、次の式(15)によって与えられるものとしている。ただし、θ'aは協調制御をオンしてから第1回目の積算後の協調制御時の目標角度である。
なお、図3の説明図に適用する演算周期として、第一周期の演算周期を終了する時刻t1においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(14)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達するような演算周期にあらかじめ定めて設定されている。これにより、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度αはキャンセルされて、'0'になる。 同時に、第二周期の開始になる時刻t1においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t1においては、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図3の一点鎖線l4にて示すように、第一周期において式(14)によって算出された角度のままになる。 また、時刻t1においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、第二周期の区間においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することはなく、時刻t1における角度がそのまま維持される。したがって、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 ここで、第二周期が終了し第三周期が開始される時刻t2において、対向局2か自局1かのいずれかが移動して、対向局2のレーザ発生器13が発する光の光軸がずれて、受光センサ7に誤差角が発生し、第二指向手段4の指向角度が'0'からαに変化したものとする。同時に、第三周期の開始になる時刻t2においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施する。この結果、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、第一周期において式(14)によって算出された角度に対して、時刻t2において変化した第二指向手段4の指向角度αをさらに積算した角度に変化して、図3の一点鎖線l4にて示すように、次の式(16)によって与えられる。
その結果、第三周期の区間においては、第一指向手段3の指向角度が、式(16)にて与えられる目標角度θ'aに向かって移動することにより、第三周期の演算周期を終了する時刻t3においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(16)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達することになり、これにより、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度αはキャンセルされて、'0'になる。 同時に、第四周期の開始になる時刻t3においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t3においては、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図3の一点鎖線l4にて示すように、第三周期において式(16)によって算出された角度のままになる。 また、時刻t3においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、第四周期の区間においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することはなく、時刻t3における角度がそのまま維持される。したがって、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 ここで、第四周期が終了し第五周期が開始される時刻t4において、対向局2か自局1かのいずれかが移動して、対向局2のレーザ発生器13が発する光の光軸がずれて、受光センサ7に誤差角が発生し、第二指向手段4の指向角度が'0'からαに変化したものとする。同時に、第五周期の開始になる時刻t4においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施する。この結果、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、第三周期において式(16)によって算出された角度に対して、時刻t2において変化した第二指向手段4の指向角度αをさらに積算した角度に変化して、図3の一点鎖線l4にて示すように、次の式(17)によって与えられる。
その結果、第五周期の区間においては、第一指向手段3の指向角度が、式(17)にて与えられる目標角度θ'aに向かって移動することにより、第五周期の演算周期を終了する時刻t5においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(17)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達することになり、これにより、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度αはキャンセルされて、'0'になる。 同時に、第六周期の開始になる時刻t5においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t5においては、図3の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図3の一点鎖線l4にて示すように、第五周期において式(17)によって算出された角度のままになる。 また、時刻t5においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、第六周期の区間においては、図3の実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することはなく、時刻t5における角度がそのまま維持される。したがって、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 以上に詳細に説明したように、位置情報によって求まる第一指向手段3の指向角度に、第二指向手段4の指向角度誤差に運動学を適用して求められる第一指向手段3の指向角度誤差を演算周期毎に順次積算することによって、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに関して、第一周期の式(14)→第三周期の式(16)→第五周期の式(17)と該当する演算周期に応じて順次演算式を変化させることにしているので、第一指向手段3の指向角度を、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達させることができ、第二指向手段4指向角度誤差をキャンセルさせて'0'にすることが可能になる。 すなわち、従来技術の協調制御方法においては、課題を説明した図5に示したように、第一指向手段3の指向角度の目標角度に向かう回転動作に応じて、直ちに、第一指向手段3の目標角度そのものもずれてしまって、本来の第一指向手段3の目標角度に到達することができず、而して、第二指向手段4の指向角度誤差をキャンセルさせることができなくなるという課題があったが、積算動作を導入した本実施形態においては、かくのごとき従来技術の課題を確実に解決することができる。 次に、図1の協調制御装置の積算器における積算動作に対する演算周期の変化による影響について、図4を用いてさらに説明する。図4は、図1の協調制御装置100の積算器17における積算動作に対する演算周期の変化による影響の一例を説明するための説明図であり、図4Aは、図3の説明図の演算周期の(1/2)に半減した演算周期に設定した場合の動作を示し、図4Bは、図3の説明図の演算周期と同一の演算周期に設定した場合の動作を示している。 なお、図4の説明図においても、図3の説明図の場合と同様、説明を簡素化するために、EL軸の1軸についてのみ示している。また、図4の横軸は時間を示し、縦軸は角度を示している。また、図4の説明図においては、図3の説明図の場合と同様、一点鎖線l4にて示す階段状の直線は、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aの軌跡であり、実線l1にて示す曲線は、第一指向手段3の指向角度の軌跡であり、長破線l2にて示す曲線は、第二指向手段4の指向角度の軌跡である。 図3の説明図の演算周期と同一の演算周期に設定した図4Bの場合については、図3の場合の時刻t0から時刻t2までの第一周期、第二周期において、第二指向手段4の指向角度ずれが、時刻t0における1回のみ発生した場合を示している。かかる場合には、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、第一周期の開始になる時刻t0における1回の積算動作によって、図3における説明と同様、図4Bの一点鎖線l4にて示すように、前述の式(14)によって与えられる角度になる。 しかる後、第一周期の演算周期を終了する時刻t1においては、図3における説明と同様、図4Bの実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(14)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達し、これにより、図4Bの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度αはキャンセルされて、'0'になる。 同時に、第二周期の開始になる時刻t1においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t1においては、図3における説明と同様、図4の長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図4Bの一点鎖線l4にて示すように、第一周期において式(14)によって算出された角度のままになる。 また、時刻t1においては、図3における説明と同様、図4Bの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、第二周期の区間においては、図4Bの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することはなく、時刻t1における角度がそのまま維持される。したがって、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 なお、図4Bの場合は、前述したように、図3における説明とは異なり、第二周期の区間以降においても、対向局2のレーザ発生器13が発する光の光軸がずれることがないので、図4Bの実線l1にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 次に、図4Aの場合は、前述したように、図3の演算周期の(1/2)の周期に半減した場合を示しており、時刻t0から時刻t2までの区間は、図3および図4Bの場合の第一周期、第二周期の二つの演算周期に対して、時刻t0'から時刻t4'までの4つの区間に区分されて、第一'周期から第四'周期までの四つの演算周期に区切られている。 ここで、初期状態にある時刻t0'以前においては、図3や図4Bの場合と同様、協調制御はオフとして、第二指向手段4の指向角度(すなわち指向角度誤差)はαであり、また、第一指向手段3の指向角度は前述の式(3)に示すθgであるものとする。 時刻t0'において、ユーザからの指示により協調制御をオンになると、第一'周期において、図3や図4Bの場合と同様、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施し、図4Aの一点鎖線l4にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、前述の式(14)によって与えられる角度まで上昇する。つまり、積算器17における第一'周期の積算処理結果は、入力されてきた第二指向手段4の指向角度αそのものであり、第二指向手段4の指向角度誤差αを除去するための第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aを算出する加算器18においては、第一指向手段3の位置情報による指向角度θgに積算器17の積算結果である第二指向手段4の指向角度αを加算することになる。なお、説明を簡素化するために、図3の場合と同様第二指向手段4の指向角度αを、前述の式(15)によって与えられるものとしている。 第一'周期の演算周期を終了する時刻t1'においては、演算周期が図3の場合の(1/2)に短縮されているので、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(14)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達することができず、第一指向手段3の目標角度θ'aの半分の次の式(18)の角度に留まってしまう。 これにより、第二指向手段4の指向角度αは、図4Aの長破線l2にて示すように、第一'周期の演算周期を終了する時刻t1'においては、図3の場合とは異なり、キャンセルされることなく、すなわち、'0'まで減少することなく、(α/2)に留まることになる。 同時に、第二'周期の開始になる時刻t1'においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t1'においては、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は(α/2)に留まっているので、協調制御時の第一指向手段3の目標角度θ'aは、図3の場合とは異なり、図4Aの一点鎖線l4にて示すように、次の式(19)によって与えられ、図4Bの場合においては式(14)によって与えられていた第一指向手段3の協調制御時の目標角度を超えてオーバシュートしてしまうことになる。
第二'周期の演算周期を終了する時刻t2'においては、演算周期が図3の場合の(1/2)に短縮されているので、図4Aの実線l1にて示すように、第一'周期、第二'周期の2つの演算周期を終了した時点で、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、第一'周期において式(14)によって与えられていた第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに一旦到達することになる。 これにより、第二'周期の演算周期を終了する時刻t2'においては、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度(α/2)は、キャンセルされて、'0'になる。 同時に、第三'周期の開始になる時刻t2'においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t2'においては、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図4Aの一点鎖線l4にて示すように、第二'周期において式(19)によって算出された角度のままになる。 ここで、時刻t2'においては、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついていない状態にあるので、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、図4Aの実線l1にて示すように、第三'周期の区間の間、式(19)によって与えられている第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いつくように変化し続ける。その結果、第三'周期が終了する時刻t3'において、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、漸く、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いつくことになる。 これにより、第二指向手段4の指向角度は、図4Aの長破線l2にて示すように、第二'周期の演算周期を終了する時刻t2'においては、キャンセルされて、'0'になったが、第三'周期の区間においては、さらにアンダシュートして変化し続け、第三'周期が終了する時刻t3'においては、−(α/2)の値にまで達する。 同時に、第四'周期の開始になる時刻t3'においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t3'においては、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は−(α/2)までアンダシュートしているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図4Aの一点鎖線l4にて示すように、次の式(20)によって与えられ、図4Bの場合において式(14)によって与えられていた第一指向手段3の協調制御時の目標角度と同一の角度になる。
第四'周期の演算周期を終了する時刻t4'においては、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の協調制御時の指向角度は、式(20)によって与えられる第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達することになり、これにより、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度αはキャンセルされて、'0'になる。 同時に、第五'周期の開始になる時刻t4'においては、さらに、前述の式(7)、式(9)、式(11)によって積算動作を1回実施するが、時刻t4'においては、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'になっているので、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aは、図4Aの一点鎖線l4にて示すように、第四'周期において式(20)によって算出された角度のままになる。 また、時刻t4'においては、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、第五'周期の区間においては、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することはなく、時刻t4'における角度がそのまま維持される。したがって、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 なお、図4Aの場合も、図4Bの場合と同様、第五'周期の区間以降において、対向局2のレーザ発生器13が発する光の光軸がずれることがなく、第一指向手段3の指向角度が第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いついているので、演算周期毎に式(7)、式(9)、式(11)により何回積算を繰り返しても、図4Aの実線l1にて示すように、第一指向手段3の指向角度は変化することがなく、したがって、図4Aの長破線l2にて示すように、第二指向手段4の指向角度は'0'のままである。 以上のように、図3の演算周期の(1/2)の周期に半減した場合、図4Aに示すように、協調制御をオンにした直後の第一'周期(時刻t0'から時刻t1'までの演算周期)内において、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに到達することができず、第二指向手段4の指向角度αをキャンセルすることができなくなる。その結果、以降の演算周期において、積算の影響を受けて、第一指向手段3の目標角度θ'aのオーバシュートが発生してしまい、図3の演算周期と同一の周期の図4Bの場合に比し、第一指向手段3の指向角度が第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに追いつき、第二指向手段4の指向角度がキャンセルされて'0'の状態が維持される状態に達するまでの収束が遅くなってしまう。 かくのごとき収束遅延の解決策は、第一指向手段3の指向角度が、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'に到達するまでの間、演算周期毎に実施されていた積算器17における積算動作を停止することである。つまり、積算動作を停止することによって、第一指向手段3の目標角度θ'aがオーバシュートすることがなくなるので、収束遅延の発生を解消させることができる。 なお、以上の実施形態の説明においては、図1に示した協調制御装置100の位置情報による指向角度生成器15において、自局1と対向局2との位置情報のみを用いて、第一指向手段3の位置情報による目標角度θgを生成している場合を説明したが、自局1と対向局2との位置情報のみではなく、自局1と対向局2との位置情報に対して、さらに、自局1と対向局2との姿勢情報を加味するようにしても良い。つまり、位置情報取得手段である自局位置情報取得器8および対向局位置情報取得器14は、自局1と対向局2との位置情報のみではなく、自局1と対向局2との姿勢情報も姿勢センサにより合わせて取得し、位置情報による指向角度生成器15に供給するようにしても良い。 また、以上の実施形態の説明においては、指向手段の回転軸が2軸の場合を前提にして説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。すなわち、3軸以上の複数軸からなっている場合であっても良く、図1に示した協調制御装置100の換算器16において、例えば前述の式(1)に示したような運動学的定式化により、指向角度誤差をキャンセル(除去)しようとする指向手段の複数軸それぞれの指向角度誤差からもう一方の指向手段の複数軸それぞれの指向角度誤差に換算するように制御することによって、前述の実施形態と全く同様の協調制御を実施することができる。 また、以上の実施形態の説明においては、指向手段が、第一指向手段3、第二指向手段4の2つの指向手段からなっている場合を前提にして説明したが、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。すなわち、指向手段が、3つ以上の複数の指向手段からなっている場合であっても良く、図1に示した協調制御装置100の換算器16において、例えば前述の式(1)に示したような運動学的定式化により、指向角度誤差をキャンセル(除去)しようとする指向手段から残りの指向手段それぞれの指向角度誤差に換算するように制御することによって、前述の実施形態と全く同様の協調制御を実施することができる。 (実施形態の効果の説明) 以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。 すなわち、対向局2からの光信号の受信用に用いる指向手段として備えた第一指向手段3と第二指向手段4との二つの指向手段において、換算器16および積算器17により、第二指向手段4の指向角度誤差αに運動学を適用して第一指向手段3の指向角度誤差を求め、さらに、求められた第一指向手段3の指向角度誤差を目標誤差角度として演算周期毎に積算した結果を用いることによって、加算器18により、第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aを算出することにしているので、第一指向手段3の指向角度を第一指向手段3の協調制御時の目標角度θ'aに確実に到達させることが可能となり、第二指向手段4の指向角度誤差αを確実にキャンセルすることができる。 また、第一指向手段3の位置情報による目標角度θgを生成する際に、自局1と対向局2との位置情報のみならず、自局1と対向局2との姿勢情報も加味した情報を用いたり、第一指向手段3および第二指向手段4の回転軸として2軸のみならず3軸以上の複数軸からなる回転軸を用いたり、指向手段として第一指向手段3、第二指向手段4の二つの指向手段のみならず三つ以上の複数の指向手段を用いたりすることにより、より高精度に、指向角度誤差をキャンセルすることができる。 以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。 この出願は、2012年7月24日に出願された日本出願特願2012−163539を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。 1 自局 2 対向局 3 第一指向手段 4 第二指向手段 5 第一指向手段角度センサ 6 第二指向手段角度センサ 7 受光センサ 8 自局位置情報取得器 9 第二制御器 10 第二ドライバ 11 第一制御器 12 第一ドライバ 13 レーザ発生器 14 対向局位置情報取得器 15 位置情報による指向角度生成器 16 換算器 17 積算器 18 加算器 100 協調制御装置 l1 実線 l2 長破線 l3 短破線 l4 一点鎖線 |