情報収集システムおよび情報収集方法

申请号 JP2016119086 申请日 2016-06-15 公开(公告)号 JP2017032546A 公开(公告)日 2017-02-09
申请人 株式会社東芝; 发明人 浪岡 保男; 高橋 伸昌; 山形 康一; 和田 篤; 野上 啓介;
摘要 【課題】収集される情報の正確性を向上させることが可能な情報収集システムおよび情報収集方法を提供する。 【解決手段】実施形態に係る情報収集システムは、発信部と、受信部と、処理部と、を含む。前記発信部は、 信号 を発する。前記受信部は、信号を受信する。前記処理部は、前記受信部が受信した前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する際に、第1期間の間に受信された前記信号について、それぞれの前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する。前記処理部は、算出された複数の前記距離を平均化した平均距離を、前記発信部と前記受信部との間の距離として用いる。 【選択図】図1
权利要求

信号を発する発信部と、 前記信号を受信する受信部と、 前記受信部が受信した前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する処理部と、 を備え、 前記処理部は、第1期間の間に受信された前記信号について、それぞれの前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出し、算出された複数の前記距離を平均化した平均距離を、前記発信部と前記受信部との間の距離として用いる情報収集システム。前記受信部は、前記受信部の加速度を検出可能であり、 前記処理部は、前記受信部で検出された加速度に応じて前記第1期間を調整する請求項1記載の情報収集システム。前記第1期間をα、時刻をt、前記時刻tにおいて前記信号の強度から算出された距離をd(t)とした場合、 前期処理部は、時刻t−βから時刻tγ(β+γ=α)までの間の各時刻における前記距離d(t−β)〜d(tγ)を算出し、 前記処理部は、複数の前記距離d(t−β)〜d(tγ)を平均することで平均距離Adを算出し、前記平均距離Adを時刻tにおける前記発信部と前記受信部との間の距離として用いる請求項1または2に記載の情報収集システム。前記処理部は、前記平均距離Adが閾値以下となった時刻t1と、前記平均距離Adが前記閾値以下となった後であって前記閾値を超えた時刻t2と、の時間差を算出し、前記時間差t2−t1を、前記発信部が設けられた場所における前記受信部の滞在時間とする請求項3記載の情報収集システム。複数の前記発信部n(n=1,2・・・)を備え、 前記処理部は、複数の前記発信部nと、前記受信部と、の間でそれぞれ前記平均距離Adnを算出し、 前記処理部は、複数の前記平均距離Adnのうち最小の前記平均距離Adm(m∈n)が、前記閾値以下となった時刻t1と、前記最小の平均距離Admが、前記閾値以下となった後であって前記閾値を超えた時刻t2と、の時間差t2−t1を算出し、前記時間差t2−t1を、前記発信部mが設けられた場所における前記受信部の滞在時間とする請求項3記載の情報収集システム。それぞれの前記発信部と関連付けられた情報を格納する格納部と、 表示部と、 をさらに備え、 それぞれの前記発信部から発せられる信号は、前記信号を発した前記発信部を特定するための情報を含み、 前記処理部は、前記格納部を参照して、前記受信部で前記信号が受信された前記発信部に関連付けられた情報を抽出するとともに、前記関連付けられた情報を前記表示部に表示させる請求項5記載の情報収集システム。信号を発する複数の発信部と、 前記複数の発信部から発せられた複数の信号を受信可能な受信部と、 前記受信部で受信した前記複数の信号が入される処理部と、 前記複数の発信部が設けられた空間における前記受信部の所持者の複数の状態および前記状態同士の間の遷移確率を含む行動モデルを格納する格納部と、 を備え、 前記処理部は、前記格納部の前記行動モデルを参照し、前記行動モデル上において前記所持者のサンプルを確率遷移させ、当該確率遷移させた結果と前記複数の信号とを用いて前記行動モデル上に前記サンプルの分布を再度行い、前記所持者の前記状態の推定を行う情報収集システム。前記行動モデルは、それぞれの前記状態において、それぞれの前記発信部からの前記信号の強度と、当該強度が得られる確率と、を含み、 前記処理部は、それぞれの前記発信部からの前記信号について前記確率を求め、複数の前記確率の積によって得られる重み付け係数を用いて、前記行動モデル上に前記サンプルの分布を再度行う請求項7記載の情報収集システム。前記格納部は、さらに、前記空間において前記複数の発信部が設けられた位置を含むロケーションモデルを格納し、 前記処理部は、さらに、前記格納部の前記ロケーションモデルを参照し、前記ロケーションモデル上において前記サンプルを遷移させ、 前記処理部は、当該遷移させた結果と、前記行動モデルの前記確率遷移させた結果と、前記信号と、を用いて、前記行動モデル上および前記ロケーションモデル上に前記サンプルの分布を再度行い、前記所持者の前記状態および前記作業者の前記空間における位置の推定を行う請求項7または8に記載の情報収集システム。前記ロケーションモデルは、それぞれの前記発信部からの距離と前記信号の強度の関係についての情報を含み、 前記処理部は、前記サンプルの前記空間における位置に基づいて、それぞれの前記発信部に対して、前記位置における前記信号強度と、それぞれの前記信号強度の確率と、の関係を求め、 前記処理部は、それぞれの前記発信部に対して、当該関係と、前記受信部から入力された前記信号の強度と、を用いて、前記サンプルが前記位置に存在する確率を求め、複数の前記確率の積によって得られる重み付け係数を用いて、前記ロケーションモデル上に前記サンプルの分布を再度行う請求項9記載の情報収集システム。発信部から信号を発し、 受信部において前記信号を受信し、 前記受信部が受信した前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する情報収集方法であって、 第1期間の間に受信された前記信号について、それぞれの前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出し、算出された複数の前記距離を平均化した平均距離を、前記発信部と前記受信部との間の距離として用いる情報収集方法。複数の発信部から信号を発し、 受信部において前記複数の発信部から発せられた複数の信号を受信し、 前記受信部で受信した前記複数の信号を処理部に入力し、 前記複数の発信部が設けられた空間における前記受信部の所持者の複数の状態および前記状態同士の間の遷移確率を含む行動モデルを参照し、前記行動モデル上において前記所持者のサンプルを確率遷移させ、当該確率遷移させた結果と前記複数の信号とを用いて前記行動モデル上に前記サンプルの分布を再度行い、前記所持者の前記状態の推定を行う情報収集方法。

说明书全文

本発明の実施形態は、情報収集システムおよび情報収集方法に関する。

生産現場では、従来、作業者がどこでどのような作業を行ったかの情報を得るために、作業者に対して情報システムへの入作業が求められていた。この負担を軽減するために、発信機と、当該発信機からの信号を受信可能な受信機と、を用いて、自動で情報の収集を行う手法が検討されている。 しかし、外乱などが多い生産現場でこの手法を用いる場合、受信機が正確に信号を受信することが困難となる。

上村昭宏著、「iBeaconハンドブック」、第1版、Createspace社、2014年3月15日

本発明が解決しようとする課題は、収集される情報の正確性を向上させることが可能な情報収集システムおよび情報収集方法を提供することである。

実施形態に係る情報収集システムは、発信部と、受信部と、処理部と、を含む。 前記発信部は、信号を発する。 前記受信部は、信号を受信する。 前記処理部は、前記受信部が受信した前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する際に、第1期間の間に受信された前記信号について、それぞれの前記信号の強度から前記発信部と前記受信部との間の距離を算出する。前記処理部は、算出された複数の前記距離を平均化した平均距離を、前記発信部と前記受信部との間の距離として用いる。

第1実施形態に係る情報収集システムを表す模式図である。

第1実施形態に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

第1実施形態に係る情報収集システムが用いられる生産現場の一例を表す模式図である。

時刻と、各時刻における受信部の受信信号の強度から算出された距離と、の一例を表す模式図である。

時刻と、各時刻における平均距離との関係を表す模式図である。

時刻と、各時刻における受信部の受信信号の強度から算出された距離と、の一例を表す模式図である。

第2実施形態に係る情報収集システムを表す模式図である。

第2実施形態に係る情報収集システムが用いられる生産現場の一例を表す模式図である。

第2実施形態に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

生産現場における行動モデルの一例を表す模式図である。

第3実施形態に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

発信部からの信号強度と確率との関係の一例を表すグラフである。

第3実施形態の変形例に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

(a)サンプルが分布されたロケーションモデルの一例である。(b)サンプルが分布された行動モデルの一例である。

(a)発信部とサンプルとの間の距離と、当該距離において測定される信号強度と、の関係の一例を表すグラフである。(b)受信部で受信される信号強度と、当該サンプルが実際にその場にいる確率と、の関係を表すグラフである。

以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。 また、本願明細書と各図において、既に説明したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。

(第1実施形態) 図1を用いて、第1実施形態に係る情報収集システムについて説明する。 図1は、第1実施形態に係る情報収集システム100を表す模式図である。 図1に表すように、情報収集システム100は、発信部10と、受信部20と、処理部30と、格納部40と、第1表示部50と、入力部60と、を含む。

発信部10は、当該発信部10のIDを含む信号を発する。発信部10は、例えば、所定の時間ごとに信号を発するように設定される。発信部10から発せられる信号は、指向性を有していてもよいし、無指向性であってもよい。例えば、発信部10に、所望の方向に向いた放物面反射器を取り付ける、あるいは所望の方向以外を覆う電波吸収体を取り付けることで、所望の方向に選択的に信号を発することができる。

受信部20は、発信部10から発せられた信号を受信する。さらに、受信部20は、信号を受信した際の強度を検出可能である。受信部20は、受信した信号を、処理部30に向けて出力する。

処理部30は、受信部20から入力された信号を、情報に変換する。これにより、発信部10から発せられた信号に含まれる、発信部10のIDおよび受信時刻などの情報が得られる。また、処理部30は、受信部20が受信した際の信号強度に基づいて、発信部10と受信部20との間の距離を算出できる。

格納部40は、処理部30における処理に必要な種々の情報を格納している。例えば、情報収集システム100が、生産現場で用いられる場合、格納部40には、例えば、当該生産現場の工程フロー、工程フローに含まれる工程、各工程で用いられる装置、各工程が実行される場所、各工程を実行する作業者、各工程で加工される対象物、などの情報が格納されている。

格納部40に含まれる情報には、発信部10の設置場所と関連付けられたものが含まれる。例えば、上述した生産現場の例では、工程が実行される場所には、当該場所に設置された発信部10のIDに関する情報が含まれている。

このため、処理部30は、受信部20から入力された発信部10のIDを用いて、当該IDと関連付けられた工程や加工対象物、使用される装置などを格納部40から抽出することができる。

処理部30は、当該処理部30における処理によって得られた情報や、格納部40の参照によって得られた情報を、第1表示部50に向けて出力する。第1表示部50は、処理部30から入力された情報を画面に表示させる。 このとき、第1表示部50を見た管理者が、表示された情報に対して、入力部60によって情報を入力してもよい。

発信部10は、例えば、生産現場の各所に備え付けられたビーコンやRFID(Radio Frequency IDentifier)などである。あるいは、被加工材料や治具などの、固定されないものに付帯されたビーコンやRFIDなどでもよい。 受信部20は、例えば、発信部10からの信号を、Bluetooth(登録商標)を介して受信可能なタブレット端末やスマートフォンである。発信部10がRFIDである場合、受信部20には、RFリーダが用いられる。受信部20は、例えば、生産現場において、各工程を実行する作業者が所持している。

なお、上述した例において、発信部10が配される対象と、受信部20が配される対象と、を入れ替えることも可能である。 すなわち、上述した例において、作業者が発信部10を所持していてもよい。この場合、受信部20が、生産現場の各所や製造設備等などに備え付けられる。 あるいは、発信部10が被加工材料や冶具などに付帯され、受信部20が、生産現場の各所や製造設備などに備え付けられていてもよい。

処理部30は、例えば、ソフトウェアが格納されたCPUである。 格納部40は、例えば、ハードディスクである。格納部40は、ネットワークを介して処理部30と接続されたものであってもよい。 第1表示部50は、例えば、スマートフォンやタブレット、PCなどの液晶ディスプレイである。 入力部60は、例えば、キーボード、あるいはスマートフォンやタブレットなどのタッチパネルである。

次に、情報収集システム100において実行されるプログラムについて、図2および図3を用いて説明する。 図2は、第1実施形態に係る情報収集システム100で実行されるプログラムのフローチャートである。 図3は、第1実施形態に係る情報収集システム100が用いられる生産現場の一例を表す模式図である。

図3に表す一例に係る生産現場では、複数の製造装置MA1〜MA4が設けられており、このうち製造装置MA2に発信部10が取り付けられている。そして、作業者Eは、受信部20を携帯してこれらの製造装置MA1〜MA4の周りを巡回している。

図3に表すように、作業者Eが受信部20を携帯して移動しており、作業者Eが発信部10から発せられる電波の到達範囲内に入ると、受信部20で電波が受信される。このとき、ステップS201において、受信部20は、発信部10から受信した信号を、処理部30に向けて出力する。発信部10は、所定の時間ごとに信号を発信しており、受信部20は、例えば、その信号を受信するたびに処理部30に向けて出力する。

次に、ステップS202において、処理部30は、受信部20が受信した信号の強度から、発信部10と受信部20との間の距離dを算出する。 具体的には、処理部30は、時刻t0より前に受信したx回分の信号のそれぞれについて、発信部10と受信部20との間の距離dを算出する。そして、処理部30は、時刻t0を元に基準時刻st0を設定し、算出された複数の距離dのうち、最小の距離dを、基準時刻st0における発信部10と受信部20との間の基準距離sd(t0)とする。処理部30は、この基準距離sd(t)を、基準時刻stにおける発信部10と受信部20との間の距離とする。 なお、基準時刻stとして、時刻tがそのまま設定されても良いし、時刻tに対して所定の演算を行うことで得られた時刻が設定されてもよい。

処理部30は、他の時刻についてもこのステップS202を繰り返し実行する。すなわち、処理部30は、時刻t0より後の、時刻t1、t2、・・・tiのそれぞれについて、基準時刻st1、st2、・・・stiと、それに対応する発信部10と受信部20との間の基準距離sd(t1)、sd(t2)、・・・sd(ti)を求める。

次に、ステップS203において、処理部30は、格納部40を参照して、発信部10のIDに対応する工程、装置、加工対象物などに関する情報を抽出する。

次に、ステップS204において、処理部30は、ステップS202において算出された複数の基準距離sd(t1)、sd(t2)、・・・sd(ti)を用いて、発信部10が設置された場所における受信部20の所持者の滞在時間を算出する。 具体的には、処理部30は、滞在時間を算出するための基準距離sdtに対する閾値dthをあらかじめ保持している。処理部30は、算出された基準距離sd(t)が最初に閾値dth以下となった基準時刻と、算出された基準距離sd(t)が閾値dth以下となった後であって閾値dthを超えた基準時刻と、の差を滞在時間として算出する。基準距離sdに対する閾値dthは、管理者が予め設定することができる。

ステップ202〜204を図3に即して説明すると、受信部20を携帯した作業者Eが製造装置MA1からMA2に向けて移動すると、作業者Eの移動に合わせて算出される基準距離sd(t)が短くなっていく。基準距離sd(t)が短くなり、閾値dth以下になると、その基準時刻が処理部30に記憶される。 その後、作業者Eが製造装置MA2から離反する方向に移動すると、作業者Eの移動に合わせて算出される基準距離sd(t)が長くなっていく。基準距離sd(t)が閾値dthを超えると、その基準時刻が処理部30に記憶され、閾値dth以下になった基準時刻との差から、生産装置MA2における滞在時間が算出される。

図3では、発信部10が製造装置に取り付けられ、作業者Eが受信部20を携帯している場合について説明していたが、発信部10が、製造装置に代えて被加工材料などに取り付けられていてもよい。発信部10が、被加工材料に取り付けられている場合、ステップS204で算出される滞在時間を、作業者Eが被加工材料に対して、作業者Eが搬送や加工などの作業を行っていた時間(ハンドリング時間)として扱うことも可能である。この場合、処理部30は、算出された基準距離が最初に閾値以下となった基準時刻に、発信部10が滞在していた工程や装置、倉庫などを、被加工材料の取得場所として記録してもよい。また、処理部30は、算出された基準距離が閾値を超えた基準時刻に、発信部10が滞在していた工程や装置、倉庫などを被加工材料が置かれた場所として記録してもよい。

次に、ステップS205において、処理部30は、抽出された工程、装置、加工対象物などの情報、および滞在時間(被加工材料の場合は、ハンドリング時間)を、第1表示部50に表示させる。 処理部30は、さらに、格納部40に格納された当該工程を含む工程フローを参照し、当該工程フローの進捗率などを算出して第1表示部50に表示させてもよい。

以上で説明した第1実施形態に係る情報収集システム100による作用および効果について説明する。

第1実施形態によれば、発信部10から発せられた信号を受信部20で所定の回数受信した後に、処理部30がそれらの距離のうち最小の距離を求め、当該距離を基準時刻における発信部10と受信部20との間の距離とする。 このため、発信部10から発せられる信号に対するノイズが大きい環境下で、発信部10および受信部20を用いる場合でも、発信部10と受信部20との間の距離の精度を高めることができる。

特に、発信部10および受信部20が建物の内部で用いられる場合、発信部10から発せられた信号が、建物の内壁などで反射して受信部20に到達する可能性がある。受信部20が内壁などで反射された信号を受信した場合、発信部10と受信部20との間の距離が、実際よりも長く算出されてしまう可能性がある。 これに対して、本実施形態のように、算出された複数の距離のうち、最小の距離を発信部10と受信部20との間の距離とすることで、発信部10と受信部20との間の距離をより正確に求めることが可能となる。 従って、本実施形態に係る発明は、発信部10および受信部20が建物の内部で用いられる場合に、特に有用である。

また、本実施形態によれば、上述した方法で得られた距離を用いて、発信部10が設けられた場所における受信部20の滞在時間を算出するため、当該滞在時間の精度も高めることができる。 あるいは、本実施形態によれば、被加工材料の取得場所と載置場所、およびハンドリング時間をより正確に求めることができる。このため、被加工材料について、倉庫における在庫や、それぞれの工程における在庫、場所などの精度も高めることが可能である。

上述した本実施形態を用いることで、例えば生産現場などにおいて、作業者の情報の入力の手間を減らすことが可能となる。また、作業者が予定通りに所定の場所に滞在していたか、などを自動で記録・管理することが可能となる。

なお、上述した第1実施形態に係る情報収集システムの一例では、情報収集システムが1つの発信部10および1つの受信部20を含んでいる場合について説明した。しかし、本実施形態に係る情報収集システムは、この例に限らず、複数の発信部10および複数の受信部20を含み、それぞれの発信部10と受信部20との間で、上述したステップS201〜S205が行われるものであってもよい。

情報収集システムが、複数の発信部10および複数の受信部20を含む場合の一例として、複数の発信部10のそれぞれが生産現場において互いに区別するべき位置に備え付けられ、複数の作業者のそれぞれが受信部20を所持している場合が挙げられる。 または、発信部10について、複数の発信部10のそれぞれが、互いに異なる製造設備に備え付けられていてもよい。あるいは、複数の発信部10の一部が、生産現場の各所に備え付けられ、他の一部が製造設備に備え付けられていてもよい。 同様に、受信部20についても、複数の受信部20のそれぞれが、互いに異なる被加工材料や冶具などに付帯されていてもよい。あるいは、複数の受信部20の一部が、作業者に所持され、他の一部が被加工材料や冶具などに付帯されていてもよい。 これらの例において、発信部10が配される対象と、受信部20が配される対象と、を入れ替えることも可能である。

(変形例) 第1実施形態に係る情報収集システム100においては、以下の方法を用いて発信部10と受信部20との間の距離を求めることも可能である。この方法について、図4〜図6を用いて説明する。

図4および図6は、時刻と、各時刻における受信部20の受信信号の強度から算出された距離と、の一例を表す模式図である。 図5は、時刻と、各時刻における平均距離との関係を表す模式図である。

本方法におけるフローチャートは、図2と同様である。すなわち、ステップS201において、受信部20は、発信部10から受信した信号を、処理部30に向けて出力する。 ただし、ステップS202およびS204における発信部10と受信部20との間の距離の算出方法が、先に説明した方法と異なる。

図4には、時刻t0までに受信部20で受信した信号強度を基に算出された距離d(t)の一例が表されている。 ステップS202において、処理部30は、時刻tを基準として第1期間αの間に算出された複数の距離を選択し、これらの平均距離Ad(t)を算出する。より具体的な一例として、図4に表すように、処理部30は、時刻t0−αから時刻t0までの間に算出された距離d(t0−α)から距離d(t0)までを平均化し、平均距離Ad(t0)を算出する。そして、処理部30は、この平均距離Ad(t0)を、時刻t0における発信部10と受信部20との間の距離として用いる。 処理部30は、他の時刻tについても同様の計算を行い、各時刻tにおける平均距離Ad(t)を算出する。

図5には、図4の時刻t1以降の距離d(t)を算出し、各時刻における平均距離Ad(t)を算出した結果の一例が表されている。 ステップS202では、図5に表すように、各時刻における平均距離Ad(t)が算出される。

その後のステップS204では、処理部30は、図5に表すように、平均距離Ad(t)が最初に閾値dth以下となった時刻t1と、平均距離Ad(t)が閾値dth以下となった後であって閾値dthを超えた時刻t2と、の時間差t2−t1を算出する。そして、処理部30は、この時間差を、発信部10が設けられた場所における作業者E(受信部20)の滞在時間とする。

外乱などが多い生産現場で発信部10を設置した場合、外乱によって受信信号の強度が大きく変動することがある。このため、このようなノイズを含んだ受信信号から算出された距離を、そのまま発信部10と受信部20との間の距離として用いると、距離が瞬間的に閾値を下回ったり上回ったりする。この結果、実際は発信部10の近くに作業者Eがいないにも拘わらず作業者Eが滞在していると判定されたり、作業者Eが発信部10の近くに滞在しているにも拘わらず作業者Eが離反したと判定されたりする可能性がある。

この点について、平均距離Ad(t)を時刻tにおける発信部10と受信部20との間の距離として用いることで、図5に表すように、外乱に起因する瞬間的なd(t)の変動の影響が緩和される。このため、発信部10が設けられた場所における作業者Eの滞在時間を、より正確に求めることが可能になる。

もし、距離の平均によっても十分に緩和できないほどノイズが大きい環境で発信部10および受信部20を使用する場合は、以下の各方法を用いてノイズを除去することも可能である。

1つ目の方法は、処理部30が、時刻t0における平均距離Ad(t0)を計算すると同時に、各距離の標準偏差σを求め、Ad(t0)±nσから外れている距離を除去した後に、改めて平均距離Ad(t0)を求める方法である。なお、nは、作業者が適宜設定することができる。

2つ目の方法は、時刻t0における平均距離Ad(t0)を求める際に、1つ前の時刻における平均距離Ad(t−1)と規定値DVとを用いる方法である。なお、規定値DVは、受信部20を携帯した作業者の移動速度を考慮して設定される値である。 時刻t0を基準として第1期間αの間に算出された複数の距離のうち、Ad(t−1)±DVから外れている値を除去し、残った値を平均化することで、時刻t0における平均距離Ad(t0)が求められる。

3つ目の方法は、作業者と製造装置との間の距離の上限dmaxおよび下限dminの少なくともいずれか一方を設定しておき、この範囲から外れた距離を除去して平均距離Ad(t)を求める方法である。

なお、図4に表す例では、平均距離Ad(t0)を算出する際に、時刻t0を基準として、時刻t0から第1期間αを遡り、その間に算出された距離d(t0−α)から距離d(t0)を用いた。 しかし、この第1期間αは、基準となる時刻よりも未来の時刻を含むものであってもよい。このような場合の一例を、図6に表す。

平均距離を算出する際に、図6に表すように、時刻t−1を基準として第1期間α1の間に算出された複数の距離を用いてもよい。より具体的には、時刻t−1から期間β遡った時刻t−1−βと、時刻t−1から期間γ未来の時刻t−1+γと、の間で算出された距離d(t−1−β)〜d(t−1+γ)の平均距離Ad(t−1)を、時刻t−1における発信部10と受信部20との間の距離として用いる。なお、時刻t−1は、時刻t0よりも第2期間α22>γ)遡った時刻である。時刻t0よりも第2期間α2遡った時刻を基準として平均距離を算出するのは、時刻t0よりも未来のデータが時刻t0の時点では存在しないためである。 期間βおよびγは、それぞれ、例えば、α1/2に設定することができる。

このように、基準となる時刻tにおける平均距離Ad(t)を算出する際に、時刻tに対して未来の距離を用いることで、より正確に発信部10と受信部20との間の距離を求めることができるようになる。

また、さらに正確性を向上させるためには、受信部20を携帯した作業者Eの動きに応じて、第1期間α1を調整することが望ましい。例えば、作業者Eがゆっくりと移動している場合は、第1期間α1が長くても、発信部10と受信部20との間の実際の距離はほとんど変化しないため、問題は生じにくい。しかし、作業者Eが素早く移動している場合、第1期間α1が長いと、例えば作業者Eが発信部10に接近してきて滞在してから離反するまでの全期間の距離が平均化されてしまい、発信部10と受信部20との間の距離を正確に求めることが困難となる。

従って、作業者Eの動きが早くなるほど、第1期間α1を短くすることで、発信部10と受信部20との間の距離をより正確に求めることが可能となる。このような方法の一例として、加速度を検出できる受信部20を用い、受信部20で検出された加速度を利用することが考えられる。より具体的には、時刻tにおける加速度A(t)を受信部20で検出し、処理部30は、この加速度A(t)から受信部20(作業者E)の速度V(t)を算出する。そして、処理部30は、速度V(t)が早くなるほど、第1期間α1を短くして平均距離Ad(t)を算出する。

また、加速度A(t)を用いて、大きなノイズを含むデータを除去する(平均距離Ad(t)の計算から除外する)ことも可能である。例えば、速度V(t)が所定の閾値Vth以下であって、かつ、距離d(t1)と、その直前に算出された距離d(t2)との差が所定の閾値dth以上である場合、当該距離d(t1)は大きなノイズを含むものとして除去する。こうすることで、より正確に発信部10と受信部20との間の距離を求めることが可能となる。

大きなノイズを含んだデータを除去する方法としては、速度V(t)を用いる以外に、所定期間の間の加速度A(t)の平均や分散を、所定の閾値と比較する方法を用いてもよい。また、一般的に、人がほとんど動いていないとき、加速度A(t)の波長が短くなり、周期は大きくなる。そして、人が動いているときは、加速度A(t)の波長が長くなり、周期は小さくなる。この点を利用し、加速度A(t)の波長または周期を、所定の閾値と比較し、その結果を用いてノイズを含んだデータを除去してもよい。

(第2実施形態) 図7および図8を用いて、第2実施形態に係る情報収集システム200について説明する。 図7は、第2実施形態に係る情報収集システム200を表す模式図である。 図8は、第2実施形態に係る情報収集システム200が用いられる生産現場の一例を表す模式図である。

第2実施形態に係る情報収集システム200は、情報収集システム100との比較において、図7に表すように、複数の発信部11〜13、第2表示部70、および入力部80をさらに含む。 なお、情報収集システム200は、図7に表す発信部10〜13に加えて、より多くの発信部を含んでいてもよい。

図8に表す一例に係る生産現場では、複数の製造装置MA1〜MA4が設けられており、それぞれに発信部10〜13が取り付けられている。そして、作業者Eは、受信部20を携帯してこれらの製造装置MA1〜MA4の周りを巡回している。

第2表示部70は、例えば、タブレットなどが有する液晶ディスプレイである。入力部80は、例えば、当該タブレットが有するタッチパネルである。 第2表示部70および入力部80は、例えば、生産現場内の作業者が携帯している。

次に、情報収集システム200において実行されるプログラムについて、図9を用いて説明する。 図9は、第2実施形態に係る情報収集システム200で実行されるプログラムのフローチャートである。

まず、受信部20は、発信部10〜13から発せられた信号を受信する。なお、受信部20は、常に全ての発信部10〜13からの信号を受信する必要は無い。受信部20は、作業者Eが発信部10〜13が取り付けられた製造装置MA1〜MA4の周りを巡回している際に、発信部10〜13のうち受信部20の近くに位置する少なくとも1つの発信部からの信号を受信できればよい。

受信部20が信号を受信すると、ステップS401において、受信部20は受信した信号を処理部30に出力する。

次に、ステップS402において、処理部30は、受信部20が信号を受信した発信部と、受信部20と、の間の距離を算出する。処理部30は、それぞれの発信部と受信部20との間の基準時刻における基準距離を、ステップS202で述べた方法と同様の方法で算出する。

すなわち、受信部20が、例えば発信部10〜13からの信号を受信した際、処理部30は、時刻tにおける、d10(t)、d11(t)、d12(t)、およびd13(t)を算出する。そして、それぞれの発信部10〜13と受信部20との間の距離について、ステップS202と同様の方法により、sd10(t)、sd11(t)、sd12(t)、およびsd13(t)を算出する。

なお、d10(t)、d11(t)、d12(t)、およびd13(t)は、それぞれ、発信部10〜13と受信部20との間の距離である。また、sd10(t)、sd11(t)、sd12(t)、およびsd13(t)は、それぞれ、発信部10〜13と受信部20との間の基準距離である。

次のステップS403は、ステップS203と同様に行うことができる。すなわち、処理部30は、格納部40を参照して、信号を受信した発信部のIDに対応する工程、装置、加工対象物などに関する情報を抽出する。 受信部20で、複数の発信部から発せられた信号を受信している場合、処理部30は、これら複数の発信部の、それぞれのIDに対応する情報を抽出してもよい。

次に、ステップS404において、処理部30は、ステップS402において算出された複数の基準距離sd10(t)、sd11(t)、sd12(t)、およびsd13(t)を用いて、発信部が設置された場所における受信部20の所持者の滞在時間を算出する。 受信部20が複数の発信部からの信号を受信している場合、処理部30は、複数の発信部のうち最も受信部20との間の基準距離が短い発信部が在る場所に、作業者が滞在しているものとして扱う。すなわち、処理部30は、複数の発信部のうち最も受信部20との間の基準距離が短く、かつ算出された基準距離が閾値以下である時間を滞在時間として算出する。

発信部10が被加工材料に取り付けられている場合は、滞在時間を、被加工材料に対するハンドリング時間として扱うこともできる。この場合、複数の発信部のうち最も受信部20との間の基準距離が短い発信部が在る場所で、被加工材料に対する作業が行われているものとして扱う。すなわち、この場合、処理部30は、複数の発信部のうち最も受信部20との間の基準距離が短く、かつ算出された基準距離が閾値以下である時間を、被加工材料に対するハンドリング時間として算出する。

ステップS405は、ステップS205と同様に行うことができる。 また、本実施形態に係る情報収集システム200は、複数の発信部を含んでいるため、受信部20を携帯している者が、どの発信部の近くにいつ滞在を開始し、どの程度の時間滞在していたかを時系列で第1表示部50に表示させることができる。

本実施形態では、さらに、ステップS404の後に、ステップS406において、処理部30から第2表示部70へ情報が送られ、第2表示部70において情報の表示が行われる。第2表示部70は、例えば作業者が携帯しており、当該作業者が現在行っている工程や使用している装置に関する情報、あるいは、その前後の工程などに関する情報を表示させることができる。また、このとき、第2表示部70に情報を表示させるとともに、作業者に情報の入力を求める入力フォームを表示させてもよい。この場合、作業者は、入力部80によって情報の入力を行う。

本実施形態によれば、情報収集システムが複数の発信部を含んでいるため、受信部20の所持者が、発信部が設けられた空間において、どのように行動していたかを、第1実施形態に比べてより広範囲にわたって自動で取得することができる。

また、本実施形態によれば、受信部20の所持者の移動経路を時系列で取得できるため、第1実施形態に比べて、当該所持者の行動をより詳細に自動で取得することができる。

なお、第1実施形態に係る情報収集システムが、本実施形態と同様に、第2表示部70および入力部80を含んでいてもよい。

(変形例) 第2実施形態に係る情報収集システム200においても、第1実施形態に係る情報収集システム100の変形例と同様の方法を採用することが可能である。すなわち、処理部30は、時刻tを基準とする第1期間αにおける、発信部10〜13のそれぞれと受信部20との間の平均距離Ad10(t)、Ad11(t)、Ad12(t)、およびAd13(t)を求め、これらの平均距離を発信部10〜13のそれぞれと受信部20との間の距離としてもよい。 なお、平均距離Ad10(t)〜Ad13(t)は、それぞれ、発信部10〜13と受信部20との間の平均距離である。

また、処理部30は、発信部10〜13における滞在時間を算出する際、平均距離Ad10(t)〜Ad13(t)のうち最小の平均距離Adx(t)が、所定の閾値dth以下となった時刻t1と、当該平均距離Adx(t)が閾値dth以下となった後であって閾値dthを超えた時刻t2と、の時間差t2−t1を算出する。そして、処理部30は、この時間差を、当該最小の平均距離Adx(t)が得られた発信部xの場所における作業者E(受信部20)の滞在時間とする。

発信部10〜13から発せられる信号に大きなノイズが含まれると、一時的に、発信部10〜13のそれぞれと受信部20との間の遠近関係が逆転してしまう可能性がある。従って、遠近関係が逆転すると、作業者Eの滞在場所や滞在時間を正確に求めることができなくなる可能性がある。

この点について、上述したように、平均距離Ad10(t)〜Ad13(t)を用いることで、ノイズによる影響を軽減し、作業者Eの滞在場所や滞在時間をより正確に求めることが可能となる。

このとき、第1実施形態の変形例で述べたように、第1期間αを受信部20で検出された加速度に応じて調整してもよい。また、現在時刻t0よりも過去の時刻t−1を基準として第1期間αの平均距離Ad(t−1)を算出してもよい。さらに、受信部20の加速度や速度に応じて、大きなノイズ成分を含んだデータを除去してもよい。これらの方法を用いることで、発信部10〜13のそれぞれと受信部20との間の距離をより一層正確に求めることが可能となる。

(第3実施形態) 第3実施形態に係る情報収集システムについて説明する。 第3実施形態に係る情報収集システムは、例えば、図7に表す第2実施形態に係る情報収集システム200と同様の構成を有する。

本実施形態において、格納部40は、受信部20の所持者の状態に関する行動モデルが格納されている。この行動モデルは、例えば、有限状態マルコフ連鎖としてモデル化されている。 処理部30は、受信部20から得られた情報を用いて、この行動モデルに沿って、受信部20の所持者の基準時刻における状態を推定する。

例えば生産現場では、受信部20の所持者は作業者であり、行動モデルに含まれる状態は、作業者が行う作業である。この場合、行動モデルは、作業者がどのような作業を行うか、また、それらの作業はどのように遷移していくかがモデリングされたものである。

ここで、図10を用いて具体的に説明する。 図10は、生産現場における行動モデルの一例を表す模式図である。 図10に表す例では、発信部20を携帯した作業者は、積み込み、運搬、着工、完工、運搬、および倉庫搬入の一連の作業を繰り返す。各作業には、所定の単位時間が経過した後、それぞれの作業を繰り返し行っている確率および次の作業に遷移している確率が含まれている。

図10(a)に表す例では、単位時間が経過した後に、その次の作業へ遷移している確率が10%であり、その作業を継続して行っている確率が90%であることを意味している。

図11は、第3実施形態に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

まず、処理部30は、格納部40にアクセスし、行動モデルを参照する。参照する行動モデルは、システムの管理者によって指定される。あるいは、処理部30は、受信部20から処理部30へ信号が入力された際に、その信号を発した発信部に関連付けられた工程が含まれる行動モデルを参照してもよい。 ここでは、一例として、処理部30は、図10(a)に表す行動モデルを参照したとする。

ステップS601において、処理部30は、参照した行動モデル上にサンプルを分布させる。サンプルは、それぞれの作業に一様に分布させても良いし、各作業にランダムで分布させてもよい。このとき、分布させるサンプルの数が多いほど、推定の精度を向上させることができる。

ここで、図10(a)に表す行動モデルに、サンプルを分布したときの一例を、図10(b)に表す。図10(b)に表す例では、5つのサンプルが配されている。

次に、ステップS602において、処理部30は、行動モデル上に分布されたサンプルを確率遷移させる。一例として、行動モデル上に5つのサンプルを分布させ、これらのサンプルを確率遷移させた後の一例を図10(c)に表す。 続いて、ステップS603において、受信部20で受信された信号を処理部30に出力する。

次に、ステップS604において、処理部30は、入力された信号を用いて、各サンプルの重み付け係数を計算する。 行動モデルには、各状態をおいて、発信部10〜14のそれぞれからどの程度の強度の信号が、どの程度の確率で入力されるかが含まれている。このため、各発信部からの信号を受信した際に、それぞれのサンプルが実際にその状態にある確率を計算することができる。

ここで、図11および図12に表す例を用いて具体的に説明する。 図12は、発信部からの信号強度と確率との関係の一例を表すグラフである。 行動モデルには、積み込み作業に対して、例えば図12に表すように、それぞれの発信部からの信号強度と確率との関係についての情報が含まれている。図12(a)は、発信部10からの信号強度と確率の関係であり、図12(b)は、発信部11からの信号強度と確率の関係である。同様に、行動モデルには、発信部12および13からの信号強度と確率の関係も含まれている。

ここで、例えば、発信部10および発信部11からの信号の信号強度が図12のそれぞれに表す破線であった場合、それぞれの関係において、当該信号強度の確率が得られる。この他、発信部12および13からの信号強度および確率も同様に得られる。これらの確率の積を計算することで、作業者が、実際に積み込み作業の作業場にいる確率が得られる。

本実施形態では、この確率を重み付け係数として扱う。図10(c)に表す例の場合、得られた確率を、積み込み作業の状態にあるサンプル1と2のそれぞれの重み付け係数とする。 同様にして、それぞれのサンプルに対して、重み付け係数を算出する。

次に、ステップS605において、算出された重み付け係数を用いて、行動モデル上に再度サンプルを分布させる。例えば、行動モデル上に分布させたサンプル数に、各サンプルで算出された重み付け係数を掛ける。そして、その結果の数のサンプルを、当該サンプルが存在する作業に配置させる。

図10(c)を例に説明すると、例えばサンプル1および2の重み付け係数がそれぞれ0.4である場合、これらの重み付け係数にサンプル数を掛けると、それぞれ2.0となる。また、サンプル3の重み付け係数が0.15、サンプル4および5の重み付け係数がそれぞれ0.05とすると、サンプル数との積は、それぞれ、0.75、0.25、および0.25となる。このとき、例えば、少数第1位の四捨五入によりサンプル3における値を1とし、その他の値を0とする。

この結果、行動モデル上に再度サンプルされた後は、図10(d)に表すように、積み込み工程に合計4つのサンプルが配置され、運搬工程に1つのサンプルが配置される。このとき、もっともサンプル数が配された作業を、作業者が行っているものと推定することができる。

この後は、ステップS602〜S605が繰り返し行われる。これにより、それぞれの時刻において作業者がどの作業を行っている可能性が高いか推定することが可能である。また、ステップS605において、重み付け係数を用いてサンプルの分布を繰り返し行うため、より精度を高めることができる。

ステップS605で得られた推定結果は、例えば、ステップS405と同様にして、第1表示部50に表示させてもよい。あるいは、ステップS602〜S605のそれぞれにおいて得られた結果を、逐次第1表示部50に表示させてもよい。また、推定された作業と関連付けられた情報を、第2表示部60に表示させてもよい。

本実施形態によれば、受信部20で受信した信号を用いて、行動モデルに沿って、受信部20の所持者の状態を推定する。このため、受信部20で受信した信号にノイズが含まれていたり、発信部同士の信号が混信して受信部20で信号が受信されたりした場合などでも、所持者の状態をより正確に求めることができる。

(変形例) 次に、第3実施形態の変形例について説明する。 本変形例では、格納部40は、行動モデルに加えて、ロケーションモデルを含んでいる。 ロケーションモデルには、発信部の位置、各発信部からの距離と信号強度の関係、などの情報が含まれている。

図13は、第3実施形態の変形例に係る情報収集システムで実行されるプログラムのフローチャートである。

まず、処理部30は、格納部40にアクセスし、所定の行動モデルおよびロケーションモデルを参照する。

ステップS801において、処理部30は、参照した行動モデル上およびロケーションモデル上にサンプルを分布させる。サンプルは、それぞれのモデル上に一様に分布させても良いし、ランダムでサンプルを分布させてもよい。このとき、分布させるサンプルの数が多いほど、推定の精度を向上させることができる。

ステップS801を行った後の具体的な一例を、図14に表す。図14(a)は、サンプルが分布されたロケーションモデルの一例であり、図14(b)は、サンプルが分布された行動モデルの一例である。このとき、行動モデル上に分布されたそれぞれのサンプルと、ロケーションモデル上に分布されたそれぞれのサンプルとは、対応関係を有している。例えば、行動モデル上に分布されたサンプル1は、ロケーションモデル上に分布されたサンプル1と対応している。

次に、ステップS802において、処理部30は、行動モデル上およびロケーションモデル上に分布されたサンプルを遷移させる。前述した通り、行動モデル上では、サンプルは、単位時間ごとに確率遷移する。一方で、ロケーションモデル上では、例えば、サンプルは単位時間ごとにランダムウォークを行う。

次に、ステップS803において、受信部20で受信された信号を処理部30に出力する。 続いて、ステップS804において、処理部30は、入力された信号を用いて、各サンプルの重み付け係数を計算する。

前述した通り、行動モデルには、各作業を行っている際に、発信部のそれぞれからどの程度の強度の信号が、どの程度の確率で受信されるかが含まれている。また、ロケーションモデルには、発信部の位置、各発信部からの距離と信号強度との関係、についての情報が含まれている。 このため、各発信部からの信号を受信した際に、それぞれのサンプルについて、受信部20の所持者が実際にその状態にある確率、および受信部20の所持者が実際にその場にいる確率、を算出することができる。

具体的に、図15を例に挙げて説明する。 図15(a)は、発信部10とサンプルとの間の距離と、当該距離において測定される信号強度と、の関係の一例を表すグラフである。図15(b)は、図15(a)の例における、受信部20で受信される信号強度と、当該サンプルが実際にその場にいる確率と、の関係を表すグラフである。 図15(a)において、縦軸は信号強度であり、横軸は距離である。図15(b)において、縦軸は確率密度であり、横軸は信号強度である。

図15(a)の黒点の位置にサンプルが存在するとした場合、当該サンプルが実際にその場にいる確率は、図15(b)に表すように、図15(a)の黒点の位置をピークとする正規分布で表すことができる。

この図15に表す例において、受信部20で受信した発信部10からの信号強度が、図15(b)の2点鎖線で表される強度であった場合、図15(b)の確率分布から、作業者が実際にそのサンプルの位置にいる確率が得られる。 同様に、他の全ての発信部からの信号強度を用いて、それぞれの他の発信部に対して、作業者が実際にそのサンプルの位置にいる確率を求める。 その後、得られた確率を全て掛け合わせることで、作業者が実際にそのサンプルの位置にいる、ロケーションモデルによる確率が得られる。

一方、行動モデル上における確率は、ステップS604の説明で述べた方法と同様の方法により得られる。 最後に、ロケーションモデルにより得られた確率と、行動モデルにより得られた確率を掛けることで、実際に作業者が、当該サンプルの作業を行い、当該サンプルの位置にいる確率が得られる。 これを全てのサンプルに対して行い、各サンプルの重み付け係数を得る。

次に、ステップS805において、ステップS605と同様の方法により、算出された重み付け係数を用いて、行動モデル上およびロケーションモデル上に再度サンプルを分布させる。

本変形例によれば、行動モデルに加え、さらにロケーションモデルに沿って、受信部20の所持者の状態および位置を推定する。所持者の状態および位置をより正確に求めることが可能となる。

以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。

10…発信部 20…受信部 30…処理部 40…格納部 50…第1表示部 60…入力部 70…第2表示部 80…入力部

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