Measuring apparatus and method of the value associated with the time constant

申请号 JP10979588 申请日 1988-05-02 公开(公告)号 JP2645270B2 公开(公告)日 1997-08-25
申请人 ヒューレット・パッカード・カンパニー; 发明人 JON ENU DEYUUKUSU; UIRIAMU EFU KAARUSEN JUNIA; RICHAADO JEI PITARO;
摘要 Oxygen determination based on luminescence quenching of fluorescent dye is effected by using the frequency output of an offset-phase locked loop (15) to calculate the time constant for the exponential decay of fluorescence. An offset phase angle between a periodic stimulus signal used to excite the dye and a response signal based on fluorescence detection is predetermined to optimize signal-to-noise ration for a wide range of time constants. An offset-phase locked loop (15) is used to vary the frequency of a periodic stimulus signal until the predetermined phase relationship is established, and the frequency forms a measure of the decay rate. Where the stimulus and response signals are substantially sinusoidal, the offset phase angle is ideally about 49.3 DEG , although substantially optimal performance is achieved using a more conveniently generated 45 DEG . The 45 DEG angle offset can also be used with a square-wave stimulus signal.
权利要求 (57)【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】試料の応答を特徴付ける指数関数的減衰の時定数に関連する値の測定装置において、 前記試料に周期的刺激信号を与えてこれにより生起する周期的応答信号を獲得する手段と、 前記周期的刺激信号の周波数を調節して前記周期的刺激信号と前記周期的応答信号の間の位相差を所定値にせしめる手段と を設け、 前記所定値の位相差を与える前記周波数から前記パラメータを求めることを特徴とする測定装置。
  • 【請求項2】以下の(a)ないし(c)を設け、指数関数的減衰の時定数に関連する値を測定する装置: (a)受信した刺激信号に応答して試料を刺激する刺激手段と、前記試料によって生成された応答を反映する応答信号を提供する応答手段を含む刺激/応答手段; (b)信号発生器を含むオフセット位相ロックループ:
    前記信号発生器は予め定められた信号発生器周波数範囲内の周波数によって特徴付けられる周期的刺激信号を発生し、前記刺激信号が前記刺激手段によって受信され前記応答手段を介して前記オフセット位相ロックループにフィードバックされる周期的応答信号をもたらすように、前記オフセット位相ロックループが前記刺激/応答手段とフィードバックを行う関係に構成され、前記オフセット位相ロックループはあるオフセット位相角を前記周期的刺激信号と前記周期的応答信号の間に持たせるように動作し、前記オフセット位相角は前記信号発生器周波数範囲上で定数である; (c)前記刺激信号の周波数から前記応答信号についての指数関数的減衰の時定数に関連する値を導出する変換手段。
  • 【請求項3】前記オフセット位相ロックループが以下の(b−1)及び(b−2)を含むことを特徴とする請求項2記載の指数関数的減衰の時定数に関連する値を測定する装置: (b−1)前記周期的刺激信号と前記周期的応答信号と前記オフセット位相角の関数として位相検波信号を供給する位相検波器:前記位相検波器は信号入力と基準入力と出力を有し、前記信号入力は前記周期的応答信号を受信するように構成され、前記位相検波器出力は前記信号発生器を制御して前記周期的刺激信号の周波数を定めるように構成される; (b−2)前記周期的刺激信号と同じ周波数を有し前記周期的刺激信号とあらかじめ定められた位相関係にある基準信号を供給する位相シフト手段:前記予め定められた位相関係は、前記オフセット位相角が前記オフセット位相ロックループによって強制的に設定されるように選択される。
  • 【請求項4】前記変換手段が以下の(c−1)及び(c
    −2)を含むことを特徴とする請求項2記載の指数関数的減衰の時定数に関連する値を測定する装置: (c−1)入力と出力を有する周波数カウンタ:前記周波数カウンタは前記入力に与えられた信号に応答して周波数カウント信号を供給するように設計され、前記周波数カウンタの前記入力は前記周期的刺激信号を受信するように構成される; (c−2)前記周波数カウント信号を受信するように構成される計算器:前記計算器は前記周波数カウント信号によって表わされる値から指数関数的減衰の時定数に関連する値を計算するように構成される。
  • 【請求項5】前記オフセット位相ロックループが以下の(b′−1)ないし(b′−5)を含むことを特徴とする請求項2記載の指数関数的減衰の時定数に関連する値を測定する装置: (b′−1)前記刺激信号を固定周波数信号と混合することによって周波数シフトされた基準信号を供給する周波数合計手段:前記周波数合計手段は前記信号発生器からの刺激信号を受信するように構成された信号入力と固定周波数入力を有する; (b′−2)前記応答信号を前記周波数シフトされた基準信号と混合することによって固定周波数検波信号を供給する周波数変換手段; (b′−3)前記固定周波数検波信号から増幅された固定周波数検波信号を供給する増幅器手段; (b′−4)位相検波信号を供給する位相検波器:前記位相検波器は信号入力と基準入力を有し、前記信号入力は前記増幅器手段から前記増幅された固定周波数検波信号を受信するように構成される; (b′−5)予め定められたオフセット決定位相差を有する第1及び第2の固定周波数信号を生成する多相固定周波数発生器:前記多相固定周波数発生器は前記周波数合計手段の前記固定周波数入力に前記第1の固定周波数信号を供給するとともに、前記位相検波器の基準入力に前記第2の固定周波数信号を供給し、前記オフセット決定位相差は前記オフセット位相ロックループが前記周期的刺激信号と前記周期的応答信号の間の位相角を強制的に前記オフセット位相角にするように選択される。
  • 【請求項6】以下のステップ(a)ないし(f)を有し、刺激に対する試料の応答を特徴付ける指数関数的減衰の時定数に数字的に関連する前記試料のパラメータを測定する方法: (a)相対的に好適な信号対雑音比を与えるための、周期的刺激信号とそれへの応答信号との間のオフセット位相角を決定する; (b)周期的に指数関数的減衰を開始するように選択された周期的刺激信号で前記試料を刺激する; (c)その結果得られる応答信号を検出する; (d)前記周期的刺激信号の周波数を調節して、前記周期的刺激信号と前記周期的応答信号の間の位相差が前記オフセット位相角になるようにする; (e)前記周期的刺激信号の周波数を測定する; (f)前記測定された周波数から求めるべきパラメータの値を計算する。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、測定に関するものであり、とりわけ、指数関数減衰時定数及びそれから導き出されるパラメータを測定するための測定装置及び方法に関するものである。
    本発明には多くの用途があるが、特に、例えば、けい光の消光(quenching)に基づく血液中の酸素濃度測定に用いられる。

    〔従来技術およびその問題点〕

    例えば血液のような各種溶液中の酸素濃度は、けい光減衰時定数を求めることによって測定することが可能である。 適当に保護されたけい光染料は、試料溶液の中に溶かすことができる。 適当な波長の光を用いて溶けた色素を刺激する(stimulate)と、けい光を発生し始める。 刺激を急に中止しても、けい光のほうは、すぐには終結せず、減衰指数関数に従って減衰していく。

    こうした色素を加えた試料溶液中では、けい光は、酸素の存在により、けい光の強度と持続時間が酸素濃度の関数として減少していくように弱まる。 理論的には、酸素濃度は、強度と持続時間のいずれの関数としても測定することができる。 しかし、強度は、温度、刺激の強度、光−機械的結合、ファイバーの曲げ損失といった系の多数の変数によって変動するため、取扱いが困難である。

    けい光減衰は、指数関数的に特徴付けることができるので、こうしたけい光減衰の指数関数時定数τは、振幅に無関係な酸素濃度の尺度として用いることができる。
    試料についての時定数は、色素を加えた試料を刺激発光させ、次に、急に刺激を停止し、それから、強度が1/
    e、約63%減少するのに要した時間間隔を求めることによって、直接求めることができる。 同様に、固定時間間隔における変化率を用いて時定数を求めることもできる。 至る所に存在するノイズのため、こうした直接的方法では、多数の測定について平均化を行なわない限り、
    あまり精密な結果は得られない。 従って、通常、ワンショットではなく、周期的な刺激を用いるのが望ましい。

    例えば、パルス法の場合、試料はパルス列で刺激されて周期的に応答信号を発生する。 刺激に関する応答の平均遅延は、酸素濃度の尺度として用いられる。 パルス法の主たる欠点の1つは、シャープな形状の刺激パルスを発生するのが困難という点である。 一般に利用できる光源は、持続時間が数ナノ秒のパルスを発生するが、これでも、しばしば、けい光の寿命のかなりの部分を占めることになる。

    反復たたみこみ(iterative convolution)を利用して、指数関数減衰からパルス持続時間が長いための影響を区分けすることができるが、これには、パルス形状を極めて慎重に制御する必要がある。 反復たたみ込みに関する計算は、高い周波数で刺激信号を繰返すことにより減衰同志がオーバーラップする場合には、さらに複雑さが増す。 他の解決策は、パルス幅がピコ秒単位のレーザを用いることであるが、こうしたレーザは、コストや技術的問題から広く用いることはできない。

    パルス法の欠点のいくつかをまぬがれるのに、位相シフト法を用いることも可能である。 位相シフト法の一般的な適用例では、正弦波変調が施された光を使って試料の刺激が行なわれる。 この場合の出は、刺激正弦波と系の指数関数のたたみこみであり、やはり正弦波ではあるが、位相がシフトされている。 従って、時定数は、やはり、刺激信号に対する応答信号の位相から間接的に求めることができる。 位相は各種の位相検出器を利用すれば簡単に求めることができる。

    位相シフト法には、いくつかの長所がある。 サブナノ秒もの短い時定数でさえ容易に測定可能である。 またデータ収集が比較的迅速であるが、このことは一般に好都合であり、求めたりパラメータが急激に変化し得る場合には欠くことができない。

    位相シフト法のもう1つの重要な長所は、多重時定数が互いに重畳する可能性のあるさらに複雑な試料解析にも容易念適合するということである。 理論的には、位相シフト法を用いると、混合物内にある各けい光源の個々の時定数を直接記録することが可能である。

    位相シフトの手法には、まだ2つの重大な欠点が残っている。 第1に、位相測定を極めて高い精度で行なうのが困難な場合がある。 位相検出器は振幅の影響に鋭敏な場合があるので、読取り値のひずみを防ぐのが困難である。

    第2に、位相シフト法を行なうシステムの感度が、一般に、位相シフト量の関数として変動する。 すなわち、
    狭い位相範囲からはずれると、SN比は達成できる最良値よりも悪化する。

    システムによっては、刺激信号用の多重周波数のための構成を設けているものもある。 これによって、最適位相範囲を用いて検出できる試料特性の範囲が増すことになる。 しかし、代替周波数の選択は、ユーザにとって不便であり、おそらく、所望の測定が可能になるまで無用な一連の測定が行なわれるに違いない。 そのようなことを行なっているうちに試料パラメータが変化するかもしれないので、その妥当性がそこなわれる。 さらに、その手法でも、やはり最適感度が連続して得られない。

    この感度の制限は、刺激強度または試料の応答性があまり強くないことにより所望の信号がノイズに近い大きさであるシステムにとっては、極めて重大になり得る。
    こうした場合、測定器の最大感度範囲をはずれると、有効な測定を行なうことができなくなることがある。 従って、位相シフト・システムでは、連続した広い範囲にわたって有効な測定を行なうことはできないであろう。

    酸素測定に加え、指数関数減衰を含む広範囲の応用対象に適用される利用可能な方法にこうした欠点があるからには、必要なのは指数関数減衰時定数を求めるための改良された測定方式である。

    〔発明の目的〕

    本発明は、使い勝手がよく、広い、連続した測定範囲にわたって最適感度が得られる測定方式を与えることを目的とする。 また、これは使いやすくかつ、正確な読みを与えることが可能になっていることが望ましい。

    〔発明の概要〕

    本発明の一実施例によれば、指数関数減衰時定数は、
    オフセット位相ロック・ループ(offset−phase locked
    loop)で、ほぼ最適な感度が得られる刺激−応答位相を強制的に生じさせる刺激信号の周波数の関数として求められる。 これを実現する測定システムには、試料インタフェース、オフセット位相ロック・ループ、周波数カウンタ、周波数カウンタの出力から求めたいパラメータ値を導き出すための計算器を組み込むことができる。

    オフセット位相ロック・ループには、位相検出器、可変周波数発生器、及び位相シフタを組み込むことができる。 これらのコンポーネントは、さまざまな方法で設計し、構成し、組み合わせることができる。 オフセット位相角の大きさは40゜〜60゜(両端の値を含む)になるのが望ましい。 刺激信号が正弦波の場合、約49.3゜のオフセット位相を用いて、感度を最適化することができる。
    しかし、より発生しやすい45゜の角度で、ほぼ最適な感度を得ることも可能である。

    あらかじめ決められた位相を選択することによって、
    ほぼ最高の感度を維持しながら、広範囲の時定数を測定することが可能になる。 周波数カウンタを用いることによって、位相検出器がさらされる振幅の影響による妨害を受けずに、周波数を容易かつ精密に測定することが可能になる。 本発明は、位相検出器を用いているけれども、その出力が入力信号の振幅に関係なくゼロになる90
    ゜の位相差で動作する。 従って、この位相検出器は振幅エラーを最も受けにくいポイントで動作する。

    上述したことによって、改良を加えた指数関数減衰時定数を測定する方式により、容易かつ精密な読取りと、
    広範囲の時定数に対する最適感度が可能となる。 本発明の他の特徴及び長所については、図面を参照しながら行なわれる以下の説明の中で明らかになる。

    〔発明の実施例〕

    測定システム11には、刺激/応答アセンブリ13、オフセット位相ロック、ループ15、及び出力プロセッサ17が含まれている。 刺激/応答アセンブリ13は、測定対象の試料を保持し、受信した刺激信号に従って試料への照射を行ない、その結果生じるけい光を応答信号に変換するように設計されている。 オフセット位相ロック・ループ
    15は、刺激信号の周波数を制御して、応答信号と刺激信号間における位相角がシステムの感度を最適化するためあらかじめ選択された位相角になるようにする設計が施されている。 出力プロセッサ17は、刺激信号の周波数を求めて、その求めた周波数を求められているパラメータの測定値に変換するように設計されている。

    ここにおける刺激/応答アセンブリ13の主な特性は、
    周期的刺激信号に対する周期的応答信号を発生し、刺激信号と応答信号の相対位相が周波数の関数になるようにする能力にある。 図示した刺激/応答アセンブリ13には、試料を照射するようになっている光源と、けい光染料を混合した試料からのけい光を検出するようになっているフォトダイオードが含まれている。 さらに、信号を強めるための増幅器と、刺激信号と応答信号を分離するためのフィルタも設けられている。

    オフセット位相ロック・ループ15には、位相検出器19
    と多重位相電圧制御発振器21が含まれている。 位相検出器19には、ミクサ23と低域フィルタ25が含まれている。
    ミクサ23には、2つの入力が設けられており、一方は応答信号を受け、もう一方は基準信号を受けるようになっている。 交流増幅器27は、ミクシングの前に応答信号を増幅するのに用いられる。 低域フィルタ25は、ミクサ23
    における位相差を反映した基本的には直流の電圧レベルを生じるものである。

    直流増幅器29は、オフセット位相ロック・ループ15の安定度と捕捉速度のバランスおよびその精度と範囲のバランスを適正にとるような利得を与えるために用いられる。 増幅された直流信号は、多重位相電圧制御発振器21
    によって発生される信号の周波数制御に用いられる。

    多重位相電圧制御発振器21は、同一周波数だがあらかじめ決められた量だけ位相が異なる多重信号を出力するように設計されている。 図示の多重位相電圧制御発振器
    21は、刺激/応答アセンブリ13に刺激信号を与え、位相検出器のミクサ23には基準信号を与えるようになっている。

    ミクサ23への基準信号は、位相検出器に対する一般的な直角位相入力に必要な90゜と、最適化オフセット位相角を考慮した角度だけ、刺激信号から位相シフトされる。 交流増幅器27によって導入される位相シフトやシステムによる他の偏移といった他のシステムの考慮すべき問題によって、刺激信号と基準信号との相対位相を与える際に他の項が加わることがある。 基本的には、基準信号の位相は、オフセット位相ロック・ループ15が所望のオフセット位相角でロックするように選択される。

    図示した実施例の場合、刺激信号は正弦波であり、これに応じて、応答信号もほぼ正弦波である。 正弦応答の
    S/N比は、応答信号が刺激信号に対し約49.3゜遅れる時、最適になる。 図示した実施例の場合、フルサイクルの整数分の1で動作させるほうが都合がよく、最適に近い感度を得るため、−45゜のオフセット角が用いられる。 オフセット角の負の符号は、以下では応答信号が、
    刺激信号より遅れることを示す。

    この測定システムの変型例では応答信号は正弦波以外のものになる。 非正弦応答信号は、例えば方形波のような非正弦波刺激信号の結果であることも、あるいは、試料特性の結果であることも、あるいは、他の刺激/応答アセンブリのコンポーネントのためであることも、あるいは、その2つの要素の組合せによることもあり得る。
    応答信号が非正弦波の場合、最適角度が−49.3゜から少しずれることがある。 従って、望ましいオフセット角は、約−60゜〜−40゜の範囲で変動し得る。

    測定システムの出力プロセッサ17には、周波数カウンタ31と計算器33が含まれている。 周波数カウンタ31は、
    それに対して入力された刺激信号の周波数をデジタル表示する。 計算器33は、デジタル周波数カウントを受ける構成になっており、酸素濃度や減衰時間それ自体のような所望のシステム出力を計算し、読み取るようにプログラムされている。

    本発明によって得られる第2図に示した別の測定システム41の場合、刺激/応答アセンブリ43、オフセット位相ロック・ループ45、及び出力プロセッサ47から構成されている。 オフセット位相ロック・ループ45から与えられる刺激信号に応答して応答信号を送り出す刺激/応答アセンブリ43と、周波数カウンタ49及び計算器51を備えた出力プロセッサ47は、第1図中の実施例の対応するコンポーネントとほぼ同一のものである。 また、増幅器55
    は位相検出器において発生した混変調及び相互変調積によって生成されるノイズを軽減させるように狭帯域幅とすることができる。

    第2図の測定システム41の場合、オフセット位相ロック・ループ45は、交流増幅器及び位相検出に先立って応答信号を固定低周波信号へダウン・コンバージョンしている。 このようなダウン・コンバージョンの長所は、交流増幅によって導入される周波数に関連した位相シフトがあってもかまわないようにすることも、この位相シフト自体を処置することも、あるいは、これを回避するための別の設計をすることも必要でないという点である。

    ダウン・コンバージョンは、刺激/応答アセンブリ43
    から応答信号を受けるようになっている応答信号入力と、ダウン・コンバージョンするための信号を受けるようになっている基準信号入力を備えた“変換”ミクサ53
    によって行なわれる。 ダウン・コンバージョンするための信号の周波数は、応答信号の周波数に以下で説明するように与えられる固定低周波数のオフセットを加えたものに等しい。 この変換ミクサ53によって発生するダウン・コンバージョンされた信号は、固定周波数の信号であり、その位相には応答信号の位相情報が保存されている。

    ダウン・コンバージョンされた信号は交流増幅器55で増幅されて、増幅された応答信号が送り出される。 この交流増幅器55の設計次第で、位相シフトが導入されたりされなかったりする。 しかし、増幅信号は周波数が固定のため、周波数変動で生じる位相シフトは問題にならない。

    このようにして出力された増幅ずみの位相検出対象信号は、次に“位相検出”ミクサ57において位相シフト基準信号と混合され、位相検出信号が発生する。 位相シフト基準信号の周波数は、増幅された上でここに与えられる信号の周波数と同じである。 位相シフト基準信号の位相は刺激信号と応答信号の間で所望のオフセット位相角が得られると位相検出ミクサ57の平均電圧出力がゼロボルトになるように、交流増幅器55から与えられる入力信号から90゜移相するよう選択される。

    直流増幅器を含んでいるかもしれない低域フィルタ59
    が位相検出信号をフィルタリングし、実質的に直流の出力を発生する。 図示の実施例の場合、低域フィルタ59の帯域幅は、オフセット位相ロック・ループ45の高安定性と、信号応答が微弱であり従ってノイズが多い場合にシステム精度を高くするため行なわれるかなりの回数の平均化に備えて、約0.1Hzになっている。

    低域フィルタ59から出力される直流位相検出信号は、
    電圧制御発振器61の制御に用いられる。 この電圧制御発振器61の出力は周期的刺激信号となり、3つの目的に利用される。 第1に、この刺激信号は、刺激/応答アセンブリ43の駆動を行なう。 第2に、この刺激信号は所望の測定値を求めるため用いられる周波数カウンタ49に加えられる。 第3に、この刺激信号は単側波帯発生器63に入力される。

    この単側波帯発生器63には2つの入力が設けられている。 その一方は刺激信号を受信するようになっており、
    他方は多重位相固定周波数発振器65から出力される“同相”基準信号を受信するようになっている。 測定システム41の場合、固定周波数は10Hzである。 従って、単側波帯発生器63の出力は刺激信号の周波数にこの低い周波数
    10Hzをプラスした“同相”信号である。 この周波数加算した信号は、変換ミクサ53で応答信号をダウン・コンバージョンするのに用いられるダウン・コンバージョン用の信号である。

    多重位相固定周波数発振器65もやはり位相検出ミクサ
    57に対し位相シフトされた基準信号を加える。 位相シフトされた基準信号と同相基準信号間における位相シフトの程度には、3つの成分が関係する。 第1の成分は位相検出に普通用いられる90゜の直角位相の項である。 第2
    の項は所望の位相オフセットである。 応答信号は刺激信号よりも遅れるため、この項は一般には、−60゜〜−40
    ゜になる。

    第3の項は、位相検出に先立ちオフセット位相ロック・ループ45によって導入された位相シフトを補償する。
    例えば交流増幅器55によって付加される位相シフトは、
    位相シフトされた基準信号の位相に反映されるべきである。 第1図の実施例の場合、この項は実験によって求めることができる。 代わりに、交流増幅器に、ダウン・コンバージョン用の周波数において特定の位相シフトが加えられるような設計を施すことも可能である。 図示の測定システムの場合、交流増幅器55は10Hzではさほどの位相シフトも付加しないので、この第3の項は無視することが可能になる。

    第2図の測定システム41の場合、電圧制御発振器61の出力は方形波である。 従って応答信号が正弦波になることは期待できない。 しかし、刺激/応答アセンブリ43の固有のフィルタ効果によって、刺激信号の比較的高次の高調波成分の一部が失なわれることがあり、これによって、理想のオフセット位相角を求める目的にはその応答信号を正弦波信号で近似することができる。 従って発生しやすい−45゜のオフセット位相角によって、測定システム41の最適に近い性能が得られる。

    一般に、理論上最適な位相のオフセットは、多くの変数の関数になり得る。 これらの変数には、刺激波形、試料または刺激/応答アセンブリの応答の非理想的性質、
    応答波形自体に対する影響が含まれ得る。 正弦波刺激信号は、予想通り、正弦波応答信号を与え、この応答信号は単純に解析することができるので、正弦波刺激信号を利用することができる。 しかし、方形波刺激信号はもっと簡単に発生させることができるし、また、もっとうまく位相検出に用いることができる。

    応答波形に対する影響は、意図的に与えることが可能である。 例えば、増幅と振幅制限を利用して、正弦波または他の波形から方形波を作ることができる。 注意すべきは、振幅制限によって、ある範囲のオフセット位相に対して一貫した検出器感度を得ることができるが、これには、入力S/N比のしきい値未満に出力S/N比が低下するという犠牲を払うことになる。 ただし、結果的には、S/
    N比を最大にするのに最適な位相オフセットは、振幅制限によってあまり影響を受けない。

    望ましい位相オフセットは、位相オフセットを得る際の便宜や、互いに競合する設計上の考慮事項を含めた多くの理由から、理想のオフセットからずらすことがあり得る。 さらに、各種コンポーネントが周波数関数として位相シフトに影響する可能性があり、従ってオフセット位相角に設計上の妥協を反映させる必要がある。

    さらに、本発明は、単純な指数関数減衰よりも複雑な応答にも適用することが可能である。 状況によっては、
    相異なる時定数を持ついくつかの指数関数減衰が共存する可能性もある。 さらに、指数関数減衰が他の減衰関数に重畳される可能性もある。 こうした状況において、本発明では、応答信号における1つまたは複数の指数関数の項の識別ができる。 例えば、基準位相角を順次変化させ、その結果生じる発振器の周波数を順次解析することによって、2つ以上の指数関数時定数を求めることができる。

    オフセット位相ロック・ループには、多様な設計が利用できる。 位相検出を行なう方法はさまざまであり、さまざまなタイプの信号発生器の利用が可能である。 位相検出と周波数発生を調整する手法は多種多様である。 周波数発生器は、電圧制御式に限定されるものではない。
    電流を利用して電流制御デバイスの制御を行なうことも可能である。 デジタル位相読取りを利用して、デジタル制御発振器を制御することも可能である。 位相検出と刺激信号発生機能の組合せはほぼ無限である。 さらに、増幅器やフィルタのような補助コンポーネントの構成及び選択にも多様な可能性がある。

    オフセット位相角の実現には、いくつかの方法でアプローチすることができる。 必要な位相シフト機能は、多重位相周波数発生器で実現するか、あるいは、位相検出器に組込むか、あるいは、専用の位相シフタで実現することができる。

    さらに、位相シフト量は、固定とすることもできるし、あるいは、選択可能とすることもできる。 選択可能な位相シフトを利用すれば、組み込まれる測定器の較正ができるし、またフレキシビリテイを与えることにもなる。 これは、異なる波形の選択ができるようになっている場合、あるいは他の変数のどれかによって理想または望ましいオフセット位相角に影響がある場合には、特に重要である。

    出力プロセスは各種の方法で実施可能である。 たとえば、デジタルまたはアナログ装置のいずれかを含むことができるし、両方を含むこともある。 周波数カウンタは周波数をデジタル表示またはアナログ表示してよい。 周波数カウンタの出力は、部分的には、測定されている最終パラメータに基き、多種多様な方法でプログラムすることができる。

    多くの異なる刺激/応答アセンブリが使用できる。 刺激用の光源としては、発光ダイオード、半導体レーザ、
    ガスレーザまたは他のレーザ、フラッシュランプ等が可能である。 変調は光源の強さを変えるかあるいは光源から放出されるビームにストローブ処理を施すことによってかけることができる。

    光源と試料、及び試料と検出器の結合には、直接接触、または、真空、気体、液体、または光ファイバを含む固体を介した光伝送を含むことができる。 検出器は、
    シリコンフォトダイオード、あるいは他の多くの感光素子の1つとすることができる。 検出器の出力は、必要に応じて増幅可能である。

    血液、有機溶剤、または、様試料に溶け込んでいる酸素の測定時には、各種けい光染料を用いることができる。 こうした染料は、例えば、鉱山、他の産業上の危険域、酸素テント等の気体相における酸素レベルを測定するのにも利用可能である。

    関係する変数が酸素濃度以外のものであれば、全く異なる染料が使用され得る。 本発明の方式は、けい光材料の識別や、関係する試料中におけるけい光材料の濃度についても適用可能である。

    さらに一般的には、指数関数減衰や周波数による位相シフトを特徴とする他の関数に関連するプロセスによって特徴付けられるいくつかの領域に渡って、多くのパラメータの測定にも本発明を適用することができる。 刺激/応答アセンブリ、周波数発生器及びそれに組み込まれるオフセット位相ロック・ループ、及び出力プロセッサの性質は、全て用途の必要に応じて適合させることができる。 従って、本発明は、前述の実施例も、またそれへの変更、修正も可能とするものであり、本発明の範囲は本願特許請求の範囲によってのみ制限を受ける。

    〔発明の効果〕

    以上説明したように、本発明によれば波形の遅延等の周波数に依存した位相角変化として現れる量の測定を簡単かつ正確に行なうことが可能である。

    【図面の簡単な説明】

    第1図および第2図は本発明に基いて構成された測定システムのブロック図である。 13,43:刺激/応答アセンブリ 15,45:オフセット位相ロック・ループ 17,47:出力プロセッサ 19:位相検出器 21:多重位相電圧制御発振器 23:ミクサ 25,59:低域フィルタ 27:交流増幅器 29:直流増幅器 31,49:周波数カウンタ 33,51:計算器 53:変換ミクサ 55:交流増幅器 57:位相検出ミクサ 61:電圧制御発振器 63:単側波帯発生器 65:多重位相固定周波数発振器

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチヤード・ジエイ・ピタロ アメリカ合衆国カリフオルニア州サン・ カルロス・カリー・コート 70 (56)参考文献 特開 昭63−285447(JP,A) 特開 昭63−204138(JP,A) 特開 昭63−188763(JP,A) 特開 昭60−17327(JP,A) 特開 昭51−49790(JP,A)

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