シャント抵抗器およびその実装方法

申请号 JP2016143302 申请日 2016-07-21 公开(公告)号 JP2018014420A 公开(公告)日 2018-01-25
申请人 株式会社デンソー; 发明人 ▲高▼石 淳平; 林 敬昌;
摘要 【課題】シャント抵抗器の回転方向のずれに対してもボンディング 位置 を補正可能なシャント抵抗器およびその実装方法を提供する。 【解決手段】このシャント抵抗器は、予め抵抗率が設定された抵 抗体 を有し、2つの電極の間を架橋して、抵抗体による電圧降下を検出することにより電極の間に流れる電流の電流値を検出するためのボンディングワイヤが接続される。シャント抵抗器は、電極に電気的に接続される一対の接続部と、抵抗体を含み、一方の接続部から他方の接続部へ延設され、2つの接続部の間を架橋する架橋部と、を備える。さらに、ボンディングワイヤが接続される一面を 正面 視して撮影された場合に、仮想線分(L)が定義可能なマークを有するものであり、シャント抵抗器に固定された仮想線分と、予め規定された直線との 角 度差θを検出し、角度差θに応じてボンディングワイヤの接続位置を補正する。 【選択図】図2
权利要求

少なくとも一部に、予め抵抗率が設定された抵抗体(23)を有し、 2つの電極(200)の間を架橋して、前記抵抗体による電圧降下を検出することにより前記電極の間に流れる電流の電流値を検出するためのボンディングワイヤ(30)が接続されるシャント抵抗器であって、 前記電極に電気的に接続される一対の接続部(10)と、 前記抵抗体を含み、一方の前記接続部から他方の前記接続部へ延設され、2つの前記接続部の間を架橋する架橋部(20)と、を備え、 前記ボンディングワイヤが接続される一面を正面視して撮影された場合に、仮想線分(L)が定義可能なマーク(40a,40b,41,42)を有するシャント抵抗器。前記マークは前記ボンディングワイヤが接続される面と同一の面に形成される請求項1に記載のシャント抵抗器。前記ボンディングワイヤは前記架橋部にボンディングされ、前記マークは前記架橋部に形成される請求項2に記載のシャント抵抗器。前記マーク(40a,40b)は点状であり、撮影時に少なくとも2点が検出可能にされ、前記2点を結ぶ直線により前記仮想線分が定義される請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャント抵抗器。前記仮想線分を定義する2点の前記マークは、前記抵抗体を挟む位置に形成される請求項4に記載のシャント抵抗器。前記マーク(41,42)は直線部を含む形状をなし、前記直線部に沿うエッジにより前記仮想線分が定義される請求項1〜3のいずれか1項に記載のシャント抵抗器。前記マーク(41)は帯状であり、前記直線部としての帯の長手方向に沿うエッジにより前記仮想線分が定義される請求項6に記載のシャント抵抗器。前記マークは孔部である請求項1〜7のいずれか1項に記載のシャント抵抗器。少なくとも一部に、予め抵抗率(23)が設定された抵抗体を有し、 2つの電極(200)の間を架橋して、前記抵抗体による電圧降下を検出することにより前記電極の間に流れる電流の電流値を検出するためのボンディングワイヤ(30)が接続されるシャント抵抗器の実装方法であって、 前記シャント抵抗器は、 前記電極に電気的に接続される一対の接続部(10)と、 前記抵抗体を含み、一方の前記接続部から他方の前記接続部へ延設され、2つの前記接続部の間を架橋する架橋部(20)と、を備え、 前記ボンディングワイヤが接続される一面を正面視して撮影された場合に、仮想線分(L)が定義可能なマーク(40a,40b,41,42)を有するものであり、 前記シャント抵抗器に固定された前記仮想線分と、予め規定された直線との度差θを検出し、 前記角度差θに応じて前記ボンディングワイヤの接続位置を補正するシャント抵抗器の実装方法。

说明书全文

本発明は、電流検出に用いられるシャント抵抗器およびその実装方法に関する。

シャント抵抗器を用いた電流値の測定は、シャント抵抗器を構成する抵抗体の抵抗値と、シャント抵抗器の両端の電位差とに基づいて行われる。電位を取り出すためのボンディングワイヤは、抵抗体を挟む形で接合された金属帯に接合される。ボンディングワイヤの接合位置は、金属帯上であって抵抗体により近い位置であることが好ましい。これは、金属帯に起因する電気抵抗が、検出すべき電流のノイズとして重畳する虞があるためである。また、シャント抵抗器を流れる電流により、ボンディングワイヤを含む電流経路に誘導電流を生じやすくなる虞があるためである。

このため、シャント抵抗器には高いボンディング精度が求められる。特許文献1に記載のシャント抵抗器の実装方法では、ボンディングワイヤのボンディング面を正面視するように撮像した際に検出されるエッジに基づいて原点を決定する。そして、シャント抵抗器がx方向に沿って置かれていることを前提として、決定された原点から所定距離だけ離れた2つの座標をボンディング位置として決定する。これにより、シャント抵抗器の並進方向のずれについてはボンディング位置を補正することができる。

特開2016−25328号公報

しかしながら、特許文献1に記載のシャント抵抗器およびその実装方法は、シャント抵抗器の長手方向が、撮像装置が内部的に有する座標系が規定する一方向(例えば特許文献1に記載のx方向)に沿っていることを前提としている。つまり、シャント抵抗器の長手方向がx方向に沿った状態で並進ずれをおこす場合には補正が可能であるが、シャント抵抗器が回転方向に位置ずれを生じた場合に対応することができない。回転方向のずれは、とくにボンディングワイヤが抵抗体自体に接合されてしまうようなボンディング異常の原因となる虞がある。

そこで、本発明は上記問題点に鑑み、シャント抵抗器の回転方向のずれに対してもボンディング位置を補正可能なシャント抵抗器およびその実装方法を提供することを目的とする。

ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。

上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一部に、予め抵抗率(23)が設定された抵抗体を有し、2つの電極(200)の間を架橋して記抵抗体による電圧降下を検出することにより電極の間に流れる電流の電流値を検出するためのボンディングワイヤ(30)が接続されるシャント抵抗器であって、電極に電気的に接続される一対の接続部(10)と、抵抗体を含み、一方の接続部から他方の接続部へ延設され、2つの接続部の間を架橋する架橋部(20)と、を備え、ボンディングワイヤが接続される一面を正面視して撮影された場合に、仮想線分(L)が定義可能なマーク(40a,40b,41,42)を有する。

これによれば、撮影されたシャント抵抗器の画像データからマークを検出することで仮想線分を定義することができ、シャント抵抗器に固定された仮想線分と、予め規定された直線との度差θを検出して、該角度差θに応じてボンディングワイヤの接続位置の回転方向のずれを補正することができる。

第1実施形態におけるシャント抵抗器の概略構成を示す斜視図である。

シャント抵抗器におけるマークの形成位置および形状を示す図である。

回転方向のずれが生じない場合のボンディング座標を示す上面図である。

回転方向のずれが生じる場合のボンディング座標を示す上面図である。

第2実施形態におけるマークの形成位置および形状を示す図である。

第2実施形態におけるマークの形成位置および形状を示す図である。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。

なお、以下の説明において、シャント抵抗器に固定されたローカル座標系と、シャント抵抗器を撮像してボンディングワイヤの接続位置を算出するための撮像装置に固定されたグローバル座標系と、を用いる。

グローバル座標系においては、方向として、x方向と、x方向に直交するy方向と、x方向とy方向により規定されるxy平面に直交するz方向と、を定義する。つまり、x方向、y方向、および、z方向は互いに一次独立である。

ローカル座標系においては、方向として、u方向と、u方向に直交するv方向と、u方向とv方向により規定されるuv平面に直交するw方向と、を定義する。つまり、u方向、v方向、および、w方向は互いに一次独立である。

なお、シャント抵抗器の実装において、z方向とw方向とが著しく異なることは稀であるから、z方向とw方向とは平行であるとして、以下記載する。

(第1実施形態) 最初に、図1および図2を参照して、本実施形態に係るシャント抵抗器の概略構成について説明する。

図1に示すように、このシャント抵抗器100は、uv平面に沿う面を有し、u方向に並ぶ2つの電極200を互いに電気的に接続する。ここで説明するシャント抵抗器100は、一方の第1電極200aと他方の第2電極200bとを接続している。なお、電極200は、例えばある基板上に形成されたランドやリードフレームであり、その構成は限定されない。

シャント抵抗器100は、導電性接着材としてのはんだ300を介して2つの電極200それぞれに接続される一対の接続部10と、2つの接続部10の間を架橋する架橋部20と、を備えている。架橋部20は、主部21と仲介部22と抵抗体23とを有している。そして、シャント抵抗器100には、抵抗体23に流れる電流の電流値を検出するためのボンディングワイヤ30が接続される。

接続部10は、図1に示すように、第1電極200aに接続される第1端子10aと、第2電極200bに接続される第2端子10bとを有している。接続部10は、uv平面の沿う面状であり、接続部10における、電極200に対向する面は、はんだ300を介して電極200に接続されている。

架橋部20における主部21は、第1主部21aと第2主部21bとにより構成され、いずれもuv平面に沿う板状の部材である。そして、同じくuv平面に沿って形成された抵抗体23が第1主部21aと第2主部21bとに挟まれるように配置されている。図1に示すように、第1主部21a、抵抗体23、第2主部21bがこの順でu方向に並んで接合され、全体として一体的な導体となっている。そして、第1主部21a、抵抗体23、第2主部21bが一体となった導体はu方向に延設されて第1端子10aと第2端子10bとを電気的に接続している。主部21は、抵抗体23とともに、w方向において接続部10よりも高い位置に形成されている。

架橋部20における仲介部22は、図1に示すように、接続部10と主部21とを繋いでいる。主部21と接続部10は仲介部22を介して一体的に形成されている。具体的には、第1主部21aと第1端子10aは第1仲介部22aを介して接続され、第2主部21bと第2端子10bは第2仲介部22bを介して接続されている。このシャント抵抗器100をv方向から正面視した場合、架橋部20は、上底および脚部となるような略台形を成している。具体的には、主部21と抵抗体23とが一体的に構成された板状の部材を上底とし、仲介部22を脚部とする略台形を成している。

なお、架橋部20における主部21および仲介部22は、例えば銅などの金属から成る導電部であり、抵抗体23よりも抵抗率が小さくされている。なお、抵抗体23は、例えばCnMnSnやCuMnNiを主成分として形成されている。

ボンディングワイヤ30は、例えばアルミニウムなどの一般的に知られた材料から成る。ボンディングワイヤ30は、ボンディングワイヤ30の電位を検出するためのセンス電極400に接続されている。ボンディングワイヤ30は第1ワイヤ30aと第2ワイヤ30bとを有している。図1に示すように、第1ワイヤ30aは、一端が第1主部21aにボンディングされ、他端がセンス電極400のうち第1センス電極400aに接続されている。第2ワイヤ30bは、一端が第2主部21bにボンディングされて、他端がセンス電極400のうち第2センス電極400bに接続されている。すなわち、本実施形態におけるボンディングワイヤ30は、その一端が、略台形を成す架橋部20のうち、上底に相当する主部21にボンディングされている。

上記の構成に加えて、図2に示すように、シャント抵抗器100は、撮像により認識可能なマーク40a,40bを有している。本実施形態におけるマーク40a,40bは点状の孔部である。第1マーク40aは第1主部21aに形成されており、第2マーク40bは第2主部21bに形成されている。すなわち、本実施形態におけるマーク40a,40bは、ボンディングワイヤ30が接続される面と同一の面、特に架橋部20に形成されている。

w方向に対して斜めに光を当てるようにすれば、マーク40a,40bによって架橋部20に影を生じさせることができ、この影によってコントラストを強調することができる。つまり、マーク40a,40bは撮像により認識可能に形成されている。具体的には、マーク40a,40bの認識は、マーク40a,40bが形成された部分と、形成されていない部分とのコントラスト差をキャニー法や二次微分法によりエッジとして検出することによって実現される。なお、マーク40a,40bとしての孔部の断面形状は任意であるが、例えば図2に示すように、底部に角部が生じないようにすることが好ましい。換言すれば、孔部の底部は丸みを帯びるように形状することが好ましい。これは、角部により生じるエッジに起因するマーク位置の誤検出を防止するためである。

本実施形態におけるマークは、第1マーク40aと第2マーク40bの2点が形成され、それぞれが撮像により認識可能である。シャント抵抗器100を撮像する図示しない撮像装置は、撮像装置に固定されたグローバル座標系を有しており、撮像された画像に基づいて第1マーク40aと第2マーク40bの座標をそれぞれ定めることができる。そして、撮像装置は第1マーク40aおよび第2マーク40bの2点を通る線分を定義できる。第1マーク40aおよび第2マーク40bによって定義される仮想の線分が、特許請求の範囲に記載の仮想線分に相当する。

次に、図3および図4を参照して、本実施形態にかかるシャント抵抗器100の実装方法、とりわけシャント抵抗器100の回転方向ずれに対する補正方法について説明する。

まず、はんだ付け工程を実施する。はんだ付け工程は、電極200にシャント抵抗器100をはんだ300を介して電気的に接続する工程である。図1に示すように、シャント抵抗器100の第1端子10aと第1電極200aとをはんだ300を挟んで溶着する。また、シャント抵抗器100の第2端子10bと第2電極200bとをはんだ300を挟んで溶着する。このとき、シャント抵抗器100のu方向が、第1電極200aと第2電極200bの並び方向に一致するように調整されるが、図4に示すように、回転ずれを生じることがある。なお、図4では、説明の簡便性を考慮して、回転ずれの程度を大きく図示している。

次いで、ボンディング工程を実施する。ボンディング工程は、ボンディングワイヤ30をシャント抵抗器100に接続する工程である。ボンディング工程は、原点決定工程と、仮想線分検出工程と、回転角度差決定工程と、ボンディング座標決定工程と、ワイヤ接続工程と、を有している。

まず、図3を参照して、シャント抵抗器100に回転方向のずれが存在しない場合について説明する。

撮像装置は、撮像装置に固定されたグローバル座標系のx方向が、第1電極200aと第2電極200bの並び方向に一致するように設置されている。つまり、撮像された画像において、x方向に沿って第1電極200aと第2電極200bとが並んでいる。

ボンディング工程では、最初に原点決定工程を実行する。撮像装置は、マーク40a,40bを含むかたちで、溶着されたシャント抵抗器100を撮像する。撮像装置はマーク40a,40bに起因するエッジを検出する。第1マーク40aおよび第2マーク40bのエッジの検出は、上述のように、マーク40a,40bが形成された部分と、形成されていない部分とのコントラスト差をキャニー法や二次微分法によりエッジとして検出することによって行われる。撮像装置は、2つのマーク40a,40bのうち、一方のマークが位置する座標を、グローバル座標系における原点に定める。本実施形態では、図3に示すように、例えば第1マーク40aを原点に定める。

その後、プログラムの構成上、仮想線分検出工程および回転角度差決定工程を実行するが、本例のようにシャント抵抗器100に回転方向のずれが全くないときには、仮想線分検出工程と回転角度差決定工程を経て得られる角度差θはゼロ度であり、ボンディング位置の角度補正は実質的に行われない。つまり、本例では両工程に実効的な意味がないので、これら工程の詳細は後述する。

次いで、ボンディング座標決定工程を実行する。撮像装置は、決定された原点に対して、相対的に固定された座標をボンディングワイヤ30をボンディングする位置として決定する。具体的には、例えば、原点となる第1マーク40aの座標に対して、y方向に所定の距離だけ離れた座標を、第1ワイヤ30aのボンディング座標A0(xa0,ya0)とする。また、原点となる第1マーク40aの座標に対して、x方向およびy方向に所定の距離だけ離れた座標を、第2ワイヤ30bのボンディング座標B0(xb0,yb0)とする。この座標は予め適切な位置として設定された座標であり、シャント抵抗器100に回転方向のずれが全くない条件においては一意に決まる。この座標は、第1マーク40aを原点としているので、シャント抵抗器100が並進方向にずれを生じても、ボンディング位置がシャント抵抗器100に対してずれることはない。すなわち、並進方向のずれは、ボンディング座標決定工程において吸収される。以降、シャント抵抗器100に回転方向のずれが全くないときのボンディング座標を、添字0を付して、一般的に(x0,y0)と示すことがある。

次いで、ワイヤ接続工程を実行する。撮像装置により決定されたボンディング座標の情報に基づいて、ボンダがボンディングワイヤ30をシャント抵抗器100に接続する。具体的には、ボンダは、第1ワイヤをボンディング座標A0(xa0,ya0)に接続し、第2ワイヤ30bをボンディング座標B0(xb0,yb0)に接続する。これにより、ボンディング工程を終了する。

次に、図3および図4を参照して、シャント抵抗器100に回転方向のずれが存在する場合について説明する。

最初に原点決定工程を実行する。原点決定工程については回転方向のずれがない場合と同一であり、例えば、図4に示すように、第1マーク40aを原点に定める。

その後、仮想線分検出工程を実行する。撮像装置は、第1マーク40aと第2マーク40bをそれぞれ示す2つの異なる座標を通る直線を、仮想線分Lとして検出する。仮想線分Lが検出された状態とは、例えば、グローバル座標系における仮想線分Lの直線の方程式が決定した状態を示している。なお、図3には、シャント抵抗器100に回転方向のずれがない場合の仮想線分L0を図示している。

次いで、回転角度差決定工程を実行する。撮像装置は、図4に示すように、仮想線分Lとグローバル座標系におけるx方向との角度差θ1を算出する。角度差θ1の算出については、仮想線分Lの直線の傾きの逆正接を求める等、一般的な方法を用いればよく。ここでは詳しい説明を割愛する。なお、特許請求の範囲に記載の、シャント抵抗器を撮影する撮像装置に固定された二次元直交座標系の一軸、とは、本実施形態においてはx方向に相当する。

ところで、シャント抵抗器100に回転方向のずれがない場合の角度差θ0は、図3に示すように、仮想線分L0とx方向との角度差である。この角度差θ0は、2点のマーク40a,40bの形成位置が定まっていれば一意に決まるものであり、予め撮像装置に記憶されて回転方向のずれの補正に用いられる。

すなわち、撮像装置は、θ0−θ1(=θ)を演算して、シャント抵抗器100の回転方向のずれの角度差θを決定する。特許請求の範囲に記載の、前記シャント抵抗器に固定された前記仮想線分と予め規定された直線、とは、それぞれ仮想線分Lと仮想線分L0に相当し、その角度差がθである。

次いで、ボンディング座標決定工程を実行する。まず、撮像装置は、原点の座標に基づいて、回転方向のずれが存在しない場合のボンディング座標を演算する。すなわち、撮像装置は、回転補正前のボンディング座標A0(xa0,ya0)および回転補正前のボンディング座標B0(xb0,yb0)を演算する。回転補正前の座標の演算は、回転方向のずれが存在しない場合の演算と同一である。

その後、回転補正前のボンディング座標A0およびB0を、原点を中心としてθだけ回転した座標A(xa,ya)およびB(xb,yb)を、補正後座標として決定する。これにより、シャント抵抗器100が意図せず回転した状態で溶着された場合でも、回転方向のずれが存在しない場合のボンディング位置と同等の位置にボンディングワイヤ30をボンディングすることができる。

なお、上記した方法によらず、シャント抵抗器100に回転方向のずれが全くないときのボンディング座標(x0,y0)に対して、原点を中心として角度差θだけ回転した座標にボンディングするように補正できればよく、補正後のボンディング座標(x,y)と、補正前のボンディング座標(x0,y0)が、数式1の関係を満たせば良い。

次に、本実施形態にかかるシャント抵抗器100を採用することによる作用効果について説明する。

シャント抵抗器100は、撮像装置で検出可能な2点のマーク40a,40bを有している。そして、この2点から、グローバル座標系において直線の方程式を定義することができる。すなわち、シャント抵抗器100は、仮想線分Lを定義可能なマーク40a,40bを有している。このため、シャント抵抗器100の回転方向のずれの角度である角度差θを算出することができる。そして、この角度差θを用いて、ボンディングワイヤ30のボンディング座標を補正することができる。

また、本実施形態におけるマーク40a,40bは、ボンディングワイヤ30がボンディングされる面と同一の面である、架橋部20のうち主部21に形成されている。このため、角度差θを演算する際の面と、ワイヤボンディングを行う面とがw方向で一致するので、視差によるボンディングミスを抑制することができる。

さらに、2点のマーク40a,40bは、抵抗体23を挟む位置に形成されている。具体的には、第1マーク40aは第1主部21aに形成され、第2マーク40bは第2主部21bに形成されている。このため、マーク40a,40bとしての孔部を穿つ際に、シャント抵抗器100に加えられる衝撃や応を偏在させることないので、シャント抵抗器100のマーク形成に係る変形を抑制することができる。

(第2実施形態) 第1実施形態では、仮想線分Lの定義に、2つの点状のマーク40a,40bを用いる例について説明したが、マークは点状でなくても良い。例えば、図5に示すように、1つの帯状のマーク41であっても良い。帯状とは、それぞれ2つの長辺と短辺とにより形成される。長辺または短辺が特許請求の範囲に記載の直線部に相当する。

マーク41として帯状の形態を採用する場合、例えば長辺として認識される辺に沿う直線を仮想線分Lとして定義する。また、長辺の端点のうち一方の点を原点41aとして定義する。これにより、第1実施形態と同様に、シャント抵抗器100の回転方向のずれを補正してボンディングワイヤを接続することができる。

なお、マークは第1実施形態のような点状、あるいは上記の帯状に限定されることはない。例えば図6に示すように、マーク42は十字状であっても良い。十字状の孔部では、その輪郭として、12本の直線部を含んでいる。マーク42として十字状の形態を採用する場合、例えば任意の辺沿う直線を仮想線分Lとして定義する。また、仮想線分Lを通る辺の端点のうち一方の点を原点42aとして定義する。これにより、第1実施形態と同様に、シャント抵抗器100の回転方向のずれを補正してボンディングワイヤを接続することができる。

(その他の実施形態) 以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。

上記した第1実施形態では、2点のマーク40a,40bが、抵抗体23を挟んで、それぞれ第1主部21aと第2主部21bに形成される例を示したが、2点のマーク40a,40bが2点とも第1主部21aに形成されても良いし、2点とも第2主部21bに形成されても良い。

また、上記した各実施形態では、マーク40a,40b,41,42がボンディングワイヤ30の接続面と同一の主部21に形成される例を示したが、接続部10に形成されても良い。仲介部22は、撮像装置の撮像面に対してz方向に傾斜して形成されることがあるため、マーク40a,40b,41,42の形成面としては好ましいとは言えないものの、仲介部22にマーク40a,40b,41,42が形成されることは妨げない。

また、上記した各実施形態では、マーク40a,40b,41,42を孔部として形成する例について説明したが、必ずしも孔が穿たれている必要はなく、w方向に突起して凸状に形成されていても良いし、レーザによる印字によって描画されても良いし、レジスト膜を塗布してエッジ辺を形成しても良い。

10…接続部,20…架橋部,21…主部,22…仲介部,23…抵抗体,40a…第1マーク,40b…第2マーク

QQ群二维码
意见反馈