相グループ推定装置、相グループ推定方法および相グループ推定プログラム

申请号 JP2017548240 申请日 2017-03-30 公开(公告)号 JP6328353B1 公开(公告)日 2018-05-23
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 古田 裕久; 北村 聖一;
摘要 本発明にかかる相グループ推定装置(10)は、スマートメーターから送信されたデータを取得するデータ取得部(11)と、スマートメーターとスマートメーターに対応する柱上変圧器との対応を示す設備情報を記憶する記憶部(15)と、設備情報とデータとに基づいて、柱上変圧器に対応する区間である処理区間ごとに、該処理区間を、同一の相の配電線から電 力 が供給される相グループに分類する相グループ推定部(13)と、を備える。
权利要求

第1の配電線の電圧を計測可能な計測装置から送信されたデータを取得するデータ取得部と、 前記計測装置と前記計測装置に対応する前記第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器との対応を示す設備情報を記憶する記憶部と、 前記設備情報と前記データとに基づいて、前記機器に対応する区間である処理区間ごとに、該処理区間を、前記第2の配電線のうち同一の相の配電線から電が供給されるグループである相グループに分類する相グループ推定部と、 を備え、 前記データは、前記計測装置により検出された停電または電圧低下であるイベントを通知するためのイベント通知を含み、 前記第1の配電線の電圧は、高圧配電線である前記第2の配電線の電圧が、柱上変圧器により変圧されたものであり、 前記相グループ推定部は、前記イベントの発生時刻を示す情報に基づいて、前記処理区間を、前記相グループに分類することを特徴とする相グループ推定装置。前記相グループ推定部は、前記処理区間を、複数の前記処理区間を含む処理グループにグループ分けし、前記処理グループごとに、前記処理区間を前記相グループに分類することを特徴とする請求項1に記載の相グループ推定装置。前記相グループ推定部は、前記処理グループより多くの前記処理区間を含む高次処理グループに前記処理区間をグループ分けし、前記処理グループごとの前記相グループへの分類の結果を用いて、前記高次処理グループごとに前記処理区間を前記相グループに分類することを特徴とする請求項2に記載の相グループ推定装置。前記相グループ推定部は、前記相グループの分類結果に、接続される相が既知である前記処理区間の前記接続される相の情報を反映させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の相グループ推定装置。前記データは、前記計測装置により計測された前記電圧を含み、 前記相グループ推定部は、前記電圧の時間変化に基づいて、前記処理区間を、前記相グループに分類することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の相グループ推定装置。前記相グループ推定部は、前記設備情報が変更された場合、前記設備情報の変更前の前記データと前記設備情報の変更後の前記データとを用いて、前記処理区間を、前記相グループに分類することを特徴とする請求項5に記載の相グループ推定装置。第1の配電線の電圧を計測可能な計測装置から送信されたデータを取得するデータ取得部と、 前記計測装置と前記計測装置に対応する前記第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器との対応を示す設備情報を記憶する記憶部と、 前記第2の配電線における計測結果を用いずに、前記設備情報と前記データとに基づいて、前記機器に対応する区間である処理区間ごとに、該処理区間を、前記第2の配電線のうち同一の相の配電線から電力が供給されるグループである相グループに分類する相グループ推定部と、 を備え、 前記データは、前記計測装置により計測された前記電圧を含み、 前記第1の配電線の電圧は、高圧配電線である前記第2の配電線の電圧が、柱上変圧器により変圧されたものであり、 前記相グループ推定部は、前記電圧の時間変化に基づいて、前記処理区間を、前記相グループに分類し、一定範囲内で停電が生じることが想定される場合には、該停電が生じると想定される期間の前記一定範囲を前記相グループの分類の対象から除外することを特徴とする相グループ推定装置。前記計測装置により検出された停電または電圧低下であるイベントを通知するためのイベント通知に基づいて、断線の生じた箇所を推定する位置推定部、を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の相グループ推定装置。前記計測装置は、自動検針を行うための検針装置であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の相グループ推定装置。前記機器は、前記第2の配電線における電圧を前記第1の配電線における電圧に変換する変圧器であることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の相グループ推定装置。データ取得部が、第1の配電線の電圧を計測可能な計測装置から送信されたデータを取得する第1のステップと、 記憶部が、前記計測装置と前記計測装置に対応する前記第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器との対応を示す設備情報を記憶する第2のステップと、 相グループ推定部が、前記設備情報と前記データとに基づいて、前記機器に対応する区間である処理区間ごとに、該処理区間を、前記第2の配電線のうち同一の相の配電線から電力が供給されるグループである相グループに分類する第3のステップと、 を含み、 前記データは、前記計測装置により検出された停電または電圧低下であるイベントを通知するためのイベント通知を含み、 前記第1の配電線の電圧は、高圧配電線である前記第2の配電線の電圧が、柱上変圧器により変圧されたものであり、 前記第3のステップでは、前記イベントの発生時刻を示す情報に基づいて、前記処理区間を、前記相グループに分類することを特徴とする相グループ推定方法。請求項11に記載の相グループ推定方法をコンピュータに実行させることを特徴とする相グループ推定プログラム。

说明书全文

本発明は、配電線の各区間が属する相グループを推定する相グループ推定装置、相グループ推定方法および相グループ推定プログラムに関する。

従来、多相交流の配電系統において、各柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかは、一般に管理されていない。以下、同一の相に接続される柱上変圧器および負荷をそれぞれ同一の相グループに属する柱上変圧器および負荷と呼ぶ。例えば、三相3線式の配電線においては、柱上変圧器単位は、U相およびV相に接続される第1の接続形態、V相およびW相に接続される第2の接続形態、および、W相およびU相に接続される第3の接続形態の3つの接続形態のうちのいずれかの接続形態をとる。各柱上変圧器がどの接続形態であるかは、柱上変圧器の設置の個々の工事に依存しており、全体としては管理されていないため、各柱上変圧器に接続される各負荷がどの接続形態であるかも管理されていない。したがって、ある相の配電線に断線が生じた場合、この断線により影響の生じる範囲を特定することは困難である。

このため、柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかを把握することが望まれている。柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかを把握する技術として、例えば、特許文献1には、高圧配電線の電圧の計測値とスマートメーターによる消費電量の計測値とに基づいて、柱上変圧器の接続される相を判別する技術が開示されている。

特開2012−198033号公報

上記従来の技術によれば、センサ内蔵区分開閉器などにより計測された高圧配電線の電圧の計測値を用いて柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかを判定している。しかしながら、高圧配電線の電圧の計測点は限られており、柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかを判定するためには計測点が不足する可能性がある。また、高圧配電線の電圧の計測点を増やすにはスマートメーターによる計測値の収集とは一般に別のネットワークで行われ、両方の計測値を用いるには、大がかりな設備が必要となる。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、高圧配電線の電圧の計測値を必要とせずに、同一の相グループに属する柱上変圧器を推定することができる相グループ推定装置、相グループ推定方法、相グループ推定プログラムを得ることを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる相グループ推定装置は、第1の配電線の電圧を計測可能な計測装置から送信されたデータを取得するデータ取得部と、計測装置と計測装置に対応する第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器との対応を示す設備情報を記憶する記憶部と、を備える。また、本発明にかかる相グループ推定装置は、設備情報とデータとに基づいて、機器に対応する区間である処理区間ごとに、処理区間を、第2の配電線のうち同一の相の配電線から電力が供給される相グループに分類する相グループ推定部、を備える。データは、計測装置により検出された停電または電圧低下であるイベントを通知するためのイベント通知を含み、第1の配電線の電圧は、高圧配電線である第2の配電線の電圧が、柱上変圧器により変圧されたものであり、相グループ推定部は、イベントの発生時刻を示す情報に基づいて、処理区間を、相グループに分類する。

本発明にかかる相グループ推定装置は、高圧配電線の電圧の計測値を必要とせずに、同一の相グループに属する柱上変圧器を推定することができるという効果を奏する。

実施の形態にかかる相グループ推定装置が接続されるスマートメーターシステムの構成例を示す図

相グループ推定装置の機能構成例を示す図

設備情報の一例を示す図

相グループ推定装置を実現する計算機システムの構成例を示す図

相グループ推定装置における相グループ推定処理手順の一例を示す図

柱上変圧器の各相への接続例と各柱上変圧器に対応する電圧の時間履歴との一例を示す図

柱上変圧器の各相への接続例と各柱上変圧器に対応する電圧の時間履歴との別の一例を示す図

相グループ推定部によりグループ分けされた後のグループ情報の一例を示す図

V相の配電線に断線が生じた場合に、この情報を反映させた後のグループ情報の一例を示す図

相グループ推定装置におけるイベント通知発生時の処理手順の一例を示すフローチャート

配電系統における接続方式の違いと断線の関係の一例を示す図

イベント通知の送信の有無による障害の発生した位置の推定結果の例を示す図

図6に示した接続例において、V相の配電線に断線が生じた場合の電圧の時間履歴の一例を示す図

以下に、本発明の実施の形態にかかる相グループ推定装置、相グループ推定方法および相グループ推定プログラムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態. 図1は、本発明の実施の形態にかかる相グループ推定装置が接続されるスマートメーターシステムの構成例を示す図である。本実施の形態のスマートメーターシステムは、スマートメーターネットワーク、ヘッドエンドシステム(HES:Head End System)7およびメータデータ管理システム(MDMS:Meter Data Management System)8を備える。図1に示すように、本実施の形態の相グループ推定装置10は、MDMS8と通信可能なように接続される。または、本実施の形態の相グループ推定装置10は、MDMS8の1つのアプリケーションソフトウェアとして構成することも可能である。

スマートメーターネットワークは、スマートメーター1−1〜1−13を含む。図1では、スマートメーターを13台図示しているが、スマートメーターの台数は図1に示した例に限定されるものではなく何台であってもよい。以下、スマートメーター1−1〜1−13を区別せずに示すときは、スマートメーター1と記載する。

スマートメーター1は、自動検針を行うための検針装置であり、家庭、事業所および工場といった需要家に設置される。スマートメーター1は、第1の配電線の電圧を計測可能な計測装置の一例である。スマートメーター1は、需要家における負荷による電力の使用量を計測可能であるとともに、需要家における電圧すなわち第1の配電線の電圧を計測可能であり、これらの計測結果を送信することが可能である。また、スマートメーター1は、停電、復電、電圧低下といったイベントを通知するイベント通知を送信することも可能である。以下、スマートメーター1が送信する計測結果、イベント通知を区別せずに示す場合、スマートメーター1が送信するデータという。スマートメーター1が送信するデータの詳細については後述する。

太陽光発電設備などの発電設備を有している需要家が存在する場合もある。スマートメーター1のなかには、需要家の発電設備による発電量も計測可能なものが含まれていてもよい。

スマートメーターネットワークは、マルチホップネットワーク3、携帯ネットワーク4、PLC(Power Line Communication)ネットワーク6などを含む。図1では、スマートメーターネットワークが、マルチホップネットワーク3、携帯ネットワーク4およびPLCネットワーク6を含む例を図示しているが、これに限らず、スマートメーターネットワークは、マルチホップネットワーク3、携帯ネットワーク4およびPLCネットワーク6のうちの少なくも1つを含んでいればよい。さらに、スマートメーターネットワークは、マルチホップネットワーク3、携帯ネットワーク4およびPLCネットワーク6以外のネットワークを含んでいてもよい。

マルチホップネットワーク3は、スマートメーター1−1〜1−6およびコンセントレーター2を備える。スマートメーター1−1〜1−6は、電力の使用量、電圧などの計測結果およびイベント通知を、親局であるコンセントレーター2へ向けて送信する。また、MDMS8または、HES7からコンセントレーター2を経由し各スマートメーター1−1〜1−6へ向けて要求メッセージを送信し、計測結果を応答することも可能である。コンセントレーター2およびスマートメーター1−1〜1−6は、無線マルチホップ方式により通信を行う。

携帯ネットワーク4は、スマートメーター1−7〜1−9を含む。携帯ネットワーク4は、スマートメーター1−7〜1−9が図示しない基地局と直接通信するネットワークである。スマートメーター1−7〜1−9は、電力の使用量、電圧などの計測結果およびイベント通知を基地局へ向けて送信する。また、MDMS8または、HES7から基地局から各スマートメーター1−7〜1−9へ向けて要求メッセージを送信し、計測結果を応答することも可能である。

PLCネットワーク6は、スマートメーター1−10〜1−13とPLCコンセントレーター5とを含む。PLCコンセントレーター5とスマートメーター1−10〜1−13とは、電力線を用いた通信であるPLC方式により通信を行う。スマートメーター1−10〜1−13は、電力の使用量、電圧などの計測結果およびイベント通知を、親局であるPLCコンセントレーター5へ向けて送信する。また、MDMS8または、HES7からPLCコンセントレーター5から各スマートメーター1−10〜1−13へ向けて要求メッセージを送信し、計測結果を応答することも可能である。

マルチホップネットワーク3、携帯ネットワーク4およびPLCネットワーク6は、HES7に接続される。HES7は、各ネットワークの集約局となるコンセントレーター2、基地局およびPLCコンセントレーター5から、スマートメーター1から送信された計測結果およびイベント通知を収集する。また、HES7は、各ネットワークの通信管理、要求メッセージ管理等を行う。HES7は、各集約局から計測結果およびイベント通知を収集し、収集した計測結果およびイベント通知をMDMS8へ送信する。HES7は、例えば、1つ以上のサーバ装置で構成される。

MDMS8は、HES7から受信した計測結果およびイベント通知を管理する。MDMS8は、例えば、1つ以上のサーバ装置で構成される。

相グループ推定装置10は、MDMS8と通信可能に接続される。なお、以下では、相グループ推定装置10に接続される例を説明するが、相グループ推定装置10は、MDMS8内に設けられてもよい。すなわち、相グループ推定装置10は、MDMS8を構成するサーバ装置により実現されてもよい。

ここで、スマートメーター1が送信するデータについて説明する。一般に、スマートメーター1は、電力の使用量の計測結果を定期的に送信する。定期的に送信する計測結果の内容および周期は、あらかじめ設定されていてもよいし、MDMS8が、HES7および集約局を介してスマートメーター1に指示していてもよい。スマートメーター1は、あらかじめ設定されたまたは指示されている内容に従って、計測結果を自発的に送信する。自発的に送信する計測結果には、電力の使用量の計測結果が含まれる。自発的に送信する計測結果には、さらに電圧の計測結果も含まれる場合がある。また、MDMS8は、HES7および集約局を介して個別にスマートメーター1へ電圧の計測結果の送信を指示することにより、特定のスマートメーター1から計測結果を取得することも可能である。スマートメーター1から送信される電圧は、瞬時値であっても一定期間における平均値であってもよい。以下では、スマートメーター1が自発的に送信する計測結果に電圧の計測結果も含まれる例について説明する。

また、スマートメーター1は、停電、電圧低下といったイベントを検出すると、該イベントを通知するためのイベント通知を送信する。スマートメーター1は、一般には第1の配電線から供給される電力を電源として動作する。イベントとして停電を通知する機能を有している場合、スマートメーター1はバッテリなど電源を一定期間供給する装置を備える。この場合、スマートメーター1は通常は第1の配電線から供給される電力を電源として動作し、停電の発生時には、内部のバッテリを用いて動作することにより停電イベント通知として送信する。スマートメーター1がイベントとして電圧低下を通知する機能を有している場合、スマートメーター1は、計測した電圧が閾値未満となった場合、電圧低下イベント通知として送信する。

次に、相グループ推定装置10について説明する。本実施の形態では、相グループ推定装置10が、スマートメーター1により計測された電圧に基づいて、各柱上変圧器を相グループにグループ分けする。すなわち、相グループ推定装置10が、各柱上変圧器が接続される相を推定する。一般に、多相交流の配電系統において、各柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかは、管理されていない。配電線における断線の影響のおよぶ範囲の把握などのために、各柱上変圧器がどの相の配電線に接続されるかを把握することが望まれる。特に、三相3線式の場合、他の相からのまわり込みにより、ある相の配電線の断線が生じても、対応する柱上電圧器における電圧が0とならない場合もあり、断線の影響の把握が難しい。本実施の形態では、相グループ推定装置10が、高圧配線の計測値を必要とせずに、スマートメーター1により計測された電圧に基づいて、各柱上変圧器を相グループごとにグループ分けする。以下、相グループ推定装置10の構成および動作について説明する。

図2は、相グループ推定装置10の機能構成例を示す図である。図2に示すように、相グループ推定装置10は、データ取得部11、集計部12、相グループ推定部13、イベント解析部14および記憶部15を備える。

記憶部15は、計測データ、イベントデータ、設備情報、相グループ情報および位置推定情報を記憶可能である。計測データは、スマートメーター1により計測された電圧であるが、使用量も含めても良い。イベントデータは、スマートメーター1からイベント通知により通知されたイベントを示す情報である。

設備情報は、相グループ推定装置10の記憶部15にあらかじめ格納される、または外部システムから受領する。設備情報は、配電線における各設備の構成を示す情報である。設備情報は、柱上変圧器とスマートメーター1との対応を示す情報を含む。すなわち、設備情報は、計測装置と計測装置に対応する第1の配電線に接続される変圧器である柱上変圧器との対応を示す情報を含む。柱上変圧器は、第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器の一例である。第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器が柱上変圧器である場合、第1の配電線は低圧配電線であり、第2の配電線は高圧配電線である。柱上変圧器は、高圧配電線における電圧を低圧配電線における電圧に変換する変圧器である。各需要家における負荷、発電設備は、柱上変圧器に接続される低圧配電線に接続される。スマートメーター1は、各需要家の負荷による使用電力量、低圧配電線における電圧などを計測する。したがって、各スマートメーター1には、それぞれに対応する柱上変圧器が定められている。

図3は、設備情報の一例を示す図である。図3には、柱上変圧器とスマートメーター1との対応を示す情報を設備情報の一例として示しているが、設備情報にはこの情報以外の情報も含まれていてもよい。図3に示した例では、設備情報は、柱上変圧器の識別情報の一例である変圧器番号とスマートメーター1の識別情報の一例であるスマートメーター番号とを含む。図3に示した設備情報は、例えば、変圧器番号aの柱上変圧器に接続される低圧配電線には、スマートメーター番号がSM1,SM2,…のスマートメーター1が設置されることを示している。

相グループ情報は、後述する相グループ推定処理により推定された結果を示す情報である。位置推定情報は、後述する位置推定処理により推定された結果、すなわち断線などの障害が発生した位置の推定結果を示す情報である。

データ取得部11は、MDMS8から、スマートメーター1が送信したデータすなわちスマートメーター1から送信されたデータを取得し、取得したデータを記憶部15に計測データとして格納する。データ取得部11は、MDMS8が受信した、スマートメーター1が送信したデータのうち全てを取得してもよいし、後述する処理に用いるデータだけを取得してもよい。

集計部12は、記憶部15に格納された計測データを集計する。具体的には、集計部12は、記憶部15に格納された計測データと設備情報とを用いて、処理区間ごとの電圧の時間履歴を算出する。処理区間は、後述する相グループの推定処理において、電圧の時間履歴を算出する最小単位であり、相グループの推定対象となる高圧配電線内において1つの計測データで代表する区間であり、計測データの取得単位区間であるとも言える。処理区間は、例えば、1つの柱上変圧器に対応する範囲、すなわち1つの柱上変圧器と該柱上変圧器に接続される低圧配電線の該柱上変圧器より負荷側の区間である。処理区間は、基本的には、柱上変圧器に接続される区間のように同一の相に接続される単位である。以下に述べる例では、柱上変圧器に対応する範囲が同じ相に接続される区間の最小単位である例を説明するが、同一の相に接続される区間の最小単位が柱上変圧器に対応する範囲でない場合もある。例えば、高圧配電線から変圧器を介さずに高圧のまま家庭、事業所などに電力が供給される場合もある。このような場合も、同一の相に接続されている単位を処理区間とすることができる。この場合、計測装置であるスマートメーター1により計測される電圧は高圧配電線の電圧である。また、第1の配電線に接続されるとともに第2の配電線に接続される機器は、変圧器に限定されない。以下では、処理区間が1つの柱上変圧器に対応する範囲である例を説明するが、処理区間は、配電系統の構成に応じて決定されればよく、1つの柱上変圧器に対応する範囲より広くても狭くてもよい。

相グループ推定部13は、集計部12により算出された処理区間ごとの電圧の時間履歴を用いて各処理区間を、複数の相グループにグループ分けし、この結果に基づいて各柱上変圧器が属する相グループを推定する。すなわち、相グループ推定部13は、設備情報とスマートメーター1から送信されたデータとに基づいて、処理区間ごとに、該処理区間を、第2の配電線のうち同一の相の配電線から電力が供給される相グループに分類する。

イベント解析部14は、スマートメーター1からイベント通知が送信された場合に、イベント通知に基づいて、処理区間を、複数の相グループにグループ分けする。すなわち、イベント解析部14は、設備情報とスマートメーター1から送信されたデータであるイベント通知とに基づいて、処理区間を、同一の相の配電線から電力が供給される相グループに分類する。また、イベント解析部14は、イベント通知に基づいて、断線等の障害の発生位置を推定し、推定した位置を位置推定情報として記憶部15へ格納する。

相グループ推定装置10は、具体的には、計算機システム、すなわちコンピュータである。この計算機システム上で相グループ推定プログラムが実行されることにより、計算機システムが相グループ推定装置10として機能する。図4は、本実施の形態の相グループ推定装置10を実現する計算機システムの構成例を示す図である。図4に示すように、この計算機システムは、制御部101と入力部102と記憶部103と表示部104と通信部105と出力部106とを備え、これらはシステムバス107を介して接続されている。

図4において、制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等である。本実施の形態の相グループ推定装置10における処理が記述されたプログラムである相グループ推定プログラムを実行する。入力部102は、たとえばキーボード、マウスなどで構成され、計算機システムのユーザーが、各種情報の入力を行うために使用する。記憶部103は、RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)などの各種メモリおよびハードディスクなどのストレージデバイスを含み、上記制御部101が実行すべきプログラム,処理の過程で得られた必要なデータ,などを記憶する。また、記憶部103は、プログラムの一時的な記憶領域としても使用される。表示部104は、LCD(液晶表示パネル)などで構成され、計算機システムのユーザーに対して各種画面を表示する。通信部105は、通信処理を実施する。なお、図4は、一例であり、計算機システムの構成は図4の例に限定されない。

ここで、本実施の形態の相グループ推定プログラムが実行可能な状態になるまでの計算機システムの動作例について説明する。上述した構成をとる計算機システムには、たとえば、図示しないCD(Compact Disc)−ROMまたはDVD(Digital Versatile Disc)−ROMドライブにセットされたCD−ROMまたはDVD−ROMから、相グループ推定プログラムが記憶部103にインストールされる。そして、相グループ推定プログラムの実行時に、記憶部103から読み出された相グループ推定プログラムが記憶部103の所定の場所に格納される。この状態で、制御部101は、記憶部103に格納されたプログラムに従って、本実施の形態の相グループ推定装置10としての処理を実行する。

なお、上記の説明においては、CD−ROMまたはDVD−ROMを記録媒体として、相グループ推定装置10における処理を記述したプログラムを提供しているが、これに限らず、計算機システムの構成、提供するプログラムの容量などに応じて、たとえば、通信部105を経由してインターネットなどの伝送媒体により提供されたプログラムを用いることとしてもよい。

図2に示した集計部12、相グループ推定部13およびイベント解析部14は、図4の制御部101により実現される。図2に示した記憶部15は、図4に示した記憶部103の一部である。図2に示したデータ取得部11は、図4に示した通信部105および制御部101により実現される。

なお、本実施の形態の相グループ推定装置10は、上述したように、MDMS8に実装されてもよく、この場合MDMS8を構成する計算機システムであるサーバ装置が、図4に示した計算機システムとしても機能することとなる。

次に、本実施の形態の相グループ推定装置10の動作について説明する。図5は、本実施の形態の相グループ推定装置10における相グループ推定処理手順の一例を示す図である。図5に示すように、まず、相グループ推定装置10の集計部12は、記憶部15に格納された計測データと設備情報とを用いて、処理区間ごとの電圧の時間履歴V(i,t)を算出する(ステップS1)。

V(i,t)におけるiは、0以上の整数であり処理区間を識別するための番号である。V(i,t)におけるtは時間である。なお、tは、実際には、例えば、時間を示す整数である。例えば、時刻T0から時刻T1=T0+ΔTまでをt=0とし、時刻T1から時刻T2=T0+2ΔTまでをt=1とするといったように、tは、あらかじめ定められた時間ΔT単位の時間を示す整数とすることができる。ΔTは、例えば、スマートメーター1の計測結果の収集周期とすることができるが、これに限定されない。スマートメーター1による計測結果には、計測された時間とスマートメーター1の番号とが付加されているとし、各計測結果は計測された時間とスマートメーター1の番号とともに計測データとして記憶部15に格納されているとする。集計部12は、記憶部15に計測データとして格納されている各スマートメーター1の計測時間と計測結果とに基づいて、処理区間ごとの電圧の時間履歴V(i,t)を算出する。

処理区間は、ここで説明する例では、1つの柱上変圧器に対応する区間であり、各処理区間には、一般に複数のスマートメーター1が含まれる。集計部12は、例えば、各処理区間内の複数のスマートメーター1のうち各処理区間を代表するスマートメーター1を定めておき、各処理区間を代表するスマートメーター1の計測結果を用いて電圧の時間履歴V(i,t)を算出する。または、集計部12は、各処理区間内の全てのスマートメーター1の計測結果の平均値を用いて時間履歴V(i,t)を算出してもよいし、各処理区間内の全てのスマートメーター1の計測結果のうちの最大値、最小値または中間値を用いて電圧の時間履歴V(i,t)を算出してもよい。

図6は、柱上変圧器の各相への接続例と各柱上変圧器に対応する電圧の時間履歴V(i,t)との一例を示す図である。図6の上段には、柱上変圧器の変圧器番号がa〜gの7つの柱上変圧器の各相への接続例を模式的に示している。図6では、柱上変圧器をTrと略しており、例えば、Traは変圧器番号がaの柱上変圧器を示している。以下、変圧器番号がa〜gの柱上変圧器をそれぞれ柱上変圧器a〜gという。図6に示した例では、柱上変圧器a〜gは三相3線式の配電線に接続される。詳細には、柱上変圧器a,b,fは、三相3線式の配電線のV相およびW相に接続され、柱上変圧器c,dは、三相3線式の配電線のW相およびU相に接続され、柱上変圧器e,gは、三相3線式の配電線のU相およびV相に接続される。

図6の下段には、図6の上段に示した接続例を前提としたときに、集計部12により算出される各処理区間の電圧の時間履歴V(i,t)の例を模式的に示している。図6に示した例では、各処理区間は各柱上変圧器に対応しているとし、図6では、柱上変圧器ごとの時間履歴V(i,t)の例を示している。例えば、i=0が、柱上変圧器aに対応する処理区間を示し、i=1が、柱上変圧器bに対応する処理区間を示し、i=2が、柱上変圧器cに対応する処理区間を示し、i=3が、柱上変圧器dに対応する処理区間を示し、i=4が、柱上変圧器eに対応する処理区間を示し、i=5が、柱上変圧器fに対応する処理区間を示し、i=6が、柱上変圧器gに対応する処理区間を示すとする。このとき、電圧の時間履歴V(0,t)が柱上変圧器aに対応する処理区間のプロファイル201であり、電圧の時間履歴V(1,t)が柱上変圧器bに対応する処理区間のプロファイル202であり、電圧の時間履歴V(2,t)が柱上変圧器cに対応する処理区間のプロファイル203である。また、電圧の時間履歴V(3,t)が柱上変圧器dに対応する処理区間のプロファイル204であり、電圧の時間履歴V(4,t)が柱上変圧器eに対応する処理区間のプロファイル205であり、電圧の時間履歴V(5,t)が柱上変圧器fに対応する処理区間のプロファイル206であり、電圧の時間履歴V(6,t)が柱上変圧器gに対応する処理区間のプロファイル207である。

ここで、U相およびV相に接続されるグループを相グループAと呼び、W相およびU相に接続されるグループを相グループBと呼び、V相およびW相に接続されるグループを相グループCと呼ぶこととする。図6に示すように、例えば、相グループAに属する柱上変圧器e,gに対応するプロファイル205,207は、時間変化の様子が概ね同じである。

図7は、柱上変圧器の各相への接続例と各柱上変圧器に対応する電圧の時間履歴V(i,t)との別の一例を示す図である。図7に示した例では、柱上変圧器a〜gの各相への接続は、図6に示した例と同様である。図7の下段には、相グループCに属する柱上変圧器a,b,fの日中帯および夜間帯の電圧の時間履歴V(i,t)を示している。プロファイル201,202,206は、日中帯の柱上変圧器a,b,fに対応する電圧の時間履歴V(i,t)をそれぞれ示しており、プロファイル301,302,306は、日中帯の柱上変圧器a,b,fに対応する電圧の時間履歴V(i,t)をそれぞれ示している。図7の下段の矢印で示した部分は、柱上変圧器bに対応する処理区間に設置された太陽光発電設備により、急激な電圧上昇が生じる部分を示している。このように、急激な電圧上昇が同時に生じる処理区間は同一の相グループに属する処理区間である可能性が高い。

また、図7に示すように、日中帯と夜間帯とのように時間帯が異なると、電力量の使用量および発電量が異なるため、電圧の時間履歴が異なることがある。同様に、曜日、天気によっても電圧の時間履歴が異なることがある。したがって、計測された電圧を時間帯、曜日、天気などに区分し、区分ごとに処理区間をグループ化すると相グループによる影響と時間帯など別の要因による影響とを分離することができ、より正確に各処理区間をグループ化することができる。

図6および図7に示すように、接続される2つの相が同一となる柱上変圧器に対応する処理区間の各プロファイルは時間変化の様子が概ね同じである。このように、電圧の時間変化の様子は同一の相グループでは概ね同じとなるため、この特徴を利用して、本実施の形態では各処理区間をグループ分けする。

図5の説明に戻り、ステップS1の後、相グループ推定部13は、電圧の時間履歴に基づいて、各処理区間をグループ分けする(ステップS2)。相グループ推定部13は、グループ分けした結果をグループ情報として記憶部15に格納して処理を終了する。図6を用いて説明したように、電圧の時間変化の様子は同一の相グループでは概ね同じとなるため、例えば相関処理、パターンマッチング処理などを用いることにより、各処理区間をグループ分けすることができる。すなわち、相グループ推定部13は、電圧の時間変化に基づいて、各処理区間を相グループに分類する。ただし、この時点では、各処理区間をグループ分けすることはできても、どのグループがどの相に対応するかはわからないこともある。

図8は、相グループ推定部13によりグループ分けされた後のグループ情報の一例を示す図である。図8に示すように、グループ情報は、グループを識別する情報と処理区間を識別する情報である区間番号と対応する相を示す情報とを含む。グループを識別する情報は、図8に示した例では、第1グループ、第2グループ、第3グループといったグループ名を用いているが、この例に限定されない。区間番号としては、図8に示した例では、図6に示した接続例を前提としており、柱上変圧器番号を用いているが、これに限定されない。図8に示した例では、各グループがどの相グループに対応しているかについては未定であり、対応する相を示す情報は未定となっている。

以上の処理により、各処理区間をグループ分けすることができる。なお、上述した例では、1回分の相グループのグループ分け処理について説明した。しかしながら、一般には、配電系統内では柱上変圧器が多数あり、1度に全ての柱上変圧器に対応する計測データを用いてこのグループ処理を行うと、様々な要因の誤差が混在してグループ分けの精度がでないことがある。このため、以下に述べるように、複数段階で処理が行われることが望ましい。

たとえば、配電系統内に#1〜#100までの100個の柱上変圧器が存在するとする。この場合、1段階目の処理として、配電系統内の計測データを取得する単位である処理区間を、複数の処理グループにグループ分けし、各処理グループに対して上述した相グループのグループ分け処理を実施する。例えば、#1〜#5までの柱上変圧器に対応する処理区間を第1処理グループ、#5〜#9までの柱上変圧器に対応する処理区間を第2処理グループ、#9〜#13までの柱上変圧器に対応する処理区間を第3処理グループといったように、柱上変圧器をグループ分けする。#14以降の柱上変圧器に対応する処理区間も同様に処理グループにグループ分けする。各処理グループは、柱上変圧器を重複させる、すなわち対応する高圧配電線における区間を重複させることが望ましいが、処理グループへのグループ分け方法はこの例に限定されず、柱上変圧器を重複させなくてもよい。各処理グループについて、それぞれ図5を用いて説明したように、各処理グループ内での相グループのグループ分け処理が終了すると、2段階目の処理として、各処理区間を、1段階目の処理グループより広い範囲のグループである高次グループへグループ分けする。2段階目の処理では、各高次グループについて、1段階目の処理において同一の相グループであると判定された処理区間をまとめて1つの処理区間と見なして、図5に示した処理と同様に相グループへのグループ分け処理を実施する。

すなわち、相グループ推定部13は、処理区間を、複数の処理区間を含む処理グループにグループ分けし、処理グループごとに、処理区間を相グループに分類する。そして、相グループ推定部13は、処理グループより多くの処理区間を含む高次処理グループに処理区間をグループ分けし、処理グループごとの相グループへの分類結果の結果を用いて、高次処理グループごとに処理区間を相グループに分類する。なお、同様に3段階目以降の処理を実施してもよい。

本実施の形態の相グループ推定処理は、どのようなタイミングで行ってもよいが、例えば、相グループ推定装置10の運用が開始されたときに実施しその後、設備情報が変更になった場合などに実施する。また、配電系統の構成が変更になった場合にも実施する。さらには、設備情報が変更されておらず配電系統の構成が変更されていない場合でも、なんらかの理由で柱上変圧器の接続される相が変更される可能性もあることから、数年に一度など定期的に図5に示した処理を実施してもよい。

相グループ推定部13によりグループ分けされた各グループがどの相に対応するかについては、例えば、実際に各グループに対応する柱上変圧器の接続を作業員が調べることにより把握することができる。この場合、同一グループに属する柱上変圧器のうち1つの柱上変圧器の接続を調べればよい。または、ある相の配電線の断線が生じた場合に、後からどの相の配電線のどの箇所に断線が生じたかが判明する。例えば、高圧系統におけるセンサ付き開閉器による計測結果などからどの相の配電線断に断線が生じたかが判明する。例えば、図6に示した接続例において、V相の配電線に断線が生じた場合、V相に接続される柱上変圧器に対応する処理区間の電圧は低下するが、V相に接続されない柱上変圧器に対応する処理区間の電圧に影響はない。このため、どの相に断線が生じたかが判明した後に、電圧が低下したか否かにより、V相に接続されるグループとV相に接続されないグループとを判別することができる。ただし、V相に接続されないグループは、上述したW相およびU相に接続されるグループであると判定されるが、残りの2つのグループは、U相およびV相に接続されるグループであるかV相およびW相に接続されるグループであるかについては判定できない。様々な相の断線が繰り返されると、各グループがどの相に接続するかが判明する。

また、例えば、新たにスマートメーター1が設置されたりすなわち新たな需要家の設備が低圧配電線に接続されたり、既設のスマートメーター1が撤去されたりすなわち需要家の設備が低圧配電線から撤去されたり、といった場合に設備情報が変更される。したがって、相グループ推定部13は、設備情報に変化が有った場合、設備情報の変更の前後で各処理区間において電圧に変化があったか否かを判別し、電圧に変化があった処理区間を同一の相グループと推定することもできる。すなわち、相グループ推定部13は、設備情報が変更された場合、設備情報の変更前のデータと設備情報の変更後のデータとを用いて、処理区間を相グループに分類してもよい。なお、この際、配電系統における大規模な障害、配線工事などに伴い、あるエリア全体に停電が生じる場合には、複数の相グループで同じ変化が生じるため、このような場合は、停電が生じる期間対応する処理区間を、相グループの判定処理の対象から除外する。すなわち、相グループ推定部13は、一定範囲内で停電が生じることが想定される場合には、該停電が生じると想定される期間の一定範囲を相グループの分類の対象から除外する。

図9は、各相グループが確定した後のグループ情報の一例を示す図である。上述したように、V相の配電線に断線が生じた時点では、第1グループおよび第3グループは、U相およびV相に接続されるグループであるかV相およびW相に接続されるグループであるかについては判定できないが、様々な情報を組み合わせていくことにより、各グループがどのように対応するかも判定される。なお、図9では、U相およびV相に接続されるグループをUV相、V相およびW相に接続されるグループをVW相、W相およびU相に接続されるグループをWU相とそれぞれ記載している。

なお、以上の例では、スマートメーター1が定期的に電圧を送信する前提で説明したが、スマートメーター1が定期的に電圧を送信しない場合も、相グループ推定装置10がMDMS8を介して、スマートメーター1を個別に指定して電圧を収集することで上記と同様の処理を実施することができる。例えば、相グループ推定装置10は、処理区間ごとに1つ以上のスマートメーター1を指定して、電圧を収集する。上述した通り、図5に示した処理の頻度は高くなくてよく、この個別のスマートメーター1の電圧の収集も図5に示した処理を行う際に実施すればよい。このため、個別のスマートメーター1の電圧の収集による通信容量への影響はほとんどない。

上述した処理により、処理区間ごとに、属する相グループの推定が実施された後は、相グループ推定装置10は例えば表示部104に結果を表示するなどにより、運用者へ結果を通知する。これにより、運用者は、配電線に断線が生じた場合に影響のでる範囲を把握することができる。また、それぞれの柱上変圧器がどの相に接続されているかがわかるため、新たに柱上変圧器を設置する場合に、各相に接続される柱上変圧器の数が平均化されるように接続したり、または逆に故意に特定の相への接続を増やしたりといったことが可能となる。

また、既にどの相に接続されているかが判明している柱上変圧器が存在することもある。このような場合、相グループ推定部13は、既知の情報を相グループ情報に反映させる。すなわち、相グループ推定部13は、相グループの分類結果に、接続される相が既知である処理区間の接続される相の情報を反映させる。これにより、より適切に相グループを推定することができる。

次に、本実施の形態の相グループ推定装置10におけるイベント通知発生時の処理について説明する。上述した通り、スマートメーター1は、停電、電圧低下などのイベントを検出するとイベント通知を送信する。相グループ推定装置10のデータ取得部11は、MDMS8を介してイベント通知を受信すると、イベント解析部14へイベント通知を受信したことを通知する。イベント通知には、スマートメーター番号およびスマートメーター1がイベントを検出した時刻が格納されている。データ取得部11は、受信したイベント通知をイベントデータとして記憶部15に格納する。

図10は、本実施の形態の相グループ推定装置10におけるイベント通知発生時の処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、イベント解析部14は、イベント通知を受信したか否かを判断し(ステップS11)、イベント通知を受信したと判断した場合(ステップS11 Yes)、イベント通知に基づく相グループ推定処理を実施する(ステップS12)。この場合、イベント解析部14は、設備情報とスマートメーター1から送信されたデータであるイベント通知とに基づいて、処理区間ごとに、該処理区間を、同一の相の配電線から電力が供給される相グループに分類する相グループ推定部である。

イベント通知に基づく相グループ推定処理は、同時にまたはあらかじめ定めた時間差以内で同一内容のイベント通知を送信したスマートメーター1に対応する処理区間を同一のグループにグループ分けする処理である。イベント通知に基づく相グループ推定処理は、電圧の変化の様子の代わりにイベント通知の送信の有無を用いる以外は、電圧を用いた相グループの推定処理と同様である。すなわち、いずれの場合も、相グループ推定装置10は、スマートメーター1から送信されたデータが一致または類似している処理区間を同一の相グループに分類する。

図11は、配電系統における接続方式の違いと断線の関係の一例を示す図である。図11に示したように、高圧柱500に配線される高圧配電線から分岐された配電線への柱上変圧器の接続方式は、単相3線式、単相2線式、三相3線式、三相4線式など様々な方式が存在する。センサ付き区間開閉器600は、高圧配電線の電圧を計測する。図6および図7では、三相3線式において相グループを推定する例を説明したが、本実施の形態の相グループの推定方法は、三相3線式に限らず他の接続方式にも適用可能である。なお、図11では、接続方式が混在する例を示しているが、本実施の形態の相グループ推定装置10が推定の対象とする範囲では、一般には単一の接続方式であるとする。なお、本実施の形態の相グループ推定装置10が、推定の対象とする範囲に複数の接続方式が含まれる場合には、接続方式ごとに相グループの判定を行う。

図11に示すように、柱上変圧器501〜516のうち、柱上変圧器501〜503は三相4線式で接続され、柱上変圧器504〜511は三相3線式で接続され、柱上変圧器512、513は単相2線式で接続され、柱上変圧器514〜516は単相3線式で接続される。柱上変圧器501〜516の上部には接続される相を示している。図11に示した例では、柱上変圧器501の上流でV相の配電線の断線が生じ、柱上変圧器504、506の上流でV相の配電線の断線が生じ、柱上変圧器512の上流でV相の配電線の断線が生じ、柱上変圧器514の上流でV相の配電線の断線が生じた例を示している。図11には、各接続方式において、V相の断線が生じたときに、影響が生じないすなわち正常な柱上変圧器と影響が生じるすなわち停電または電圧降下の生じる柱上変圧器とを異なるハッチングで示している。同様に、V相の断線が生じたときに、影響が生じないすなわち正常なスマートメーター1と影響が生じるすなわち停電または電圧降下の生じるスマートメーター1とを異なるハッチングで示している。

このように、接続方式により、ある相の断線が生じたときに、柱上変圧器の接続される相により影響が生じるか生じないかが決まるため、この特徴を利用して各処理区間をグループ分けすることができる。例えば、三相3線式において、V相の配電線の断線が生じたときに断線の影響が生じるのは、断線の箇所より下流に接続される柱上変圧器でありかつUV相に接続される柱上変圧器と断線の箇所より下流に接続される柱上変圧器でありかつVW相に接続される柱上変圧器である。したがって、これらの柱上変圧器に対応するスマートメーター1はイベント通知を送信し、それ以外はイベント通知を送信しないことになる。このため、同一時刻またはあらかじめ定めた時間差以内の時刻におけるイベント通知の有無により、各処理区間をグループ分けすることができる。

図10の説明に戻り、ステップS12の後、イベント解析部14は、イベント通知に基づいて断線すなわち障害の発生した位置を推定する(ステップS13)。イベント解析部14は、イベント通知に基づいて、断線の生じた箇所を推定する位置推定部としての機能を有する。イベント解析部14は、断線の発生した位置の推定結果を位置情報として記憶部15に格納して処理を終了する。断線の発生した位置は、同一グループに属する処理区間のうち、イベント通知が送信された処理区間とイベント通知が送信されていない処理区間と境界となる位置を障害の発生した位置と推定することができる。このとき、イベント解析部14は、各処理区間の電圧の計測結果を用いると、各処理区間で電圧が降下しているか否かがわかるため、より正確に障害の発生した位置を推定することができる。

図12は、イベント通知の送信の有無による障害の発生した位置の推定結果の例を示す図である。図12に示した例では、図6に示した接続例を前提とし、各処理区間が属する相グループが判定されているとする。図12に示すように、柱上変圧器fがイベント通知を送信し、柱上変圧器gがイベント通知を送信していない場合、柱上変圧器fと柱上変圧器gとの間で障害が発生していると推定することができる。

なお、電圧を定期的に送信していないスマートメーター1の場合、相グループ推定装置10、イベント通知が通知された場合に、イベント通知を送信したスマートメーター1から電圧を収集するようにしてもよい。

以上のように、相グループ推定装置10は、イベント通知を用いて、イベントの発生時刻に基づいて、処理区間を相グループに分類することができる。ただし、イベント通知を用いた場合、イベントが生じないと相グループを推定することができない。このため、上述した電圧による相グループの推定とイベント通知による推定とを併用することにより精度よく相グループを判定することができる。

なお、イベント通知として、停電通知を送信せず電圧低下通知を送信するスマートメーター1の場合、電圧低下により停電状態となりスマートメーター1が電圧低下通知を送信できないことがある。停電通知を送信するスマートメーター1はバッテリを備えているが、電圧低下通知を送信するスマートメーター1は一般にバッテリを備えていない。このため、電圧がほぼ0になるとスマートメーター1は電源を喪失することになり電圧低下通知を送信することができない。

図13は、図6に示した接続例において、V相の配電線に断線が生じた場合の電圧の時間履歴V(i,t)の一例を示す図である。図13では、柱上変圧器gと柱上変圧器fとの間のV相の配電線に断線が生じた例を示している。この場合、図13の下段に示すように、相グループCに属する柱上変圧器a,b,fの平時のプロファイル201,202,206は図6の例と同様である。プロファイル311,312,316は、V相の断線が生じた場合の相グループCに属する柱上変圧器a,b,fにおける電圧の時間履歴V(i,t)を示している。柱上変圧器fに対応する処理区間では、電圧の回り込みにより電圧が0ではないので、柱上変圧器fに対応する処理区間のスマートメーター1は電圧低下通知を送信することができる。電圧の回り込みとは、断線している相に接続される柱上変圧器に、断線していない相の配電線に接続される他の柱上変圧器に流れる電流が回り込むことにより、断線している相に接続される柱上変圧器の電圧が0にならない現象である。柱上変圧器a,bに対応する処理区間では、電圧が0となるため、柱上変圧器a,bに対応する処理区間のスマートメーター1は電圧低下通知を送信することができない。

図13に示した例の場合、電圧低下通知だけでは相グループを推定することは難しい。このため、相グループ推定装置10のデータ取得部11は、電圧低下通知を受信した場合、スマートメーター1に個別に電圧の取得を要求することにより、電圧の計測結果を収集し、電圧の計測結果を用いて上述した電圧の時間履歴に基づいて相グループを推定するといったように、電圧と電圧低下通知とを組み合わせで相グループを推定することができる。また、相グループの推定が行われており、断線箇所を推定する場合には、電圧低下通知を受信したスマートメーター1の周辺の同一の相グループに属するスマートメーター1から電圧を収集することにより、どの箇所から電圧が低下しているかを推定することができる。

なお、本実施の形態では、高圧配電線における電圧を低圧配電線における電圧に変換する変圧器が、電柱に設置される柱上変圧器である例を説明した。これに限らず、高圧配電線における電圧を低圧配電線における電圧に変換する変圧器の一部または全部が電柱以外に設置されている場合も同様に、変圧器単位で相グループの推定を実施することができる。

また、以上の説明では、低圧配電線の電圧を計測して、計測結果を送信する計測装置の一例としてスマートメーター1を用いる例を示したが、低圧配電線の電圧を計測して、計測結果を送信する計測装置はスマートメーター1に限定されず、スマートメーター1以外の計測装置を用いてもよい。スマートメーター1以外の計測装置が計測結果を送信する際に用いる通信ネットワークは、スマートメーター1が用いる通信ネットワークと同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、相グループ推定装置10は、スマートメーター1による電圧の計測結果とスマートメーター1以外の計測装置による電圧の計測結果との両方を用いて相グループの推定を行ってもよい。また、スマートメーター1以外の計測装置が、上述したイベント通知を送信する機能を有していてもよい。また、スマートメーター1およびスマートメーター1以外の計測装置が、電圧以外の電流なども送信するようにしてもよい。相グループ推定装置10は、電圧以外の電流なども用いて相グループの推定を行ってもよい。

また、以上の例では、第1の配電線が低圧配電線である例を説明したが、上述した通り、第1の配電線が高圧配電線であってもよく、本実施の形態の相グループ推定方法は、スマートメーター1が高圧配電線に接続される場合にも適用できる。この場合も、スマートメーター1以外の計測装置がスマートメーター1と同様に高圧配電線の電圧を計測するようにしてもよい。また、この計測装置がイベント通知を送信する機能を有していてもよい。また、この場合も、スマートメーター1およびスマートメーター1以外の計測装置が、電圧以外の電流なども送信するようにしてもよい。

以上のように、本実施の形態の相グループ推定装置10は、スマートメーター1から送信されたデータに基づいて、処理区間ごとに属する相グループを推定するようにした。このため、高圧系統の電圧の計測結果を必要とせずに、グループを推定することができる。これにより、断線が生じたときの影響の及ぶ範囲を推定することができる。また、高圧系統の電圧を計測するシステムとの連携を必要としないため、システムを単純化できる。スマートメーター1から送信されたデータのうち処理に必要なデータだけを保存しておけばよいため安価に装置を構築することができる。さらに、断線の箇所を推定することができる。

また、上述したように、処理区間あたり最低1つのスマートメーター1からデータを収集すればよいため、例えば、処理区間内の全てのスマートメーター1のうち一部を停電通知の送信が可能なスマートメーター1とし、他のスマートメーター1を、停電通知を送信しないスマートメーター1とすることもできる。これにより、バッテリを搭載するスマートメーター1の数を抑制することができ、安価にスマートメーターシステムを構築することができる。

以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。

1−1〜1−13 スマートメーター、2 コンセントレーター、3 マルチホップネットワーク、4 携帯ネットワーク、5 PLCコンセントレーター、6 PLCネットワーク、7 HES、8 MDMS、10 相グループ推定装置、11 データ取得部、12 集計部、13 相グループ推定部、14 イベント解析部、15 記憶部。

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