無人航空機のための風況推定

申请号 JP2011053953 申请日 2011-03-11 公开(公告)号 JP5893836B2 公开(公告)日 2016-03-23
申请人 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド; 发明人 エリック・イー・ハムケ; デール・エフ・エンス; グレゴリー・アール・ロー; ロジャー・エイ・ワッカー; オリヴァー・シュバート;
摘要
权利要求

少なくとも無人航空機(UAV)の測定された対地速度に基づいて、前記UAVの加速度をモデル化するステップと、 1つまたは複数のセンサを用いて前記UAVの実加速度を判定するステップと、 前記モデル化された加速度と前記実加速度との差の積分として風速を推定するステップとを含み、 前記UAVの加速度をモデル化するステップが、 少なくとも前記UAVの前記測定された対地速度に基づいて、前記UAVに対する1つもしくは複数の抵抗または1つもしくは複数のモーメントの少なくとも1つをモデル化するステップと、 前記UAVに対する1つもしくは複数の抵抗力または1つもしくは複数のモーメントの前記モデル化された少なくとも1つと前記UAVの質量とに少なくとも基づいて、前記モデル化された加速度を判定するステップとを含む、方法。無人航空機(UAV)であって、 前記UAVに機械的に接続された複数のセンサと、 前記複数のセンサのうち少なくとも1つからのデータに基づいて測定された前記UAVの対地速度に少なくとも基づいて、前記UAVの加速度をモデル化し、前記複数のセンサのうち少なくとも1つを用いて前記UAVの実加速度を判定し、モデル化された前記加速度と前記実加速度との差の積分として風速を推定するように構成されたプロセッサと、 を備え、 前記プロセッサは、前記UAVの加速度をモデル化する際に、 少なくとも前記UAVの前記測定された対地速度に基づいて、前記UAVに対する1つもしくは複数の抵抗力または1つもしくは複数のモーメントの少なくとも1つをモデル化し、 前記UAVに対する1つもしくは複数の抵抗力または1つもしくは複数のモーメントの前記モデル化された少なくとも1つと前記UAVの質量とに少なくとも基づいて、前記モデル化された加速度を判定する、無人航空機(UAV)。

说明书全文

[0001]連邦政府による資金援助を受けた研究開発の記載 本発明は、米国陸軍の戦車・車両研究開発部門(Tank−Automotive and Armaments Command)(TACOM)によって裁定されたW56HZV−05−C−0724に基づき、国庫補助によってなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。

[0002]本開示は、飛行中の無人航空機などの航空機を制御する技術に関する。

[0003]無人航空機(UAV)は、乗員が航空機に搭乗せずに飛行する航空機である。UAVは、周囲の気体粒子の収集、観察、サーマルイメージングなど、様々な目的に使用することができる。超小型航空機(MAV)は1つのタイプのUAVであり、比較的小型であるため、山岳地帯、市街地、および狭い空間などの複雑な地形において作動させるのに有用であり得る。MAVの構造および制御構成要素は、比較的軽量かつコンパクトであるように構築される。

[0004]概して、本開示は、飛行中のUAVのモデル化された加速度と飛行中のUAVの実加速度(例えば、感知された加速度)とに基づいて、UAVの運転中の風速を推定するデバイス、システム、および技術を対象とする。

[0005]一例では、方法は、UAVの測定された対地速度に少なくとも基づいて無人航空機(UAV)の加速度をモデル化するステップと、1つまたは複数のセンサを用いてUAVの実加速度を判定するステップと、モデル化された加速度と実加速度との差の積分として風速を推定するステップとを含む。

[0006]別の例では、UAVは、UAVに接続された複数のセンサと、プロセッサとを含む。プロセッサは、センサの少なくとも1つからのデータに基づいて測定されたUAVの対地速度に少なくとも基づいてUAVの加速度をモデル化し、センサの少なくとも1つを用いてUAVの実加速度を判定し、モデル化された加速度と実加速度との差の積分として風速を推定するように構成される。

[0007]別の例では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラマブルプロセッサによって、UAVの測定された対地速度に少なくとも基づいて無人航空機(UAV)の加速度をモデル化させ、1つまたは複数のセンサを用いてUAVの実加速度を判定させ、モデル化された加速度と実加速度との差の積分として風速を推定させるための命令を含む。

[0008]別の態様では、本開示は、コンピュータ可読記憶媒体を備える製品を対象とする。コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサが実行するためのコンピュータ可読命令を含む。命令によって、プログラマブルプロセッサが本明細書に記載される技術のいずれか一部を行う。命令は、例えば、ソフトウェアまたはコンピュータプログラムを規定するのに使用されるものなどのソフトウェア命令であってもよい。コンピュータ可読媒体は、記憶装置(例えば、ディスクドライブ、もしくは光学ドライブ)、メモリ(例えば、フラッシュメモリ、読み出し専用メモリ(ROM)、もしくはランダムアクセスメモリ(RAM))、あるいは、プログラマブルプロセッサに本明細書に記載の技術を行わせるための(例えば、コンピュータプログラムもしくは他の実行可能な形態で)命令を記憶する他の任意のタイプの揮発性または非揮発性メモリであってもよい。

[0009]1つまたは複数の実施例の詳細が添付図面および以下の説明において示される。開示される実施例の他の特徴、目的、および利点は、説明および図面によって、また特許請求の範囲によって明白になるであろう。

[0010]MAVの一例を示す立面図である。

[0011]図1のMAVに搭載されたアビオニクスシステムの一例を示すブロック図である。

[0012]MAVの運転中の風速を推定するため、MAVに搭載されたアビオニクスシステムによって実行されてもよいアルゴリズムの一例を示す概略図である。

[0013]図1のMAVに対して向き付けられたデカルト座標系の一例を示す概略図である。

図1のMAVに対して向き付けられたデカルト座標系の一例を示す概略図である。


図1のMAVに対して向き付けられたデカルト座標系の一例を示す概略図である。


[0014]MAVの運転中の風速を推定する方法の一例を示すフローチャートである。




[0015]飛行中のMAVの軌道を制御するため、測定値、ならびに場合によっては飛行前シミュレーションおよび/または試験によって生成されたデータに基づいて、航空機の状態、例えば姿勢、速度、モーメントなどが、MAVに搭載されたアビオニクスによってモデル化される。飛行中のMAVの状態のかかるモデルに用いられる1つの変数は、航空機の速度である。いくつかの実施例では、MAVに搭載されたアビオニクスは、単に、航空機の真対気速度に対する航空機の対地速度を測定および/または導出することがある。対地速度をMAVのモデルに用いることで、航空機モデルの精度が低減されることがある。単に対気速度と呼ばれる場合がある真対気速度は、航空機が通過する大気に対するMAVの速度である。対気速度とは対照的に、MAVの対地速度は地面に関する航空機の速度である。MAV 10の真対気速度と対地速度との間の差は、風速に起因する可能性があり、いくつかの実施例では風速にほぼ等しいことがある。換言すれば、いくつかの実施例では、MAVの状態のモデルに使用される航空機の速度は、飛行中の航空機に対する風の影響の説明にならない。


[0016]飛行中のMAVの状態をより正確にモデル化するため、航空機の真対気速度は1つまたは複数のセンサによって測定されてもよい。しかし、MAVの真対気速度の測定は、コストおよび複雑さを航空機に追加することがある付加的な構成要素、例えば対気速度センサを含むことがある。そのため、本開示による実施例は、風速を推定し、推定風速を航空機の対地速度の測定値に加えることによって、MAVおよび他の無人航空機(UAV)の真対気速度の推定値を導き出す。MAVの運転中の風速は、機内センサ、例えば1つまたは複数の加速度計によって感知された航空機の実加速度と、パラメータの中でも特に、飛行中の航空機の対地速度の測定値に基づいてモデル化された、航空機の加速度との差を積分することによって推定される。本明細書では主にMAVについて言及されるが、航空機の運転中の風速を推定するデバイス、システム、および技術は、任意の適切なUAVに適用可能である。


[0017]MAVの操作者は、MAVの軌道を制御して、風に起因する軌道偏差を補償してもよいが、操作者による入をほとんど、あるいはまったく伴わずに、MAVがその軌道を自動的に制御するのが望ましいことがある。本明細書に記載される風の推定値は、風が強い条件であっても、MAVの飛行および位置の制御を自動化するのに有用なことがある。航空機の軌道をより良好に制御することは、例えば、MAVが風でドリフトするのを操作者が補正する必要性を低減するのに有用なことがある。このことによって、風が強い条件でMAVが飛行するのに必要な経験量を低減するとともに、操作者の訓練時間を低減することができる。


[0018]いくつかの実施例では、MAVなどのUAVは、対象物の画像を取得する機内カメラを含む。本明細書に記載される技術は、本明細書に記載される風の推定技術を実施することによって、MAVを特定の位置および/または姿勢で維持するのに有用なことがあるので、MAVに搭載されたカメラが、より良好な画像を取得することが可能になり得る。例えば、MAVがその姿勢および位置を保持する改善された能力により、MAVに搭載されたカメラがより高い倍率を使用することを可能になり得るので、それによって、MAVが対象物からより遠くに離れることが可能になり、かつ/または操作者が対象物をより見やすくすることが可能になり得る。


[0019]図1は、ダクテッドファン12と、エンジン14と、ポッド16および18と、着陸装置20および燃料ブラダ22とを含む、MAV 10の一例を示す立面図である。図1では、エンジン14は、ダクテッドファン12の吸気口に向かって位置し、ダクテッドファンに(直接または間接的に)機械的に接続される。ポッド16および18は、横方向に並置され、エンジン14およびハンドル26を含む中央コンソール24に接続される。図1に示される実施例では、4つの着陸装置20(2つのみが図1に示される)がダクテッドファン12に接続される。


[0020]エンジン14は、ダクテッドファン12を駆動するように動作可能に接続され、構成される。図1に示される実施例では、エンジン14は往復機関であり、特に、二気筒内燃機関である。しかし、他の実施例のMAVは、例えばガスタービンエンジンまたは電動モータを含む、他のタイプのエンジンを含んでもよい。エンジン14は、差動装置などであるがそれらに限定されないエネルギー伝達装置を通して、ダクテッドファン12に動作可能に接続されてもよい。


[0021]ダクテッドファン12は、ダクト28、回転子ファン(図1には図示なし)を含む。いくつかの実施例では、ダクテッドファン12は回転子ファンおよび固定子ファンの両方を含むことになる。そのような実施例では、回転子ファン、固定子ファン、およびテールコーン30は、ダクトの吸気口側から排気口側へとダクテッドファン12を通るフロー方向で軸線方向に配列されてもよい。運転中、ダクテッドファン12の回転子ファンは回転して、例えば空気を含む、作動媒体ガスをダクト吸気口28aに取り込む。作動媒体ガスは、回転子ファンを介して取り込まれ、固定子ファンによって方向付けられ、加速されてテールコーン30周囲のダクト排気口28bから出る。ダクト28を介して作動媒体ガスを加速することによって、スラストが発生してMAV 10を推進し、また、制御翼32は、特定の軌道、即ち飛行経路に沿ってMAVを方向付けるように操作されてもよい。このようにして、エンジン14がダクテッドファン12を駆動して、飛行中のMAV 10を推進する。ダクテッドファン12のダクト28は、例えば、様々な複合材料、アルミニウムもしくは他の金属、半硬質発泡体、様々なエラストマーもしくはポリマー、空力弾性材料(aeroelastic materials)、またはさらには木材を含む、任意の適切な材料で形成されてもよい。


[0022]図1に示されるMAV 10は1つのダクテッドファン12を含むが、他の実施例の航空機ではダクテッドファンの数は異なってもよい。一実施例では、MAVは2つ以上のダクテッドファン12を含んでもよい。他の様々な特徴も他の実施形態では異なってもよい。偶数のダクテッドファン12を含む実施例では、各ファンは(例えば、図1に示される図の面に垂直な面に延在する)横断面に沿って、隣り合って配列されてもよい。


[0023]MAV 10のポッド16および18は、例えばアビオニクスおよびペイロードポッドを含んでもよい。一実施例では、ポッド16は、例えば、MAV 10との間で通信し、MAVを操縦するためのアビオニクスを含むアビオニクスパッケージ、ならびに操縦装置のエレクトロニクスおよびセンサを支持するように構成されてもよい。図1の実施例では、ポッド16はまた、MAV 10との間での無線通信および映像通信用にそれぞれ構成されてもよい、通信アンテナ34、36を含む。それに加えて、ポッド18は、例えばMAVによって投下または設置される物体を含む、MAV 10の多数の任務に対する様々なタイプのペイロードを輸送するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、ポッド16、18は、ポッド16がペイロードを含み、ポッド18がアビオニクスを含むように切り換えることもできる。


[0024]MAV 10の着陸装置20は、着陸面を係合するように構成された湾曲した脚体を有する細長いロッドとして形成され、金属、プラスチック、および複合材料を含む様々な材料から製作されてもよい。いくつかの実施例では、着陸装置20は、着陸中にMAVを緩衝するある程度の固有の弾力性を示す、1つまたは複数の材料から製作されてもよい。他の実施例のMAVは、より少数または多数の着陸装置20を含んでもよく、それらは、図1の実施例に示された、航空機の構成要素とは異なる、航空機の構成要素に接続されてもよい。


[0025]図1の実施例では、MAV 10はまた、1つまたは複数のセンサとハンドル26とを含んでもよい。いくつかの実施例では、センサは、例えばアビオニクスポッド16に取り付けられてもよく、MAV 10の周囲の物体および/または他の条件を感知し、その運転を容易にするように構成されてもよい。例えば、MAV 10は、航空機の姿勢および対気速度、ならびに周囲の気圧および温度を感知するセンサを含んでもよい。MAV 10は、航空機の構成要素に対して他の位置に配置されたセンサを有してもよい。例えば、圧力センサが、ダクテッドファン12のダクト28のリップに機械的に接続されるとともに、その周りに(例えば、ダクト28のリップの周りに均等または不均等に間隔を空けて)分配されてもよい。


[0026]ハンドル26は、エンジン14を含む中央コンソール24に取り付けられるか、連結されるか、またはそれと一体に形成される。ハンドル26は、一般に、航空機のエンジン14が稼働した後にMAV 10を起動装置から分離するのに使用されてもよい。ハンドル26はまた、例えば、図示されない捕捉デバイスによって係合されることにより、MAV 10の捕捉を支援するように構成されてもよい。図1に示される実施例では、ハンドル26は中央コンソール24から突出する。しかし、他の実施例では、ハンドル26は、中央コンソール24のポケットまたは他の陥凹部として実現されてもよい。それに加えて、いくつかの実施例では、MAV 10はハンドル26を含まない。


[0027]図2は、MAV 10に、例えばMAV 10のペイロードポッド16に搭載されたアビオニクス30の一例を示すブロック図である。図2の実施例は、遠隔の地上局32と通信可能に接続されたアビオニクス30を示す。地上局32は、例えば、遠隔位置にいるパイロットが飛行中のMAV 10の運転を制御するコマンドを発行する場所であってもよい。MAV 10に搭載されたアビオニクス30および地上局32は、例えば地上または衛星無線通信を含む、様々な無線通信技術によって連通されてもよい。


[0028]遠隔の地上局32は、MAV 10の飛行計画を展開するのに使用することができ、その飛行計画は次に、操作者によってMAVにアップロードされる。地上局32はまた、操作者が手動操コマンドをMAV 10に送信することを可能にしてもよく、それによって次いで、操作者が飛行中の航空機を方向付けることが可能になる。いくつかの実施例では、地上局32は、画像および航空機の状態をMAV 10から受信し、それらは地上局において操作者に対して表示されてもよい。地上局32はまた、例えば、操作者がMAV 10に搭載されたビデオカメラの視野を変更することを可能にし、操作者が現在の航空機の任務に関する画像を得ることを可能にするセンサ操縦コマンドを送信するのに使用されてもよい。一実施例では、地上局32とMAV 10との間の通信はロストリンク応答(lost link responses)を含む。MAV 10と地上局32との間の無線リンクが喪失する前に、操作者は、無線通信が喪失した場合のMAVの自動反応を選択することができる。一実施例では、地上局32とMAV 10との間のロストリンク応答の設定は、飛行前手続きの間に行われる。MAV 10のロストリンクに対して操作者が選択してもよい自動応答は、航空機を着陸させること、高度を上昇させること、または飛行路を引き返すことを含む。


[0029]図2のアビオニクス30の一例は、航空機管理装置(vehicle manager)34、操縦装置36、風推定器(wind estimator)38、およびセンサ40を含む。上述したように、地上局32はアビオニクス30に通信可能に接続される。地上局32は、航空機管理装置34を通してアビオニクス30にコマンドを発行し、かつそこから情報を受信するように構成される。航空機管理装置34は飛行計画42および誘導装置44を含む。飛行計画42は、地上局32とのインターフェースを管理し、地上局からのコマンド、例えば操作者コマンドを、操縦装置36による使用のために処理および変換する。誘導装置44は、例えば、地上局32、即ちMAV 10を運転する遠隔位置のパイロットによって供給される中間地点を含む、飛行経路情報を処理し、MAVが任務中に追随する三次元軌道を作成してもよい。いくつかの実施例では、誘導装置44は、三次元飛行経路に対するMAV 10の状態、例えば位置、速度、姿勢などを周期的に確認し、MAVを軌道上に保つように操縦装置36にコマンドを発行してもよい。地上局32の操作者は、いくつかの実施例では、誘導装置44をオーバーライドし、MAV 10の手動制御を引き継いでもよい。そのような実施例では、飛行計画42は、操縦装置36によって使用されるように地上局32からのコマンドを代わりに処理して、地上局の操作者によって命令されたようにMAV 10を方向付ける。航空機管理装置34は、例えば、パイロットがMAV 10の飛行を直接制御できるように、誘導装置44がいつ使用されるか、かつ飛行計画42が誘導装置をいつ引き継ぐかを制御する。


[0030]操縦装置36は、MAV 10、例えばエンジン14、ダクテッドファン12、制御翼、ならびに、例えば地上局32によって発行され誘導装置44によって実行される自律飛行計画に従って、または飛行計画42によって制御され管理される操作者が発行した手動飛行コマンドに従ってMAVの飛行を制御する他の構成要素とインターフェースで接続する。飛行計画42または誘導装置44のどちらかにかかわらず、操縦装置36はセンサ40からデータを受信する。いくつかの実施例では、センサ40は、例えばMAV 10に搭載された1つもしくは複数のジャイロスコープからの慣性データ、機上の全地球位置把握システム(GPS)からの位置および速度データ、例えば1つもしくは複数の加速度計からの航空機加速度データ、ならびに例えば気圧計からの高度データのうち1つまたは複数を提供してもよい。操縦装置36は、センサ40からのデータ、飛行計画42または誘導装置44からのコマンドを受信し、MAV 10の構成要素、例えばエンジン14およびダクテッドファン12に含まれる制御翼にコマンドを発行して、MAVの飛行を制御する。いくつかの実施例では、操縦装置36がセンサ40から受信したデータは、操縦装置に達する前に処理されてもよく、それには、航法解を実施することによって、慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度データを処理して、機上センサから受信した生データに基づいて、例えば、MAV 10の速度、位置、姿勢などを判定することが含まれる。


[0031]例えば、地上局32によって発行され誘導装置44によって実行される自律飛行計画によって、または飛行計画42によって制御され管理される操作者が発行した手動飛行コマンドによって、MAV 10の飛行を制御するため、操縦装置36は、所与の時間におけるMAVの実状態、例えば位置、速度、姿勢、加速度などをモデル化し、例えばエンジン14およびダクテッドファン12の制御翼に、航空機管理装置34が発行するコマンドによって定義される飛行軌道をMAVが維持または補正するようにするコマンドを発行するアルゴリズムを実行してもよい。いくつかの実施例では、操縦装置36は、例えば、ダクテッドファン12のファンの例えば毎分回転数(RPM)単位での回転速度、MAVの速度、航空機の向き、およびダクテッドファンの制御翼の位置を含む、測定または導出される多数の異なるパラメータの関数として、MAVに対する抵抗力およびモーメントをモデル化することによって、飛行中のMAV 10の現在の状態をモデル化する。例えば、操縦装置36は、次の公式に従って、MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化してもよい。






[0032]操縦装置36によって用いられる航空機モデルの例の上述の公式では、ωは、例えばRPM単位でのダクテッドファン12のファン回転速度、Sは、飛行中のMAV 10の速度、θおよびφは、MAVが速度Sで移動している方向を定義する極である。それに加えて、dnは、MAVのピッチ角、横揺れ角、および偏揺れ角を制御して、飛行中の航空機を大気中で方向付ける、MAVのダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向である。


[0033]飛行中のMAV 10の状態を正確にモデル化することにおける1つの課題は、航空機モデルを航空機の真対気速度Strue対対地速度Sgroundに基づかせる能力である。単に対気速度と呼ばれることもある真対気速度は、航空機が通過している空気に対するMAV 10の速度である。対気速度とは対照的に、MAV 10の対地速度は地面に関する航空機の速度である。MAV 10の真対気速度と対地速度との差は風速に起因する。いくつかの実施例では、MAV 10の真対気速度と対地速度との差は、風速にほぼ等しいので、次のようになる。






[0034]いくつかの実施例では、MAV 10のアビオニクス30は単に、航空機の対地速度を測定および/または導出することによって決まってもよい。例えば、アビオニクス30の飛行計画42もしくは誘導装置44および/または操縦装置36は、センサ40からの慣性測定データ、GPSデータ、航空機高度データ、および加速度データを用いて、MAV 10の速度を判定してもよい。飛行中のMAV 10の実加速度を感知する加速度センサ、例えばセンサ40の1つまたは複数の加速度計を含む理想的なシステムでは、操縦装置36は、加速度計データを1回積分してMAVの速度を判定し、加速度計データを2回積分してMAVの位置を判定することができる。しかし、センサの誤差により、他の入力を用いて感知した加速度データを補正して、長時間にわたるMAV 10の速度を正確に判定するのが有用なことがある。そのため、一実施例では、操縦装置36は、センサ40からの慣性データ、GPSデータ、および航空機高度データを、航空機の加速度データを併せて用いて、MAV 10の速度を判定してもよい。上述したように、センサ40から受信した生データは、MAV 10のアビオニクス30に含まれる航法解によって処理されてもよい。一実施例では、航法解は、例えばセンサ40の1つまたは複数の加速度計からのデータを、例えばジャイロスコープの慣性データ、GPSデータ、および気圧計高度データを用いて増強するカルマンフィルタを含んで、飛行中のMAV 10の速度、ならびにいくつかの実施例では、航空機の位置、姿勢、および回転速度を判定してもよい。


[0035]センサ40からの慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度センサデータから導き出されるMAV 10の速度は、風速Swindの説明とならないことがあり、したがって、航空機の対地速度Sgroundのみを表すことがある。そのような場合のMAV 10の状態をより正確にモデル化するため、航空機の真対気速度Strueが感知または導出されてもよい。しかし、MAV 10の真対気速度を感知するには、付加的な構成要素、例えば対気速度センサを含むことがあり、そのことがコストおよび複雑さを航空機に追加することがある。そのため、本開示による実施例は、風速を推定し、推定風速を航空機の対地速度の測定値に加えることによって、MAV 10および他のUAVの真対気速度の推定値を導き出す。


[0036]一実施例では、MAV 10の操縦装置36は、パラメータの中でも特に、飛行中の航空機の真対気速度の推定値Strueに基づいて、MAVの実状態を判定するアルゴリズムを実行する。例えば、操縦装置36は、次の公式に従ってMAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化してもよい。






[0037]操縦装置36によって用いられる上述の実施例のモデルでは、例えばRPM単位でのダクテッドファン12のファンの回転速度ω、ならびに、航空機を大気中で方向付けるMAVのピッチ角、横揺れ角、および偏揺れ角を制御するMAVのダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向dnは、操縦装置36によって直接制御されてもよく、したがって既知の値であってもよい。真対気速度StrueでMAV 10が移動する方向を定義する極角φおよびθは、飛行中のMAVの姿勢に基づいて判定されてもよい。そのため、極角θおよびφは、飛行の間の大気中でのMAV 10の姿勢を示してもよい、例えばジャイロスコープなどの慣性センサを含むセンサ40からのデータを使用して判定されてもよい。


[0038]しかし、MAV 10の真対気速度Strueは、いくつかの実施例では、単に、センサ40からのデータおよび風速の推定値Swindに基づいて導き出される航空機の対地速度の測定値Sgroundの関数として、操縦装置36によって推定されることがある。上述したように、別個の風センサを使用してMAV 10の運転中の風速を直接測定することは、望ましくなく実用的でもないことがある。そのため、MAV 10の真対気速度Strueを判定するため、風速Swindを推定するのが必要なことがある。


[0039]MAV 10の飛行中の風速Swindを推定するため、操縦装置36は、MAVに対するモデル化された加速度と、航空機に搭載された1つまたは複数の加速度計によって感知されたMAVの実加速度との差の積分を計算してもよい。一実施例では、操縦装置36は、例えば、センサ40からのデータに基づいて測定または導出されたパラメータを含む、測定または導出された多数の異なるパラメータの関数として、MAV 10に対する抵抗力およびモーメントをモデル化するように構成されてもよい。しかし、いくつかの実施例では、センサ40からのデータは風速Swindの説明とならないことがあるので、操縦装置36によって実行されるMAV 10に対する抵抗力およびモーメントのモデルは、真対気速度Strueではなく航空機の対地速度Sgroundに基づいてもよい。そのため、一実施例では、操縦装置36は、パラメータの中でも特に、次の公式による航空機の対地速度Sgroundに基づいて、MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化する。






[0040]ダクテッドファン12のファンの回転速度ω、およびダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向dnは、上述したように、MAV 10の現在の運転状態に基づく既知の値であってもよく、極角φおよびθは、飛行の間の大気中におけるMAV 10の姿勢を示してもよい、例えばジャイロスコープなどの慣性センサを含む、センサ40からのデータを使用して判定されてもよい。それに加えて、MAV 10のアビオニクス30は、航空機の対地速度Sgroundを測定および/または導出してもよい。例えば、アビオニクス30の飛行計画42もしくは誘導装置44および/または操縦装置36は、センサ40からの慣性データ、GPSデータ、航空機高度データ、および加速度データを用いて、飛行中のMAV 10の速度を判定してもよい。しかし、センサ40からの慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度センサデータから導き出されるMAV 10の速度は、風速Swindの説明とならないことがあり、したがって、航空機の対地速度Sgroundのみを表すことがある。


[0041]MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMを分析的にモデル化することが可能なことがあるが、一実施例では、操縦装置36はルックアップテーブルを用いて、航空機に対する抵抗力およびモーメントを判定する。例えば、操縦装置36、またはMAV 10のアビオニクス30の別の部分は、航空機に関する異なるデータを組織化し相互参照するルックアップテーブルが記憶されてもよいメモリを含んでもよい。例えば、抵抗値およびモーメントの値のアレイが、操縦装置36のメモリに記憶された1つまたは複数のルックアップテーブルに記憶されてもよく、それらは特定の飛行条件に相関する。例えば、ダクテッドファン12のファンの回転速度ω、ダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向dn、極角φおよびθとして表されるMAV 10の姿勢、およびMAVの対地速度Sgroundが所与の場合、操縦装置36によるルックアップテーブルの参照は、MAVに対する抵抗力およびモーメントの特定の値を返すことがある。


[0042]操縦装置36によって用いられるルックアップテーブルを生成するデータは、様々な異なる飛行条件におけるMAV 10の1つもしくは複数のシミュレーションまたは試験から生成されてもよい。例えば、MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化するのに操縦装置36によって用いられるルックアップテーブルは、異なる飛行条件におけるMAVの線形的数値シミュレーションおよび/または非線形的分析シミュレーションから得られるデータで生成されてもよい。別の実施例では、シミュレーションに加えて、またはその代わりに、MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化するのに操縦装置36によって用いられるルックアップテーブルは、MAVの風胴試験から得られるデータで生成されてもよい。いずれの場合も、MAV 10の運転中、操縦装置36は、一実施例では、ルックアップテーブルを参照して、ダクテッドファン12のファンの現在の回転速度ω、ダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向dn、極角φおよびθとして表されるMAVの姿勢、およびMAVの対地速度Sgroundに対応する抵抗力およびモーメントの値を取得することによって、MAVに対するモデル化された抵抗力FおよびモーメントMを判定してもよい。


[0043]MAV 10の質量は一般に既知の値であることがあるので、MAVに対する加速度のモデルは、モデル化された抵抗力およびモーメントから操縦装置36によって計算されてもよい。例えば、モデル化された加速度






は、モデル化された抵抗力FをMAVの質量mで割ったものに等しい。別の実施例では、モデル化された加速度






は、モデル化されたモーメントMをMAV 10の質量mで割り、モーメントがその周囲で航空機に加えられるモーメントアームrを掛けたものに等しい。したがって、一般に、MAV 10に対するモデル化された加速度






は、次の公式による航空機のモデル化された抵抗力およびモーメントに基づいて判定されてもよい。






[0044]MAV 10に搭載されたセンサ40は、三軸加速度計、もしくは複数の単軸加速度計、二軸加速度計、またはそれらの任意の組み合わせなど、MAV 10の静的な向きまたは三次元ベクトルを検出することができる1つまたは複数の加速度計を含んでもよい。一実施例では、MAV 10のセンサ40は、複数の方向、例えば航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向で、MAVに対する実加速度






を示す信号を発生させるように構成された、1つまたは複数の多軸微小電子機械加速度計を含む。


[0045]MAV 10に対するモデル化された加速度






およびセンサ40の1つまたは複数の機上加速度計によって感知された航空機に対する実加速度






に基づいて、風速の推定値






が次の公式に従って判定されてもよい。






[0046]風速を推定した後、推定風速を航空機の対地速度の測定値に加えることによって、MAV 10の真対気速度が操縦装置36によって推定されてもよい。MAV 10の対地速度は、センサ40からの慣性データ、GPSデータ、航空機高度データ、および加速度データに基づいて、アビオニクス30の飛行計画42もしくは誘導装置44および/または操縦装置36によって判定されてもよい。そのため、一実施例では、操縦装置は、次の公式に従ってMAV 10の真対気速度






を推定してもよい。






[0047]したがって、要約すると、MAV 10の操縦装置36は、一実施例では、航空機の真対気速度






を、例えばセンサ40から受信した慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度データから導き出される、風速の推定値






および対地速度の測定値Sgroundに基づいて推定してもよい。MAV 10の推定真対気速度は、操縦装置36が飛行中の航空機に対する抵抗力およびモーメントをより正確にモデル化するのに用いられてもよく、それによって、任務中のMAVの軌道の制御を改善することが可能になる。MAV 10の運転中の風速は、例えば1つまたは複数の多軸加速度計を使用して、航空機に対する加速度を測定することによって、操縦装置36によって推定されてもよい。操縦装置36はまた、パラメータの中でも特に、航空機の対地速度の測定値に基づいて、MAV 10に対する抵抗力およびモーメントをモデル化してもよい。モデル化された抵抗力およびモーメントから、操縦装置36はMAV 10に対する加速度のモデルを判定してもよい。次に、操縦装置36は、センサ40、例えば1つまたは複数の加速度計によって感知された航空機に対する実加速度と、パラメータの中でも特に、飛行中の航空機の対地速度の測定値に基づいてモデル化された航空機に対する加速度との差の積分として、MAV 10の運転中の風速の推定値を判定してもよい。


[0048]MAV 10のアビオニクス30の1つまたは複数の構成要素、例えば、航空機管理装置34、操縦装置36、および風推定器38に備わった機能は、様々な構成のハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェア構成要素の異なる組み合わせによって実施されてもよい。例えば、MAV 10のアビオニクス30は、メモリに対する命令を実行し、そこからデータを取得し、またデータを記憶して、本開示のアビオニクスに備わった1つまたは複数の機能を実施するように構成された、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサを含んでもよい。アビオニクス30の機能を実行するために用いられるプロセッサはそれぞれ、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理回路類など、1つまたは複数のプロセッサを単独であるいは任意の適切な組み合わせで含んでもよい。


[0049]アビオニクス30が実装される計算装置(1つもしくは複数)のメモリは、プログラミング命令、飛行計画、およびセンサデータ、ならびにMAV 10に接続される、または関連付けられるアビオニクス30または別のシステムによって使用される他の任意の情報を記憶するための別個のメモリを含んでもよい。このように、アビオニクス30が実装される計算装置(1つもしくは複数)のメモリは、例えば、センサ40からのデータ、および地上局32から受信した飛行計画を記憶してもよい。上述したように、いくつかの実施例では、アビオニクス30が実装される計算装置(1つもしくは複数)のメモリは、プロセッサによって実行されると、本開示のシステムに備わった機能をアビオニクスに行わせるプログラム命令を記憶する。本明細書に記載されるメモリはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気データ記憶媒体、光学データ記憶媒体など、任意の適切な構成を含むことができる。


[0050]図3は、MAVの運転中の風速を推定するため、MAV 10に搭載されたアビオニクス30の操縦装置36によって実行されてもよいアルゴリズムの一例を示すシステム図である。図3の例のアルゴリズムを用いて、操縦装置36は、計算を周期的に繰り返して、MAV10の運転中の風速を繰り返し推定する。図3では、操縦装置36は、機能ブロック60を実行して、多数の異なるパラメータの関数として、飛行中のMAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMをモデル化する。操縦装置36によって実行される機能ブロック60に対する入力は、例えば、センサ40から受信される慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度データから導き出されるMAV 10の対地速度Sground、ダクテッドファン12のファン回転速度ω、対地速度SgroundでMAVが移動する方向を定義する極角θおよびφ、ならびに、MAVのピッチ角、横揺れ角、および偏揺れ角を制御して飛行中の航空機を大気中で方向付ける、MAVのダクテッドファン12のn個の制御翼の偏向dnを含む。


[0051]操縦装置36は、機能ブロック60で、飛行中のMAVの真対気速度の推定値






の関数として、MAV 10に対する抵抗力およびモーメントをモデル化する。そのため、操縦装置36は、機能ブロック60に対する入力として、MAV 10の測定された対地速度Sgroundだけでなく、図3のアルゴリズムによる前回の時間ステップから得た風速の推定値






も使用する。次に、操縦装置36は、機能ブロック60のモデルに使用するため、MAV 10の推定真対気速度






を計算するが、これは、航空機の対地速度の現在の測定値Sgroundと、図3のアルゴリズムによる前回のサイクルから得た風速の推定値






との合計に等しい。一実施例では、操縦装置36は、図3のアルゴリズムによる第1のサイクルでは、風速の推定値はゼロに等しいと仮定してもよい。別の実施例では、操縦装置36は、図3のアルゴリズムによる第1のサイクルでは、風速の推定値は、何らかの名目上はゼロでない値に等しいと仮定してもよい。


[0052]図3の例のアルゴリズムでは、機能ブロック60でモデル化されたMAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMは、操縦装置36が機能ブロック62で航空機に対する加速度






をモデル化するのに使用されてもよい。機能ブロック60でモデル化されたMAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMに加えて、操縦装置36は、MAVの質量m、およびモデル化されたモーメントがその周囲で航空機に加えられる1つまたは複数のモーメントアームrを使用して、図3の例のアルゴリズムの機能ブロック62においてMAVに対するモデル化された加速度






を計算する。例えば、操縦装置36は、モデル化された抵抗力FをMAVの質量mで割ったものに等しいものとして、モデル化された加速度






を計算してもよい。別の実施例では、操縦装置36は、モデル化されたモーメントMを、MAV 10の質量m、およびモーメントがその周囲で航空機に加えられるモーメントアームrで割ったものに等しいものとして、モデル化された加速度






を計算してもよい。


[0053]図3の加算ブロック64において、操縦装置36は飛行中のMAV 10の真対気速度の推定値






を判定する。機能ブロック60を参照して記載したのと同様のやり方で、加算ブロック64において、操縦装置36は、MAV 10の推定真対気速度






が、例えばセンサ40からのデータによる、航空機の対地速度の現在の測定値Sgroundと、図3のアルゴリズムによる前回のサイクルによる風速の推定値






との合計にほぼ等しいと判定してもよい。上述したように、操縦装置36は、風速の推定値がゼロに等しいか、あるいは、図3のアルゴリズムによる第1のサイクルでは何らかの名目上のゼロでない値に等しいと仮定してもよい。いずれの場合も、図3の例では、操縦装置36は、微分ブロック66において、時間に対する真対気速度の推定値の一次導関数






を計算する。


[0054]図3の例のアルゴリズムにおける加算ブロック68では、操縦装置36は、例えばセンサ40の1つまたは複数の加速度計によって感知された、MAV 10の実加速度






と、MAVに対するモデル化された抵抗力FおよびモーメントMに基づいて機能ブロック62において計算されたモデル化された加速度






と、微分ブロック66からの時間に対するMAV 10の真対気速度の推定値の一次導関数






とを合計する。特に加算ブロック68では、操縦装置36は、MAV 10の真対気速度の推定値の一次導関数






を、MAVに対する実加速度






と機能ブロック62において計算されたモデル化された加速度






との差に加算する。


[0055]積分ブロック70では、操縦装置36は、加算ブロック68の結果を積分して、MAV 10の真対気速度の新しい(例えば、図3に示されるアルゴリズムによるサイクルに応じて、初期のまたは最新の)推定値






を判定する。そのため、操縦装置36は、次の公式に従って、MAV 10に対する実加速度






と、モデル化された加速度






にMAVの真対気速度の推定値の一次導関数






を加えたものとの差を積分して、MAVの真対気速度の最新推定値






を計算する。






[0056]MAV 10の真対気速度の推定値の上述の計算では、積分は、図3のアルゴリズムによる前回の時間ステップであるtn−1からアルゴリズムによる現在の時間ステップであるtnまで及ぶ。そのため、MAV 10の真対気速度の推定値は、上述の計算の結果がアルゴリズムによる現在の時間ステップtnにおけるMAVの真対気速度の推定値であることを示す






として表される。それに加えて、MAV 10の真対気速度の推定値の一次導関数は






として表され、それは、この項が、図3のアルゴリズムによる前回の時間ステップtn−1におけるMAVの真対気速度の推定値の時間に対する一次導関数であることを示す。


[0057]図3の例のアルゴリズムにおける加算ブロック72では、操縦装置36は風速の最新推定値






を判定し、これは、MAV 10の真対気速度の最新推定値






と、例えばセンサ40から受信された慣性データ、GPSデータ、高度データ、および加速度データから導き出されるMAVの対地速度の現在の測定値Sgroundとの差を計算することによって得られる。したがって、図3のアルゴリズムによる現在の時間ステップtnにおけるMAV 10の真対気速度の最新推定値






の上述の計算に使用されるのと同じ時間表記を用いて、操縦装置36は、次の公式に従って、加算ブロック72において現在の時間ステップtnにおける風速の最新推定値






を判定する。






[0058]加算ブロック72で現在の時間ステップtnにおける風速の最新推定値






を計算した後、操縦装置36は、時間ステップtnにおける風速の推定値






を機能ブロック60および64に入力し、アルゴリズムの例の別のサイクルによる上述のプロセスを繰り返すことによって、図3のアルゴリズムによる次の時間ステップtn+1に進んでもよい。


[0059]図2および3を参照して上記に開示した操縦装置36によって用いられる技術、およびMAV 10の運転中の風速を推定する技術は、MAVの操縦系統によって実行される計算に関与する、かつそれによって得られる変数の特定の方向を参照することなく記載されている。しかし、MAV 10の状態をモデル化するため、操縦装置36は、一実施例では、航空機に対して向けられた座標系を用いてもよく、その場合、MAVの操縦系統によって実行される計算に関与する、かつそれによって得られる変数は、航空機座標系によって定義される方向を有する。例えば、上述のスカラー型のモデル化された加速度






は、操縦装置36によって用いられる航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向における、ベクトル型のモデル化された加速度











および、






を含んでもよい。同様に、例えばセンサ40の加速度計によって感知されるスカラー型の実加速度






は、操縦装置36によって用いられる航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向における、ベクトル型の感知された加速度











および、






を含んでもよい。


[0060]一実施例では、操縦装置36によって実行されるモデルは、MAV 10を参照して図4A〜4Cに表される航空機座標系を用いてもよい。図4Aおよび4Bでは、航空機座標系は、X軸、Y軸、およびZ軸にそれぞれ沿った直交するx方向、y方向、およびz方向を含むデカルト座標系である。航空機座標系のZ軸はMAV 10のダクテッドファン12の回転軸と位置合わせされる。X軸およびY軸は、Z軸にほぼ垂直な面内にあり、MAV 10のダクテッドファン12のほぼ中心に位置する原点において互いに約90°の角度で交差する。図4Aでは、Y軸は紙面奥へと方向付けられ、示される図面に垂直である。図4Bでは、Z軸は紙面奥へと方向付けられ、示される図面に垂直である。


[0061]他の実施例では、MAV 10の航空機座標系は図4A〜4Cに示される実施例とは異なるように定義されてもよい。しかし、いくつかの実施例では、航空機座標系の少なくとも1つの軸は、一般に、MAV 10のダクテッドファン12の回転軸と位置合わせされてもよい。


[0062]図4Cは、MAVを省略して示される、図4Aおよび4BのMAV 10の航空機座標系の概略図である。図4Cでは、飛行中のMAV 10の速度ベクトルVが示され、これはx成分u、y成分v、およびz成分wにそれぞれ分離され、また、ベクトルVの極角φおよびθが表される。角θは、MAV 10に対して向き付けられた図4Cの座標系のX軸と、速度ベクトルVとの角度である。角φは、図4Cの航空機座標系のX軸と、座標系のX−Y面に投射された速度ベクトルVとの角度である。図4A〜4Cに示されるMAV 10の座標系における速度ベクトルVの大きさSおよび方向は、極角φおよびθによって定義されるように、次の公式によって決まってもよい。






(11)θ=0、ここでS=0、および、






、ここでS>0、 (13)φ=0、ここでS=0、および、






、ここでS>0 [0063]いくつかの実施例では、操縦装置36は、図4A〜4Cの例の航空機座標系またはMAV 10に対して向き付けられた別の類似の座標系において、対地速度を測定し、抵抗力およびモーメントをモデル化してもよい。しかし、MAV 10の運転中の風速を推定し、かつ/またはMAVの真対気速度を推定するのに必要な変数のすべてが、この座標系内で向き付けられないことがある。例えば、センサ40の例えば1つまたは複数の加速度計によって感知されるMAV 10の実加速度は、MAVのアビオニクスポッド16上に位置することがあり、したがって、航空機座標系の原点からある距離だけずれることがある。それに加えて、MAV 10の運転中の風速の推定値を、例えば北方向、東方向、および降下方向の観点で表現するのが有利なことがあり、その場合、飛行中のMAVの姿勢に応じて、図4A〜4Cの航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向それぞれに対応することもしないこともある。


[0064]したがって、図2および3を参照して上述した計算を実行するため、操縦装置36は、1つの座標系から別の座標系へといくつかの変数を変換することを必要とすることがある。例えば、操縦装置36は、実加速度






を、MAV 10のアビオニクスポッド16内に配列されたセンサ40の1つまたは複数の加速度計に対して向き付けられた座標系から、図4A〜4Cの航空機座標系へと変換することを必要とすることがある。あるいは、操縦装置36はまた、モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいて判定されたモデル化された加速度






を、図4A〜4Cの航空機座標系から、MAV 10のアビオニクスポッド16内に配列されたセンサ40の加速度計に対して向き付けられた座標系へと変換してもよい。それに加えて、操縦装置36は、一実施例では、図4A〜4Cの航空機座標系内で向き付けられた風速の推定値を、例えば北方向、東方向、および降下方向を含む、地理座標系へと変換してもよい。


[0065]一実施例では、MAV 10のアビオニクス30の操縦装置36は、風速および/またはMAVの真対気速度を推定するため、モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいて判定されたモデル化された加速度






を、図4A〜4Cの航空機座標系から、例えば、MAV 10のアビオニクスポッド16内に配列されたセンサ40の1つまたは複数の加速度計に対して向き付けられた座標系へと変換してもよい。そのような実施例では、図4A〜4Cの航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向それぞれのモデル化された加速度











および、






は、センサ座標系のx方向、y方向、およびz方向それぞれに距離lx、ly、およびlzだけ航空機座標系の原点からずれたセンサ座標系へと変換されてもよい。


[0066]図3を再び参照すると、MAV 10の運転中の風速を推定するため、いくつかの実施の詳細が、操縦装置36によって実行されるアルゴリズムの例に付加されてもよい。一実施例では、スイッチのアルゴリズム的な等価物は、操縦装置36が風況推定の判定をそれによってオンオフすることができる、図3のアルゴリズムの1つまたは複数の地点に付加されてもよい。一例のアルゴリズム的なスイッチは、図3のアルゴリズムの反復ごとの1つまたは複数の地点において操縦装置36によって呼び出され、ある値を、例えば1または0をそれぞれ、アルゴリズムまたはアルゴリズム内の特定の動作の「スイッチオン」または「スイッチオフ」に設定する関数であってもよい。


[0067]別の実施例では、加算ブロック72から得られる風況推定値






は、クリッピング機能を使用して特定の閾値に制限されてもよい。そのような実施例では、加算ブロック72から得られる風速の推定値






は最大閾値と比較されてもよく、推定値が閾値を超える場合、風速の推定値は、例えば閾値、またはアルゴリズムの次の反復で操縦装置36によって使用される他の何らかの値に変更されてもよい。操縦装置36によって判定される風速の推定値の制限または「クリッピング」は、風速の大きな値および/または大きな変化をもたらすセンサまたは実行のエラーを防ぐために実施されてもよい。いくつかの実施例では、図3のアルゴリズムに付加されるクリッピング機能は、推定風速を最大値に制限するだけではなく、アルゴリズムの1つのサイクルから次のサイクルまでの推定風速の最小速度閾値および最大変化率も含んでもよい。


[0068]推定風速に適用されるクリッピング機能を含むいくつかの実施例では、積分ブロック70における積分ワインドアップを防ぐことが必要なことがある。積分ワインドアップによって、いくつかの実施例では、積分ブロック70が真対気速度の推定値






のより大きな値を、推定風速






がクリッピング機能によって与えられた最大閾値に達していても、もたらし続けることがある。積分ワインドアップという事象が懸念される場合、推定風速を最大閾値に制限する付加されたクリッピング機能の後に、ワインドアップ防止フィードバックループが図3のアルゴリズムに付加されてもよい。


[0069]図3の例のアルゴリズムに対する上述の例の修正に加えて、一実施例では、操縦装置36はまた、風推定アルゴリズムに含まれる1つまたは複数の変数に1つまたは複数の利得を適用してもよい。飛行中のMAV 10の実状態のモデル化は多大な複雑さを含むことがあり、いくつかの実施例では、それによって高度なシステム制御技術が必要となることがある。図3の例のアルゴリズムなどの閉ループ制御システムでは、場合によっては、不適当な実行、計算、または他のアルゴリズム的なエラーを阻害もしくは排除する技術をシステムに適用するのが適切なことがある。上述のクリッピング機能およびワインドアップ防止フィードバックループの適用は、そのような制御システム技術の例である。別の例の制御システム技術は、利得値を適用して、解が収束する速度、例えば毎秒当たりのアルゴリズムサイクルを制御し、閉ループシステムの不安定性を阻害または防止するものである。図3のアルゴリズムの例では、例えば、風速推定に関与する1つまたは複数の計算に利得を適用して、アルゴリズムが、例えばゼロ風速の開始点から、MAV 10の運転中の風速の容認できる程度に正確な推定値へとどの程度迅速に収束するかを制御してもよい。例えば、1つまたは複数の加速度計によって例えば感知される、飛行中のMAV 10に対する実加速度






と、モデル化された加速度






との差は、図3のアルゴリズムに利得を適用することを必要とすることがあるので、加算ブロック66は次の公式






から、






へと変化する。式中、kは利得である。


[0070]一実施例では、飛行中のMAV 10に対する実加速度






とモデル化された加速度






との差に適用される利得kは、飛行中のMAV 10の状態のシミュレーションおよび/または試験によるデータに基づいて決まる定数であってもよい。例えば、利得kは、飛行中のMAV 10の状態の線形および/または非線形分析を行うことによって決まってもよい。一実施例では、飛行中のMAV 10の1つまたは複数の線形シミュレーションは、相対的に複雑さを低減させたモデル、即ち線形対非線形モデルによる、飛行条件の広域スペクトルを試験することによって実行されてもよい。線形シミュレーションは、MAV 10の運転中の風速を推定するために操縦装置36によって実行されるアルゴリズム、例えば図3のアルゴリズムに使用される、利得kの多数の可能な値を生成してもよい。次に、線形のシミュレーション(1つまたは複数)によって生成された利得kの可能な値は、飛行中のMAV 10の1つまたは複数の非線形シミュレーションによって試験されてもよい。最後に、線形シミュレーションによって生成され、非線形シミュレーションによる試験が成功した利得kの可能な値は、実験によって、例えば風胴試験によって試験されてもよい。例えば風胴試験に基づいて、MAV 10の運転中の風速を推定するために操縦装置36によって実行されるアルゴリズム、例えば図3のアルゴリズムに使用される、利得kの1つの値が選択されてもよい。


[0071]一実施例では、図3の例のアルゴリズム、または本開示による別の類似の風況推定アルゴリズムにおいて、操縦装置36によって使用される利得kは、所望の解の収束速度を仮定し、線形モデルを用いて仮定された収束速度に対応する利得を決定することによって決まってもよい。利得kの仮定は、上述したように、飛行中のMAV 10の実加速度






と、図3の例のアルゴリズムにおけるモデル化された加速度






との差に適用され、推定と制御を分離する制御理論の原則を用いて、アルゴリズムの例によって表される制御システムが、システムの状態の最適なオブザーバーとシステムの最適なコントローラとに対応する2つの構成要素に分割される。利得kに実加速度






とモデル化された加速度






との差を掛けたものを付加した、図3の例のアルゴリズムに、分離の原則を適用すると仮定すると、アルゴリズム解、即ち風況推定値と利得との間のフィードバックループに対する推定値






は、次の公式に従って定義されてもよい。






[0072]上述の公式において、kは利得、






は、風速の単位変化に対するMAV 10の速度の一次導関数の感度、Da,windは、風速の単位変化に対するMAV 10の加速度の感度である。風速の単位変化に対するMAV 10の速度の一次導関数の感度






および風速の単位変化に対するMAVの加速度の感度Da,windは、MAVの物理的構成によって決定づけられる定数値である。一実施例では、風速の単位変化に対するMAV 10の速度の一次導関数の感度






および風速の単位変化に対するMAVの加速度の感度Da,windは、MAVの風胴試験によって決まってもよい。


[0073]上述したように、操縦装置36は、実際には、スカラー、つまり方向性のない変数を単位としてではなく、その代わりに1つまたは複数の座標系において方向を有するベクトルを単位として、図3の例のアルゴリズムを実行してもよい。そのような実施例では、変換行列Tを、上述の公式においてフィードバックループの推定値






の計算に用いられる1つまたは複数の値に適用することが必要なことがある。例えば、上述したように、図3の例のアルゴリズムは、図4A〜4Cの航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向の観点で推定風速をもたらしてもよい。しかし、MAV 10の運転中の風速の推定値を、例えば北方向、東方向、および降下方向の観点で表現するのが有利なことがあり、その場合、飛行中のMAVの姿勢に応じて、図4A〜4Cの航空機座標系のx方向、y方向、およびz方向それぞれに対応することもしないこともある。そのような場合、推定風速に変換行列






を掛けてもよく、それによって、航空機座標系、例えば図4A〜4Cの例からの風況推定を、北方向、東方向、および降下方向を含む座標系に変換する。スカラー、つまり方向性のない変数の代わりに、ベクトル変数を用いたフィードバックループへの座標系の変換を適用することによって、アルゴリズム解、即ち風況推定値と利得との間のフィードバックループについて、推定値






に対する次の公式がもたらされる。






[0074]上述したように、一実施例では、図3の例のアルゴリズム、または本開示による別の類似の風況推定アルゴリズムにおいて、操縦装置36によって用いられる利得kは、所望の解収束速度を仮定することによって決まってもよい。上述の公式では、アルゴリズム解、即ち風況推定値と利得との間のフィードバックループの収束速度は、フィードバックループに対して推定値






を設定することによって制御することができる。一実施例では、フィードバックループの推定値






は、所望の解収束速度に基づいて対角線に対して定数値が選択された、3×3の対角行列として仮定される。そのような実施例では、フィードバックループの推定値






の固有値は行列






の対角線の定数値である。したがって、固有値λを例えば[B C D]に設定すると、フィードバックループの推定値






は、次の公式による3×3の対角行列である。






および、






[0075]フィードバックループの推定値






の固有値λが設定されるこの実施例では、利得kは、次の公式に従って操縦装置36によって解かれてもよい。






または、






[0076]上述の線形シミュレーション技術を用いて、多数の固有値λを選択することによって、換言すれば、例えばB、C、およびDに対する多数の値を仮定し、利得に対する上述のフィードバックループ方程式を解くことによって、利得kに対する多数の値を決定することができる。利得kに対する一連の値を決定した後、上述したように、飛行中のMAV 10の1つまたは複数の非線形シミュレーションを実行することによって各値を試験してもよい。


[0077]一実施例では、利得kに対する値を試験するために用いられる非線形シミュレーションは、モンテカルロシミュレーションを含んでもよい。モンテカルロ法は、繰り返される乱数サンプリングに依存してそれらの結果を計算する一種の計算アルゴリズムであり、物理的および数学的システムをシミュレートするのに一般に使用される。乱数または擬似乱数の繰り返される計算に依存しているため、これらの方法は、コンピュータによる計算に最も適していることがあり、静的アルゴリズムを用いて正確な結果を計算することが不適当または不可能なときに使用されてもよい。モンテカルロ法には様々な形式があるが、これらの技術は一般に、可能な入力のドメインを定義し、特定の指定された確率分布を使用してドメインから不規則に入力を生成し、入力を使用して決定論的計算を行い、個別の計算の結果を合計して最終結果とすることを含む、特定のパターンに従う。


[0078]操縦装置36によって用いられる利得kを試験して、図3の風況推定アルゴリズムを実行するという文脈においては、非線形のモンテカルロシミュレーションによって、風速および風の方向など、飛行中のMAV 10に関連する変数に対する多数の不規則に選択された値を試験し、変数の多数の値をすべて統計的にサンプリングするなど、比較的限られた数のそのようなサンプルおよびそれに基づく計算を処理することが可能になってもよい。


[0079]上述したMAV 10に類似したMAVの試験を上述のプロセスに従って行って、異なる利得値を試験し、本開示による風況推定アルゴリズムに使用される最適な利得値を決定した。推定風速の最大および最小閾値、ならびに1つのアルゴリズムサイクルから次のサイクルまでの最大推定風速の変化率の閾値も、上述のクリッピング機能に使用するために試験した。以下の結論は試験から得られた。


[0080]フィードバックループに対する推定値






の固有値λを、上述の計算に記載される定数[B C D]に対応する[−4 −4 −0.4]、[−2 −2 −0.2]、および[−8 −8 −0.8]を含む多数の異なる値に対して設定した。固有値の3つの定数は、部分的には、例えば、空間内のベクトルとして推定風速を表現するのに使用される地理座標系の北方向、東方向、および降下方向を含む、MAVの推定風速の3つの方向に対応する。選択された固有値のB定数およびC定数とD値との大きさの相対差は、降下方向の風速がゼロまたはほぼゼロであるという仮定を表し、したがって、この方向に対応する固有値の定数は、利得の計算における重要性が低い。


[0081]固有値におけるBおよびCに対する[−4 −4 −0.4]の選択は、部分的には選択された固有値に基づいて計算される利得kが用いられる、風況推定アルゴリズムに対する所望の解収束速度に基づくものであった。固有値[−2 −2 −0.2]および[−8 −8 −0.8]の選択は、[−4 −4 −0.4]の開始点に基づき、因数2によるこの開始点の増加および減少それぞれを表した。飛行中のMAVの非線形シミュレーションにおける、次にMAVの実際の飛行試験における、上述の固有値に基づいて計算した利得を試験した後、利得の最良の値をもたらす[−4 −4 −0.4]の固有値が決定された。しかし、試験すべての結果に基づいて、約−1.5〜約−15のBおよびCに対応する定数と、約−0.15〜約−1.5のDに対応する定数とを有する固有値が有用なことがあると考えられる。


[0082]本開示による風況推定アルゴリズムに使用される利得kの可能な値を決定するための、上述のフィードバックループに対する推定値






の上述の固有値λに加えて、MAVの試験には、推定風速の異なる最大および最小閾値と、1つのアルゴリズムサイクルから次のサイクルまでの推定風速の変化率の最大閾値との試験も含めた。試験された推定風速の変化率に対する最大閾値には、0.6、1.2、および2.4メートル/毎秒毎秒(それぞれ、2、4、および8フィート/毎秒毎秒)が含まれた。推定風速の最大および最小閾値は、北方向および東方向では、航空機速度制限に基づいて、それぞれ毎秒+10.3メートル(毎秒+33.8フィート)および毎秒−10.3メートル(毎秒−33.8フィート)に、降下方向では毎秒0.3メートル(毎秒1フィート)に設定された。0.6、1.2、および2.4メートル/毎秒毎秒(2、4、および8フィート毎秒毎秒)の推定風速の変化率に対する最大閾値を使用した、クリッピング機能を含む風況推定アルゴリズムを用いるMAVの試験に基づいて、アルゴリズムで最良に機能すると判定された推定風速の変化率の最大閾値は、1.2メートル/毎秒毎秒(4フィート毎秒毎秒)であった。


[0083]図5は、MAVの運転中の風速を推定する方法の一例を示すフローチャートである。図5の例の方法は、飛行中のMAVの測定された対地速度を判定すること(90)と、測定された対地速度に基づいてMAVに対する抵抗力およびモーメントをモデル化すること(92)と、モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいてMAVのモデル化された加速度を判定すること(94)と、1つまたは複数の加速度計を用いてMAVの実加速度を判定すること(96)と、MAVの運転中の風速を推定すること(98)と、飛行中のMAVの真対気速度を推定すること(100)とを含む。


[0084]MAVの運転中の風速を推定するための、図5の方法の機能は、アビオニクス30の例および特にMAV 10の例の操縦装置36によって実行されるものと記載される。しかし、他の実施例では、図5の方法と関連した機能は、異なるように構成された他のアビオニクスによって実行され、異なるMAVまたは他のUAVに対して用いられてもよい。例えば、MAVに用いられる代替のアビオニクスシステムは、生のセンサデータを処理して、例えばMAVの速度、位置、姿勢、回転速度などを含む航空機状態情報にする、カルマンフィルタを含む航法解を含んでもよい。


[0085]図5の例の方法は、操縦装置36が飛行中のMAVの測定された対地速度を判定すること(90)を含む。一実施例では、アビオニクス30の操縦装置36は、センサ40からの慣性データ、GPSデータ、航空機高度データ、および加速度データを用いて、MAV 10の対地速度を判定してもよい。例えば、操縦装置36は、MAV 10のアビオニクス30に含まれる航法解において、センサ40から受信した生データを処理してもよい。航法解は、例えばセンサ40の1つまたは複数の加速度計からのデータを、例えばジャイロスコープの慣性データ、GPSデータ、および気圧計高度データを用いて増強するカルマンフィルタを含んで、飛行中のMAV 10の対地速度、ならびにいくつかの実施例では、航空機の位置、姿勢、および回転速度を測定してもよい。


[0086]操縦装置36はまた、測定された対地速度に基づいてMAVに対する抵抗力およびモーメントをモデル化する(92)。一実施例では、操縦装置36は、測定された対地速度に加えて、例えば、ダクテッドファン12のファンの例えばRPM単位での回転速度、航空機の向き、およびダクテッドファンの制御翼の位置を含む、多数の異なる測定または導出されたパラメータの関数として、MAV 10に対する抵抗力およびモーメントをモデル化するように構成されてもよい。ダクテッドファン12のファンの回転速度、およびダクテッドファン12の制御翼の偏向は、上述したように、MAV 10の現在の運転状態に基づく既知の値であってもよく、航空機の向き、例えば上述の極角φおよびθは、大気中における飛行中のMAV 10の姿勢を示してもよい、例えばジャイロスコープなどの慣性センサを含むセンサ40からのデータを使用して判定されてもよい。


[0087]いくつかの実施例では、操縦装置36は、MAV 10に対する抵抗力FおよびモーメントMを分析的にモデル化してもよい。しかし、他の実施例では、操縦装置36は、ルックアップテーブルを用いて航空機に対する抵抗力およびモーメントを判定する。例えば、操縦装置36またはMAV 10のアビオニクス30の別の部分は、1つまたは複数の航空機パラメータに基づいてMAV 10に掛かる抵抗力およびモーメントを推定するため、航空機に関する異なるデータを組織化し相互参照するルックアップテーブルが記憶されてもよいメモリにアクセスしてもよい。特に、一連の抵抗力およびモーメントの値は、特定の飛行条件に相関される、操縦装置36のメモリに記憶された1つまたは複数のルックアップテーブルに記憶されてもよい。例えば、ダクテッドファン12のファンの回転速度、ダクテッドファンの制御翼の偏向、例えば極角φおよびθとして表されるMAV 10の姿勢、およびMAVの対地速度が所与の場合、制御装置36によるルックアップテーブルの参照は、MAVに対する抵抗力およびモーメントの特定の値を返すことがある。操縦装置36によって用いられるルックアップテーブルを生成するデータは、様々な異なる飛行条件におけるMAV 10の1つもしくは複数のシミュレーションおよび/または実試験から生成されてもよい。


[0088]測定された対地速度に基づいてMAVに対する抵抗力およびモーメントをモデリング(92)した後、操縦装置36は、モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいてMAVのモデル化された加速度を判定してもよい(94)。MAV 10の質量は一般に既知の値であってもよいので、MAVに対する加速度のモデルは、モデル化された抵抗力およびモーメントから操縦装置36によって判定されてもよい。例えば、モデル化された加速度は、モデル化された抵抗力をMAVの質量で割ったものに等しいものとして、操縦装置36によって計算されてもよい。別の実施例では、モデル化された加速度は、モデル化されたモーメントをMAV 10の質量で割り、モーメントがその周囲で航空機に加えられるモーメントアームを掛けたものに等しいものとして、操縦装置36によって計算されてもよい。


[0089]図5の例の方法はまた、1つまたは複数の加速度計を用いてMAVの実加速度を判定すること(96)を含む。MAV 10に搭載されたセンサ40は、静的な向きまたは三次元ベクトルを検出することができる、一軸、二軸、または三軸加速度計の任意の組み合わせなど、1つまたは複数の加速度計を含んでもよい。一実施例では、MAV 10のセンサ40は、航空機座標系の複数の方向、例えばx方向、y方向、およびz方向でのMAVに対する実加速度を示す信号を生成するように構成された、1つまたは複数の多軸微小電気機械加速度計を含む。


[0090]モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいてMAV 10のモデル化された加速度を判定(94)し、1つまたは複数の加速度計を用いてMAVの加速度を測定(96)した後、操縦装置36は、MAVの運転中の風速を推定してもよい(98)。特に、操縦装置36は、MAVのモデル化された加速度と実加速度との差の積分として、MAV 10の運転中の風速を推定してもよい(98)。


[0091]図5の方法と関連した機能を実行するため、操縦装置36は、1つの座標系から別の座標系へといくつかの変数を変換することを必要とすることがある。例えば、MAV 10の運転中の風速を推定(98)するため、操縦装置36は、MAV 10のアビオニクスポッド16内に配列されたセンサ40の加速度計に対して向き付けられた座標系から、航空機座標系、例えば図4A〜4Cの例の航空機座標系へと実加速度を変換することが必要なことがある。あるいは、操縦装置36は、例えば、モデル化された抵抗力およびモーメントに基づいて判定されたモデル化された加速度を、図4A〜4Cの航空機座標系から、MAV 10のアビオニクスポッド16内に配列されたセンサ40の加速度計に対して向き付けられた座標系へと変換してもよい。それに加えて、操縦装置36は、一実施例では、航空機座標系、例えば図4A〜4Cの例の座標系において向き付けられた推定風速を、例えば北方向、東方向、および降下方向を含む、地理座標系に変換してもよい。


[0092]図5の方法の一実施例では、操縦装置36によって判定された風速の推定値は、クリッピング機能を使用して特定の閾値に制限されてもよい。そのような実施例では、操縦装置36は、風速の推定値を最大閾値と比較してもよく、推定値が閾値を超える場合、風速の推定値は、例えば、閾値、または例えば図5の方法の次の反復で操縦装置36によって使用される他の何らかの値に変更されてもよい。操縦装置36によって判定される風速の推定値の制限または「クリッピング」は、風速の大きな値および/または大きな変化をもたらすセンサまたは実行のエラーを防ぐために実施されてもよい。いくつかの実施例では、クリッピング機能は、推定風速を最大値に制限するだけではなく、アルゴリズムの1つのサイクルから次のサイクルまでの推定風速の最小速度閾値および最大変化率も含んでもよい。


[0093]推定風速に適用されるクリッピング機能を含むいくつかの実施例では、操縦装置36によるMAV 10のモデル化された加速度と実加速度との差の積分の計算における、積分ワインドアップを防ぐことが必要なことがある。そのため、図5の方法の一実施例では、操縦装置36は、ワインドアップ防止フィードバックループを用いて、推定値が例えばクリッピング機能によって与えられる最大閾値に達していても、操縦装置36によって実行されるMAV 10のモデル化された加速度と実加速度との差の積分が推定風速のより大きな値をもたらし続けるのを阻害または防止してもよい。


[0094]図5の例の方法に対する上述の例の追加に加えて、一実施例では、操縦装置36はまた、風況推定方法に含まれる1つまたは複数の変数に1つまたは複数の利得を加えてもよい。利得は、図5の風速推定方法に関与する1つまたは複数の計算に加えられて、解が、例えばゼロ風速の開始点から、MAV 10の運転中の風速の容認できる程度に正確な推定値へとどの程度迅速に収束するかを制御してもよい。例えば、推定風速を判定するために積分される前に、操縦装置36によって、飛行中のMAV 10に対する実加速度(例えば、1つまたは複数の加速度計によって感知される)とモデル化された加速度との差に利得が掛けられてもよい。


[0095]例えば、飛行中のMAV 10の実加速度とモデル化された加速度との差に適用される利得kは、飛行中のMAV 10の状態のシミュレーションおよび/または試験によるデータに基づいて決まる定数であってもよい。例えば、利得kは、飛行中のMAV 10の状態の1つもしくは複数の線形および/または非線形シミュレーションを実行することによって決まってもよい。一実施例では、飛行中のMAV 10の1つまたは複数の線形シミュレーションは、複雑さが相対的に低減されたモデル、即ち線形対非線形モデルによる飛行条件の広域スペクトルを試験するために実行されてもよい。線形シミュレーションは、MAV 10の運転中の風速を推定するために操縦装置36によって実行される図5の例の方法に使用される、利得kの多数の可能な値を生成してもよい。次に、線形シミュレーション(1つまたは複数)によって生成された利得kの可能な値は、例えば、1つまたは複数のモンテカルロ非線形シミュレーションを含む、飛行中のMAV 10の1つまたは複数の非線形シミュレーションによって試験されてもよい。最後に、線形シミュレーションによって生成され、非線形シミュレーションによる試験が成功した利得kの可能な値は、実験によって、例えば風胴試験によって試験されてもよい。例えば、風胴試験は、風胴環境内での実際の風況に最も近い風況推定値が得られる利得を確立してもよい。例えば風胴試験に基づいて、MAV 10の運転中の風速を推定するために操縦装置36によって実行される図5の例の方法に使用される、利得kの1つの値が選択されてもよい。


[0096]MAV 10の運転中の風速を推定(98)した後、操縦装置36は、飛行中のMAVの真対気速度を推定してもよい(100)。例えば、操縦装置36は、推定風速を航空機の測定された対地速度に加えることによって、MAV 10の真対気速度を推定してもよい。MAV 10の推定真対気速度は、操縦装置36によって、例えば飛行中のMAVの軌道を制御するのに使用されてもよい。


[0097]図5におけるMAV 10の運転中の風速の推定(98)および飛行中のMAVの真対気速度の推定(100)から戻る矢印によって示されるように、方法の例は、反復して繰り返されて、MAVの運転中の風速を周期的または継続的に推定してもよい。MAVの運転中の風速を推定するため、連続的な反復によって図5の方法が1周する周波数は、風況推定方法の異なる応用および実施において変動してもよい。図5の風況推定方法は、例えば、約50ヘルツ(Hz)〜約100Hzの周波数で、連続的な反復によって1周してもよい。しかし、他の周波数が想到される。


[0098]一実施例では、図5の例の方法の第1の反復において操縦装置36によって判定される推定風速(98)は、方法の第2の反復においてMAVに対する抵抗力およびモーメントのモデル(92)に入力される。次に、第1の反復において操縦装置36によって判定された風速の前回の推定値は、測定された対地速度だけではなく、MAVの真対気速度の推定値にも基づいて、方法の第2の反復においてMAV 10に対する抵抗力およびモーメントをモデル化するのに使用されてもよい。第2の反復において使用される測定された対地速度は、図5の方法の第2の反復の開始時に操縦装置36によって作られる最新測定値である。次に、第2の反復の開始時に操縦装置36によって作られる最新の測定された対地速度は、一実施例では、第1の反復において判定された推定風速に加えられて、図5の方法の第2の反復において、操縦装置36によって実施される抵抗力およびモーメントのモデル化に使用される、MAV 10の真対気速度の推定値を判定してもよい。


[0099]MAVの運転中の風速を推定する技術の別の実施例では、システムは、少なくともUAVの測定された対地速度に基づいてUAVの加速度をモデル化する手段と、1つまたは複数のセンサを用いてUAVの実加速度を判定する手段と、モデル化された加速度と実加速度との差の積分として風速を推定する手段とを含む。一実施例では、UAVの加速度をモデル化する手段は、少なくともUAVの測定された対地速度に基づいて、UAVに対する1つもしくは複数の抵抗力または1つもしくは複数のモーメントのうち少なくとも1つをモデル化する手段と、UAVに対する1つもしくは複数の抵抗力または1つもしくは複数のモーメントのうちモデル化された少なくとも1つとUAVの質量とに少なくとも基づいて、モデル化された加速度を判定する手段とを含む。


[0100]一実施例では、UAVの実加速度を判定する手段は、UAVに機械的に接続された1つまたは複数の加速度計を含む。1つまたは複数の加速度計のうち少なくとも1つは、一実施例では、多軸微小電気機械加速度計を含んでもよい。


[0101]一実施例では、システムはまた、UAVの推定風速と測定された対地速度の合計として、UAVの真対気速度を推定する手段を含んでもよい。別の実施例では、システムはまた、少なくともUAVの推定真対気速度に基づいて飛行中のUAVの軌道を制御する手段を含んでもよい。


[0102]一実施例では、システムはまた、モデル化された加速度、実加速度、または推定風速のうち少なくとも1つを、第1の座標系から第2の座標系へと変換する手段を含んでもよい。変換手段は、一実施例では、モデル化された加速度または実加速度のうち少なくとも1つを第1のデカルト座標系から第2のデカルト座標系へと変換する手段を含んでもよく、第1および第2のデカルト座標系の1つは、UAVに対して向き付けられた座標系を含む。一実施例では、モデル化された加速度または実加速度のうち少なくとも1つを第1のデカルト座標系から第2のデカルト座標系へと変換する手段は、モデル化された加速度を、UAVに対して向き付けられた第1のデカルト座標系から、1つまたは複数のセンサのうち少なくとも1つに対して向き付けられた第2のデカルト座標系へと変換する手段を含む。別の実施例では、モデル化された加速度または実加速度のうち少なくとも1つを第1のデカルト座標系から第2のデカルト座標系へと変換する手段は、実加速度を、1つまたは複数のセンサのうち少なくとも1つに対して向き付けられた第1のデカルト座標系から、UAVに対して向き付けられた第2のデカルト座標系へと変換する手段を含む。別の実施例では、モデル化された加速度、実加速度、または推定風速のうち少なくとも1つを第1の座標系から第2の座標系へと変換する手段は、推定風速をデカルト座標系から地理座標系へと変換する手段を含む。


[0103]一実施例では、システムはまた、UAVに関する慣性測定データ、全地球位置把握システム(GPS)データ、高度データ、または加速度データのうち少なくとも1つに基づいて、測定された対地速度を判定する手段を含んでもよい。


[0104]別の実施例では、システムはまた、モデル化された加速度と実加速度との差に定数利得を掛ける手段を含んでもよい。システムはまた、飛行中のUAVの1つもしくは複数のシミュレーションまたは1つもしくは複数の試験のうち少なくとも1つに基づいて利得を決定する手段を含んでもよい。一実施例では、利得を決定する手段は、飛行中のUAVの1つまたは複数の線形シミュレーションを行って、利得の値の第1の組を決定する手段と、飛行中のUAVの1つまたは複数の非線形シミュレーションを行って、利得の値の第1の組における各値を試験する手段と、UAVの1つまたは複数の試験飛行を行って、利得の値の第1の組における値の1つまたは複数を用いて利得の1つの値を決定する手段とを含む。


[0105]MAV 10と関連するアビオニクスまたは他のエレクトロニクスによって実行される機能は、少なくとも部分的に、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実現されてもよい。例えば、技術の様々な態様は、MAV 10のアビオニクスシステム内で具体化される、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、DSP、ASIC、FPGA、または他の任意の等価の統合されたもしくは個別の論理回路類、ならびにそのような構成要素の任意の組み合わせを含む、1つもしくは複数のプロセッサ内で実現されてもよい。「プロセッサ」あるいは「処理回路類」という用語は、一般に、単独のもしくは他の論理回路類と組み合わせた上述の論理回路類のいずれか、または他の任意の等価の回路類を指してもよい。


[0106]そのようなハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアは、同じデバイス内または別個のデバイス内で実装されて、本開示に記載される様々な動作および機能を支援してもよい。それに加えて、記載されるユニット、モジュール、または構成要素のいずれかは、個別の、ただし相互運用可能な論理デバイスとして組み合わせてまたは別個に実装されてもよい。異なる特徴をモジュールまたはユニットとして描写することは、異なる機能的態様を強調することを意図するものであり、そのようなモジュールまたはユニットが別個のハードウェアまたはソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも示唆するものではない。より正確に言えば、1つもしくは複数のモジュールまたはユニットと関連する機能性は、別個のハードウェアもしくはソフトウェア構成要素によって行われてもよく、または共通のまたは別個のハードウェアもしくはソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。


[0107]ソフトウェアの形で実装されたとき、MAV 10のアビオニクスならびに他のシステム、デバイス、および技術に属する機能性は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、磁気データ記憶媒体、光学データ記憶媒体などのコンピュータ可読媒体の命令として具体化されてもよい。命令は、本開示に記載される機能性の1つまたは複数の態様を支援するために実行されてもよい。コンピュータ可読媒体は持続性であってもよい。


[0108]記載されたユニット、モジュール、または構成要素のいずれかは、個別の、ただし相互運用可能な論理デバイスとして組み合わせてまたは別個に実装されてもよい。異なる特徴をモジュールまたはユニットとして描写することは、異なる機能を強調することを意図するものであり、そのようなモジュールまたはユニットが別個のハードウェアまたはソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも示唆するものではない。より正確に言えば、1つもしくは複数のモジュールまたはユニットと関連する機能性は、別個のハードウェアもしくはソフトウェア構成要素によって行われてもよく、または共通のまたは別個のハードウェアもしくはソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。


[0109]様々な実施例を記載してきた。これらおよび他の実施例は以下の請求項の範囲内である。



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