A/d converter and method for a/d conversion

申请号 JP2008166153 申请日 2008-06-25 公开(公告)号 JP2010010921A 公开(公告)日 2010-01-14
申请人 Fujitsu Ltd; 富士通株式会社; 发明人 MATSUDA ATSUSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an A/D converter which is not affected by the offset voltage of an amplifier, when utilizing a reference voltage by a BGR circuit in analog to digital conversion. SOLUTION: In the A/D converter, a band gap reference circuit includes: an operational amplifier for receiving a voltage, appearing in a temperature dependent element corresponding to the reference voltage, as an input voltage and outputting the reference voltage; a first switching circuit, capable of switching the state of replacing the inverted input and non-inverted input of the operational amplifier and the state of not replacing them; and a second switching circuit, capable of switching the state of outputting the output voltage of the operational amplifier by a positive phase and the state of outputting it by an opposite phase. An A/D conversion circuit, utilizing the reference voltage, sets the first and second switching circuits to a prescribed state to obtain a first digital value; sets the first and second switch circuits to a state which is reverse to that of the prescribed state, to obtain a second digital value; and obtains an A/D-converted result, as the average value of the first and second digital values. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • 基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路とを含み、前記基準電圧生成回路は、
    温度依存性を有する素子と、
    前記基準電圧に応じて前記素子から出力される電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力電圧とするオペアンプと、
    前記オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、
    前記オペアンプの前記出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含み、前記AD変換回路は、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を第1の状態に設定して第1のデジタル値を求め、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定して第2のデジタル値を求め、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求めることを特徴とするAD変換装置。
  • 前記演算値は、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との平均値であることを特徴とする請求項1記載のAD変換装置。
  • 前記AD変換回路は、
    前記基準電圧をデジタルコードに応じて分圧して比較対象電圧を生成する分圧回路と、
    前記比較対象電圧と前記入力アナログ電圧とを2つの入力とする比較回路と、
    前記比較回路の前記2つの入力を相互に入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第3のスイッチ回路と、
    前記比較回路の比較結果を示す出力を論理反転する状態及び論理反転しない状態を切り替え可能な第4のスイッチ回路と、
    前記第4のスイッチ回路を介して前記比較回路に結合され前記デジタルコードを生成する制御回路とを含み、前記第1のデジタル値を求める場合に前記第3のスイッチ回路及び前記第4のスイッチ回路を第3の状態に設定し、前記第2のデジタル値を求める場合に前記第3のスイッチ回路及び前記第4のスイッチ回路を前記第3の状態とは異なる第4の状態に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載のAD変換装置。
  • 温度に依存した電圧を前記入力アナログ電圧として前記基準電圧に基づき生成する温度依存性を有する素子を更に含み、前記AD変換回路のAD変換結果は温度測定値を示すことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載のAD変換装置。
  • 前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の第1の出力端又は第2の出力端の何れか一方に前記第2のスイッチ回路を介して選択的に結合される単相出力段とを含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
  • 前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する第1の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器の差動出力に前記第2のスイッチ回路を介して結合される単相出力の第2の差動増幅器を含むことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
  • 前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の第1の出力端に結合される第1の単相出力段と、
    前記差動入力段の第2の出力端に結合される第2の単相出力段とを含み、前記第2のスイッチ回路により前記第1の単相出力段の出力又は前記第2の単相出力段の出力の何れか一方を選択的に活性化することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
  • 前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の出力端に結合される単相出力段とを含み、前記第2のスイッチ回路により前記差動入力段の前記出力端の極性を切り替えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
  • 温度依存性を有する素子と、基準電圧に応じて前記素子の出力電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力するオペアンプと、前記オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、前記オペアンプの出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含む基準電圧生成回路により前記基準電圧を生成し、前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路において、
    前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を第1の状態に設定して第1のデジタル値を求め、
    前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定して第2のデジタル値を求め、
    前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求める各段階を含むことを特徴とするAD変換方法。
  • 说明书全文

    本願の開示は、一般に電子回路に関し、詳しくは入アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換装置及びAD変換方法に関する。

    一般に逐次型のADコンバータは、参照電圧値と測定対象の電圧との比較結果に応じて参照電圧を変化させ、変化後の参照電圧値と測定対象の電圧とを再度比較するという動作を繰り返すことにより、参照電圧を測定対象の電圧に近づけていく。 参照電圧の設定はデジタルコードに応じて行なわれ、参照電圧が測定対象の電圧に最も近づいたときの参照電圧を示すデジタルコードがAD変換結果となる。 このような構成のADコンバータにおいて、参照電圧を生成するためには精度の高い基準電圧が必要になる。 半導体集積回路などの回路においては各回路要素が温度依存特性を有するので、温度が変化しても固定の基準電圧を生成するためには特別な回路が必要になる。

    基準電圧生成回路の一例として、BGR回路(バンド・ギャップ・リファレンス回路)は、負の温度特性を有する素子と正の温度特性を有する素子とを組み合わせ、互いの温度依存性を打ち消すことによって、温度に依存しない一定電圧又は電流を生成することができる。 しかし負の温度特性を有する素子と正の温度特性を有する素子とを単純に直列に接続しただけでは、温度依存性を打ち消すためには、それらの素子の温度特性が逆符号で同一の絶対値でなければならない。 半導体プロセスでは、ばらつきのために十分な絶対精度を確保することは難しい。 そこで素子の相対的な精度により温度依存性を打ち消すような工夫がなされる。

    図1は、バンド・ギャップ・リファレンス回路の構成の一例を示す図である。 バンド・ギャップ・リファレンス回路は、アンプ10、抵抗素子11乃至13、及びPNP型トランジスタ14及び15を含む。 PNP型トランジスタ15のエミッタ面積とPNP型トランジスタ14のエミッタ面積との比は1:nである。 また抵抗素子13の抵抗値と抵抗素子12の抵抗値との比は、1:mである。 PNP型トランジスタ14及び15のベース及びコレクタはグランド電位に接続される。 ここでPNP型トランジスタ15のベース・エミッタ電圧をVBE1とし、PNP型トランジスタ14のベース・エミッタ電圧をVBE2とする。 VBE1及びVBE2は共に負の温度特性を有する。

    アンプ10により反転入力と非反転入力との電位差はゼロになるように制御されるので、抵抗素子11による電圧降下は、
    ΔVBE=VBE1−VBE2 (1)
    に等しい。 また抵抗素子12に流れる電流量をIとすると、抵抗素子13に流れる電流量はmIとなる。

    このときΔVBEは ΔVBE=(kT/q)ln(mn) (2)
    と表される。 ここでのkはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電子の電荷、lnは自然体数である。 抵抗値R1の抵抗素子11での電圧降下がΔVBEに等しいので、抵抗値R2の抵抗素子12での電圧降下はΔVBE×(R2/R1)に等しい。 従って、バンド・ギャップ・リファレンス回路の出力電圧VOUTは、
    VOUT=VBE2+ΔVBE+ΔVBE×(R2/R1)
    =VBE2+(1+(R2/R1))ΔVBE
    =VBE2+(1+(R2/R1))(kT/q)ln(mn) (3)
    となる。 VBE2は温度が上昇すると値が減少する負の温度特性を有する。 それに対してΔVBEは温度が上昇すると値が増加する正の温度特性を有する。 従って、上式においてΔVBEに係っている係数(1+(R2/R1))の値を適当に調整すれば、負の温度特性と正の温度特性とを相殺して、温度依存性のない出力電圧VOUTを生成することができる。 この場合、抵抗値の絶対的な精度ではなく相対的な精度を確保すればよいので、負の温度特性と正の温度特性とを相殺することが比較的に容易となる。

    図1に示すようなBGR回路は例えば、チップ温度に応じた動作をするCPU(Central Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)に用いられる。 CPUやASICでは、測定した温度に応じて一定の性能がでるように電源電圧を変更したり、異常な温度になった場合にシャットダウンしたりする等の動作をする。 温度測定するための機構として、基準電圧を直列接続されたダイオードと抵抗素子とに印加し、ダイオードによる電圧降下をAD(アナログ・デジタル)変換回路により測定する構成が一般的である。

    専用の温度測定ICを使用するのではなく、CPUやASICに温度測定機構を内蔵することでコストダウンを図ることができる。 しかし図1のようなBGR回路を内蔵のものとした場合、アンプ10のオフセット電圧を外部から単純に補償することが困難になるという問題がある。 アンプのオフセット電圧は、主に、反転入力側の入力段のトランジスタの特性と非反転入力側の入力段のトランジスタの特性との製造ばらつき等により発生する。 この場合、オフセット電圧Vofsとすると、上式(3)において、
    VOUT=VBE2+(1+(R2/R1))(ΔVBE+Vofs)
    =VBE2+(1+(R2/R1))((kT/q)ln(mn)+Vofs)
    =Vc+(1+(R2/R1))Vofs (4)
    となる。 ここでVcは、出力電圧VOUT中におけるオフセット電圧寄与分以外の成分である。 通常の設計では1+(R2/R1)は例えば5程度であり、この場合、オフセット電圧の約5倍の電圧がBGR回路の出力電圧VOUTに重畳されることになる。 例えばオフセット電圧が10mVであるとすると、BGR回路の生成する基準電圧が50mVもずれることになり、このずれは測定温度にして20°C程度のずれに相当してしまう。

    特公平06−034359号公報

    特開平08−321777号公報

    特開2002−213991号公報

    以上を鑑みると、アナログ・デジタル変換において基準電圧生成回路による基準電圧を利用する際にアンプのオフセット電圧に影響されないAD変換装置が望まれる。

    AD変換装置は、基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路とを含み、前記基準電圧生成回路は、温度依存性を有する素子と、前記基準電圧に応じて前記素子に現れる電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力電圧とするオペアンプと、オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、オペアンプの出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含み、前記AD変換回路は、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を所定の状態に設定して第1のデジタル値を求め、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記所定の状態とは逆の状態に設定して第2のデジタル値を求め、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求めることを特徴とする。

    AD変換方法は、温度依存性を有する素子と、基準電圧に応じて前記素子に現れる電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力するオペアンプと、オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、オペアンプの出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含む基準電圧生成回路により前記基準電圧を生成し、前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路において、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を所定の状態に設定して第1のデジタル値を求め、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記所定の状態とは逆の状態に設定して第2のデジタル値を求め、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求める各段階を含むことを特徴とする。

    少なくとも1つの実施例によれば、第1のデジタル値を求める場合と第2のデジタル値を求める場合とで、スイッチ回路の接続状態を互いに逆の接続状態とすることにより、オフセット電圧Voftの寄与分を正方向と負方向とに切り替える。 オフセット電圧Voftの寄与分を正方向と負方向とに切り替えて求めたデジタル値を平均化することにより、オフセット電圧の影響を相殺して正しいAD変換結果を得ることができる。

    以下に、本発明の実施例を添付の図面を用いて詳細に説明する。 図2は、AD変換回路により温度測定する構成の一例を示す図である。 図2において、図1と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。

    図2の温度測定回路は、BGR回路20により生成した基準電圧Voutを直列接続されたPNP型トランジスタ41及び抵抗素子42に印加し、そのとき現れるPNP型トランジスタ41のベース・エミッタ電圧VBEを、AD変換回路により検出する。 PNP型トランジスタ41のベース・エミッタ電圧VBEは温度に依存して変化するので、その電圧値(以後Vtempとする)をAD変換回路により検出することで、温度変化を検出することができる。 AD変換回路は主に、抵抗分圧器43、比較回路44、制御ロジック46、及びデコード回路47を含む。 抵抗分圧器43においては、複数の直列接続された抵抗素子列43−1の一端に基準電圧Voutが印加され、他端がグランド電圧に接続されている。 図2では図示の都合上、抵抗素子列43−1は2つの抵抗素子で構成されるものとして示されるが、実際には多数の抵抗素子が直列接続されて抵抗素子列43−1を構成する。 スイッチ列43−2により、抵抗素子列43−1中の抵抗素子間の接続ノードを1つ選択し、選択された接続ノードを比較回路44に結合する。 スイッチ列43−2が何れの接続ノードを選択するかは、デコード回路47から供給されるデコード信号により決定される。 抵抗素子列43−1をp:1−pに分割する接続点を選択することにより、比較回路44には(1−p)Voutの電圧が供給されることになる。

    比較回路44は、電圧値(1−p)Voutと温度に依存した電圧値Vtempとを比較して、比較結果を制御ロジック46に供給する。 制御ロジック46は、(1−p)VoutとVtempとの大小関係に応じて、デコード回路47に供給するデジタルコードを変化させる。 デコード回路47は、制御ロジック46から供給されるデジタルコードに応じて、スイッチ列43−2により接続ノードを選択する。 制御ロジック46が(1−p)VoutとVtempとの大小関係に応じてデコード回路47に供給するデジタルコードを順次変化させていくことにより、徐々に(1−p)VoutをVtempに近づけていく。 具体的には、デコード回路47に供給するデジタルコードを、(1−p)VoutとVtempとの大小関係(比較結果)に応じて、その上位ビットから順番に決定していく。 上位ビットから順番に決定していき最下位ビットを決定した時点でのデジタルコードの値が、AD変換結果、即ちアナログ電圧Vtempをデジタル値に変換した値となる。

    図2の温度測定回路においては、オフセット電圧Vofsを相殺するための機構として、スイッチ回路31乃至36がBGR回路20に設けられる。 BGR回路20は、温度依存性を有する素子としてPNP型トランジスタ14、PNP型トランジスタ15、及び抵抗素子11乃至13を含む。 BGR回路20内のオペアンプは、基準電圧Voutに応じてこれらの素子に現れる電圧を入力電圧として受け取り、基準電圧Voutを出力電圧として生成する。 このオペアンプは、NMOSトランジスタ21乃至24及びPMOSトランジスタ25乃至27を含む。 NMOSトランジスタ21乃至23及びPMOSトランジスタ25及び26が差動増幅器に対応し、差動入力段として機能する。 NMOSトランジスタ24及びPMOSトランジスタ27が、差動入力段の1つの出力を受ける単相出力段に対応する。

    スイッチ33乃至36は第1のスイッチ回路を構成し、オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能となっている。 またスイッチ31及び32は第2のスイッチ回路を構成し、オペアンプの出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能となっている。

    AD変換回路の制御ロジック46が、上記各スイッチの状態を制御する。 制御ロジック46は、第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路を所定の状態に設定して第1のデジタル値を求め、更に、第1のスイッチ回路及び第2のスイッチ回路を上記所定の状態とは逆の状態に設定して第2のデジタル値を求める。 制御ロジック46は、第1のデジタル値と第2のデジタル値との平均値としてAD変換結果を求める。 例えば、第1のデジタル値を求める場合には、第1のスイッチ回路によりオペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替えない状態、即ちスイッチ33、34、35、36をそれぞれオン、オフ、オン、オフに設定する。 また、第2のスイッチ回路により出力電圧を例えば正相で出力する状態、即ちスイッチ31及び32をそれぞれオン及びオフに設定する。 このとき第2のデジタル値を求める場合には、第1のスイッチ回路によりオペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態、即ちスイッチ33、34、35、36をそれぞれオフ、オン、オフ、オンに設定する。 また、第2のスイッチ回路により出力電圧を逆相で出力する状態、即ちスイッチ31及び32をそれぞれオフ及びオンに設定する。

    このように第1のデジタル値を求める場合と第2のデジタル値を求める場合とで、スイッチ回路の接続状態を逆の接続状態とすることにより、オフセット電圧Voftの寄与分を正方向と負方向とに切り替える。 なお図2においてはオフセット電圧Voftを電圧Voftの電源が挿入されているものとして模式的に示してあるが、このオフセット電圧Voftは、実際にはトランジスタの製造ばらつき等に起因するオペアンプの2つの入力に対する非対称性に相当する。 オフセット電圧Voftの寄与分を正方向と負方向とに切り替えて求めたデジタル値を平均化することにより、このオフセット電圧の影響を相殺して正しいAD変換結果を得ることができる。

    図2において、抵抗素子42の抵抗値が抵抗素子13の抵抗値と等しくR2/mであり、またPNP型トランジスタ41がPNP型トランジスタ15と同一の特性のトランジスタであるとする。 この時、電圧Vtempは、前述の式(4)と同様に、
    Vout−Vtemp=
    (R2/R1)(kT/q)ln(mn)+(R2/R1)Vofs
    となる。 抵抗分割比率がpであるとすると比較対象電圧である分圧電圧Vdivは、
    Vout−Vdiv=p(Vc+(1+(R2/R1))Vofs)
    となる。 VtempとVdivとが等しくなるときの抵抗分割比率がp1であったとすると、温度Tは以下のように求められる。

    T=A(p1Vc+(p1(1+(R2/R1))−(R2/R1))Vofs)
    ここでA=(q/k)/((R2/R1)ln(mn))である。 次に、スイッチ回路の状態を逆の状態として再度温度Tを求めたときに、抵抗分割比率がp2であったとすると、
    T=A(p2Vc−(p2(1+(R2/R1))−(R2/R1))Vofs)
    となる。 但しp1のときにはオフセット電圧Voftの寄与分をプラスとし、p2のときにはオフセット電圧Voftの寄与分をマイナスとしてある。 温度Tの2回の測定値の平均Tavを求めると、
    Tav=AVc(p1+p2)/2
    +AVofs(p1−p2)(1+(R2/R1))/2
    となる。 従って、(p1−p2)/2が(p1+p2)/2よりも十分に小さければオフセット電圧Vofsを無視することができ、T1とT2との平均値を求めることで正しい温度を求めることができる。

    図3は、オフセット電圧の有る場合の測定温度値とオフセット電圧の無い場合の測定温度値とを示す図である。 図3において、横軸は実際の絶対温度を示し、縦軸は測定値として求められた絶対温度を示す。 菱形でプロットした温度直線61はオフセット電圧がゼロの場合の測定温度値を示す。 この場合、実際の温度値と測定温度値とは等しくなっている。 四形でプロットした温度直線62はオフセット電圧が+10mVの場合の測定温度値を示す。 この場合、実際の温度値と測定温度値とには約20°Cの差がある。 三角形でプロットした温度直線63はオフセット電圧が−10mVの場合の測定温度値を示す。 この場合も、実際の温度値と測定温度値とには約20°Cの差がある。 ×印でプロットした温度直線64は、オフセット電圧が+10mVの場合の測定温度値とオフセット電圧が−10mVの場合の測定温度値との平均値を示す。 この場合、実際の温度値と測定温度値とは略等しいものとなっている。 図2に示す温度測定回路では、スイッチ回路の切り替えにより、オフセット電圧Voftの寄与分を正方向と負方向とに切り替えて、測定温度値を求めることができる。 即ち、図3の例に対応させると、オフセット電圧が+10mVの場合の測定温度値とオフセット電圧が−10mVの場合の測定温度値とを、それぞれ求めることができる。 このようにして求めた2つの測定温度値(或いは2つのデジタルコードの値)を加算して平均値を取ることにより、正しい測定温度値(或いは正しいデジタル値)を求めることができる。

    なお図2の回路においては、BGR回路20のオペアンプのオフセット電圧Vofsを相殺する場合と同様に、比較回路44のオフセットを相殺するための機構として、スイッチ回路51乃至56がAD変換回路に設けられる。 即ち、まず抵抗分圧器43により、基準電圧Voutをデジタルコードに応じて分圧して比較対象電圧(上記のVdiv)を生成する。 この比較対象電圧Vdivと入力アナログ電圧Vtempとを2つの入力とする比較回路44の入力側に、スイッチ51乃至54を含む第3のスイッチ回路が設けられている。 この第3のスイッチ回路により、比較回路44の2つの入力を入れ替える状態及び入れ替えない状態を、切り替え可能となっている。 また比較回路44の出力側には、スイッチ55及び56並びにインバータ45を含む第4のスイッチ回路が設けられている。 この第4のスイッチ回路により、比較回路44の比較結果を示す出力を論理反転する状態及び論理反転しない状態を、切り替え可能なとなっている。 制御ロジック46は、この第4のスイッチ回路を介して比較回路44に結合され、比較回路44から第4のスイッチを介して供給される論理反転された比較結果或いは論理反転されてない比較結果の何れか選択された方の値に応じて、デジタルコードを生成する。

    上記構成において、第1のデジタル値を求める場合には第3のスイッチ回路及び第4のスイッチ回路を所定の状態に設定し、第2のデジタル値を求める場合には第3のスイッチ回路及び第4のスイッチ回路を上記所定の状態とは逆の状態に設定する。 例えば、第1のデジタル値を求める場合には、第3のスイッチ回路により比較回路44の2つの入力を入れ替えない状態、即ちスイッチ51、52、53、54をそれぞれオン、オフ、オン、オフに設定する。 また、第4のスイッチ回路により比較回路44の出力を例えば論理反転しない状態、即ちスイッチ55及び56をそれぞれオン及びオフに設定する。 このとき第2のデジタル値を求める場合には、第3のスイッチ回路により比較回路44の2つの入力を入れ替える状態、即ちスイッチ51、52、53、54をそれぞれオフ、オン、オフ、オンに設定する。 また、第4のスイッチ回路により比較回路44の出力を論理反転する状態、即ちスイッチ55及び56をそれぞれオフ及びオンに設定する。

    このように第1のデジタル値を求める場合と第2のデジタル値を求める場合とで、スイッチ回路の接続状態を逆の接続状態とすることにより、比較回路44のオフセット電圧の寄与分を正方向と負方向とに切り替える。 前述のように、制御ロジック46により第1のデジタル値と第2のデジタル値とを求めそれらの平均値を求めると、比較回路44のオフセット電圧が相殺されることになる。 なおこの際、第1のデジタル値と第2のデジタル値との平均化処理により、BGR回路20のオペアンプのオフセット電圧Voftと比較回路44のオフセット電圧とが同時に相殺されることになる。 即ち、1回の平均化処理により、2つのオフセット電圧の影響を同時に取り除くことができる。

    図4は、制御ロジック46の構成の一例を示す図である。 図4の制御ロジック46は、逐次近似レジスタ(SAR:successive approximation register)71及び72、フリップフロップ73、セレクタ74、及び平均ロジック回路75を示す。 平均ロジック回路75は、レジスタ81、レジスタ82、加算回路83、ラッチ回路84、及びレジスタ85を含む。

    図5は、制御ロジック46の動作を示すタイミングチャートである。 まず逐次近似レジスタ71に印加される開始信号/CONVSTがLOWになりアサートされると、逐次近似レジスタ71の逐次レジスタ設定動作が開始されると共に、フリップフロップ73がリセットされ選択信号SELがLOWになる。 逐次近似レジスタ71は、比較回路44から供給される比較判定結果に応じて、nビットのレジスタに格納される各ビットの値を順次決定していく。

    図6は、逐次近似レジスタの動作の流れを示すフローチャートである。 逐次近似レジスタには、最下位ビットD[0](図4ではD0と表記)から最上位ビットD[n−1](図4ではDn−1と表記)までのnビットの値が格納されている。 逐次近似レジスタの動作が開始されると、まずステップS1において、ビット位置を示す変数kに初期値としてn−1を代入する。 次にステップS2で、ビット位置0からビット位置kまでのnビットの値D[k:0]を全て0に初期化する。 更にステップS3において、ビット位置kのビット値D[k]を1に設定する。 この状態で制御ロジック46は、nビットの値D[k:0]をデジタルコードとしてデコード回路47に供給する。 デコード回路47が、指定されたデジタルコードに応じた接続ノードをスイッチ列43−2に選択させ、指定されたデジタルコードに応じた分圧電圧Vdivが比較回路44に供給される。 比較回路44は、この分圧電圧Vdivと温度に依存した電圧Vtempとを比較して、比較結果を示す出力を制御ロジック46に供給する。 制御ロジック46では、ステップS4において、比較回路(コンパレータ)44の判定結果に応じてD[k]の値を確定する。 具体的には、比較結果が“1”でありVtemp>Vdivを示すとき、D[k]の値を1とする。 また比較結果が“0”でありVtemp<Vdivを示すとき、D[k]の値を0とする。 ステップS5でkが0であるか否かを判定する。 kが0でない場合には、ステップS6でkの値を1減少させてからステップS3に戻り、以降の処理を繰り返す。 これにより一桁下のビット位置に対して同様にビット値を確定させる。 この処理を最上位ビットから最下位ビットまで順次繰り返すことにより、nビットの値D[n−1:0]が確定する。 この時点でk=0となり、逐次近似レジスタの逐次レジスタ設定処理は終了する。

    図5に示すように、開始信号/CONVSTがアサート状態(LOW)となり逐次近似レジスタ71が上記の逐次レジスタ設定動作が実行されるとき、フリップフロップ73の出力である選択信号SELはLOWである。 従って、逐次近似レジスタ71のレジスタ値がセレクタ74により選択されて、デコード回路47に供給される。 またこのとき、選択信号SELに応じて、図2に示す各スイッチを制御してよい。 例えば、第1のスイッチ回路によりオペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替えない状態、即ちスイッチ33、34、35、36をそれぞれオン、オフ、オン、オフに設定してよい。 また、第2のスイッチ回路により出力電圧を例えば正相で出力する状態、即ちスイッチ31及び32をそれぞれオン及びオフに設定してよい。 また例えば、第3のスイッチ回路により比較回路44の2つの入力を入れ替えない状態、即ちスイッチ51、52、53、54をそれぞれオン、オフ、オン、オフに設定してよい。 また、第4のスイッチ回路により比較回路44の出力を例えば論理反転しない状態、即ちスイッチ55及び56をそれぞれオン及びオフに設定してよい。

    逐次近似レジスタ71の逐次レジスタ設定処理が終了すると、逐次近似レジスタ71の処理完了信号/EOC(図4及び図5で/EOC1として示す)がアサート状態(LOW)となる。 この/EOCのLOWに応答して、逐次近似レジスタ71の格納するデータD[n−1:0]が平均ロジック回路75のレジスタ82に格納される。 また/EOCの立ち下りエッジに応答してフリップフロップ73が“1”入力を取り込んで、出力である選択信号SELがHIGHになる(図5参照)。 また更に、/EOCがLOWになると逐次近似レジスタ72の逐次レジスタ設定動作が開始され、比較回路44から供給される比較判定結果に応じて、nビットのレジスタに格納される各ビットの値を順次決定していく。

    逐次近似レジスタ72が図6に示す逐次レジスタ設定動作を実行するとき、フリップフロップ73の出力である選択信号SELはHIGHである。 従って、逐次近似レジスタ72のレジスタ値がセレクタ74により選択されて、デコード回路47に供給される。 またこのとき、選択信号SELに応じて、図2に示す各スイッチを制御してよい。 例えば、第1のスイッチ回路によりオペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態、即ちスイッチ33、34、35、36をそれぞれオフ、オン、オフ、オンに設定してよい。 また、第2のスイッチ回路により出力電圧を例えば逆相で出力する状態、即ちスイッチ31及び32をそれぞれオフ及びオンに設定してよい。 また例えば、第3のスイッチ回路により比較回路44の2つの入力を入れ替える状態、即ちスイッチ51、52、53、54をそれぞれオフ、オン、オフ、オンに設定してよい。 また、第4のスイッチ回路により比較回路44の出力を例えば論理反転する状態、即ちスイッチ55及び56をそれぞれオフ及びオンに設定してよい。

    逐次近似レジスタ72の逐次レジスタ設定処理が終了すると、逐次近似レジスタ72の処理完了信号/EOC(図4及び図5で/EOC2として示す)がアサート状態(LOW)となる。 この/EOCのLOWに応答して、逐次近似レジスタ72の格納するデータD[n−1:0]が平均ロジック回路75のレジスタ81に格納される。

    図4に示す平均ロジック回路75において、加算回路83は、レジスタ81の格納データとレジスタ82の格納データとを加算する。 加算回路83による加算結果はラッチ回路84に格納される。 レジスタ85は、逐次近似レジスタ72の処理完了信号/EOC2の立ち上がりエッジに応答して、ラッチ回路84の加算結果を内部に取り込む。 これにより図5に示すように、/EOC2の立ち上がりエッジに同期して有効な出力データDoutが得られる。 なおこの際、ラッチ回路84の最下位ビットを捨てて残りのビットをレジスタ85に格納するようにすれば、近似的な平均値を容易に求めることができる。

    図7は、BGR回路20における第2のスイッチ回路の構成の変形例を示す図である。 図7において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。 図2においては、差動入力段として機能する差動増幅器(トランジスタ21、22、23、25、及び26)の1つの出力を、単相出力段(トランジスタ24及び27)で受け取る構成において、第2のスイッチ回路を差動入力段と単相出力段との間に設けている。 そして、差動入力段の第1の出力端又は第2の出力端の何れか一方に、第2のスイッチ回路を介して単相出力段を選択的に結合している。

    それに対して図7に示すオペアンプは、第1の差動増幅器91と、第1の差動増幅器91の差動出力に第2のスイッチ回路を介して結合される単相出力の第2の差動増幅器92を含む。 第1の差動増幅器91は、図2の差動増幅器(トランジスタ21、22、23、25、及び26)に相当する。 第2の差動増幅器92は、図2の単相出力段(トランジスタ24及び27)を置き換える回路である。 第2のスイッチ回路は、図7に示すようにスイッチ93乃至96を含み、第1の差動増幅器91の差動出力を第2の差動増幅器92の差動入力に接続する経路において、入れ替えて接続する状態と入れ替えずに接続する状態とを選択可能となっている。

    図8は、BGR回路20における第2のスイッチ回路の構成の更なる変形例を示す図である。 図8において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。 図8に示すオペアンプは、差動入力段101と、差動入力段101の第1の出力端に結合される第1の単相出力段102と、差動入力段の第2の出力端に結合される第2の単相出力段103とを含む。 差動入力段101は、図2の差動増幅器(トランジスタ21、22、23、25、及び26)に相当する。 単相出力段102及び103は、図2の単相出力段(トランジスタ24及び27)を置き換える回路である。 単相出力段102は、電源電圧とグランド電圧との間を第2のスイッチ回路を介して直列に接続するPMOSトランジスタ105及びNMOSトランジスタ106を含む。 単相出力段103は、電源電圧とグランド電圧との間を第2のスイッチ回路を介して直列に接続するPMOSトランジスタ107及びNMOSトランジスタ108を含む。 第2のスイッチ回路は、図8に示すようにスイッチ113乃至116を含み、単相出力段102又は103の一方を電源電圧及びグランド電圧に接続することにより、単相出力段102の出力又は単相出力段103の出力の何れか一方を選択的に活性化する。

    図9は、BGR回路20における第2のスイッチ回路の構成の更なる変形例を示す図である。 図9において、図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。 図98に示すオペアンプは、図2のトランジスタ21、22、23、25、及び26を含む差動入力段121に、第2のスイッチ回路が組み込まれている。 差動入力段121の出力端131は、図2のPMOSトランジスタ27のゲートにスイッチ回路を介することなく接続される。 第2のスイッチ回路は、図9に示すようにスイッチ123乃至130を含み、差動入力段121の出力端131の極性を切り替える。 即ち、出力端131をPMOSトランジスタ25及びNMOSトランジスタ21の間の接続点側とする場合と、出力端131をPMOSトランジスタ26及びNMOSトランジスタ22の間の接続点側とする場合とを、切り替え可能となっている。 この切り替え動作により、出力端131の極性を切り替える。

    図10は、比較回路44の構成の一例を示す図である。 比較回路44は、NMOSトランジスタ141乃至149及びPMOSトランジスタ150乃至155を含む。 主にNMOSトランジスタ141乃至143及びPMOSトランジスタ150及び151が第1段の差動増幅器を構成し、主にNMOSトランジスタ144乃至146及びPMOSトランジスタ152及び153が第2段の差動増幅器を構成する。 また主にNMOSトランジスタ147乃至149及びPMOSトランジスタ154及び155が出力段のラッチ回路を構成する。 第1段の差動増幅器はNMOSトランジスタ143のゲートに印加されるバイアス電圧Biasにより常時駆動し、第2段の差動増幅器はNMOSトランジスタ146のゲートに印加される反転クロック信号/CLKがHIGHの時に駆動する。 また出力段のラッチ回路は、NMOSトランジスタ149のゲートに印加されるクロック信号CLKがHIGHの時に駆動する。 この構成により、クロック信号CLKの立ち上がりエッジに応答して、入力電圧V+及びV−の電位差に応じたHIGH又はLOWの信号が、出力段ラッチにラッチされる。

    図11は、AD変換回路により電池の電圧を測定する構成の一例を示す図である。 図11において、図1及び図2と同一の構成要素は同一の番号で参照し、その説明は省略する。 図11の電池電圧測定回路は、電池161が発生する電圧を直列接続された抵抗素子162及び抵抗素子163に印加し、抵抗素子162と抵抗素子163との間の接続点に現れる電圧Vbtryを入力アナログ電圧として、比較回路44に供給する。 電池161の発生する電圧は、電池の消耗の度合いに依存して変化するので、その電圧値をAD変換回路により検出することで、電池の消耗の度合い即ち電池の残りの寿命を検出することができる。 比較回路44は、BGR回路20が生成する基準電圧Voutを分圧した電圧と電池の消耗の度合いに依存した電圧値Vbtryとを比較する。 AD変換回路の動作は図2に示す構成の場合と同様である。

    以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で様々な変形が可能である。 例えば、上記実施例ではAD変換を行なう回路として抵抗素子列を用いた逐次比較型のAD変換回路を用いる構成を示したが、代わりに容量配列を用いた逐次比較型のAD変換回路を用いてもよい。 或いは、容量配列を用いた容量主DACと抵抗素子列を用いた抵抗副DACとを含む逐次比較型のAD変換回路であってもよい。 またオフセット電圧の影響を受けるバンド・ギャップ・リファレンス回路の生成する基準電圧を利用するAD変換回路であればよく、逐次比較型のAD変換回路の代わりに、例えばフラッシュ型(並列比較型)のAD変換回路等を用いてもよい。

    なお本発明は、以下の内容を含むものである。
    (付記1)
    基準電圧を生成する基準電圧生成回路と、
    前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路とを含み、前記基準電圧生成回路は、
    温度依存性を有する素子と、
    前記基準電圧に応じて前記素子から出力される電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力電圧とするオペアンプと、
    前記オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、
    前記オペアンプの前記出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含み、前記AD変換回路は、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を第1の状態に設定して第1のデジタル値を求め、前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定して第2のデジタル値を求め、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求めることを特徴とするAD変換装置。
    (付記2) 前記演算値は、前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との平均値であることを特徴とする付記1記載のAD変換装置。
    (付記3)
    前記AD変換回路は、
    前記基準電圧をデジタルコードに応じて分圧して比較対象電圧を生成する分圧回路と、
    前記比較対象電圧と前記入力アナログ電圧とを2つの入力とする比較回路と、
    前記比較回路の前記2つの入力を相互に入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第3のスイッチ回路と、
    前記比較回路の比較結果を示す出力を論理反転する状態及び論理反転しない状態を切り替え可能な第4のスイッチ回路と、
    前記第4のスイッチ回路を介して前記比較回路に結合され前記デジタルコードを生成する制御回路とを含み、前記第1のデジタル値を求める場合に前記第3のスイッチ回路及び前記第4のスイッチ回路を第3の状態に設定し、前記第2のデジタル値を求める場合に前記第3のスイッチ回路及び前記第4のスイッチ回路を前記第3の状態とは異なる第4の状態に設定することを特徴とする付記1又は2に記載のAD変換装置。
    (付記4)
    温度に依存した電圧を前記入力アナログ電圧として前記基準電圧に基づき生成する温度依存性を有する素子を更に含み、前記AD変換回路のAD変換結果は温度測定値を示すことを特徴とする付記1乃至3いずれか1項に記載のAD変換装置。
    (付記5)
    電池電圧に応じた電圧を前記入力アナログ電圧として供給する回路を更に含むことを特徴とする付記1記載のAD変換装置。
    (付記6)
    前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の第1の出力端又は第2の出力端の何れか一方に前記第2のスイッチ回路を介して選択的に結合される単相出力段とを含むことを特徴とする付記1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
    (付記7)
    前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する第1の差動増幅器と、
    前記第1の差動増幅器の差動出力に前記第2のスイッチ回路を介して結合される単相出力の第2の差動増幅器を含むことを特徴とする付記1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
    (付記8)
    前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の第1の出力端に結合される第1の単相出力段と、
    前記差動入力段の第2の出力端に結合される第2の単相出力段とを含み、前記第2のスイッチ回路により前記第1の単相出力段の出力又は前記第2の単相出力段の出力の何れか一方を選択的に活性化することを特徴とする付記1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
    (付記9)
    前記オペアンプは、
    前記反転入力と前記非反転入力との差を増幅する差動入力段と、
    前記差動入力段の出力端に結合される単相出力段とを含み、前記第2のスイッチ回路により前記差動入力段の前記出力端の極性を切り替えることを特徴とする付記1乃至4いずれか1項に記載のAD変換装置。
    (付記10)
    温度依存性を有する素子と、基準電圧に応じて前記素子の出力電圧を入力電圧とし前記基準電圧を出力するオペアンプと、前記オペアンプの反転入力と非反転入力とを入れ替える状態及び入れ替えない状態を切り替え可能な第1のスイッチ回路と、前記オペアンプの出力電圧を正相で出力する状態及び逆相で出力する状態を切り替え可能な第2のスイッチ回路とを含む基準電圧生成回路により前記基準電圧を生成し、前記基準電圧に基づいて入力アナログ電圧をデジタル値に変換するAD変換回路において、
    前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を第1の状態に設定して第1のデジタル値を求め、
    前記第1のスイッチ回路及び前記第2のスイッチ回路を前記第1の状態とは異なる第2の状態に設定して第2のデジタル値を求め、
    前記第1のデジタル値と前記第2のデジタル値との演算値としてAD変換結果を求める各段階を含むことを特徴とするAD変換方法。

    バンド・ギャップ・リファレンス回路の構成の一例を示す図である。

    AD変換回路により温度測定する構成の一例を示す図である。

    オフセット電圧の有る場合の測定温度値とオフセット電圧の無い場合の測定温度値とを示す図である。

    制御ロジックの構成の一例を示す図である。

    制御ロジックの動作を示すタイミングチャートである。

    逐次近似レジスタの動作の流れを示すフローチャートである。

    BGR回路における第2のスイッチ回路の構成の変形例を示す図である。

    BGR回路における第2のスイッチ回路の構成の更なる変形例を示す図である。

    BGR回路における第2のスイッチ回路の構成の更なる変形例を示す図である。

    比較回路の構成の一例を示す図である。

    AD変換回路により電池の電圧を測定する構成の一例を示す図である。

    符号の説明

    11,12,13 抵抗素子14,15 PNP型トランジスタ20 BGR回路31〜36 スイッチ41 PNP型トランジスタ42 抵抗素子43 抵抗分圧器44 比較回路45 インバータ46 制御ロジック47 デコード回路51〜56 スイッチ

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