流量補正係数設定方法とこれを用いた流量計測装置

申请号 JP2011283202 申请日 2011-12-26 公开(公告)号 JP5942085B2 公开(公告)日 2016-06-29
申请人 パナソニックIPマネジメント株式会社; 发明人 竹村 晃一; 渡辺 葵; 木場 康雄; 佐藤 真人;
摘要
权利要求

測定流量を流量補正係数で補正する流量計測装置において、 予め実測で得られた流量と前記流量に対して非線形な関係にある流量補正係数から前記流量を変数として前記流量補正係数と比例関係となる関数を求め、 個々の流量計測装置においては、 複数の基準流量の内の特定の2つの流量で実測された流量補正係数と、前記関数で規定される流量と流量補正係数の比例関係から、前記特定の2つの流量以外の基準流量における流量補正係数を求めて数値テーブルとして保持し、 前記基準流量で区画されるそれぞれの流量範囲において、流量と流量補正係数との関係を直線近似した場合に必要な計測精度が得られるように基準流量の数と流量値を設定しておき、 測定流量における流量補正係数を、前記基準流量で区分された流量範囲の内、前記測定流量が属する流量範囲における比例関係から求めることを特徴とする流量計測装置の流量補正係数設定方法。前記関数として対数を用いたことを特徴とする請求項1記載の流量計測装置の流量補正係数設定方法。計測流路と、前記計測流路を流れる流体の流量を計測する計測手段と、前記計測手段で計測された流量を補正する補正手段とを備え、前記補正手段は、請求項1または2記載の流量補正係数設定方法を用いたことを特徴とする流量計測装置。

说明书全文

本発明は、流速を計測して流量を算出するにあたり、補正のための流量補正係数を使用するものにあって、その流量補正係数の設定方法、およびこれを用いた流量計測装置に関するものである。

従来、この種の流量補正係数設定方法として、測定した数多くの流量値で流量補正係数を求め、これらを複数の近似直線で結ぶものが知られている(例えば、特許文献1参照)。

図8は、特許文献1に記載された流速(V)と流量補正係数(k)及びその近似直線を示すグラフである。

図8に示すように、この方法では、流量計測装置(図示せず)において計測した値をもとに流速と流量補正係数の関係を直線近似して結ぶものである。例えば、計測点100〜104をもとに、最小二乗法等で最適化した近似直線105を求める。次にその近似直線を用いて求めた流量補正係数の値と、計測値から求めた流量補正係数の値とを比較して、予め決められた誤差内に入るかどうか判定する。以下、同様の手順で、順次、測定点を増加しては誤差を計算し、誤差が所定の値を超えかどうかの判定基準を用いて、近似直線として近似できる範囲を、次々と定めていくものである。

特許第3487589号公報

しかしながら、前記従来の構成では、一般的に流量と流量補正係数の関係が直線でないため、多くの測定点をとる必要があった。また、これらを直線で近似するにあたり、直線近似できる範囲を試行錯誤的に求めていくため、演算負荷のかかる内容のものであった。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、少ない測定点数で流量補正係数を求め得る流量補正係数設定方法の提供を目的とするものである。

また、そのような設定方法を用いた流量計測装置の提供をも目的とするものである。

前記従来の課題を解決するために、本発明の流量補正係数設定方法は、測定流量を流量補正係数で補正する流量計測装置において、予め実測で得られた流量と前記流量に対して 非線形な関係にある流量補正係数から前記流量を変数として前記流量補正係数と比例関係となる関数を求め、個々の流量計測装置においては、複数の基準流量の内の特定の2つの流量で実測された流量補正係数と、前記関数で規定される流量と流量補正係数の比例関係から、前記特定の2つの流量以外の基準流量における流量補正係数を求めて数値テーブルとして保持し、前記基準流量で区画されるそれぞれの流量範囲において、流量と流量補正係数との関係を直線近似した場合に必要な計測精度が得られるように基準流量の数と流量値を設定しておき、測定流量における流量補正係数を、前記基準流量で区分された流量範囲の内、前記測定流量が属する流量範囲における比例関係から求めるようにしたことにより、2点の測定値と、流量と流量補正係数の関係を線形化する関数とを用いて全体の流量補正係数を定めるため、少ない測定点数で精度よく流量補正係数を定めることができる。

本発明の流量計測装置は、流量と流量補正係数の関係を線形化する関数とを用いて全体の流量補正係数を定めるため、少ない測定点数で精度よく流量補正係数を定めることができる。

本発明の実施の形態1における流量計測装置の概略断面図

(a)本発明の実施の形態1における流量と流量補正係数の関係を示す図、(b)同実施の形態1における流量と流量補正係数のグラフ

(a)本発明の実施の形態1における流量と流量の対数値及び流量補正係数の関係を示す図、(b)同実施の形態1における流量の対数値と流量補正係数のグラフ

本発明の実施の形態1において、流量値とその対数値を示す数値テーブルを示す図

(a)本発明の実施の形態1において、基準流量と実測で求めた流量補正係数及び演算で求める流量補正係数の関係を示す数値テーブルを示す図、(b)同本発明の実施の形態1において、流量補正係数の求め方を説明するグラフ

本発明の実施の形態1における補正手段の構成図

本発明の実施の形態1において、計測流量における流量補正係数の求め方を説明する図

従来の流量補正係数を求めるための方法を示す図

第1の発明は、測定流量を流量補正係数で補正する流量計測装置において、予め実測で得られた流量と前記流量に対して非線形な関係にある流量補正係数から前記流量を変数として前記流量補正係数と比例関係となる関数を求め、個々の流量計測装置においては、複数の基準流量の内の特定の2つの流量で実測された流量補正係数と、前記関数で規定される流量と流量補正係数の比例関係から、前記特定の2つの流量以外の基準流量における流量補正係数を求めて数値テーブルとして保持し、前記基準流量で区画されるそれぞれの流量範囲において、流量と流量補正係数との関係を直線近似した場合に必要な計測精度が得られるように基準流量の数と流量値を設定しておき、測定流量における流量補正係数を、前記基準流量で区分された流量範囲の内、前記測定流量が属する流量範囲における比例関係から求めて流量計測装置の流量補正係数を設定することにより、少ない測定点数で、全体の流量補正係数を精度よく定めることができる。

そして、前記基準流量を予め定めた複数の流量として、それぞれの基準流量に対応して前記関数で計算された値を数値テーブルで保持して流量計測装置の流量補正係数を設定することにより、基準流量における流量補正係数を都度複雑な関数演算をすることなく求めることができるため、かかる演算をマイコン等で行うときに演算負荷の軽減を図ることができるものである。

更に、前記基準流量で区画されるそれぞれの流量範囲において、流量と流量補正係数との関係を直線近似として許容可能とするように基準流量の数と流量値を設定して、流量計測装置の流量補正係数を設定することにより、近似の精度を向上することができるものである。

2の発明は、特に第1の発明において、前記関数として対数を用いて、流量計測装置の流量補正係数を設定することにより、より曲線の分解能を要求される小流量域を大流量域に比して精度よく定めることができるため、流量補正係数の設定精度の向上を図ることができるものである。

3の発明は、計測流路と、前記計測流路を流れる流体の流量を計測する計測手段と、前記計測手段で計測された流量を補正する補正手段とを備え、前記補正手段は第1または2の発明の流量補正係数設定方法を用いた構成とすることにより、流量計測装置として少ない測定点数で、全体の流量補正係数を精度よく定めることができる。

以下、本発明の実施の形態ついて、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

(実施の形態1) 実施の形態1について、図1〜図6を用いて説明する。

図1は、本発明の実施の形態1における流量計測装置1の概略断面図である。図に示すように、流量計測装置1は、流路本体2と、その上部に配置された超音波送受波器保持部3、および処理部4とより構成されている。

超音波送受波器保持部3には上流側に配置された第1の超音波送受波器5、および下流側に配置された第2の超音波送受波器6の一対の超音波送受波器が、それぞれ、第1の保持部7、第2の保持部8にて保持されている。

流路本体2は、その内部が矩形断面の計測流路9を形成しており、計測流路9は上面10、および下面11を有している。上面10は第1の超音波透過窓12、および第2の超音波透過窓13を有している。

P1,およびP2で示した矢印は超音波の伝搬経路であり、超音波は計測流路9を横切るように伝搬する。このとき、下面11は超音波の反射面として作用するように構成されている。

処理部4は、計測手段14、演算手段15、補正手段16より構成されており、計測手段14と演算手段15により、流量演算部17が形成されている。

図4は、基準流量とその対数値を参照できるようにした数値表である。

図6は補正手段16の構成を示す図である。図6において、補正手段16は流量補正係数設定部19を有しており、基準データ記憶部20と数値テーブル記憶部21を参照できる構成となっている。また、補間直線を作成する補間直線設定部22を有している。

以上のように構成された流量計測装置1について、以下、その動作、作用を説明する。

まず、超音波による流量計測に関して図1を用いて説明する。

図1において、計測流路9を流れる流体の流速をV、流体中の音速をC、流体の流れる方向と超音波が下面11で反射するまでの超音波伝搬方向とのなす度をθとする。また、第1の超音波送受波器5と第2の超音波送受波器6との間で伝搬する超音波の伝搬経路の有効長さをLとする。

このとき、第1の超音波送受波器5から出た超音波が、もう一方の第2の超音波送受波器6に到達するまでの伝搬時間t1は、下式にて示される。

t1=L/(C+Vcosθ) (1) 次に第2の超音波送受波器6から出た超音波が、もう一方の第1の超音波送受波器5に 到達するまでの伝搬時間t2は、下式にて示される。

t2=L/(C−Vcosθ) (2) 式(1)と式(2)から流体の音速Cを消去すると、下式が得られる。

V=L/(2cosθ((1/t1)−(1/t2))) (3) 式(3)にて分るように、Lとθが既知なら、計測手段14にて計測された伝搬時間t1、およびt2を用いて、流速Vが求められる。

次に、下式に示すようにこの流速Vに計測流路9の断面積Sを乗じて、計測流路9全体の流量Qを算出する。

Q=VxS (4) しかし、一般的には、計測流路9の流速Vは分布を持っており、計測された流速は平均流速Vaveとは異なるため、実際の流量Qtは下式に示すように、(4)式で求めた流量Qに流量補正係数kを乗じて求める。

Qt=kxQ (5) 図2(a)は、そのような方法で、定められた基準流量(Q)に対応して求めた流量補正係数(k)の値の一例であり、また、同図(b)は、この値をグラフに示したものである。

このグラフに示されるように、一般的にはこの流量補正係数は曲線であり、流量を変数とした非線形な関数である。

図3は図2における基準流量値(Q)の対数をとった場合の説明図で、図3(a)は、基準流量とその対数値を併記した表であり、同図(b)は、横軸を対数表記してグラフに示したものである。

図3(b)を見て判るように、図2(b)で曲線であったものが、直線に変換されている。これにより、流量補正係数は流量の対数値と比例の関係になり、その取り扱いが非常にやりやすくなるものである。

しかしながら、この場合には流量値を対数値に変換する必要が生じる。すべての流量値にわたり、その都度対数値を計算するのは、演算負荷が大きくなるため実用的ではない。

そこで、基準流量(Q)に対する対数値を予め計算して、数値テーブルとして記憶することを考える。そうすれば、都度、対数値を計算する必要がなくなり、単に数値テーブルを参照するだけでよいことになる。本実施例における数値テーブルとして、図4に基準流量(Q)に対する対数値の数値テーブルを示す。

ここで、流量値に対する流量補正係数が、流量値を対数にとれば、比例関係になることが予め判っているので、図5(a)に示すように、例えば、基準流量の両端点の40リッタ/hと6000リッタ/hにおける流量補正係数(Ka,Kb)を実測しておけば、中間の値は線形補間で簡単に求めることができる。これをグラフで示したのが、図5(b)である。すなわち、Pa、Pb点におけるを実験で求めれば、基準流量におけるP1〜P4点の流量補正係数(K1,K2,K3,K4)は、この2点間を線形補間することにより求めることができる。

この仕組みをもう少し具体的に説明すると以下のようになる。

図6において、流量演算部17により2点の値が測定されると、これらの値を基に、流量補正係数設定部19において、この2点に対する流量補正係数が順次算出され、これらの値は基準データ記憶部20に格納される。また、一方、数値テーブル記憶部21には、予め計算により求められた基準流量の対数値と基準流量を記載した数値テーブル(図4に示す)が格納されている。

基準データ記憶部20に格納されている実測した2点の流量補正係数と数値テーブル記憶部21に格納されている、図4に示す数値テーブルの値より、測定点以外の基準流量における流量補正係数が算出される。

これら基準流量での流量補正係数が求められれば、図7に示すように、基準流量間は直線として表されるので、基準流量の間の値は補間直線設定部22において、これらの値を結ぶ直線が規定され、この直線を用いて、流量補正係数が得られるものである。即ち、計測流量の実測値として、2000リッタ/h(Pc)が計測された場合、この流量は基準流量1000リッタ/h(P3)と3000リッタ/h(P4)の範囲に属するので、P3,Pc,P4が直線であると見做し、Pcにおける流量補正係数Kcは、K3とK4の直線近似で求めることができる。

以上に述べたように、本発明の流量計測装置は、2点の測定値と予め計算された数値テーブル表とを用いて基準流量における流量補正係数を定めるため、複雑な演算処理をすることなく、少ない測定点数で精度よく流量補正係数を定めることができる。

なお、本実施例では流量と流量補正係数の関係を線形化する関数として対数を用いたが、これに限定されるものではなく、複雑な関数であっても良いものである。

また、流量を求めてから補正を行う、流量補正係数を例にとって説明したが、原理的には流速で補正を行う流速補正係数であっても差し支えないものである。

さらに、基準流量は、その数、流量値を適宜設定することで、流量と流量補正係数との関係を直線近似した場合でも必要とされる計測精度を得ることができるようにすることは言うまでもない。

以上のように、本発明に係る流量計測装置は、流量と流量補正係数の関係が比例関係になるような関数の数値テーブルを記憶して用いることにより、少ない実測値で流量補正係数を求めることができる。これにより多くの台数の流量補正係数測定が必要となる各種ガスメータ等、計測分野における幅広い用途に適用できる。

1 流量計測装置 16 補正手段

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