差圧式流量計およびそれを備えた流量コントローラ

申请号 JP2014030843 申请日 2014-02-20 公开(公告)号 JP2015155845A 公开(公告)日 2015-08-27
申请人 サーパス工業株式会社; 发明人 五十嵐 裕規;
摘要 【課題】 流体 の 温度 変化によって圧 力 センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制した差圧式流量計を提供する。 【解決手段】主流路13と、主流路13に設けられたオリフィスと、オリフィスの上流側の流体の圧力を検出する第1圧力センサ7と、オリフィスの下流側の流体の圧力を検出する第2圧力センサ8と、オリフィスの上流側の流体を第1圧力センサ7に導く第1圧力導入流路14と、オリフィスの下流側の流体を第2圧力センサ8に導く第2圧力導入流路15とを備え、第1圧力導入流路14および第2圧力導入流路15は、流路長Lと流路径D3とがそれぞれ一致しており、流路径D3に対する流路長Lの倍率が、20倍以上かつ30倍以下である差圧式流量計20を提供する。 【選択図】図4
权利要求

流体を流通させる主流路と、 前記主流路に設けられたオリフィスと、 該オリフィスの上流側の流体の圧を検出する上流側圧力センサと、 前記オリフィスの下流側の流体の圧力を検出する下流側圧力センサと、 前記主流路と連通し、前記オリフィスの上流側の流体を前記上流側圧力センサに導く第1流路と、 前記主流路と連通し、前記オリフィスの下流側の流体を前記下流側圧力センサに導く第2流路とを備え、 前記第1流路および前記第2流路は、流路長と流路径とがそれぞれ一致しており、 前記流路径に対する前記流路長の倍率が、20倍以上かつ30倍以下である差圧式流量計。前記流路径に対する前記流路長の倍率が25倍である請求項1に記載の差圧式流量計。前記流路長が50mmであり、前記流路径が2mmである請求項2に記載の差圧式流量計。前記主流路と、前記第1流路と、前記第2流路とは、樹脂材料により形成されている本体部の内部に形成されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の差圧式流量計。前記第1流路および前記第2流路を形成する前記本体部の外周面に、外気との接触面積を増加させた冷却構造が形成されている請求項4に記載の差圧式流量計。前記冷却構造は、前記第1流路および前記第2流路の流路方向に沿って環状凹部と環状凸部とが交互に配置されるフィン構造である請求項5に記載の差圧式流量計。前記第1流路を介して前記上流側圧力センサに導かれた流体を外部に排出する第1排出口と、 前記第2流路を介して前記下流側圧力センサに導かれた流体を外部に排出する第2排出口とを備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の差圧式流量計。請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の差圧式流量計と、 該差圧式流量計の測定値を用いて、流路出口から流出させる流体の流量を制御する制御部とを備える流量コントローラ。

说明书全文

本発明は、差圧式流量計およびそれを備えた流量コントローラに関する。

従来、半導体製造装置等で用いられる純や薬液等の流体が流れる配管に設けられ、配管を流れる流体の流量を測定する流量計が知られている。流量計として各種の方式のものが知られているが、例えば、差圧式流量計が知られている。差圧式流量計は、流路上に設けられたオリフィスの上流側と下流側の流体の圧を一対の圧力センサで検出し、それらが検出する圧力の差分(差圧)によって、流体の流量を計測する装置である(例えば、特許文献1参照。)。

特許第5220642号公報

特許文献1に開示された差圧式流量計は、一対の圧力センサの環境温度に温度差が生じることによる誤作動を回避するために、一対の圧力センサの下方に温度バランサーを設けて温度差を低減させるものである。特許文献1に開示された差圧式流量計によれば、一対の圧力センサの温度差に起因する誤作動を回避することができる。

しかしながら、一対の圧力センサの温度差が低減されたとしても、差圧式流量計に流入する流体の温度が急激に変化する場合には、その温度変化によって、一対の圧力センサが検出する検出値に計測誤差が生じる可能性がある。例えば、圧力センサ自体の温度が急激に変化して検出値に計測誤差が生じる可能性や、圧力センサ周辺の流路が温度差によって変形して圧力センサの検出値に計測誤差が生じる可能性がある。温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じてしまうと、正確な圧力を検出することができず、結果として正確な流量を計測することができなくなってしまう。

本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制した差圧式流量計およびそれを備えた流量コントローラを提供することを目的とする。

本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。 本発明に係る差圧式流量計は、圧力測定を行う流体が流れる主流路と、前記主流路に設けられたオリフィスと、該オリフィスの上流側の流体の圧力を検出する上流側圧力センサと、前記オリフィスの下流側の流体の圧力を検出する下流側圧力センサと、前記主流路と連通し、前記オリフィスの上流側の流体を前記上流側圧力センサに導く第1流路と、前記主流路と連通し、前記オリフィスの下流側の流体を前記下流側圧力センサに導く第2流路とを備え、前記第1流路および前記第2流路は、流路長と流路径とがそれぞれ一致しており、前記流路径に対する前記流路長の倍率が、20倍以上かつ30倍以下である。

本発明に係る差圧式流量計によれば、オリフィスの上流側の流体を上流側圧力センサに導く第1流路と、オリフィスの下流側の流体を下流側圧力センサに導く第2流路とは、流路長と流路径とがそれぞれ一致している。そして、流路径に対する流路長の倍率が20倍以上となっているため、流路内の流体の流通量に対する流路長が十分に確保される。したがって、例えば、差圧式流量計に流入する流体の温度が、環境温度と一致した温度から急激に変化した場合(例えば、25℃の環境温度から80℃に変化した場合)であっても、主流路から圧力センサに到達するまでに、流体の温度を環境温度に十分に近づけた温度(例えば、35℃以下)とすることができる。よって、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制することができる。

また、流路径に対する流路長の倍率が30倍以下となっているため、流路内の流体の流通量に対する流路長が長くなりすぎ、あるいは流路長に対する流路径が小さくなりすぎて差圧式流量計を流通させる流体の種類を替える(例えば、純水から薬液に替える)のに要する時間がかかり過ぎる不具合を抑制し、流体の置換性を確保することができる。

このように、本発明に係る差圧式流量計によれば、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制することができる。また、流体の置換性を確保することができる。

本発明の差圧式流量計においては、前記流路径に対する前記流路長の倍率が25倍であることが好ましい。また、流路長が50mmであり、流路径が2mmであることが更に好ましい。 このようにすることで、例えば、差圧式流量計が設置される環境の環境温度から所定温度まで流体の温度が急激に変化する場合(例えば、25℃から80℃に変化する場合)であっても、圧力センサの温度を、圧力センサの検出値に計測誤差が生じない温度(例えば、35℃以下)とすることができる。

また、本発明の差圧式流量計においては、前記主流路と、前記第1流路と、前記第2流路とが、樹脂材料により形成されている本体部の内部に形成されていることが好ましい。 このようにすることで、主流路と、第1流路と、第2流路と樹脂材料により一体的に形成した本体部を備える差圧式流量計を提供することができる。

また、本発明の差圧式流量計においては、前記第1流路および前記第2流路を形成する前記本体部の外周面に、外気との接触面積を増加させた冷却構造が形成されている構成が好ましい。 このようにすることで、主流路と連通した第1流路および第2流路を介して、主流路から圧力センサまで流体が導かれる際に、冷却構造によって第1流路および第2流路を流通する流体を圧力センサに到達するまでに十分に冷却することができる。

上記構成においては、前記冷却構造が、前記第1流路および前記第2流路の流路方向に沿って環状凹部と環状凸部が交互に配置されるフィン構造であることが更に好ましい。 このようにすることで、フィン構造による冷却効果によって、第1流路および第2流路を流通する流体を圧力センサに到達するまでに十分に冷却することができる。

また、本発明の差圧式流量計においては、前記第1流路を介して前記上流側圧力センサに導かれた流体を外部に排出する第1排出口と、前記第2流路を介して前記下流側圧力センサに導かれた流体を外部に排出する第2排出口とを備える構成であってもよい。 このようにすることで、第1流路を介して上流側圧力センサに導かれた流体を再び第1流路を介して主流路に戻すことなく、容易に流体の置換を行うことができる。同様に、第2流路を介して下流側圧力センサに導かれた流体を再び第2流路を介して主流路に戻すことなく、容易に流体の置換を行うことができる。

本発明に係る流量コントローラは、上記のいずれかに記載の差圧式流量計と、該差圧式流量計の測定値を用いて、流出口から流出させる流体の流量を制御する制御部とを備える。 このようにすることで、流入する流体の温度が急激に変化する場合に温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制した流量コントローラを提供することができる。また、流体の置換性を確保するとともに、流量コントローラの大型化を避けることができる。

本発明によれば、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制した差圧式流量計およびそれを備えた流量コントローラを提供することを提供することができる。

本発明の第1実施形態に係る流量コントローラの正面図である。

図1に示す流量コントローラの平面図である。

図2のB−B矢視部分断面図である。

図3に示す差圧式流量計の部分拡大図である。

圧力導入流路径と圧力導入流路長に対する圧力センサ最高到達温度の値を示す実験データを示す図である。

圧力導入流路径に対する圧力導入流路長の倍率と、圧力センサ最高到達温度の関係を示すグラフである。

本発明の第2実施形態に係る流量コントローラの正面図である。

図7に示す流量コントローラのC−C矢視部分断面図である。

〔第1実施形態〕 以下、本発明の第1実施形態の流量コントローラ10について図面を参照して説明する。 本実施形態の流量コントローラ10は、流路入口11を介して上流側の配管(不図示)から流入する流体(純水、薬液等)の流量を計測し、計測した流量に応じて流路出口12から流出する流体の流量を調整する装置である。

図1から図3に示すように、流量コントローラ10は、流路入口11側に設けられる差圧式流量計20と、流路出口12側に設けられる流量調整弁30とを備える。 流量コントローラ10は、設置面Gに取り付けられるベース4と、ベース4に取り付けられるとともにその内部に流路入口11と流路出口12との間で流体を流通させる主流路13が形成されたボディ1(本体部)とを備えている。ベース4は、例えば、ポリプロピレン(PP)を用いて一体的に形成されている。 図3に示すように、ボディ1は、上流側ボディ1aと、連結部1bと、下流側ボディ1cと、冷却部1dと、弁座1eとが一体的に形成された単一の部材となっている。ボディ1は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂材料により形成されている。

差圧式流量計20は、流路入口11から流入する流体の流量を計測する装置である。差圧式流量計20は、上流側ボディ1aと、冷却部1dと、オリフィス2と、第1圧力センサ7(上流側圧力センサ)と、第2圧力センサ8(下流側圧力センサ)とを備えている。上流側ボディ1aは、流路入口11と流路出口12との間で流体を流通させる主流路13の一部が内部に形成された部材である。

図3に示すように、上流側ボディ1aの内部に形成された主流路13には、オリフィス2が設けられている。オリフィス2は、主流路13の流路径D1よりも径の小さい流路径D2を形成する部材である。オリフィス2を通過する際に流体の流速が増加し、それに伴ってオリフィス2の下流における流体の静圧が低下する。オリフィス2の上流側における流体の静圧と、オリフィス2の下流側における流体の静圧との差分(差圧)は、主流路13を通過する流体の流量に応じた値となる。したがって、差圧式流量計20は、オリフィス2の上流側の流体の静圧と、オリフィス2の下流側の流体の静圧との差圧を計測することにより、主流路13を流通する流体の流量を計測することができる。

差圧式流量計20は、オリフィス2の上流側の静圧を計測する第1圧力センサ7と、オリフィス2の下流側の静圧を計測する第2圧力センサ8とを備えている。 図4に示すように、第1圧力センサ7は、主流路13から、ボディ1の一部を構成する冷却部1dの内部に形成される第1圧力導入流路14(第1流路)を介して第1流体室7bに流入する流体の圧力を検出するセンサ本体7aを備えている。第2圧力センサ8は、主流路13から、冷却部1dの内部に形成される第2圧力導入流路15(第2流路)を介して第2流体室8bに流入する流体の圧力を検出するセンサ本体8aを備えている。

図4に示すように、第1流体室7bは、第1圧力導入流路14の出口から遠ざかるに従って徐々に径が拡大する傾斜面を備えている。この傾斜面により、第1流体室7bの下方は、略円錐形の内面形状となっている。同様に、第2流体室8bは、第2圧力導入流路15の出口から遠ざかるに従って徐々に径が拡大する傾斜面を備えている。この傾斜面により、第2流体室8bの下方は、略円錐形の内面形状となっている。このような形状とすることにより、第1流体室7bの外周縁部および第2流体室8bの外周縁部に、パーティクル等の残存物が滞留しにくいようになっている。

第1圧力センサ7のセンサ本体7aが計測する第1圧力値と、第2圧力センサ8のセンサ本体8aが計測する第2圧力値は、各々電気信号に変換されて流量制御弁30が備える制御基板(図示略)に入力される。第1圧力値と第2圧力値との入力を受けた制御基板(制御部)は、第1圧力値と第2圧力値との差圧を流量に換算することにより、主流路13を流れる流体の流量を計測する。 第1圧力センサ7および第2圧力センサ8として、流体の圧力を計測する各種のセンサを採用することが可能である。例えば、ひずみゲージ式圧力センサや、ピエゾ式圧力センサや、静電容量式圧力センサを採用することが可能である。

第1圧力導入流路14は、主流路13の軸線Aに直交する直線上に延在する流路である。第2圧力導入流路15は、主流路13の軸線Aに直交する直線上に延在する流路である。第1圧力導入流路14が主流路13と連通する位置と、第2圧力導入流路15が主流路13と連通する位置とは、オリフィス2により流路径がD2となる位置から軸線Aに沿って等距離となっている。 このように、第1圧力導入流路14は、主流路13と連通し、オリフィス2の上流側の流体を第1圧力センサ7に導く流路となっている。また、第2圧力導入流路15は、主流路13と連通し、オリフィス2の上流側の流体を第2圧力センサ8に導く流路となっている。

次に、図3に示す流量調整弁30について説明する。 流量調整弁30は、差圧式流量計20が計測した流量に応じて流路出口12から流出する流体の流量を調整する装置である。 流量調整弁30は、下流側ボディ1cと、ニードル3と、弁座1eと、モータを備えた駆動機構(不図示)と、駆動機構を制御する制御基板(不図示)と、駆動機構および制御基板を外部から保護するカバー5とを備えている。制御基板および駆動機構には、コネクタ6を介して接続されるケーブルを介して外部から電力がされる。また、制御基板は、ケーブルが備える制御信号線を介して、外部から流量の設定値の指示等の各種の指示を受け付ける。

流量調整弁30は、駆動機構によりニードル3(弁体)を主流路13の軸線Aに直交する方向に移動させ、ニードル3と弁座1eとの距離を調整する。流量調整弁30は、ニードル3と弁座1eとの距離を調整することにより、ニードル3と弁座1eとの間を通過する流体の流量を調整することができる。例えば、流量調整弁30は、差圧式流量計20が計測した流量が、外部からケーブルを介して指示を受けた流量の設定値と一致するように、流体の流量を調整する。 このように、流量調整弁30が備える制御基板(制御部)は、差圧式流量計20が計測した流体の流量(測定値)を用いて、流路出口から流出させる流体の流量を制御する。

次に、本実施形態の差圧式流量計20の冷却部1dの近傍の構造について説明する。 図4に示すように、第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15は、流路長Lと流路径D3とがそれぞれ一致している。ここで、第1圧力導入流路14の流路長Lとは、図4に示すように、主流路13の外周面から第1流体室7bの入口までの長さをいう。また、第2圧力導入流路15の流路長Lとは、図4に示すように、主流路13の外周面から第2流体室8bの入口までの長さをいう。

前述したように、差圧式流量計20に流入する流体の温度が急激に変化する場合には、その温度変化によって、一対の圧力センサ(第1圧力センサ7および第2圧力センサ8)が検出する検出値に計測誤差が生じる可能性がある。したがって、冷却部1dは、主流路13の流体の温度が急激に変化した場合であっても、第1流体室7bおよび第2流体室8bの到達する流体の温度が急激に変化しないように十分に冷却できる構造とする必要がある。

発明者らは、前述した流路長Lと流路径D3とを変化させて実験を行い、図5に示す実験データを得た。この実験は、25℃の純水を主流路13に流通させている状態から、80℃の純水を主流路13に流通させる状態に切り換えた場合の実験データである。図5において、圧力センサ最高到達温度[℃]とは、80℃の純水を主流路13に流通させた後に圧力センサのセンサ本体(センサ本体7aおよびセンサ本体8a)の温度を計測し、最も高い温度が計測された際の温度を示している。また、図5において、温度上昇幅ΔT[℃]とは、25℃から圧力センサ最高到達温度[℃]までの差分の温度を示している。

そして、図5に示す実験データを含む複数の実験データに基づいて、流路径D3に対する流路長Lの倍率(以下、L/D3という。)と、圧力センサ最高到達温度の関係を示すグラフを作成したところ、図6に示すものとなった。 図6に示すように、L/D3の値が小さいほど圧力センサ最高到達温度が高くなり、L/D3の値が大きいほど圧力センサ最高到達温度が低くなる。これは、L/D3の値が大きいほど、流路長Lが長くて十分に冷却部1dの長さを確保できる、あるいは、流路径D3が小さくて圧力導入流路を流通する純水の流量が少ないことを意味している。

図5に示す実験データと図6に示すグラフを踏まえ、発明者らは、本実施形態の冷却部1dに形成される第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15の流路長Lと流路径D3を、以下の式(1)に示す関係となるように定めた。 20≦L/D3≦30 (1) ここで、式(1)において20≦L/D3としたのは、図6に示すように、圧力センサ最高到達温度を35℃以下とするためである。このようにしたのは、圧力センサが常温(25℃)よりも高すぎる温度となると、温度の影響により圧力センサの検出値に計測誤差が生じてしまうからである。

また、式(1)においてL/D3≦30としたのは、流路長Lが長くなりすぎ、あるいは流路径D3が小さくなりすぎて流体の置換性が悪化することを避けるためである。 L/D3≦30の条件を満たすようにすることにより、流路長Lの長さに対して流路径D3が小さくなりすぎることや、流路径D3の大きさに対して流路長Lが長くなりすぎることを避け、流体の置換性を確保することができる。

なお、流体の置換性が悪い場合とは、主流路13を流通させる流体の種類を切り換えた場合(例えば、純水から薬液への切り換えた場合)に、第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15に存在する流体の種類が切り換わるまでに要する時間が長い場合をいう。流路長Lが長く、流路径D3が小さくなるほど、流体の置換性が悪くなる。

L/D3の値を、前述した式(1)の範囲とすることにより、流入する流体の温度が急激に変化する場合に温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制できるとともに、流体の置換性を確保することができる。また、更に以下の式(2)の条件とするのが好ましい。 L/D3=25 (2) この式(2)の条件は、図5に示す実験データにおいては、(L,D3)が(25.0mm,1.0mm)、(50.0mm,2.0mm)、または(62.5mm,2.5mm)となる条件である。 このようにすることで、実験データが示すように、差圧式流量計20が設置される環境の環境温度である常温(実験データの例では25℃)から80℃まで流体の温度が急激に変化する場合であっても、圧力センサ最高到達温度が35℃を超えないようにすることができる。

式(2)の条件においては、実験データに示すように(L,D3)を(50.0mm,2.0mm)とするのが更に好ましい。このようにすることで、流路長Lを50.0mmとして流量コントローラ10を大型化させず、かつ流体の置換性を悪化させずに、温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制することができる。

次に、本実施形態の冷却部1dの外周面の形状について説明する。 図1から図3に示すように、第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15を形成する冷却部1dの外周面は、外気との接触面積を増加させた冷却構造となっている。具体的には、第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15の流路方向に沿って、環状凹部16と環状凸部17とが交互に配置されるフィン構造となっている。 このようなフィン構造を採用することで、第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路15を流通する流体を冷却する効果を高めることができる。

以上説明した本実施形態の流量コントローラ10が奏する作用および効果について説明する。 本実施形態の差圧式流量計20によれば、オリフィス2の上流側の流体を第1圧力センサ7に導く第1圧力導入流路14と、オリフィス2の下流側の流体を第2圧力センサ8に導く第2圧力導入流路15とは、流路長Lと流路径D3とがそれぞれ一致している。そして、流路径D3に対する流路長Lの倍率が20倍以上となっているため、流路内の流体の流通量に対する流路長Lが十分に確保される。したがって、例えば、差圧式流量計20に流入する流体の温度が、環境温度と一致した温度から急激に変化した場合(例えば、25℃の環境温度から80℃に変化した場合)であっても、主流路13から圧力センサに到達するまでに、流体の温度を環境温度に十分に近づけた温度(例えば、35℃以下)とすることができる。よって、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても、温度変化によって第1圧力センサ7および第2圧力センサ8の検出値に計測誤差が生じることを抑制することができる。

また、流路径D3に対する流路長Lの倍率が30倍以下となっているため、流路長Lが長くなりすぎ、あるいは流路径D3が小さくなりすぎて差圧式流量計20を流通させる流体の種類を替える(例えば、純水から薬液に替える)のに要する時間がかかり過ぎる不具合を抑制し、流体の置換性を確保することができる。

このように、本実施形態の差圧式流量計20によれば、流入する流体の温度が急激に変化する場合であっても温度変化によって圧力センサの検出値に計測誤差が生じることを抑制することができる。また、流体の置換性を確保することができる。

本実施形態の差圧式流量計20は、流路径D3に対する流路長Lの倍率が25倍であることが好ましい。また、流路長が50mmであり、流路径が2mmであることが更に好ましい。 このようにすることで、例えば、差圧式流量計20が設置される環境の環境温度(例えば、25℃)から80℃まで流体の温度が急激に変化する場合であっても、圧力センサの温度が35℃を超えないようにすることができる。

また、本実施形態の差圧式流量計20においては、主流路13と、第1圧力導入流路14と、第2圧力導入流路15とが、樹脂材料により形成されているボディ1の冷却部1dの内部に形成されている。 このようにすることで、主流路13と、第1圧力導入流路14と、第2圧力導入流路15と樹脂材料により一体的に形成したボディ1を備える差圧式流量計20を提供することができる。

また、第1圧力導入流路14と、第2圧力導入流路15とがボディ1として一体的に形成されているので、第1圧力センサ7の周囲の温度と第2圧力センサ8の周囲の温度とが略均一となる。そのため、第1圧力センサ7と第2圧力センサ8の温度状態を均一化させ、安定した流量の計測が可能となる。本実施形態のボディ1は、冷却部1dに形成される第1圧力導入流路14と第2圧力導入流路との間に貫通孔が設けられているが、貫通孔の上部のセンサ本体7aとセンサ本体8aの近傍はボディ1により連結されている。そのため、ボディ1で連結された部分でセンサ本体7aとセンサ本体8aの温度差がなくなるように温度伝達が行われる。

また、本実施形態の差圧式流量計20には、第1圧力導入流路14および第2圧力導入流路15を形成する冷却部1dの外周面に、外気との接触面積を増加させた冷却構造が形成されている。この冷却構造は、第1圧力導入流路14および第2圧力導入流路15の流路方向に沿って環状凹部16と環状凸部17が交互に配置されるフィン構造となっている。 このようにすることで、主流路13と連通した第1圧力導入流路14および第2圧力導入流路15を介して、主流路13から圧力センサまで流体が導かれる際に、冷却構造によって第1圧力導入流路14および第2圧力導入流路15を流通する流体を圧力センサに到達するまでに十分に冷却することができる。

〔第2実施形態〕 以下、本発明の第2実施形態の流量コントローラ10’について図面を参照して説明する。 本実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、説明を省略する。

図7に示すように、第2実施形態の流量コントローラ10’が備える差圧式流量計20’は、第1圧力センサ7に導かれた流体を外部に排出する第1排出ポート7c(第1排出口)と、第2圧力センサ8に導かれた流体を外部に排出する第2排出ポート8c(第2排出口)とを備えている。

図8に示すように、第1排出ポート7cは第1流体室7bと連通している。この第1排出ポート7cには、通常の使用時は封止片(図示略)が挿入されており、第1流体室7b内の流体が第1排出ポート7cから外部に排出されないようになっている。 図示を省略するが、第2排出ポート8cは第2流体室8bと連通している。この第2排出ポート8cには、通常の使用時は封止片(図示略)が挿入されており、第2流体室8b内の流体が第2排出ポート8cから外部に排出されないようになっている。

第1排出ポート7cおよび第2排出ポート8cは、流量コントローラ10’の主流路13を流通させる流体の種類を入れ替える(例えば、純水から薬液に入れ替える)際に、封止片を除去し、流体を排出させる配管(不図示)が各ポートに連結される。 配管が各ポートに連結されると、第1流体室7b内の流体が第1排出ポート7cから配管を介して外部に排出される。同様に、第2流体室8b内の流体が第2排出ポート8cから配管を介して外部に排出される。

このように、本実施形態によれば、第1圧力導入流路14を介して第1圧力センサ7に導かれた流体を再び第1圧力導入流路14を介して主流路13に戻すことなく、容易に流体の置換を行うことができる。同様に、第2圧力導入流路15を介して第2圧力センサ8に導かれた流体を再び第2圧力導入流路15を介して主流路13に戻すことなく、容易に流体の置換を行うことができる。

〔他の実施形態〕 本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、その要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。

1 ボディ(本体部) 1d 冷却部 2 オリフィス 7 第1圧力センサ(上流側圧力センサ) 7a センサ本体 7b 第1流体室 7c 第1排出ポート(第1排出口) 8 第2圧力センサ(下流側圧力センサ) 8a センサ本体 8b 第2流体室 8c 第2排出ポート(第2排出口) 10,10’ 流量コントローラ 13 主流路 14 第1圧力導入流路(第1流路) 15 第2圧力導入流路(第2流路) 20,20’ 差圧式流量計 30 流量調整弁 D3 圧力導入流路の流路径 L 圧力導入流路の流路長

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