ネブライザーとともに使用される装置及びネブライザーの動作方法

申请号 JP2014560492 申请日 2013-03-05 公开(公告)号 JP6105640B2 公开(公告)日 2017-03-29
申请人 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ; KONINKLIJKE PHILIPS N.V.; 发明人 ディシェイ アンソニー; スペンサー ティモシー; ヒリアー チャールズ ディビッド; レパード ミカエル ジェームズ ロバート;
摘要
权利要求

ネブライザー内で第1の種類の液体が使用されているか否かを判定する方法であって、 (i)前記ネブライザー内に保持されていた液体の指定量を噴霧するのに前記ネブライザーが要した時間の測定値を取得するステップと、 (ii)前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間を前記第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の推定値と比較するステップと、 (iii)前記比較に基づいて、前記ネブライザーによって噴霧された前記液体が前記第1の種類の液体であったか否かを判定するステップと を含む、方法。前記ステップ(iii)において、前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間が、前記第1の種類の液体の前記同量を噴霧するのに要する前記時間の推定値の既定量内である場合、前記ネブライザーによって噴霧された前記液体は前記第1の種類の液体であったと判定される、請求項1に記載の方法。前記ステップ(i)の前に、 前記ネブライザーによって噴霧されるべき前記第1の種類の液体のアイデンティティを決定するステップと、 前記ネブライザーによって噴霧されるべき前記第1の種類の液体の量、すなわち前記指定量を決定するステップと、 前記第1の種類の液体の前記指定量を噴霧するのに要する時間を推定するステップと を更に含む、請求項1又は2に記載の方法。前記第1の種類の液体の前記アイデンティティを決定する前記ステップ、及び/又は前記第1の種類の液体の前記指定量を決定する前記ステップは、前記第1の種類の液体の容器、及び/又は前記ネブライザー内の計量チャンバに関連付けられたデータキャリアを読み取るステップ、又は前記ネブライザーのメモリを読み取るステップを含む、請求項3に記載の方法。前記ネブライザーによって前記第1の種類の液体が噴霧される速度を決定するステップを更に含み、 前記第1の種類の液体の前記指定量を噴霧するのに要する時間を推定する前記ステップは、決定される前記速度及び決定される前記指定量を利用する、請求項3又は4に記載の方法。前記液体の指定量を噴霧するのに前記ネブライザーが要した時間は、前記ネブライザーの動作の開始から前記液体の指定量の最後が噴霧された時点までの総時間である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記液体の指定量を噴霧するのに前記ネブライザーが要した時間は、前記ネブライザーのユーザが息を吐き出している時間を除いた、前記ネブライザーの動作の開始から前記液体の指定量の最後が噴霧された時点までの総時間である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。前記ステップ(i)の前に、 前記ネブライザー内に保持されている前記液体の指定量を噴霧するよう前記ネブライザーを動作させるステップと、 前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間を測定するステップと を更に含む、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。前記ステップ(i)を繰り返し、得られた所要時間の測定値を平均するステップを更に含み、 前記ステップ(ii)は、前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間の平均値を前記第1の種類の液体の前記同量を噴霧するのに要する時間の推定値と比較するステップを更に含む、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。ネブライザー内に保持されていた液体の指定量を噴霧するのに前記ネブライザーが要した時間の測定値を取得し、 前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間を第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の既定値と比較し、 前記比較に基づいて、前記ネブライザーによって噴霧された前記液体が前記第1の種類の液体であったか否かを判定するプロセッサを含む、装置。前記プロセッサは、前記液体の指定量を噴霧するのに要した時間が、前記第1の種類の液体の前記同量を噴霧するのに要する前記時間の推定値の既定量内である場合、前記ネブライザーによって噴霧された前記液体は前記第1の種類の液体であったと判定する、請求項10に記載の装置。前記プロセッサは更に、前記ネブライザーによって噴霧されるべき前記第1の種類の液体のアイデンティティを決定し、前記ネブライザーによって噴霧されるべき前記第1の種類の液体の量、すなわち前記指定量を決定し、前記第1の種類の液体の前記指定量を噴霧するのに要する時間を推定する、請求項10又は11に記載の装置。噴霧される液体を保持するチャンバと、 噴霧要素と、 前記噴霧要素又は前記チャンバ内に保持される前記液体を振動させ、前記チャンバ内に保持される前記液体を噴霧するアクチュエータと、 請求項11に記載の装置を含む制御ユニットと を含む、ネブライザー。コンピュータプログラムが処理装置により実行されると請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法のステップを実行するように、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の装置を制御する、コンピュータプログラム。

说明书全文

本発明は、例えばユーザによる吸入のために、保持している液体を微細な液滴に噴霧するネブライザーに関連し、特に、ネブライザーによって噴霧される液体が正しい又は適切な種類の液体であるか否かを判定することに関する。

ネブライザー(アトマイザー又は噴霧器とも呼ばれる)は、液体から微細なスプレー又はエアロゾルを生成する装置である。ネブライザーの特に有用な用途は、吸入による患者への投与のために溶かされた又は懸濁された薬剤粒子を含む微細なスプレーを供給することである。

このような薬物伝達(ドラッグデリバリー)システムにおいて、エアロゾルを生成するためにピエゾ−メッシュ・ベース・ネブライザーが一般的に使用されており、例えば、圧電素子がノズルプレート(メッシュとも呼ばれる)を振動させ、微細なエアロゾルスプレーを生成する。一部のネブライザーでは、圧電素子はノズルプレート要素に結合又は接触しており、一方他のネブライザーでは、ノズルプレート要素が圧電素子から離れている(すなわち、接触していない)。

液体が噴霧される速度(レート)は、ネブライザーの動作及び設計、並びに液体の特性によって影響される。一部の種類のネブライザー(例えば、空気ジェット式ネブライザー)においては、特定のネブライザー及び薬物の組み合わせについて速度が既知であり、エアロゾルが生成されて患者によって吸入される総時間に基づいて、患者に送られる薬物の投与量を推定できる。

しかし、液体を噴霧するためにメッシュを使用するネブライザーでは、メッシュ内の孔が塞がれるにつれ、生成される液滴の速度又は量が経時的に変化する。これは、患者に送られる投与量を、空気ジェット式ネブライザーと同じ方法では計算できないことを意味する。代わりに、ピエゾ−メッシュネブライザーでは体積計量方法を使用して、患者に正確な量が供給されていることを確かめてもよい。具体的には、特定の薬物との使用の前に、1回分の投与量のために必要な薬物の量のみを保持する計量チャンバが取り付けられる。このような体積計量方法はEP1465692に記載されている。

ネブライザー内で使用するための薬物は、様々な容器又はバイアルで供給され得り、通常は、ある期間(例えば30日)にわたっての治療に十分な量で患者に供給される。ネブライザーの各使用の間に送られる薬物の量(1回分の投与量)は、薬物容器又はバイアルと関連付けられた、使用前にネブライザーによって読み取られる特定の治療情報を保持するデータキャリアを利用することにより設定できる。また、データキャリアは、完了した各投与量又は治療の詳細を記憶するために使用されてもよい(例えば、患者に送られた投与量の割合及び投与された薬物の種類)。

このデータは後に適切なソフトウェアを用いての解析のためにコンピュータにアップロードされてもよく、これは、患者がデバイスを正しく使用しており、処方された治療を受けていることを医療専門家がモニタリングすることを可能にする。

通常、ネブライザーの使用前、患者は適切なサイズの計量チャンバをネブライザー内に取り付けて、要求される薬物をバイアルから計量チャンバに注入しなければならない。薬物が注入されると、ネブライザーは薬物に関連付けられたデータキャリア(及び計量チャンバに関連付けられた任意のデータキャリア)を読み取り、これに応じて自身の動作パラメータを設定できる。

しかし、単一のネブライザーは様々な薬液とともに使用可能であり、患者はしばしば一度に複数の種類の薬物を処方される。計量チャンバ上のデータキャリアの使用は正しい計量チャンバの取り付けの判定を可能にし、またネブライザーは薬物容器に関連付けられたデータキャリアを読み取ることができるが、ネブライザーに正しい薬物が注入されたことを確認する態様は現存しない。

ネブライザーへの誤った薬物の装填は多数の問題を生じ得る。具体的には、D−nase及びA1AT等の一部のタンパク質薬剤は、他の薬剤物質が混入すると損傷するおそれがあり、更に重大なことには、他の薬物とともに使用されるべき計量チャンバ内に誤った薬物が装填された場合、患者に誤った投与量(又は、場合によっては不適切な液体(液剤))が投与され得る。例えば、コリスチンメタナトリウムの吸入量は0.3mlであり得り、高張食塩の吸入量は1.0mlであり得るので、薬物の混同が起こると、ネブライザーの使用時に患者に誤った投与量が与えられることになる。

したがって、ネブライザーによって正しい液体(薬物)が投与されたことを確認又は検証する技術に対する需要が存在する。

本発明の第1の側面によれば、ネブライザー内で第1の種類の液体が使用されているか否かを判定する方法であって、(i)ネブライザー内に保持されていた液体の指定量を噴霧するのにネブライザーが要した時間の測定値を取得するステップと、(ii)液体の指定量を噴霧するのに要した時間を第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の推定値と比較するステップと、(iii)比較に基づいて、ネブライザーによって噴霧された液体が第1の種類の液体であったか否かを判定するステップとを含む、方法が提供される。

ステップ(iii)において、液体の指定量を噴霧するのに要した時間が、第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の推定値の既定量内である場合、ネブライザーによって噴霧された液体は第1の種類の液体であったと判定されてもよい。

上記方法は、ステップ(i)の前に、ネブライザーによって噴霧されるべき第1の種類の液体のアイデンティティを決定するステップと、ネブライザーによって噴霧されるべき第1の種類の液体の量、すなわち指定量を決定するステップと、第1の種類の液体の指定量を噴霧するのに要する時間を推定するステップとを更に含んでもよい。

第1の種類の液体のアイデンティティを決定するステップ、及び/又は第1の種類の液体の指定量を決定するステップは、第1の種類の液体の容器、及び/又はネブライザー内の計量チャンバに関連付けられたデータキャリアを読み取るステップ、又はネブライザーのメモリを読み取るステップを含んでもよい。

上記方法は、ネブライザーによって第1の種類の液体が噴霧される速度を決定するステップを更に含んでもよく、第1の種類の液体の指定量を噴霧するのに要する時間を推定するステップは、決定される速度及び決定される量を利用してもよい。

液体の指定量を噴霧するのにネブライザーが要した時間は、ネブライザーの動作の開始から液体の指定量の最後が噴霧された時点までの総時間であり得る。

あるいは、液体の指定量を噴霧するのにネブライザーが要した時間は、ネブライザーの動作の開始から液体の指定量の最後が噴霧された時点までの、ネブライザーのユーザが息を吐き出している時間を除く総時間であり得る。

上記方法は、ステップ(i)の前に、ネブライザー内に保持されている液体の指定量を噴霧するようネブライザーを動作させるステップと、液体の指定量を噴霧するのに要した時間を測定するステップとを更に含んでもよい。

上記方法は、ステップ(i)を繰り返し、得られた所要時間の測定値を平均するステップを更に含んでもよく、ステップ(ii)は、液体の指定量を噴霧するのに要した時間の平均値を第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の推定値と比較するステップを更に含んでもよい。

本発明の他の側面によれば、適切なコンピュータ又はプロセッサにより実行されると、コンピュータ又はプロセッサが上記方法を実行するコンピュータ読み取り可能コードを含む、コンピュータプログラムが提供される。

本発明の他の側面によれば、ネブライザー内に保持されていた液体の指定量を噴霧するのにネブライザーが要した時間の測定値を取得し、液体の指定量を噴霧するのに要した時間を第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の既定値と比較し、比較に基づいて、ネブライザーによって噴霧された液体が第1の種類の液体であったか否かを判定するプロセッサを含む、装置が提供される。

上記プロセッサは、液体の指定量を噴霧するのに要した時間が、第1の種類の液体の同量を噴霧するのに要する時間の推定値の既定量内である場合、ネブライザーによって噴霧された液体は第1の種類の液体であったと判定するよう構成されてもよい。

上記プロセッサは更に、ネブライザーによって噴霧されるべき第1の種類の液体のアイデンティティを決定し、ネブライザーによって噴霧されるべき第1の種類の液体の量、すなわち指定量を決定し、第1の種類の液体の指定量を噴霧するのに要する時間を推定するよう構成されてもよい。

一部の実施形態では、装置はネブライザーの制御ユニットの一部であり得る。他の実施形態では、装置はネブライザーとは別個で、例えばコンピュータ又は他の電子デバイスの形態を取り、ネブライザー内に保持されていた液体の指定量を噴霧するのにネブライザーが要した時間の測定値を、ネブライザーとの任意の適切な有線又は無線通信リンクを介して取得できる。

本発明の他の側面によれば、噴霧される液体を保持するチャンバと、噴霧要素と、噴霧要素又はチャンバ内に保持される液体を振動させ、チャンバ内に保持される液体を噴霧するアクチュエータと、上記制御ユニットとを含む、ネブライザーが提供される。

次に、以下の図面を参照しながら、単なる例として本発明の例示的な実施形態を説明する。

図1は、本発明の一実施形態に係るネブライザーのブロック図である。

図2は、本発明の一実施形態に係るネブライザーの動作方法を表すフローチャートである。

図3は、3つの異なる液体に対するネブライザーのパフォーマンスの違いを表すいくつかの実験結果を示す。

図1は例示的なネブライザー2を示す。ネブライザー2は入口6及び出口8を備えるボディ又はハウジング4を含み、入口6及び出口8は、ネブライザー2のユーザが出口8を介して吸入すると、空気が入口6及び出口8を介して、ネブライザー2内に引き入れられてネブライザー2を通り、ユーザの体内に入るよう構成される。出口8は通常マウスピース、フェイス若しくは鼻マスクの形態で、又は、別個の交換可能なマウスピース、フェイス若しくは鼻マスクへの接続に適した形態で提供される。また、ハウジング4、入口6、及び出口8は、ユーザがネブライザー2を介して息を吐き出すことができるよう構成される。

ネブライザー2は、噴霧される(すなわち、微細な霧又はスプレーに変換される)液体12、例えば薬物又は薬剤を保持する噴霧チャンバ10を入口6と出口8との間に有する。ネブライザー2は、ユーザに投与量の薬物又は薬剤を送るために、ユーザが吸入するとき、ネブライザー2を通って引き入れられる空気に噴霧された液体12の微細な液滴が混ぜ合わせられるよう構成される。

ネブライザー2内には、ハウジング4内を流れている空気の方向を検出するエアフローセンサ13が配置されている。この情報はユーザが吸入しているとき及び吐き出しているときを判定するために用いることができる。

噴霧チャンバ10内に保持されている液体12を撹拌する又は振動させるためのアクチュエータ14が設けられている。以下でより詳細に説明される本発明の実施形態では、アクチュエータ14は圧電素子の形態で設けられている。しかし、ネブライザーの分野の当業者は、本発明に係るネブライザーに他の形態のアクチュエータ14を使用できることを理解するであろう。また、圧電素子と液体12との間の直接接触を避けるために、圧電素子14はプラスチック又は金属被覆層によって覆われてもよい(ただし、被覆層に他の種類の材料を使用してもよい)。

液体12がアクチュエータ14によって振動されたときに液体12を噴霧するためのノズルプレート16が噴霧チャンバ10内に設けられている。ノズルプレート16は通常、少量の液体が通過できる複数の小孔又はノズルを有するメッシュ又は薄膜の形態を取る。ノズルプレート16内のノズルのサイズ(直径)は、他の因子も存在するが、ネブライザーの駆動時に生成される液体の液滴のサイズを決定する。一部の実施形態では、必要に応じて洗浄又は完全な交換ができるよう、ノズルプレート16はネブライザー2から取り外し可能である。

図示の実施形態では、アクチュエータ14はノズルプレート16から離れており、液体12を撹拌するために、噴霧チャンバ10の底部又はその近傍に配置されている。しかし、他の実施形態では、アクチュエータ14がノズルプレート16と接触又は一体化して、液体12を噴霧するためにノズルプレート16を振動させてもよい。

使用時、液体12はネブライザーチャンバ10をノズルプレート16の高さまで満たす。噴霧チャンバ10内の液体12はネブライザー2の運転(動作)に伴い消耗され、ネブライザー2が運転を続けるために要求される高さに液体12を維持するためには保管チャンバ10に更なる液体12を加えなければならない。したがって、ネブライザー2は、噴霧チャンバ10内の液体12を補充するための液体を保管する計量チャンバ18を有する。計量チャンバ18からの液体は、重及び/又は毛細管充填の作用により接続チューブ20を介して噴霧チャンバ10内に流入してもよい。

計量チャンバ18は、噴霧チャンバ10(及び接続チューブ20)とともに、ネブライザー2の1回の使用の間に噴霧されるべき液体12の全量を保持する。

液体が薬物の場合、噴霧される液体12の量は処方の治療コースに依存するので、ネブライザー2は、ネブライザー2から計量チャンバ18を取り外して異なるサイズの他の計量チャンバと交換することにより、ネブライザー2が保持できる液体12の全量を変更できるよう構成されてもよい。しかし、一部の実施形態では、計量チャンバがネブライザー2の他の部分と一体的で、取り外し不可能でもよい。この場合、ユーザがチャンバ18内に適切な量の液体12を注入したか否かを判定できるよう、計量チャンバ18は何らかの視覚的マーキング、又はチャンバ18によって保持可能な液体12の量の他の表示を有してもよい。一部の実施形態では、計量チャンバ18は、EP 1465692に開示されるような隔壁によって隔てられた計量チャンバ及びオーバーフローチャンバを含む。

計量チャンバ18は、ネブライザー2の運転の開始前に液体容器(又はバイアル)24から噴霧されるべき液体をユーザが注入できる開閉可能な開口22を有する。

ネブライザー2は、ネブライザー2の動作を制御する制御ユニット26を更に有する。制御ユニット26は、エアフローセンサ13及びアクチュエータ14に電気的に接続されたプロセッサ28を含む。プロセッサ28がエアフローセンサ13から受信された情報からユーザが吸入中であると判定すると、プロセッサ28はアクチュエータ14に制御信号を出力してアクチュエータ14を動作(振動)させ、これにより液体12を噴霧する。プロセッサ28がエアフローセンサ13から受信した情報からユーザが吸入を止めたと判定すると、プロセッサ28はアクチュエータ14の動作(振動)を停止する。

一実施形態では、プロセッサ28によってアクチュエータ14に出力される制御信号は、アクチュエータ14に「パルス化された」動作モードで動作させる。このモードでは、制御信号はアクチュエータ14に連続で所定のサイクル数、周波数fで駆動させ、その後更なるサイクル数、アクチュエータ14を休止させる。この駆動及び非駆動動作がネブライザー2の運転中繰り返される。

また、ネブライザー2の動作中にプロセッサ28が使用するための動作パラメータ及び/又はプログラム命令を記憶できるメモリモジュール30が制御ユニット26内に設けられている。動作パラメータは、例えばネブライザー2によって提供される治療計画に関係してもよく、例えば要求される治療時間、要求される治療量(投与量)、及び/又は薬物フローレート等である。以下でより詳細に説明されるように、メモリモジュール30は更に特定の液体を特定の量送るのに必要な時間(又は特定の液体の単位量を送るのに必要な時間)に関する情報、及びそのユーザによるネブライザー2の前回の使用に関する情報(例えば、液体の特定の投与量を送るのに要した時間、使用された計量チャンバ18、投与された薬物等)を記憶してもよい。

制御ユニット26は更に、ユーザにネブライザー2のステータスに関する情報を表示するためのディスプレイ32を備える。ディスプレイはLCD画面若しくは他の適切な種類のディスプレイを含んでもよいし、又は1つ以上のLED若しくは照明を含んでもよい。ディスプレイ32は、例えばネブライザー2が使用準備済みであるか否か、並びに投与時間及び/又は残量を示す情報を提示してもよい。

制御ユニット26は更に、ユーザがネブライザー2を運転できるようにするユーザインターフェイス34を備える。ユーザインターフェイスは、単一のボタン、スイッチ若しくはネブライザー2の電源を入れる若しくは他の方法で起動するために使用できる他の入力手段、又はユーザがネブライザー2の様々な設定若しくはオプションを選択できるようにする複数の入力手段を含み得る。

図示の実施形態において、制御ユニット26は更に、(ネブライザー2内に異なる計量チャンバ18を使用可能な実施形態において)計量チャンバ18に関連付けられた無線ID(RFID:radio-frequency identification)タグ38、及び噴霧される液体12に関連付けられたRFIDタグ40(例えば、RFIDタグ40は液体容器24(液体12のパッケージ)に取り付けられる若しくは他の方法で関連付けられてもよく、又は、RFIDタグは液体容器24とは別個に供給されてもよい)上に記憶された情報を読み取るために使用されるRFIDタグリーダー36を備える。RFIDタグリーダー36はRFIDタグ38、40上の情報を読み取り、更なる処理のためにプロセッサ28に伝送できる。プロセッサ28は、この情報を用いてネブライザー2を動作のために設定(構成)し、また、ネブライザー2内で適切な液体12及び計量チャンバ18の組み合わせが使用されていることを確認できる。

計量チャンバ18に取り付けられたRFIDタグ38内の情報は、計量チャンバ18の容量、及び/又は計量チャンバ18とともに用いられるべき特定の薬物を示し得る。計量チャンバ18の容量の指標は実際の容量として提供されてもよいし、あるいは、RFIDタグ38は、プロセッサ28がメモリモジュール30内に記憶されている様々な種類の計量チャンバ18に関する情報を問い合わせるために使用できる計量チャンバ18のID番号を記憶してもよい。

液体容器24に取り付けられたRFIDタグ40内に記憶される情報は、容器24が保持する液体のアイデンティティ、及びネブライザー2によって提供されるべき投与計画(すなわち、ネブライザー2の使用毎の投与量、投与頻度、及び/又は投与速度)を含んでもよい。

一部の実施形態では、液体容器24のみが関連付けられたRFIDタグを有し、計量チャンバ18には単にユーザがネブライザー2内で正しいチャンバ18を使用していることを確認するための何らかの視覚的表示(例えば、色分け(カラーコーディング))が設けられてもよいことが理解されるであろう。

当業者は、ネブライザー2内で使用可能な異なる種類のデータキャリア、及び対応する有線又は無線リーダーを認識するであろう。例えば、計量チャンバ18は、計量チャンバ18がネブライザー2内に搭載されたときに計量チャンバ18が制御ユニット26に電気的に接続されることを可能にする電気コンタクトを備えてもよい。このようにすることで、プロセッサ28は計量チャンバ18内又は上の電子部品に対して記憶情報を直接要求することができ、また、計量チャンバ18がネブライザー2内に正しく取り付けられたことを確認する方法がプロセッサ28に提供される。

上記で示唆されたように、ネブライザー2が特定のユーザに供与されて、ユーザの医療専門家によって処方された任意の適切な薬物とともに使用される場合があり、そして、特定の健康状態を治療するためにネブライザー2内で異なる時に使用すべき2つ以上の薬物がユーザに処方される場合がある。上述したように、ネブライザー2は治療計画(すなわち、噴霧されるべき特定の液体12、及び要求される投与量)を決定でき、また、(計量チャンバ18が交換可能な実施形態においては)その液体12に対して適切な計量チャンバ18が使用されていると決定又は仮定できる。

以下に述べられるように、本発明は、ネブライザー2によって噴霧された液体12が正しい液体12(例えば、治療計画によって指定された液体12)であったことを検証又は確認する方法を提供する。

特に異なる種類の液体は(液体12の特定の特性に応じて)異なる速度で噴霧されることがわかっており、よって、正しい液体の要求量を噴霧するのに要する推定時間を、ネブライザー2内に存在した液体12の要求量を噴霧するのに実際に要した時間と比較することにより、正しい液体が噴霧されたか否かを判定することができる。要した時間と推定時間との差が所定量より大きい場合、ネブライザー2によって誤った液体12が噴霧されたと仮定できる。一部の実施形態では、複数の運転サイクルにわたって液体12の要求量を噴霧するのに要した時間の平均値を用いて比較を行ってもよい。

本発明は、特定の運転サイクル中に投与されるべき量が既知である又は他の方法で制御され、液体12の噴霧速度が粘度、表面張力、温度、及び液体が溶液であるか懸濁液であるか等の液体12の特性に少なくとも部分的に依存するあらゆる種類のネブライザー2に適用可能である。

本発明の特定の一実施形態に係るネブライザー2の動作方法を表すフローチャートが図2に示されている。

ステップ101において、ネブライザー2内で使用される予定の液体12の種類が、1回の動作サイクル中に噴霧されるべき量とともに決定される。上述したように、この情報は、RFIDリーダー36を用いて液体容器24に関連付けられたRFIDタグ40内に記憶された情報を読み取ることにより取得できる。この情報は、ユーザが液体を計量チャンバ18に注入している時又はその前後に読み取られ得る。

更に、又は代わりに、この情報はメモリモジュール30内に記憶されていてもよく、この場合、プロセッサ28はメモリモジュール30から情報を読み取り、この情報をRFIDタグ40から引き出された情報と照合できる。また、このステップは、ネブライザー2内に搭載された計量チャンバ18に関連付けられたRFIDタグ38を読み取り、搭載された計量チャンバ18の量を1回の運転サイクル中に噴霧されるべき量と比較することを含んでもよい。不一致の場合(すなわち、計量チャンバ18が指定された液体12の正しい量を提供しない)、制御ユニット26はディスプレイ32を使用しているユーザにエラーを表示できる。

ステップ103において、液体12の指定量を噴霧するために要する時間又は平均時間が推定される。この推定は、メモリモジュール30及び/又は液体容器24に関連付けられたRFIDタグ40内に記憶された液体12の単位量(あるいは噴霧されるべき実際の量)を噴霧するのに要する時間に関する情報を用いることにより実行され得る。好ましくは、液体の指定量を噴霧するのに要する時間は、液体12を噴霧するためにアクチュエータがアクティブ状態になければならない時間に対応し、運転サイクル中のアクチュエータが非アクティブ状態にある(すなわち、ユーザが息を吐き出している)時間を含まない。ただし、代替的に、所要時間はユーザが息を吐き出すのに費やす時間を計算に含めてもよい。しかし、これはユーザの典型的な呼吸パターンに関する情報が制御ユニット26のメモリモジュール30内に記憶されることを要することが理解されるであろう。ネブライザー2の出力速度(出力レート)はノズルプレートの特定の特性及び現状に応じて変化し得る。前者は製造中にノズルプレート16を較正し、そのノズルプレート16の出力速度をノズルプレートアセンブリの付加的タグ上に記憶することにより決定され得り、後者は複数の異なる治療サイクルにわたって液体12の指定量を噴霧するのに要した時間を評価することにより決定され得る。

ステップ105において、噴霧チャンバ10及び計量チャンバ18内に保持される液体12の指定量を噴霧するためのネブライザー2の運転が開始される。上述したように、プロセッサ28がエアフローセンサ13から受信された情報からユーザが吸入中であると判定すると、プロセッサ28はアクチュエータ14に制御信号を出力し、アクチュエータ14に噴霧チャンバ10内に保持されている液体12を噴霧させる。プロセッサ28がエアフローセンサ13から受信された情報からユーザが吸入を止めたと判定すると、プロセッサ28はアクチュエータ14の動作を停止する。次の吸入が感知されると、プロセッサ28は再びアクチュエータ14を起動する。噴霧チャンバ10及び計量チャンバ18内に保持されている液体12が全て噴霧されるまで、このプロセスが継続する。プロセッサ28は、噴霧チャンバ10が乾燥状態で動作するときに生じるアクチュエータ14の駆動信号の電気的インピーダンスの変化をモニタリングすることにより、これが起きた時点を決定してもよい。

ネブライザー2の動作中、プロセッサ28は、最初の吸入の開始から液体12の指定量の最後が噴霧された時点までの吸入の間にアクチュエータ14がアクティブ状態である時間(すなわち、ユーザが息を吐き出しておりアクチュエータ14が非アクティブ状態にある時間を除く)を記録する。これは、図2においてステップ107として示されている。任意で、プロセッサ28は更に、液体12の指定量を噴霧するのに要した総時間、すなわち、ユーザが息を吐き出している時間を含む、最初の吸入の開始から液体12が全て噴霧された最後の吸入の終わりまでの総時間も記録してもよい。

ネブライザー2の動作が完了すると(すなわち、液体12の指定量が噴霧されると)、ネブライザー2の動作中に液体12を噴霧するのに要した時間の測定値が、ステップ103において推定された時間と比較される(ステップ109)。

この比較は、ネブライザー2によって実際に噴霧された液体12がステップ101において決定された液体であったのか否かの判定を可能にする(ステップ111)。具体的には、要した時間の測定値と推定時間との差が所定の閾値未満である場合、ネブライザー2によって噴霧された液体12が予期されていた液体であったと判定できる。一方、要した時間の測定値と推定時間との差が所定量より大きい場合、ネブライザー2によって噴霧された液体12は予期されていた液体ではなかったと判定できる。

この場合、任意で、次回のネブライザー2の使用時、ネブライザー2に液体を注入する際に液体及び指定量を確認することをユーザに促すよう、ネブライザー2がディスプレイ32上に表示を提供してもよい。更に、又はあるいは、制御ユニット26は、ネブライザー2内に誤った液体12を使用した可能性がある旨を示すメッセージをユーザの医療専門家に供給してもよい。

閾値は、薬剤ごとの平均治療時間における違いを考慮して、モニタリングされる薬剤の特定の種類に基づいて設定され得る。例えば、特定の薬剤の平均治療時間は、この特定の薬剤とともによく処方される他の薬剤の平均治療時間から大きく異なる場合があり、これに応じて閾値を設定できる。これは、例えばコリスチンとD−naseを区別するケースに当てはまり、以下でより詳細に説明される図3に示されるように、両者は特定のネブライザー構成において平均治療時間がそれぞれ56及び40秒であることがわかっている。一部のケースでは、平均治療時間の差がより小さく、これに応じて閾値を設定できる。例えば図3に示されるように、サルブタモール及びD−naseの平均治療時間はそれぞれ43及び40秒である。

しかし、特定の液体12の治療時間はいくらかバラツキを有するため、液体12の要求量を噴霧する平均所要時間を決定するために、よって正しい液体12が使用されているか否かを決定するために、複数の治療サイクルをモニタリングすることが好ましい。したがって、本発明の一部の実施形態では、噴霧されるべき特定の液体及び量に対してステップ101〜107が複数サイクル実行されて、測定時間の平均値が求められる。この場合、平均値が推定時間と比較され、正しい液体が噴霧されたか否かについての判定が下される(ステップ109及び111)。

異なる液体に対する(アクチュエータ14がノズルプレート16を直接振動させる)ネブライザー2のパフォーマンスの違いを表すいくつかの実験結果が図3に示されている。具体的には、3つの異なる薬物、コリスチン、サルブタモール、及びD−naseのそれぞれに関して、ネブライザーのパフォーマンスが21サイクルにわたって評価された。各場合において、0.3mlの液体が噴霧された。図3の表は、各サイクル中にアクチュエータ14がアクティブ状態にあった時間(駆動時間AT:actuating time)、及び各サイクルの開始から終了までにかかった総時間(総時間TT:total time)を示す。AT及びTTそれぞれの平均値が、標準偏差とともに与えられている。

例えば、信頼水準(level of confidence)が95%(p<0.05)において違いが顕著であるとみなすことにより、図3の結果は、コリスチン及びサルブタモール、コリスチン及びD−nase、並びに、サルブタモール及びD−nase間の平均ATが顕著であることを示し、したがって、図2に提示されている方法はネブライザー2が正しい液体12を使用したか否かについての信頼できる指標を提供できるであろう。

当業者は、図2の方法のステップの全てをネブライザー2内で実行できるが、代わりに、一部のステップのみを制御ユニット26により実行し、残りのステップは汎用コンピュータ、スマートフォン、又はサーバにより実行してもよいことを理解するであろう。特定の他の実装形態では、ネブライザー2内のプロセッサ28がステップ101、105、及び107を実行し、情報及び時間測定値を有線又は無線接続(インターネットを含む)を介して他の電子デバイス、例えば汎用コンピュータ、スマートフォン、又はサーバ等に供給して、このデバイスがステップ103、109、及び111に記される動作を実行してもよい。この電子デバイスはユーザの医療専門家に関連付けられてもよく、これは、ユーザによるネブライザー2の使用に関するメッセージ及び情報を医療専門家に提示することを可能にする。

また、上記制御ユニット26及びプロセッサ28の他に、本発明は、制御ユニット26内のプロセッサ28に図2に示されるステップの一部又は全てを実行させるよう構成された、コンピュータ読み取り可能媒体(例えばメモリモジュール30)上で実行されるコンピュータプログラムの形態で提供されてもよい。更に又はあるいは、コンピュータ、スマートフォン、又は他の適切な種類の電子デバイスにステップ107においてネブライザー2によって記録された時間測定値を取得させ、ステップ109及び111内の方法を実行させ、ネブライザー2内に正しい液体が存在していたか否かを判定させるよう構成されたコンピュータプログラムが提供されてもよい。

当業者は、用語「ネブライザー」を用語「薬物伝達(ドラッグデリバリー)装置」又は「噴霧器(アトマイザー)」と同義に使用することができ、また用語「ネブライザー」の使用が、上記及び図中に示された特定の種類のネブライザー以外のネブライザーの形態及び設計を含むよう意図されていることを理解するであろう。

更に、主に薬物投与に使用されるネブライザーに関して本発明を説明してきたが、本発明は他の目的のために液体を噴霧する他のネブライザー又は装置、例えば、加湿器、電気カミソリ、スチームアイロン、又は香水噴射器等にも応用できることが理解されるであろう。

本発明は図面及び上記記載において詳細に図解及び説明されてきたが、かかる図解及び説明は説明的又は例示的であり、制限的ではないと解されるべきである。本発明は開示の実施形態に限定されない。

図面、開示及び添付の特許請求の範囲を分析することにより、当業者は開示の実施形態の変形例を理解及び実施できる。請求項において、用語「含む(又は備える若しくは有する)」は他の要素又はステップを除外せず、要素は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが特許請求の範囲内に列挙される複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単にいくつかの手段が互いに異なる従属請求項内に記載されているからと言って、これらの手段を好適に使用することができないとは限らない。コンピュータプログラムは、光学記憶媒体、又は他のハードウェアとともに又はその一部として与えられる固体媒体等の適切な媒体上に記憶又は上で配布されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介して等、他の形態で配布されてもよい。請求項内のいずれの参照符号も範囲を限定すると解されるべきではない。

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