Automatic and accurate non-contact type open loop fluid preparation

申请号 JP2004320676 申请日 2004-11-04 公开(公告)号 JP2005161307A 公开(公告)日 2005-06-23
申请人 Drummond Scientific Co; ドラモンド・サイエンティフィック・カンパニー; 发明人 DITROLIO NICHOLAS M; CANFIELD ERIC L;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a pipet for automatically preparing a fluid only by an accurate quantity. SOLUTION: The flow of the fluid is measured indirectly using a non-linear system model correlated with the vacuum present in the upper part of the interrupted liquid column in the pipet. The sensing of the flow of the fluid required in the case of a contact type closed loop is eliminated by non-contact type operation and a risk of mutual contamination accompanying it is also eliminated. In one embodiment, the open time of a valve is calculated dynamically on the basis of a non-linear system by the electronic controller in a pistol-shaped wireless self-completion type pipetter case. Calibration is used in order to draw out a constant of a formula and, in order to accurately prepare a programmed desired amount of the fluid, the pressure of the vacuum of the liquid column before the valve is opened is used as an independent variable for drawing out the open time of the valve. By a relatively inexpensive portable pipet or device, repeated preparation can be automatically performed in an accuracy of 1% or above without requiring a mechanistically complicated volume type one. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • ピペットから自動的に液体を調合する方法であって、
    前記ピペットの中に気体が流入するのを制限し、これによりピペットの中の液体柱を実質的に維持するステップと、
    少なくとも、部分的に、(i)前記ピペット内の前記液体柱の高さ、および、(ii)調合されるべき前記液体の所望する量に応じて、タイミングのパラメータを演算するステップと、
    前記タイミングパラメータに応じて前記ピペットの中に入る気体を自動的に制御し、これにより前記ピペットから実質的に所望の量の液体を調合するステップと、を有することを特徴とするピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記の制限が、弁を閉鎖し続けるステップを含み、かつ、前記制御が少なくとも部分的には前記のタイミングパラメータに基づいた時間の間、前記弁を開放するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記演算が、格納された数学モデルにアクセスするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記演算が、さらに前記のタイミングパラメータを計算するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記演算が、さらに、格納された経験値の表から前記タイミングパラメータを参照するステップを含むことを特徴とする請求項3に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記の制御が、ポンプを始動するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • さらに、前記液体柱の上端の負の圧力を測定するステップと、少なくとも部分的には前記測定された負の圧力に基づいて液体柱の高さを確かめるステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • さらに、前記の工程の間、前記ピペットのみが前記液体と接触することを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記の制御が、開ループ制御機構の使用を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記の制御が、フィードバックを使用することなく前記調合を制御することを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • さらに、前記ピペットを手持ち式の取り付け具から取り外すステップと、前記ピペットを使用後に廃棄するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • さらに、繰り返し所望の量を調合するために、前記演算と制御とを繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 前記の繰り返しは、ユーザの始動に応じて行なわれることを特徴とする請求項12に記載のピペットから自動的に液体を調合する方法。
  • 非接触型の開ループ自動流動体調合方法であって、
    貯蔵容器から調合すべき流動体の量をプログラムするステップと、
    時間パラメータを生成するために数学モデルを使用するステップと、
    少なくとも部分的には前記時間パラメータに基づいて、前記流動体の調合を制御するステップとを有し、
    貯蔵容器内の異なる液体柱の高さに渡って前記所望の量を正確に調合することを特徴とする非接触型の開ループ自動流動体調合方法。
  • 流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法であって、
    調合すべき所望の流動体の量を電子制御器にプログラムするステップと、
    前記流動体の容器と関連する圧力を測定するステップと、
    前記測定した圧力と前記のプログラムされた所望の量とから、少なくとも1つの開ループの制御出力パラメータを引き出すステップと、
    前記の引き出された開ループ制御パラメータに応じた信号を、前記流動体貯蔵容器に連結した少なくとも1つの流動体流動制御部材に適用するステップとを有し、
    前記の適用により、実質的に所望の流動体量が自動的に調合されることを特徴とする流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • 前記容器がピペットを有することを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • 前記流動制御部材が電気弁を含み、前記制御出力パラメータが前記弁の開放時間を有することを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • さらに、電気ポンプに電力供給するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • 前記容器が液体柱を一時的に停止し、前記測定が、停止した流動体柱の上端の真空を測定するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • さらに、前記貯蔵容器を少なくとも部分的に再び流動体で充填する制御出力を発するステップを有することを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • 前記の開ループの制御出力パラメータを引き出すステップが、少なくとも1つの非線形式を計算するステップを含むことを特徴とする前記請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • さらに、参照テーブルを含むことを特徴とする請求項15に記載の流動体の容器から流動体を自動的に調合する方法。
  • 貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステムであって、
    調合すべき流動体の所望の量に関連するパラメータを格納する格納媒体と、
    前記貯蔵容器に関連する圧力を測定する圧力トランスデューサと、
    前記貯蔵容器に連結される少なくとも1つの流動体流動制御部材と、
    前記格納媒体に連結されたプロセッサとを有し、前記プロセッサが、前記測定した圧力と前記格納した量のパラメータとから少なくとも1つの開ループ制御出力を引き出し、前記の調合されるべき所望の流動対の量を実質的に制御するために、前記引き出された開ループ制御パラメータに応じた開ループ制御信号を、前記流動体の流動制御部材に適用することを特徴とする貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • 前記貯蔵容器がピペットを有することを特徴とする請求項23に記載の貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • 前記流動制御部材が、電気弁を含むことを特徴とする請求項23に記載の貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • 前記流動制御部材が、電気ポンプを含むことを特徴とする請求項23に記載の貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • 前記トランスデューサが、停止した流動体柱の上端の真空を測定することを特徴とする請求項23に記載の貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • さらに、前記貯蔵容器を少なくとも部分的に流動体で再び充填する制御信号を発する手段を含むことを特徴とする請求項23に記載の貯蔵容器から自動的に流動体の量を調合するシステム。
  • 実験室のピペットと共に使用される電子手持ち式の流動体調合システムであって、
    1つの手で持つことができるケースと、
    部分的には前記ケースの内部に置かれる連結器であって、前記ピペットに取り外し可能に接続されている連結器と、
    圧力および/または真空源と、
    前記圧力および/または真空源と前記連結器との間で空気圧縮的に連結される弁と、
    前記連結器と空気圧縮的に連結される少なくとも1つの圧力トランスデューサであって、少なくとも1つの出力を生成する圧力トランスデューサと 少なくとも前記の弁を制御するために電気的に連結され、かつ、前記圧力トランスデューサとも電気的に連結される電子制御器であって、この電子制御器が、前記圧力トランスデューサの出力から引き出される弁制御パラメータに従って、前記弁を制御するために開ループモードで作動し、前記システムが自動的に繰り返して実質的に所定の量の液体を前記ピペットから調合するように、前記弁制御パラメータが、前記弁を制御することを特徴とする電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記圧力および/または真空源が、電気エアポンプを有することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記圧力および/または真空源が大気圧源を有することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記圧力および/または真空源が加圧気体源を有することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記圧力および/または真空源が、吸引と正の圧力とを選択的に生成する可逆性電気ポンプを有し、前記ピペットに流動体を引き入れる吸引を行なうように前記ポンプを選択的に制御するように電子制御器が連結されることを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記手持ち式のケースがピストル形状であることを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記電子制御器が、非線形数学モデルに基づいて、動的に前記弁制御パラメータを計算することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記電子制御器が、測定された圧力に基づいて前記弁制御パラメータを確かめるために、参照テーブルを使用することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • さらに、前記圧力および/または真空源と前記弁との間の圧力を測定するさらなる圧力トランスデューサを含み、前記圧力および/または真空源の出力圧力の変動を補正するために、前記電子制御器が、前記圧力および/または真空源を制御する前記第2の圧力トランスデューサに応答することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記連結器が、異なるサイズのピペットを受容するために適合されることを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • さらに、前記ケース上に設けられ、前期電子制御器に連結されるグラフィック表示を含むことを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • さらに、エンドユーザが前記所望の量をプログラムできる手段を含むことを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記手段が、前記ケースに設けられた第1および第2の押しボタンを有し、前記第1および第2の押しボタンが、1つの動作モードでは、前記所望の量をプログラムするために使用され、さらなる動作モードでは、吸引および調合速度を制御するために使用されることを特徴とする請求項40に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • ユーザが前記システムの操作をして、前記電子制御器が前記所望の量を学習できるようにするために、前記手段が、前記電子制御器により実行されるソフトウェアを有することを特徴とする請求項40に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記システムが、1%より良い調合精度を反復して得ることができることを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記液体制御部材が、オン/オフオリフィス(orifice)を有する電子弁を有し、前記制御パラメータが前記弁オリフィスの開放時間を制御することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記流動体制御部材が、可変オリフィスを有する弁を有し、前記制御パラメータが前記オリフィスの開放量を制御することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記ピペットから液体が望まないのに漏れるのを減らすために、前記電子制御器が、前記圧力および/または真空源を制御することを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記電子制御器が、ピペットの垂直からの角度のずれの指標を引き出すことを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 前記電子制御器が、異なる液体の粘度に対して補正を行なうことを特徴とする請求項29に記載の電子手持ち式の流動体調合システム。
  • 说明书全文

    本技術は、流動体の調合に関し、特に、細い管あるいはピペットから液体を調合することに関する。 より特定的には、本技術は、比較的安価で、携帯可能な手持ち式のピストル形状あるいは他の形のピペットを使って、流動体を正確な量(一定分量(aliquots))分だけ自動的に調合するための、非接触型の開ループ型自動調合に関する。

    発明の詳細な説明

    [背景技術と要約]
    生命科学研究は、現代の科学探求の分野において、非常に重要な領域となっている。 この研究は、多くの重点領域の中で数例を挙げただけでも、例えば、新薬の発見、DNAおよびその他の遺伝物質の研究および塩基配列決定、および疾病診断目的での組織培養などに使用される。

    これらの実験室の実験室員は、しばしば、比較的少量の流動体を正確にかつ安全に処理し、調合せねばならない。 例えば、実験技術者は、比較的多くの異なる容器(例えば、小さい培養管、試験管、微量遠心機管など)に、細胞培地の溶液を正確な分量だけ分配して準備することがある。 技術者は、しばしば、複数の受け皿中の多くの数の容器にそれらの準備した溶液を正確な量だけ調合する必要性に迫られる。 図1を参照されたい。 正確な生成物を提供するために、液体は、比較的正確で一貫した量(例えば、5%を上回る正確さで)で調合されねばならない。

    比較的少量の液体を調合する共通の方法は、ピペットと呼ばれる細いガラスあるいはプラスチック管を使用することである。 我々のほとんどが、一度ならず、ストローを使って液体を調合した経験がある。 ストローを液体のグラスに入れて、その液体が部分的にストローを満たしたことを考えてほしい。 手の指でストローの上の開いた端を密閉すれば、ストローを液体のグラスから離しつつ、ストロー中に液体を保持することができる。 液体をストローの下方向に引く重により液体柱の上の部分に真空状態が作られるので、液体柱がストローの中に残る。 外の大気圧が、液体をストローに残すためにストローの開いた下端で液体を押す。 指を離してストローの上の端を開けば、真空がストローの上端に入ってきた大気圧で満たされ、液体は、即座にストローの下端から出ていく。

    もちろん、実験室の研究者は、一般的に、液体を処理し調合する際にストローは使用しないが、原理的には非常に似た物、細い使い捨てのガラスあるいはプラスチック管ピペットを使用する。 このようなピペットは、例えば、5ml、10ml、20mlおよび50mlなど様々な標準サイズのものがある。 典型的には、ピペットには目盛りがついており、実験室の研究者が、管の中の調合される液体のレベルを読むことができる。

    数十年前までは、実験室の研究者は、ピペットの上端を口で吸って、管の中に液体柱を吸う、あるいは、「吸引」するのが一般的であった。 これにより、引き出される元の容器の中の液体より上にピペットの中の液体レベルを上げることができた。 しかし、このやり方は、比較的時間がかかり、調合される流動体が人体に有害である場合には、危険でありえた。 さらに、口で吸うことは、ゲノムの塩基配列決定や組織培養などに必要とされる殺菌環境あるいは厳格な手順においては実施できない。 これにより、数十年前のある時点で、多くの会社で、共通の使い捨てあるいは非使い捨てのピペットを受容する「ピペッタ」という手持ち式の機器を開発し始めた。 液体を引き上げかつ排出するために、この機器では、電動で吸い上げ、ピペットの開いた上端に正の圧力が供給された、この開発における先駆的存在は、ペンシルバニア州ブルームアール在のドラモント・サイエンティフィック株式会社(Drummond Scientific Co.)で、この特許の所有者である。 ドラモントの先駆的な開発努力は、例えば、米国特許3,834,240号、米国特許3,963,061号、米国特許4,461,328号、米国特許4,624,147号、米国特許5,104,625号、米国特許5、214,968号、米国特許5,294,405号、米国特許5,616,871号および米国特許5,090、255号などの発行済米国特許に見られる。

    ドラモント・サイエンティフィックのピペッタ関連商品は、市場で大きな成功を収め、ドラモントをピペッタ分野における先駆者に押し上げた。 例えば、ドラモントは、実用的な、経済的な手持ち式のピストル形状の携帯ピペット機器を、第1番目ではないかもしれないが初めに開発した一社であり、この機器により、実験室の技術者あるいは他のユーザが、可変ストローク(variable-stroke)押しボタンを押すことにより、ピペットの上端に適用される吸引量を変えることができるようになった。 この種の機器を使用して液体を調合するために、ユーザは、ピペットをピストル形状の取っ手に装着し、ピペットの下端を調合される液に浸せばよい。 人差し指で上ボタンを押せば、ピペッタは吸引を行い、液体をピペット管の中に引き入れる。 この電動吸引により、ピペットは、元の液体が入っていた液体貯蔵容器のレベルより高いレベルまで液体を引き上げることができる。 所望の液体柱の高さが得られたら、ユーザは、ピペット管の上端を密閉するために上ボタンから手を離し、これによって、管の中の液体柱のレベルが保たれる。 その後、ユーザは、ピペットを元の液体の貯蔵容器から引き上げ、液体を調合する容器の中あるいはその上に置く。

    ユーザは、下ボタンを押して、ピペット管についている目盛りに対して液体の高さが下がっているのを見ながら、液体を調合する。 ユーザは、希望の量が調合されたら、下ボタンを離す。 ユーザは、ピペット管内のほとんどあるいはすべての液体が調合されるまで、次の「一定量」を他の容器に調合することがありうる。 この全工程は、複数回繰り返されうる。 電動調合により、調合の回数が減り、流動体を、液体がこれから調合される容器に既にある内容物と混合するのに役立つこともありうる。

    ドラモントが過去に販売した機器では、上下ボタンが、可変絞りを有する針あるいはその他の弁と連結されている。 これにより、ユーザは、上下ボタン夫々に加える圧力の量を変えることによって、吸引あるいは調合の速度を制御することができる。 軽くボタンに触れることにより、ゆっくりと吸引あるいは調合することができ、より強く押すことにより、流動体がピペット管より引き上げられるあるいは調合される速度を速くすることができる。 ユーザが、容器内で、溶液を攪拌し混合して調合したい場合もありうる。 ユーザが、ほぼ正確な量を調合することに非常に関心があり、ピペット管上に見える目盛りに対する液体の高さをより注意深く見ながらゆっくり調合する場合もある。

    上述のドラモントの製品は、長年に渡って実験室環境において非常に良く働き、それにより非常に成功を収めていた。 しかし、多数回に渡って、複数の容器に、ほぼ一定分量の流動体を、簡単に、手間をかけずに正確に調合することが望まれる場合もある。 業界では、標準的な実験室のピペットと連結可能であり、かつ、正確にプログラムでき、正確な量の流動体を繰り返し調合することができる比較的安価な、手持ち式あるいはその他の方式の調合器具が、長い間必要とされ、かつ、その必要性が解決されていなかった。

    1990年代初頭、ドラモント・サイエンティフィックは、この問題に取り組み、精密なシリンジとピストンとに基づく自動ピペッタを開発した。 米国特許5,090,255号を参照されたい。 マイクロコントローラがモータを作動し、モータがねじ込み軸を介してピストンに機械的に連結されていた。 ピストンをシリンジから正確な分量分抜くことによって、ピペットの中に液体を引き込むよう吸い込みが行なわれた。 ピストンを正確な分量分シリンジに入れることにより、対応するピペットから調合されるべき流動体の正確な量を作ることができた。 ピストンが動く量により、正確に、「吸引」されるあるいは調合される液体の量を、制御した。 この設計は、高度な正確さと精密さとでの、プログラム可能な液体量の自動での反復調合という点で、かなり成功であった。 しかし、比較的高いコストと、容積式のシリンジおよびプランジャ配置における複雑さが欠点であった。 容積式機器は、しばしば、調合速度が遅く、全体の液体柱の量が、プランジャが動く量に限られてしまうという問題がある。 これは、手持ち式の機器は、一般的にその携帯性のために制限があるということを意味する。 これにより、より安価で、より携帯性があり、すべてが電子設計で、これらの制限がない自動調合機能を提供することが極めて望ましい。

    より改良を重ねた自動調合設計を提供する上での1つの挑戦は、高精度の調合における必須条件である、いわゆる「非接触型」の開ループシステムの状況においてコンピュータ制御が考慮する必要のある変数の数に関する。 当初、例えば、従来の閉ループ制御システムの環境において、調合される液体の量を正確に測定するために液体流動センサーを使うことは比較的容易であると考えるかもしれない。 しかし、多くの実験室の手順では、使い捨てのあるいは非使い捨ての滅菌ピペット以外は、調合器具のどの部分も、調合される流動体と接触してはならないということを思い出さねばならない。 それゆえに、多くの状況において、流動体の流動量を監視するために調合される流動体と接触する流動センサーを使用することは、望ましくない、あるいは、不可能である。

    我々は、プログラム可能な流動体の量を、高精度で、反復してかつ自動的に調合するための比較的単純で安価なピペッタあるいは他の流動体調合器具を制御する方法を発見した。 我々の技術の代表的な一実施形態は、取り外し可能なピペット管を含む調合器具の空気圧縮システムを非線形モデルを使って数学的にモデリングすることである。 ピペットとピペッタシステムとをモデリングしうる様々な方法が存在する。 特に限定されるものではない特に限定されるものではないが、代表的な一実施形態においては、特定の一貫した液体柱の高さまで吸引し、固定時間分だけ調合をする。 このような、非線形数学モデルにより、安価な手持ち式のピストル形状あるいは他の形状のピペッタあるいは他の調合システムにおいて、例えば比較的安価なマイクロプロセッサのような演算部材を使用して、正確に弁の絞りおよび/またはポンプ力を制御して、比較的高い精度での調合量を達成することができる。

    特に限定されるものではない代表的な我々の取り組みに関する実施例の有用性は、特に限定されるものではないが、例えば、以下を含む。
    ・容積式のシリンジピストンの配置および/または高価で複雑な蠕動式あるいは他の方式のポンプの必要性を回避・高精度の数学的および物理的非線形システムのモデリング・開ループシステム−閉ループ制御の必要性を回避・比較的軽量・安価で頑丈な設計・単純で信頼性のおける機構・操作しやすさ、直感的な操作・一定分量を、高精度で、反復して、自動で調合・比較的静かな作動・例えば、異なる度での調合、異なるピペット直径、ポンプモータ効率の変更、異なる流動体粘度などを含む多様な因子を変更可能・もれを防止あるいは排除・自動調合中に、ユーザはピペット管の目盛りに常に注意を払う必要がない・電子制御器/実質的にすべて電子設計・調合量がプログラム可能・電子弁および圧力センサー・非接触/流動センサーオリフィス(orifice)なし・圧力および真空作動・手持ち式(例えば、ピストル形状)
    ・制御可能な自動調合速度および量・異なるサイズのピペットに対応可能な実施形態あり・高精度(例えば、1%以上)
    ・高い反復性・相対的作動・電源内蔵式・直感的なグラフィック表示および関連するユーザインタフェース・羽板式の電子ポンプを有する実施形態あり・可逆性のオリフィス弁を有する実施形態あり・可逆性のポンプモータを有する実施形態あり・複数の圧力センサーを有する実施形態あり・参照テーブルを有する実施形態あり・圧力センサーを持たない実施形態あり・大容量の一定分量を調合するために、高速で複数回、液体を調合する・遮断されたフィルター検出器・調合の速度と効率とを実質的に上げ、実験室の費用と時間とを削減・非常に小さい一定分量を正確に調合するために大きい体積のピペットを使用し、吸引を少なくし、必要とされるおよび/または変更されるピペットの数を減らす・予め設定された高さまでの自動吸引・ピペットの先端が液体に浸された際に自動的に吸引・参照テーブルあるいは式に基づく調合・すべてのピペットのサイズに対して単一の較正・調合の精度に悪影響を及ぼすことなく、100ml以上を含むいずれの体積のピペットも利用可能 特に限定されるものではない特に限定されるものではないが、代表的な一実施形態においては、基線を確立するために圧力較正技術が使用される。 代表的な一実施形態においては、2つの液体柱の高さにおける圧力が読まれる。 1つは、ピペットの最上部近くの所定の液体柱の高さであり、もう1つは、ピペットの底部近くの所定の液体柱の高さである。 これらの圧力の読み取りは、弁の開き時間および/または所望の液体量を調合するためのポンプ力を求める数式の定数を計算するため使用される。 実際に調合を行なっている間、液体柱の圧力は、継続的に監視され、対応する弁および/またはポンプ制御パラメータを計算あるいは参照するために使用される。 1%以上の精度が得られた。
    [特に限定されるものではない代表的な実施形態の詳細な説明]
    図1は、手持ち式の電子ピペッタ50の特に限定されるものではない代表的な実施形態を示す。 この代表的な実施形態における特に限定されるものではないピペッタ50の例は、自己完結型で、手持ち式で、軽量で、相対的に安価でかつ容易に使用できる機器であり、ユーザUは、簡単に、迅速に、自動的にかつ非常に高い精度で、液体あるいは他の流動体を、繰り返して調合することができる。 図1に示すように、実験研究員あるいは技術者などのユーザUは、まず、従来のあるいは非従来のピペットPを、取り外し可能な形で、ピペッタ50に装着する。 この代表的な実施形態においては、ピペットPは、例えば、多くの実験室用の生産財卸売商から入手可能な型の標準的な従来の規格品のピペッタを有しうる。 このようなピペットPは、例えば、ガラスあるいはプラスチックよりなり、使い捨てのものであったり、非使い捨てのものであったりすることができる。 外側表面には、目盛りが印刷されているかもしれないし、印刷されていないかもしれない。 長さ、直径、液体の使用量が異なる標準実験室用ピペットがある。 特に限定されるものではない代表的なピペッタ50の一実施形態は、様々な異なる標準容量ピペットPを受容することができる。

    ピペットPをピペッタ50に装着した後で、ユーザUはピストル形状の取っ手102を握り、調合されるべき流動体Fの容器Rにピペットの下部を挿入する。 その後、ユーザUは、「引き金を引く(人差し)」指で、上ボタン106を押し、ピペッタ50が容器RからピペットPへ流動体Fを引き入れるように指令する。 ユーザUは、ここで、上ボタン106を離して、ピペットPを容器Rから上げることができる。 両方のボタン106・108を指から離すことによって、ピペッタ50は流動体FをピペットPの中に留めるためにピペットPの開いた端を密閉する。

    ここで、ユーザUは、ピペットPの最下端を、流動体Fが所望の量だけ調合される別の容器R1の上に置くことができる。 好適な代表的な実施形態においては、ユーザは、ピペッタ50に所望の量(例えば、5.2ml)をプログラムすることができる。 ユーザUが、人差し指で下ボタン108を押すと、ピペッタ50が自動的に、実質的にプログラムされた量を容器R1に調合する。 ユーザUは、他の複数の容器R2、R3などの夫々に、プログラムされた実質的に同じ量を正確に調合するために、繰り返し、下ボタン108を押すかもしれない。 特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、ピペットP内に不十分な量の流動体Fが残っていたら、ピペッタ50は、自動的にユーザUに対して、ピペッタが再充填されるべきであると知らせる。 ユーザUは、ここで、ピペッタPをもとの容器Rに戻し、調合されるべきさらなる量の流動体Fを引き入れるかもしれない。 この工程は、所望の容器すべてが、所望の量の流動体を受容するまで、繰り返し行なわれる。

    ここで開示した特に限定されるものではない特に限定されるものではない代表的な実施形態のピペッタ50を使用することにより、ユーザは、調合工程において、ピペットPの目盛りに注意を払う必要はない。 (実際、このような目盛りが存在する必要さえない実施形態もある。)むしろ、ユーザUが、下ボタン108を押す度に、機器50は自動的に、信頼性を持って、プログラムされた所望の量を調合する。 この自動作動により、調合速度を劇的に上げるのみならず、手間を減らし、正確な調合に必要な技術レベルも下げる。 特に限定されるものではない代表的な実施形態のピペッタ50がプログラムされた量を一貫して正確に調合するので、より低いレベルの実験室員が実験を行ったとしても、実験結果はより信頼性が高くなる。 これは、患者の診断が正確な実験結果に依存する、あるいは、基礎研究がより精度が低い実験作業により疑問視されうる医療および基礎研究の分野においては、特に重要になる可能性がある。
    [特に限定されるものではない代表的な一実施形態のシステム設計]
    図2は、特に限定されるものではない代表的な流動体の調合システム50の一実施形態の概念図である。 システム50は、使い捨てのあるいは非使い捨ての従来のピペット54あるいはその他の従来の流動体調合管を取り外し可能に装着する連結器52を含む。 連結器52は、例えば、血清学的な用途あるいは他の実験室用途に使用される標準の25ml、50mlあるいはその他の容量のガラスあるいはプラスチックピペット、マイクロピペットあるいはその他の所望する調合管を含む様々な従来のあるいは非従来のピペット54のいずれとも適合できるように設計されうる。 ある代表的な実施形態においては、連結器52と流動体接触可能な(およびその一部でありうる)フィルター56により、流動体がピペット54に入り込んできて、システム50の残りの部分に到達しないようにされる。 ユーザが流動体をピペットに引き込み過ぎた場合には、流動体は、フィルター56により遮断される。 このフィルターは、滅菌状態を保ち、相互汚染を除外するように取り除き可能で代替可能である。 ピペッタで使用されるフィルターは、例えば、フィルターが湿度を持った場合には空気を完全に遮断する親水性フィルターでありうる。 (これによって、確実に、空気圧縮システムが傷ついたり、汚れたりしないようにする。)現行のシステムは、フィルターが傷ついた場合には、以下のように検出することができる。 (1)弁が閉鎖され、ポンプが活性化され、ポンプ側のセンサーが読み取られる。 (2)弁が開かれ、センサーが「x」ミリ秒毎に継続的に読み取りを行なう。 (3)圧力デルタが測定されない場合には、フィルターが液体との接触により傷つけられ、それにより空気の流動が妨げられたと決定する。

    ポンプ58は、弁60を介して連結器52と空気圧縮接続されている。 プラスチック成型されたあるいはその他の方式の通路62・64はポンプ58を弁60と流動体連結し、弁60を連結器52と流動体連結する。 従来の設計の電子圧力センサー66が、ポンプ58と弁60との間の通路62内の圧力を監視し、第2の電子圧力センサー68が、弁60と連結器52との間の通路64内の圧力を監視する。 圧力センサー66は、ポンプの出力圧力を監視するので、この明細書において時々「ポンプ側の」圧力センサーと呼ばれ、圧力センサー68は、ピペットP内の液体柱の上端の圧力を監視するので、時々「ピペット側」の圧力センサーと呼ばれる。 実施形態によっては、1つの変換器のみしか使用されないあるいは必要とされないかもしれない。

    特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、圧力センサー66・68は、例えば従来のマイクロプロセッサなどのコンピュータ70に送る出力を生成する。 コンピュータ70自身も、それ自体であるいは他の関連する駆動回路の支援を受けて、ポンプ58を駆動するポンプ駆動信号と、弁60を駆動する弁駆動信号VDを生成する。 図2に示すように、ブロック72を介してコンピュータ70は、ユーザからの入力を受け、ユーザへの出力を生成する。 この実施形態においては、コンピュータ70は、ボタン106・108が押されたのに応じて、またポンプ側のセンサー66とピペット側のセンサー68との測定圧力に応じて、ソフトウェア制御の元で、適切なパルス幅変調出力をポンプ制御59(図4)および弁60に対して生成する。 コンピュータ70は、システム50のモデルを定義する格納された定数を有する作動式と共にファームウェアでソフトウェアルーチンを格納している。 特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、コンピュータ70は、内部の書き込み可能な非揮発性メモリを含み、これが、多様なピペットの形状や直径に対する較正データを格納するために使用される。 ユーザが実地でプログラム可能なように装置を設計した。 これは、USBタイプのインターフェースを有する標準PCを有する。 ユーザはドラモントのウェブサイトにおいて、新版、より詳しい問題解決方法、較正ルーチンなどを購入および/あるいはアクセスすることができる。

    図2に示された特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、ピペット54の中へ入るあるいはこれから出る流動体の流動速度を直接測定することなく、正確で精密な調合が行なわれる。 より詳しく述べると、コンピュータ70は、圧力を測定することにより間接的に流動体の流れを確認する。 これは、様々な時点で流動体柱Fの上端の圧力(真空)Pを読み取り、制御出力を計算するためにコンピュータの中に格納された経験的データとパラメータと共にこの測定された圧力情報を使用する。

    特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、この制御出力は、弁60の開きを制御するために使われる時間値Tを有する。 弁60の開く時間を制御するのに加えてあるいはそれに代えて、コンピュータ70が弁の開口絞りおよび/またはポンプ58の力および/またはポンプの方向を制御することができる、特に限定されるものではない代表的な実施形態もある。 ポンプ58が固定の揚水量を有する従来の継続エアポンプである、特に限定されるものではない代表的な実施形態もあるし、ポンプの速度をコンピュータ70によって制御することができる羽根板式あるいは他の様式の速度可変型ポンプである、特に限定されるものではない代表的な実施形態もある。 ポンプ58が、(例えば、加圧二酸化炭素カートリッジなどの)加圧気体のタンクあるいはその他の貯蔵容器に置き換えられうるあるいはそれで補われうる実施形態もある。 弁60が、開閉がデジタルでオンオフされる弁である、特に限定されるものではない代表的な実施形態もあるし、コンピュータ70が可変信号を弁に供給することにより制御可能な可変絞り開口を持つ弁を有する、特に限定されるものではない代表的な実施形態もある。 ポンプ側の圧力センサー66がない、特に限定されるものではない代表的な実施形態もあり、このような場合には、コンピュータ70は、1つのみの圧力センサーに依存するか、あるいは、圧力センサーがないのでこれには依存しない 図3は、図2の特に限定されるものではない代表的な手持ち式の調合システム50の実施形態の断面図である。 図3に示された手持ち式のピストル形状の実施例は、1つの例にすぎず、据付型、卓上型、組み込み型、ピストル以外の形状などを含むその他の多くの実施形態が可能である。 図3で示した特に限定されるものではない代表的な実施形態では、ピストル形状のケース100が、取っ手部分102と主要ケース部分104とを含む。 上ボタン106と下ボタン108とが、取っ手部分102の内部の一部分に配置されている。 ユーザは、上ボタン106を押して、ピペット54内に液体を吸引し、下ボタン108を押して、ピペットから液体を調合する。 ここに示された代表的な実施形態では、ボタン106・108は、ホール効果磁石型あるいは他のセンサーと連結した可変移動式押しボタン(variable-travel pushbutton)であり、ユーザは、吸引および調合速度を可変的に制御できる。

    主要ケース部分104の端部分110には、従来の連結構成112が設けられ、ピペット54の開いた端部を受容し、保持する構成になっている。 従来の設計によれば、ユーザは、使い捨てのピペットを連結器52に連結し、ある量の液体を調合し、すべての液体が調合されたら、使い捨てのピペットを取り外し、廃棄する。 そして、異なる液体を調合するために、新しい滅菌済みの使い捨てピペットを使用する。 実験室によっては、ガラスあるいは他の材料からなるより高精度のピペットを使用し、使用後に毎回洗浄し滅菌することもありうる。 半永久的あるいは永久的に1つのピペットあるいは他の調合管をシステム50に連結するのが望ましく、ここで示された構成における連結器52が必要ではないという実施形態もある。 ピペット54が連結器52に連結されたかどうかを検出し、その情報をコンピュータ70に送り返すスイッチ112が使用される代表的な実施例もある。

    ここで示された例においては、コンピュータ70は、主要ケース部分104の内部でプリント回路基板114に搭載される。 コンデンサ、抵抗器などの他の部品も、プリント回路基板114に置くことができる。 ポンプ58は、それ自体プリント回路基板114上に置かれた適切な従来のモータ駆動回路を介して、電気的にコンピュータ70に接続される。 ここで示す特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、圧力センサー66・68も、プリント回路基板114上に配置されることが望ましい。 図3で示される実施例は、完全に自己完結型であり得、(例えば、図示されてはいないが、ケース取っ手部分102の内部に配置されうる充電可能なあるいは充電不可能な乾電池を含む)、あるいは、システム50は、外付けの電源および/またはその他の外付けの部品によって作動されうる。 しかし、特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、軽量で、自己完結型で、携帯できおよび無線で作動することができる。

    図4は、特に限定されるものではない代表的な一実施形態のより詳しい概念図であり、ここで、メインマイクロプロセッサ70は、数学コプロセッサ70aとグラフィック表示システムコプロセッサ70b(graphical display system coprocessor)とに連結されている。 数学コプロセッサ70aは、実時間で効率的に数学演算を行い、グラフィック表示システムコプロセッサ70bは、単数あるいは複数のスイッチ72dの押圧と連携する、液晶表示などのグラフィック表示ユニットにおいて見る像を生成するためのグラフィック処理を行なう。 メインマイクロプロセッサ70は、ポンプ制御ユニット59を介してポンプ58を制御する。 ポンプ制御ユニット59は、例えば、約1kHzのパルス切替変調制御信号をメインマイクロプロセッサ70から受け取るパルス幅変調モータ制御器を有する。 弁60は、図示されていない電界効果トランジスタあるいは他の電子スイッチを介してメインマイクロプロセッサ70により制御されうる。 代表的な実施例においては、ポンプ側の圧力センサー66とピペット側の圧力センサー68とは、夫々、アナログ出力を生成する従来の圧力差分センサーを有する。 ここで、センサー出力範囲のほぼ中心が大気圧を示し、例えば、出力の増加を圧力の減少で示し、出力の減少を圧力の増加で示す。 ある代表的な実施例においては、圧力センサー66・68は、0ないし5ボルトの直流電圧出力を生成するが、ここでは、2.5ボルト出力の直流電圧は大気圧を示す。 この代表的な実施形態におけるメインマイクロプロセッサ70は、従来のアナログデジタル変換器を含み、これは、格納および走査の目的で、圧力トランスデューサの出力信号をデジタルビット値に変換する。 この代表的な実施形態においては、圧力トランスデューサ66・68の1つから出る出力が、2.5ボルト直流電圧より大きい場合は、真空を示し、2.5ボルト直流電圧未満の場合には、大気圧に相対して正の圧力を意味する。
    [特に限定されるものではない代表的なソフトウェアアーキテクチャの実施形態]
    図5は、特に限定されるものではない代表的な実施形態のマイクロプロセッサ70により実行されるメインルーチンの実施形態のフローチャートである。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、ユニットの開始時(ブロック302)に、メインマイクロプロセッサが、レジスタを初期化し、変数を定義し、格納された較正値と、格納されたデフォルトの較正値と、デフォルトの変数とを読み取り、その他の管理的な機能を実行する(ブロック304)。 例えば、特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、メインマイクロプロセッサ70は、アナログ入力読み取りのためにポートAを初期化し、出力のためにポートCを初期化し、他の入力のためにポートDを初期化し、パルス幅変調タイマーをオンするのに加えて、パルス幅変調(PWM)レジスタも設定する。 メインマイクロプロセッサは、EPROM(electrically programmable read-only memory :電気的プログラム可能読み取り専用メモリ)あるいはその他の非揮発性記憶装置から、格納された較正値および変数のデータを読むかもしれない。

    特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、この後、メインマイクロプロセッサ70は、グラフィック表示システムコプロセッサ70bを制御し、ユーザにより選択可能な動作モードのメインメニューを表示する(ブロック306)。 動作モードは、例えば、以下を含み得る。
    ・ユーザ制御モード・プログラムモード・自動モード・較正・ピペットサイズの選択・診断モード・その他 これらの動作モードは代表的なもののみである。 例えば、調合システム50を噴射ガンのように作動させる「吹き出し」モード、あるいは、攪拌器として使用するために調合動作を速く脈動させ得る「ウォーターピック」式モードなどのこれ以外の追加的なモードもありうる。 上述のモードより少ないモードあるいは異なるモードを有する実施形態もありうる。 例えば、特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、診断モード318とは、ただ、ソフトウェアのファームウェアのバージョンを示すだけでありうる。 より複雑な機能が、必要に応じて呼び出されうる実施形態もある。

    この代表的な実施形態においては、モード選択は、追加的な複雑な入力制御を必要とすることなく、液晶表示のような小型の表示上に表示されうる、単純で理解しやすいグラフィックユーザインタフェースの使用を介して行なわれる。 例えば、表示72dは、表示の上端で、もしスイッチが押されたら、そのメニュー項目が実行されることを示す矢印と共に、メニュー項目を表示することができる。 上ボタン106と下ボタン108とが押されれば、メニュー項目がその方向へスクロールし、このように、調合で使用されるボタンと同じボタンが、メニューナビゲーションにも使用されうる。 (代表的な一実施形態においては、ユーザが液晶表示72dそのものを押すことにより、メニューオプションが選択され、スイッチを閉じる。)メインマイクロプロセッサ70は、ボタン106・108の状態と、液晶表示72dの一部でありうる追加的な選択スイッチの状態とを読み取る。 もし上ボタン106あるいは下ボタン108が閾値に達すれば、メインマイクロプロセッサは、ボタンにより示される上あるいは下方向へメニューをスクロールする。 スイッチが押されれば、メインマイクロプロセッサはメニュー項目の位置およびソフトウェアに飛ぶ。 メニュー項目の上下のスクロールに、メニューは従う。 最後のメニュー項目が一番上に来れば、最初のメニュー項目がスクロールして戻され、最後のメニュー項目の次に一番上に戻ってくる。 これは、スイッチが押されるまで続けられる。 この代表的な実施形態においては、メニューは、上下ボタンが一度押される度に、一回スクロールする。 システム50は、指がボタンから離れるまで待ち、離れたら、示されたタスクを実行する。 システムは、この代表的な実施形態においては、ボタンを押すごとにスクロールする。

    特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、ユーザ制御モード308が設けられる。 この動作モードにおいては、調合システム50は、ボタン106・108をユーザが押すのに応じて、直接吸引あるいは調合を行なう。 マイクロプロセッサ70は、これらのボタンの押圧に応じて、自動的にソフトウェアによって制御された機能を実行する。 「ユーザ制御モード」はボタンにより動作するのだが、「ユーザ制御モード」がコンピュータによって容易にされたマニュアルモードではなく、実際現行のマニュアルで行なうシステムでは真似できない著しく強化した機能であることを示す明らかな特徴がある。 真にマニュアルで操作された吸引モードのピペッタは、液体レベルが下がることを許さず、レベルはそのままであるか上昇する。 逆に、調合モードである場合、液体は、下降するのみである。 流動が、弁の絞りに依存する場合には、そのモードを電子的に真似することは非常に単純で容易である。 しかし、弁の絞りが固定され、流動がポンプに依存する場合には、電子制御を使用して、精度の面でユーザの能力を非常に強化する可能性が存在する。 特に、弁のどちらかの側の圧力が確認される場合には強化の可能性が存在する。 (ピペット側のセンサーにより)常に液体柱の高さを監視して、その高さをポンプ側のセンサーと比較することにより、吸引ボタンを吸引および調合の両方に使用することもできる。 ここで、弁は、最初2つのセンサーの出力が同じになった際に開かれ、吸引ボタンが完全に離されるまでは、弁を開いたままにしておく。 例えば、50mlのピペットにおいて液体柱の高さが40mlである場合、それ以上の液体は、開始点から吸引され、ポンプ側の圧力センサーがピペット側のセンサーに対して同等の(あるいはより良い)圧力を示すまで、吸引ボタンが押され続ける必要がある。 弁が開いたら、ユーザが、正確に所望のピペット充填容積まで液体柱の高さを上げ下げできるように、吸引ボタンは液体の吸引にも排出にも(指を離すことにより)使用可能である。 マニュアルシステムでは、「行き過ぎ」の場合に吸引ボタンも調合ボタンも使用せねばならない。

    図6は、特に限定されるものではない代表的なユーザ制御動作モード308のフローチャートの一実施形態を示すものである。 この例では、システム50は、グラフィック表示スイッチが押されるまで、ユーザ制御モードでの動作を続ける。 上下ボタンスイッチを使用して、マイクロプロセッサ70は、ボタンスイッチ106・108が押されるのに基づいて、ポンプ58を制御して、液体を吸引あるいは排出する。 ボタン106・108が押されれば、ボタンの端部の磁石が、ホール効果センサーに近づく。 磁石とセンサーとの間の距離は、電圧に変えられ、これが、デジタルビット数に変換され、これが、ソフトウェアの中で設定された閾値ビット数と比較されて、ポンプを作動させるのに十分な程度ボタンが押されたかどうかを見る(図6、ブロック352、354、356)。 上ボタン106が押されれば、液体を吸引する。 これはマイクロプロセッサ70が真空を生成するために適切な方向でポンプ58を作動させることを意味する(ブロック360)。 下ボタン108が押されると、マイクロプロセッサ70が圧力を生成するための方向で、ポンプ58を作動させる(ブロック362)。 一方方向のポンプが使用されるが、正の圧力と真空とを提供するために、夫々異なる弁制御ポートが開かれる代表的な実施形態もある。 このように、上ボタン106が押されれば、ポンプ58が真空を作る方向で作動し、その速度は、ホール効果センサーから読み取った圧力のビット数を使用するアルゴリズムに基づいて変化する。 ポンプ58の速度は、ボタンが、ボタンの基部(assembly)に到達するまで深く押されたときに、上昇する。 磁石が最もセンサーに近づいて接触したときに最大速度が得られる。 ボタンが引き戻された際には、特に限定されるものではない代表的な実施形態の同じアルゴリズムに基づき、この速度は減退する。 特に限定されるものではない代表的な実施形態における下ボタン106は、速度制御に関して同様に働くが、圧力をかける方向が異なる。 特に限定されるものではない代表的な実施形態において、ポンプの速度は、マイクロコントローラ70からのパルス幅変調パルスの出力に基づいて変わる。 パルス幅変調は、タイマーの1周期の間にパルスがオンになった時間あるいは負荷周期の量である。 一般的には、パルス幅変調信号の負荷周期は、0%から100%の範囲にありうる。 しかし、特別な実施形態においては、ポンプ58は、そのような広い動的範囲を処理できない場合もある。 代表的な一実施形態においては、ポンプ58のパルス幅変調範囲は、33%の負荷周期から70%の負荷周期までの範囲に制限されるが、これは、システム50のモデリングにより変更可能である。 33%より低い範囲において、ポンプは最大の速度で作動する。 この代表的な実施例においては、70%の負荷周期においてポンプは最も遅い速度で作動する。

    図7は、較正モード314の特に限定されるものではない代表的な一実施形態を示す。 この図示された例においては、較正モードは、自動モード312における自動調合の準備段階として使用される。 図示された較正モードにおいては、マイクロプロセッサ70は、表示70d上に、ユーザに対し、望ましくはピペットの最大の液体柱の高さに近い所定の液体量を吸引するようにとの指示を表示する。 例えば、50mlのピペットの場合、システム50は、ユーザに、60mlの流動体をピペットに吸引するように指示するかもしれない(ブロック402)。 多くの標準的なピペットでは、約20%ほど追加的な容量がある。 例えば、標準的な実験室用の50mlのピペットは、60mlまで目盛りがある。 較正中に、より高い精度を達成するために60mlの目盛りを使用することができる。 (異なるサイズのピペット間の相関は、1次関数である。)このレベルは、単なる例であって、他のレベルを使用することもできる。 しかし、一般的には、この特別なレベルは、後の外挿エラー(extrapolation error)を避けるためにピペット52が引き入れることができる最大量に近いレベルであるべきである。

    表示されたメッセージに応じて、ユーザは、マニュアルモードと同じように、目で見て所定の要求レベルに達するまで、上ボタン106を押す(図7ブロック404、406、408、410、412)。 ユーザが、誤って多く吸引しすぎた場合には、実際にちょうど所望のレベルにまで修正するために、下ボタン108も使用可能である(ブロック414,416)。 ユーザが望むレベルまで吸引をし終わったら、ユーザはグラフィック表示70dのスイッチを押す。 この時点で、システム50は、ピペット側のセンサーを使用して複数回(例えば5回)、液体柱の高さの圧力を読み取り、この複数回の読み取り結果の平均をとり、結果として得られた平均値を変数として格納する(ブロック414)。

    この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、この後、ユーザは、ピペット52に対応した有用な液体中の最も低いレベルに近い所定のレベルまで吸い込むように指示される。 ある例では、ユーザは例えば、10mlにまで液体レベルを下げるよう指示されうる(図7ブロック416)。 もちろん、ユーザは、ピペット52内にすでにあった全ての液体を完全に流し切ってから再びこれを行なうかもしれないし、当初の較正吸引からピペット52内部にすでにあった液体から所望のレベルを残してその他の量をすべて調合するだけかもしれない。 前の場合と同じように、ユーザは、所望の吸引レベルを得るために上下ボタンを押すこともありうる(図7ブロック422ないし432)。 所望のレベルになれば、ユーザは、グラフィック表示70dのボタンを押し(決定ブロック422)、これによりマイクロプロセッサ70の内部では、ピペット側の圧力センサー68から読み取った対応する圧力を格納する(図7ブロック434)。 望む場合には、圧力は複数回読まれ、上述と同様に平均が取られる。 システム50は、ブロック418において格納された高い吸引レベルの圧力とブロック434(ブロック436)において格納された低い吸引レベルの圧力との計算を元に、ミリリットル毎のビットを計算する。 このときに、システム50は、この特定のピペット52から調合できる最低のレベル(例えば3ml)も計算する。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、後に取り出して計算する目的で、すべての較正変数をEPROMに格納する。 システム50は、グラフィック表示スイッチ70dが押されて、システムがメインメニューに戻るまでこのモードのままである。

    図8は、特に限定されるものではない代表的なソフトウェアにより制御される自動調合モードの一実施形態のフローチャートである。 この代表的な実施形態においては、較正の後、自動調合前の段階で、ユーザが、自動モードで繰り返し調合される量を変数の形でプログラムしたいと望むかもしれない。 このプログラムモード310は、図8に示され、図10により詳しく説明するが、以前にプログラムした量あるいは予め設定された量が使用される場合には、この工程は抜かして進むこともある。 この代表的な実施形態においては、システム50は以前にプログラムした量の値を維持し、変更されるまで、次の電源をつけた場合にもこの値を(at next power up)使用する。 プログラムされた量を変更するために、ユーザは、調合量を変更するよう表示に指示する。 表示は、EPROMデータに格納された数字を読んで、調合量「ATD」を示す。 デフォルトの設定である1.0mlあるいは他の所望の量が提示されうる。 システム50は「ATD」値を見て、もしピペットサイズが小さいサイズのものに変更されており、「ATD」がそのピペットの最大量よりも大きい場合には、システムは、自動的にATDをその最大量に変更する。 例えば、元のピペットサイズが50mlであれば、最大のATDは50.0mlである。 もしユーザがピペットサイズを25mlに変更したら、システムは、自動的にATDを25.0mlに変更する。 これらは、上書き可能なデフォルト設定である。 このデフォルトを上書きするために、ユーザは、ボタンを押してATDを変更する(図10,ブロック472,474)。 ボタン106・108が押されたら、システムは表示されたATDを所望のATDになるまで上げたり下げたりする。 この代表的な実施形態においては、ボタンが押されソフトウェアに設定された閾値を越えると、システムがATDの数字(the numbers)を変える速度が上がる。 ボタンから指が離れ閾値を越えると、ATDの数字(the numbers)はより遅い速度で元に戻る。 特に限定されるものではない代表的な一実施形態では、上ボタン106が押されれば、ATDは、0.1mlずつ上昇する。 特に限定されるものではない代表的な一実施形態にでは、下ボタン108が押されれば、ATDが0.1mlずつ減る。 上述のように一定量づつ増えたり減ったりする実施形態もあるが、特に限定されるものではない一実施形態においては、(その動作モードにおいて)段階的に増加するのではなく、より流速によって特定される場合もある。 ATDの最小値は、好ましいレベル、例えば1.0mlに設定されうる。 ユーザ制御の元での実際の流動体の調合に基づく「学習」モードは、調合量をプログラムするのに使用することができる。 最大ATDはピペットのサイズに基づく。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、システム50は、グラフィック表示スイッチ70dが押されるまでは、ATDプログラムモードを維持する。 このスイッチが押されたら、ATDがEPROMに格納され、ユニットの電源が切れたら、EPROMに格納されたこの設定に自動的に戻る。 システムは、メインメニューに戻る。

    再び図8に戻って、所望の調合量がシステム50にプログラムされたら(あるいは、もしデフォルトのあるいは以前にプログラムされた量が使用されれば)、システムはATD値を読み、それを、グラフィック表示70d上に表示する。 ユーザは、グラフィック表示70dのスイッチを押して、この量が調合すべき量であることを確認するよう指示されるかもしれない(ブロック502)。 自動モードでは、下ボタン108が押されてソフトウェアのある閾値の設定を超える度に、システムはプログラムされた液体量を調合する。 システムは、液体レベルが最低レベル(例えば、50mlのピペットで3mlの液体柱の量)以下になるまで、下ボタン108が押されるのに応じて、所望の量を繰り返し調合する。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、真空ポンプ速度は、ボタン106・108の押圧に基づく。 このように、これまでに説明した自動プログラム可能な調合操作においては、ユーザは、システム50が吸引あるいは調合する速度を制御することができる。 これは、例えば、所望の攪拌度合いを得るためには有用である。 この操作の途中で、システムが、上ボタン106が押された(つまり、ユーザがピペットを再充填したいと望んでいる)のを読み取れば、システムはポンプ58を真空にするために作動し、ユーザがこのボタンから指を離すまで、あるいは、圧力センサー68により示される圧力量が、ピペットが許容する量よりも液体柱の高さが高くなることを示すまで、これを続ける。 これに代えて、自動モードが、いくつかの調合速度を予め設定することもできる。

    より詳細には、下ボタンが押されたことをシステム50が検出すると(図8、ブロック504)、液体柱の高さを決めるためのピペット側の圧力トランスデューサ68の出力を読み取って、その決められた液体柱の高さを計算された最低限の液体柱の高さ(例えば、3ml)と比較して、ピペット52が空であるかどうかを検査する(図8、ブロック506)。 マイクロプロセッサ70が、比較の結果、ユニットが空であると決めれば、ユーザに対してピペットを充填するように求めるエラーメッセージを表示し(ブロック508)、これ以上は液体を調合しようとしない。 ユーザが最低限の量以上にピペットを充填すれば(図8、ブロック510ないし518)、システム50は自動的に、ユニットが要求された量を調合できうる状態になったと認識する。

    ポンプはまず所定の時間の間作動され、それに引き続いて得られた圧力が一定になれば弁を開く。 ポンプは、弁が閉鎖される後までオンの状態にある。 ポンプは、弁が開かれる前の所定の時間(例えば250ミリ秒の間)作動する。 ユニットが空でないと推定して、システム50は、圧力センサー68により示された液体柱の高さに基づき、および、プログラムされた量に基づき、所望のプログラムされた量を調合するのに必要な弁の開き時間の長さを計算する(図8、ブロック520)。 モデルより得られる式に基づいて、この計算が行なわれる(および/または結果が目盛りから参照される)。 その時間が計算されれば、システム50は、その時間の間、これもモデリングから得られるポンプの速度で、ポンプ58を作動する(図8、ブロック522)。 この時間が過ぎれば、マイクロプロセッサ70はポンプ58を停止させ(図8、ブロック524)、次にボタン106・108が押されるのを待つ。

    図9Aと図9Bとは、自動調合動作のより詳しい特に限定されるものではない代表的な実施形態のフローチャートである。 この例では、システム50は、ユーザに対して、どれだけの液体の量が吸引されるべきであるか、どれだけの液体の量がデフォルトとして使用されうるかと尋ねるプロンプトを表示する。 調合すべき量を確認して(図9A、ブロック604)、ユーザは、所望の液体柱の高さ分だけ吸引する(図9A、ブロック606)。 この時点で、マイクロプロセッサ70は、ピペット側の圧力センサー68を読み(ブロック608)、その圧力が予想される範囲内にあるかどうかを検出する(決定ブロック610)。 読み取った圧力値が、予想とおりだった場合には(決定ブロック610に「yes」が出る)、マイクロプロセッサー70は、吸引される量の液体柱の高さを計算するあるいはその他の方法で(例えば、その前の較正の段階で決定された基線値に基づいて)決定する(図9A、ブロック614)。 その後、マイクロプロセッサ70は、システムモデリングの結果を使用し、弁の開放時間を決定し(ブロック616)、ユーザが下ボタン108を押すのを待つ(ブロック618)。

    PWM分を確実にポンプで吸入排出するために、絶対的な圧力を検知することもできるのだが、特に限定されるものではない代表的な一実施形態はこの特徴は含まない。 ユーザが下ボタンを押すと、システム50はポンプ58を所望の流動速度で始動させ始め(ブロック620)、選択的に、ポンプ側の圧力が予想の範囲内であるかどうかを決めるために、ポンプ側圧力センサーを読む(ブロック622、決定ブロックは624)。 ポンプの出力は、熱、磨耗などによって時間がたつにつれ変わりうるので、決定ブロック624によって行なわれるテストにより、システム50は、ポンプ出力を補正する機会を得る(ブロック626)。

    その後、マイクロプロセッサ70は、システムモデリングに基づいて決定された時間Tの間だけ弁60を開く(ブロック628)。 ポンプ58によって作られた所望の圧力で弁を開くことにより、プログラムされた液体の量を調合する。 計算された弁の開放時間が経過すると、マイクロプロセッサ70は、液体の調合を終えるために弁60を閉鎖する(ブロック630)。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、ポンプモータ58は弁60が開いている全時間に渡って動作し、ポンプは弁が開く前から(約250m秒前から)始動し、弁が閉じてから停止することに注意されたい。

    特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、計算した弁の開放時間の終了時にマイクロプロセッサ70が弁60を閉じた後、マイクロプロセッサは、正の圧力をかけるのではなく吸引するためにポンプ58を制御して、その方向を逆転させうる(ブロック632)。 その後、マイクロプロセッサ70は、非常に短い間(数ミリ秒)弁60を開放し、漏れを防ぎ、システム安定時間を減少させうる(ブロック634)。 その後、マイクロプロセッサ70は、弁60を閉鎖し(ブロック636)ポンプ58を停止させる(ブロック638)。
    [特に限定されるものではない代表的な非線形システムモデリングの実施形態]
    上述したように、特に限定されるものではない代表的なデバイス50の実施形態においては、ピペットPから正確に自動的に流動体の量を調合するために、非線形システムモデルが使用される。 調合の間に、ピペットPの中の流動体柱の高さが低くなっていくのにつれ、同じ量の液体の量を調合するために弁が開放される時間が変わる。 代表的な実施形態においては、この液体柱の高さは、液体柱の上端の真空を測定することにより間接的に測定することができ、この液体柱の上端は密閉されている。 この真空圧力は、所望の所定の量の液体を調合するために、弁が開放される時間を決めるために使用される。 この特に限定されるものではない代表的な実施形態において使用されるモデルは、液体柱の高さの真空圧力と弁開放時間との非線形関係を考慮しこれをモデリングしている。

    このモデルを説明する前に、ピペットでの採集における「正確さ」および「精密度」についての背景説明をまず行なう。
    [正確さ]
    ピペットは、排出される量が特定した量と同等であるという程度において正確である。 正確さは、反復測定における中間値と標準偏差とで表現される。

    [精密度]
    精密度とは、一般的にピペットのサンプリングの再現性のことである。 精密度は、変動係数(CV)として表現される。 (人間の介入、手の器用さ、目と手との協力に依存する)実験室における手腕に、より依存しなくなるので、システム50のモデリングは、ピペットでの採集の精密度に大きく影響する。

    この式は、変動係数として表現可能である。

    [経験的なデータ収集およびシステムのテスト]
    立っている液体柱に適用される所定の圧力の結果が、液体柱の高さと時間との一次関数であるであろうとの予想される物理的なシステムの応答が、あった。 例えば、ポンプの圧力と弁の絞りとが一定である場合、ピペットの中の液体柱の高さが増えるにつれて、その特定の量を調合するのに必要な時間は(ミリ秒単位で)少なくなる。 このシステム応答の非線形性を決定するために、いくつかの特徴について、経験的なモデリングを行なった。
    1)液体柱の高さと調合量との関数2)ポンプ圧力と調合量との関数3)弁絞りと調合量との関数4)時間と調合量との関数5)流動体の粘度と調合量との関数 システムの経験データ収集の間、ポンプによる調合圧力を、一定の中央値に制限する(例えば、ポンプのPWM(パルス幅変調:pulse-width modulattion)を175ビットに制限し、255ビットをオフとし、1ビットを完全ONとする)ことにより、ポンプの速度を変えて、実際の配置におけるシステムの多様性を少し補正すること、および、ポンプ自身の磨耗(あるいは動作時間に渡っての熱圧力デルタ)を補正することができる。 ある特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、50.0mlのピペット用に決められた名目上のポンプのPWM値は、175である。 経験的モデリングにおいては、このポンプの設定を、「標準」プログラム値として使用できるが、いずれのポンプ設定も効果的にモデリングされうる。

    ある調合周期が終了して弁が効果的に閉じられた後で、50.0mlのピペットとシステムとは、以下のように経験的にモデリングされうる。
    1)所定の液体柱の高さまで、液体が吸引され、異なる時間の間、調合される。 調合周期は、弁が閉鎖してシステム圧力が安定したときから始まる。 その後、ポンプを所定の力レベルまで(例えば、常に175)活性化し、一定の圧力を得るように監視し、ここで、製造メーカーの仕様によれば約15ミリ秒の予想される反応(遅延)時間をとった後、弁は完全に(例えば、ビット数255)開放される(例えば、250ミリ秒などの所定の時間の間、排出)。 弁は、所定(ミリ秒で測定された)時間の間、開放されたままで、圧力が与えられ、ビーカーへ所定の量の液体を排出する。 弁は、そこで、突然オフされ、上述し図9Bに示した逆転アルゴリズムが始動する(あるいはしない)。
    2)調合された液体が、精密なはかりで測定され、各測定後に風袋測量(tare)される。 量をできるだけ綿密に測る目的で、例えば、1.00ミリリットルが1.00グラムに等価であるとされる。 (注意:これは、直接測定可能な量であり、生産の際に、あるいは、較正の間に、容易に操作して相殺されうる。)
    3)調合されるべき予めプログラムされる各々量として、50.0、40.0、30.0、20.0および10.0mlの基準の液体柱の高さが予め設定される。 代数式を使用して、予めプログラムされた量を正確に調合するための時間を(ミリ秒単位で)決定することができる。 特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、この基準の間の受容可能な誤差(測定後に重量を除くことになる)の経験的な測定余地は、1.0と2.0mlの量においては1.0%であり、これは、調合量が増えるにつれて、小さくなる。 (例えば、10.0mlでは、経験的データのために予めプログラムされた量の0.04%までが、有効とされ記録される。)例えば、予めプログラムされ基準とされる量は、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0ミリリットルの間隔をあけている。
    4)経験的データは、50.0mlから6.0mlまで、例えば1.0ml間隔の液体柱において収集される(45回の測定)。 これ以外の測定は、上の段落で挙げた間隔でサンプリングされる。 以下の表を参照されたい。
    [経験的データの分析]
    代表的な1.0ml間隔の実測経験的データを以下に示す。

    ここで、
    XY=排出周期(displacement cycle)
    X=排出周期より前の液体柱高さの値Y=所定の液体柱の高さ(X参照)から1.0mlを排出するのに必要な調合時間(ミリ秒)
    この例においては、データを明確にする目的のためだけのために、予め選択されたピペットの目盛りから自然数の調合量を使用した。 一般的には、経験的なデータは、いずれの排出量からでも、いずれのピペットの液体柱の高さからでも得られ、変更するのは、数学的な表現(式の変更)のみの問題であると理解できる。

    図12は、このようなモデリングの工程に基づく式より得られた調合時間より得られた代表的な位置実施形態である。

    図12の代表的な曲線も、
    −1 =a+bx
    の曲線に当てはめた式を含み、
    ここで、
    y=予めプログラムされた量を調合するための時間(ミリ秒)(調合されるべき量の関数として、各式が異なる。)
    x=液体柱の高さ(排出周期の始めの液体柱の高さ)
    a=経験的データにより決められる定数b=経験的データにより決められる定数である。 確認されるべき時間のために「y」が逆関数を取ることが望まれる。 これにより、この式は、以下のように書き換えられうる。
    y=1/(a+bx)
    以下のデータは、1.0ないし10.0mlのデータを上の式の曲線に当てはめたものから得られた代表的な「A」「B」の定数である。

    「A」「B」の定数に値を入れた結果出される式のみを使うことにより、ピペッタ50を自然数でのml容積の調合に制限し、液体柱の高さが完全な自然数分量ではない場合、正確さと精密さとが制限される可能性もある。 それゆえに、さらに単一の式として数学的に式をまとめるために、「A」「B」の定数は、両方とも、XYの経験的データの数値の求め方と同じように、調合量の関数として分析される。

    図13と図14との代表的な実施形態のグラフは、夫々「A」「B」の定数を曲線に当てはめたものである。 代表的なAの定数の曲線にあてはめたものは、
    y=a+b/x
    の形式をとり、
    ここで、
    a=−4.7998E−05
    b=0.003079612
    x=調合されるべき量である。

    代表的なBの定数は同様の曲線にあてはめたもので、
    y=1/(a+bx)
    の形式をとり、
    ここで、
    a=−2251.50489
    b=17181.58587
    x=調合されるべき量である。

    明確にするために上の式を書き換えると、

    曲線にあてはめた式の結果が、
    y=1/(a+bx)
    の高さの液体柱から所定の量を調合するのに必要な時間(ミリ秒)であることを思い出せば、式は、明確にするために以下のように書き換えられる。

    多分、システム50において、50.0ミリリットルのピペットで高い精度を出し、かつ、10.0および25.0ミリリットルのピペットにも使用できうる類似の形式であり、かつ、さらに異なる粘度の液体にも使用できる広範囲の能力を有する十分に柔軟性をもつ、安価なマイクロコントローラのために数学的に作られた最も単純な式は、以下のとおりである。

    意義深いテストを行なって、上の式は、(前述したパラメータの枠内であれば)事実上いずれの液体柱の高さに対しても、いずれの一回の調合の液体量でも正確に精密に排出されるように効果的に整備された。

    理解されるであろうが、上述のモデリングの一部は、特定のサイズのピペットに関連して予め格納された値と定数とを使用したマイクロプロセッサ70に基づいている。 特に限定されるものではない代表的な一実施形態においては、システム50は、多様な異なるサイズの従来あるいは非従来のピペットに対応しうる。 このような特に限定されるものではない代表的な実施形態においては、ユーザがピペットサイズをプログラムできる動作モード316が設けられている。 図11を参照されたい。 ユーザがこのメニューを押すと、システム50により、ユーザは、これから使用するピペットのサイズを選ぶことができる。 代表的なサイズの選択肢は、1ml、10ml、25mlおよび50mlである。 ユーザは、上ボタン106および下ボタン108を使用してピペットサイズを選択する。 上ボタンを押すことによって、ピペットサイズは大きくなっていき、下ボタンを押すことによって、ピペットサイズが小さくなっていく。 表示画面70dに最大のあるいは最小のピペットサイズが表示されユーザがそのボタンを押し続けたら、システムは、選択肢を巡回する。 例えば、上ボタンが押されたら、画面は、1ml、10ml、25ml、50ml、1mlなどと示し、下ボタンが押されたら、50ml、25ml、10ml、1ml、50ml…と示す。 グラフィック表示ボタン70dが押されるまで、システムはこのモードを保つ。 このボタンが押されたら、ピペットサイズが、システムのEPROMに格納され、システムはメインメニューに戻る。

    システムはこのように非常に正確であるので、直立型の調合応用においては、開始時の液体柱の高さを知っている限り、あるいは、ユーザがこの高さを入力する限り、圧力センサーを使用する必要はない。 開始時の液体柱の高さを知っていれば、調合は非常に正確に行なわれるので、これに続く液体柱の高さの測定値は、絶対的に圧力を測定するのではなくても、数学的に得ることができる。 要約すれば、すべての調合は、液体柱全体に渡って、式のみで行なうことができる。

    弁の開放時間が長くなるにつれ、経験的モデリングのデータ点が減るので、より多い調合量を正確にモデリングする能力は、少ない量の複数点でのデータほどは高くない。 より多い一定分量での正確さと精密度とを上げるために、上に代わる単一の弁開放時間の得る方法は以下のとおりである。 (1)ポンプを活性化させ、安定させるために一定の圧力を与え、(2)より少ない容積の一定分量(すなわち、5ml)のために一定の時間、弁を開放し、(3)弁を閉じ、ポンプを作動し続け、数学的に(あるいは、圧力センサーを使用して)次の調合量を再計算し、(4)ATDが必要とする間弁を開放し、(5)所望の全一定分量が調合されるまで、これを繰り返す。

    様々なピペットサイズと液体柱の高さとの間には、数学的な相関関係がある。 この関係は線形で、断面積容量の関数である。 これにより、1つのみの体積のピペットについて較正を行なえば、異なるこれに続く体積のピペットに対して、別途較正を行なわなくても使用することができる。 異なるピペットサイズに関して考慮せねばならない唯一のこれ以外の点は、先端が細くなるタイプのピペットであるが、これはファームウェアで対応することができ、問題とはならない。

    ピペットが実質的に空になったとマイクロコントローラが決めた時(ピペット側のセンサーが所定の体積のピペットにおける低い閾値を検出した時)、センサーが継続的に監視されていれば、マイクロコントローラは、いつピペットの先端が液体に挿入されたかを決めることができ(マイクロコントローラは、実際、どの程度まで先端表面が挿入されたかを決めることができ)、自動的に、所定の高さまで吸引をすることができる。 ここでの明らかな有用性は、手にかかる緊張を減らすことができることである。 (手根管症候群を持つ人にとって有利である。)
    使用されるマイクロコントローラおよび/またはプログラミング言語によっては、数学的なコプロセッサは必要でないかもしれない。

    ここで、特に限定されるものではない代表的な実施形態に関連して技術を説明したが、発明は、この開示に限定したものではない。 例えば、この技術は、流動体処理システム、足で制御する操作、卓上設計および袋状の媒体貯蔵容器などを含む多様な応用に適用できうる。 発明は、特許請求の範囲によって定義されるように意図しており、この中で特定的に開示されていようがいまいが、全ての相当する同等の構成も網羅するように意図している。

    これらのおよびその他の有用性は、以下の、図面に関連する、特に限定されるものではない代表的な実施形態の詳細な説明を参照して、より良くおよびより完全に理解されるであろう。

    ピペット調合機器が有用でありうる、例となる実験室環境を示す図である。

    特に限定されるものではない代表的な実施形態のピペッタ調合機器設計の概念図である。

    特に限定されるものではない代表的なピストル形状の実施形態を示す図である。

    特に限定されるものではない代表的な実施形態のより詳しい電子的な概念ブロック図である。

    特に限定されるものではない代表的な実施形態のメインソフトウェアルーチンの例を示す図である。

    特に限定されるものではない代表的なユーザ制御モードのソフトウェアルーチンの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではない代表的な較正モードのソフトウェアルーチンの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではない代表的な自動調合モードのソフトウェアルーチンの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではないが、より詳しい特に限定されるものではない代表的な自動調合モードの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではないが、より詳しい特に限定されるものではない代表的な自動調合モードの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではない代表的なプログラムモードのソフトウェアルーチンの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではない代表的なピペットサイズの変更ソフトウェアのルーチンの一実施形態のフローチャートである。

    特に限定されるものではない代表的なパラメータのモデリングシステムの一実施形態の図解説明である。

    特に限定されるものではない代表的なパラメータのモデリングシステムの一実施形態の図解説明である。

    特に限定されるものではない代表的なパラメータのモデリングシステムの一実施形態の図解説明である。

    符号の説明

    50 ピペッタ、流動体調合システム 52 連結器 58 ポンプ 59 ポンプ制御ユニット 70 コンピュータ 70b グラフィック表示システムコプロセッサ 72d 表示 100 ケース 102 取っ手部分 104 主要ケース部分 106 上ボタン 108 下ボタン 110
    112 スイッチ 114 プリント回路基板 F 流動体 P ピペット PD ポンプ駆動信号 R 貯蔵容器 R1〜R3 容器 U ユーザ VD 弁駆動信号

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