位測定システムおよび水位制御システム、並びに、これらを用いた水位測定方法および水位制御方法

申请号 JP2015249240 申请日 2015-12-22 公开(公告)号 JP2017116305A 公开(公告)日 2017-06-29
申请人 株式会社プロドローン; Prodrone Co Ltd; 发明人 KUSUMOTO SHINTARO; SUGAKI KIYOKAZU; ICHIHARA KAZUO;
摘要 【課題】作業員が現場に出向くことなく無人航空機を用いて遠隔から 水 位の計測が可能な水位測定システム、および、その測定結果を受けて遠隔から水位を調節可能な水位制御システムを提供する。【解決手段】水面から上方に向かって所定の傾斜 角 度で延出するように設置される測量部を有する水位計と、前記測量部を上空から撮影する撮影手段および複数の回転翼を有する無人航空機と、を備える水位測定システム、および該水位測定システムと、前記水位計が設置された水域の水量を調節可能な水位調節設備と、を備え、前記無人航空機は、前記水位判定部と、前記水位調節設備を無線通信により遠隔操作する水位制御手段と、を有していることを特徴とする水位制御システム、並びに、これらを用いた水測定方法および水位制御方法により解決する。【選択図】図1
权利要求
  • 水面から上方に向かって所定の傾斜角度で延出するように設置される測量部を有する水位計と、
    前記測量部を上空から撮影する撮影手段および複数の回転翼を有する無人航空機と、を備えることを特徴とする水位測定システム。
  • 前記測量部の表面の色は、水に濡れることによりまたは表面温度に応じて、可逆的に変化することを特徴とする請求項1に記載の水位測定システム。
  • 前記無人航空機はさらに、前記複数の回転翼による自律飛行を制御する制御部と、前記測量部の設置位置が記憶された記憶部と、自機の飛行位置を測定する飛行位置測定手段と、を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水位測定システム。
  • 前記無人航空機は、前記記憶部に記憶された前記測量部の設置位置へと自律飛行し、該測量部の鉛直上方で滞空しつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影することを特徴とする請求項3に記載の水位測定システム。
  • 前記水位計には、上方から視認可能な位置に、該水位計の個体識別情報を示す一次元または二次元の情報コードが表示されており、
    前記無人航空機は、前記撮影手段で撮影した前記情報コードの画像から前記個体識別情報を読み取るデコード手段を有していることを特徴とする請求項4に記載の水位測定システム。
  • 前記無人航空機の前記撮影手段により撮影された前記測量部の画像を解析し、その撮影時における水位を判定する水位判定部をさらに備えることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の水位測定システム。
  • 請求項6に記載の水位測定システムと、
    前記水位計が設置された水域の水量を調節可能な水位調節設備と、を備え、
    前記無人航空機は、前記水位判定部と、前記水位調節設備を無線通信により遠隔操作する水位制御手段と、を有していることを特徴とする水位制御システム。
  • 前記水位調節設備は、前記水位制御手段による遠隔操作が開始されてから、その操作の終了を示す信号を受信する前に、前記水位制御手段からの信号が所定の時間以上途絶えたときには、予め定められた動作状態に自動的に移行するフェールセーフ手段を有することを特徴とする請求項7に記載の水位制御システム。
  • 請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の水位測定システムと、
    前記水位計が設置された水域の水量を調節可能な水位調節設備と、
    前記無人航空機および前記水位調節設備と通信可能に接続された指令部と、を備え、
    前記無人航空機と前記指令部とは移動体通信網により接続されており、
    前記指令部は、前記無人航空機から受信した情報を表示する表示手段と、前記水位調節設備を遠隔操作する水位制御手段と、を有していることを特徴とする水位制御システム。
  • 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の水位測定システムを用いた水位測定方法であって、
    前記無人航空機を発着場から前記水位計の設置位置に向かって飛行させる往路工程と、
    前記無人航空機を、前記測量部の鉛直上方で滞空させつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影させる撮影工程と、
    前記無人航空機を前記発着場に帰巣させる復路工程と、を有することを特徴とする水位測定方法。
  • 請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の水位制御システムを用いた水位制御方法であって、
    前記無人航空機が、発着場から前記記憶部に記憶された前記測量部の設置位置に向かって自律飛行する往路工程と、
    前記無人航空機が、前記測量部の鉛直上方で滞空しつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影する撮影工程と、
    前記撮影工程の結果に基づいて、前記水位制御手段により前記水位調節設備を遠隔操作する水位調節工程と、
    前記無人航空機が、自律飛行により前記発着場に帰巣する復路工程と、を有することを特徴とする水位制御方法。
  • 说明书全文

    本発明は、複数の回転翼を備える無人航空機を用いた位測定システムおよび水位制御システム、並びに、これらを用いた水位測定方法および水位制御方法に関する。

    河川、用水路、水田、または貯水池などにおける水位の計測は、多くの場合、目盛りが付された量水標(量水板ともいう)を付近から視認可能な場所に設置し、その目盛りが示す水面の位置を人が目視で読み取ることにより行われている。 その他、いわゆるフロート式、超音波式、または圧式の水位計を用いた計測も一般に行われている。 これらの水位計は通常、計測対象となる水域の水辺付近に設置され、現場において作業員がこれら水位計が示す値を読み取ることで水位を確認している。

    また、従来、産業用無人ヘリコプターに代表される小型の無人航空機(UAV)は、機体が高価で入手困難なうえ、安定して飛行させるためには操縦に熟練が必要とされるものであった。 しかし近年、加速度センサや速度センサなどの機体部品の高性能化および低価格化が進み、また、機体の制御操作の多くが自動化されたことによりその操作性が飛躍的に向上した。 こうした背景から現在、特に小型のマルチコプターについては、趣味目的だけでなく、広範な分野における種々のミッションへの応用が試行されている。

    特開平8−145765号公報

    特開2014−228400号公報

    上述の水位測定方法のように、作業員が現場に出向いて赴いて水位を確認する方法では、現場への移動に工数を要するとともに、増水時には作業員に危険が及ぶおそれもある。 さらに、水位を確認する目的が単に水位の異常監視である場合、その確認作業のほとんどはその後の具体的なアクションにはつながらず、費用対効果が高いとはいえない。

    水位の監視を自動化する試みとしては、例えば量水標の付近にその量水標を撮影する固定カメラを設置し、かかるカメラが撮影した画像を解析することで量水標が示す水位を読み取る方法がある。 しかし撮影画像から水位を読み取る場合、量水標の全長のうち、水面上に露出した部分と水中を透過して見えている水面下の部分、または、水面上に露出した部分と水面に映ったその写像部分との区別がつきにくいという課題がある。

    上記特許文献1には、水面に垂直に設置された量水標(量水板3)と、量水標の真横に並べて斜めに設置された補助板(サブ量水板8)とを組み合わせることにより、量水標の水面上の部分と水面下の部分、および、量水標の水面上の部分と水面に映ったその写像部分とを判別する方法が開示されている。 特許文献1の方法では、波浪などにより水面が揺らぐ環境下では、水面に映った量水標の写像が乱れるという特徴を利用して、量水標の画像を複数回撮影し、各画像を比較してその変動部を写像部分と認識する。 また、水面が静止した環境においては、斜めに設置された補助板の屈折位置を基準として、それより下の部分を水中に潜った部分であると認識する。

    特許文献1の方法を用いることにより、水位の監視を自動化し、例えば水位に異常が検出されたときにのみ作業員に報知する仕組みを構築することも可能と考えられる。 しかし、特許文献1の方法を用いる場合、量水標の数だけカメラを用意する必要がある。 また、カメラの設置場所には、水位標との間に障害物がなく、また、人や鳥獣の往来の影響を受けない場所を選ぶ必要がある。 さらに、カメラの設置に適した場所が他者の所有地である場合、カメラの設置が困難となるおそれがある。 さらに、設置したカメラの清掃や消耗品の交換など、定期的なメンテナンスも必要であり、その際には作業員が現場に出向く必要がある。

    上述の固定カメラによる撮影の課題に対しては、複数の回転翼を備えた無人航空機にカメラを搭載し、かかる無人航空機で量水標を撮影することが有効であると考えられる。 しかし、橋脚や港湾の壁面などに設置された既設の量水標は、鉛直上方からは認識することができず、また、かかる量水標を斜め上空から撮影する場合、対象ごとにその撮影方位や撮影角度を調節する必要があり、作業が煩雑となる。 また、この場合、無人飛行機に比較的低空を飛行させる必要があるため、地上の構造物や通行人との衝突の危険性も高くなる。

    上記特許文献2には、レーダー観測装置を備えた航空機や人工衛星などを用いて、レーダーで得られた観測値から河川の水面の高さおよび橋梁の高さを算出して、河川の水位を測定する方法が開示されている。 かかる方法は上空から水位を計測するものであるが、可視画像ではなくレーダーの観測値を利用しており、また、水面で散乱する電磁波を基準としていることから、上述の無人航空機に搭載されたカメラによる量水標の撮影とは技術的思想が本質的に異なっている。

    尚、上記いずれの特許文献においても、水位の測定の結果を水位の調節に連動させる技術については何ら言及されていない。

    上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、作業員が現場に出向くことなく無人航空機を用いて遠隔から水位の計測が可能な水位測定システム、および、その測定結果を受けて遠隔から水位を調節可能な水位制御システムを提供することにある。

    上記課題を解決するため、本発明の水位測定システムは、水面から上方に向かって所定の傾斜角度で延出するように設置される測量部を有する水位計と、前記測量部を上空から撮影する撮影手段および複数の回転翼を有する無人航空機と、を備えることを特徴とする。

    水位計の測量部を水面から斜め上方に延出させることにより、鉛直上方からでも測量部を視認することができる。 つまり、複数の回転翼を有する無人航空機を使って上空から撮影した測量部の画像から水位を読み取ることができるようになる。 これにより、人が現場の環境に応じて測量部を撮影する位置や方向を調節する必要や、無人航空機の操縦に高度な操縦技術を用いる必要がなくなり、測量部の撮影作業の自動化を容易かつ高い精度で実現することが可能となる。

    また、前記測量部の表面の色は、水に濡れることによりまたは表面温度に応じて、可逆的に変化することが好ましい。

    測量部の全長のうち、水面よりも上に延出した部分と水中の部分とが異なる色で表示されることにより、例えば透明度が極めて高く水面が静止した環境においても、測量部が示す水面の位置を容易に判別することが可能となり、特に、その水位の読み取りを自動化する場合には、上記特許文献1のような複雑な画像解析を行うことなく水面の位置を判別することが可能となる。

    また、前記無人航空機はさらに、前記複数の回転翼による自律飛行を制御する制御部と、前記測量部の設置位置が記憶された記憶部と、自機の飛行位置を測定する飛行位置測定手段と、を有することが好ましい。

    無人航空機が測量部の設置場所に自動的に移動して測量部の撮影を行うことにより、作業員が無人飛行機を操縦する手間を省くことができる。 また、当然、撮影を終えた無人航空機は発着場に戻ってくるように設定されることから、無人航空機の機体や撮影手段のメンテナンスも、作業員が現場に出向くことなく発着場で行うことができる。

    また、前記無人航空機は、前記記憶部に記憶された前記測量部の設置位置へと自律飛行し、該測量部の鉛直上方で滞空しつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影することが好ましい。

    測量部の鉛直上方から真下の測量部を撮影することにより、水面に測量部の写像が映り込むことを防ぐことができる。 これにより、測量部が示す水面位置の判別が容易になり、特に、その水位の読み取りを自動化する場合には、上記特許文献1のような複雑な画像解析を行うことなく水面の位置を判別することが可能となる。

    また、前記水位計には、上方から視認可能な位置に、該水位計の個体識別情報を示す一次元または二次元の情報コードが表示されており、前記無人航空機は、前記撮影手段で撮影した前記情報コードの画像から前記個体識別情報を読み取るデコード手段を有している構成としてもよい。

    各水位計にその個体識別情報を示す情報コードが表示されていることにより、例えば棚田や小規模な農業用水路など、比較的狭い範囲内に複数の水位計が設置されている場合でも、水位計およびその水域を正確に特定することが可能となる。

    また、前記無人航空機の前記撮影手段により撮影された前記測量部の画像を解析し、その撮影時における水位を判定する水位判定部をさらに備えることが好ましい。

    測量部の撮影画像から作業員が目視で水位を読み取る場合、作業員は全ての撮影画像に目を通さなければならないため、作業が非効率となる。 測量部の撮影画像から自動的に水位を読み取る水位判定部を備えることにより、水位に異常がある場合や、作業員の何らかのアクションが必要になったときにのみその旨を報知することが可能となる。

    上記課題を解決するため、本発明の水位制御システムは、前記無人航空機が前記水位判定部を備える上記水位測定システムと、前記水位計が設置された水域の水量を調節可能な水位調節設備と、を備え、前記無人航空機は、前記水位調節設備を無線通信により遠隔操作する水位制御手段を有していることを特徴とする。

    無人航空機が水位判定部を備え、また、水位調節設備を無人航空機から遠隔操作可能とすることで、無人航空機は、水位の測定と水位の調節とを、必要に応じて連続的に、または同時に行うことが可能となる。 これにより、無人飛行機により単に水位を計測するのみでなく、水位を然るべき値に自動的に制御することが可能となる。

    また、前記水位調節設備は、前記水位制御手段による遠隔操作が開始されてから、その操作の終了を示す信号を受信する前に、前記水位制御手段からの信号が所定の時間以上途絶えたときには、予め定められた動作状態に自動的に移行するフェールセーフ手段を有することが好ましい。

    水位調節設備がフェールセーフ手段を有し、無人航空機による水位調節設備の操作中に無人航空機に何らかの障害が発生したときには、例えば水位をその状態で維持するなどの緊急措置を自動的に実行することにより、不測の事態における被害の拡大を抑えることが可能となる。

    また、本発明の水位制御システムは、自律飛行が可能な無人航空機を備える上記水位測定システムと、前記水位計が設置された水域の水量を調節可能な水位調節設備と、前記無人航空機および前記水位調節設備と通信可能に接続された指令部と、を備え、前記無人航空機と前記指令部とは移動体通信網により接続されており、前記指令部は、前記無人航空機から受信した情報を表示する表示手段と、前記水位調節設備を遠隔操作する水位制御手段と、を有する構成としてもよい。

    全国に広く敷設されている移動体通信網を介して、指令部と無人航空機とを接続することにより、指令部は通信距離による制約を実質的に受けることなく、無人航空機から測量部の撮影画像や水位判定部の出力値などの情報を受信することができる。 これにより遠方の水域の水位測定と水位の調節とを現地に出向くことなく指令部から行うことが可能となる。

    上記課題を解決するため、本発明の上記水位測定システムを用いた水位測定方法は、前記無人航空機を発着場から前記水位計の設置位置に向かって飛行させる往路工程と、前記無人航空機を、前記測量部の鉛直上方で滞空させつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影させる撮影工程と、前記無人航空機を前記発着場に帰巣させる復路工程と、を有することを特徴とする。

    また、上記課題を解決するため、本発明の上記水位制御システムを用いた水位制御方法は、前記無人航空機が、発着場から前記記憶部に記憶された前記測量部の設置位置に向かって自律飛行する往路工程と、前記無人航空機が、前記測量部の鉛直上方で滞空しつつ、真下に向けられた前記撮影手段により該測量部を撮影する撮影工程と、前記撮影工程の結果に基づいて、前記水位制御手段により前記水位調節設備を遠隔操作する水位調節工程と、前記無人航空機が、自律飛行により前記発着場に帰巣する復路工程と、を有することを特徴とする。

    以上のように、本発明にかかる水位測定システムによれば、作業員が現場に出向くことなく遠隔から水位を計測することが可能となり、また、本発明にかかる水中探査システムによれば、上記水位測定システムの測定結果を受けて、遠隔から水位を調節することが可能となる。

    第1実施形態にかかる水位測定システムにより貯水設備の水位を測定する様子を示す模式図である。

    水位計の構造、および本発明の水位計に適用可能な他の形態を示す模式図である。

    第1実施形態にかかるマルチコプターの機能構成を示すブロック図である。

    第2実施形態にかかる水位制御システムにより貯水設備の水量を調節する様子を示す模式図である。

    第2実施形態にかかる水位制御システムの機能構成を示すブロック図である。

    第3実施形態にかかる水位制御システムにより貯水設備の水量を調節する様子を示す模式図である。

    第3実施形態にかかる水位制御システムの機能構成を示すブロック図である。

    以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。 以下の実施形態にかかる水位測定システムおよび水位制御システム、並びに、水位測定方法および水位制御方法は、屋外に設置された貯水設備Wの水位の測定、およびその水位の制御を行う例である。 本発明を利用可能な水域はこれには限られず、例えば河川、用水路、湖沼、水田、港湾などでも用いることができる。 その他にも水(液体)が溜められた空間であれば屋内外を問わず利用可能である。

    <第1実施形態>
    [全体構成]
    図1は、第1実施形態にかかる水位測定システムS1により貯水設備Wの水位を測定する様子を示す模式図である。 水位測定システムS1は、主に、貯水設備Wの中に設置された水位計200と、水位計200を上空からカメラ160(撮影手段)で撮影するマルチコプターM1(複数の回転翼を備えた無人航空機)とにより構成されている。 水位計200の外面は、水位を示す目盛りが表示された測量部210とされており、測量部210は水面から上方に向かって外径が小さくなる円錐面とされている。

    水位測定システムS1では、水位計200の測量部210が水面から斜め上方に延出していることから、鉛直上方からでも測量部210を視認することができる。 これにより、マルチコプターM1を使って水位計200の真上から真下に向かって撮影した画像からでも測量部210が示す水位を読み取ることができる。 水位計200が上空からの撮影に最適化されていることにより、水位測定システムS1を用いた水位の測定では、測定対象の水域の環境条件に合わせて作業員が撮影方法を検討する必要がなく、また、マルチコプターM1の操縦に高度な操縦技術を用いる必要もない。

    [水位計の構成]
    図2は水位計200の構造、および本発明の水位計として採用可能な他の形態を示す模式図である。 本実施形態の水位計200には、図2(b)に示す円錐形状のものが用いられている。 水位計の形態は円錐形状には限られず、水面から上方に向かって所定の傾斜角度で延出する測量部を備えていることを条件として他の形状を採用することもできる。 例えば図2(a)には、水底に垂直に立設された支柱220bと、支柱220bの上端から水底に向かって斜めに設置された測量部210bとを有する水位計200bが示されている。 また、図2(c)には、水底に垂直に立設された支柱220cと、支柱220cの上端に連結され、そこから同一の傾斜角度で水底に固定された複数のワイヤ状の測量部220cとを有する水位計200cが示されている。 これらは、測定対象の水域の広さや水深、撮影時における周囲の明るさ、水位計を撮影するカメラの性能、およびその撮影距離や角度、カメラの姿勢安定化装置(いわゆるジンバル)の有無、その他の条件に応じて適宜好適な形態のものを選択することができる。

    また、本実施形態における水位計200の上端部分には、図2(e)に示すように、上方から視認可能な位置に二次元の情報コード230が表示されている。 情報コード230は水位計200の個体識別情報をその内容としており、後述するデコーダDEC(デコード手段)で復号することにより水位計200の個体を一意に特定することができる。 尚、本発明における情報コードは二次元の表示形態のものには限定されず、例えばバーコードなどの一次元のコードを採用することもできる。 尚、水位計200b,200cを用いる場合には、図2(d)に示すように、その支柱220b,220cの上面に情報コード230を配置するのがよい。 本実施形態では、水位計200にその個体識別情報を示す情報コード230が表示されていることにより、例えば棚田や小規模な農業用水路など、比較的狭い範囲内に複数の水位計200が設置される環境でも、水位計200の個体およびその水域を正確に特定することが可能とされている。

    本実施形態における水位計200は、その測量部210に目盛りが表示されているため、その目盛りを基準として水位を読み取ればよいが、測量部の目盛りは必須の構成ではない。 例えば図2(a)に示すように、支柱220bの全長のうち水面よりも上の部分の長さをh、測量部210bの傾斜角度をθ、鉛直上方から計測可能な測量部210bの水平方向の長さをxとした場合、hをx/tanθで求めることができる。 予め支柱220bの全長が把握されていれば、このようにして水位を求めることも可能である。

    その他、測量部210の表面の色を、水面よりも上の部分と水面下の部分とで変化させる構成としてもよい。 各部分を色で識別可能とすることにより、例えば透明度が極めて高く水面が静止した水域においても、測量部210が示す水面の位置を視覚的に認識することができる。 特に、測量部210の撮影画像からの水位の読み取りを自動化する場合には、上記特許文献1のような複雑な画像解析を行うことなく水面の位置を判別することが可能となる。 各部分の色を変化させる方法としては、例えば水に濡れている間は異なる色になる塗料や、温度変化により色が変わる塗料を測量部210の表面に塗布することが考えられる。 水濡れにより色を変化させる塗料としては、例えば特開2007−037814に開示されているように、吸湿によって変色する物質(例えば、塩化コバルト)を顔料として含む塗料を用いることが考えられる。 その他、水分を含むことにより光の乱反射が抑止されて色が濃く見える構造や素材を利用してもよい。 測量部210の表面温度によって色を変化させる塗料としては、例えば特開昭63−089757に開示されているような可逆性示温材料を用いることが考えられる。

    [マルチコプターの構成]
    図3は本実施形態にかかるマルチコプターM1の機能構成を示すブロック図である。 マルチコプターM1は、フライトコントローラFC1(制御部)、複数のローターR(回転翼)、ローターRごとに配置されたESC153(Electric Speed Controller)、操縦者の操縦端末171(指令部C1)と無線通信を行う無線送受信器172、および電力供給源であるバッテリー180が筐体190に配設されることにより構成されている。

    各ローターRは、DCモータであるモータ151、および、その出力軸に取り付けられたブレード152により構成されている。 ESC153はローターRのモータ151に接続されており、フライトコントローラFC1から指示された速度でモータ151を回転させる装置である。 尚、本実施形態におけるマルチコプターM1は、4基のローターRが搭載されたクアッドコプターであるが、ローターRの数は4基には限定されず、求められる飛行安定性や許容されるコストに応じて、ローターRが2基のヘリコプターから8基のオクトコプター、さらにそれ以上のローター数を備えるマルチコプターまで適宜変更可能である。

    フライトコントローラFC1は、マイクロコントローラである制御装置MC1を備えている。 制御装置MC1は、中央処理装置であるCPU111、ROMやRAMなどの記憶装置であるメモリST1、および、ESC153を介して各モータ151の回転数および回転速度を制御するPWMコントローラ113を備えている。

    フライトコントローラFC1はさらに、飛行制御センサ群130およびGPS受信器140(以下、「センサ等」(飛行位置測定手段)ともいう。)を備えており、これらは制御装置MC1に接続されている。 本実施形態におけるマルチコプターM1の飛行制御センサ群130には、加速度センサ、角速度センサ、気圧センサ(高度センサ)、地磁気センサ(方位センサ)が含まれている。 制御装置MC1は、これらセンサ等により、機体の傾きや回転のほか、飛行中の緯度経度、高度、および機首の方位角を含む自機の位置情報を取得可能とされている。 尚、本実施形態におけるマルチコプターM1は、その飛行高度を気圧センサにより取得することを想定しているが、気圧センサ以外にも、例えば赤外線、超音波、またはレーザーなど種々の方式を用いた測距センサを地表または水面に向けることで高度を取得することも可能である。

    制御装置MC1のメモリST1には、マルチコプターM1の飛行時における姿勢や基本的な飛行動作を制御する飛行制御アルゴリズムが実装されたプログラムである飛行制御プログラムFCPが記憶されている。 飛行制御プログラムFCPは、操縦者(操縦端末171)の指示に従い、センサ等から取得した現在位置を基に各ローターRの回転数および回転速度を調節し、機体の姿勢や位置の乱れを補正しながらマルチコプターM1を飛行させる。 マルチコプターM1の操縦は、操縦者が操縦端末171を用いて手動で行ってもよく、または、緯度経度、高度、飛行ルートなどのパラメータを飛行制御プログラムFCPに予め登録しておき、目的地へ自律的に飛行させてもよい(以下、このような自律飛行のことを「オートパイロット」という。)。

    また、メモリST1には水位計200の設置位置も記憶されている。 より具体的には、水位計200の緯度および経度がオートパイロット機能の目的地としてメモリST1に記憶されている。 そのため、マルチコプターM1は、メモリST1に記憶された水位計200の設置位置までオートパイロットで自動的に飛行し、その鉛直上方で滞空することができる。 これにより、作業員がマルチコプターM1を手動で操縦する手間が省かれ、作業効率が高められている。

    また、メモリST1には、マルチコプターM1が水位計200の鉛直上方でホバリングを開始したことをトリガーに、自動的に水位計200(測量部210)を撮影する自動撮影プログラムAPP、および、自動撮影プログラムAPPで撮影した画像から水位計200の情報コード230を読み取るデコーダDECも登録されている。

    [水位の測定方法]
    以下に、水位測定システムS1を用いた貯水施設Wの水位測定方法について説明する。 まず、上でも述べたように、水位計200の緯度および経度を、オートパイロット機能の目的地として事前にメモリST1に登録しておく。 貯水施設Wの水位測定を行うときは、作業員は操縦端末171を用いてマルチコプターM1のオートパイロット機能を始動させる。 これによりマルチコプターM1は発着場Tから水位計200の設置位置に向かって自動的に飛行する(往路工程)。 そして、マルチコプターM1が水位計200の設置位置に到着し、その場でホバリングを開始すると、自動撮影プログラムAPPは、真下に向けたカメラ160で水位計200の測量部210を撮影する(撮影工程)。 ここで、マルチコプターM1は、デコーダDECを用いて、撮影した測量部210(および水位計200)の画像から情報コード230を識別し、水位計200の個体識別情報を復号する。 尚、情報コード230の撮影は、測量部210の撮影とは別に行ってもよく、また、撮影した測量部210の画像内に、情報コード230から複合した個体識別情報を付記的に組み込んでもよい。 撮影を終えたマルチコプターM1は、オートパイロット機能により発着場Tに自動的に帰巣する(復路工程)。 作業員は発着場Tに戻ってきたマルチコプターM1の撮影画像を確認し、目視で貯水施設Wの水位を読み取る。

    マルチコプターM1は、上記撮影工程において、情報コード230の位置が撮影画像の略中心となるように、そのホバリング位置を微調整する機能を別途実装してもよい。 また、想定される水位計200の設置位置の撮影画像から情報コード230が検出されなかった場合には、その位置を中心として渦巻き状に上空を旋回し、水位計200の実際の位置を探索する機能を別途実装してもよく、その他、想定される水位計200の設置位置の上空から、通常よりも広い範囲の撮影を行う機能を別途実装しても良い。

    本実施形態の水位測定システムS1を用いた水位測定方法では、マルチコプターM1がオートパイロット機能により自動的に水位計200の設置位置へと移動し、自動的に測量部210を撮影することから、作業員は現場に出向くことなく貯水施設Wの水位を確認することができる。 また、撮影を終えたマルチコプターM1は発着場Tに戻ってくるため、マルチコプターM1の機体やカメラ160のメンテナンスも、作業員が現場に出向くことなく行うことが可能とされている。

    尚、本実施形態におけるマルチコプターM1はオートパイロットで水位計200の設置位置へと移動し、また、自動撮影プログラムAPPにより測量部210の撮影も自動化されているが、これらは必ずしも自動的に実行される必要はない。 例えば、水位計200の設置位置が操縦端末171の電波圏内にあり、また、マルチコプターM1と水位計200の位置関係を目視により正確に把握できる場合、もしくは、別途FPV(First-Person View)システムを実装し、マルチコプターM1の撮影映像から間接的に水位計200との位置を調節可能であるときは、手動でマルチコプターM1を操縦して測量部210の撮影を行うこともできる。

    <第2実施形態>
    以下に、本発明の第2実施形態について図面を用いて説明する。 図4は第2実施形態にかかる水位制御システムS2により貯水設備Wの水量を調節する様子を示す模式図である。 図5は第2実施形態にかかる水位制御システムS2の機能構成を示すブロック図である。 なお、以下の説明では、先の実施形態と同一の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。 また、先の実施形態と基本的な機能が共通する構成については、先の実施形態の符号の末尾の番号のみを変更し、その基本的な機能についての説明を省略する。

    [全体構成]
    水位制御システムS2は第1実施形態の主要構成に加え、ポンプ装置320を用いて貯水施設Wの水量を調節する注排水設備P2(水位調節設備)を備えている。

    [水位計の構成]
    本実施形態における水位計200の構成は第1実施形態と同様である。

    [マルチコプターの構成]
    水位制御システムS2のマルチコプターM2は、第1実施形態における機能に加え、カメラ160で撮影した測量部210の画像を解析して、その撮影時における水位を自動的に判定する画像解析プログラムIAP(水位判定部)と、注排水設備P2を無線通信により遠隔操作する水位制御プログラムWCP(水位制御手段)とを有している。 画像解析プログラムIAPによる水位の判定には、上記特許文献1など、公知の画像認識技術を用いることができる。

    第1実施形態の水位測定システムS1を用いた貯水施設Wの水位測定方法では、マルチコプターM1が撮影した測量部210の撮影画像を、作業員が目視で確認してその水位を読み取る手順となっている。 そのため、作業員は全ての撮影画像に目を通す必要がある。 本実施形態における水位制御システムS2は、マルチコプターM2が画像解析プログラムIAPを有していることにより、作業員が画像を目視確認する手間が省かれている。

    水位制御システムS2のマルチコプターM2は、画像解析プログラムIAPに加えて、注排水設備P2を遠隔操作する水位制御プログラムWCPも有している。 これにより、マルチコプターM2は、貯水施設Wの水位の測定と水位の調節とを、必要に応じて連続的に、または同時に行うことが可能とされている。

    尚、本実施形態のマルチコプターM2は、第1実施形態におけるデコーダDECや、デコーダDECを応用した撮影位置微調節機能や水位計探索機能を備えていてもよい。

    [注排水設備の構成]
    注排水設備P2は、貯水施設Wの注水および排水を行うことにより、貯水施設Wの水量を調節する設備である。 注排水設備P2はポンプ装置320を有しており、ポンプ装置320を用いて貯水施設Wの注排水を行う。 ポンプ装置320の動作は注排水設備P2が有する注排水プログラムWAPにより決定される。 注排水プログラムWAPは、注排水設備P2が備える制御装置310に登録されており、その実行が制御装置310により管理されている。 さらに、注排水設備P2は、マルチコプターM2の水位制御プログラムWCPからの制御信号を受信する無線送受信器330を備えている。 注排水設備P2の制御装置310は、水位制御プログラムWCPからの制御信号に基づいて注排水プログラムWAPを実行し、ポンプ装置320を作動させる。

    また、注排水設備P2の制御装置310にはさらに、F/SプログラムFSP(フェールセーフ手段)が登録されている。 F/SプログラムFSPは、水位制御プログラムWCPによる注排水設備P2の遠隔操作が開始されてから、その操作の終了を示す信号を受信する前に、水位制御プログラムWCPからの信号が所定時間継続して途絶えたときに、自動的に貯水施設Wの注排水を停止し、水位をそのときの状態で維持する。

    注排水設備P2がF/SプログラムFSPを有していることにより、注排水設備P2の操作中にマルチコプターM2に何らかの障害が発生したときでも、その被害の拡大を抑えることが可能とされている。 尚、F/SプログラムFSPが行う具体的な処理の内容は、本実施形態のような注排水の停止には限定されない。 その水域の性質に応じて、例えば排水を行って水を完全に抜ききった方が安全な場合や、逆に、所定の水位まで注水を行った方が安全な場合もあると考えられる。

    [水位の制御方法]
    以下に、水位制御システムS2を用いた貯水施設Wの水位制御方法について説明する。 まず、上でも述べたように、水位計200の緯度および経度を、オートパイロット機能の目的地として事前にメモリST2に登録しておく。 貯水施設Wの水位測定および水位制御を行うときは、作業員は操縦端末171を用いてマルチコプターM2のオートパイロット機能を始動させる。 これによりマルチコプターM2は発着場Tから水位計200の設置位置に向かって自動的に飛行する(往路工程)。 そして、マルチコプターM2が水位計200の設置位置に到着し、その場でホバリングを開始すると、自動撮影プログラムAPPは、真下に向けたカメラ160で水位計200の測量部210を撮影する(撮影工程)。 引き続きマルチコプターM2は、画像解析プログラムIAPにより、撮影した測量部210の画像から貯水施設Wの水位を読み取る。 ここで水位に特に問題がなければ、マルチコプターM2は、オートパイロット機能により発着場Tに自動的に帰巣する(復路工程)。 一方、貯水施設Wの水位が適正値にないときは、マルチコプターM2は水位制御プログラムWCPにより注排水設備P2を操作し、貯水施設Wの注排水を行う(水位調節工程)。 このとき、マルチコプターM2は、貯水施設Wの水量が適正値になるまで周期的に貯水施設Wの水位測定を繰り返し、貯水施設Wの水量が適正値になったら注排水操作の終了を示す信号を注排水設備P2に送信し、オートパイロット機能により発着場Tに自動的に帰巣する(復路工程)。 一方、例えばマルチコプターM2のバッテリー180が足りず、注排水の途中でマルチコプターM2が強制的に帰巣制御されたような場合には、所定時間後に注排水設備P2のF/SプログラムFSPが作動し、注排水が停止される。

    本実施形態の水位制御システムS2を用いた水位制御方法では、マルチコプターM2が画像解析プログラムIAPと、水位制御プログラムWCPとを備えていることにより、途中で作業員の判断を加えることなく、貯水施設Wの水位を適正値に保つことが可能とされている。

    さらに、本実施形態のマルチコプターM2は、測量部210の鉛直上方から真下の測量部210を撮影することから、例えば水が不透明で水面に測量部210の写像が映り込む環境下においても、写像による画像認識への影響が低減されている。 これにより、撮影画像からの水面位置の判別が容易化され、上記特許文献1よりも簡易な手順で、かつ、より高い精度で水面の位置を判別することが可能とされている。 尚、貯水施設Wの水の透明度が極めて高く、水面が静止している場合には、測量部210の水面よりも上の部分と水面下の部分とで測量部210表面の色を変化させる塗料を用いるか、または、測量部210を鉛直上空からではなく、斜め上空から撮影すればよい。 本発明の測量部210は所定の傾斜角度をもって水中に設置されており、測量部210の水面下の部分は斜めから観察すると屈折して見えることから、その屈折位置を基準として、それよりも下の部分を水面下の部分と判別することができる。 その他、マルチコプターM2に比較的低空(水面から3〜4m程度)を飛行させ、ダウンウォッシュにより意図的に波を立たせる方法も考えられる。

    <第3実施形態>
    以下に、本発明の第3実施形態について図面を用いて説明する。 図6は第3実施形態にかかる水位制御システムS3により貯水設備Wの水量を調節する様子を示す模式図である。 図7は第3実施形態にかかる水位制御システムS3の機能構成を示すブロック図である。 なお、以下の説明では、先の実施形態と同一の機能を有する構成については、先の実施形態と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。 また、先の実施形態と基本的な機能が共通する構成については、先の実施形態の符号の末尾の番号のみを変更し、その基本的な機能についての説明を省略する。

    [全体構成]
    水位制御システムS3の主要な構成は第2実施形態とほぼ同様である。 水位制御システムS3の指令部C3は、マルチコプターM3が撮影した測量部210の画像情報を受信可能な無線送受信器172と、その画像を表示可能なモニター420(表示手段)を有している。 また、第2実施形態では、画像解析プログラムIAPおよび水位制御プログラムWCPがマルチコプターM2に実装されていたが、水位制御システムS3ではこれらは指令部C3に実装されている。 また、第2実施形態では、注排水設備P2はマルチコプターM2と無線通信可能に接続されていたが、水位制御システムS3では、注排水設備P3は指令部C3と有線接続されている。 また、マルチコプターM3は指令部C3と移動体通信網を介して通信可能とされている。

    全国に広く敷設されている移動体通信網を介して、指令部C3とマルチコプターM3とが接続されていることにより、指令部C3は通信距離による制約を実質的に受けることなく、マルチコプターM3が撮影した測量部210の画像情報を受信することができる。 これにより遠方の水域の水位測定とその水位の調節とを現地に出向くことなく指令部C3から行うことが可能とされている。

    [水位計の構成]
    本実施形態における水位計200の構成は第1実施形態と同様である。

    [マルチコプターの構成]
    本実施形態におけるマルチコプターM3の構成は第1実施形態とほぼ同様である。 本実施形態のマルチコプターM3は、撮影した測量部210の画像を都度指令部C3へと転送する画像転送プログラムPTPを別途備えている。 尚、本実施形態のマルチコプターM3も、第1実施形態におけるデコーダDECや、デコーダDECを応用した撮影位置微調節機能や水位計探索機能を備えていてもよい。

    [注排水設備の構成]
    本実施形態における注排水設備P3の構成は、第2実施形態とほぼ同様である。 本実施形態の注排水設備P3は、水位制御プログラムWCPからの制御信号をマルチコプターM3からではなく、指令部C3から有線通信を介して受信する。 尚、本実施形態の注排水設備P3は、第2実施形態におけるF/SプログラムFSPを備えていないが、これは単に第2実施形態に比べて水位制御プログラムWCPとの通信が安定しているからであり、備えていても構わない。

    [水位の制御方法]
    以下に、水位制御システムS2を用いた貯水施設Wの水位制御方法について説明する。 まず、上でも述べたように、水位計200の緯度および経度を、オートパイロット機能の目的地として事前にメモリST3に登録しておく。 貯水施設Wの水位測定および水位制御を行うときは、作業員は指令部C3からマルチコプターM3のオートパイロット機能を始動させる。 これによりマルチコプターM3は発着場Tから水位計200の設置位置に向かって自動的に飛行する(往路工程)。 そして、マルチコプターM3が水位計200の設置位置に到着し、その場でホバリングを開始すると、自動撮影プログラムAPPは、真下に向けたカメラ160で水位計200の測量部210を撮影する(撮影工程)。 マルチコプターM3は撮影した測量部210の画像情報を指令部C3へ都度転送する。 かかる画像情報を受信した指令部C3は、画像解析プログラムIAPにより画像情報から貯水施設Wの水位を自動的に読み取り、その水位が適正値であるか否かをマルチコプターM3へ通知する。 ここで水位に特に問題がなければ、マルチコプターM3は、オートパイロット機能により発着場Tに自動的に帰巣する(復路工程)。 一方、貯水施設Wの水位が適正値にないときは、指令部C3はその旨を図示しない報知手段により作業員へと報知する。 報知を受けた作業員は指令部C3の水位制御プログラムWCPを実行して注排水設備P3を操作し、貯水施設Wの注排水を行う(水位調節工程)。 このとき、マルチコプターM3は、貯水施設Wの水位が適正値になるまで周期的に貯水施設Wの水位測定を繰り返し、貯水施設Wの水位が適正値である旨の通知を受信したら、オートパイロット機能により発着場Tに自動的に帰巣する(復路工程)。

    本実施形態では、マルチコプターM3と指令部C3とが移動体通信網を介して接続されていることで、遠方の水域の状況をリアルタイムで確認することができる。 また、指令部C3は、画像解析プログラムIAPによりマルチコプターM3の撮影画像から水位を自動的に読み取り、作業員のアクションが必要なときにのみその旨を作業員に報知する構成とされていることから、水位監視の作業効率が高められている。

    尚、本実施形態においては、指令部C3近傍の発着場TからマルチコプターM3を発着させているが、遠方の注排水設備P3近傍に発着場Tを配置してもよい。

    以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。

    S1 水位測定システムS2,S3 水位制御システムM1〜M3 マルチコプター(無人航空機)
    FC1〜FC3 フライトコントローラ(制御部)
    MC1〜MC3 制御装置111 CPU
    ST1〜ST2 メモリ(記憶部)
    FCP 飛行制御プログラムDEC デコーダ(デコード手段)
    APP 自動撮影プログラムPTP 画像転送プログラム130 飛行制御センサ群(飛行位置測定手段)
    140 GPS受信器(飛行位置測定手段)
    R ローター(回転翼)
    160 カメラ(撮影手段)
    171 操縦端末172 無線送受信器173 無線送受信器200 水位計210 測量部220 支柱230 情報コードP2〜P3 注排水設備(水位調節設備)
    310 制御装置WAP 注排水プログラムFSP F/Sプログラム(フェールセーフ手段)
    320 ポンプ装置330 無線送受信器C1〜C3 指令部420 モニター(表示手段)
    IAP 画像解析プログラム(水位判定部)
    WCP 水位調節プログラム(水位調節手段)
    W 貯水施設T 発着場

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