電極保持器

申请号 JP2007505814 申请日 2005-12-27 公开(公告)号 JPWO2006092905A1 公开(公告)日 2008-08-07
申请人 三浦工業株式会社; 发明人 古川 英夫; 英夫 古川; 武田 知久; 知久 武田;
摘要 金属製の容器取付部6の貫通孔4内に内周壁から突出する略リング状の座部8を設け、貫通孔4内に合成樹脂製の絶縁体5を介して保持される電極軸3の外周に、座部8に対して電極軸3の軸方向の内側又は外側の少なくとも一方に、座部8から距離を隔てて座部8の孔径より大径の係止突起13,14を設けた。これにより、例えば、金属製容器2内が高温となり、絶縁体5が破壊され、電極軸3が容器取付部6から金属製容器2の外部又は内部へ飛び出そうとしたとき、係止突部13,14が座部8と係止し、電極軸3が飛び出すのを防止することができる。また、絶縁体5の破壊で電極軸3と容器取付部6との間に空いた隙間は、座部8に係止突部13,14が係止することにより塞がれるので、絶縁体5が破壊されても金属製容器2内の液体の漏れを極 力 抑えることができる。
权利要求
  • 一端側を端子部とし他端側を検出電極部とした電極軸と、貫通孔を有し、該貫通孔内に合成樹脂製の絶縁体を介して前記電極軸を保持する金属製の容器取付部とを備え、前記電極軸が前記容器取付部により、金属製容器の孔部を貫通した状態で且つ、前記絶縁体により前記金属製容器に対して電気的絶縁された状態で前記金属製容器に取り付けられる電極保持器であって、前記容器取付部の前記貫通孔内に、該貫通孔により形成される前記容器取付部の内周壁から突出する略リング状の座部が設けられ、前記電極軸の外周に、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側または外側の少なくとも一方に、前記座部から距離を隔てて前記座部の孔径より大径の係止突部が設けられていることを特徴とする電極保持器。
  • 前記係止突部は、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側及び外側の両方に設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電極保持器。
  • 前記電極軸と前記絶縁体との接触面に回り止め部が設けられ、且つ前記容器取付部と前記絶縁体との接触面に回り止め部が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の電極保持器。
  • 前記容器取付部の前記貫通孔内及び前記電極軸の外周には、前記電極軸の軸方向へ膨張あるい収縮する前記絶縁体の移動を受けるために、前記移動する絶縁体の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面を有する突起が設けられていることを特徴とする請求の範囲第1項,第2項又は第3項に記載の電極保持器。
  • 前記絶縁体は、前記電極軸に接して被覆している内側絶縁層と、前記金属製容器に取り付けられたときに前記金属製容器内で露出する部分の内側絶縁層の外周を被覆している外側絶縁層とからなり、前記内側絶縁層は、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成され、前記外側絶縁層は、撥水性の良好な樹脂で形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項,第2項,第3項又は第4項に記載の電極保持器。
  • 前記エンジニアリングプラスチックはポリエーテルエーテルケトンであり、前記撥水性の良好な樹脂はフッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体であることを特徴とする請求の範囲第5項に記載の電極保持器。
  • 前記外側絶縁層は、前記容器取付部の端部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合し、前記電極軸の検出電極部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合していることを特徴とする請求の範囲第5項又は第6項に記載の電極保持器。
  • 说明书全文

    本発明は、金属製容器内に収容した液体の液位や液体の電気伝導度等を検出するための電極を前記金属製容器に絶縁状態で取り付ける電極保持器に関するものである。

    従来から、例えば、ボイラの缶体内や給タンク内等における液位を知るための液位検出手段として、またボイラの缶水等の電気伝導度を知るための電気伝導度検出手段として、ボイラの缶体内や給水タンク内と連通する検出用の金属製容器に電極保持器が絶縁状態で取り付けられ、電源の一方を電極保持器の電極と接続し、電源の他方を金属製容器に接続して通電し、前記電極保持器の電極と金属製容器との間の導通状態に基づいて、液位や電気伝導度等の液体の状態を検出している。
    前記金属製容器に取り付けられる電極保持器としては、一端側を端子部とし他端側を検出電極部とした電極軸と、貫通孔を有し、該貫通孔内に合成樹脂製の絶縁体を介して前記電極軸を保持する金属製の容器取付部とを備え、前記電極軸が前記容器取付部により、金属製容器の孔部を貫通した状態で且つ、前記絶縁体により前記金属製容器に対して電気的絶縁された状態で前記金属製容器に取り付けられる構造のものが知られている(日本特開2000−46628号公報参照。)。
    前記電極保持器にあっては、例えば、ボイラの缶体のように内部が高温の状態にあるとき、これと連通する金属製容器内も高温状態となり、金属製容器に取り付けられている前記電極保持器の前記金属製容器内に露出する絶縁体が高温に耐えきれずに破壊されてしまうおそれがある。
    このように絶縁体が破壊された場合、容器取付部に保持されていた電極軸が容器取付部から抜け金属製容器内へ落下するおそれがある。 特に、金属製容器内が負圧であると、金属製容器内に吸い込まれるように落下し、金属製容器を破損させるおそれがある。 また、ボイラの缶体のように内部が高圧である場合、金属製容器内も高圧となり、絶縁体の破壊により容器取付部に保持されていた電極軸が容器取付部から抜け金属製容器の外部へ飛び出し、また、電極軸と容器取付部の間に空いた隙間から金属製容器内の液体が吹き出すおそれがある。
    また、電極軸と容器取付部が金属で絶縁体が合成樹脂であるため、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間が滑りやすく、金属製の電極軸や容器取付部と合成樹脂製の絶縁体の線膨張係数の差や合成樹脂の成形収縮率の大きさから、また、電極軸や容器取付部に捻りトルクが加わった場合に、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間に剥離が生じ、金属製容器内の液体が剥離した隙間から漏れてしまうおそれがある。

    本発明の目的は、絶縁体の破壊があっても、電極軸が金属製容器の外部または内部へ飛び出すのを防止できるとともに、絶縁体の破壊により電極軸と容器取付部の間に空いた隙間から金属製容器内の液体の漏れを極抑えられるようにした電極保持器を提供することにある。
    本発明の他の目的は、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間の剥離の発生を防止し、金属製容器内の液体の漏れを防止できるようにした電極保持器を提供することにある。
    本発明の他の目的は、絶縁体の耐熱性と撥水性を強化し、耐久性と絶縁性を向上させた電極保持器を提供することにある。
    上記の本発明の目的は、一端側を端子部とし他端側を検出電極部とした電極軸と、貫通孔を有し、該貫通孔内に合成樹脂製の絶縁体を介して前記電極軸を保持する金属製の容器取付部とを備え、前記電極軸が前記容器取付部により、金属製容器の孔部を貫通した状態で且つ、前記絶縁体により前記金属製容器に対して電気的絶縁された状態で前記金属製容器に取り付けられる電極保持器であって、前記容器取付部の前記貫通孔内に、該貫通孔により形成される前記容器取付部の内周壁から突出する略リング状の座部が設けられ、前記電極軸の外周に、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側または外側の少なくとも一方に、前記座部から距離を隔てて前記座部の孔径より大径の係止突部が設けられていることを特徴とする電極保持器によ� ��達成される。
    このように構成すると、例えば、金属製容器内が高温状態となり、前記電極保持器の金属製容器内に露出する絶縁体が高温に耐えきれずに破壊され、前記電極軸が前記容器取付部から金属製容器の外部または内部へ飛び出そうとしたとき、前記係止突部が前記座部と係止し、前記電極軸が金属製容器の外部または内部へ飛び出すのを防止することができる。 また、前記絶縁体の破壊で前記電極軸と前記容器取付部の間に空いた隙間は、前記座部と前記係止突部とが係止することにより塞がれるので、前記絶縁体が破壊されても金属製容器内の液体の漏れを極力抑えることができる。
    前記係止突部は、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側及び外側の両方に設けられている。
    このように構成すると、前記電極保持器の金属製容器内に露出する絶縁体が破壊され、前記電極軸が前記容器取付部から金属製容器の外部または内部のいずれへ飛び出そうとしても、前記係止突部が前記座部と係止し、前記電極軸が金属製容器の外部または内部のいずれへも飛び出すことを防止することができる。
    前記電極軸と前記絶縁体との接触面には、回り止め部が設けられ、且つ前記容器取付部と前記絶縁体との接触面には、回り止め部が設けられている。
    このように構成すると、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記絶縁体と前記容器取付部との間に捻りトルクが加わった場合に、前記各回り止め部が前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間の滑りを阻止し、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間の剥離を防止するので、金属製容器内の液体の漏れを防止することができる。
    前記容器取付部の前記貫通孔内及び前記電極軸の外周には、前記電極軸の軸方向へ膨張あるい収縮する前記絶縁体の移動を受けるために、前記移動する絶縁体の移動方向と直交あるいは鋭に接する受面を有する突起が設けられている。
    このように構成すると、金属製の前記電極軸や前記容器取付部よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体は、前記突起の受面に受けられる。 そして、前記突起の受面は、前記移動する絶縁体の移動方向と直交あるいは鋭角に接する面となっていることから、移動する絶縁体と前記受面とは緊密に接触し、両者間のシール性が高くなり、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間に剥離が生じても、前記絶縁体と前記受面によるシールにより、金属製容器内の液体の漏れを防止することができる。
    前記絶縁体は、前記電極軸に接して被覆している内側絶縁層と、金属製容器に取り付けられたときに金属製容器内で露出する部分の内側絶縁層の外周を被覆している外側絶縁層とからなり、前記内側絶縁層は、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成され、前記外側絶縁層は、撥水性の良好な樹脂で形成されている。
    このように構成すると、前記内側絶縁層となるエンジニアリングプラスチックは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性が高く、金属製容器内が高温状態であっても高温に耐えることができる。 しかし、エンジニアリングプラスチックは、150℃前後で組織変化し(ガラス繊維温度が変化し)、撥水性がなくなり絶縁が劣化するが、その外周を被覆している前記外側絶縁層となる撥水性の良好な樹脂、例えば、フッ素系樹脂は高温になっても撥水性は落ちず、前記絶縁体の絶縁性を維持させることができる。 即ち、前記内側絶縁層がエンジニアリングプラスチックで形成されているので、前記絶縁体が高温により破壊されることが防止されると共に、前記外側絶縁層が撥水性の良好な樹脂で形成されているので、前記絶縁体の撥水性が維持される。
    前記エンジニアリングプラスチックはポリエーテルエーテルケトンであり、前記撥水性の良好な樹脂はフッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体である。
    このように構成すると、ポリエーテルエーテルケトンの耐熱性により高温による前記絶縁体の破壊が防止されると共に、フッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体の撥水性により前記絶縁体の絶縁性が維持される。
    前記外側絶縁層は、前記容器取付部の端部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合し、前記電極軸の検出電極部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合している。
    このように構成すると、前記外側絶縁層の収縮による軸方向への移動が阻止され、前記外側絶縁層と前記容器取付部の端部との間及び前記外側絶縁層と前記検出電極部との間に隙間が生ぜず、前記絶縁体の絶縁性が維持される。

    図1は、本発明に係る電極保持器の形態の一例を示す縦断面図。
    図2は、図1のX−X線一部省略断面図。

    本発明をより詳細に説明するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
    図1及び図2は本発明に係る電極保持器の形態の一例を示すものであり、図1は本例の電極保持器の縦断面図、図2は図1のX−X線一部省略断面図である。
    本例の電極保持器1は、金属製容器2に取り付けられて電極(後述)と金属製容器2の導通状態に基づいて金属製容器2内における液体の液位や電気伝導度等を検出するものである。 前記金属製容器2は、ボイラの缶体や給水タンク等に連通して取り付けられ、ボイラの缶体や給水タンク内の液体の液位や電気伝導度等を検出するために使用される。
    前記電極保持器1は一端側を端子部3aとし他端側を検出電極部3bとした電極軸3と、貫通孔4を有してこの貫通孔4内に合成樹脂製の絶縁体5を介して前記電極軸3を保持する金属製の容器取付部6とを備え、前記電極軸3が前記金属製容器2の孔部7を貫通した状態で、前記絶縁体5により前記金属製容器2に対して電気的絶縁されて前記容器取付部6にて前記金属製容器2に取り付けられる構造となっている。
    前記容器取付部6にあっては、上部に大径の六角頭部6aが形成され、下部外周には前記孔部7に形成された雌ネジ部に螺合する雄ネジ部6bが形成されている。
    この容器取付部6の軸心には前記貫通孔4が形成されており、該貫通孔4内には、該貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁から突出する略リング状の座部8が設けられている。
    更に、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間で滑りによる回転を阻止するための回り止め部10が設けられている。 この回り止め部10は、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、或いは前記容器取付部6と前記絶縁体5との接触抵抗を大きくするものであれば、その形状は特に限定されるものではない。 本例では、前記貫通孔4内に突出する座部8の座面に、前記貫通孔4の軸心と交叉する方向に溝9が形成され、この溝9を前記回り止め部10としている。 そして、前記溝9内に前記絶縁体5が入り込むことにより、前記容器取付部6と前記絶縁体5が一体化し、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りが阻止されるようになっている。
    更に、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6よりも大きく膨張あるいは収縮して前記貫通孔4の軸方向へ移動する前記絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面11を有する突起12が設けられている。 本例では、前記座部8が突起12を兼ねており、前記座部8の座面が受面11を構成するものとなっている。 この受面11は、本例では移動する前記絶縁体5と鋭角に接するように傾斜して形成されている。
    また、前記電極軸3にあっては、所定の長さを有し、耐食性、耐熱性を有する金属で形成されている。 そして、その一端側が端子部3aとなり、他端側が検出電極部3bとなっている。 この電極軸3は、前記端子部3aと前記検出電極部3bを残し前記絶縁体5で被覆され、前記容器取付部6と絶縁されている。
    この電極軸3の外周には、前記座部8に対して、軸方向の内側(前記検出電極部3b側)と外側(前記端子部3a側)に所定の距離を隔てて前記座部8の孔径より大径の係止突部13,14がそれぞれ設けられている。
    本例では、前記のように、前記電極軸3の外周に係止突部13,14が、前記座部8に対して、それぞれ軸方向の内側(前記検出電極部3b側)と外側(前記端子部3a側)に設けられているが、これに限られるものではない。 本例の電極保持器1が取り付けられる金属製容器2内が高圧である場合には、前記電極軸3の外周に、前記座部8に対して、軸方向の内側(前記検出電極部3b側)の係止突部13が設けられていればよい。 また、金属製容器2内が負圧である場合には、前記電極軸3の外周に、前記座部8に対して、軸方向の外側(前記端子部3a側)の係止突部14が設けられていればよい。
    更に、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記電極軸3と前記絶縁体5との間で滑りによる回転を阻止するための回り止め部15が設けられている。
    この回り止め部15は、前記電極軸3と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、或いは前記電極軸3と前記絶縁体5との接触抵抗を大きくするものであれば、その形状は特に限定されるものではない。 本例では、前記電極軸3に軸方向と直交する方向へ貫通する貫通穴16が形成され、この貫通穴16を回り止め部15としている。 そして、前記貫通穴16に前記絶縁体5が入り込むことにより、前記電極軸3と前記絶縁体5が一体化し、前記電極軸3と前記絶縁体5との間の滑りが阻止されるようになっている。
    更に、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する前記絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面17を有する突起18が設けられている。 本例では、前記各係止突部13,14もそれぞれ突起18を兼ねており、前記係止突部13,14の前記電極軸3の軸心と直交するそれぞれの面が受面17を構成するものとなっている。 この受面17は、本例では移動する前記絶縁体5の移動方向と直交した状態で接するように形成されている。
    また、本例では、前記電極軸3の検出電極部3bに、先端に開口させてネジ孔19が形成されており、このネジ孔19に検出電極20が螺合して接続されているが、前記検出電極部3bが検出電極20を構成してもよい。
    また、前記絶縁体5にあっては、本例では、前記電極軸3と接して被覆している内側絶縁層5aと、前記電極保持器1が前記金属製容器2に取り付けられたときに前記金属製容器2内で露出する部分の内側絶縁層5aの外周を被覆している外側絶縁層5bとで構成されている。
    前記内側絶縁層5aは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成されている。 このエンジニアリングプラスチックとしては、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。 ポリエーテルエーテルケトンは耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性に加え、成形性に優れている。 また、前記外側絶縁層5bは、撥水性が良好な樹脂、例えば、フッ素系樹脂で形成されている。 このフッ素系樹脂としては、フッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体が好ましい。
    更に、本例では、前記外側絶縁層5bは、前記容器取付部6の端部に形成された係止溝21と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合し、前記検出電極部3bに形成された係止溝22と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合している。
    上記のように構成された電極保持器1は、前記容器取付部6の貫通孔4内に、前記座部8が設けられ、そして前記電極軸3の外周には、前記座部8に対して前記電極軸3の軸方向の内側と外側に距離を隔てて前記座部8の孔径より大径の係止突部13,14が設けられているので、例えば、前記電極保持器1を取り付けた前記金属製容器2内が高温状態となり、前記電極保持器1の前記金属製容器2内に露出する前記絶縁体5が高温に耐えきれずに破壊され、前記電極軸3が前記容器取付部6から前記金属製容器2の外部または内部へ飛び出そうとしたとき、前記係止突部13または前記係止突部14が前記座部8と係止し、前記電極軸3が前記金属製容器2の外部または内部へ飛び出すのを防止することができる。
    また、前記絶縁体5の破壊で前記電極軸3と前記容器取付部6の間に空いた隙間は、前記座部8と前記係止突部13または前記係止突部14とが係止することにより塞がれるので、前記絶縁体5が破壊されても前記金属製容器2内の液体の漏れを極力抑えることができる。
    また、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面に、前記回り止め部10が設けられ、また、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面に、前記回り止め部15が設けられているので、前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記各回り止め部10,15が前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の剥離を防止するので、前記金属製容器2内の液体の漏れを防止することができる。
    また、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面11を有する突起12が設けられ、また、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面17を有する突起18が設けられているので、膨張あるいは収縮により移動する絶縁体5と前記各受面11,17とはそれぞれ緊密に接触し、両者間のシール性が高くなり、前記電極軸3と前記絶� ��体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に剥離が生じても、前記絶縁体5と前記各受面11,17によるシールにより、前記金属製容器2内の液体の漏れを防止することができる。
    また、前記絶縁体5は、前記電極軸3に接して被覆している内側絶縁層5aと、前記電極保持器1が前記金属製容器2に取り付けられたときに前記金属製容器2内で露出する部分の内側絶縁層5aの外周を被覆している前記外側絶縁層5bとで構成されており、前記内側絶縁層5aは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成され、前記外側絶縁層5bは、フッ素系樹脂で形成されている。 前記内側絶縁層5aとなるエンジニアリングプラスチックは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性が高く、前記金属製容器2内が高温状態であっても高温に耐えることができるが、エンジニアリングプラスチックは、150℃前後で組織変化し(ガラス繊維温度が変化し)、撥水性がなくなり絶縁が劣化する。 しかし、その外周を被覆している前記外側絶縁層5bとなるフッ素系樹脂は、高温になっても撥水性は落ちず、前記絶縁体5の絶縁性を維持させることができる。 即ち、前記内側絶縁層5aがエンジニアリングプラスチックで形成されているので、前記絶縁体5が高温により破壊されることが防止されると共に、前記外側絶縁層5bがフッ素系樹脂で形成されているので、前記絶縁体5の撥水性が維持されるものとなる。
    また、前記外側絶縁層5bは、前記容器取付部6の端部に形成された係止溝22と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合し、前記電極軸3の検出電極部3bに形成された係止溝23と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合しているので、前記外側絶縁層5bの膨張あるいは収縮による軸方向への移動が阻止され、前記外側絶縁層5bと前記容器取付部6の端部との間及び前記外側絶縁層5bと前記検出電極部3bとの間に隙間が生ぜず、前記絶縁体5の絶縁性が維持されるものとなる。

    【書類名】 明細書【発明の名称】 電極保持器【技術分野】
    【0001】
    本発明は、金属製容器内に収容した液体の液位や液体の電気伝導度等を検出するための電極を前記金属製容器に絶縁状態で取り付ける電極保持器に関するものである。
    【背景技術】
    【0002】
    従来から、例えば、ボイラの缶体内や給水タンク内等における液位を知るための液位検出手段として、またボイラの缶水等の電気伝導度を知るための電気伝導度検出手段として、ボイラの缶体内や給水タンク内と連通する検出用の金属製容器に電極保持器が絶縁状態で取り付けられ、電源の一方を電極保持器の電極と接続し、電源の他方を金属製容器に接続して通電し、前記電極保持器の電極と金属製容器との間の導通状態に基づいて、液位や電気伝導度等の液体の状態を検出している。
    【0003】
    前記金属製容器に取り付けられる電極保持器としては、一端側を端子部とし他端側を検出電極部とした電極軸と、貫通孔を有し、該貫通孔内に合成樹脂製の絶縁体を介して前記電極軸を保持する金属製の容器取付部とを備え、前記電極軸が前記容器取付部により、金属製容器の孔部を貫通した状態で且つ、前記絶縁体により前記金属製容器に対して電気的絶縁された状態で前記金属製容器に取り付けられる構造のものが知られている(日本特開2000−46628号公報参照。)。
    【0004】
    前記電極保持器にあっては、例えば、ボイラの缶体のように内部が高温の状態にあるとき、これと連通する金属製容器内も高温状態となり、金属製容器に取り付けられている前記電極保持器の前記金属製容器内に露出する絶縁体が高温に耐えきれずに破壊されてしまうおそれがある。
    【0005】
    このように絶縁体が破壊された場合、容器取付部に保持されていた電極軸が容器取付部から抜け金属製容器内へ落下するおそれがある。 特に、金属製容器内が負圧であると、金属製容器内に吸い込まれるように落下し、金属製容器を破損させるおそれがある。 また、ボイラの缶体のように内部が高圧である場合、金属製容器内も高圧となり、絶縁体の破壊により容器取付部に保持されていた電極軸が容器取付部から抜け金属製容器の外部へ飛び出し、また、電極軸と容器取付部の間に空いた隙間から金属製容器内の液体が吹き出すおそれがある。
    【0006】
    また、電極軸と容器取付部が金属で絶縁体が合成樹脂であるため、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間が滑りやすく、金属製の電極軸や容器取付部と合成樹脂製の絶縁体の線膨張係数の差や合成樹脂の成形収縮率の大きさから、また、電極軸や容器取付部に捻りトルクが加わった場合に、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間に剥離が生じ、金属製容器内の液体が剥離した隙間から漏れてしまうおそれがある。
    【発明の開示】
    本発明の目的は、絶縁体の破壊があっても、電極軸が金属製容器の外部または内部へ飛び出すのを防止できるとともに、絶縁体の破壊により電極軸と容器取付部の間に空いた隙間から金属製容器内の液体の漏れを極力抑えられるようにした電極保持器を提供することにある。
    【0007】
    本発明の他の目的は、電極軸と絶縁体との間や容器取付部と絶縁体との間の剥離の発生を防止し、金属製容器内の液体の漏れを防止できるようにした電極保持器を提供することにある。
    【0008】
    本発明の他の目的は、絶縁体の耐熱性と撥水性を強化し、耐久性と絶縁性を向上させた電極保持器を提供することにある。
    【0009】
    上記の本発明の目的は、一端側を端子部とし他端側を検出電極部とした電極軸と、貫通孔を有し、該貫通孔内に合成樹脂製の絶縁体を介して前記電極軸を保持する金属製の容器取付部とを備え、前記電極軸が前記容器取付部により、金属製容器の孔部を貫通した状態で且つ、前記絶縁体により前記金属製容器に対して電気的絶縁された状態で前記金属製容器に取り付けられる電極保持器であって、前記容器取付部の前記貫通孔内に、該貫通孔により形成される前記容器取付部の内周壁から突出する略リング状の座部が設けられ、前記電極軸の外周に、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側または外側の少なくとも一方に、前記座部から距離を隔てて前記座部の孔径より大径の係止突部が設けられていることを特徴とする電極保持器によ� ��達成される。
    【0010】
    このように構成すると、例えば、金属製容器内が高温状態となり、前記電極保持器の金属製容器内に露出する絶縁体が高温に耐えきれずに破壊され、前記電極軸が前記容器取付部から金属製容器の外部または内部へ飛び出そうとしたとき、前記係止突部が前記座部と係止し、前記電極軸が金属製容器の外部または内部へ飛び出すのを防止することができる。 また、前記絶縁体の破壊で前記電極軸と前記容器取付部の間に空いた隙間は、前記座部と前記係止突部とが係止することにより塞がれるので、前記絶縁体が破壊されても金属製容器内の液体の漏れを極力抑えることができる。
    【0011】
    前記係止突部は、前記座部に対して前記電極軸の軸方向の内側及び外側の両方に設けられている。
    【0012】
    このように構成すると、前記電極保持器の金属製容器内に露出する絶縁体が破壊され、前記電極軸が前記容器取付部から金属製容器の外部または内部のいずれへ飛び出そうとしても、前記係止突部が前記座部と係止し、前記電極軸が金属製容器の外部または内部のいずれへも飛び出すことを防止することができる。
    【0013】
    前記電極軸と前記絶縁体との接触面には、回り止め部が設けられ、且つ前記容器取付部と前記絶縁体との接触面には、回り止め部が設けられている。
    【0014】
    このように構成すると、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記絶縁体と前記容器取付部との間に捻りトルクが加わった場合に、前記各回り止め部が前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間の滑りを阻止し、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間の剥離を防止するので、金属製容器内の液体の漏れを防止することができる。
    【0015】
    前記容器取付部の前記貫通孔内及び前記電極軸の外周には、前記電極軸の軸方向へ膨張あるい収縮する前記絶縁体の移動を受けるために、前記移動する絶縁体の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面を有する突起が設けられている。
    【0016】
    このように構成すると、金属製の前記電極軸や前記容器取付部よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体は、前記突起の受面に受けられる。 そして、前記突起の受面は、前記移動する絶縁体の移動方向と直交あるいは鋭角に接する面となっていることから、移動する絶縁体と前記受面とは緊密に接触し、両者間のシール性が高くなり、前記電極軸と前記絶縁体との間や前記容器取付部と前記絶縁体との間に剥離が生じても、前記絶縁体と前記受面によるシールにより、金属製容器内の液体の漏れを防止することができる。
    【0017】
    前記絶縁体は、前記電極軸に接して被覆している内側絶縁層と、金属製容器に取り付けられたときに金属製容器内で露出する部分の内側絶縁層の外周を被覆している外側絶縁層とからなり、前記内側絶縁層は、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成され、前記外側絶縁層は、撥水性の良好な樹脂で形成されている。
    【0018】
    このように構成すると、前記内側絶縁層となるエンジニアリングプラスチックは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性が高く、金属製容器内が高温状態であっても高温に耐えることができる。 しかし、エンジニアリングプラスチックは、150℃前後で組織変化し(ガラス繊維温度が変化し)、撥水性がなくなり絶縁が劣化するが、その外周を被覆している前記外側絶縁層となる撥水性の良好な樹脂、例えば、フッ素系樹脂は高温になっても撥水性は落ちず、前記絶縁体の絶縁性を維持させることができる。 即ち、前記内側絶縁層がエンジニアリングプラスチックで形成されているので、前記絶縁体が高温により破壊されることが防止されると共に、前記外側絶縁層が撥水性の良好な樹脂で形成されているので、前記絶縁体の撥水性が維持される。
    【0019】
    前記エンジニアリングプラスチックはポリエーテルエーテルケトンであり、前記撥水性の良好な樹脂はフッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体である。
    【0020】
    このように構成すると、ポリエーテルエーテルケトンの耐熱性により高温による前記絶縁体の破壊が防止されると共に、フッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体の撥水性により前記絶縁体の絶縁性が維持される。
    【0021】
    前記外側絶縁層は、前記容器取付部の端部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合し、前記電極軸の検出電極部に形成された係止溝に前記電極軸の軸方向へ移動しないように係合している。
    【0022】
    このように構成すると、前記外側絶縁層の収縮による軸方向への移動が阻止され、前記外側絶縁層と前記容器取付部の端部との間及び前記外側絶縁層と前記検出電極部との間に隙間が生ぜず、前記絶縁体の絶縁性が維持される。
    【図面の簡単な説明】
    【0023】
    図1は、本発明に係る電極保持器の形態の一例を示す縦断面図。
    【0024】
    図2は、図1のX−X線一部省略断面図。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0025】
    本発明をより詳細に説明するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
    【0026】
    図1及び図2は本発明に係る電極保持器の形態の一例を示すものであり、図1は本例の電極保持器の縦断面図、図2は図1のX−X線一部省略断面図である。
    【0027】
    本例の電極保持器1は、金属製容器2に取り付けられて電極(後述)と金属製容器2の導通状態に基づいて金属製容器2内における液体の液位や電気伝導度等を検出するものである。 前記金属製容器2は、ボイラの缶体や給水タンク等に連通して取り付けられ、ボイラの缶体や給水タンク内の液体の液位や電気伝導度等を検出するために使用される。
    【0028】
    前記電極保持器1は一端側を端子部3aとし他端側を検出電極部3bとした電極軸3と、貫通孔4を有してこの貫通孔4内に合成樹脂製の絶縁体5を介して前記電極軸3を保持する金属製の容器取付部6とを備え、前記電極軸3が前記金属製容器2の孔部7を貫通した状態で、前記絶縁体5により前記金属製容器2に対して電気的絶縁されて前記容器取付部6にて前記金属製容器2に取り付けられる構造となっている。
    【0029】
    前記容器取付部6にあっては、上部に大径の六角頭部6aが形成され、下部外周には前記孔部7に形成された雌ネジ部に螺合する雄ネジ部6bが形成されている。
    【0030】
    この容器取付部6の軸心には前記貫通孔4が形成されており、該貫通孔4内には、該貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁から突出する略リング状の座部8が設けられている。
    【0031】
    更に、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間で滑りによる回転を阻止するための回り止め部10が設けられている。 この回り止め部10は、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、或いは前記容器取付部6と前記絶縁体5との接触抵抗を大きくするものであれば、その形状は特に限定されるものではない。 本例では、前記貫通孔4内に突出する座部8の座面に、前記貫通孔4の軸心と交叉する方向に溝9が形成され、この溝9を前記回り止め部10としている。 そして、前記溝9内に前記絶縁体5が入り込むことにより、前記容器取付部6と前記絶縁体5が一体化し、前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りが阻止されるようになっている。
    【0032】
    更に、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6よりも大きく膨張あるいは収縮して前記貫通孔4の軸方向へ移動する前記絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面11を有する突起12が設けられている。 本例では、前記座部8が突起12を兼ねており、前記座部8の座面が受面11を構成するものとなっている。 この受面11は、本例では移動する前記絶縁体5と鋭角に接するように傾斜して形成されている。
    【0033】
    また、前記電極軸3にあっては、所定の長さを有し、耐食性、耐熱性を有する金属で形成されている。 そして、その一端側が端子部3aとなり、他端側が検出電極部3bとなっている。 この電極軸3は、前記端子部3aと前記検出電極部3bを残し前記絶縁体5で被覆され、前記容器取付部6と絶縁されている。
    【0034】
    この電極軸3の外周には、前記座部8に対して、軸方向の内側(前記検出電極部3b側)と外側(前記端子部3a側)に所定の距離を隔てて前記座部8の孔径より大径の係止突部13,14がそれぞれ設けられている。
    【0035】
    本例では、前記のように、前記電極軸3の外周に係止突部13,14が、前記座部8に対して、それぞれ軸方向の内側(前記検出電極部3b側)と外側(前記端子部3a側)に設けられているが、これに限られるものではない。 本例の電極保持器1が取り付けられる金属製容器2内が高圧である場合には、前記電極軸3の外周に、前記座部8に対して、軸方向の内側(前記検出電極部3b側)の係止突部13が設けられていればよい。 また、金属製容器2内が負圧である場合には、前記電極軸3の外周に、前記座部8に対して、軸方向の外側(前記端子部3a側)の係止突部14が設けられていればよい。
    更に、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記電極軸3と前記絶縁体5との間で滑りによる回転を阻止するための回り止め部15が設けられている。
    【0036】
    この回り止め部15は、前記電極軸3と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、或いは前記電極軸3と前記絶縁体5との接触抵抗を大きくするものであれば、その形状は特に限定されるものではない。 本例では、前記電極軸3に軸方向と直交する方向へ貫通する貫通穴16が形成され、この貫通穴16を回り止め部15としている。 そして、前記貫通穴16に前記絶縁体5が入り込むことにより、前記電極軸3と前記絶縁体5が一体化し、前記電極軸3と前記絶縁体5との間の滑りが阻止されるようになっている。
    【0037】
    更に、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する前記絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面17を有する突起18が設けられている。 本例では、前記各係止突部13,14もそれぞれ突起18を兼ねており、前記係止突部13,14の前記電極軸3の軸心と直交するそれぞれの面が受面17を構成するものとなっている。 この受面17は、本例では移動する前記絶縁体5の移動方向と直交した状態で接するように形成されている。
    【0038】
    また、本例では、前記電極軸3の検出電極部3bに、先端に開口させてネジ孔19が形成されており、このネジ孔19に検出電極20が螺合して接続されているが、前記検出電極部3bが検出電極20を構成してもよい。
    また、前記絶縁体5にあっては、本例では、前記電極軸3と接して被覆している内側絶縁層5aと、前記電極保持器1が前記金属製容器2に取り付けられたときに前記金属製容器2内で露出する部分の内側絶縁層5aの外周を被覆している外側絶縁層5bとで構成されている。
    【0039】
    前記内側絶縁層5aは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成されている。 このエンジニアリングプラスチックとしては、ポリエーテルエーテルケトンが好ましい。 ポリエーテルエーテルケトンは耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性に加え、成形性に優れている。 また、前記外側絶縁層5bは、撥水性が良好な樹脂、例えば、フッ素系樹脂で形成されている。 このフッ素系樹脂としては、フッ化エチレン−フロロアルコキシエチレン共重合体が好ましい。
    【0040】
    更に、本例では、前記外側絶縁層5bは、前記容器取付部6の端部に形成された係止溝21と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合し、前記検出電極部3bに形成された係止溝22と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合している。
    【0041】
    上記のように構成された電極保持器1は、前記容器取付部6の貫通孔4内に、前記座部8が設けられ、そして前記電極軸3の外周には、前記座部8に対して前記電極軸3の軸方向の内側と外側に距離を隔てて前記座部8の孔径より大径の係止突部13,14が設けられているので、例えば、前記電極保持器1を取り付けた前記金属製容器2内が高温状態となり、前記電極保持器1の前記金属製容器2内に露出する前記絶縁体5が高温に耐えきれずに破壊され、前記電極軸3が前記容器取付部6から前記金属製容器2の外部または内部へ飛び出そうとしたとき、前記係止突部13または前記係止突部14が前記座部8と係止し、前記電極軸3が前記金属製容器2の外部または内部へ飛び出すのを防止することができる。
    【0042】
    また、前記絶縁体5の破壊で前記電極軸3と前記容器取付部6の間に空いた隙間は、前記座部8と前記係止突部13または前記係止突部14とが係止することにより塞がれるので、前記絶縁体5が破壊されても前記金属製容器2内の液体の漏れを極力抑えることができる。
    【0043】
    また、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面に、前記回り止め部10が設けられ、また、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面に、前記回り止め部15が設けられているので、前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に捻りトルクが加わった場合に、前記各回り止め部10,15が前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の滑りを阻止し、前記電極軸3と前記絶縁体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間の剥離を防止するので、前記金属製容器2内の液体の漏れを防止することができる。
    【0044】
    また、前記貫通孔4により形成される前記容器取付部6の内周壁、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記容器取付部6よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面11を有する突起12が設けられ、また、前記電極軸3の外周、即ち、前記絶縁体5との接触面には、前記電極軸3よりも大きく膨張あるいは収縮して軸方向へ移動する絶縁体5の移動を受けるために、前記移動する絶縁体5の移動方向と直交あるいは鋭角に接する受面17を有する突起18が設けられているので、膨張あるいは収縮により移動する絶縁体5と前記各受面11,17とはそれぞれ緊密に接触し、両者間のシール性が高くなり、前記電極軸3と前記絶� ��体5との間や前記容器取付部6と前記絶縁体5との間に剥離が生じても、前記絶縁体5と前記各受面11,17によるシールにより、前記金属製容器2内の液体の漏れを防止することができる。
    【0045】
    また、前記絶縁体5は、前記電極軸3に接して被覆している内側絶縁層5aと、前記電極保持器1が前記金属製容器2に取り付けられたときに前記金属製容器2内で露出する部分の内側絶縁層5aの外周を被覆している前記外側絶縁層5bとで構成されており、前記内側絶縁層5aは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性のエンジニアリングプラスチックで形成され、前記外側絶縁層5bは、フッ素系樹脂で形成されている。 前記内側絶縁層5aとなるエンジニアリングプラスチックは、耐熱性、耐高圧性、及び耐薬品性が高く、前記金属製容器2内が高温状態であっても高温に耐えることができるが、エンジニアリングプラスチックは、150℃前後で組織変化し(ガラス繊維温度が変化し)、撥水性がなくなり絶縁が劣化する。 しかし、その外周を被覆している前記外側絶縁層5bとなるフッ素系樹脂は、高温になっても撥水性は落ちず、前記絶縁体5の絶縁性を維持させることができる。 即ち、前記内側絶縁層5aがエンジニアリングプラスチックで形成されているので、前記絶縁体5が高温により破壊されることが防止されると共に、前記外側絶縁層5bがフッ素系樹脂で形成されているので、前記絶縁体5の撥水性が維持されるものとなる。
    【0046】
    また、前記外側絶縁層5bは、前記容器取付部6の端部に形成された係止溝21と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合し、前記電極軸3の検出電極部3bに形成された係止溝22と前記電極軸3の軸方向へ移動しないように係合しているので、前記外側絶縁層5bの膨張あるいは収縮による軸方向への移動が阻止され、前記外側絶縁層5bと前記容器取付部6の端部との間及び前記外側絶縁層5bと前記検出電極部3bとの間に隙間が生ぜず、前記絶縁体5の絶縁性が維持されるものとなる。

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