【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、予め決められたレベルに対応する所望のレベルに対する容器内の液体のレベルの偏差を測定する装置に関し、特に、ガソリン、液体ガス又はディーゼルのポンプディスペンサのようなディスペンサを通して供給された液体の容積を正確に測定するための装置に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比較的に構造上及び作用的に簡単でしかも高精度な使用ができる装置を提供することにある。 【0003】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、予め決められた容積に対応する所望のレベルに対する容器内の液体のレベルの偏差を測定する装置を提供する。 この装置は堰手段を越えて容器内の液体のレベルを変位させる変位手段を有し、この変位させられる液体を測定することにより予め決められた容積に対する容器内の液体の容積の偏差を測定する。 【0004】本発明の特に好ましい実施例によれば、変位手段は細長い部材からなり、堰手段を越える容器内の液体のレベルを変位させるために容器内へ挿入される。 【0005】好ましくは変位手段は中空の管状部材からなりその底部端が閉じたものであると良い。 【0006】特に好ましい構造として、管状部材は、管状部材を挿入したときに変位させられる液体が流れ込む堰手段となる入口を有している。 【0007】理想的には、指示スケールは管状部材の中に備えられる。 【0008】好ましくは、スケールは管状部材の中で伸びた細長のスケール部材として備えられ、スケール部材は予め決められた容積に対する供給された容積の偏差を示すよう目盛りが付されている。 【0009】本発明の一つの実施例では供給された液体を収集する容器を含み、その容器は細い首部を有し、その首部内の液体が変位手段によって変位させられる。 好ましくは容器はその首部の上に拡大された充填部を含む。 もっと好ましくは容器は基部と、その基部と首部との間に円錐部を含む。 【0010】本発明の特に好ましい実施例においては、 予め決められた容積を較正するための容積調整手段を含んでいる。 好ましくは、調整手段は容器内に配置される本体部材からなり、本体部材が試験容積を較正するために容器に対し出入り可能になっている。 理想的には、本体は可撓性材料からできている。 【0011】本発明の他の実施例では堰手段は予め決められた容積に対応するレベルに隣接する容器内の出口からなり、この出口を通過する変位させられた液体を測定することにより、予め決められた容積に対する容器内の液体の容積の偏差を測定する。 【0012】本発明は添付図面から参照することができる例を用いた以下の記述により、より明確に理解されるであろう。 【0013】 【実施例】最初に図1から図4を参照するに、おおよそ参照番号1で示された装置が予め決められた容積に対応する所望のレベル3に対する容器2内の液体のレベルを偏差を測定する装置として示されている。 装置は特に、 ガソリン、液化石油ガス、又はディーセルポンプディスペンサのようなディスペンサによって供給された液体の容積を正確に測定するためのものである。 装置1は容器2の中に挿入し容器2の中で液体のレベルを上方に変位させる変位手段を有しており、この場合、中空の管状部材の形をした細長い部材5が変位手段となっている。 この場合、管状部材5は使用中には容器2内の所望のレベル3に対応するレベルの所あたりに位置する堰手段となる入口孔10を有している。 管状部材5はその底部端1 1で閉じられているため、管状部材5の容器2への挿入時には液体が管5の内部へ受け入れられ、管5が容器から引き出されたときにはその中に液体が保存されている。 管状部材5の中には内部の閉じた管状部材15に指示スケールが備えられており、管5に対して固定された管状部材15の上に所望の予め決められた量に対する容器2に供給された液体の量の偏差を示すスケール線が印されるか又は、その中にスケール線が備えられている。 スケールは所望の量に対する偏差を直接容積で示したものを目盛るか、又は図示したように少なくとも±0.0 5%の精度のパーセンテージで示したものを目盛るかする。 【0014】入口孔10はV字型のようないかなる所望の形状、構成をしてもよい。 選択的には、2つまたはそれ以上の孔又はスロットを備えてもよい。 【0015】さらに詳しくは、容器2はいかなる所望の形状、構成をしてもよい。 好ましくは、容器2は細い首部20を備え、首部内の液体が管状部材5によって変位される。 また容器2は首部20の上方に拡大された充填部21を備え、はねかえりによる損失を防止し、自動車のガソリンまたはディーゼルタンクの充填にまねている。 容器2は首部20の下方に略管状の基部25と、基部25と細い首部20とを連結する円錐部26を備えている。 容器2はさらに、基部支持脚27と運搬用ハンドル28を備えている。 好ましくは容器はポリエステルレジン充填材料から鋳造されると良く、温度の変化に対してほぼ一定の大きさに保つことができる。 ポリエステル材料は表面張力を有しており、これは空気ポケットを防止するだけでなく、容器2をからにしたときの付着を最小限にすることができる。 【0016】入口孔10はほとんど円形で、下方に伸びた小さい延長部を有している。 延長部はいかなる適当な形状でよいが、好ましくはV字型がよい。 選択的には、 2つ又はそれ以上の孔又はスロットを備えてもよい。 【0017】容器2の円錐部26によって容器2の中で空気ポケットができないように保証することができる。 細い首部20と、容器2内に管状部材5を挿入したとき管状部材5と首部20との間にできる非常に小さい領域によって、容器2が水平グランド上に支持されていないことによって生じるおそれのある誤差をほぼ除去することができる。 【0018】使用においては、ガソリン、液化石油ガス又はディーゼルポンプのようなディスペンサの精度をチェックするために、例えば10リットルの既知の量をディスペンサが示すまで容器2の中へ供給する。 この場合に使用された容器2は名目的に10リットルの容積を有しており、ディスペンサによって充填されたとき、容器の液体のレベルは図2で示したように容器2の首部20 の低部へおおよそ達しているであろう。 次に管状部材5 をその下部端11が容器2の底にあたるまで容器2の中へ挿入する。 中空の管状部材を挿入することにより、液体は首部20を通って容器2の上方へ変位し、入口孔1 0を通って管状部材5の中の内部スケール管15と管状部材5との間で画成される空間へ入っていく。 この作用を図3に概略的に示す。 容器2内の液体が安定すると、 管状部材5を引き抜いて、管内の液体の量をディスペンサによって供給された液体の量の精度を示すスケール管15から読み取る。 スケール管15の示度が0.00% になると、試験下でディスペンサが100%の精度を有することを意味し、一方、示度が0.00%以下ということは、スケール上に示された量だけ少ない容量の供給がされたことを意味する。 同様に、示度が0.00%より高くなると、示された量だけ超過の供給がなされたことを意味する。 スケール上の示度の上下は、使用者にどの程度正確にポンプが容積以下、以上の供給を行っているかを示し、所望のレベル以上又は以下の容積の量を示している。 ディスペンサポンプはこれにより調整され供給の正確性をチェックするためにこの手順が繰り返される。 本発明の装置を使用して収集されるデータは、ストック誤差の計算に使用することもでき、容積測定及び給油場等の経営管理に有用な財務計算の手助けとすることができる。 【0019】第1に容器2の上部の液体レベルに制限し、第2に変位管と容器2の首との間の非常に狭い隙間を与え、さらに、スケール管と管状部材5との間の狭い空間の中を通ることにより管内の液体量を引き延ばすことにより、非常に高い正確性が得られる。 さらに、スケールは読み取りが迅速かつ容易にできる。 スケールの読み取りが簡単かつ迅速にできるので、揮発性製品の蒸発による損失を最小限に抑えることができる。 【0020】次に図5から図7には本発明による別の実施例が示されており、容器2の予め調整された容積を較正するための容積調整手段をさらに有している。 この場合調整手段は、可撓性材料ででき容器2内に取り付けられた本体40からなり、本体40は試験容積を較正するために容器2から出入り可能になっている。 可撓性本体40はゴム又は他の類似の材料からなり、可撓性本体4 0内にモールドされたヘッド42を持つネジ棒41によって、容器2から出入りができる。 このネジ棒41は調整ナット43を回転させることにより、容器に対して内外方向へ可撓性本体40を移動させることができ、容器の液体レベルを上下させて必要な較正を行うことができる。 調整されると、調整機構はカバーがされ、キャップ45によって密閉される。 較正手順において、正確に1 0リットルの脱気された水を容器2の中へ注入し、中空の管状部材15を挿入する。 管状部材のスケールの示度に応じて、0.00%の示度がスケール管15によって得られるまで、本体40を容器2に対して内外方向へ動かす。 そして、0.00%の示度が得られると、本体4 0を既述のようにして固定する。 【0021】管状部材15を容器2の中へ挿入する深さは、温度の相違及び/又は測定すべき液体の種類を考慮して、手動的または自動的に調整してもよい。 【0022】図8では、おおよそ参照番号50で示した本発明にかかる第3実施例を表している。 この装置の容器2は図1から図7を参照して述べた容器に類似したものであり、同じ部品には同じ参照番号を付している。 この場合、変位手段は細長の部材51からなり、容器はその首部20の中にオーバフロー出口52を備えており、 このオーバフロー出口52は部材51を挿入したときに変位する液体を管53を通してメスシリンダ55のような測定ガラスびんの中に放出する堰手段として機能する。 装置50はこのディスペンサの正確性が細長棒51 を挿入することによりメスシリンダ55に放出される液体の容積によって測定されることを除き、図1から図7 までに示した上述の装置と同様に作用する。 測定ガラスびんは容器2と分離しても、容器に取り付けられていても、又は容器と一体であってもよい。 【0023】本発明の変位手段は上述された種類以外の容器と共同して使用されるものであってもよいことは予想できる。 例えば、管状部材5の形をした変位手段のみを有する装置は他の容器、例えば容積測定フラスコ、シリンダ(メスシリンダ等)、加圧ガスコンテナ又は既知の重量の液体が容器に供給され、そこからの容積偏差が比重又は温度の正確な測定として使用されるものと共同して使用してもよい。 【0024】ここで述べた本発明の実施例に多くの変更をすることができることは明らかであり、従って上述の実施例に限定されることなく構造及び詳細を変更することができることは言うまでもない。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明にかかる装置の一部を形成する容器の斜視図である。 【図2】図1の容器の部分断面図である。 【図3】装置の容器の別の部分断面図である。 【図4】(a)は装置の別の部分の側面図である。 (b)と(c)は(a)の装置の一部の拡大断面図である。 【図5】本発明による装置の第2実施例を示す断面図である。 【図6】図5の装置の部分断面図である。 【図7】図5の装置の部分断面図である。 【図8】本発明による装置の第3実施例を示す断面図である。 【符号の説明】 1 装置 2 容器 3 所望レベル 5、51 変位手段 10、52 堰手段 15 スケール管 20 首部 21 充填部 25 基部 26 円錐部 40 本体 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】 【提出日】平成3年9月18日 【手続補正1】 【補正対象書類名】図面 【補正対象項目名】全図 【補正方法】変更 【補正内容】 【図6】 【図1】 【図2】 【図4】 【図7】 【図3】 【図5】 【図8】 |