容積測定装置及び容積測定方法

申请号 JP2014542178 申请日 2013-10-17 公开(公告)号 JP6229123B2 公开(公告)日 2017-11-15
申请人 イマジニアリング株式会社; 发明人 池田 裕二;
摘要
权利要求

往復動エンジンにおけるシリンダの容積測定装置であって、 上記シリンダの内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂を用いて被膜を形成する被膜形成手段、 上記被膜を形成したシリンダ内に一定量のガスを導入、又は上記シリンダ内から一定量のガスを導出し、上記導入及び導出前後のシリンダ内の圧を計測する圧力計測手段、並びに 上記圧力計測手段により得られた圧力の値を用いてシリンダの容積を算出する容積算出手段 を備えることを特徴とする容積測定装置。上記被膜形成手段により被膜を形成する前に、シリンダ内部を高温・高圧ガスで洗浄する洗浄手段をさらに備える請求項1に記載の容積測定装置。上記圧力計測手段による圧力の測定後、シリンダ内部に高温ガスを導入して上記被膜を熱分解し、この熱分解によって生じた有機ガスをシリンダ内から除去する除去手段をさらに備える請求項1又は請求項2に記載の容積測定装置。上記被膜形成手段が、 上記熱分解性樹脂を上記シリンダの内表面の一部又は全部に噴霧する噴霧装置、及び 上記噴霧した熱分解性樹脂を冷却する冷却装置 を含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の容積測定装置。上記シリンダが、上死点に位置する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の容積測定装置。往復動エンジンにおけるシリンダの容積測定方法であって、 上記シリンダの内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂を用いて被膜を形成する被膜形成工程、 上記被膜を形成したシリンダ内に一定量のガスを導入、又は上記シリンダ内から一定量のガスを導出し、上記導入及び導出前後のシリンダ内の圧力を計測する圧力計測工程、並びに 上記圧力計測工程により得られた圧力の値を用いてシリンダの容積を算出する容積算出工程 を備えることを特徴とする容積測定方法。

说明书全文

本発明は、容積測定装置及び容積測定方法に関するものである。

往復動エンジンの燃焼室において、ピストン上死点のシリンダ容積を測定する方法としては、(1)燃焼室内の媒質の体積変化及び圧変化を利用する方法(特開平4−198833号公報及び特開平6−82342号公報参照)、(2)ヘルムホルツ共鳴器を利用した音響式容積測定方法(特開平6−186070号公報参照)(3)シリンダヘッドの中空部及びピストン上死点におけるシリンダ本体の中空部を満たすのに要する油の量を測定することにより求める方法等が知られている。しかし、上記(1)及び(2)の方法においては、上記燃焼室が完全な閉空間ではなく、ピストンリング周辺等の隙間において漏れがあるため、上記圧力変化、音圧等を正確に測定できないという不都合がある。また、上記(3)の方法においては、シリンダ本体を分解する必要があり、生産ラインにおける測定には不向きである。

特開平4−198833号公報

特開平6−82342号公報

特開平6−186070号公報

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、往復動エンジンの燃焼室において、ピストンリング周辺等の隙間の影響を受けることなく、精密かつ簡便にピストン上死点におけるシリンダ容積を測定できる方法を提供することである。

上記課題を解決するためになされた発明は、 往復動エンジンにおけるシリンダの容積測定装置であって、 上記シリンダの内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂を用いて被膜を形成する被膜形成手段、 上記被膜を形成したシリンダ内に一定量のガスを導入、又は上記シリンダ内から一定量のガスを導出し、上記導入及び導出前後のシリンダ内の圧力を計測する圧力計測手段、並びに 上記圧力計測手段により得られた圧力の値を用いてシリンダの容積を算出する容積算出手段 を備えることを特徴とする容積測定装置である。

本発明の容積測定装置は、シリンダの内表面に上記被膜を形成することで、ピストンリング周辺等の隙間を塞ぐことができるため、圧力計測時のガスの漏れが生じず、圧力をより正確に計測することができる。さらに、シリンダ内に一定量のガスを導入、又はシリンダ内から一定量のガスを導出することで生じる圧力の変化を用いて、シリンダ容積を正確かつ簡便に算出することができるため、工場の製造ラインにおける製品チェック等にも好適に用いることができる。

本発明の容積測定装置においては、上記被膜形成手段により被膜を形成する前に、シリンダ内部を高温高圧ガスで洗浄する洗浄手段をさらに備えることが好ましい。

本発明の容積測定装置においては、シリンダ内部に付着したオイルやゴミ等を洗浄により取り除いた後に上記被膜を形成することで、シリンダ容積をより正確に測定することができる。

本発明の容積測定装置においては、上記圧力計測手段による圧力の測定後、シリンダ内部に高温ガスを導入して上記被膜を熱分解し、この熱分解によって生じた有機ガス成分をシリンダ内から除去する除去手段をさらに備えることが好ましい。

本発明の容積測定装置は、上記被膜を熱分解性樹脂により形成するため、上記圧力測定後は、高熱処理により上記被膜を熱分解させ、生じた有機ガスを除去することにより簡便に取り除き、元の状態に戻すことができる。

また、上記被膜形成手段は、上記熱分解性樹脂を上記シリンダの内表面の一部又は全部に噴霧する噴霧装置、及び上記噴霧した熱分解性樹脂を冷却する冷却装置を含むことが好ましい。

本発明の容積測定装置は、上記熱分解性樹脂を噴霧によりシリンダ表面にコーティングすることで、より薄く、均一な厚さの被膜を簡便に形成することができる。また、上記冷却装置を含むことで、被膜をより効率良く短時間で形成することができる。

本発明の容積測定装置は、上記シリンダが上死点に位置する場合のシリンダ容積の測定に好適に用いられる。本発明の容積測定装置は、シリンダの位置に関わらず容積測定が可能であるが、従来の方法に比べてより正確かつ簡便に測定できるため、上死点のようにその容積が小さく誤差が生じやすい位置であっても正確に測定することができる。

また、本発明は、往復動エンジンにおけるシリンダの容積測定方法であって、 上記シリンダの内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂を用いて被膜を形成する被膜形成工程、 上記被膜を形成したシリンダ内に一定量のガスを導入、又は上記シリンダ内から一定量のガスを導出し、上記導入及び導出前後のシリンダ内の圧力を計測する圧力計測工程、並びに 上記圧力計測工程により得られた圧力の値を用いてシリンダの容積を算出する容積算出工程 を備えることを特徴とする容積測定方法も含む。

本発明の容積測定方法を用いると、往復動エンジンの量産ラインにおいて、シリンダ容積のチェックを精密かつ簡便に行うことができる。

本発明の容積測定装置又は容積測定方法を用いると、ピストンリング周辺等の隙間の影響を受けることなく、精密かつ簡便にピストン上死点におけるシリンダ容積を測定することができる。

実施形態1に係る容積測定装置のブロック図である。

実施形態1に係る容積測定装置の洗浄手段の縦断面図である。

実施形態1に係る容積測定装置の被膜形成手段の縦断面図である。

実施形態1に係る容積測定装置の圧力計測手段の縦断面図である。

実施形態1に係る容積測定装置の除去手段の縦断面図である。

実施形態2に係る容積測定装置の縦断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。

<実施形態1> 本実施形態は、往復動エンジンの内燃機関におけるシリンダ容積を測定するための容積測定装置1である。容積測定装置1は、洗浄手段2、被膜形成手段3、圧力計測手段4、温度センサ5、シリンダ容積算出手段6、除去手段7及び制御手段8を備える。また、被膜形成手段3は、噴霧装置9及び冷却装置10を備える。圧力計測手段4は、ガス導入部11、ガス導出部12及び圧力センサ13を備える。

容積測定装置1は、洗浄手段2によりシリンダ内を洗浄した後、被膜形成手段3の噴霧装置9によりシリンダ内表面の一部又は全部を熱分解性樹脂でコーティングする。上記コーティングされた熱分解性樹脂を冷却装置10により冷却して被膜を形成する。被膜を形成したシリンダ内部にガス導入部11より一定量のガスを導入するか、又はガス導出部12より一定量のガスを導出し、圧力センサ13により、ガスの導入又は導出前後でのシリンダ内の圧力を測定する。シリンダ容積算出手段6は、ガス導出入前後でのシリンダ内の圧力、温度等の情報から、シリンダの容積を算出する。

本実施形態の容積測定装置1が用いられる内燃機関20は、ピストン22が往復動するレシプロタイプの内燃機関である。このピストン22は複数のピストンリング23を備えている。この内燃機関20では、点火装置により混合気に点火して混合気を燃焼させる燃焼サイクルが繰り返し行われる。ピストン22が上死点に位置するときのシリンダの容積と、下死点に位置するときのシリンダの容積との比により圧縮比が決定されるが、本実施形態の容積測定装置1は、ピストン22が任意の位置にある場合のシリンダ21の容積を測定する装置であり、上死点及び下死点におけるシリンダ容積を測定することが可能である。

−洗浄手段− 図2に示す通り、本実施形態の洗浄手段30は、上記点火装置用のプラグホール31に取り付けられる。洗浄手段30は、高温・高圧ガスをシリンダ21内に導入するガス導入部32と、洗浄後のガスを吸引除去するガス導出部33を備える。

−被膜形成手段− 図3に示す通り、被膜形成手段40は、噴霧装置41を備える。噴霧装置41は、上記点火装置用のプラグホール31に取り付けられ、熱分解性樹脂を噴射する噴射口42がシリンダ内の上部に位置するように配設される。噴射口は、シリンダ内表面の任意の領域に熱分解性樹脂を噴霧できるノズルを備えている(図示省略)。

−圧力計測手段− 図4に示す通り、圧力計測手段50は、ガス導入部51、ガス導出部52及び圧力センサ53からなる。圧力計測手段50は、上記点火装置用のプラグホール31に取り付けられる。ガス導入部51から導入されるガス量及び導出されるガス量は、制御装置8により正確に制御されている。圧力センサ53は、シリンダ21内の圧力を測定できるように上記プラグホール31を介して取り付けられている。本発明において、圧力センサ53は、極めて微小な圧力変化を精度よく測定できるものであることが要求される。

−シリンダ容積算出手段− シリンダ容積算出手段6は、圧力計測手段4により得られた圧力と、温度センサ5により検出された温度と、ガス導入部51から導入されたガス量の情報を用いて、シリンダ容積を算出する。

−除去手段− 図5に示す通り、除去手段60は、高温ガスの導入部61及び導出部62を備える。除去手段60は、上記点火装置用のプラグホール31に取り付けられる。導入部61は、シリンダ内に高温ガスを導入して熱分解性樹脂で形成された被膜を分解し、発生した有機ガスを導出する。

次に本実施形態の動作について説明する。

往復動エンジンの燃焼室において、シリンダ容積を測定したい位置にピストン22を配置する。例えばこのような位置として上死点、下死点等が挙げられる。本実施形態の容積測定装置の洗浄手段30は、上記プラグホール31に取り付けられる。洗浄手段30は、ガス導入部32及びガス導出部33を備える。高温・高圧ガスによりシリンダ21内の洗浄が十分に行えるよう、ガス導入部32はシリンダ21の天井付近に位置するように取り付けられる。ガス導入部32より高温・高圧ガスが導入され、シリンダ21内に残存するオイル等の付着物を分解、揮発、剥取等させる。分解、揮発、剥取等された付着物は、ガス導出部33より吸引により排出され、シリンダ21内の洗浄が完了する。なお、高温・高圧ガスの導入タイミング及び導入量(時間)、並びに導出タイミング及び導出量(時間)は、制御手段8により制御される。

引き続き、上記プラグホール31に噴霧装置41が取り付けられる。この噴霧装置41は、上記洗浄手段30により洗浄されたシリンダ21内に、熱分解性樹脂を噴霧し、シリンダ21内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂をコーティングする。シリンダ21内表面のうち、ガスの漏れが生じ易いピストンリング23付近の隙間部分、例えばピストンリング23と燃焼室内壁24との隙間、ピストンリングのあき口部分等を上記熱分解性樹脂により塞ぐことができる。噴霧装置41は、シリンダ21側の先端部分に噴霧口42を備える。噴霧装置42は、熱分解性樹脂をシリンダ21内の任意の領域に噴霧することができるよう複数の噴霧穴を備える。

コーティングされた上記熱分解性樹脂は、冷却装置10(図示省略)により冷却され、後述する圧力計測の際にガスの漏れが起こらない強度の被膜43を形成する。なお、上記コーティングされた熱分解性樹脂からなる被膜が、十分な強度を備えている場合には、この冷却装置10を必ずしも用いる必要はない。

上記被膜の膜厚は、シリンダ21の容積に影響を与えない程度であることが好ましく、通常10μm以上200μm以下であり、10μm以上100μm以下がより好ましく、10μm以上50μm以下がさらに好ましく、10μm以上25μm以下が特に好ましい。なお、噴霧装置41から所定量の熱分解性樹脂を噴霧し、最終的に算出されるシリンダ容積に上記所定量の熱分解樹脂の体積を加えることで、正確なシリンダ容積を求めてもよい。この場合には、上記被膜の膜厚は特に限定されないが、後述する除去処理により容易に除去できる程度の値であることが好ましい。

上記熱分解性樹脂としては、例えばナフタレン等の多環式の芳香族系炭化素、パラフィン系炭化水素、熱分解性ポリマー等が挙げられる。上記熱分解性ポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリビニルピリジン、ハロゲン化ポリビニル芳香族化合物等のポリビニル芳香族化合物、ポリアクリロニトリル、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレン、ポリ乳酸、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリウレタン、ポリメタクリレート、ポリメタクリル酸、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ポリジエン、ポリビニルクロライド、ポリアセタール等が挙げられる。

引き続き、図4に示す通り、圧力計測手段50が上記プラグホール31に取り付けられる。圧力計測手段50は、ガス導入部51、ガス導出部52、及び圧力センサ53を備える。ガス導入部51は、測定用ガスを供給するタンク等から、シリンダ21内に測定用ガスを導入する。導入される測定用ガスの種類及び量は、制御手段8により正確に制御される。本実施形態においては、シリンダ21内のガスが、ガス導入部51から導入される測定用ガスに完全に置き換わった任意の時点(T1)で、ガス導入部51からの測定用ガスの導入が一旦停止する。圧力センサ53がT1時点のシリンダ内の圧力を測定する。この測定値の情報は、後述するシリンダ容積算出手段6に送られる。次に、ガス導入部51からシリンダ内に、所定量の測定用ガスが導入される。上記所定量の測定用ガスの導入が完了した時点(T2)のシリンダ21内の圧力を、圧力センサ53が測定する。この測定値の情報も上記と同様に、シリンダ容積算出手段6に送られる。

温度センサ53は、T1及びT2時点のシリンダ21内の温度の情報をシリンダ容積算出手段6に送る。

引き続き、除去手段60が作動し、シリンダ21内表面に形成された熱分解性樹脂からなる被膜を除去し、シリンダ21内の測定用気体を外気等に置き換える。除去手段60は、ガス導入部61及びガス導出部62を備える。ガス導入部61から高温ガスが導入され、シリンダ21内表面の被膜に噴射される。高温ガスの作用により、熱分解性樹脂からなる被膜成分は熱分解し、有機ガスを発生させる。次に、ガス導出部62から、発生した有機ガス及び測定に用いた測定用ガスが吸引により導出され除去される。このときガス導入部61からは外気等が導入され、シリンダ21内は外気等に置き換えられ測定動作前の元の状態に戻る。

シリンダ容積算出手段6においては、上記T1及びT2時点で送られてきたシリンダ21内の圧力及び温度の情報、T2時点でガス導入部51よりシリンダ21内に導入された測定ガスの量の情報から、ボイル・シャルルの法則に従ってシリンダ21の容積を算出する。なお、上記被膜部分の体積を勘案する必要がある場合には、ここで得られた上記容積に被膜部分の体積を加算した値をシリンダ21の容積とする。また、ガス導出入のラインの一部、プラグホール31部分等の周辺部分の空間も含めた状態で圧力等を測定した場合には、上記算出された値から、これらの周辺部分の容積を減じた値をシリンダ21の容積とする。

−実施形態1の効果− 本実施形態では、被膜形成手段40により、シリンダ21内表面に熱分解性樹脂からなる被膜を形成することで、ピストンリング23と燃焼室内壁24との隙間、ピストンリング23の合い口部分の隙間等のガスの漏れが生じ易い部分をシーリングすることができる。そのため、シリンダ21内の圧力の測定をより正確に行うことができる。本実施形態の容積測定装置では、シリンダ21内を測定用ガスに置き換え、その際のシリンダ21内の圧力及び温度を測定し、さらに測定用ガスを所定量導入した後のシリンダ21内の圧力及び温度を測定し、これらの情報を演算処理することで、シリンダ21の容積を算出する方法を用いている。これにより、シリンダ21内の容積をより精密に、かつ簡便に測定することができるため、エンジンの量産製造ラインにおける品質チェック等においても好適に用いることができる。

<実施形態2> 上記実施形態は、以下のように構成してもよい。なお、実施形態1と共通する部分については記載を適宜省略している。

上記実施形態1の容積測定装置1は、洗浄手段2、被膜形成手段3及び圧力計測手段4を、それぞれの工程毎に付け替える構成であるが、図6に示すように、これらの手段を全て備えた装置を取り付けて、付け替えの操作を行うことなく同様の効果を奏する装置としてもよい。本発明の容積測定装置1は、このような装置とすることで、より効率よくシリンダの容積を測定することができる。

本実施形態においては、図6に示すように、洗浄手段2、圧力計測手段4及び除去手段7におけるガスの導出入をひとつの装置で行う。すなわち、洗浄手段2としては、ガス導入部70から、高温・高圧ガスがシリンダ21内に導入される。このとき、ガス導出部71を開放して、上記洗浄を行いやすく調整してもよい。ガス導入部70及びガス導出71 以外のその他のラインはコック等により閉じられている。また、このガス導入部70は、洗浄用ガスと分解用ガスの両方の供給に用いられるため、洗浄工程においては、洗浄用の高温・高圧ガスが供給されるように、制御手段8により制御されている。高温・高圧ガスが導入され、シリンダ21内の付着物等が分解、揮発、剥取等された後、ガス導出部71より洗浄に用いられたガスが排出される。

引き続き、噴霧装置72から熱分解性樹脂がシリンダ21内に噴霧され、シリンダ21内表面の一部又は全部に熱分解性樹脂からなる被膜が形成される。その後冷却装置10が作動して被膜の冷却を行い、被膜の強度を増強してもよい。

引き続き、圧力計測手段4の測定用ガス導入部73よりシリンダ内に測定用ガスを導入する。このとき、測定用ガス導出部74のラインも同時に開放し、シリンダ内のガスを測定用ガスに完全に置き換える。その後、全てのラインが閉じられ、圧力センサ75がこの時点(T1)のシリンダ21内の圧力を測定する。この測定値の情報は、後述するシリンダ容積算出手段6に送られる。次に、測定用ガス導入部73が再び開放され、シリンダ21内に所定量の測定用ガスが導入される。上記所定量の測定用ガスの導入が完了した時点(T2)のシリンダ21内の圧力を、圧力センサ75が測定する。この測定値の情報も上記と同様に、シリンダ容積算出手段6に送られる。シリンダ21の容積の算出は、実施形態1と同様の方法により行われる。

引き続き、ガス導入部70から高温ガスが導入され、シリンダ21内表面の被膜に噴射される。このとき、ガス導出部71のラインも同時に開放され、シリンダ21内の圧力が調整される。次に、ガス導出部71から、発生した有機ガス及び測定に用いた測定用ガスが吸引により導出され除去される。このときガス導入部70からは外気が導入され、シリンダ内は外気に置き換えられ、測定動作前の元の状態に戻る。

<その他の実施形態> 上記実施形態において、シリンダ21内の圧力測定の際に導入する測定用ガスと、被膜形成後のシリンダ21内のガス成分とが同一である場合には、シリンダ21内のガスを測定用ガスに置き換える操作を行う必要はない。すなわち、熱分解性樹脂による被膜形成を行った後、測定用ガス導入部73以外のラインを閉じ、測定用ガス導入部73から所定量の測定用ガスを導入し、その後の操作を同様に行うことができる。

上記実施形態において、シリンダ21内を測定用ガスに置き換えた後(T1)の圧力測定後、ガス導出部12より測定用ガスを所定量導出して、シリンダ内を減圧してもよい。このように所定量の測定用ガスを導出した後(T2)の圧力及び温度の情報と、T1時の圧力及び温度の情報等からシリンダ容積算出手段6によりシリンダ21の容積を算出することができる。

以上説明したように、本発明の容積測定装置又は容積測定方法を用いると、ピストンリング周辺等の隙間の影響を受けることなく、精密かつ簡便にピストン上死点におけるシリンダ容積を測定することができる。そのため、本発明の容積測定装置及び容積測定方法は、量産エンジンの製造ラインにおける品質チェック等にも好適に用いることができる。

1 容積測定装置 2 洗浄手段 3 被膜形成手段 4 圧力計測手段 5 温度センサ 6 シリンダ容積算出手段 7 除去手段 8 制御装置 20 内燃機関 21 シリンダ 22 ピストン 23 ピストンリング 24 内壁 30 洗浄手段 31 プラグホール 40 被膜形成手段 41 噴霧装置 42 噴射口 50 圧力計測手段 53 圧力センサ 60 除去手段 70 ガス導入部 71 ガス導出部 72 噴霧装置 73 測定用ガス導入部 74 測定用ガス導出部 75 圧力センサ

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