Acoustic capacity, volume, and surface area measurement method

申请号 JP2008048966 申请日 2008-02-29 公开(公告)号 JP2009204547A 公开(公告)日 2009-09-10
申请人 Munehiro Date; Kumamoto Univ; Rion Co Ltd; リオン株式会社; 宗宏 伊達; 国立大学法人 熊本大学; 发明人 TORIGOE IPPEI; SEGAMI TAKASHI; DATE MUNEHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an acoustic capacity measurement method for finding capacity of a container and an object or the like by removing effect of a surface area without using an approximate expression of acoustic impedance.
SOLUTION: The acoustic capacity measurement method acquires the capacity of the container under test by the pressure change ratio, giving equal alternating capacity change to a reference vessel and the container under test, and detecting the pressure change of the reference vessel and the container under test due to the pressure change. This method includes a pressure change ratio calculating step which calculates the pressure change ratio between the reference vessel and the container under test, a rotation step which calculates an acoustic admittance component of the container under test by rotating the calculated pressure change ratio by angle θ so as to change a gradient 1 for the change of the surface area on a complex plane, an oblique coordinate transformation step which transforms the acoustic admittance component into the oblique coordinate system consisting of an imaginary axis and a straight line of the gradient 1, a capacity calculating step which calculates the capacity of the container under test by multiplying the value in the direction of the imaginary axis of the acoustic admittance component transformed into the oblique coordinate by a predetermined real number.
COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 基準槽と測定対象容器に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象容器の圧力変化を検出し、この圧力変化の比から測定対象容器の容積を求める音響式容積測定方法であって、基準槽と測定対象容器の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象容器の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分を虚軸と勾配1の直線を軸とした斜交座標系に変換する斜交座標変換工程と、この斜交座標変換工程で斜交座標に変換した音響アドミッタンス成分の虚軸方向の値に所定の実数を掛けて測定対象容器の容積を算出する容積算出工程を備えることを特徴とする音響式容積測定方法。
  • 前記回転工程における角度θと、前記容積算出工程における所定の実数は、容積及び表面積が既知の容器を用いて容積測定前に求めておく請求項1記載の音響式容積測定方法。
  • 基準槽と測定対象物体を収納した容積が既知の容器に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象物体を収納した容器の圧力変化を検出し、この圧力変化の比から測定対象物体の体積を求める音響式体積測定方法であって、基準槽と測定対象物体を収納した状態の容器の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象物体を収納した容器の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分を虚軸と勾配1の直線を軸とした斜交座標系に変換する斜交座標変換工程と、この斜交座標変換工程で斜交座標に変換した音響アドミッタンス成分の虚軸方向の値に所定の実数を掛けて測定対象物体を収納した状態の容器の容積を算出する容積算出工程を備え、この容積算出工程で求めた測定対象を収納した状態の容器の容積とこの容器の既知なる容積から測定対象の体積を求めることを特徴とする音響式体積測定方法。
  • 前記回転工程における角度θと、前記容積算出工程における所定の実数は、容積及び表面積が既知の容器を用いて体積測定前に求めておく請求項3記載の音響式体積測定方法。
  • 基準槽と測定対象に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象の圧力変化を測定し、この圧力変化の比から測定対象の表面積を求める音響式表面積測定方法であって、基準槽と測定対象の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分の実数部に所定の実数を掛けて測定対象の表面積を算出する表面積算出工程を備えることを特徴とする音響式表面積測定方法。
  • 说明书全文

    本発明は、複雑な形状の容器や物体などの容積・体積・表面積を音響的な手法により測定する音響式容積・体積・表面積測定方法に関する。

    従来の音響式容積測定方法としては、基準槽と測定槽に交番的な容積変化を与えて各槽の圧変化を測定し、この圧力変化の比から測定槽の音響インピーダンスを求め、音響インピーダンスから測定槽の容積を算出する方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
    また、同様に音響インピーダンスの位相差から物体の表面積を算出する音響式表面積測定方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。
    この測定方法では、閉空間の音響インピーダンスZは、次に示す式(1)から式(3)を用いて表わされる。

    ここで、P は閉空間の静圧(大気圧)、γは気体の比熱比(空気:約1.4)、Vは閉空間の容積、Sは閉空間内部の全表面積、ωは容積変化(音)の波数、κは空気の熱伝導度、ρは空気の密度、C は定圧比熱、δtは熱的境界層の厚さ、jは虚数単位である。 εはδt(熱的境界層)の音響インピーダンスへの影響を表し、式(2)からεは表面積Sに比例していることが分かる。
    また、式(1)より、容積V一定の場合、音響インピーダンスZは表面積Sの変化により複素平面上で直線的に変化するので、この関係を用いて表面積による影響を除去する測定方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。

    特開2002−131111号公報

    特開2006−284473号公報

    特開平10−300551号公報

    しかし、式(1)はその導出過程でεを1に比べて十分小さいとみなした音響アドミッタンスの逆数の高次の項を省略した近似式となっている。 (音を利用した表面積の測定:鳥越・石井 計測自動制御学会論文集Vol.34,No.3 182/187,1998参照)
    つまり、音響インピーダンスを示す複素平面上で、音響インピーダンスは表面積の変化により直線的に変化するものと近似して、表面積の影響を除去した容積及び体積を測定している。 近似しない場合には、式(1)は次に示す式(4)となる。

    式(4)は音響インピーダンスZを示す複素平面上で、体積一定の場合、表面積の変化に対して直線的に変化しない。 直線的であるとして表面積の影響を除去すると、測定結果に誤差が生じることになる。

    本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、音響インピーダンスの近似式を使わずに表面積による影響を除去して容器や物体などの容積・体積・表面積を求める音響式容積・体積・表面積測定方法を提供しようとするものである。

    上記課題を解決すべく請求項1に係る発明は、基準槽と測定対象容器に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象容器の圧力変化を検出し、この圧力変化の比から測定対象容器の容積を求める音響式容積測定方法であって、基準槽と測定対象容器の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象容器の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分を虚軸と勾配1の直線を軸とした斜交座標系に変換する斜交座標変換工程と、この斜交座標変換工程で斜交座標に変換した音響アドミッタンス成分の虚軸方向の値に所定の実数を掛けて測定対象容器の容積を算出する容積算出工程を備えるものである。

    請求項2に係る発明は、請求項1記載の音響式容積測定方法において、前記回転工程における角度θと、前記容積算出工程における所定の実数は、容積及び表面積が既知の容器を用いて容積測定前に求めておくようにした。

    請求項3に係る発明は、基準槽と測定対象物体を収納した容積が既知の容器に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象物体を収納した容器の圧力変化を検出し、この圧力変化の比から測定対象物体の体積を求める音響式体積測定方法であって、基準槽と測定対象物体を収納した状態の容器の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象物体を収納した容器の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分を虚軸と勾配1の直線を軸とした斜交座標系に変換する斜交座標変換工程と、この斜交座標変換工程で斜交座標に変換した音響アドミッタンス成分の虚軸方向の値に所定の実数を掛けて測定対象物体を収納した状態の容器の容積を算出する容積算出工程を備え、この容積算出工程で求めた測定対象を収納した状態の容器の容積とこの容器の既知なる容積から測定対象の体積を求めるものである。

    請求項4に係る発明は、請求項3記載の音響式体積測定方法において、前記回転工程における角度θと、前記容積算出工程における所定の実数は、容積及び表面積が既知の容器を用いて体積測定前に求めておくようにした。

    請求項5に係る発明は、基準槽と測定対象に交番的な等しい容積変化を与え、この容積変化による基準槽と測定対象の圧力変化を測定し、この圧力変化の比から測定対象の表面積を求める音響式表面積測定方法であって、基準槽と測定対象の圧力変化の測定値の比を算出する圧力変化比算出工程と、この圧力変化比算出工程で算出された圧力変化比が複素平面上で表面積の変化に対して勾配1で変化するように角度θだけこの圧力変化比を回転させ測定対象の音響アドミッタンス成分を算出する回転工程と、この回転工程で求めた音響アドミッタンス成分の実数部に所定の実数を掛けて測定対象の表面積を算出する表面積算出工程を備えるものである。

    請求項1,2に係る発明によれば、音響インピーダンスの近似式を用いずに、音響アドミッタンスを用いるため、測定した圧力変化から容積を算出する際に近似を使わないので、容積の測定精度が向上する。

    請求項3,4に係る発明によれば、音響インピーダンスの近似式を用いずに、音響アドミッタンスを用いるため、測定した圧力変化から体積を算出する際に近似を使わないので、体積の測定精度が向上する。

    請求項5に係る発明によれば、音響インピーダンスの近似式を用いずに、音響アドミッタンスを用いるため、測定した圧力変化から表面積を算出する際に近似を使わないので、表面積の測定精度が向上する。

    以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。 ここで、図1は容積と表面積を分離する斜交座標系を示す図、図2は本発明に係る容積・表面積測定方法を適用した音響式容積・表面積測定装置の構成図、図3は複素平面上の圧力比とアドミッタンスを示す図、図4は本発明に係る容積・表面積測定方法のフローチャート、図5は音響式容積・表面積測定装置の校正の説明図、図6は校正における複素平面上の圧力比とアドミッタンスを示す図である。

    先ず、音響アドミッタンスを用いた容積・表面積測定方法の原理を説明する。 閉空間の音響アドミッタンスYは、次に示す式(5)で与えられる(鳥越・石井:音を利用した表面積の測定計測自動制御学会論文集 Vol.34,No.3)。

    ここで、式(1)〜式(3)と同様、P は閉空間の静圧(大気圧)、γは気体の比熱比(空気:約1.4)、Vは閉空間の容積、Sは閉空間内部の全表面積、ωは容積変化(音)の角周波数、κは空気の熱伝導度、ρは空気の密度、C は定圧比熱、δtは熱的境界層の厚さ、jは虚数単位である。 式(5),(2)において、A=ω/(γP )、B=(γ−1)*δt/2とすると、音響アドミッタンスYは、次に示す式(6)で表わされる。

    複素平面で考えると、式(6)から、表面積S一定で閉空間の容積Vが変化した場合、アドミッタンスは虚軸に平行に比例して変化する。 また、閉空間の容積V一定で表面積Sが変化した場合は、アドミッタンスは勾配1の直線上を変化する。 従って、原点を通る勾配1の軸(S軸)と虚軸(V軸)で作る斜交座標系上のアドミッタンス反変成分(Y 、Y )は、図1に示すように、それぞれ表面積と容積のみに比例する。 つまり、音響アドミッタンスYを、Y +jY とすると、反変成分は、Y =Y 、Y =Y −Y であるから、容積Vと表面積Sは、次に示す式(7),(8)で表わされる。

    従って、比例定数αまたはβを得ることができれば、容積未知の容器の音響アドミッタンスYを測定することで、式(7)または式(8)から容積Vまたは表面積Sを求めることができる。 比例定数αとβを求めるためには、容積及び表面積が既知の複数の標準容器を用いる。 詳細については、後述する。

    一般に、音響アドミッタンス=容積変化速度/圧力変化であることが知られている。
    容積及び表面積が既知の基準槽rと容積及び表面積が未知の容器aに等しい容積の時間変化を与えた場合、基準槽rの音響アドミッタンスYr、圧力変化Prとし、容器aの音響アドミッタンスYa、圧力変化Paとすると、音響アドミッタンスの比と圧力変化の比(Pr/Pa)の関係は、次に示す式(9)で表わされる。

    従って、圧力変化の比から音響アドミッタンスYrを消去すれば音響アドミッタンスYaを求めることができる。 音響アドミッタンスYrを消去するには、複素平面上にプロットした(Pr/Pa)を図1の斜交座標系に乗るように、所定の位相角θ回転だけさせ、実数K倍させればよい(図3参照。ただしRf=Pr/Paとする。)。 少なくとも2つの容積及び表面積が既知の標準容積器を使用すれば、式(7),(8)より、位相角θと実数Kおよび前述の比例定数αとβを求めることができる。

    次に、本発明に係る容積・表面積測定方法を適用した音響式容積・表面積測定装置について説明する。 図2に示すように、プローブ1内に形成された隔壁2にスピーカ3を配置し、プローブ1内を基準槽(容積Vr)4と連結槽5に画成している。 基準槽4と連結槽5の音圧変化は、マイクロホン6,7で検出する構成となっている。 隔壁2には連通管8が設けられ、連通管8は基準槽4と連結槽5側の静圧(大気圧)を平衡させ気体成分を均一化させる機能を有する。 連結槽5にはアダプタ9を介して被測定容器(容積Vt、表面積St)10を接続する。 連結槽5とアダプタ9で、容積V0と表面積S0の空間が形成される。

    そして、被測定容器10と連結槽5とアダプタ9で形成される全容積Va(=V0+Vt)と全表面積Sa(=S0+St)を測定することで、被測定容器10の容積Vtと表面積Stを求めることができる。 添え字rは基準槽4側を表し、添え字aは測定対象容器側を表すものとする。 スピーカ3の形状がコーン型などの場合、アダプタを用いなくても、容積V0および表面積S0は存在する。

    連結槽5に被測定容器10を接続する際には、連結槽5と被測定容器10との接合面からは空気洩れがないように接続する。 従って、接続方法やアダプタ9の形体などによって、容積V0と表面積S0の値は異なる。 また、アダプタ9を用いずに、グリスなどの潤滑剤を接合面に塗布して連結槽5と被測定容器10を直接接続してもよい。

    スピーカ3は、基準槽4および、連結槽5と被測定容器10を連結した空間の内部に、等しい微小容積の交番的な時間変化を差動的に与え、マイクロホン6,7は、スピーカ3によってなされる基準槽4および、被測定容器10と連結槽5とアダプタ9で形成される測定容積の音圧変化を検出する。

    また、音響式容積・表面積測定装置は、マイクロホン6,7の出力信号Mr,Maを増幅する増幅器13,14と、増幅器13,14の出力信号Er,EaをA/D(アナログ/デジタル)変換して演算処理する信号処理部15と、信号処理部15で制御されるスピーカ3に容積変化を与える信号(例えば、正弦波信号)を入力する信号発生器16と、信号処理部15と信号発生器16を制御する制御部17と、操作部18と、表示部19を備えている。 なお、信号処理部15、信号発生器16、制御部17、操作部18、表示部19は、パーソナルコンピュータを用いて構成することができる。

    信号処理部15は、増幅器13,14の出力信号Er,EaをA/D変換するA/D変換部21,22と、A/D変換した増幅器13,14の出力信号Er,Eaをフーリエ変換しスピーカ3を駆動させた周波数(例えば、30Hz)の周波数成分のフーリエ係数(複素量)Fr,Faを算出するフーリエ係数算出部23と、フーリエ係数Frをフーリエ係数Faで割ったフーリエ係数比(複素量)Rfを求めるフーリエ係数比算出部24と、データや演算パラメータを保存しておくメモリ25と、フーリエ係数比Rfと演算パラメータを用いて容積・表面積を算出する容積・表面積算出部26と、校正時に演算パラメータの算出をする校正演算部27で構成される。

    次に、信号処理部15における容積Vaおよび表面積Saの算出方法について説明する。 マイクロホン6,7を用いて容積Vaおよび表面積Saを測定する場合、電気回路のゲイン比や位相差について考慮されなければならない。 スピーカ3の駆動による容積変化による基準槽4と測定対象容器側の圧力変化分をPr,Paとすると、基準槽4と測定対象容器側の音響アドミッタンスYr,Yaは式(9)の関係となる。

    しかし、測定で得られる数値は、フーリエ係数Fr,Faである。 これは圧力変化分Pr,Paを測定して求めたものであるが、電気回路のゲイン比Gや位相差θcが含まれているので、式(9)は、Ya/Yr=Rf・Ge jθcとなる。
    従って、測定対象容器側の音響アドミッタンスYaは、図3及び式(10)に示すように、測定値から求めたフーリエ係数比Rfから基準槽4の音響アドミッタンスYrと電気回路の影響(Ge jθc )を消去して測定対象容器側の音響アドミッタンスYaを求めるために、フーリエ係数比Rfを複素平面上で角度θ回転させてK倍する。

    そして、式(10)の実部と虚部を式(7),(8)に代入することにより、測定対象容器側の容積Vaおよび表面積Saは求められる。

    ここで、被測定容器10の容積Vtおよび表面積Stを求めるために必要な演算パラメータは、α・K(=Aa),β・K (=Ba),V0,S0,θの5つである。 容積および表面積が既知の3つの容器(標準容積器)を用いれば合計6個のパラメータが得られるので、各演算パラメータを算出することができる。 この5つの演算パラメータAa,Ba,V0,S0,θを求める作業を校正という。 校正については後述する。

    校正により5つの演算パラメータAa,Ba,V0,S0,θを得た後、図4に示す作業手順(ステップ)で被測定容器10の容積Vtおよび表面積Stを算出することができる。 先ず、ステップSP1において、A/D変換部21,22でA/D変換された信号Er,Eaをフーリエ係数算出部23が各々高速フーリエ変換(FFT)し、スピーカ3を駆動させた周波数(例えば、30Hz正弦波)の周波数成分のフーリエ係数(複素量)Fr,Faを算出する。

    次いで、ステップSP2において、フーリエ係数算出部23で算出したフーリエ係数Fr,Faについて、フーリエ係数Frをフーリエ係数Faで割ったフーリエ係数比(複素量)Rf(=Af・e jθf )を求める(圧力変化比算出工程)。

    次いで、ステップSP3において、フーリエ係数比Rfから音響アドミッタンスYrと電気回路の影響(Ge jθc )を消去する工程を行う。 複素平面上にプロットしたフーリエ係数比Rfを角度θ回転させ、その実部Ya' =(Ya /K)と虚部Ya' =(Ya /K)を算出する(回転工程)。 次いで、ステップSP4において、Ya' =Ya' −Ya' を算出する(斜交座標変換工程)。 そして、ステップSP5において、式(11),(12)より、被測定容器10の容積Vtおよび表面積Stを算出する(容積算出工程)。

    次に、校正により、5つの演算パラメータAa,Ba,V0,S0,θの値が既に得られているものとして、音響式容積・表面積測定装置の動作を説明する。 先ず、被測定容器10とプローブ1を、アダプタ9を介して接続する。 被測定容器10と連結槽5は、空気漏れが無いように接続する。 そして、操作部18の操作により、制御部17に測定開始指令が与えられると、制御部17は信号発生部16に信号発生指令を出す。 信号発生部16は、信号発生指令を受けて、スピーカ3を駆動させる(例えば、30Hz正弦波)。

    本実施の形態では、基準槽4と測定対象容器側を仕切る隔壁2に容積変化付加手段であるスピーカ3を配置しているが、基準槽4と連結槽5に各々スピーカを配置して、同じ容積変化を与えてもよい。 スピーカ3の駆動による基準槽4と測定対象側の音圧変化はマイクロホン6,7で採取される。 マイクロホン6,7の出力信号Mr,Maは、各々増幅器13,14で増幅され信号Er,Eaとなり、信号処理部15へ送られる。

    信号処理部15では、次のような演算処理がなされる。 先ず、A/D変換部21,22が信号Er,EaをA/D変換し、A/D変換された信号Er,Eaをフーリエ係数算出部23が各々高速フーリエ変換(FFT)し、スピーカ3を駆動させた周波数(例えば、30Hz正弦波)の周波数成分のフーリエ係数(複素量)Fr,Faを算出する。

    次いで、フーリエ係数比算出部24が、フーリエ係数Frをフーリエ係数Faで割ったフーリエ係数比(複素量)Rf を求めると、容積・表面積算出部26がメモリ25に保存されている5つの演算パラメータAa,Ba,V0,S0,θを読み出し、前述の作業手順により被測定容器10の容積Vtおよび表面積Stを算出する。 算出結果の容積Vtおよび表面積Stは、表示部19に表示される。 次いで、操作部18により、測定終了操作とデータ保存操作を行うと、操作ごとに制御部17に指示が与えられ、測定動作を終了し、測定データをメモリ25に保存する。

    次に、音響式容積・表面積測定装置の校正について図5を用いて説明する。 図5に示すように、3種類の標準容積器(容積V1・表面積S1)31、標準容積器(容積V2・表面積S2)32、標準容積器(容積V3・表面積S3)33を用意する。 標準容積器31,32,33を測定して求めたフーリエ係数比Rf1,Rf2,Rf3を複素平面上にプロットする。

    前述の通り、実測値から求めたフーリエ係数比Rfを複素平面上で角度θ回転させてK倍すると測定対象容器側の音響アドミッタンスYaとなる。 また、音響アドミッタンスYaは図1の斜交座標系に乗る。 この性質を利用し、校正演算部27で以下の計算をする。

    先ず、Rf1,Rf2,Rf3を複素平面上にプロットする。 次いで、Rf1,Rf2,Rf3を回転させた後の座標をYa1',Ya2',Ya3'として、Ya1',Ya2',Ya3'の図1の斜交座標系におけるS軸座標またはV軸座標の値の比が測定対象容器側の容積または表面積の比と等しくなる演算パラメータθ,Aa,Ba,V0,S0を算出すればよい。

    なお、図6のように、標準容積器31と標準容積器32の容積が同一であるものを用いれば、標準容積器31と標準容積器32に音響アドミッタンスが複素平面で勾配1の直線上に乗るように回転させることで、簡易に角度θを求めることができる。

    測定対象物体の体積を測定する際には、容積既知の容器に測定対象物体をいれ、前述同様に容器内の空間容積を測定すれば、それらの差から測定対象物体の体積を導出できる。 体積測定時の校正の際は、体積既知の標準物体を用いて、前述と同様に校正を行えばよい。 測定物体の表面積についても同様に測定することができる。

    音響インピーダンスの近似式を用いずに、音響アドミッタンスを用いるため、測定した圧力変化から容積・体積・表面積を算出する際に近似を使わないので、容積・体積・表面積の測定精度を向上させた測定方法を提供することができる。

    容積と表面積を分離する斜交座標系を示す図

    本発明に係る容積・表面積測定方法を適用した音響式容積・表面積測定装置の構成図

    複素平面上の圧力比とアドミッタンスを示す図

    本発明に係る容積・表面積測定方法のフローチャート

    音響式容積・表面積測定装置の校正の説明図

    校正における複素平面上の圧力比とアドミッタンスを示す図

    符号の説明

    1…プローブ、2…隔壁、3…スピーカ、4…基準槽、5…連結槽、6,7…マイクロホン、10…被測定容器、13,14…増幅器、15…信号処理装置、16…信号発生器、17…制御部、18…操作部、19…表示部、23…フーリエ係数算出部、24…フーリエ係数比算出部、25…メモリ、26…容積・表面積算出部、27…校正演算部、31,32,33…標準容積器。

    QQ群二维码
    意见反馈