1ミリリットル未満の容量での流体の注入

申请号 JP2017504063 申请日 2015-07-23 公开(公告)号 JP2017521190A 公开(公告)日 2017-08-03
申请人 エフ・ホフマン−ラ・ロシュ・アクチェンゲゼルシャフト; 发明人 ミヒャエル アドラー,; ミヒャエル アドラー,; カロリーネ ベヒトールト−ペーテルス,; カロリーネ ベヒトールト−ペーテルス,; アドリーヌ ブイヨン,; アドリーヌ ブイヨン,; アンケ ドルン,; アンケ ドルン,; イェルク ルーエムケマン,; イェルク ルーエムケマン,; デニス リュートリンガー,; デニス リュートリンガー,; ハンス−クリスチャン マーラー,; ハンス−クリスチャン マーラー,; アレクサンダー マイアー,; アレクサンダー マイアー,;
摘要 1ミリリットル未満の容量で 流体 の注入量を提供するためのぜん動型注入デバイス(1)は、可撓管(13)、対向圧 力 要素(12)、複数の作用部(11)及び駆動部(17)を備える。可撓管(13)は、対向圧力要素(12)に沿ってほぼ直線的に配置されることにより、長手方向軸を形成する。作用部(11)は、長手方向軸に沿って互いに平行に配置される。作用部は駆動部(17)により可撓管(13)に対して移動可能である。可撓管(13)は、作用部(11)を移動させることにより、作用部(11)と対向圧力要素(12)の間で圧縮可能である。作用部(11)の各々は独立して、可撓管(13)の長手方向軸にほぼ垂直な作動軸に沿って、可撓管(13)の圧縮度が最も小さい定 位置 から、可撓管(13)が対応する作用部と対向圧力要素(12)の間で圧縮されてシールされる端位置まで、駆動部(17)により直線的に移動可能である。本発明によるぜん動型注入デバイスは、滅菌環境において、正確にかつ反復して比較的低容量で注入量を提供することを可能にする。【選択図】図1
权利要求

1ミリリットル未満の容量で流体の注入量を提供するためのぜん動型注入デバイス(1;18;19)であって、 可撓管(13;138;139)、対向圧要素(12;128;129)、複数の作用部(11;118;119)及び駆動部(17;178;179)を備えており、 可撓管(13;138;139)は対向圧力要素に沿って配置されており、 作用部(11;118;119)は駆動部(17;178;179)により可撓管(13;138;139)に対して移動可能であり、 可撓管(13;138;139)は、作用部(11;118;119)を移動させることにより、作用部(11;118;119)と対向圧力要素(12;128;129)の間で圧縮可能である ぜん動型注入デバイスにおいて、 可撓管(13;138;139)が対向圧力要素(12;128;129)に沿って基本的に直線的に配置されることにより長手方向軸を形成しており、 作用部(11;118;119)が可撓管(13;138;139)の長手方向軸に沿って互いに平行に配置されており、 作用部(11;118;119)の各々が独立して、可撓管(13;138;139)の長手方向軸に基本的に垂直な作動軸に沿って、液体が通過できるように可撓管(13;138;139)が開放される定位置から、可撓管(13;138;139)が圧縮されてシールされる端位置まで、駆動部(17;178;179)により直線的に移動可能である ことを特徴とするぜん動型注入デバイス。駆動部(17;178;179)が圧電気作動部を備えている、請求項1に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。複数の作用部(11;118;119)が、3から15個、又は5から13個、又は7から11個の平行な一連の作用部(11;118;119)である、請求項1又は2に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。可撓管(13;138;139)を、対向圧力要素(12;128;129)に沿って基本的に直線的な位置に解放可能に固定するための管固定構造(14)を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。管固定構造(14)が延長ジャケット(14)を備え、可撓管(13;138;139)の長手方向端部の一方が延長ジャケット(14)に固定される、請求項4に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。可撓管(13;138;139)が使い捨て可能な材料から製造されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。可撓管(13;138;139)の長手方向端部の一方に接続された流体リザーバ(188;189)、及び可撓管(13;138;139)の長手方向端部の他方に接続された充填針(15;158;159)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。複数の作用部(11;118;119)のうちのすべての作用部(11;118;119)がそれぞれの定位置にあるとき、可撓管(13;138;139)が複数の作用部(11;118;119)と対向圧力要素(12;128;129)の間で部分的に事前圧縮されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)。1ミリリットル未満の容量の流体注入量で容器を自動的に充填するための充填装置(2)であって、 充填するために複数の容器を配置することが可能な容器ホルダー、 請求項1から8のいずれか一項に記載の一組のぜん動型注入デバイス(1;18;19)、及び ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の組の各ぜん動型注入デバイス(1;18;19)が、充填するために容器ホルダー内に配置された複数の容器のうちの一つに隣接して配置されるように、ぜん動型注入デバイスの組を位置決めし、かつ容器ホルダーからぜん動型注入デバイス(1;18;19)の組を取り出すように構成された注入デバイスポジショナー を備える充填装置。滅菌可能な材料から製造された表面を有する、請求項9に記載の充填装置。ラインに沿って容器ホルダーを運搬するためのコンベヤを備えており、ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の組の各注入デバイス(1;18;19)が容器ホルダー内に配置された複数の容器のうちの一つに隣接して位置決めされるとき、注入デバイス(1;18;19)ポジショナーが容器ホルダーに隣接した注入デバイスの組を運搬するように構成されている、請求項9又は10に記載の充填装置。1ミリリットル未満の容量の流体注入量で容器を充填するための充填方法であって、 請求項1から8のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイス(1;18;19)の可撓管(13;138;139)内に、可撓管(13;138;139)の第1の長手方向端部を介して流体を提供すること、 ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の駆動部(17;178;179)が、ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の複数の作用部(11;118;119)のうちの少なくとも一つを、可撓管(13;138;139)が圧縮されてシールされるように、その端位置へと移動させること、 駆動部(17;178;179)が、ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の複数の作用部(11;118;119)のうちの別の一つを、その定位置と端位置の間に位置する中間位置へと移動させることであって、複数の作用部(11;118;119)のうちの前記少なくとも一つが複数の作用部(11;118;119)のうちの前記別の一つより可撓管(13;138;139)の第1の長手方向端部の近くに位置する、移動させること、 駆動部(17;178;179)が、複数の作用部(11;118;119)のうちの前記少なくとも一つを、流体がぜん動型注入デバイス(1;18;19)の可撓管(13;138;139)を通って複数の作用部(11;118;119)のうちの前記少なくとも一つを通過できるように、その端位置から定位置の方向へ少なくとも部分的に移動させること、 可撓管(13;138;139)の第1の長手方向端部の反対側の可撓管(13;138;139)の第2の長手方向端部から流体注入量を提供すること、 駆動部(17;178;179)が、複数の作用部(11;118;119)のうちの前記少なくとも一つを、可撓管(13;138;139)が圧縮されてシールされ、可撓管(13;138;139)の第2の長手方向端部からの流体の提供が停止するように、その端位置へと移動させること、 駆動部(17;178;179)が、ぜん動型注入デバイス(1;18;19)の複数の作用部(11;118;119)のうちの前記別の一つを、その中間位置から定位置へと移動させること を含む方法。流体注入量が、可撓管の第1の長手方向端部の領域において可撓管(13;138;139)内部に印加される圧力を増加させることにより、可撓管(13;138;139)の第2の長手方向端部から提供される、請求項12に記載の充填方法。注入量の無菌の流体を運搬するための、請求項1から8のいずれか一項に記載のぜん動型注入デバイスの使用。流体が滅菌薬物製品のバルク溶液であり、流体の運搬が、流体の滅菌薬物製品のバルク溶液を一次的な包装品の中に充填することを含む、請求項14に記載の使用。

说明书全文

[0001]本発明は、独立請求項1に記載のぜん動型注入デバイスに関し、特にこのような注入デバイスを含む充填装置と、このようなぜん動型注入デバイスを用いる充填方法に関する。

[0002]可撓管、対向圧要素、複数の作用部、及び駆動部を備え、可撓管が対向圧力要素に沿って配置されており、作用部が駆動部により可撓管に対して移動可能であり、可撓管が、作用部を移動させることにより、作用部と対向圧力要素の間で圧縮可能であるこのようなぜん動型注入デバイスは、1ミリリットル未満の容量の流体注入量を提供するために使用することができる。

[0003]化学的又は薬学的用途のような現代の多くの産業及び研究において、流体は、比較的低容量、即ち1ミリリットル未満の容量で注入されなければならない。それにより、経済的若しくは治療的理由又はその他の理由から、注入を滅菌条件下で実施できること、及び注入量のわずかな偏差も防止できることがしばしば求められる。

[0004]比較的低容量で液体を注入するために、様々なシステム及びデバイスが使用されている。例えば、規定の用量の液体がシリンダーに吸引されて、移動ピストンにより前方に押し出される回転式又はピストン式ポンプが既知である。しかしながら、このようなポンプは液体又は液体中の物質に対して他のポンプより比較的高いストレスをかけるため、このような種類のポンプは多くの用途にとって不適切である。例えば、タンパク質は、表面又は機械的ストレスの影響を比較的受け易いため、ピストン式ポンプは通常、注入される液体中にタンパク質が含まれる用途には好まれない。

[0005]ラジアル型ぜん動ポンプを使用することにより、もっと緩やかな注入が実施可能である。このようなポンプでは、可撓管が対向圧力要素の湾曲表面に沿って配置される。このようなポンプは通常、ホイール上に配置された複数の作用部又はローラーを含む。ローラーは、作用部と対向圧力要素の間に位置するときに可撓管が圧縮されるように調節された対向圧力要素に対し、一定の距離に配置される。ホイールを回転させることにより、ローラーは対向圧力要素に沿って移動し、それにより対向圧力要素に沿って可撓管の圧縮が進行する。圧縮と共に、一定量の液体も可撓管の中へと進入し、ここで進入する液体の容量は、ローラー間の距離と管の大きさによって規定することができる。

[0006]このようなラジアル型ぜん動ポンプでは、可撓管の側壁は、典型的には、ローラーによって互いに対して放射方向に移動するだけでなく、長手方向又は接線方向にも一定の距離だけ移動する。これにより、側壁にはさらにストレスがかかることになり、管材が摩耗して液体又は流体中に入る可能性がある。特に薬学的用途において、このような摩耗及び液体の汚染は許容不可能でありうる。

[0007]さらに、既知のラジアル型ぜん動ポンプはしばしば、700μlという小さな注入容量で正確である。しかしながら、既知のラジアル型ぜん動ポンプでは十分でない、もっと低容量の注入量が望ましいとされる用途が増えつつある。

[0008]またさらに、既知のラジアル型ぜん動ポンプのメンテナンスは、比較的面倒であることが多い。例えば、可撓管を取り替えるとき、ポンプを分解しなければならず、即ち対向圧力要素をそのローラーと共にホイールから取り外さなければならない。管がローラーと対向圧力要素の間にクランプされていないときに、管を取り外し、新規の管を挿入することができる。挿入後、ポンプを適切に動作させるためには、対向圧力要素及びローラーを互いに対して正確に位置決めしなければならない。

[0009]したがって、1ミリリットル未満の容量で流体を緩やかにかつ正確に注入することのできる自動化システムに対する需要が存在する。

[0010]本発明によれば、このような需要は、独立請求項1の特徴により規定されるようなぜん動型注入デバイスにより、独立請求項11の特徴により規定されるような充填装置により、及び独立請求項14の特徴により規定されるような充填方法により、解消される。好ましい実施態様は、独立請求項の主題である。

[0011]特に、本発明の要点は以下の通りである。1ミリリットル未満の容量で流体の注入を提供するためのぜん動型注入デバイスは、可撓管、対向圧力要素、複数の作用部、及び駆動部を備える。可撓管は、対向圧力要素に沿って配置される。作用部は、駆動部によって可撓管に対して移動可能であり、可撓管は、作用部を移動させることにより、作用部と対向圧力要素の間で圧縮可能である。さらに可撓管は、対向圧力要素に沿ってほぼ直線的に配置されることにより長手方向軸を形成する。作用部は、可撓管の長手方向軸に沿って互いに平行に配置される。作用部の各々は独立して、可撓管の長手方向軸にほぼ垂直な作動軸に沿って、液体が通過できるように可撓管が開放される定位置から、可撓管が圧縮されてシールされる端位置まで、駆動部により直線的に移動可能である。

[0012]本発明の文脈において、用語「ぜん動(式)」は、可撓管のような中空の長手方向可撓要素の、同要素に沿って波を伝播させることのできる平方向又は放射方向の収縮及び弛緩に関連している。一般に、ぜん動は、例えばヒトの胃腸管のような消化管を通して食物/糜粥を推進する平滑筋組織の収縮に見られる。ぜん動の原理は、管内において液体を前進させるポンプにも実装される。

[0013]本明細書において使用される用語「注入量」は、流体の正確な事前規定量の提供に関連する。この用語は特に、50μl又は25μlなど、100マイクロリットル(μl)未満という低容量の提供に関連する。本発明によるぜん動型注入デバイスは、10μlという低容量の注入量を正確に提供するために適していることが証明された。

[0014]本明細書において使用される用語「流体」は、印加されるせん断応力下において連続的に変形又は流動するあらゆる物質に関連する。したがって、この用語は、気体、粉末又は顆粒物質、特に液体に関連しているといえる。

[0015]ぜん動型注入デバイスの対向圧力要素は、可撓管の案内部を有する固定要素とすることができる。特に、可撓管は、対向圧力要素の案内部の中に又は案内部に沿って配置することができる。案内部は、可撓管に対向する平坦な表面であるか又はそのような表面を含むことができ、可撓管の直線的な配置を可能にする。可撓管を直線的に配置することにより、ぜん動型注入デバイスは直線的なぜん動型注入デバイスとなりうる。作用部のいずれかが可撓管に作用するか又は可撓管を押すときも、対向圧力要素は元の位置に固定されて移動せず、可撓管は作用部と対向圧力要素の間で圧縮される。

[0016]可撓管は、約200μmから約1000μm、又は約300μmから約900μm、又は約500μmから約800μmの内径を有することができる。このような管は、本発明によるデバイスを用いて意図された容量での注入量を提供するために適性でありうる。

[0017]ぜん動型注入デバイスの作用部は、立方体ブロック又は可撓管に作用する面を有する他の同様な物体とすることができる。この面は、平坦にすることができ、かつ50マイクロメートル(μm)から1000μmの範囲、又は100μmから700μmの範囲、又は200μmから500μmの範囲の幅を有することができる。作用部は、約800μm、又は約600μm、又は約500μm、又は約400μm、又は約300μmの最大ストローク、即ちその定位置と端位置の間の長さを有することができる。このような作用部は、本発明によるデバイスにおいて意図された容量で注入量を提供するために適性でありうる。

[0018]本明細書において使用される用語「圧縮」は、管の弾性的変形に関連している。特に、この用語は、可撓管の側壁を互いの方向へ、即ち水平方向又は放射方向へと弾性的に移動させることにより、可撓管の内部ダクトを狭める又は閉鎖することに関する。この文脈において、用語「シール」は、可撓管を、可撓管の内部ダクトを通過できる流体がほぼなくまるまで圧縮することに関連する。

[0019]作用部の定位置に関して、可撓管は、流体が可撓管の内部ダクトを通って流れることができるという意味で、流体が通過できるように開放されている。これは、それぞれのアクチュエーターが対向圧力要素から最大可能距離を移動して、可撓管の圧縮が最小となる状況において最大に可能である。

[0020]本発明によるぜん動型注入デバイスは、滅菌環境において、比較的低容量で注入量を正確にかつ反復して提供することを可能にする。これは特に、工業用の注入量又は充填プロセスラインにおける使用に適している。これは、例えば薬学的充填プロセスにおいて、25μl以下、又は50μl以下、又は場合によっては10μl以下といった1ml未満での容量の無菌非経口投与に使用することができる。ラジアル型ぜん動ポンプのような他のぜん動型注入量システムと比較して、本発明によるぜん動型注入デバイスは、可撓管の内表面におけるストレスの最小化又は低減を可能にし、摩擦を最小化又は場合によっては排除することができる。特に薬学的用途では、このような摩擦が有利に防止される。

[0021]さらに、ポンピング時に可撓管が直線的に配置されていることにより、ぜん動型注入デバイスは、広範囲にわたる粘度を有する流体に適している。特に、比較的高い粘度を有する流体も、ぜん動型注入デバイスを用いて注入することができる。流体をポンピングする又は前進させるための作用部の使用は、ぜん動型注入デバイスが、ぜん動型注入デバイス、特にその可撓管中に流体を提供するシステムの圧力条件からも比較的独立することを可能にする。例えば、ぜん動型注入デバイスは、周囲の静水圧の変動からある程度独立することができる。

[0022]また、ぜん動型注入デバイスの本発明による構成は、比較的少量のメンテナンスと、容易な取扱いを可能にする。例えば、デバイスの洗浄及び可撓管の交換が、比較的容易に実施できる。ぜん動型注入デバイスは、比較的軽量にかつ比較的容易に製造することができる。これにより、このデバイスは柔軟に使用することができ、取扱いが容易になる。

[0023]ぜん動型注入デバイスの駆動部は、作用部を正確に前進又は移動させることのできるステッパモーター又はサーボモーターとすることができる。或いは、駆動部は、圧電気作動部を備える。圧電気作動部により、作用部を正確かつ柔軟に移動させ、ぜん動型注入デバイスにおいて様々な注入計画を実施することができる。圧電気作動部を有する駆動部の構成により、比較的少なくかつ単純な部品を有する駆動部を実現することが可能となる。したがって、駆動部は比較的ロバストとなり、必要なメンテナンスが比較的少なくて済む。

[0024]好ましくは、複数の作用部は、3から15個、又は5から13個、又は7から11個の一連の平行な作用部である。このような一連の平行な作用部は、ぜん動型注入デバイスに様々な管圧縮方式を柔軟に適用することを可能にする。このように、流体の粘度、ぜん動型注入デバイスの周りの圧縮条件、流体のストレス抵抗性などの所与の条件に適合されるポンピング又は注入機構を提供することが可能である。

[0025]好ましくは、ぜん動型注入デバイスは、対向圧力要素に沿ってほぼ直線的な位置に可撓管を解放可能に固定するための管固定構造を含む。本明細書において使用される用語「解放可能に」は、可撓管の解放及び交換を目的とし、そのための適切な手段を有する構成に関する。ぜん動型注入デバイスに可撓管を解放可能に固定することにより、可撓管は従来通りに交換することができる。これは特に、使い捨て可能な可撓管の使用を可能にする。

[0026]これにより、管固定構造は、好ましくは、可撓管の長手方向端部の一方が固定される延長ジャケットを含む。このような延長ジャケットは、チャイニーズフィンガートラップとしても知られている。延長ジャケットは、可撓管の簡便で効率的な解放可能な固定を可能にする。特に、可撓管は、実質的な圧縮なしで延長ジャケットに十分に固定することができる

[0027]好ましくは、可撓管は、使い捨て可能な材料から製造される。使い捨て可能な可撓管は、流体が頻繁に変更されるぜん動型注入デバイスの用途において有用でありうる。特に、新規流体が注入されるとき、可撓管は交換され、以前の可撓管は廃棄される。これにより、流体同士の相互汚染が効率的に防止される。

[0028]可撓管は特に、無菌の用途、例えば蒸気滅菌に適した材料から作製することができる。このような材料は、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリビニルクロリド(PVC)、ブチルゴムなどとすることができる。

[0029]好ましくは、ぜん動型注入デバイスは、可撓管の長手方向端部の一方に接続された流体リザーバ、及び可撓管の長手方向端部の他方に接続された充填針を備える。流体リザーバは、流体を保持及び提供するために適した任意の容器とすることができる。流体リザーバは、可撓管を通して流体を前進させるために加圧することもできる。このために、流体リザーバは、圧力ポンプ又は加圧ガスオーバーレイのような圧力制御手段を具備することができるか、又はそのような手段に接続することができる。このようなぜん動型注入デバイスの構成は、効率的で正確な注入プロセスを可能にする。

[0030]好ましくは、複数の作用部のうちのすべての作用部がその定位置にあるとき、可撓管は複数の作用部と対向圧力要素の間で部分的に事前圧縮されている。このような事前圧縮は、可撓管がある程度の長さにわたって固定されることを可能にする。特にこれは、作用部が適用される区分内で可撓管が長手方向に移動することを防止できる。このように、可撓管の正確な圧縮が可能であり、長手方向における可撓管の側壁のストレスが低減又は防止されうる。さらに、このような事前圧縮は、ぜん動型注入デバイスの充填容量の事前規定及び調節を可能にする。これにより、充填容量は、作用部と対向圧力要素の間に位置する可撓管の内部空間により規定することができる。なかでも、このような充填容量の調節は、例えば、流体の加熱又は機械的ストレスにより生じる可撓管若しくは配管の軟化により引き起こされる、充填容量の設定点からの偏差の増大を補償することを可能にする。

[0031]また、ぜん動型注入デバイスは、可撓管に作用する圧縮力をほぼ一定の値に制御するように適合された制御ユニットを備えることができる。このために、制御ユニットは、例えば、ぜん動型注入デバイスの可撓管の事前圧縮を調節することにより、アクチュエーターの経路の長さを調節するように適合させることができる。このような力の制御により、時間が経過しても流体注入量を一定のレベルに正確に保つことができる。特に、経時的な可撓管の材料の特性の変化を補償することができる。例えば、時間の経過に伴い、可撓管の材料は、アクチュエーターのミルキング運動により摩耗しうる。このような状況では、圧縮率は低下しうる。可撓管の事前圧縮を調節することによってアクチュエーターの経路を延長することで、このような低下は補償され、力を一定に保つことができる。

[0032]ぜん動型注入デバイスは、過酸化水素、洗浄剤、湿気、滅菌の間の高温、冷却製品充填の間の低温に必要とされるような、封じ込め内部の条件に耐える任意の材料から作製することができる。材料は、好ましくは機械的に安定であり、かつ軽量である。このような材料は、例えばアルミニウム、アルマイト、ステンレス鋼(316L又は14435又は14571)、超合金若しくは高性能合金若しくはハステロイとしても知られる高度に耐腐食性の金属合金、チタン、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルケトンケトン(PEKK)とすることができる。材料は、少なくとも0.5kN/mm2の弾性率を有することができる。

[0033]本発明のさらなる態様は、1ミリリットル未満の容量での流体の注入により自動的に容器を充填する充填装置に関する。この充填装置は、充填するために複数の容器を中に配置することができる容器ホルダー、及び一組の上述のようなぜん動型注入デバイスを備える。充填装置はさらに注入デバイスポジショナーを備え、このポジショナーは、ぜん動型注入デバイスの組の各ぜん動型注入デバイスが、充填するために容器ホルダー内に配置された複数の容器のうちの一つに隣接して配置されるようにぜん動型注入デバイスの組を位置決めし、かつ容器ホルダーからぜん動型注入デバイスの組を取り出すように、構成される。

[0034]特に化学的又は薬学的用途において、容器はプラスチック又はガラスのバイアル、アンプル、シリンジなどとすることができる。注入デバイスポジショナーは、二又は三軸を有するリニアロボットのような自動化デバイスとすることができる。単一のぜん動型注入デバイスを単一の容器に隣接して配置するためのポジショナーを有することにより、充填装置は、注入地点を充填地点の比較的近くに持ってくることができる。このように、注入と充填の間で注入量の偏差が生じることを防止できる。したがって、充填装置は、注入されるものが充填されるもとの同一でないというリスクを低減する。特に、薬学的用途のように、充填量のわずかな偏差も防止すべき用途において、充填装置は、効率的かつ信頼性の高い充填プロセスの実施を可能にする。

[0035]好ましくは、充填装置は、滅菌可能な材料から製造された外表面を有する。特に、適切な滅菌は、過酸化水素処理により行うことができる。したがって、充填装置の表面は過酸化水素と適合性とすることができる。このような表面を有する充填装置は、例えば、薬学的用途に必要とされるシステムの、効率的かつ比較的容易な滅菌を可能にする。

[0036]充填装置は、好ましくは、ラインに沿って容器ホルダーを運搬するためのコンベヤをさらに備え、ぜん動型注入デバイスの組の各注入デバイスが容器ホルダー内に配置された複数の容器のうちの一つに隣接して位置決めされるとき、注入デバイスポジショナーは、容器ホルダーに隣接する注入デバイスの組を運搬するように構成される。容器ホルダーを運搬するラインは、曲線又は直線などとすることができる。ぜん動型注入デバイスを容器ホルダーと一緒に運搬することにより、容器ホルダー内の容器は、運搬中に充填することができる。これは充填プロセス全体の効率及び速度を上昇させることができる。

[0037]本発明のさらに別の態様は、1ミリリットル未満の容量の流体注入量で容器を充填するための充填方法に関する。この充填方法は:上述のようなぜん動型注入デバイスの可撓管内に、可撓管の第1の長手方向端部から流体を提供すること;ぜん動型注入デバイスの駆動部が、可撓管が圧縮及びシールされるように、ぜん動型注入デバイスの複数の作用部のうちの少なくとも一つをその端位置へと移動させること;駆動部が、ぜん動型注入デバイスの複数の作用部のうちの別の一つを、その定位置と端位置の間に位置する中間位置へと移動させ、複数の作用部のうちの少なくとも一つが、複数の作用部のうちの他の一つより可撓管の第1の長手方向端部の近くに位置すること;駆動部が、複数の作用部のうちの少なくとも一つを、その端位置から少なくとも部分的にその定位置の方向へと移動させることにより、流体が、ぜん動型注入デバイスの可撓管を通って複数の作用部のうちの少なくとも一つを通過すること;可撓管の第1の長手方向端部と反対側の可撓管の第2の長手方向端部から流体注入量を提供すること;駆動部が、複数の作用部のうちの少なくとも一つをその端位置に移動させることにより、可撓管が圧縮及びシールされて、可撓管の第2の長手方向端部からの流体の提供が停止すること;並びに駆動部が、ぜん動型注入デバイスの複数の作用部のうちの他の一つを、その中間位置から定位置へと移動させることを含む。

[0038]注入量が提供された後で可撓管がシールされている間に作用部のうちの他の一つをその定位置に移動させることにより、第2の長手方向端部に近い可撓管の内部に負圧が生じうる。これにより、注入量が提供される可撓管の端部において吸い込み効果が誘導されうる。このような吸い込み効果により、流体は可撓管内に戻るように一定程度引き込まれる。これにより、流体の漏れを防止することができ、比較的小さな偏差での正確な注入が可能となる。これは特に、正確な容量が注入される及び/又は比較的高価な流体が注入される用途において重要である。

[0039]充填方法は、ぜん動型注入デバイスの可撓管を部分的に事前圧縮する工程をさらに含むことができる。これは、ぜん動型注入デバイスの充填容量を、事前規定及び調節することを可能にする。これにより、充填容量は、作用部と対向圧力要素の間に位置する可撓管の内部空間により規定することができる。なかでも、充填容量のこのような調節は、例えば流体の加熱により生じる、充填容量の偏差の増大を補償することを可能にする。

[0040]また、充填方法は、ぜん動型注入デバイスの可撓管に作用する力を一定の値に制御する工程をさらに含むことができる。このために、ぜん動型注入デバイスのアクチュエーターの経路長を調節することができる。経路長の調節は、ぜん動型注入デバイスの可撓管の事前圧縮を調節することにより実施することができる。このような力の制御により、時間が経過しても流体注入量を一定のレベルに正確に保つことができる。特に、経時的な可撓管の材料の特性の変化を補償することができる。例えば、時間の経過に伴い、可撓管の材料は、アクチュエーターのミルキング運動により摩耗しうる。このような状況では、圧縮率は低下しうる。可撓管の事前圧縮を調節することによってアクチュエーターの経路を延長することで、このような低下は補償され、力を一定に保つことができる。

[0041]好ましくは、流体注入量は、可撓管の第1の長手方向端部の領域において可撓管内部に印加される圧力を増加させることにより、可撓管の第2の長手方向端部から提供される。これは、充填方法を適用するときに効率的な注入を可能にする。

[0042]本発明のまた別の態様は、好ましくは数ミリリットル又は1ミリリットル未満の容量で注入量の無菌流体を運搬するための、上述のようなぜん動型注入デバイスの使用に関する。このような無菌流体の運搬は、種々の薬学的、化学的又は医学的用途に適用することができる。例えば、このような使用は、薬物又は他の液体を患者に投与するための医療デバイスに適用することができる。或いは、このような使用は、溶液を再構成するために水を注入することにより、及び再構成された溶液を患者に投与することにより、凍結乾燥薬物製品の再構成に用いることができる。

[0043]好ましくは、流体は、滅菌薬物製品のバルク溶液であり、流体の運搬は、流体の滅菌薬物製品のバルク溶液を一次的な包装品の中に充填することを含む。一次包装品は、プラスチック又はガラスのバイアル、アンプル、シリンジ、ブローフィルシール容器、自動インジェクターなどといった容器とすることができる。充填のためのこのような使用は、薬学的用途において特に有利である。

[0044]本発明の上記及び他の態様は、以下に記載される実施態様を参照することにより明らかになり、説明される。

[0045]本発明によるぜん動型注入デバイス、本発明による充填装置、及び本発明による充填方法について、例示的実施態様を用い、添付図面を参照して、以下にさらに詳細に記載する。

本発明によるぜん動型注入デバイスの第1の実施態様の概略図である。

本発明によるぜん動型注入デバイスの第2の実施態様を備えた本発明による充填装置の一実施態様の概略図である。

本発明による充填方法の第1の状態における、本発明によるぜん動型注入デバイスの第3の実施態様の概略図である。

図3の充填方法の第2の状態における、図3のぜん動型注入デバイスの概略図である。

図3の充填方法の第3の状態における、図3のぜん動型注入デバイスの概略図である。

図3の充填方法の第4の状態における、図3のぜん動型注入デバイスの概略図である。

[0046]後述では、利便性のために特定の用語が使用されるが、限定的なものではない。用語「右」、「左」、「上」、「下」、「上部」、「底部」は、図中の方向を指す。用語法は、言葉通りに表現される用語と、その派生語及び類似の意味を有する用語を含む。

[0047]図1は、本発明による直線的なぜん動型注入デバイス1を示している。ぜん動型注入デバイス1は、可撓管13、管固定構造としての管延長ジャケット14、対向圧力要素としての対向圧力板12、一組10個の平行な圧電気作用部11、充填針としての分配針15及び駆動部としての作用部11を収容する圧電気駆動ユニット17を備える。管延長ジャケット14は、二つのストラップ141と管状の網状部分142を有する。可撓管13の固定区分131は、管延長ジャケット14の網状部分142を通って突出している。例えばストラップ141を引くことにより網状部分142を拡張させると、網状部分の内部が狭まって可撓管13が固定される。

[0048]管延長ジャケット14の右側に続く可撓管13は、対向圧力板12の平坦な表面と作用部11の駆動面の間に続いている。対向圧力板12の平坦な表面は、可撓管13を直線的に配置する案内部を形成する。したがって、可撓管13は、流体を前進させる方向と同一である長手方向135に延びる長手方向軸を有する。対向圧力板12は、可撓管13、分配針15及び駆動ユニット17に対して固定的に又は移動可能に配置される。

[0049]作用部11は隣接して平行に配置されており、それらの作用面は、可撓管13の方向に向くほぼ連続した前面を構成する。圧電気駆動ユニット17は、作用部11の各々を、互いから独立して、長手方向135に垂直なストローク方向に直線的に移動させることができる。可撓管13は、対向圧力板12と作用部11の間で事前圧縮されている。このために、可撓管は、管延長ジャケット14と対向圧力板12の間に狭窄区分132を、対向圧力板12と対向圧力板12の右側に続く袋ナット16の間に拡幅区分134を、それぞれ有する。このように、可撓管13は、対向圧力板12及び作用部11に対してクランプされて、固定的に整列する。

[0050]図1では、左から四つの作用部11と右から三つの作用部11が、対向圧力板12から最大距離に位置する定位置にある。左から六つ目、右から五つ目の作用部11は、駆動ユニット17により、作用部11に接する側の可撓管13 の壁が、対向圧力板12に接する側の可撓管13の壁に水平方向又は放射方向に押し付けられるその端位置へと移動している。これにより、可撓管13が弾性的に圧縮されてその内部ダクトがシールされるため、流体は作用部11を通過できない。端位置にある作用部11に隣り合う二つの作用部11は、駆動ユニット17により、その定位置と端位置の間の位置に移動している。これにより、移動した作用部が、可撓管13に波形部133を生じさせる。

[0051]可撓管13の拡幅区分134は、袋ナット16を介して圧電気駆動ユニット17及び対向圧力板12に固定されている分配針15に続く。分配針15は、近位側、即ち左側の本体部分151と、遠位側、即ち右側の筒状部分152を有する。

[0052]使用時に、ぜん動型注入デバイスは、分配針15の筒状部分152の開放端から流体注入量を提供するための二つのモード又は方式で動作することができる。第1の経路制御モードでは、作用部11は一つずつ連続して同じように移動する。第1の工程では、一番左の作用部11がその端位置に移動し、右隣の作用部11がその端位置へと部分的に移動する。他のすべての作用部11はそれぞれの定位置にある。第2の工程では、左から2番目の作用部11がその端位置に移動し、隣接する二つの作用部11がそれらの端位置の方向へと部分的に移動する。他のすべての作用部11はそれぞれの定位置にある。第3の工程では、左から3番目の作用部11がその端位置に移動し、隣接する二つの作用部11がそれらの端位置の方向へと部分的に移動する。他のすべての作用部11はそれぞれの定位置にある。作用部11のこのような段階的移動は、第10の工程において一番右の作用部11がその端位置に移動し、左隣の作用部11がその端位置へと部分的に移動するまで続く。他のすべての作用部11はそれぞれの定位置にある。第10工程の後、このプロセスは第1の工程から再度開始される。

[0053]上述のように作用部を移動させることにより、可撓管13の側壁に波が生成される。この波は、事前に正確に規定された流体の容量を右に向かって押し、長手方向135に前進させる。これにより、事前に規定された流体の容量は分配針15を通過し、筒状部分152の開放端から出る。一回の注入量の全体の容量は、作用部11により波を生成するサイクル数により規定することができる。サイクル数は、同時に複数のオフセットサイクルを実行することにより、完全な1サイクルに満たなくてもよい。

[0054]ぜん動型注入デバイス1の動作の第2の時間−圧力制御モードでは、一又は複数の作用部11を端位置へと移動させることにより、可撓管13をシールする。作用部11の上流において、流体は圧力下に置かれる。一又は複数の作用部11を移動させて定位置に戻すことにより、流体は、過圧力により長手方向135に右へと前進し、分配針15の筒状部分152の開放端から出る。特定の時間後、一又は複数の作用部11は再び端位置に移動し、可撓管13が再びシールされる。

[0055]時間−圧力モードでは、分配される容量は、可撓管13が開放される時間と、作用部11上流の流体の圧力とによって事前に規定される。同じ直径の可撓管13において、圧力が高い程及び/又は時間が長い程、流体の分配容量は大きくなる。

[0056]ぜん動型注入デバイス1は、様々な動作パラメーターを設定可能な制御ユニットをさらに備える。一般的な動作パラメーターは、作用部11の数、作用部11を前進させる工程の速度に対応する波の速度、及び同時に移動する作用部11の数及びストローク(例えば定位置と端位置の間の経路のパーセンテージ)によって決定される波の寸法を含むことができる。経路制御モードに特異的なパラメーターは、波が移動しなければならない経路長(例えば0.1ミリメートル(mm)から1000mm)、波が経路長を移動する時間(例えば、1ミリ秒(ms)から10000ms)を含むことができる。時間−圧力モードに特異的なパラメーターは、可撓管をシールする作用部11の識別、一回の注入量のために可撓管13が開放される時間、及び作用部11上流の流体の圧力を含むことができる。制御ユニットは、パラメーターを監視し、それにより駆動ユニットを介して圧力及び作用部11を制御する。

[0057]図2には、本発明によるぜん動型注入デバイス18の第2の実施態様を有する本発明による充填装置2の一実施態様が示されている。ぜん動型注入デバイス18は、図1に示されるぜん動型注入デバイス1と同様に実現される。デバイス18は、分配針158、可撓管138、対向圧力要素としての対向圧力板128、駆動及び制御ユニットとして6個の平行な圧電気作用部118 を収容する圧電気駆動ユニット178を有する。ぜん動型注入デバイス18は、右側で又は可撓管138に接続する即ち可撓管138の上流側端部に接続する流体リザーバとしてのタンク188をさらに備える。

[0058]充填装置2は、タンク188に接続する圧力制御因子21をさらに備える。圧力制御因子21により、タンク188内部の流体の圧力を調節することができる。タンク188は、タンク188の充填レベルを感知するレベルセンサー22に接続される。レベルセンサー22により、タンク188の流体のレベルを監視して、制御ユニットにより制御することができる。

[0059]分配針158は、温度ゲージ24及び凝結トラップ25が接続される針容器23内部に配置される。針容器23により、蒸気の滅菌のために加圧可能なユニットを造ることができる。これにより、例えば121℃を上回る温度の清浄な蒸気が充填装置2の流体経路の全体を通過し、タンク188から分配針158の開放端までの生物を殺すことができる。分配針158を出た後、蒸気は針容器158を満たし、分配針158の外表面も滅菌する。蒸気から生じる凝結は、針容器23から凝結トラップ25に向かって排水され、そこで廃棄される。このように、蒸気を適用することにより、例えば15分間にわたり、確実に2バールの圧力を生成し、満足のゆく滅菌条件を提供することができる。

[0060]充填装置2は、容器ホルダーとしてのバイアルホルダー及び注入デバイスポジショナーとしてのリニアロボットも備える。リニアロボットは、針容器23を、ぜん動型注入デバイス18と共に、バイアルホルダーにより保持されるバイアルに隣接して位置決めするように構成される。このように、リニアロボットは、注入地点を充填地点の近くに位置させることを可能にし、これにより極めて正確な充填又は注入が可能になる。

[0061]図3は、本発明による充填方法の一実施態様において動作する、本発明によるぜん動型注入デバイス19の第3の実施態様を示す。ぜん動型注入デバイス19は、図1に示されるぜん動型注入デバイス1及び図2に示されるぜん動型注入デバイス18 と同様に実現される。下流又は上から下へ向かう方向に、ぜん動型注入デバイス19は、可撓管139の長手方向上部に接続された流体リザーバ189を備える。リザーバ189は、高圧で注入される流体を保持する。可撓管139は対向圧力板129と10個の平行な作用部119の間に延びており、可撓管139は対向圧力板129と作用部119の間で事前に圧縮される。10個の作用部は、圧電気駆動ユニット179内に収容される。その底部又は下流の長手方向端部において、可撓管139は分配針159に接続される。10個の作用部119は、図3では、上部又は上流の第1作用部119から底部又は下流の第10作用部119まで番号が付されている。

[0062]図3では、第5及び第6作用部119が圧電気駆動ユニット179によりそれぞれの端位置へと移動している、充填方法の初期の工程にあるぜん動型注入デバイス19が示されている。これにより、これら二つの作用部119が可撓管139をシールし、上部の矢印によって示されるように、流体は第5作用部11までしか前進することができない。加えて、第9作用部119が駆動ユニット179によって、定位置と端位置の間に位置する中間位置に移動している。中間位置では、第9作用部119は、流体の通過を妨げることなく、可撓管139を弱く圧縮している。

[0063]以下は本明細書の残りの部分に適用される。図面を明瞭にするために、明細書の直接に関連する部分で説明されない参照記号が図面に含まれる場合、以前の説明部分が参照される。

[0064]図4は、充填方法の次の工程におけるぜん動型注入デバイスを示している。図3に示される初期工程と比較して、第5及び第6作用部119は、駆動ユニット179によりそれらの定位置に移動している。第9作用部11は依然その中間位置にある。これにより、加圧された流体は、右側の矢印によって示されるように、可撓管139及び分配針159を通過して充填されるべき容器中に入ることができる。ぜん動型注入デバイスは、先述したような時間−圧力モードで動作する。

[0065]図5に示されるように、所定の量の流体を分配針159から分配することを可能にする所定の時間の経過後、第5及び第6作用部119はそれらの端位置へと再び移動する。第9作用部11は依然その中間位置にある。これにより、可撓管139は再びシールされて、流体は第5作用部119までしか前進できない。

[0066]図6には、充填方法の最終工程にあるぜん動型注入デバイス19が示されている。この工程では、第9作用部119が駆動ユニット117によりその定位置に戻る。第5及び第6作用部119は依然それらの端位置にあって可撓管139をシールする。第9作用部を元に戻すことにより、可撓管139の下部に負圧が生じる。これにより、可撓管139の下部に逆方向の吸い込み効果が生じ、漏れ及び流体の損失を防ぐことができる。次の流体注入量を提供するために、充填方法が繰り返される。

[0067]図面及び上記の記載において本発明を詳細に例示及び説明したが、このような例示及び説明は、説明的又は例示的なものであって、制限的なものではない。当業者により、特許請求の範囲及び精神の範囲内で、変更及び修正が可能であることを理解されたい。特に、本発明は、上記及び以下に記載される異なる実施態様の特徴の任意の組み合わせを含むさらなる実施態様を含む。

[0068]本発明はまた、図面に個別に示されるさらなる特徴をすべて含むが、それらの中には上記又は以下に記載されていないものもありうる。また、図面及び明細書に記載された実施態様の単一の代替例、及びその特徴の単一の代替例は、本発明の主題又は開示された主題から削除されることがありうる。本発明は、特許請求の範囲又は例示的実施態様に規定される特徴からなる主題、並びに前記特徴を含む主題を含む。

[0069]さらに、特許請求の範囲において、「comprising」という単語は他の要素又は工程を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数形を除外しない。単一のユニット又は工程は、特許請求の範囲に記載される複数の特徴の機能を満たしうる。特定の手段が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。属性又は値に関する用語「ほぼ/基本的に(essentially)」、「約(about)」、「概ね(approximately)」などは、それぞれ正確な属性又は正確な値も規定する。提示される数値又は範囲の文脈における用語「約(about)」は、例えば、提示さる値又は範囲の20%以内、10%以内、5%以内、又は2%以内の値又は範囲を指す。特許請求の範囲における参照記号はどれも、範囲を限定するものと解釈すべきでない。

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