無線起爆雷管、親ダイ、無線起爆システム、及び無線起爆方法

申请号 JP2013000909 申请日 2013-01-08 公开(公告)号 JP5849972B2 公开(公告)日 2016-02-03
申请人 日油株式会社; 发明人 彦根 智; 田崎 陽治;
摘要
权利要求

起爆部と、 前記起爆部に接続されて前記起爆部に点火する制御部と、 前記起爆部と前記制御部とが収容される管体と、 前記制御部が無線通信にて使用するアンテナであって送信専用アンテナ及び受信専用アンテナを別々に有することなく送受信に使用可能な起爆側アンテナと、 を備えている無線起爆雷管であって、 前記起爆側アンテナは、軟磁性体コイルアンテナであり、 前記制御部は、前記起爆側アンテナを介して100KHz以上500KHz以下の周波数である操作周波数の送信信号を受信する、 無線起爆雷管。請求項1に記載の無線起爆雷管であって、 前記起爆側アンテナは、前記管体に接触して前記管体の軸上に、もしくは前記管体に接触して前記管体の周囲に設置されている、 無線起爆雷管。請求項1に記載の無線起爆雷管であって、 前記起爆側アンテナは、導電線を介して前記管体と接触せずに所定の方向に向けられて配置されている、 無線起爆雷管。請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線起爆雷管であって、 前記無線起爆雷管には、当該無線起爆雷管を識別可能な個体情報が表示された表示装置が、当該無線起爆雷管に直接、またはケーブルを介して取り付けられている、 無線起爆雷管。請求項4に記載の無線起爆雷管と爆薬とで構成された親ダイであって、 前記無線起爆雷管は前記爆薬に取り付けられており、 前記ケーブルを介して前記表示装置が取り付けられている場合、前記ケーブルの長さは、前記親ダイが被爆破個所に削孔された装薬孔に装填された際に、前記表示装置が前記装薬孔の外に達することが可能な長さに設定されている、 親ダイ。請求項5に記載の親ダイと、 前記装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて前記無線起爆雷管に前記送信信号を無線で送信し、前記無線起爆雷管からの応答信号を無線で受信する起爆操作機と、 前記起爆操作機が無線通信にて使用するアンテナであって送信専用アンテナ及び受信専用アンテナを別々に有することなく送受信に使用可能な操作側アンテナと、にて構成された無線起爆システムであって、 前記操作側アンテナは略ループ形状であり、 前記制御部は、前記起爆操作機から前記送信信号を受信すると、受信した前記送信信号に対応する応答信号を作成し、作成した前記応答信号を、前記操作周波数よりも高い周波数である応答周波数にて、前記起爆側アンテナを介して送信し、 前記応答周波数は、前記操作側アンテナのループ長さよりも長い波長となる周波数に設定されている、 無線起爆システム。請求項6に記載の無線起爆システムであって、 前記応答周波数は、前記操作周波数を超え、かつ10MHz以下である、 無線起爆システム。請求項5に記載の親ダイと、 前記無線起爆雷管に送信信号を無線で送信し、前記無線起爆雷管からの応答信号を無線で受信する起爆操作機と、を用いて被爆破個所を爆破する無線起爆方法において、 前記被爆破個所に装薬孔を削孔する装薬孔削孔ステップと、 前記親ダイを前記装薬孔に装填する装填ステップと、 前記起爆操作機が無線通信にて使用するアンテナであって前記応答信号の周波数である応答周波数に対応する波長よりも短い長さに設定した操作側アンテナを、前記被爆破個所から所定距離だけ離れた位置に略ループ形状に張る操作側アンテナ張りステップと、 前記操作側アンテナを介して前記起爆操作機から100KHz以上500KHz以下の周波数である操作周波数にて前記無線起爆雷管に起爆準備を開始させる送信信号である準備開始信号を送信する準備開始送信ステップと、 前記起爆側アンテナを介して前記準備開始信号を受信した制御部にて起爆準備を開始させ、準備が完了した場合に準備完了を示す応答信号である準備完了信号を、前記操作側アンテナの長さよりも長い波長となる前記操作周波数を超え、かつ10MHz以下の前記応答周波数にて前記起爆側アンテナを介して前記制御部から前記起爆操作機に送信する準備完了応答ステップと、 前記操作側アンテナを介して前記準備完了信号を受信した前記起爆操作機から起爆の実行を指示する送信信号である起爆実行信号を送信する起爆実行送信ステップと、 前記起爆側アンテナを介して前記起爆実行信号を受信した制御部にて前記起爆部に点火して前記起爆部及び前記爆薬を起爆する起爆ステップと、を有する、 無線起爆方法。請求項8に記載の無線起爆方法であって、 前記無線起爆雷管に、前記表示装置が前記装薬孔の外に達することが可能な長さの前記ケーブルを介して前記表示装置が取り付けられている場合、 前記装填ステップにおいて、前記表示装置が前記装薬孔の外に達するように前記装薬孔に前記親ダイを装填する、 無線起爆方法。

说明书全文

本発明は、トンネルの掘削等にて使用する無線起爆雷管、親ダイ、無線起爆システム、及び無線起爆方法に関する。

従来より、トンネルの掘削現場等における爆破作業では、掘削面である切羽面において掘削方向に向けて、例えば径が数cm、深さが数m程度の装薬孔を複数削孔し、各装薬孔に無線で起爆させることができる爆薬を装填し、切羽面から離れた遠隔位置から起爆信号を無線で送信して爆破する発破工法が開示されている。 例えば特許文献1に記載された従来技術には、磁界エネルギーが小さくても、切羽面の装薬孔に装填された無線起爆雷管の全てが安定したエネルギーを受信することが可能となるように、起爆信号の送信機のループアンテナを、全周にわたって洞壁面に近接配置する、遠隔無線起爆システム用送信アンテナが開示されている。 また、特許文献2に記載された従来技術には、送信機から個々の無線雷管に対して電気エネルギーの蓄積状態を示す返信信号を要求する制御信号を送信し、全ての無線雷管の充電完了を確認した後、個々の無線雷管に対して起爆準備指令信号を送信し、全ての無線雷管から起爆準備完了信号を受信した後、個々の無線雷管に起爆信号を送信する、遠隔無線起爆装置が開示されている。 また、特許文献3に記載された従来技術には、トンネル内の地盤に固定して設置された遠隔無線起爆システム用アンテナが開示されている。 また、特許文献4に記載された従来技術には、周波数が10KHz以下で、コイルの巻数が100〜100000(T)であり、直径φ35mm〜φ47mm、長さ5〜300mmの受信コイルを用いた無線雷管が開示されている。

特開2001−127511号公報

特開2001−153598号公報

特開2001−330400号公報

特開平8−219700号公報

特許文献1に記載された従来技術では、送信アンテナを洞壁面の全周にわたってコイル状に複数回巻いており、送信機から送信される周波数が10KHz以下であるため、50巻き以下、好ましくは30巻き以下とすることが開示されている。全周にわたって洞壁面に近接配置するループアンテナを30回も巻いて張る作業は非常に手間がかかるとともに、送信アンテナの設置のために切羽面の近傍での作業時間が長くなり、切羽面近傍の落石や崩落等に遭遇する可能性が高まるので、好ましくない。また、無線起爆雷管のアンテナとなる受信コイルも、10KHz以下の周波数の信号を受信してより大きなエネルギーを取り出すために、後述するように、高透磁率かつ大きなフェライトコアに導線を多数回巻いた複雑なものが必要となる。特許文献4には具体例として、コイルの巻数が100〜100000(T)であり、直径φ35mm〜φ47mm、長さ5〜300mmの受信コイルが示されている。 また特許文献2に記載された従来技術も、送信機からの送信の周波数は、10KHz未満の周波数を使用しているため、特許文献1と同様の送信アンテナを必要とすると推定される。従って、特許文献1と同様、送信アンテナの設置のために切羽面の近傍での作業時間が長くなると推定されるので、好ましくない。

また、特許文献1〜4に記載された従来技術から想定される操作機と無線起爆雷管では、以下の課題が残る。 操作機から無線で送信される送信信号を無線起爆雷管で受信して、無線起爆雷管にてより大きなエネルギーを取り出すには、操作機からの送信信号のエネルギーをより大きくすることと、無線起爆雷管で送信信号を受信する際、より効率的に受信することが必要である。 操作機からの送信信号をより大きなエネルギーで出する方法としては、操作機の側のアンテナへの電流をより大きくすることと、当該アンテナの巻回数をより多くすること、が挙げられる。しかし、電流を大きくしていくとジュール熱による損失が増加し、最悪の場合は焼損してしまう。また、アンテナ線をより抵抗値の小さな、より太い線にする必要があり、実際には数A程度までしか電流を大きくすることができない。また、トンネルの内壁に沿って巻回する巻回数は、せいぜい40回〜500回程度が現実的である。これにより、特許文献1に記載されているように、40〜500AT[アンペアターン]が実用的な値である。

また受信側でより効率的に受信する方法としては、送信信号の波長λに対してλ/2の長さにより近いアンテナで受信すること、及びアンテナを多数巻きにして取り出したエネルギーを増幅すること、高透磁率コアを用いて送信信号を集約すること、が挙げられる。特許文献1〜4に記載された従来技術では、送信信号の周波数が10KHzであるので、λ=v/f=(30*107)[m]/(10*103)=30[Km]であり、λ/2=15[Km]となり、この長さのアンテナを無線起爆雷管に取り付けるのは現実的でない。そこで、実際には50mm径程度の高透磁率コアに導線を数100〜100000巻回し、円筒状の爆薬の径とほぼ同径のコイルコアをアンテナとして用いている。この場合、コイルコアが野球のボール程度の大きさとなり、重量も数100gであり、導電線で装薬孔の外に垂らすと導電線が切れる可能性があり、コイルコアを装薬孔の外に垂らすことは好ましくない。従って、特許文献1及び4のコア及び受信コイルに記載されているように、無線起爆雷管の先頭部に配置することが好ましい。しかし、その場合、受信アンテナであるコイルコアが装薬孔の最も奥に配置されることになるので、送信信号が届きにくく、10KHz程度の低周波の場合、受信効率を向上させることが困難である。 このように、特許文献1〜4から想定される操作機と無線起爆雷管では、操作機の側から送信信号を送信するためのアンテナを40〜500回程度に巻回する必要があり、無線起爆雷管の側にて送信信号を受信するためのアンテナであるコイルコアを装薬孔の奥に配置し、導線を数100〜100000回、巻回する必要がある。

また特許文献1〜3に記載された従来技術では、無線起爆雷管から操作機へ無線で送信する応答信号の周波数は10MHz〜60MHzと記載されている。ここで応答信号の周波数を10MHzとした場合、操作機の側で受信するアンテナにおいて最も効率良く受信できる長さはλ/2=[(30*107)/(10*106)]/2=15[m]である。なお、λよりも長いアンテナを用いると定在波が発生しやすいので好ましくない。ところが、操作機から送信信号を送信するアンテナは、上述したように、トンネル内壁に沿って40〜500巻回しているので、λ(この場合、30[m])を軽くオーバーしてしまっている。よって、操作機にて応答信号を受信するためのアンテナは、特許文献3に記載されているように、受信専用の半波長ダイポールアンテナが必要となる。また、無線起爆雷管から応答信号を送信する際、上記のコイルコアを用いると、装薬孔の一番奥から応答信号を発信することになり、操作機に届くエネルギーが非常に小さくなってしまう。そこで特許文献3に記載されているように、無線起爆雷管は、応答信号の送信専用の線状アンテナを装薬孔の外に垂らしている。 このように、特許文献1〜4に記載された従来技術から想定される操作機と無線起爆雷管では、無線起爆雷管については、受信専用のアンテナとして大型のコイルコアが必要であり、送信専用のアンテナとして線状アンテナが必要である。また操作機については、送信専用のアンテナとしてトンネル内壁に沿って40〜500巻回したアンテナが必要であり、受信専用のダイポールアンテナが必要である。従って、操作機に必要なアンテナを設置する時間がかかり、切羽面近傍における作業時間が長くなるので好ましくない。 本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、切羽面近傍における作業時間をより短くすることができる無線起爆雷管、親ダイ、無線起爆システム、及び無線起爆方法を提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、本発明に係る無線起爆雷管、親ダイ、無線起爆システム、及び無線起爆方法は次の手段をとる。 まず、本発明の第1の発明は、起爆部と、前記起爆部に接続されて前記起爆部に点火する制御部と、前記起爆部と前記制御部とが収容される管体と、前記制御部が無線通信にて使用するアンテナであって送信専用アンテナ及び受信専用アンテナを別々に有することなく送受信に使用可能な起爆側アンテナと、を備えている無線起爆雷管である。 前記起爆側アンテナは、軟磁性体コイルアンテナであり、前記制御部は、前記起爆側アンテナを介して100KHz以上500KHz以下の周波数である操作周波数の送信信号を受信する。

この第1の発明によれば、無線起爆雷管が無線通信にて受信する周波数を100KHz以上500KHz以下の周波数とすることで、起爆側アンテナを軟磁性体に導線を数回〜数十回、巻回した軟磁性体コイルアンテナとすることができる。 これにより、非常に簡素で小型の軟磁性体コイルアンテナを用いることが可能となり、前記起爆側アンテナの直径を、爆薬を装填する装薬孔の内径よりも小さくすることが可能となり、無線起爆雷管に起爆側アンテナを接続した状態で装薬孔に装填できるので、切羽面の装薬孔への無線起爆雷管の装填時間をより短くすることができる。 従って、切羽面近傍における作業時間を、より短くすることができる。 なお前記軟磁性体とは、磁性体の中でも比較的容易に磁極が消失したり反転したりする高透磁率の材料であって、例えば鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、フェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金などであって、通常はフェライトが使用される。 さらに前記起爆側アンテナを軟磁性体コイルアンテナにしたことにより、前記起爆側アンテナの向きを、装薬孔の軸方向に沿う方向へと容易に設定することができる。これにより、個々のアンテナの向きを調整する必要が無くなり、切羽面近傍における作業時間をよりいっそう短縮することができる。

次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る無線起爆雷管であって、前記起爆側アンテナは、前記管体に接触して前記管体の軸上に、もしくは前記管体に接触して前記管体の周囲に設置されている。

この第2の発明によれば、起爆側アンテナの設置位置を適切な位置とすることが可能である。また、管体と起爆側アンテナが一体化しているので、切羽面の装薬孔への無線起爆雷管の装填時間をより短くすることができる。

次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明に係る無線起爆雷管であって、前記起爆側アンテナは、導電線を介して前記管体と接触せずに所定の方向に向けられて配置されている。

この第3の発明によれば、起爆側アンテナの設置の自由度を増すことができる。例えば装薬孔の奥に無線起爆雷管を設置した場合であっても、装薬孔の入口部に起爆側アンテナを設置することができるので便利である。 この場合、前記起爆側アンテナは、無線による給電および通信を必要十分に行うことができる方向(所定の方向)へ向けるよう調整が可能である。

次に、本発明の第4の発明は、上記第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに係る無線起爆雷管であって、前記無線起爆雷管には、当該無線起爆雷管を識別可能な個体情報が表示された表示装置が、当該無線起爆雷管に直接、またはケーブルを介して取り付けられている。

この第4の発明によれば、無線起爆雷管の個体情報が表示装置により確認可能となる。 これにより、何らかの異常を発生させた無線起爆雷管を特定することが可能となる。

次に、本発明の第5の発明は、上記第4の発明に係る無線起爆雷管と爆薬とで構成された親ダイであって、前記無線起爆雷管は前記爆薬に取り付けられており、前記ケーブルを介して前記表示装置が取り付けられている場合、前記ケーブルの長さは、前記親ダイが被爆破個所に削孔された装薬孔に装填された際に、前記表示装置が前記装薬孔の外に達することが可能な長さに設定されている。

この第5の発明によれば、適切な親ダイを構成することができる。 また、前記ケーブルを介して前記表示装置が取り付けられている場合、個体情報が表示された表示装置が装薬孔の外に出ているので、装薬後に無線起爆雷管に異常が発生した際、作業者は、異常が発生した無線起爆雷管を、装薬孔から取り出すことなく容易に特定することができる。

次に、本発明の第6の発明は、上記第5の発明に係る親ダイと、前記装薬孔から離れた遠隔位置に配置されて前記無線起爆雷管に前記送信信号を無線で送信し、前記無線起爆雷管からの応答信号を無線で受信する起爆操作機と、前記起爆操作機が無線通信にて使用するアンテナであって送信専用アンテナ及び受信専用アンテナを別々に有することなく送受信に使用可能な操作側アンテナと、にて構成された無線起爆システムである。 そして、前記操作側アンテナは略ループ形状であり、前記制御部は、前記起爆操作機から前記送信信号を受信すると、受信した前記送信信号に対応する応答信号を作成し、作成した前記応答信号を、前記操作周波数よりも高い周波数である応答周波数にて、前記起爆側アンテナを介して送信し、前記応答周波数は、前記操作側アンテナのループ長さよりも長い波長となる周波数に設定されている。

この第6の発明によれば、起爆操作機から無線起爆雷管に送信する信号の周波数を100KHz以上500KHz以下とすることで、10KHzの場合と比較して、操作側アンテナの巻き数を1/10あるいはそれ以下まで少なくすることができる。 これにより、切羽面近傍における操作側アンテナを張る作業時間をより短くすることができる。 従って、切羽面近傍における作業時間を、より短くすることができる。 また、無線起爆雷管からの応答周波数を、操作側アンテナの長さよりも長い波長の周波数とすることで、定在波の発生を防止し、送受信の信頼性を高めることができる。 ここで、操作側アンテナのループ長さとは、略ループ形状に巻かれた操作側アンテナの総延長長さをいう。

次に、本発明の第7の発明は、上記第6の発明に係る無線起爆システムであって、前記応答周波数は、前記操作周波数を超え、かつ10MHz以下である。

この第7の発明によれば、定在波の発生を防止する応答周波数を、適切な周波数とすることが可能であり、送受信の信頼性を高めることができる。

次に、本発明の第8の発明は、上記第5の発明に係る親ダイと、前記無線起爆雷管に送信信号を無線で送信し、前記無線起爆雷管からの応答信号を無線で受信する起爆操作機と、を用いて被爆破個所を爆破する無線起爆方法である。 そして、前記被爆破個所に装薬孔を削孔する装薬孔削孔ステップと、前記親ダイを前記装薬孔に装填する装填ステップと、前記起爆操作機が無線通信にて使用するアンテナであって前記応答信号の周波数である応答周波数に対応する波長よりも短い長さに設定した操作側アンテナを、前記被爆破個所から所定距離だけ離れた位置に略ループ形状に張る操作側アンテナ張りステップと、前記操作側アンテナを介して前記起爆操作機から100KHz以上500KHz以下の周波数である操作周波数にて前記無線起爆雷管に起爆準備を開始させる送信信号である準備開始信号を送信する準備開始送信ステップと、前記起爆側アンテナを介して前記準備開始信号を受信した制御部にて起爆準備を開始させ、準備が完了した場合に準備完了を示す応答信号である準備完了信号を、前記操作側アンテナの長さよりも長い波長となる前記操作周波数を超え、かつ10MHz以下の前記応答周波数にて前記起爆側アンテナを介して前記制御部から前記起爆操作機に送信する準備完了応答ステップと、前記操作側アンテナを介して前記準備完了信号を受信した前記起爆操作機から起爆の実行を指示する送信信号である起爆実行信号を送信する起爆実行送信ステップと、前記起爆側アンテナを介して前記起爆実行信号を受信した制御部にて前記起爆部に点火して前記起爆部及び前記爆薬を起爆する起爆ステップと、を有する。

この第8の発明によれば、起爆操作機から無線起爆雷管に送信する操作周波数を100KHz以上500KHz以下とするとともに、起爆側アンテナとして軟磁性体コイルアンテナを用いることで、起爆側アンテナの指向性の調整と、装填ステップと、操作側アンテナ張りステップにかかる時間、すなわち切羽面近傍における作業時間を、より短くすることができる無線起爆方法を実現することができる。

次に、本発明の第9の発明は、上記第8の発明に係る無線起爆方法であって、前記無線起爆雷管に、前記表示装置が前記装薬孔の外に達することが可能な長さの前記ケーブルを介して前記表示装置が取り付けられている場合、前記装填ステップにおいて、前記表示装置が前記装薬孔の外に達するように前記装薬孔に前記親ダイを装填する。

この第9の発明によれば、無線起爆雷管に異常が発生した際、例えば作業者は、起爆操作機に表示された個体情報(例えば起爆遅延時間や識別番号等)と、装薬孔の外の表示装置に表示されている個体情報とを比較することにより、異常が発生している無線起爆雷管を、容易に特定することができる。 これにより、装薬孔に装薬した後に、切羽面近傍における作業時間をより短くすることができる。

トンネル掘削現場における切羽面41を爆破するための無線起爆システム1、及び切羽面41に削孔した装薬孔40に爆薬ユニット20を装填した状態を説明する図である。

爆薬ユニット20、無線起爆雷管10、及び制御部10Bの構造の例を説明する図である。

無線起爆方法の処理手順を説明するフローチャートである。

起爆部及び制御部が収容されている管体に対する起爆側アンテナの配置の例を説明する図である。

以下に本発明を実施するための形態を図面を用いて、トンネルの掘削現場を例として説明する。 ●[無線起爆システム1の全体構成と、装薬孔40への爆薬ユニット20の装填状態(図1)] 無線起爆システム1は、切羽面41に削孔された装薬孔40に装填される爆薬ユニット20と、装薬孔40から離れた遠隔位置に配置されて爆薬ユニット20に対して無線で送受信を行う起爆操作機50と、切羽面41の近傍に張られた操作側アンテナ60と、にて構成されている。 装薬孔40は、例えば径D1が5cm程度、深さD2が2m程度に削孔された孔であるが、この数値に限定されるものではない。 無線起爆雷管10は、図2に示すように、起爆部10Aと、制御部10Bと、起爆部10Aと制御部10Bとを収容する管体10Xと、アンテナ部10Cにて構成され、アンテナ部10Cは、略ループ形状の起爆側アンテナ30と、一方端が制御部10Bに接続されて他方端が起爆側アンテナ30に接続された導電線31と、にて構成されている。 そして無線起爆雷管10は、装薬孔40に装填される際の先頭となる爆薬13であって無線起爆雷管10が差し込まれている爆薬13である親ダイ13Aと、親ダイ13Aに対して適宜増減される爆薬13である増しダイ13Bとともに、装薬孔40に装填される。 図2に示すように、爆薬ユニット20は、爆薬13と、無線起爆雷管10とで構成されており、爆薬ユニット20は、親ダイ13Aのみ、あるいは親ダイ13Aに増しダイ13Bが追加された状態の爆薬である。 また、爆薬ユニット20の先端には、ゴム等の弾性体で形成された保護キャップ21が嵌め込まれて装薬孔40に装填され、爆薬ユニット20の後端には、粘土等の込め物22にて蓋がされる。そして、導電線31の長さは、爆薬ユニット20を装薬孔40に装填した際に起爆側アンテナ30が装薬孔40の外に達することができる長さに設定されていてもよいし、図1に示すように起爆側アンテナ30を装薬孔40内に配置できる長さであってもよい。もしくは、図4(A)、(B)に示すように導電線31が無く、起爆側アンテナ30が管体10Xに接触して管体10Xの軸上、もしくは管体10Xに接触して管体10Xの周囲にあってもよい。なお、保護キャップ21は、導電線31を保護するとともに装填時のショックを和らげるものであるが、省略しても良い。 また表示装置72は、作業者が無線起爆雷管10を識別可能な個体情報(例えば起爆遅延時間や識別番号)が表示されたものであり、ケーブル71を介して無線起爆雷管10に取り付けられている。そしてケーブル71の長さは、親ダイ13Aが装薬孔40に装填された際に、表示装置72が装薬孔40の外に達することが可能な長さに設定されている。 従って図1に示すように、表示装置72は、親ダイ13Aが装薬孔40に装填された場合、装薬孔40の外に配置される。 なお、ケーブル71と表示装置72は省略してもよい。

起爆操作機50には、発破母線62と補助母線61を介して操作側アンテナ60が接続されている。なお、操作側アンテナ60と補助母線61は、爆破する毎に新たに張られる。 操作側アンテナ60は、切羽面41から例えば1m程度の距離L1だけ離れた位置に、洞床42、洞側壁43、洞天井44に沿って張られている。発破母線62の先端から切羽面41までの距離L2は、例えば30m程度である。発破母線62の先端から起爆操作機50までの距離L3は、例えば70m程度である。 起爆操作機50は、発破母線62と補助母線61と操作側アンテナ60を介して無線通信にて送信信号を送信し、送信の周波数である操作周波数は、100KHz以上500KHz以下としている。なお、操作周波数を500KHzより高くすると、トンネル内で定在波が発生しやすいので、あまり好ましくない。 また起爆操作機50は、無線起爆雷管10の制御部10Bからの応答信号を、操作側アンテナ60と補助母線61と発破母線62を介して受信する。なお、無線起爆雷管10からの応答信号の周波数である応答周波数は、前記操作周波数を超え、かつ10MHzとしている。

本実施の形態にて説明する無線起爆システム1では、操作周波数を100KHz以上500KHz以下とすることで、操作側アンテナ60の巻き回数を、1回あるいは数回程度とすることができる。また、当該操作周波数の送信信号にて無線起爆雷管10の制御部10Bに給電するとともに点火用のエネルギーを蓄電させる。制御部10Bの給電及び蓄電のための送信時の電力は、数10W〜数100W程度の比較的小電力で行うことができる。また、起爆側アンテナ30は、送信専用アンテナ及び受信専用アンテナを別々に用意する必要がなく、送受信用の1個の軟磁性体コイルアンテナにて起爆側アンテナ30を構成することができる。また、起爆側アンテナ30の径は、装薬孔の直径以下とすることが可能である。 例えば操作周波数が200KHzの場合、無線起爆雷管にて最も効率良く受信できるアンテナの長さであるλ/2は、λ/2=[v/f]/2=[(30*107)/(200*103)]/2=750[m]であるが、軟磁性体に導線を数十回程度、巻回した非常に軽量で小型の軟磁性体コイルアンテナであっても、充分なエネルギーを取り出すことができる。なお軟磁性体とは、磁性体の中でも比較的容易に磁極が消失したり反転したりする高透磁率の材料であって、例えば鉄、ケイ素鋼、パーマロイ、センダスト、パーメンジュール、フェライト、アモルファス磁性合金、ナノクリスタル磁性合金などであって、通常はフェライトが使用される。 また、本実施の形態の軟磁性体コイルアンテナである起爆側アンテナ30は、従来と比較して、非常に効率良くエネルギーを取り出すことができる。また操作周波数が高いので従来と比較して波長λが短く、エネルギーを取り出しやすい。そして無線起爆雷管の側の受信効率が良いので、送信信号の出力エネルギーも、従来ほどのエネルギーを必要とせず、1〜数回程度の巻回の操作側アンテナでよい。 また、無線起爆雷管から起爆操作機へ送信する応答信号の送信用アンテナは、装薬孔の軟磁性体コイルアンテナを兼用することができる。そして応答周波数を10MHzとした場合、起爆操作機の受信用のアンテナの長さは、応答周波数の波長λ(この場合、30[m])を超えない長さとすることが好ましく、1〜数回巻きの操作側アンテナを兼用することができる。

操作周波数が10KHz以下の従来の方法では、既に説明したように、送信信号を送信するための操作側アンテナの巻き数が40〜500回程度必要であり、無線起爆雷管からの応答信号を受信するためのダイポールアンテナが必要であり、切羽面近傍において非常に長い作業時間が必要であった。 本願では、操作側アンテナ60の巻き数が1回〜数回程度で良く、且つ受信専用のダイポールアンテナも不要であるので、切羽面近傍における操作側アンテナ60を張る作業を、従来と比較して非常に短時間で終わらせることができる。 また、操作周波数が10KHz以下の従来の方法では、既に説明したように、50mm径程度のフェライトコアに導線を多数回巻いた複雑、且つ重量が大きなものを装薬孔の一番奥に配置し、更に線状アンテナを装薬孔の外に垂らす必要があった。 本願では、軟磁性体コイルアンテナとして、フェライトバーに導線を数十回程度、巻回した非常に軽量で小型のフェライトバーアンテナが取り付けられた無線起爆雷管を爆薬に挿入し、親ダイとなった爆薬を装薬孔に挿入するだけで良い。さらに本願では起爆側アンテナ30の径を装薬孔の直径以下にすることが可能であるため、起爆側アンテナが邪魔にならず、起爆側アンテナを取り付けた状態で無線起爆雷管10を装填装置にセットすることができる。そして、装薬孔40への無線起爆雷管10の装填作業を、より短時間で終わらせることができる。

●[無線起爆雷管10の構造(図2)と無線起爆方法の処理手順(図3)] 次に図2を用いて、無線起爆雷管10の詳細な構造について説明する。 装薬孔40に装填される際の先頭となる爆薬13には、無線起爆雷管10が差し込まれ、無線起爆雷管10にて直接爆破する親ダイ13Aとなる。装薬孔40に装填される際に親ダイ13Aの後方に配置される爆薬13は、親ダイ13Aの爆破に連動して爆破する増しダイ13Bとなる。増しダイ13Bの数は、所望する爆破エネルギーに応じて適宜増減される。 図2に示す無線起爆雷管10は断面図を示しており、無線起爆雷管10は、管体10X内に起爆部10Aと制御部10Bが収容されて閉塞栓10Zにて密封されている。また起爆部10Aは、絶縁スリーブ11A、点火玉11B、内管11C、起爆薬11D、添装薬11E等を有している。また制御部10Bは、送受信手段12B、CPU12A、蓄電手段12C、蓄電状態検出手段12D、スイッチ手段12E、点火手段12F、ID記憶手段12G等を有している。 以下、図3に示すフローチャートを説明しながら、制御部10Bの各構成要素の動作について説明する。 なお、以下の説明では、起爆操作機50からの送信信号の周波数である操作周波数を200KHzに設定し、無線起爆雷管10からの応答信号の周波数である応答周波数を10MHzに設定した場合の例で説明する。

図3に示すように、作業者は、ステップS10の装薬孔削孔ステップにて、削孔機等を用いて切羽面41に複数の装薬孔40を削孔し、ステップS20に進む。 ステップS20の装填ステップにて、作業者は装填装置等を用いて、削孔した装薬孔40のそれぞれに、起爆側アンテナ30が効率良く送受信できる方向に向いて装薬孔40の入口部に位置するように爆薬ユニット20を装填し、ステップS30に進む。なお本実施の形態の説明では、起爆側アンテナを装薬孔の入口部に配置した例を説明したが、起爆側アンテナは、装薬孔の入口部に限定されず、装薬孔内の任意の位置に配置することができる。 また、ケーブル71及び表示装置72が有る場合、上記の装填ステップにおいて、表示装置72が装薬孔40の外に達するように、装薬孔40に親ダイを含む爆薬ユニット20を装填し、ステップS30に進む。この場合、ケーブル71の長さは、親ダイを含む爆薬ユニットが装薬孔に装填された際に、表示装置が装薬孔の外に達することが可能な長さに設定されている。 ステップS30の操作側アンテナ張りステップにて、作業者は切羽面41から距離L1だけ離れた位置の洞床、洞側壁、洞天井に、操作側アンテナ60を張り、操作側アンテナ60と補助母線61と発破母線62と起爆操作機50を接続し、ステップS40に進む。なお、操作側アンテナ60の長さは、無線起爆雷管10の応答周波数に対応する波長よりも短い長さに設定する。つまり、応答周波数は、操作側アンテナのループ長さよりも長い波長となる周波数に設定されている。なお、操作側アンテナのループ長さとは、略ループ形状に巻かれた操作側アンテナの総延長長さをいう。 例えば応答周波数が10MHzである場合、λ=v/fより、波長=光速/応答周波数=300,000[Km/s]/10*106[/s]=30[m]である。従って、応答周波数が10MHzである場合は、30mよりも短い長さに設定した操作側アンテナ60を略ループ状に張る。これにより、定在波の発生を抑制し、無線通信の信頼性をより向上させることができる。また、この長さであれば、1回あるいは数回巻くだけで、トンネルの洞床、洞側壁、洞天井と全周にわたって操作側アンテナ60を張ることができるので、非常に短時間に操作側アンテナ張り作業を完了させることができる。なお、応答周波数を決めてから操作側アンテナ60の長さを決めるのではなく、操作側アンテナ60の長さを決めてから応答周波数を決めても良い。 そしてステップS40にて、作業者は起爆操作機50の操作を開始する。 以下、ステップS40の作業者の操作による起爆操作機50の動作と、無線起爆雷管10の制御部10Bの動作について説明する。

起爆操作機50は、ステップS110にて、作業者から、全ての無線起爆雷管10に対して起爆準備を開始させる準備開始信号の送信の指示が入力されたか否かを判定する。作業者から指示が入力された場合(Yes)はステップS120に進み、指示が入力されていない場合(No)はステップS110に戻り、入力を待つ。 ステップS120に進んだ場合、起爆操作機50は、発破母線62と補助母線61と操作側アンテナ60を介して、操作周波数(この場合、200KHz)の準備開始信号を無線にて送信し、ステップS130に進む。 以上のステップS110とステップS120が準備開始送信ステップに相当する。

無線起爆雷管10の制御部10BのCPU12Aは、ステップS210にて、起爆操作機50からの準備開始信号を受信したか否かを判定する。準備開始信号を受信した場合(Yes)はステップS220に進み、受信していない場合(No)はステップS210に戻り、入力を待つ。この場合、図2に示す送受信手段12Bは、起爆側アンテナ30から直接、もしくは起爆側アンテナ30と導電線31を介して入力された起爆操作機50からの送信信号(この場合、準備開始信号)を検出してCPU12Aに出力する。また送受信手段12Bは、受信した操作周波数(この場合、200KHz)の信号を電力に変換して制御部10B内にて使用する電力と、蓄電手段12Cに蓄電する電力を供給する。 ステップS220に進んだ場合、CPU12Aは、受信した準備開始信号に基づいて、起爆のための準備である蓄電手段12Cへの蓄電を開始してステップS230に進む。蓄電手段12Cはコンデンサ等であり、CPU12Aからの制御信号に基づいて電荷を蓄えることができる。また、CPU12Aは、蓄電状態検出手段12Dを介して蓄電手段12Cの蓄電状態を検出することができる。 ステップS230にて、CPU12Aは、蓄電状態検出手段12Dからの検出信号に基づいて、蓄電手段12Cの蓄電量が、予め設定された蓄電量に達したか否かを判定する。設定された蓄電量に達している場合(Yes)はステップS240に進み、達していない場合(No)はステップS220に戻る。 ステップS240に進んだ場合、CPU12Aは、準備(蓄電)完了を示す情報を含む応答信号である準備完了信号を送受信手段12Bに出力し、ステップS250に進む。なお準備完了信号には、ID記憶手段12Gから読み出したID情報も含まれている。このID情報(予め各制御部10Bに固有に割り付けられたID)を用いることで、起爆操作機50は、どの無線起爆雷管の準備(蓄電)が完了したか、適切に認識することができる。また送受信手段12Bは、CPU12Aからの応答信号を応答周波数(この場合、10MHz)にて、導電線31と起爆側アンテナ30を介して起爆操作機50に向けて出力する。 以上のステップS210〜ステップS240が準備完了応答ステップに相当する。

起爆操作機50は、ステップS130にて、無線起爆雷管10からの準備完了信号を受信したか否かを判定する。複数の無線起爆雷管10のそれぞれには、固有のIDが予め割り付けられており、準備完了信号にはID情報が含まれている。起爆操作機50は、全ての無線起爆雷管からの準備完了信号を受信したか否かを判定する。全ての無線起爆雷管10からの準備完了信号を受信した場合(Yes)はステップS140に進み、そうでない場合(No)はステップS130に戻り、全ての無線起爆雷管10から準備完了信号を受信するまで待つ。なお、所定時間経過しても全ての無線起爆雷管からの準備完了信号を受信できない場合は、作業者の操作によって、図示しない中断等の処置が施される。 ステップS140に進んだ場合、起爆操作機50は、作業者からの起爆の実行の指示の入力がされたか否かを判定する。作業者からの起爆実行の指示入力がある場合(Yes)はステップS150に進み、指示入力がされていない場合(No)はステップS140に戻り、入力を待つ。 ステップS150に進んだ場合、起爆操作機50は、起爆の実行を指示する送信信号である起爆実行信号を、発破母線62と補助母線61と操作側アンテナ60を介して、操作周波数にて送信する。 以上のステップS130〜ステップS150が起爆実行送信ステップに相当する。

それぞれの無線起爆雷管10のCPU12Aは、ステップS250にて、起爆実行信号を受信したか否かを判定する。この場合、送受信手段12Bが起爆側アンテナ30から直接、もしくは起爆側アンテナ30と導電線31を介して入力された起爆操作機50からの送信信号(この場合、起爆実行信号)を検出してCPU12Aに出力し、CPU12Aは送受信手段から受け取った信号が起爆実行信号であるか否かを判定する。起爆実行信号を受信した場合(Yes)はステップS260に進み、受信していない場合(No)はステップS250に戻り、起爆実行信号が送信されるのを待つ。なお、所定時間経過しても起爆実行信号が送信されてこない場合は、タイムアウトと判定して蓄電手段12Cに蓄電したエネルギーを破棄して終了する。 ステップS260に進んだ場合、CPU12Aは、起爆部10Aに点火して無線起爆雷管10を起爆する。この場合、CPU12Aは、スイッチ手段12Eを操作して蓄電手段12Cに蓄えたエネルギーを点火手段12Fに供給して起爆部10Aを起爆させ、親ダイ13A及び増しダイ13Bを起爆する。

以上、本実施の形態の図1及び図2にて説明した無線起爆雷管10、親ダイ13A、無線起爆システム1では、起爆操作機50から送信する信号の周波数を100KHz以上500KHz以下としているので、起爆側アンテナ30の構造を、軟磁性体を用いた軽量で小型の軟磁性体コイルアンテナとすることが可能であり、装薬孔の直径以下にすることができる。これにより、装薬孔内の任意の位置に起爆側アンテナを設置、もしくは装薬孔の外に垂らすことができる。なお図4(A)〜(C)に示すように、無線起爆雷管10が爆薬13に取り付けられて装薬孔に装填される際、起爆側アンテナ30は、無線起爆雷管10を構成している起爆部10A及び制御部10Bを収容している管体10Xに接触して管体10Xの軸上(図4(A)参照)、もしくは管体10Xに接触して管体10Xの周囲(図4(B)参照)、もしくは導電線を介して管体10Xと接触しない離れた位置であって装薬孔内に、所定の方向(効率良く送受信を行うことができる方向であり、無線による給電および通信を必要十分に行うことができる方向)に向けられて設置されている。 これにより、起爆側アンテナ30の向きを、装薬孔の軸方向に沿う方向へと容易に設定することができるので、装薬孔の外にアンテナを垂らす場合と比較して、起爆側アンテナの向きを個々に調整する必要が無い。従って、切羽面近傍における作業時間をより短縮することができる。 なお、起爆側アンテナ30を装薬孔の外に垂らしてもよい。 また、当該軟磁性体コイルアンテナにて送信信号の受信と応答信号の送信を兼用させることが可能であり、従来のように送信信号の受信専用アンテナ及び応答信号の送信専用アンテナを必要としない。これにより、無線起爆雷管10を備えた親ダイ13Aを、装薬孔40に装填する作業時間を、より短くすることができる。 また、無線起爆雷管10からの応答する信号の周波数を1MHz以上10MHz以下に設定し、操作側アンテナ60の長さも、洞床、洞側、洞天井に沿って1回あるいは数回巻く程度の長さで良い。また、操作側アンテナ60にて、送信信号の送信と応答信号の受信を兼用させることが可能であり、従来のように送信信号の送信専用アンテナ及び応答信号の受信専用のダイポールアンテナを必要としない。 これにより、操作側アンテナを張る作業時間も、より短くすることができる。 なお、操作側アンテナ60は、発破によって眼に見えない損傷が内部に発生する可能性があるので、安全のために発破毎に張り直している。そのため、本願のように1回〜数回巻きの簡素な操作側アンテナ60は、従来の40〜500回巻きのアンテナ+ダイポールアンテナと比較して、アンテナを張る作業時間を非常に短時間にすることが可能であり、発破作業の安全性をより向上させることができる。 また本実施の形態の図3にて説明した無線起爆方法を用いることで、切羽面近傍における作業時間をより短くすることが可能であり、より安全に切羽面を爆破することができる。 また、無線起爆雷管に表示装置を取り付け、装薬孔の外に表示装置を出すことにより、作業者は、装薬孔に装填後、無線起爆雷管に異常が発生した際、起爆操作機に表示された(異常が発生した無線起爆雷管の)個体情報と、装薬孔の外に垂れ下がっている表示装置に表示されている個体情報と、を比較することにより、異常が発生している無線起爆雷管を容易に特定することができるので、作業時間をより短くすることが可能である。

本発明の無線起爆雷管10、親ダイ13A、無線起爆システム1、及び無線起爆方法は、本実施の形態にて説明した外観、構造、構成、処理等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。 また本実施の形態にて説明した無線起爆雷管10、親ダイ13A、無線起爆システム1、及び無線起爆方法は、トンネルの掘削現場に限定されず、種々の現場の爆破に適用することが可能である。 また本実施の形態の説明では、無線起爆雷管10にケーブル71を介して表示装置72を取り付けた例を説明したが、表示装置72を無線起爆雷管10に直接取り付けてもよい。表示装置を無線起爆雷管に直接取り付けた場合、作業者は、装薬孔に装填した後に表示装置を確認することはできないが、装薬孔に装填する際に表示装置を確認しながら装填することができる。

1 無線起爆システム 10 無線起爆雷管 10A 起爆部 10B 制御部 10C アンテナ部 10X 管体 10Z 閉塞栓 12A CPU 12B 送受信手段 12C 蓄電手段 12D 蓄電状態検出手段 12F 点火手段 12G ID記憶手段 13 爆薬 13A 親ダイ 13B 増しダイ 20 爆薬ユニット 21 保護キャップ 22 込め物 30 起爆側アンテナ 31 導電線 40 装薬孔 41 切羽面 42 洞床 43 洞側壁 44 洞天井 50 起爆操作機 60 操作側アンテナ 61 補助母線 62 発破母線 71 ケーブル 72 表示装置

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