打揚花火玉

申请号 JP2008513303 申请日 2007-04-27 公开(公告)号 JPWO2007126075A1 公开(公告)日 2009-09-10
申请人 国際煙火株式会社; 发明人 勝喜 高安; 勝喜 高安;
摘要 【課題】打ち揚げ後の未燃焼物の落下が少ない打揚花火玉を提供する。【解決手段】80〜95質量%の黒色火薬と20〜5質量%の結合剤とを含む火薬組成物から形成された中空球状の玉皮、該玉皮の内側表面に沿って配置された星、該星の 位置 の内側に充填された割薬、該割薬の充填部から外側に引き出された導火線、そして前記玉皮の外側表面を覆う上貼紙を含む打揚花火玉。【選択図】図2
权利要求
  • 80〜95質量%の黒色火薬と20〜5質量%の結合剤とを含む火薬組成物から形成された中空球状の玉皮、該玉皮の内側表面に沿って配置された星、該星の位置の内側に充填された割薬、該割薬の充填部から外側に引き出された導火線、そして前記玉皮の外側表面を覆う上貼紙を含む打揚花火玉。
  • 玉皮の結合剤が、多糖類である請求項1に記載の打揚花火玉。
  • 玉皮の結合剤がグァーガムである請求項2に記載の打揚花火玉。
  • 玉皮の厚みが玉皮の内径に対して1〜10%の範囲にある請求項1に記載の打揚花火玉。
  • 玉皮の内側表面に黒色火薬粒子が点在している請求項1に記載の打揚花火玉。
  • 割薬が、表面に親水性接着剤被覆層を備えた平均粒子径が1〜5mmの球状多孔質ポリマービーズと、該親水性接着剤被覆層の表面を覆う火薬層とから形成されている請求項1に記載の打揚花火玉。
  • 割薬の親水性接着剤被覆層がポリビニルアルコール含有接着剤若しくは酢酸ビニル樹脂含有接着剤から形成されている請求項6に記載の打揚花火玉。
  • 割薬の親水性接着剤被覆層が黒色火薬を含有する請求項6に記載の打揚花火玉。
  • 割薬の多孔質ポリマービーズが発泡ポリスチレンビーズである請求項6に記載の打揚花火玉。
  • 割薬の火薬層が過塩素酸カリウム含有火薬組成物から形成されている請求項6に記載の打揚花火玉。
  • 说明书全文

    本発明は、打揚花火玉に関し、特に打ち揚げ後の未燃焼物の落下が少ない打揚花火玉に関するものである。

    添付図面の図1は、従来の代表的な打揚花火玉の構造を示す断面図である。 図1に示すように、打揚花火玉は中空球状の玉皮10(玉皮10は、中空半球状に形成された二個の中空半球状成形体10a、10bを組み合わせて構成されており、この中空半球状成形体10a、10bは、互いに上貼紙14により固定されている)、その玉皮10の内側表面に沿って配置された星11、星11の位置の内側に充填された割薬12、割薬12の充填部から外部に引き出された導火線13から構成されている。 このような構成の打揚花火玉は、打ち揚げと同時に導火線13に引火し、空中にてその引火が割薬に達すると、割薬12が燃焼爆発して、玉皮10を破裂させる。 この玉皮10の破裂により、星11は色火を発しながら飛び散り、その飛跡で空中に花模様が描かれる。

    打揚花火玉は、通常は、屋外で打ち揚げられることから、打ち揚げ後(打揚花火玉の炸裂後)において、地上に落下する未燃焼物の発生が少ないことが好ましい。 しかしながら、従来の打揚花火玉では、玉皮(中空半球状成形体)が紙の重ね貼りにより製造されているため燃焼しにくく、玉皮の破片の多くが未燃焼のまま地上に落下する傾向にある。 また、割薬には、もみがらや綿実などの粒状物の周囲に黒色火薬や過塩素酸カリウム含有火薬組成物などを塗布したものが広く利用されているが、このような割薬では、芯材のもみがらや綿実が燃焼しにくく、未燃焼物が発生し易い。 このため、打揚花火玉の玉皮や割薬を燃焼性の材料から形成して、玉皮や割薬を空中で焼失させて、未燃焼物の発生を少なくすることが検討されている。

    特許文献1には、ニトロセルロースとクラフトパルプとを主成分とする燃焼性の玉皮が開示されている。

    特許文献2には、ニトロセルロースを主成分とする組成物から形成された多孔質である外皮を有する球状中空薬及び/又は該中空薬を変形させることにより比重を高められた中空部を有する変形薬よりなる打揚花火玉用の割薬が開示されている。

    特許文献3には、過塩素酸カリウム含有火薬組成物から形成された管状体や表面に嵩高となるような変形加工が施された割薬が開示されている。

    特許文献4には、生分解プラスチック発泡体の塊片からなる芯材と、その芯材の表面を覆う火薬層とからなる割薬が開示されている。

    特開平2−195198号公報

    特許平2−195199号公報

    特開2002−277195号公報

    特開2002−350097号公報

    特許文献1に開示されている燃焼性の玉皮や、特許文献2乃至4に開示されている燃焼性の割薬を用いることによって、打ち揚げ後の打揚花火玉の未燃焼物の発生を少なくすることは可能である。 しかしながら、特許文献1に開示されているクラフトパルプを含む玉皮は、玉皮の燃焼時にクラフトパルプが発炎することがあり、これにより花火の花模様の見栄えが損なわれることがあるという問題ある。 特許文献2に開示されている中空部を有する割薬は、燃焼性材料を球状中空に成形することが難しく、工業的な生産性が低いという問題がある。 特許文献3に開示されている火薬組成物の形成物からなる割薬は、従来の芯材に火薬組成物を塗布した割薬と比べて、火薬組成物の粒子同士が互いに強く接触しているため、着火してから割薬全体が燃焼爆発するまでに要する時間が長く、割薬の燃焼爆発によって発生するが弱いという問題がある。 すなわち、特許文献3に開示されている割薬が充填されている打揚花火玉は、従来の芯材に火薬組成物を塗布した割薬が充填されている打揚花火玉と比べて、花火の花模様が小さくなる傾向にある。 特許文献4に開示されている割薬では、芯材と火薬層との密着性が低く、火薬層が芯材から脱落することがあるという問題ある。
    従って、本発明の目的は、花火の花模様を損なうことなく、打ち揚げ後の未燃焼物の発生が少ない新規な打揚花火玉を提供することにある。

    本発明は、80〜95質量%の黒色火薬と20〜5質量%の結合剤とを含む火薬組成物から形成された中空球状の玉皮、該玉皮の内側表面に沿って配置された星、該星の位置の内側に充填された割薬、該割薬の充填部から外部に引き出された導火線、そして前記玉皮の外側表面を覆う上貼紙を含む打揚花火玉にある。

    本発明の打揚花火玉の好ましい態様は次の通りである。
    (1)玉皮の結合剤が多糖類である。
    (2)玉皮の結合剤がグァーガムである。
    (3)玉皮の厚みが玉皮の内径に対して1〜10%の範囲にある。
    (4)玉皮の内側表面に黒色火薬粒子が点在している。

    (5)割薬が、表面に親性接着剤被覆層を備えた、平均粒子径が1〜5mmの球状多孔質ポリマービーズと、該親水性接着剤被覆層の表面を覆う火薬層とから形成されている。
    (6)割薬の親水性接着剤被覆層がポリビニルアルコール含有接着剤若しくは酢酸ビニル樹脂含有接着剤から形成されている。
    (7)割薬の親水性接着剤被覆層が黒色火薬を含む。
    (8)割薬の多孔質ポリマービーズが発泡ポリスチレンビーズである。
    (9)割薬の火薬層を形成する火薬が過塩素酸カリウムを含む火薬組成物である。

    本発明の打揚花火玉において用いる玉皮は、その大部分が黒色火薬から形成されているので、割薬の燃焼により容易に着火し、さらに着火後の燃焼速度が極めて速く、また燃焼時に発炎が殆ど起こらない。 従って、この玉皮を用いた本発明の打揚花火玉では、花火の花模様の見栄えを損なうことなく、玉皮が空中で殆ど焼失し、未燃焼の玉皮に起因する未燃焼物の落下が殆ど発生しない。

    本発明の打揚花火玉において好ましく用いられる、表面に親水性接着剤被覆層を備えた、平均粒子径が1〜5mmの球状多孔質ポリマービーズと、該親水性接着剤被覆層の表面を覆う火薬層とから形成されている割薬は、芯材の球状多孔質ポリマービーズが微細で、着火後の燃焼速度が極めて速い。 従って、この割薬を用いた打揚花火玉は、空中で殆ど完全に焼失するため、割薬に起因する未燃焼物の落下を殆ど発生しない。 芯材に球状多孔質ポリマービーズを用いた割薬は、芯材以外の構成が従来の芯材に火薬組成物を塗布した割薬と同等であるため、工業的な生産性が高い。 また、着火してから火薬層が燃焼爆発するまでに要する時間や、火薬層の燃焼爆発によって発生する力が、従来の芯材に火薬組成物を塗布した割薬と同等なものとなる。 さらに、火薬層が親水性接着剤被覆層を介して球状多孔質ポリマービーズを覆っているので、火薬層が球状多孔質ポリマービーズから脱落しにくい。

    以下、本発明の打揚花火玉を、添付図面を参照しながら説明する。
    図2は、本発明に従う打揚花火玉の一例の断面図であり、図3は、図2に示した打揚花火玉の玉皮の拡大断面図である。 但し、図3では、玉皮の内側表面に黒色火薬粒子を点状に配置した例を示している。 図4は、本発明の打揚花火玉の玉皮を形成する中空半球状成形体の製造に有利に用いることができる雌型と雄型とからなる構成の金型を概略的に示す図である。 さらに、図5は、本発明の打揚花火玉に有利に用いることができる割薬の一例の断面図である。

    図2において、打揚花火玉は、黒色火薬と結合剤とを含む火薬組成物から形成されている中空球状の玉皮20、その玉皮20の内側表面に沿って配置された星21、星の内側に充填された割薬22、割薬22の充填部から外部に引き出された導火線23、そして玉皮20の外側表面を覆う上貼紙24からなる。 玉皮20は、二個の中空半球状成形体20a、20bを組み合わせた構成となっている。

    玉皮20を形成する黒色火薬としては、硝酸カリウムを50〜80質量%の範囲、硫黄を3〜30質量%の範囲、木炭を10〜40質量%の範囲となる割合にて含む公知の黒色火薬を用いることができる。 玉皮20を形成する結合剤は、水に溶解して粘度を向上させる有機物であることが好ましい。 結合剤は、多糖類であることが好ましい。 結合剤として用いられる多糖類の例としては、ガラクトマンナン、コンニャクマンナン、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、アルギン酸、ふのり、カンテン、デンプン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースを挙げることができる。 結合剤として好ましい多糖類は、ガラクトマンナンであり、ガラクトマンナンの中で特に好ましいのはグァーガムである。 黒色火薬と結合剤の配合割合は、一般に黒色火薬が80〜95質量%の範囲で、結合剤が20〜5質量%の範囲にあり、好ましくは、黒色火薬が88〜93質量%の範囲で、結合剤が12〜7質量%の範囲にある。

    玉皮20は、燃焼焼失に要する時間及び強度を考慮すると、厚みが玉皮の内径に対して1〜10%の範囲にあることが好ましく、3〜8%の範囲にあることが特に好ましい。

    玉皮20は、図3に示すように、内側表面に黒色火薬粒子25が点在していることが好ましい。 黒色火薬粒子25を玉皮20の内側表面に点在させることにより、玉皮内側表面の表面積が拡がる結果となり、これによって、玉皮の着火が迅速化するため、燃焼焼失に要する時間を短縮することができる。

    本発明の打揚花火玉の玉皮を形成する中空半球状成形体20a、20bは、黒色火薬と結合剤と水を混合して含水火薬組成物を調製し、この含水火薬組成物を半球状に窪んだ凹部を有する雌型の凹部と半球状に突き出た凸部を有する雄型の凸部との間に充填した後、加圧し、次いで雌型と雄型とをこの順で含水火薬組成物から離脱させ、次いで乾燥して水分を除去することからなる方法により製造することができる。

    含水火薬組成物の調製において、黒色火薬と結合剤との配合割合は、両者の合計量を100質量部として、通常は黒色火薬が80〜95質量部で、結合剤が20〜5質量部となる割合である。 水の配合割合は、火薬組成物(黒色火薬と結合剤との混合物)100質量部に対して、一般に5〜30質量部の範囲、好ましくは10〜30質量部の範囲にある。 含水火薬組成物の調製に際しては、先ず黒色火薬と結合剤とを混合して、均一な混合物を調製した後、混合物の粘度を確認しながら水を混合するのが好ましい。

    含水火薬組成物は、図4に示すような半球状に窪んだ凹部32を有する雌型31と半球状に突き出た凸部34を有する雄型33とを用いて中空半球状に加圧成形することができる。 加圧成形後の含水火薬組成物からの雌型及び雄型の離脱を容易にするために、含水火薬組成物30を雌型31と雄型33との間に配置する前に、雌型31の凹部32表面及び雄型33の凸部34表面には離型シートを配置することが好ましい。 雌型31に配置する離型シートは、雄型33よりも雌型31を先に含水火薬組成物から離脱させ易くするために、雄型33に配置する離型シートよりも離型性が高い方が好ましい。 具体的には、雌型31の側には樹脂シート35を配置して、雄型33の側には薄紙36を配置することが好ましい。 樹脂シート35としては、包装用の公知の樹脂シートを用いることができ、その例としてはポリエチレンシート、ポリプロピレンシート、ポリ塩化ビニルシート、ポリ塩化ビニリデンシートなどを挙げることができる。 薄紙36の例としては、和紙、クラフト紙などを挙げることができる。

    上記のようにして得られた中空半球状の含水火薬組成物は、導火線を挿入するための孔を開けた後、天日などにより乾燥して水分を除去する。 こうして得られた火薬組成物からなる中空半球状成形体の内側表面に黒色火薬粒子を点在させる方法としては、例えば、中空半球状成形体の内側表面に黒色火薬の水性分散液を塗布して乾燥する方法を用いることができる。

    本発明の打揚花火玉では、割薬22には、図5に示すような、表面に親水性接着剤被覆層42を備えた平均粒子径が1〜5mmの球状多孔質ポリマービーズ41と、該親水性接着剤被覆層の表面を覆う火薬層44とから形成されている割薬を用いることが好ましい。

    球状多孔質ポリマービーズ41は、発泡ポリスチレンビーズであることが好ましい。

    親水性接着剤被覆層42は、球状多孔質ポリマービーズ41と火薬層44との密着性を高めるとともに、球状多孔質ポリマービーズ41の帯電を防止するために付設される。 親水性接着剤被覆層42は、ポリビニルアルコール含有接着剤若しくは酢酸ビニル樹脂含有接着剤から形成されていることが好ましい。 親水性接着剤被覆層42を形成する接着剤の量は、球状多孔質ポリマービーズ100質量部に対して5〜100質量部の範囲にあることが好ましく、10〜50質量部の範囲にあることが特に好ましい。

    親水性接着剤被覆層42は、着火性の向上のために、黒色火薬43を分散状態で含有していることが好ましい。 黒色火薬43の量は、接着剤100質量部に対して500〜5000質量部の範囲にあることが好ましく、500〜3000質量部の範囲にあることが特に好ましい。

    火薬層44を形成する火薬は、過塩素酸カリウム含有火薬組成物であることが好ましい。 過塩素酸カリウム含有火薬組成物は、過塩素酸カリウムを40〜60質量%の範囲、硝酸カリウムを15〜30質量%の範囲、炭素材料を10〜30質量%の範囲、糊材を1〜10質量%の範囲となる割合にて含む組成物であることが好ましい。 火薬層44を形成する火薬の含有率は、割薬全体に対して50〜95質量%の範囲にあることが好ましく、70〜95質量%の範囲にあることが特に好ましい。

    割薬の粒子径は、芯材の球状多孔質ポリマービーズに対して1.5〜20倍の範囲にあることが好ましく、2〜10倍の範囲にあることが好ましい。

    割薬は、球状多孔質ポリマービーズを撹拌式造粒装置に投入し、該ビーズを撹拌しながら、該ビーズに水溶性接着剤の水溶液を噴霧し、次いで黒色火薬を添加して、該ビーズの表面に水溶性接着剤水溶液と黒色火薬とを付着させた後、撹拌式造粒装置から取り出して、乾燥し、親水性接着剤被覆層付きポリマービーズを得る工程、そして該親水性接着剤被覆層付きポリマービーズを撹拌式造粒装置に投入し、該ビーズを撹拌しながら、過塩素酸カリウム含有火薬組成物を添加して、親水性接着剤被覆層の表面に過塩素酸カリウム含有火薬組成物を付着させて、火薬層を形成する工程とからなる方法により製造することができる。

    割薬22として、上記の割薬の他に、もみがらや綿実などの芯材に黒色火薬を塗布したもの、あるいは割薬全体が火薬組成物から形成された割薬を用いることができる。 割薬全体が火薬組成物から形成された割薬は、例えば、特開2002−277195号公報に記載されている。

    本発明の打揚花火玉において、星21には、通常の打揚花火玉に用いられる公知の星を用いることができる。 星は、一般に芯材と芯材の周囲に形成された少なくとも一層の炎色剤層とからなる粒状物である。 芯材としては、前記の割薬と同様に、平均粒子径が1〜5mmの球状多孔質ポリマービーズを用いることができる。 芯材として用いる球状多孔質ポリマービーズは、着火後の燃焼速度が速いので、星に起因する未燃焼物の発生を少なくすることができる。

    本発明の打揚花火玉において、上貼紙24には、クラフト紙などの通常の打揚花火玉に用いられる公知の紙材料を用いることができる。

    [実施例1]
    (1)中空半球状成形体の製造 黒色火薬126.3g(硝酸カリウム97.2g、硫黄9.7g、木炭19.4g)とグァーガム12.2gとを混合して、均一な混合物とした後、水31.5gを少量ずつ加えて含水火薬組成物170gを調製した。
    直径11cmの半球状に窪んだ凹部を有する雌型を用意し、この雌型の凹部表面を樹脂シートで覆い、その樹脂シートの上に含水火薬組成物170gを配置した。 次に、直径10cmの半球状に突き出た凸部を有する雄型を用意し、この雄型の凸部表面を薄紙で覆って、雌型の凹部の上に配置し、含水火薬組成物を雄型の凸部にて加圧した。 次いで、雌型と雄型とをこの順で離脱させて、含水中空半球状成形体を取り出し、表面に付着している樹脂シートと薄紙とを剥がし取った。 次に、含水中空半球状成形体を天日で乾燥して、黒色火薬と結合剤とからなる中空半球状成形体を製造した。 最後に、中空半球状成形体の内側表面に、ハケを用いて黒色火薬の水性分散液を塗布し、天日で乾燥して、中空半球状成形体の内側表面に黒色火薬を点在させた。

    含水中空半球状成形体は、二個製造した。 なお、二個の中空半球状成形体のうちの一方の成形体については、含水中空半球状成形体を天日で乾燥する前に、底部に円柱状の棒を突き刺して導火線挿入用の孔を開けた。

    (2)割薬の製造 綿実(芯材)に2kgを、撹拌式造粒装置に投入し、該綿実を撹拌しながら、過塩素酸カリウム含有火薬組成物(過塩素酸カリウム51質量%、硝酸カリウム23質量%、麻炭22質量%、米糊4質量%)10kgを投入して、綿実の表面に過塩素酸カリウム含有火薬組成物を付着させて、割薬を製造した。

    (3)星の製造 常法により、平均粒子径2mmの発泡ポリスチレンビーズを芯材とし、これに炎色剤を付着させて炎色層を形成して、星を製造した。

    (4)打揚花火玉の製造 前記(1)で製造した2個の中空半球状成形体の内側表面に、それぞれ上記(3)で製造した星を配置し、次に星の内側に上記(2)で製造した割薬を充填した。 なお、導火線挿入用の孔を開けた中空半球状成形体には、星を配置する前に、導火線を挿入した。 星と割薬とを充填した中空半球状成形体を、素早く組み合わせて球状にし、中空半球状成形体の周囲を上貼紙で止めて、図2に示すような打揚花火玉を製造した。

    (5)評価 上記のようにして製造した打揚花火玉を打ち揚げたところ、空中にて星が通常通り燃焼し、花模様が形成された。 一方、玉皮の燃焼による発炎は見られなかった。 また、打揚花火玉の打ち揚げ後の周囲の地上面を観察したところ、玉皮の未燃焼物は見られなかった。

    [実施例2]
    (1)中空半球状成形体の製造 実施例1(1)と同様にして、2個の中空半球状成形体を製造した。

    (2)割薬の製造 平均粒子径2mmの発泡ポリスチレンビーズ270gを、撹拌式造粒装置に投入し、該ビーズを撹拌しながら、該ビーズに濃度22質量%の酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤水溶液250mLを噴霧した後、黒色火薬500gを投入した。 全てのビーズが黒色火薬で覆われたのを目視で確認した後、撹拌を止め、撹拌式造粒装置から取り出して、乾燥して、黒色火薬を含有する水溶性接着剤層で被覆された発泡ポリスチレンビーズを得た。

    得られた水溶性接着剤被覆層付き発泡ポリスチレンビーズ770gを、撹拌式造粒装置に投入し、該ビーズを撹拌しながら、過塩素酸カリウム含有火薬組成物(過塩素酸カリウム51質量%、硝酸カリウム23質量%、麻炭22質量%、米糊4質量%)10kgを投入して、該ビーズの表面に過塩素酸カリウム含有火薬組成物を付着させて、該ビーズの表面に火薬層を形成した。 得られた造粒成形体(割薬)は、平均粒子径が4mmであった。

    (3)星の製造 常法により、平均粒子径2mmの発泡ポリスチレンビーズを芯材とし、これに炎色剤を付着させて炎色層を形成して、星を製造した。

    (4)打揚花火玉の製造 前記(1)で製造した2個の中空半球状成形体の内側表面に、それぞれ上記(3)で製造した星を配置し、次に星の内側に上記(2)で製造した割薬を充填した。 なお、導火線挿入用の孔を開けた中空半球状成形体には、星を配置する前に、導火線を挿入した。 星と割薬とを充填した中空半球状成形体を、素早く組み合わせて球状にし、中空半球状成形体の周囲を上貼紙で止めて、図2に示すような打揚花火玉を製造した。

    (5)評価 上記のようにして製造した打揚花火玉を打ち揚げたところ、空中にて星が通常通り燃焼し、花模様が形成された。 玉皮の燃焼による発炎は見られず、花模様の大きさは、実施例1で製造した打揚花火玉と同等であった。 また、打揚花火玉の打ち揚げ後の周囲の地上面を観察したところ、玉皮及び割薬の未燃焼物は見られなかった。

    従来の打揚花火玉の一例を示す断面図である。

    本発明に従う打揚花火玉の一例を示す断面図である。

    図2に示した打揚花火玉の玉皮の拡大断面図である。

    本発明の中空半球状成形体の製造に有利に用いることができる雌型と雄型とからなる構成の金型を概略的に示す図である。

    本発明の割薬の一例を示す断面図である。

    符号の説明

    10 玉皮 10a、10b 中空半球状成形体 11 星 12 割薬 13 導火線 14 上貼紙 20 玉皮 20a、20b 中空半球状成形体 21 星 22 割薬 23 導火線 24 上貼紙 25 黒色火薬粒子 30 含水火薬組成物 31 雌型 32 凹部 33 雄型 34 凸部 35 樹脂シート 36 薄紙 41 球状多孔質ポリマービーズ 42 親水性接着剤被覆層 43 黒色火薬 44 火薬層

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