Device and method for supplying gas

申请号 JP11731992 申请日 1992-05-11 公开(公告)号 JPH05154372A 公开(公告)日 1993-06-22
申请人 Oea Inc; オーイーエイ・インコーポレーテッド; 发明人 BURAIAN KEI HAMIRUTON; RONARUDO JIEI BATSUTO; BURENTO EI PAAKUSU;
摘要 PURPOSE: To provide an ignition assembly which stably activates an inflatable safety device. CONSTITUTION: The ignition assembly 358 has an actuation piston 362, percussion primer 366 and ignition material 370 isolated by a retention pin 402. When a sufficient force is exerted on the actuation piston 362, the retention pin 402 fails such that the actuation piston 362 moves toward the percussion primer 366 and impacts the same. As a result, the propellant 334 within a gas generator 326 is ignited. The resulting propellant 334 gases are introduced to a prescribed direction. The projectile 294 to impart the actuation piston 362 has a role of breaking a closure disk 282. Stored gases are supplied to an enclosure prior to the gases of the propellant 334 by the breaking of this closure disk 282. The projectile 294 breaks the closure disk 282 in a manner as to avoid the generation of splinters from the closure disk 282. Then, the closure in the inflatable safety device by the splinters of the disk 282 is prevented and the safety of the operation of the inflatable safety device is assured.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 気体を供給するための装置において、 気体を保有するための容器手段と、 前記容器手段に接続され、推進剤手段を含む気体発生手段と、 閉鎖手段と、 前記閉鎖手段を開放させると共に、前記気体発生手段に衝撃を与えて前記推進剤手段を点火させる推進体手段とを備える装置。
  • 【請求項2】 請求項1の装置において、 前記気体発生手段が、前記推進体手段にほぼ整合する可撓性の部材を備えることを特徴とする装置。
  • 【請求項3】 請求項2の装置において、 前記気体発生手段が、複数のプライマを備え、また前記可撓性の部材が、前記推進体手段に面する凸面形状の部分と、前記複数のプライマに整合する衝撃リングとを備えることを特徴とする装置。
  • 【請求項4】 請求項1の装置において、 前記気体発生手段は、前記閉鎖手段が前記推進体手段により開放された時に、最初は前記閉鎖手段から離れる方向に気体を導くように位置決めされた出口手段を備えることを特徴とする装置。
  • 【請求項5】 請求項1の装置において、 更に導火線手段及び空所手段を備え、前記導火線手段の少なくとも一部が前記空所手段の中に位置していることを特徴とする装置。
  • 【請求項6】 請求項1の装置において、 前記推進体手段が、弾丸及びガイド手段を備え、該ガイド手段は、前記弾丸が前記気体発生手段に衝撃を与えた時に、前記弾丸の少なくとも一部が前記ガイド手段の中に保持されるような長さを有することを特徴とする装置。
  • 【請求項7】 請求項1の装置において、 更に所定の方向とは反対方向に流れる推進剤の気体の流れを実質的に低減する封止手段を備えることを特徴とする装置。
  • 【請求項8】 請求項7の装置において、 前記封止手段は、前記ハウジング手段に接続された作動支持手段を備え、該作動支持手段は第1の封止部分を有し、前記気体発生手段は第2の封止部分を有し、前記第1の封止部分は前記第2の封止部分に係合可能であり、
    これにより、発生した気体が力を発揮し、前記第1の封止部分と前記第2の封止部分の間に実質的な封止的な係合を提供する助けをすることができるように構成された装置。
  • 【請求項9】 請求項1の装置において、 前記気体発生手段がピストン手段を備え、該ピストン手段は前記推進体手段により係合可能な第2の部分の断面積よりも大きい断面積の第1の部分を有することを特徴とする装置。
  • 【請求項10】 請求項1の装置において、 前記推進体手段が、頭部及び本体を備え、前記頭部の最大直径が、該頭部に隣接する前記本体の部分の最大直径よりも大きいことを特徴とする装置。
  • 【請求項11】 気体を供給するための方法において、 容器手段の中に気体源を収容する段階と、 推進体手段を閉鎖手段を通して推進させ、前記容器手段からの気体流通路を提供する段階と、 前記推進体手段により気体発生手段に衝撃を与え、前記気体発生手段の中に収容される推進剤手段を点火して推進剤の気体を発生させる段階とを備える方法。
  • 【請求項12】 請求項11の方法において、 前記衝撃を与える段階が、推進剤の気体を最初は前記流通路から離れる方向に導く段階を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項13】 請求項11の方法において、 前記衝撃を与える段階が、前記気体発生手段の少なくとも一部を封止し、これにより、ある所定の方向とは実質的に反対方向への推進剤の気体の流れを実質的に低減する段階を含むことを特徴とする方法。
  • 【請求項14】 請求項13の方法において、 前記封止する段階が、推進剤の気体を用いて前記気体発生手段の部分の間に封止的な係合を提供する助けを行う段階を含むことを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は一般に自動車用の膨張式安全装置における気体を供給するための装置及び方法に関し、より詳細には、作動ピストンが離脱して差動装置に係合し推進剤を点火させる気体発生器点火アセンブリに関する。

    【0002】本件出願は、1991年5月9日出願の「自動車用安全装置の膨張を開始させるための二機能弾丸」と題する米国特許出願第07/697,900号、
    及び1991年3月1日出願の「自動車用膨張式安全装置の膨張を開始するための弾丸」と題する米国特許出願第07/663,264号の一部継続出願である199
    2年1月7日発行の「ガスインフレータ装置」と題する米国特許第5,078,422号の一部継続出願である米国特許出願に対応するものである。

    【0003】

    【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車用の膨張式安全装置については、その有効性に関する認識が深まったことを部分的な理由として、近年多大な開発の努が行われている。 これらの膨張式安全装置は代表的には、包囲体の膨張が必要であることを示す適宜な検知器すなわちセンサからの信号を受けて作動される。
    これらの装置においては種々のインフレータを用いて、
    ある利点を提供する態様で包囲体を膨張させる。 多くの装置は、包囲体とインフレータの間の離隔を「取り除く」ことにより膨張を開始させている。 その後、加圧ガス、推進剤の燃焼により生ずるガス、あるいはこれらのガスの混合体、又は他の適宜な流体等の何等かの膨張媒体が包囲体に供給される。

    【0004】膨張式安全装置についての開発の努力の一部は、膨張が始まった後のインフレータから包囲体への流れの制御に集中され又は少なくともそれに向けられている。 信頼製のある膨張式安全装置を提供するためには、膨張流体の十分な流れを適時に包囲体に供給する必要があるだけではなく、作用全般を通じて包囲体自身が構造的な完全性を維持する必要がある。 これら2つの基本的な目的を達成するために提案された代案の1つは、
    インフレータの種々の要素に対する材料の選定に集中している。

    【0005】1971年3月2日発行のエクストロム(Ekstrom)の米国特許第3,567,245号明細書は、インフレータと包囲体の間に初期の隔離を提供するバリアに対して特定の材料を用いることを開示している。 ある実施例においては、隔離バリアは砕け易いすなわち破砕し易い材料であって、上記隔離バリアはその中に設けられた爆発装置の作動により破断すなわち破壊されて膨張を開始させる。 その結果生じる明らかに十分に小さい寸法である材料は次に、膨張のために使用される現存する加圧流体により種々の通路を通過し、恐らくは包囲体に入る。 このタイプの構造にエラストマ材料特にRTVゴムを用いることも示唆されており、その理由は、爆発の結果生ずる材料は、報告されるところによれば、その弾性の故に包囲体に損傷を与えないからである。 他の実施例は、予成形された溝を有する隔離バリアを備えており、従って、爆発装置が作動すると、バリアは溝により画成される部片に分解する。 その結果生じた部片は、通路を通過することができ、従って包囲体への流体の流れを阻止せず、その結果恐らく包囲体に入る。

    【0006】1975年8月19日発行のラッセル外(Rusell et al.)の米国特許第3,90
    0,211号明細書は、膨張を開始させるポペット弁を開放するために用いられる要素に対して適当な材料を選定することを開示している。 一般にポペット弁は、加圧流体源に接続された排出導管に設けられ、最初は該加圧流体源からの流れを阻止する。 支持管が、ポペット弁をこの閉止した状態に維持する助けをし、またポペット弁を火薬から分離する。 膨張を必要とする信号を受けると、火薬が活性化されて支持管を破砕する。 貯蔵された流体によりポペット弁の面に作用する圧力はその後、ポペット弁を動かして排出出口を開放し、流れを開始させる。 支持管をポペット弁と火薬の間に位置決めし、また活性化の後にポペット弁が火薬に向かって移動するために、この開示によれば、支持管の駆逐又は火薬の残留物が流体の流れの中に存在しないことを示している。 インフレータの作動時に発生する破片あるいは他の異物が流れの中に入り、包囲体への通路を閉塞することにより流量を制限したり、又は、包囲体の内面を擦ることにより包囲体を損傷させたりすることにより、膨張式安全装置の全体的な性能に悪影響を及ぼすという認識の下に、濾過型の装置を採用してこれらの破片及び他の異物を除去する。 1971年11月9日発行のリーシング外(Le
    ising etal. )の米国特許第3,618,9
    80号明細書、1974年7月9日発行のオチアイ(O
    chiai)の米国特許第3,822,895号明細書、及び1978年9月19日発行のカサギ外(Kas
    agi et al. )の米国特許第4,114,92
    4号明細書は、上述の如き努力の代表例である。 リーシング外は、ある実施例において、羽根構造体を推進剤室と膨張可能なバッグの間に設けることを開示している。
    衝突が検出され、また推進剤室の中の推進剤が点火すると、その副生物は羽根構造体を通過する。 より重い粒子は羽根により外方へ押し出されてトラップ(溜め)に導かれ、これら粒子は、ガスに変化するまで又はバッグが膨張するまで、トラップの中に保持される。 しかしながら、推進剤の燃焼により生じたガスは包囲体へ流れる。
    たの実施例においては、推進剤の融解した液体が膨張可能なバッグに入るのを阻止すると同時にガスが他の通路を通過するのを許容するためのスクリーン(網)構造体が用いられている。

    【0007】オチアイは、膨張ガス源を保有する容器の排出領域に設けられる濾過装置を開示している。 貯蔵ガスに面する凸面形状の側部及び破断誘発手段を保持する凹面形状の側部を有するコップ型のバリアが、最初に容器の中にガスを保持する。 コップ型のバリアが破断すると、ガスがフィルタを通ってガスバッグに流れる。 しかしながら、コップ型のバリアの破片は、フィルタによりガスバッグに入るのを阻止される。

    【0008】カサギ外は、インフレータと安全膨張バッグの間に収集室を設け、インフレータと膨張可能なバッグの間の初期の隔離構造体を除去することにより発生する破片あるいは部片を収集することを開示している。 より詳細には、収集室は、インフレータ及びバッグを接続する導管の曲がり部分(90°のベンドとして図示されている)付近で、曲げる前の導管にほぼ整合して定置されている。 従って、隔離バリアの除去により発生したガス及び総ての破片が収集室に近づくと、より重い破片が持つ慣性力が破片を収集室に整合させた状態に維持し続け、破片は収集室に細くされると共に、ガスの流れは導管の曲がり部分(ベンド)を通って膨張可能なバッグに導かれる。 他の種々の実施例は、収集室及び/又は導管の構造的な変更、及びある収集材料の収集室の中での位置決めに関するものである。

    【0009】インフレータから包囲体への流れを制御するための上述の濾過型の装置には種々の欠点がある。 例えば、濾過装置又は収集装置は、インフレータの作動により生じた総ての粒子を保持できない。 従って、いくつかの粒子は濾過装置を通過して通路の中に溜まり、これにより、包囲体への流れを制限し、またいくつかの粒子は包囲体の中に入り、いずれにしても膨張式安全装置の性能に悪影響を及ぼすことになる。 濾過装置が適正に機能しまた発生した粒子を総て補足したとしても、この補足により、通路の全体又はその一部を閉塞させて包囲体への流れを制限するという問題を生ずる。 更に、これらの濾過型の装置はまた、材料を追加すると共に、インフレータのメンテナンスコストを増大させる。

    【0010】インフレータと包囲体の間の隔壁を除去することにより発生する副生物に焦点を当てて流れを制御する装置には上述の欠点が伴う結果、最近は、反応副生物の量を低減する膨張開始方法を利用する努力が行われている。 ある可能性のある代案は、弾丸を用いて隔離部材を「除去」することである。

    【0011】穿孔型の弾丸の代表的な例としては、19
    74年1月29日発行のヴァンシル(Vancil)の米国特許第3,788,667号明細書、1975年3
    月4日発行のメレル(Merrell)の米国特許第3,869,143号明細書があり、これら米国特許明細書においては、ピストン形状の衝撃部材を用い、それぞれの作動装置が適宜な信号を受信した後に、包囲体からインフレータを隔離しているバリアを取り除いている。 これらのバリアには、所定の破断線を提供する溝が形成されており、これにより、衝撃部材がバリアに衝突すると、バリアはその支持構造体から完全に除去されて膨張を開始させる。

    【0012】1985年6月28日発行のフランス特許第2,557,251号は、弾丸を用いて加圧下の流体を解放することを開示している。 より詳細には、複数の金属の粒子が(すなわち散弾)がコップ型のダイアフラムに向けて導かれこのダイアフラムを「破裂」させ、これにより加圧流体を解放する。 発射した後に散弾を補足する機構であるように見えない(すなわち散弾は、通路に溜まることにより流れを制限することがあり、また流体源に接続される包囲体に入ることがある)ばかりではなく、この特許明細書に開示されるディスクの「破裂」
    は、反応により生成する副生物の量を減少させることを望んでいるようには見受けられない。

    【0013】1974年9月17日発行のグロシュ外(Grosch et al.)の米国特許第3,83
    6,170号明細書は、膨張を開始させるための種々の弾丸を開示している。 一実施例においては、ピストン形状の衝撃部材を用いて、破断線を有する隔離バリアを取り除いており、従ってこの実施例も、上記ヴァンシル及びメレルの米国特許明細書により開示されたものと同様である。 他の実施例においては、管状のガイドの中に設けられた円筒形の弾丸が、火薬の反応により隔離バリアに向けて導かれる。 バリアの向こう側に設けられたトラップが、弾丸、火薬の反応副生物及び恐らくは隔離バリアの一部を収集し、これら総てのものは、報告によれば、複数の既存の通路を通るガスの流れを阻害しない。
    他の実施例は、先端が尖っていない弾丸(すなわち、一定のテーパ形状を有するが先端が点にはなっていないもの)と、隔離バリアとを用いており、この隔離バリアは図面から判断すると、圧縮ガス源の一部に露呈される弾丸の下流側の側部が凹んでいるように見える。 先端が尖っていない弾丸が凹んだバリアのほぼ平坦な側部に衝突すると、報告によれば、バリアは星型に裂け、弾丸及び他の反応副生物はトラップに補足され、これにより、ガスの流れは阻害されない。 先端が尖っていない弾丸の実施例は、隔離バリアに星型の裂け目を形成すると報告されているが、この特定の設計は、バリアに一定の裂け目のパターンを生ずることはないであろう。 先ず、弾丸の尖っていない面の領域とほぼ一致するバリアの部分は、
    弾丸の衝撃により「穿孔」され、バリアの他の部分から完全に分離してしまうであろう。 穿孔された部分が生じないと仮定した場合でも、バリアの一部が脱落し、流れの中に入る可能性は依然として存在する。 弾丸のテーパ形状の部分を形成する表面のタイプに関しては何等明確な開示がなされていないが、図面から判断すると、この表面は円滑であるように見える。 従って、この表面は、
    バリアを通過する際に、このバリアを所定の態様で切断又は分離させることはなく、バリアは、該バリアの応力により部分的に誘導される線に沿って裂けるであろう。

    【0014】製造プロセスの通例として、金属の素材の部片の厚みは、曲がり部分の領域に亀裂又はせん断を生ずることなく形成することのできる曲げ半径を決定する要因の1つである。 素材部片の曲げ半径がその初期の厚みよりも小さくなると、曲がり部分(ベンド)に亀裂が生じたり素材のこの領域にせん断が生ずる可能性が増大する。 従って、この領域に切断作用を与える時には、素材を、その厚みよりも小さな半径で「曲げる」ことができ、更に、厚みよりもかなり小さな半径で曲げてこの領域にせん断又は切断を確実に生ずるようにするのが好ましい。

    【0015】グロシュ外の特許明細書の先端が尖っていない弾丸の形状が隔離バリアのいずれの部分をも完全に穿孔しないと仮定すると、上述の事柄に基づき、弾丸のテーパ部分の円滑な表面はバリアを通過する際にバリアを切断するよりもむしろ湾曲させる。 その理由は、制御された切断あるいはせん断を生ずるための「縁部」が何等開示されていないからである(すなわち、図面から判断すると、テーパ形状の表面の半径は、隔離バリアの厚みよりも小さくはない)。 従って、穿刺する弾丸により生ずるバリアの曲がりは、バリアに存在する応力に部分的に依存する線に沿う「裂け目」をバリアに与えるであろう。 従って、グロシュ外の特許明細書の先が尖っていない弾丸の形状により得られるバリアの分離は制御されたものではなく(すなわち、裂け目のパターンは一般に種々の要因に依存して変わる)、これにより、バリアの一部が脱落して流れの中に入るような態様でバリアが分離する恐れが生ずる。

    【0016】1957年11月18日発行のフランス特許第1,147,005号明細書及び1984年10月5日発行のフランス特許第2,543,658号明細書は各々、容器から加圧流体を解放するための弾丸を一般的に開示している。 この開示された弾丸は、点に向かってテーパ形状になされ、そのテーパ形状の表面全体にわたって連続的に円滑であるように見える。 弾丸のテーパ形状の部分の明らかな円滑性は上述のものと同様に、バリアを「除去」すなわち分離する際に一定せずかつ制御されない結果を生ずるであろう。 その理由は、結果としてバリアが曲がり(テーパ形状の部分の半径に基づき)、その後バリアに存在する応力に部分的に依存する線に沿ってバリアが制御されない状態で「裂ける」からである。 フランス特許第2,543,658号明細書は事実、使用する弾丸が実際に隔離体を「粉砕」することを開示している。 この粉砕は多数の粒子を発生させこれら粒子を系内に導入することが予想され、従って、このフランス特許明細書においては、バリアの分離により生ずる副生物の量を制御することが望ましいことを認識すらしていない。

    【0017】1975年5月6日発行のカナダ特許第9
    67,192号明細書は、圧縮ガスを解放するための他の弾丸の頭部のデザインを開示している。 バネ負荷されたプランジャが、圧縮ガスの容器を貫通している。 衝突が検出されると、プランジャが、圧縮ガスを膨張可能な部材から隔離しているダイアフラムを貫通し、これによりガスを解放する。 プランジャの端部は、接合されず(すなわち交差しない)傾斜した一連の平坦な面を備えるように見えるが、上記一連の平坦な面は、テーパ形状になってはいるが、1点に向かってテーパ形状になっているようには見受けられない。 この弾丸は、上述の欠点を有する上記グロシュ外により用いられた先端が尖っていない形状のものである。 更に、上記カナダ特許明細書の記載及び図面からは、この弾丸の頭部の形状が一定の態様で隔離部材を切断し、破片の生成を低減することを示しているか否かは明らかではない。 弾丸の傾斜した面は交差していないので、これら傾斜した面により形成される縁部は、ダイアフラムに対する縁部の半径のために、バリアを切断するのではなくむしろ湾曲させ、これにより、上述の如き一定せずかつ制御されないタイプの「破断」を生ずる。

    【0018】包囲体に供給される流れを制御することに関連するのは流れの供給源である。 幾つかの膨張式安全装置は、単一型の供給源だけを用いている。 例えば、上記エクストロムの米国特許明細書及び1976年6月2
    9日発行のノイマン(Neuman)の米国特許第3,
    966,288号明細書は共に、包囲体を膨張させるために加圧下で貯蔵されたガスだけを用いることを開示しており、一方、1983年4月19日発行のデイビス外(Davis et al.)の米国特許第4,38
    0,346号明細書は、推進剤の燃焼により発生するガスを唯一の供給源として用いることを開示している。

    【0019】多数の他のタイプの膨張式安全装置において2つのタイプの供給源が用いられており、代表的には、一方は周囲温度で貯蔵される圧縮ガス(すなわち冷たいガス)であり、他方は推進剤の燃焼により生ずるガス(すなわち熱いガス)である。 例えば、1977年9
    月27日発行のビショップ(Bishop)の米国特許第4,050,483号明細書は、2つの時間遅延される電気信号を用いており、一方の信号は、圧縮ガスと包囲体との間の隔離を取り除くためのものであり、他方のすなわち第2の信号は、所定の遅延時間の後に推進剤を点火するためのものである。 1973年5月8日発行のアンダーソン・ジュニア(Anderson,Jr.)
    の米国特許第3,731,843号明細書及び1976
    年4月6日発行のミーチャム(Meacham)の米国特許第3,948,540号明細書8図はの実施例)は各々、圧縮ガスと包囲体との間の隔離体を除去して流れを開始させること、及び、圧縮ガスのこの初期の解放の後に生ずる差圧を用い、偏椅バネの力に抗して点火ピンを衝撃キャップに効果的に係合させ、これにより推進剤を点火することを一般的に開示している。

    【0020】1991年10月24日発行のハミルトン外(Hamilton et al.)の米国特許第5,060,974号明細書は、隔離体を取り除くことにより貯蔵ガスを解放し、その後ガス発生器を作動させることを開示している。 より詳細には、点火ピンを取り付けられたダイアフラムがある差圧を受けた時に、該ダイアフラムが反転して衝撃プライマを打撃し、ガス発生器の中の推進剤を点火する。 この点に関して、ダイアフラムの一側部は基準圧力を受け、また、点火ピンが取り付けられ従って衝撃プライマに面するダイアフラムの他側部は、内部に貯蔵ガスを有する容器に対して、複数の出口により流体的に接続される。 従って、隔離体の除去の後に、ダイアフラムの点火ピン側の貯蔵ガスが出口を通って流れ始めると差圧が生じ。 この差圧がダイアフラムを所望の態様に反転させる。

    【0021】2つの供給源を備えた装置に関する他の代替例は、上記ヴァンシルの特許明細書、メレルの特許明細書、ミーチャムの特許明細書(図1実施例)、197
    3年11月20日発行のトラウブリッジ外(Trowb
    ridge etal. )の米国特許第3,773,3
    53号明細書、1975年7月22日発行のショットヘーファ外(Schotthoefer et al.)
    の米国特許第3,895,821号明細書、及び197
    7年4月19日発行のマーロウ(Marlow)の米国特許第4,018,457号明細書に一般に開示されている。 各々の明細書は一般に、適宜な電気信号を受けた時に、推進剤を点火することによりインフレータを作動させることを開示している。 次に推進剤の燃焼により生ずるガスを直接的又は間接的に用い、包囲体と圧縮ガスとの間の隔離体を取り除き、これにより圧縮ガス及び推進剤のガスの両方を包囲体に解放する。

    【0022】

    【課題を解決するための手段】本発明の一実施例は一般に、ガス又は流体からの流れの中に問題となる程の量の異物が入らないような態様で、ガス又は他の流体を解放することに関する。 この点に関して、本発明は、ガス源又は他の適宜な流体源を有するハウジングと、最初は上記ハウジングの中にガスを保持するバリアと、該バリアの一側部に設けられた弾丸とを備える。 ガスを解放することが必要とされる時に、弾丸をバリアに向けて前進させ、該バリアを穿刺させ、貫通させ、更にハウジングからのガス流に対する通路を形成するような態様でバリアを分離させる。 バリアが制御された態様で分離されるために、バリアは弾丸によって貫通された後に実質的に一体性を保ち、これにより、破片又は他の異物が生成される可能性が低下する。 従って、ガス源とガスを受け入れる物品とを接続する通路の中に異物が堆積することによって流量が制限される可能性が大幅に低下すると共に、
    そのような異物が実際に上記物品の中に入る可能性が大幅に低下する。 従って、単一機能弾丸を用いた本発明のこの実施例は、自動車用の膨張式安全装置に用いるのに特に有用である。

    【0023】単一機能弾丸の形状は、特にバリアの分離を制御することにより、本発明のこの実施例の性能に寄与する。 この弾丸の一実施例においては、傾斜し、互いに交差する複数の面を用いており、これら面は、該弾丸の先端の一点にほぼ収束する。 弾丸の鋭利な先端はバリアを効果的に穿刺し、また隣接する面の交差部は複数の縁部を形成し、これら縁部は、弾丸がバリアを通過する際に、該縁部により画成される線に沿ってバリアを切断する。 これら縁部をより明確に形成することにより、より効果的な切断作用を達成し、これによりバリアの制御された分離を更に改善するために、他の実施例においては、弾丸の面を凹面形状とし、これにより縁部を「隆起」させて該縁部をより鋭利にする。

    【0024】単一機能弾丸の上述の形状による効果的な結果として、バリアは、弾丸の面及び縁部の数に一致する数のほぼ三形状の多数の花弁に分離される。 これら個々の花弁は各々、バリアの周部に取り付いたままで流れの方向に先端を向けている。 従って、バリアは、弾丸の上述の切断作用により制御された態様で分離され、このバリアの一部が脱落して流れの中に入る可能性が少ない最終形状を形成する。

    【0025】バリアの形状自体も、本発明の単一機能弾丸の実施例の性能に寄与する。 一実施例においては、バリアは、凹面形状の側部及び凸面形状の側部を有するドーム型のディスクである。 凹面形状の側部は加圧ガスに露呈され、該加圧ガスは従って上記凹面形状の側部に力を作用させ、一方、凸面形状の側部は弾丸に面するのが好ましい。 この構成は、弾丸が最初にディスクの凸面形状の部分の中央領域に接触すると、ディスクが凹み、これによりディスクの中の応力を増大させるという利点を有する。 従って、弾丸がディスクを穿刺し、弾丸の上述の縁部が上述の切断作用によりディスクに分離線を形成し始めると、上記ディスクの凹みにより生じたディスクの応力及び加圧ガスによりディスクの凹面形状の側部に作用する力が、弾丸の上記縁部により画成される線に沿うディスクの分離を助ける。

    【0026】上述の事柄に基づき、本発明の単一機能弾丸の実施例は、一般に何等かの形式のインフレータ及び膨張可能な包囲体から成る自動車用の膨張式安全装置に用いるのが特に有用であることが理解されよう。 この点に関して、弾丸は、衝突、衝撃又は減速度を検出する検知器に一般に接続される導火線(スキーブ)又は他の同様な点火源に適宜に取り付けられる。 導火線が適宜な信号を受けると、弾丸を発射してバリアを通過させ、これにより上述の結果を得る。 インフレータはその後、種々の方法によりガス又は他の流体を包囲体に供給する。 このように包囲体に供給されたガス流は、膨張式安全装置の性能に悪影響を及ぼす恐れのある異物を実質的に含んでいない。

    【0027】本発明の単一機能弾丸の実施例は、膨張式安全装置用の周知のガス解放機構によっては従来得られなかった、多数の利点を提供する。 例えば、この実施例は、ガスを解放する際に生ずる材料を低減することに重点をおいている。 従って、インフレータと包囲体の間に、時として構造が複雑な追加のコネクタを設ける必要がない。 これに関連して、総ての粒子を効果的に除去することができずまた閉塞してインフレータの性能に更に悪影響を与えることのあるフィルタ等の追加の要素を用いる必要もない。 弾丸に対して、適当な数の傾斜した面従って切断縁部を選択することにより、この実施例は、
    インフレータ及び/又は膨張可能な包囲体の性能に悪影響を及ぼす破片を発生させることなく、安定してガスを解放する。

    【0028】本発明の他の実施例は一般に、圧縮ガスを解放し、二機能弾丸を用いて推進剤を点火することに関する。 この点に関して、本発明は、ガス源又は他の適宜な流体源を有するハウジングと、該ハウジングと相互に接続されると共に推進剤を保有するガス発生器と、弾丸とを備える。 ガスを解放することが必要とされた時には、弾丸を発射してハウジングの封止部分を通過させ、
    これによりハウジングからの流通路が形成される。 弾丸は次にガス発生器の作動部分に衝突し、推進剤を点火する。 従って、弾丸は2つの機能を果たし、これにより、
    必要とされる要素の数を減少させると共に、2つの供給源系(すなわち、貯蔵ガス及び推進剤のガス)を用いるインフレータを相互作用させる煩雑性も減少させる。

    【0029】ハウジングの封止部分は、弾丸が作動されるまでは、貯蔵ガスを保持する。 一実施例においては、
    ハウジングのこの封止部分は、弾丸にほぼ整合された閉止ディスクである。 種々の形状の閉止ディスク及び弾丸を用いることができるが、この単一機能弾丸の実施例においては、上述の単一機能弾丸と同一の形状を有する弾丸と組み合わせて、上述のドーム型のディスクを用いるのが好ましく、これにより、望ましい破片を低減する特徴も提供される。

    【0030】弾丸がハウジングの封止部分を通過すると、弾丸はガス発生器の作動部分に衝突する。 一実施例においては、この作動部分は、弾丸にほぼ整合された作動プレートを備えている。 弾丸が作動プレートに衝突すると、作動プレートは撓み、これにより、例えばリング又は複数の延長部等の作動プレートに取り付けられた衝撃部材が、ガス発生器の中で点火装薬付近に位置する複数の衝撃プライマの少なくとも1つに向けて移動されかつこれと接触する。 その結果、点火装薬及び次に推進剤が点火され、これにより、貯蔵ガスの温度よりも高い温度を有する推進剤のガス源が生ずる。

    【0031】この二機能弾丸の実施例は、必要とされる要素の数を減らし、また2つの供給源を有するインフレータの相互作用の複雑さを減少させるが、本発明の性能は問題となる程の影響を受けない。 例えば、自動車用の膨張式安全装置においては、温度の高いガス源を提供する前に、周囲温度のガス流を最初に包囲体に供給するのが望ましい。 本発明のこの実施例は望ましい特徴を提供する。 例えば、一実施例においては、ガス発生器に出口を設け、推進剤のガスの流れを、弾丸により封止部分に形成された流通路から離れる方向に導く。 更に他の実施例においては、ガス発生器の出口を、ハウジングの封止部分からある程度離して設ける(すなわち、貯蔵ガスの柱状体が、ハウジングの封止部分とガス発生器の出口の間にある)。 更に他の実施例においては、ガス発生器は、ハウジングの中の圧力よりもそれ程大きくない圧力で作動する。 その結果、乱流が殆ど発生せず、従って、
    推進剤のガスと貯蔵ガスの混合が極めて少なくなる。 その結果、推進剤のガスは、高い温度の推進剤のガスの相当な部分が包囲体に供給される前に、周囲温度にある上述の貯蔵ガスの柱状体を包囲体に押し出すピストンの機能を効果的に果たす。

    【0032】本発明のこの実施例の多くの利点は、二機能弾丸に起因するものである。 一実施例においては、弾丸は空所部分を有しており、該空所部分の中に導火線の少なくとも一部を位置させることができる。 その結果、
    このアセンブリは、ハウジング及びその貯蔵ガス源の外部に位置することができるので都合が良い。 更に、弾丸に空所を設けこの空所の中に導火線の一部を位置させることにより、導火線は、点火された時に、十分な力を弾丸に与えることができ、これにより、弾丸をハウジングの封止部分を通して十分に案内し、ガス発生器の作動部分に接触させる。 弾丸の誘導性を更に改善するために、
    他の実施例においては、導火線及び弾丸をスリーブの中に位置させることができる。 スリーブの長さを、弾丸全体がスリーブから決して出ないような長さにすることができる。 その結果、弾丸がその二元機能を果たした後に、弾丸はスリーブの中に保持される。 弾丸がスリーブの中に保持されることはまた、導火線の点火により生じ装置の性能に悪影響を及ぼす可能性のある副生物が流れの中に入る恐れを低下させる。

    【0033】弾丸の実際の形状は、両方の機能の達成に対しては概ね致命的ではないが、複数の切断縁部を有する上述の単一機能弾丸を用い、望ましい破片低減特性をも提供することが好ましい。 二機能弾丸については、ボール等の他のタイプの形状を用いることができるが、包囲体に破片が供給される恐れを少なくするために、適宜な濾過装置を組み込むことが必要乃至は少なくとも望ましくなる。

    【0034】本発明の他の実施例は、自動車用の膨張式安全装置に用いられるインフレータ用のガス発生器の点火アセンブリである。 点火アセンブリは、作動ピストン及び作動体を備え、これらピストン及び作動体は、作動ピストンに係合する保持装置により最初は分離されている。 膨張式安全装置を作動させることが必要とされる状況に一致するのが好ましい、ある強さの力が作動ピストンに作用すると、保持装置は実質的に作動ピストンを解放し、これにより、作動ピストンは作動体に係合し、ガス発生器の中に収容されている推進剤に点火する。

    【0035】点火アセンブリの上述の実施例に種々の特徴を組み込み、この点火アセンブリに関連するインフレータの性能を向上させることができる。 例えば、一実施例においては、作動支持構造体を設け、この構造体をガス発生器のハウジングに係合させて作動ピストンの少なくとも一部を保持し、該作動ピストンを作動体に向けて案内する。 この点に関して、作動ピストンを、作動支持構造体に摺動可能に係合させ、該作動ピストンには、作動体の一部に係合する少なくとも1つの突出部材、例えばそのような突出部材にほぼ整合する衝撃プライマを設けることができる。 更に、作動支持構造体の中に着座する係止ピン又はリングが、作動ピストンに係合し、最初はその位置を衝撃プライマから離れた位置に維持し、これにより、推進剤の早期点火の可能性を少なくすることができる。 しかしながら、作動ピストンに適宜な力が作用した場合には、係止ピン又はリングが破断し、これにより、作動ピストンの突出部材がほぼ整合された衝撃プライマに衝突して推進剤を点火させる。 例えば、作動ピストンと作動体との間で何等かのガスが圧縮することにより生ずる、作動ピストンの上記運動に対する抵抗を小さくするために、作動支持構造体に適宜なオリフィス(開口)を設け、これによりそのようなガスに対する解放通路を設けることができる。 更に、排出された後には推進剤のガスがプライマを通って漏洩することができるために、そのような推進剤のガスの力により、作動ピストンがプライマから離れる方向に効果的に押され、これにより、作動ピストンの肩部が作動支持構造体の肩部に係合して逆止弁の役割を果たすと共に、この領域においてガス発生器のハウジングを効果的に封止する。 その結果、推進剤のガスはガス発生器の出口を適正に通り、インフレータの性能の安定性を改善する。

    【0036】理解され得るように、本発明の点火アセンブリは、本発明の上述の二機能弾丸の実施例の如き、ガス発生器を作動させるための弾丸を用いるものを含む種々のインフレータの設計に用いることができる。 この点に関して、二機能弾丸がほぼ整合された作動ピストンに向けて発射されて該作動ピストンに衝突すると、その衝撃力により保持装置が作動ピストンを解放し、これにより、作動ピストンは移動して作動体に係合して推進剤を点火させる。 作動ピストンが、弾丸の衝突によって受ける衝撃圧力に耐え得るようにするのが効果的である。 その後、推進剤のガス、及び二機能弾丸により解放された貯蔵ガスは、上述の態様で膨張式安全装置に供給される。

    【0037】

    【実施例】本発明に関連する特徴を図示する図面を参照して、以下に本発明を説明する。 本発明の一実施例は、
    単一機能弾丸を用いることにより、流体の流れの中に問題となるほどの量の破片あるいは他の異物を何等導入することなく、容器からガス又は他の流体を解放する装置である。 この実施例はガス源あるいは他の流体源を解放することを必要とする総ての用途において用いることができるが、その破片減少特性により、自動車用の膨張式安全装置に用いるのが特に有用である。

    【0038】図1を参照すると、代表的な膨張式安全装置22が全体的に示されている。 この膨張式安全装置2
    2は、検知器26と、インフレータ30と、膨張可能な包囲体158とを備えている。 検知器26が包囲体15
    8を膨張させる必要のある状態を検出すると、インフレータ30に信号が送られ、インフレータ30から包囲体158へ適宜な導管154を介してガス又は他の適宜な流体が解放される。 この単一機能弾丸の実施例を参照してある特定のタイプのインフレータ30を説明するが、
    単一機能弾丸は種々の広範囲なインフレータ30と共に用いることができ、例えば、加圧ガス源又は他の流体源だけを備えるインフレータ、流れを増大させる膨張の間のある点において点火される弾丸と組み合わせて加圧ガス源を用いるインフレータ、あるいは点火及びその後の弾丸の燃焼のみを用いて包囲体158を膨張させるインフレータと共に用いることができる。

    【0039】本発明の単一機能弾丸の実施例を用いることができる1つのインフレータ30を図2に示す。 インフレータ30は一般に、加圧ガス源を保有する貯蔵ガスハウジング34と、膨張を必要とする状態が検知器26
    (図1)によって検出されるまで、ガスを該貯蔵ガスハウジング34の中に保有する加圧されたドーム型の離隔ディスク38と、ディスク38を制御された態様(以下に詳述する)で分離することによって、貯蔵ガスハウジング34からガスを解放し、これにより包囲体158
    (図1)へのガスの流れを開始させる作動アセンブリ5
    8と、内部に収容された推進剤146の点火及びその後の燃焼による包囲体の初期の膨張の後に包囲体158
    (図1)へのガスの流量を増大させるガス発生器110
    とを備えている。

    【0040】図2のインフレータ30の作用の際には、
    検知器26は膨張式安全装置22の作動を必要とする状態を検知し、その後、導線78を介して、ディスク38
    に近接して設けられる作動アセンブリ58に信号を送信する。 作動アセンブリ58は、点火源74を備えており、該点火源はこの点火源に適宜に取り付けられた弾丸82を有している。 この信号を受信すると、点火源74
    はディスク38に向けて弾丸82を発射し、制御された態様でディスク38を貫通させかつ分離させ(以下に説明する)、これにより、貯蔵ガスハウジング34から、
    内側の排出ポート66、排出コネクタ62、外側の排出ポート70、導管154を介して、包囲体158の中にガスを流入させ始める。 弾丸82の有効直径のために、
    弾丸82は外側の排出ポート70を通過することができず、従って膨張の間にはインフレータ30の中に保持される。

    【0041】ガス発生器110が、貯蔵ガスハウジング34の中で同軸状に設けられており、貯蔵ガスハウジング34からの加圧ガスの流れにより最初に膨張された後に包囲体158への流量を増大させる。 この増大した流量は、圧力の変化等の変化する状態に応じて開始され、
    従って、インフレータ30は基準室114を用いており、該基準室は、弾丸室142の中に収容された推進剤146を作動させる助けをするコップ型の双安定性のダイアフラム118によって基準室の中に保有された加圧ガスを有する。

    【0042】第1の位置において、ダイアフラム118
    の凸面は基準室114の中のガスに露呈され、一方ダイアフラム118の凹面は、ガス発生器110の壁部に設けられた複数の圧力ポート126及びダイアフラム11
    8と弾丸室142の間に設けられた分割器130を介して、貯蔵ガスハウジング34の中のガスに露呈される。
    その結果、弾丸82によるディスク38の制御された態様の上記分離の後に、貯蔵ガスハウジング34から包囲体158へガスが流れると、ダイアフラム118の初期の凹面に作用する圧力は、ダイアフラム118の凸面に力を与え続ける基準室114の中の圧力に関係して減少する。 ある程度の差圧が発生した後に、ダイアフラム1
    18は急速に第2の位置に移動し(すなわち、この状態においては凸面は弾丸室142に面している)、これにより、衝撃質量体122を爆発プライマ(爆発誘引装置)138に係合させ、これにより推進剤146を発火させる。 推進剤146の燃焼により生じた推進ガスは次に、ガス発生器のポート150を介して弾丸室142を出て、これにより、上記通路を介する包囲体158への流量を増大させる。

    【0043】本発明の単一機能弾丸の実施例の重要な特徴は、ディスク38の制御された態様での分離であり、
    この制御された態様においては、インフレータ30から包囲体158への十分なかつ適時な流れを許容する(図1)だけではなく、ディスク38を実質的に不作動状態に維持し、これによりインフレータ30の作動時に発生する異物の量を大幅に減少させる。 弾丸82の形状は、
    ディスク38のこの制御された分離に貢献するものであり、この弾丸82の実施例を図3乃至図8に図示する。
    図2、図9、図10及び図15にはディスク38はドーム形状で示されており、このドーム形状の利点は後述するが、他の形状のディスクも、弾丸82によって上記所望の制御された態様で適宜に分離させることができる。

    【0044】特に図3乃至図5を参照すると、弾丸82
    は、傾斜し、交差する複数の面86を備えており、これら面は、弾丸82の先端90の点に向かって収束している。 従ってこれら面86の交差部は複数の縁部94を画成し、該縁部94は、これら縁部に一致する線に沿ってディスク38を分離させ始めるために用いられる。 以下により詳細に説明するように、各々の面86はほぼ同一の寸法及び形状であるのが好ましく、これにより、縁部94は均等に隔置されてディスク38をほぼ等しい寸法の花弁部分に分離させ、各々の花弁部分はディスク38
    の周部に位置するリム42に取り付けられた状態に維持され、また各花弁部分は図11、図12及び図17に示すように、流れの方向にその先端を向けている。

    【0045】尖った先端90は、ディスク38の問題となる程の材料の部分を何等取り除くことなく(すなわち、弾丸82によりディスク38の問題となる程の部分が穿孔により取り除かれず、かつディスク38の残りの部分から分離することなく)ディスク38を効果的に穿刺することを可能とする。 弾丸82がディスク38を貫通して進むにしたがって、縁部94がこれら縁部94に合致する線に沿ってディスク38を切断する。 この切断作用を行うことができる理由は、弾丸82がその先端9
    0から基部98に向かって外方に広がっている(すなわち、弾丸82の有効直径が先端90から基部98に向かって増大している)からである。 更に、各々の縁部94
    は、これら縁部94に合致する線に沿って加圧されたディスク38を切断すなわちせん断するに十分な「鋭利性」を有している。 この鋭利性は、ディスク38の制御された分離を行い、インフレータ30の作用を通じて実質的に一体性を保つディスク38の一貫した端部の形状を得るために必要とされる基本的な要件であり、これにより、破片あるいは他の異物を流れの中に導入することによりその性能に悪影響を及ぼさない。 ディスク38の切断又はせん断は、ディスク38の凹型の側部50にガスの圧力が作用することによるディスク38の高い応力レベルによって大幅に促進される。

    【0046】製造プロセスの一般的なルールとして、金属素材の部片の厚みは、該素材に亀裂を生じたりあるいはせん断を生ずることなく形成することのできる曲げ半径を決定する要因の1つである。 ある金属素材の部片の曲げ半径が該素材の初期の厚みよりかなり小さくなった場合には、曲がりにおけるクラック(亀裂)又はこの領域における素材の実際のせん断が生ずる可能性が大きくなる。 従って、この領域において切断あるいはせん断作用を行わせる必要がある場合には、素材をその厚みよりもかなり小さな半径で曲げなければならない。 ここに説明するタイプのインフレータ30に使用される代表的なディスク38の厚みは約0.25mm(0.010インチ)である。 従って、上述の一般的なルールによれば、
    図6に最も良く示された縁部94を画成する弾丸82の面86の交差部により確定される半径「R」は、所望の切断作用を行うために0.25mm(0.010インチ)程度とする必要がある。 しかしながら、所望の切断あるいはせん断がこれらの領域において生ずるのを確実にするために、半径Rをディスク38の厚みよりもかなり小さくする必要があり、この場合においては従って、
    0.05mm(0.002インチ)よりも小さいのが好ましい。

    【0047】弾丸82において縁部94をよりはっきりとさせるために、面86には図3、図4及び図7に最も良く示すようにある程度の凹面性をもたせることができるが、この凹面性は必ずしも必要ではない(すなわち、
    上述の所望の切断作用を生ずるために縁部94は既に十分に小さな半径を有している)。 面86は縁部94から下方に向かってテーパ形状になっており、これにより所望の凹面性を呈している。 結局、縁部94は、ディスク38の分離を促進させるために実質的に「隆起」しており、より有効な切断作用を生ずる。 理解され得るように、縁部94をある程度明確にすることにより、これら縁部により画成される所定の線に沿うディスク38の制御された分離を向上させるが、そのように明確にすることは、ディスク38を通過する際に、弾丸82の残りの部分から弾丸82の部分が脱落する可能性が高くなるという欠点を生ずることがある。

    【0048】図3乃至図8の弾丸82、及び所定の線に沿って切断すなわちせん断することによりディスク38
    の制御された分離を可能とするその形状を比較する目的で、図13に示すタイプの円錐形の弾丸162を考慮する。 この弾丸162は、図11、図12及び図17に示す端部形状と同様なディスク38の端部形状を一貫して生ずることができない。 円錐形の弾丸162の円滑でテーパ付きの面166の半径は、上述の曲げの原理に基づき曲げの領域にディスク38のせん断を生ずるようなものには近づかない(すなわち、テーパ付きの面の半径は、所定の線に沿ってディスク38をせん断する程には十分に小さくない)。 円錐形の弾丸162がディスク3
    8を通過する際に、その曲げがディスク38の中の応力と部分的に一致する線に沿ってディスク38を引き裂くが、その曲げは場合毎に多くの要因に依存する。 円錐形の弾丸162を用いた場合のディスク38の予期される代表的な端部形状を図14に示す。 図14のディスク3
    8の形状から明らかなように、その結果は必然的に予期不能であり、またバリア38の一部が剥離してインフレータ30から流れに入る恐れがある。

    【0049】弾丸82の各縁部94の「鋭利性」は、所望の切断作用を行ってディスク38の制御された切断を生ずるために重要ではあるが、他の要因もある。 例えば、面86の傾斜角度により確定される縁部94のテーパの度合いが切断作用に影響を与える。 一実施例においては、面は弾丸82の長手方向の軸線に対して45°
    (あるいは図4に示すように先端90に接する平面に対して45°)の角度で傾斜しており、これにより効果的な切断作用を提供する。 縁部94の長さは、この傾斜角度及び弾丸82の有効直径により直接的に影響を受けるが、必要とされる長さは、分離されるべきディスク3
    8の直径のより大きな関数である(以下に説明する)。
    しかしそれにもかかわらず、各々の縁部94の長さがほぼ等しいことが望ましい。 また、弾丸82の縁部94
    は、弾丸82の基部98まで完全に伸び、そのカットを急激に終えるようにその全長にわたって「鋭利性」を保つ必要がある(しかしながら、以下に説明するように他の力により継続せることができる)。 弾丸82の基部9
    8に達するまえに縁部94が丸くなると、弾丸82が貫通した後のディスク38の破断が不規則となり、これによりディスク38の一部が脱落する恐れが大きくなる。

    【0050】弾丸82は、またその基部98から底部1
    02までの形状が縁部94により形成される分離線を阻害しないような形状にしなければならない(すなわち、
    基部98は、6つの縁部94がある場合には弾丸82がほぼ六角形となるように縁部94の端部をほぼ直線的に接続しなければならない)。 弾丸82の外側部分100
    を平坦にすることが必要乃至は望ましいことであろう。
    更に、弾丸82及びその縁部94の硬度を、ディスク3
    8の硬度よりかなり大きくし、これにより所望の切断作用を確実に達成することが好ましい。 代表的なディスク38はインコネル625(Inconel:商標)から形成されるので、弾丸82用の適切な材料の1つはステンレス鋼である。

    【0051】上述の形状の弾丸82がほぼ円形のディスク38を穿刺してこれを貫通すると、切断作用により、
    図11、図12及び図17に示すように三角形状の多数の花弁54を有し、ディスク38のリム42に取り付けられたままで、かつ弾丸82の多数の縁部94及び面8
    6に一致するディスク38の端部形状が生ずる。 例えば、弾丸82が6つの同様な寸法の面86を有している場合には、分離したディスク38はこれに一致して図1
    1に示すように6つの同様の寸法の花弁54を有し、一方、弾丸82が3つの同様な寸法の面86を有する場合には、分離したディスク38はこれに一致して図12に示すような3つの同様な寸法の花弁54を有することになる。

    【0052】ディスク38が分離して生ずる花弁54の数は、ディスク38の一部が剥離して流れの中に入る可能性を所望のように減少させることに直接的に影響を及ぼす。 例えば、花弁54の数が減少すると、これに応じてそれぞれの花弁の寸法は当然に増大する。 従って、ディスク38のリム42に取り付いたままでいる各々の花弁54の基部の「幅」も増大する。 花弁54の基部の幅がある程度まで増大すると、この領域における材料の応力がディスク38の制御されない破断を生ずることになる。 その結果、最初は制御された態様で弾丸82により分離されるが、これらの応力のためにディスク38の一部がちぎれてすなわち剥離し、最終的にはインフレータ30から流れの中に入る可能性がある。

    【0053】花弁54の数を増加させると、個々の花弁の寸法、従って、ディスク38のリム42に取り付いたままでいる花弁54の「幅」が減少し、これら領域におけるディスク38の応力も減少する。 しかしながら、花弁54の数が増大すると、個々の花弁54の基部は、インフレータ30からの流れにより破断すなわちちぎれてしまう程に十分に小さくなる。 更に、複数の交差面86
    は、図13に示すような円錐形の弾丸162が有するような円滑な表面に近づく(すなわち、縁部94の半径R
    (図6)が増大し、これにより、上述の曲げの原理により所望の切断作用を達成することができなくなる)。 その結果、ディスク38は、縁部94の切断作用により破断されるのではなく、基本的には弾丸82の曲げ作用によりディスク38に生ずる応力によって破断され、従って、ディスク38の一部が脱落すなわちちぎれて流れの中に入る可能性が高くなる。 あまりに多くの縁部94を有し図13の円錐形の弾丸162の形状に近づいた弾丸82が通過した後のディスク38の予想される端部形状を図14に示す。

    【0054】上述の事柄に基づき、所望の切断作用を達成し、流れの中に問題となる程の量の材料が入らないようなディスク38の端部形状を一貫して形成するためには、弾丸82の面86の数従って縁部94の数を4−1
    0とすることができ、好ましくは5−8とすべきである。 六角形の(すなわち6つの面86を有する)弾丸8
    2は、特に望ましい結果を生ずる。

    【0055】上述の形状の弾丸82をディスク38に向けて発射し、所望の制御された分離を生ずる。 この点に関し、図2及び図15に最も良く示すように弾丸82は最初は電気信管装置74の端部に取り付けられている。
    種々の方法を用いて弾丸82を電気信管装置74に取り付けることができ、例えば、成形法、かしめ又は接着剤を用いることができる。 検知器26(図1)が包囲体1
    58(図1)の膨張を必要とする状態を検知すると、電気信管装置74(図2及び図15)が作動され、外部ガイドあるいは他の同様の孔を用いることなく、弾丸82
    をディスク38(図2及び図16)に向けて発射させる。 単一機能弾丸の図示の実施例においては外部ガイドを使用しないために、弾丸82はその底部102に位置する空所106を有することができ、これにより、図7
    及び図8に最も良く示すように電気信管装置74の力は弾丸82に集中される。 この望ましい力の集中を増大させるために、例えば黒色火薬を保有する電気信管装置7
    4の延長部75を弾丸82の空所106の中に装着することができる(図7及び図8)。 その結果、別個の外部ガイドを設ける必要がなくなる。 その代わりに、弾丸8
    2の運動は、最初、電気信管装置74の延長部75に被嵌された弾丸82の空所106により案内される。

    【0056】ディスク38の形状はまた、弾丸82による制御された分離に貢献する。 凹面形状の側部46及び凸面形状の側部50を有するドーム型のディスク38を用いて、図9及び図10に最も良く示すようにまた図2
    及び図15に全体的に示すように、同様の結果を得ることができる。 凹面形状の側部46は、貯蔵ガスハウジング34(図2)の中のガスに露呈されるのが好ましく、
    一方凸面形状の側部50は、弾丸82に面するように位置されるのが好ましい(図2)。 この特定の構成により、貯蔵ガスハウジング34からガスが放出される際に生成される破片の数を減少させ、また、導線76を有する電気信管装置74を貯蔵ガスハウジング34の加圧された隔室の外側に設けることができる等の多くの利点が奏功される。

    【0057】図15乃至図17を参照すると、ディスク38は最初は、貯蔵ガスハウジング34(図2)の中の加圧ガスにより凹面形状の側部46に作用する力によって、応力状態にある。 弾丸82がディスク38に向けて発射されて最初にこのディスク38に接触すると、ディスク38は、図16に示すように「凹み」、ディスク3
    8の「穿刺」が開始される。 ディスク38のこの凹みは更にディスク38内の応力を増大させる。 ディスク38
    が弾丸82により穿刺されると、これらの応力が解放され、弾丸82の縁部94により画成される線に沿うディスク38の分離を助ける(すなわち、所望の切断作用が促進される)。 これらの線に沿うディスク38の制御された分離に更に貢献するものは、貯蔵ガスハウジング3
    4からのガスの流れである。 従って、最終的な結果として、流れの方向に向かうほぼ同様の寸法の複数の花弁5
    4が形成され、これにより、図17に示すように、ディスク38の一部が脱落してインフレータ30からの流れの中に入る可能性を更に減少させる。

    【0058】上述の「ドーム型」のディスク38を用いた場合には、制御された分離を確実に行わせるために、
    弾丸82の直径を必ずしもディスク38の直径と同様にする必要はない。 例えば、弾丸82による上述のディスク38の初期の「凹み」により生ずるディスク38の応力、及び貯蔵ガスハウジング34からのガスによりディスク38の凹面形状の側部46に与えられる力により、
    弾丸82の縁部94は、ディスク38をリム42まで切断して完全に分離させる必要はない。 制御された切断が所定の距離まで達する限り、これら他の力は、ディスク38の一部を脱落させる危険性を大幅に増大させることなく、制御された態様でディスク38の分離を完遂する。 実際、問題となる程の量の破片の発生を起こさず又はその可能性を不当に増大させることがなく弾丸82の直径をディスク38の直径の約半分とすることが可能である。

    【0059】本発明の実施例の単一機能弾丸を図1及び図2に示すタイプの膨張式安全装置22に組み込んだ場合では、膨張式安全装置22を作動させる必要がある時に、検知器26が電気信管装置74に信号を送る。 電気信管装置74が信号を受けた後に、弾丸82がディスク38を貫通して上述の所望の結果を生ずる。 六角形状の弾丸82が最初にディスク38から約6.35mm(1
    /4インチ)の位置に設けられ、約153−183m/
    s(500−600フィート/s)の範囲の初速度でディスク38に向けて発射させることにより、所望の結果が得られた。 しかしながら、弾丸の重さを変化させることにより、種々の範囲の初速度を用いることができることは理解されよう。 例えば、弾丸82の重さを増大させることにより、初速度を約92−153m/s(300
    −500フィート/s)まで減少させることができる。

    【0060】弾丸82がディスク38を通過した後に、
    膨張式安全装置22の性能に悪影響を及ぼす恐れのある問題となる程の量の異物を伴うことなく、ガスは貯蔵ガスハウジング34から包囲体158の中に流入する。 弾丸82の直径がそれぞれ内側の排出ポート66及び外側の排出ポート70の直径よりも大きいために、弾丸82
    は作動の間にインフレータ30の中に止まり、包囲体1
    58の中に入らない。

    【0061】本発明の他の実施例は、図18乃至図20
    に示すように二機能弾丸234を用いた特別の形状のインフレータ170である。 このインフレータ170は一般に、圧縮ガス源を保有する圧力容器174と、内部に推進剤186を有するガス発生器178と、弾丸234
    とを備えている。 インフレータ170により適宜な信号が受信されると、弾丸234が発射されて圧力容器17
    4からのガスの流通路を提供し、かつガス発生器178
    の一部に衝撃を与えて推進剤186を点火する。 以下の説明から理解されるように、インフレータ170は、特にその性能特性により、以下に説明するように、図1の膨張式安全装置22に組み込んで上記インフレータ30
    と置き換えることによって特に有用である。 従って、図1の膨張可能な包囲体158にガスを供給することに関連して、図18乃至図20の二機能弾丸の実施例を以下に説明する。

    【0062】図18を参照すると、圧力容器174は、
    周囲温度に応じて約148乃至274kg/cm
    2 (2,100乃至3,900psi)の範囲の圧力に一般に維持される包囲体158(図1)を最初に膨張させるための適宜なガス源を備えている。 種々のガスを適宜用いることができるが、その不活性さ及び毒性のなさの為にアルゴン用いるのが好ましい。 更に、アルゴンの高密度及び分子量は、以下に説明するように、図22に示すインフレータ170の所望の性能曲線の達成に潜在的に貢献する。

    【0063】貯蔵ガスは最初に、閉鎖ディスク222により圧力容器174の中に保持されている。 すなわち、
    閉鎖ディスク222は、溶接等の適宜な手段により圧力容器174の排出端176に取り付けられているディスクハウジング214の中に位置している。 ディスクハウジング214には圧力容器174の中のガスがディスクハウジング214の内部と流体連通するのを許容するために複数のディスクハウジング出口218が設けられており、従って、インフレータ170の作動の前に、閉鎖ディスク222の一部に力を与えることができる。

    【0064】インフレータ170が検知器26(図1)
    から適宜な信号を受信すると、図19に示すように弾丸234が適宜な速度で(弾丸82に関して上に説明したように)発射されて閉鎖ディスク222を通過し、貯蔵ガス及びガス発生器178の作動により生じた推進ガス(以下に説明する)の両方に対する圧力容器174からの流通路を提供する。 この点に関し、弾丸234は、導火線238あるいは他の適宜な電気信管装置に取り付けられており、閉鎖ディスク222の中央領域にほぼ整合されるのが好ましい。 検知器26(図1)に電気的と相互に電気的に接続された導火線238及び弾丸234
    は、閉鎖ディスク222の下流側でディスクハウジング214の端部に位置するマニホールドコネクタ226の中に保持されている。 従って、導火線238及び弾丸2
    34は最初は圧力容器174の中の貯蔵ガスに露呈されないのが望ましく、これにより、インフレータ170にこのタイプの活性化装置を用いる煩雑性を低減させる。
    マニホールドコネクタ226には複数のマニホールド出口230が設けられ、これらマニホールド出口は、弾丸234が閉鎖ディスク222を一旦通過すると、導管1
    54(図1)を介して包囲体158との流体連通を提供する。 従って、弾丸234が閉鎖ディスク222を一旦通過すると、圧力容器174から包囲体158(図1)
    への流体通路が確立される。 すなわち、この流体通路は、圧力容器174から、ディスクハウジングの出口2
    18、ディスクハウジング214、マニホールドコネクタ226、マニホールドコネクタの出口230及び導管154(図1)を通って伸びる。

    【0065】上述の流体通路を可能とするこの初期の機能を果たした後に、図19及び図20に示すようにガス発生器178の中に収容された推進剤186の燃焼を開始させるために、弾丸234はガス発生器178に向かって引き続き前進する。 この点に関して、ガス発生器1
    78は、溶接等によりディスクハウジング214に適宜に接続されており、弾丸234とほぼ整合されるのが好ましい。 更に、ガス発生器178は一般に、ディスクハウジング214に隣接して設けられた点火アセンブリ1
    90と、推進剤186を収容すると共に点火アセンブリ190に隣接して設けられた推進剤室182とを備えている。

    【0066】点火アセンブリ190は作動プレート19
    4を備えており、該作動プレート194は弾丸234とほぼ整合させるのが好ましい。 作動プレート194を固定する例としては、この作動プレート194を、ディスクハウジング214の端部と、ガス発生器178の中に設けられた装薬ホルダ200の間に設けることがある。
    従って、作動プレート194は、弾丸234による衝撃を受けた時に、装薬ホルダ200に向かって撓み、推進剤186の点火を開始させることができる(以下に説明するように)。 しかしながら理解され得るように、この必要とされる撓みは弾丸234による衝撃を受けた時だけに生ずるのが好ましく、従って、作動プレート194
    は、推進剤186が不用意に点火する恐れを少なくするために、十分な「剛性」を有しなければならない。 弾丸234と作動プレート194の間の距離、従って導火線238の作動と作動プレート194に対する弾丸234
    の衝撃との間の時間間隔、を減少させるために、作動プレート194は、弾丸234に面する凹面形状の部分1
    96を有することができる。

    【0067】作動プレート194の撓みは、ガス発生器178を作動させ、これにより、作動プレート194に設けられた衝撃部材198が、装薬ホルダ200の切り欠き領域の中に設けられた複数の衝撃プライマ202の少なくとも1つを打撃するために必要とされる。 この衝撃部材198は例えば連続的なリング又は複数の別個の伸長部分とすることができる。 プライマ202に隣接して設けられるのは、点火装薬206である。 装薬ホルダ200、及び従ってプライマ202並びに点火装薬20
    6は、ガス発生器178の肩部に接触するリテーナ24
    2により、ディスクハウジング214と推進剤室182
    との間に保持されている。

    【0068】弾丸234が閉鎖ディスク222を通過して作動プレート194に衝撃を与えた後に、作動プレート194は撓み、また作動プレート194に設けられた衝撃部材198は、図20に示すように該衝撃部材に整合された1又はそれ以上の衝撃プライマ202を打撃する。 点火装薬206及び従って推進剤186が点火され、推進剤186の燃焼により発生したガスが、ガス発生器178の排出端部に設けられたガス発生器の出口2
    10を通って流れる。 推進剤ストレーナ246を、推進剤室182の中に推進剤186を保持するためにガス発生器の出口210に隣接して設けることができる。

    【0069】インフレータ170の作用を総括すると、
    検知器26(図1)が導火線238に信号を送って弾丸234を発射させる。 発射された弾丸234は最初に閉鎖ディスク222を通過し、圧力容器174と包囲体1
    58(図1)の間に上述の通路を開く。 しかしながら、
    弾丸234は、作動プレート194に衝撃を与えるまで前進し続ける。 弾丸234が作動プレートに衝突すると、作動プレート194は、この作動プレートに取り付けられた衝撃部材198が少なくとも1つの整合された衝撃プライマ202を打撃する位置まで撓み、これにより、点火装薬206、従って推進剤186を点火させる。 推進剤186の燃焼により生じた推進ガスは、ガス発生器178の排出端部に設けられたガス発生器の出口210を出、上述の流体通路を通って包囲体158(図1)へ流れる。

    【0070】理解され得るように、弾丸234はその二つの機能を果たすために種々の形状を取ることができる。 二つの機能とは、閉鎖ディスク222を貫通して圧力容器174から包囲体158(図1)までの流体通路を提供することと、作動プレート194に衝撃を与えてガス発生器178の中の推進剤186の燃焼を開始させることである。 例えば、弾丸234は、ボール形状又は図13の円錐形の弾丸162の形状とすることができる。 しかしながら、これらの例においては、弾丸が閉鎖ディスク222を通過する際に、単一機能弾丸の実施例に関して上に説明したように、破片を生ずるであろう。
    閉鎖ディスク222の制御された態様での分離、これは二機能弾丸の実施例では要求されないが、このような分離をさせることができない形状の弾丸234の場合、インフレータ170と包囲体158との間に濾過装置(図示せず)を設け、これにより膨張式安全装置22の性能に悪影響を及ぼさないようにする必要があろう。

    【0071】濾過装置の必要性を軽減するために、この二機能弾丸の実施例に対しては、単一機能弾丸の実施例に関して説明した弾丸82と同様な形状を採用し、そのデザインに伴う所望の破片減少特性を達成することが好ましい。 従って、弾丸234には、図3乃至図8の弾丸82に関して図示したような、傾斜し交差する複数の面86と、先端90と、複数の切断縁部94(弾丸234
    に関しては図示されていない)とを設け、これにより閉鎖ディスク222を制御可能に分離することになろう。
    圧力容器174からの流体通路を確立する際に発生する破片の量を更に低減させるために、閉鎖ディスク222
    が、単一機能弾丸の実施例に関して図9及び図10に図示し上に説明したディスク38のドーム型の形状を備えることも好ましい。

    【0072】弾丸234は、閉鎖ディスク222を貫通して作動プレート194に衝撃を与える必要があり、従って、弾丸82の空所106と同様の空所(図示せず)
    を有している。 導火線238の一部をこの空所の中に設け、これにより導火線238の点火により弾丸234に与えられる力を集中させ、従って弾丸234を所望の経路上で効果的に案内することができる。 この二機能弾丸の実施例においては、空所106の長さは約12.7m
    m(約0.5インチ)とすることができる。

    【0073】弾丸234は、閉鎖ディスク222を貫通して作動プレート194に衝撃を与えなければならないので、導火線238及び弾丸234をガイドスリーブ2
    50の中に設けることが望ましい。 ガイドスリーブ25
    0は、多数の有用な目的を果たす。 最初に、ガイドスリーブ250は弾丸234を閉鎖ディスク222及び作動プレート194に向けて導き、次に導火線238がその作動力のかなりの部分を弾丸234に伝達することができる。 更に、ガイドスリーブ250は、弾丸234の全体がスリーブ250を抜けて作動プレート194に衝撃を与えることのないように、十分な長さを有している。
    従って、弾丸234は、作動プレート194に衝突した後に跳ね返ってスリーブ250の中に戻り、これにより膨張の間にスリーブの中に保持される。 これに関連して、弾丸234はガイドスリーブ250の中に位置することができ、従って、導火線238の作動の後に弾丸2
    34は、インフレータ170からのガス流に入るとインフレータ170の性能に悪影響を及ぼす恐れがある作動による副生物の大部分を保持する。 更に、スリーブ25
    0は弾丸234の溝258に係合するかしめ部254を有することができ、これにより導火線238の点火の前に弾丸234を適所に保持する助けをする。

    【0074】本発明の二機能弾丸の実施例は、インフレータ170の全体的な性能に悪影響を及ぼすことなく、
    ガス発生器178の点火に関する複雑性を減少させる。
    当業界においては周知のように、熱いガス(すなわち推進剤186の燃焼により生ずる温度の高いガス)を供給する前に冷たいガス(すなわち周囲温度のガス)によって包囲体158(図1)を最初にある程度まで膨張させることが望ましい。 これにより、包囲体158の熱劣化を低減させるばかりではなく、包囲体158の膨張により、該包囲体自身が包囲体158に接触した人に損傷を与える恐れを低減させる。 二機能弾丸の実施例は、ガス発生器178の点火を遅延させる必要なく、この所望の特徴を提供する。

    【0075】上記所望の態様の膨張を生ずるインフレータ170の作用全般に関して、弾丸234が一旦閉鎖ディスク222を通過すると、圧力容器174の中に収容されたガスが上述の通路を介して包囲体158へ流れ始める。 しかしながら、弾丸234はまた作動プレート1
    94に衝突し、他の状況あるいは状態を監視することなく、その後間もなく推進剤186を点火させる。 ガス発生器178がその作動圧力に到達する前に、圧力容器1
    74の中の圧力が所定の適度まで下がる(すなわち、ある量の「冷たい」貯蔵ガスが包囲体158に供給される)。 ガス発生器178がその作動圧力に到達すると、
    ガス発生器により発生された推進ガスが最初はピストンとして作用し、ガス発生器の出口210、ディスクハウジングの出口218及び閉鎖ディスク222の間にある「冷たい」貯蔵ガスの部分を圧力容器174から追い出す。 貯蔵ガスのこの「柱状体(コラム)」が一旦圧力容器174から排出されると、次には高い温度にある大量の推進剤のガスだけが包囲体158に供給される。 従って、包囲体158は、推進剤のガスが供給される前に、
    より冷たいガスにより最初に膨張されるので望ましい。

    【0076】多くの構造的な特徴及び作動的なパラメータ(要因)がインフレータ170のこの所望の作用に寄与する。 例えば、ガス発生器の出口210はディスクハウジングの出口218から十分に離れており(圧力容器174からの初期の排出通路)、これにより、推進剤のガスのピストン様作用により包囲体158に供給される「冷たい」ガスの柱状体が存在する。 推進剤のガスにこのピストン様特性を持たせることに関しては、推進剤のガスと貯蔵ガスとの混合が殆ど生じないようにする必要がある(すなわち乱流を殆ど生じさせない)。 この所望の状態には多数の因子が寄与する。 例えば、ガス発生器の出口210は、熱い推進剤のガスを最初はディスクハウジングの出口218及び閉鎖ディスク222から離れる方向に導く。 更に、ガス発生器178が作用する間には(すなわち推進剤186の燃焼の間には)、ガス発生器178の中の圧力は、圧力容器174の中の圧力よりも僅かに約0−20%高い範囲にある。 更に、ガス発生器178は亜音速的に作動する(すなわち、推進剤のガスは、音速よりも低い速度で圧力容器174に供給される)。 その結果、貯蔵ガスと推進剤のガスとの間には全くと言って良いほど乱流が生じない。 従ってその効果により、推進剤のガスは、推進剤のガスが供給される前に、貯蔵ガスの柱状体を包囲体158の中に効果的に押し込める。 図18乃至図20のインフレータ170の作用は、図21及び図22に示す例示的な性能曲線により代表される。 図21の性能曲線は、圧力容器174の中で温度が約21.1°C(70°F)で約211kg/
    cm 2 (3000psi)のゲージ圧力にある初期の貯蔵ガスを基準とした場合の、インフレータ170の作動の際の圧力容器174の中の圧力の発生を図示している。 点Aは、弾丸234が閉鎖ディスク222を貫通した結果、貯蔵ガスが圧力容器174から包囲体158に流れ始める点を示している。 上述のように、弾丸234
    は作動プレート194に衝突し続けて最終的には推進剤186を点火させる。 推進剤186の点火は実際に点A
    と点Bとの間で起こる。 しかしながら、ガス発生器17
    8がまだその作動圧力に達していないので、推進剤18
    6が点火した後の短時間の間、圧力容器174の中の圧力は低下し続ける。 流れが開始してから約5−7ミリ秒後である点Bにおいて、ガス発生器178は十分な量の推進剤のガスを供給し始め、圧力容器174の中の圧力を増加させ始める。 その後、継続する推進剤186の燃焼により圧力容器174の中の圧力は点Cで示すように最大値まで増加するが、この状態は、流れが開始してから約30ミリ秒後に生ずる。 その後、圧力容器174の中の圧力は点Dの最小値まで低下するが、この状態は、
    膨張が始まってから約100ミリ秒後に生ずる。 従って、包囲体158(図1)の完全な膨張はこの間に達成される。

    【0077】インフレータ170に接続された特定の固定壁型の容器(図示せず)の圧力生成曲線は図22に示されており、この曲線は包囲体158に供給される流量及び包囲体の膨張を効果的に表すものである。 点Aにおいて、貯蔵ガスは、効果的には第1の流量で圧力容器1
    74から包囲体158に流れ始める。 点Aと点Bの間で、推進剤186は衝突する弾丸234により作動され、推進剤のガスが、ガス発生器の出口210とディスクハウジングの出口218の間にある冷たいガスの柱状体を圧力容器174から押し出す。 流れが開始してから約20ミリ秒後である点Bにおいて、推進剤のガスは実際に包囲体158の中に入り、これにより圧力の生成速度がより大きな第1のレベルで増大する。 推進剤のガスの包囲体加圧速度は、「冷たい」貯蔵ガスの加圧速度の約3倍である。 その後圧力は点Cまでほぼ一定の速度で上昇し、点Cの後に圧力生成は増加し続けるが、ガス発生器178がその作用の終了に近づくので、若干小さな速度で増加する。 点Dにおいて、最大圧力に達し、その後圧力は若干減少する。

    【0078】図21及び図22の性能曲線は、包囲体1
    58に対する所望の圧力生成従って効果的な流量を示している。 例えば、図22の点A及び点Bの間では、上述の冷たいガスの柱状体(すなわち圧力容器174の中の貯蔵ガス)が包囲体158に供給される。 冷たいガスは、第1の速度で包囲体158の中の圧力を増大させ、
    これにより、包囲体158の熱的な劣化を低減させると共に、包囲体158に接触する人に対する膨張する包囲体の効果を低減させる。 点Bにおいて、高い温度の推進剤のガスが包囲体に供給され、これにより、より高い速度で圧力生成を行って包囲体158を効果的に「硬化」
    させることができるが、この高い速度での圧力生成も、
    包囲体と人との間の接触が達成された後にのみ生ずる。

    【0079】図23及び図24を参照すると、本発明の他の実施例は、例えば上述のタイプの弾丸を用いることにより作動させることのできるガス発生器用の点火アセンブリである。 この点に関して、点火アセンブリは、弾丸から上述の如き衝撃プライマ等の作動装置へ、運動エネルギを効果的に伝達するが、ガス発生器の中に保有された推進剤が事前点火する可能性を低減させる。 更に、
    点火アセンブリは、ガス発生器のハウジングを封止し、
    これにより推進剤のガスが所望の態様でガス発生器の出口を通って適正に導かれるようにする逆止弁の役割を果たし、この逆止弁はインフレータの性能の安定性を改善する。 すなわち、推進剤のガスは第1の方向に流れることは許容されるが、第1の方向とは反対の方向の第2の方向へ流れることは上記逆止弁の作用により実質的に阻止される。

    【0080】本発明の点火アセンブリの一実施例を含むインフレータ270が図23及び図24に示されている。 インフレータ270の全体的な作用及び構造は、本発明の二機能弾丸の実施例に関して上に説明した図18
    乃至図20のインフレータ170とほぼ同様であり、従ってここではインフレータ270の作用的な及び構造的な特徴のみを説明する。

    【0081】インフレータ270は、包囲体158(図1)に加圧された貯蔵ガスを供給するための圧力容器2
    74と、上述の態様で推進剤のガスを提供するガス発生器326とを用いている。 従って、圧力容器274はオリフィスボス278に接続されており、オリフィスボス278の中に適宜に設けられたオリフィス閉鎖ディスク282が、最初に貯蔵ガスを圧力容器274の中に保持する。 また、弾丸294が、胴部298の中のオリフィス閉鎖ディスク282の凸面形状の側部286の上に位置しており、該弾丸294は、上述のように膨張式安全装置22(図1)の検知器26からの信号を受信した場合におけるように、導火線302の作動により発生する推進力を利用し、オリフィス閉鎖ディスク282を穿刺しこれを貫通する。 圧力容器274の中の加圧された貯蔵ガスは従って、オリフィス閉鎖ディスク282の凹面形状の側部290の上でオリフィスボス278に接続されたオリフィススリーブ306の複数のオリフィス31
    0を通過し、ディフューザ314のスクリーン322及びオリフィス318並びに導管154(必要であれば)
    を通って包囲体158(図1)へ流れる。

    【0082】また図23に示すように、好ましい弾丸2
    94は、弾丸の頭部296を備え、この頭部は、該頭部296の一端部は本体300と一体に形成されており、
    また弾丸294は、本体300の反対側の端部の基部3
    04を備えている。 弾丸の頭部296は、上述の弾丸2
    34の頭部と同様の形状になされており、従って、そのような形状に伴う利点を提供する。 しかしながら、本体300は上述の実施例と比較して変更されており、該本体300は、上記実施例に比較して小さな直径すなわち幅を有しており、これにより、ディスク38に関して上に説明した態様でのオリフィス閉鎖ディスク282の制御された分離を容易にする。 本体300の直径は、図2
    5から分かるように本体300に接続された部分である頭部296の最大直径を有する部分の直径の約2分の1
    よりも小さいのが好ましい。 オリフィス閉鎖ディスク2
    82が25.4mm(1インチ)の直径を有している実施例においては、弾丸の頭部296は約12.7mm
    (約0.5インチ)の直径を有し、本体300は、約4.8mm(約3/16インチ)の直径を有している。
    基部304はまた図23に示すように、封止リング31
    2を収容するための溝308を備えている。 封止リング312は、インフレータ270が点火されるまで又は点火されない場合に、ガス流が弾丸294を通過するのを防止する助けをする封止機能を提供する。

    【0083】ガス発生器326すなわちガス発生器ハウジング330は、オリフィススリーブ306に適宜に連結され、本発明の点火アセンブリ358により点火された時に包囲体158(図1)への流れを増大させるためのガス発生推進剤334を保有している。 推進剤334
    は、絶縁装置350及びストレーナ354によってガス発生ハウジング330の排出端部348のガス発生器の出口346から離隔された、推進剤保持装置338の中に収容されている。 ストレーナ354を設けるのが望ましい。 その理由は、一実施例においては、推進剤334
    が推進剤保持装置338の中にピン342により保持される固体であるからである。 従って、推進剤334が点火アセンブリ358により点火されると、ストレーナ3
    54は、膨張式安全装置22(図1)の性能に悪影響を及ぼす恐れのある推進剤334が、出口346を介してガス発生器326から流れの中に入る可能性を低減する。

    【0084】点火アセンブリ358は、弾丸294と推進剤334との間でガス発生器ハウジング330の中に少なくとも部分的に設けられる。 点火アセンブリ358
    は一般に、作動ピストン362と、少なくとも1つの衝撃プライマ366と、活性化剤の役割を果たす点火材料370とを備えている。 より詳細には、作動保持装置3
    74は、オリフィススリーブ306の端部分及びガス発生器ハウジング330の内壁に係合しており、これにより、作動保持装置374は、作動ピストン362の少なくとも一部を部分的に収容しかつ該作動ピストンを案内するように機能する。 プライマホルダ378は、作動保持装置374の端部に係合すると共に、点火材料370
    にほぼ隣接して設けられる複数の衝撃プライマ366を備えており、点火材料370は、コップ382によって、プライマホルダ378の一部の中に保持されている。 これら各々の衝撃プライマ366は以下に説明するように、作動ピストン362の衝撃部分にほぼ整合されている。 保持装置386及びストレーナ390は、プライマホルダ378に係合し、点火アセンブリ358の推進剤334への相互接続を完遂している。 ガス発生器のハウジング330をかしめ作用等によりオリフィススリーブ306に取り付けた場合には、ガス発生器のハウジング330が長くなる傾向がある。 従って、上述の要素の確実な相互作用を維持するために、波型のバネワッシャ394を保持装置すなわちリテーナ386とストレーナ390の間に設けるのが好ましいが、ワッシャ394
    をガス発生器のハウジング330の中のいずれの箇所に設けても上記所望の機能を達成することができる。

    【0085】作動ピストン362は、作動保持装置37
    4の中に摺動可能に設けられると共に、プライマ366
    にほぼ整合された連続的な縁部すなわちリムを有する突出部材398を備えている。 理解され得るように、複数の突出部材(図示せず)により、連続的な縁部を有する突出部材398を置き換えることができる。 係止ピン4
    02が、作動保持装置374及び作動ピストン362の一部を貫通し、作動ピストン362の位置を最初はプライマ366から離れた位置に保持している。 従って、作動ピストン362が不用意に衝撃プライマ366と係合してガス発生器326を作動させる可能性が低減される。 しかしながら、弾丸294がオリフィス閉鎖ディスク282を通過した後に、弾丸294が作動ピストン3
    62に衝突して保持ピン402をせん断し、これにより作動ピストン362が実質的に保持ピンから解放される。 従って、弾丸294の運動エネルギは作動ピストン362に次いでプライマ366に効果的に伝達され、これにより、十分な衝撃が確立されてプライマ366が点火材料370従って推進剤334を点火する。 その後インフレータ270の作用は、インフレータ170に関して上で説明したように継続する。 理解され得るように、
    保持ピン402は保持リング(図示せず)とすることができる。

    【0086】作動保持装置374及び作動ピストン36
    2の相互作用に基づき、多くの設計的な変形を用いることができることは理解されよう。 例えば、作動ピストン362を解放する力は、衝突する弾丸294に対して貯蔵ガスを最初に解放する際に生ずる差圧とすることができ、また、保持ピン402以外の種々の他の保持装置を用いることができるが、その場合には、そのような保持装置が、衝撃プライマ366に対する運動エネルギの伝達に悪影響を及ぼさないように、作動ピストン362を十分に解放することが条件となる。

    【0087】弾丸294からプライマ366への運動エネルギの伝達をより効果的にするために、作動保持装置374に解放オリフィス406を設け、これにより、プライマ366に向かう作動ピストン362の運動に対する抵抗を低減する。 より詳細には、プライマホルダ37
    8/プライマ366と作動ピストン362との間の空気又は他の気体が、解放オリフィス406を介して押し出される。 理解され得るように、解放オリフィス406は必ずしも必要ではなく、その理由は、作動保持装置37
    4に摺動可能に係合する作動ピストン362の部分の間には何等かの空隙が存在し、そのような空隙を介して上述の如き空気及び/又は他の気体が逃げることができるからである。

    【0088】理解され得るように、作動ピストン362
    は、弾丸294による衝撃を受けた時に、かなり大きな衝撃圧力を受ける。 例えば、そのような圧力は、約21
    1乃至約352kg/cm 2 (約3,000psi乃至約5,000psi)の範囲とすることができる。 従って、作動ピストン362は、このような衝撃に耐えるに十分な厚みの受容部分360を備える。 一実施例においては、この厚みは約5.1mm乃至約10.2mm(約0.2インチ乃至約0.4インチ)の範囲であり、10
    18スチールあるいは17−4PHのSST等の材料が、作動ピストン362の構造に用いられる。 作動ピストン362のこれらの特性にもかかわらず、保持ピン4
    02を用いて作動ピストン362に係合させ該作動ピストンの位置を保持させるので、受容部分360の厚みは、衝撃プライマ366への運動エネルギの伝達に殆ど影響を及ぼさない。

    【0089】衝撃プライマ366の基本的な機能は、点火材料370を点火させることである。 しかしながら、
    ガス発生器326の作用の間に、プライマ366が腐食を受け、推進剤334の燃焼により発生するガスがプライマ366を通過することを許容する。 このように推進剤のガスが漏洩することはいずれにしても、インフレータ270の性能の安定性に悪影響を及ぼす。 しかしながらこのガスは、連続的なリムを有する突出部材398及び該連続的なリムを有する突出部材398の内側に位置する凹面形状の部分364を含むプライマ366に面する作動ピストン362の全領域に作用し、該ピストン3
    62を動かして以下に述べる封止機能をもたらすのが望ましい。 理解され得るように、凹面形状の部分364
    を、連続的なリムを有する突出部材398が十分に伸びてプライマ366に係合するのを許容する別の形状によって置き換えることができる。

    【0090】作動保持装置374は、保持装置の肩部4
    10を備えるのが望ましく、該肩部410は、作動ピストン362のピストン肩部414に係合してガス発生器のハウジング330に対するシールを提供し、該シールはガスのいかなる漏洩をも実質的に制限する。 これらの肩部410、414を画成するのを助けまたいかなる漏洩する推進剤のガスが作用する十分な表面を提供するために、プライマ366に面する作動ピストン362の断面積は、弾丸294により係合される受容部分360の断面積よりも大きいのが好ましい。 従って、凹面形状の部分364、連続的なリムを有する突出部材398、及びこれらの間の領域は、プライマ366を通過するガスの力が作用して作動ピストン362をプライマ366から離れる方向に動かすための適宜な表面を提供する。 作動ピストン362がこのように移動すると、ピストンの肩部414は保持装置の肩部410に圧接され、これによりこの領域においてガス発生器のハウジング330を実質的に封止する。 従って、インフレータ270の性能はより安定しており、その理由は、ガス発生器の推進剤のガスがガス発生器の出口346を介して導かれ、これにより上述の態様の作動を行うからである。

    【0091】本発明に関する上述の記載は、例示及び説明の目的で行ったものである。 また上記記載は、本発明を上に開示した形態に限定することを意図するものではない。 従って、上記開示、及び本発明に関連する技術並びに知識の水準にある変形及び変更は、本発明の範囲に入るものである。 また上に説明した実施例は、本発明を実施するための現在認識されている最良の態様を説明するために、また当業者が本発明を上述のあるいは他の実施例において利用することを可能とするために、本発明の特定の用途又は使用により必要とされる種々の変更例と共に記載したものである。 特許請求の範囲は、従来技術により許される範囲において、代替的な実施例を含むものと解釈されるべきである。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】自動車用の代表的な膨張式安全装置のブロックダイアグラムである。

    【図2】本発明の単一機能弾丸の実施例と共に用いることのできる1つの形式のインフレータの長手方向の断面図である。

    【図3】弾丸の一実施例の斜視図である。

    【図4】図3の弾丸の側面図である。

    【図5】図3の弾丸の平面図である。

    【図6】図3の弾丸の隣接面の交差部を示す図である。

    【図7】図3の弾丸をその底部から見た場合の第2の斜視図である。

    【図8】図3の弾丸の底面図である。

    【図9】本発明に用いるのに有用な離隔ディスクの好ましい構成を示す斜視図である。

    【図10】図9のディスクを線10−10に沿って示す断面図である。

    【図11】単一機能弾丸の一実施例が通過した後の図9
    の離隔ディスクを示す斜視図である。

    【図12】単一機能弾丸の他の実施例が通過した後の図9の離隔ディスクを示す斜視図である。

    【図13】尖った先端及び該先端を形成するテーパ状の滑らかな表面を有する弾丸の斜視図である。

    【図14】図13の弾丸が通過した後の図9の離隔ディスクの予想される形状を示す斜視図である。

    【図15】図9の離隔ディスクに向けて発射される前の単一機能弾丸の一実施例の側面図である。

    【図16】図9の離隔ディスクに最初に接触してこれを穿刺する際の単一機能弾丸の一実施例の側面図である。

    【図17】図9の離隔ディスクを完全に穿刺しこれを貫通した後の単一機能弾丸の一実施例の側面図である。

    【図18】本発明の他の実施例による二機能弾丸を用いたインフレータの長手方向の断面図である。

    【図19】二機能弾丸が圧力容器の封止部を貫通した後の図18のインフレータの断面図である。

    【図20】二機能弾丸が気体発生器の作動部分に衝突した後の図18のインフレータの断面図である。

    【図21】図18のインフレータの作用の例示的な性能曲線であって、膨張の間の圧力容器の中の圧力変動を示している。

    【図22】図18のインフレータの作用の例示的な性能曲線であって、インフレータと相互に接続された固定壁型の容器の圧力発生速度を示している。

    【図23】本発明の点火アセンブリの一実施例を用いた気体発生器の断面図である。

    【図24】係留ピンにより係合されている作動ピストンの拡大断面図である。

    【図25】弾丸の頭部に比較して直径が減少されている本体を有する弾丸の実施例の側面図である。

    【符号の説明】

    22 膨張式安全装置 30 インフレータ 34 ハウジング 38 離隔ディスク 58 作動アセンブリ 74 点火源 82 弾丸 110 ガス発生器 146 推進剤 158 包囲体

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・ジェイ・バット アメリカ合衆国コロラド州80121,リトル トン,サウス・クック・ウェイ 6581 (72)発明者 ブレント・エイ・パークス アメリカ合衆国コロラド州80111,イング ルウッド,サウス・マコン・ウェイ 6153

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