銃におけるボルトストップ緩衝装置

申请号 JP2016576088 申请日 2015-05-12 公开(公告)号 JP6229082B2 公开(公告)日 2017-11-08
申请人 株式会社東京マルイ; 发明人 岩澤 巌;
摘要
权利要求

銃本体に前進後退可能に設けられ、銃の操作に伴って後退しながらバッファースプリングを蓄圧し、その蓄圧の解放によって前進するボルトと、前進しているボルトを停止させるボルトストップ部材とを備えた銃におけるボルトストップ装置であって、 ボルトストップ部材は、前進するボルトと係合する係合手段を有し、上記係合手段によってボルトストップ部材に加えられる衝撃力を緩衝するために、ボルトストップ部材に作用する緩衝手段を具備し、 前記銃本体は、銃の操作に伴って装弾部に供給される弾丸の有無を検出する弾切れ検出手段を有し、上記弾切れ検出手段は、弾切れを検出することによって、ボルトストップ部材をボルトが前進後進する軌道内に突出させ、係合手段による係合を可能にするためのリンク機構を具備したことを特徴とする銃におけるボルトストップ緩衝装置。銃本体に前進後退可能に設けられ、銃の操作に伴って後退しながらバッファースプリングを蓄圧し、その蓄圧力の解放によって前進するボルトと、前進しているボルトを停止させるボルトストップ部材とを備えた銃におけるボルトストップ装置であって、 ボルトストップ部材は、前進するボルトと係合する係合手段を有し、上記係合手段によってボルトストップ部材に加えられる衝撃力を緩衝するために、ボルトストップ部材に作用する緩衝手段を具備し、 前記ボルトストップ部材は、ボルトと緩衝手段の間に介在するボルトストップ部を構成しており、銃本体側に設けられた軸が配置される前後方向の長孔を有し、上記長孔の範囲で移動可能、かつ、軸を中心として回転可能に設けられ、係合手段はボルトに設けられた係合部とボルトストップ部材に設けられた係合相手部とから成り、ボルトの前進方向に対して鋭を構成するように設けられている銃におけるボルトストップ緩衝装置。ボルトストップ部材は、ボルトと緩衝手段の間に介在するボルトストップ部を構成しており、銃本体側に設けられた軸が配置される前後方向の長孔を有し、上記長孔の範囲で移動可能、かつ、軸を中心として回転可能に設けられ、係合手段はボルトに設けられた係合部とボルトストップ部材に設けられた係合相手部とから成り、ボルトの前進方向に対して鋭角を構成するように設けられている 請求項1記載の銃におけるボルトストップ緩衝装置。

说明书全文

本発明は、銃本体に前進後退可能に設けられ、銃の操作に伴ってバッファースプリングを蓄圧し、その解放によって前進するボルトと、上記前進中のボルトを停止させるボルトストップとを備えたボルトストップ緩衝装置に関するものである。

銃の操作に伴ってバッファースプリングを蓄圧し、その解放によって前進するボルトを有する銃には、ボルトストップ機構が用いられている。例えば、模擬銃ではガスブローバック式の銃が該当し、実弾を発射する銃(以下、実銃という。)では自動装填式銃が該当する。これらのタイプの銃ではボルトの前進により弾丸を装填するためにボルトストップに衝突して停止する。このような衝突、停止動作は、弾丸を撃ち尽くしたときにその都度繰り返される。

従って、ボルトが衝突するごとにボルトストップに大きな衝撃が加わり、金属疲労を起こし易く、最悪の場合にはボルトストップを破損させることがある。ボルトストップの破損は、それが直ちに発射不能につながることは少ないとしても問題となる事項である。この問題は実銃においても指摘されることであるが、実銃を模してデザインされる模擬銃にも共通して起こることである。しかし、この問題について改善策があるかどうかは現時点において把握することができない。

先行技術を調査すると、例えば特開平10−197200号公報の発明には、トリガーが引かれているか否かにより第1及び第2の位置を選択的にとる係止部材と、銃身に沿って前進するとき、装弾室への弾丸供給と弾丸の発射とがガス圧により行われる状態となすとともに、ガス圧が供給されて後退に転じ、銃身に沿って後退するとき、装弾室への弾丸供給のための準備状態となすとともに、ガス圧が排出されて前進に転じる進退ボルトと、進退ボルトに設けられ、その前進により第1の位置をとる係止部材に当接して進退ボルトを待機位置に維持する前方当接部と、突出部を有して進退ボルトに移動可能に配され、それに対して後方に移動した位置において、突出部が第1の位置をとる係止部際に当接して進退ボルトを中間停止位置に維持する可動レバー部材とを備えた発明が開示されている。

上記発明の玩具銃では、係止部材とよばれるボルトストップに当接することによりボルトの前進が阻止されるが、係止部材は軸により銃本体に回転可能に軸支されている。このため、前進しているボルトが当接する際の衝撃は、直に係止部材にかかることになり、ボルトの質量は比較的大きいことから、その衝撃がボルトストップに繰り返し加えられると耐え切れず、従来のボルトストップと同様にやがて破損してしまうおそれがある。

特開平10−197200号公報

本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、ボルトの衝撃を緩衝することによってボルトストップ部材に繰り返し衝撃が加えられても、極めて破損し難く、高い耐久性を発揮する銃におけるボルトストップ緩衝装置を提供することである。また、本発明の他の課題は、弾丸が打ち終わったことを検出し、マガジンを交換して再装填するときにボルトストップ部材をボルトとの係合から解除することによって、再び装填レバー(チャージングハンドル)を操作する必要がなくなるという機能を維持しつつ、ボルトの前進による衝撃を吸収できるようにすることである。

前記の課題を解決するため、本発明は、銃本体に前進後退可能に設けられ、銃の操作に伴って後退しながらバッファースプリングを蓄圧し、その蓄圧の解放によって前進するボルトと、前進しているボルトを停止させるとボルトストップ部材を備えた銃におけるボルトストップ装置として、ボルトストップ部材は、前進するボルトと係合する係合手段を有し、上記係合手段によってボルトストップ部材に加えられる衝撃力を緩衝するために、ボルトストップ部材に作用する緩衝手段を具備して構成するという手段を講じたものである。

本発明に係るボルトストップ装置を適用する銃は、ガスガン等に代表されるいわゆる模擬銃を主な対象として想定されている。しかし、圧縮ガスを使用する模擬銃も火薬の燃焼によるガスを使用する実銃も、ガスをブロックするボルトを有する点において変わりはなく、従って、実銃についても本発明の実施対象となり得るものである。また、この種の銃には、いわゆる単射専用銃と連射、単射切換え式の銃があり、実施形態は後者の銃を対象としたものであるが、前者の銃についても本発明を適用することは可能である。

そして、ボルトストップ部材は、前進するボルトと係合する係合手段を有し、上記係合手段によってボルトストップ部材に加えられる衝撃力を緩衝するために、ボルトストップ部材に直接又は間接に作用する緩衝手段を具備したことを特徴とする。この構成は最小限度の構成要件として、ボルトストップ部材およびこれに作用する緩衝手段とがあれば、本発明が成立するという趣旨であり、これら以外の要件を本発明に付加し得ることは当然である。

例えば、銃本体が、銃の操作に伴って装弾部に供給される弾丸の有無を検出する弾切れ検出手段を有し、上記弾切れ検出手段は、弾切れを検出することによって、ボルトストップ部を構成するボルトストップ部材をボルトが前進後進する軌道内に突出させ、係合手段による係合を可能にするためのリンク機構を具備しているという構成は、本発明において好ましいものである。すなわち、連射、単射切換え式の銃では、連射で撃つと弾の減りが早くマガジンの交換が多くなりボルトストップのかかる頻度が増えるので、本発明による衝撃の緩衝がより効果的にあらわれる。

また、ボルトストップ部材を構成するボルトストップ部材が、銃本体側に設けられた軸が配置される前後方向の長孔を有し、上記長孔の範囲で移動可能、かつ、軸を中心として回転可能に設けられ、係合手段はボルトに設けられた係合部とボルトストップ部材に設けられた係合相手部とから成り、ボルトの前進方向に対して鋭を構成するように設けられているものも好ましいものである。係合が確実になされることによって、所期の目的を十分に達成することができる。

本発明は以上のように構成され、かつ、作用するものであるから、ボルトの衝撃を緩衝手段によって吸収、緩和することができ、ボルトストップ部材に繰り返し衝撃が加えられても極めて破損し難く、高い耐久性を発揮する銃におけるボルトストップ緩衝装置を提供することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、弾丸が打ち終わったことを検出し、マガジンを交換して再装填するときにボルトストップ部材をボルトとの係合から解除することによって、再び装填レバー(チャージングハンドル)を操作する必要がなくなるという機能を維持しつつ、ボルトの前進による衝撃を吸収できる。

本発明に係る銃におけるボルトストップ緩衝装置を適用したガスガンの一例を示す断面説明図である。

同上の装置の要部を拡大して示す断面説明図である。

図2のIII−III線における横断面図である。

同上の装置の作動状態を示すもので、Aは最終弾丸の発射前の状態、Bは最終弾丸の発射された状態をそれぞれ示す断面説明図である。

同上の装置の作動状態を示すもので、Aはボルトが最大限後退した状態、Bはボルトが前進を開始した状態をそれぞれ示す断面説明図である。

同上の装置の作動状態を示すもので、Aはボルトストップ部材の最前進位置を示す状態、Bは緩衝スプリングによって長孔の範囲でボルトストップ部材が後退した状態をそれぞれ示す断面説明図である。

ガスガンの作動を示すもので、Aはボルトを手動で後退させた状態、Bは手動操作で弾丸が装填された状態をそれぞれ示す断面説明図である。

同じくAは弾丸が発射された状態、Bはボルトが後退を開始した状態をそれぞれ示す断面説明図である。

同じくAはボルトによりハンマーをコッキングしている状態、Bはピストンが後退を開始した状態をそれぞれ示す断面説明図である。

同じくAはボルトが最大後退位置にある状態、Bはボルトが前進するとともに弾丸が装弾部に供給された状態をそれぞれ示す断面説明図である。

以下図示の実施形態を参照して本発明をより詳細に説明する。本発明の銃におけるボルトストップ緩衝装置はあらゆる銃に適用されるもので、ガスガンに限定されるものではないが、便宜上、ガスガンの概略について初めに説明する。

図1に模擬銃Gとして例示されているのはブローバック式ガスガンである。図示の模擬銃Gは銃本体の中央部に発射装置部10を具備し、銃本体10の前部にバレル部11、銃本体の下部にマガジン部22、銃本体の後部にブローバック用ボルト29のための可動体部30をそれぞれ具備している。

バレル部11には装弾部12が後部に設けられており、装弾部12に装填される弾丸Bに向けて、発射装置部10に設けられた差圧弁機構20を介してガスが噴射され、その結果、弾丸Bが発射される。発射装置部10にはピストン機構部15があり、ピストン機構部15はバレル軸線方向へ移動可能に配置されたピストン13と、ピストン13の移動空間の役を果たすシリンダー14とを有している。ピストン13は、弾丸Bに対してガスを噴射するノズル部16を先端に有し、かつ、シリンダー14の閉塞端に向けた開口を後端に有する中空筒状に形成されている。

ピストン13には、内外を通じるガス流入口17が前端寄りの下部に開口しており、ガス流入口17の付近に上記の差圧弁機構20が設けられている。差圧弁機構20は先端のノズル部16との間に配置された差圧弁18と、差圧弁18の前進後退が可能な弁室19と、弁室内に配置された戻しばね21とを有する。差圧弁18は、その外径が弁室19の内径に対して滑り嵌め程度の寸法差となるように設定されている。

また、差圧弁18は先端側が開口し、後端側が閉じた筒型弁から成り、その周面にガス通孔18aを有している。よって、戻しばね21により後退して装弾部12にある弾丸Bを発射させ、その後も継続して流入するガスの圧力により前進して閉弁するとともに、ガス流をシリンダー14に導く構成である。このように圧力差によって弁体の作動方向が変わるため、差圧弁と称する。ガス流はシリンダー14に導かれて、ブローバック動作に利用される。

ガスは、マガジン部22内のガスタンク23に充填されており、そこから後述するトリガー操作に伴い、開閉弁機構25を介してピストン機構部15に供給される。開閉弁機構25は、ガスタンク23からピストン機構部15へ至るガス流路24、ガス流路24の開閉のために設けられた開閉弁26を有し、ガス流路端の流出口27からガスを流入口17へ流出させる。なお、開閉弁26は、トリガー操作により作動する後述のハンマー40によって打圧されるように、外部に露出した弁軸26aを有している。

ピストン機構部15において、ピストン13は引っ張りばねから成るリターンスプリング28によって後方へ付勢されている。上記ピストンリターンスプリング28は前端部がピストン側の部材59aに、後端部がシリンダー側の部材59bに取り付けられている。ボルト29は、模擬的なリコイルショックを体感させるために必要な質量を備えており、実施形態のボルト29は前後に細長い軸状に形成されている。なお、シリンダー14は、ボルト29と一体的に設けられており、従って、シリンダー14の質量はボルト29に加わることになる。

上記ボルト29の後方には可動体部30が配置されており、可動体部30は銃本体に取り付けたケーシング30cと、その内部に配置された可動軸30aとを有している。可動軸30aはケーシング30cの内部にて前進後退可能に設けられており、軸頭30bにてボルト29の後端と係合するように構成されている。図中、符号31はバッファースプリングを示しており、バッファースプリング31は可動軸30aを前進方向へ付勢し、それによって最終的にはピストン機構部15を発射準備状態に置くように作用する。また、バッファースプリング31はボルト29を後退動作時に受け止め、リコイルショック終了時の衝撃を調整する手段としても機能する。

発射装置部10の作動のために、トリガー32が設けられている。トリガー32は二部材32A、32Bを組み合わせて構成されており、トリガー部材32Aは操作部、また、トリガー部材32Bは被操作部材である。これらの二部材32A、32Bは軸33を中心に回転可能であり、トリガースプリング34によって、相互に離間する方向に付勢されている。35はディスコネクターであり、トリガー部材32Aに同軸に設けられて連射、単射の選択を可能にするもので、セレクター36により制御される。

トリガーの部材32Aは、前述のハンマー40をコッキング状態に係止する。37はコッキング状態に保持するトリガー側の係止部、38は同じくハンマー側の係止部を示す。39はハンマースプリングで、コッキング時に蓄圧状態になる。従って、トリガー32Aを操作すると、係止部37、38の係合が解除されるのでハンマースプリング39の蓄圧も解放され、ハンマー40が作動することになる。

上記ハンマー40は、コッキング時にシア41との係合状態に置かれる。シア41にはばね42が作用しており、ハンマー40のコッキングを維持する方向に作用する。ハンマー40はシリンダー14の後退によってコッキングされる。そのため、シリンダー14の後端の下部に、カム状の係合突部43が設けてあり、ハンマー40には係合突部44が軸支されている。符号45はハンマー40の打圧部であり、ノッカー46を介して弁軸26aを駆動する。47はボルト突部を示しており、シア41をシアばね42に抗して回転させ、コッキング状態にあるハンマー40を回転可能にするものである。48は装填レバー(チャージングハンドル)を示しており、シリンダー14の前側に係合する操作によって後退させ、ハンマー40をコッキングすることができる。突部44、47は単なる突部でもロールでもどちらでも良い。

本発明に係る銃におけるボルトストップ緩衝装置は、図2に詳細に実施形態を示している。この実施形態のガスガンは、緩衝装置の主要部が銃本体の右側に位置しているため、便宜上、図2、図4〜図6では銃本体も図1等とは逆に右向きに図示している。 実施形態のボルトストップ緩衝装置は、銃の操作に伴って蓄圧され、バッファースプリング31の解放によって前進するボルト29と、上記前進しているボルト29を停止させるボルトストップ部材62とを備えた構成を有する。特に、実施形態のものは弾切れ検出手段51の作動によって、ボルト29が前進後退する軌道内Xにボルトストップ部材62を突出させる構成を有し、緩衝手段70を用いて、前進に転じたボルト29と前記ボルトストップ部材62が衝突したときに生じる衝撃を吸収するものである。

マガジン部22に装填されている最後の弾丸Bが発射されたことを検出するために、マガジン部22内に装備され弾丸によって圧縮されていたフォロワースプリング57がその弾発力によって伸びると、それにつれて上昇するフォロワー53が設けられている。フォロワー53はフォロワーレバー53aを有し、上記レバー53aはフォロワーリンク54の一端部54aと係合し、弾切れ検出手段51の前段部分を構成する。実施形態として図示した弾切れ検出手段51は、さらに、軸部54bによって搖動可能に軸支されているフォロワーリンク54と中間リンク55とを有している。

フォロワーリンク54の他端部54cは、中間リンク55の一端部55aと係合しており、フォロワーリンク54と中間リンク55は、それぞれ軸部54b、55bによって搖動可能に軸支されている。中間リンク55の他端部55cはボルトストップ部60との間の中継部材61の一端部61aと係合し、ボルトストップ部60を、ボルト29が前進後進する軌道X内に突出させる。フォロワーリンク54と中間リンク55は、弾切れ検出手段51とボルトストップ部60とを連絡するリンク機構56を構成する。

上記中継部材61は、ボルトストップ部材62などと共にボルトストップ部60を構成する。中継部材61の一端部61aは、前記中間リンク55の他端部55cと係合し、中継部材61の他端部61bは、ボルトストップ部材62と溝部62aにて係合している。従って、弾切れ検出手段51が弾切れを検出すると、装弾部12に配置された弾丸Bが撃ち尽くされたという弾切れ情報がリンク機構56によってボルトストップ部60まで順次伝達されることになる。

図3を参照すると、中継部材61は銃本体の左右にわたる部材として図示されており、左側の軸61cによって銃本体側に軸支され、軸周りの回転によって右側の部分(図2にクランク状にあらわれている。)が上下動可能になるように設けられている。また、中継部材61は、軸61cの上部に位置して銃本体左側にあらわれる操作部61dを有し、下部にはばね61eが作用していて、中継部材61を定位置に戻し、かつ、後述するボルトストップ部材62を押し下げるように設けられている。

ボルトストップ部材62には前後方向の長孔62bが形成され、軸65によって銃本体側に搖動可能に軸支されており、従って、ボルトストップ部材62は長孔62b内におけるストローク量だけ移動可能であり、かつ、軸65を中心に回転可能である。この構成の結果、リンク機構56により、中継部材61を介して、ボルトストップ部材62の係合相手部62cの側が上昇し、ボルト29が前進後進する軌道X内に突出可能となる。

ボルト29には係合手段59の一方として係合部29aが設けられており、この係合部29aは、係合手段59の他方として上記ボルトストップ部材62に設けられている係合相手部62cと係合可能に構成されている。特に、実施形態の上記係合部29aと係合相手部62cとは、ボルト29の前進方向に対して鋭角を構成する傾斜部として設けられている。上記係合部29aと係合相手部62cの傾斜は、ボルトストップ部材62が前後方向の長孔62bにて軸65によって軸支されているため、係合部29aと係合相手部62cを直角にした場合に起こり得る、係合の不安定を解消し確実化を図る意図である。

前記ボルトストップ部60には緩衝手段70が作用している。実施形態の緩衝手段70は、緩衝リンク67と、銃本体側の取付け部66に前後方向へ移動可能に組み込まれた緩衝軸68及び緩衝スプリング69を有している。上記緩衝リンク67は軸67bにて銃本体側に揺動可能に軸支されており、一端がボルトストップ部材62の前部係合部62dに係合し、他端は緩衝軸68の先端に係合する。よって、ボルト29の前進に伴う衝突時にボルトストップ部62が銃口方向へ移動する衝撃が緩衝手段70に伝達される。

なお、中継部材61とボルトストップ部材62は、銃口から銃床の方向に並んでいるため、ボルト29が前進する際にボルトストップ部60におけるボルトストップ部材62と衝突するものの、中継部材61はボルト29に接触しない形状であり、ボルトストップ部材62が最大移動時でも接触しない形状であるから、中継部材61には直接接触しない。ボルトストップ部材62は長孔62bにて軸65と係合しているために、長孔62bの長さを最大限度として移動可能である。最大移動時、ボルトストップ部材62の溝部62aに、中継部材61の他端部61bがさらに入り込む状態となる。

このように構成された本発明の銃におけるボルトストップ緩衝装置において、最終の弾丸Bが装弾部12にある状態において(図4A)、弾丸Bが発射され、マガジン部22の弾丸Bが空になると、ボルト29が後退を開始し、フォロワー53がフォロワースプリング57の弾発力によって装弾部12の後方付近の最高位置まで上昇し、フォロワーレバー53aと係合するフォロワーリンク54の一端部54aが押し上げられる(図4B)。この押し上げに伴う動作は、フォロワーリンク54から中間リンク55及び中継部材61を介してボルトストップ部材62にまで伝達される。

ボルト29が最大限後退した状態になると(図5A)、フォロワー53は最高位置まで上昇を完了し、上記リンク機構56の伝達作用によってボルトストップ部材62の作動が完了する。その結果、ボルトストップ部材62は軸65を中心に回転し、先端側が中継部材61によって押し上げられ、傾斜部から成る係合相手部62cは、ボルト29が前進後進する軌道X内に突出する。ボルト29は、後退に伴って蓄圧されたバッファースプリング31の弾発力を受けて前進に転じ、係合部29aと係合相手部62cが傾斜部にて係合する(図5B)。

ボルト29がさらに前進すると、ボルトストップ部材62は係合手段59によって前方へ連行され、軸65は配置されている長孔62bの前端から後端に移動する(図6A)。ボルトストップ部材62が上記移動をする間に、その前部係合部62dが係合している緩衝リンク67を一端部67aにて押圧し、他端67cにて係合している緩衝軸68を押圧する。よって、ボルト29の前進に伴う衝突時にボルトストップ部62が銃口方向へ移動する衝撃が緩衝手段70に吸収され、ボルト29は緩やかに停止する。次いで、緩衝スプリング69の弾性力によってボルトストップ部材62が後方へ押し戻され、ボルト29は図5Bの位置まで後退し、緩衝装置の作動が完了する。

なお、本発明における模擬銃Gについて、全体的な作動を説明すると以下のとおりである。装填レバー48の手動操作によりボルト29を後退させて、ハンマー40をコッキング状態とする(図7Aの状態)。装填レバー48を離すとボルト29はバッファースプリング31によって前進し、それと一体的に移動するピストン機構部15のノズル部16によって、一発の弾丸Bが装弾部12に装填される(図7B)。

次いで、トリガー32Aを引いてハンマー40が作動するとノッカー46を介して弁軸26aが押し込まれ、開閉弁機構25が開弁し、圧縮ガスがガス流入口17に流入する。圧縮ガスは、差圧弁機構20のガス通口18aより差圧弁18の内部に流入し、弾丸Bに噴射され、その結果、弾丸Bはバレル11から発射される(図8A)。弾丸発射の後も継続して流入するガスの圧力により、差圧弁18が前進して差圧弁機構20が閉弁するとともに、ガス流はシリンダー14に導かれる(図8B)。

ガス流のシリンダー14内への流入によりピストン機構部15がボルト29と共に後退し、その過程でハンマー40がコッキングされる(図9A)。ボルト29がある程度後退すると、ピストンストップ50と共にピストン13が後退を開始し、かつ、ピストンリターンスプリング28によってボルト方向へ引き寄せられる(図9B)。

ボルト29はピストン機構部15と共に最大後退位置まで後退後に停止し(図10A)、模擬銃Gの操作者は、この間にボルト29の質量の移動に伴うショックを体感する。上記後退動作により蓄圧されたバッファースプリング31が解放され、ボルト29が前進に転じ、それと一体的に移動するピストン機構先端のノズル部16によって、一発の弾丸Bが装弾部12に装填される(図10B)。さらにボルト29の突部47がシア41を回転させることでハンマー40が開放され、図7Bの状態に戻り発射動作が繰り返される(連射モード)。単射モードの場合には、ハンマー40がディスコネクター35に、係合部35a、40aにて係合し停止する。その係止はトリガー32を戻すことで外れるので、ハンマー40はトリガー32に係止されてコッキング状態に保持されることになる。

本発明の銃におけるボルトストップ緩衝装置は、ボルト29を停止させるボルトストップ部材62を緩衝手段70によって間接的に緩衝し、その損傷を防止して、突然の作動不全を生じないように銃を保護することができる。また、本発明の装置では、弾丸Bが撃ち尽くされたという弾切れを検出し、マガジンを交換して再装填するときにボルトストップ部材62を解除することによって、再び装填レバー(チャージングハンドル)を操作する必要がなくなるという機能が維持される。

10 発射装置部 11 バレル部 12 装弾部 13 ピストン 14 シリンダー 15 ピストン機構部 16 ノズル部 17 ガス流入口 18 差圧弁 19 弁室 20 差圧弁機構 21 戻しばね 22 マガジン部 23 ガスタンク 24 ガス流路 25 開閉弁機構 26 開閉弁 27 流出口 28 ピストンリターンスプリング 29 ボルト 30 可動体部 31 バッファースプリング 32、32A、32B トリガー 33 軸 34 トリガースプリング 35 ディスコネクター 36 セレクター 37、38 係止部 39 ハンマースプリング 40 ハンマー 41 シア 42 シアばね 43 係合突部 44 係合輪 45 打圧部 46 ノッカー 47 ボルト突部 48 装填レバー 51 弾切れ検出手段 53 フォロワー 54 フォロワーリンク 55 中間リンク 56 リンク機構 57 フォロワースプリング 59 係合手段 60 ボルトストップ部 61 中継部材 62 ボルトストップ部材 65 軸 66 取付け部 67 緩衝リンク 68 緩衝軸 69 緩衝スプリング 70 緩衝手段

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