Missile launcher

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は飛しよう体発射装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図４は、従来の飛しよう体発射装置の側面図である。 図において、９は発射架台、矢印Ａはその前方を示すもの、２は同発射架台を地上に固定保持するため、前後左右に４個設けられているジャッキ。 ８は同発射架台の後部に装着されている噴流偏向板、３は前記ジャッキ２と噴流偏向板８の下部を支持するレール定盤、５は発射架台の後部の回動軸を介して同発射架台に取付けられている発射筒、４は発射筒５の角度を設定する射角設定装置、６は発射筒５の中に保持されている飛しよう体、７は同飛しよう体の発進時に、その下方に噴出される噴流ガスである。 本装置は移動時には架台下部の車輪で移動させられるが、飛しよう体発射装置には４
本のジャッキのみで支持される。

【０００３】図５は飛しよう体発射時の噴流ガスの作用説明図である。 図において７は噴流ガス、８は噴流偏向板、１０は噴流による圧力分布である。 また、θは噴流偏向板の傾斜角、Ｐは噴流圧力の合力として噴流偏向板に作用する垂直荷重、ｆはその前向き成分であり、 ｆ＝Ｐ sinθ であらわされる値をもつ。 ｆは噴流偏向板の取付部を介して架台を前方へ推進する力、すなわち架台推進力である。 架台が架台推進力によって動かされては事故の原因となるので、前記ジャッキ２によって架台を固定するようにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】噴流ガス偏向時に生じる架台推進力に対抗するために従来は４本のジャッキが設けられていたが、従来方式の４本ジャッキによる支持のみでは、発射架台が前方へ移動する可能性がある。 このための対策として、４本のジャッキを、より大型なものにするか、発射架台をワイヤ等で周囲から引張り、固定するなどの大がかりな支持方法が必要とされていた。

【０００５】本発明は上記の対策とは異り、もっと簡単かつ効果的な架台推進力対抗手段を有する飛しよう体発射装置を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決したものであって、複数個のジャッキによって基礎上において持上げられ固定される発射架台、および同発射架台の端部にその一端が取付けられその他端が前記取付端より下方において保持される噴流偏向板を備え、同噴流偏向板の上方において飛しよう体が上向きに発射される飛しよう体発射装置において、飛しよう体発射の際の噴流の偏向によって生じる架台推進力に直交するよう上記発射架台に設けられたピンを備えた結合部、同結合部のピンに各端部において回動可能に取付けられた一対の脚、および同各脚の他端部に上記とは別のピンによって取付けられた基礎固定ブラケットからなる架台支持装置を備えたことを特徴とする飛しよう体発射装置に関するものである。

【０００７】

【作用】架台支持装置は、ジャッキによって架台が持上げられ固定されてから脚の開きを調節して基礎に固定される。 一対の脚は発射架台設置時の基礎と架台との間の距離の大小に応じて脚の開きを変え、基礎固定ブラケット間の距離を調節して基礎に固定される。 したがって、
架台の如何なる高さに対しても適用できる。

【０００８】架台支持装置は、脚が傾斜して設置されるので、架台推進力発生時には、小型な装置であっても、
効果的に架台推進力に対抗することができる。 架台支持装置は、架台推進力に対してジャッキと共に対抗するものである。

【０００９】

【実施例】図１は本発明の一実施例の側面図である。 図において、１は架台支持装置である。 他の部分は従来技術と同じである。 図２は上記架台支持装置１の拡大側面図である。 図において、１ａは飛しよう体発射の際の噴流の偏向によって生じる架台推進力に直交するよう発射架台９に設けられたピンを備えた結合部、１ｂは同結合部のピンに各端部において回動可能に取付けられた一対の脚、１ｃは同各脚の他端部に上記とは別のピンによって取付けられた基礎固定ブラケットである。 図３は上記架台支持装置の使用状態説明図である。 図において、Ｈ
は基礎と架台の間の距離であり、同図（ａ）はその距離Ｈが小さい時の使用状態で一対の基礎固定ブラケット１
ｃの間隔を大きくした状態である。 また同図（ｂ）は距離Ｈが大きい場合の使用状態で、一体の基礎固定ブラケットの間隔を小さくした状態である。

【００１０】本架台支持装置は４本のジャッキ２によって発射架台９を水平に設定した後、同架台と基礎間の寸法に応じて設置される。 これによって飛しよう体発射時に生じる架台推進力を４本のジャッキと共に支え、架台の前方移動を防止することができる。 脚が傾斜して設置されるので、小型の装置であっても、強力に架台推進力に対抗することができる。

【００１１】本発射装置では、噴流ガス偏向時に発生する架台推進力を支持装置１で受けるため、ジャッキ２への負担が軽減され、ジャッキが小さくて済むので発射装置が全体として軽量化できる。

【００１２】

【発明の効果】本発明の飛しよう体発射装置は、飛しよう体発射の際の噴流の偏向によって生じる架台推進力に直交するよう上記発射架台に設けられたピンを備えた結合部、同結合部のピンに各端部において回動可能に取付けられた一対の脚、および同各脚の他端部に上記とは別のピンによって取付けられた基礎固定ブラケットからなる架台支持装置を備えているので、小型かつ簡単な装置で、飛しよう体噴流の偏向によって生じる架台推進力に、ジャッキと共に、効果的に対抗し、発射架台を安定して固定することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の側面図。

【図２】同実施例の架台支持装置の拡大側面図。

【図３】同実施例の架台支持装置の使用状態説明図。

【図４】従来の飛しよう体発射装置の側面図。

【図５】飛しよう体発射時の噴流ガスの作用説明図。

【符号の説明】

１ 架台支持装置 １ａ ピン結合部 １ｂ 脚 １ｃ 基礎固定ブラケット ２ ジャッキ ３ レール定盤 ４ 射角設定装置 ５ 発射筒 ６ 飛しよう体 ７ 噴流ガス ８ 噴流偏向板 ９ 発射架台