【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、陸上,雪上又は氷上用の武装車輛やホバークラフト等の装甲乗物の上部に設置される乗員乗降用のハッチの旋回機構に、関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、陸上,雪上又は氷上用の武装車輛やホバークラフト等の装甲乗物の上部には、乗員乗降用のハッチが形成されている。 近年では、装甲乗物の上部から機関銃等の火器を掃射可能とするために、火器固定用の銃座をハッチに備えているものがある。 ところが、このような銃座を、例えばハッチにおける装甲乗物の前方に固定したのでは、装甲乗物の後方や側方の被射撃物に対して射撃することができない。 そこで、銃座を固定した当該ハッチに旋回機構を組み込んでハッチ自身を旋回可能とすることにより、水平面内におけるどの方向の被射撃物に対しても射撃できるようにしたハッチを、本出願人は、先に特許第2977778号において提案した。 この特許第2977778号に係る発明を具体化した構成を、図8及び図9に示す。 なお、図8はハッチ43全体の断面図であり、図9は、図8の矢印Cで指し示す部分の拡大図である。 【0003】これら各図に示される構成は、要するに、 輪帯の外周縁に円筒状のリブが一体に形成されることによって中心軸を含む面に沿った断面がL字状となった外輪59を装甲乗物の外枠(キャビン)41の開口周縁に固着し、その外輪59における輪帯部分の内径と同じ大きさの外径を有する円筒状の内輪54を、ハッチ43が開閉可能に取り付けられた外枠47の下面に固着し、一端に車輪(転動カム輪)55を備える車軸(カム軸)5 6の他端を内輪54の外周面から内周面に貫通させてナット58で固定し、外輪59における輪帯部分の上に車輪55を回転可能に載置したものである。 このような構成により、装甲乗物のキャビン41に対してハッチ43 が旋回可能に保持されるのである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述したような構成の旋回機構の場合、旋回機構のために多くのスペースを必要とし、また、そのための部品も多く必要とする。 そのため、設計の自由度が低く、また、小型化や軽量化といった需要者の要望に応えることができないとの問題点があった。 【0005】なお、装甲乗物は、泥や砂などを含む水が隙間に侵入し易い条件下で使用されることが多いので、 旋回機構には、旋回性能を維持するために定期的に分解整備が必要である。 しかし、上記のように部品点数が多いと、分解整備に時間が掛かってしまうという問題もある。 【0006】本発明は、上述したような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、設計の自由度が高く、小型化や軽量化をすることができ、 分解整備がし易いハッチの旋回機構を、提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するために構成された本発明は、装甲が施されたキャビンに乗員が乗降する際に開閉されるハッチを旋回させるためにそのハッチと前記キャビンとの間に配置される旋回機構であって、円環形状に形成されるとともにその内周面に周方向に沿った溝を有し、前記キャビンに固定される外輪と、前記外輪の内径より若干小さい外径を有する円環形状に形成されるとともにその外周面に周方向に沿った溝を有し、前記ハッチに固定される内輪と、前記外輪及び前記内輪の溝の間に転動体として組み込まれる複数のベアリングボールとを備えることを、特徴とする。 【0008】このように、本発明は、外輪と内輪とベアリングボールのみからなる構成であるので、従来の旋回機構よりも部品点数が少なくて済み、また、ベアリングボールの大きさや外輪及び内輪の大きさや形状を自由に設定できるので、設計の自由度が高く、容易に軽量化することができる。 【0009】なお、本発明の旋回機構においては、内輪又は外輪のうちの何れか一方が、溝を二分割する状態で2つの環状部材に分割された構成であっても良い。 この場合、旋回機構を簡単に分解し、又は、簡単に組み立てることができるので、分解整備を短時間で行うことができる。 【0010】また、本発明の旋回機構においては、外輪及び内輪に形成される溝の径方向に沿った断面形状が、 半円形であっても良いし、直角二等辺三角形であっても良いし、その他の形状であっても良い。 即ち、球状の転動体を無理なく滑らかに転動させるものならどのような断面形状であっても良い。 【0011】さらに、本発明の旋回機構においては、ハッチと外輪との間に、泥や砂が侵入するのを防ぐためのシールとしての防水部材が備えられていても良い。 なお、ベアリングボールの材質としては、金属であっても良いし、樹脂であっても良いが、或る程度の硬度をもって軽量化を図るためには、樹脂の方が望ましい。 【0012】 【発明の実施の形態】本発明の旋回機構は、陸上,雪上又は氷上用の武装車輛やホバークラフト等の装甲乗物の上部に設置される乗員乗降用のハッチを旋回させるためのものである。 以下、本発明の旋回機構の実施の形態について図を参照しながら説明する。 なお、図1は、本発明の旋回機構を適用したハッチ10全体の閉じた状態での平面図である。 【0013】ハッチ10は、中心に円形の開口11aを有する略円板形状の外枠11と、この開口11aを閉じる蓋として機能する2枚の扉部材12,12'とを有する。 【0014】このうちの2枚の扉部材12,12'は、 夫々、半円形状に形成されており、その半円形における直線部分から離れた側が、2つの蝶番13,13を介して外枠11に取り付けられている。 これら両扉部材1 2,12'は、外枠11の開口11aの半径よりも大きな半径を有しており、開口11aを閉じている状態では半円形における直線部分が接するように配置される。 そのため、両扉部材12,12'を閉じた場合、外枠11 の開口11aは、両扉部材12,12'により塞がれる。 【0015】また、図2の拡大断面図(図1における矢印A方向から見たハッチ10の中央部の拡大断面図)に示されるように、一方の扉部材12の上面(図2における上側の面)における半円形の直線部分には、この直線部分とほぼ同じ長さの長尺な防水プレート14aが、直線部分に沿って取り付けられている。 この防水プレート14aは、直線部分の縁から一定の幅だけはみ出るように取り付けられており、更に、この防水プレート14における扉部材12の縁からはみ出る部分の下面には、防水シール14bが接着されている。 そして、両扉部材1 2,12'が閉じられた時には、防水プレート14aにおける扉部材12の縁からはみ出た部分が、扉部材12 の直線部分と扉部材12'の直線部分との隙間を塞ぐようにして扉部材12'の上面に近接する位置に配置され、防水シール14bが、扉部材12'の上面に接する。 このような構造により、このハッチ10は、直線部分からの浸水防止が可能なものとなっている。 【0016】さらに、両扉部材12,12'の下面(図2における下側の面)における直線部分の近傍には、把手15が夫々取り付けられており、装甲乗物内の乗員がこの把手15を握って両扉部材12,12を押し広げる(観音開き)ことにより、外枠11の開口11aが開放された状態となる。 【0017】なお、ハッチ10には、扉部材12,1 2'の開閉をロックするためのロック機構16が備えられている。 本実施形態のロック機構16としては、一方の扉部材(防水プレート14aが縁からはみ出るように取り付けられた方の扉部材)12の下面における半円形の直線部分の両端近傍に取り付けられたロックレバー1 6aをその支点を中心として往復角運動させることにより、そのロックレバー16aの先端を外枠11のフック16bに填め入れる構造のロック機構となっている。 【0018】また、外枠11には、図示せぬ銃座を旋回可能に固定するための貫通孔17a及び複数のボルト穴を有する略三角形状の固定板17が、備えられている。 この固定板17における略三角形の三辺のうちの一辺は、正確には、扉部材12,12'の円弧の半径よりも若干大きい半径の円弧17bとなるように、形成されており、固定板17は、その円弧17bの周囲に有する複数のボルト穴に挿通されたボルト18により、外枠11 の上面に固定されている。 このとき、固定板17は、円弧17bの中心が外枠11の開口11aの中心軸上に存在するように配置されるために、扉部材12,12'が閉じた状態では、円弧17bは、扉部材12,12'の周縁に配置される。 なお、この固定板17は、扉部材1 2を固定する2つの蝶番13,13の間と、扉部材1 2'を外枠11に固定する2つの蝶番13,13の間には配置されず、一方の扉部材12の蝶番13と他方の扉部材12'の蝶番13との間に配置される。 これにより、扉部材12,12'を開いた場合でも、扉部材1 2,12'に干渉することなく、固定板17上の図示せぬ銃座に取り付けられた図示せぬ機関銃を操作することができる。 【0019】以上のような構成を有するハッチ10は、 側面から見た透視図(一部断面を含む)である図3に示されるように、装甲乗物の外枠(キャビン)20に形成された円形の開口21の周縁に固定された旋回機構1 に、取り付けられている。 旋回機構1が固定される開口21の周縁は、開口21の中心軸方向に沿って上面側から若干量切り込まれた段形状に形成されており、その段形状により形成される円柱面22の内径は、ハッチ10 の外枠11の外径(正確には、外枠11は、円形をベースとしてその円の周囲に幾つかの突出した部分を有する略円形であるので、外枠11の外径とはベース形状である円の直径のことである)と同じ長さとなっている。 【0020】以下、旋回機構1の構成について説明する。 図4に、図3における円Bにて囲った部分の拡大断面図を示している。 この図4に示されるように、旋回機構1は、外輪2と、第1内輪部材3と、第2内輪部材4 と、複数のベアリングボール5とを有している。 【0021】外輪2は、キャビン20の開口21の内径と同じ大きさの内径を有するとともに開口21周縁の円柱面22の内径より若干小さい外径を有する円環形状(円柱からその外径より小さい外径の円柱を刳り抜いてできる形状)に、形成されている。 また、この外輪2 は、円柱面22の中心軸方向の長さよりも若干短い中心軸方向の幅を有している。 さらに、外輪2の内周面には、V字状の溝2aが周方向に沿って形成されている。 この溝2aの径方向の断面形状は、直角二等辺三角形となっており、その直角二等辺三角形の三辺のうちの最も長い辺が、外輪2の中心軸と平行になる状態で、この中心軸に向けられている。 なお、この外輪2の中心軸方向(図4における上下方向)における一方(図4の下方) の端面2bには、その中心軸を中心とする円に沿って複数のネジ穴2cが形成されている。 この外輪2は、開口21周縁の段形状により形成される円柱面22内に填め込まれた状態で配置されている。 そして、開口21周縁に形成されたボルト穴21aに下側から挿通されたボルト6がネジ穴2cに捻じ込まれることにより、この外輪2は、キャビン20の開口21と同軸になる状態でこの開口21の周縁に固定される。 【0022】第1内輪部材3は、外輪2の内径よりも若干小さい外径を有する円環形状に形成されており、外輪2の中心軸方向の長さとほぼ同じ中心軸方向の長さを有している。 また、この第1内輪部材3の中心軸方向(図4における上下方向)における一方(図4の下方)の端面3aの外周縁には、面取り3bが形成されている。 この面取り3bは円錐面状となっており、その母線方向における幅は、外輪2の内周面に形成されている溝2aの径方向に沿った断面形状である直角二等辺三角形の三辺のうちの短い辺の長さと同じ長さになっている。 また、 その円錐面の母線方向は中心軸から45°傾いている。 第1内輪部材3における面取り3bがある方の端面3a には、中心軸方向と平行なネジ穴3cが、その中心軸を中心とする円に沿って複数形成されている。 このネジ穴3cは、第1内輪部材3に第2内輪部材4を固定するボルト7を捻じ込むためのものである。 また、第1内輪部材3における面取り3bが無い方の端面3dにも、中心軸方向と平行なネジ穴3eが、その中心軸を中心とする円に沿って複数形成されている。 この第1内輪部材3 は、この端面3dがハッチ10の外枠11の下面に接するように配置されている。 そして、外枠11の開口11 aの周囲に形成されたボルト穴11bに上側から挿通されたボルト8がネジ穴3eに捻じ込まれることにより、 第1内輪部材3は、ハッチ10の外枠11の開口11a と同軸になる状態でこの開口11aの周縁に固定される。 なお、ボルト8で外枠11を第1内輪部材3に固定する際に同時にそのボルト8で固定板17を外枠11に固定するようにしても良い。 このようにボルト8とボルト18とを共通させて1本のボルト8で共締めする構成とすることにより、ハッチ10全体の部品点数を抑えることができる。 また、外枠11を第1内輪部材3に固定するためのボルト8を、蝶番13を外枠11に固定するためのボルトとして利用することによっても、ハッチ1 0全体の部品点数を抑えることができる。 【0023】第2内輪部材4は、第1内輪部材3の外径及び内径と同じ大きさの外径及び内径を有する円環形状に形成されている。 また、この第2内輪部材4は、中心軸方向に直交して外輪2の溝2aを等分する仮想平面と外輪2の端面2bとの間の長さと同じ中心軸方向の幅を有している。 さらに、第2内輪部材4の中心軸方向(図4における上下方向)における一方(図4の上方)の端面4aの外周縁には、面取り4bが形成されている。 この第2内輪部材4の面取り4bも、第1内輪部材3の面取り3aと同様に、円錐面状となっており、その母線方向の幅は、外輪2の溝2aの径方向に沿った断面形状である直角二等辺三角形の三辺のうちの短い辺の長さと同じ長さであり、その母線方向は中心軸から45°傾いている。 また、第2内輪部材4は、中心軸方向と平行なボルト穴4cが、その中心軸を中心とする円に沿って複数形成されている。 より正確には、これらボルト穴4c は、第2内輪部材4が第1内輪部材3と同軸に配置されたときの各ネジ穴3cと同軸となる位置に、夫々配置されている。 この第2内輪部材4は、その端面4aが第1 内輪部材3の端面3aに接するように配置されている。 そして、ボルト穴4cに挿通されたボルト7が第1内輪部材3のネジ穴3cに捻じ込まれることにより、第2内輪部材4は、第1内輪部材3に固定される。 なお、このように第1及び第2内輪部材3,4の端面3a,4a同士が接している状態では、両方の面取り3b,4bがなす径方向の断面形状は、外輪2の内周面に形成される溝2aの径方向の断面形状である直角二等辺三角形と同じ形状となっている。 【0024】ベアリングボール5は、第1及び第2内輪部材3,4の面取り3b,4bと外輪の溝2aとの間に配置された樹脂製の球状の転動体である。 このベアリングボール5は、外輪2の溝2aを構成する2つの円錐面に当て付けられた際に中心が外輪2の内周面よりも中心軸寄りにあるような大きさであって、然も、溝2aに当て付けられた際に当該2つの円錐面と外輪2の内周面との交線以外の部分で当該2つの円錐面と接することができるような大きさを、有している。 そして、このベアリングボール5が、第1及び第2内輪部材3,4の面取り3b、4bと外輪2の溝2aとの間に複数配置された場合に、第1及び第2内輪部材3,4が外輪2に対して相対的に回転したときには、各ベアリングボール5は、溝2aと面取り3b,4bとの間を転動する。 従って、本実施形態の旋回機構1は、ラジアル玉軸受として機能し、ハッチ10とキャビン20の開口21との間に取り付けられることにより、ハッチ10をキャビン20に対して旋回可能にする。 【0025】なお、ハッチ10が、旋回機構1を介してキャビン20の開口21に旋回可能に取り付けられた際に、ハッチ10の外枠11は、外輪2に対して隙間を隔てて浮き上がった状態となり、これにより、摩擦軽減が図られている。 本実施形態では、砂や泥を含んだ水がこの隙間から侵入しないように、防水部材が取り付けられている。 具体的には、輪帯の内周縁に円筒状のリブが一体に形成されることによって中心軸を含む面に沿った断面が略L字状となる形状の防水シール9aが、外輪2の中心軸方向におけるネジ穴2cが無い方の端面2dに、 取り付けられている。 この防水シール9aは、ゴム等の比較的弾力性のある材質からなり、外輪2の端面2dから円筒部分が起立した状態でその端面2d上に配置されている。 そして、この防水シール9aは、その輪帯部分が、外輪2の端面2dに形成されたリング状の溝に填め込まれ、ボルト9bにて端面2dに固定されたワッシャー9cによって押さえ付けられることにより、外輪2に固定されている。 この防水シール9aのリブの中心軸方向の長さは、旋回機構1を介してハッチ10をキャビン20に取り付けたときの外枠11と外輪2との間隔(第1及び第2内輪部材3,4の中心軸方向の長さから外輪2dの中心軸方向の長さを引いた長さ)より長いものとなっている。 これにより、旋回機構1を介してハッチ1 0をキャビン20に取り付けたときには、防水シール9 aのリブが、若干変形しながら外輪2と外枠11との間を密閉し、溝2aと面取り3b,4bとの間や装甲乗物内への浸水を防いでいる。 【0026】以上のように構成される本実施形態の旋回機構1の組み立て手順、及び、ハッチ10のキャビン2 0への組み付け手順を、図5乃至図7の断面斜視図に示している。 【0027】旋回機構1を組み立てるには、図5に示されるように、初めに、外輪2を上下逆さまにして床に置き、次に、上下逆さまにした第1内輪部材3を外輪2の内側に入れつつ床に置く。 このとき、外輪2の溝2aの中心軸方向における中心と第1内輪部材3の端面3aとが同じ高さにあれば、簡単に旋回機構1を組み立てられるが、本実施形態では、その高さが異なっている。 そのため、ここでは、円環形状の組立補助部材30を外輪2 と床との間に配置することにより当該高さを一致させて、旋回機構1を組み立て易くしている。 そして、このように配置された外輪2の溝2aと第1内輪部材3の面取り3bとの間にベアリングボール5を複数填め入れ、 溝2aの全周に亘ってベアリングボール5を並べる。 【0028】次に、図6に示されるように、上下逆さまにした第2内輪部材4を第1内輪部材3の上に載せ、ネジ穴3eとこれに対応するボルト穴4cとが同軸となるように第2内輪部材4を適宜量だけ中心軸周りに回転させた後、ボルト7をボルト穴4cに通してネジ穴3eに捻じ込み、第1内輪部材3と第2内輪部材4とを接合する。 以上の手順により、旋回機構1を組み立てることができる。 【0029】次に、ハッチ10をキャビン20へ組み付けるには、図7に示されるように、この旋回機構1を図6の状態から上下反転させ、キャビン20の開口21周縁の段形状により形成される円柱面22内に外輪2が填まり込むようにして、旋回機構1をキャビン20の開口21に取り付ける。 そして、ネジ穴2cとこれに対応するボルト穴21aとが同軸となるように外輪2を軸周りに適宜量だけ回転させた後、ボルト6をボルト穴21a に通してネジ穴2cに捻じ込み、旋回機構1をキャビン20に固定する。 そして、防水シール9aを外輪2の端面2aに固定する。 【0030】最後に、第1内輪部材3の上に別途組み上げておいたハッチ10(外枠11)を載せるとともに、 ボルト穴11bとこれに対応するネジ穴3dとが同軸となるようにハッチ10(外枠11)を中心軸周りに適宜量だけ回転させた後、ボルト8をボルト穴11bに通してネジ穴3dに捻じ込み、ハッチ10(外枠11)を旋回機構1の第1内輪部材3に固定する(図4の状態)。 以上の手順によりハッチ10をキャビン20へ組み付けることができる。 【0031】なお、キャビン20からハッチ10と旋回機構1とを取り外し、旋回機構1を分解整備する場合には、上述した手順と逆の手順を行えば良い。 【0032】以上に示されるように、本実施形態の旋回機構1は、外輪2と第1内輪部材3と第2内輪部材4とベアリングボール5と若干のボルトのみからなるために、従来の旋回機構よりも部品点数が少なくて済む。 これにより分解整備も簡単に行える。 【0033】また、本実施形態の旋回機構1は、ベアリングボール5の大きさや第1及び第2内輪部材3,4や外輪2の大きさや形状を自由に設定でき、然も、その設計範囲内で軽量化も行える。 【0034】 【発明の効果】以上に説明したように、本発明の旋回機構によると、設計の自由度が高く、小型化や軽量化をすることができ、分解整備がし易い。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の旋回機構を適用したハッチ全体の閉じた状態での平面図 【図2】 ハッチ中央部の拡大断面図 【図3】 ハッチ及び旋回機構の正面図 【図4】 旋回機構の径方向の拡大断面図 【図5】 旋回機構の組み立て手順を示す断面斜視図 【図6】 旋回機構の組み立て手順を示す断面斜視図 【図7】 ハッチをキャビンへ組み付ける手順を示す断面斜視図 【図8】 従来の旋回機構の断面図 【図9】 従来の旋回機構の拡大断面図 【符号の説明】 1 旋回機構 2 外輪 3 第1内輪部材 4 第2内輪部材 5 ベアリングボール 6〜8 ボルト 10 ハッチ 11 外枠 11a 開口 12,12' 扉部材 13 蝶番 20 キャビン 21 開口 フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 43/04 F16C 43/04 Fターム(参考) 2C014 LL02 3J017 HA02 3J101 AA02 AA42 AA53 AA62 BA10 BA52 BA64 EA31 FA31 FA46 FA51 FA53 GA01 |