火器のための蹴子並びに蹴子を有する尾筒及び火器

申请号 JP2015559438 申请日 2014-02-18 公开(公告)号 JP2016511820A 公开(公告)日 2016-04-21
申请人 ヘックレル・ウント・コッホ・ゲーエムベーハー; 发明人 シュトゥサック,マルティン;
摘要 本発明は、火器のための蹴子(1)に関する。この蹴子(1)は蹴子本体(5)を備え、蹴子本体(5)は蹴子要素(46)を有する。蹴子要素(46)は、蹴子(1)を火器の尾筒(3)上に設置した後で:長手方向に移動できるように尾筒(3)内に案内された、前後方向に延在する尾栓の運動経路内へと突出し;復帰する尾栓(71)によって薬室から抽筒された薬莢(59)の抽筒板(61)のための対抗軸受を形成し;抽筒板(61)と相互作用した後、薬莢(59)を尾筒(3)から蹴筒及び/又は廃棄するよう、蹴子本体(5)に配置される。この蹴子(1)は追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を備える。蹴子要素(46)が、蹴子の速度が遅くなって停止するまで、抽筒板との相互作用の結果として抽筒板(61)と共に直線状に僅かに復帰し、これによって薬莢(59)を蹴筒/廃棄できるように、上記追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を用いて、蹴子要素(46)を尾筒(3)に対して柔軟に支持する。本発明は更に、長手方向に移動できるように尾筒(3)内に案内される尾栓と、蹴子(1)とを備える、尾筒(3)に関する。最後に本発明は、このような蹴子(1)及び/又はこのような尾筒(3)を有する火器に関する。【選択図】図4
权利要求

火器のための蹴子(1)であって、 前記蹴子(1)は蹴子本体(5)を備え、 前記蹴子本体(5)は蹴子要素(46)を有し、 前記蹴子要素(46)は、前記蹴子(1)を前記火器の尾筒(3)上に設置した後で: ‐長手方向に移動できるように前記尾筒(3)内に案内された、前後方向に延在する尾栓(71)の運動経路内へと延伸し; ‐復帰する前記尾栓(71)によって薬室から抽筒された薬莢(59)の抽筒板(61)のための対抗軸受を形成し; ‐前記抽筒板(61)と相互作用した後、前記薬莢(59)を前記尾筒(3)から蹴筒及び/又は廃棄する よう、前記蹴子本体(5)に配置される、蹴子(1)において、 前記蹴子(1)は、追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を備え、前記蹴子要素(46)が、前記蹴子の速度が遅くなって停止するまで、前記抽筒板との相互作用の結果として前記抽筒板(61)と共に直線状に僅かに復帰し、これによって前記薬莢(59)を蹴筒/廃棄できるように、前記追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を用いて、前記蹴子要素(46)を前記尾筒(3)に対して柔軟に支持する ことを特徴とする、蹴子(1)。前記蹴子(1)の、前記蹴子要素(46)を柔軟に支持するための前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に固定できる少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を含む、請求項1に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記弾性要素(7a、7b)は、ばね、特にぜんまいばねである、請求項2に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の、前記蹴子要素(46)を柔軟に支持するための前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を案内及び収容するための、前記蹴子本体(5)内の少なくとも1つの収容凹部(11a、11b)を含む、請求項2又は3に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を補助的に収容及び案内するための、前記尾筒(3)上に固定できる少なくとも1つの収容・案内要素(9a、9b)を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記弾性要素(7a、7b)を予備張がかかった状態に保持及び固定する、少なくとも1つの固定要素(19a、19b)を備える、請求項2〜5のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記蹴子本体(5)上に、前記蹴子本体(5)を前記少なくとも1つの固定要素(19a、19b)上に接触させる、及び/又は案内するための、少なくとも1つの接触及び/又は案内表面(53a、53b)を設ける、請求項6に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記蹴子本体(5)は、U字型に設計され、 前記蹴子本体(5)は、U字の2本の足(45a、45b)をブリッジ状に接続する接続部品(44)を用いて、発砲方向を横断する方向に、前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に配置でき、 また前記蹴子本体(5)は、これによって前記尾筒の幅全体に亘って延在し、その一方で前記U字の2本の足(45a、45b)は前記尾筒の長手方向に、後方に向かって延在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記U字の足(45a、45b)はそれぞれ、前記蹴子本体(5)を前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に案内するための案内表面(55a、55b)を備える、請求項8に記載の蹴子(1)。各前記案内表面(55a、55b)内に少なくとも1つの凹部(57a、57b)を有する、請求項9に記載の蹴子(1)。互いに対して対称に配置された2つの前記弾性要素(7a、7b)を備え、 前記弾性要素(7a、7b)はそれぞれ関連する、前記蹴子本体(5)の前記U字の2つの足(45a、45b)内の前記収容・案内凹部(11a、11b)と、前記尾筒(3)を固定できる前記収容・案内要素(9a、9b)とを有する、請求項2〜20のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記蹴筒要素(46)は、前記尾栓(71)の前記運動経路内へと突出する端部上に、基本的に立方体の案内・衝突凹部(47)を備え、 前記運動経路は、復帰する前記薬莢(59)に向かって後方に延在し、その結果、蹴筒されることになる前記薬莢(59)のための、同一方向に延在する少なくとも1つの案内・衝突表面(51)を有する、特に請求項1に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記少なくとも1つの案内・衝突表面(51)は、後方に向かって延伸して下向きに傾斜し、及び/又は前記抽筒板(61)と少なくとも略相補的な案内チャネルを有する、請求項12に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記案内・衝突凹部(47)は、蹴筒されることになる前記薬莢(59)の前記抽筒板(61)のための、少なくとも1つの垂直な案内・衝突表面(49)を有する、請求項12又は13に記載の蹴子(1)。尾筒(3)であって: 長手方向に移動できるように尾筒(3)内に案内される、尾栓;及び 請求項1〜14のいずれか1項に記載の蹴子(1) を備える、尾筒(3)。蹴子本体(5)を収容して、前記蹴子本体(5)の長手方向移動を案内するための、前記蹴子本体(5)と相補的な少なくとも1つの凹部(27a、27b)を備える、請求項15に記載の尾筒(3)。少なくとも1つの収容・案内要素(9a、9b)を収容及び案内するための少なくとも1つの凹部(63a、63b)を備え、 前記凹部(63a、63b)は、前記蹴子本体(5)を収容するための前記凹部(27a、27b)と同一平面上にあり、 また前記凹部(63a、63b)は、前記収容・案内要素(9a、9b)と相補的となるように設計される、請求項16に記載の尾筒(3)。各場合において2つの前記収容・案内要素(9a、9b)のうちの一方を収容するための、互いに対して対称に形成された、少なくとも2つの前記凹部(27a、27b)を前記尾筒(3)内に備える、請求項16又は17に記載の尾筒(3)。発砲方向に対して横断方向に配置された、前記尾筒(3)を安定化するための安定化要素(15)を備える、請求項15〜18のいずれか1項に記載の尾筒(3)。前記尾筒(3)の前記安定化要素(15)は、少なくとも1つの固定要素(19a、19b)によって、前記尾筒(3)上に固定及び/又は整列され、 前記固定要素(19a、19b)はまた同時に、前記蹴子本体(5)を前記尾筒(3)内に、張力がかかった状態で保持及び固定する、請求項19に記載の尾筒(3)。請求項1〜14のいずれか1項に記載の蹴子(1)及び/又は請求項15〜20のいずれか1項に記載の尾筒(3)を有する、火器。

火器のための蹴子(1)であって、 前記蹴子(1)は蹴子本体(5)を備え、 前記蹴子本体(5)は蹴子要素(46)を有し、 前記蹴子要素(46)は、前記蹴子(1)を前記火器の尾筒(3)上に設置した後で: ‐長手方向に移動できるように前記尾筒(3)内に案内された、前後方向に延在する尾栓(71)の運動経路内へと延伸し; ‐復帰する前記尾栓(71)によって薬室から抽筒された薬莢(59)の抽筒板(61)のための対抗軸受を形成し; ‐前記抽筒板(61)と相互作用した後、前記薬莢(59)を前記尾筒(3)から蹴筒及び/又は廃棄する よう、前記蹴子本体(5)に配置され、 前記蹴子(1)は、追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を備え、前記蹴子要素(46)が、前記蹴子の速度が遅くなって停止するまで、前記抽筒板との相互作用の結果として前記抽筒板(61)と共に直線状に僅かに復帰し、これによって前記薬莢(59)を蹴筒/廃棄できるように、前記追加の手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)を用いて、前記蹴子要素(46)を前記尾筒(3)に対して柔軟に支持する、蹴子(1)において、 前記蹴子(1)は、前記蹴筒要素(46)が、前記尾栓(71)の前記運動経路内へと突出する端部上に、基本的に立方体の案内・衝突凹部(47)を備え、前記運動経路が、復帰する前記薬莢(59)に向かって後方に延在し、その結果、蹴筒されることになる前記薬莢(59)のための、同一方向に延在する少なくとも1つの案内・衝突表面(51)を有することを特徴とする、蹴子(1)。前記蹴子(1)の、前記蹴子要素(46)を柔軟に支持するための前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に固定できる少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を含む、請求項1に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記弾性要素(7a、7b)は、ばね、特にぜんまいばねである、請求項2に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の、前記蹴子要素(46)を柔軟に支持するための前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を案内及び収容するための、前記蹴子本体(5)内の少なくとも1つの収容凹部(11a、11b)を含む、請求項2又は3に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記手段(7a、7b、9a、9b、11a、11b、13a、13b)は、前記少なくとも1つの弾性要素(7a、7b)を補助的に収容及び案内するための、前記尾筒(3)上に固定できる少なくとも1つの収容・案内要素(9a、9b)を含む、請求項2〜4のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記弾性要素(7a、7b)を予備張力がかかった状態に保持及び固定する、少なくとも1つの固定要素(19a、19b)を備える、請求項2〜5のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記蹴子本体(5)上に、前記蹴子本体(5)を前記少なくとも1つの固定要素(19a、19b)上に接触させる、及び/又は案内するための、少なくとも1つの接触及び/又は案内表面(53a、53b)を設ける、請求項6に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記蹴子本体(5)は、U字型に設計され、 前記蹴子本体(5)は、U字の2本の足(45a、45b)をブリッジ状に接続する接続部品(44)を用いて、発砲方向を横断する方向に、前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に配置でき、 また前記蹴子本体(5)は、これによって前記尾筒の幅全体に亘って延在し、その一方で前記U字の2本の足(45a、45b)は前記尾筒の長手方向に、後方に向かって延在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記U字の足(45a、45b)はそれぞれ、前記蹴子本体(5)を前記尾筒(3)内又は前記尾筒(3)上に案内するための案内表面(55a、55b)を備える、請求項8に記載の蹴子(1)。各前記案内表面(55a、55b)内に少なくとも1つの凹部(57a、57b)を有する、請求項9に記載の蹴子(1)。互いに対して対称に配置された2つの前記弾性要素(7a、7b)を備え、 前記弾性要素(7a、7b)はそれぞれ関連する、前記蹴子本体(5)の前記U字の2つの足(45a、45b)内の前記収容・案内凹部(11a、11b)と、前記尾筒(3)を固定できる前記収容・案内要素(9a、9b)とを有する、請求項2〜20のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記少なくとも1つの案内・衝突表面(51)は、後方に向かって延伸して下向きに傾斜し、及び/又は前記抽筒板(61)と少なくとも略相補的な案内チャネルを有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載の蹴子(1)。前記蹴子(1)の前記案内・衝突凹部(47)は、蹴筒されることになる前記薬莢(59)の前記抽筒板(61)のための、少なくとも1つの垂直な案内・衝突表面(49)を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の蹴子(1)。尾筒(3)であって: 長手方向に移動できるように尾筒(3)内に案内される、尾栓;及び 請求項1〜13のいずれか1項に記載の蹴子(1) を備える、尾筒(3)。蹴子本体(5)を収容して、前記蹴子本体(5)の長手方向移動を案内するための、前記蹴子本体(5)と相補的な少なくとも1つの凹部(27a、27b)を備える、請求項14に記載の尾筒(3)。少なくとも1つの収容・案内要素(9a、9b)を収容及び案内するための少なくとも1つの凹部(63a、63b)を備え、 前記凹部(63a、63b)は、前記蹴子本体(5)を収容するための前記凹部(27a、27b)と同一平面上にあり、 また前記凹部(63a、63b)は、前記収容・案内要素(9a、9b)と相補的となるように設計される、請求項15に記載の尾筒(3)。各場合において2つの前記収容・案内要素(9a、9b)のうちの一方を収容するための、互いに対して対称に形成された、少なくとも2つの前記凹部(27a、27b)を前記尾筒(3)内に備える、請求項15又は16に記載の尾筒(3)。発砲方向に対して横断方向に配置された、前記尾筒(3)を安定化するための安定化要素(15)を備える、請求項14〜17のいずれか1項に記載の尾筒(3)。前記尾筒(3)の前記安定化要素(15)は、少なくとも1つの固定要素(19a、19b)によって、前記尾筒(3)上に固定及び/又は整列され、 前記固定要素(19a、19b)はまた同時に、前記蹴子本体(5)を前記尾筒(3)内に、張力がかかった状態で保持及び固定する、請求項18に記載の尾筒(3)。請求項1〜13のいずれか1項に記載の蹴子(1)及び/又は請求項14〜19のいずれか1項に記載の尾筒(3)を有する、火器。

说明书全文

本発明は、火器のための蹴子に関する。この蹴子は蹴子要素を有する蹴子本体を備え、蹴子要素は蹴子本体上に、蹴子を火器の尾筒に設置した後に前後方向に延在する尾栓の移動経路内へと延伸するよう配置され、またこの蹴子要素は、尾栓内を長手方向に移動して、復帰する尾栓によって薬室から抽筒される薬莢の抽筒板に対する対抗軸受を形成し、抽筒板と相互作用した後、薬莢を尾筒から蹴筒及び/又は廃棄するよう案内される。

本発明はまた、尾筒及び火器にも関し、これら尾筒及び火器はそれぞれ上述のタイプの蹴子を備える。

本文書において、「上へ(up)」、「下へ(down)」、「前方(front)」「後方(back)」等の位置に関する用語は常に、通常射撃姿勢において武器を保持する射手から見てのものであり、砲身軸は平に延在する。

蹴子は様々な実施形態において公知であり、火器から薬莢を蹴筒及び廃棄する役目を有し、上記薬莢はこの直前に、尾栓上に配置された抽筒子によって火器の薬室から取り出されている。

実包を射撃する際の、及びこれに続く空の薬莢の蹴筒の動作シーケンス自体は公知であり、簡略化して以下のように簡潔に表現できる。発砲するために、まず尾栓、特にボルトヘッドが、実包を実包供給デバイスから火器の薬室内に案内する。引金機構が作動して撃針が解放され、次に撃針が実包の抽筒板に当たり、装薬に点火することにより、弾丸が薬莢から砲身を通して射撃される。

発砲プロセス中に解放された又はガスはそれぞれ、ボルトを復帰運動において変位させるために使用される。例えばガス圧式の再装填の場合、放出された発砲用ガスは、ピストンロッドを介して尾栓を後方へ、即ち銃床の方向へと高速で駆動する。従って少なくとも1つの抽筒子が尾栓上、具体的にはボルトヘッド上に設けられる。この抽筒子は使用済みの抽筒板の縁部を取り囲み、尾栓の復帰運動中に薬室から上記使用済み薬莢を除去する。続いて蹴子が薬莢を尾筒から押し出す。

導入部で詳述した一般的な抽筒子は、特許文献1から公知であり、例えば本出願人の機関銃HK121において使用されている。長手方向溝が尾栓の上面に設けられており、この長手方向溝において、固定蹴子の蹴子タペットは、ボルトの復帰中に延伸する。発砲後、抽筒子によってボルトヘッド上に保持された薬莢は、蹴子タペットに向かって高速で移動し、この蹴子タペットは薬莢を蹴筒し、その際に薬莢を回転させる。これにより、抽筒子に高負荷がもたらされ、抽筒子は、薬莢が蹴子タペットに当たる際に対抗軸受として機能する。蹴子から回転する薬莢は所定の様式でピストンロッドに当たり、ここで薬莢は偏向され、機関銃尾筒を下向きに、蹴子ウインドウを通して高速で出る。

この蹴子により、個々の要素、特に蹴子及び抽筒子に高負荷がもたらされ、これによりこれらの構成部品の摩耗が大きくなり、その寿命が短くなる。

更に、抽筒子は従来技術から公知であり、従来技術においてスラストボルトは、ボルトヘッド内にばね式で設置される。これによってスラストボルトは、ばねにより、薬室に配置された薬莢の抽筒板に対して予備応力が印加され、ボルトヘッド内に保持される。ボルトの復帰中、及び薬室からの薬莢の抽筒中、ばねは弛緩し、スラストボルトを外向きに押しやる。これによりスラストボルトは抽筒板に作用して、薬莢を押し出す。このようなスラストボルトは例えば、本出願人による火器G36、HK416、HK417及びGPMGから公知である。特許文献2もまた、このようなスラストボルトを有する半自動式火器を開示している。

このタイプのスラストボルトの欠点は、このスラストボルトに比較的弱いばね力しか作用できないことである。というのも、そうしなければ、これらボルトのリコイルスプリングがスラストボルトばねの力に対して確実に復帰できなくなるためである。更に、このようなボルト内には、著しく強力なスラストボルトばねのための空間が比較的僅かしか存在しない。これは特に、本出願による特許文献3から公知のもの等の回転ボルトに当てはまる。

上記の解決策は、長時間続く発砲における高いケイデンス範囲及び長い発砲シーケンスにも適さない。なぜなら、蹴筒プロセスのための時間が少なく、比較的弱いスラストボルトばねが薬莢を十分に迅速に動かせないためである。長時間続く発砲における高いケイデンス及び長い発砲の場合、このタイプの蹴筒システムは火器の動作不良につながり、特に薬莢が蹴筒されないことによる蹴筒不良につながる。

更に、本出願人による半自動式ライフル銃HK−SL6、HK−SL7が公知である。これらの半自動式ライフル銃は、ローリングブロックを備える。これらの火器には蹴子として、2つのアームを有するロッカーレバーが設けられており、これは尾筒の側に配置され、半自動式ライフル銃の長手方向に延在する。発砲後に復帰するボルトヘッドは、抽筒子を用いて、実包を薬室から抽筒する。これによって実包は、側方案内凹部を有するロッカーレバーに至る。ロッカーレバーは端部を有し、この端部はその両端部において上向きに湾曲するため、復帰するボルトはロッカーレバーの後方端部を下向きに、前方端部を上向きに押圧する。前方端部はボルトヘッドに係合し、ボルトヘッドから薬莢を下側から押し出す。ロッカーレバーは、ばねアセンブリを介してばね式で設置され、これにより後方に向かって変位できる。

ロッカーレバーを有するこの構造は、比較的弱い蹴子ばねも必要とする。というのも、運動力学的に不安定なロッカーレバーは、強い復帰圧力ばねを許容できず、比較的弱い純粋に緩衝用のばねしか許容できないためである。

薬莢前進用緩衝器を有するロッカーレバーとしての蹴子の実施形態は、摩耗する傾向があり、長時間続く発砲における高いケイデンス及び連続的な発砲負荷には適さない。

最後に、特許文献4は、自動式火器のための蹴子を示している。ばね式で設置された蹴子スライダが、ボルトヘッドに設けられる。ボルトの復帰中、蹴子スライダはばね式で設置された枢動部材に当たり、これは蹴子スライダをボルトから前方へ駆動し、抽筒板に当たる。

この設計は複雑な構造を有し、摩耗する及び汚れる傾向がある多数の構成部品を備える。特に、ばね圧力が印加される比較的軽い停止部材を有するこのタイプの構成は、蹴子スライダが当たった後にこの停止部材を所望通りに偏向させるが、これは次に、取得した運動力学的エネルギ全体を尾筒部分に緩衝なしに解放し、停止部材及び尾筒部分を極めて短い時間で破壊してしまう。

全体として、既知の蹴子は摩耗する傾向があり、構造的に複雑であり、近代的な機関銃が必要とする長時間続く発砲には適さない。

独国特許第10 2010 009 488 B3号

米国特許第2011/0168009 A1号

独国特許第10 2010 009 427 B4号

独国特許第1015724号

このような背景から、本発明の目的は、上に詳述した欠点を克服するため、又は上記欠点を少なくとも低減するために、改良された蹴子並びにこのような蹴子を有する尾筒及び火器を提供することである。

この目的は、それぞれ独立請求項1、15、21の主題によって達成される。

従って請求項1によると、一般的な蹴子は更に以下の特徴を有する。即ち蹴子は、蹴子を尾筒に対して柔軟に設置する手段を更に備え、これにより蹴子は抽筒板と相互作用して、抽筒板と共に直線状に短い距離だけ復帰し、蹴子はこの経路に沿って停止するまで速度を低下させ、これによって薬莢を蹴筒/廃棄する。

請求項15、21の主題は、尾筒及び火器それぞれが上述のタイプの蹴子を備える点で異なる。

本発明による蹴子は安全装置であり、これを備える火器の信頼性を、長時間続く発砲における高いケイデンス及び長い発砲シーケンスに対してさえも向上させる。本発明が意図する火器は、自動火器、特に機関銃を含む。本発明によると、尾栓から抽筒されて復帰する薬莢の力のピークは、個々の構成部品、特に蹴子及び抽筒子に作用するが、尾栓のためのリコイルスプリングの復帰力について妥協することなく上記力のピークを良好に緩衝できる。

この緩衝により、衝突エネルギは低下し、薬莢の回転が低下して、緩衝された蹴子本体の反作用を引き起こし、また蹴筒プロセス全体の調和を引き起こす。これにより、薬莢の抽筒板が蹴子本体に当たる蹴筒プロセスの第1段階における、蹴子と薬莢との係合が弱まり、薬莢の制御された均一な初期揺動が可能となる。薬莢は底部及び/又は側部において抽筒子によって保持され、蹴子によって上方から蹴筒されるため、これによって薬莢は回転する。慣性及び摩擦を克服した後、蹴筒プロセスの第2段階において、薬莢の蹴筒中に、少なくとも1つの弾性要素が蹴子又は蹴子本体をその開始位置へと押し戻す。ここで蹴子は、薬莢に印加されるその蹴筒力を増大させ、更に薬莢の下方向の揺動を均一化する。これによって薬莢の回転速度が均一化され、ボルトの復帰速度が比較的強く変動する場合であっても、連続的な所定の蹴筒が可能となる。請求項12〜14による蹴子要素の設計上の特徴もまたこれに寄与しており、これらの請求項に関して独立した保護を要求する。

個々の要素に作用する力のピークの緩衝はまた、これら個々の要素への負荷を低減し、従って摩耗を低減するため、これら個々の要素の耐久性を改善する。従って本出願が請求する蹴子を用いると、ばね負荷式の蹴子の寿命を発射回数118000回超まで、抽筒子の寿命を発射回数50000回超まで増大させることができる。更に本発明によると、薬莢の蹴筒及び蹴筒失敗率を、発射回数50000回超で統計上の失敗率となるよう改善できる。

全体として、本発明による蹴子は公知の先行技術と比較して機能不全を起こしにくく、また摩耗も少ない。従って負荷を受ける構成部品の寿命が増大する。

好ましくは、蹴子を少なくとも尾筒内又は尾筒上に柔軟に設置するための、蹴子内の手段は、支持用弾性要素を有する。

上記少なくとも1つの弾性要素は例えば、エラストマとして単純な設計で形成できる。しかしながらその他の弾性要素を用いることもできる。

弾性要素は好ましくはばねであり、特にぜんまいばねである。ばねは単純かつ安価な手段であり、構造に対する僅かな取り組みで蹴子本体に接続でき、また十分な復帰力を提供し、これはまた、薬莢の蹴筒中の薬莢の回転運動の再現性を改善する。機能不全時、少なくとも1つのばねを交換できる。

蹴子要素の可撓性支持のための、蹴子内の手段は、少なくとも1つのばね要素を案内及び収容するための少なくとも1つの収容凹部を蹴子本体内に備える。

これにより小型構成が可能となり、汚れに対する感受性が低減される。更にこれにより、蹴子の故障に対する感受性が低減される。というのは弾性要素の屈曲が防止されるためである。構造的に単純な設計では、上記収容凹部は蹴子本体の非貫通穿孔として設計される。

好ましくは、蹴子の上記手段は、尾筒上に支持できる少なくとも1つの収容・案内要素を備える。これは少なくとも1つの弾性要素を更に収容及び案内するためのものである。

単純な設計では、上記収容・案内要素は、弾性要素を挿入できる案内スリーブとして設計される。その結果、例えば特にばねである弾性要素の屈曲が防止されるため、この弾性要素の機能を保証できる。案内スリーブの内側寸法は好ましくは、弾性要素の外側寸法と相補的である。収容・案内スリーブは、蹴子と反対側の端部において閉鎖でき、これによって少なくとも1つの弾性要素を上記スリーブ上に支持できるため、弾性要素の機能的信頼性が上昇する。

蹴子は好ましくは固定要素を備え、これは弾性要素を尾筒内に予備応力を印加された状態で保持して固定する。

この固定要素はボルト、ねじ又はその他の好適な締結器具として設計できる。蹴子本体は好ましくは上記締結器具によって予備応力を印加された状態で保持され、これにより、スタンバイ位置にあるときには常に、尾筒上/内の同一の所定の位置となる。これは、薬莢が蹴子要素の同一の所定の蹴筒位置に当たることができること、及び抽筒板が蹴子要素に当たる際の第1の力のピークが常に同一の位置において同一の復帰力による反作用を受けることを保証する。

好ましくは、蹴子を少なくとも1つの固定要素上に接触させる及び/又は案内するために、少なくとも1つの接触及び/又は案内表面を蹴子の蹴子本体上に設ける。

その結果、蹴子本体を同一の所定の位置に確実に配置でき、これによって更に、所定の蹴筒位置が保証される。

好ましくは、蹴子の蹴子本体はU字型に設計され、U字の2本の足をブリッジ状に接続する接続部品を用いて、発砲方向を横断する方向に、尾筒内又は尾筒上に配置でき、またこれによって尾筒の幅全体に亘って延在し、その一方でU字の2本の足は尾筒の長手方向に、後方に向かって延在する。

これによって蹴子要素を、尾筒の案内チャネル内の側方又は中央に配置できる。単純な設計では、蹴子要素を中央に配置する。これにより、火器の長手方向軸に関して対称性が高い配置が可能となり、従って蹴子及び尾筒への力の導入及び分散の対称性を高めることができ、更に蹴子の安定した設計が可能となり、薬莢に関して蹴子要素上への所定の接触点が保証される。またこれにより、蹴子本体の安定した設計が可能となり、長手方向移動中の傾動等の機能上の故障のリスクが低減される。

少なくとも1つの弾性要素を案内及び収容するための収容凹部は、U字の各足の端部に設けられる。通常この弾性要素は、1つ又は複数の足の端部が尾筒から離間するように、蹴子を緩衝する。しかしながら足の端部は、例えばばね要素が故障した場合に尾筒の停止部材として作用するよう設計できる。

好ましくは、蹴子本体のU字の足は、各場合において蹴子本体を尾筒内又は尾筒上で案内するための案内表面を備える。

この案内表面は、U字の足の上面、外面、内面及び/又は下面上に形成できる。また、尾筒内又は尾筒上の接触表面を可能な限り小さくするために、案内表面の一部のみを少なくとも1つのU字の足上に設けることもできる。これにより、尾筒内又は尾筒上での、摩擦が最大限少ない蹴子の長手方向移動が保証される。

好ましくは、蹴子本体のU字の各足の案内表面に、少なくとも1つの凹部を設ける。

この凹部は、少なくとも1つの足の上面、外面、下面及び/又は内面それぞれを部分的に又は全体的に覆うように延在できる。これにより、例えば砂又は土による汚れが発生した場合であっても、尾筒内での蹴子本体の長手方向移動を保証できる。というのは、案内表面上に発生するいずれの汚れは、上記長手方向移動中に凹部内へと押しやられるためである。

蹴子は好ましくは、互いに対して対称に配置された2つの弾性要素を備え、これらは各場合において関連する蹴子本体のU字の2つの足内の収容・案内凹部と、尾筒を支承できる収容・案内要素とを有する。

特に、互いに対して平行なU字の2つの足を有する、蹴子本体のある設計では、2つの弾性要素により、蹴子の機能を保証し、例えば傾動又はその他の機能上の障害を防止する。

また蹴子の蹴子要素は、基本的に立方体の案内・衝突凹部を、尾栓の運動経路内へと延伸するその端部上に備え、上記運動経路は、復帰する薬莢に向かって後方に延在し、その結果、蹴筒されることになる薬莢のための、この方向に延伸する少なくとも1つの案内・衝突表面を有する。

必要な製造公差及び強い加速により、尾栓は通常、復帰中に常に尾筒の中央にあるわけではなく、尾筒内で振動する。ボルトの運動のこのような振動は、ボルトの側方ガイド内の遊びに起因し得る。その結果薬莢は蹴子の蹴子要素の異なる複数の接触点に頻繁に当たる。

2つの衝突・案内表面は、蹴筒プロセス中に薬莢の抽筒板と係合するよう、かつ抽筒板を、凹部内の所定の、正確に反復可能な蹴筒位置へと案内するよう、設計される。これは好ましくは、薬莢後部領域が凹部のにぴったりと位置するような位置である。

蹴筒中、案内・衝突表面はそれぞれ、到着した薬莢を案内・衝突凹部へと案内する。案内・衝突凹部は略矩形であるか、又は矩形に近いものとすることができる。案内・衝突表面は、蹴筒運動の不規則性、即ち薬莢の接触点の不規則性を補償する。というのは少なくとも1つの案内・衝突表面は、薬莢を、衝突凹部内の同一の蹴筒位置付近へと案内するためである。従って薬莢は衝突凹部内で決して逸脱せず、よって最終的には常に所定の接触位置となる。これにより所定の正確に反復可能な蹴筒が可能となり、これは薬莢の所定の正確に反復可能な回転につながる。

案内・衝突凹部の少なくとも1つの案内・衝突表面は好ましくは、後方に向かって延伸して下向きに傾斜し、及び/又は抽筒板と少なくとも略相補的な案内チャネルを有する。

これらの手段はまた、所定の蹴筒位置への実包の案内を容易にする。

好ましくは、案内・衝突凹部は、蹴筒される薬莢の抽筒板のための少なくとも1つの垂直な案内・衝突表面を有する。

所定の蹴筒位置において、抽筒板は、後方の垂直な衝突・案内表面上に位置し、そこから突出する薬莢シェルの領域は、水平な衝突・案内表面上に位置する。

本発明による蹴子を備える尾筒に関して、尾筒は、蹴子本体を収容してその長手方向移動を案内するために、蹴子本体と相補的な少なくとも1つの凹部を備える。

これにより、尾筒内において少なくとも1つの凹部内に、蹴子を全体的又は部分的に収容できる。あるいは尾筒に補助構造体を設けることもでき、蹴子をこの補助構造体内に全体的又は部分的に収容する。凹部の相補的な設計は、蹴筒プロセス中の蹴子本体の安定した長手方向移動を保証し、蹴子本体の傾斜又は傾動を防止する。蹴子の案内表面に対して反作用する案内表面を、凹部に設けてよい。

本発明に記載するような尾筒は、単一部品製尾筒及び複数部品製尾筒を含む。蹴子を適切な位置に設ける。複数部品設計の場合、尾筒は公知の方法で、互いに対して垂直に分離された2つの尾筒半体又はシェルから構成できる。尾筒若しくは尾筒シェル又はこれらの部品に異なる好適な物質を用いてもよく、これは特許文献1から既に公知である。

尾筒は好ましくは、少なくとも1つの収容・案内要素を収容及び案内するための少なくとも1つの凹部を備え、蹴子本体を収容するための凹部を有する上記凹部は、上記収容・案内要素と同一平面上かつ相補的となるよう設計される。

収容・案内要素を収容及び案内するための第2の凹部を、例えば尾筒又は尾筒に取り付けられた補助構造体に、構造的に単純な方法で、非貫通穿孔として導入又は設計できる。これにより蹴子の安定性は向上し、蹴子本体の長手方向移動が保証される。これはまた、蹴筒プロセス中に薬莢によって蹴子、特に蹴子本体に印加される力のピークの緩衝及び収容を改善する。というのは収容・案内要素は尾筒の凹部内に受承され、上記凹部内に支持されるためである。

尾筒は好ましくは、各場合に2つの収容・案内要素の一方を収容するための、尾筒内に形成された、互いに対して対称な少なくとも2つの凹部を備える。

対称な設計により、蹴筒の過程での蹴子本体の長手方向移動中に、蹴子本体が傾斜又は傾動するのを防止する。

好ましくは、尾筒を安定化するために、尾筒に安定化要素を設け、この要素は発砲方向を横断するように配置される。

この安定化要素はブリッジ要素として設計でき、尾筒上の好適な位置に配置できる。安定化要素は好ましくは、尾筒の上面の例えば中央に配置される。このようにして尾筒の安定性を向上でき、尾筒シェルの傾斜を防止できる。根本的には、例えば溶接、接着等によって安定化要素を尾筒に恒常的に接続できる。しかしながら好ましくは、安定化要素は尾筒の上面に配置される。

安定化要素は好ましくは、少なくとも1つの固定要素によって、尾筒上に固定及び/又は整列され、また同時に、蹴子本体を尾筒内に、張力がかかった状態で保持して固定する。

固定要素として例えばねじを提供してよい。他の好適な機械的取り付け及び固定要素も可能であり、これらは安定化要素の対応する孔、例えば穿孔を、基本的には垂直に通過して、各場合において、安定化要素を尾筒半体に接続する。尾筒に設けられた上記孔又は穿孔は、固定要素の位置に関して、その中への位置決め及び整列を保証する。

好ましくは、尾筒上に少なくとも1つの凹部を設け、少なくとも1つの固定要素を上記凹部内に配置及び固定できる。

これに関して、例えば穿孔又はその他の好適な孔を、各場合において尾筒又は尾筒半体に設けてよく、上記孔には固定要素を上から挿入して、例えばねじ接続によって固定できる。

蹴子は好ましくは、火器用の改造キットとしても設計される。

本発明による蹴子の単純な構成により、既存の尾筒を、最小の再機械加工で改造することもできる。現行の新規に製造された武器の場合、本発明による蹴子は好ましくは初めから尾筒の構成部品であるか、又は尾筒を、このタイプの蹴子を収容できるよう設計する。

全体として、本発明によると、実包を所定の方法でより正確に蹴筒する蹴子が提供され、負荷を受ける構成部品に対する摩耗が低減される。

添付の概略図を参照して、本発明の例示的実施形態を更に詳細に説明する。

図1は、本発明による蹴子の斜視分解図と、その下側の、尾筒の上側後方からの斜視図である。

図2は、図1と同様に本発明による蹴子の本発明による蹴子本体の、上側前方からの斜視図である。

図3は、尾筒内に設置された本発明による蹴子の、上側前方からの斜視図である。

図4は、図3の部分拡大図である。

図5は、抽筒された薬莢が本発明による蹴子に当たる前の、復帰するボルトを備える尾筒の長手方向断面図である。

図6は、薬莢が蹴子に当たる際の、図5の尾筒の長手方向断面図である。

図7は、本発明による蹴子が薬莢を緩衝する、2つの断面における図6の尾筒の長手方向断面図である。

図8は、図7の尾筒の長手方向断面図である。

図9は、薬莢を蹴筒した後の、図8の尾筒の長手方向断面図である。

本発明による蹴子の構成を、まず図1〜4を参照して説明する。図5〜9は、既に薬室から抽筒された実包の蹴筒の機能的シーケンスを様々な位置で示す。

図1〜4を参照すると、蹴子1は蹴子本体5を備え、これは上から見ると(平坦に配置された)略U字型であり、図2を参照して更に詳細に説明される。

更に蹴子1は、本体5を緩衝するための2つのばね要素7a、7bを備える。これらばね要素7a、7bは巻きばねとして設計され、案内・収容スリーブ9a、9bに挿入できる。これら案内・収容スリーブ9a、9bはその内部にばね要素7a、7bを収容し、組み立て済み状態では尾筒3上に支持される。案内/収容スリーブ9a、9bはその後方端部で閉鎖され、これによりばね要素7a、7bをそれぞれその後方端部において支持できる。ばね要素7a、7bを案内/収容スリーブ9a、9bに挿入することにより、ばね要素7a、7bの屈曲、及びこれに伴うばね要素7a、7bの機能不全は殆ど不可能となる。

ばね要素7a、7bをその前方端部において、非貫通穿孔の形状を有する本体5の収容部11a、11bに挿入できる。本体5上の非貫通穿孔11a、11bの前方に形成された案内表面13a、13bにより、ばね要素7a、7bの挿入が容易になる。

尾筒3は実質的に、2つの尾筒シェル23、25及び接続ブロック31からなる。尾筒シェル23、25は、例えば製造中にその最終形状とすることができ、又は後で切削、穿孔若しくはその他の加工を適切に行うこともできる。接続ブロック31は尾筒の前方部分を形成し、尾筒の長手方向軸と同一平面上にあり、この実施例ではバレル(図示せず)及びガスピストンロッド(図示せず)を収容する役割を果たす。これに関して、接続ブロック41は円筒形ガスピストンロッドレシーバ33と、その上側に形成されたバレルレシーバ35とを備える。ガスピストンロッドレシーバ33は、適切な嵌合を有するガスピストンロッドガイド(図示せず)を収容し、これは加圧ガス再装填機構を公知の方法で作動させる。

バレルを整列させるために、各場合において互いに対して平行となるよう形成された案内タペット37a、37bをバレルレシーバ35上に設ける。追加の接続ピン39a、39b、39cは、各尾筒シェル23、25内の相補的な位置決め凹部41a、41b、41cに係合し、ここで位置決め凹部41a、41b、41cに接続される。尾筒シェル23、25はこのようにして接続ブロック31に接続される。

尾栓が中で長手方向に運動できるように尾栓を案内する尾栓用案内チャネル29を、2つの尾筒シェル23、25間に形成する。これに関して、互いに対向して位置する案内レール65a、65bを、各場合において尾筒シェル23、25の内面上に設け、案内レール65a、65bは(図示されていない)尾栓と係合する。尾栓は例えばローラガイド又は他の好適な案内手段(図示せず)を備えることができる。案内レール65a、65bはそれぞれ、尾筒シェル23、25の溝若しくは窪みとして、又は隆起部としても設計できる。

組み立て済みの尾筒シェル23、25の下面において、引金デバイス(図示せず)を尾筒3に挿入でき、これは案内チャネル29内へと延伸する。更に各場合において、実包蹴筒ウインドウ(図示せず)を2つの尾筒シェル23、25の下面に設ける。尾筒3の上面は(図示されていない)実包供給カバーによって閉鎖できる。

尾筒シェル23、25の後方端部に、ストラップを支持するためのアイレット62a、62bを形成し、更にショルダーレスト(図示せず)を取り付ける及び/又は固定するための、穿孔等の凹部67a、67bを設ける。尾筒シェル23、25の後方端部は、銃床収容領域として設計され、これは(図示されていない)ショルダーレストレシーバによって、(図示されていない)ショルダーレストに公知の方法で接続できる。

蹴子1を尾筒3に挿入できる。これに関して、尾筒3には相補的な凹部27a、27bが設けられ、これらは、蹴子本体5の長手方向移動を可能とするよう設計される。凹部27a、27bは、例えば尾筒シェル23、25の製造時に開口として形成できるが、あるいはこれらを、適切かつ好適な加工によって後で形成することもでき、例えばこれらを尾筒シェル23、25に切削又は穿孔することもできる。

更に、収容・案内スリーブ9a、9bを収容及び案内するための凹部63a、63b(図3、4)を、尾筒3の両側に、即ち尾筒シェル23、25それぞれに設け、これら凹部63a、63bはそれぞれ、蹴子1を収容するための凹部27a、27bと同一平面上であり、凹部27a、27bを後方へ向かって延長する。凹部63a、63bは、各尾筒シェル23、25の穿孔によって形成でき、また収容・案内スリーブ9a、9bに対して相補的となるよう設計される。凹部63a、63bは、収容・案内スリーブ9a、9bの全長に亘って延在できる。しかしながら図示した実施形態では、これらは収容・案内スリーブ9a、9bの後方端部しか収容しない。収容・案内スリーブ9a、9bの露出部分は、各場合において、尾筒3のリブ状部分に取り囲まれる。これは構造上の特徴である。

尾筒内に蹴子1を固定するために、ねじ19a、19bの形態の2つの固定要素を設ける。ねじ19a、19bは、尾筒3内の凹部、基本的には穿孔43a、43bを通過するよう、及び各場合において尾筒3の収容部42a、42b、基本的にはねじ山付き穿孔内へと締結されるよう、設計される。

更に、接続用ヨークを用いる方式で、尾筒3に設けられた位置決め用肩部16a、16b上に、発砲方向を横断する方向に配置できる、安定化要素15を設ける。この安定化要素15はその2つの外側端部上に穿孔17a、17bの形状の凹部を有し、これらをねじ19a、19bが通過する。更にワッシャ21a、21bを設け、これらは安定化要素15上に上側から配置でき、これによってねじ頭が安定化要素15を貫通するのを防止できる。

既に指摘したように、また図2の拡大図で確認できるように、蹴子本体5は平坦に配置された略U字型である。U字の開いている側は、設置位置においてショルダーレストの方向を向く。ブリッジ状に設計された接続要素44は、同一の2つの側部足45a、45bを接続し、これら足は、これら足の端部が後方を向くように延在する。蹴子要素46は接続要素44の下面の中央に配置され、これはタペットとして下向きに延在する。蹴子1の組み立て済み状態では、蹴子要素46はその下側端部が尾筒3の案内チャネル29内となるように延在する。

蹴子要素46の下側端部に凹部47を設ける。これは図示した例示的実施形態では垂直な段差として設計され、従って基本的に立方体の凹部を示す。よって凹部47は、復帰する薬莢59のための垂直な衝突・案内表面49及び水平な衝突・案内表面51を形成する。あるいは、水平な衝突・案内表面51は後部へ向かって僅かに下向きに傾斜し、及び/又は抽筒板と略相補的な案内チャネルとして設計される。ボルトが復帰すると、現在のボルトの運動に応じて抽筒子の爪69が衝突・案内表面49若しくは衝突・案内表面51又はこれら両方に当たる。2つの衝突・案内表面49、51は、蹴筒プロセス中に薬莢59の抽筒板61と係合するよう、及び凹部47内部で正確に反復できる蹴筒位置へと抽筒板61を案内するよう設計され、上記蹴筒位置は好ましくは、薬莢後部領域が凹部47の角にぴったりと位置し、これによって抽筒板61が衝突・案内表面49に対して静置され、そこから突出する薬莢シェルの領域が衝突・案内表面51に対して静置されるような位置である。

ブリッジ状接続要素44を用いて、2つの前方角領域はそれぞれ、一般的な従来技術(特許文献1)を形成するものとは異なり、断面がL字型の凹部として設計され、これら凹部は接触・案内表面53a、53bとして設計され、これにより、蹴子本体5がねじ19a、19bと接触して、両側からねじ19a、19bへと案内される。

後方へと延在する蹴子本体5の足45a、45bの外側表面は案内表面55a、55bをそれぞれ有し、案内表面55a、55bはそれぞれ平坦な凹部57a、57bによって中断される。案内表面55a、55bは、蹴子本体5の上面、下面及び/又は外側上に延在する。砂又は泥を凹部57a、57bを用いて搬送できるため、凹部57a、57bは、汚れてしまった場合でも案内表面55a、55bの機動性を保証する。

2つの足45a、45bの後方端部上の上面、背面及び外面はそれぞれ掘り抜かれており、これによって各場合において基本的にL字型の案内表面13a、13bが得られる。これら案内表面13a、13bは、2つの足45a、45bの凹部、即ち収容用穿孔11a、11b内へのばね要素7a、7bの挿入を容易にする。更に案内表面13a、13bはそれぞれ停止部材を形成し、これらは機能不全時にばね要素7a、7bを凹部27a、27b内で停止させる。

図3、4は、尾筒3内に蹴子1を設置した状態を示す。蹴子は各尾筒シェル23、25の凹部27a、27bに挿入され、案内スリーブ9a、9bが穿孔63に挿入される。安定化要素15は2つの尾筒シェル23、25上に、ブリッジ状に上側から配置される。ねじ19a、19bは案内要素15の穿孔17a、17b及び各尾筒シェル23、25の穿孔43a、43bを通過し、凹部42a、42b内へと締結される。

安定化要素15は、組み立て済みの尾筒シェル23、25の、特に長手方向に延在する露出した上側縁部を安定化させる。ねじ19a、19bは安定化要素15を長手方向及び横断方向にセンタリングして、安定化要素15を設置位置に固定する。更にねじ19a、19bは蹴子1を尾筒3内に固定する。これに関してねじ19a、19bは、蹴子本体5がその接触表面53a、53bによってねじ19a、19bに対して静置されるように、尾筒3内に配置される。ばね要素7a、7bの案内スリーブ9a、9bのための凹部63a、63bは、設置位置において既に張力がかかっており、蹴子本体5をその接触表面53a、53bを用いてねじ19a、19bに対して押圧する。ばね7a、7bはその後方端部において収容・案内スリーブ9a、9b内に支持される。上記張力の印加は、収容用穿孔63の長さ、又はねじ19a、19bまでの間隔及び対応するばねの長さ若しくは強度によって得られる。

蹴子要素46は接続要素44の下面において案内チャネル29内へと延在する。蹴子要素46は、尾栓内の長手方向溝として設計された凹部77内へと突出するよう設計及び配置される。

蹴子本体5は、後方に向かう長手方向運動によって変位できるように、尾筒3の凹部27a内で支持される。ばね7aは案内・収容スリーブ9a内に収容され、案内・収容スリーブ9aはその後方端部において、案内・収容スリーブ9aを収容及び案内するための凹部63に収容される。ばね7aは部分的に案内・収容スリーブ9aから外へと延伸し、蹴筒プロセス中は後方に向かって圧縮される。これにより蹴子本体5は案内・収容スリーブ9bに近づく。右側尾筒シェル23に関してここで図示した構成(図7)は、ここでは部分的に隠れている反対側の左側尾筒シェル25と鏡像関係にある。

図5〜9は、尾筒3からの薬莢59の蹴筒中の、本発明による蹴子1に関する機能的シーケンスを示す。

発砲後、尾栓は図示されていないガスピストンロッドによって、接続ブロック31から後方へ、銃床収容部の方向に移動される。ここでは尾栓はボルトキャリヤ及びボルトヘッド71を備え、抽筒子69はボルトヘッド71上に配置される。抽筒子69は薬莢59の抽筒板61を下から把持し、尾栓が復帰する間にこれを後方へと牽引して、薬室(図示せず)から除去する。蹴子要素46は、ボルトヘッド71内に長手方向に延在する溝77内へと突出し、これによって凹部47内の薬莢59は、2つの衝突・案内表面49、51のうちの少なくとも一方に高速で当たり、案内される。

図5では、1発の発砲の後、ボルトキャリヤ及びボルトヘッド71は、抽筒された薬莢59と共に後方へ向かって移動する。抽筒子69はばね負荷型ボルト73を介して枢軸75の周りで可動に支持される。尾栓又はボルトヘッド71それぞれの内部では、撃針79が、長手方向に運動できるように撃針ガイド81内に支持される。凹部47は蹴子要素46内に、その衝突・案内表面49、51と共に示されている。図5では、抽筒板61はまだ蹴子要素46から離間している。

図6は、抽筒板61が蹴子要素46の、ここでは凹部47内の衝突・案内表面49に到達した様子を示す。ボルトはその復帰中には上述のように直線運動せず、ボルトに作用するガス力によって振動して、側方、上方及び/又は下方に逸脱する。このようにして、衝突・案内表面49、51は薬莢59を凹部47内へと案内し、これによって凹部47内での抽筒板61の位置決めの反復精度が改善される。

蹴子本体5は、尾筒シェル23、25の内側の短い距離だけ復帰して、ばね7a、7bの復帰力に対して反作用する。ばね7a、7bはこれにより、蹴子1及び抽筒子69全体に作用する力のピークを緩衝する。これにより、蹴筒動作、即ち蹴筒の第1段階における薬莢59の速度は遅くなる。

蹴子1による蹴筒を図7、8に示す。図7では、蹴子1は既に、図6に比べて更に後方へ、銃床に向かって駆動されており、力のピークを緩衝するためのばね7a、7bを圧縮している。ボルトヘッド71はボルトキャリヤと共に更に後方へと移動する。

圧縮されることになるばねアセンブリは、ブローバックを起こした蹴子本体5が圧縮されたばね7a、7b上で回転して、尾筒3に当たらないように設計される。

薬莢59は、抽筒板61を抽筒子69によって保持され、上側縁部を蹴子要素46によって保持されるため、即ちより詳細には衝突表面49によって前方へと押圧されるため、慣性力及び摩擦力が克服されるとすぐに回転を始める。抽筒子69は対抗軸受として機能し、抽筒板61の下側縁部を保持する。

図7は更に、収容・案内スリーブ9a、9bを通る第2の断面を示し、ばね7aの圧縮が図示されている。蹴子要素46は、その衝突・案内表面49、51によって抽筒板61の上側端部と係合し、薬莢59をその上側抽筒板61において外側へと押しやる。U字型蹴子本体5の右側足45aの後方端部は、凹部27aの後方端部、及び凹部63内に配置されたばね7aのための収容・案内スリーブ9aの前方端部から、まだ離間している。

ばね7a、7bが弛緩すると、第2の蹴筒段階において蹴子本体5は再び前方へ、尾栓の運動方向と反対方向に移動し、蹴子要素46は薬莢59の抽筒板61を更に前方へと押しやる。薬莢59は更に下向きに傾斜し、後方接触縁部が抽筒板と対向した状態の抽筒子69はばね74に対してボルト73を後方に押しやる。これによって抽筒子69はその枢軸75の周りで枢動し、これによって薬莢59が解放される。続いて薬莢59は、尾筒シェル23、25間に形成された実包蹴筒ウインドウを通して、下方へと蹴筒される。

図9は、予備張力がかかった設置位置にある、蹴筒プロセス後の蹴子1を示し、この位置では、足45aの後方端部は収容・案内スリーブ9aの前方端部から更に離間している。尾栓はその後方位置にあり、図示されていないボルト用ばね、即ち緩衝機構によって負荷を印加される。上記緩衝機構は、尾栓の復帰運動の力を公知の方法で緩衝する。抽筒子69は、ばね74のばね力によって枢軸75の周りで逆向きに枢動し、ボルトヘッド71に対して静置される。

尾栓は前方に移動する際に公知の方法で薬室内に新たな実包を導入でき、これにより火器を再び発砲できる。

更に、当業者は以下の請求項から本発明の明らかな複数の設計を得ることができる。

1 蹴子 3 尾筒 5 蹴子本体 7a、7b 弾性要素/ばね 9a、9b 案内スリーブ/収容スリーブ 11a、11b 収容部/収容穿孔 13a、13b 案内表面 15 安定化要素 16a、16b 15のための位置決め用凹部 17a、17b 穿孔 19a、19b 固定要素/ねじ 21a、21b ワッシャ 23 右側尾筒シェル 25 左側尾筒シェル 27a、27b 凹部 29 案内チャネル 31 接続ブロック 33 ガスピストンロッド収容部 35 バレル収容部 37a、37b 案内タペット 39a、39b、39c 接続ピン 41a、41b、41c 位置決め用肩部 42a、42b 固定要素19a、19bのための凹部 43a、43b 穿孔 44 接続部品 45a、45b 足 46 蹴子要素 47 凹部 49 衝突・案内表面 51 衝突・案内表面 53a、53b 接触表面を有する凹部 55a、55b 案内表面 57a、57b 案内表面55a、55bのための凹部 59 薬莢 61 抽筒板 62a、62b アイレット 63a、63b 収容/案内要素を収容及び案内するための凹部 65a、65b 案内レール 67a、67b 穿孔 69 抽筒子 71 ボルトヘッド 73 ボルト 74 ばね 75 枢軸 77 ボルトヘッド内の溝 79 撃針 81 撃針ガイド

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