Hot-keeping/cold-keeping coaster for beverage

申请号 JP2003401377 申请日 2003-12-01 公开(公告)号 JP2005160613A 公开(公告)日 2005-06-23
申请人 Sharp Corp; シャープ株式会社; 发明人 SHIMOGISHI KENJI; MATSUO YOSHIHIKO; TSUDA YOICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hot-keeping/cold-keeping coaster for beverage of which the power consumption is greatly reduced.
SOLUTION: This hot-keeping/cold-keeping coaster for beverage is equipped with a coaster main body 10, and an electronic heat pump module 1 which cools one surface side of the coaster main body 10, and in the meantime, heats the other surface side of the coaster main body 10. The electronic heat pump module 1 is equipped with a vacuum diode type electronic heat pump device, and therefore, the power consumption can greatly be reduced more than by a cooling mechanism of a Peltier element.
COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • コースタ本体と、
    このコースタ本体に取り付けられると共に、このコースタ本体の一面側を冷却する一方このコースタ本体の他面側を加熱する吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置とを備えることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項1に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記電子ヒートポンプ装置に供給される電流の向きを切り替える電流切り替え手段を備え、
    上記コースタ本体の一面側を加熱する一方上記コースタ本体の他面側を冷却できるようにしたことを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項1に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記コースタ本体は、
    上記電子ヒートポンプ装置を囲む外枠と、
    この外枠の外周面に一体に取り付けられると共に上記電子ヒートポンプ装置の電源を有する電源ケースとを備えることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項3に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記外枠の側面と上記電源ケースの側面とは、略同一平面にあることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項1に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在することを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項1に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記電子ヒートポンプ装置は、
    第1の電極基板と、
    この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
    この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
    第2の電極基板と、
    この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
    この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極とを備え、
    上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
    かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
    さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
    上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材とを備えることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項6に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有することを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項6に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実であることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項8に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状であることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 請求項1に記載の飲料用保温保冷コースタにおいて、
    上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されていることを特徴とする飲料用保温保冷コースタ。
  • 说明书全文

    この発明は、例えば、ジュース、お茶またはコーヒー等の入ったコップ、缶またはペットボトル等の飲料入り容器を置くコースタであって、この飲料入り容器を適度な温度に保つための飲料用保温保冷コースタに関する。

    従来の飲料用保温保冷コースタは、図10に示すように、2枚の金属板1002,1003と、この2枚の金属板1002,1003の間に挟まれたペルチェ素子1001と、この2枚の金属板1002,1003の周囲を固定する外枠1004とを備え、このペルチェ素子1001により、一方の上記金属板1002の上に置かれた飲料入り容器1005を保温または保冷していた(特開平8−126567号公報:特許文献1参照)。

    しかしながら、上記従来の飲料用保温保冷コースタでは、上記ペルチェ素子1001にて上記飲料入り容器1005を適度な温度に保持しているので、例えば、上記ペルチェ素子1001にて上記飲料入り容器1005を冷却する場合、このペルチェ素子1001の冷却効率は低く、冷却に必要な吸熱量の数倍のエネルギーを投入しなければ十分な冷却性能を得ることができなかった。

    これは、上記ペルチェ素子1001の構造が、図11に示すように、第1の金属電極1121a、p型半導体1106、第2の金属電極1121b、n型半導体1107および第3の金属電極1121cが順に電気的に直列に接続している構造であり、上記p型半導体1106から上記n型半導体1107に電子が移動するように外部から電圧を加えた場合に、上記第1の金属電極1121aから上記p型半導体1106、および、上記n型半導体1107から上記第3の金属電極1121cに電子が移動する接合面では発熱が起こり、逆に、上記p型半導体1106から上記第2の金属電極1121b、および、上記第2の金属電極1121bから上記n型半導体1107に電子が移動する接合面では吸熱が起こり、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の両端に温度差が発生するペルチェ効果を応用した素子であるが、上記p型半導体1106および上記n型半導体1107の内部を、熱伝導による矢印1122にて示す熱流があるために、熱変換効率が劣り、所定の冷却能を得ようとすると、消費電力が大きくなる課題があった。

    また、ペルチェ素子は、有害物質のテルルを材料として使用しており、取扱いを誤ると環境へ悪影響を及ぼす危険性があった。

    また、上記従来の飲料用保温保冷コースタでは、上記ペルチェ素子1001に接続される電源1006は、上記外枠1004とは別体に配置されているので、持ち運びに不向きになり、使い勝手がよくない。

    特開平8−126567号公報

    そこで、この発明の課題は、消費電力量を大幅に低減した飲料用保温保冷コースタを提供することにある。

    上記課題を解決するため、この発明の飲料用保温保冷コースタは、
    コースタ本体と、
    このコースタ本体に取り付けられると共に、このコースタ本体の一面側を冷却する一方このコースタ本体の他面側を加熱する吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置とを備えることを特徴としている。

    ここで、上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置とは、例えば、二つの電極間をナノレベル(例えば、1nm〜10nm)の距離に近づけて真空ギャップを形成し、電圧を印加することでエミッタ側からコレクタ側へ電子トンネル効果を利用した電子放出により、冷却および加熱を行う装置をいう。

    この発明の飲料用保温保冷コースタによれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ効果を応用しないで、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができる。 また、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記電子ヒートポンプ装置に供給される電流の向きを切り替える電流切り替え手段を備え、
    上記コースタ本体の一面側を加熱する一方上記コースタ本体の他面側を冷却できるようにしている。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記電流切り替え手段により、この飲料用保温保冷コースタの保温と保冷とを、簡単かつ迅速に、切り替えることができる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記コースタ本体は、
    上記電子ヒートポンプ装置を囲む外枠と、
    この外枠の外周面に一体に取り付けられると共に上記電子ヒートポンプ装置の電源を有する電源ケースとを備える。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記電源ケースは上記外枠の外周面に一体に取り付けられているので、持ち運びに適したものになり、使い勝手がよくなる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記外枠の側面と上記電源ケースの側面とは、略同一平面にある。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記外枠の側面と上記電源ケースの側面とは、略同一平面にある(面一である)ので、この飲料用保温保冷コースタをテーブルに置いたときに、がたつくことがなくて、この飲料用保温保冷コースタに載せた飲料入りのコップ等の容器が倒れることを防止できる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記電子ヒートポンプ装置における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在している。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記吸熱側と上記放熱側との間のスペーサ部にて、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離しているので、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、小型化および軽量化を図ることができる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記電子ヒートポンプ装置は、
    第1の電極基板と、
    この第1の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第1の半導体基板と、
    この第1の半導体基板の他面に設けられた第1の内部電極と、
    第2の電極基板と、
    この第2の電極基板に、電気および熱が伝導可能なように、一面が連結された第2の半導体基板と、
    この第2の半導体基板の他面に設けられた第2の内部電極とを備え、
    上記第1の内部電極と上記第2の内部電極とは、隙間をあけて対向するように配置され、
    かつ、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記第1の内部電極と上記第2の内部電極との間の上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されており、
    さらに、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間に配置されて上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材と、
    上記第1の電極基板と上記第2の電極基板との間の真空を維持する封止部材とを備える。

    ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、電気的および熱的に伝導性を有するものである。 上記第1の半導体基板および上記第2の半導体基板としては、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いる。 上記間隔保持部材としては、例えば、絶縁性のワッシャや、樹脂製のボルト等を用いる。 上記封止部材としては、電気的および熱的に絶縁性であり、例えば、低融点のガラスを用いる。 上記第1の内部電極は、例えば、上記第1の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。 上記第2の内部電極は、例えば、上記第2の半導体基板の表面に、導電性材料を薄膜状に形成してなるものである。 上記隙間は、真空状態において、エミッタ側からコレクタ側に移動する高エネルギー電子をフィルタリングする。 上記半導体基板に上記スペーサ部が一体に形成されているとは、例えば、上記半導体基板がSi基板である場合、この基板表面に、例えば、熱酸化を施してSiO 2膜を形成し、このSiO 2膜をエッチングすることで、上記スペーサ部が形成される。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方には、上記隙間を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部が一体に形成されているので、部品数を減少した簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。 具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中空部を有する。

    ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、例えば、CuまたはCu合金からなるステムである。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、上記両方の電極基板の中空部に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方の電極基板の最外部のみとなり、直接に、上記第1の半導体基板、上記第2の半導体基板、上記第1の内部電極および上記第2の内部電極に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない構造の電子ヒートポンプ装置が実現可能となる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、中実である。

    ここで、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板としては、例えば、タングステン、タングステンカーバイト、銅、シリコン等の材料からなる。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、中実であるので、この電子ヒートポンプ装置を薄く小型にできて、飲料用保温保冷コースタの一層の小型化を図ることができる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記第1の電極基板および上記第2の電極基板は、それぞれ、略直方体状である。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、この電子ヒートポンプ装置を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の飲料用保温保冷コースタの内部に組み込み易くなる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記電子ヒートポンプ装置は、複数存在し、この複数の電子ヒートポンプ装置は、電気的に接続されて、モジュール化されている。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、大きな容量の飲料入り容器を迅速に冷却することができる。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とに接触し、電気的および熱的に絶縁性である。 なお、上記封止部材は、上記第1の電極基板と上記第2の電極基板とを封止する一つの部材であってもよく、あるいは、上記第1の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分と、上記第2の電極基板と上記間隔保持部材との間を封止する部分との別体であってもよい。

    また、一実施形態の飲料用保温保冷コースタでは、上記第1の内部電極の仕事関数は、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しい。

    ここで、「仕事関数」とは、一般に、ある材料に何らかのエネルギー(例えば、熱や電界印加等)を与えて、その材料表面から外部のエネルギー障壁(例えば、真空)を超えて電子を取り出す場合における、その材料の電子放出能力を示す物性値であり、低い仕事関数の方が電子の放出量が多いとされる。

    上記第1の内部電極および上記第2の内部電極は、導電性の複合材料からなり、例えば、Ag、Ti、Au薄膜の表面を酸化セシウムが覆っている構成である。

    この一実施形態の飲料用保温保冷コースタによれば、上記第1の内部電極の仕事関数が、上記第2の内部電極の仕事関数と略等しいので、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。

    この発明の飲料用保温保冷コースタによれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に低減できる。

    以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。

    (第1の実施形態)
    図1は、この発明の飲料用保温保冷コースタの一実施形態である断面図を示している。

    この飲料用保温保冷コースタは、コースタ本体10と、このコースタ本体10に取り付けられると共に、このコースタ本体10の一面側を冷却する一方このコースタ本体10の他面側を加熱する電子ヒートポンプモジュール1とを備える。

    上記コースタ本体10は、上記電子ヒートポンプモジュール1を挟む第1と第2の伝達プレート21,22と、上記電子ヒートポンプモジュール1を囲むと共に上記第1と第2の伝達プレート21,22の周囲を固定する外枠11と、この外枠11の外周面に一体に取り付けられると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の電源8を有する電源ケース12とを備える。

    上記第1と第2の伝達プレート21,22は、例えば、アルミニウムやマグネシウム等の熱伝導性に優れた材質で形成される。 上記外枠11は、例えば、ウレタン等の断熱材で形成され、熱の外部への漏れを抑えることができる。

    上記外枠11の内周面には、凹溝11aが設けられ、この凹溝11aに、上記電子ヒートポンプモジュール1を挟んだ上記第1と第2の伝達プレート21,22が嵌め込まれている。 すなわち、上記第1と第2の伝達プレート21,22は、上記外枠11の側面よりも内側にある。 ここで、上記外枠11の側面とは、上記飲料用保温保冷コースタを、仮想線にて示すテーブル等の台の上面Sに置いて使用するときに、上記台の上面Sに接触する面である。

    このように、上記第1と第2の伝達プレート21,22は、上記外枠11の側面よりも内側にあるので、上記飲料用保温保冷コースタを上記台の上面Sに置いて、上記外枠11の側面を上記台の上面Sに接触させたときに、上記第1の伝達プレート21または上記第2の伝達プレート22と上記台の上面Sとの間に空間を形成できる。 言い換えると、上記コースタ本体10の両側に、それぞれ、凹部13が形成される。

    上記電源ケース12は、例えば、樹脂等で形成され、この電源ケース12の側面は、上記外枠11の側面と略同一平面にある(略面一である)。 したがって、上記飲料用保温保冷コースタをテーブルに置いたときに、がたつくことがなくて、この飲料用保温保冷コースタに載せた飲料入りのコップ等の容器が倒れることを防止できる。

    上記電源8は、例えば、充電池やソーラ電池等の直流電源であり、上記外枠11に取り付けられる電源スイッチ5を介して、上電子ヒートポンプモジュール1に電気的に接続される。 この電源スイッチ5は、上記電源8の上記電子ヒートポンプモジュール1への通電のON/OFFを切り替える。

    上記電子ヒートポンプモジュール1は、略板状に形成され、上記電子ヒートポンプモジュール1の一面(上面)が、上記第1の伝達プレート21の内側面(下面)に熱的に接触し、上記電子ヒートポンプモジュール1の他面(下面)が、上記第2の伝達プレート22の内側面(上面)に熱的に接触する。

    上記第1の伝達プレート21の外側面(上面)には、飲料入り容器2が置かれる。 この飲料入り容器2としては、例えば、ジュース、お茶またはコーヒー等の入ったコップ、缶またはペットボトル等の容器である。 このとき、上記コースタ本体10の上記凹部13に上記飲料入り容器2を入れているので、上記飲料入り容器2の滑落を防止できる。

    次に、上記飲料用保温保冷コースタの使用方法および作用を説明する。

    上記飲料用保温保冷コースタを上記台の上面Sに置き、上記第1の伝達プレート21の上面に上記飲料入り容器2を置いて、上記電源スイッチ5を「ON」にすると、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側の温度が下がって、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記第1の伝達プレート21を介して、この第1の伝達プレート21に接触している上記飲料入り容器2を冷却(保冷)する。 また、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側の温度は上がり、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記第2の伝達プレート22を加熱し、この第2の伝達プレート22から外気へ放熱する。

    このとき、上記第2の伝達プレート22と上記台の上面Sとの間に形成される上記空間(上記凹部13)により、上記第2の伝達プレート22から大気中へ余分な熱を効率よく排出することができる。

    一方、上記飲料入り容器2を加熱(保温)する場合、上記電源8の電流方向を逆向きにすることで、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側の温度が上がって、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記第1の伝達プレート21を介して、上記飲料入り容器2を加熱する。 また、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側の温度は下がり、上記電子ヒートポンプモジュール1は、上記第2の伝達プレート22を冷却する。

    このとき、上記電子ヒートポンプモジュール1に供給される電流の向きを切り替える電流切り替え手段30を備え、上記コースタ本体10の一面側を加熱する一方上記コースタ本体10の他面側を冷却できるようにする。 この電流切り替え手段30は、図1では、上記電源ケース12の内部に設けられているが、上記電源ケース12の外部に設けてもよい。

    具体的に述べると、上記電流切り替え手段30は、例えば、切り替えスイッチを有し、この切り替えスイッチを「保冷」にすると、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側(上面側)の温度が下がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の他面側(下面側)の温度が上がる。 一方、上記切り替えスイッチを「保温」にすると、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記一面側(上面側)の温度が上がると共に上記電子ヒートポンプモジュール1の他面側(下面側)の温度が下がる。

    なお、上記電源8の電流方向を逆向きにするかわりに、上記飲料用保温保冷コースタを裏返して(天地逆転して)、上記第2の伝達プレート22の上面に上記飲料入り容器2を置いて、上記電子ヒートポンプモジュール1の上記他面側により、上記第2の伝達プレート22を介して、上記飲料入り容器2を加熱するようにしてもよい。

    上記電子ヒートポンプモジュール1は、図2に示すように、例えば金属等の熱伝導性に優れた材質にて形成された第1と第2の伝熱プレート41,42と、この第1と第2の伝熱プレート41,42の間に挟まれた複数の真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100とを備える。 この複数の電子ヒートポンプ装置100は、直列または並列または直並列混載に、電気的に接続されている。

    このように、上記複数の電子ヒートポンプ装置100がモジュール化されているので、大きな容量の飲料入り容器2を迅速に冷却または加熱することができる。

    上記電子ヒートポンプ装置100は、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された構造であり、ペルチェ効果を応用しない電子ヒートポンプ機構になる。 また、上記電子ヒートポンプ装置100における上記吸熱側と上記放熱側との間には、上記吸熱側と上記放熱側とを熱的に分離するための熱的に絶縁性のスペーサ部が存在しており、例えば、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、簡素な構成にできる。

    上記電子ヒートポンプ装置100は、略円盤形状であり、例えば、上記電子ヒートポンプ装置100に流れる電流の向きを切り替えることで、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を吸熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を放熱側にし、または、上記電子ヒートポンプ装置100の一面を放熱側にすると共に上記電子ヒートポンプ装置100の他面を吸熱側にする。 すなわち、上記第1の伝熱プレート41は、上記電子ヒートポンプ装置100の一面に熱的に接触し、上記第2の伝熱プレート42は、上記電子ヒートポンプ装置100の他面に熱的に接触する。

    以下、上記電子ヒートポンプモジュール1(上記電子ヒートポンプ装置100)が、上記飲料入り容器2を冷却する状態にあるものとして、説明する。

    上記電子ヒートポンプ装置100は、図3の斜視図、図4の縦断面図および図5の要部拡大図に示すように、電気的および熱的に伝導性の第1の電極基板103と、この第1の電極基板103に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板110と、この第1の半導体基板110の他面に設けられた第1の内部電極111と、電気的および熱的に伝導性の第2の電極基板104と、この第2の電極基板104に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板120と、この第2の半導体基板120の他面に設けられた第2の内部電極121と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間に配置されて上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材106と、上記第1の電極基板103と上記第2の電極基板104との間の真空を維持する封止部材107とを備える。

    この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を放出するエミッタ101を形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を受け取るコレクタ102を形成する。

    ここで、上記第1の電極基板103は、(図2に示す)上記第1の伝熱プレート41に熱的に接触し、この第1の伝熱プレート41は、(図1に示す)上記第1の伝達プレート21に熱的に接触するものとする。

    上記第1の電極基板103および上記第2の電極基板104は、それぞれ、中空部を有するステムであり、以下、上記第1の電極基板103を第1のステム103とよび、上記第2の電極基板104を第2のステム104とよぶ。

    上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、対向して配置され、上記エミッタ101と上記コレクタ102との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。 上記第1のステム103と上記第2のステム104とは、電源108に接続される。

    この電子ヒートポンプ装置100の作用を説明すると、図3と図6に示すように、上記電源108から上記第1のステム103および上記第2のステム104に電流を流すことで、電子が、矢印に示すように、上記エミッタ101から上記コレクタ102へ移動する。 このとき、上記電子は、運動エネルギーが小さいけれども、物理的ギャップが狭いために、「電子トンネル効果」と呼ばれる現象で、上記隙間(障壁)Gをすり抜けて、上記コレクタ102側へ移動できる。 また、運動エネルギー(熱エネルギー)を持った電子(障壁を移動する電子)が、上記エミッタ101から上記コレクタ102に移動することで、上記エミッタ101のエネルギー不足が起こり、上記エミッタ101側では吸熱による冷却が起こる。 このような現象によって、上記エミッタ101側(上記第1のステム103)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ102側(上記第2のステム104)が、放熱(加熱)側になる。

    図3、図4および図5に示すように、上記第1の内部電極111は、上記第1の半導体基板110の他面の略全体的に設けられ、上記第2の内部電極121は、上記第2の半導体基板120の他面の一部を除いた全体的に設けられる。

    上記エミッタ101と上記コレクタ102とは、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121とを上記隙間Gをあけて対向するように配置される。

    上記第2の半導体基板120には、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部105が一体に形成されている。

    要するに、複数の上記スペーサ部105は、上記第2の半導体基板120に一体に形成されると共に上記第1の内部電極111に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部105は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板120の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部105の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。

    具体的には、上記第1と第2の半導体基板110,120として、例えば、n型のSi基板(ウエハ)を用いた場合、上記第2の半導体基板120の表面に熱酸化を施してSiO 2膜を形成し、このSiO 2膜をエッチングして上記スペーサ部105が形成される。

    上記第1の内部電極111の表面および上記第2の内部電極121の表面における最大高さ粗さRzの値は、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下、好ましくは1/4以下である。

    このように、上記最大高さ粗さRzの値が、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間隔の最小値の1/2以下であるので、上記両方の内部電極111,121の表面を平滑にして、上記両方の内部電極111,121の表面の凹凸による荒れによって発生する不具合を低減する。

    例えば、表面の凸部同士の対向における上記両方の内部電極111,121の接触による短絡不良を低減し、表面の凹部同士の対向における間隔(真空ギャップ)の広がりによる電子放出量の減少および冷却量の減少を低減する。

    すなわち、上記最大高さ粗さRzの値が、上記間隔の最小値の1/2を越えると、表面の凹部同士の対向や反りによる間隔(真空ギャップ)の広がりによって、上記エミッタ101からの電子放出量が減少して冷却量が減少する一方、表面の凸部同士の対向によって、上記両方の内部電極111,121が接触して短絡不良が生じるおそれがある。

    上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121は、単一金属、金属合金、金属と非金属との化合物、半導体材料および不純物ドープ半導体材料の内の何れか一つであり、上記両方の内部電極111,121の表面の平滑性と上記エミッタ101からの電子放出とを効果的に実現することができる。

    上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121の内の少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)は、セシウム(Cs)、カーボン(C)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、銀(Ag)、金(Au)、プラチナ(Pt)、アルミ(Al)の内の少なくとも一つを含む材料からなる。

    このように、少なくとも上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)が、仕事関数の低い材料からなり、上記エミッタ101側からの電子放出を高め、電圧印加の量を低減でき、消費電力の低減が可能となる。

    上記第1の内部電極111(エミッタ側の電極)の仕事関数は、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数と略等しいか、もしくは、上記第2の内部電極121(コレクタ側の電極)の仕事関数よりも低い。

    このように、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数と略等しい場合、電流供給の方向を逆方向にすることで、熱の移動方向を容易に反転できる。 他方、上記第1の内部電極111の仕事関数が、上記第2の内部電極121の仕事関数よりも低い場合、上記両方の内部電極111,121に温度差が生じたとき、上記コレクタ側の加熱による熱電子放出量を低減でき、かつ、電圧印加の量を低減できて、特に、この飲料用保温保冷コースタを冷却用として使用する場合に、消費電力の低減が可能となる。

    上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、中空部130,140を有し、この両方の中空部130,140と、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間の上記隙間Gとは、真空であり、上記両方の中空部130,140と上記隙間Gとは、上記第1のステム103および上記第2のステム104に設けられた通気孔132a,142aを介して、同じ真空度である。

    具体的に述べると、上記第1のステム103は、銅製容器体131と、この容器体131を蓋すると共に上記通気孔132aが設けられた銅製平板132とを有する。 上記容器体131と上記平板132にて囲まれた空間にて、上記中空部130を形成し、この中空部130と上記第1のステム103の外部とが、上記通気孔132aを介して、連通する。

    同様に、上記第2のステム104は、銅製容器体141と、この容器体141を蓋すると共に上記通気孔142aが設けられた銅製平板142とを有し、上記容器体141と上記平板142にて上記中空部140を形成し、この中空部140と上記第2のステム104の外部とが、上記通気孔142aを介して、連通する。

    そして、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記第1のステム103の平板132と上記第2のステム104の平板142とに挟まれる。

    このように、上記エミッタ101および上記コレクタ102は、上記両方のステム103,104の中空部130,140に挟まれているので、大気圧の応力影響を受けるのは、上記両方のステム103,104の最外部(上記容器体131,141)のみとなり、直接に、上記エミッタ101および上記コレクタ102に応力を加えることが無くなって、圧力たわみによる変形および破壊が生じない。

    上記第1のステム103および上記第2のステム104は、それぞれ、CuまたはCu合金からなるので、上記エミッタ101および上記コレクタ102にて生じた熱を、効果的にかつ効率的に、外部の熱伝導部へ伝えることができる。

    上記間隔保持部材106は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在する。 上記間隔保持部材106は、SiO 2を主成分する材料であり、上記エミッタ101および上記コレクタ102の熱膨張係数と同等以下である。

    このように、上記間隔保持部材106は、上記電子ヒートポンプ装置100の製造において、上記エミッタ101、上記コレクタ102および上記両方のステム103,104における振動および傾き等の外部応力で、上記スペーサ部105に急峻で致命的な破壊応力が加わらないように、上記両方のステム103,104を一定間隔に維持および応力分散する作用を有し、かつ、真空封止作業で、上記封止部材107が、上記第1の内部電極111および上記第2の内部電極121に至らないように保護する作用を有する。

    上記封止部材107は、上記第1のステム103の外周と上記第2のステム104の外周とを覆うように接触し、電気的および熱的に絶縁性である。 具体的には、上記封止部材107は、上記第1のステム103の上記平板132と上記第2のステム104の上記平板142との間に介在すると共に、上記第1のステム103の上記平板132の外周縁と上記第2のステム104の上記平板142の外周縁とを覆っている。 上記封止部材107としては、例えば、低融点のガラスを用いる。

    上記構成の電子ヒートポンプ装置100によれば、上記第1の内部電極111と上記第2の内部電極121との間に上記隙間G(真空ギャップ)を有するので、この電子ヒートポンプ装置100を真空ギャップダイオード構造にできて、熱の逆流を防止して、ペルチェ素子よりも消費電力を少なくできる。

    また、上記第2の半導体基板120には、上記隙間Gを一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の上記スペーサ部105が一体に形成されているので、簡単な構成で、熱の逆流を防止しつつ、真空ギャップを所定の間隔に確保できる。 具体的に述べると、エミッタとコレクタとを熱的に分離するための機構等を別途設ける必要がなくて、部品数を減少でき、小型化、軽量化およびコスト削減を図ることができる。

    また、上記スペーサ部105の厚みを調整して、上記隙間Gをナノレベル(例えば、1nm〜10nm)に近づけることで、障壁高さを低減でき、上記エミッタ101の電子放出の効果を高めることが可能になる。

    なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置100にて上記飲料入り容器2を加熱する場合、上記第1のステム103および上記第2のステム104に逆方向の電流を流せばよい。 この場合、上記第1の半導体基板110および上記第1の内部電極111にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板120および上記第2の内部電極121にて、電子を放出するエミッタを形成する。

    上記構成の飲料用保温保冷コースタによれば、吸熱側と放熱側とが熱的に分離された上記真空ダイオード型の電子ヒートポンプ装置100を備えるので、ペルチェ素子の冷却加熱機構よりも消費電力を大幅に減らすことができ、さらに、ペルチェ素子の材料となる有害物質を使用しないので、環境にやさしいものになる。

    (第2の実施形態)
    次に、図7、図8および図9に、上記電子ヒートポンプ装置の他の実施形態を示す。 この電子ヒートポンプ装置200は、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第1の電極基板203と、この第1の電極基板203に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第1の半導体基板210と、この第1の半導体基板210の他面に設けられた第1の内部電極211と、電気的および熱的に伝導性を有する略直方体状の第2の電極基板204と、この第2の電極基板204に電気および熱が伝導可能なように一面が連結された第2の半導体基板220と、この第2の半導体基板220の他面に設けられた第2の内部電極221と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間に配置されて上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間隔を一定に保つと共に電気的および熱的に絶縁性の間隔保持部材206と、上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204との間の真空を維持する封止部材207とを備える。

    以下、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記飲料入り容器2を冷却するとして、説明する。 この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を放出するエミッタ201を形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を受け取るコレクタ202を形成する。

    ここで、上記第1の電極基板203は、(図2に示す)上記第1の伝熱プレート41に熱的に接触し、この第1の伝熱プレート41は、(図1に示す)上記第1の伝達プレート21に熱的に接触するものとする。

    上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実である。

    上記エミッタ201と上記コレクタ202とは、対向して配置され、上記エミッタ201と上記コレクタ202との間には、隙間(真空ギャップ)Gを有する。 上記第1の電極基板203と上記第2の電極基板204とは、電源208に接続される。

    この電子ヒートポンプ装置200の作用を説明すると、上記電源208から上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に電流を流すことで、上記エミッタ201および上記コレクタ202に電圧が印加されて電子が供給される。 そして、上記エミッタ201側(上記第1の電極基板203)が、冷却(吸熱)側になり、上記コレクタ202側(上記第2の電極基板204)が、放熱(加熱)側になる。

    上記第1の内部電極211は、上記第1の半導体基板210の他面の略全体的に設けられている。 具体的に述べると、上記第1の半導体基板210は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、上記第1の内部電極211は、上記n型シリコン基板の表面研摩された面に、セシウムが表面を被覆したTi薄膜である。 上記エミッタ201は、略直方体形状である。

    上記第2の内部電極221は、上記第2の半導体基板220の他面の一部を除いた全体的に設けられる。 上記第2の半導体基板220には、電気的および熱的に絶縁性のスペーサ部205が一体に形成されている。

    具体的に述べると、上記第2の半導体基板220は、導電性を得るために表面研磨されたn型シリコン基板であり、このn型シリコン基板の表面研磨された面に、熱酸化膜を形成し、フォトエッチングによりパターニングして、正方形格子状に配置した酸化シリコンのスペーサ部205が形成される。 このスペーサ部205の周囲を除いてパターニングしたTi薄膜にて第2の内部電極221が形成される。 上記コレクタ202は、略直方体形状であり、上記スペーサ部205の厚みと、Ti薄膜の上記第2の内部電極221の膜厚との差が、上記隙間Gとなる。

    複数の上記スペーサ部205は、上記第2の半導体基板220に一体に形成されると共に上記第1の内部電極211に接触し、さらに、上記複数のスペーサ部205は、互いに間隔をもって、上記第2の半導体基板220の全面に、略一様に分布して整列されており、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221との間の上記隙間Gを一定に保ち、上記スペーサ部205の厚みにて、上記隙間Gの大きさが決定される。

    上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、上記間隔保持部材206が、上記第1の電極基板203の外周部と上記第2の電極基板204の外周部とに接触している状態において、外部の大気圧と内部の真空とによる圧力差から生じる圧縮応力に対して、上記第1の内部電極211と上記第2の内部電極221とが接触しないような剛性、ヤング率および厚みを有する。

    具体的に述べると、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、圧縮応力による応力変形で、上記隙間Gが短絡しないよう、剛性の高い材料としてタングステンからなる。 なお、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の材料として、タングステン以外でもタングステンカーバイトや銅やシリコンを用いてもよく、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204の厚みを調整すればよい。

    このように、上記構成の飲料用保温保冷コースタによれば、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、中実であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を薄く小型にできて、飲料用保温保冷コースタの一層の小型化を図ることができる。

    また、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204は、それぞれ、略直方体状であるので、上記電子ヒートポンプ装置200を略直方体チップ形状にできて、例えば、新たな、または、既存の飲料用保温保冷コースタの内部に組み込み易くなる。

    なお、上記電子ヒートポンプ装置200において、その他の構造および効果は、上記第1の実施形態の電子ヒートポンプ装置100と同じであるので、その説明を省略する。

    なお、図示しないが、上記電子ヒートポンプ装置200にて上記飲料入り容器2を加熱する場合、上記第1の電極基板203および上記第2の電極基板204に逆方向の電流を流せばよい。 この場合、上記第1の半導体基板210および上記第1の内部電極211にて、電子を受け取るコレクタを形成し、上記第2の半導体基板220および上記第2の内部電極221にて、電子を放出するエミッタを形成する。

    なお、この発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。 例えば、上記電子ヒートポンプ装置を、モジュール化せずに、単体(単一素子)にしてもよい。 また、上記第1の伝達プレートと上記第2の伝達プレートを省略してもよい。 また、上記第1の半導体基板と上記第2の半導体基板との内の少なくとも一方に、上記スペーサ部を一体に形成すればよい。

    本発明の飲料用保温保冷コースタの一実施形態を示す縦断面図である。

    電子ヒートポンプ装置を搭載した電子ヒートポンプモジュールを示す斜視図である。

    電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。

    電子ヒートポンプ装置の縦断面図である。

    図4のA部拡大断面図である。

    電子ヒートポンプ装置の作用説明図である。

    他の電子ヒートポンプ装置を示す斜視図である。

    他の電子ヒートポンプ装置の縦断面斜視図である。

    他の電子ヒートポンプ装置の要部拡大断面図である。

    従来の飲料用保温保冷コースタを示す縦断面図である。

    ペルチェ素子の作用説明図である。

    符号の説明

    1 電子ヒートポンプモジュール 2 飲料入り容器 8 電源 10 コースタ本体 11 外枠 12 電源ケース 30 電流切り替え手段 100,200 電子ヒートポンプ装置 101,201 エミッタ 110,210 第1の半導体基板 111,211 第1の内部電極 102,202 コレクタ 120,220 第2の半導体基板 121,221 第2の内部電極 103 第1のステム(第1の電極基板)
    130 中空部 104 第2のステム(第2の電極基板)
    140 中空部 203 第1の電極基板 204 第2の電極基板 105,205 スペーサ部 106,206 間隔保持部材 107,207 封止部材 G 隙間

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