コンフォートユニット及びシステム、それらを用いる方法及び装置

申请号 JP2017564415 申请日 2016-06-11 公开(公告)号 JP2018524538A 公开(公告)日 2018-08-30
申请人 ユニバーシティー オブ メリーランド,カレッジ パーク; 发明人 ラーダーマッハー ラインハート ケー.; アウテ ヴィクラント シー.; ファン ユンホ; リン ジアジェン; シュレブリック エレーナ; ミュールバウアー ジャン; デュマネ ロフィット; ドゥ イーリン; ダルゴ レイエス ダニエル アレハンドロ; マティス ニコラス ダブリュー.;
摘要 【課題】周囲の環境における不快な状況においても、コンフォートユニットを使用して、カスタマイズ可能なマイクロ環境を、ユーザの周囲に形成し、快適な 温度 及び/または湿度のレベルを維持する。 【解決手段】例えば、環境は、エネルギ節約あるいは他の目的のために快適な範囲を超えたオフィスビルディングや、空調が不十分な工場/店舗環境、あるいは空調が実質的に存在しないアウトドアロケーションである。 感知 ユニットは、バイオメトリック及び環境データを監視可能であり、ユーザの快適さのレベルを判別可能である。コンフォートユニットは、判別した快適さのレベルに動的に応答し、ユーザの快適さのレベルを改善するためにマイクロ環境を調整可能である。ユーザがマクロ環境内を移動する場合ユーザを追いかける、あるいはマクロ環境内を移動して、特定の機能、例えば全面的なマクロの環境内における熱負荷の再チャージあるいは空間的シフトを達成する。 【選択図】 図3B
权利要求

1人以上のユーザの周囲に熱的マイクロ環境を形成するコンフォートユニットであって、前記熱的マイクロ環境は、当該マイクロ環境の周囲の環境とは異なる温度を有し、 前記コンフォートユニットは、 前記熱的マイクロ環境のために空気を加熱あるいは冷却する熱規制モジュールと、 前記加熱あるいは冷却された空気を1人以上のユーザに向けて熱的マイクロ環境を形成する空気供給モジュールと、を備え、 前記熱規制モジュールは、熱交換器と、前記熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備え、 前記TSMは、熱を蓄積するように構成される、 ことを特徴とする環境制御システム。第1の動作モードにおいて1人以上のユーザの周囲に熱的マイクロ環境を形成し、第2の動作モードにおいて1人以上のユーザの近傍で除湿をする複合機能コンフォートユニットであって、前記熱的マイクロ環境は、当該マイクロ環境の周囲の環境とは異なる温度を有し、 前記コンフォートユニットは、 前記動作モードに基づいて空気を加熱、冷却、あるいは除湿する熱規制モジュールと、 第1の動作モードにおいて1人以上のユーザに前記加熱あるいは冷却した空気を向けて前記熱的マイクロ環境を形成する空気供給モジュールと、 第2の動作モードにおいて空気から抽出された分を集める凝集タンクと、を備え、 前記熱規制モジュールは、熱交換器と、前記熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備え、 前記TSMは、熱を蓄積するように構成される、 ことを特徴とする環境制御システム。前記集められた水分を、飲料、廃棄、あるいは他の利用目的に吐出する、前記凝集タンクに結合された開口あるいは排出口をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の環境制御システム。前記TSMは、冷却した水、加熱した水、不凍液、水グリコール混合液、油及び/または他の公知の第2の作動流体に対するセンシブル材料を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記TSMは、固体あるいは液体金属に対するセンシブル材料を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記TSMは、信号を加えること及び/または熱伝達によって相を変化するように構成された相変化材料を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記信号は、電圧信号、電流信号、超音波信号及び磁気信号の少なくとも1つであることを特徴とする請求項6に記載の環境制御システム。前記TSMは、相を変化することで熱を蓄積する相変化材料(PCM)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。少なくとも1人のユーザのバイオメトリックデータを検出する1つ以上のセンサを備えた感知ユニットをさらに備え、前記バイオメトリックデータは、心拍数、皮膚コンダクタンス及び/または皮膚温度であることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記感知ユニットは、ユーザの皮膚に接触するよう着用されるように構成される、ことを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記感知ユニットは、ユーザに着用される、時計、ブレスレット、ネックレス、胸当て、上腕カフスあるいはシューインサートとして構成されることを特徴とする請求項10に記載の環境制御システム。前記感知ユニットは、1人以上のユーザがタッチして前記バイオメトリックデータの検出を可能にするスタンドアロンユニットとして構成されることを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記感知ユニットは、単一の装置としてコンフォートユニットに一体化されることを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記感知ユニットは、少なくとも前記バイオメトリックデータに基づいて1人以上のユーザの快適さのレベルを判別するよう構成された第1の制御モジュールを備えることを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記熱規制モジュール及び/または前記空気供給モジュールを、判別した快適さのレベルを示す前記感知ユニットからの信号に基づいて、所望の快適さのレベルを達成あるいは維持するよう制御する第2の制御モジュールを備えることを特徴とする請求項14に記載の環境制御システム。前記第1の制御モジュール及び前記第2の制御モジュールは、共通制御システムの一部であることを特徴とする請求項15に記載の環境制御システム。前記第1の制御モジュールは、検出された心拍数に基づいて、高いスペクトル周波数の心拍数に対する低いスペクトル周波数の心拍数の比を算出することで、及び/または皮膚温度及び皮膚コンダクタンスと、所定の領域それぞれとを比較することで、快適さのレベルを判別することを特徴とする請求項14に記載の環境制御システム。前記感知ユニットの1つ以上のセンサは、気温、相対湿度、乱流強度及び/または平均放射温度を検出するようさらに構成されることを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記熱規制システムは、1人のユーザ当たり10Wから3kWの容量を有することを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記熱規制モジュールは、蒸気圧縮システム(VCS)として構成され、 前記熱規制モジュールが冷房モードで動作する場合、前記熱交換器は前記VCSのコンデンサであり、 前記TSMは、廃熱を前記コンデンサから吸収し、温度及び/または相を変化させて廃熱を蓄積する、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記TSMは、VCSの流体ループとは別の流体ループによって前記熱交換器に熱的に結合することを特徴とする請求項20に記載の環境制御システム。前記TSMは、前記熱交換器の少なくとも一部を少なくとも部分的に囲むとともに接することを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記VCSを再設定して暖房及び冷房モードの間で動作を変更するスイッチあるいはバルブをさらに備え、 前記熱交換器は、前記VCSが暖房モードで動作する場合前記VCSのエバポレータであり、 前記TSMは、蓄積した熱を放出するため、温度及び/または相を変化する間、熱をエバポレータに放出する、 ことを特徴とする請求項20に記載の環境制御システム。前記VCSと前記TSMとは、前記TSMの再チャージ、動作モードの変更、異なるTSMへの変更、あるいは異なるヒートポンプ機構への変更のために前記コンフォートユニットから取り外し可能な共通の筐体内に配置されることを特徴とする請求項20に記載の環境制御システム。前記TSMは、前記VCSとは別体のカセットあるいは容器内に配置され、前記カセットあるいは容器は、前記TSMの再チャージ、動作モードの変更、あるいは異なるTSMへの変更のために前記コンフォートユニットから取り外し可能であることを特徴とする請求項20に記載の環境制御システム。前記TSMは、内層及び個別の外層とを備える容器内に配置され、前記内層は前記外層とは異なる断熱特性を有し、前記外層は前記容器の断熱効率を変更するために前記内層から取り外し可能であることを特徴とする請求項20に記載の環境制御システム。前記PCMは、パラフィン、塩水和物、脂肪酸及び水の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の環境制御システム。前記PCMは、3D多孔質構造を備え、前記3D多孔質構造の空隙は、前記PCMと空気との間の熱交換のために空気が流れる流路であることを特徴とする請求項8に記載の環境制御システム。前記熱交換器は、直径が2mm未満の1本以上のチューブを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記熱交換器は、マイクロチャンネル熱交換器であることを特徴とする請求項29に記載の環境制御システム。前記熱交換器は、放射状に伸びるフィンを備えた1本以上のチューブを備え、前記TSMはフィンと熱的に接触し、あるいは、前記熱交換器は、前記TSMと前記熱交換器との間の接触面積を増加させる1つ以上の金属あるいはプラスチックインサートを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記熱規制モジュール及び前記空気供給モジュールをその上に支持し、ユーザの環境内で前記コンフォートユニットを移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、環境内で少なくとも1人のユーザを追いかけるため、前記ロボット工学上プラットフォームを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記熱規制モジュール及び前記空気供給モジュールをその上に支持し、ユーザの環境内で前記コンフォートユニットを移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに備え、 前記コンフォートユニットは、環境内の少なくとも1人のユーザを追いかけるため、前記ロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成された制御モジュールをさらに備え、 前記制御モジュールは、前記感知ユニットからの信号に応じて前記ロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成される、 ことを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記熱規制モジュール、前記空気供給モジュール及び前記感知ユニットをその上に支持し、環境内で前記コンフォートユニット及び前記感知ユニットを共に移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の環境制御システム。前記制御モジュールは、前記感知ユニットからの信号に応じて前記ロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成されることを特徴とする請求項35に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、環境内の所定の経路を追跡するように前記ロボット工学上のプラットフォームを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項32に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールは少なくとも1つのノズル、ディフューザ及び/またはスロットを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールの少なくとも1つの前記ノズル、前記ディフューザ及び/または前記スロットは、ユーザの異なる部位あるいは異なるユーザに空気を向けるように調整可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、少なくとも1つの前記ノズル、前記ディフューザ及び/または前記スロットを調整するように前記空気供給モジュールを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項39に記載の環境制御システム。前記制御モジュールは、少なくとも1つの前記ノズル、前記ディフューザ、及び/または前記スロットを、前記コンフォートユニットの冷房モードでは冷やした空気がユーザの上部に向けられるようにし、及び、前記コンフォートユニットの暖房モードでは加熱した空気がユーザの下部に向けられるように調整するよう構成されることを特徴とする請求項40に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットを再チャージするためのチャージングステーションであって、コンフォートユニットが結合された場合に前記TSMの温度及び/または相を変更するように構成されたチャージングステーションをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記チャージングステーションは、前記コンフォートユニットのバッテリもチャージするよう構成されることを特徴とする請求項42に記載の環境制御システム。前記TSMを収容する取り外し可能な容器あるいは取り外し可能なカートリッジがチャージングステーションに結合された場合、前記TSMの温度及び/または相を変更することにより、前記TSMを再チャージするように構成されたチャージングステーションを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記TSMの温度あるいは相を変更する内蔵式再生モジュールをさらに備え、前記TSMは前記熱交換器を流れる空気の加熱あるいは冷却を提供することを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記内蔵式再生モジュールは、蒸気圧縮システムを備えることを特徴とする請求項45に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、気温、相対湿度、乱流強度及び/または平均放射温度を検出する1つ以上のセンサを備えることを特徴とする請求項32に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、ユーザの1つ以上の画像を取得するよう構成されたカメラを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記カメラに結合されて前記1つ以上の画像からユーザの顔認識を実行するよう構成された制御モジュールを備えることを特徴とする請求項48に記載の環境制御システム。前記カメラは、赤外線(IR)カメラであることを特徴とする請求項48に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、前記IRカメラに結合され、前記1つ以上の画像から、断熱及び/またはユーザの衣服の着用のレベルを判別するよう構成された制御モジュールを備えることを特徴とする請求項50に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、さらに、 マイクロ環境のために空気から汚染物を除去する空気浄化モジュールと、 マイクロ環境のために空気をイオン化する空気イオン化モジュールと、 マイクロ環境のために空気から水分を取り除く除湿モジュールと、 マイクロ環境のために空気に水分を加える加湿モジュールと、 1つ以上のセンサを備え、環境をモニタリングしてユーザに警報をするホーム監視/セキュリティモジュールと、 ユーザによって使用される物理的な記憶コンパートメントと、 の1つ以上を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記の環境の温度を規制する空調ユニットをさらに備え、 前記空調ユニットは、前記熱的なマイクロ環境と異なる環境の温度を維持する、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記環境の維持された温度は、前記熱的なマイクロ環境の温度に対して少なくとも4℃上あるいは下であることを特徴とする請求項53に記載の環境制御システム。少なくとも前記空調ユニットを制御する中央制御ユニットをさらに備え、 前記中央制御ユニットは、全体的なエネルギ消費及び前記感知ユニット及び/または前記コンフォートユニットからの信号に基づいて環境の温度を調整することを特徴とする請求項53に記載の環境制御システム。前記コンフォートユニットは、1人以上のユーザに対して放射熱伝達をするように構成された1つ以上のパネルをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記各パネルは、流体が流れる1つ以上の導管を備え、前記パネルの表面温度を規制して放射熱伝達を効率化し、前記流体は、前記熱交換器あるいは異なる熱交換器を介して前記TSMと熱伝達を行うことを特徴とする請求項56に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールは、各ユーザに、加熱あるいは冷却した空気を別々にあるいは連続的に向けるよう構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールは、振動あるいは首振り式の排気口を備えることを特徴とする請求項58に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールは、各ユーザに、加熱あるいは冷却した空気を同時に向けるよう構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。前記空気供給モジュールは、ユーザと、前記加熱あるいは冷却した空気の排気口との間の距離を変更可能な延伸部分を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の環境制御システム。第1の温度を有する環境における1人以上のユーザの快適さの程度を検出し、 検出した快適さのレベルに基づいて、コンフォートユニットを用いて1人以上のユーザの周囲にマイクロ環境を形成する、 ことを含む環境制御方法であって、 前記マイクロ環境は、環境と異なる温度及び湿度の少なくともいずれかを有し、少なくとも1人のユーザの快適さのレベルは、形成された前記マイクロ環境によって改善される、 ことを特徴とする環境制御方法。前記コンフォートユニットは、前記マイクロ環境のために空調を行う熱規制モジュールを備え、 前記空調は、暖房、冷房、加湿あるいは除湿の少なくとも1つを含む、 ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記熱規制モジュールは、熱交換器と、前記熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備えることを特徴とする請求項63に記載の環境制御方法。前記TSMは、冷やした水、加熱された水、固体金属、液体金属及び相変化材料(PCM)の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項64に記載の環境制御方法。前記熱規制モジュールの冷房モードにおいて、廃熱を前記TSMに蓄積し、 前記熱規制モジュールの暖房モードにおいて、前記TSMに蓄積された熱を用いて空気を加熱し、 前記熱規制モジュールの除湿モードにおいて、廃熱を前記TSMに蓄積する、 ことを特徴とする請求項64に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境の形成の前に、温度または相を変化させることで前記TSMをチャージすることを含むことを特徴とする請求項64に記載の環境制御方法。前記チャージの前に、 前記コンフォートユニットをチャージングステーションへ移動させること、 前記コンフォートユニットを個別のゾーンあるいは部屋へ移動させること、 前記コンフォートユニットを放射熱伝達のためにアウトドア環境に移動させること、 前記TSMを前記コンフォートユニットから取り外してチャージングステーションに接続すること、 の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする請求項67に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境の形成の前あるいは後に、 前記コンフォートユニットから前記TSMを取り外して事前にチャージされたTSMと交換すること、 前記コンフォートユニットから前記TSMを取り外してチャージされた異なる種類のTSMと交換すること、 前記コンフォートユニットから前記TSM及び対応するヒートポンプを取り外して異なる種類のTSM及び/または異なる種類のヒートポンプと交換すること、 の少なくともいずれかを含む、ことを特徴とする請求項64に記載の環境制御方法。前記コンフォートユニットは、1人以上のユーザに調節された空気を向けて前記マイクロ環境を形成する空気供給モジュールをさらに備えることを特徴とする請求項63に記載の環境制御方法。前記1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、 少なくとも1人のユーザのバイオメトリックデータを測定することを含み、 前記バイオメトリックデータは、心拍数、皮膚コンダクタンス及び/または皮膚温度の少なくとも1つを含む、 ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、低スペクトル周波数の心拍数と高スペクトル周波数の心拍数の比を判別することを含む、ことを特徴とする請求項71に記載の環境制御方法。前記1人以上のユーザの快適さのレベルの検出することは、前記比が所定の閾値を超えた時、1人以上のユーザが不快であることを示す信号を生成することを含む、ことを特徴とする請求項72に記載の環境制御方法。前記1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、 環境あるいは既存のマイクロ環境の環境データを検出すること、を含み、 前記環境データは、気温、相対湿度、乱流強度及び平均放射温度の少なくとも1つを含む、 ことを特徴とする請求項71に記載の環境制御方法。前記快適さのレベルは、前記検出したバイオメトリック及び環境データに基づいた計測を含み、 前記コンフォートユニットは、前記計測した快適さのレベルを示す信号に応じた前記マイクロ環境を形成し、 前記コンフォートユニットは、少なくとも1人のユーザが快適と感じる温度あるいは湿度に対応する所定の範囲内の快適さのレベルの計測を維持するように前記マイクロ環境を制御する、 ことを特徴とする請求項74に記載の環境制御方法。前記快適さのレベルの検出は、 少なくとも1人のユーザの赤外線画像を取得し、 前記画像を分析して少なくとも1人のユーザの衣服の断熱量を判別することを含む、 ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記快適さのレベルの検出前に、 1人以上のユーザの画像を取得し、 前記画像を分析して少なくとも1人のユーザを識別することを含む、 ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記分析は、顔認識アルゴリズムを用いることを含む、ことを特徴とする請求項77に記載の環境制御方法。前記コンフォートユニットを制御して環境内で移動する少なくとも1人以上のユーザを自動的に追いかけることを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記環境は、温度及び/湿度を規制する個別の空調ユニットを備えるビルディングの内部であり、 さらに、環境の温度及び/または湿度が前記マイクロ環境と異なるレベルで維持されるように前記空調ユニットを制御することを含む、 ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記制御は、前記コンフォートユニット及び前記空調ユニットエネルギ消費の組み合わせが、前記空調ユニット単独で前記マイクロ環境の温度か湿度のレベルで環境の温度または湿度のレベルを維持する場合よりも少なくする、ことを特徴とする請求項80に記載の環境制御方法。前記環境と前記マイクロ環境との間の温度差は少なくとも4℃であることを特徴とする請求項80に記載の環境制御方法。前記ビルディングは、複数のゾーンあるいは部屋を備え、1人以上のユーザが前記複数のゾーンあるいは部屋のうちのいずれかに位置し、 さらに、マイクロ環境の形成後に、別のゾーンあるいは部屋に移動するよう前記コンフォートユニットを制御し、 蓄熱材料(TSM)から前記別のゾーンあるいは部屋に熱を放出、あるいは前記前記別のゾーンあるいは部屋から熱を吸収することで、TSMを再チャージすることを含む、 ことを特徴とする請求項80に記載の環境制御方法。前記ビルディングは、温水か冷やした水を供給することを含み、 さらに、前記マイクロ環境の形成後に、前記ビルディングの供給によって、前記コンフォートユニット内の消費した水を温水あるいは冷やした水に交換することを含む、 ことを特徴とする請求項80に記載の環境制御方法。前記検出した快適さのレベルに基づく前記マイクロ環境の形成は、前記コンフォートユニットからの空気の流量、前記コンフォートユニットからの空気の温度、前記コンフォートユニットからの空気の排気口の位置、及び前記コンフォートユニットからの空気の流れの方向の少なくともいずれかを調整することを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記コンフォートユニットの暖房モードにおいて、前記コンフォートユニットからの気流は、少なくとも1人のユーザの足に向けられ、 前記コンフォートユニットの冷却モードにおいて、前記コンフォートユニットからの気流は、少なくとも1人のユーザの頭あるいは上半身に向けられる、 ことを特徴とする請求項85に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境の形成の間に空気から取り除かれた水分を前記コンフォートユニットに搭載した凝集タンクに集めることを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記コンフォートユニットは、少なくとも1つの放射パネルを備え、 前記マイクロ環境を形成することは、前記放射パネルからの放射を用いて少なくとも1人のユーザの周囲の温度を制御することを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境を形成することは、前記環境からの空気に、多孔質3Dマトリックスとして形成された相変化材料(PCM)を通過させ、前記PCMと前記空気との間で熱交換をすることを含むことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境を形成することは、前記コンフォートユニットを介して加熱した空気及び冷却した空気を同時に運ぶことを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記マイクロ環境を形成することは、前記コンフォートユニットに搭載されたヒートポンプを用いることを含む、ことを特徴とする請求項62に記載の環境制御方法。前記ヒートポンプは蒸気圧縮システムとして構成される、ことを特徴とする請求項91に記載の環境制御方法。

说明书全文

本出願は、2015年6月12日になされた米国仮出願第62/174703号、2016年3月23日になされた米国仮出願第62/312302号、及び2016年3月23日になされた米国仮出願第62/312310号に基づく利益を請求し、それらの文献の全てを参照として本明細書に取りこむ。

本発明は、エネルギ省(DOE)、アドバンスドリサーチプロジェクトエージェンシーエネルギ(ARPA−E)によってアワードされたDEAR0000530において政府支援の元でなされたものである。政府はこの発明についての一定の権利を有する。

本開示は、主に、環境制御に関し、より具体的には、コンフォートユニットを用いて、不快な環境において一人以上のユーザに専用の快適なマイクロ環境を形成することに関する。

開示した主題に係る実施の形態は、周囲マクロ環境が不快な環境であっても、一人以上のユーザの周囲にカスタマイズ可能なマイクロ環境を提供し、快適な温度及び/または湿度レベルを維持する。例えば、周囲マクロ環境は、エネルギ節約や他の理由のために状態が快適な範囲の外にあるオフィスビルディングや、空調が不十分な工場/店舗環境、あるいは空調が実質存在しないアウトドアロケーションである。実施の形態において、コンフォートユニットは、ユーザのマクロ環境における移動に伴う、あるいはマクロ環境を移動して、特定の機能、例えばマクロ環境全体における熱負荷の空間的シフトを行う。

一つ以上の実施の形態において、環境制御システムは、一人以上のユーザの周囲に熱的マイクロ環境を形成するコンフォートユニットを備える。前記熱的マイクロ環境は、当該マイクロ環境の周囲の環境とは異なる温度を有する。前記コンフォートユニットは、熱規制モジュールと、空気供給モジュールとを備える。前記熱規制モジュールは、前記熱的マイクロ環境のために空気を加熱あるいは冷却し、前記空気供給モジュールは、前記加熱あるいは冷却された空気を一人以上のユーザに向けて熱的マイクロ環境を形成する。前記熱規制モジュールは、熱交換器と、前記熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備えることができる。前記TSMは、熱を蓄積するように構成される。

一つ以上の実施の形態において、環境制御システムは、第1の動作モードにおいて一人以上のユーザの周囲に熱的マイクロ環境を形成し、第2の動作モードにおいて一人以上のユーザの近傍で除湿を行うように構成される複合機能コンフォートユニットを備える。前記熱的マイクロ環境は、当該マイクロ環境の周囲の環境とは異なる温度を有する。前記コンフォートユニットは、熱規制モジュールと、空気供給モジュールと、凝集タンクとを備える。前記熱規制モジュールは、前記動作モードに基づいて空気を加熱、冷却、あるいは除湿する。前記空気供給モジュールは、第1の動作モードにおいて一人以上のユーザに加熱あるいは冷却した空気を向けて前記熱的マイクロ環境を形成する。前記凝集タンクは、第2の動作モードにおいて空気から抽出された分を集める。前記熱規制モジュールは、熱交換器と、前記熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備えることができる。前記TSMは、熱を蓄積するように構成される。

一つ以上の実施の形態において、環境制御方法は、第1の温度を有する環境における一人以上のユーザの快適さのレベルを検出し、検出した快適さの程度に基づいて、コンフォートユニットを用いて一人以上のユーザの周囲にマイクロ環境を形成する、ことを含む。前記マイクロ環境は、環境と異なる温度及び湿度の少なくともいずれかを有する。少なくとも一人のユーザの快適さのレベルは、形成された前記マイクロ環境によって改善される。

開示される主題に係る実施の形態の目的や利点は、添付の図面と共に、以下の詳細な説明によって明らかとなる。

実施の形態について、添付の図面を参照して以下に説明するが、それらは必ずしも寸法を定めるように描写されたものではない。可能な限り、図示及び以下で説明する特徴の理解の一助となるように、一部の機能を省略している。同様の構成要素には全図面を通じて同様の参照符号を付す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、コンフォートユニットの様々な部材を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、センスユニットの様々な部材を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、コンフォートユニットの典型的な構成の3次元形態モデルを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、動いているユーザによるコンフォートユニットの使用例を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、蒸気圧縮システムを有し、コンデンサが相変化材料(PCM)に内蔵されているコンフォートユニットを示す。

図4Aのコンフォートユニットのプロトタイプの写真である。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、蒸気圧縮システムを有し、PCMがコンデンサから空気を受け取る別のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、蒸気圧縮システムを有し、PCMが異なる流体ループによって連結される他のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、PCM—熱交換器アセンブリであるPCMの簡略化した平面図であり、PCMは三次元の多孔質マトリクスである。

図4EのPCM—熱交換器アセンブリの部分断面図である。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、ユーザが手首に着用可能なセンスユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、ユーザとの定期的な接触のためのスタンドアロン型センスユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、センスユニットの様態を含むコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、ビルディング空調システムを有するコンフォートユニットの構成を示す単純化した概略図である。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、ビルディング空調システムを有するビル環境における複数のコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、独立した環境における、あるいはビルディング空調システムを有さないコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、環境内での熱負荷の空間シフトに効果を与えるコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、蓄熱材料をその内部に再チャージするコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、異なるチャージングステーションを介した再チャージのための取り外し可能なPCMを備えるコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、置換あるいは再チャージのための取り外し可能なPCM—熱交換器を備えたコンフォートユニットの動作を示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、除湿を提供可能な別のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、単相蓄熱材料を用いる別のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、放熱パネルを用いる別のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、同時暖房及び冷房を提供可能な蒸気圧縮システムを有する別のコンフォートユニットを示す。

開示した主題の1つ以上の実施の形態に係る、コンフォートユニットを含む環境制御ユニットの運用上の様態を示すプロセスフローチャートである。

ここに説明するように、コンフォートユニットは、全体として快適でない環境において快適なマイクロ環境を形成するため、ユーザ(あるいは複数のユーザに、同時または連続的)にカスタマイズ可能な個別の空調を形成する。そのような環境としては、全体的なエネルギ節約あるいは他の理由のために、快適な範囲の外の温度に維持されたビルディングの内部空間が挙げられるが、これに限定されない。他の環境は、空調が不十分なビルディングの内部空間、空調が実質的に存在しないアウトドアロケーション、あるいは実質的に空調が存在しない乗り物等が挙げられるが、これに限定されない。従って、コンフォートユニットは、従来のビルディングや乗り物の空調システムの代わりとして単独で機能するか、あるいは、エネルギ消費レベルが抑えられた状態(例えば、温度設定の拡張)で動作する既存のビルディングや乗り物の空調システムと協同で個別のユーザの快適さを維持しつつ機能し得る。このような温度設定の拡張においては、コンフォートユニットを用いたエネルギ節約は、少なくとも15%、例えば、15%から34%の間である。

実施の形態において、コンフォートユニットは、いくつかの構成ではセンサ入なしで機能してもよいが、1つ以上のセンサからの入力に基づいて判断されたユーザの個別の快適さに反応し、ユーザにとって快適であると事前に判断された設定温度を維持するように、オン、オフ動作する。コンフォートユニットは、センサ入力に基づいて、ユーザがいつ不快であるか、及び不快さの程度を判別可能であり、さらに、ユーザの要求によって、空調(暖房、冷房及び/または除湿)を提供して不快さを緩和する。ユーザの快適さの程度を判別するため、システムは、バイオメトリック及び/または環境パラメータを採用する。全面的な環境において、コンフォートユニットは、ユーザの周囲に、快適な空気のマイクロ環境を形成し、このマイクロ環境は、ユーザによってカスタマイズ可能である。

ある実施の形態においては、ユーザが環境を移動すると、コンフォートユニットはこのユーザを追跡してユーザの移動にかかわらずユーザの略周囲にマイクロ環境を維持する。ある実施の形態においては、コンフォートユニットは、環境を移動して他の目的、例えば、コンフォートユニット自体の再チャージ、熱負荷の空間シフト、環境内の所定の経路の追跡、及び/または動作モードの変更等を達成する。このような構成においては、コンフォートユニットは、ローヴィングコンフォータ(RoCo)として知られ、完全あるいは部分的に自律している。

図1を参照すると、この図は、開示した主題に係る実施の形態におけるコンフォートユニット100の簡略化した概略図である。コンフォートユニット100は、他の部材の中に、熱規制モジュール102、空気供給モジュール104、及び感知モジュール106を備えることができる。熱規制モジュール102は、動作モードに応じて環境からの空気を加熱あるいは冷却可能である。空気供給モジュール104は、熱規制モジュール102からの調節された空気を、ユーザに向けて供給し、望ましいマイクロ環境を形成する。熱規制モジュール102は、ヒートポンプ120と蓄熱材料(TSM)122とを備えることができる。TSM122は、その内部に熱を蓄積するように構成される。以下により詳細に説明するように、TSM122は、センシブル材料あるいは相変化材料(PCM)から形成されてよい。例えば、センシブル材料は、加熱あるいは冷却した水、氷水、固体あるいは液体金属、不凍液、水グリコール混合物、油、あるいは当業者に知られた任意の第2の動作流体であってよい。

例えば、PCMは、パラフィン、塩水和物、脂肪酸、水、あるいはそれらの組み合わせであってよい。代替的あるいは追加的に、PCMは、熱伝達に加えて、外部信号に基づいて相を変更するように構成されてよい。例えば、外部信号は、電圧信号、電流信号、及び超音波信号、磁気信号、あるいはそれらの組み合わせであってよい。ある実施の形態においては、外部信号は、単独あるいは熱交換とともに用いられてPCMをチャージしてその相を変更させる。

ヒートポンプ120は、第1の熱交換器116と、第2の熱交換器118とを備えることができる。従って、熱は、熱交換器118を介してヒートポンプ120とTSM122との間で交換される。熱交換器116は、環境から空気を受け、熱をこの空気と交換する。暖房モードでの動作においては、熱規制モジュール102は、ヒートポンプ120を介して、TSM122に蓄積された熱を、熱交換器116を通る空気に伝達するよう動作する。一方、冷却モードでの動作においては、熱規制モジュール102は、ヒートポンプ120を介して、熱交換器116を通る空気からの熱を、TSM122に蓄積するよう動作する。例えば、ヒートポンプ120は、蒸気圧縮システムとして構成されてよい。しかしながら、他の種類のヒートポンプでも可能であり、例えば、熱弾性モジュール、熱電冷却機/モジュール、及び磁気カロリーシステムが挙げられるが、これに限定されない。ある実施の形態においては、ヒートポンプは、例えば、図4Eを参照して以下に説明するように、TSM122と内部に流れる空気との間で熱を伝達可能な単純な熱交換器に置換可能である。

熱規制モジュール102の冷却能は、約10〜500ワット、あるいは複数のユーザが同じコンフォートユニットを利用する場合には、ユーザ一人当たり約10ワット〜3キロワットである。熱規制モジュール102の暖房能は、最大で500ワット、あるいは複数のユーザが同じコンフォートユニットを利用する場合には、ユーザ一人当たり約200ワットである。空調装置が環境を維持する拡張温度構成においては、熱規制モジュール102の暖房/冷却能は、例えば、実質的に少なく、約10〜20ワットとなり得る。

空気供給モジュール104は、吸気口124、ファン126、及び排気口あるいは排出口128を備えることができる。環境からの空気は、吸気口124を介して吸気され、第1の熱交換器116を通過し、ここでファン126の動作によって空気が熱をヒートポンプ120と交換することができる。結果として得られる調節された空気は、ファン126によって排気口128に向けられ、ユーザに向けられてこのユーザが望むマイクロ環境が形成される。図示される構成に基づいて説明したが、開示した主題による実施の形態は、これに限定されない。例えば、図4Aに示すように、ファン126を、熱交換器116の他の側に配置する、すなわちブロースルー構成を採用してもよい。吸気口124は、例えば、1つ以上の調節弁、ノズル、スロット、あるいは当業者に知られた他の種の吸気口であってもよい。排気口128は、例えば、1つ以上の調節弁、ノズル、スロット、拡散器、あるいは当業者に知られた他の種の排気口であってもよい。ファン126は、例えば、ブラシレスDCモータを備えてよい。

空気供給モジュール104は、任意に、空気排出部128のための調整機構130を備えてもよい。調整機構130は、空気排出部128からの排出空気流の方向について、受動的(ユーザによる操作)あるいは能動的(内蔵式での運動制御)操作を可能にする。例えば、空気排出部128は、可能な限り多くの有効冷却/暖房を、最小のエネルギ消費で、冷却/暖房を要するユーザ及びユーザの体の一部に供給できるような、単一のノズル、あるいは複数のノズルによるアレイである。空気排出部128は、従って、調節された空気をユーザの体の選択した部位に向け、最適な効果及び熱感覚を形成する。調整機構130は、空気排出部128を、少なくとも1つの範囲、好ましくは3つの範囲で移動し、空気流を所望の目的を達する方向に向ける。例えば、冷却モードでは、排出空気は、ユーザの頭あるいは胴体上部に向けられ、一方で暖房モードでは、排出空気はユーザの足かさらに末端に向けられる。代替的あるいは追加的に、ユーザは、空気排出部128を調整機構130を介して操作して、空気流を望ましい身体部位に向け、例えば、冷たい手を温める。このような構成では、調整機構130は、延伸可能な部位を有し、この部位によってコンフォートユニット本体に対する排気口の高さ、及び/または排気口の位置を、ユーザあるいは制御モジュール108によって変更する。

コンフォートユニット100は、さらに、感知モジュール106を備えることができ、このモジュールは、IRカメラ132及び/または可視光線カメラ134を備えることができる。感知モジュール106は、1つ以上の追加の任意のセンサ136、例えば、バイオメトリックデータ及び/または環境データを計測するセンサ、コンフォートユニット100のナビゲーション制御のためのセンサ、環境をセキュリティ監視するためのセンサ、及び/または、運動制御(例えば、ジャイロ、加速、傾き、高度等)のためのセンサ、を備えてよい。IRカメラ132は、ユーザの衣服レベルや他の断熱物の程度を計測するためにユーザの画像を取得する用途に用いられ、これらのデータに基づいてユーザの快適さを判別することができる。可視光線カメラ134は、例えば、環境を通じてナビゲートを行うコンフォートユニット100によって用いられ、例えば、その経路における障害を検出する。代替的あるいは追加的に、可視光線カメラ134は、ユーザの画像を取得する用途に用いられ、これによってユーザの画像に対する顔認識処理がコンフォートユニット100によって行われ、ユーザ及びその好みが判別される。代替的あるいは追加的に、IRカメラ132及び/または可視光線カメラ134は、熱マイクロ環境の形成の間にユーザの画像を取得する用途に用いられ、ユーザの個別の熱に対する感覚に関するフィードバックを行なう。

さらに、コンフォートユニット100は、顔認識処理によって環境内のユーザを追跡し、またユーザを追いかける。代替的あるいは追加的に、感知モジュール106は、ユーザの位置及び/または環境における障害を検出するセンサを備える。例えば、感知モジュール106は、指向性無線信号、指向性無線周波数(RF)信号、及び/またはブルートゥース低エネルギ信号を用いることができる。代替的あるいは追加的に、ユーザはスマートフォンやウェアラブルのような通信装置を有してもよく、感知モジュール106がその装置を検出して追跡する。

コンフォートユニット100は、さらに、制御モジュール108を備えることができ、この制御モジュールは、コンフォートユニット100の様々な態様及び動作を制御する。従って、制御モジュール108は、熱規制モジュール102、空気供給モジュール104、及び感知モジュール106に動作可能なように接続され、それらから信号を受信し、それらに制御信号を送信する。特に、制御モジュール108は、熱規制モジュール102及び/または空気供給モジュール104を、ユーザの快適さのレベルを示す信号に応じて制御可能である。従って、信号が示すようにユーザが不快な場合、制御モジュール108は、熱規制モジュール102及び/または空気供給モジュール104の向きを制御して、ユーザの好み(例えば、コンフォートユニット100に事前に入力される、あるいはユーザのバイオメトリックデータの感知に基づいて自律的に判別される)に基づいた熱マイクロ環境をユーザの周囲に形成してユーザを快適にする。

コンフォートユニット100は、さらに、追加のモジュール、例えば、任意の運動制御モジュール110、電源138、任意の補足モジュール114及び入力/出力(I/O)モジュール112を備えることができ、これらは動作可能なように制御モジュール108に接続される。運動制御モジュール110は、環境内でコンフォートユニット100を移動させる。運動制御モジュール110は、コンフォートユニット100の他のモジュールを支援可能であり、所望の動作を達成するためにモータ、ギア、ホイール等の任意の組み合わせを備えることができる。運動制御モジュール110は、制御モジュール108に動作可能なように接続されてコマンドを受け取り、このコマンドは、運動制御モジュール110を、例えば、ユーザを追跡させる、環境内の所定の経路に沿って移動させる、あるいは環境内の位置に動的に移動させて所望の動作(例えば、再チャージあるいは熱負荷シフト)を行わせる。運動制御モジュール110は、ロボット工学上のプラットフォームと考えることができるものである。

コンフォートユニット100は、環境から独立して動作するように構成されるので、内蔵式の電源138を備える。電源138は、コンフォートユニット100の他のモジュールのそれぞれに接続され(当該接続は明瞭には図示せず)、それらに電力を供給する。例えば、電源138は、リチウムイオン電池、亜鉛イオン電池、リチウムポリマー電池、ディープサイクル鉛酸蓄電池、及び亜鉛空気電池等の再チャージ可能な電池である。別の例として、電源138は、消耗に応じてユーザが交換可能な、取り外し可能な電池である。再チャージ可能あるいは取り外し可能な電池は、例えば、一体化の容易化及び交換の容易化のため、3−Dプリンティングによって非正規の形状に形成されてよい。代替的あるいは追加的に、電源138は、無線伝達された(例えば、コンフォートユニット100が置かれた床の中の)エネルギを利用可能な電力に変換する無線電力変換装置から構成されることができる。そのような無線送電システムは、誘導あるいは共振型のシステムであってよく、あるいは当業者に知られた他の構成を採用してもよい。

I/Oモジュール112は、制御モジュール108と、外部装置(例えば、以下に詳細に説明する、感知ユニット200、他のコンフォートユニット100、あるいは中央制御ユニット602)との間に通信リンクを提供することが可能である。通信リンクは、Wi−Fiネットワーク、セルラーネットワーク、ブルートゥース通信、ZigBee、ZWave、あるいは当業者に知られている他の無線通信プロトコルを介した無線通信リンクであってよい。代替的あるいは追加的に、I/Oモジュール112は、制御モジュール108とユーザとの間のコミュニケーションを可能にする。例えば、I/Oモジュール112は、オンデバイス式のユーザインターフェースを備え、これによってユーザはコンフォートユニット100と対話可能となり、所望の設定や他の要求を行うことができる。代替的あるいは追加的に、ユーザインターフェースは、コンフォートユニット100の本体と離れた位置、例えば、感知ユニット200上に配置され、I/Oモジュール112を介してコンフォートユニット100と通信してもよい。

補足モジュール114は、熱規制モジュール102及び空気供給モジュール104とは別の、あるいは補完する1つ以上の二次機能を提供することができる。例えば、二次機能は、熱規制モジュール102による空調の前あるいは後に行われる空気への追加的処理を含む。このような二次機能は、空気清浄、空気イオン化、給湿、及び除湿を含むが、これに限定されない。代替的あるいは追加的に、補足モジュール114によって提供される二次機能は、例えば、コンフォートユニット100によって伝送される情報の記憶媒体を設け、ユーザに用いられて、あるいは、感知モジュール106によるセキュリティ監視に基づいたアラートを処理及び提供することで、空気の処理と無関係なものであってもよい。

図2を参照すると、この図は開示した主題の実施の形態に係る感知ユニット200の簡略化した概略図である。感知ユニット200は、快適さのレベルについて環境の中のユーザ(あるいは複数のユーザ)を監視可能であり、コンフォートユニット100と共に動作してユーザの快適さのレベルを改善する。感知ユニット200は、バイオメトリックデータ感知モジュール202と、環境データ感知モジュール204と、データ処理あるいは制御モジュール206とを備えることができる。コンフォートユニット100のように、感知ユニットは、それ自体の電源210を備えることができ、この電源は、取り外し可能か再チャージ可能な電池、あるいは無線電力変換装置であってよい。感知ユニット200は、さらに、I/Oモジュール208を備えることができ、このモジュールは、上述したコンフォートユニット100のI/Oモジュール112と同様な、無線通信部、あるいはオンデバイスユーザインターフェースを備えることができる。

バイオメトリックデータ感知モジュール202は、心拍数212、皮膚コンダクタンス214、及び/または皮膚温度216を測定する少なくとも1つのセンサを備えることができる。データ処理モジュール206は、少なくとも検出されたバイオメトリックデータに基づいてユーザの快適さのレベルを示す計量を判別することができる。例えば、データ処理モジュール206は、低スペクトル周波数(LF)心拍数変動と、高スペクトル周波数(HF)心拍数変動との比を判別することができる。従って、心拍数センサ212には、LF帯域(例えば、0.04から0.15Hz)と、HF帯域(例えば、0.15から0.40Hz)とを区別するのに十分な精度が求められる。HFに対する高いLFの比は、ユーザに対する不快のレベルが高い場合に対応する。LF/HF比と他の計測とを組み合わせることで、ユーザの快適さのレベルのより明確なピクチャーを得ることができる。

例えば、皮膚コンダクタンスは、ユーザの皮膚からの蒸発伝達に関連した皮膚の電気特性の変化を反映した電気皮膚反応として測定することが可能である。皮膚温度は、ユーザと環境との間の熱伝達の量を計測することに用いることができる。皮膚コンダクタンス及び皮膚温度の計測は、それぞれ、特定のユーザを示す所定の各領域、あるいは一般化されたユーザの好みと比較することができる。例えば、所定の領域は、コンフォートユニットのセットアップの間におけるユーザのフィードバックや、正常運転の間におけるユーザによる手動の介入、あるいはその他の手段に基づいて定めることができる。LF/HF比及びコンダクタンス並びに温度と所定の領域との比較に基づいて、システムは、ユーザの快適さのレベルを予測可能である。代替的にあるいは追加的に、心拍数、コンダクタンス、及び温度の測定は、快適さのレベルを示す計量と組み合わせることができる。

上述したように、コンフォートユニット100は、ユーザの画像を取得するIRカメラを備えてもよい。IR画像を分析することにより、最外層の衣服の温度と皮膚温度センサ216によって計測された温度とを比較することで、衣類の着用のレベルを推定できる。判別された衣服の着用のレベルは、ユーザと環境との間の全体的な熱伝達計算において抵抗要因を追加することができる。このデータは、I/Oモジュール208を介して、プロセッサ206で処理するために感知ユニット200に転送可能である。代替的あるいは追加的に、感知ユニット200からのデータは、快適さのレベルの処理及び判別のため、コンフォートユニット100あるいは個別の制御装置(例えば、図6Aの制御装置602)に転送可能である。

バイオメトリックデータを得るために、バイオメトリックデータ感知モジュール204のセンサは、ユーザの皮膚と直接接触してもよい。例えば、感知ユニット200、あるいはその一部は、時計、ブレスレット、ネックレス、胸当て、靴のインサート、下着あるいは腕章等のウェアラブル装置である。別の例においては、感知ユニット200あるいはその一部は、例えば、ユーザが断続的に触れてコンフォートユニットによる調整を起動するためのスタンドアロン装置であってよい。さらに別の例においては、感知ユニット200あるいはその一部は、コンフォートユニット100と一体化されてよい。これらの例を図5A乃至5Cに示し、以下により詳細に説明する。しかしながら、感知装置200も、上述した例の任意の組み合わせ、例えば、バイオメトリックデータ感知モジュール202用のウェアラブル装置、及び環境データ感知モジュール204用のスタンドアロン装置等であってもよい。1つ以上の考え得る実施の形態において、他の構成も可能である。

環境データの感知モジュール204は、気温220、相対湿度222、気流速度224、乱流226、及び放射温度228等の環境あるいはマイクロ環境の様々な特性を測定する1つ以上のセンサを備えることができる。他のセンサ、例えば空気品質及びCO2センサ等も提供可能であるが、これに限定されない。個別の構成要素として示したが、環境データ感知モジュール204の単一のセンサが、1つ以上の変数を測定するようにしてもよい。例えば、全方向性の風速計を、乱流強度226とともに気流速度224を測定するために用いることもできる。別の例においては、放射温度228は、コンフォートユニット100のIRカメラ132からのデータ、あるいはグローブ温度計のような個別のセンサの使用に基づいて判別してよい。例えば、温度センサ(バイオメトリック及び環境の両方)は±0.5℃の精度を有し、湿度センサは2〜5%の精度を有する。

バイオメトリックデータとともに、環境データが、ユーザのコンフォート状態を推定し、コンフォートユニット100を制御して、ユーザの快適さを向上するために望ましい空調を提供させる用途に適用できる。例えば、プロセッサ206は、バイオメトリックデータモジュール202及び環境データモジュール204からのデータを処理し、各データポイントを、快適さを示す各所定の範囲と比較してユーザの快適さのレベルを判別可能である。比較に基づいて、プロセッサ206は、ユーザの好みに基づいて、ユーザが寒く感じるか、暑く感じるか、あるいはニュートラルな感じか、を判別可能である。比較が不快さ(例えば、寒いあるいは熱い状態)を示す場合、コンフォートユニット100に信号を送り、ユーザがニュートラルな状態になるまで、自動的に空気供給位置、空気速度、熱容量、及び/または空調モード(例えば、暖房あるいは冷房)を調整させる。

図3A〜4F及び9A〜9Dに、コンフォートユニットの例を示し、図5A〜5Cに感知モジュールの例を示す。図3A〜3Bは、コンフォートユニット100がユーザ300を追従するように移動させる運動制御モジュール110(例えば、ロボット工学上のプラットフォーム)によって支持された熱規制モジュール102及び空気供給モジュール104を備えた移動コンフォートユニット100の三次元モデルを示す。図3Bに示すように、空気供給モジュール104からの空気によって形成されたマイクロ環境は、ユーザ300とともに移動可能であり、環境におけるユーザの快適さを維持する。図3A〜3Bに示すコンフォートユニット100は、約1mの高さ(例えば、約900mm)、約0.5mの幅(例えば、直径約400mm)である。

図4Aは、熱規制モジュールにおけるヒートポンプ用の蒸気圧縮システムを用いるコンフォートユニット400の簡略化した横断面図である。図4Bは、図4Aに示す配置に類似するコンフォートユニット400のプロトタイプの写真である。コンフォートユニット400は、上記の運動制御モジュール(ロボット工学上のプラットフォーム)あるいは静止プラットフォームであり得るプラットフォーム402を備える。図4Aに示すように、プラットフォーム402は、コンフォートユニット400のいくつかの構成要素、あるいはコンフォートユニット400の全ての構成要素をサポート可能である。TSM406を収容する容器404が、プラットフォーム402にマウント可能である。

蒸気圧縮システムは、第1の熱交換器408と、コンプレッサ410と、第2の熱交換器412と、膨張弁414とを備え、これらはループを形成するように接続される。ループを流れる冷媒は、第1の熱交換器408と第2の熱交換器412との間で熱を伝達する用途に用いられる。ファン416は、空気を、熱伝達のために第2の熱交換器412を介して環境からブローすることができる。結果として得られる調節された空気は、1つ以上のノズル418を介して環境に排気可能である。第1の熱交換器408、例えば、チューブ及びフィン状熱交換器は、容器404内でTSM406に周囲を覆われていてもよく、それによって熱が熱交換器408とTSM406との間で伝達される。代替的に、第1の熱交換器408は、TSM406内に配置された1本以上のチューブを備えていてもよく、各チューブは、2mm未満の直径を有する。例えば、第1の熱交換器は、マイクロチャンネル熱交換器として機能し得る。

コンフォートユニット400が冷房モードで動作する場合、ファン416によって向けられた空気の熱は、第2の熱交換器412(つまり、エバポレータ)に吸収され、第1の熱交換器408(つまり、コンデンサ)に伝達され、TSMに蓄積される。この結果、空気排出ノズル418は冷却される。熱交換器408からTSM406に廃熱を蓄積することで、この熱が、ユーザの周囲の環境に排出されることを防止し、あるいはこの廃熱は、TSMによる蓄熱がない場合に必要となる。この結果、構造負荷は増加しない。吸収された熱は、構造負荷の増加及び/またはユーザの快適さを損なわないように後の時間(時間的シフト)あるいは異なる場所(空間的シフト)で放出される。例えば、TSMは、夜、あるいは構造負荷が問題とならない場所(過剰な空調とならない構造の外あるいは内側)に蓄積した熱を放出する。代替的あるいは追加的に、以下に詳細に説明するように、異なるエネルギ源を用いてTSM406を再チャージしてもよい。

コンフォートユニット400は、暖房モードで動作するように蒸気圧縮システムを逆転するスイッチ(図示せず)を備えることができる。コンフォートユニット400が暖房モードで動作する場合、TSM406に蓄積された熱が、第1の熱交換器408(現在はエバポレータとして機能)から第2の熱交換器412(現在はコンデンサとして機能)に伝達され、熱がファン416によって向けられた空気に吸収される。これにより、空気排出ノズル418が加熱される。

ある実施の形態においては、TSM406は、相変化の際に熱を蓄積あるいは放出する相変化材料(PCM)である。適切なPCM材料としては、パラフィン、塩水和物、脂肪酸、水、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。PCMは、標準室温よりわずかに上の溶融温度を有してもよく、それにより、冷房モードにおける熱伝達によって溶融し、暖房モードにおける熱伝達によって凝固し得る。

ある実施の形態では、容器404は、TSM406とコンフォートユニット400の外部環境との間に複数の分離層を備えてもよい。例えば、容器404は外側層404a及び内側層404bを備えていてもよい。外側層404aは、内側層404bとは異なる断熱性(例えば、異なる断熱要因)を有してもよい。代替的に、外側層404aは、内側層404bと同じ断熱性を有するが、内側層404bとは異なる他の特性、例えば、異なる厚さ等を有してもよい。また別の代替においては、外側層404aは、内側層404bとほぼ同一であってもよい。外側層404aは内側層404bから取り外し可能であり、それによって容器404の断熱性を変更することができ、例えば、より多くの熱が、TSMと外部環境との間で伝達されるようになる。代替的にあるいは追加的に、内側層404bは、さらに、TSM材料と外部環境との間の熱伝達量を増加させるように取り外し可能であってもよい。

図4A及び図4Bを参照してコンフォートユニットの熱規制モジュールの特定の構成を示したが、さらに、1つ以上の別の実施の形態において他の構成も可能である。例えば、図4Cは、TSM406aを通って流れる空気を用いる蒸気圧縮システムを使用するコンフォートユニット400aの簡略化した断面図を示す。コンフォートユニット400aのいくつかの特徴は、図4Aに示したコンフォートユニット400と類似している。従って、図4Aと異なる特徴のみを以下に説明する。

図4Aにおいては、第1の熱交換器408は、TSM406に埋め込まれた。また、熱伝達が、熱交換器408中の冷媒とTSM406との間で生じた。一方、図4Bに示すコンフォートユニット400aは、ファン420が連結された第1の熱交換器408を有し、ファン420によって向けられた空気について第1の熱交換器408aを流れる冷媒によって熱伝達が行われる。その後、空気はTSM406a内の1つ以上の気流路を流れてTSM406aを介して流れて熱伝達を行う。TSM406aを流れた後、調節された空気は、例えば、排気口424を介して環境に排出される。

別部材として示したが、ファン416及びファン420は、実際には同一のファンであり、一つのファンからの異なる空気路が、異なる熱交換器に繋がる。代替的あるいは追加的に、空気路のうちの1つは、(例えば、弁によって)遮断され、気流は熱交換器のうちの1つに主として向けられる。例えば、熱交換器412を通る気流路が遮断され、空気は熱交換器408aのみに流れ、環境からの空気を用いてTSM406aを再チャージすることが可能にする。

図4Cは、独立した流体ループを介してTSM406bに連結された蒸気圧縮システムを使用するコンフォートユニット400bの簡略化した断面図である。コンフォートユニット400aのいくつかの特徴は、図4Aに示したコンフォートユニット400と類似している。従って、図4Aとは異なる特徴のみを以下に説明する。

上述したように、図4Aにおいては、第1の熱交換器408はTSM406に埋め込まれ、伝達は、熱交換器408の冷媒とTSM406との間で行われた。一方、図4Cのコンフォートユニット400bは、第1の流体ループ430及び第2の流体ループ432が、互いに熱的に連通するようにして配置された第1の熱交換器408bを備える。ポンプ428は、熱交換器408bとTSM406bとの間の第2の流体ループ432を通って流体を移動させる。従って、熱は、第1の流体ループ432からTSM406bに第2の流体ループ432を介して伝達可能である。

代替的な態様においては、TSMは、三次元多孔質構造あるいはマトリクス(例えば、スポンジ)として構成することができる。従って、空気は、連結された複数の孔のネットワークを介してTSMを通って流れ、流れる空気とTSMとの間で熱伝達を可能にする。このような態様においては、TSMは、相変化材料(PCM)であってよく、従って熱によってその構成を失う。このような態様を、図4E及び4Fに示す。例えば、容器404C内に配置されたPCM406cは、全体に分散された孔456のネットワークを備えることができる。ファン/熱交換器アセンブリ450は、容器404cの上部に連結され、空気流452を、容器内に中央フローチャンネル454に沿って向ける。フローチャンネル452内の空気は、好適な熱交換のために孔を介してPCM406cへと流れ込む。別の排気チャンネル(図示せず)がPCM406cから容器404c及び/またはコンフォートユニットの外部に排出するために設けられてもよい。

別の態様(図示せず)においては、蒸気圧縮サイクルで動作する熱規制モジュールは、単一の回転アセンブリとして構成される。コンプレッサは、コンプレッサモータが駆動されると全密閉コンプレッサが回転するように取り付けられた密閉コンプレッサであってよい。例えば、ロータが静止あるいはステータよりとても遅い速度で回転する間、自由に回転できるようにコンプレッサシェルがマウントされてよい。冷房モードでは、圧縮冷媒蒸気は、コンデンサに放出可能であり、コンデンサは、コンプレッサの外部と共に回転する空気移動装置(例えばファン)を備えることができる。圧縮冷媒蒸気は、コンデンサのファンブレードの内部の流路において凝集する。コンデンサから放出された液体冷媒は、好適なエキスパンション装置を通ってエバポレータに流れ、エバポレータは、別の空気移動装置(例えばファン)を備えることができる。冷媒は、環境からの空気にさらされることでエバポレータのブレードの中で蒸発可能であり、これによって空気を冷却する。コンプレッサ、コンデンサ空気移動装置、エキスパンション装置、及びエバポレータ空気移動装置は、密閉された単一の回転アセンブリの一部となり得る。

具体的に上述した態様あるいは他の態様に加え、空気とTSMとの間の熱伝達を効率化する態様が、1つ以上の実施の形態において可能である。従って、開示した主題に係る実施の形態は、本明細書で詳細に説明した態様に限定されない。

図5Aを参照し、ユーザによって着用可能な感知ユニット500の実施の形態を示す。感知ユニット500は、例えば、時計やブレスレットのようなユーザの手首にユーザによって着用されるように構成される。上述したように、感知ユニット500は、心拍数センサ212、皮膚コンダクタンスセンサ214、及び皮膚温度センサ216等の1つ以上のバイオメトリックセンサを備えることができる。感知ユニット500は、さらに、任意に1つ以上の環境センサ204を備えることもできる。バイオメトリックセンサは、ユーザの皮膚と常時あるいは定期的に接触するよう感知ユニット500上に配置されてよい。1つ以上の環境センサ204は、ユーザの皮膚から離間して主に環境に向けられるように感知ユニット500上に配置されてもよい。

感知ユニット500は、さらに、例えば、ユーザが視認可能に配置された多機能モジュール502を備えることができる。多機能モジュール502は、例えば、ユーザインターフェースまたはディスプレイ504、入力/出力モジュール506、電源508、及び/または制御モジュール510を備えることができる。制御モジュール510は、バイオメトリック及び環境センサからのデータ信号の処理を含む感知ユニット500の動作を制御可能である。電源508は、制御モジュール510及び感知ユニット500の他の要素に電力を供給可能である。例えば、電源508は、バッテリである。入力/出力モジュール506は、バイオメトリック及び環境センサからコンフォートユニットあるいは他のシステム制御ユニットにデータ信号を通信する用途に用いられる。例えば、入力/出力モジュール506は、無線あるいはブルートゥース通信を採用することができる。感知モジュール500を着用しているユーザは、ディスプレイ504を介して、例えば、バイオメトリック及び環境センサによって計測された値を視認し、手動制御におけるコンフォートユニットに指示、システムをオン、オフ、あるいは他の目的のため当該感知ユニットと通信する。

感知ユニットの特定の態様を図5Aに示したが、さらに、1つ以上実施の形態によって他の態様も可能である。例えば、図5Bは、感知ユニットの別の態様の簡略化した側面図である。図5Aのウェアラブル感知ユニットとは対照的に、感知ユニット500aは、ユーザとの定期的な接触のためのスタンドアロンユニットとして構成される。例えば、感知ユニット500aは、ユーザが作業をする机上に配置され、ユーザが様々な時にタッチすることでそれらの快適さのレベルの表示を提供する。別の例において、感知ユニット500aは、コンフォートユニットを起動するためにユーザが触れる壁に取り付けられる、あるいはマウントされてもよい。

上述したように、感知ユニット500aは、心拍数センサ212、皮膚コンダクタンスセンサ214、及び皮膚温度センサ216等の1つ以上のバイオメトリックセンサを備えることができる。感知ユニット500aは、さらに、任意に1つ以上の環境センサ204を備えることもできる。バイオメトリックセンサは、ユーザが手512あるいはその他の身体部位上に配置して接触するように、感知ユニット500a上に配置されてよい。1つ以上の環境センサ204は、主に環境に向けられるように感知ユニット500aに配置されてもよいし、ユーザがタッチする場所から離間した位置に配置されてもよい。

感知ユニット500aは、さらに、例えば、ユーザインターフェースあるいはディスプレイ504a、及び入力/出力モジュール506a、電源508a、及び/または制御モジュール510aを備える。感知モジュールの別の上記の実施の形態において、制御モジュール510aは、バイオメトリック及び環境センサからのデータ信号の処理を含む感知ユニット500aの動作を制御可能である。電源508aは、制御モジュール510a及び他の感知ユニット500aの要素に電力を供給可能である。例えば、電源508aはバッテリ、無線電力の変換器、あるいは建物もしくは他の外部電源の電力への有線接続であってよい。入力/出力モジュール506aは、バイオメトリック及び環境センサからコンフォートユニットあるいは他のシステムコントロールユニットにデータ信号を伝達する用途に用いられる。例えば、入出力モジュール506は、無線やブルートゥース通信、あるいは環境の内部もしくは外部ネットワークへの有線接続を適用可能である。

感知ユニットのさらに別の態様においては、感知ユニットの1つ以上の様態がコンフォートユニットと一体化される。図5Cは、そのような実施の形態を示し、コンフォートユニット400cは、例えば、心拍数、皮膚コンダクタンス、及び皮膚温度等の所望のバイオメトリックデータを提供するためにユーザがタッチできるタッチパッド514を備える。例えば、ユーザは、最初にコンフォートユニット400cをオンにする時、そしてその後、例えば、環境が不快であると考えた時に断続的に、タッチパッド514をタッチする。上述のように、コンフォートユニット400cは、さらに赤外線カメラ516及び可視光線カメラ518等の1つ以上のカメラを備えていてもよい。赤外線カメラ516は、ユーザの衣服によって提供される断熱の程度を推定する用途に用いられ、可視光線カメラ518は、環境においてユーザを特定及び/または追跡する、ならびに/もしくは環境中の障害を避ける用途に用いられる。

さらに、具体的に上述した態様及び他の態様に加えて、1つ以上の実施の形態において、バイオメトリック及び環境データを感知する他の態様が可能である。従って、開示した主題の実施の形態は、本明細書で詳細に説明した態様に限定されない。

コンフォートユニットは、例えば、中央空調ユニット等の既存のビルディングインフラとともに用いることが可能であり、全面的なエネルギ消費を削減しつつ、ユーザの快適さのレベルを改善する。この意味で、ビルディングインフラ及びコンフォートユニット(あるいは複数のコンフォートユニット)の制御は、望ましい快適さ及びエネルギ目的を達成するために共働的となり得る。図6Aを参照すると、この図は、既存のビルディングインフラと上記のコンフォートユニットとを組み込む環境制御システム600の簡略化した概略図である。従って、環境制御システム600は、ビルディングHVACシステム604と、コンフォートユニット100と、感知ユニット200と、中央制御システム602と、を備える。中央制御システム602は、環境制御システム600の異なる要素に接続可能であり、所望の制御を達成する。

既存のビルディングインフラは、ビルディングHVACシステム604に加え、ビルディングHVACシステム604を使用して環境の温度を制御するためのフィードバックとして用いる1つ以上のビルディングセンサ606を備えることができる。コンフォートユニット100及び感知ユニット200は、環境及び/またはユーザの快適さのレベルに関する追加のデータを共有可能である。例えば、コンフォートユニット100及び/または感知ユニット200は、無線ネットワークを介して中央制御システム602と通信可能である。コンフォートユニット及び/または感知ユニットによって集められた感知情報は、ビルディングHVACシステム604のよりよい制御に用いることができる。さらに、現在及び/または予測的な気象通報も、ビルディングHVACシステム604及び/またはコンフォートユニット100の予測的モデリング及び制御のために(例えば、インターネットを介して)取得可能である。

中央制御システム602は、ユーザの熱的な快適さのフィードバックを利用して省エネルギアルゴリズムを採用し、コンフォートユニット100及びビルディングHVACシステム604の両方を制御し、全体的なエネルギ消費を削減する。例えば、これは、一時的あるいは連続的な手法でビルディングHVACシステム604のゾーン設定点温度を緩和することで達成できる。コンフォートユニット100は、これら緩和の期間におけるユーザの熱的な快適さを維持する。中央制御システム602は、例えば、ビルディングゾーンレベルで温度設定点を緩和し熱的な快適さのバランスを図るアプリケーションプログラミングインターフェースを用いたサーバである。例えば、暖房が望まれる日に、ビルディングHVACシステム604の設定点が低下される。一方、冷房が望まれる日に、ビルディングHVACシステム604の設定点が上昇される。

中央制御システム602は、これらに限定されないが、時刻、利用率、地域の天候、現在のビルディングHVAC設定、ユーザの熱的な快適さに関するフィードバック、及び利用可能なコンフォートユニットの数及び/または容量等の要因及び入力の数に基づいてゾーン温度を設定可能である。これらの省エネルギゾーン温度緩和期間にコンフォートユニットを利用することで、後の熱管理のために熱を保存するように一時的に作用することができる一群(1つ以上)の個別化された冷房がもたらされる。例えば、これらの緩和の期間に、HVACシステムによって維持された温度は、少なくとも4度、ユーザの快適さを維持するように設定された温度から異なる(高いあるいは低い)。コンフォートユニット100は、次に、環境から少なくとも4度異なる温度のマイクロ環境を、ユーザの周囲に維持し、これによって不快な環境温度にもかかわらずユーザの快適さのレベルを維持する。

図6Aには単一のコンフォートユニット100のみを示したが、1つ以上の実施の形態において、複数のコンフォートユニットを単一の設定において使用可能である。このような構成では、各コンフォートユニットは、例えば無線ネットワーキングによって、近接する周囲の他のコンフォートユニットと通信可能である。例えば、複数のコンフォートユニットは、個別に動作可能で、それぞれが単一のユーザあるいはユーザのグループにカスタマイズされたマイクロ環境を提供する。代替的あるいは追加的に、複数のコンフォートユニットは、協動して1人以上のユーザにカスタマイズされたマイクロ環境を提供することもできる。

また、環境制御システムは、コンフォートユニット100、感知ユニット200、及び/または中央制御システム602間で望ましい通信を可能にする構成要素を備えることもできる。例えば、環境制御システム600の基礎となる通信プラットフォームは、オンデバイスセンサ、ユーザ上のセンサ、異なるビルディングゾーンにおけるユーザ及び/またはコンフォートユニットを検出するブルートゥース低エネルギビーコン、及びコンフォートユニットと通信するサーバを備えることができる。さらに、コミュニケーションプラットフォームは、ローカルあるいはクラウドベースのサーバ上で実行可能な、装置及びビルディングアプリケーションプログラムインターフェースを用いる制御通信サービスを利用することもできる。例えば、制御通信サービスは、制御及びビルディング自動化システム設定を読み書きするウェブサービス、任意の数のコンフォートユニット設定用の制御を読み書きするウェブサービスを備えることができる。制御及びビルディング自動化システム設定は、ゾーンレベル温度設定点及び換気率を含むことができるが、これらに限定されない。コンフォートユニット設定は、ファン速度、暖房/冷房モード、供給空気の温度、位置、蓄熱レベル、蓄熱排気、及び空気分散制御(複数のノズルを有する装置用)を含むことができるが、これらに限定されない。

図6Bは、独自のHVACシステムを有するビルディング内での複数のコンフォートユニット100の使用を示す。例えば、HVACシステムは、環境616から空気を取り入れる吸気口レジスタ611と、HVACからの調節された空気を環境616に向ける排気レジスタ510とを備えてよい。図示するように、各ユーザ612a、612bは、それぞれ、環境616内でカスタマイズされたマイクロ環境614a、614bをユーザの周囲に提供するコンフォートユニット100を有する。コンフォートユニット100は、図6Cに概略的に示すように、例えば、HVACシステムが無いビルディングや乗り物内、あるいはアウトドア等のビルディングHVACが利用可能でない環境618内で同様に動作してよい。

以上の説明は、単一のユーザによるコンフォートユニットの使用について焦点を置いたが、開示した主題に係る実施の形態はそれらに限定されない。全体的に不快な環境において複数のユーザによってコンフォートユニットが使用され、より快適なマイクロ環境を提供するようにすることも可能である。例えば、コンフォートユニットは、複数のユーザに同時に空気を向ける複数のノズルを備えることができる。このような構成においては、各ユーザに向けられた気流は、各ユーザが自分用のマイクロ環境を有することができるようにカスタマイズ(例えば、異なる温度及び/または湿度レベル)可能である。別の構成においては、各ユーザに向けられた気流は、実質的に同一で、全てのユーザに共通のマイクロ環境を形成することもできる。別の例においては、コンフォートユニットは、各ユーザに連続して別々に直接空気を向けるようにノズルを移動(例えば、揺らす、あるいは首振りさせる)、あるいはコンフォートユニット自体が移動可能である。

上記の説明は単一のコンフォートユニットの使用に焦点を置いたが、開示した主題に係る実施の形態はそれらに限定されない。むしろ、1つ以上の実施の形態において、複数のコンフォートユニットを同時に用いて、マイクロ環境の組み合わせあるいは別々のマイクロ環境を形成することも可能である。例えば、単一のユーザは、複数のコンフォートユニットによるサービスを、異なる身体部位に向けられた異なる温度気流で受けることができる。別の例においては、複数のユーザは、会議または会合の間に、複数のコンフォートユニットによるサービス受けることができる。

コンフォートユニット100の蓄熱管理は、緩和期間における低減されたエネルギ消費に加え、別の省エネルギ方法を提供する。蓄熱は、中央制御システムによって、例えば、上述したウェブサービスアプリケーションプログラミングインターフェースを用いて管理可能である。コンフォートユニットの蓄熱管理は、2つの手法がある。一つ目は、熱負荷の時間的なシフトである。この場合、中央制御システムは、使用されていない期間において、ビルディングやアウトドア環境へ熱容量を放出するように1つ以上のコンフォートユニットを調整する。

2つ目は、熱負荷の空間的なシフトである。この場合には、中央制御システムは、1つ以上のコンフォートユニットを、空調が過剰あるいは不十分なビルディング内の特定のゾーンに物理的に移動させ、熱負荷を空間的にシフトするように調整する。このような場合を、図7に概略的に示す。まず、コンフォートユニット100は、ゾーン702a内でユーザの周囲にマイクロ環境を提供する。例えば、冷房動作モードで動作する場合、コンフォートユニット100は、廃熱を内蔵式TSMに蓄積する。コンフォートユニット100の内蔵式TSMを使い切った後、例えば、中央制御システムは、コンフォートユニット100を異なるゾーン、例えば温度TCがゾーン702aの温度TA未満であるゾーン702cに向ける。温度の差は、例えば、ゾーン702cの過剰な空調、あるいはシステムにおける異なる負荷や他の不均衡によるものである。ゾーン702cにおいて、一度、コンフォートユニット100は、そのTSM内の熱を放出し、ゾーン702cの温度を上昇させる。代替的あるいは追加的に、コンフォートユニット100は、ビルディング環境における変化を避けるために、アウトドア位置704に移動し、熱を放出する。例えば、蓄積された熱は、排気口を介してTSMから放出、あるいはコンフォートユニットの逆動作(つまり、以前にゾーン702aで冷房を提供していた場合、ゾーン702cで暖房を提供する)によって熱を放出する。

コンフォートユニットのビルディングのゾーン間を物理的に移動し、中央制御システムと通信する能力によって、中央制御システム、より具体的には、その制御アルゴリズムは、ビルディング内の過剰及び不足が解消された熱的ゾーン間で短時間に熱負荷をシフトできる。また、環境制御システムは、蓄積された熱を、ゾーンの状況、アウトドア状況、及びビルディングの使用状態を考慮して、いつ、どこで放出すると最適かつ最も効率的になるか制御可能である。蓄積された熱を周囲環境、あるいはアウトドア環境に放出することで、コンフォートユニットによってTSMをさらに使用できるように再チャージ/再生して、ユーザに好適なマイクロ環境を提供できるようになる。周囲温度がTSMの再チャージに不十分な場合、ビルディングHVACシステムは、電源が投入されて再チャージを支援する。

上述した時間的シフト及び空間的シフトに加え、開示した主題に係る実施の形態は、使い切った後にコンフォートユニット100のTSMの再チャージを行えるようにし、この再チャージは、どの時間あるいは空間的シフトの必要性からも独立したものである。ここにおける再チャージの用語は、TSMの温度及び/または相を変化させて、コンフォートユニットによって、ユーザにマイクロ環境を形成するために即座に利用可能であることを意味する。ある実施の形態においては、このようなTSMの再チャージ/再生は、図8Aに概略的に示すように、個別のチャージングステーション806において行われる。

コンフォートユニット802aは、望ましいマイクロ環境を、内蔵式TSMを使い切るまでユーザ612に提供するように動作可能である。この時点で、コンフォートユニット802aは、望ましいマイクロ環境614を維持することができなくなるか、あるいは、動作を継続するためにTSMに蓄積されたエネルギを放出しなければならなくなる。従って、コンフォートユニット802aは、環境616内のチャージングステーション806に移動し、チャージ接続部808が、コンフォートユニットの再チャージ口804に接し、TSMを再チャージ、例えば、その温度及び/または相を変更させる。同時に、チャージングステーション806は、コンフォートユニット上の内蔵式バッテリを充電し得る。チャージングステーション806は、一度に単一のコンフォートユニット802bにサービスを行う、あるいは複数のコンフォートユニットに一度にサービスを行い得る。

図8Aにコンフォートユニット100を再チャージする具体的な構成を示したが、1つ以上の実施の形態において、他の構成も可能である。例えば、内蔵式TSMは、取り外し可能なキャニスタや容器内でコンフォートユニットに保持されてもよい。一度TSMが使い切られた後、キャニスタが取り外されて別の再チャージあるいは蓄積ステーションに移され、新たなキャニスタに交換される。代替的あるいは追加的に、例えば、暖房モードで使用するTSMが冷房モードで使用するTSMと異なる場合、TSMが取り外されて動作モードが変更される。このような構成を図8Bに示し、使い切ったTSMカートリッジ812aは、コンフォートユニット802cのアクセスドア810を介して取り外され、チャージング/保管ステーション814において再チャージされたTSMカートリッジ812bあるいは別の保管されたTSMカートリッジ812cと交換される。

別の例において、内蔵式TSM812d及びヒートポンプ816aは、共にコンフォートユニット802dから取り外し可能であり、個別にあるいは共に取り外し/交換される。例えば、TSM812d及びヒートポンプ816aは、アクセスドア810を介して取り外し可能な共通ハウジング818内に共に配置される。新しいユニット、例えば、完全にチャージされたTSM812a及びヒートポンプ816bを、コンフォートユニット802dに装填可能である。図8Bの実施の形態において、例えば、動作モードを変更するため、TSMは、異なるTSM812f及び/または異なるヒートポンプ816cと交換される。ヒートポンプ及びTSM全体をコンフォートユニットから取り替えることができるので、TSMとヒートポンプの熱交換器との間の気密性が向上し得る。

さらに別の例において、コンフォートユニット自体が、内蔵式再生モジュール、例えば、TSMが一度使い切られた場合に所定の時間動作してTSMを再チャージする個別の蒸気圧縮システムを備えることができる。例えば、ある実施の形態では、VCSが、TSMを内蔵式で再生するよう動作する。例えば、VCSは、TSMに熱を蓄積する第1の作動モードで動作する。第2の作動モードにおいて、VCSはサーモサイフォンとして動作する。TSMに蓄積された熱は、VCSの熱交換器を介して周囲環境に放出され、VCSの動作用流体は、TSMと低温の周囲環境との間の温度差によって生じた密度差で駆動される。

コンフォートユニットの構成、特に、暖房または冷房のためにPCMを用いたコンフォートユニットの構成について、以上説明したが、開示した主題に係る実施の形態はそれらに限定されない。むしろ、1つ以上の実施の形態において他の構成も可能である。例えば、コンフォートユニットは、センシブル冷房モードと除湿モードとの間でモードが切り替わるように構成され得る。図9Aは、そのような機能を有するコンフォートユニット910の簡略化した断面図である。コンフォートユニット910のいくつかの特徴は、図4Aに示したコンフォートユニット400と類似している。従って、図4Aとは異なる特徴のみを以下に説明する。

図9Aでは、コンフォートユニット910は、熱交換器408を介して空気からTSM406に熱を蓄積するための冷房モードの間に動作する。除湿作動モード中に、熱交換器408、412の1つの内の凝集水分が、導管914を介して凝集タンク912に運ばれ、後の使用、例えば飲料、注水、ビルディングサプライの補充、あるいは他の使用のために貯蔵される。貯蔵水は、例えば、任意のポート/排出口916を介して取り出すことができる。

図9Bは、TSMが非PCM材料、例えば、単相(あるいは実質的に単相)液体あるいは固体材料、例えば、金属や水(もしくは氷水)から構成される場合の別のコンフォートユニット920の簡略化した断面図である。コンフォートユニット920のいくつかの特徴は図4Aに示すコンフォートユニット400と類似している。従って、図4Aと異なる特徴のみを以下に説明する。

コンフォートユニット920は、単相材料922を内包する断熱容器924を備え、熱交換器408が単相材料922と熱的に接触している。熱交換器408によって伝達された熱は、温度を変えることで、単相材料922に蓄積(あるいは単相材料から放出)することができる。単相材料922が液体である場合、アクセス弁926を備えた注入口/排出口928を、容器924に対して液体を追加/取り除くために用いることができる。

例えば、単相材料922が冷やしたあるいは氷水である場合、コンフォートユニット920は、冷房マイクロ環境を提供することができる。冷やした水は、既存のビルディングインフラ(例えば、HVACシステム)あるいはスタンドアロンの水冷却ステーションのいずれかから得ることができる。マイクロ環境の提供のための使用の後、この時点での温水が節水のためにビルディング冷却システムに戻され得る。開放型水システムにおいては、生水が、冷やした空気を提供するために蒸発器の中で使用され得る。別の例においては、単相材料922が温水である場合、コンフォートユニット920は暖房マイクロ環境を提供することができる。温水は、既存のビルディングインフラ(例えば、温水ヒーター)あるいはスタンドアロンの温水ステーションから得ることができる。

図9Cは、放射パネル948を、TSM954に加えてあるいは代えて使用するコンフォートユニット940の簡略化した断面図である。コンフォートユニット940のいくつかの特徴は図4Aのコンフォートユニット400と類似している。従って、異なる特徴のみを以下に説明する。

上述した構成のように、熱はヒートポンプ流体ループ956を介して空気と熱交換器946との間で伝達される。しかしながら、熱交換器946は、流体ループ952を介してTSM954に熱的に接触することに加え(あるいはその代わりに)、流体ループ958を介して放射パネル948と熱的に接触していてよい。放射パネル流体ループ958は、1つ以上の流体導管950を備えることができ、放射パネル948の裏側領域に沿って冷媒(あるいは他の流体)を循環させ、その温度を制御する。従って、ノズル418からの冷房あるいは暖房気流942に加え、放射パネル948は、ユーザに放射による熱伝達944を提供する。放射による熱伝達は、強制対流のみよりも熱的な快適さを改善し得る。

放射パネル948を単一の連続パネルとして図示したが、実施の形態はこの場合に限定されない。複数の接続したあるいは個別の放射パネルを、同一のコンフォートユニット上に設けてもよい。一例として、放射パネルは分割されてもよい。別の例においては、異なる放射パネルが異なる温度、例えば、ユーザの低位置の末端に対して暖かい温度を提供し、他の放射パネル及び/またはエアノズル418がユーザの身体上部に冷房効果を提供するように動作する。

図9Dは、コンフォートユニット900のさらに別の構成を示し、複数のノズル418a、418bが、同時にユーザ(あるいは複数のユーザ)に個別の暖房及び冷房を提供する。コンフォートユニット900のいくつかの特徴は、図4Aに示すコンフォートユニット400と類似している。従って、図4Aと異なる特徴のみを以下に説明する。

図4Aでは、第1の熱交換器408は、一度に単一の動作モードのみを可能とする。一方、図9Dのコンフォートユニット900は、例えば、個別の独立した流体ループ(図示せず)を用いることで、TSM406cに熱を伝達し、またTSM406cから熱が伝達されることが同時に可能である第1の熱交換器904を備える。このような構成によって、ユーザは、異なる身体部位あるいは領域が異なる温度を体感できる勾配マイクロ環境を経験できるようになる。例えば、ユーザの足が1つのノズル418bからの空気によって暖められ、ユーザの身体上部が他のノズル418aによって冷却される。

従って、ファン416aは、空気に第2の熱交換器412を通過させ、例えば、ノズル418aを介して冷房気流を供給するように第1のモードで動作する。従って、空気からの熱は、熱交換器904を介してTSM406cに蓄積される。同時に、ファン416b(ファン416aと同じあるいは別の個別のファンであってよい)は、空気に熱交換器902を通過させ、例えば、ノズル418bを介して暖房気流を供給するように第2のモードで動作する。TSM406cからの熱は、この空気を加熱するために熱交換器904から放出される。

図10は、開示した主題に係る実施の形態に係る1つ以上の制御ユニットを用いた環境制御のための汎用の方法を示す。例えば、この汎用の方法は、独立してあるいは協働で動作する1つ以上の制御ユニット、例えば、制御モジュール108、制御モジュール206、及び/または中央制御システム602等によって実行される。

処理は、1002から始まり、所望のモード(例えば、暖房、冷房、あるいは除湿)での動作のために制御ユニットのTSMが十分にチャージされているか否か判別される。コンフォートユニットが十分にチャージされている場合、処理は1004に進み、コンフォートユニットがユーザを識別する。ユーザは、顔認識アルゴリズムの使用等によって視覚的な画像処理により識別される。代替的あるいは追加的に、ユーザは、個別の装置、例えば、無線ビーコン、スマートフォン、特定の感知ユニットを用いて識別される、あるいはコンフォートユニット、例えば、指紋検出器への接触によって識別される。1004で始まる処理の進行中の部分として、コンフォートユニットは、ユーザが環境内で移動した場合、そのユーザを追跡して追いかける。

処理は1006に進み、ユーザが、例えばIRカメラによって撮像される。次に、上記のように、画像が分析されてユーザの衣服による断熱の程度が判別される。処理は1008に進み、ユーザのバイオメトリックデータが取得される。このようなバイオメトリックデータは、心拍数、皮膚温度、及び皮膚コンダクタンスを含んでよく、上記のように、感知ユニットを用いて取得される。処理は1010に進み、バイオメトリックデータが処理される。従って、上記のように、心拍数データは、低いスペクトル周波数の心拍数変化の高いスペクトル周波数の心拍数変化に対する比を判別するために分析される。ステップ1010は、さらに、測定された皮膚温度及び皮膚コンダクタンスを、識別したユーザの快適さのレベルをそれぞれ示す所定の範囲と比較することを含んでよい。従って、異なるユーザは異なる範囲を有し、それぞれの範囲は、特定の環境データに基づいて調整され得る。処理は1012に進み、環境データが取得される。上記のように、環境データは気温度、湿度、乱流強度、及び/または平均放射温度を含むことができる。

別々のステップとしてリストアップしたが、ステップ1004〜1012は、同時に、および/または任意の順序で実行されてもよい。例えば、バイオメトリックデータは、断熱レベルの判別に用いられてもよく、ステップ1008はステップ1006に先行してもよい。同様に、環境データがバイオメトリックデータの処理において用いられてもよく、ステップ1012はステップ1010に先行してもよい。

処理は1014に進み、ステップ1004〜1012の結果に基づいて、ユーザが快適か否かが判別される。例えば、バイオメトリック及び環境データは、1つの計測結果にコンパイルすることができ、ユーザが快適か否か予測するため、ユーザの単一の所定の範囲と比較される。代替的あるいは追加的に、各データは、それぞれ、別々に評価されてユーザが快適か予測することもできる。ユーザが快適であると判別された場合、処理は1016に進み、現在のマイクロ環境状況が維持され、1002の処理が繰り返される。

1014でユーザが不快であろうと判別された場合、処理は1018に進み、コンフォートユニットが、知覚された快適さのレベルを改善するようにユーザの周囲のマイクロ環境を変更するように制御される。この制御は、コンフォートユニットのファン速度、動作モード(つまり、暖房または冷房)、気流の方向、及び/またはノズル位置の少なくとも1つを調整することを含むことができる。冷却モードでの動作については、コンフォートユニットは、ユーザの頭あるいは上半身に、60〜80立方フィート/分の気流レートで、空気ジェットを向ける。暖房モードでの動作については、コンフォートユニットは、ユーザの足あるいは下半身に、12〜25立方フィート/分の気流レートで、空気ジェットを向ける。

ユーザが、独立した空調システムを備えたビルディング環境に位置する場合、処理は1020に進み、ゾーン設定を変更、例えば、エネルギを節約するか、コストを下げるか、あるいはユーザの快適さのレベルを改善すべきか、判別される。ゾーン設定の変更が望ましい場合、処理は1022に進み、ビルディング空調システムの設定が変更される。上記のように、ビルディング空調システム設定の変更は、コンフォートユニットなしでユーザに快適な環境を維持することに通常要求されるよりも少なくとも4℃の変更であってもよい。その結果、コンフォートユニット及び空調システムのエネルギ使用の組み合わせは、少なくともユーザが存在する時間においては、空調システム単独でユーザに快適なレベルの環境を維持する場合と比べて少ない。独立した空調システムがない場合、ゾーン設定変更が望まれない場合、あるいはゾーン設定の変更が一度完了している場合、処理は1002に戻りその後の処理が繰り返される。

1002でコンフォートユニットが十分にチャージされていない場合(つまり、TSMが部分的にあるいは完全に使い切られている場合)、処理は1024に進み、ゾーンバランシング(つまり、特定のシフティング)を介して再チャージすることが望ましいか、判別される。上記のように、ビルディングは複数のゾーンあるいは部屋を備え、ユーザは、その周囲にある複数のゾーンのうちの1つに位置する。TSMが使い切られて、ゾーンバランシングが望ましい場合、処理は、1028で望ましい放出ゾーンに移動することができる。望ましい放出ゾーンは、複数のゾーンあるいは部屋のうち、ユーザあるいは他のユーザがいない別のゾーンあるいは部屋、あるいは空調が過剰か不十分なゾーンあるいは部屋である。コンフォートユニットのTSMは、空きのゾーンあるいは部屋から熱を放出あるいは吸収することで、1030で再チャージされる。この熱交換は、TSMに結合された放出口、あるいはコンフォートユニットのヒートポンプの逆動作によるものであってよい。一度TSMが再チャージされれば、処理は1002に戻り、その後の処理が繰り返される。

1024で、ゾーンバランシングが望ましくないと判別された場合、処理は1026に進み、上記のように任意の数の機構によってTSMが再チャージされる。例えば、TSMは、物理的にコンフォートユニットをチャージングステーションに移動させる、ユーザが周囲にいないとき(例えば、夜)にビルディング内の周囲環境との熱交換を行わせる、ユーザが周囲にいないとき(例えば、夜)に内蔵式ヒートポンプを作動させる、あるいはコンフォートユニットをアウトドア環境に移動させて放射あるいは対流熱伝達をさせることで再チャージできる。追加の例においては、TSMは、コンフォートユニットから取り外されチャージングステーションと接続される、あるいはTSMはコンフォートユニットから取り外されすでにチャージした、あるいは異なる種類のTSMと交換される。さらに別の例においては、コンフォートユニットの一部(例えば、結合したヒートポンプ及びTSMのアセンブリ)あるいは全体が、新たな一部あるいはコンフォートユニット全体と交換され、望ましい再チャージを達成する。一度TSMが再チャージされれば、処理は1002に戻りその後の処理が繰り返される、あるいは処理を終了する。

1つ以上の第1の実施の形態において、環境制御システムは、1人以上のユーザの周囲に熱的なマイクロ環境を形成するために構成されたコンフォートユニットを備える。熱的なマイクロ環境は、マイクロ環境を取り囲む環境と異なる温度を有する。コンフォートユニットは、熱規制モジュールと、空気供給モジュールとを備える。熱規制モジュールは、熱的なマイクロ環境のための空気を加熱するか冷却する。空気供給モジュールは、1人以上のユーザに加熱あるいは冷却した空気を向けて熱的なマイクロ環境を形成する。熱規制モジュールは、熱交換器と、熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)を備える。TSMは熱を蓄積するように構成される。

1つ以上の第2の実施の形態において、環境制御システムは、第1の動作モードで1人以上のユーザの周囲に熱的なマイクロ環境を形成し、第2の動作モードで1人以上のユーザの周囲の空気に対して除湿するように構成された多機能コンフォートユニットを備える。熱的なマイクロ環境は、マイクロ環境を取り囲む環境と異なる温度を有する。コンフォートユニットは、熱規制モジュールと、空気供給モジュールと、凝集タンクとを備える。熱規制モジュールは、動作モードに基づいて空気を加熱、冷却、あるいは除湿する。空気供給モジュールは、第1の動作モードで、加熱あるいは冷却した空気を1人以上のユーザに向けて熱的なマイクロ環境を形成する。凝集タンクは、第2の動作モードで、空気から抽出された水分を集める。熱規制モジュールは、熱交換器と、熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)を備える。TSMは、熱を蓄積するよう構成される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、飲料、廃棄、あるいは他の利用のため、集めた水分を吐出するために凝集タンクに結合された開口あるいは排出口を備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、冷却した水、加熱した水、不凍液、水グリコール混合液、油、及び/または他の公知の第2の作動流体に対するセンシブル材料を備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、固体あるいは液体金属に対するセンシブル材料を備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、信号を加えること、及び/または熱伝達によって相を変化するように構成された相変化材料を備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、信号は、電圧信号、電流信号、超音波信号、及び磁気信号の少なくとも1つである。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、相を変化することで熱を蓄積する相変化材料(PCM)を備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、少なくとも1人のユーザのバイオメトリックデータを検出する1つ以上のセンサを備えた感知ユニットを備え、バイオメトリックデータは、心拍数、皮膚コンダクタンス、及び/または皮膚温度を含む。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットは、ユーザの皮膚に接するよう着用されるように構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットは、ユーザによって着用される時計、ブレスレット、ネックレス、胸当て、上腕カフス、あるいはシューインサートとして構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットは、1人以上のユーザがタッチしてバイオメトリックデータの検出を可能にするスタンドアロンユニットとして構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットは、単一の装置としてコンフォートユニットに一体化される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットは、少なくともバイオメトリックデータに基づいて1人以上のユーザの快適さのレベルを判別するよう構成された第1の制御モジュールを備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、熱規制モジュール及び/または空気供給モジュールを、判別した快適さのレベルを示す感知ユニットからの信号に基づいて、所望の快適さのレベルを達成あるいは維持するよう制御する第2の制御モジュールを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、第1の制御モジュール及び第2の制御モジュールは、共通制御システムの一部である。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、第1の制御モジュールは、検出された心拍数に基づいて、高いスペクトル周波数の心拍数に対する低いスペクトル周波数の心拍数の比を算出することで快適さのレベルを判別する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、第1の制御モジュールは、測定された皮膚温度及び皮膚コンダクタンスと、所定の領域それぞれとの比較に基づいて快適さのレベルを判別する。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、感知ユニットの1つ以上のセンサは、気温、相対湿度、乱流強度、及び/または平均放射温度を検出するようさらに構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、所定の領域のそれぞれは、環境データに基づいて調整される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱規制システムは、1人のユーザ当たり10Wから3kWの範囲、例えば、1人のユーザ当たり10〜200Wの範囲の容量を有する。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱規制モジュールは、蒸気圧縮システム(VCS)として構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱規制モジュールは、冷房モードで動作する場合、熱交換器はVCSのコンデンサである。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、廃熱をコンデンサから吸収し、温度及び/または相を変化させて廃熱を蓄積する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、VCSの流体ループとは別の流体ループによって熱交換器に熱的に結合する。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、熱交換器の少なくとも一部を少なくとも部分的に囲むとともに接する。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、VCSを再設定して暖房及び冷房モードの間で動作を変更するスイッチあるいはバルブを備える。熱交換器は、VCSが暖房モードで動作する場合VCSのエバポレータであり、TSMは、蓄積した熱を放出するため、温度及び/または相を変化する間、熱をエバポレータに放出する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、スイッチは、VCSを、TSMに熱を蓄積する第1のモードの動作と、VCSがTSMを再生のためにサーモサイフォンとして機能する第2のモードの動作との間で変化させ、VCSの作動流体は、TSMと周囲環境との間の温度差による密度差によって運ばれる。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、VCSとTSMとは、TSMの再チャージ、動作モードの変更、異なるTSMへの変更、あるいは異なるヒートポンプ機構への変更のためにコンフォートユニットから取り外し可能な共通の筐体内に配置される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、VCSとは別のカセットあるいは容器内に配置され、カセットあるいは容器は、TSMの再チャージ、動作モードの変更、あるいは異なるTSMへの変更のためにコンフォートユニットから取り外し可能である。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、内層及び個別の外層とを備える容器内に配置され、内層は外層とは異なる断熱性を有し、外層は容器の断熱効率を変更するために内層から取り外し可能である。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、PCMは、パラフィン、塩水和物、脂肪酸、及び水の少なくとも1つを含む。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、PCMは、3D多孔質構造を備え、3D多孔質構造の空隙は、PCMと空気との間の熱交換のために空気が流れる流路である。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱交換器は、直径が2mm未満の1本以上のチューブを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱交換器は、マイクロチャンネル熱交換器である。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱交換器は、放射状に伸びるフィンを備えた1本以上のチューブを備え、TSMはフィンと熱的に接触する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱交換器は、TSMと熱交換器との間の接触面積を増加させる1つ以上の金属あるいはプラスチックインサートを備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、熱規制モジュール及び空気供給モジュールをその上に支持し、ユーザの環境内でコンフォートユニットを移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに含む。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、環境内で少なくとも1人のユーザを追いかけるように、ロボット工学上プラットフォームを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、熱規制モジュール及び空気供給モジュールをその上に支持し、ユーザの環境内でコンフォートユニットを移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに備える。コンフォートユニットは、環境内の少なくとも1つのユーザを追いかけるように、ロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成された制御モジュールをさらに備え、制御モジュールは、感知ユニットからの信号に応じてロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、熱規制モジュール、空気供給モジュール及び、感知ユニットをその上に支持し、環境内でコンフォートユニット及び感知ユニットをともに移動させるように構成されたロボット工学上のプラットフォームをさらに備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、制御モジュールは、感知ユニットからの信号応じてロボット工学上のプラットフォームを制御するように構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、環境内の所定の経路を追跡するようにロボット工学上のプラットフォームを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールは少なくとも1つのノズル、ディフューザ、及び/またはスロットを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールの少なくとも1つのノズル、ディフューザ、及び/またはスロットは、ユーザの異なる部位あるいは異なるユーザに空気を向けるように調整可能である。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、少なくとも1つのノズル、ディフューザ、及び/またはスロットを調整するように空気供給モジュールを制御するよう構成された制御モジュールをさらに備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、制御モジュールは、少なくとも1つのノズル、ディフューザ、及び/またはスロットを、コンフォートユニットの冷房モードでは、冷やした空気がユーザの上部に向けられるようにし、及びコンフォートユニットの暖房モードでは加熱した空気がユーザの下部に向けられるように調整するよう構成される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態、あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットを再チャージするためのチャージングステーションであって、コンフォートユニットが結合された場合にTSMの温度及び/または相を変更するように構成されたチャージングステーションを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、チャージングステーションはまた、コンフォートユニットのバッテリをチャージするよう構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、TSMを収容する取り外し可能な容器あるいは取り外し可能なカートリッジがチャージングステーションに結合された場合、TSMの温度及び/または相を変更することにより、TSMを再チャージするように構成されたチャージングステーションを備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、TSMの温度あるいは相を変更する内蔵式再生モジュールをさらに備え、TSMは熱交換器を流れる空気の加熱あるいは冷却を提供する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、内蔵式再生モジュールは、蒸気圧縮システムを備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、気温、相対湿度、乱流強度、及び/または平均放射温度を検出する1つ以上のセンサを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、ユーザの1以上の画像を取得するよう構成されたカメラを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、カメラに結合されて1つ以上の画像からユーザの顔認識を実行するよう構成された制御モジュールを備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態、あるいは上記の他の実施の形態の1つ以上の変形例では、カメラは、赤外線(IR)カメラである。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、IRカメラに結合され、1つ以上の画像から、断熱及び/またはユーザの衣服の着用のレベルを判別するよう構成された制御モジュールを備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態、あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、さらに、マイクロ環境のために空気から汚染物を除去する空気浄化モジュールと、マイクロ環境のために空気をイオン化する空気イオン化モジュールと、マイクロ環境のために空気から水分を取り除く除湿モジュールと、マイクロ環境のために空気に水分を加える加湿モジュールと、1つ以上のセンサを備え、環境をモニタリングしてユーザに警報をするホーム監視/セキュリティモジュールと、ユーザによって使用される物理的な記憶コンパートメントと、を備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、前記環境の温度を規制する空調ユニットを備える。空調ユニットは、熱的なマイクロ環境と異なる環境の温度を維持する。 第1の実施の形態、第2の実施の形態、あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境の維持された温度は、熱的なマイクロ環境の温度に対して少なくとも4℃上あるいは下である。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境制御システムは、少なくとも空調ユニットを制御する中央制御ユニットを備え、中央制御ユニットは、全体的なエネルギ消費及び感知ユニット及び/またはコンフォートユニットからの信号に基づいて環境の温度を調整する。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニット及び/または感知ユニットの制御モジュールは、中央制御ユニットの一部であり、中央制御ユニットは、空調ユニットに加えてコンフォートユニットの動作を制御する。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、1人以上のユーザに対して放射熱伝達をするように構成された1つ以上のパネルをさらに備える。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、各パネルは、流体が流れる1つ以上の導管を備え、パネルの表面温度を規制して放射熱伝達を効率化し、流体は、前記熱交換器あるいは異なる熱交換器を介してTSMと熱伝達を行う。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールは、各ユーザに、加熱あるいは冷却した空気を別々に及び連続的に向けるよう構成される。第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールは、振動あるいは首振り式の排気口を備える。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールは、各ユーザに、加熱あるいは冷却した空気を同時に向けるよう構成される。

第1の実施の形態、第2の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、空気供給モジュールは、ユーザと、加熱あるいは冷却した空気の排気口との間の距離を変更可能な延伸部分を備える。

1つ以上の第3の実施の形態では、環境制御方法は、第1の温度を有する環境における1人以上のユーザの快適さのレベルを検出し、検出した快適さのレベルに基づいて、コンフォートユニットを用いて1人以上のユーザの周囲にマイクロ環境を形成することを含む。マイクロ環境は、環境と異なる温度及び湿度の少なくともいずれかを有し、少なくとも1人のユーザの快適さのレベルは、形成されたマイクロ環境によって改善される。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、マイクロ環境のために空調を行う熱規制モジュールを備え、空調は、暖房、冷房、加湿、あるいは除湿の少なくとも1つを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、熱規制モジュールは、熱交換器と、熱交換器に熱的に結合した蓄熱材料(TSM)とを備える。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、TSMは、冷やした水、温水、固体金属、液体金属、及び相変化材料(PCM)の少なくとも1つを備える。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、熱規制モジュールの冷房モードにおいて、廃熱をTSMに蓄積することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、熱規制モジュールの暖房モードにおいて、TSMに蓄積された熱を用いて空気を加熱することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、熱規制モジュールの除湿モードにおいて、廃熱をTSMに蓄積する。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、マイクロ環境の形成の前に、温度または相を変化させることでTSMをチャージすることを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、チャージの前に、コンフォートユニットをチャージングステーションへ移動させること、コンフォートユニットを個別のゾーンあるいは部屋へ移動させること、コンフォートユニットを放射熱伝達のためにアウトドア環境に移動させること、TSMをコンフォートユニットから取り外してチャージングステーションに接続すること、の少なくともいずれかを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、マイクロ環境の形成の前あるいは後に、コンフォートユニットからTSMを取り外して事前にチャージされたTSMと交換すること、コンフォートユニットからTSMを取り外してチャージされた異なる種類のTSMと交換すること、コンフォートユニットからTSM及び対応するヒートポンプを取り外して異なる種類のTSM及び/または異なる種類のヒートポンプと交換すること、の少なくとも1つを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、1人以上のユーザに調節された空気を向けてマイクロ環境を形成する空気供給モジュールを備える。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、少なくとも1人のユーザのバイオメトリックデータを測定することを含む。バイオメトリックデータは、心拍数、皮膚コンダクタンス、及び/または皮膚温度の少なくとも1つを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、低スペクトル周波数の心拍数と高スペクトル周波数の心拍数の比を判別することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、1人以上のユーザの快適さのレベルの検出は、前記比が所定の閾値を超えた時、1人以上のユーザが不快であることを示す信号を生成することを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、1人以上のユーザの快適さのレベルを検出することは、環境あるいは既存のマイクロ環境の環境データを検出することを含む。環境データは、気温、相対湿度、乱流強度、及び平均放射温度の少なくとも1つを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、快適さのレベルは、検出したバイオメトリック及び環境データに基づいた計測を含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、計測した快適さのレベルを示す信号に応じたマイクロ環境を形成し、コンフォートユニットは、少なくとも1人のユーザが快適と感じる温度あるいは湿度に対応する所定の範囲内の計測された快適さのレベルを維持するようにマイクロ環境を制御する。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、快適さのレベルの検出は、少なくとも1人のユーザの赤外線画像を取得し、画像を分析して少なくとも1人のユーザの衣服の断熱量を判別することを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、快適さのレベルの検出前に、1人以上のユーザの画像を取得し、画像を分析して少なくとも1人のユーザを識別することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、分析は顔認識アルゴリズムを用いることを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、コンフォートユニットを制御して、環境内で移動するユーザを自動的に追いかけることを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境は、温度及び/湿度を規制する個別の空調ユニットを備えるビルディングの内部である。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、環境の温度及び/または湿度がマイクロ環境と異なるレベルで維持されるように空調ユニットを制御することをさらに含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、制御は、コンフォートユニット及び空調ユニットエネルギ消費の組み合わせが、空調ユニット単独でマイクロ環境の温度または湿度で環境の温度または湿度を維持する場合よりも少なくする。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、環境とマイクロ環境との間の温度差は少なくとも4℃である。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、ビルディングは、複数のゾーンあるいは部屋を備え、1人以上のユーザが複数のゾーンあるいは部屋のうちのいずれかに位置する。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、マイクロ環境の形成後に、複数のゾーンあるいは部屋のうちの別のゾーンあるいは部屋に移動するようコンフォートユニットを制御することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、TSMから複数のゾーンあるいは部屋のうちの別のゾーンあるいは部屋に熱を放出、あるいは複数のゾーンあるいは部屋のうちの別のゾーンあるいは部屋から熱を吸収することで、コンフォートユニット中の蓄熱材料(TSM)を再チャージすることをさらに含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、ビルディングは、温水か冷やした水を供給することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、マイクロ環境の形成後に、ビルディングの供給によって、コンフォートユニット内の消費した水を温水あるいは冷やした水に交換することをさらに含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、検出した快適さのレベルに基づくマイクロ環境の形成は、コンフォートユニットからの空気の流量、コンフォートユニットからの空気の温度、コンフォートユニットからの空気の排気口の位置、及びコンフォートユニットからの空気の流れの方向を調整することの少なくともいずれかを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットの暖房モードにおいて、コンフォートユニットからの気流は、少なくとも1人のユーザの足に向けられる。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットの冷却モードにおいて、コンフォートユニットからの気流は、少なくとも1人のユーザの頭あるいは上半身に向けられる。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、方法は、マイクロ環境の形成の間に空気から取り除かれた水分をコンフォートユニットに搭載した凝集タンクに集めることを含む。

第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、コンフォートユニットは、少なくとも1つの放射パネルを備え、マイクロ環境を形成することは、放射パネルからの放射を用いて少なくとも1人のユーザの周囲の温度を制御することを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、マイクロ環境を形成することは、環境からの空気に、多孔質3Dマトリックスとして形成された相変化材料(PCM)を通過させることを含み、PCMと空気との間で熱交換をする。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、マイクロ環境を形成することは、コンフォートユニットを介して加熱した空気及び冷却した空気を同時に運ぶことを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、マイクロ環境を形成することは、コンフォートユニットに搭載されたヒートポンプを用いることを含む。第3の実施の形態あるいは他の上記の実施の形態の1つ以上の変形例では、ヒートポンプは蒸気圧縮システムとして構成される。

開示した主題の様態は、全体的あるいは部分的に、ハードウェア、ソフトウェアによってプログラムされたハードウェア、コンピュータ読取り可能な媒体(例えば、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体)に格納されたソフトウェアインストラクション、あるいはこれらの任意の組み合わせとして実施することができることが明らかである。

例えば、開示した主題の構成要件、例えば、制御部、処理、あるいは他の特徴等は、プロセッサと、マイクロプロセッサと、マイクロ制御装置と、を備えるパーソナルコンピュータ、ワークステーションあるいはコンピュータシステム、もしくは例えばアプリケーションスペシフィックインテグレーテッドサーキット(ASIC)等の集積回路を含む制御ロジックによって構成されたパーソナルコンピュータ、ワークステーションあるいはコンピュータシステムを備えることができるが、これらに限定されない。

本明細書に開示した特徴は、単一あるいは分散プロセッサ(単一及び/または多重コア)上で、複数のコンピュータあるいはシステムに渡って分散された構成要素、あるいは単一のプロセッサもしくはシステムと共通に配置された構成要素によって実行できる。例えば、開示した主題の様態は、プログラミングされた汎用コンピュータ、集積回路装置(例えば、ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコードがプログラミングされた電子機器(例えば、マイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラ)、ハードワイヤードの電子あるいは論理回路(例えば、プログラマブル論理装置(PLD)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラムマブルアレイロジック(PAL)、コンピュータ読取り可能な媒体あるいは信号に格納されたソフトウェア、光学演算装置、電子及び/または光学装置のネットワークシステム、専用コンピュータ装置、半導体チップ、ソフトウェアモジュールあるいはコンピュータ読取り可能な媒体あるいは信号に格納されたオブジェクトによって具体化できる。

ソフトウェアで実装された場合、機能は、コンピュータ読取り可能な媒体上で1つ以上のインストラクションあるいはコードとして格納あるいは伝達される。本明細書で開示した方法あるいはアルゴリズムのステップは、プロセッサ実行可能なソフトウェアモジュールとして実装されてもよく、このソフトウェアモジュールは、コンピュータ読取り可能な媒体上に存在するものであってもよい。インストラクションは、プログラミング言語に従って提供されるソースコードインストラクションからコンパイルすることができる。プログラミングされたインストラクションの順序及びそれに関連するデータは、コンピュータ読取り可能な媒体(例えば、非一時的なコンピュータ読取り可能な媒体)、例えばコンピュータメモリや記憶装置に格納することができ、これらは、例えば、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、電気的に消去可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ディスクドライブ等であるが、これに限定されない。

本明細書で用いたコンピュータ読取り可能な媒体とは、コンピュータ記憶媒体及び一の場所から他の場所へコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体の両方を意味する。従って、記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってよい。例として、当該コンピュータ読取り可能な媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、あるいは他の光学記憶ディスク、磁気記憶ディスク、もしくは他の磁気記憶装置、もしくは望ましいプログラムコードをインストラクションあるいはデータ構造の形で搬送あるいは格納し、コンピュータがアクセス可能な任意の他の媒体であるが、これらに限定されない。

また、任意の接続も適宜のコンピュータ読取り可能な媒体と考えることもできる。例えば、ソフトウェアが伝送媒体(例えば、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、撚り対線、デジタル加入者線(DSL)、あるいは赤外線、無線、及びマイクロ波等の無線技術)を用いてウェブサイト、サーバ、あるいは他の遠隔ソースから伝達される場合、この伝送媒体はコンピュータ読取り可能な媒体の定義に含まれる。さらに、方法あるいはアルゴリズムの動作は、機械が読取り可能な媒体及び/またはコンピュータ読取り可能な媒体上のコード及び/またはインストラクションのうちの1つ(あるいは任意の組み合わせ)もしくは一組として実現され得、コンピュータプログラム製品として組み込まれる。

上記の説明は、限定的なものでなく、開示した主題の様態は、特に上述した以外の態様で実現することもできることが、当業者にとって明らかである。また、開示した主題に係る実施の形態は、現在知られている、あるいは将来開発されるシステム、構成、装置、及び/またはソフトウェアを用いてハードウェア及び/またはソフトウェアにおいて当業者にとって上記の機能に関する説明を適用可能な公知の技術に適用することで実現することができる。

本出願において、特に記載しない限り、単数語の使用は、複数語を含み、分離語「あるいは」、「及び」は、他の語、例えば、「及び/または」を含む。また、「含む」、「備える」の語の使用並びに他の形での使用、例えば、「備え」、「含まれる」、「有し」、「有する」の語は、「備える」の語と同義であり、従って限定的な語と解釈されるべきではない。

開示した技術的範囲は、エンドポイント及びエンドポイント間の全ての値を包含するものと理解されるべきものである。「略」、「およそ」、「実質的」、「近傍」あるいは類似の用語については、特に明記しない限り、特定の値の組み合わせや、当該値の10%までの応用を含むものである。

上記の説明は、実験室において生じた実施例に適用した場合もあるが、これらは実際の製品にも適用可能なものである。したがって、実験室における実施例に適用した量や技術については、限定事項と理解されるべきではない。

以上より、本開示によれば、コンフォートユニット、システム、方法、およびそれらを用いる装置が提供される。様々な置換、応用、及び変形が本開示に適用可能である。本出願に係る本発明の原理を説明するために具体的な実施の形態について詳細に説明したが、当該原理から逸脱しない限りにおいて他の態様で実施することもできる。例えば、開示した特徴を組み合わせ、再配置し、省略し、追加の実施の形態を提供することもでき、特定の開示した特徴の適用が、他の対応する特徴の適用よりも有益な場合もある。従って、そのようなすべての代替、応用、均等、及び変形が、本発明の技術的範囲に包含される。

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