【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、発電設備を含むコジェネレーション装置に関し、特に、変動する熱需要に対して適切に熱エネルギを供給することができるコジェネレーション装置に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、地球環境保護の必要性が喧伝され、都市ガス等を燃料とするガスエンジン等を動力源として発電および給湯等を行う自家発電設備としてのコジェネレーション装置が注目されている。 この種のコジェネレーション装置では、発電に伴って発生する熱を熱需要に応じて適切に取出せることが必要であるが、発電に伴う熱エネルギを直ちに消費する熱需要がない場合も多いため、次のような工夫がなされている。 例えば、特開平8−4586号公報には、発電機から取出した熱エネルギを温水に変換して貯めておく貯湯タンクを設けたコジェネレーションシステムが開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載された従来のコジェネレーションシステムでは、熱エネルギを貯めておくことができるので、発電運転時以外に発生した熱需要にも応じることができるという利点がある。 ところで、例えば、給湯と暖房のように独立した異なる熱需要に応ずるためには、それぞれの熱需要の変動に別個に応じなければならない。 しかし、従来のコジェネレーションシステムではこのような変動する複数の熱需要に適切に応ずることができないという問題点があった。 【0004】本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、独立した複数の熱需要に対して適切に熱エネルギを供給することができるコジェネレーション装置を提供することにある。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明のコジェネレーション装置は、エンジン発電装置の運転による排熱を利用して作られた第1温水を貯溜する貯湯タンクと、前記第1温水を作るため前記貯湯タンク内に設けられた第1熱交換器と、前記第1温水から熱を取出して第2温水を作るため前記第1熱交換器の上方に設けられた第2熱交換器と、前記第1熱交換器の上端近傍と前記第2熱交換器の下端近傍との間に設置された温度センサと、前記温度センサで検出された温度に基づいて前記発電装置の運転を制御するコントローラとを具備した点に第1の特徴がある。 【0006】また、本発明は、前記第2熱交換器の上方に第2温度センサを設けると共に、前記コントローラが、前記第1温度センサで検出された温度が第1基準温度以下、および/または前記第2温度センサで検出された温度が前記第1基準温度よりも高い値に設定された第2基準温度以下である場合に前記発電装置を駆動するように構成された点に第2の特徴があり、前記第1温度センサで検出された温度が前記第1基準温度よりも高い値に設定された第3基準温度以上になったときに、発電装置を停止させる点に第3の特徴がある。 【0007】また、本発明は、前記第2温水を供給される熱負荷が要求する温水の温度よりも、前記第1基準温度以上の値に設定した点に第4の特徴がある。 また、本発明は、前記第2熱交換器を含む温水経路に設けられた追い焚きボイラと、前記追い焚きボイラを通過した第2 温水を該温水経路に接続された熱負荷に供給するか、該熱負荷をバイパスして前記第2熱交換器に少なくとも一部を戻すかの切替えを行う弁手段とを具備した点に第5 の特徴がある。 【0008】さらに、本発明は、前記発電装置をエンジン発電機で構成し、このエンジン発電機の出力電力と商用電力系統から供給される電力とを系統連系させるとともに、前記エンジン発電機を、前記コントローラからの駆動指令に従って一定発電出力で運転する点に第6の特徴がある。 【0009】第1〜第6の特徴によれば、発電装置から回収した熱量を独立した2つの熱需要に対応して供給することができ、熱需要の有無およびその大きさを貯湯タンク内の温水の温度に基づいて判断し、発電装置を運転することができる。 特に、第2の特徴によれば、要求温度が異なる2種類の熱需要に対応して適切な熱量を発生させることができる。 【0010】また、第4の特徴によれば、第1温度センサによって検出された水温を監視することによって熱負荷が要求する温度の温水を供給することができる。 また、第5の特徴によれば、追い焚きボイラを経由した温水を貯湯タンクまたは第2熱需要に供給できるので急激な熱需要の変化にも追従できる。 【0011】さらに、第6の特徴によれば、エンジン発電機が稼働していないときの電気需要が商用電力系統によって担保されるとともに、一定回転により安定的にエンジン発電機の運転を行うことができる。 【0012】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。 図1は発電装置を構成するエンジン発電機を商用電力系統に連系させたコジェネレーション装置の構成を示すブロック図である。 エンジン発電機10は、互いに機械的に連結された(内燃)エンジン11と発電機12とを含み、エンジン11が発電機12を駆動してエンジン回転数に応じた交流電力を発生する。 【0013】電力変換装置13は発電機12から出力された交流電力を商用電力系統と同じ品質(電圧、周波数、ノイズ等に関して)の交流に変換し、商用電力系統の位相と同期をとって連系させる機能を有する。 具体的には、発電機12から出力された交流を直流に変換するコンバータ、およびコンバータで変換された直流を商用電力系統の周波数、電圧に合致した交流に変換するインバータ、ならびにノイズフィルタおよび連系スイッチ等の機能を有している。 系統連系用電力変換装置の一例は特公平4−10302号公報に開示されている。 電力変換装置13で変換された発電機12の出力交流は商用電力系統14と連系して電気負荷15に接続されている。 【0014】エンジン11は発電機12の運転に伴って熱を発生し、この熱はエンジン11の水冷装置16で熱交換により回収される。 なお、この熱回収はエンジン1 1のマフラー等の高温部分全てを対象とすることが好ましい。 水冷装置16を通過する管路18内の冷却水はポンプ19で循環され、この冷却水を媒体として貯湯タンク17に熱量が運搬される。 貯湯タンク17には前記管路18に接続された熱交換器(以下、「第1熱交換器」 という)20が設けられ、図示しない水供給源から貯湯タンク17に供給された水はこの第1熱交換器20から熱を得て温水になる。 貯湯タンク17に蓄えられた温水は、第1熱負荷としての給湯器21に供給されて利用される。 【0015】水供給源と貯湯タンク17との間にはバルブ(図示せず)が設けられ、貯湯タンク17内の水量が基準値以下になったときに、このバルブが開かれて給水される。 ポンプ19はエンジン発電機10の運転に連動して起動する一方、エンジン発電機10が停止されると、その時点から予定時間(タイマによって設定される)経過後に停止するようにするのがよい。 ポンプ19 は、エンジン11側の温度が貯湯タンク17側より高くなったときに起動してもよい。 なお、本明細書では、水冷装置16およびポンプ19を含めた場合のエンジン発電機10を、「コジェネレーション・ユニット」と呼ぶ。 【0016】第1熱交換器20の上方には第2熱交換器22が設けられる。 第2熱交換器22に接続された管路23にはセントラルヒーティングシステムや床暖房システム等、第2熱負荷としての暖房装置24が接続されており、貯湯タンク17内の温水を給湯器21に供給する温水経路とは独立した第2の温水経路を構成している。 この第2の温水経路によって、貯湯タンク17から2次的に効率よく熱を回収することができる。 【0017】第2熱交換器22を第1熱交換器20よりも上方の位置に配置したのは、第1熱交換器20から熱量を得た温度の高い水は、対流により第1熱交換器20 よりも上方に移動しているためである。 第1熱交換器2 0よりも第2熱交換器22を上方に配置することにより、対流して上方に移動した高温の温水から多くの熱量を取出すことができる。 【0018】前記第2の温水経路には追い焚きボイラ2 5と三方弁26とが設けられている。 追い焚きボイラ2 5には第2の温水経路内で温水を循環させるためのポンプ27が設けられている。 三方弁26はバイパス28側または暖房装置24側に温水を循環させるための切り替え手段である。 この三方弁26を制御することによって、次のような経路を形成できる。 すなわち、三方弁2 6を暖房装置24側に切り替えると、貯湯タンク17から出た温水が追い焚きボイラ25および暖房装置24を経て貯湯タンク17に戻る温水経路が形成される。 一方、三方弁26をバイパス28側に切り替えると、貯湯タンク17から出た温水が、追い焚きボイラ25を通過した後、暖房装置24を経由せず、バイパス28を経て貯湯タンク17に戻る温水経路が形成される。 【0019】前記貯湯タンク17内には温度センサTS 1が設けられ、温度センサTS1で検知された温水の温度情報T1はコントローラ29に供給される。 温度センサTS1は貯湯タンク17内の、第1熱交換器20の上端近傍から第2熱交換器22の下端近傍までの適当な高さに設置されることができるが、最も好ましくは、第1 熱交換器20と第2熱交換器22との中間位置に設置されるのがよい。 貯湯タンク17内では、対流により最下端付近では温度が低くなる傾向があり、最上端近傍では温度が高くなる傾向があるため、上記位置に温度センサTS1を設けて貯湯タンク17内の平均的な温度を検出できるようにしたものである。 【0020】コントローラ29は温度情報T1に基づいてエンジン11の始動および停止の制御を行う。 すなわち、温度情報T1は、貯湯タンク17の温水を直接的に利用している給湯器21や、第2熱交換器22を介して間接的に温水を利用している暖房装置24等の熱需要を代表しているので、コントローラ29は、この温度情報T1が基準温度Tref-1 以下であれば熱需要が大きいと判断してエンジン11を駆動し、熱量を発生させる。 また、温度情報T1が基準温度Tref-1 以上になれば、貯湯タンク17内には十分な熱量が蓄えられたと判断してエンジン11を停止させる。 【0021】基準温度Tref-1 は熱負荷の種類や大きさ(つまり給湯器21や暖房装置24の種類や大きさ)、 コジェネレーション・ユニット10の熱出力、および貯湯タンク17の容量等に基づいて決定される。 基準温度Tref-1 はエンジン11の安定運転のため、つまり頻繁な起動・停止を回避するためのヒステリシスを有している。 【0022】エンジン11は、前記温度情報T1に基づいて駆動する場合、発電機12が一定の発電電力を出力するように運転してもよいし、電力負荷15の大きさに応じた発電電力を出力するように、電力負荷追随型で運転してもよい。 一定発電出力型においては、駆動源であるエンジン11は、その回転数がほぼ一定となる定格運転にすることができるので、燃料消費量が少なくかつ排気ガスの状態も良好な、高い効率の運転が可能である。 ここで、大きい電力需要が生じて発電機12による発電電力に不足が生じた場合は、商用電源14からの電力で不足分をまかなうことができる。 【0023】貯湯タンク17内の水温は温水消費量つまり熱需要の大きさや、エンジン発電機10の運転方法つまり一定発電出力型であるか電力負荷追随型であるかによって大きく左右される。 例えば、温水消費量が少ない場合は、温度センサTS1で検出された水温に基づいてコジェネレーション・ユニット10を運転すれば水温は80°C程度に維持できる。 しかし、給湯器21および暖房装置24の双方で熱需要が発生した場合のように温水が急激に大量に使用された場合や、システムの立上げ時には、貯湯タンク17内の温水の温度は低下し、給水される水の温度程度にしかならないことがある。 【0024】このように、貯湯タンク17内の水温をコジェネレーション・ユニット10からの回収熱のみでは基準温度に維持できないときに、追い焚きボイラ25が有効に機能する。 温水コントローラ30は、追い焚きボイラ25と三方弁26に追い焚き指令Bと切替え指令C を供給する。 温水コントローラ30には前記基準温度T ref-1 よりも低い下方基準温度Tref-L が設定されており、貯湯タンク17内の水温T1がこの下方基準温度T ref-L を下回った場合に追い焚き指令Bおよび切替え指令Cをともにオンにする。 追い焚き指令Bがオンのときは追い焚きボイラ25が駆動され、切替え指令Cがオンのときは三方弁26はバイパス28側に切り替えられる。 これにより、追い焚きボイラ25で加熱された温水が管路23を循環し、この温度が高められた温水は第2 熱交換器22を通じて貯湯タンク17内の水の温度を上昇させる。 【0025】貯湯タンク17内の水温が下方基準温度T ref-L を超えたならば追い焚き指令Bおよび切替え指令Cはともにオフにし、追い焚きボイラ25を稼働させず、三方弁26を暖房装置24側に切り替えて暖房需要に応えられるよう制御する。 下方基準温度Tref-L も基準温度Tref-1 と同様ヒステリシスを有する。 【0026】三方弁26をバイパス28側に切り替えることによって温水は暖房装置24に循環しなくなる。 しかし、給湯器21からの給湯需要が風呂や台所用の給湯であれば、たいていの場合長時間連続して給湯されることは少ない。 また、熱負荷が暖房装置24の場合、一旦室内の温度が上昇した後は、熱需要の変化が比較的緩慢であるため、室温が低くなり過ぎるということは少なく、実用上の問題は発生しにくい。 【0027】また、暖房装置24の熱需要の増大に応じて、三方弁26を暖房装置24側に切り替えたまま、追い焚きボイラ25を駆動させることができる。 これにより、暖房装置24に十分な温度の温水をすみやかに供給することができる。 暖房装置24の熱需要の増大は、例えば、暖房装置24の暖房設定温度に応じて判断することができる。 なお、三方弁26による切り替えにより、 すべての温水の流れを変えるのに限らず、三方弁26の開度を可変とし、管路23の温水の少なくとも一部を第2熱交換器22に戻すようにしてもよい。 【0028】次に、第2の実施形態を説明する。 上述の実施形態では貯湯タンク17内に温度センサTS1を設けたが、さらに第2の温度センサTS2を設けることができる。 図1に示すように、第2の温度センサTS2は温度センサTS1より上方に設置され、好ましくは、第2熱交換器22よりも上方に設けられる。 温度センサT S1で検出された温度情報T1が基準温度Tref-1 以下になった場合、または温度センサTS2で検出された温度情報T2が基準温度Tref-2 以下になった場合、コントローラ29はコジェネレーション・ユニット10を駆動する。 ここで、基準温度Tref-2 は基準温度Tref-1 よりも高い値に設定するものとする。 例えば基準温度T ref-1 は40°C、基準温度Tref-2 は58°Cに設定する。 【0029】このように、温度情報T1または温度情報T2が基準の温度よりも低い値を示したときにコジェネレーション・ユニット10を駆動するようにしたのは、 給湯器21と暖房装置24という2つの熱負荷に対応したものである。 すなわち、温水の温度が、低温需要の熱負荷を満足する温度情報T1以上であっても、高温需要の熱負荷を満足する温度情報T2に満たなかった場合があったり、その逆の場合もあったりするからである。 こうして、貯湯タンク17内の上下方向の2か所に温度センサを設けることによって、負荷変動による貯湯タンク17内の温度分布の変化に対応できる。 【0030】コジェネレーション・ユニット10は、温度センサTS1による温度情報T1が、基準温度Tref- 1 より高く設定した基準温度Tref-3 (例えば70° C)以上になった場合に停止させる。 温度センサTS1 による温度情報T1が基準温度Tref-3 に達していれば貯湯タンク17内に貯溜された熱量は十分と判断できるからである。 【0031】基準温度Tref-1 を、前記管路23に接続される熱負荷(本実施形態では暖房装置24)で使用する温水の温度以上に設定しておくことにより、前記温度センサT1で検出された温度情報T1を監視してコジェネレーション・ユニット10に始動・停止の指令を出力する手段のみを設けるだけで、他に要素を付加することなく熱需要の変動に対応することができる。 【0032】また、コジェネレーション・ユニット10 を、1日のうち、特定の時間内でのみ運転できるようにコントローラ29内に時計装置(タイマ)を設け、その時間内において、前記温度センサT1,T2による温度検出結果に基づいて始動・停止の制御を行うようにしてもよい。 このように、温度センサT1,T2の検出結果に基づく運転条件に他の条件を加えて、コジェネレーション・ユニット10の運転を行うことは任意である。 【0033】次に、貯湯タンク17の温水の具体的な利用態様を説明する。 第2熱交換器22上方の貯湯タンク17の空間を40リットル以上とする。 例えばこの空間を50リットルとし、その水温を70°Cとするようにコントローラ29でエンジン発電機10を制御する。 そして、この50リットルの水に10°Cの水50リットルを混合させると、40°Cの温水を100リットル得ることができ、一般的なバスタブを満杯にすることができる。 【0034】また、第1熱交換器20上方の貯湯タンク17の空間を100リットルとし、その水温を40°C とするようにコントローラ29でエンジン発電機10を制御することにより、水を混合させることなく、一般的なバスタブを満杯にすることができる温水を得ることができる。 【0035】このように、貯湯タンク17の容積や温度検知位置を設定することにより、エンジン発電機10や追い焚きボイラ25の駆動および停止の繰り返し回数を減らすことができる。 これにより、エンジン発電機10 や追い焚きボイラ25の寿命を延ばすことができるとともに、これらの機器の熱出力を小さくでき、システム全体を低コスト化することができる。 【0036】上記システムは次のような変形が可能である。 図1において、貯湯タンク17と給湯器21とをつなぐ管路33上に混合弁34を設け、給水源からの水をこの混合弁34に接続するための管路35を設ける。 貯湯タンク17の上部における水温は80°Cという高温であることがある。 この高温の温水を給湯器21に直接供給すると使用するには高温すぎることがある。 そこで、混合弁34で温度の低い水と混合することにより、 風呂や台所用に適した温水を得ることができる。 混合弁34は、次のように制御できる。 例えば、貯湯タンク1 7内の温水の温度が前記基準温度Tref-2 以下では給水側の管路35を閉じる一方、この温水の温度がこの基準温度Tref-2 を超過していたならば給水側の管路35を開き、貯湯タンク17からの温水に温度の低い水を混合させる。 なお、混合弁34は開度が可変であるのが望ましい。 【0037】上記コジェネレーション・システムは複数のユニットに分けて構成することができる。 図1において、コジェネレーション・ユニット10を第1のユニットU1、追い焚きボイラ25を第2のユニットU2、貯湯タンク17と三方弁26および混合弁34とを第3のユニットU3に分けることができる。 これらのユニット間は配管によって接続できるので、設置場所の状況に応じた配置が可能であり、かつ利用者のニーズに応じて、 コジェネレーション・ユニット10の発電/熱出力、追い焚きボイラ25の熱出力、および貯湯タンク17の容量等を自由に選択することができる。 また、追い焚きボイラ25や貯湯タンク17は市販されているものの中から適当な容量のものを選択することができる。 【0038】なお、これらのユニット構成は、図示の例に限らない。 例えば、ユニットU1のポンプ19はユニット3側にあってもよいし、ユニットU3の三方弁26 や混合弁34は外付けつまり外部配管に含めてもよい。 また、コントローラ29および温水コントローラ30はマイクロコンピュータによって構成することができ、その場合、両者は一体として、単一のCPUで制御することもできる。 【0039】前記ユニットU1〜U3のうち、追い焚きボイラ25や貯湯タンク17については、壁掛け型とすることができる。 家庭用等、比較的小型のシステムでは追い焚きボイラ25や貯湯タンク17は小型のものでもよいため、このように壁掛け型にすることによって、全システムの設置投影床面積を小さくできるだけでなく、 立体的な空間使用により、配管の自由度を高めることができる。 【0040】以上、本発明を好ましい実施形態に従って説明したが、種々の変形は可能である。 例えば、給湯器21や暖房装置24等の熱負荷はこれらに限定されず、 設置台数も上述の実施形態に限定されない。 また、貯湯タンク17の容量に対して暖房装置24での消費熱量が小さいシステムでは、追い焚きボイラ25や三方弁26 を省略することができる。 【0041】なお、以上の実施例では排熱を利用する発電装置としてエンジン発電機について説明したが、燃料電池発電装置等の他の発電装置にも同様に適用することが可能である。 【0042】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項1〜請求項6の発明によれば、独立した2つの熱需要に対して発電装置から適切な熱出力を供給することができる。 熱需要を直接は判断することなく温度センサの検出結果に基づいて発電装置を運転すればよいので制御を簡単にすることができる。 特に、請求項2の発明によれば、2か所の温度センサにより貯湯タンク内の温度分布の変化にも対応することができる。 【0043】また、熱需要に応じて発電装置を細かく運転・停止できるので排気される熱エネルギを抑制することができる一方、熱需要中心の運転により特に熱需要の大きい寒冷地域における、セントラルヒーティングのような家庭用エネルギ供給源としてきわめて有用である。 【0044】請求項5の発明によれば、発電装置から回収した排熱では十分に応じきれない急激な熱需要の変化に対しても対応することができるし、第2熱交換器を、 貯湯タンクから第2熱需要への熱量の取出しと、追い焚きボイラによる貯湯タンクへの熱量の供給とに兼用できる。 【0045】請求項6の発明によれば、エンジン発電装置を熱需要に応じて一定発電出力で運転することにより、燃料消費量の削減および排気ガスの良好状態を維持することができ、かつエンジンの長寿命化を図ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施形態に係るコジェネレーション装置の構成を示すブロック図である。 【符号の説明】 10…エンジン発電機、 11…エンジン、 12…発電機、 13…電力変換装置、 14…商用電力系統、 15…電気負荷、 16…水冷装置、 17…貯湯タンク、 20…第1熱交換器、 21…給湯器、 22 …第2熱交換器、24…暖房装置、 25…追い焚きボイラ、 26…三方弁、 29…コントローラ、 30 …温水コントローラ |