エネルギー供給システム

申请号 JP2010534168 申请日 2010-03-04 公开(公告)号 JPWO2010109781A1 公开(公告)日 2012-09-27
申请人 パナソニック株式会社; 发明人 小原 英夫; 英夫 小原; 尾関 正高; 正高 尾関; 田中 良和; 良和 田中; 鵜飼 邦弘; 邦弘 鵜飼;
摘要 電 力 及び/または熱の供給を行うエネルギー供給装置(1a)と、複数個の第2所定期間を有する第1所定期間においてエネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、第1所定期間内のエネルギー供給装置の運転時間が第1最大運転時間を超えないように、第1所定期間に属する第2所定期間のそれぞれについて、エネルギー供給装置の運転時間の上限目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間にエネルギー供給装置が実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間の第2目標最大運転時間を再設定する制御装置(6)とを備える、エネルギー供給システム。
权利要求
  • 電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置と、
    複数個の第2所定期間を有する期間である第1所定期間において前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、前記設定された第1最大運転時間に基づいて、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間を超えないように、前記第1所定期間に属する前記第2所定期間のそれぞれについて、前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値の目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において前記エネルギー供給装置が実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するように構成された制御装置とを備える、� ��ネルギー供給システム。
  • 第1所定期間は前記エネルギー供給装置の動作保証期間よりも短い期間であり、
    前記制御装置は、前記動作保証期間より前に前記エネルギー供給装置の運転時間寿命に達することのないように前記第1最大運転時間を設定するように構成されている、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を予め定められたパターンに応じて変化させる、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数が一定値である、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記第1所定期間は、1年以下の期間である、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記第2所定期間は、1月以下の期間である、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、単位運転時間当たりのエネルギーコスト削減量が最大となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されている、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量が最小となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されている、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記エネルギー供給装置は、電力と熱を供給する熱電併給装置であって、熱電併給システムにて発生する熱を蓄える蓄熱器を備え、
    前記制御装置は、前記蓄熱器が蓄える熱が最大になるように運転を行うように構成されている、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記エネルギー供給装置の起動時刻及び停止時刻を入力するための操作器を有する、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を環境条件に応じて変化させる、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を環境条件に応じて変化させる、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記環境条件は、季節情報と、暦情報と、外気温度と、市水温度とからなる群から選ばれる少なくとも一つを含む、請求項12記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、前記エネルギー供給装置の累積運転時間に基づき前記第1最大運転時間を更新するように構成されている、請求項1記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間に満たない場合に、前記第1最大運転時間と前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間との差を演算してこれを累積して累積余剰運転時間として記憶するように構成されている、請求項14に記載のエネルギー供給システム。
  • 前記制御装置は、前記累積余剰運転時間が、予め設定された第3所定期間となった場合に、前記第1最大運転時間を再設定するように構成されている、請求項14に記載の電池のエネルギー供給システム。
  • 说明书全文

    本発明は、電や熱などを供給するエネルギー供給システムに関する。

    エネルギー供給システムとしては、従来からガスエンジン発電機やガスエンジンコージェネレーションシステムが知られているが、特に近年注目を浴びているものに、燃料電池を用いて電力と熱を併給する燃料電池コージェネレーションシステムがある。

    燃料電池コージェネレーションシステムは、電力負荷(電力消費エネルギー)や熱負荷(給湯等による熱消費エネルギー)を計測する手段と、この計測器により検知された過去の負荷履歴からこれらの将来需要を予測する需要予測器と、需要予測器による将来の給湯需要に基づいて燃料電池コージェネレーションシステムの運転パターンを生成する運転計画器と、を有して、システムを設置した対象での消費エネルギー削減量や二酸化炭素排出削減量を最大にするように運転を行う燃料電池コージェネレーションシステムが既に開発されている(例えば、特許文献1参照)。 この従来例の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、消費エネルギー削減量や、二酸化炭素排出削減量を最大にするように燃料電池コージェネレーションシステムの起動時刻および停止時刻の組み合わせを決定している。

    そして、燃料電池コージェネレーションシステムは決定された起動時刻に起動した後、電力負荷に応じてシステムの発電電力を逐次変更しながら運転を行い、停止時刻に運転を停止するという動作を行う。

    耐用運転期間に基づいて燃料電池の運転計画を作成する燃料電池の運転方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。

    過去の負荷実績から負荷を予測し、これに基づいて運転時間帯を決定するコジェネレーション装置の運転計画方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。

    特開2007−309598号公報

    特開2007−323843号公報

    特開2003−61245号公報

    従来の燃料電池やコージェネレーション装置では、運転計画の立案段階では最適化が一定程度考慮されているものの、実際の運転状況によっては、かえって運転計画が実情に合わず、不適切な運転が行われる可能性があった。

    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況、装置の動作保障期間、運転時間寿命等に応じて運転計画を最適化できるエネルギー供給システムを提供することを目的とする。

    本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った。 その結果、以下の知見を得た。

    すなわち、例えば燃料電池を用いたエネルギー供給システムにおいて、運転前に立案された運転計画に沿って運転が行われると、実際の運転状況によっては、必要でない時間に運転が行われたり、本来必要な時間に運転が行えない場合が生じうる。

    具体的には、例えば貯湯器にお湯が十分残っているためにお湯を生成する必要がない場合には、システムを停止させるべきである。 そのような状況でも事前に立案された運転計画に従って無理に運転を行えば、エネルギー効率は低下する。

    また、例えばお湯の消費量が多く、通常以上にお湯を生成する必要がある場合には、柔軟にシステムを運転して、お湯を生成すべきである。 そのような状況でも事前に立案された運転計画にそって硬直的に運転を停止すれば、エネルギー効率は低下する。

    そこで本発明者らは、エネルギー供給システムの運転期間に関し、第1所定期間と、そこに含まれる複数の第2所定期間とを設定し、第1所定期間においては最大運転時間以上は運転しないこととしつつ、同一の第1所定期間に含まれる第2所定期間の間では、目標運転時間を互いに融通し合うことに想到した。 かかる構成では、実際の運転状況に応じた柔軟な運転が可能となり、運転計画を最適化できる。

    上記課題を解決するために、本発明のエネルギー供給システムは、電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置と、複数個の第2所定期間を有する期間である第1所定期間において前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、前記設定された第1最大運転時間に基づいて、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間を超えないように、前記第1所定期間に属する前記第2所定期間のそれぞれについて、前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値の目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において前記エネルギー供給装置が実際に運転された時間に基� ��いて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するように構成された制御装置とを備える。

    かかる構成では、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。

    本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。

    本発明のエネルギー供給システムによれば、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。

    図1は、本発明の実施の形態1によるコージェネレーションシステムの構成例を示したブロック図である。

    図2は、実施の形態1によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図3は、実施の形態1によるコージェネレーションシステムの運転履歴の一例を示した図である。

    図4は、従来の技術によるコージェネレーションシステムの運転履歴の一例を示した図である。

    図5は、実施の形態1の変形例1によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図6は、実施の形態1の変形例2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図7は、実施の形態1の変形例3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図8は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの構成例を示したブロック図である。

    図9は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図10は、実施の形態3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図11は、実施の形態4によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    図12は、実施の形態5によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

    本発明の実施の形態のエネルギー供給システムは、電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置(例えば、図1の燃料電池ユニット1a)と、複数個の第2所定期間を有する期間である第1所定期間において前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、前記設定された第1最大運転時間に基づいて、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間を超えないように、前記第1所定期間に属する前記第2所定期間のそれぞれについて、前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値の目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において前記エネルギー供給装置が� ��際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するように構成された制御装置(例えば、図1の制御装置6)とを備える。

    かかる構成では、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。

    上記エネルギー供給システムにおいて、第1所定期間は前記エネルギー供給装置の動作保証期間よりも短い期間であり、前記制御装置は、前記動作保証期間より前に前記エネルギー供給装置の運転時間寿命に達することのないように前記第1最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。

    かかる構成では、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減しつつ、装置の寿命を長くしうる。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を予め定められたパターンに応じて変化させてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数が一定値であってもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記第1所定期間は、1年以下の期間であってもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記第2所定期間は、1月以下の期間であってもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、単位運転時間当たりのエネルギーコスト削減量が最大となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量が最小となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー供給装置は、電力と熱を供給する熱電併給装置であって、熱電併給システムにて発生する熱を蓄える蓄熱器を備え、前記制御装置は、前記蓄熱器が蓄える熱が最大になるように運転を行うように構成されていてもよい。

    上記エネルギー供給システムは、エネルギー供給装置の起動時刻及び停止時刻を入力するための操作器(例えば、図8のリモコン7)を有してもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を環境条件に応じて変化させてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を環境条件に応じて変化させてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記環境条件は、季節情報と、暦情報と、外気温度と、市温度とからなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記エネルギー供給装置の累積運転時間に基づき前記第1最大運転時間を更新するように構成されていてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間に満たない場合に、前記第1最大運転時間と前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間との差を演算してこれを累積して累積余剰運転時間として記憶するように構成されていてもよい。

    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記累積余剰運転時間が、予め設定された第3所定期間となった場合に、前記第1最大運転時間を再設定するように構成されていてもよい。

    (実施の形態1)
    図1は、本発明の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムの構成例を示したブロック図であり、ここでのコージェネレーションシステムの一例として燃料電池コージェネレーションシステムを示す。

    本実施の形態のコージェネレーションシステム1は、燃料電池により発電を行う燃料電池ユニット1aと、燃料電池ユニット1aの燃料電池の発電により同時に発生する熱を用いて、市水を温水に昇温して貯える貯湯ユニット1bとを備え、燃料電池ユニット1aにて発電した電力は電力系統2からの電力と共に電力消費機器3へ供給される。

    電力消費機器3で消費される電力負荷量は電力計4にて計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。

    また、貯湯ユニット1bに貯えられた温水は、水道の蛇口などから温水として供給され、温水として利用される熱負荷量は熱量計5によって計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。

    熱量計5は、例えば、市水温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の流量を計測する流量計(図示せず)からなり、市水と温水の温度差と温水の流量との積により、温水として利用される熱負荷量を演算するものである。

    また燃料電池コージェネレーションシステム1には、貯湯ユニット1b内に温水がなくなった場合にも温水が供給できるように、バックアップ給湯器(図示せず)が装備されている。

    制御装置6は、燃料電池ユニット1a及びエネルギー供給システム1の運転を制御する。

    制御装置6は、さらに、記憶器6aに蓄積された電力負荷と熱負荷との発生履歴から将来の電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンを予測する需要予測器6bと、需要予測器6bにより予測された電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンの予測値に基づいて、燃料電池コージェネレーションシステムの起動時刻と停止時刻を決定する運転計画器6cと、所定期間における最大運転時間を設定する最大運転時間設定器6dと、所定期間を設定する期間設定器6eとを有する。

    需要予測器6bは、記憶器6aに記憶された一定期間(例えば、1年間)の熱負荷需要の発生履歴および電力負荷需要の発生履歴を読み出し、当該履歴を基にして将来の所定期間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる電力負荷の予測需要および将来の所定期間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる熱負荷の予測需要(以下、これらを、「電力負荷予測需要」および「熱負荷予測需要」と略す)を推定演算して、これらの電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を記憶器6aに逐次記憶する。

    なお、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要の推定に必要な過去の電力負荷および熱負荷の熱消費履歴の蓄積期間は、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムが設置された対象での電力と熱との消費サイクルをシステムが適切に把握可能な期間が望ましく、例えば燃料電池コージェネレーションシステムが一般家庭に設置された場合であれば、数日〜数ヶ月程度である。

    また、電力負荷および熱負荷の発生履歴から、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を推定する手法は既に種々提案されており、ここではその詳細な説明は省略する。

    運転計画器6dは、燃料電池ユニット1aの動作保証期間(例えば、10年)より前に燃料電池ユニット1aの運転時間寿命(例えば、4万時間)に達することのないように動作保証期間よりも短い第1所定期間(例えば、1週間)において燃料電池ユニット1aの運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、設定された第1最大運転時間に基づいて、第1所定期間内の燃料電池ユニット1aの運転時間が第1最大運転時間を超えないように第1所定期間よりも短い第2所定期間(例えば、1日)における燃料電池ユニット1aの目標運転時間の上限値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定する。

    なお、第1所定期間における第1最大運転時間の設定は、必ずしも燃料電池ユニット1aの動作保証期間や燃料電池ユニット1aの運転時間寿命を考慮しなくてもよい。 ただし、これらを考慮すれば、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減することと、装置寿命の低下を抑制することとを同時に実現できる。

    制御装置6は、第2所定期間における燃料電池ユニット1aの運転時間が原則として第2目標最大運転時間を超えないように、燃料電池ユニット1aを運転する。 具体的には、例えば、第2所定期間における燃料電池ユニット1aの運転時間が第2目標最大運転時間を超えないように、燃料電池ユニット1aの起動時刻および停止時刻を1つずつ設定する。 すなわち、起動時刻から停止時刻までの時間が予定運転時間となり、これが第2目標最大運転時間を超えないようにすればよい。 このとき例えば、後述するエネルギーコスト削減量が最大になるように、かつ、起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間となるように、第2所定期間において、起動時刻と停止時刻とを決定してもよい。 起動時刻と停止時刻を決定する具体的な方法については、後述する変形例なども適宜参照しうる。

    一例として、動作保証期間(商品寿命)を10年、運転時間寿命(耐久時間)を4万時間とし、第1所定期間を1週間、第2所定期間を1日とする。 このとき、第1最大運転時間は、例えば、10年=521.4週間より、4万時間÷521.4週間=76.7時間/週とすることができる。 また、第2目標最大運転時間は、例えば、7.7時間以上20時間以下の所定の時間とすることができる。 効率を考慮して、第2目標最大運転時間は、一定の下限値(例えば、7.7時間)以上であるように設定されることが好ましい。

    第1最大運転時間は、操作者により入力されることで、制御装置6の図示されない記憶部に記憶されてもよいし、制御装置6が自動的に求めてもよい。 具体的には例えば、動作保証期間と運転時間寿命と第1所定期間とに基づく演算により、制御装置6が自動的に求めてもよい。 ただし、第1最大運転時間の演算に用いられるパラメータは特に限定されず、他のパラメータであってもよい。

    動作保証期間と運転時間寿命と第1所定期間とは、例えば操作者により入力されることで、制御装置6の図示されない記憶部に記憶されてもよい。 第1最大運転時間は、例えば以下の式(1)より求めることができる。

    第1最大運転時間=運転時間寿命/(動作保証期間/第1所定期間) ・・・(1)
    第2目標最大運転時間は、設定された第1最大運転時間に基づく演算により、制御装置6が自動的に求めることができる。

    表1は、第1所定期間を1週間、第2所定期間を1日とし、第1最大運転時間を76.7時間とした場合の、制御装置6により設定された第2目標最大運転時間の一例を示す。

    表1の例では、第1所定期間を複数の第2所定期間に区分し、それぞれの第2所定期間についての第2目標最大運転時間が、同一の第1所定期間に属する全ての第2所定期間の第2目標最大運転時間の合計が当該第1所定期間における第1最大運転時間以下となるように、設定されている。 なお、表1における第2所定期間は、各1日につき、午前0時(深夜)を起点とし、翌日の午前0時(深夜)を終点とする24時間をいうが、本発明はこれに限定されるものではない。

    制御装置6は燃料電池ユニット1aの起動停止を行うが、この際、原則として、第2所定期間の運転時間が第2目標最大運転時間となるように、燃料電池ユニット1aを起動停止する。 ただし、例えば操作者等による介入があれば、停止したり、再度起動したりすることとしてもよい。 あるいは例えば、貯湯ユニット1bに蓄えられた温水が少なくなっている一方で、風呂の時間が近づくなど湯の消費量が多くなることが予測され、湯不足が生じる可能性が高いと判断される場合には、第2目標最大運転時間を超えて運転が行われてもよい。 逆に、貯湯ユニット1bに大量に温水が蓄えられており、数時間以内に予測される湯の消費量を考慮しても湯不足が生じない可能性が高いと判断される場合には、第2目標最大運転時間が経過する前に運転が停止されてもよい。 このように、本実施形態における第2目標最大運転時間はあくまで目標であって、実際の運転がこれに絶対的に拘束される訳ではない。

    制御装置6は第2所定期間における起動停止の回数を所定回数未満(3回未満、即ち2回以下)に制限するのが好ましい。 これにより、起動停止の過剰な繰り返しによる装置寿命の低下をより確実に抑制できる。

    このように、最大運転時間の設定と起動停止の回数制限とを関連付けることにより、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減することと、装置寿命の低下を抑制することとを同時に、かつより確実に、実現できる。

    第1所定期間は、複数の第2所定期間を有する期間である。 例えば、上述の例では、第1所定期間はn個の第2所定期間からなり、nは7である。 複数の第2所定期間のそれぞれは、同じ期間(例えば、全て1日)であってもよいし、互いに異なっていてもよい(例えば、1つ目の第2所定期間は2日、2つ目の第2所定期間は1日、など)。 第1所定期間に含まれる第2所定期間の合計時間が第1所定期間より短くてもよい。 この場合には余剰時間が生じるが、そのような場合でも本実施形態における効果が得られることは言うまでもない。

    第2所定期間における起動停止の回数は1回に制限するのがより好ましい。 すなわち、制御装置6は、第2所定期間において、燃料電池ユニット1aの運転時間が第2目標最大運転時間を超えない限度で、一度だけ燃料電池ユニット1aを起動し、一度だけ燃料電池ユニット1aを停止するのが好ましい。 ある第2所定期間と、次の第2所定期間との間は必ず燃料電池ユニット1aが停止されていることとしてもよいし、停止されている必要はないこととしてもよい。 後者の場合には、複数の第2所定期間をまたがって運転が継続されうるため、運転計画の柔軟性がより高まる。 また、例えばある第2所定期間における第2目標最大運転時間を24時間とすることを許容してもよい。 この場合、その第2所定期間が開始する前から、その第2所定期間が終了した後まで、連続して運転が継続されることになる。

    制御装置6は、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において燃料電池ユニット1aが実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定する。 以下、本実施形態における第2目標最大運転時間の再設定方法について説明する。

    第1の場合として、ある第1所定期間に含まれる、ある第2所定期間における運転時間が第2目標最大運転時間よりも短かった場合を考える。 上述の例で言えば、例えば、ある一週間の最初の第2所定期間(日曜日)の第2目標最大運転時間は16時間であるにも関わらず、日曜日が終了した時点で、当日の運転時間が14時間だった場合を考える。 そのような場合とは、例えば、前日(土曜日)の湯の使用量が少なかったために湯が残っており、多くの湯を生成しなくても湯の需要を満たすことができたというケースが考えられる。 この場合、実運転時間(実際に燃料電池ユニット1aが運転された時間)は、表2のようになる。

    第2目標最大運転時間が16時間であったところ、実運転時間が14時間であったということは、その一週間の第1最大運転時間は変らないので、その一週間における運転時間には2時間の余裕ができたことになる。 制御装置6は、余った2時間をどのように残った曜日に割り付けるのが最適かを演算により決定し、各曜日の第2目標最大運転時間を再設定する。 再設定を行った結果の例を、表3に示す。

    表3の例では、余った2時間は木曜日に割り付けられ、木曜日の第2目標最大運転時間が9時間から11時間に変更されている。

    第2の場合として、ある第1所定期間に含まれる、ある第2所定期間における運転時間が第2目標最大運転時間よりも長かった場合を考える。 上述の例で言えば、例えば、ある一週間の2番目の第2所定期間(月曜日)の第2目標最大運転時間は10時間であるにも関わらず、月曜日が終了した時点で、当日の運転時間が14時間だった場合を考える。 そのような場合とは、例えば、前日(日曜日)の湯の使用量が多かったために月曜日になった時点で予備の湯が残っておらず、通常より多い量の湯を生成しなければ湯の需要を満たすことができなかったというケースが考えられる。 この場合、実運転時間(実際に燃料電池ユニット1aが運転された時間)は、表4のようになる。

    第2目標最大運転時間が10時間であったところ、実運転時間が14時間であったということは、その一週間の第1最大運転時間は変らないので、その一週間における運転時間には4時間の不足ができたことになる。 制御装置6は、不足する4時間をどの曜日の第2目標最大運転時間から賄うのが最適かを演算により決定し、各曜日の第2目標最大運転時間を再設定する。 再設定を行った結果の例を、表5に示す。

    表5の例では、不足する4時間は土曜日から賄われ、土曜日の第2目標最大運転時間が14時間から10時間に変更されている。

    第2目標最大運転時間の再設定は、上述の例では、第2所定期間それぞれが経過した時点で行われたが、他のタイミングで行われてもよい。 例えば、毎週水曜日の正午にのみ再設定が行われてもよいし、毎日、正午の時点で、前日までの実運転時間に基づいて再設定が行われてもよい。

    再設定の具体的な方法は特に限定されず、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において燃料電池ユニット1aが実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するものであれば、どのような方法であってもよい。

    かかる構成によれば、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。

    なお本実施形態では、第1所定期間において第1最大運転時間を超えて運転が行われることはされない。 よって、その第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間における実際の運転時間と、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間との合計は、第1最大運転時間に等しくなるように再設定が行われるのが好ましい。

    制御装置6が第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間を設定し、あるいは第2目標最大運転時間を再設定するにあたっては、負荷需要の予測やエネルギーコスト削減量など、様々な要素を考慮することが可能である。

    なお再設定は、エネルギーコスト削減量が最大となるように行われることが好ましい。 以下、エネルギーコスト削減量を最大にする場合の最大運転時間の設定方法および再設定方法について説明する。

    まず、以下の条件が成立しているものとする。 ここで「燃料電池の発電効率」とは、燃料電池に供給されたガスのエネルギー(熱量)に対する、発電により得られる電力のエネルギー(熱量)の割合を言う。 「燃料電池の給湯効率」とは、燃料電池に供給されたガスのエネルギー(熱量)に対する、発電により副生成物として得られる湯のエネルギー(熱量)の割合を言う。

    ガス料金:A[円/kWh]
    電気料金:B[円/kWh]
    家庭で消費される湯の熱量C[kWh]
    燃料電池の発電効率:α
    燃料電池の給湯効率:β
    従来の給湯器効率:γ
    熱量C(湯と市水[水道水]の温度差と容積とから求められる、給湯のために必要な熱量を言う)だけ湯を供給するために、燃料電池で消費されるガスの量は、C/β[kWh]となる。 ガス料金は、A×C/β[円]となる。 このとき燃料電池では、消費されたガス量に応じて発電が行われる。 発電量は、α×C/β[kWh]となる。 したがって、本実施形態のエネルギー供給システム1の場合、熱量C[kWh]の湯と、電力α×C/β[kWh]とが、A×C/β[円]のコストで得られることになる。

    一方、従来通り、湯はガス給湯器で生成し、電力は系統から購入する場合を考える。 湯の生成コストは、A×C/γ[円]、電力の購入コストは、B×α×C/β[円]となる。 コストの合計は、A×C/γ+B×α×C/β[円]となる。

    生成される湯の量は等しく、さらに燃料電池により発電された電力は全て家庭で消費されると仮定すれば、エネルギー供給システム1を利用した場合のエネルギーコスト削減量は以下の式(2)から求められる。

    エネルギーコスト削減量=([従来のコスト]−[エネルギー供給システム1のコスト])=(A×C/γ+B×α×C/β−A×C/β) ・・・(2)
    なお、以上の計算方法はあくまで一例であり、他の方法を用いてエネルギーコスト削減量が演算されてもよいことは言うまでもない。

    制御装置6は、例えば、実際にエネルギー供給システム1が設置された家庭における電力消費量および湯消費量の経時変化(例えば、時間帯や曜日による変化)を記憶しておき、これに基づいて、電力および湯が必要になる時間帯や曜日、および必要な電力量および湯量を予測してもよい。 例えば、過去10週間分(第1所定期間の10倍)の電力消費量および湯消費量の経時変化に基づいて、次の1週間における各曜日(第1所定期間に含まれる第2所定期間のそれぞれ)および各時間帯の電力消費量および湯消費量が予測される。 該予測結果に基づいて、各曜日における第2目標最大運転時間が、例えば、第1所定期間を通じた第2目標最大運転時間の合計が第1最大運転時間を超えないように、かつ、単位時間当たり(例えば、第1所定期間当たり)のエネルギーコスト削減量が最大になるように、演算により決定される。 演算結果に基づいて、各曜日の第2目標最大運転時間が設定され、あるいは再設定される。

    制御装置6は、1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を予め定められたパターンに応じて変化させてもよい。 予め定められたパターンとしては、例えば、燃料電池システムの使用年数が少ないうちは1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を多くし、使用年数が多くなるにつれて1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を少なくすることなどが考えられる。 あるいは、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を環境条件に応じて変化させてもよい。 環境条件は、暦情報、季節情報、外気温、及び市水温度の少なくともいずれか一つであってもよい。 ただし、1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を不変の一定値(定数)としてもよい。 なお、以上の場合においてある第1所定期間に含まれる第2所定期間は全て同じかつ不変の一定値であることが好ましい。 この場合にはある第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数が多くなるほど、第1所定期間は長くなる。

    第1所定期間は1年以下の期間であることが好ましい。 第2所定期間は1月以下の期間であることが好ましい。 このように所定期間を設定することで、より適切な運転計画の設定が可能となる。

    第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間は一定値であってもよいが、制御装置6は、第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間を環境条件に応じて変化させてもよい。 環境条件は、暦情報、季節情報、外気温、及び市水温度の少なくともいずれか一つであってもよい。

    暦情報に基づく制御の例としては、消費湯量が平日よりも祝祭日の方が多いような場合に、平日の第2目標最大運転時間を短くして、祝祭日の第2目標最大運転時間を長くすることが考えられる。

    季節情報に基づく制御の例としては、消費湯量が夏よりも冬の方が多いような場合に、夏季(6−9月)の第1最大運転時間を短くして、冬季(12−3月)の第1最大運転時間を長くすることが考えられる。

    外気温あるいは市水温度に基づく制御の例としては、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度よりも低い日に消費湯量が多いような場合に、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度以上となった日の第2目標最大運転時間を短くし、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度未満となった日の第2目標最大運転時間を長くすることが考えられる。

    制御装置は、予め定められたパターンに応じて第1所定期間や第2所定期間を変化させてもよい。 例えば、累積使用期間が長くなるに従って第1所定期間や第2所定期間を短くしていってもよい。

    燃料電池ユニット1aの起動時刻及び停止時刻を入力するためのリモコン7(例えば、図8参照)を備えてもよい。 このとき制御装置6は、リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間を超えない場合は、リモコン7を介して入力された起動時刻及び停止時刻を、燃料電池ユニット1aの起動時刻及び停止時刻である装置起動時刻及び装置停止時刻として設定すると共に、リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間を超える場合は、リモコン7を介して入力された起動時刻及び停止時刻を、装置起動時刻及び装置停止時刻として設定しないように構成されていてもよい。

    制御装置6は、装置起動時刻において燃料電池ユニット1aを起動し、装置停止時刻において燃料電池ユニット1aを停止させる。

    リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間(予定運転時間)が第2目標最大運転時間を超える場合に、予定運転時間が第2目標最大運転時間を超えている旨を報知するように構成された報知器を備えてもよい。 報知器はリモコン7と一体化され、画面上に報知用のメッセージが表示される構成としてもよい。

    制御装置6は、燃料電池ユニット1aの累積運転時間に基づき第1最大運転時間を更新してもよい。 この場合、一例として、制御装置6は、時刻を与えるカレンダー回路(図示せず)とメモリ(図示せず)を備え、カレンダー回路(例えば、後述のリアルタイムカウンター)を介して取得した起動時刻と停止時刻とに基づいて現実に燃料電池ユニット1aを運転した時間である実運転時間を演算し、これをメモリに記憶された累積運転時間に加算して、和を再度累積運転時間としてメモリに記憶することにより、累積運転時間を積算することとすることができる。

    実際に設定された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間よりも短かったり、操作者により強制的に運転が終了されたり、発電しても家庭内で消費されない状態が長時間続いた結果、効率が過度に低下したような場合には、ある第1所定期間の完了時において、当該第1所定期間における第1最大運転時間に達しないうちに、燃料電池ユニット1aの運転が停止される場合がある。 このような場合、燃料電池ユニット1aは予定されていた時間よりも短い時間しか運転されていないから、将来、必要に応じてその分だけ運転を行ったとしても、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性は大きくならないと考えられる。 そこで、実際の運転時間が予定よりも短かった場合には、短かった分だけこれを「貯金」して、将来の運転に回すことができれば有利である。

    そこで制御装置6は、第1所定期間が経過した後、当該第1所定期間内の燃料電池ユニット1aの実運転時間が第2目標最大運転時間に満たない場合に、第1最大運転時間と該実運転時間との差を演算してこれを累積して累積余剰運転時間として記憶してもよい。

    動作保証期間も運転時間寿命も、特段の事情がない限り変更されることはない。 一方、累積余剰運転時間が増えれば、従前の最大運転時間を超えて運転しても、動作保証期間前に運転時間寿命を迎えにくくなる。 そこで、累積余剰運転時間が一定程度蓄積されれば、第1最大運転時間を増やして、エネルギー供給システム1の運転上の自由度を上げることが好ましい。 具体的には例えば、制御装置6は、累積余剰運転時間が、予め設定された第3所定期間(例えば、100時間)となった場合に、第1最大運転時間を更新するように構成されていてもよい。 更新においては、その時点から販売時における保証期間の終期までの時間を新たな動作保証期間とし、累積余剰運転時間を運転時間寿命として、これを上記式(1)に代入することで再度、第1最大運転時間を求めることができる。

    後述する実施の形態や変形例のように、所定の条件が満たされた場合には、最大運転時間による制限(第1最大運転時間及び/または第2目標最大運転時間の設定)を行わないこととしてもよい。

    [変形例]
    次に、以上に述べた熱負荷予測需要および電力負荷予測需要を基にした、燃料電池コージェネレーションシステム1の制御装置6の動作の一例について図面を参照して説明する。

    図2は、本実施の形態によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば、一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS1)。

    この電力負荷予測需要および熱負荷予測需要は、燃料電池コージェネレーションシステム1が設置された家庭への据え置き時に記憶器6aに予め記憶された代表的な電力負荷の電力消費履歴および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良く、各家庭の生活サイクルに適合するよう、燃料電池コージェネレーションシステム1の運転経過に伴い需要予測器6bにより改変された電力負荷の電力消費履歴および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良い。

    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば、一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS2)、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS3)。

    続いて、運転計画器6cは、ステップS3で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS4)。

    この消費エネルギー(B)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際の燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働に必要な原材料エネルギー(燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働により消費される原料ガスや燃料電池コージェネレーションシステム1を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS3で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS5)。

    この消費エネルギー(A)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測される燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、燃料電池コージェネレーションシステム1ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS5の消費エネルギー(A)からステップS3の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS3で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS6)。

    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS7)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS7において「No」)、ステップS3、ステップS4、ステップS5およびステップS6の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS7において「Yes」)、次のステップに進む。

    さらに、運転計画器6cは、ステップS6において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して設定する(ステップS8)。

    その後、運転計画器6cは、ステップS8で設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動・停止時刻の中で、燃料電池コージェネシステムの運転時間をMhに制限したときに運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS9)。

    図3にある一例の電力負荷と熱負荷に対して、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムを運転した場合の発電電力履歴と貯湯ユニット湯量履歴の一例を示す。

    図3で横軸は時刻(1〜24時)を示しており、上図の縦軸は電力、下図の縦軸は湯量を示している。

    本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムは、システムの起動から発電開始まで1時間を要し、起動から発電までの間は同一の起動エネルギー(例えば500W)を消費する。

    この例においては、図2のフローチャートに示すステップS2における所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを13時間と設定しており、ステップS8では、起動時刻は4時、停止時刻は21時で運転時間として17時間となった結果を示す。

    4時から21時の中で13時間の運転を行うためには、起動時刻は4時から8時の間に限られ、同様に停止時刻も起動時刻に連動して17時〜21時に限定されるが、図2のフローチャートに示すステップS9において、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大になるように起動時刻を再設定するに当たり、今回の例においては起動時刻が7時のときが運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大になる結果を示している。

    図3において本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムが7時に起動して結果、7時の段階では起動エネルギーを消費するのみで発電電力がマイナスになっている。

    また図3において本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムは20時で停止しており、起動から停止が13時間になっていることが分かる。

    この時、図3の下図を見ると20時に発生した大きな給湯負荷により貯湯ユニットの湯量はゼロになっており無駄のない燃料電池コージェネレーションシステム運転が実施されたことが分かる。

    また、この時の燃料電池コージェネレーションシステムの運転単位時間当たりの発電電力量は約583Whという結果になっている。

    ここで比較として、図4に、図3と同一の電力負荷と熱負荷に対して、従来の技術を用いた燃料電池コージェネレーションシステムを運転した場合の発電電力履歴と貯湯ユニット湯量履歴を示す。

    図4で横軸は時刻(1〜24時)を示しており、上図の縦軸は電力、下図の縦軸は湯量を示している。

    従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムも、本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムと同様に、システムの起動から発電開始まで1時間を要し、起動から発電までの間は同一の起動エネルギー(例えば、500W)を消費する。

    運転時間制限を行わない従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムでは、4時に起動しており4時の時点では起動エネルギーを消費しており発電電力がマイナスになっている。

    その後、従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムは5時から発電を行い21時に停止するまで16時間の発電を行った結果、21時のシステム停止においても貯湯ユニット内に温水が残存する結果となっている。

    また、この時の燃料電池コージェネレーションシステムの運転単位時間当たりの発電電力量は約556Whという結果になっている。

    以上のように図3に示す本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムは、図4に示す従来の技術を用いた燃料電池コージェネレーションシステムに比べて、運転時間が短いものの運転単位時間あたりの発電量が大きくなっていることが分かる。

    運転単位時間当たりの発電電力量が大きいほど運転単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量も大きくなることは自明である。

    よって、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、最大運転時間設定器6dによりシステムの最大運転時間を設定し、最大運転時間内の条件下で、運転計画器6cにてシステムの起動時刻、停止時刻を設定した上で、燃料電池コージェネレーションシステムの運転を行う事により、運転時間を抑えながらシステムを設置した対象での消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。

    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、燃料電池コージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    〔変形例1〕
    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS1において、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する所定期間を、期間設定器6eにより一日と固定された場合の燃料電池コージェネレーションシステム1の運転計画例を述べた。

    しかし、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する所定期間は一定とはせず、例えば季節によって変更しても良い。

    図5に示すフローチャートは図2に示すフローチャートのステップS1の変わりにステップ11を行う。

    図5に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。

    ステップS11において、中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)の所定期間は、期間設定器6eにより一日と設定され、一日の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得し、一日の起動時刻と停止時刻とを設定する。

    冬季(12月から翌年の2月)においては、熱負荷が大きい傾向になるために、一般的には燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間は延びる傾向になる。 そして、消費エネルギー削減量(A−B)を考慮すると1日中運転することが望ましい場合が生じることも考えられる。 そのような場合に、例えば、冬季において、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、2日分の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得した上で、2日分の運転計画を演算し燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻とを設定する。

    夏季(6月から8月)においては、熱負荷が小さい傾向になるため、一般的には燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間は短い傾向になる。 そして、消費エネルギー削減量(A−B)を考慮すると起動エネルギーを使ってまで起動しない方が良い場合が発生することが考えられる。 そのような場合に、例えば、夏季において、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、2日分の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得した上で、2日分の運転計画を演算し燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻とを設定する。

    これにより季節変化に対しても柔軟に起動時刻と停止時刻を設定できるようになる。

    〔変形例2〕
    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS2において、最大運転時間設定器6dにより燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを一定値とする運転計画例を述べた。

    しかし、最大運転時間Mhを一定値とはせず、例えば季節によって変更しても良い。

    図6に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートのステップS2の変わりにステップ22を行う。

    図6に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。

    一般的に冬季(12月から翌年の2月)より中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)の方が熱負荷が小さい傾向にあり、中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)より夏季(6月から8月)の方が熱負荷が小さい傾向にあるため、燃料電池コージェネレーションシステム1を運転した場合の消費エネルギー削減量(A−B)は、冬季、中間期、夏季の順に小さくなるのが一般的である。

    よって、燃料電池コージェネレーションシステム1によって、より多くの年間消費エネルギー削減量(A−B)を得るためには、夏季は比較的短い時間に燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間を抑え、冬季は燃料電池コージェネレーションシステム1を比較的長い時間運転するようにすることが望ましい。

    図6のステップS22においては、冬季は燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間設定器6dにより最大運転時間Mhを16時間と設定し、中間期と夏季とには燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを各々12時間と8時間とに設定する。

    これにより燃料電池コージェネレーションシステム1によって、より多くの年間消費エネルギー削減量(A−B)を得ることができるようになる。

    〔変形例3〕
    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS9において、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定する運転計画例を述べたが、起動・停止時刻の再設定においては、消費エネルギー(B)を考慮しても良い。

    図7に示すフローチャートは図2に示すフローチャートのステップS9の変わりにステップ39を行う。

    図7に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。

    ステップS39では、燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間をMhに制限したときに、運転計画器6cにより消費エネルギー(B)が最小となる起動時刻と停止時刻とを再設定して、燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する。

    このとき、すでにステップS8において消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻が設定されていることを考慮して、起動・停止時刻の再設定においては、簡易的に消費エネルギー(B)が最小となる起動・停止時刻を再設定することでも、本実施の形態と同等の効果が得られる。

    (実施の形態2)
    図8は、本発明の第2の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムの構成例を示したブロック図であり、ここでのコージェネレーションシステムの一例としてエンジンコージェネレーションシステムを示す。

    図8に示す本実施の形態によるエンジンコージェネレーションシステム11は、図1に示す実施の形態1による燃料電池コージェネレーションシステム1における燃料電池ユニット1aに代えてエンジンユニット11aを備え、さらに利用者が任意にエンジンコージェネレーション11の起動時刻と停止時刻を設定できるリモコン7を備えているが、それ以外の構成要素は図1と同じであり、図1と同じ番号を付与している。

    本実施の形態のコージェネレーションシステム11は、エンジンにより発電を行うユニット11aと、エンジンユニット11aのエンジンの発電により同時に発生する熱を用いて、市水を温水に昇温して貯える貯湯ユニット1bとを備え、エンジンユニット11aにて発電した電力は電力系統2からの電力と共に電力消費機器3へ供給される。

    電力消費機器3で消費される電力負荷量は電力計4にて計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。

    また、貯湯ユニット1bに貯えられた温水は、水道の蛇口などから温水として供給され、温水として利用される熱負荷量は熱量計5によって計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。

    熱量計5は、例えば、市水温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の流量を計測する流量計(図示せず)からなり、市水と温水の温度差と温水の流量との積により、温水として利用される熱負荷量を演算するものである。

    またエンジンコージェネレーションシステム11には、貯湯ユニット1b内に温水がなくなった場合にも温水が供給できるように、バックアップ給湯器(図示せず)が装備されている。

    リモコン7は、利用者が操作することでエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻と停止時刻を設定する機能を有し、設定された起動時刻と停止時刻は記憶器6aに記憶される。

    制御装置6は、さらに、記憶器6aに蓄積された電力負荷と熱負荷との発生履歴から将来の電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンを予測する需要予測器6bと、需要予測器6bにより予測された電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンの予測値に基づいて、リモコン7によって設定された起動時刻と停止時刻との間で、エンジンコージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻を決定する運転計画器6cを有する。

    需要予測器6bは、記憶器6aに記憶された一定期間(例えば、1年間)の熱負荷の発生履歴および電力負荷の発生履歴を読み出し、当該履歴を基にして将来の所定期間(例えば、1日)の時間推移とともに変わる電力負荷の予測需要および将来の所定時間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる熱負荷の予測需要(以下、これらを、「電力負荷予測需要」および「熱負荷予測需要」と略す)を推定演算して、これらの電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を記憶器6aに逐次記憶する。

    なお、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要の推定に必要な過去の電力負荷および熱負荷の熱消費履歴の蓄積期間は、本実施の形態のエンジンコージェネレーションシステム1が設置された対象での電力と熱との消費サイクルをシステムが適切に把握可能な期間が望ましく、例えばエンジンコージェネレーションシステム1が一般家庭に設置された場合であれば、数日〜数ヶ月程度である。

    図9は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、リモコン7で設定された起動時刻および停止時刻を取得する(ステップS40)。

    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば一日)の中のエンジンコージェネレーションシステム11の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS41)、運転計画器6cは、ステップ40で取得した起動時刻から停止時刻までの時間と最大運転時間Mh比較する(ステップS42)。

    ここで、起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より短い、また同じ場合には、リモコン7で設定された起動時刻および停止時刻でエンジンコージェネレーションシステムを運転する(ステップS43)。

    逆に起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より長い場合に、上記リモコンにより設定した起動時刻から停止時刻までの期間において、最大運転時間がMh以下になる起動時刻及び停止時刻の複数の組み合わせのうちの一つの組み合わせを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS44)。 続いて、運転計画器6cは、ステップS44で仮設定されたエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中にエンジンコージェネレーションシステム11により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、エンジンコージェネレーションシステム11に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、エンジンコージェネレーションシステム11の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS45)。

    この所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)は、エンジンコージェネレーションシステム11を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際のエンジンコージェネレーションシステム11の稼働に必要な原材料エネルギー(エンジンコージェネレーションシステム11の稼働により消費される原料ガスやエンジンコージェネレーションシステム11を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS44で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)のエンジンコージェネレーションシステム11の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)を演算する(ステップS46)。

    この所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)は、エンジンコージェネレーションシステム11を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測されるエンジンコージェネレーションシステム11の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、エンジンコージェネレーションシステム11ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS46の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)からステップS44の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これをエンジンコージェネレーションシステム11の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS44で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS47)。

    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS48)、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS48において「No」)、ステップS44、ステップS45、ステップS46およびステップS47の処理を繰り返し、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS48において「Yes」)、次のステップに進む。

    さらに、運転計画器6cは、ステップS47において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、所定期間(例えば1日)の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出し設定した上で、エンジンコージェネレーションシステム11を運転する(ステップS49)。

    以上のように実施の形態2のエンジンコージェネレーションシステムによれば、利用者によるシステムの起動時刻および停止時刻が設定された場合でも、システムの運転時間が所定の最大運転時間(実施の形態2の例では13時間)を超えるような場合には、運転計画器6cにより、利用者によって設定された起動時刻から停止時刻までの期間において、本期間のなかで、運転時間が最大運転時間以下であるとともに、所定期間(たとえば1日)の消費エネルギー削減量が最大となる起動時刻及び停止時刻の組み合わせを再設定することで利用者の起動停止要望を満たしながら、運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。

    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、消費エネルギー削減量を演算する所定期間を1日で説明したが、エンジンコージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、エンジンコージェネレーションシステムで説明したが、燃料電池を用いた燃料電池コージェネレーションシステムやタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    (実施の形態3)
    本発明の第3の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムは実施の形態2と同様、図8に示すエンジンコージェネレーションシステム11の構成からなり、実施の形態2と同様の動作を行う構成要素については説明を省略する。

    本実施の形態におけるリモコン7は、利用者が操作することで貯湯ユニット1bの湯量に基づいてエンジンコージェネレーションシステム11の起動と停止を行う運転モード(貯湯モード)が設定可能となっている。

    この貯湯モード設定時におけるエンジンコージェネレーションシステム11の動作を以下に説明する。

    リモコン7にて貯湯モードが設定された場合には、リモコン7にて最大貯湯湯量と最小貯湯湯量の設定が可能になる。

    例えば、貯湯ユニットに鉛直方向に対して4等分した上から、満タン、3/4、1/2、1/4、0と貯湯湯量設定可能な場合には、リモコン7にて、起動貯湯湯量1/2、停止貯湯湯量満タンと設定すると、貯湯湯量が1/2まで湯量が減ったらシステムが起動し、貯湯湯量満タンになったらシステムが停止する。

    図10は実施の形態3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    なお、実施の形態2における図9と同じ操作を行う構成要素については、同一の番号を付与している。

    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、リモコン7で設定された起動貯湯湯量と停止貯湯湯量と電力負荷の予測需要と熱負荷の予測需要とからエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻と停止時刻とを予測する。

    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば一日)の中のエンジンコージェネレーションシステム11の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS41)、運転計画器6cは、ステップ50で予測した起動時刻から停止時刻までの時間と最大運転時間Mh比較する(ステップS52)。

    ここで、起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より短い、また同じ場合には、貯湯湯量から予測した起動時刻および停止時刻でエンジンコージェネレーションシステムを運転する(ステップS53)。

    逆に起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より長い場合に、上記貯湯モードとして当初予測された起動時刻から停止時刻までの期間において、運転時間がMh以下になる起動時刻及び停止時刻の複数の組み合わせのうちの一つの組み合わせを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS44)。

    続くステップS45からステップS49までの動作は実施の形態2と同様であるためここでの説明は省略する。

    以上のように実施の形態3のエンジンコージェネレーションシステムによれば、利用者が貯湯湯量によるシステムの起動および停止を行うように設定した場合でも、システムの運転時間が所定の最大運転時間(実施の形態3の例では10時間)を超えるような場合には、運転計画器6cは、貯湯モードとして当初予測された起動時刻から停止時刻までの期間において、本期間の中で、運転時間が最大運転時間以下であるとともに、所定期間(たとえば1日)の消費エネルギー削減量が最大となる起動時刻及び停止時刻の組み合わせを再設定することで、利用者の起動停止要望を満たしながら、運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。

    なお本実施の形態において最大運転時間は10時間で説明したが、消費エネルギー削減量を演算する所定期間を1日で説明したが、エンジンコージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、エンジンコージェネレーションシステムで説明したが、燃料電池を用いた燃料電池コージェネレーションシステムやタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    (実施の形態4)
    本発明の第4の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムは実施の形態1と同様、図1に示す燃料電池コージェネレーションシステム1の構成からなり、実施の形態1と同様の動作を行う構成要素については説明を省略する。

    図11は、本実施の形態によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。

    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS61)。

    次に、最大運転時間設定器6cは、所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS62)、運転計画器6cは、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせから最大運転時間がMh以下になる組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS63)。

    続いて、運転計画器6cは、ステップS63で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(貯湯ユニット供給湯量)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(貯湯ユニット湯量)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS64)。

    次に、運転計画器6cは、ステップS63で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS65)。

    次に、運転計画器6cは、ステップS65の消費エネルギー(A)からステップS63の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS63で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS66)。

    ここで運転計画器6cは、運転時間がMh以下での全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS67)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS67において「No」)、ステップS63、ステップS64、ステップS65およびステップS66の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS67において「Yes」)、次の判定ステップに進む。

    さらに、運転計画器6cは、ステップS66において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して取得し、取得した起動時刻および停止時刻の組み合わせを燃料電池コージェネレーションシステム1として設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS68)。

    以上のように本実施の形態によれば、図11のフローチャートにおけるステップS63において、燃料電池コージェネレーションシステムの仮の運転時刻および停止時刻の組み合わせを選定する際に、運転時間がMh以下になる条件下で運転時刻および停止時刻の組み合わせを選定することで、実施の形態1の燃料電池コージェネレーションシステムに比べると、ステップS64からS66までの演算繰り返し回数が少なくて済むメリットがあり、記憶器6aの容量も比較的少なくても運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。

    また、上記方法により決定された本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムの運転計画と従来の燃料電池コージェネレーションシステムにおける運転計画の相違は、実施の形態1の燃料電池コージェネレーションシステムで例示した図3及び図4と同様である。

    以上から分かるように本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムでは、システムの最大運転時間を設定することで、最大運転時間内の条件下で、運転計画器6cにてシステムの起動時刻、停止時刻を設定した上で、燃料電池コージェネレーションシステムの運転を行う事により、運転単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大とする燃料電池コージェネレーションシステムを提供することができる。

    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、燃料電池コージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    (実施の形態5)
    本発明の第5の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1と同様の構成要素であり図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。

    次に、図12を用いて本実施の形態におけるコージェネレーションシステムの動作例を説明する。

    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS401)。

    この電力負荷予測需要および熱負荷予測需要は、燃料電池コージェネレーションシステム1が設置された家庭への据え置き時に記憶器6aに予め記憶された代表的な電力および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良く、各家庭の生活サイクルに適合するよう、燃料電池コージェネレーションシステム1の運転経過に伴い需要予測器6bにより改変された電力負荷および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良い。

    次に、最大運転時間設定器6cは、所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS402)、運転計画器6cは、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS403)。

    続いて、運転計画器6cは、ステップS403で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS404)。

    この消費エネルギー(B)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際の燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働に必要な原材料エネルギー(燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働により消費される原料ガスや燃料電池コージェネレーションシステム1を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS403で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS405)。

    この消費エネルギー(A)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測される燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、燃料電池コージェネレーションシステム1ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。

    次に、運転計画器6cは、ステップS405の消費エネルギー(A)からステップS403の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS403で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS406)。

    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS407)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS407において「No」)、ステップS403、ステップS404、ステップS405およびステップS406の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS407において「Yes」)、次の判定ステップに進む。

    さらに、運転計画器6cは、ステップS406において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して設定する(ステップS408)。

    次に、運転計画器6cは、予め定められた条件によりステップS402で設定された最大運転時間MhをステップS408で設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに適用するか否かを判断する(ステップS488)。 条件を満たさなかった場合(ステップS488において「No」)、次の判定ステップに進む。

    運転計画器6cは、ステップS408で設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動・停止時刻の中で、燃料電池コージェネシステムの運転時間をMhに制限したときに運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS409)。

    また、ステップS488において条件を満たした場合(ステップS488にて「Yes」)、ステップS408で設定された起動・停止時刻で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS499)。

    前述のように、最大運転時間Mhは、電力負荷や熱負荷の状況によって設定することが望ましく、電力負荷が大幅に増加し且つ熱負荷が大きい冬場等は、最大運転時間の設定は消費エネルギー削減を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなるため、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には最大運転時間を比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。 そのため、最大運転時間が、ステップS1における所定期間以上になる場合、最大運転時間による制限は必要がなくなるため、ステップS488にて最大運転時間Mhの制限の要否を判断する。

    電力負荷の大小、熱負荷の大小に大きくかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報などの環境条件に基づいて、最大運転時間による制限の要否を設定することが望ましい(例えば、12月、1月、2月の3ヶ月間は最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の有無を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    また、電力負荷の大小、熱負荷の大小に大きくかかわる因子として、外気温度や市水温度などを環境条件として用いることも有効である。 図示は行っていないが、外気温度や市水温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する(例えば、外気温度が10℃以下の場合には、最大運転時間による制限を実施しないなど)。 さらに上述の温度センサーは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    また、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小に大きくかかわる環境条件(たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報)を使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することも有効である。 図示は行っていないが、環境条件入力器は制御装置6の内部にあり、その情報に基づき制御装置6で発電指令を行う。 さらに環境条件入力器は、図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    以上、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、夏場などシステムの最大運転時間を設定し、運転時間を抑えながら消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となると同時に、冬場など最大運転時間の制限をなくし、運転時間を抑えないことで消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。

    なお本実施の形態において、ステップS2において最大運転時間Mhを設定し、ステップS488において最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する構成で説明したが、ステップS2において最大運転時間Mhを設定する時点で制限の要否を判断するような構成とした場合でも同様の効果が得られ、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    〔変形例4〕
    本実施の形態では、図12に示すフローチャートのステップS488において、季節情報、暦情報、外気温度や市水温度情報などの環境条件により最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する燃料電池コージェネレーションシステム1の運転計画例を述べた。

    しかし、環境条件だけでなく、燃料電池コージェネレーションシステム1の状態に基づいて制限の有無を判断しても良い。 図12に示すフローチャートのステップS488の予め定められた条件が異なるだけであるので、その他のステップについては同じであり、説明は省略する。

    前述のように、最大運転時間Mhは、燃料電池コージェネレーションシステム1の状態によって設定することが望ましく、システムの性能劣化が発生する以前のシステム運転効率が高い時には、最大運転時間の設定は消費エネルギー削減を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなるため、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には最大運転時間を比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。 そのため、最大運転時間が、ステップS1における所定期間以上になる場合、最大運転時間による制限は必要がなくなるため、ステップS488にて最大運転時間Mhの制限の要否を判断する。

    システムの運転効率に大きくかかわる因子として、総通電時間や総発電時間などの設置後の電源投入からのシステム動作履歴情報に基づいて、最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、総発電時間2万時間未満では最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、総通電時間や総発電時間などシステム動作履歴情報を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    また、システムの運転効率に大きくかかわる因子として、工場生産時点からの生涯年月に基づいて、最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、工場生産時点から5年未満では最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、システムの生涯年月を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    また、システムの運転効率を直接監視し、システムの運転効率に基づいて最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、運転効率が初期効率から30%低下するまで最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、システムの運転効率を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。

    以上、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、システムの運転効率が低下する寿命後期には最大運転時間を設定し、運転時間を抑えながら消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となると同時に、システムの運転効率が低下していない寿命初期には最大運転時間の制限をなくし、運転時間を抑えないことで消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。

    さらに、工場生産時からの生涯年月において最大運転時間による制限の要否を判断することで、生産後の在庫状態における運転効率劣化も考慮し、より消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。

    なお本実施の形態において、ステップS2において最大運転時間Mhを設定し、ステップS488において最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する構成で説明したが、ステップS2において最大運転時間Mhを設定する時点で制限の要否を判断するような構成とした場合でも同様の効果が得られ、本発明を超えるものではないことは明白である。

    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。

    (実施の形態6)
    本発明の第6の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。

    前記実施の形態1において、期間設定器6eにより設定される所定期間は、使用する電力負荷需要や熱負荷需要によって設定することが望ましい。

    例えば、電力負荷需要が大幅に増加はするが熱負荷需要が大きくない夏場等は、所定期間を1日にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなる。 このときの起動に要するエネルギー損失を考慮すると夏場のときは、期間設定器6eにより、所定期間を複数日(例えば、2日間)で設定し、この所定期間において発生する熱負荷需要に対して消費エネルギー削減量を大きくするよう運転計画することが可能となる。

    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しないため連続の運転が可能となる。 このため所定期間を1日に限定した場合、必要のない起動停止を行うことになり、その際に必要となる起動停止に要するエネルギー損失を考慮すると冬場等の場合は、期間設定器6eにより所定期間を複数日(たとえば5日間)で設定し、この所定期間において発生する熱負荷需要を融通しあいながら使用するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    また、上記条件にない春や秋等の中間期等の、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率に似通っている場合は、所定期間を複数日等長くすると電力負荷需要が低い時間が長くなり、その結果機器効率の低い低出力の運転時間が大きくなる。 そのため運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量が、電力負荷需要が小さい時間の運転をやめたときに比べ小さくなる。 そのため所定期間を1日等の短い期間に設定することで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    そのため、電力負荷需要の大小、熱負荷需要の大小に応じて期間設定器6eにより上記所定期間を変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。

    そこで、電力負荷需要の大小や熱負荷需要の大小にかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報等を環境条件として、期間設定器6eにより、それに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本実施の形態では、期間設定器6eにより7月〜9月の所定期間を2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月の所定期間を1日と設定し11月〜3月の所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、夏場では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、冬場では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本実施の形態では7月〜9月の所定期間を2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月の所定期間を1日と設定し11月〜3月の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターを制御装置6内に持ち、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述のリアルタイムカウンターは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例5]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、外気温度を環境条件として、期間設定器6eによりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合、所定期間を1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、外気温の一日平均が21℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、外気温の一日平均が12℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。

    尚、本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合の所定期間を2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合の所定期間を1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、外気温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6内にあり、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画器6cにより運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例6]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、市水温度を環境条件として、期間設定器6によりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。

    本変形例では、市水温度の一日平均が20℃以上の場合、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合、所定期間を1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、市水温度の一日平均が20℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、市水温度の一日平均が15℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合の所定期間を2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合の所定期間を1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、市水温度を管理可能な構成の市水温度センサーは制御装置6内にあり、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画器6cにより運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の市水温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例7]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、その値を直接左右するエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量(消費エネルギーA)を環境条件として、期間設定器6eによりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本変形例では、期間設定器6eが、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合、所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。

    尚、本変形例では1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合の所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、予測部6bおよび記憶部6aの電力負荷予測需要と熱負荷予測需要から算出される消費エネルギーAの情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    [変形例8]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる条件、たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報等を環境条件として、使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することを可能な構成とし、期間設定器6によりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 図示は行っていないが、環境条件入力手段(たとえばリモコン等の操作基板)は制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の環境条件入力手段は制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    尚、ここにおける実施の形態6の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。

    また、上記所定期間や負荷予測需要が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。

    (実施の形態7)
    本発明の第7の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。

    前記実施の形態1に対して、前述の最大運転時間Mhは、使用する電力負荷や熱負荷によって設定することが望ましい。

    つまり、従来の燃料電池発電装置の動作判定では、少しでも消費エネルギー削減量が生じる場合には運転を行う動作判定を指令する。 燃料電池発電システムは前述のように高い出力で運転させるほうが機器効率を高めた運転を行わせることが可能であり、従来の動作判定に基づいた運転では機器効率の比較的低い出力で運転を計画される場合があり、この場合、所定期間内で生じた消費エネルギー削減量の運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量は低い値となることがある。 このため最大運転時間Mhを負荷状況に応じて設定することで、燃料電池発電システムを低い出力での運転を含んだ運転計画から高い出力の運転が多い運転計画に変更することが可能となり、結果として機器の耐久性からくる生涯運転可能時間で生じる消費エネルギー削減量が最大化することが可能となる。

    そこで、所定期間内で運転合計時間が前述の最大運転時間Mhを越えない範囲で運転計画(運転開始時刻と運転停止時刻の組み合わせ)を様々に設定し、その間に予測されるそれぞれの消費エネルギー削減量を算出し、所定期間内で得られる消費エネルギー削減量の合計を所定期間内の運転合計時間で割った、所定期間内の単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量が最大になるような運転計画を設定し、それを燃料電池発電システムに出力することで、その機器が生涯生じさせる消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となった。

    最大運転時間Mhは、電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によってそれに見合った長さに設定することで消費エネルギー削減量が大きくなる。

    たとえば、電力負荷需要が大幅に増加はするが熱負荷需要が大きくない夏場等は、Mhを所定期間内の最大運転時間にすると、電力需要分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなり、機器出力の大きい領域を優先的に運転させることが困難になる。

    さらに夏場における電力負荷は時間帯による負荷の変動が大きく(昼間と夜間の差等)平均的に電力負荷が大きくないことも機器を出力の高い領域で運転させることが難しい。 このときの起動に要するエネルギー損失や小出力領域をできるだけ回避するためには、できるだけ短期間のMhの制約を行うことで、所定期間内の熱負荷需要予測値を満たすよう出力の大きい使用電力予測値の領域を選択的に運転させるように運転動作判定を行い、単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。

    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、Mhを1日等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しない。 さらに電力負荷需要も大きく出力も大きいため運転において機器効率も高い領域で運転することが可能となる。 このためMhを所定期間よりも大幅に短く設定した場合、消費エネルギー削減量を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなってしまい、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合にはMhは比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。

    また、上記条件にない春や秋等の中間期等の、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率に似通っている場合は、Mhを長くすると電力負荷需要が低い時間が長くなり、その結果機器効率の低い低出力の運転時間が大きくなる。 そのため単位時間当たりの消費エネルギー削減量が、電力負荷需要が低い時間の運転をやめたときに比べ低くなる。 そのためMhは上述の夏や冬等に比べその中間的な期間に設定することが望ましい。

    そのため、最大運転時間Mhは、所定期間同様、最大運転時間設定器6dにより電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によって設定することが望ましい。

    そこで、電力負荷需要の大小や熱負荷需要の大小にかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報等を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本実施の形態では7月〜9月のMhを2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月のMhを1日と設定し11月〜3月のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、夏場では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、冬場では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本実施の形態では7月〜9月のMhを2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月のMhを1日と設定し11月〜3月のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターを制御装置6内に持ち、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述のリアルタイムカウンターは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例9]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、外気温度を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合のMhを2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合のMhを1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、外気温の一日平均が21℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、外気温の一日平均が12℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合のMhを2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合のMhを1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、外気温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例10]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、市水温度を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合のMhを2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合のMhを1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、市水温度の一日平均が20℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、市水温度の一日平均が15℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合のMhを2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合のMhを1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、市水温度を管理可能な構成の市水温度センサーは制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の市水温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    [変形例11]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、その値を直接左右するエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量(消費エネルギーA)を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合、所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。

    尚、本変形例では、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合の所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 予測部6bおよび記憶部6aの電力負荷予測需要と熱負荷予測需要から算出される消費エネルギーAの情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    [変形例12]
    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる条件、たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報等を環境条件として、使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することを可能な構成とし、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 図示は行っていないが、環境条件入力手段(たとえばリモコン等の操作基板)は制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の環境条件入力手段は制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。

    尚、ここにおける実施の形態7の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。

    また、上記Mhや負荷予測需要が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。

    (実施の形態8)
    本発明の第8の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。

    前記実施の形態1に対して、前述の所定期間は、期間設定器6eにより使用するエネルギー供給装置の運転状態によって設定することが望ましい。

    たとえば、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要に対して、消費エネルギー削減量を最大にする場合、前述の消費エネルギーBを演算する必要がある。 この演算には機器が持つ運転効率(発電効率と熱回収効率)が必要となる。 燃料電池発電装置の場合、この発電効率と熱回収効率は、経時的に変化し、発電効率は低下し、逆に熱回収効率は増加する傾向を有する。 これは燃料電池発電装置内にある水素エネルギーを電力エネルギーに変換する燃料電池(図示せず)の性能に起因するところが大きく、燃料電池の電力変換効率が経時的な内部セル(発電体)の導電率の上昇による電力の抵抗損失増大や触媒の劣化による反応速度低下による起電力低下による電力損失によって生じる。 また、そのほかの代表的な経時的な損失増加要因として発電や熱回収に必要な流体(原料ガスや冷却水等)をシステム内に流すアクチュエーター類(図示はしないがポンプ等)の摩擦損失増加等による電力損失増加がある。 さらに各アクチュエーターを制御する駆動回路部分の部品の劣化による経年劣化があり、電力損失として増加する。 経時的に発電効率が低下した分、電力変換損失は熱損失に変換され、その一部は熱として回収され、熱回収効率は向上する傾向をしめす。

    このため、同じ電力負荷予測需要と熱負荷予測需要でも設定する所定期間の大小によって変化が生じる。

    すなわち、初期発電効率が高く、熱回収効率が低い状態の機器(初期状態機器)に対して発電効率が低く、熱回収効率が高い状態に変化した機器(経年状態機器)では、所定期間を1日等にすると、電力需要分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなる。 このときの起動に要するエネルギー損失を考慮すると経年状態機器の場合、期間設定器6dにより所定期間を複数日(たとえば2日間)とし、この複数日によって発生する熱負荷需要を用いて運転計画するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しないため連続の運転が可能となる。 このため所定期間を1日に限定した場合、必要のない起動停止を行うことになり、その際に必要となる起動停止に要するエネルギー損失を考慮すると、冬場等の場合は経年状態機器でも期間設定器6eにより所定期間を初期状態機器と同等の複数日(たとえば5日間)として、この複数日で発生する熱負荷需要を融通しあいながら運転計画するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    また、上記条件にない春や秋等の中間期等でも、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率が初期状態機器と経年状態機器では異なるため、その時の機器状態とそのときの負荷状態に合わせた所定期間の設定をすることで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    そのため、機器の運転効率に応じて前記所定期間を変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。

    そこで、機器の運転効率にかかわる因子として、所定の負荷時(本実施の形態では500Wに設定した)の燃料電池発電装置の消費エネルギー量(原料ガス流量)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその原料ガス流量を初期値と比較し流量が増加している場合は、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の消費エネルギー計測部は本実施の形態では原料ガス流量を計測したが、たとえば圧力変化、原料ガス供給装置の消費電力量変化等所定出力における原料ガスの必要量を計測できればいいことは言うまでもない。

    [変形例13]
    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、機器停止時の消費エネルギーを用いることも有効であった。

    燃料電池発電装置では停止時も大気電力等のエネルギーを消費する。 そのため消費エネルギーBの算出には、停止時の待機電力も重要な要素となる。 停止時の消費エネルギー量(本変形例では待機電力量を計測した)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその待機電力量を初期値と比較し増加している場合は、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで一定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の消費エネルギー計測部は機器の停止時に発生する消費エネルギー量を計測できるものならばなんでもよいことは言うまでもない。

    [変形例14]
    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることも有効であった。

    燃料電池発電装置では前述した機器の運転効率や停止時の消費エネルギー量は経年的に変化する。 そのため、機器の累計の運転時間を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する運転時間計測部(リアルタイムクロック)で計測しその値と累計運転時間に応じた機器の経年変化パラメーターを記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にそのときの累計運転時間に対応した経年変化パラメーターを用いて、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    また、経年変化は短い時間変化に対して機器の状態変化が少ないため、前回までに算出した所定期間における累計運転時間を今回の累計運転時間として、使用することでも同等の結果を得ることが可能であった。

    尚、ここにおける実施の形態8の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。

    また、上記所定期間や機器の運転状態が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。

    (実施の形態9)
    本発明の第9の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。

    前記実施の形態1に対して、前述の最大運転時間Mhは、使用するエネルギー供給装置の運転状態によって設定することが望ましい。

    つまり、従来の燃料電池発電装置の動作判定では、少しでも消費エネルギー削減量が生じる場合には運転を行う動作判定を指令する。 燃料電池発電システムは前述のように高い出力で運転させるほうが機器効率を高めた運転を行わせることが可能であり、従来の動作判定に基づいた運転では機器効率の比較的低い出力で運転を計画される場合があり、この場合、所定期間内で生じた消費エネルギー削減量の運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量は低い値となることがある。 このため最大運転時間Mhを負荷状況に応じて設定することで、燃料電池発電システムを低い出力での運転を含んだ運転計画から高い出力の運転が多い運転計画に変更することが可能となり、結果として機器の耐久性からくる生涯運転可能時間で生じる消費エネルギー削減量が最大化することが可能となる。

    そこで、所定期間内で運転合計時間が前述の最大運転時間Mhを越えない範囲で運転計画(運転開始時刻と運転停止時刻の組み合わせ)を様々に設定し、その間に予測されるそれぞれの消費エネルギー削減量を算出し、所定期間内で得られる消費エネルギー削減量の合計を所定期間内の運転合計時間で割った、所定期間内の単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量が最大になるような運転計画を設定し、それを燃料電池発電システムに出力することで、その機器が生涯生じさせる消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となった。

    最大運転時間Mhは、電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によってそれに見合った長さに設定することで消費エネルギー削減量が大きくなる。

    たとえば、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要に対して、消費エネルギー削減量を最大にする場合、前述の消費エネルギーBを演算する必要がある。 この演算には機器が持つ運転効率(発電効率と熱回収効率)が必要となる。 燃料電池発電装置の場合、この発電効率と熱回収効率は、経時的に変化し、発電効率は低下し、逆に熱回収効率は増加する傾向を有する。 これは燃料電池発電装置内にある水素エネルギーを電力エネルギーに変換する燃料電池(図示せず)の性能に起因するところが大きく、燃料電池の電力変換効率が経時的な内部セル(発電体)の導電率の上昇による電力の抵抗損失増大や触媒の劣化による反応速度低下による起電力低下による電力損失によって生じる。 また、そのほかの代表的な経時的な損失増加要因として発電や熱回収に必要な流体(原料ガスや冷却水等)をシステム内に流すアクチュエーター類(図示はしないがポンプ等)の摩擦損失増加等による電力損失増加がある。 さらに各アクチュエーターを制御する駆動回路部分の部品の劣化による経年劣化があり、電力損失として増加する。 経時的に発電効率が低下した分、電力変換損失は熱損失に変換され、その一部は熱として回収され、熱回収効率は向上する傾向をしめす。 このため、同じ電力負荷予測需要と熱負荷予測需要でも設定するMhの大小によって変化が生じる。

    すなわち、初期発電効率が高く、熱回収効率が低い状態の機器(初期状態機器)に対して発電効率が低く、熱回収効率が高い状態に変化した機器(経年状態機器)では、Mhを所定期間内最大まで等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなり、機器出力の大きい領域を優先的に運転させることが困難になる。 このときの起動に要するエネルギー損失や小出力領域をできるだけ回避するためには、できるだけ短期間のMhの制約を行うことで、所定期間内の熱負荷需要予測値を満たすよう出力の大きい使用電力予測値の領域を選択的に運転させるように運転動作判定を行い、単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。

    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、Mhを1日等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しない。 さらに電力負荷需要も大きく出力も大きいため運転において機器効率も高い領域で運転することが可能となる。 このためMhを手低期間よりも大幅に短く設定した場合、消費エネルギー削減量を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなってしまい、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には経年状態機器でも初期状態機器と同等のMhは比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。

    また、上記条件にない春や秋等の中間期等でも、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率が初期状態機器と経年状態機器では異なるため、その時の機器状態とそのときの負荷状態に合わせたMhの設定をすることで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。

    そのため、機器の運転効率に応じて前記Mhを変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。

    そこで、機器の運転効率にかかわる因子として、所定の負荷時(本変形例では500Wに設定した)の燃料電池発電装置の消費エネルギー量(原料ガス流量)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその原料ガス流量を初期値と比較し流量が増加している場合は、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の消費エネルギー計測部は本変形例では原料ガス流量を計測したが、たとえば圧力変化、原料ガス供給装置の消費電力量変化等所定出力における原料ガスの必要量を計測できればいいことは言うまでもない。

    [変形例15]
    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、機器停止時の消費エネルギーを用いることも有効であった。

    燃料電池発電装置では停止時も大気電力等のエネルギーを消費する。 そのため消費エネルギーBの算出には、停止時の待機電力も重要な要素となる。 停止時の消費エネルギー量(本変形例では待機電力量を計測した)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその待機電力量を初期値と比較し増加している場合は、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    尚、上述の消費エネルギー計測部は機器の停止時に発生する消費エネルギー量を計測できるものならばなんでもよいことは言うまでもない。

    [変形例16]
    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることも有効であった。

    燃料電池発電装置では前述した機器の運転効率や停止時の消費エネルギー量は経年的に変化する。 そのため、機器の累計の運転時間を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する運転時間計測部(リアルタイムクロック)で計測しその値と累計運転時間に応じた機器の経年変化パラメーターを記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にそのときの累計運転時間に対応した経年変化パラメーターを用いて、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。

    また、経年変化は短い時間変化に対して機器の状態変化が少ないため、前回までに算出したMhにおける累計運転時間を今回の累計運転時間として、使用することでも同等の結果を得ることが可能であった。

    尚、ここにおける実施の形態8の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。

    また、上記Mhや機器の運転状態が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。

    (他の形態)
    上記説明から理解される通り、本発明のエネルギー供給システムは、以下の形態を採り得る。

    本発明のエネルギー供給システムは、所定の運転パターンに基づいて電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置において、所定期間に置ける最大運転時間を設定する最大運転時間設定器を備えることを特徴としてもよい。

    このように構成されたエネルギー供給システムによれば、動作保障期間前に運転時間寿命を迎えることなく運転を継続することが可能になる。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記最大運転時間が、一定値であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間は予め定められたパターンに応じて変化することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記所定期間は一定値であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記所定期間は予め定められたパターンに応じて変化することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の運転に伴い環境負荷を演算する環境負荷演算器と、前記エネルギー供給装置の運転を計画する運転計画器とを有し、前記運転計画器は、前記所定の運転パターンによる前記エネルギー供給システムの前記所定期間における運転時間が前記最大運転時間より長い場合には、前記環境負荷が最小値となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給装置の単位運転時間当たりのエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記単位運転時間当たりのエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は前記所定期間の単位時間当たりのエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記単位時間当たりのエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は予め定められた期間のエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記予め定められた期間のエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量を演算し、前記運転計画器は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量が最小となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給を行う対象の消費エネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記消費エネルギー削減量が最大になるように所定の運転パターンを決定することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、所定の時刻に起動して、所定の時刻に停止する所定の運転パターンに基づいて運転を行うことを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー供給装置は、電力と熱を供給する熱電併給装置であって、熱電併給システムにて発生する熱を蓄える蓄熱器を備え、前記蓄熱器が蓄える熱が最大になるように運転を行うことを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、所定の運転パターンを外部から設定する運転パターン設定器を有することを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、予め定められた条件を満たした場合には最大運転時間を設定しないことを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、暦情報、季節情報、及び外気温の少なくともいずれかの外的情報に基づいて設定される期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の状態に基づいて設定される期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の初めて運転から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の電源投入などの起動時から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置が故障から復帰した時から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の運転効率が所定値以上の期間であることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、前記最大運転時間を環境条件に応じて変化させることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記所定期間を設定する期間設定器を備え、前記期間設定器は、前記所定期間を環境条件に応じて変化させることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として、季節情報、暦情報の少なくとも一方を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として外気温度を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として、市水温度を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、エネルギー供給装置がエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量を記憶するエネルギー消費記憶器を備え、前記環境条件として、前記エネルギー消費量を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、外部から環境条件を入力する環境条件入力器を備えることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、前記最大運転時間を前記エネルギー供給装置の状態に応じて変化させることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記所定期間を設定する期間設定器を備え、前記期間設定器は、前記所定期間を前記エネルギー供給装置の状態に応じて変化させることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の運転効率を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の運転時の消費エネルギーを用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることを特徴としてもよい。

    また、本発明のエネルギー供給システムは前記エネルギー供給装置の状態として、前回の所定期間におけるエネルギー供給装置の累計運転時間を用いることを特徴としてもよい。

    本発明のエネルギー供給システムにおいて、上述の各実施形態や各変形例に記載した要素や事項は、任意かつ適宜に組み合わせることができる。 それぞれの組合せに応じて、所望の効果が得られることは言うまでもない。

    上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。 従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。 本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。

    本発明のエネルギー供給システムは、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できるエネルギー供給システムとして有用である。

    1 燃料電池コージェネレーションシステム 1a 燃料電池ユニット 1b 貯湯ユニット 2 電力系統 3 電力消費機器 4 電力計 5 熱量計 6 制御装置 6a 記憶器 6b 需要予測器 6c 運転計画器 6d 最大運転時間設定器 6e 期間設定器 7 リモコン

    【書類名】明細書【発明の名称】エネルギー供給システム【技術分野】
    【0001】
    本発明は、電力や熱などを供給するエネルギー供給システムに関する。
    【背景技術】
    【0002】
    エネルギー供給システムとしては、従来からガスエンジン発電機やガスエンジンコージェネレーションシステムが知られているが、特に近年注目を浴びているものに、燃料電池を用いて電力と熱を併給する燃料電池コージェネレーションシステムがある。
    【0003】
    燃料電池コージェネレーションシステムは、電力負荷(電力消費エネルギー)や熱負荷(給湯等による熱消費エネルギー)を計測する手段と、この計測器により検知された過去の負荷履歴からこれらの将来需要を予測する需要予測器と、需要予測器による将来の給湯需要に基づいて燃料電池コージェネレーションシステムの運転パターンを生成する運転計画器と、を有して、システムを設置した対象での消費エネルギー削減量や二酸化炭素排出削減量を最大にするように運転を行う燃料電池コージェネレーションシステムが既に開発されている(例えば、特許文献1参照)。 この従来例の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、消費エネルギー削減量や、二酸化炭素排出削減量を最大にするように燃料電池コージェネレーションシステムの起動時刻および停止時刻の組み合わせを決定している。
    【0004】
    そして、燃料電池コージェネレーションシステムは決定された起動時刻に起動した後、電力負荷に応じてシステムの発電電力を逐次変更しながら運転を行い、停止時刻に運転を停止するという動作を行う。
    【0005】
    耐用運転期間に基づいて燃料電池の運転計画を作成する燃料電池の運転方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
    【0006】
    過去の負荷実績から負荷を予測し、これに基づいて運転時間帯を決定するコジェネレーション装置の運転計画方法も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
    【先行技術文献】
    【特許文献1】特開2007−309598号公報 【特許文献2】特開2007−323843号公報 【特許文献3】特開2003−61245号公報【発明の概要】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0007】
    従来の燃料電池やコージェネレーション装置では、運転計画の立案段階では最適化が一定程度考慮されているものの、実際の運転状況によっては、かえって運転計画が実情に合わず、不適切な運転が行われる可能性があった。
    【0008】
    本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況、装置の動作保障期間、運転時間寿命等に応じて運転計画を最適化できるエネルギー供給システムを提供することを目的とする。
    【課題を解決するための手段】
    【0009】
    本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を行った。 その結果、以下の知見を得た。
    【0010】
    すなわち、例えば燃料電池を用いたエネルギー供給システムにおいて、運転前に立案された運転計画に沿って運転が行われると、実際の運転状況によっては、必要でない時間に運転が行われたり、本来必要な時間に運転が行えない場合が生じうる。
    【0011】
    具体的には、例えば貯湯器にお湯が十分残っているためにお湯を生成する必要がない場合には、システムを停止させるべきである。 そのような状況でも事前に立案された運転計画に従って無理に運転を行えば、エネルギー効率は低下する。
    【0012】
    また、例えばお湯の消費量が多く、通常以上にお湯を生成する必要がある場合には、柔軟にシステムを運転して、お湯を生成すべきである。 そのような状況でも事前に立案された運転計画にそって硬直的に運転を停止すれば、エネルギー効率は低下する。
    【0013】
    そこで本発明者らは、エネルギー供給システムの運転期間に関し、第1所定期間と、そこに含まれる複数の第2所定期間とを設定し、第1所定期間においては最大運転時間以上は運転しないこととしつつ、同一の第1所定期間に含まれる第2所定期間の間では、目標運転時間を互いに融通し合うことに想到した。 かかる構成では、実際の運転状況に応じた柔軟な運転が可能となり、運転計画を最適化できる。
    【0014】
    上記課題を解決するために、本発明のエネルギー供給システムは、電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置と、複数個の第2所定期間を有する期間である第1所定期間において前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、前記設定された第1最大運転時間に基づいて、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間を超えないように、前記第1所定期間に属する前記第2所定期間のそれぞれについて、前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値の目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において前記エネルギー供給装置が実際に運転された時間に基� ��いて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するように構成された制御装置とを備える。
    【0015】
    かかる構成では、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。
    【0016】
    本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
    【発明の効果】
    【0017】
    本発明のエネルギー供給システムによれば、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。
    【図面の簡単な説明】
    【0018】
    【図1】図1は、本発明の実施の形態1によるコージェネレーションシステムの構成例を示したブロック図である。
    【図2】図2は、実施の形態1によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図3】図3は、実施の形態1によるコージェネレーションシステムの運転履歴の一例を示した図である。
    【図4】図4は、従来の技術によるコージェネレーションシステムの運転履歴の一例を示した図である。
    【図5】図5は、実施の形態1の変形例1によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図6】図6は、実施の形態1の変形例2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図7】図7は、実施の形態1の変形例3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図8】図8は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの構成例を示したブロック図である。
    【図9】図9は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図10】図10は、実施の形態3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図11】図11は、実施の形態4によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【図12】図12は、実施の形態5によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。
    【発明を実施するための形態】
    【0019】
    以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
    【0020】
    本発明の実施の形態のエネルギー供給システムは、電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置(例えば、図1の燃料電池ユニット1a)と、複数個の第2所定期間を有する期間である第1所定期間において前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、前記設定された第1最大運転時間に基づいて、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間を超えないように、前記第1所定期間に属する前記第2所定期間のそれぞれについて、前記エネルギー供給装置の運転時間の上限値の目標値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定し、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において前記エネルギー供給装置が� ��際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するように構成された制御装置(例えば、図1の制御装置6)とを備える。
    【0021】
    かかる構成では、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。
    【0022】
    上記エネルギー供給システムにおいて、第1所定期間は前記エネルギー供給装置の動作保証期間よりも短い期間であり、前記制御装置は、前記動作保証期間より前に前記エネルギー供給装置の運転時間寿命に達することのないように前記第1最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。
    【0023】
    かかる構成では、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減しつつ、装置の寿命を長くしうる。
    【0024】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を予め定められたパターンに応じて変化させてもよい。
    【0025】
    上記エネルギー供給システムにおいて、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数が一定値であってもよい。
    【0026】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記第1所定期間は、1年以下の期間であってもよい。
    【0027】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記第2所定期間は、1月以下の期間であってもよい。
    【0028】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、単位運転時間当たりのエネルギーコスト削減量が最大となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。
    【0029】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量が最小となるように、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を設定するように構成されていてもよい。
    【0030】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー供給装置は、電力と熱を供給する熱電併給装置であって、熱電併給システムにて発生する熱を蓄える蓄熱器を備え、前記制御装置は、前記蓄熱器が蓄える熱が最大になるように運転を行うように構成されていてもよい。
    【0031】
    上記エネルギー供給システムは、エネルギー供給装置の起動時刻及び停止時刻を入力するための操作器(例えば、図8のリモコン7)を有してもよい。
    【0032】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記第1最大運転時間および/または前記第2目標最大運転時間を環境条件に応じて変化させてもよい。
    【0033】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を環境条件に応じて変化させてもよい。
    【0034】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記環境条件は、季節情報と、暦情報と、外気温度と、市水温度とからなる群から選ばれる少なくとも一つを含んでもよい。
    【0035】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記エネルギー供給装置の累積運転時間に基づき前記第1最大運転時間を更新するように構成されていてもよい。
    【0036】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間が前記第1最大運転時間に満たない場合に、前記第1最大運転時間と前記第1所定期間内の前記エネルギー供給装置の運転時間との差を演算してこれを累積して累積余剰運転時間として記憶するように構成されていてもよい。
    【0037】
    上記エネルギー供給システムにおいて、前記制御装置は、前記累積余剰運転時間が、予め設定された第3所定期間となった場合に、前記第1最大運転時間を再設定するように構成されていてもよい。
    【0038】
    (実施の形態1)
    図1は、本発明の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムの構成例を示したブロック図であり、ここでのコージェネレーションシステムの一例として燃料電池コージェネレーションシステムを示す。
    【0039】
    本実施の形態のコージェネレーションシステム1は、燃料電池により発電を行う燃料電池ユニット1aと、燃料電池ユニット1aの燃料電池の発電により同時に発生する熱を用いて、市水を温水に昇温して貯える貯湯ユニット1bとを備え、燃料電池ユニット1aにて発電した電力は電力系統2からの電力と共に電力消費機器3へ供給される。
    【0040】
    電力消費機器3で消費される電力負荷量は電力計4にて計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。
    【0041】
    また、貯湯ユニット1bに貯えられた温水は、水道の蛇口などから温水として供給され、温水として利用される熱負荷量は熱量計5によって計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。
    【0042】
    熱量計5は、例えば、市水温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の流量を計測する流量計(図示せず)からなり、市水と温水の温度差と温水の流量との積により、温水として利用される熱負荷量を演算するものである。
    【0043】
    また燃料電池コージェネレーションシステム1には、貯湯ユニット1b内に温水がなくなった場合にも温水が供給できるように、バックアップ給湯器(図示せず)が装備されている。
    【0044】
    制御装置6は、燃料電池ユニット1a及びエネルギー供給システム1の運転を制御する。
    【0045】
    制御装置6は、さらに、記憶器6aに蓄積された電力負荷と熱負荷との発生履歴から将来の電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンを予測する需要予測器6bと、需要予測器6bにより予測された電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンの予測値に基づいて、燃料電池コージェネレーションシステムの起動時刻と停止時刻を決定する運転計画器6cと、所定期間における最大運転時間を設定する最大運転時間設定器6dと、所定期間を設定する期間設定器6eとを有する。
    【0046】
    需要予測器6bは、記憶器6aに記憶された一定期間(例えば、1年間)の熱負荷需要の発生履歴および電力負荷需要の発生履歴を読み出し、当該履歴を基にして将来の所定期間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる電力負荷の予測需要および将来の所定期間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる熱負荷の予測需要(以下、これらを、「電力負荷予測需要」および「熱負荷予測需要」と略す)を推定演算して、これらの電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を記憶器6aに逐次記憶する。
    【0047】
    なお、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要の推定に必要な過去の電力負荷および熱負荷の熱消費履歴の蓄積期間は、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムが設置された対象での電力と熱との消費サイクルをシステムが適切に把握可能な期間が望ましく、例えば燃料電池コージェネレーションシステムが一般家庭に設置された場合であれば、数日〜数ヶ月程度である。
    【0048】
    また、電力負荷および熱負荷の発生履歴から、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を推定する手法は既に種々提案されており、ここではその詳細な説明は省略する。
    【0049】
    運転計画器6dは、燃料電池ユニット1aの動作保証期間(例えば、10年)より前に燃料電池ユニット1aの運転時間寿命(例えば、4万時間)に達することのないように動作保証期間よりも短い第1所定期間(例えば、1週間)において燃料電池ユニット1aの運転時間の上限値である第1最大運転時間を設定すると共に、設定された第1最大運転時間に基づいて、第1所定期間内の燃料電池ユニット1aの運転時間が第1最大運転時間を超えないように第1所定期間よりも短い第2所定期間(例えば、1日)における燃料電池ユニット1aの目標運転時間の上限値である第2目標最大運転時間を演算により求めることで設定する。
    【0050】
    なお、第1所定期間における第1最大運転時間の設定は、必ずしも燃料電池ユニット1aの動作保証期間や燃料電池ユニット1aの運転時間寿命を考慮しなくてもよい。 ただし、これらを考慮すれば、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減することと、装置寿命の低下を抑制することとを同時に実現できる。
    【0051】
    制御装置6は、第2所定期間における燃料電池ユニット1aの運転時間が原則として第2目標最大運転時間を超えないように、燃料電池ユニット1aを運転する。 具体的には、例えば、第2所定期間における燃料電池ユニット1aの運転時間が第2目標最大運転時間を超えないように、燃料電池ユニット1aの起動時刻および停止時刻を1つずつ設定する。 すなわち、起動時刻から停止時刻までの時間が予定運転時間となり、これが第2目標最大運転時間を超えないようにすればよい。 このとき例えば、後述するエネルギーコスト削減量が最大になるように、かつ、起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間となるように、第2所定期間において、起動時刻と停止時刻とを決定してもよい。 起動時刻と停止時刻を決定する具体的な方法については、後述する変形例なども適宜参照しうる。
    【0052】
    一例として、動作保証期間(商品寿命)を10年、運転時間寿命(耐久時間)を4万時間とし、第1所定期間を1週間、第2所定期間を1日とする。 このとき、第1最大運転時間は、例えば、10年=521.4週間より、4万時間÷521.4週間=76.7時間/週とすることができる。 また、第2目標最大運転時間は、例えば、7.7時間以上20時間以下の所定の時間とすることができる。 効率を考慮して、第2目標最大運転時間は、一定の下限値(例えば、7.7時間)以上であるように設定されることが好ましい。
    【0053】
    第1最大運転時間は、操作者により入力されることで、制御装置6の図示されない記憶部に記憶されてもよいし、制御装置6が自動的に求めてもよい。 具体的には例えば、動作保証期間と運転時間寿命と第1所定期間とに基づく演算により、制御装置6が自動的に求めてもよい。 ただし、第1最大運転時間の演算に用いられるパラメータは特に限定されず、他のパラメータであってもよい。
    【0054】
    動作保証期間と運転時間寿命と第1所定期間とは、例えば操作者により入力されることで、制御装置6の図示されない記憶部に記憶されてもよい。 第1最大運転時間は、例えば以下の式(1)より求めることができる。
    【0055】
    第1最大運転時間=運転時間寿命/(動作保証期間/第1所定期間) ・・・(1)
    第2目標最大運転時間は、設定された第1最大運転時間に基づく演算により、制御装置6が自動的に求めることができる。
    【0056】
    表1は、第1所定期間を1週間、第2所定期間を1日とし、第1最大運転時間を76.7時間とした場合の、制御装置6により設定された第2目標最大運転時間の一例を示す。
    【0057】
    【表1】

    表1の例では、第1所定期間を複数の第2所定期間に区分し、それぞれの第2所定期間についての第2目標最大運転時間が、同一の第1所定期間に属する全ての第2所定期間の第2目標最大運転時間の合計が当該第1所定期間における第1最大運転時間以下となるように、設定されている。 なお、表1における第2所定期間は、各1日につき、午前0時(深夜)を起点とし、翌日の午前0時(深夜)を終点とする24時間をいうが、本発明はこれに限定されるものではない。


    【0058】


    制御装置6は燃料電池ユニット1aの起動停止を行うが、この際、原則として、第2所定期間の運転時間が第2目標最大運転時間となるように、燃料電池ユニット1aを起動停止する。 ただし、例えば操作者等による介入があれば、停止したり、再度起動したりすることとしてもよい。 あるいは例えば、貯湯ユニット1bに蓄えられた温水が少なくなっている一方で、風呂の時間が近づくなど湯の消費量が多くなることが予測され、湯不足が生じる可能性が高いと判断される場合には、第2目標最大運転時間を超えて運転が行われてもよい。 逆に、貯湯ユニット1bに大量に温水が蓄えられており、数時間以内に予測される湯の消費量を考慮しても湯不足が生じない可能性が高いと判断される場合には、第2目標最大運転時間が経過する前に運転が停止されてもよい。 このように、本実施形態における第2目標最大運転時間はあくまで目標であって、実際の運転がこれに絶対的に拘束される訳ではない。


    【0059】


    制御装置6は第2所定期間における起動停止の回数を所定回数未満(3回未満、即ち2回以下)に制限するのが好ましい。 これにより、起動停止の過剰な繰り返しによる装置寿命の低下をより確実に抑制できる。


    【0060】


    このように、最大運転時間の設定と起動停止の回数制限とを関連付けることにより、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性を低減することと、装置寿命の低下を抑制することとを同時に、かつより確実に、実現できる。


    【0061】


    第1所定期間は、複数の第2所定期間を有する期間である。 例えば、上述の例では、第1所定期間はn個の第2所定期間からなり、nは7である。 複数の第2所定期間のそれぞれは、同じ期間(例えば、全て1日)であってもよいし、互いに異なっていてもよい(例えば、1つ目の第2所定期間は2日、2つ目の第2所定期間は1日、など)。 第1所定期間に含まれる第2所定期間の合計時間が第1所定期間より短くてもよい。 この場合には余剰時間が生じるが、そのような場合でも本実施形態における効果が得られることは言うまでもない。


    【0062】


    第2所定期間における起動停止の回数は1回に制限するのがより好ましい。 すなわち、制御装置6は、第2所定期間において、燃料電池ユニット1aの運転時間が第2目標最大運転時間を超えない限度で、一度だけ燃料電池ユニット1aを起動し、一度だけ燃料電池ユニット1aを停止するのが好ましい。 ある第2所定期間と、次の第2所定期間との間は必ず燃料電池ユニット1aが停止されていることとしてもよいし、停止されている必要はないこととしてもよい。 後者の場合には、複数の第2所定期間をまたがって運転が継続されうるため、運転計画の柔軟性がより高まる。 また、例えばある第2所定期間における第2目標最大運転時間を24時間とすることを許容してもよい。 この場合、その第2所定期間が開始する前から、その第2所定期間が終了した後まで、連続して運転が継続されることになる。


    【0063】


    制御装置6は、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において燃料電池ユニット1aが実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定する。 以下、本実施形態における第2目標最大運転時間の再設定方法について説明する。


    【0064】


    第1の場合として、ある第1所定期間に含まれる、ある第2所定期間における運転時間が第2目標最大運転時間よりも短かった場合を考える。 上述の例で言えば、例えば、ある一週間の最初の第2所定期間(日曜日)の第2目標最大運転時間は16時間であるにも関わらず、日曜日が終了した時点で、当日の運転時間が14時間だった場合を考える。 そのような場合とは、例えば、前日(土曜日)の湯の使用量が少なかったために湯が残っており、多くの湯を生成しなくても湯の需要を満たすことができたというケースが考えられる。 この場合、実運転時間(実際に燃料電池ユニット1aが運転された時間)は、表2のようになる。


    【0065】


    【表2】


    第2目標最大運転時間が16時間であったところ、実運転時間が14時間であったということは、その一週間の第1最大運転時間は変らないので、その一週間における運転時間には2時間の余裕ができたことになる。 制御装置6は、余った2時間をどのように残った曜日に割り付けるのが最適かを演算により決定し、各曜日の第2目標最大運転時間を再設定する。 再設定を行った結果の例を、表3に示す。


    【0066】


    【表3】


    表3の例では、余った2時間は木曜日に割り付けられ、木曜日の第2目標最大運転時間が9時間から11時間に変更されている。


    【0067】


    第2の場合として、ある第1所定期間に含まれる、ある第2所定期間における運転時間が第2目標最大運転時間よりも長かった場合を考える。 上述の例で言えば、例えば、ある一週間の2番目の第2所定期間(月曜日)の第2目標最大運転時間は10時間であるにも関わらず、月曜日が終了した時点で、当日の運転時間が14時間だった場合を考える。 そのような場合とは、例えば、前日(日曜日)の湯の使用量が多かったために月曜日になった時点で予備の湯が残っておらず、通常より多い量の湯を生成しなければ湯の需要を満たすことができなかったというケースが考えられる。 この場合、実運転時間(実際に燃料電池ユニット1aが運転された時間)は、表4のようになる。


    【0068】


    【表4】


    第2目標最大運転時間が10時間であったところ、実運転時間が14時間であったということは、その一週間の第1最大運転時間は変らないので、その一週間における運転時間には4時間の不足ができたことになる。 制御装置6は、不足する4時間をどの曜日の第2目標最大運転時間から賄うのが最適かを演算により決定し、各曜日の第2目標最大運転時間を再設定する。 再設定を行った結果の例を、表5に示す。


    【0069】


    【表5】


    表5の例では、不足する4時間は土曜日から賄われ、土曜日の第2目標最大運転時間が14時間から10時間に変更されている。


    【0070】


    第2目標最大運転時間の再設定は、上述の例では、第2所定期間それぞれが経過した時点で行われたが、他のタイミングで行われてもよい。 例えば、毎週水曜日の正午にのみ再設定が行われてもよいし、毎日、正午の時点で、前日までの実運転時間に基づいて再設定が行われてもよい。


    【0071】


    再設定の具体的な方法は特に限定されず、ある第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間において燃料電池ユニット1aが実際に運転された時間に基づいて、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間を再設定するものであれば、どのような方法であってもよい。


    【0072】


    かかる構成によれば、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できる。


    【0073】


    なお本実施形態では、第1所定期間において第1最大運転時間を超えて運転が行われることはされない。 よって、その第1所定期間に含まれる過去の第2所定期間における実際の運転時間と、その第1所定期間に含まれる将来の第2所定期間における第2目標最大運転時間との合計は、第1最大運転時間に等しくなるように再設定が行われるのが好ましい。


    【0074】


    制御装置6が第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間を設定し、あるいは第2目標最大運転時間を再設定するにあたっては、負荷需要の予測やエネルギーコスト削減量など、様々な要素を考慮することが可能である。


    【0075】


    なお再設定は、エネルギーコスト削減量が最大となるように行われることが好ましい。 以下、エネルギーコスト削減量を最大にする場合の最大運転時間の設定方法および再設定方法について説明する。


    【0076】


    まず、以下の条件が成立しているものとする。 ここで「燃料電池の発電効率」とは、燃料電池に供給されたガスのエネルギー(熱量)に対する、発電により得られる電力のエネルギー(熱量)の割合を言う。 「燃料電池の給湯効率」とは、燃料電池に供給されたガスのエネルギー(熱量)に対する、発電により副生成物として得られる湯のエネルギー(熱量)の割合を言う。


    【0077】


    ガス料金:A[円/kWh]


    電気料金:B[円/kWh]


    家庭で消費される湯の熱量C[kWh]


    燃料電池の発電効率:α


    燃料電池の給湯効率:β


    従来の給湯器効率:γ


    熱量C(湯と市水[水道水]の温度差と容積とから求められる、給湯のために必要な熱量を言う)だけ湯を供給するために、燃料電池で消費されるガスの量は、C/β[kWh]となる。 ガス料金は、A×C/β[円]となる。 このとき燃料電池では、消費されたガス量に応じて発電が行われる。 発電量は、α×C/β[kWh]となる。 したがって、本実施形態のエネルギー供給システム1の場合、熱量C[kWh]の湯と、電力α×C/β[kWh]とが、A×C/β[円]のコストで得られることになる。


    【0078】


    一方、従来通り、湯はガス給湯器で生成し、電力は系統から購入する場合を考える。 湯の生成コストは、A×C/γ[円]、電力の購入コストは、B×α×C/β[円]となる。 コストの合計は、A×C/γ+B×α×C/β[円]となる。


    【0079】


    生成される湯の量は等しく、さらに燃料電池により発電された電力は全て家庭で消費されると仮定すれば、エネルギー供給システム1を利用した場合のエネルギーコスト削減量は以下の式(2)から求められる。


    【0080】


    エネルギーコスト削減量=([従来のコスト]−[エネルギー供給システム1のコスト])=(A×C/γ+B×α×C/β−A×C/β) ・・・(2)


    なお、以上の計算方法はあくまで一例であり、他の方法を用いてエネルギーコスト削減量が演算されてもよいことは言うまでもない。


    【0081】


    制御装置6は、例えば、実際にエネルギー供給システム1が設置された家庭における電力消費量および湯消費量の経時変化(例えば、時間帯や曜日による変化)を記憶しておき、これに基づいて、電力および湯が必要になる時間帯や曜日、および必要な電力量および湯量を予測してもよい。 例えば、過去10週間分(第1所定期間の10倍)の電力消費量および湯消費量の経時変化に基づいて、次の1週間における各曜日(第1所定期間に含まれる第2所定期間のそれぞれ)および各時間帯の電力消費量および湯消費量が予測される。 該予測結果に基づいて、各曜日における第2目標最大運転時間が、例えば、第1所定期間を通じた第2目標最大運転時間の合計が第1最大運転時間を超えないように、かつ、単位時間当たり(例えば、第1所定期間当たり)のエネルギーコスト削減量が最大になるように、演算により決定される。 演算結果に基づいて、各曜日の第2目標最大運転時間が設定され、あるいは再設定される。


    【0082】


    制御装置6は、1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を予め定められたパターンに応じて変化させてもよい。 予め定められたパターンとしては、例えば、燃料電池システムの使用年数が少ないうちは1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を多くし、使用年数が多くなるにつれて1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を少なくすることなどが考えられる。 あるいは、1個の前記第1所定期間に含まれる前記第2所定期間の個数を環境条件に応じて変化させてもよい。 環境条件は、暦情報、季節情報、外気温、及び市水温度の少なくともいずれか一つであってもよい。 ただし、1個の第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数を不変の一定値(定数)としてもよい。 なお、以上の場合においてある第1所定期間に含まれる第2所定期間は全て同じかつ不変の一定値であることが好ましい。 この場合にはある第1所定期間に含まれる第2所定期間の個数が多くなるほど、第1所定期間は長くなる。


    【0083】


    第1所定期間は1年以下の期間であることが好ましい。 第2所定期間は1月以下の期間であることが好ましい。 このように所定期間を設定することで、より適切な運転計画の設定が可能となる。


    【0084】


    第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間は一定値であってもよいが、制御装置6は、第1最大運転時間および/または第2目標最大運転時間を環境条件に応じて変化させてもよい。 環境条件は、暦情報、季節情報、外気温、及び市水温度の少なくともいずれか一つであってもよい。


    【0085】


    暦情報に基づく制御の例としては、消費湯量が平日よりも祝祭日の方が多いような場合に、平日の第2目標最大運転時間を短くして、祝祭日の第2目標最大運転時間を長くすることが考えられる。


    【0086】


    季節情報に基づく制御の例としては、消費湯量が夏よりも冬の方が多いような場合に、夏季(6−9月)の第1最大運転時間を短くして、冬季(12−3月)の第1最大運転時間を長くすることが考えられる。


    【0087】


    外気温あるいは市水温度に基づく制御の例としては、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度よりも低い日に消費湯量が多いような場合に、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度以上となった日の第2目標最大運転時間を短くし、外気温あるいは市水温度が所定の閾値温度未満となった日の第2目標最大運転時間を長くすることが考えられる。


    【0088】


    制御装置は、予め定められたパターンに応じて第1所定期間や第2所定期間を変化させてもよい。 例えば、累積使用期間が長くなるに従って第1所定期間や第2所定期間を短くしていってもよい。


    【0089】


    燃料電池ユニット1aの起動時刻及び停止時刻を入力するためのリモコン7(例えば、図8参照)を備えてもよい。 このとき制御装置6は、リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間を超えない場合は、リモコン7を介して入力された起動時刻及び停止時刻を、燃料電池ユニット1aの起動時刻及び停止時刻である装置起動時刻及び装置停止時刻として設定すると共に、リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間を超える場合は、リモコン7を介して入力された起動時刻及び停止時刻を、装置起動時刻及び装置停止時刻として設定しないように構成されていてもよい。


    【0090】


    制御装置6は、装置起動時刻において燃料電池ユニット1aを起動し、装置停止時刻において燃料電池ユニット1aを停止させる。


    【0091】


    リモコン7を介して入力された起動時刻から停止時刻までの時間(予定運転時間)が第2目標最大運転時間を超える場合に、予定運転時間が第2目標最大運転時間を超えている旨を報知するように構成された報知器を備えてもよい。 報知器はリモコン7と一体化され、画面上に報知用のメッセージが表示される構成としてもよい。


    【0092】


    制御装置6は、燃料電池ユニット1aの累積運転時間に基づき第1最大運転時間を更新してもよい。 この場合、一例として、制御装置6は、時刻を与えるカレンダー回路(図示せず)とメモリ(図示せず)を備え、カレンダー回路(例えば、後述のリアルタイムカウンター)を介して取得した起動時刻と停止時刻とに基づいて現実に燃料電池ユニット1aを運転した時間である実運転時間を演算し、これをメモリに記憶された累積運転時間に加算して、和を再度累積運転時間としてメモリに記憶することにより、累積運転時間を積算することとすることができる。


    【0093】


    実際に設定された起動時刻から停止時刻までの時間が第2目標最大運転時間よりも短かったり、操作者により強制的に運転が終了されたり、発電しても家庭内で消費されない状態が長時間続いた結果、効率が過度に低下したような場合には、ある第1所定期間の完了時において、当該第1所定期間における第1最大運転時間に達しないうちに、燃料電池ユニット1aの運転が停止される場合がある。 このような場合、燃料電池ユニット1aは予定されていた時間よりも短い時間しか運転されていないから、将来、必要に応じてその分だけ運転を行ったとしても、動作保証期間前に運転時間寿命を迎える可能性は大きくならないと考えられる。 そこで、実際の運転時間が予定よりも短かった場合には、短かった分だけこれを「貯金」して、将来の運転に回すことができれば有利である。


    【0094】


    そこで制御装置6は、第1所定期間が経過した後、当該第1所定期間内の燃料電池ユニット1aの実運転時間が第2目標最大運転時間に満たない場合に、第1最大運転時間と該実運転時間との差を演算してこれを累積して累積余剰運転時間として記憶してもよい。


    【0095】


    動作保証期間も運転時間寿命も、特段の事情がない限り変更されることはない。 一方、累積余剰運転時間が増えれば、従前の最大運転時間を超えて運転しても、動作保証期間前に運転時間寿命を迎えにくくなる。 そこで、累積余剰運転時間が一定程度蓄積されれば、第1最大運転時間を増やして、エネルギー供給システム1の運転上の自由度を上げることが好ましい。 具体的には例えば、制御装置6は、累積余剰運転時間が、予め設定された第3所定期間(例えば、100時間)となった場合に、第1最大運転時間を更新するように構成されていてもよい。 更新においては、その時点から販売時における保証期間の終期までの時間を新たな動作保証期間とし、累積余剰運転時間を運転時間寿命として、これを上記式(1)に代入することで再度、第1最大運転時間を求めることができる。


    【0096】


    後述する実施の形態や変形例のように、所定の条件が満たされた場合には、最大運転時間による制限(第1最大運転時間及び/または第2目標最大運転時間の設定)を行わないこととしてもよい。


    【0097】


    [変形例]


    次に、以上に述べた熱負荷予測需要および電力負荷予測需要を基にした、燃料電池コージェネレーションシステム1の制御装置6の動作の一例について図面を参照して説明する。


    【0098】


    図2は、本実施の形態によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。


    【0099】


    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば、一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS1)。


    【0100】


    この電力負荷予測需要および熱負荷予測需要は、燃料電池コージェネレーションシステム1が設置された家庭への据え置き時に記憶器6aに予め記憶された代表的な電力負荷の電力消費履歴および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良く、各家庭の生活サイクルに適合するよう、燃料電池コージェネレーションシステム1の運転経過に伴い需要予測器6bにより改変された電力負荷の電力消費履歴および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良い。


    【0101】


    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば、一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS2)、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS3)。


    【0102】


    続いて、運転計画器6cは、ステップS3で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS4)。


    【0103】


    この消費エネルギー(B)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際の燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働に必要な原材料エネルギー(燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働により消費される原料ガスや燃料電池コージェネレーションシステム1を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。


    【0104】


    次に、運転計画器6cは、ステップS3で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS5)。


    【0105】


    この消費エネルギー(A)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測される燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、燃料電池コージェネレーションシステム1ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。


    【0106】


    次に、運転計画器6cは、ステップS5の消費エネルギー(A)からステップS3の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS3で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS6)。


    【0107】


    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS7)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS7において「No」)、ステップS3、ステップS4、ステップS5およびステップS6の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS7において「Yes」)、次のステップに進む。


    【0108】


    さらに、運転計画器6cは、ステップS6において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して設定する(ステップS8)。


    【0109】


    その後、運転計画器6cは、ステップS8で設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動・停止時刻の中で、燃料電池コージェネシステムの運転時間をMhに制限したときに運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS9)。


    【0110】


    図3にある一例の電力負荷と熱負荷に対して、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムを運転した場合の発電電力履歴と貯湯ユニット湯量履歴の一例を示す。


    【0111】


    図3で横軸は時刻(1〜24時)を示しており、上図の縦軸は電力、下図の縦軸は湯量を示している。


    【0112】


    本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムは、システムの起動から発電開始まで1時間を要し、起動から発電までの間は同一の起動エネルギー(例えば500W)を消費する。


    【0113】


    この例においては、図2のフローチャートに示すステップS2における所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを13時間と設定しており、ステップS8では、起動時刻は4時、停止時刻は21時で運転時間として17時間となった結果を示す。


    【0114】


    4時から21時の中で13時間の運転を行うためには、起動時刻は4時から8時の間に限られ、同様に停止時刻も起動時刻に連動して17時〜21時に限定されるが、図2のフローチャートに示すステップS9において、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大になるように起動時刻を再設定するに当たり、今回の例においては起動時刻が7時のときが運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大になる結果を示している。


    【0115】


    図3において本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムが7時に起動して結果、7時の段階では起動エネルギーを消費するのみで発電電力がマイナスになっている。


    【0116】


    また図3において本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムは20時で停止しており、起動から停止が13時間になっていることが分かる。


    【0117】


    この時、図3の下図を見ると20時に発生した大きな給湯負荷により貯湯ユニットの湯量はゼロになっており無駄のない燃料電池コージェネレーションシステム運転が実施されたことが分かる。


    【0118】


    また、この時の燃料電池コージェネレーションシステムの運転単位時間当たりの発電電力量は約583Whという結果になっている。


    【0119】


    ここで比較として、図4に、図3と同一の電力負荷と熱負荷に対して、従来の技術を用いた燃料電池コージェネレーションシステムを運転した場合の発電電力履歴と貯湯ユニット湯量履歴を示す。


    【0120】


    図4で横軸は時刻(1〜24時)を示しており、上図の縦軸は電力、下図の縦軸は湯量を示している。


    【0121】


    従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムも、本実施の形態における燃料電池コージェネレーションシステムと同様に、システムの起動から発電開始まで1時間を要し、起動から発電までの間は同一の起動エネルギー(例えば、500W)を消費する。


    【0122】


    運転時間制限を行わない従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムでは、4時に起動しており4時の時点では起動エネルギーを消費しており発電電力がマイナスになっている。


    【0123】


    その後、従来の技術の燃料電池コージェネレーションシステムは5時から発電を行い21時に停止するまで16時間の発電を行った結果、21時のシステム停止においても貯湯ユニット内に温水が残存する結果となっている。


    【0124】


    また、この時の燃料電池コージェネレーションシステムの運転単位時間当たりの発電電力量は約556Whという結果になっている。


    【0125】


    以上のように図3に示す本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムは、図4に示す従来の技術を用いた燃料電池コージェネレーションシステムに比べて、運転時間が短いものの運転単位時間あたりの発電量が大きくなっていることが分かる。


    【0126】


    運転単位時間当たりの発電電力量が大きいほど運転単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量も大きくなることは自明である。


    【0127】


    よって、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、最大運転時間設定器6dによりシステムの最大運転時間を設定し、最大運転時間内の条件下で、運転計画器6cにてシステムの起動時刻、停止時刻を設定した上で、燃料電池コージェネレーションシステムの運転を行う事により、運転時間を抑えながらシステムを設置した対象での消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。


    【0128】


    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、燃料電池コージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0129】


    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0130】


    〔変形例1〕


    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS1において、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する所定期間を、期間設定器6eにより一日と固定された場合の燃料電池コージェネレーションシステム1の運転計画例を述べた。


    【0131】


    しかし、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する所定期間は一定とはせず、例えば季節によって変更しても良い。


    【0132】


    図5に示すフローチャートは図2に示すフローチャートのステップS1の変わりにステップ11を行う。


    【0133】


    図5に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。


    【0134】


    ステップS11において、中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)の所定期間は、期間設定器6eにより一日と設定され、一日の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得し、一日の起動時刻と停止時刻とを設定する。


    【0135】


    冬季(12月から翌年の2月)においては、熱負荷が大きい傾向になるために、一般的には燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間は延びる傾向になる。 そして、消費エネルギー削減量(A−B)を考慮すると1日中運転することが望ましい場合が生じることも考えられる。 そのような場合に、例えば、冬季において、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、2日分の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得した上で、2日分の運転計画を演算し燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻とを設定する。


    【0136】


    夏季(6月から8月)においては、熱負荷が小さい傾向になるため、一般的には燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間は短い傾向になる。 そして、消費エネルギー削減量(A−B)を考慮すると起動エネルギーを使ってまで起動しない方が良い場合が発生することが考えられる。 そのような場合に、例えば、夏季において、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、2日分の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得した上で、2日分の運転計画を演算し燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻とを設定する。


    【0137】


    これにより季節変化に対しても柔軟に起動時刻と停止時刻を設定できるようになる。


    【0138】


    〔変形例2〕


    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS2において、最大運転時間設定器6dにより燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを一定値とする運転計画例を述べた。


    【0139】


    しかし、最大運転時間Mhを一定値とはせず、例えば季節によって変更しても良い。


    【0140】


    図6に示すフローチャートは、図2に示すフローチャートのステップS2の変わりにステップ22を行う。


    【0141】


    図6に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。


    【0142】


    一般的に冬季(12月から翌年の2月)より中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)の方が熱負荷が小さい傾向にあり、中間期(例えば3月から5月の春季と9月から11月の秋季)より夏季(6月から8月)の方が熱負荷が小さい傾向にあるため、燃料電池コージェネレーションシステム1を運転した場合の消費エネルギー削減量(A−B)は、冬季、中間期、夏季の順に小さくなるのが一般的である。


    【0143】


    よって、燃料電池コージェネレーションシステム1によって、より多くの年間消費エネルギー削減量(A−B)を得るためには、夏季は比較的短い時間に燃料電池コージェネレーションシステム1の運転時間を抑え、冬季は燃料電池コージェネレーションシステム1を比較的長い時間運転するようにすることが望ましい。


    【0144】


    図6のステップS22においては、冬季は燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間設定器6dにより最大運転時間Mhを16時間と設定し、中間期と夏季とには燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを各々12時間と8時間とに設定する。


    【0145】


    これにより燃料電池コージェネレーションシステム1によって、より多くの年間消費エネルギー削減量(A−B)を得ることができるようになる。


    【0146】


    〔変形例3〕


    本実施の形態では、図2に示すフローチャートのステップS9において、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定する運転計画例を述べたが、起動・停止時刻の再設定においては、消費エネルギー(B)を考慮しても良い。


    【0147】


    図7に示すフローチャートは図2に示すフローチャートのステップS9の変わりにステップ39を行う。


    【0148】


    図7に示すフローチャートの他のステップについては、図2に示すフローチャートと同じであり、説明は省略する。


    【0149】


    ステップS39では、燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間をMhに制限したときに、運転計画器6cにより消費エネルギー(B)が最小となる起動時刻と停止時刻とを再設定して、燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する。


    【0150】


    このとき、すでにステップS8において消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻が設定されていることを考慮して、起動・停止時刻の再設定においては、簡易的に消費エネルギー(B)が最小となる起動・停止時刻を再設定することでも、本実施の形態と同等の効果が得られる。


    【0151】


    (実施の形態2)


    図8は、本発明の第2の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムの構成例を示したブロック図であり、ここでのコージェネレーションシステムの一例としてエンジンコージェネレーションシステムを示す。


    【0152】


    図8に示す本実施の形態によるエンジンコージェネレーションシステム11は、図1に示す実施の形態1による燃料電池コージェネレーションシステム1における燃料電池ユニット1aに代えてエンジンユニット11aを備え、さらに利用者が任意にエンジンコージェネレーション11の起動時刻と停止時刻を設定できるリモコン7を備えているが、それ以外の構成要素は図1と同じであり、図1と同じ番号を付与している。


    【0153】


    本実施の形態のコージェネレーションシステム11は、エンジンにより発電を行うユニット11aと、エンジンユニット11aのエンジンの発電により同時に発生する熱を用いて、市水を温水に昇温して貯える貯湯ユニット1bとを備え、エンジンユニット11aにて発電した電力は電力系統2からの電力と共に電力消費機器3へ供給される。


    【0154】


    電力消費機器3で消費される電力負荷量は電力計4にて計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。


    【0155】


    また、貯湯ユニット1bに貯えられた温水は、水道の蛇口などから温水として供給され、温水として利用される熱負荷量は熱量計5によって計測され、制御装置6にある記憶器6aにて逐次蓄積される。


    【0156】


    熱量計5は、例えば、市水温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の温度を計測する温度センサ(図示せず)と、貯湯ユニット1bから供給される温水の流量を計測する流量計(図示せず)からなり、市水と温水の温度差と温水の流量との積により、温水として利用される熱負荷量を演算するものである。


    【0157】


    またエンジンコージェネレーションシステム11には、貯湯ユニット1b内に温水がなくなった場合にも温水が供給できるように、バックアップ給湯器(図示せず)が装備されている。


    【0158】


    リモコン7は、利用者が操作することでエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻と停止時刻を設定する機能を有し、設定された起動時刻と停止時刻は記憶器6aに記憶される。


    【0159】


    制御装置6は、さらに、記憶器6aに蓄積された電力負荷と熱負荷との発生履歴から将来の電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンを予測する需要予測器6bと、需要予測器6bにより予測された電力負荷と熱負荷とが発生する時系列パターンの予測値に基づいて、リモコン7によって設定された起動時刻と停止時刻との間で、エンジンコージェネレーションシステム1の起動時刻と停止時刻を決定する運転計画器6cを有する。


    【0160】


    需要予測器6bは、記憶器6aに記憶された一定期間(例えば、1年間)の熱負荷の発生履歴および電力負荷の発生履歴を読み出し、当該履歴を基にして将来の所定期間(例えば、1日)の時間推移とともに変わる電力負荷の予測需要および将来の所定時間(例えば、一日)の時間推移とともに変わる熱負荷の予測需要(以下、これらを、「電力負荷予測需要」および「熱負荷予測需要」と略す)を推定演算して、これらの電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を記憶器6aに逐次記憶する。


    【0161】


    なお、電力負荷予測需要および熱負荷予測需要の推定に必要な過去の電力負荷および熱負荷の熱消費履歴の蓄積期間は、本実施の形態のエンジンコージェネレーションシステム1が設置された対象での電力と熱との消費サイクルをシステムが適切に把握可能な期間が望ましく、例えばエンジンコージェネレーションシステム1が一般家庭に設置された場合であれば、数日〜数ヶ月程度である。


    【0162】


    図9は、実施の形態2によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。


    【0163】


    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、リモコン7で設定された起動時刻および停止時刻を取得する(ステップS40)。


    【0164】


    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば一日)の中のエンジンコージェネレーションシステム11の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS41)、運転計画器6cは、ステップ40で取得した起動時刻から停止時刻までの時間と最大運転時間Mh比較する(ステップS42)。


    【0165】


    ここで、起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より短い、また同じ場合には、リモコン7で設定された起動時刻および停止時刻でエンジンコージェネレーションシステムを運転する(ステップS43)。


    【0166】


    逆に起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より長い場合に、上記リモコンにより設定した起動時刻から停止時刻までの期間において、最大運転時間がMh以下になる起動時刻及び停止時刻の複数の組み合わせのうちの一つの組み合わせを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS44)。 続いて、運転計画器6cは、ステップS44で仮設定されたエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中にエンジンコージェネレーションシステム11により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、エンジンコージェネレーションシステム11に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、エンジンコージェネレーションシステム11の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS45)。


    【0167】


    この所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)は、エンジンコージェネレーションシステム11を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際のエンジンコージェネレーションシステム11の稼働に必要な原材料エネルギー(エンジンコージェネレーションシステム11の稼働により消費される原料ガスやエンジンコージェネレーションシステム11を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。


    【0168】


    次に、運転計画器6cは、ステップS44で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)のエンジンコージェネレーションシステム11の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)を演算する(ステップS46)。


    【0169】


    この所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)は、エンジンコージェネレーションシステム11を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測されるエンジンコージェネレーションシステム11の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、エンジンコージェネレーションシステム11ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。


    【0170】


    次に、運転計画器6cは、ステップS46の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(A)からステップS44の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これをエンジンコージェネレーションシステム11の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS44で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS47)。


    【0171】


    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS48)、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS48において「No」)、ステップS44、ステップS45、ステップS46およびステップS47の処理を繰り返し、所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS48において「Yes」)、次のステップに進む。


    【0172】


    さらに、運転計画器6cは、ステップS47において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、所定期間(例えば1日)の所定期間(例えば1日)の消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出し設定した上で、エンジンコージェネレーションシステム11を運転する(ステップS49)。


    【0173】


    以上のように実施の形態2のエンジンコージェネレーションシステムによれば、利用者によるシステムの起動時刻および停止時刻が設定された場合でも、システムの運転時間が所定の最大運転時間(実施の形態2の例では13時間)を超えるような場合には、運転計画器6cにより、利用者によって設定された起動時刻から停止時刻までの期間において、本期間のなかで、運転時間が最大運転時間以下であるとともに、所定期間(たとえば1日)の消費エネルギー削減量が最大となる起動時刻及び停止時刻の組み合わせを再設定することで利用者の起動停止要望を満たしながら、運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。


    【0174】


    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、消費エネルギー削減量を演算する所定期間を1日で説明したが、エンジンコージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0175】


    またエネルギー供給システムの例として、エンジンコージェネレーションシステムで説明したが、燃料電池を用いた燃料電池コージェネレーションシステムやタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0176】


    (実施の形態3)


    本発明の第3の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムは実施の形態2と同様、図8に示すエンジンコージェネレーションシステム11の構成からなり、実施の形態2と同様の動作を行う構成要素については説明を省略する。


    【0177】


    本実施の形態におけるリモコン7は、利用者が操作することで貯湯ユニット1bの湯量に基づいてエンジンコージェネレーションシステム11の起動と停止を行う運転モード(貯湯モード)が設定可能となっている。


    【0178】


    この貯湯モード設定時におけるエンジンコージェネレーションシステム11の動作を以下に説明する。


    【0179】


    リモコン7にて貯湯モードが設定された場合には、リモコン7にて最大貯湯湯量と最小貯湯湯量の設定が可能になる。


    【0180】


    例えば、貯湯ユニットに鉛直方向に対して4等分した上から、満タン、3/4、1/2、1/4、0と貯湯湯量設定可能な場合には、リモコン7にて、起動貯湯湯量1/2、停止貯湯湯量満タンと設定すると、貯湯湯量が1/2まで湯量が減ったらシステムが起動し、貯湯湯量満タンになったらシステムが停止する。


    【0181】


    図10は実施の形態3によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。


    【0182】


    なお、実施の形態2における図9と同じ操作を行う構成要素については、同一の番号を付与している。


    【0183】


    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、リモコン7で設定された起動貯湯湯量と停止貯湯湯量と電力負荷の予測需要と熱負荷の予測需要とからエンジンコージェネレーションシステム11の起動時刻と停止時刻とを予測する。


    【0184】


    次に、最大運転時間設定器6dは、所定期間(例えば一日)の中のエンジンコージェネレーションシステム11の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS41)、運転計画器6cは、ステップ50で予測した起動時刻から停止時刻までの時間と最大運転時間Mh比較する(ステップS52)。


    【0185】


    ここで、起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より短い、また同じ場合には、貯湯湯量から予測した起動時刻および停止時刻でエンジンコージェネレーションシステムを運転する(ステップS53)。


    【0186】


    逆に起動時刻から停止時刻までの時間が最大運転時間より長い場合に、上記貯湯モードとして当初予測された起動時刻から停止時刻までの期間において、運転時間がMh以下になる起動時刻及び停止時刻の複数の組み合わせのうちの一つの組み合わせを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS44)。


    【0187】


    続くステップS45からステップS49までの動作は実施の形態2と同様であるためここでの説明は省略する。


    【0188】


    以上のように実施の形態3のエンジンコージェネレーションシステムによれば、利用者が貯湯湯量によるシステムの起動および停止を行うように設定した場合でも、システムの運転時間が所定の最大運転時間(実施の形態3の例では10時間)を超えるような場合には、運転計画器6cは、貯湯モードとして当初予測された起動時刻から停止時刻までの期間において、本期間の中で、運転時間が最大運転時間以下であるとともに、所定期間(たとえば1日)の消費エネルギー削減量が最大となる起動時刻及び停止時刻の組み合わせを再設定することで、利用者の起動停止要望を満たしながら、運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。


    【0189】


    なお本実施の形態において最大運転時間は10時間で説明したが、消費エネルギー削減量を演算する所定期間を1日で説明したが、エンジンコージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間や消費エネルギー削減量を演算する期間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0190】


    またエネルギー供給システムの例として、エンジンコージェネレーションシステムで説明したが、燃料電池を用いた燃料電池コージェネレーションシステムやタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0191】


    (実施の形態4)


    本発明の第4の実施の形態によるコージェネレーション(熱電併給)システムは実施の形態1と同様、図1に示す燃料電池コージェネレーションシステム1の構成からなり、実施の形態1と同様の動作を行う構成要素については説明を省略する。


    【0192】


    図11は、本実施の形態によるコージェネレーションシステムの動作例を示したフローチャートである。


    【0193】


    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS61)。


    【0194】


    次に、最大運転時間設定器6cは、所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS62)、運転計画器6cは、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせから最大運転時間がMh以下になる組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS63)。


    【0195】


    続いて、運転計画器6cは、ステップS63で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(貯湯ユニット供給湯量)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(貯湯ユニット湯量)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS64)。


    【0196】


    次に、運転計画器6cは、ステップS63で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS65)。


    【0197】


    次に、運転計画器6cは、ステップS65の消費エネルギー(A)からステップS63の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS63で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS66)。


    【0198】


    ここで運転計画器6cは、運転時間がMh以下での全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS67)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS67において「No」)、ステップS63、ステップS64、ステップS65およびステップS66の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS67において「Yes」)、次の判定ステップに進む。


    【0199】


    さらに、運転計画器6cは、ステップS66において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して取得し、取得した起動時刻および停止時刻の組み合わせを燃料電池コージェネレーションシステム1として設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS68)。


    【0200】


    以上のように本実施の形態によれば、図11のフローチャートにおけるステップS63において、燃料電池コージェネレーションシステムの仮の運転時刻および停止時刻の組み合わせを選定する際に、運転時間がMh以下になる条件下で運転時刻および停止時刻の組み合わせを選定することで、実施の形態1の燃料電池コージェネレーションシステムに比べると、ステップS64からS66までの演算繰り返し回数が少なくて済むメリットがあり、記憶器6aの容量も比較的少なくても運転時間の抑制と消費エネルギー削減量との両立を行うことが可能となる。


    【0201】


    また、上記方法により決定された本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムの運転計画と従来の燃料電池コージェネレーションシステムにおける運転計画の相違は、実施の形態1の燃料電池コージェネレーションシステムで例示した図3及び図4と同様である。


    【0202】


    以上から分かるように本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムでは、システムの最大運転時間を設定することで、最大運転時間内の条件下で、運転計画器6cにてシステムの起動時刻、停止時刻を設定した上で、燃料電池コージェネレーションシステムの運転を行う事により、運転単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大とする燃料電池コージェネレーションシステムを提供することができる。


    【0203】


    なお本実施の形態において最大運転時間は13時間で説明したが、燃料電池コージェネレーションシステムを設置する対象の電力負荷、熱負荷によって、最適な最大運転時間は異なることもあり、本実施の形態と異なる最大運転時間を設定した場合でも、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0204】


    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0205】


    (実施の形態5)


    本発明の第5の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1と同様の構成要素であり図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。


    【0206】


    次に、図12を用いて本実施の形態におけるコージェネレーションシステムの動作例を説明する。


    【0207】


    まず、制御装置6の運転計画器6cは、記憶器6aに記憶された、所定期間(例えば一日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要を取得する(ステップS401)。


    【0208】


    この電力負荷予測需要および熱負荷予測需要は、燃料電池コージェネレーションシステム1が設置された家庭への据え置き時に記憶器6aに予め記憶された代表的な電力および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良く、各家庭の生活サイクルに適合するよう、燃料電池コージェネレーションシステム1の運転経過に伴い需要予測器6bにより改変された電力負荷および熱負荷の熱消費履歴に基づく予測需要であっても良い。


    【0209】


    次に、最大運転時間設定器6cは、所定期間(例えば一日)の中の燃料電池コージェネレーションシステム1の最大運転時間Mhを設定した後(ステップS402)、運転計画器6cは、燃料電池コージェネレーションシステム1の多数の起動時刻および停止時刻の組み合わせのうちの一つを、仮の起動時刻および停止時刻を設定する(ステップS403)。


    【0210】


    続いて、運転計画器6cは、ステップS403で仮設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動時刻および停止時刻、並びに記憶器6aより取得した所定期間(例えば、1日)の電力負荷予測需要および熱負荷予測需要に基づいて、この仮設定された起動時刻および停止時刻の間にコージェネレーションシステムを運転すると想定した場合の運転期間中に燃料電池コージェネレーションシステム1により発電される発電量および貯湯ユニット1bに供給される熱量(この熱に相当する湯量;以下、「貯湯ユニット供給湯量」という)の総計を演算するとともに、この演算に際して予測した貯湯ユニット供給湯量の時間推移を記憶器6aに記憶する。 そして、記憶器6aより取得した熱負荷予測需要およびこの貯湯ユニット供給湯量の時間推移の予測データに基づいて、貯湯タンクに湯がある限りは熱負荷予測需要を賄うよう熱負荷に対して給湯するという前提で、燃料電池コージェネレーションシステム1に貯えられる貯湯ユニット1bの湯量(以下、「貯湯ユニット湯量」という)の時間推移を予測し、この予測データを仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせと対応付けて記憶器6aに記憶する。 そして、運転計画器6cは、運転期間中における上記発電量および貯湯ユニット供給湯量の総量の生成に必要な、燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー(B)を演算する(ステップS404)。


    【0211】


    この消費エネルギー(B)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減の目安となるものであり、上記発電量および貯湯ユニット供給湯量を生成した際の燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働に必要な原材料エネルギー(燃料電池コージェネレーションシステム1の稼働により消費される原料ガスや燃料電池コージェネレーションシステム1を稼働電力等のトータルエネルギー)を指す。


    【0212】


    次に、運転計画器6cは、ステップS403で運転計画器6cにより予測された仮設定された運転期間中(起動時刻と停止時刻の間)の燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量を用いて消費エネルギー(A)を演算する(ステップS405)。


    【0213】


    この消費エネルギー(A)は、燃料電池コージェネレーションシステム1を家庭に導入するに際して、当該家庭における消費エネルギー削減量の基準になるものであり、運転計画器6cに予測される燃料電池コージェネレーションシステム1の発電量および貯湯ユニット供給湯量の全てを、燃料電池コージェネレーションシステム1ではなく電力会社乃至ガス会社の既存インフラから供給された電力およびガスで賄ったと仮定した場合のトータルエネルギーを指す。


    【0214】


    次に、運転計画器6cは、ステップS405の消費エネルギー(A)からステップS403の消費エネルギー(B)を差し引いた値(A−B)を演算し、これを燃料電池コージェネレーションシステム1の消費エネルギー削減量と見做して、この数値(A−B)をステップS403で仮設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに対応付けて記憶器6aに記憶する(ステップS406)。


    【0215】


    ここで運転計画器6cは、全ての起動時刻および停止時刻の組み合わせについて、消費エネルギー削減量(A−B)の演算を終えたか否かを判定して(ステップS407)、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていなければ(ステップS407において「No」)、ステップS403、ステップS404、ステップS405およびステップS406の処理を繰り返し、消費エネルギー削減量(A−B)の演算全てを終えていれば(ステップS407において「Yes」)、次の判定ステップに進む。


    【0216】


    さらに、運転計画器6cは、ステップS406において、記憶器6aに記憶された複数の起動時刻および停止時刻の組み合わせの中から、消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動時刻および停止時刻の組み合わせを記憶器6aから読み出して設定する(ステップS408)。


    【0217】


    次に、運転計画器6cは、予め定められた条件によりステップS402で設定された最大運転時間MhをステップS408で設定された起動時刻および停止時刻の組み合わせに適用するか否かを判断する(ステップS488)。 条件を満たさなかった場合(ステップS488において「No」)、次の判定ステップに進む。


    【0218】


    運転計画器6cは、ステップS408で設定された燃料電池コージェネレーションシステム1の起動・停止時刻の中で、燃料電池コージェネシステムの運転時間をMhに制限したときに運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量(A−B)が最大となる起動・停止時刻を再設定した上で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS409)。


    【0219】


    また、ステップS488において条件を満たした場合(ステップS488にて「Yes」)、ステップS408で設定された起動・停止時刻で燃料電池コージェネレーションシステム1を運転する(ステップS499)。


    【0220】


    前述のように、最大運転時間Mhは、電力負荷や熱負荷の状況によって設定することが望ましく、電力負荷が大幅に増加し且つ熱負荷が大きい冬場等は、最大運転時間の設定は消費エネルギー削減を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなるため、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には最大運転時間を比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。 そのため、最大運転時間が、ステップS1における所定期間以上になる場合、最大運転時間による制限は必要がなくなるため、ステップS488にて最大運転時間Mhの制限の要否を判断する。


    【0221】


    電力負荷の大小、熱負荷の大小に大きくかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報などの環境条件に基づいて、最大運転時間による制限の要否を設定することが望ましい(例えば、12月、1月、2月の3ヶ月間は最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の有無を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0222】


    また、電力負荷の大小、熱負荷の大小に大きくかかわる因子として、外気温度や市水温度などを環境条件として用いることも有効である。 図示は行っていないが、外気温度や市水温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する(例えば、外気温度が10℃以下の場合には、最大運転時間による制限を実施しないなど)。 さらに上述の温度センサーは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0223】


    また、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小に大きくかかわる環境条件(たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報)を使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することも有効である。 図示は行っていないが、環境条件入力器は制御装置6の内部にあり、その情報に基づき制御装置6で発電指令を行う。 さらに環境条件入力器は、図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0224】


    以上、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、夏場などシステムの最大運転時間を設定し、運転時間を抑えながら消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となると同時に、冬場など最大運転時間の制限をなくし、運転時間を抑えないことで消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。


    【0225】


    なお本実施の形態において、ステップS2において最大運転時間Mhを設定し、ステップS488において最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する構成で説明したが、ステップS2において最大運転時間Mhを設定する時点で制限の要否を判断するような構成とした場合でも同様の効果が得られ、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0226】


    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0227】


    〔変形例4〕


    本実施の形態では、図12に示すフローチャートのステップS488において、季節情報、暦情報、外気温度や市水温度情報などの環境条件により最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する燃料電池コージェネレーションシステム1の運転計画例を述べた。


    【0228】


    しかし、環境条件だけでなく、燃料電池コージェネレーションシステム1の状態に基づいて制限の有無を判断しても良い。 図12に示すフローチャートのステップS488の予め定められた条件が異なるだけであるので、その他のステップについては同じであり、説明は省略する。


    【0229】


    前述のように、最大運転時間Mhは、燃料電池コージェネレーションシステム1の状態によって設定することが望ましく、システムの性能劣化が発生する以前のシステム運転効率が高い時には、最大運転時間の設定は消費エネルギー削減を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなるため、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には最大運転時間を比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。 そのため、最大運転時間が、ステップS1における所定期間以上になる場合、最大運転時間による制限は必要がなくなるため、ステップS488にて最大運転時間Mhの制限の要否を判断する。


    【0230】


    システムの運転効率に大きくかかわる因子として、総通電時間や総発電時間などの設置後の電源投入からのシステム動作履歴情報に基づいて、最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、総発電時間2万時間未満では最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、総通電時間や総発電時間などシステム動作履歴情報を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0231】


    また、システムの運転効率に大きくかかわる因子として、工場生産時点からの生涯年月に基づいて、最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、工場生産時点から5年未満では最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、システムの生涯年月を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0232】


    また、システムの運転効率を直接監視し、システムの運転効率に基づいて最大運転時間による制限の要否を判断することが望ましい(例えば、運転効率が初期効率から30%低下するまで最大運転時間による制限を実施しないなど)。 図示は行っていないが、システムの運転効率を管理するリアルタイムカウンターは制御装置6の内部にあり、その情報に基づきステップS488にて制限の要否を判断する。 さらに上述のリアルタイムカウンターは図8におけるリモコン7のように燃料電池1a内や貯湯ユニット1b内や別体の機器として独立して構成してもよく、その際は制御装置6と通信等の手段を介して情報を伝達する。


    【0233】


    以上、本実施の形態の燃料電池コージェネレーションシステムによれば、システムの運転効率が低下する寿命後期には最大運転時間を設定し、運転時間を抑えながら消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となると同時に、システムの運転効率が低下していない寿命初期には最大運転時間の制限をなくし、運転時間を抑えないことで消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。


    【0234】


    さらに、工場生産時からの生涯年月において最大運転時間による制限の要否を判断することで、生産後の在庫状態における運転効率劣化も考慮し、より消費エネルギー削減量を大きく維持することが可能となる。


    【0235】


    なお本実施の形態において、ステップS2において最大運転時間Mhを設定し、ステップS488において最大運転時間Mhによる制限の要否を判断する構成で説明したが、ステップS2において最大運転時間Mhを設定する時点で制限の要否を判断するような構成とした場合でも同様の効果が得られ、本発明を超えるものではないことは明白である。


    【0236】


    またエネルギー供給システムの例として、燃料電池コージェネレーションシステムで説明したが、エンジンを用いたエンジンコージェネレーションシステムやガスでタービンを回して発電を行うタービン型発電システムでも同様な効果が得られることは明らかである。


    【0237】


    (実施の形態6)


    本発明の第6の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。


    【0238】


    前記実施の形態1において、期間設定器6eにより設定される所定期間は、使用する電力負荷需要や熱負荷需要によって設定することが望ましい。


    【0239】


    例えば、電力負荷需要が大幅に増加はするが熱負荷需要が大きくない夏場等は、所定期間を1日にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなる。 このときの起動に要するエネルギー損失を考慮すると夏場のときは、期間設定器6eにより、所定期間を複数日(例えば、2日間)で設定し、この所定期間において発生する熱負荷需要に対して消費エネルギー削減量を大きくするよう運転計画することが可能となる。


    【0240】


    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しないため連続の運転が可能となる。 このため所定期間を1日に限定した場合、必要のない起動停止を行うことになり、その際に必要となる起動停止に要するエネルギー損失を考慮すると冬場等の場合は、期間設定器6eにより所定期間を複数日(たとえば5日間)で設定し、この所定期間において発生する熱負荷需要を融通しあいながら使用するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0241】


    また、上記条件にない春や秋等の中間期等の、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率に似通っている場合は、所定期間を複数日等長くすると電力負荷需要が低い時間が長くなり、その結果機器効率の低い低出力の運転時間が大きくなる。 そのため運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量が、電力負荷需要が小さい時間の運転をやめたときに比べ小さくなる。 そのため所定期間を1日等の短い期間に設定することで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0242】


    そのため、電力負荷需要の大小、熱負荷需要の大小に応じて期間設定器6eにより上記所定期間を変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。


    【0243】


    そこで、電力負荷需要の大小や熱負荷需要の大小にかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報等を環境条件として、期間設定器6eにより、それに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本実施の形態では、期間設定器6eにより7月〜9月の所定期間を2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月の所定期間を1日と設定し11月〜3月の所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、夏場では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、冬場では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本実施の形態では7月〜9月の所定期間を2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月の所定期間を1日と設定し11月〜3月の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターを制御装置6内に持ち、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0244】


    尚、上述のリアルタイムカウンターは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0245】


    [変形例5]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、外気温度を環境条件として、期間設定器6eによりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合、所定期間を1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、外気温の一日平均が21℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、外気温の一日平均が12℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。


    【0246】


    尚、本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合の所定期間を2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合の所定期間を1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、外気温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6内にあり、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画器6cにより運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0247】


    尚、上述の温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0248】


    [変形例6]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、市水温度を環境条件として、期間設定器6によりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。


    【0249】


    本変形例では、市水温度の一日平均が20℃以上の場合、期間設定器6eにより所定期間を2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合、所定期間を1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、市水温度の一日平均が20℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、市水温度の一日平均が15℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合の所定期間を2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合の所定期間を1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、市水温度を管理可能な構成の市水温度センサーは制御装置6内にあり、期間設定器6eにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画器6cにより運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0250】


    尚、上述の市水温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0251】


    [変形例7]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、その値を直接左右するエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量(消費エネルギーA)を環境条件として、期間設定器6eによりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本変形例では、期間設定器6eが、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合、所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。


    【0252】


    尚、本変形例では1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合の所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、予測部6bおよび記憶部6aの電力負荷予測需要と熱負荷予測需要から算出される消費エネルギーAの情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0253】


    [変形例8]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる条件、たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報等を環境条件として、使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することを可能な構成とし、期間設定器6によりそれに対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 図示は行っていないが、環境条件入力手段(たとえばリモコン等の操作基板)は制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づき所定期間を随時変更し、運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0254】


    尚、上述の環境条件入力手段は制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0255】


    尚、ここにおける実施の形態6の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。


    【0256】


    また、上記所定期間や負荷予測需要が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。


    【0257】


    (実施の形態7)


    本発明の第7の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。


    【0258】


    前記実施の形態1に対して、前述の最大運転時間Mhは、使用する電力負荷や熱負荷によって設定することが望ましい。


    【0259】


    つまり、従来の燃料電池発電装置の動作判定では、少しでも消費エネルギー削減量が生じる場合には運転を行う動作判定を指令する。 燃料電池発電システムは前述のように高い出力で運転させるほうが機器効率を高めた運転を行わせることが可能であり、従来の動作判定に基づいた運転では機器効率の比較的低い出力で運転を計画される場合があり、この場合、所定期間内で生じた消費エネルギー削減量の運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量は低い値となることがある。 このため最大運転時間Mhを負荷状況に応じて設定することで、燃料電池発電システムを低い出力での運転を含んだ運転計画から高い出力の運転が多い運転計画に変更することが可能となり、結果として機器の耐久性からくる生涯運転可能時間で生じる消費エネルギー削減量が最大化することが可能となる。


    【0260】


    そこで、所定期間内で運転合計時間が前述の最大運転時間Mhを越えない範囲で運転計画(運転開始時刻と運転停止時刻の組み合わせ)を様々に設定し、その間に予測されるそれぞれの消費エネルギー削減量を算出し、所定期間内で得られる消費エネルギー削減量の合計を所定期間内の運転合計時間で割った、所定期間内の単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量が最大になるような運転計画を設定し、それを燃料電池発電システムに出力することで、その機器が生涯生じさせる消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となった。


    【0261】


    最大運転時間Mhは、電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によってそれに見合った長さに設定することで消費エネルギー削減量が大きくなる。


    【0262】


    たとえば、電力負荷需要が大幅に増加はするが熱負荷需要が大きくない夏場等は、Mhを所定期間内の最大運転時間にすると、電力需要分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなり、機器出力の大きい領域を優先的に運転させることが困難になる。


    【0263】


    さらに夏場における電力負荷は時間帯による負荷の変動が大きく(昼間と夜間の差等)平均的に電力負荷が大きくないことも機器を出力の高い領域で運転させることが難しい。 このときの起動に要するエネルギー損失や小出力領域をできるだけ回避するためには、できるだけ短期間のMhの制約を行うことで、所定期間内の熱負荷需要予測値を満たすよう出力の大きい使用電力予測値の領域を選択的に運転させるように運転動作判定を行い、単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。


    【0264】


    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、Mhを1日等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しない。 さらに電力負荷需要も大きく出力も大きいため運転において機器効率も高い領域で運転することが可能となる。 このためMhを所定期間よりも大幅に短く設定した場合、消費エネルギー削減量を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなってしまい、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合にはMhは比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。


    【0265】


    また、上記条件にない春や秋等の中間期等の、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率に似通っている場合は、Mhを長くすると電力負荷需要が低い時間が長くなり、その結果機器効率の低い低出力の運転時間が大きくなる。 そのため単位時間当たりの消費エネルギー削減量が、電力負荷需要が低い時間の運転をやめたときに比べ低くなる。 そのためMhは上述の夏や冬等に比べその中間的な期間に設定することが望ましい。


    【0266】


    そのため、最大運転時間Mhは、所定期間同様、最大運転時間設定器6dにより電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によって設定することが望ましい。


    【0267】


    そこで、電力負荷需要の大小や熱負荷需要の大小にかかわる因子として、カレンダー等の暦情報や暦をまとめた季節情報等を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本実施の形態では7月〜9月のMhを2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月のMhを1日と設定し11月〜3月のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、夏場では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、冬場では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本実施の形態では7月〜9月のMhを2日と設定し、10月〜11月および4月〜6月のMhを1日と設定し11月〜3月のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、カレンダー等の暦、季節情報を管理するリアルタイムカウンターを制御装置6内に持ち、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0268】


    尚、上述のリアルタイムカウンターは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0269】


    [変形例9]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、外気温度を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合のMhを2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合のMhを1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、外気温の一日平均が21℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、外気温の一日平均が12℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では外気温の一日平均が21℃以上の場合のMhを2日と設定し、外気温の一日平均が12℃超え〜21℃未満の場合のMhを1日と設定し外気温の一日平均が12℃以下の場合のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、外気温度を管理可能な構成の温度センサーは制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0270】


    尚、上述の温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0271】


    [変形例10]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、市水温度を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合のMhを2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合のMhを1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合のMhを7日とおいた設定とした。 Mhを一律の1日とした場合と比較し、市水温度の一日平均が20℃以上の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、市水温度の一日平均が15℃以下の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。 尚、本変形例では市水温度の一日平均が20℃以上の場合のMhを2日と設定し、市水温度の一日平均が15℃超え〜20℃未満の場合のMhを1日と設定し市水温度の一日平均が15℃以下の場合のMhを7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 図示は行っていないが、市水温度を管理可能な構成の市水温度センサーは制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0272】


    尚、上述の市水温度センサーは制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0273】


    [変形例11]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる因子として、その値を直接左右するエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量(消費エネルギーA)を環境条件として、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 本変形例では1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合、所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合、所定期間を7日とおいた設定とした。 所定期間を一律の1日とした場合と比較し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合の期間では熱あまりによる起動停止が増大し、消費エネルギー削減量は減少し、1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の期間では起動停止によるエネルギー損失分の消費エネルギー削減量が減少した結果となった。


    【0274】


    尚、本変形例では、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwhを超え〜17.2kwh未満あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh未満の場合、所定期間を2日と設定し、1日あたりの電力負荷予測需要が10.7kwh以下あるいは熱負荷予測需要が10.6kwh超え〜21.3kwh未満の場合の所定期間を1日と設定し1日あたりの電力負荷予測需要が17.2kwh以上あるいは熱負荷予測需要が21.3kwh以上の場合の所定期間を7日とおいた設定を行ったが、機器の使用環境によって(地域や家族構成や機器の出力)によってこの値は異なるため、最適な設定が存在し、状況に応じて設定は異なる。 予測部6bおよび記憶部6aの電力負荷予測需要と熱負荷予測需要から算出される消費エネルギーAの情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0275】


    [変形例12]


    さらに、使用負荷電力の大小、熱負荷需要の大小にかかわる条件、たとえば季節情報、暦情報、外気温度情報、市水温度や家族構成情報、来客情報等のエネルギー消費情報等を環境条件として、使用者が入力することが可能な手段を有して、使用者が任意に入力することを可能な構成とし、それに対応したMhを随時設定する構成をとった。 図示は行っていないが、環境条件入力手段(たとえばリモコン等の操作基板)は制御装置6内にあり、運転計画器6cにてその情報に基づきMhを随時変更し、運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0276】


    尚、上述の環境条件入力手段は制御装置6に構成しなくても、その情報を運転計画器6cに反映できればよく、情報伝達が可能であればどこに構成しても問題はない。


    【0277】


    尚、ここにおける実施の形態7の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。


    【0278】


    また、上記Mhや負荷予測需要が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。


    【0279】


    (実施の形態8)


    本発明の第8の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。


    【0280】


    前記実施の形態1に対して、前述の所定期間は、期間設定器6eにより使用するエネルギー供給装置の運転状態によって設定することが望ましい。


    【0281】


    たとえば、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要に対して、消費エネルギー削減量を最大にする場合、前述の消費エネルギーBを演算する必要がある。 この演算には機器が持つ運転効率(発電効率と熱回収効率)が必要となる。 燃料電池発電装置の場合、この発電効率と熱回収効率は、経時的に変化し、発電効率は低下し、逆に熱回収効率は増加する傾向を有する。 これは燃料電池発電装置内にある水素エネルギーを電力エネルギーに変換する燃料電池(図示せず)の性能に起因するところが大きく、燃料電池の電力変換効率が経時的な内部セル(発電体)の導電率の上昇による電力の抵抗損失増大や触媒の劣化による反応速度低下による起電力低下による電力損失によって生じる。 また、そのほかの代表的な経時的な損失増加要因として発電や熱回収に必要な流体(原料ガスや冷却水等)をシステム内に流すアクチュエーター類(図示はしないがポンプ等)の摩擦損失増加等による電力損失増加がある。 さらに各アクチュエーターを制御する駆動回路部分の部品の劣化による経年劣化があり、電力損失として増加する。 経時的に発電効率が低下した分、電力変換損失は熱損失に変換され、その一部は熱として回収され、熱回収効率は向上する傾向をしめす。


    【0282】


    このため、同じ電力負荷予測需要と熱負荷予測需要でも設定する所定期間の大小によって変化が生じる。


    【0283】


    すなわち、初期発電効率が高く、熱回収効率が低い状態の機器(初期状態機器)に対して発電効率が低く、熱回収効率が高い状態に変化した機器(経年状態機器)では、所定期間を1日等にすると、電力需要分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなる。 このときの起動に要するエネルギー損失を考慮すると経年状態機器の場合、期間設定器6dにより所定期間を複数日(たとえば2日間)とし、この複数日によって発生する熱負荷需要を用いて運転計画するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0284】


    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しないため連続の運転が可能となる。 このため所定期間を1日に限定した場合、必要のない起動停止を行うことになり、その際に必要となる起動停止に要するエネルギー損失を考慮すると、冬場等の場合は経年状態機器でも期間設定器6eにより所定期間を初期状態機器と同等の複数日(たとえば5日間)として、この複数日で発生する熱負荷需要を融通しあいながら運転計画するほうが消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0285】


    また、上記条件にない春や秋等の中間期等でも、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率が初期状態機器と経年状態機器では異なるため、その時の機器状態とそのときの負荷状態に合わせた所定期間の設定をすることで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0286】


    そのため、機器の運転効率に応じて前記所定期間を変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。


    【0287】


    そこで、機器の運転効率にかかわる因子として、所定の負荷時(本実施の形態では500Wに設定した)の燃料電池発電装置の消費エネルギー量(原料ガス流量)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその原料ガス流量を初期値と比較し流量が増加している場合は、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0288】


    尚、上述の消費エネルギー計測部は本実施の形態では原料ガス流量を計測したが、たとえば圧力変化、原料ガス供給装置の消費電力量変化等所定出力における原料ガスの必要量を計測できればいいことは言うまでもない。


    【0289】


    [変形例13]


    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、機器停止時の消費エネルギーを用いることも有効であった。


    【0290】


    燃料電池発電装置では停止時も大気電力等のエネルギーを消費する。 そのため消費エネルギーBの算出には、停止時の待機電力も重要な要素となる。 停止時の消費エネルギー量(本変形例では待機電力量を計測した)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその待機電力量を初期値と比較し増加している場合は、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで一定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0291】


    尚、上述の消費エネルギー計測部は機器の停止時に発生する消費エネルギー量を計測できるものならばなんでもよいことは言うまでもない。


    【0292】


    [変形例14]


    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることも有効であった。


    【0293】


    燃料電池発電装置では前述した機器の運転効率や停止時の消費エネルギー量は経年的に変化する。 そのため、機器の累計の運転時間を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する運転時間計測部(リアルタイムクロック)で計測しその値と累計運転時間に応じた機器の経年変化パラメーターを記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にそのときの累計運転時間に対応した経年変化パラメーターを用いて、その値に対応した所定期間を随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことで所定期間を電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0294】


    また、経年変化は短い時間変化に対して機器の状態変化が少ないため、前回までに算出した所定期間における累計運転時間を今回の累計運転時間として、使用することでも同等の結果を得ることが可能であった。


    【0295】


    尚、ここにおける実施の形態8の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。


    【0296】


    また、上記所定期間や機器の運転状態が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。


    【0297】


    (実施の形態9)


    本発明の第9の実施の形態における燃料電池システムは実施の形態1、2、3、4と同様の構成要素に適用を行った。 代表例を実施の形態1に対して適用した例を図1および図8を用いて説明し、その説明を省略する。


    【0298】


    前記実施の形態1に対して、前述の最大運転時間Mhは、使用するエネルギー供給装置の運転状態によって設定することが望ましい。


    【0299】


    つまり、従来の燃料電池発電装置の動作判定では、少しでも消費エネルギー削減量が生じる場合には運転を行う動作判定を指令する。 燃料電池発電システムは前述のように高い出力で運転させるほうが機器効率を高めた運転を行わせることが可能であり、従来の動作判定に基づいた運転では機器効率の比較的低い出力で運転を計画される場合があり、この場合、所定期間内で生じた消費エネルギー削減量の運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量は低い値となることがある。 このため最大運転時間Mhを負荷状況に応じて設定することで、燃料電池発電システムを低い出力での運転を含んだ運転計画から高い出力の運転が多い運転計画に変更することが可能となり、結果として機器の耐久性からくる生涯運転可能時間で生じる消費エネルギー削減量が最大化することが可能となる。


    【0300】


    そこで、所定期間内で運転合計時間が前述の最大運転時間Mhを越えない範囲で運転計画(運転開始時刻と運転停止時刻の組み合わせ)を様々に設定し、その間に予測されるそれぞれの消費エネルギー削減量を算出し、所定期間内で得られる消費エネルギー削減量の合計を所定期間内の運転合計時間で割った、所定期間内の単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量が最大になるような運転計画を設定し、それを燃料電池発電システムに出力することで、その機器が生涯生じさせる消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となった。


    【0301】


    最大運転時間Mhは、電力負荷需要状況や熱負荷需要状況によってそれに見合った長さに設定することで消費エネルギー削減量が大きくなる。


    【0302】


    たとえば、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要に対して、消費エネルギー削減量を最大にする場合、前述の消費エネルギーBを演算する必要がある。 この演算には機器が持つ運転効率(発電効率と熱回収効率)が必要となる。 燃料電池発電装置の場合、この発電効率と熱回収効率は、経時的に変化し、発電効率は低下し、逆に熱回収効率は増加する傾向を有する。 これは燃料電池発電装置内にある水素エネルギーを電力エネルギーに変換する燃料電池(図示せず)の性能に起因するところが大きく、燃料電池の電力変換効率が経時的な内部セル(発電体)の導電率の上昇による電力の抵抗損失増大や触媒の劣化による反応速度低下による起電力低下による電力損失によって生じる。 また、そのほかの代表的な経時的な損失増加要因として発電や熱回収に必要な流体(原料ガスや冷却水等)をシステム内に流すアクチュエーター類(図示はしないがポンプ等)の摩擦損失増加等による電力損失増加がある。 さらに各アクチュエーターを制御する駆動回路部分の部品の劣化による経年劣化があり、電力損失として増加する。 経時的に発電効率が低下した分、電力変換損失は熱損失に変換され、その一部は熱として回収され、熱回収効率は向上する傾向をしめす。 このため、同じ電力負荷予測需要と熱負荷予測需要でも設定するMhの大小によって変化が生じる。


    【0303】


    すなわち、初期発電効率が高く、熱回収効率が低い状態の機器(初期状態機器)に対して発電効率が低く、熱回収効率が高い状態に変化した機器(経年状態機器)では、Mhを所定期間内最大まで等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ってしまうことが発生する。 そのため貯湯ユニットの蓄熱限界に達し、燃料電池発電装置は発電を停止し、蓄熱された熱負荷が蓄熱限界を下回った段階で、再度起動を行うこととなり、機器出力の大きい領域を優先的に運転させることが困難になる。 このときの起動に要するエネルギー損失や小出力領域をできるだけ回避するためには、できるだけ短期間のMhの制約を行うことで、所定期間内の熱負荷需要予測値を満たすよう出力の大きい使用電力予測値の領域を選択的に運転させるように運転動作判定を行い、単位運転時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。


    【0304】


    さらに、電力負荷需要が大幅に増加し且つ熱負荷需要が大きい冬場等は、Mhを1日等にすると、使用電力分をまかなった発電電力に対応する熱負荷が熱負荷需要を上回ることがなく、連続で運転を行っていても貯湯ユニットの蓄熱限界に達しない。 さらに電力負荷需要も大きく出力も大きいため運転において機器効率も高い領域で運転することが可能となる。 このためMhを手低期間よりも大幅に短く設定した場合、消費エネルギー削減量を効率的に生じさせる運転時間が限られることとなり、起動停止に必要となったエネルギー損失の単位運転時間あたりに占める割合が大きくなってしまい、単位運転時間あたりの消費エネルギー削減量を最大化させるには望ましくなく、上記条件の場合には経年状態機器でも初期状態機器と同等のMhは比較的長くすることで単位時間当たりの消費エネルギー削減量を最大化させることが可能となる。


    【0305】


    また、上記条件にない春や秋等の中間期等でも、電力負荷需要、熱負荷需要が燃料電池発電装置の電力/熱出力比率が初期状態機器と経年状態機器では異なるため、その時の機器状態とそのときの負荷状態に合わせたMhの設定をすることで電力負荷需要が小さい期間の運転を運転計画の中から除外することが可能となり、その結果、燃料電池システムの運転出力を大きくすることが可能となり、運転単位時間当たりの消費エネルギー削減量を大きくすることが可能となる。


    【0306】


    そのため、機器の運転効率に応じて前記Mhを変化させることが消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であることがわかる。


    【0307】


    そこで、機器の運転効率にかかわる因子として、所定の負荷時(本変形例では500Wに設定した)の燃料電池発電装置の消費エネルギー量(原料ガス流量)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその原料ガス流量を初期値と比較し流量が増加している場合は、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0308】


    尚、上述の消費エネルギー計測部は本変形例では原料ガス流量を計測したが、たとえば圧力変化、原料ガス供給装置の消費電力量変化等所定出力における原料ガスの必要量を計測できればいいことは言うまでもない。


    【0309】


    [変形例15]


    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、機器停止時の消費エネルギーを用いることも有効であった。


    【0310】


    燃料電池発電装置では停止時も大気電力等のエネルギーを消費する。 そのため消費エネルギーBの算出には、停止時の待機電力も重要な要素となる。 停止時の消費エネルギー量(本変形例では待機電力量を計測した)を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する消費エネルギー量計測部で計測しその値を記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にその待機電力量を初期値と比較し増加している場合は、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0311】


    尚、上述の消費エネルギー計測部は機器の停止時に発生する消費エネルギー量を計測できるものならばなんでもよいことは言うまでもない。


    【0312】


    [変形例16]


    さらに、機器の運転状態にかかわる因子として、エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることも有効であった。


    【0313】


    燃料電池発電装置では前述した機器の運転効率や停止時の消費エネルギー量は経年的に変化する。 そのため、機器の累計の運転時間を図示はしないが燃料電池発電装置内に有する運転時間計測部(リアルタイムクロック)で計測しその値と累計運転時間に応じた機器の経年変化パラメーターを記憶部6aに経時的に記憶する。 運転計画時にそのときの累計運転時間に対応した経年変化パラメーターを用いて、その値に対応したMhを随時設定する構成をとった。 本構成により運転計画を行うことでMhを電力負荷需要や熱負荷需要に対応した期間に随時対応させることが可能となり、消費エネルギー削減量を大きくすることに有効であった。


    【0314】


    また、経年変化は短い時間変化に対して機器の状態変化が少ないため、前回までに算出したMhにおける累計運転時間を今回の累計運転時間として、使用することでも同等の結果を得ることが可能であった。


    【0315】


    尚、ここにおける実施の形態8の説明は前述の実施の形態1に対して行ったが、同様の効果は前述の実施の形態2,3、4に対して適用しても得られることは自明である。


    【0316】


    また、上記Mhや機器の運転状態が現在どのレベルに設定されているか、その状態を環境条件入力手段や機器本体およびその他の信号を介した表示機に表示することで、現在の機器運転状態の把握が可能となり、使用者が機器の運転不具合と間違うことがなくなると共に、その状況に則した生活を心がけることになり、電力負荷予測需要や熱負荷予測需要と実際に使用される電力、熱の負荷に誤差が少なくなり、結果として正確な予測負荷需要に対する運転計画となるため消費エネルギー削減量をより多くする効果が現れた。


    【0317】


    (他の形態)


    上記説明から理解される通り、本発明のエネルギー供給システムは、以下の形態を採り得る。


    【0318】


    本発明のエネルギー供給システムは、所定の運転パターンに基づいて電力及び熱の少なくともいずれか一方の供給を行うエネルギー供給装置において、所定期間に置ける最大運転時間を設定する最大運転時間設定器を備えることを特徴としてもよい。


    【0319】


    このように構成されたエネルギー供給システムによれば、動作保障期間前に運転時間寿命を迎えることなく運転を継続することが可能になる。


    【0320】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記最大運転時間が、一定値であることを特徴としてもよい。


    【0321】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間は予め定められたパターンに応じて変化することを特徴としてもよい。


    【0322】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記所定期間は一定値であることを特徴としてもよい。


    【0323】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記所定期間は予め定められたパターンに応じて変化することを特徴としてもよい。


    【0324】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の運転に伴い環境負荷を演算する環境負荷演算器と、前記エネルギー供給装置の運転を計画する運転計画器とを有し、前記運転計画器は、前記所定の運転パターンによる前記エネルギー供給システムの前記所定期間における運転時間が前記最大運転時間より長い場合には、前記環境負荷が最小値となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。


    【0325】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給装置の単位運転時間当たりのエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記単位運転時間当たりのエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。


    【0326】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は前記所定期間の単位時間当たりのエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記単位時間当たりのエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。


    【0327】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は予め定められた期間のエネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記予め定められた期間のエネルギー削減量が最大となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。


    【0328】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量を演算し、前記運転計画器は、前記エネルギー供給装置のエネルギー消費量が最小となるように前記所定の運転パターン中の前記最大運転時間だけ運転するよう運転を計画することを特徴としてもよい。


    【0329】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記環境負荷演算器は、前記エネルギー供給を行う対象の消費エネルギー削減量を演算し、前記運転計画器は、前記消費エネルギー削減量が最大になるように所定の運転パターンを決定することを特徴としてもよい。


    【0330】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、所定の時刻に起動して、所定の時刻に停止する所定の運転パターンに基づいて運転を行うことを特徴としてもよい。


    【0331】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記エネルギー供給装置は、電力と熱を供給する熱電併給装置であって、熱電併給システムにて発生する熱を蓄える蓄熱器を備え、前記蓄熱器が蓄える熱が最大になるように運転を行うことを特徴としてもよい。


    【0332】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、所定の運転パターンを外部から設定する運転パターン設定器を有することを特徴としてもよい。


    【0333】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、予め定められた条件を満たした場合には最大運転時間を設定しないことを特徴としてもよい。


    【0334】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、暦情報、季節情報、及び外気温の少なくともいずれかの外的情報に基づいて設定される期間であることを特徴としてもよい。


    【0335】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の状態に基づいて設定される期間であることを特徴としてもよい。


    【0336】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の初めて運転から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。


    【0337】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の電源投入などの起動時から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。


    【0338】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置が故障から復帰した時から予め定められた期間であることを特徴としてもよい。


    【0339】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記予め定められた条件とは、前記エネルギー供給装置の運転効率が所定値以上の期間であることを特徴としてもよい。


    【0340】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、前記最大運転時間を環境条件に応じて変化させることを特徴としてもよい。


    【0341】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記所定期間を設定する期間設定器を備え、前記期間設定器は、前記所定期間を環境条件に応じて変化させることを特徴としてもよい。


    【0342】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として、季節情報、暦情報の少なくとも一方を用いることを特徴としてもよい。


    【0343】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として外気温度を用いることを特徴としてもよい。


    【0344】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、環境条件として、市水温度を用いることを特徴としてもよい。


    【0345】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、エネルギー供給装置がエネルギー供給を行う対象のエネルギー消費量を記憶するエネルギー消費記憶器を備え、前記環境条件として、前記エネルギー消費量を用いることを特徴としてもよい。


    【0346】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、外部から環境条件を入力する環境条件入力器を備えることを特徴としてもよい。


    【0347】


    また、本発明のエネルギー供給システムにおいて、前記最大運転時間設定器は、前記最大運転時間を前記エネルギー供給装置の状態に応じて変化させることを特徴としてもよい。


    【0348】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記所定期間を設定する期間設定器を備え、前記期間設定器は、前記所定期間を前記エネルギー供給装置の状態に応じて変化させることを特徴としてもよい。


    【0349】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の運転効率を用いることを特徴としてもよい。


    【0350】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の運転時の消費エネルギーを用いることを特徴としてもよい。


    【0351】


    また、本発明のエネルギー供給システムは、前記エネルギー供給装置の状態として、前記エネルギー供給装置の累計運転時間を用いることを特徴としてもよい。


    【0352】


    また、本発明のエネルギー供給システムは前記エネルギー供給装置の状態として、前回の所定期間におけるエネルギー供給装置の累計運転時間を用いることを特徴としてもよい。


    【0353】


    本発明のエネルギー供給システムにおいて、上述の各実施形態や各変形例に記載した要素や事項は、任意かつ適宜に組み合わせることができる。 それぞれの組合せに応じて、所望の効果が得られることは言うまでもない。


    【0354】


    上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。 従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。 本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。


    【産業上の利用可能性】


    【0355】


    本発明のエネルギー供給システムは、運転計画が立案されるエネルギー供給システムにおいて、実際の運転状況に応じて運転計画を最適化できるエネルギー供給システムとして有用である。


    【符号の説明】


    【0356】


    1 燃料電池コージェネレーションシステム 1a 燃料電池ユニット 1b 貯湯ユニット 2 電力系統 3 電力消費機器 4 電力計 5 熱量計 6 制御装置 6a 記憶器 6b 需要予測器 6c 運転計画器 6d 最大運転時間設定器 6e 期間設定器 7 リモコン

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