熱電併給システムおよびその運転方法

申请号 JP2014131598 申请日 2014-06-26 公开(公告)号 JP5906421B2 公开(公告)日 2016-04-20
申请人 パナソニックIPマネジメント株式会社; 发明人 島田 孝徳; 加藤 玄道; 藤井 正史;
摘要
权利要求

および熱を供給する熱電併給装置と、 前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、 前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、 熱負荷のエネルギー消費量として、前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を算出するエネルギー消費量算出器と、 制御器と、を備え、 前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかが用いられ、 前記エネルギー消費量の上限の目標値として第一消費量が予め設定され、 当該制御器は、前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置の運転を制御するとともに、 前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、 さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御し、 前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第一消費量を超える場合には、前記設定値を最大値に変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御する、 熱電併給システム。さらに、前記エネルギー消費量の下限の目標値として、前記第一消費量よりも小さい値である第二消費量が予め設定され、 前記制御器は、前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第二消費量を下回る場合には、前記熱電併給装置を運転させないように制御する、 請求項1に記載の熱電併給システム。電力および熱を供給する熱電併給装置と、 前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、 前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、 熱負荷のエネルギー消費量として、前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を算出するエネルギー消費量算出器と、 制御器と、を備え、 前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかが用いられ、 前記エネルギー消費量の下限の目標値として第二消費量が予め設定され、 当該制御器は、前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置の運転を制御するとともに、 前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、 さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御し、 前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第二消費量を下回る場合には、前記熱電併給装置を運転させないように制御する、 熱電併給システム。前記蓄熱量の目標範囲としては、当該蓄熱量の上限の目標値である第一熱量が予め設定され、 前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第一熱量を超える値であれば、その後の単位時間において、前記設定値を下降させた上で、前記熱電併給装置の運転を制御する、 請求項1から3のいずれか1項に記載の熱電併給システム。前記蓄熱量の目標範囲としては、さらに、当該蓄熱量の下限の目標値であって、前記第一熱量よりも小さい値である第二熱量が予め設定され、 前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第二熱量を下回る値であれば、その後の単位時間において、前記設定値を上昇させた上で、前記熱電併給装置の運転を制御する、 請求項4に記載の熱電併給システム。前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第一熱量を超えていれば、運転中の熱電併給装置を停止させる、 請求項4に記載の熱電併給システム。前記利用者の熱需要は、前記熱電併給装置が設置される建物の床面積および断熱性能の少なくとも一方に基づいて設定される、 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱電併給システム。前記設定値としては、前記熱電併給装置の発電開始時刻が用いられる、 請求項1から6のいずれか1項に記載の熱電併給システム。電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、を備える熱電併給システムの運転方法であって、 前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかを用い、 前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を、熱負荷のエネルギー消費量として算出し、 前記エネルギー消費量の上限の目標値として第一消費量を予め設定し、 前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置を運転するとともに、 前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、 さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転し、 算出された前記エネルギー消費量が、前記第一消費量を超える場合には、前記設定値を最大値に変更した上で、前記熱電併給装置の運転する、 熱電併給システムの運転方法。電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、を備える熱電併給システムの運転方法であって、 前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかを用い、 前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を、熱負荷のエネルギー消費量として算出し、 前記エネルギー消費量の下限の目標値として第二消費量を予め設定し、 前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置を運転するとともに、 前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、 さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転し、 算出された前記エネルギー消費量が、前記第二消費量を下回る場合には、前記熱電併給装置を運転させないようにする、 熱電併給システムの運転方法。

说明书全文

本発明は、電および熱を発生する熱電併給システムおよびその運転方法に関する。

熱電併給システムは、一般に、燃料電池またはガスエンジン等の発電機関、および蓄熱器等を備えている。熱電併給システムの運転制御においては、利用者に適した運転を行うため、利用者が利用する熱量(説明の便宜上「利用熱量」と称する)を算出することが不可欠である。

蓄熱器からは種々の熱負荷(例えば、給湯装置、暖房装置等)に対して熱エネルギーが供給されるので、蓄熱器から供給される熱量を利用熱量とみなすことができる。そこで、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量を適切に把握することが、利用熱量の算出において重要となる。

例えば、蓄熱器として貯湯ユニットを備えている構成の熱電併給システムでは、通常、利用熱量を算出するため、貯湯ユニットにおいて、タンクを含む回路の複数の個所にサーミスタ等の温度センサおよび流量計等といった計測器を設置している。熱電併給システムは、これら計測器により収集されたデータに基づいて、熱負荷に供給された熱量(利用熱量)を適宜算出する。これにより、利用者による熱量の利用パターン(あるいはエネルギーの利用パターン)を推定することができるので、熱電併給システムは、推定した利用パターンに基づいて利用者に適した運転計画を立案することができる。

例えば、特許文献1には、電力および/または熱等のエネルギー需要を推定して使用コストを評価するに当たって、データ入力を簡素化でき、かつ、評価結果の信憑性を高めることを目的としたエネルギー供給評価システムが提案されている。

このエネルギー供給評価システムは、1日の時間帯別のエネルギー(電力および熱)使用量を推定する推定手段を備えており、この推定手段が、入力される所定データに応じて、エネルギー使用量の推定を行うための演算処理方法を変更するよう構成されている。エネルギー使用量に対して影響度の強い因子を、前記所定データとして入力することで、エネルギー需要傾向に適合したエネルギー供給形態(エネルギーの利用パターン)を出力している。なお、前記所定データとしては、例えば、利用者(エネルギー消費者)のライフスタイルの違いを識別するための情報、あるいは、地理的情報(例えば地域による住宅の断熱性の違い等を考慮した地域に関する情報、気温に関する情報等)等が挙げられる。

また、特許文献2には、簡易な判定ロジックにより比較的少量のデータをもとに、より省エネ性を発揮する運転制御を実現することを目的とした、家庭用コージェネレーションシステムの運転制御システムが提案されている。

この運転制御システムは、まず、電力負荷のサンプリング値について所定時間毎に偏差を算出して記憶する。これら電力負荷および電力負荷偏差は、所定の条件で読み出され、熱電併給装置を負荷追従運転に利用される。そこで、これらに基づいて負荷追従運転が行われているときに、熱電併給装置の発電出力、発電効率、熱回収率、買電量、熱回収量を演算した上で、その起動時刻と停止時刻を仮決めする。そして、仮決めされた運転パターンの消費エネルギー量を演算して、消費エネルギー量が最小となる運転パターンを選定する。

特開2007−219912号公報

特開2005−030211号公報

特許文献1に開示されるエネルギー供給評価システムでは、利用者の家族構成、昼間の在宅の有無、および床面積に関する情報に加えて、エネルギー使用量の実績値等の情報を用いてエネルギー使用量を推定している。この推定のための演算処理方法は、前記所定データに応じて変更されることになる。前記所定データは、利用者のライフスタイルの違い、あるいは、利用者の建物がある地理的情報等であるが、これら情報は広域の統計情報に由来している。つまり、このエネルギー供給評価システムでは、演算処理方法が統計的な情報に基づいて変更されるため、得られるエネルギーの利用パターンは、利用者個人に適した利用パターンとの間で差異が生じるおそれがある。

また、特許文献2に開示される運転制御システムは、電力負荷および電力負荷偏差を利用した演算により運転パターンを仮決めしてから、消費エネルギー量が最少となる運転パターンを選定することになる。そのため、最終的な運転パターンを選定する演算処理にある程度の時間を要することになり、また、演算に伴う記憶容量が大きくなるおそれもある。

さらに、熱電併給システムの中には、蓄熱器における計測機能が十分でないものも存在する。具体的には、例えば、蓄熱器に計測器が全く設けられていなかったり、設けられている計測器の個数が少なかったり、設けられている計測器が簡易型であって収集されるデータが不十分であったりする場合がある。この場合、熱電併給システムは、利用熱量を適切に算出することができないため、利用者に適した運転計画を立てることが困難となる。

例えば、特許文献1および2のいずれにおいても、開示されるシステムは、蓄熱器等が所定の計測器を適切に備えており、これら計測器により十分なデータを収集することにより、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量(利用熱量)を随時正確に測定することが前提となっている。そのため、計測器が適切に設けられておらず、十分なデータを収集できない場合には、適切なエネルギーの利用パターンあるいは最終的な運転パターンを得ることが実質的に困難であった。

本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量を十分に把握できない場合であっても、簡素な演算処理により利用者に適した運転制御を行うことができる熱電併給システムおよびその運転方法を提供することを目的とする。

本発明に係る熱電併給システムは、前記の課題を解決するために、電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、熱負荷のエネルギー消費量として、前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を算出するエネルギー消費量算出器と、制御器と、を備え、前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかが用いられ、前記エネルギー消費量の上限の目標値として第一消費量が予め設定され、当該制御器は、前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置の運転を制御するとともに、前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御し、前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第一消費量を超える場合には、前記設定値を最大値に変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御する構成である。

また、本発明に係る熱電併給システムは、電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、熱負荷のエネルギー消費量として、前記熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を算出するエネルギー消費量算出器と、制御器と、を備え、前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかが用いられ、前記エネルギー消費量の下限の目標値として第二消費量が予め設定され、当該制御器は、前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置の運転を制御するとともに、前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御し、前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第二消費量を下回る場合には、前記熱電併給装置を運転させないように制御する構成であってもよい。

また、本発明には、前記熱電併給システムを運転する運転方法も含まれる。

本発明の上記目的、他の目的、特徴、および利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。

本発明では、以上の構成により、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量を適切に把握できない場合であっても、利用者に適した運転制御を行うことができる熱電併給システムを提供することができる、という効果を奏する。

本発明の実施の形態1に係る熱電併給システムの概略構成の一例を示すブロック図である。

図1に示す熱電併給システムの制御器の具体的構成の一例を示すブロック図である。

図2に示す熱電併給システムの制御器において、熱需要の基準値および制御変数を設定する処理の一例を示すフローチャートである。

図2に示す熱電併給システムの制御器において、制御変数を変更する処理の一例を示すフローチャートである。

図2に示す熱電併給システムの制御器において、検知された蓄熱量が第一熱量を超えていたときに熱電併給装置の運転を停止する処理の一例を示すブロック図である。

図1に示す熱電併給システムにおいて、検知された蓄熱量が第一熱量を超えた場合の発電量および蓄熱量の経時的変化の一例を示すタイムチャートである。

図1に示す熱電併給システムにおいて、検知された蓄熱量が第二熱量を下回った場合の発電量および蓄熱量の経時的変化の一例を示すタイムチャートである。

本発明の実施の形態2に係る熱電併給システムの制御器において、制御変数を設定する処理の一例を示すフローチャートである。

図8に示す処理を行う熱電併給システムにおいて、検知された蓄熱量が第一熱量を超えた場合の発電量および蓄熱量の経時的変化の一例を示すタイムチャートである。

本発明の実施の形態3に係る熱電併給システムにおいて、制御変数が一定期間変化しなかった場合に制御変数を変更する処理の一例を示すフローチャートである。

図10に示す処理を行う熱電併給システムにおいて、制御変数が一定期間変化しなかった場合の発電量および蓄熱量の経時的変化の一例を示すタイムチャートである。

本発明の実施の形態4に係る熱電併給システムの概略構成の一例を示すブロック図である。

図12に示す熱電併給システムの制御器の具体的構成の一例を示すブロック図である。

図12に示す熱電併給システムの制御器において、制御変数を変更する処理の一例を示すフローチャートである。

図14に示す処理を行う熱電併給システムにおける、発電量および蓄熱量の経時的変化の一例を示すタイムチャートである。

本発明に係る熱電併給システムは、電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置により供給される熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内の蓄熱量を検知する熱量検知器と、制御器と、を備え、前記熱電併給装置の運転制御情報として、予め設定されている単位時間毎に設定され、利用者の熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値のいずれかが用いられ、前記設定値は、前記熱電併給装置の熱供給量、発電量、および発電時間の少なくとも何れかで構成され、当該制御器は、前記単位時間毎に、前記設定値を実現するように、前記熱電併給装置の運転を制御するとともに、前記熱電併給装置の停止指令を生成すれば、前記設定値を実現するための前記熱電併給装置の運転を停止し、さらに、先の単位時間において、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が、予め設定されている当該蓄熱量の目標範囲から外れている場合には、その後の単位時間において、前記設定値を変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御する構成である。

前記構成によれば、予め熱需要に応じて階層化された複数のクラスにそれぞれ対応した複数の設定値を設定しておき、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量ではなく、蓄熱器に蓄積されている熱量(蓄熱量)を検知して、前記設定値の変更(再設定)に利用する。これにより、蓄熱器から熱負荷に供給される熱量を十分に把握できない場合であっても、蓄熱量の変化に応じて設定値を変更するだけで、利用者の熱需要に沿って熱電併給装置を運転させることができる。その結果、簡素な演算処理により、利用者に適した運転制御を行うことができる。

前記構成の熱電併給システムにおいては、前記蓄熱量の目標範囲としては、当該蓄熱量の上限の目標値である第一熱量が予め設定され、前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第一熱量を超える値であれば、その後の単位時間において、前記設定値を下降させた上で、前記熱電併給装置の運転を制御する構成であってもよい。

また、前記構成の熱電併給システムにおいては、前記蓄熱量の目標範囲としては、さらに、当該蓄熱量の下限の目標値であって、前記第一熱量よりも小さい値である第二熱量が予め設定され、前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第二熱量を下回る値であれば、その後の単位時間において、前記設定値を上昇させた上で、前記熱電併給装置の運転を制御する、構成であってもよい。

また、前記構成の熱電併給システムにおいては、前記制御器は、前記熱量検知器で検知された蓄熱量が前記第一熱量を超えていれば、運転中の熱電併給装置を停止させる構成であってもよい。

また、前記構成の熱電併給システムにおいては、前記熱電併給装置は、熱負荷のエネルギー消費量として、熱量検知器で検知された蓄熱量の積算値を算出するエネルギー消費量算出器を備え、前記エネルギー消費量の上限の目標値として第一消費量が予め設定され、前記制御器は、前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第一消費量を超える場合には、前記設定値を最大値に変更した上で、前記熱電併給装置の運転を制御する構成であってもよい。

また、前記構成の熱電併給システムにおいては、さらに、前記エネルギー消費量の下限の目標値として、前記第一消費量よりも小さい値である第二消費量が予め設定され、前記制御器は、前記エネルギー消費量算出器で算出されたエネルギー消費量が、前記第二消費量を下回る場合には、前記熱電併給装置を運転させないように制御する構成であってもよい。

また、前記構成の熱電併給システムにおいては、前記利用者の熱需要の基準値は、前記熱電併給装置が設置される建物の床面積および断熱性能の少なくとも一方に基づいて設定される構成であってもよい。

また、前記設定値としては、前記熱電併給装置の発電開始時刻が組み合わせて用いられる構成であってもよい。

以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。

(実施の形態1) [熱電併給システムの構成] まず、本発明の実施の形態1に係る熱電併給システムの具体的な構成の一例について、図1および図2を参照して説明する。

図1に示すように、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aは、熱電併給装置11A、蓄熱器12、熱量検知器13、操作器14、並びに、第一回路15および第二回路16を備えている。

熱電併給装置11Aは、電力および熱を供給するものであれば、その具体的な構成は特に限定されない。本実施の形態では、熱電併給装置11Aとしては、例えば、水素を含む燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電を行う燃料電池、あるいは、可燃性ガスを燃焼させて発電するガスエンジン等が好適に用いられる。

蓄熱器12は、熱電併給装置11Aにより供給される熱を蓄積(蓄熱)するものであれば、その具体的な構成は特に限定されない。本実施の形態では、蓄熱器12としては、熱媒体として水を利用した貯湯タンクを好適に用いることができる。また、図1に示すように、熱電併給装置11Aと蓄熱器12とは、第一回路15および第二回路16により接続されている。

第一回路15および第二回路16は、本実施の形態では、熱電併給装置11Aと蓄熱器12との間で熱媒体(本実施の形態では水)を流通させるための配管であればよい。これらのうち第一回路15は、蓄熱器12内に貯留される熱媒体を熱電併給装置11Aに供給するための配管である。一方、第二回路16は、第一回路15を介して供給された熱媒体を、熱電併給装置11Aから蓄熱器12に循環供給するための配管である。

熱電併給装置11Aは、図示しない熱媒体の循環機構(例えば公知のポンプ等)を備えている。当該循環機構によって第一回路15を介して蓄熱器12内の熱媒体(例えば冷水)が熱電併給装置11Aに供給(入力)されると、当該熱媒体が熱電併給装置11Aで発生した熱を吸収(回収)する。そして、循環機構によって熱電併給装置11Aから、熱を吸収した熱媒体(温水)が蓄熱器12に供給(出力)されると、図示しない熱負荷(例えば、給湯装置、暖房装置等)に対して熱媒体から熱エネルギーが供給されることになる。

熱量検知器13は、蓄熱器12内の蓄熱量を検知する計測器であり、その具体的な構成は特に限定されない。この熱量検知器13は、第一回路15を流れる熱媒体の量および当該熱媒体の温度に基づいて、蓄熱器12内の蓄熱量を推定する構成となっており、検知される蓄熱量は、熱量検知器13の位置により予め決定される。

例えば、本実施の形態では、熱量検知器13は、蓄熱器12には設けられておらず、第一回路15(蓄熱器12から熱電併給装置11Aに熱媒体が入力される個所)に設けられている。蓄熱器12の平均温度が60℃〜65℃のときに蓄熱量が限界であるとすれば、熱量検知器13では検知可能な温度は35℃〜40℃程度となる。

操作器14は、熱電併給システム10Aを操作するための入出力装置であり、さまざまな操作用情報を入力可能としているとともに、操作用の情報を表示(出力)可能としている。操作器14の操作によって熱電併給装置11Aの運転指令が生成され、制御器20Aに出力される。本実施の形態では、操作器14は、有線または無線のリモートコントローラとして構成されており、公知の操作ボタン、操作スイッチ、表示ランプ、表示パネル等を備えている。

熱電併給装置11Aは、図1に示すように、制御器20Aおよび記憶器31を備えており、制御器20Aは、熱量検知器13、および操作器14から入力される情報に基づいて、熱電併給装置11Aの運転を制御する。具体的には、図2に示すように、制御器20Aは、検知熱量比較部21、制御変数設定部22、および運転制御部23を備えている。

検知熱量比較部21は、熱量検知器13で検知される蓄熱量(図2ではQdで示す)を、予め設定されている基準熱量(閾値)と比較し、その比較結果を制御変数設定部22に出力する。また、検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量が基準熱量よりも大きいという比較結果を得た場合には、運転制御部23に停止指令を出力する。

制御変数設定部22は、操作器14からの入力情報、あるいは、検知熱量比較部21からの比較結果等に基づいて、記憶器31に記憶されている種々の情報を参照し、熱電併給装置11Aの運転制御情報の一つである制御変数を設定あるいは変更し、運転制御部23に出力する。運転制御部23は、制御変数設定部22から出力される制御変数(運転制御情報)、記憶器31に記憶されている運転制御情報、操作器14から出力される運転指令、あるいは検知熱量比較部21から出力される停止指令等の情報に基づいて、熱電併給装置11Aの運転制御を行う。

記憶器31は、制御変数設定部22による制御変数の設定に用いられる地理情報および統計情報、並びに、運転制御部23による運転制御に用いられる種々の制御情報等を記憶している。したがって、記憶器31は、少なくとも制御変数設定部22および運転制御部23によって記憶されている情報を読み出し可能となるように構成されている。また、後述するように、制御変数設定部22および運転制御部23は、記憶器31に対して、制御に伴って生成した種々の情報を書き込み可能となるようにも構成されている。それゆえ、図2では、記憶器31と制御変数設定部22とは双方向の矢印で結んで図示しており、記憶器31と運転制御部23とも双方向の矢印で結んで図示している。

制御器20Aの具体的な構成は特に限定されず、CPU等の演算装置が、記憶器31に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される機能構成であってもよいし、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路等として構成されてもよい。また、記憶器31は、公知の記憶素子および/または記憶装置等から構成されていればよく、熱電併給装置11Aに内蔵される記憶装置であってもよいし、外付けされる記憶装置であってもよいし、その両方であってもよい。内蔵型の記憶装置としては、例えば、EEPROM、ハードディスク等を挙げることができる。

さらに、制御器20Aは、本実施の形態では、検知熱量比較部21、制御変数設定部22、および運転制御部23を備えているが、制御器20Aの具体的構成は、図2に示す構成に限定されず、公知の他の構成を含んでもよいし、一部の構成を有していなくてもよい。

[制御変数およびその初期設定処理] 次に、前記構成の熱電併給システム10Aにおいて、制御変数設定部22により設定される制御変数と、この制御変数を熱需要の基準値とともに初期設定する処理について、図3を参照して具体的に説明する。

本実施の形態における制御変数は、前述した通り熱電併給装置11Aの運転制御情報の一つであり、利用者の熱需要(の大きさ)に応じた変数として定義される。このような制御変数としては、具体的には、例えば、熱供給量、発電量、および発電時間の少なくとも一つが挙げられるが、特に限定されない。これら制御変数は、予め設定されている単位時間毎に設定される変数である。

単位時間は、熱電併給装置11Aの運転を制御する上で設定される所定の時間(期間)であって、熱電併給装置11Aの運転を繰り返す際の区切りとなる期間として設定される。一般に、熱および電力の需要は1日単位のサイクルで繰り返されることが多いので、本実施の形態では、単位時間は1日(24時間)が設定される。もちろん単位時間は1日に限定されず、熱電併給装置11Aの運転制御の上で好ましい期間であれば、例えば1週間、十日、1ヶ月、あるいは季節ごとであってもよい。

本実施の形態で用いられる制御変数である熱供給量、発電量、および発電時間は、いずれも単位時間当たりの変数であり、熱電併給装置11Aが設置されている建物の熱需要(建物の利用者が必要な熱量)から推定することができる。

例えば、熱供給量は、熱需要に基づいて、単位時間当たりに必要とされる熱量として推定することができる。また、発電量は、熱電併給装置11Aの発電性能から、単位時間当たりの熱供給量を供給できる電力量として推定することができる。また、発電時間は、熱電併給装置11Aの発電性能から、単位時間当たりの熱供給量または発電量を実現できる、熱電併給装置11Aの稼動時間(運転時間)として推定することができる。

さらに本実施の形態では、制御変数として、前述した熱供給量、発電量、および発電時間の少なくともいずれか一つに加えて、発電開始時刻を組み合わせて用いてもよい。制御変数としてさらに発電開始時刻を用いることで、熱需要のピークに合わせて単位時間内における熱電併給装置11Aの稼動時間帯を設定することができる。

熱供給量、発電量、または発電時間という制御変数は、単位時間内で熱電併給装置11Aによって実現される絶対値である。したがって、熱電併給装置11Aの運転制御には、このような制御変数を少なくとも用いれば、単位時間内の熱需要に応じた熱供給または電力供給を実現することができる。ここで、単位時間内には、熱または電力があまり必要でない時間帯(低熱需要の時間帯)と、熱または電力を多く必要とする時間帯(高熱需要の時間帯)とが含まれる。それゆえ、発電開始時刻という制御変数をさらに用いることで、単位時間内において、高熱需要の時間帯に合わせて熱電併給装置11Aを稼動させることが可能となる。

発電開始時刻は、必要な熱量(熱供給量)、発電量または発電時間に基づいて、高熱需要の時間帯が開始する時刻(熱需要が高くなり始める時刻)から逆算することにより推定することができる。また、高熱需要の時間帯(あるいは熱需要が高くなり始める時刻)は、熱需要の統計情報から推定することができる。

なお、発電開始時刻は、熱需要に応じた制御変数ではないので、熱供給量、発電量、発電時間等の制御変数とは異なり、後述するような、蓄熱量の検知による単独での変更処理は行われず、他の制御変数の変更に合わせて適宜変更される。そこで、本実施の形態では、このような制御変数を、説明の便宜上「補助制御変数」と称するが、本実施の形態において広義の「制御変数」には、熱供給量、発電量、発電時間等の狭義の「制御変数」(熱需要に応じた制御変数)だけでなく、発電開始時刻等の補助制御変数も含まれるものとする。

この補助制御変数としては、発電開始時刻以外に、例えば、前述した高熱需要または低熱需要の時間帯も用いることができる。これら時間帯は、例えば、発電時間と組み合わせることで熱需要のピークと発電時間を合せたり、熱需要が少ない時間帯を外して発電時間を設定したりすることができるため、補助制御変数として利用可能である。もちろん、補助制御変数としては、発電開始時刻、熱需要の時間帯等に限定されず、他の変数を用いることもできる。

ここで、前述した説明から明らかなように、制御変数は、少なくとも熱需要が判明していれば推定可能である。この熱需要は、熱電併給装置11Aが設置されている建物の断熱性能および床面積から統計的に推定することができる。したがって、本実施の形態では、まず、熱電併給装置11Aの制御器20Aに対して断熱性能および床面積を入力して、これら情報に基づいて、熱需要について基準値(断熱性能および床面積に基づくモデル値)を設定する。また、熱需要の基準値が設定されることで、当該基準値に合わせて制御変数も、その初期値を設定する(初期設定する)ことができる。

この熱需要の基準値および制御変数の初期設定処理は、図3に示すように、本実施の形態では3ステップから構成されている。まず、熱電併給システム10Aは、操作器14を備えているので、制御器20Aが初期設定処理を開始すると、操作器14から情報の入力が可能になる。そこで、利用者(あるいは、熱電併給システム10Aの設置者もしくはメンテナンス担当者)は、操作器14から、当該熱電併給システム10Aが設置される建物の地理情報および床面積を入力する(ステップS101)。これら情報は、図2に示すように制御器20Aの制御変数設定部22に出力される。

制御変数設定部22は、記憶器31に記憶されている地理情報を参照して、操作器14から入力された地理情報を照合し、建物の断熱性能を決定するとともに、この断熱性能と入力された床面積とから熱需要の基準値を設定する(ステップS102)。

建物の地理情報は、当該建物の断熱性能を決定するための情報として用いられる。すなわち、建物の所在地(地理情報)が明らかになれば、その地域の気候、平均温度、温度変化等が特定されるので、当該建物に施す断熱性能も明らかとなるためである。それゆえ、建物の熱需要は、当該建物の断熱性能と床面積とから統計的に推定することができる。したがって、制御変数設定部22は、地理情報および床面積から、熱需要の基準値を設定することができる。

なお、例えば建物が標準的な住宅である場合には、床面積は所定の範囲内に入ると見なすことができるので、この場合、制御変数設定部22は、断熱性能(地理情報)のみから熱需要の基準値を設定することができる。あるいは、熱電併給システム10Aを設置する対象地域が、概ね同様の気候条件を有する場合には、建物は、所在地(地理情報)に関係なく、ほぼ同様の断熱性能を有していると見なすことができる。この場合には、制御変数設定部22は、床面積のみから熱需要の基準値を設定することができる。したがって、本実施の形態においては、熱需要の基準値は、断熱性能および床面積の少なくとも一方に基づいて設定されればよい。

ここで、熱需要の基準値は、地理情報および床面積の入力に伴って制御変数設定部22により算出されてもよいが、例えば、次の表1に示すように、地理情報(断熱性能)と床面積との対比表として予め複数のクラスに分類されて記憶器31に記憶されていてもよい。

この場合、熱需要の基準値は、下記のA〜Fの各クラスに応じて設定されることになるので、表1のテーブルは、熱需要の基準値のルックアップテーブル(LUT)として用いることができる。制御変数設定部22は、入力の度に基準値を算出するのではなく、LUTから該当するクラスを読み出し、そのクラスに設定されている基準値を読み出せばよいので、より迅速な基準値の設定が可能となる。

表1に示す例では、地理情報はXおよびYの2地域であり、これら地域に所在する建物に対しては、それぞれ断熱性能xまたはyが設定されている。さらに床面積はi〜iiiの3段階に区分されているので、熱需要は、A〜Fの6つのクラスに階層化され、各クラスに基準値が設定されている(後述の表2参照)。

熱需要の基準値が設定されれば、制御変数設定部22は、当該基準値に基づいて、制御変数を設定する。本実施の形態では、制御変数として、発電時間および発電開始時刻(補助制御変数)を併用するので、制御変数設定部22は、熱需要の基準値から発電時間および発電開始時刻の具体的な値(設定値)を設定すればよい(ステップS103)。

本実施の形態では、制御変数である発電時間および発電開始時刻も、熱需要のクラスおよび基準値と同様にLUTとしてまとめられて記憶器31に記憶されていればよい。熱需要は、表1に示すようにA〜Fの6つのクラスとして設定されているので、発電時間および発電開始時刻は、次の表2に示すように、これら6つのクラスにそれぞれ対応した設定値として設定されていればよい。この場合、制御変数設定部22は、記憶器31のLUTから、熱需要の基準値に該当する発電時間および発電開始時刻を読み出すことにより、これら制御変数を設定することになる。

このように、制御変数設定部22は、入力された地理情報および床面積から熱需要の基準値を設定し、この基準値に応じて制御変数である発電時間および発電開始時刻を設定する。これにより、熱需要の基準値および制御変数の初期設定処理が終了する。初期設定された制御変数は、図2に示すように、制御変数設定部22から運転制御部23に出力され、運転制御部23は、制御変数に基づいて熱電併給装置11Aを運転制御することになる。

なお、図3に示す熱需要の基準値および制御変数の初期設定処理は、本実施の形態では必須の処理ではない。例えば、利用者(あるいは設置者、メンテナンス担当者)は、操作器14から地理情報および床面積を入力するのではなく、熱需要のクラスA〜Fのいずれかを直接入力してもよいし、熱需要の基準値(表2の50〜100MJ)を直接入力してもよい。また、熱需要のクラスまたは基準値は、制御器20Aにおいて初期設定されており、必要に応じて操作器14からの入力により変更(再設定)されてもよい。

[制御変数の変更処理および運転停止処理] 本実施の形態に係る熱電併給システム10Aは、その運転制御に際して、前述したように初期設定された制御変数を、蓄熱器12の蓄熱量に応じて変更(再設定)する構成となっている。この点について、図4を参照して具体的に説明する。

この制御変数の変更処理は、図4に示すように、本実施の形態では6ステップから構成されている。制御器20A(運転制御部23)による熱電併給装置11Aの運転制御が行われている間、熱量検知器13は、所定周期で蓄熱器12の蓄熱量を検知して制御器20Aに出力する。そこで、制御器20Aが変更処理を開始すると、検知熱量比較部21は、熱量検知器13が蓄熱量Qdを検知したか否かを判定する(ステップS111)。検知していなければこの判定を繰り返し(ステップS111でNO)、検知していれば(ステップS111でYES)、検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdを、予め設定されている基準熱量である第一熱量Q1と比較する(ステップS112)。

この第一熱量Q1は、蓄熱器12の蓄熱量の上限の目標値として設定される閾値であり、蓄熱器12に蓄積されている熱量(検知された蓄熱量Qd)が多すぎるか否かを判定するための基準値となっている。なお、この第一熱量Q1は、熱電併給システム10Aの運転制御上の上限値であって、蓄熱器12の蓄熱量の上限の限界値を指すものではない。したがって、第一熱量Q1の具体的な値は、熱電併給システム10Aの具体的な構成あるいは使用環境等の条件に応じて、適宜設定することができる。

検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1よりも大きい(Q1

ここで、本実施の形態では、熱需要は、表1に示すようにA〜Fの6つのクラスに階層化され、制御変数である発電時間および発電開始時刻は、表2に示すように、熱需要の基準値とともに6つの熱需要のクラスに対応するように設定されている。それゆえ、熱需要のクラスを初期のクラスから例えば1クラス下げることで、発電時間が減少(短縮)する。また、発電時間の減少に伴って補助制御変数である発電開始時刻も適宜設定される。

一方、検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1よりも小さい(Q1>Qd)と判定すれば(ステップS112でNO)、さらに検知された蓄熱量Qdを、もう一つの基準熱量である第二熱量Q2と比較する(ステップS114)。この第二熱量Q2は、蓄熱器12の蓄熱量の下限の目標値として設定されているので、第一熱量Q1よりも小さい値となる。第二熱量Q2は、蓄熱器12に蓄積されている熱量(検知された蓄熱量Qd)が少なすぎるか否かを判定するための基準値(閾値)となっており、第一熱量Q1と同様に、蓄熱器12の蓄熱量の下限の限界値を指すものではない。したがって、第二熱量Q2の具体的な値も、熱電併給システム10Aの具体的な構成あるいは使用環境等の条件に応じて、適宜設定することができる。

検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2よりも小さい(Q2>Qd)と判定すれば(ステップS114でYES)、その比較結果を制御変数設定部22に出力する。制御変数設定部22では、熱需要の基準値を上げることにより、対応する制御変数を設定値から上昇させる(ステップS115)。つまり、Q2>Qdであれば、蓄熱器12に蓄積されている熱量は制御上少なすぎることを意味するので、熱電併給システム10Aの熱供給(および電力供給)は、利用者の熱需要を十分に満たしていないと見なされる。それゆえ、熱需要の基準値を上げて制御変数を上昇させる(発電時間を増加させるとともに発電開始時間を早くする)ことにより、熱電併給システム10Aによる熱供給(および電力供給)を促進させることができる。

一方、検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2よりも大きい(Q2

Qd>Q2)。つまり、Q1>Qd>Q2という比較結果は、熱電併給システム10Aの熱供給(および電力供給)が好適な範囲内にあることを意味する。そこで、制御変数設定部22は、熱需要の基準値を変えることなく維持するので、制御変数である発電時間および発電開始時刻も維持される(ステップS116)。

そして、制御変数設定部22は、制御変数を変更するか(ステップS113,S115)または変更せずに維持することを決定すれば(ステップS116)、この制御変数の変更処理を終了する。

なお、熱量検知器13は、前述したように、第一回路15を流れる熱媒体の量および温度に基づいて、蓄熱器12内の蓄熱量を推定する構成である。そのため、例えば、第一回路15を流れる熱媒体が水道水から直接供給されるような常温の水である場合には、蓄熱器12内に熱が蓄積されていたとしても、常温の水の温度を測定してしまう。したがって、熱量検知器13は、実際に蓄熱器12に蓄積されている熱量よりもかなり小さい熱量を推定する可能性がある。

この場合、ステップS114の判定(蓄熱量Qdが第二熱量Q2より小さいか否か)が適切に行われないおそれがある。そこで、本実施の形態では、蓄熱器12に対して、図示しないサーミスタ等の温度センサを、第一回路15に設けられている熱量検知器13とは別に設けてもよい。つまり、蓄熱量Qdが第二熱量Q2より小さいか否かを検知することを目的とした温度センサを蓄熱器12に対して配置してもよい。第二熱量Q2以上か否かを検知するために設けられる当該温度センサも、第一回路15に設けられている熱量検知器13と同様に「熱量検知器」として機能する。

蓄熱器12に温度センサが少数(例えば1個〜3個、好ましくは1個)設けられている場合、一般的な蓄熱器(例えば温度センサが5〜7個ほど配置される)に比べて個数が少ないことになるため、蓄熱器12から熱負荷に供給される熱量を十分に把握できない。しかしながら、少数の温度センサであっても、その出力から、制御器20Aは蓄熱器12に蓄積されている熱量が第二熱量Q2よりも小さいことを判定することができる。

一方、この場合においても、蓄熱器12に対して設けられた温度センサでは蓄熱器12に第一熱量Q1以上蓄熱されているかどうかを検知することは難しい。なぜなら、第一熱量Q1は、前述した通り熱電併給システム10Aの運転制御上の上限値であるためである。つまり、第一熱量Q1は、蓄熱器12に熱がほぼ上限値まで蓄熱されている状態の熱量であるので、第一熱量Q1以上か否かを検知するための温度センサは、第二熱量Q2以上か否かを検知するための温度センサとは、全く異なる位置に配置されることになる。

具体的には、例えば蓄熱器12が貯湯タンクである場合には、当該貯湯タンクの上部からお湯が蓄積される。それゆえ、第一熱量Q1を測定するためには貯湯タンクの最下部に温度センサを配置し、第二熱量Q2を測定するためには貯湯のタンクの上部に温度センサを配置する必要がある。

もちろん、第二熱量Q2の大きさ、熱量検知器13の推定能力、制御器20Aによる判定能力、水道水を供給するための構成、蓄熱器12の一例である貯湯タンクの構成等によっては、蓄熱器12に設けられる温度センサが無くても、熱量検知器13のみでステップS114の判定を行うことが可能である。また、温度センサの蓄熱器12の設置位置は特に限定されず、蓄熱器12の具体的な種類等に応じて公知の位置に設置することができる。

ここで、図4に示す制御変数の変更処理(説明の便宜上「制御変数の第一変更処理」と称する)は、熱電併給装置11Aの運転中、所定周期で行われる。この所定周期は、本実施の形態では、熱量検知器13による蓄熱量の検知の周期に合わせて例えば1分毎に設定されているが、もちろんこれに限定されない。熱需要に合わせて制御変数を変更したり維持したりできるのであれば、第一変更処理はより長い周期で行われてもよいし、より短い周期で行われてもよい。

また、図4に示す第一変更処理は、周期的に行われる場合に限定されない。例えば、単位時間内において第一熱量Q1を超えたり第二熱量Q2を下回ったりした回数(蓄熱量不適の回数)を記憶器31に記憶させ、蓄熱量不適の回数が単位時間内に所定回数以上であれば、制御変数設定部22が制御変数を変更するよう構成してもよい。このときの所定回数は1回以上であればよく、熱電併給システム10Aの具体的な構成あるいは使用環境等の条件に応じて、適宜設定することができる。

このように本実施の形態では、予め熱需要に応じた制御変数を設定しておき、蓄熱器12から熱負荷に供給される熱量ではなく、蓄熱器12に蓄積されている熱量(蓄熱量)を検知して、制御変数の変更(再設定)に利用している。これにより、蓄熱器12から熱負荷に供給される熱量を十分に把握できない場合であっても、蓄熱量の変化に応じて制御変数を変更するだけで、利用者の熱需要に沿って熱電併給装置11Aを運転させることができる。その結果、簡素な演算処理により、熱電併給システム10Aが設けられる建物に適した発電量で、熱電併給装置11Aの運転を制御することができる。

さらに本実施の形態では、制御器20Aは、図4に示す制御変数の第一変更処理と並行して、検知された蓄熱量Qdに応じて熱電併給装置11Aを停止する運転停止処理も行う。この運転停止処理について図5を参照して具体的に説明する。

熱電併給システム10Aにおいては、蓄熱器12の蓄熱量が限界を超えると、システムそのものに不具合が生じるおそれがある。そこで、本実施の形態では、例えば第一熱量Q1を限界の蓄熱量の目安として、熱電併給装置11Aを停止する運転停止処理を行うことが好ましい。

この運転停止処理は、図5に示すように、本実施の形態では3ステップから構成されている。制御器20Aは運転停止処理を開始すると、検知熱量比較部21は、熱量検知器13が蓄熱量Qdを検知したか否かを判定する(ステップS121)。検知していなければこの判定を繰り返し(ステップS121でNO)、検知していれば(ステップS121でYES)、検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdを、予め設定されている基準熱量である第一熱量Q1と比較する(ステップS122)。この比較までは、図4に示す第一変更処理と同様である。

検知熱量比較部21は、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1よりも小さければ(ステップS122でNO)、運転停止処理を終了するが、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1よりも大きければ(ステップS122でYES)、運転制御部23に対して運転の停止指令を出力する(ステップS123)。運転制御部23は、停止指令を受けて熱電併給装置11Aの運転を停止し、運転停止処理が終了する。

この運転停止処理は、制御変数の第一変更処理と同様に、熱電併給装置11Aの運転中、所定周期で行われる。この所定周期は前記の通り1分毎であればよいが、もちろんこれに限定されない。

このように、蓄熱量の上限の目標値である第一熱量Q1を基準として、運転停止処理を行うことにより、例えば蓄熱器12に計測器を設けることができない場合であっても、熱電併給装置11Aの発電により蓄熱器12に蓄積可能な蓄熱量の限界に達したか否かを判断することができる。そして、蓄熱量の限界に達していれば、操作器14等による操作指令によらず、熱電併給装置11Aを停止することができる。

[熱電併給システムの運転制御処理] 次に、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aの運転制御処理の一例について、図1ないし図4に加えて、図6および図7を参照して具体的に説明する。

図6および図7は、熱電併給システム10Aの発電量および蓄熱量の経時的変化を示すタイムチャートである。このうち図6は、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた場合のタイムチャートを示し、図7は、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2を下回った場合のタイムチャートを示す。

図6および図7の太線Pは、熱電併給システム10Aの実際の発電量の経時的変化を示し、細線Qdは、熱量検知器13により検知された蓄熱量の経時的変化を示す。また、図6および図7の例では、単位時間は1日(24時間)であり、単位時間の開始時刻を図中T0で示す。つまり、時刻T0で単位時間(1日)が変わるので、時刻T0より前の期間が前回の単位時間(前日)となり、時刻T0より後の期間が現在の単位時間(本日)となる。

また、図6および図7では発電時間を「L」で示すとともに、図6および図7を説明するにあたって、「制御変数としての発電時間」と「実際の発電時間の長さ」とを明確に区別する便宜上、以下の説明では、前記「L」を利用して、例えば「(制御変数としての)発電時間L=(実際の発電時間の長さ)H2」等と表記する。同様に、時間経過を表す上での「時刻」と「発電開始時刻」とを明確に区別する便宜上、単なる「時刻」を「Tc」で表記し、例えば、「時刻Tc=T0」あるいは「時刻Tc=発電開始時刻T2」等と表記する。

まず図6に示す例について説明する。例えば、操作器14から地理情報として「Y地域」(表1参照)が入力され、床面積として「床面積i」(表1参照)が入力されたとすると(図3のステップS101)、制御変数設定部22は、記憶器31に記憶されている熱需要のLUT(表1)から、熱需要の基準値としてクラスBに設定される値(90MJ)を読み出して設定する(図3のステップS102)。また、記憶器31には、制御変数のLUT(表2)も記憶されているので、制御変数設定部22は、記憶器31からクラスBの熱需要(90MJ)に対応する発電時間L=H2と発電開始時刻T2とを読み出して制御変数として設定し、運転制御部23に出力する(図3のステップS103)。

運転制御部23は、発電時間L=H2および時刻Tc=発電開始時刻T2に基づいて熱電併給システム10A(熱電併給装置11A)の運転の制御を行う。したがって、図6に示すように、熱電併給装置11Aは、時刻Tc=T2に発電を開始するので、制御変数である発電時間の変更がなければ、熱電併給装置11Aは、発電時間L=H2の間、定格電力750Wの発電を継続することになる。また、第一回路15および第二回路16を熱媒体が流通することで、熱電併給装置11Aで発生した熱は蓄熱器12に蓄積される(図1参照)。

熱電併給システム10Aの運転中、熱量検知器13は、周期的(例えば1分毎)に蓄熱器12の蓄熱量を検知し、その検知結果(検知された蓄熱量Qd)を制御器20Aの検知熱量比較部21に出力する(図2参照、図4のステップS111および図5のステップS121)。ここで、図6に示すように、例えば時刻Tc=t1(発電時間L=H2の途中)において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた比較結果が得られたとする(図4のステップS112および図5のステップS122)。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスBからクラスCに下げる。これにより、熱需要の基準値も下がる(90MJから80MJに下がる)ので、制御変数である発電時間はL=H2からL=H3に短縮されるとともに、この発電時間の短縮に伴って発電開始時刻はTc=T2からTc=T3に変更される(図4のステップS112)。

したがって、図6に示す例では、最初の単位時間(1日目)において発電時間L=H2の途中で、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えたので、運転制御部23は熱電併給装置11Aの運転を停止させる(図5のステップS123)。それゆえ、図6の発電量はP=0Wとなる。その後、次の単位時間(2日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T3から熱電併給装置11Aの運転を開始させ、その後、発電時間L=H3が経過するまで運転を継続させる制御を行う。

ここで、図6に示すように、例えば時刻Tc=t2(発電時間L=H3の途中)において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた比較結果が再び得られたとする(図4のステップS112および図5のステップS122)。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスCからさらにクラスDに下げる。これにより、熱需要の基準値も下がる(80MJから70MJに下がる)ので、制御変数である発電時間はL=H3からL=H4に短縮されるとともに、この発電時間の短縮に伴って発電開始時刻はTc=T3からTc=T4に変更される(図4のステップS113)。

したがって、図6に示す例では、次の単位時間(2日目)において発電時間L=H3の途中で、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えたので、運転制御部23は熱電併給装置11Aの運転を停止させる(図4のステップS123)。それゆえ、図6の発電量はP=0Wとなる。その後、次の単位時間(3日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T4から熱電併給装置11Aの運転を開始させ、その後、発電時間L=H4が経過するまで運転を継続させる制御を行う。

図6に示す例では、3日目において検知された蓄熱量Qdは第一熱量Q1を超えることがなかったので、熱電併給システム10Aの運転状態は、利用者の熱需要(エネルギー消費量)に近い熱供給を行う状態であるといえる。したがって、制御変数設定部22は制御変数である発電時間と発電開始時刻とを変更させずにそのまま維持する。それゆえ、運転制御部23は、発電時間L=H4が経過するまで、すなわち図6に示す時刻Tc=t3に達するまで運転を継続することになる。

次に図7に示す例について説明する。例えば、操作器14から地理情報として「Y地域」(表1参照)が入力され、床面積として「床面積iii」(表1参照)が入力されたとすると(図3のステップS101)、制御変数設定部22は、記憶器31に記憶されている熱需要のLUT(表1)から、熱需要の基準値としてクラスFに設定される値(50MJ)を読み出して設定する(図3のステップS102)。その後、制御変数設定部22は、記憶器31からクラスFの熱需要(50MJ)に対応する発電時間L=H6と発電開始時刻T6とを読み出して制御変数として設定し、運転制御部23に出力する(図3のステップS103)。

図7に示すように、運転制御部23により、熱電併給装置11Aは、時刻Tc=T6に発電を開始し、発電時間L=H6の間、定格電力750Wの発電を継続する。その後、発電時間L=H6が経過して熱電併給装置11Aが停止し、発電量P=0Wとなる。ここで、熱電併給装置11Aが停止中であっても、熱量検知器13は、周期的に蓄熱器12の蓄熱量を検知し、その検知結果(検知された蓄熱量Qd)を制御器20Aの検知熱量比較部21に出力する(図2参照)。

そして、例えば、発電が停止中の状態である時刻Tc=t4において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2を下回った比較結果が得られたとする(図4のステップS114)。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスFからクラスEに上げる。これにより、熱需要の基準値も上がる(50MJから60MJに上がる)ので、制御変数である発電時間はL=H6からL=H5に延長されるとともに、この発電時間の延長に伴って発電開始時刻はTc=T6からTc=T5に変更される(図4のステップS115)。

したがって、図7に示す例では、最初の単位時間(1日目)において発電時間L=H6が経過した後(熱電併給装置11Aの停止中)に、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2を下回ったことになる。それゆえ、次の単位時間(2日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T5から熱電併給装置11Aの運転を開始させ、その後、発電時間L=H5が経過するまで運転を継続させる制御を行う。

さらに、図7に示すように、発電時間L=H5が経過した後で、単位時間の終了間際の時刻Tc=t5において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた比較結果が再び得られたとする(図4のステップS114)。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスEからさらにクラスDに上げる。これにより、熱需要の基準値も上がる(60MJから70MJに上がる)ので、制御変数である発電時間はL=H5からL=H4に延長されるとともに、この発電時間の延長に伴って発電開始時刻はTc=T5からTc=T4に変更される(図4のステップS115)。

したがって、図7に示す例では、次の単位時間(2日目)において発電時間L=H5が経過して単位時間が終了する(2日目が終わる)少し前に、検知された蓄熱量Qdが第二熱量Q2を超えたことになる。それゆえ、次の単位時間(3日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T4から熱電併給装置11Aの運転を開始させ、その後、発電時間L=H4が経過するまで運転を継続させる制御を行う。

図7に示す例でも、3日目において検知された蓄熱量Qdは第二熱量Q2を下回ることがなかったので、熱電併給システム10Aの運転状態は、利用者の熱需要(エネルギー消費量)に近い熱供給を行う状態であるといえる。したがって、制御変数設定部22は制御変数である発電時間と発電開始時刻とを変更させずにそのまま維持する。それゆえ、運転制御部23は、発電時間L=H4が経過するまで、すなわち図7に示す時刻Tc=t6に達するまで運転を継続することになる。

このように本実施の形態によれば、地理情報および床面積から熱需要(エネルギー消費量)の基準値を設定し、この熱需要よりも実際の熱消費(エネルギー消費)が低いか高いかを判定し、その判定結果に基づいて、制御変数(本実施の形態では発電時間と発電開始時刻)を変更(再設定)している。

これにより、実際の熱消費が低い場合に消費されずに余った熱量が蓄熱器12に必要以上に蓄積されることが回避され、また、実際の熱消費が高い場合には、熱電併給装置11Aを運転させて足りない熱量を蓄熱器12に補充させる。それゆえ、本実施の形態によれば、蓄熱器12における計測性能が十分でなく、熱負荷の熱消費量を正確に把握することができない場合であっても、熱電併給システム10Aは、演算時間の長時間化または記憶容量の増大を抑えて、簡素な演算処理により、利用者の熱需要に近い運転を実現することができる。

また、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aは、単位時間(例えば1日)に1回の起動または停止を行うように運転の制御が行われるが、このような制限のある運転であっても、熱電併給システム10Aのエネルギー効率を向上することが可能となる。

さらに、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aは、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えていれば、熱電併給装置11Aを停止するが、これにより、蓄熱器12に温度センサ等の計測器を配置できない場合であっても、検知された蓄熱量Qdを基準として、熱電併給装置11Aの運転により蓄熱器12に蓄積できる蓄熱量の限界に達しそうであるか否かを判定して、熱電併給装置11Aを停止することができる。それゆえ、熱電併給システム10Aの信頼性を向上することができる。

(実施の形態2) 本発明の実施の形態2では、基本的に、前記実施の形態1に係る熱電併給システム10Aと同様の構成のものが用いられるが、制御変数として発電時間ではなく発電量を用いている点が異なっている。なお、補助制御変数としては前記実施の形態1と同様に発電開始時刻が用いられる。また、熱電併給システム10Aの具体的構成については前記実施の形態1で説明済みであるので、本実施の形態ではその説明は省略する。

[制御変数およびその初期設定処理] まず、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aにおいて、制御変数設定部22で行われる熱需要の基準値および制御変数の初期設定処理について、図8(および図2)を参照して説明する。

この設定処理は、図8に示すように、前記実施の形態1と同様に3ステップから構成されている。まず、熱電併給システム10Aは、操作器14を備えているので、制御器20Aが初期設定処理を開始すると、利用者(あるいは、熱電併給システム10Aの設置者もしくはメンテナンス担当者)は、操作器14から、当該熱電併給システム10Aが設置される建物の地理情報および床面積を入力する(ステップS201)。これら情報は、制御器20Aの制御変数設定部22に出力される(図2参照)。

制御変数設定部22は、記憶器31に記憶されている地理情報を参照して、操作器14から入力された地理情報を照合し、建物の断熱性能を決定するとともに、この断熱性能と入力された床面積とから熱需要の基準値を設定する(ステップS202)。

熱需要の基準値が設定されれば、制御変数設定部22は、当該基準値に基づいて、制御変数を設定する。本実施の形態では、制御変数(広義)として、発電量(狭義の制御変数)および発電開始時刻(補助制御変数)を併用するので、制御変数設定部22は、熱需要の基準値から発電量および発電開始時刻の具体的な値(設定値)を設定し(ステップS203)、初期設定処理を終了する。

なお、本実施の形態においても、制御変数である発電量および発電開始時刻もLUTとしてまとめられて記憶器31に記憶されていればよい。熱需要は、前記実施の形態1において表1に示したように、A〜Fの6つのクラスとして設定されている。そこで、次の表3に示すように、発電量および発電開始時刻は、熱需要の基準値とともに、これら6つのクラスにそれぞれ対応した設定値として設定されていればよい。この場合、制御変数設定部22は、記憶器31のLUTから、熱需要の基準値に該当する発電量および発電開始時刻を読み出すことにより、これら制御変数を設定することになる。

このように、制御変数設定部22は、入力された地理情報および床面積から熱需要の基準値を設定し、この基準値に応じて制御変数である発電量および発電開始時刻を設定する。これにより、制御変数の初期設定処理が終了する。初期設定された制御変数は、制御変数設定部22から運転制御部23に出力され、運転制御部23は、制御変数に基づいて熱電併給装置11Aを運転制御することになる(図2参照)。

[熱電併給システムの運転制御処理] 次に、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aの運転制御処理の一例について、図9(および図1、図2)を参照して具体的に説明する。図9は、熱電併給システム10Aの発電量および蓄熱量の経時的変化を示すタイムチャートである。また、図9の太線P、細線Qd、時刻T0、および時間Lについては、いずれも図6および図7のタイムチャートと同様であるので、その説明は省略する。

単なる「時刻」を「Tc」で表記する点も前記実施の形態1と同様であるが、本実施の形態では、制御変数が発電時間ではなく発電量であるので、「制御変数としての発電量」と「実際の発電量の大きさ」とを明確に区別する便宜上、以下の説明では、発電量を示す「P」を利用して、例えば「(制御変数としての)発電量P=(実際の発電量の大きさ)700W」等と表記する。

また、前記実施の形態1では、制御変数が発電時間であったため、発電時間が変更可能であって、発電量は、P=750Wで固定されていた。これに対して、本実施の形態では、制御変数が発電量であるため、発電時間は、予め設定された時間L=H0に固定されており、発電量が変更可能となっている。

例えば、操作器14から地理情報として「Y地域」(表1参照)が入力され、床面積として「床面積i」(表1参照)が入力されたとすると、制御変数設定部22は、記憶器31に記憶されている熱需要のLUT(表1)から、熱需要の基準値としてクラスBに設定される値(90MJ)を読み出して設定する。また、記憶器31には、制御変数のLUT(表3)も記憶されているので、制御変数設定部22は、記憶器31からクラスBの熱需要(90MJ)に対応する発電量L=700Wと発電開始時刻T8とを読み出して制御変数として設定し(図8に示す初期設定処理)、運転制御部23に出力する(図2参照)。

運転制御部23は、発電量P=700Wおよび時刻Tc=発電開始時刻T8に基づいて熱電併給システム10A(熱電併給装置11A)の運転の制御を行う。したがって、図9に示すように、熱電併給装置11Aは、時刻Tc=T8に発電を開始する。また、第一回路15および第二回路16を熱媒体が流通することで、熱電併給装置11Aで発生した熱は蓄熱器12に蓄積される(図1参照)。

熱電併給システム10Aの運転中、熱量検知器13は、周期的(例えば1分毎)に蓄熱器12の蓄熱量を検知し、その検知結果(検知された蓄熱量Qd)を制御器20Aの検知熱量比較部21に出力する(図2参照)。ここで、図9に示すように、例えば時刻Tc=t7(固定の発電時間L=H0の途中)において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた比較結果が得られたとする。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスBからクラスCに下げる。これにより、熱需要の基準値も下がる(90MJから80MJに下がる)ので、制御変数である発電量はP=700WからP=650Wに低減されるとともに、この発電量の低減に伴って発電開始時刻はTc=T8からTc=T9に変更される(図4に示す制御変数の第一変更処理)。

したがって、図9に示す例では、最初の単位時間(1日目)において発電量P=700Wで発電しているときに、時刻Tc=t7において検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えたので、運転制御部23は、この時刻t7で熱電併給装置11Aの運転を停止させる(図5に示す運転停止処理)。それゆえ、図9の発電量はP=0Wとなる。その後、次の単位時間(2日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T9から熱電併給装置11Aの運転を開始させる。そして、発電量P=650Wの出力で、固定の発電時間L=H0が経過するまで運転を継続させる。

ここで、図9に示すように、例えば時刻Tc=t8(固定の発電時間L=H0の途中)において、検知熱量比較部21により、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えた比較結果が再び得られたとする。この比較結果は制御変数設定部22に入力されるので(図2参照)、制御変数設定部22は、熱需要をクラスCからさらにクラスDに下げる。これにより、熱需要の基準値も下がる(80MJから70MJに下がる)ので、制御変数である発電量はP=650WからP=600Wに低減されるとともに、この発電量の低減に伴って発電開始時刻はTc=T9からTc=T10に変更される(図4に示す制御変数の第一変更処理)。

したがって、図9に示す例では、次の単位時間(2日目)において発電量P=650Wで発電しているときに、時刻Tc=t8において検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えたので、運転制御部23は、この時刻t8で熱電併給装置11Aの運転を停止させる(図5に示す運転停止処理)。それゆえ、図9の発電量はP=0Wとなる。その後、次の単位時間(3日目)では、運転制御部23は、制御変数設定部22で変更された制御変数にしたがって、時刻Tc=発電開始時刻T10から熱電併給装置11Aの運転を開始させる。そして、発電量P=600Wの出力で、固定の発電時間L=H0が経過するまで運転を継続させる制御を行う。

図9に示す例では、3日目において検知された蓄熱量Qdは第一熱量Q1を超えることがなかったので、熱電併給システム10Aの運転状態は、利用者の熱需要(エネルギー消費量)に近い熱供給を行う状態であるといえる。したがって、制御変数設定部22は制御変数である発電量と発電開始時刻とを変更させずにそのまま維持する。それゆえ、運転制御部23は、発電量P=600Wで、固定の発電時間L=H0が経過するまで、すなわち図9に示す時刻Tc=t9に達するまで運転を継続することになる。

このように本実施の形態によれば、地理情報および床面積から熱需要(エネルギー消費量)の基準値を設定し、この熱需要よりも実際の熱消費(エネルギー消費)が低いか高いかを判定し、その判定結果に基づいて、制御変数(本実施の形態では発電量と発電開始時刻)を変更(再設定)している。

これにより、実際の熱消費が低い場合に消費されずに余った熱量が蓄熱器12に必要以上に蓄積されることが回避され、また、実際の熱消費が高い場合には、熱電併給装置11Aを運転させて足りない熱量を蓄熱器12に補充させる。それゆえ、本実施の形態によれば、蓄熱器12が流量計およびサーミスタ等の計測器を備えていない場合でも、熱電併給システム10Aは、利用者の熱需要に近い運転をすることができる。

[変形例] なお、本実施の形態2および前記実施の形態1では、制御器20Aは、検知された蓄熱量Qdが第一熱量Q1を超えていれば、図4に示す制御変数の第一変更処理とともに図5に示す運転停止処理を行うが、本発明はこれに限定されず、例えば、第一変更処理を行っても運転停止処理は行わなくてもよい。つまり、検知熱量比較部21は停止指令を生成するように構成されていなくてもよい。

第一熱量Q1は、蓄熱量の上限の目標値であればよいので、蓄熱器12の蓄熱量の限界値を設定する必要がない。それゆえ、例えば、蓄熱器12の限界値(蓄熱の許容量)が第一熱量Q1よりも大きな値であれば、蓄熱器12の蓄熱量が第一熱量Q1を超えていたとしても、熱電併給装置11Aを必ずしも停止させなくてよい。それゆえ、この場合には、熱電併給装置11Aは発電時間L=H0が経過するまで運転を継続すればよい。あるいは、蓄熱器12の蓄熱量が第一熱量Q1を超えていた後には、運転制御部23は、発電時間が経過するまでではなく、予め設定される所定時間だけ熱電併給装置11Aの運転を継続させるよう制御を行ってもよい。

また、本実施の形態2および前記実施の形態1のいずれにおいても、制御器20Aは、図4に示す制御変数の第一変更処理を行うので、検知された蓄熱量Qdは、第二熱量Q2以上第一熱量Q1以下の範囲内を、蓄熱量の目標範囲として設定していることになる。しかしながら、本発明はこれに限定されず、蓄熱量の目標値は、少なくとも上限のみ(第一熱量Q1のみ)設定されてもよい。蓄熱量の目標範囲は、利用者の熱需要に沿って熱電併給装置を運転させることができるものであればよく、第二熱量Q2以上第一熱量Q1以下の範囲内に限定されない。

また、図4に示す第一変更処理では、検知された蓄熱量Qdの比較は、第一熱量Q1を超えている、あるいは、第二熱量Q2に満たないことを基準としているが、本発明はこれに限定されず、第一熱量Q1以上、あるいは、第二熱量Q2以下であることを基準としてもよい。この場合、蓄熱量の目標範囲は、第二熱量Q2を超え第一熱量Q1未満となる。

(実施の形態3) 本発明の実施の形態3では、基本的に、前記実施の形態1および2に係る熱電併給システム10Aと同様の構成のものが用いられるが、制御器20Aの制御変数設定部22は、前記実施の形態1または2とは異なり、制御変数の設定値が、予め設定される所定時間変化しなかった場合に、当該設定値を上昇させるよう構成されている。

なお、本実施の形態では、制御変数としては前記実施の形態2と同様に発電量が用いられる。また、熱電併給システム10Aの具体的構成については前記実施の形態1で説明済みであるので、本実施の形態ではその説明は省略する。また、本実施の形態では、前記実施の形態2と同じく、制御器20A(検知熱量比較部21および制御変数設定部22)は、発電量(および発電開始時刻)を制御変数として、図4に示す制御変数の第一変更処理も行うものとする。

[制御変数の変更(再設定)処理] まず、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aにおいて、制御変数設定部22にて行われる制御変数の変更処理について、図10(および図2)を参照して説明する。なお、本実施の形態における制御変数の変更処理は、前記実施の形態における制御変数第一変更処理(図4に示す変更処理)とは別の処理であるので、説明の便宜上「制御変数の第二変更処理」と称する。

図10に示すように、この第二変更処理は5ステップから構成されている。まず、制御変数設定部22は、単位時間(例えば1日)が経過したか否かを判定する(ステップS301)。これは、制御変数が単位時間毎に設定されるためである。単位時間が経過していなければこの判定を繰り返すが(ステップS301でNO)、単位時間が経過していれば(ステップS301でYES)、制御変数設定部22は、記憶器31から制御変数の設定値Vを読み出す(ステップS301)。

本実施の形態では、制御変数設定部22は、制御変数の設定値Vを設定または変更すると、運転制御部23に出力するとともに、記憶器31にも出力して記憶させる。このとき、記憶器31は、運転制御を開始してから全ての設定値Vを記憶するのではなく、前回の設定値および今回(現行)の設定値を記憶するように構成すればよい。これにより、制御変数設定部22は、記憶器31から前回および今回の単位時間それぞれの設定値Vを読み出すことになる(図2の双方向矢印参照)。

読み出した設定値Vのうち、現行の制御変数の設定値を「Vn 」とし、前回の制御変数の設定値を「Vn-1 」とすれば、制御変数設定部22は、現行の設定値Vn と前回の設定値Vn-1 とが等しいか否か判定する(ステップS303)。Vn =Vn-1 であれば(ステップS303でYES)、前回と今回の単位時間(2日)で制御変数の設定値が同じであり、変化が無かったことになる。そこで、制御変数設定部22は、現行の熱需要の基準値を上げることにより、現行の制御変数の設定値Vn を上昇させる(ステップS304)。なお、上昇した設定値を「Vn+」とする。制御変数設定部22は、上昇した制御変数の設定値Vn+を、前回の設定値Vn-1 として記憶器31に記憶させる(ステップS305)。

一方、Vn ≠Vn-1 であれば(ステップS303でNO)、制御変数設定部22は、設定値を上昇させないで(ステップS304をスキップ)、現行の設定値Vn を前回の設定値Vn-1 として記憶器31に記憶させる(ステップS305)。

なお、本実施の形態では、前回の単位時間における設定値Vn と、現行(今回)の単位時間におけるVn-1 とを比較しているので、制御変数の設定値は2連続の単位時間、すなわち2日間変更していないことになる。言い換えれば、制御変数の設定値の変化を判定するための所定時間は2日となる。しかしながら、所定時間はこれに限定されず、例えば、3日以上であってもよいし、2日に満たなくてもよい。

また、制御変数の設定値の比較を行う基準時間(ステップS301)は、本実施の形態では1単位時間、すなわち1日である。制御変数の設定値の変更は、単位時間毎に行われるので、基準時間も単位時間に合せればよい。しかしながら、基準時間は必ずしも単位時間に限定されず、単位時間を超えても単位時間未満であってもよい。

また、制御変数の設定値の変更は単位時間毎(1日毎)に行われるが、例えば、設定値に3日以上変化がなく維持されていることを判定するには、第二変更処理においてステップS303を増やせばよい。すなわち、3日の例であれば、第一のステップS303で、前回の設定値と現行の設定値を比較し、これら設定値が同じであれば、第二のステップS303で、前々回の設定値と現行の設定値とを比較すればよい。この2回目の比較で設定値が同じであれば、制御変数の設定値は3日間変化がないことになるが、2回目の比較で設定値が異なれば、制御変数の設定値は2日間変化がないことになる。そこで、制御変数設定部22は、前回の設定値を前々回の設定値として上書きし、現行の設定値を前回の設定値として上書きすればよい。

[熱電併給システムの運転制御処理] 次に、本実施の形態に係る熱電併給システム10Aの運転制御処理の一例について、図11(および図1、図2)を参照して具体的に説明する。図11は、熱電併給システム10Aの発電量および蓄熱量の経時的変化を示すタイムチャートである。また、図11の太線Pおよび細線Qdについては、いずれも図6、図7および図9のタイムチャートと同様であるので、その説明は省略する。単なる「時刻」を「Tc」で表記する点も前記実施の形態1および2と同様である。

例えば、制御変数設定部22により、初期設定で熱需要の基準値としてクラスCに設定される値(80MJ)が設定され、制御変数である発電量の設定値としてP=650Wが設定されるとする(表3参照)。運転制御部23は、発電量P=650Wで、固定の発電開始時刻L=H0(図11には図示せず)の間、熱電併給システム10A(熱電併給装置11A)を運転させる。このとき、前記実施の形態2と同様に検知された蓄熱量Qdに基づいて、図4に示す制御変数の第一変更処理が実施されている。

そして、例えば時刻Tc=t10において、図10に示す制御変数の第二変更処理が開始され(図10のステップS301、S302)、制御変数設定部22は、所定時間2日また3日に渡って発電量の設定値がP=650Wで変化が無かったと判定する(図10のステップS303でYES)。制御変数設定部22は、現行の熱需要をクラスCからクラスBに上げることで基準値も上がる(80MJから90MJに上がる)ので、発電量の設定値をP=650W(Vn )からP=700W(Vn+)に上昇させることになる(図10のステップS304)。そして、現行の発電量の設定値であるP=700W(Vn+)を、前回の設定値(Vn-1 )として記憶器31に記憶させる(図10のステップS305)。

その後、例えば時刻Tc=t11において、図10に示す制御変数の第二変更処理が開始され(図10のステップS301、S302)、制御変数設定部22は、所定時間2日また3日に渡って発電量の設定値がP=650Wで変化があったか否かを判定する(図10のステップS303)。図11に示す例では、発電量の設定値を上昇させてから3日目に、制御変数の第一変更処理によって発電量の設定値が下降している。

それゆえ、制御変数設定部22は、例えば所定時間が2日であれば、現行(今回)の発電量はP=650Wであるのに対して、前回の発電量はP=700Wとなるので、所定時間内で発電量の設定値に変化が生じていると判定する。また、所定時間が3日であれば、前々回と前回の発電量はP=700Wであるが、現行(今回)の発電量はP=650であるので、やはり所定時間内で発電量の設定値に変化が生じていると判定する(図10のステップS303でNO)。

そこで、制御変数設定部22は、現行の熱需要の基準値であるクラスBに設定される値(90MJ)を維持し、発電量の設定値もP=650W(Vn )で維持する(図10のステップS304をスキップ)。そして、現行の発電量の設定値であるP=650W(Vn )を、前回の設定値(Vn-1 )として記憶器31に記憶させる(ステップS305)。

このように、制御変数が所定期間変更されない状態は、熱需要の基準値が実際の熱需要よりも低い(すなわち、熱需要の基準値よりも多くの熱エネルギーを利用者が利用している)ことになる。これにより、蓄熱器12に熱量が蓄積されない状態が継続するので、本実施の形態では、所定期間に制御変数が維持されていれば、制御変数の設定値を上昇させて蓄熱器12が熱量を蓄積できるように制御する。これにより、熱電併給システム10Aの蓄熱器12が、計測器を設けていない(あるいは計測能力が不十分である)場合であっても、利用者のエネルギー消費量に近い運転を行うことが可能となる。

なお、本実施の形態では、発電時間がL=H0に固定されており、発電量を変更する構成となっている。すなわち本実施の形態では、制御変数は前記実施の形態2と同様に発電量が採用されている。しかしながら、本実施の形態はこの構成に限定されず、前記実施の形態1のように発電量が固定され、発電時間を変更する構成であってもよいし、熱供給量を変更する構成であってもよいことはいうまでもない。

(実施の形態4) 本発明の実施の形態4に係る熱電併給システムは、検知された蓄熱量を一定期間加算して「エネルギー消費量」として算出し、このエネルギー消費量を基準として、制御変数の変更処理を行っている。

[熱電併給システムの構成] まず、本実施の形態に係る熱電併給システムの具体的な構成の一例について、図12および図13を参照して説明する。

図12に示すように、本実施の形態に係る熱電併給システム10Bは、基本的に前記実施の形態1〜3に係る熱電併給システム10Aと同様の構成であって、前述した熱電併給装置11B、蓄熱器12、熱量検知器13、操作器14、並びに、第一回路15および第二回路16を備えており、熱電併給装置11Bは、制御器20Bおよび記憶器31を備えているが、本実施の形態では、さらにエネルギー消費量算出器32を備えている。

また、図13に示すように、制御器20Bも、基本的に前記実施の形態1〜3に係る制御器20Aと同様であり、検知熱量比較部21、制御変数設定部22、および運転制御部23を備えているが、さらに算出消費量判定部24を備えている。

エネルギー消費量算出器32は、熱量検知器13で検知された蓄熱量Qdを積算することにより、熱電併給システム10Bの利用者によって消費される「エネルギー消費量」を算出し、制御器20Bの算出消費量判定部24に出力する。ここで、本実施の形態における「エネルギー消費量」は、熱負荷(蓄熱器12から熱が供給される)の熱消費量を少なくとも含むエネルギー量であればよい。また、熱電併給システム10Bの制御上の必要に応じて、前記の熱消費量に加えて、利用者が消費する電力量を含んだエネルギー量を「エネルギー消費量」として用いてもよい。

エネルギー消費量算出器32は、予め設定される所定期間内に検知された蓄熱量Qdを積算(加算)することによりエネルギー消費量を算出するが、この所定期間は特に限定されず、本実施の形態では、1回の単位時間(例えば1日)であればよい。本実施の形態では、前記実施の形態1〜3と同様に、熱量検知器13は、周期的(例えば1分毎)に蓄熱器12の蓄熱量Qdを検知するので、この検知された蓄熱量Qdを1回の単位時間分だけ積算することで、蓄熱器12から熱負荷に供給されるエネルギー供給量、すなわち利用者によって消費されるエネルギー消費量が算出される。なお、所定時間は1回の単位時間に限定されず、2単位時間以上であってもよいし、1単位時間より短くてもよい。

エネルギー消費量算出器32の具体的な構成は特に限定されず、CPU等の演算装置が、記憶器31に格納されるプログラムに従って動作することにより実現される機能構成であってもよいし、公知のスイッチング素子、減算器、比較器等による論理回路等として構成されてもよい。

算出消費量判定部24は、エネルギー消費量算出器32で算出されるエネルギー消費量に基づいて、熱電併給装置11Bの運転制御情報を生成し、図13に示すように、制御変数設定部22に出力する。制御変数設定部22は、検知熱量比較部21からの比較結果と、算出消費量判定部24からのエネルギー消費量とに基づいて制御変数の変更処理を行い、変更された制御変数を運転制御部23に出力する。運転制御部23は、この制御変数に基づいて熱電併給装置11Bの運転を制御する。

なお、検知熱量比較部21、制御変数設定部22、運転制御部23、および算出消費量判定部24を備えている制御器20Bの具体的構成は、図13に示す構成に限定されず、公知の他の構成を含んでもよいし、一部の構成を有していなくてもよい。例えば、制御変数設定部22および算出消費量判定部24は、まとめて運転制御情報生成部であってもよい。

[制御変数の変更処理] 次に、本実施の形態に係る熱電併給システム10Bによる制御変数の変更処理について、図14を参照して具体的に説明する。なお、本実施の形態においても、前記実施の形態1〜3と同様に制御変数の第一変更処理(図4参照)が行われる。そのため、図14に示す制御変数の変更処理を、説明の便宜上「制御変数の第三変更処理」と称する。

この制御変数の第三変更処理は、図14に示すように、本実施の形態では5ステップから構成されている。まず、第三変更処理の前提条件として、制御器20A(運転制御部23)による熱電併給装置11Aの運転制御が行われている間、熱量検知器13は、所定周期で蓄熱器12の蓄熱量を検知して制御器20Aに出力する。そして、1回の単位時間(例えば1日)内においては、周期的(例えば1分毎)に熱量検知器13が蓄熱量Qdを検知するので、制御器20Aにおいては、前記実施の形態1で説明した制御変数の第一変更処理が行われる。

また、1回の単位時間内で検知された蓄熱量Qdは、熱量検知器13からエネルギー消費量算出器32に出力される。それゆえ、エネルギー消費量算出器32は、1回の単位時間中で検知された蓄熱量Qdを全て積算することにより、エネルギー消費量を算出する。図13および図14では、算出されたエネルギー消費量を「Ec」で示している。

制御器20Aが第三変更処理を開始すれば、まず、算出消費量判定部24は、エネルギー消費量算出器32がエネルギー消費量Ecを算出したか否かを判定する(ステップS401)。算出していなければこの判定を繰り返し(ステップS401でNO)、算出していれば(ステップS401でYES)、算出消費量判定部24は、算出されたエネルギー消費量Ecを、予め設定されている基準消費量である第一消費量E1と比較する(ステップS402)。

ここで、第一消費量E1は、エネルギー消費量の上限の目標値として予め設定される閾値であり、熱電併給システム10Bにより供給される単位時間当たりのエネルギー量が、熱負荷に供給される単位時間当たりのエネルギー量(すなわち利用者の単位時間当たりのエネルギー消費量)よりも多いか否かを判定するための基準値となっている。第一消費量E1の具体的な値は特に限定されないが、例えば、熱電併給システム10Bが1回の単位時間に供給できるエネルギー量の最大値を設定することができる。

算出消費量判定部24は、算出されたエネルギー消費量Ecが第一消費量E1よりも大きい(E1

つまり、E1

一方、算出消費量判定部24は、算出されたエネルギー消費量Ecが第一消費量E1よりも小さい(E1>Ec)と判定すれば(ステップS402でNO)、さらに算出されたエネルギー消費量Ecを、もう一つの基準消費量として予め設定されている第二消費量E2と比較する(ステップS404)。

この第二消費量E2は、エネルギー消費量の下限の目標値として予め設定される閾値であり、本実施の形態では、例えば、熱電併給システム10Bを運転することによりエネルギー収支上での利点が得られる最少のエネルギー量として設定される。つまり、熱電併給システム10Bを運転させても、利用者が非常に少ないエネルギー量しか消費していなければ、利用者にとっては、実質的にエネルギー収支上での利点がない場合がある。それゆえ、下限の目標値である第二消費量E2は、想定し得る最少のエネルギー量として設定すればよい。

算出消費量判定部24は、算出されたエネルギー消費量Ecが第二消費量E2よりも小さい(E2>Ec)と判定すれば(ステップS404でYES)、運転制御部23に対して停止指令を出力し、運転制御部23は熱電併給装置11Bの運転を停止させ(ステップS405)、第三変更処理を終了する。つまり、算出されたエネルギー消費量Ecが第二消費量E2よりも小さければ、熱電併給装置11Bを運転させる利点(メリット)がないと判断できるため、熱電併給装置11Bの出力を停止させる。

一方、算出消費量判定部24は、算出されたエネルギー消費量Ecが第二消費量E2よりも大きい(E2

[熱電併給システムの運転制御処理] 次に、本実施の形態に係る熱電併給システム10Bの運転制御処理の一例について、図12〜図14に加えて図15を参照して具体的に説明する。図15は、熱電併給システム10Bの発電量および蓄熱量の経時的変化を示すタイムチャートである。また、図15の太線Pおよび細線Qdについては、いずれも図6、図7および図9のタイムチャートと同様であるので、その説明は省略する。単なる「時刻」を「Tc」で表記する点も前記実施の形態1ないし3と同様である。

例えば、制御変数設定部22により、初期設定で熱需要の基準値としてクラスBに設定されている値(90MJ)が設定され、制御変数である発電量の設定値としてP=700Wが設定されるとする(表3参照)。また、図15に示すタイムチャートでは、熱電併給システム10Bにより供給される単位時間当たりのエネルギー量を、当該単位時間で消費する(つまり、1日に供給される全てのエネルギー量を消費してしまう)程度に、利用者のエネルギー消費量が大きいものとする。したがって、図15に示すタイムチャートでは、時間帯Z1において、蓄熱器12の蓄熱量Qdがほぼ0に近づく程度に熱エネルギーが消費されていることになる。

そして、図15に示すタイムチャートでは、時間帯Z1(蓄熱量Qd≒0の時間帯)の後の時刻である時刻Tc=t12において、エネルギー消費量算出器32はエネルギー消費量Ecを算出し、制御器20Bの算出消費量判定部24に出力する(図14のステップS401)。この場合、算出されたエネルギー消費量Ecが第一消費量E1よりも大きくなるので(図14のステップS402でYES)、制御変数設定部22は、制御変数である発電量の設定値をP=700Wから最大値であるP=750Wに設定し、運転制御部23は、この最大の制御変数に基づいて熱電併給システム10Bの運転を制御する(ステップS403)。

また、図15には示していないが、算出されたエネルギー消費量Ecが第一消費量E1よりも小さく、かつ、第二消費量E2よりも小さければ(図14のステップS402でNO、かつ、ステップS404でYES)、算出消費量判定部24は運転制御部23に停止指令を出力し、運転制御部23は熱電併給装置11Bの運転を停止させる(図14のステップS405)。

時間帯Z1の後の時刻Tc=t12において、熱電併給システム10Bの発電量は最大となったので、次の単位時間においては、利用者によって大幅にエネルギー量が消費されても、図15の時間帯Z2に示す蓄熱量の極小値はQd≒0とはならず、時間帯Z1よりも蓄熱量が増えている。そのため、時間帯Z2の後の時刻Tc=t13においては、算出されたエネルギー消費量Ecが第一消費量E1よりも小さく、かつ、第二消費量E2よりも大きくなるので(図14のステップS402でNO、かつ、ステップS404でNO)、制御変数を変更する必要がなくなる。それゆえ、制御器20B(算出消費量判定部24)は第三変更処理を終了し、運転制御部23は熱電併給装置11Bの運転を継続させることになる。

このように、熱電併給システム10Bから供給できる以上のエネルギー量を利用者が消費していれば、蓄熱器12は十分な蓄熱量を維持できない。しかしながら、本実施の形態によれば、図14に示す制御変数の第三変更処理を行うことで、熱電併給システム10Bを最大出力で運転することができる。そのため、エネルギー消費量が多量であっても、運転中の蓄熱器12の蓄熱量を増加させることができる。そのため、例えば、図15に示す時間帯Z1のような、熱電併給装置11Bから熱エネルギーをほとんど供給できないような時間帯を減少させることができる。

また、利用者が、利点が得られるレベルに満たない程度のエネルギー量しか消費していなくても、制御変数の第三変更処理を行うことで、熱電併給システム10Bは熱電併給装置11Bの運転を停止させることができる。それゆえ、熱電併給システム10Bの無駄な稼動を抑制することができ、顧客満足度を高めることができる。

[変形例] 本実施の形態および前記実施の形態1〜3においては、熱電併給装置11Aまたは11Bの運転を停止させるために、検知熱量比較部21または算出消費量判定部24から運転制御部23に対して運転の停止指令を出力しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、前記実施の形態1の表2あるいは前記実施の形態2の表3において、熱需要が0MJとなる基準値、例えば「クラス0」を設定し、このクラス0では、制御変数である発電時間、発電量、熱供給量等も「0」に設定する。

これにより、制御変数設定部22が熱需要をクラス0に変更することで、熱需要の基準値も0MJとなり、制御変数の設定値も0となるので、制御変数設定部22からの制御変数の出力によって、運転制御部23は熱電併給装置11Aまたは11Bの運転を停止させることができる。

また、本実施の形態においては、熱電併給装置11Bの運転を停止させる際に、前回の単位時間における制御変数の設定値を記憶器31に記憶させてもよい。これにより、算出されたエネルギー消費量Ecを基準に熱電併給装置11Bの運転を停止しても、次の単位時間で運転を再開するときに、記憶させた制御変数の設定値を利用することができる。

さらに、本発明には、前述した構成の熱電併給システムだけでなく、次に示す構成の熱電併給システムも含まれる。

すなわち、本発明に係る熱電併給システムは、電力および熱を供給する熱電併給装置と、前記熱電併給装置が供給した熱を蓄熱する蓄熱器と、前記蓄熱器内に蓄積されている蓄熱量を検知する熱量検知器と、予め定められる単位時間毎に前記熱電併給装置の熱供給量、発電量および発電時間のうちの少なくとも一つの制御変数を設定して、前記熱電併給装置を制御する制御器と、を備え、前記制御器は、前記熱量検知器が予め定められている第一熱量以上を検知した場合、その後の前記単位時間において前記熱電併給装置を運転させる場合に前記制御変数を下降させる構成であってもよい。

また、前記制御器は、前記熱量検知器が前記第一熱量より小さい第二熱量以下を検知した場合、その後の前記単位時間において前記熱電併給装置を運転させる場合に前記制御変数を上昇させてもよい。

また、前記制御器は、複数の前記単位時間において前記制御変数が変化しなかったことを検知した場合、前記制御変数を上昇させてもよい。

また、前記熱電併給システムにおいては、前記制御変数は、前記熱電併給装置が設置される建物の床面積および断熱性能のうちの少なくとも一方が入力されて基準値が定まるように設定されていてもよい。

また、前記制御器は、前記熱量検知器が前記第一熱量以上を検知した場合、前記熱電併給装置を停止させてもよい。

また、前記熱電併給システムにおいては、さらに、少なくとも前記熱電併給装置が熱を供給する熱負荷の熱消費量を検知するエネルギー消費量算出手段を備え、前記制御器は、前記エネルギー消費量算出手段が予め定められる第一消費量以上を検知した場合は、前記制御変数を最大にして前記熱電併給装置を制御してもよい。

また、前記制御器は、前記エネルギー消費量算出手段が前記第一消費量より小さい第二消費量以下を検知した場合は、前記熱電併給装置を運転させないように制御してもよい。

上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の形態を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の要旨を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。

本発明は、燃料電池またはガスエンジン等の発電機関および蓄熱器等を備えている熱電併給システムの分野に広く好適に用いることができる。

10A、10B 熱電併給システム 11A,11B 熱電併給装置 12 蓄熱器 13 熱量検知器 14 操作器 15 第一回路 16 第二回路 20A,20B 制御器 21 検知熱量比較部 22 制御変数設定部 23 運転制御部 24 算出消費量判定部 31 記憶器 32 エネルギー消費量算出器

QQ群二维码
意见反馈