Cogeneration facility control system and cogeneration equipment control method

申请号 JP2005283231 申请日 2005-09-29 公开(公告)号 JP4600235B2 公开(公告)日 2010-12-15
申请人 株式会社日立製作所; 发明人 昭義 小村; 雅浩 渡辺;
摘要
权利要求
  • 需要家に電力及び熱を供給し、かつ配電線に接続された複数のコジェネレーション設備を制御するコジェネレーション設備制御システムであって、
    前記各需要家の需要電力の予測値を算出する需要電力予測値算出手段と、
    前記配電線のインピーダンスを記録する配電線情報記録手段と、
    需要家の貯湯量または温水需要に基づいて運転優先順位を算出する運転優先順位算出手段と、
    前記需要電力予測値算出手段が算出した各需要家の需要電力の予測値に基づいて運転するコジェネレーション設備の台数を決定し、前記運転優先順位算出手段 が算出した運転優先順位に基づいて運転するコジェネレーション設備の 複数の組み合わせを算出する運転組み合わせ算出手段と、
    前記運転組み合わせ算出手段が算出したコジェネレーション設備の組み合わせで運転した際の配電線の電圧を前記配電線記録手段が記録した配電線のインピーダンスに基づいて算出し、算出した 配電線の電圧が所定の許容値の範囲内となる運転組み合わせを算出する電圧許容範囲内運転組み合わせ算出手段と を備えることを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 請求項1において、前記運転優先順位算出手段は貯湯量が少ない、あるいは温水需要が高いコジェネレーション設備の運転優先順位を高くすることを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 請求項1において、前記需要電力予測値算出手段は制御対象期間の気象情報及び過去の電力需要の統計情報に基づいて各需要家の需要電力の予測値を算出することを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 需要家に電力及び熱を供給し、かつ配電線に接続された複数のコジェネレーション設備を制御するコジェネレーション設備制御システムであって、
    前記需要家の需要電力の予測値を算出する需要電力予測値算出手段と、
    前記配電線のインピーダンスを記録する配電線情報記録手段と、
    需要家の貯湯量または温水需要に基づいて運転優先順位を算出する運転優先順位算出手段と、
    前記需要電力予測値算出手段が算出した各需要家の需要電力の予測値に基づいて運転するコジェネレーション設備の台数を決定し、前記配電線記録手段が記録した配電線のインピーダンスに基づいて、配電線の電圧が所定の許容値の範囲内となる 複数の運転組み合わせを算出する電圧許容範囲内運転組み合わせ算出手段と、
    前記電圧許容範囲内運転組み合わせ算出手段が算出した複数の運転組み合わせと前記運転優先順位算出手段が算出した運転優先順位に基づいてコジェネレーション設備の運転状態を決定する手段と、
    決定したコジェネレーション設備の運転状態に基づいて各コジェネレーション設備の発電量を制御する制御手段とを備えることを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 請求項 において、前記運転優先順位算出手段は貯湯量が少ない、あるいは温水需要が高いコジェネレーション設備の運転優先順位を高くすることを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 請求項 において、前記需要電力予測値算出手段は制御対象期間の気象情報及び過去の電力需要の統計情報に基づいて需要電力の予測値を算出することを特徴とするコジェネレーション設備制御システム。
  • 需要家に電力及び熱を供給し、かつ配電線に接続された複数のコジェネレーション設備を制御するコジェネレーション設備制御方法であって、
    前記需要家の需要電力の予測値を演算手段により算出する需要電力予測値算出手順と、
    前記配電線のインピーダンスを記録手段に記録する配電線情報記録手順と、
    需要家の貯湯量または温水需要に基づいて運転優先順位を演算手段により算出する運転優先順位算出手順と、
    前記需要電力予測値算出手順により算出した各需要家の需要電力の予測値に基づいて運転するコジェネレーション設備の台数を決定し、前記運転優先順位算出手段に基づいて運転するコジェネレーション設備の 複数の組み合わせを演算手段により算出する運転組み合わせ算出手順と、
    運転組み合わせ算出手順により算出したコジェネレーション設備の運転組み合わせで運転した際の配電線の電圧を前記配電線記録手順により記録した配電線のインピーダン スに基づいて 算出し算出した配電線の電圧が所定の許容値の範囲内となる運転組み合わせを演算手段により算出する電圧許容範囲内運転組み合わせ算出手順とを有することを特徴とするコジェネレーション設備制御方法。
  • 請求項 において、前記運転優先順位算出手順では貯湯量が少ない、あるいは温水需要が高いコジェネレーション設備の運転優先順位を高くすることを特徴とするコジェネレーション設備制御方法。
  • 請求項 において、前記需要電力予測値算出手順では制御対象期間の気象情報及び過去の電力需要の統計情報に基づいて需要電力の予測値を算出することを特徴とするコジェネレーション設備制御方法。
  • 说明书全文

    本発明は、コジェネレーション設備制御システム及びコジェネレーション設備制御方法に関するものである。

    近年、地球温暖化や資源枯渇の問題が顕在化しており、エネルギーの有効利用への関心が高まっている。 特に、地球温暖化の観点では、CO 2の削減目標を定めた京都議定書が発効され、日本は2008年から2012年の間にCO 2排出量を1990年基準で6%削減する必要がある。 このような背景から、需要家サイドに設置される分散電源は、発電された電とともに、従来利用されなかった排熱を需要家が利用できるコージェネレーションとしての利用が可能であるため、エネルギーの有効利用の点からその普及が期待されている。

    将来分散電源の普及が進んだ場合、(1)分散電源を実負荷に応じて高効率で運転すること、(2)配電系統への逆潮流がある場合に配電系統の電力品質を維持すること、の2点が課題となることが予想される。

    下記の特許文献1記載の「家庭用コージェネレーションネットワークシステム」では、複数の需要家で構成された電力ネットワークにおいて、各需要家の電力需要及び熱需要に応じて各需要家に設置された分散電源を選択的に運転し、かつ分散電源で発電した電力を需要家間で融通することにより、電力ネットワーク内の需要家への電力と熱の供給を効率的に行うシステムが提案されている。

    また、下記の特許文献2記載の「配電系統における電力品質維持支援方法及びシステム」では、配電系統の電圧が許容値を逸脱している場合に、特定の需要家の分散電源や系統制御機器をシミュレーションの演算結果に基づく指令値により制御することで、系統電圧を許容範囲内に維持するシステムが提案されている。

    特開2003−134674号公報

    特開2004−274812号公報

    特許文献1によれば、電力ネットワーク内の需要家に設置された家庭用コージェネレーションのうちの何台かを高出力で運転し、当該需要家で消費されない電力を他の需要家へ供給することにより、ネットワークシステム内の需要家に効率よく電力と熱のエネルギーを供給することができる。

    通常、高圧系統からの電力は、柱上変圧器を介して低圧配電系統に供給される。 その際、配電系統の電圧は、電気事業法により101±6Vの範囲に収めるように規定されている。 ところで、各家庭に分散電源がない場合、または各家庭に分散電源が設置されていても配電系統への逆潮流が許容されていない場合では、図10に示すように、配電系統の電圧は柱上変圧器から末端の需要家に向かって徐々に低下する。 その際、変圧器直後の送り出し電圧値,一台の変圧器で受け持つ需要家数,配電線の長さや太さ(あるいは本数)、を適度に設定することで配電系統の電圧が許容範囲内になるように設計されている。

    しかし、分散電源から配電系統への逆潮流があるような特許文献1の場合、運転するコージェネレーションの選択の仕方によっては、図11(斜線マークの分散電源設備を運転)に示すように、配電系統の電圧が許容範囲を逸脱するようなケースが発生し、電力品質を低下させてしまう可能性がある。 図11において、1101は制御装置、1102は通信ネットワーク線、1103は配電線、1104は需要家、1105は分散電源設備、1106は温配管、1107は電力線である。

    一方、特許文献2によれば、配電系統の電圧が許容値を逸脱している場合に、需要家の分散電源や系統制御機器をシミュレーションの演算結果に基づく指令値により制御することで、配電系統の電圧を許容範囲内に維持することができる。

    しかし、この場合、配電系統の電力品質を維持するために分散電源または系統制御機器を優先的に制御するため、需要家のエネルギー需要、特に熱需要、が十分に考慮されずに、各機器が運転される。 この結果、エネルギー供給という点からは、排熱の有効利用ができずにエネルギー消費量が増大する、あるいはコストが増加する、という課題が発生する。 また、配電系統の電圧測定値が許容値を逸脱したのを確認した後に、分散電源または系統制御機器をリアルタイムに制御して電圧品質を維持するため、分散電源や系統制御機器の起動・停止が頻繁になったり、対応に時間遅れが生じることがある。

    上述の従来技術では、低圧配電系統に接続されている各家庭の分散電源からの電力と熱を効率的に供給することと、配電系統の電力品質を維持することは、相互に悪影響を及ぼすため、両者を同時に実現させることはできない。 また、両者を同時に実現させるためには、分散電源からの電力と熱を効率的に供給するために必要な各家庭の電力量と、配電系統の電力品質を維持するために必要な各家庭の電圧、を各々測定する必要がある。

    本発明の目的は、配電系統の電力品質を高品質に維持しながら電力と熱を効率的に供給できるコジェネレーション設備制御システムおよびコジェネレーション設備制御方法を提供することにある。

    本発明の一つの特徴は、コジェネレーション設備制御システムを、需要家に電力及び熱を供給し、かつ配電線に接続された複数のコジェネレーション設備を制御し、需要家の需要電力の予測値を算出する需要電力予測値算出手段と、配電線のインピーダンスを記録する配電線情報記録手段と、需要家の貯湯量または温水需要に基づいて運転優先順位を算出する運転優先順位算出手段と、運転優先順位算出手段に基づいて運転するコジェネレーション設備の組み合わせを算出する運転組み合わせ算出手段と、需要電力予測値算出手段が算出した各需要家の需要電力の予測値、配電線記録手段が記録した配電線のインピーダンスおよび運転組み合わせ算出手段が算出した運転するコジェネレーション設備の組み合わせに基づいて、配電線の電圧が所定の許容値の範囲内となる運転組み合わせを算出する電圧許容範囲内運転組み合わせ算出手段とを備えるものとした点にある。

    本発明のその他の特徴は、発明を実施するための最良の形態欄に記載した通りである。

    本発明によれば、配電系統の電力品質を高品質に維持しながら電力と熱を効率的に供給することができるコジェネレーション設備制御システムおよびコジェネレーション設備制御方法が提供できる。

    以下に、本発明による家庭用コージェネレーションシステムについて、図示の実施形態に基づき詳細を説明する。

    図1は、本発明の第一の実施形態を示すシステム構成図である。 このシステムは、需要家である複数の家庭1と、各家庭に設置されており、電力と熱を発生する分散電源設備2,各家庭間をつなぐ配電線3,各分散電源設備の運転を制御する制御設備4,各家庭の流入または流出する電力量を測定する電力センサ5,柱上変圧器直後の送り出し電圧を測定する電圧センサ6、で構成されている。 分散電源設備と制御設備は通信ネットワーク線7により接続され、データや制御指令のやり取りが可能となっている。 また、分散電源設備で発生した電力と温水は、電力線8と温水配管9を通って当該家庭に供給される。 分散電源設備で発電した電力のうち、当該家庭で消費されない残りの電力については、配電線3を介して周辺の家庭へ供給される。

    分散電源設備2は、図2に示すように、電力を発生する発電部10,発電と同時に発生する排熱との熱交換により温水を生成し、かつ貯蔵する貯湯槽11,制御設備の運転司令部(後述)からの指令に従って当該分散電源設備の運転制御を司る制御部12,分散電源の運転状態を表示し、需要家に知らせる表示部13,需要家の情報や指示を入力する入力部14,分散電源設備で測定されるデータを保存する記録部15、から構成される。 なお、発電部10で発生する排熱は、排熱配管16を介して、貯湯槽11に送られる。 ここで、発電部10は、例えば、エンジンなどの原動機や燃料電池などが用いられる。

    分散電源設備では、運転時間や発電量,貯槽量、などのデータを測定しており、これらのデータは制御装置の監視部(後述)へ通信ネットワーク線7により随時送信される。 また、分散電源設備内の各装置間は、分散電源設備通信線17によって接続されており、各種の測定データや指令などの情報が必要に応じてやり取りされる。 入力部14では、各需要家で住人の外出・不在や来客などのような通常の生活とは異なった状況が生じた場合に情報を入力する。 制御部12では、この入力値と過去のデータを元に、一日の消費電力量や消費温水量を予測する。 例えば、平日か休日か、季節はいつか、といった基本的な情報を元に過去のデータを参照し、その日に住人の外出・不在や来客がある場合には表示部からの入力情報を元に修正を加えて、消費電力量や消費温水量を予測する。

    消費電力量,消費温水量の予測量を算出する方法は、例えば、次のような方法が考えられる。 過去の消費電力量と消費温水量,気温のデータを、季節,平日か休日かで平均化して、整理しておく。 その日が、夏で平日の場合、過去の夏で平日の消費電力量と消費温水量の平均データを基本予測値とする。 さらに、その日の気温が平均値より高めの場合、エアコンなどの電力消費が多くなることが予想されるため、消費電力量の基本予測値を高めに修正する。 また、その日が冬で平日の場合、過去の冬で平日の消費電力量と消費温水量の平均データを基本予測値とする。 さらに、その日の気温が平均値より低めの場合、温水の使用量が多くなることが予想されるため、消費温水量の基本予測値を、高めに修正する。 さらに、その日に来客がある場合には、エアコンなどの電力消費や温水の使用量が多くなることが予想されるためその情報を入力部から入力することにより、消費電力量と消費温水量の基本予測値を高めに修正する。

    制御設備4は、図3に示すように、各種の測定データを監視する監視部18,系統状態計算から各家庭での電圧を推定する系統状態推定部19,全分散電源設備の測定データから分散電源設備の運転優先順を決める優先順計算部20,系統状態推定部と優先度計算部からの情報を元に各分散電源設備の運転状態を指令する運転司令部21,監視部に送られるデータの他、配電線のインピーダンスなどのデータを保存する全体記録部22、から構成される。 監視部18には、上記の各分散電源設備の測定データの他、電力センサによる電力測定値,電圧センサによる電圧測定値が通信ネットワーク線7により送信されてくる。 また、制御設備内の各装置間は、制御設備通信線23によって接続されており、各種の測定データや指令などの情報が必要に応じてやり取りされる。

    また、配電線3は、高圧系統と柱上変圧器を介して接続されており、各家庭の全消費電力量と分散電源設備の全発電量との差に相当する電力の供給を高圧系統から受けることができる。

    制御設備4の系統状態推定部19では、電力センサによる電力測定値と電圧センサによる電圧測定値,全体記録部22のデータベース、を元に、配電系統状態推定計算により配電系統の電圧が許容範囲に入る分散電源設備の運転状態の組み合わせを推定する。

    配電系統の電圧の測定例を図13を用いて説明する。 配電系統の電圧は、例えば次のような計算式を用いて計算する。 (Vが1p.u.から大きく変化しないと仮定した場合の近似式を使用)

    まず、
    P(n)=P g (i)−P l (i)
    Q(n)=Q g (i)−Q l (i)
    を計算する。

    次に、i=n−1から1まで
    P(i)=P(i+1)−R(i+1)・P(i+1)+P g (i)−P l (i)
    Q(i)=Q(i+1)−X(i+1)・Q(i+1)+Q g (i)−Q l (i)
    を順次、計算する。 以上の結果を元に、i=1からnまで
    V(i)=V(i−1)+R(i)・P(i)+X(i)・Q(i)
    を順次、計算する。

    制御設備4の優先順計算部20では、監視部18に送られてくるデータを元に、各分散電源設備の運転優先順を決定する。

    ここで用いられるデータは、例えば、各分散電源の貯湯量や運転時間,需要家の消費電力量や消費温水量の予測値、などである。 分散電源設備の優先順の決定方法として、例えば、分散電源設備の生成温水量が各需要家の消費温水量の予測値以下、かつ一日の運転時間が所定時間以下、の条件を満たす分散電源設備の中から貯湯槽の貯湯量の少ない順に運転優先順を決定するという方法が挙げられる。 具体的には、次のような方法が考えられる。

    各分散電源の現在の貯湯量から、各家庭の今後(例えば、10時間などと設定)の消費温水量、を引いた値が小さいほど、貯湯槽に温水を早く貯める必要があるため、この値が小さい順に分散電源設備の運転優先順を設定していく。 さらに、貯湯量に大きな差がない(例えば、±10%などと設定)分散電源が複数ある場合には、運転時間が少ない分散電源の優先順を高くする。

    特許文献1との相違点は、特許文献1に基づく分散電源の運転では、図11のように系統電圧が許容値を逸脱してしまうことがあるのに対して、本発明では系統電圧を許容値内に収める点にある。

    制御設備4の運転司令部21では、系統状態推定部19で計算された配電系統の電圧が許容範囲に入る分散電源設備の運転状態の組み合わせと、優先順計算部20で計算された運転優先順、の2つの結果を元に、最終的に分散電源設備の運転状態を決定する。

    図4に、本発明の第一の実施形態におけるシステムの制御フローを示す。 電力センサにより柱上変圧器直後の送り出し電圧を、電力センサにより各家庭の流入または流出する電力量を測定し(S1)、制御設備の系統状態推定部でその測定値を元に配電系統状態推定計算により配電系統の電圧の推定値を求める(S3)。

    この電圧推定値の他、各分散電源設備での測定データ(S2)、例えば、分散電源設備の貯湯量や運転時間,貯蔵量,各需要家の温水消費量の予測、などは、常時、制御設備の監視部18へ送信され、監視部18で監視される(S4)とともに、全体記録部22で保存される。 ここで、監視部18では、監視データが規定の条件を超えた場合、例えば、電圧推定値が電圧許容値を超えた場合や分散電源設備の運転時間が設定値を超えた場合、分散電源設備の生成温水量が消費温水量の推定値を超えた場合、などに、各分散電源設備の運転状態を見直す(S5)。 また、事前に設定した特定時間ごとに分散電源設備の運転状態を見直してもよい。

    各分散電源設備の運転状態を見直す場合、以下の手順を踏む。 電力センサにより柱上変圧器直後の送り出し電圧を、電力センサにより各家庭の流入または流出する電力量を測定し(S6)、制御設備の運転司令部21でその測定値を元に分散電源設備の総発電量(運転台数)を決定する(S8)。

    総発電量を分散発電設備の定格出力×運転台数で決めることにより、分散電源が高効率となる定格出力で運転するようにするのが理想的である。 ここで、系統電力からの購入電力量は、全家庭の総消費電力量から分散電源設備の総発電量を引いたものとなる。 この運転台数を元に、制御設備の系統状態推定部19で、配電系統状態推定計算を用いて、この台数の分散電源設備を運転する場合にどのような分散電源設備の組み合わせで配電系統の電圧が許容範囲内に入るかを推定する(S10)。

    ここで、消費電力量の予測値を用いて、事前に設定した特定時間分の電圧を予測し、その電圧値が許容範囲内に入る分散電源設備の組み合わせを推定することも可能である。 この場合、特定時間内で運転状態の見直しをする必要がなくなり、分散電源設備の起動・停止回数が頻繁になったり、対応に遅れが生じたりすることがなくなる。

    一方、制御設備の優先順計算部20で、各分散電源設備の測定データ(S7)を元に、各分散電源設備の運転優先順を決定する(S9)。

    最終的に、制御設備の運転司令部21で、各分散電源設備の運転優先順と配電系統状態推定計算結果を元に、各分散電源設備の運転状態を決定する(S11)。

    各分散電源設備の運転状態の決定方法としては、分散電源設備の運転優先順が高いものができるだけ運転されるようにするために、例えば、次のような方法が挙げられる。 ここで、具体例として、6台中3台の分散電源設備を運転させる図5のようなケースを考える。 図5には、分散電源設備の運転優先順と電圧許容範囲に入る分散電源の組み合わせが併せて示されている。 まず、運転優先順1番の分散電源設備が運転されるかどうかを判断材料として、組み合わせ(A)と(B)が候補に残る。 次に、運転優先順2番の分散電源設備が運転されるかどうかを判断材料として、組み合わせ(A)が選択される。 このケースでは、ここで最終決定がなされるが、最終決定に至らない場合には、この作業を運転優先順の順位を下げながら繰り返し続けていけばよい。

    上記の実施例では、運転中の分散電源設備で発電した電力は、配電線を介して各家庭に供給される。 この結果、分散電源設備は高効率となる定格出力で運転されるため、必要な電力分だけ各家庭で個別に分散電源を運転する場合に比べて、システム全体として高効率なエネルギー供給が可能となる。

    ここで、本実施例の効果を説明する。 各家庭の平均的な発電量は、0.3〜0.5kW程度が一般的である。 このため、各家庭で電力容量1kWの分散電源を個別で運転する場合、0.3〜0.5kW程度の出力(定格出力に対して30〜50%)で運転することになり、効率が悪くなる。 一方、例えば10軒の家庭で分散電源を運用する場合、消費電力は全体で3〜5kW程度となるため、3〜5台の分散電源を選択して運転すれば、分散電源を常に定格出力で運転することができる。

    また、それと同時に、低圧配電系統の電圧に関して、例えば、図11のように許容範囲を逸脱することを防止することができ、電圧が図12のような形で許容範囲を維持することができる。 ここで、各需要家では流入または流出する電力量のみを測定すればよいため、配電系統の電力品質の維持を目的とした電圧の測定は必要ない。

    それに伴って、一台の柱上変圧器で受け持つ需要家数が多い場合や、配電線の長さが長い、あるいは太さが細い(あるいは本数が少ない)場合には、配電系統の電圧変動が各需要家の電力需要や各分散電源の発電量に影響を受けやすくなるため、通常設備の増強が必要となるが、そのような場合でも電力品質を維持できるので、配電系統の設備投資を抑制することができる。 さらに、柱上変圧器直後の送り出し電圧が多少変わっても、配電系統の電力品質を維持できるので、電力会社は柱上変圧器直後の送り出し電圧を厳格に管理する必要がなくなる。 この結果、電力会社は、そのための管理費や設備投資を抑制することができる。

    特許文献2と本実施例と比較すると、特許文献2では電力品質の維持のみを考えて、分散電源の運転条件を決定しており、分散電源からの排熱利用のことは全く考えられていない。 このため、特許文献2では、消費熱量とは無関係に分散電源が運転される、分散電源からの排熱が余ったり、足りなくなったりする可能性が高くなる。 すなわち、分散電源からの排熱は、本発明に比べて有効に利用することができない。

    図6は、本発明の第二の実施形態を示すシステム構成図である。 図6の実施例では、電力センサと電圧センサの設置位置が第一の実施例(図1)とは異なっている。 この実施例では、柱上変圧器直後の位置での電力量を測定する電力センサと各家庭に設置された測定点での電圧を測定する電圧センサが設置されている。

    図7に、本発明の第二の実施形態におけるシステムの制御フローを示す。 第二の実施例では、配電系統の電圧を各家庭に設置された電圧センサで測定している(S1)ため、この電圧センサで測定した電圧測定値を通信ネットワーク線を通して制御設備の監視部へ転送し、監視部でリアルタイムに監視すればよい(S3)。

    また、制御設備の系統状態推定部19では、電力センサで測定された柱上変圧器直後の電力量と各家庭に設置された電圧センサで測定された電圧を元に、各家庭での電力量を推定する(S5)。

    さらに、各家庭で消費される全電力量を計算し、分散電源の運転台数を決定する(S7)。 具体的には、以下の方法により全電力量,分散電源の運転台数を決定する。 分散電源の運転台数は、例えば、10軒の各家庭に、電力容量1kWの分散電源が設置されており、10軒の家庭で消費される全電力量が合計4.5kW だった場合、4台の分散電源を運転すればよい。 この場合、分散電源での発電量は4kWで、残りの0.5kW を系統電力から供給を受けることになる。

    ただし、分散電源の運転台数も各家庭の消費熱量に依存するため、仮に消費熱量が少ない時期の場合には、分散電源の発電量を3kWに減らして、系統電力からの供給を1.5
    kW受けるといったことも考えられる。

    その後、第一の実施例と同様に、この台数の分散電源設備を運転する場合にどのような分散電源設備の組み合わせで運転すると配電系統の電圧が許容範囲内に入るかを推定する(S9)。

    一方、制御設備の優先順計算部20で、各分散電源設備の測定データ(S6)を元に、各分散電源設備の運転優先順を決定する(S8)。

    最終的に、制御設備の運転司令部21で、各分散電源設備の運転優先順と配電系統状態推定計算結果を元に、各分散電源設備の運転状態を決定する(S10)。

    なお、この実施例の場合、図7の制御フローでは記載されていないが、配電系統電圧の測定値と推定値を比較することにより、全体記録部22に保存されている配電線のインダクタンスなどのデータを修正することで、配電系統状態推定計算の精度を向上させることができる。

    第二の実施例では、第一の実施例と同様の効果が期待できる。 ここで、各需要家では電圧のみを測定すればよいため、分散電源からの効率的な電力と熱の供給を目的とした電力量の測定は必要ない。

    図8に、本発明の第三の実施形態におけるシステムの制御フローを示す。 なお、この際のシステム構成図は、図1と同様である。

    第三の実施例のS7とS8までのステップは、第一の実施例と同様である。 その後、制御設備の優先順計算部で決定した各分散電源設備の運転優先順(S9)に基づき、分散電源設備の運転優先順が高い組み合わせから順に、制御設備の系統状態推定部で配電系統の電圧が許容範囲内に入るかを推定する(S10)。 この手順を配電系統の電圧が許容範囲内に入るまで続けて、配電系統の電圧が許容範囲内に入る分散電源設備の組み合わせを検出し、最終的に各分散電源設備の運転状態を決定する(S11)。

    第三の実施例では、他の実施例と同様の効果が期待できる。 また、第一の実施例とは異なり、制御設備の配電系統推定計算において、配電系統の電圧が許容範囲内に入る全ての組み合わせを事前に計算する必要がなくなるので、計算時間の短縮につながる。

    また、第三の実施例に関して、柱上変圧器直後の位置での電力量と各家庭の測定点での電圧を測定する図6のシステム構成の場合でも、図7のステップS7とS8の後に、図8の制御フローのS10〜S11を組み合わせればよい。

    図9に、本発明の第四の実施形態におけるシステムの制御フローを示す。 なお、この際のシステム構成図は、図6と同様である。

    第四の実施例のS5までのステップは、第二の実施例と同様である。 その後、制御設備の優先順計算部20で決定した各分散電源設備の運転優先順(S6)に基づき、制御設備の運転司令部21で各分散電源設備の運転状態を仮に決定し、分散電源設備を運転させる(S7)。 その結果、電圧センサによる測定値が許容値内であれば(S8)、そのまま運転を継続する。 ただし、電圧センサによる測定値が許容値内に入っていなければ(S8)、各分散電源設備の運転優先順の結果を元に、次に優先順の高い組み合わせを選択して、運転状態を仮に決定し、分散電源設備を運転させる(S7)。 この手順を繰り返すことにより、最終的に低圧配電系統の電圧が許容値内に入る分散電源設備の運転状態を決定する。

    第四の実施例では、他の実施例と同様の効果が期待できる。 また、第二の実施例とは異なり、配電系統状態推定計算を実施する必要がないため、制御設備の系統状態推定部が不要になる。

    本発明の上記の実施例によれば、低圧配電系統内の需要家の電力及び熱需要を考慮することで各需要家への電力及び熱を効率的に供給するのと同時に、配電系統の電力品質を維持することも可能となり、両者を両立させることができる。

    また、一台の柱上変圧器で受け持つ需要家数が多い場合や、配電線の長さが長い、あるいは太さが細い(あるいは本数が少ない)場合には、配電系統の電圧変動が各需要家の電力需要や各分散電源の発電量に影響を受けやすくなるため、通常設備の増強が必要となるが、そのような場合でも電力品質を維持できるので、配電系統の設備投資を抑制することができる。 さらに、柱上変圧器直後の送り出し電圧が多少変わっても、配電系統の電力品質を維持できるので、電力会社は柱上変圧器直後の送り出し電圧を厳格に管理する必要がなくなる。 この結果、電力会社は、そのための管理費や設備投資を抑制することができる。

    本発明の第一の実施形態を示すシステム構成図。

    本発明の分散電源設備の詳細構成を説明するシステム構成図。

    本発明の制御設備の詳細構成を説明するシステム構成図。

    本発明の第一の実施形態を示すシステムの制御フロー。

    分散電源の運転状態を決定する方法を説明する概念図。

    本発明の第二の実施形態を示すシステム構成図。

    本発明の第二の実施形態を示すシステムの制御フロー。

    本発明の第三の実施形態を示すシステムの制御フロー。

    本発明の第四の実施形態を示すシステムの制御フロー。

    従来技術を用いた場合の低圧配電系統の電圧分布を表した概念図(その一)。

    従来技術を用いた場合の低圧配電系統の電圧分布を表した概念図(その二)。

    本発明を用いた場合の低圧配電系統の電圧分布を表した概念図。

    本発明の実施例による電圧の計算方法を示す図。

    符号の説明

    1…需要家(家庭)、2…分散電源設備、3…配電線、4…制御設備、5…電力センサ、6…電圧センサ、7…通信ネットワーク線、8…電力線、9…温水配管、10…発電部、11…貯湯槽、12…制御部、13…表示部、14…入力部、15…記録部、16…排熱配管、17…分散電源設備通信線、18…監視部、19…系統状態推定部、20…優先順計算部、21…運転司令部、22…全体記録部、23…制御設備通信線。

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