Heat pump heat source system

申请号 JP2012177450 申请日 2012-08-09 公开(公告)号 JP5475072B2 公开(公告)日 2014-04-16
申请人 リンナイ株式会社; シャープ株式会社; 发明人 宏明 佐々木; 孝二 太田; 宏和 田中;
摘要
权利要求
  • 内部をヒートポンプ熱媒体が循環するヒートポンプ循環路と、
    暖房端末が接続され、内部を暖房熱媒体が循環する暖房循環路と、
    前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体を蒸発させる蒸発器、前記蒸発器から吐出された前記ヒートポンプ熱媒体を圧縮する圧縮機、前記暖房循環路の途中に設けられて、前記圧縮機で圧縮された前記ヒートポンプ熱媒体と前記暖房循環路内を循環する前記暖房熱媒体との間で熱交換を行うヒートポンプ熱交換器、及び、前記ヒートポンプ熱交換器から吐出された前記ヒートポンプ熱媒体の圧力を開放する膨張弁が、それぞれ前記ヒートポンプ循環路に設けられたヒートポンプと、
    前記圧縮機と前記ヒートポンプ熱交換器との間にて前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体の温度を検出する第1の温度センサと、
    前記ヒートポンプ熱交換器内の温度を検出する第2の温度センサと、
    前記ヒートポンプ熱交換器と前記膨張弁との間にて前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体の温度を検出する第3の温度センサと、
    前記ヒートポンプ熱媒体のモリエル線図に基いて、前記第1から第3の温度センサが検出した温度から前記ヒートポンプの供給熱量を算出する算出処理部とを備えたことを特徴とするヒートポンプ熱源システム。
  • 前記算出処理部が算出した前記ヒートポンプの供給熱量を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ熱源システム。
  • 说明书全文

    本発明は、ヒートポンプによって、暖房端末が接続された暖房循環路内を循環する熱媒体の加熱を行うヒートポンプ熱源システムに関する。

    ヒートポンプは、熱源として、ボイラ等のガス熱源と比較してエネルギー利用効率が高いことが知られている。 そして、給湯器や暖房端末の熱源として、ヒートポンプ熱源とガス熱源とを併設して備えたハイブリッド熱源システムの普及が進んでいる。

    近年、エネルギー利用効率を高めて省エネルギー化を図ることが求められている。 そのための手段として、エネルギー使用量やエネルギー利用効率などを表示させて、利用者に省エネルギーを促すことが一般的に行われている。

    例えば、特許文献1には、ガス使用量を表示する給湯装置が記載されている。 なお、引用文献2には、節電制御を行うために、ヒートポンプユニットによる給湯用熱量を算出する給湯装置が記載されている。 給湯用熱量は、給湯管にそれぞれ設けられたサーミスタからの温度情報と、流量カウンタからの流量情報に基づいて算出される。

    特開2008−157502号公報

    特開2007−132553号公報

    しかしながら、暖房端末に接続されたヒートポンプ熱源の供給熱量を求めることは行われていない。

    なお、暖房端末に接続された暖房循環路のヒートポンプ熱源との接続出入口にそれぞれ温度センサを設けると共に、暖房循環路に流量センサや流量カウンタなどの流量検出器を設けて、暖房循環路を流れる湯の温度及び流量を検出すれば、暖房用のヒートポンプ熱源の供給熱量を求めることは可能である。 しかし、暖房制御のために温度を検出する必要があるため温度センサは暖房循環路に設けられているが、暖房制御のために流量を検出する必要はなく、暖房循環路には流量検出器は設けられていない。

    そのため、暖房端末に接続されたヒートポンプ熱源の供給熱量を求めるためだけに、暖房循環路に流量検出器を追加する必要があり、コスト高になり、誤作動のおそれも生じる。

    本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、暖房循環路に流量検出器を設けることなく、ヒートポンプ熱源の供給熱量を求めることができるヒートポンプ熱源システムを提供することを目的とする。

    本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、本発明のヒートポンプ熱源システムは、内部をヒートポンプ熱媒体が循環するヒートポンプ循環路と、暖房端末が接続され、内部を暖房熱媒体が循環する暖房循環路と、前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体を蒸発させる蒸発器、前記蒸発器から吐出された前記ヒートポンプ熱媒体を圧縮する圧縮機、前記暖房循環路の途中に設けられて、前記圧縮機で圧縮された前記ヒートポンプ熱媒体と前記暖房循環路内を循環する前記暖房熱媒体との間で熱交換を行うヒートポンプ熱交換器、及び、前記ヒートポンプ熱交換器から吐出された前記ヒートポンプ熱媒体の圧を開放する膨張弁が、それぞれ前記ヒートポンプ循環路に設けられたヒートポンプと、前記圧縮機と前記ヒートポンプ熱交換器との間にて前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体の温度を検出する第1の温度センサと、前記ヒートポンプ熱交換器内の温度を検出する第2の温度センサと、前記ヒートポンプ熱交換器と前記膨張弁との間にて前記ヒートポンプ循環路内の前記ヒートポンプ熱媒体の温度を検出する第3の温度センサと、前記ヒートポンプ熱媒体のモリエル線図に基いて、前記第1から第3の温度センサが検出した温度から前記ヒートポンプの供給熱量を算出する算出処理部とを備えたことを特徴とする。

    本発明のヒートポンプ熱源システムにおいては、ヒートポンプ熱媒体のモリエル線図に基いて、第1から第3の温度センサが検出した温度からヒートポンプ熱交換器の供給熱量を算出することができる。 よって、ヒートポンプの供給熱量を算出するために、暖房循環路に流量検出器を設ける必要がなく、コスト高とならず、誤作動のおそれも生じない。

    また、本発明において、前記算出処理部が算出した前記ヒートポンプの供給熱量を表示する表示部を備えることが好ましい。 この場合、ヒートポンプの供給熱量を使用者に明瞭に把握させて、省エネルギーに努めるように促すことが可能になる。

    なお、本発明においては、ヒートポンプの供給熱量を直接的に表示することに限定されない。 例えば、ヒートポンプの供給熱量から算出することが可能なヒートポンプの成績係数COPなどを表示してもよく、ヒートポンプの供給熱量を間接的に表示することも本発明に含まれる。

    さらに、本発明においては、ヒートポンプの供給熱量を直接的又は間接的に表示することに限定されない。 例えば、ヒートポンプの供給熱量やこれから算出された成績係数COPなどをメモリに保存しておき、この保存値に基いてヒートポンプ熱源システムを省エネルギーなどを目的として制御することも、本発明に含まれる。

    ヒートポンプ熱源システムの構成図。

    モリエル線図を簡略化したグラフ。

    表示器の一例を示す図

    供給熱量算出のフローチャート。

    (ヒートポンプ熱源システムの構成)
    本発明の実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。 図1を参照して、本実施形態のヒートポンプ熱源システムは、貯湯ユニット10、ヒートポンプユニット50、ガス熱源ユニット80、及び、ヒートポンプ熱源システムの全体的な作動を制御するコントローラ150を備えている。

    貯湯ユニット10は、貯湯タンク11、給水管12、給湯管13等を備えている。 貯湯タンク11は内部に湯水を保温して貯め、高さ方向に略等間隔でタンク温度センサ14〜17が設けられている。 貯湯タンク11の底部には、作業者の手動操作により開弁される排水弁18が設けられている。

    給水管12は、一端が給水口30を介して図示しない水道に接続され、他端が貯湯タンク11の下部に接続されて、貯湯タンク11内の下部に水を供給する。 給水管12には、貯湯タンク11の内圧が過大になることを防止するための減圧弁19と、貯湯タンク11から給水管12への湯水の流出を阻止するための逆止弁20が設けられている。

    給水管12は、タンク混合弁21を介して給湯管13に連通しており、タンク混合弁21により、貯湯タンク11から給湯管13に供給される湯と給水管12から給湯管に供給される水との混合比が変更される。 給水管12には、給水管12内の水の温度を検出する水温度センサ22と、給水管12を流通する水の流量を検出する水流量センサ23と、給湯管13から給水管12への湯水の流出を阻止するための逆止弁24とが設けられている。

    給湯管13は、一端が給湯口31に接続され、他端が貯湯タンク11の上部に接続されている。 貯湯タンク11の上部に貯められた湯水は、給湯口31を介して図示しない給湯栓(台所、洗面所、浴室のカランやシャワー等)に供給される。 給湯管13には、給湯管13から貯湯タンク11への湯水の流入を阻止する逆止弁25と、給湯管13内の湯水の温度を検出する湯温度センサ26と、給湯管13を流通する湯水の流量を検出する湯流量センサ27とが設けられている。

    さらに、給湯管13には、給水管12の分岐管との接続部よりも下流側で、ガス熱源ユニット80に接続されたバイパス管33(バイパス往管33a、バイパス戻管33b)が介設されている。 給湯管13のバイパス往管33aとの接続部とタンク混合弁21の間には、湯温度センサ28が設けられ、給湯管13のバイパス戻管33bとの接続部と給湯口31の間に、混合湯温度センサ32が設けられている。 また、ヒートポンプユニット50と接続されたタンク循環路41には、貯湯タンク11からタンク循環路41に供給される湯水の温度を検出するタンク下温度センサ34が設けられている。

    また、給湯管13のバイパス往管33aとの接続部とバイパス戻管33bとの接続部の間に、バイパス往管33aに供給される湯水の流量を調整するためのバイパス制御弁29が設けられている。

    ヒートポンプユニット50及びガス熱源ユニット80と接続された暖房循環路40には、暖房循環路40からヒートポンプユニット50に戻る温水の温度を検出する暖房ヒートポンプ戻り温度センサ45と、ヒートポンプユニット50により加熱されて暖房循環路40に出湯される温水の温度を検出する暖房ヒートポンプ往き温度センサ46と、ヒートポンプユニット50をバイパスするヒートポンプバイパス路42と、暖房循環路40の下流側の接続箇所の直下流部に設けられて、暖房循環路40からの温水とヒートポンプバイパス路42からの温水とが混合された温水の温度を検出する暖房混合温度センサ47とが設けられている。

    さらに、暖房循環路40側に流通する温水とヒートポンプバイパス路42側に流通する湯水の割合を調節するための暖房側混合弁48が設けられている。

    貯湯ユニット10に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ150に入力される。 また、コントローラ150から出力される制御信号によって、タンク混合弁21、バイパス制御弁29、及び暖房側混合弁48の作動が制御される。

    次に、ヒートポンプユニット50は、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させて加熱すると共に、暖房循環路40内を流通する温水(本発明の暖房熱媒体に相当する)を加熱するものである。 ヒートポンプユニット50は、ヒートポンプ循環路52により接続された蒸発器53、圧縮機54、ヒートポンプ熱交換器55(凝縮器)、及び膨張弁56により構成されたヒートポンプ51を備えている。

    蒸発器53は、ファン60の回転により供給される空気とヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体(ハイドロフルオロカーボン(HFC)等の代替フロン、二酸化炭素等、本発明のヒートポンプ熱媒体に相当する)との間で熱交換を行い、熱媒体を蒸発させる。

    圧縮機54は、蒸発器53から吐出された熱媒体を圧縮して高圧・高温とし、ヒートポンプ熱交換器55に送出する。 膨張弁56は、圧縮機54で加圧された熱媒体の圧力を開放する。 除霜弁61は膨張弁56をバイパスして設けられており、圧縮機54から送出される熱媒体により蒸発器53を除霜する。

    ヒートポンプ循環路52には、ヒートポンプ循環路52内を流通する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度センサ62,63,64,65が設けられている。

    熱媒体温度センサ62は、ヒートポンプ循環路52の圧縮機54の上流側に設けられ、圧縮機54に吸込まれる熱媒体の温度TH1を検出する。 熱媒体温度センサ63(本発明の第1の温度センサに相当する)は、ヒートポンプ循環路52の圧縮機54の下流側に設けられ、圧縮機54から吐出された熱媒体の温度TH2を検出する。 熱媒体温度センサ64(本発明の第3の温度センサに相当する)は、ヒートポンプ循環路52の膨張弁56の上流側に設けられ、膨張弁56に流入する熱媒体の温度TH3を検出する。 熱媒体温度センサ65は、ヒートポンプ循環路52の蒸発器53の上流側に設けられ、蒸発器53に流入する熱媒体の温度TH4を検出する。

    また、ヒートポンプ熱交換器55には、その内部のヒートポンプ熱媒体の温度を検出するヒートポンプ熱媒体温度センサ57(本発明の第2の温度センサに相当する)が設けられる。 そして、蒸発器53には、蒸発器53に吸入される空気の温度(外気温度)を検出する外気温度センサ67が設けられている。

    ヒートポンプ熱交換器55はタンク循環路41と接続され、圧縮機54により高圧・高温とされたヒートポンプ熱媒体と、タンク循環路41内を流通する湯水との熱交換により、タンク循環路41内を流通する湯水を加熱する。 タンク循環路41には、貯湯タンク11内の湯水をタンク循環路41を介して循環させるためのタンク循環ポンプ66が設けられている。

    貯湯タンク11内の下部の低温の湯水は、タンク循環ポンプ66によりタンク循環路41に導かれ、ヒートポンプ熱交換器55で加熱されて貯湯タンク11の上部に戻される。 なお、タンク循環路41のヒートポンプ熱交換器55の上流側及び下流側には、タンク循環路41内を流通する湯水の温度を検出する湯温度センサ68,69が設けられている。

    また、ヒートポンプ熱交換器55は暖房循環路40と接続され、圧縮機54により高圧・高温とされたヒートポンプ熱媒体と、暖房循環路40内を流通する温水との熱交換により、暖房循環路40内を流通する温水を加熱する。

    ヒートポンプユニット50に備えられた各センサの検出信号は、コントローラ150に入力される。 また、コントローラ150から出力される制御信号によって、圧縮機54、タンク循環ポンプ66、ファン60、膨張弁56の作動が制御される。

    次に、ガス熱源ユニット80は、バイパス管33から供給される湯水と、暖房循環路40内を流通する温水を加熱するものであり、給湯用の第1バーナ71と第1バーナ71により加熱される第1熱交換器72を有する給湯補助熱源機70、暖房・追焚き用の第2バーナ76と第2バーナ76により加熱される第2熱交換器77を有する暖房補助熱源機75、給水管85、給湯管86、及び追焚き熱交換器87等を備えている。

    第1バーナ71及び第2バーナ76は、図示しないガス供給管から燃料ガスが供給されると共に、図示しない燃焼ファンにより燃焼用空気が供給される。 コントローラ150は、第1バーナ71及び第2バーナ76に供給する燃料ガスと燃焼用空気の流量を調節して、第1バーナ71及び第2バーナ76の燃焼量を制御する。

    第1熱交換器72は、給水管85及び給湯管86に連通しており、第1バーナ71の燃焼熱によって、給水管85から供給される水を加熱して給湯管86に出湯する。 給水管85は、一端が貯湯ユニット10のバイパス往管33aに接続され、バイパス往管33aを介して水が供給される。 給湯管86は、一端が貯湯ユニット10のバイパス戻管33bに接続されており、バイパス戻管33bを介して給湯口31から湯を供給する。

    給水管85には、上流側から順に、止水弁93と水量センサ88が設けられている。 給水管85と給湯管86は、バイパス管89により連通しており、バイパス管89にはバイパス管89の開度を調節するための水量調節弁90が設けられている。 給湯管86の第1熱交換器72の下流側、及びバイパス管89との接続部分の下流側には、給湯管86内を流通する湯の温度を検出する給湯温度センサ91,92が、それぞれ設けられている。

    この構成により、貯湯タンク11から給湯管13に供給される湯の温度が設定給湯温度よりも低いとき(湯切れ状態)に、バイパス往管33aを介して給水管85に供給される水が第1熱交換器72により加熱されて湯となり、バイパス管89からの水と混合されて、給湯管86及びバイパス戻管33bを介して給湯口31から供給されるようになっている。

    また、給湯管86は、湯張り管100により、浴槽101に接続された風呂循環路102に連通している。 湯張り管100には、湯張り管100を開閉する湯張り弁103と、風呂循環路102から給湯管86への湯の流入を阻止する逆止弁104が設けられている。 湯張り弁103を開弁することにより、給湯管86から湯張り管100及び風呂循環路102を介して浴槽101に湯を供給することができる。

    風呂循環路102には、浴槽101内の湯水を風呂循環路102を介して循環させる風呂循環ポンプ105と、追焚き熱交換器87とが設けられている。 追焚き熱交換器87は、追焚き往管107及び追焚き戻管108を介して暖房循環路40に接続されている。 追焚き往管107には、追焚き往管107を開閉する追焚き弁109が設けられている。

    コントローラ150は、風呂循環ポンプ105を作動させて、浴槽101内の湯水を風呂循環路102を介して循環させた状態で、追焚き弁109を開弁し、後述する暖房循環ポンプ111を作動させて暖房循環路40から追焚き往管107及び追焚き戻管108を介して追焚き熱交換器87に温水を循環供給することによって、浴槽101内の湯水を追焚きする。

    第2熱交換器77は、暖房循環路40の途中に設けられており、第2バーナ76の燃焼熱によって、暖房循環路40内を流通する温水を加熱する。 暖房循環路40は、第2熱交換器77の他に、床暖房機200(本発明の暖房端末に相当する)及び温風暖房機210と接続されて温水による熱を供給する。

    暖房循環路40には、上述したヒートポンプ熱交換器55及び暖房補助熱源機75の第2熱交換器77と、シスターン110と、暖房循環ポンプ111とが設けられている。 また、暖房循環路40は、暖房循環ポンプ111と第2熱交換器77の間の箇所で低温暖房路112と高温暖房路130とに分岐している。

    高温暖房路130には温風暖房機210が接続され、低温暖房路112には床暖房機200が接続されている。 高温暖房路130と低温暖房路112は、温風暖房機210及び床暖房機200の下流側で合流している。 高温暖房路130と温風暖房機210の接続部と第2熱交換器77の間の箇所で高温暖房路130から分岐してシスターン110に連通する暖房バイパス路113が設けられ、暖房バイパス路113には、暖房バイパス路113の開度を調節する暖房バイパス調節弁114が設けられている。

    暖房循環路40の暖房循環ポンプ111の出口付近には、暖房循環ポンプ111から送出される温水の温度を検出する戻り温水温度センサ115が設けられている。 また、暖房循環路40の第2熱交換器77の出口付近には、第2熱交換器77から送出される温水の温度を検出する往き温水温度センサ116が設けられている。

    低温暖房路112は、熱動弁120を介して床暖房機200に接続されており、熱動弁120の開閉によって、低温暖房路112から床暖房機200への温水の供給と停止が切替えられる。 また、高温暖房路130から温風暖房機210への温水の供給と停止は、温風暖房機210に備えられた熱動弁211の開閉により行われる。 床暖房機200を操作するための床暖房リモコン201には、床暖房機200が設置された室内の温度を検出する室温センサ202が接続されている。

    床暖房リモコン201とコントローラ150は、通信可能に接続され、床暖房リモコン201により設定された目標暖房温度のデータと、室温センサ202による検出温度のデータが、コントローラ150に送信される。

    熱源リモコン160は、コントローラ150と通信可能に接続されている。 熱源リモコン160には、ヒートポンプ熱源システムの運転状態や運転条件の設定状態等を表示する表示器161と、ヒートポンプ熱源システムの運転条件等を設定する操作部162とが備えられている。

    ヒートポンプ熱源システムの使用者は、熱源リモコン160の操作部162を操作することによって、貯湯タンク11内の湯水の沸き上げ指示、給湯口31からの給湯温度(設定給湯温度)、浴槽101への給湯温度(設定湯張り温度)等を設定することができる。

    ガス熱源ユニット80に備えられた各センサの検出信号はコントローラ150に入力される。 また、コントローラ150から出力される制御信号によって、第1バーナ71、第2バーナ76、水量調節弁90、止水弁93、湯張り弁103、風呂循環ポンプ105、追焚き弁109、暖房循環ポンプ111、暖房バイパス調節弁114、及び熱動弁120の作動が制御される。

    コントローラ150は、図示しないCPU,メモリ等により構成された電子回路ユニットであり、メモリに保持されたヒートポンプ熱源システムの制御用プログラムを、CPUで実行することによって、暖房制御部151、タンク制御部152、及び算出処理部153として機能し、ヒートポンプ熱源システムの作動を制御する。 そして、コントローラ150には、安定判定タイマ154が接続されている。

    暖房制御部151は、床暖房リモコン201の操作に従って床暖房機200の暖房運転を実行する。 タンク制御部152は、貯湯タンク11内の湯水を、熱源リモコン160により設定されている給湯温度(設定給湯温度又は設定湯張り温度)に応じた沸かし上げ温度まで加熱する沸かし上げ運転を実行する。 算出処理部153は、後述するヒートポンプユニット50の供給熱量割合C1,C2を算出する。

    床暖房リモコン201の操作により床暖房機200の運転が開始されると、ヒートポンプユニット50を作動させ、暖房循環ポンプ111を作動させて、暖房循環路40に温水を循環させる。 ヒートポンプユニット50による加熱量で不足する場合は、第2バーナ76を作動させ、第2熱交換器77で温水を加熱する。

    温風暖房機210の運転が開始されると、第2バーナ76を作動させ、暖房循環ポンプ111を作動させて、暖房循環路40に温水を循環させる。

    (ヒートポンプの作動原理)
    図2は、モリエル線図(p−h線図)を簡略化したグラフであり、点線は等温線を示す。 図2において、ヒートポンプ熱媒体(以下、単に熱媒体ともいう)は、飽和液線tの左側では液相(液体)、飽和蒸気線sの右側では気相(気体、ガス)となり、飽和液線tと飽和蒸気線sの間では液相と気相が入り混じった湿り蒸気状態となる。

    図2において、冷凍サイクルのA1点は、圧縮機54入口の熱媒体の状態を示す。 圧縮機54入口の熱媒体は、過熱された蒸気状態となっている。 A1点では、熱媒体は、温度TH1、エンタルピーh1、圧力p1である。 A1点の温度と、A1点からの水平線と飽和蒸気線sとの交点の温度との温度差が過熱度SHを示す。

    A1点での過熱状態の蒸気状態の熱媒体は、圧縮機54により圧縮されて、圧力がp1からp2に増加し、A2点の状態となる。 A2点では、エンタルピーがh1からh2に、温度がTH1からTH2にそれぞれ増加して、高温高圧の蒸気状態の熱媒体となっている。

    A2点の高温高圧の熱媒体は、ヒートポンプ熱交換器55による等圧変化により凝縮液化されて、エンタルピーがh2からh3に減少して、A3点での液状態となる。 A2点からA3点まで圧力はp2と高圧のままである。 熱媒体は、A2点から飽和蒸気線sまでは温度が下降するが、飽和蒸気線sを超えて飽和液線tに至るまでは温度はTH5で一定であり、湿り蒸気状態になる。 そして、飽和液線tを超えると、熱媒体は、温度がTH5からTH3に減少して、高圧の液状態になる。 A3点での熱媒体は、ヒートポンプ熱交換器55で冷却されて、過冷却状態となっている。 A3点の温度と、A3点からの水平線と飽和液線tとの交点の温度との温度差が過冷却度SCを示す。

    過冷却状態の熱媒体は、膨張弁56から噴出して等エンタルピー変化で断熱膨張し、圧力がp2からp1に低下して、A4点で示す低温低圧の湿り蒸気状態となる。

    A4点の湿り蒸気状態の熱媒体は、蒸発器53で高温熱源と熱交換(吸熱)が等圧変化で行われ、飽和蒸気線sまでは温度がTH4で一定のまま、蒸発が進行して、エンタルピーが増加する。 そして、熱媒体は、飽和蒸気線sを超えると、温度は上昇してTH1となり、エンタルピーもさらに増加してh1となり、A1点状態の過熱状態の完全なガス状態に戻る。

    (ヒートポンプの供給熱量の算出等)
    ヒートポンプ51による単位時間当りの供給熱量Qc[W]は、エンタルピーh2[kJ/kg],h4[kJ/kg]から、式(1)を用いて算出することができる。
    Qc=qmr×(h2−h4)・・・(1)

    ここで、qmr[kg/s]は、ヒートポンプ51の単位時間当りの熱媒体循環量(以下、HP熱媒体循環量ともいう)であり、圧縮機54のピストン押しのけ量V[m /s]、体積効率ηv[−]、吸込蒸気の比体積ν[m /kg]から、式(2)を用いて算出することができる。 なお、体積効率ηvは、厳密には圧縮比により変化するが、実験的、経験的な概略値を用いればよい。 この概略値は、一定値であっても、後述する圧縮機54の回転数nによって定まる数値であってもよい。
    qmr=V×ηv/ν・・・(2)

    例えば、圧縮機54がロータリー式(回転ピストン式)の圧縮機である場合、ピストン押しのけ量Vは、圧縮機54のシリンダの直径D[m]、ロータの直径d[m]、ロータ厚L[m]、シリンダ数N、回転数n[rpm]から、式(3)を用いて算出することができる。
    V=π/4×(D −d )×L×N×n/60・・・(3)

    ここで、圧縮機54に関する緒値(シリンダの直径D、ロータの直径d、ロータ厚L、シリンダ数N)は圧縮機54が定まれば一意的に定まる固定値である。 よって、ピストン押しのけ量Vは、圧縮機54の回転数nによる関数となる。 この関数をf(n)と仮定すると、HP熱媒体循環量qmrは、圧縮機54の回転数nの関数f(n)を式(2)に代入して、式(4)を用いてHP熱媒体循環量qmrを算出することができる。
    qmr=f(n)×ηv/ν・・・(4)

    従って、エンタルピーh2,h4及び圧縮機54の回転数nが定まれば、ヒートポンプ51による供給熱量Qcは式(5)を用いて算出することができる。
    Qc=f(n)×ηv/ν×(h2−h4)・・・(5)

    そして、エンタルピーh2,h4は、A2点、A4点状態でのそれぞれのエンタルピーであり、以下のようにして求めることができる。

    まず、ヒートポンプ熱交換器55内での熱媒体の温度TH5は、ヒートポンプ熱媒体温度センサ57が検出したヒートポンプ熱交換器55内のヒートポンプ熱媒体温度に等しいと考えることができる。 そして、ヒートポンプ熱交換器55内では、湿り蒸気状態で等圧変化しているので、図2のモリエル線図を参照して、温度TH5を示す等温線からヒートポンプ熱交換器55内の熱媒体の圧力p2を求めることができる。

    そして、圧力p2を示す水平線と、飽和蒸気線sの右側の過飽和状態(過熱蒸気)での温度TH2での等温曲線との交点をA2点として求める。 このA2点でのエンタルピーがh2である。

    一方、圧力p2を示す水平線と、過冷却状態での温度TH3での等温線との交点をA3点として求める。 このA3点でのエンタルピーがh3である。 そして、A3点の状態からA4点の状態への変化は等エンタルピー変化であるので、A4点の状態での熱媒体のエンタルピーh4はエンタルピーh3に等しい。

    これにより、ヒートポンプ51による供給熱量Qcを求めることができる。 なお、ヒートポンプ51による給湯側への供給熱量Qbは、混合湯温度センサ32が検出した湯水の温度、及び、水流量センサ23が検出した水流量と湯流量センサ27が検出した湯流量の和から(Qb+Qd)を求め、バーナ71のガス使用量から給湯補助熱源機70により供給された供給熱量Qdを求め、(Qb+Qd)−Qdから求めることができる。 そこで、ヒートポンプ51による暖房側への供給熱量Qaは、式(6)から求めることができる。
    Qa=Qc−Qb=f(n)×ηv/ν×(h2−h4)−Qb・・・(6)

    さらに、第1バーナ71及び第2バーナ76でのそれぞれ単位時間当りのガス使用量は、これらバーナ71,76にガスを供給するガス管に取付けられた図示しないガス流量計から取得することができる。 そして、これらバーナ71,76のガス使用量から、給湯補助熱源機70及び暖房補助熱源機75によりそれぞれ供給された供給熱量Qd,Qeを算出することができる。

    よって、給湯に対する供給熱量のうちのヒートポンプ51による割合C1、及び暖房に対する供給熱量のうちのヒートポンプ51による割合C2を、式(7)、式(8)から算出することができる。
    C1=Qb/(Qb+Qd)…(7)
    C2=Qa/(Qa+Qe)…(8)

    これら割合C1,C2は、それぞれ熱源リモコン160の表示器161に表示される。 表示器161では、図3を参照して、点灯するランプの色を相違させて、割合C1,C2を表示している。 例えば、割合C2が70%の場合、ヒートポンプユニット50に対応させた色(例えば、緑)で「暖房」表示の左側のランプを概略70%分だけ点灯させ、暖房補助熱源機75に対応させた色(例えば、赤)で「暖房」表示の右側のランプを概略30%分だけ点灯させる。 これにより、給湯、暖房にそれぞれのヒートポンプ51による供給熱量の割合C1,C2を、使用者に明瞭に把握させて、省エネルギーに努めるように促すことが可能になる。

    また、ヒートポンプ51の性能を表す指標として成績係数COP(Coeffcient of Performance)と呼ばれるものがある。 成績係数COPは、ヒートポンプ51が消費する電力に対する供給熱量Qcの倍率を表している。 これにより、ヒートポンプ51全体の成績係数COPを算出することができる。 また、図2における冷凍サイクルでは、式(9)から、成績係数COPを算出してもよい。
    COP=(h2−h4)/(h1−h2)…(9)

    そして、算出した成績係数COPを表示器161に表示させてもよい。 これにより、ヒートポンプ51による成績係数COPを、使用者に明瞭に把握させて、省エネルギーに努めるように促すことが可能になる。

    次に、図4に示したフローチャートに従って、コントローラ150による供給熱量割合C1,C2の表示処理について説明する。

    図4のSTEP1〜STEP13は、算出処理部153による処理である。 STEP1で、算出処理部153は、運転が開始されたか否かを判断する。 運転開始条件としては、例えば、熱源リモコン160の操作部162の図示しないメインスイッチがオンされたこと、あるいは、床暖房リモコン201のスイッチがオンされたことが設定されている。

    STEP1で運転開始条件が成立しているときはSTEP2に進み、安定判定タイマ154を始動させる。

    続くSTEP3で、算出処理部153は、ヒートポンプ51の運転開始要求があるか否かを判断する。 ヒートポンプ51の運転開始要求は、例えば、(1)使用者により熱源リモコン160又は床暖房リモコン201の暖房開始操作がなされた場合、(2)熱源リモコン160又は床暖房リモコン201により設定されているタイマ運転の開始時刻になった場合、に要求される。

    STEP3でヒートポンプ51の運転開始条件が成立しているときはSTEP4に進み、安定判定タイマ154が予め定められた安定判定時間、例えば、300秒を超えたか否かを判断する。 これは、ヒートポンプ51の運転状態が安定化するまで待機するためである。

    STEP4で安定判定タイマ154が安定判定時間を超えたときはSTEP5に進み、算出処理部153は、温度センサ63,64及びヒートポンプ熱媒体温度センサ57がそれぞれ検出した温度TH2,TH3,TH5を取得する。 さらに、STEP6で、算出処理部153は、圧縮機54の回転数nを取得する。

    続くSTEP7で、算出処理部153は、上述した方法で、モリエル線図を参照して、検出温度TH2,TH3,TH5からエンタルピーの差(h2−h4)を算出する。 この算出方法は限定されない。 例えば、コントローラ150のメモリに保存された「検出温度TH2,TH3,TH5に対応するエンタルピーの差(h2−h4)の表」を参照してもよい。 また、コントローラ150のメモリに保存された「検出温度TH2,TH5に対応するエンタルピーh2のマップ」を参照してエンタルピーh2を求め、コントローラ150のメモリに保存された「検出温度TH3,TH5に対応するエンタルピーh4のマップ」を参照してエンタルピーh4を求めた後、エンタルピーh2とエンタルピーh4との差から(h2−h4)を算出してもよい。

    そして、算出処理部153は、上述した式(5)を用いて、エンタルピーh2,h4及び圧縮機54の回転数nから、ヒートポンプ51による単位時間当りの供給熱量Qcを算出する。

    さらに、STEP8で、算出処理部153は、湯温度センサ26、タンク下温度センサ34が検出した湯水の温度を取得する。 また、算出処理部153は、湯流量センサ27が検出した湯流量も取得する。 そして、STEP9は、算出処理部153は、STEP7で取得した検出湯温及び検出湯流量から、ヒートポンプ51による給湯側への供給熱量Qbを算出する。

    さらに、STEP10で、算出処理部153は、第1バーナ71及び第2バーナ76でのそれぞれ単位時間当りのガス使用量を取得する。 そして、STEP11で、算出処理部153は、STEP10で取得したガス使用量から、給湯補助熱源機70及び暖房補助熱源機75によりそれぞれ供給された供給熱量Qd,Qeを求める。

    続いて、STEP12で、算出処理部153は、給湯に対する供給熱量のうちのヒートポンプ51による割合C1、及び暖房に対する供給熱量のうちのヒートポンプ51による割合C2を、式(7)、式(8)から求める。

    次いで、STEP13で、算出処理部153は、割合C1,C2をそれぞれ熱源リモコン160の表示器161に表示させる。

    なお、本実施形態では、貯湯ユニット10を備える給湯、暖房兼用のシステムを例に説明したが、貯湯ユニット10を備えない暖房専用のシステムに、本発明を適用してもよい。 また、本実施形態では、ガス熱源ユニット80を備えるヒートポンプとバーナとのハイブリッドシステムを例に説明したが、ガス熱源ユニット80を備えないヒートポンプ単独のシステムに、本発明を適用してもよい。

    10…貯湯ユニット、11…貯湯タンク、40…暖房循環路、41…タンク循環路、50…ヒートポンプユニット、51…ヒートポンプ、52…ヒートポンプ循環路、53…蒸発器、54…圧縮機、55…ヒートポンプ熱交換器、56…膨張弁、57…ヒートポンプ熱媒体温度センサ(第2の温度センサ)、63…熱媒体温度センサ(第1の温度センサ)、64…熱媒体温度センサ(第3の温度センサ)、65…熱媒体温度センサ、70…給湯補助熱源機、75…暖房補助熱源機、80…ガス熱源ユニット、150…コントローラ、153…算出処理部、200…床暖房機、210…温風暖房機。

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