液体加熱装置

申请号 JP2016523229 申请日 2014-10-20 公开(公告)号 JP6074117B2 公开(公告)日 2017-02-01
申请人 コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ; KONINKLIJKE PHILIPS N.V.; 发明人 ベークマン ヤルノ; フレイ フレット;
摘要
权利要求

温かい飲料の製造機のための液体加熱装置であって、 循環加熱器と、 加熱されるべき液体を受容するための第1の槽と、 予加熱された液体を一時的に収容するための第2の槽と、 加熱された液体を放出するための液体出口と、 前記第2の槽に予加熱された液体を一時的に収容するため、液体が前記第1の槽から前記循環加熱器を通って前記第2の槽へと流れる、予加熱サイクルと、前記予加熱された液体が前記第2の槽から前記循環加熱器を通って前記液体出口へと流れる、最終加熱サイクルと、の間で、前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるよう構成された切り換えユニットと、 を有する液体加熱装置。前記切り換えユニットは、前記第1の槽から放出された予め定義された量の液体に依存して、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で切り換えるよう構成されたコントローラを有する、請求項1に記載の液体加熱装置。前記第1の槽から放出された液体の流量を測定し、該流量から放出された液体の総量を算出するための流量計を更に有し、前記コントローラは、前記算出された放出された液体の総量が、予め定義された液体の量に到達したときに、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間を切り換えるよう構成された、請求項2に記載の液体加熱装置。前記第2の槽内の流体レベルを測定するための流体レベルセンサを更に有し、前記コントローラは、前記第2の槽内の前記流体レベルが、予め定義された液体の量に到達したときに、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間を切り換えるよう構成された、請求項2に記載の液体加熱装置。予め定義された液体の量を受信するためのデータインタフェースを更に有し、前記予め定義された液体の量は、ユーザにより選択された温かい飲料のために必要な液体の量であり、前記データインタフェースは、前記コントローラに接続される、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の液体加熱装置。前記切り換えユニットは、1つ以上の切り換え弁と、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるために第1の弁位置と第2の弁位置との間で前記1つ以上の切り換え弁の弁位置を切り換えるよう構成されたコントローラと、を有する、請求項1に記載の液体加熱装置。前記1つ以上の切り換え弁は、前記コントローラを含む電気切り換え弁を有する、請求項6に記載の液体加熱装置。前記コントローラは、前記予加熱された液体が、前記第2の槽から、前記循環加熱器を通って、再び前記第2の槽に戻って流れ得る、第3の弁位置へも、前記1つ以上の切り換え弁の弁位置を切り換えるよう構成された、請求項6に記載の液体加熱装置。前記切り換えユニットは、 入口側において前記第1の槽に流体接続され、出口側において前記循環加熱器に流体接続された、第1のポンプと、 入口側において前記第2の槽に流体接続され、出口側において前記循環加熱器に流体接続された、第2のポンプと、 前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるため、前記第1のポンプ又は前記第2のポンプを選択的にスイッチオンするよう構成されたコントローラと、 を有する、請求項1に記載の液体加熱装置。前記第1のポンプの出口側が、前記循環加熱器の第1の入口に流体接続され、前記第2のポンプの出口側が、前記第1の入口とは異なる前記循環加熱器の第2の入口に流体接続された、請求項9に記載の液体加熱装置。前記第2の槽は前記第1の槽よりも小さい、請求項1に記載の液体加熱装置。前記第2の槽は、前記第1の槽に流体接続された溢れ出口を有する、請求項1に記載の液体加熱装置。前記第1の槽内の液体を予加熱するための第2の加熱要素を更に有する、請求項1に記載の液体加熱装置。請求項1に記載の液体加熱装置を有する、温かい飲料の製造機。前記温かい飲料の製造機は、コーヒーマシンであり、抽出されるべきコーヒー製品を受容するよう構成された煎出室を有し、前記煎出室は、前記液体加熱装置の液体出口に流体接続された、請求項14に記載の温かい飲料の製造機。

说明书全文

本発明は、例えばコーヒー及び/又はエスプレッソコーヒーマシンのような、温かい飲料の製造機のための液体加熱装置に関する。本発明は更に、斯かる液体加熱装置を有する温かい飲料の製造機、特にコーヒー及び/又はエスプレッソコーヒーマシンに関する。好適には、本発明の液体加熱装置は、一杯分用の自動、半自動又は手動のコーヒー及び/又はエスプレッソコーヒーマシンに適用され得る。しかしながら、本発明の液体加熱装置は、斯かる機器における使用に限定されるものではない。

一杯分用のコーヒーマシン及びエスプレッソコーヒーマシンのような温かい飲料の製造機における主な課題のひとつは、十分に高い流量で、エネルギー効率の良い態様で、温かいを供給することである。コーヒー又はエスプレッソコーヒーを煎出するためには、約90乃至95℃の煎出温度が必要とされる。取り入れる液体として通常は水道水が利用されるという事実を鑑みると、このことは、コーヒー又はエスプレッソマシンにおける斯かる液体加熱装置が通常、約15乃至20℃の取り入れ温度から、約90乃至95℃の排出温度にまで、水を加熱する必要があることを意味する。

斯かる温かい飲料の製造機のための、2つの異なるタイプの液体加熱システムが一般に知られている。第1の機械タイプは、水ボイラによって水を加熱する。第2の機械タイプは、1つ以上の循環(flow-through)加熱器又はサーモブロックを利用する。水ボイラを利用する機械は、低圧で高流量に最も適しており、典型的に約120mlの容積を持つ「通常の」コーヒー飲料の製造に特に適している。他方、循環加熱器を利用する機械は、高圧で低流量に最も適しており、約40乃至60mlの典型的な容積を持つエスプレッソコーヒーの製造に特に適している。

「通常の」コーヒー飲料とともにエスプレッソコーヒーをも製造することを可能とする、組み合わせられた機械のために、同一の液体加熱装置が利用されるべき場合には、特に困難なものとなる。「通常の」コーヒー飲料のためには、水は高い流量且つ低い圧で供給されるべきであり、一方、エスプレッソコーヒー飲料に特に重要なクレマ(crema)を生成するためには、比較的低い流量且つ高い圧力が必要とされる。それ故、先行技術のボイラと先行技術の循環加熱器手法のいずれも、斯かる組み合わせられたコーヒー及びエスプレッソマシンには適切ではないと思われる。

2つのタイプの先行技術の液体加熱手法の更なる相違点は、電力消費の異なるレベルである。ボイラ加熱システムは通常、約1450Wの電力レベルを持つが、現代のサーモブロックは、固有な流量制限のために、必要とされる約5乃至6ml/s、特に5.6ml/sの流量をもたらすために、約2100Wで動作させられる必要がある。サーモブロックは一般に、高い水圧に対処する能力のために好適であるが、上述した高い電力レベルは、ブラジルや米国といった低電圧の国々において利用されるのに不適なものとしている。

他方、単に高圧のボイラシステムを利用することも、斯かる高圧なボイラシステムは非常に複雑で製造が高価となるため、大量生産製品には推薦されない。これに加え、高圧のボイラシステムの代わりに循環加熱器を用いることによれば容易に満たされ得る、斯かるシステムに課される非常に高い安全要件もある。

欧州特許出願公開EP2481329A1は、通常の循環加熱器を用いて高い流量をもたらす試みを開示している。斯かる循環加熱器の固有な流量の制約を克服するため、欧州特許出願公開EP2481329A1は、循環加熱器によって前もって水槽を予め加熱し、該槽のなかの水の取り入れ温度が、約40℃の温度にまで予め加熱されるようにすることを提案している。コーヒー飲料が製造される必要がでるとすぐに、水「のみしか」、40℃から開始して、約90乃至95℃の水供給温度にまで加熱される必要がない。このことは、要求に応じて水を供給温度にまで加熱するのにかかる時間を短縮することを可能とする。しかしながら、特に例えばコーヒーマシンが1時間当たり1回又は2回しか利用されない場合のような、温かい水が頻繁には必要とされない場合には、即ち水槽を40℃の温度にまで常に加熱することは、非常にエネルギー効率が良くないものと思われる。当該システムは、ユーザが少量のコーヒー(例えば1杯又は2杯)しか煎出しないが、水容器の容量全体が予め加熱されるような場合には、特に効率が悪い。

従って、依然として改善の余地がある。

本発明の目的は、高い流量で、必要であれば高い圧力で、温かい液体の供給をもたらすことを可能とする、比較的低い電力レベルで動作させられ得る、温かい飲料の製造機のための代替の液体加熱装置を提供することにある。

本発明の第1の態様によれば、本目的は、温かい飲料の製造機のための液体加熱装置であって、 循環加熱器と、 加熱されるべき液体を受容するための第1の槽と、 予加熱された液体を一時的に収容するための第2の槽と、 加熱された液体を放出するための液体出口と、 前記第2の槽に予加熱された液体を一時的に収容するため、液体が前記第1の槽から前記循環加熱器を通って前記第2の槽へと流れる、予加熱サイクルと、前記予加熱された液体が前記第2の槽から前記循環加熱器を通って前記液体出口へと流れる、最終加熱サイクルと、の間で、前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるよう構成された切り換えユニットと、 を有する液体加熱装置により達成される。

本発明の更なる態様においては、上述したタイプの液体加熱装置を有する、温かい飲料の製造機が提示される。

本発明の好適な実施例は、従属請求項に定義される。本発明の温かい飲料の製造機は、本発明の液体加熱装置と、また従属請求項において定義されたものと同様及び/又は同一の好適な実施例を持つことは、理解されるべきである。

以上に説明されたように、循環加熱器の流量は主に、達成される必要がある液体温度上昇、及び循環加熱器が動作する電力レベルに依存する。本発明の着想は、2つの別個の加熱サイクル、即ち液体を予加熱するための第1の加熱サイクル(予加熱サイクルと呼ばれる)と、予加熱された液体が最終的に所望の最終温度にまで加熱される第2の加熱サイクル(最終加熱サイクルと呼ばれる)と、を用いることである。

欧州特許出願公開EP2481329A1において提案されたシステムとは異なり、かなりエネルギー効率が悪い液体槽全体を予加熱することによってではなく、主容器(第1の槽と呼ばれる)からの液体の一部のみを予加熱し、第2の容器(第2の槽と呼ばれる)に該液体を一時的に保存する。このため、本発明の液体加熱装置は、2つの異なる加熱サイクル間で、液体加熱装置内の流れストリームを切り換えることを可能とする、切り換えユニットを有する。

予加熱サイクルにおいては、第1の槽に収容された液体の一部が、好適にはポンプによって引き出され、一時的な容器として機能する第2の槽へと、循環加熱器を通るようポンピングされる。当該予加熱サイクルにおいては、第1の槽から引き出された液体の一部が、好適には35乃至40℃にまで予加熱され、その後に第2の槽に一時的に収容される。最終加熱サイクルにおいては、該予加熱された液体が第2の槽から引き出され、循環加熱器によって所望の最終温度にまで該液体を最終的に加熱し、最後に該液体が液体出口へと送られる。該液体出口は、コーヒー及び/又はエスプレッソコーヒーが最終的に煎出されるコーヒー及び/又はエスプレッソコーヒーマシンの煎出室に、流体接続されていても良い。

本発明による液体加熱装置は斯くして、2段階の液体加熱システムを利用するこのことは、以下の著しい利点を持つ。

約35乃至40℃に水を予加熱することは、第1の加熱ステップにおいて(予加熱サイクル内において)、低い電力消費で、かなり高い流量で実行され得る。次いで第2の加熱ステップにおいて(最終加熱サイクル内において)液体が最終温度(約90乃至95℃)にまで加熱される場合、約5乃至6ml/sの望ましい流量は、単一の加熱サイクルにおいて15乃至20℃から直接90乃至95℃に液体が加熱される状況に比べて、かなり少ない電力しか消費しない。このことは、低い電力レベル(好適には約1400W)で動作する循環加熱器を利用することを可能とする。

同様に言わば2段階の加熱手法を利用する欧州特許出願公開EP2481329A1による循環加熱装置とは異なり、主容器(ここでは第1の槽と示される)の全体が常に予加熱されるのではなく、少量の液体のみが予加熱され、別個の第2の槽に一時的に収容される。実用的には、例えばエスプレッソコーヒーについては40ml、「通常の」コーヒーについては120mlといった、1杯の温かい飲料に十分な典型な量の液体のみを予加熱することが有意義である。液体の残りは、第1の槽において加熱されないまま残される。

該液体加熱装置を始動する前に、加熱されるべき液体の全量が第1の槽内に受容され、第2の槽は空である。(温かい飲料を要求するユーザとは独立して)第2の槽における規定量毎に、例えば1杯のコーヒー又は紅茶に十分な、特定の量の予加熱された液体を予め収容することも一般に考えられ得るが、本発明によれば、第1の加熱サイクル(予加熱サイクル)はユーザの要求に依存するものであり、即ちユーザが特定のタイプの温かい飲料を選択するとすぐに開始させられる。

本発明の一実施例によれば、前記切り換えユニットは、前記第1の槽から放出された予め定義された量の液体に依存して、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で切り換えるよう構成されたコントローラを有する。

このことは、第1の槽から放出された液体の量が、ユーザにより選択された温かい飲料のために必要とされる液体の量に到達するとすぐに、該コントローラが、予加熱サイクルから最終加熱サイクルへと切り換えることを意味する。換言すれば、選択された温かい飲料のために必要とされる量の液体だけが予加熱され、残りの液体は第1の槽において加熱されないままとされ得る。このようにして、現在の状況においては加熱される必要がない量の液体を加熱する、余計なエネルギーが消費されないこととなる。それ故、本実施例による第2の槽は、要求に応じてのみ満たされ、選択された温かい飲料のために十分なエネルギー基体が予加熱されるとすぐに、再び空にされる。

以上に説明されたように、切り換えユニットのコントローラは、第1の槽から放出された液体の量が特定の閾値(予め定義された液体の量と呼ばれる)に到達するとすぐに、予加熱サイクルから最終加熱サイクルに切り換える。当該第1の槽から放出された液体の量は、幾つかの方法で測定され得る。

一実施例によれば、前記液体加熱装置は更に、前記第1の槽から放出された液体の流量を測定し、該流量から放出された液体の総量を算出するための流量計を有し、前記コントローラは、前記算出された放出された液体の総量が、予め定義された液体の量に到達したときに、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間を切り換えるよう構成される。

代替実施例によれば、前記液体加熱装置は、前記第2の槽内の流体レベルを測定するための流体レベルセンサを有しても良く、前記コントローラは、前記第2の槽内の前記流体レベルが、予め定義された液体の量に到達したときに、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間を切り換えるよう構成されても良い。

第1の上述した代替例によれば、第1の槽から放出された液体の量は、測定される流量を時間積分することにより算出される。このことは、非常に正確な態様で実行され得る。第2の上述した代替例においては、第1の槽から放出された液体の量は、第2の槽に到達した液体の量をチェックすることによって、単に間接的に測定される。第2の代替例は、例えば電気的又は力学的なセンサによって、非常に簡便な態様で、第2の槽内の流体レベルが測定され得る点である。

両方の代替例が組み合わせられることもでき、即ち第1の槽から引き出された液体の流量を測定するための流量計と、第2の槽内の流体のレベルを測定するための流体レベルセンサと、のいずれもを備えることも可能であることは、留意されるべきである。この場合には、流量計により測定された値が、流体レベルセンサにより測定された値と比較されても良く、予加熱サイクルの後に、第1の槽から出た液体の量と第2の槽に到達した液体の量とに差がないかを監視することを可能としても良い。このことは、システム内における何らかの漏れを検出することを支援し得る。

いずれにしても、上述した実施例のいずれによっても、第1の槽から放出された液体の算出された量及び/又は第2のタンク内の流体のレベルは、十分な液体が予加熱されるとすぐに、コントローラに予加熱サイクルから最終加熱サイクルへと切り換えさせるために利用されても良い。

更なる実施例によれば、前記液体加熱装置は、予め定義された液体の量を受信するためのデータインタフェースを有しても良く、前記予め定義された液体の量は、ユーザにより選択された温かい飲料のために必要な液体の量であり、前記データインタフェースは、前記コントローラに接続される。

ユーザが特定のタイプの温かい飲料を選択すると、該データインタフェースは斯くして、該選択された温かい飲料に必要な液体の量を受信し、当該情報をコントローラに転送しても良く、該コントローラが次いで、切り換えユニットを第1の位置へと切り換えることによって予加熱サイクルを開始し、該選択された温かい飲料に必要な予め定義された量の液体が第1の槽から放出され、予加熱され、第2の槽へと送られるとすぐに、切り換えユニットを第2の位置へと切り換え、予加熱された液体が次いで、第2の加熱サイクルにおいて、所望の最終温度にまで加熱され得るようにする。

選択された温かい飲料に必要な液体の量は、種々の方法で決定され得る。該温かい飲料の製造機は、幾つかのボタンを有しても良く、ここで各ボタンが、異なる種類の調製を選択することを可能とし、例えば第1のボタンが「通常の」コーヒーのために利用され、第2のボタンがエスプレッソコーヒーのために利用されても良い。この場合、調製法自体(即ちどれだけの液体が「通常の」コーヒー又はエスプレッソコーヒーに必要とされるか)は、該システムにおいて小型の記憶ユニットに保存されていても良い。ユーザが例えばエスプレッソコーヒーを選択した場合、コントローラは斯くしてエスプレッソコーヒーには40mlが必要とされるという情報を受信し、次いでコントローラが、40mlが予加熱され第2の槽に送られるまで予加熱サイクルを開始するよう切り換えユニットを制御し、次いで切り換えユニットを第2の位置に切り換えて第2の加熱サイクルを開始させて、予加熱された40mlの液体を所望の最終温度にまで加熱しても良い。

他方、選択された温かい飲料を製造するために利用されるべき望ましい加熱された液体の量を、ユーザが手動で決定することも想到され得る。この場合には、コントローラは、ユーザによって手動で選択された量の液体が予加熱されるとすぐに、切り換えユニットを第1の位置から第2の位置へと切り換える。

予加熱サイクルと最終加熱サイクルとの間の切り換えは、種々の技術的な方法で切り換えユニット内で実行され得る。

一実施例によれば、前記切り換えユニットは、1つ以上の切り換え弁と、前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるために第1の弁位置と第2の弁位置との間で前記1つ以上の切り換え弁の弁位置を切り換えるよう構成されたコントローラと、を有する。

この場合には、切り換えユニットは、循環加熱器、第1の槽、第2の槽及び液体出口に接続される。該1つ以上の切り換え弁は、第1の槽、第2の槽及び/又は液体出口に、循環加熱器を選択的に接続するよう構成される。予加熱サイクルにおいては、循環加熱器は、切り換えユニットを介して(切り換えユニットの1つ以上の弁を介して)、入口側において第1の槽と、出口側において第2の槽と、流体接続される。最終加熱サイクルにおいては、循環加熱器は、切り換えユニットを介して(切り換えユニットの1つ以上の弁を介して)、入口側において第2の槽と、出口側において液体出口と、流体接続される。

更なる実施例によれば、前記切り換えユニットは、循環加熱器、第1の槽、第2の槽及び液体出口と接続された、単一の切り換え弁のみを有する。単一の切り換え弁は、複数の弁よりも空間を消費しないという利点を持つ。これに加え、単一の切り換え弁を制御するため処理時間が低減され得る。

前記単一の切り換え弁が、コントローラを含む電気切り換え弁として実現されることが、特に好適である。力学的な切り換え弁とは異なり、斯かる電気的な切り換え弁は、弁位置を更に高速に変化させることを可能とし、容易に較正され得る。この場合コントローラは該電気的な弁に一体化され、別個のエンティティが必要とされないようにされても良い。

更なる実施例によれば、前記コントローラは、前記予加熱された液体が、前記第2の槽から、前記循環加熱器を通って、再び前記第2の槽に戻って流れ得る、第3の弁位置へも、前記1つ以上の切り換え弁の弁位置を切り換えるよう構成される。

このようにして、予加熱は、循環加熱器を通して液体を数回ポンピングすることによって、幾つかのステップで実行され得る。実際的には、以下のように機能し得る。第1のステップにおいて、切り換えユニットのコントローラが、1つ以上の切り換え弁の弁位置を第1の弁位置に切り換え、液体が第1の槽から引き出されて、循環加熱器を通って流れることによって予加熱され、次いで、第2の槽に一時的に収容される。その後、コントローラは次いで、該1つ以上の切り換え弁の弁位置を第3の弁位置に切り換え、一時的に収容された予加熱された液体を第2の槽からポンピングし、2回目に循環加熱器を通らせて、再び第2の槽へと戻す。該第3の加熱サイクルは、液体が所望の予加熱温度にまで予加熱されるまで繰り返されても良い。当該予加熱温度が到達されるとすぐに、切り換えユニットのコントローラは次いで、該1つ以上の切り換え弁の弁位置を第2の弁位置に切り換え、予加熱された水を第2の槽から引き出し、循環加熱器を通るようポンピングし、所望の最終的な煎出温度にまで加熱し、次いで液体出口へと送り、該液体出口から該水が煎出室へと流れることができる。上述した実施例とは異なり、この場合には、予加熱された液体が最終的に第2の加熱サイクルにおいて最終的に望ましい最終温度にまで加熱される前に、液体が予加熱サイクルを1度のみならず数回経ることとなる。

液体が予加熱サイクルを1度よりも多く経る場合、該液体は、第2の槽に収容される前に、例えば45℃より高い温度にまで、更に予加熱されることができる。理想的には、サイクル(最終加熱サイクルを含む)毎の温度上昇は、低電力の循環加熱器の使用を可能とするため、最小化される。上述した実施例と同じ量の液体が同じ最終温度に加熱されるため、該システムのエネルギー消費は同じままとなる。しかしながら、各加熱サイクルが動作するため少しの電力しか必要としなくなるため、サーモブロックの電力は低減させられ得る。

以上に示されたような弁を利用する代わりに、切り換えユニットが、選択的に制御され得る少なくとも2つのポンプを有する場合にも、本発明の技術的原理は実現され得る。

一実施例によれば、前記切り換えユニットは、 入口側において前記第1の槽に流体接続され、出口側において前記循環加熱器に流体接続された、第1のポンプと、 入口側において前記第2の槽に流体接続され、出口側において前記循環加熱器に流体接続された、第2のポンプと、 前記予加熱サイクルと前記最終加熱サイクルとの間で前記液体加熱装置の液体流れサイクルを切り換えるため、前記第1のポンプ又は前記第2のポンプを選択的にスイッチオンするよう構成されたコントローラと、 を有する。

予加熱サイクルを開始するため、第1のポンプは、所定量の液体が(該第1のポンプによって)第1の槽から引き出され、循環加熱器内で予加熱され、第2の槽まで送られるまで、スイッチオンされる。次いで、第1のポンプがスイッチオフされ、第2のポンプがスイッチオンされる。このことは、最終加熱サイクルを開始させ、該サイクルにおいて、予加熱された液体が(該第2のポンプによって)第2の槽から引き出され、循環加熱器内で最終加熱され、最終的に液体出口へと送られる。これら2つのポンプ間の切り換えは、切り換えユニットのコントローラにより制御される。

最後に言及した実施例によれば、前記第1のポンプの出口側が、前記循環加熱器の第1の入口に流体接続され、前記第2のポンプの出口側が、前記第1の入口とは異なる前記循環加熱器の第2の入口に流体接続されることが好適である。斯くして、予加熱サイクルにおいて液体は、循環加熱器の第1の部分を通って流れ、最終加熱サイクルにおいては該液体は、該第1の部分とは異なり且つ該第1の部分とは独立した該循環加熱器の第2の部分を通って流れることとなる。循環加熱器の第1の部分は例えば、該循環加熱器の第2の部分よりも短い導管を有しても良く、これにより予加熱サイクル内よりも最終加熱サイクル内のほうが液体が高い度合いにまで加熱されるようにしても良い。しかしながら、循環加熱器の第1の部分が、第2の部分よりも低い温度を持っても良い。更には、循環加熱器の第1の部分内の導管が、循環加熱器の第2の部分内の導管よりも、該循環加熱器内の加熱コイルと断熱されることも想到可能である。

1つ以上の異なる切り換え弁を備えた切り換えユニットを利用する上述した実施例と同様に、2つのポンプを持つ最後に言及した実施例もまた好適には、予加熱サイクルと最終加熱サイクルとで同じ循環加熱器を用いる。唯一の違いは、上述したように(第3の弁位置によって)異なるステップに分離された予加熱が、2つのポンプを用いる実施例では実現できない点である。

更なる実施例によれば、前記循環加熱器は、サーモブロックを有する。高い水圧に対処可能であるという上述した利点に加え、斯かるサーモブロックは、非常に短い加熱期間の後にも利用準備ができる。

本発明によれば、第2の槽は好適には、第1の槽よりも小さくなるよう選択される。例えばシステムの故障による第2の槽の溢れを防ぐため、更なる実施例によれば、第2の槽が第1の槽に流体接続された溢れ出口を有する。斯くして、第2の槽にもたらされる圧力又は溢れが、効果的に防止され得る。何らかの理由によって、多過ぎる液体が予加熱され第2の槽に送られると、余分な液体が溢れ出口を介して第1の槽へと流れ戻ることができる。

更なる実施例によれば、本液体加熱装置は更に、第1の槽内の液体を予加熱するための第2の加熱要素を有しても良い。この場合、該液体加熱装置は、循環加熱器を有するのみならず、一定の態様で、時間的に可変な態様で、又は要求に応じて、第1の槽内の液体を加熱することができる第2の加熱要素もを有することとなる。液体が第1の槽において既に予加熱されている場合には、上述した種々の加熱サイクルは更に高速な態様で実行されることができ、液体出口に供給され得る全体の流量が更に増大させられ得る。

本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。

本発明による液体加熱装置の第1の実施例を示す。

本発明による液体加熱装置の第2の実施例を示す。

本発明による液体加熱装置の第3の実施例を示す。

本発明による液体加熱装置の第4の実施例を示す。

図1は、本発明による液体加熱装置の第1の実施例を示す。該液体加熱装置は、全体が参照番号10で示される。液体加熱装置10は好適には、コーヒー、エスプレッソコーヒー及び/又は紅茶マシンのような、温かい飲料の製造機において液体を加熱するために利用される。液体加熱装置10は、斯かる製造機の一部であっても良く、好適には該製造機の内部に内蔵される。

液体加熱装置10は、2つの別個の液体槽又は容器、即ち第1の槽12及び第2の槽14を有する。更に、装置10は、ポンプ16、循環加熱器18、切り換えユニット20及び液体出口22を有する。

第1の槽12、第2の槽14、循環加熱器18及び液体出口22は、切り換えユニット20によって、互いと選択的に接続され得る。第1の実施例によれば、当該切り換えユニット20は、複数の入口及び複数の出口を有する。本例においては、切り換えユニット20は、3つの入口I1乃至I3及び3つの出口O1乃至O3を有する。切り換えユニット20の第1の入口I1は、第1の槽12の出口O12に流体接続される。切り換えユニット20の第2の入口I2は、第2の槽14の出口O14に流体接続される。切り換えユニット20の第3の入口I3は、循環加熱器18の出口O18に流体接続される。切り換えユニット20の第1の出口O1は、ポンプ16を介して、循環加熱器18の入口I18に流体接続される。切り換えユニット20の第2の出口O2は、第2の槽14の入口I14に流体接続される。切り換えユニット20の第3の出口O3は、液体出口22に流体接続される。

切り換えユニット20は主に、循環加熱器18に、第1の槽12、第2の槽14及び/又は液体出口22を選択的に接続する機能を持つ。このことは、切り換えユニット20の種々の入口I1乃至I3を、種々の出口O1乃至O3に、内部的に互いに選択的に接続することにより為され得る。このことは、システム10内における種々の液体の流れ又は加熱サイクルを確立することを可能とする。

本発明によれば、加熱されるべき液体24は好適には、2つの別個のサイクルにおいて加熱される。図1Aに模式的に示された第1のサイクルにおいては、液体24は、好適には約35乃至40℃である、中間温度にまで予加熱される。当該第1のサイクルは以下、予加熱サイクルとも呼ばれる。図1Bに模式的に示された第2のサイクルにおいては、予加熱された液体24'が、約90乃至95℃の所望の最終温度にまで加熱される。当該第2のサイクルは以下、最終加熱サイクル又は煎出サイクルと呼ばれる。

図1に示された第1の実施例によれば、切り換えユニット20は、複数の弁26.1乃至26.4によって、これら2つのサイクル間を切り換え得る。

液体加熱装置10が内蔵された温かい飲料の製造機を起動するとき、状況は通常図1Aに示されたようなものである。加熱されるべき液体24は、第1の槽12に受容されるか又は第1の槽12に満たされる。当該第1の槽12は、主液体槽である。コーヒー、エスプレッソコーヒー又は紅茶マシンにおいては通常、液体24として水が用いられる。この段階では、第2の槽14は空である。循環加熱器18が、利用の準備ができるように加熱される。これら全ての要件が満たされるとすぐに、図1Aに示された予加熱サイクルが開始しても良い。次いで、ポンプ16が、特定の量の液体24を第1の槽12からポンピングする。このため、弁26.1は、開位置にある。引き出された量の液体24は、第1の槽12の出口O12から切り換えユニット20の入口I1へと流れ、弁26.1を通って切り換えユニット20の出口O1へと流れ、更にポンプ16を介して循環加熱器18の入口I18へと流れる。当該量の液体24は次いで、循環加熱器18を通って流れることにより予加熱される。予加熱された液体24'は、出口O18において循環加熱器18から出て、切り換えユニット20の入口I3へと流れ、弁26.3を介して切り換えユニット20の出口O2へと流れ、最終的に第2の槽14の入口I14に到達する。予加熱された液体24'は次いで、第2の槽14内に一時的に収容される。特定量の液体24のみが予加熱され次いで第2の槽14に収容されることに、留意されたい。当該予加熱される液体24'の量は好適には、該温かい飲料の製造機により製造されるべき温かい飲料の1杯分に十分である。当該量は例えば、エスプレッソコーヒーについては40乃至60mlの量、「通常の」コーヒーについては100乃至140mlの量、紅茶については例えば200mlに及ぶ量を意味する。第2の槽14は斯くして、第1の槽12よりも比較的小さな容量を持ち得る。

一般的に、所定量の液体24を言わば在庫として予加熱することが想到される。しかしながら好適には、上述した予加熱サイクルは、選択された温かい飲料を要求する際にユーザにより開始される。このとき、ユーザの選択が、上述した予加熱サイクルを開始させることとなる。第1の槽12から引き出され予加熱される液体24の量はこのとき、選択された温かい飲料のために必要とされる液体の量に対応する。このことは、選択された温かい飲料を製造するために必要とされる量だけの液体24が予加熱され、第2の槽14内に一時的に収容されることを意味する。

十分な液体24が予加熱されるとすぐに、切り換えユニット20は第2の位置に切り換わり、第2の槽14に収容された予加熱された液体24'が、所望の最終温度にまで加熱される。このことは、図1Bに模式的に示された煎出サイクルにおいて為される。当該煎出サイクルにおいては、予加熱された液体24'が、再び第2の槽14からポンピングされる。このことは好適には、予加熱サイクルにおいて第1の槽12から冷たい液体24をポンピングしたものと同じポンプ16により実行される。それ故、ポンプ16は好適には、切り換えユニット20の出口O1と循環加熱器18の入口I18との間に配置される。煎出サイクルにおいては斯くして、予加熱された液体24'は、以下のように流れる(図1B参照)。予加熱された液体24'が第2の槽14の出口O14を出て、切り換えユニット20の入口I2に到達し、弁26.2を通って切り換えユニット20の出口O1へと流れ、該出口から、ポンプ16を介して、循環加熱器18の入口I18へと流れる。予加熱された液体24'は次いで、循環加熱器18を通って(2度目に)流れることにより、最終温度にまで加熱される。所望の最終温度となった後、加熱された液体は次いで、出口O18において循環加熱器18から出て、切り換えユニット20の入口I3を通って流れ、弁26.4を介して切り換えユニット20の出口O3へと流れ、最終的に液体出口22へと流れる。コーヒー又はエスプレッソマシンにおいては、液体加熱装置10の当該液体出口22は、コーヒー及び/又は紅茶が製造される煎出室に流体接続されていても良い。

これら2つのサイクルを比較することにより(図1Aと図1B)、弁26.1乃至26.4の弁位置が異なることが分かる。換言すれば、予加熱サイクルから煎出サイクルへと切り換えるときには、切り換えユニット20は、弁26.1乃至26.4の弁位置を、第1の位置から第2の位置へと切り換える必要がある。第1の位置においては(図1A参照)、弁26.1及び26.3が開いており、弁26.2及び26.4が閉じている。第2の位置においては(図1B参照)、弁26.1及び26.3が閉じており、弁26.2及び26.4が開いている。

当該切り換え、即ち弁26.1乃至26.4の弁位置の変更は、コントローラ28により為されても良い。当該コントローラ28は、機械的なコントローラであっても良いし又は電子的なコントローラであっても良い。コントローラ28は、制御ユニットとも呼ばれ得る。好適な実施例によれば、コントローラ28は、弁26.1乃至26.4の弁位置を切り換えることを可能とする論理が保存されたチップを有する処理ユニットとして実現される。当該コントローラ28は好適には、切り換えユニット20に一体化される。しかしながら、コントローラ28は、(図に示されるように)切り換えユニット20からはリモートに位置していても良い。最後に言及された場合においては、該コントローラは、無線データ接続を介して又は有線データ接続を介して、切り換えユニット20に接続されても良い。

更に、図1に示された第1の実施例は、4つの異なる弁26.1乃至26.4を有することは留意されるべきであり、なぜならこれが2つの加熱サイクル間の切り換えを実現するための最も単純な場合であるからである。しかしながら、流れストリームを選択的に分割することを可能とする連成弁が利用される場合、より少ない数の弁で同じ原理が実現され得る。更には、弁26.1乃至26.4は、図1においては二方向弁として示されていることは留意されるべきである。また、これら弁26.1乃至26.4が一方向弁として設計されることも想到可能であり、十分である。

本発明による液体加熱装置10により実現される2段階の加熱原理は、高い圧力が必要とされるか低い圧力が必要とされるかにかかわらず、比較的低電力消費の循環加熱器18によって、高い液体の流量が達成され得るという利点を持つ。循環加熱器18は好適には、サーモブロックとして設計される。1回の加熱サイクルだけで水を約15乃至20℃の入力温度から直接に90乃至95℃の最終温度にまで加熱するためには、斯かる温かい飲料の製造機について典型的な約5乃至6ml/sの流量が実現される必要があるとすると、斯かるサーモブロックは通常、約1900Wの電力レベルで動作させられる必要がある。水が予加熱サイクルにおいて35乃至40℃の温度に予加熱され、次いで煎出サイクルにおいて90乃至95℃の最終温度にまで加熱される場合には、サーモブロックが約1400Wの電力レベルで動作させられれば、同じ流量が達成され得る。このことは、ブラジル及び米国のような低電圧の国々においても、本液体加熱装置10を利用することを可能とする。更なる利点は、斯かる種類の液体加熱装置10は、低い圧力(「通常の」コーヒーに必要とされる)においても高い圧力(エスプレッソコーヒーに必要とされる)においても温かい飲料を製造することを可能とするため、組み合わせられたコーヒー及びエスプレッソコーヒーマシンにおいても利用され得る点である。

図2は、本発明による液体加熱装置10の第2の実施例を示す。図1に示された第1の実施例との主な相違点は、機械的な弁26.1乃至26.4を用いる代わりに、本例においては、切り換えユニット20'が単一の切り換え弁26のみを有する点である。該単一の切り換え弁26は好適には、電気切り換え弁として実現される。しかしながら、切り換えユニット20'が両者間を切り換える2つの別個の加熱サイクル、即ち予加熱サイクル及び煎出サイクルを持つという原理は、同じままである。図2Aは予加熱サイクルを示し、図2Bは煎出サイクルを示す。

斯かる単一の電気切り換え弁は、コストを節約し得るだけでなく、第1の実施例に比べて高速な態様で液体の流れを切り換えることを可能とする。種々の機械的な弁を開閉する代わりに、電気切り換え弁26は単に内部経路を切り換える。図2に示されるように、切り換えユニット20'は、予加熱サイクルから煎出サイクルへと変化させるときに、出口O1において切り換えユニット20'を出る流れ経路を、入口I1から入口I2へと切り換える。同様に、該切り換えユニット20'はまた、入口I3において該切り換えユニットに入る流れ経路を、出口O2から出口O3へと切り換える。第1の実施例によれば別個のエンティティとして示されたコントローラ28は、図2に示された実施例においては、切り換えユニット20'に直接に一体化されても良い。

本発明による液体加熱装置10の更なる改良例が、図3A乃至3Cに示された第3の実施例に示される。

液体加熱装置10は更に、第1の槽12内の液体24を予加熱するための、第2の加熱要素30を有しても良い。該第2の加熱要素30は、例えば加熱板又は浸漬加熱器として実現されても良い。このようにして、第1の槽12内の液体24の全量が、第1の槽12から放出されて予加熱サイクル内で予加熱される前に、例えば20乃至25℃の温度にまで予加熱される。

更に、第2の槽14は、第1の槽12と流体接続された溢れ出口32を有しても良い。当該溢れ出口は、溢れ配管又は管34を介して、第1の槽12と接続されていても良い。このことは、予加熱サイクルの間に多過ぎる液体24が第2の槽14へとポンピングされた場合に生じ得る第2の槽14内の溢れを防止し得る。

液体加熱装置10が更に、切り換えユニット20''のコントローラ28に接続されたデータインタフェース36を有する場合、更なる改良が達成され得る。当該データインタフェース36は、ユーザによって選択された温かい飲料のために必要な液体24の予め定義された量を受信するよう構成されても良い。例えばユーザが該温かい飲料の製造機の「エスプレッソコーヒー」ボタンを押下することによってエスプレッソコーヒーを選択した場合、当該データインタフェース36は、エスプレッソコーヒーの調製法のため、40mlの量の加熱された液体が供給される必要があるという情報を受信しても良い。コントローラ28は次いで、第1の槽12から40mlが引き出されるまで、予加熱サイクル(図3A参照)を実行するよう切り換えユニット20''を制御しても良い。当該量の液体24が予加熱サイクル内で予加熱され、第2の槽14へと送られるとすぐに、コントローラ28は次いで、電気弁26を切り換えることにより切り換えユニット20''を第2の位置へと切り換え、煎出サイクルを開始しても良い。このことは、液体24を予加熱するために、不必要なエネルギーが消費されないことを確実にする。換言すれば、選択された温かい飲料に必要な量の液体24のみが予加熱サイクルにおいて予加熱され、その後に図3Cに示される煎出サイクル内で最終温度に加熱される。

この場合には、第1の槽12から引き出される液体24の量が測定されるべきであり、それによりコントローラ28は、切り換えユニット20''の切り換え弁26をいつ切り換えるかの情報を受信する。このことは、第2の槽14内に配置された流量計38及び/又は流体レベルセンサ40により実行されても良い。

流量計38は、第1の槽12から放出された液体の流量を測定しても良い。当該液体の流量は時間積分されても良く、このことは流量計38自体によって実行されても良いし、又は測定された流量をコントローラ28に転送し、該コントローラが次いで第1の槽12から放出された液体24の総量を算出するようにしても良い。流量計38は、図3に示されるように、第1の槽12と切り換えユニット20''との間に配置されても良い。代替としては、該流量計38は、切り換えユニット20''とポンプ16(別途図示されてはいない)との間に配置されても良い。しかしながら、いずれの場合においても、システム10の低圧力の状態において流量を測定するため、該流量計38はポンプ16より前に配置されることが好適である。該流量計38を第1の槽12と切り換えユニット20''との間に配置することは更に、冷たい水の状態において流量が測定されるという利点をももたらす。

他方、予加熱された液体24'の量もまた、第2の槽14内に配置された流体レベルセンサ40により測定されても良い。当該流体レベルセンサ40は、機械的なセンサであっても良いし、又は電子センサであっても良い。流量計38と同様に、該流体レベルセンサ40もまた、切り換えユニット20''を第2の位置(煎出サイクルのため)に切り換えるときに、必要な情報をコントローラ28に送ることが可能となるように、コントローラ28に接続されるべきである。当該接続は、有線接続であっても良いし又は無線接続であっても良い。

予加熱サイクルを通過した液体24の量を測定するためには、流量計38及び流れレベルセンサ40の両方が必須であるというわけではないことは、明らかであろう。しかしながら、流量計38及び流体レベルセンサ40の両方を用いることは、該システム内の漏れが検出され得るという利点を持ち、即ち液体24が予加熱サイクルを通過するときにどれだけの液体24が失われるかが検出され得る。

液体加熱装置10の更なる改良例は、図3Bに示される。図3Bに示されるように、切り換えユニット20''は、予加熱された液体24'が、第2の槽14から循環加熱器18を通って第2の槽14へと流れ戻り得る第3の弁位置に、切り換え弁26の弁位置を切り換えるように構成される。この場合、第2の槽14の出口O14は、切り換えユニット20''の入口I2に接続されても良く、切り換えユニット20''の出口O2は、第2の槽14の入口I14に接続されても良い。このことは、循環加熱器18を通る第2の槽14からの及び第2の槽14への流体の流れの閉じたループに帰着する。このことは、予加熱サイクル幾つかのサイクルに分割することを可能とし、即ち流体24が、予加熱されるために循環加熱器18を1度よりも多く通過することとなる。

実際には、このことは図3A乃至3Cに示されたように動作し得る。切り換えユニット20''は最初に、切り換え弁26を第1の位置(図3A参照)に切り換え、第1の槽12から液体24をポンピングして、循環加熱器18によって予加熱し、該液体を第2の槽14へと送る(予加熱サイクルの第1のステップ)。次いで、切り換えユニット20''は、切り換え弁26を第3の位置(図3B参照)に切り換え、予加熱された液体24'が第2の槽14からポンピングされ、再び循環加熱器18において予加熱され、第2の槽14へと戻されるようにする(第2の予加熱ステップ)。このステップは、1回以上繰り返されても良い。最終的に、切り換えユニット20''は、切り換え弁26の弁位置を第2の位置(図3C参照)に切り換え、予加熱された液体24'が第2の槽14からポンピングされ、循環加熱器18によって所望の最終温度にまで加熱され、次いで液体出口22へと又は該温かい飲料の製造機の煎出室へと送られ得るようにする。

予加熱サイクルが幾つかのサイクルに分割される場合、循環加熱器18は、更に低い電力レベルで動作させられ得る。このことは、各加熱サイクルがより少ない電力しか必要としなくなるため、循環加熱器18の電力が低減させられ得るという事実に起因する。

更に、上述した3つの実施例(図1乃至3に示された)によれば、切り換えユニット20、20'、20''を、第2の槽14が迂回されるように切り換えることも可能である。この場合、液体24が、第1の槽12から循環加熱器18を通って液体出口22へと直接流れることとなる。換言すれば、液体24が、以上に説明されたように予加熱されず、所望の最終温度にまで直接に加熱される。このため、切り換えユニット20、20'、20''は、循環加熱器18の入口I18を第1の槽の出口O12へと、及び循環加熱器18の出口O18を液体出口22へと、流体接続することが必要となるのみとなる。この場合、循環加熱器18における電力が低い流量で直接に液体24を所望の最終温度に加熱するのに十分であるため、当該構成は低い流量(エスプレッソ等)にける煎出調製には有益である。該構成は、2段階で液体を加熱するよりも、時間を費やさない。

図4は、本発明による液体加熱装置10の第4の実施例を示し、ここで図4Aはまた予加熱サイクルを示し、図4Bは最終加熱サイクルを示す。本発明の技術的原理は同じままである。液体24はここでも2つのステップで加熱され、第2の槽14内に一時的に収容される。第1のステップ(予加熱サイクル)は、温かい飲料を選択するユーザの要求に応じて開始されても良いし、又は規定間隔で開始されても良い。それ故、最初の3つの実施例に関する上述した改良例は、第4の実施例による液体加熱装置と組み合わせられることができ又は第4の実施例による液体加熱装置に含められることができる。

しかしながら、第4の実施例による液体加熱装置10の相違点は、切り換えユニット20'''が、1つ以上の弁の代わりに、2つのポンプ42、44を有する点である。以下に更に説明されるように、第1のポンプ42は予加熱サイクルのために利用され、第2のポンプ44は最終加熱サイクルのために利用される。第4の実施例の更なる相違点は、循環加熱器18'が、2つの異なる部分即ち流体チャネル46、48を有する点である。同様に以下に更に説明されるように、予加熱サイクルにおいて、液体24は、循環加熱器18'の第1の部分46を通って流れ、最終加熱サイクルにおいては、液体24は、循環加熱器18'の第2の部分48を通って流れる。

予加熱サイクルと最終加熱サイクルとの間で液体加熱装置10を切り換えるため、切り換えユニット20'''は好適には、コントローラ28'を有する。当該コントローラ28'は、別個のエンティティとして実現されても良いし、又は一体化された(例えば2つのポンプ42、44に一体化された)エンティティとして実現されても良い。該コントローラ又は制御ユニット28'は、第1のポンプ42又は第2のポンプ44を、選択的にスイッチオンするように構成される。

予加熱サイクル(図4A参照)において、コントローラ28'は、第1のポンプ42をスイッチオンする。該第1のポンプ42は、入口側50において、第1の槽12の出口O12に流体接続され、出口側52において、循環加熱器18'の第1の入口54に流体接続される。それ故、予加熱サイクルにおいては、第1のポンプ42は、第1の槽12から液体24を引き出し、該液体を第1の入口54を介して循環加熱器18'の第1の部分46を通るよう押す。これにより、液体24は、循環加熱器18'の第1の入口54から、循環加熱器18'の第1の出口56へと流れることとなる。予加熱された液体24'は次いで、循環加熱器18'の第1の出口56から、第2の槽14へと流れ、該槽において一時的に保存される。第1のポンプ42は、非常に低い圧力(大気圧に近い)で動作する必要しかないので、比較的安価なポンプであっても良い。

最終加熱サイクルにおいて、第2のポンプ44がスイッチオンされ、第2の槽14から予加熱された液体24'を引き出し、該液体を循環加熱器18'の第2の部分48を通るよう押し、所望の最終温度にまで加熱する。第2のポンプ44の入口側58は、第2の槽14に流体接続される。第2のポンプ44の出口側60は、循環加熱器18'の第2の入口62に流体接続される。ここで「流体接続される」なる語は、一般的に当該部分が直接に又は間接的に流体接続されることを意味する。図4に示される場合においては、第2のポンプ44の出口側60が、循環加熱器18'の第2の入口62に間接的に流体接続されるが、これは液体24が好適には間にある流量計38'を通過するためである。液体24は、循環加熱器18'の第2の部分48を通過した後、次いで所望の最終温度にまで加熱され、液体出口22へと流れる。

図1乃至3に示された最初の3つの実施例と同様に、コントローラ28'は好適には、予加熱サイクル内で予加熱される液体24の量が、ユーザによって選択された温かい飲料のために必要とされる液体24の量と等しくなるよう、2つのポンプ42、44を制御する。このことは、データインタフェース36(図4A、4Bにおいては明示的に示されていない)によって、図3A乃至3Bに関連して説明されたものと同様に実行されても良い。予加熱サイクルを通過する液体24の量は、幾つかの方法で測定され得る。

第1の代替例によれば、液体24の量は、流量計38'によって測定される。第2の代替例によれば、予加熱サイクルを通過する液体の量は、ポンプ42、44によって決定又は定義されても良い。各ポンプ42、44の生成される流量は、予め較正されても良く、それにより、液体24の量が、各ポンプ42、44により生成される予め較正された流量と、各ポンプ42、44がスイッチオンされた時間とに基づいて算出され得る。より正確な測定のため、第1のポンプ42と循環加熱器18'の第1の入口54との間に、第2の流量計(明示的に図示されていない)が配置されても良い。斯かる第2の流量計は、両方のサイクル内の、即ち予加熱サイクル内及び最終加熱サイクル内の、液体の流量及び/又は量を別個に測定することを可能とし得る。

最後に、循環加熱器18'は図4において単に模式的に示されていることは、留意されるべきである。循環加熱器18'の具体的な設計は、図4に示された設計と異なっていても良い。循環加熱器18'はまた、高速応答循環加熱器として構成されても良い。本発明の第4の実施例の技術的原理を実現するためには、循環加熱器18'が、一方が予加熱サイクル用であり他方が最終加熱サイクル用である、2つの別個の流体チャネル46、48を有することのみが必須である。これら2つの異なる流体チャネル46、48は、異なった態様で断熱されても良く、及び/又は異なる長さを持っても良い。

第2の加熱要素30、溢れ出口32、データインタフェース36、流量計38及び/又は流体レベルセンサ40といった、付加的な改良例は、図3に示された第3の実施例による液体加熱装置10においてのみ実装され得るものではないことは、留意されるべきである。これらの要素はいずれも、図1及び2に示された最初の2つの実施例のいずれかによる、又は図4に示された第4の実施例による、液体加熱装置10においても、単独で又は併せて実装され得る。

本発明は図面及び以上の記述において説明され記載されたが、斯かる説明及び記載は説明するもの又は例示的なものであって、限定するものではないとみなされるべきであり、本発明は開示された実施例に限定されるものではない。図面、説明及び添付される請求項を読むことにより、請求される本発明を実施化する当業者によって、開示された実施例に対する他の変形が理解され実行され得る。

請求項において、「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではない。単一の要素又はその他のユニットが、請求項に列記された幾つかのアイテムの機能を実行しても良い。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。

請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

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