本発明はメタンガスの燃料活性化装置、更に詳しくは燃焼前にメタンガスを活性化することによってメタンガスの燃焼時の熱効率を向上させるためのメタンガスの燃料活性化装置に関するものである。
従来から、燃焼器具の燃焼時の熱効率の向上は種々研究されていた。 燃焼時の熱効率が5%向上すると、天然資源としての燃料の削減が図られると共に、毎月燃料費用が5%削減できることとなり、大きな産業効果を有することとなる。 このため、例えば特開平11−1707号公報記載の発明のように、バーナーの改良を行ったりしたものがあった。 一方、燃焼器具のうちで暖房器具には、暖房効率を向上させるために遠赤外線発生体が設けられているものがあった。 例えば、特開2003−336811に記載されているように、赤熱部の周りにガラス外筒を設け、加熱されたガラス外筒から遠赤外線が発射され、良好な暖房が得られるようになっている。 ただここで使用する遠赤外線は、遠赤外線を発生する遠赤外線発生体の加熱に伴うものであり、もっぱら体を温めるために用いられていた。
特開平11−1707号公報
特開2003−336811公報
本発明の発明者らは、遠赤外線からの放射波によって、燃焼前のメタンガスを活性化させることによる燃焼時の熱効率の向上を考えた。 さらに詳しくは、遠赤外線からの放射波のうち、振動や回転にのみ関与するある特定波長域の電磁波エネルギーをメタン分子に投与することによって、メタン分子をスピンさせ、メタン分子を始めとしてメタン分子から発する燃焼先駆体である活性化学種の回転・振動運動をより激しく加速する。 このことにより、空気中の酸素分子との衝突エネルギーが高められ、かつ衝突頻度が高められることとなり、その結果、燃焼反応が促進されて火炎温度の上昇を導くことができるものである。 そのため、まず遠赤外線を放射するトルマリンに着目し、トルマリンからの遠赤外線を燃焼前のメタンガスに照射して実験を行ったものの、燃焼時の熱効率を向上させたというほどの向上は見られなかった。 この結果を検討したところ、メタンガスの吸収帯に合致した遠赤外線発生体からの放射波を照射することによって、遠赤外線によって、燃焼前のメタンガスを活性化させることができることがわかった。 そこで本発明は、燃焼前のメタンガスを大きく活性化させ、燃焼時の熱効率が向上する遠赤外線発生体を提供することを目的とする。 前述した課題を解決するために、本発明のうち、第1の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、トルマリンに少なくとも鉄粉を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させたことを特徴とする。 更に、第2の発明は、第1の発明の遠赤外線発生体に、更に炭素を混合させて形成したことを特徴とする。 また、第3の発明は、第1の発明の遠赤外線発生体に、更に珪素を混合させて形成したことを特徴とする。 第4の発明は、第1、第2または第3の発明の遠赤外線発生体の周囲に、磁石を配置したことを特徴とする。 第5の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、トルマリンに少なくとも炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させたことを特徴とする。 第6の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、メタンガス通路素材よりも吸収率の高い吸収素材として、トルマリンに少なくとも炭素を混合させて形成した吸収素材を位置させ、かつこの吸収素材の外面に、エネルギー吸収塗膜を塗布固定させ、そのエネルギー吸収塗膜の周面に、トルマリンを少なくとも鉄粉、炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体及び磁石を位置させたことを特徴とする。 第7の発明は、第6の発明のメタンガス通路として、燃焼部分を含むことを特徴とする。 第1の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、トルマリンに少なくとも鉄粉を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させることによって、燃焼前のメタンガスを活性化させ、メタンガスの全熱量中の有効利用熱量を向上させたものである。 第2の発明は、トルマリン及び鉄粉に炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体を用いることによって、第1の発明に比べて、更にメタンガスの全熱量中の有効利用熱量を更に向上させたものである。 第3の発明は、トルマリン及び鉄粉に珪素を混合させて形成した遠赤外線発生体を用いることによって、第1の発明に比べて、更にメタンガスの全熱量中の有効利用熱量を更に向上させたものである。 第4の発明は、第1、第2または第3の発明の効果に加えて、磁石からの磁力によって、メタンガスを活性化させ、更にメタンガスの全熱量中の有効利用熱量を更に向上させたものである。 第5の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、トルマリンに少なくとも炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させることによって、燃焼前のメタンガスを活性化させ、メタンガスの全熱量中の有効利用熱量を向上させたものである。 第6の発明は、燃焼前のメタンガス通路に、メタンガス通路素材よりも吸収率の高い吸収素材として、トルマリンに少なくとも炭素を混合させて形成した吸収素材を位置させ、かつこの吸収素材の外面に、エネルギー吸収塗膜を塗布固定させ、そのエネルギー吸収塗膜の周面に、トルマリンを少なくとも鉄粉、炭素を混合させて形成した遠赤外線発生体及び磁石を位置させたことによって、遠赤外線発生体の効率的利用を図り、燃焼前のメタンガスをさらに活性化させ、メタンガスの全熱量中の有効利用熱量を向上させたものである。 また、第7の発明は、第6の発明の効果に加えて、メタンガス通路として、燃焼部分を含むことによって、燃焼直前、あるいは燃焼中のメタンガスの活性化を図ったものである。
温度上昇測定装置の概略図である。 試料0〜7の温度上昇率S 1を示したグラフである。 第2の実施例で用いた温度上昇測定装置の概略図である。 第2の実施例で用いた遠赤外線発生体の詳細図である。
以下、本発明の第1の実施例を説明する。 まず最初に、下記の実験を行った。 使用燃料:都市ガス(13A) CH 4 :88.0% C 2 H 6 : 5.8% C 3 H 8 : 4.5% C 4 H 10 : 1.7% 火炎形態:噴流拡散火炎 燃料流速:73cm/s 空気流速:27cm/s 初期条件:室温、大気圧(0.1MPa) 上記の状態で、図1に示した測定装置10によって、温度上昇を測定した。 この測定装置10は、連結部20と、この連結部20に固定された燃料パイプ30と、バーナ部40とから形成され、連結部20には空気孔21が設けられ、燃料パイプ30からの燃料と空気孔21からの空気が混合されてバーナ部40で燃焼するようになっている。 また、燃料パイプ30およびバーナ部40の燃焼部分手前には、遠赤外線発生体50が取り付けられている。 そしてバーナでの燃焼炎の到達位置には、温度上昇測定装置60が位置させてある。 この温度上昇測定装置60は、全体が120φの円筒状の筒体61として形成され、筒体61の一方面を火炎が当たる火炎面62とし、かつこの火炎面62から離れて、熱電対63が設けられ、筒体61の内の温度を測定している。 そして、下記の試料について、筒体61内の単位時間あたりの温度上昇を測定した。 試料0:遠赤外線発生体なし、磁石なし 試料1:遠赤外線発生体なし、磁石あり 試料2:トルマリンのみ取り付け、磁石あり 試料3:トルマリン+鉄粉、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g) 試料4:トルマリン+炭素、磁石あり(トルマリン50g、炭素4g) 試料5:トルマリン+珪素、磁石あり(トルマリン50g、ブラックシリカ30g) 試料6:トルマリン+鉄粉+炭素、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g、炭素4g) 試料7:トルマリン+鉄粉+珪素、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g、ブラックシリカ30g) これらの各試料を、合計重量の90%の重量のウレタン樹脂と混合した後、同一の大きさに成形して試料とした。 ここで、試料0と試料1についての温度上昇率S nを測定した。 その結果は、下記の通りである。 試料0:S 0 =4.09℃/min 試料1:S 1 =4.20℃/min この結果から、単に磁石を付設するだけで、温度上昇率S nが上昇することがわかった。 これは、磁石によって形成される磁場により、燃焼基部でメタン等の熱分解によって生ずるイオン化された活性化学種が、さらにその反応エネルギーを増すために、若干の火炎温度の上昇を導き、そのことが温度上昇率S nを向上させたと考えられる。 また同時に、試料2〜7についても、温度上昇率S nを測定した。 その結果を、図2に示す。 ここで、試料0の温度上昇率S 0を省エネ率0%とし、試料1〜7について、温度上昇率及び試料0に対する省エネ率を測定した。 省エネ率は下記の数式で計算した。 省エネ率ε=(試料nの温度上昇率−試料1の温度上昇率)/試料1の温度上昇率 その結果は下記の通りである。 試料1:S 1 =4.20℃/min ε 1 = 2.69% 試料2:S 2 =4.25℃/min ε 2 = 3.92% 試料3:S 3 =4.38℃/min ε 3 = 7.09% 試料4:S 4 =4.35℃/min ε 4 = 6.36% 試料5:S 5 =4.20℃/min ε 5 = 2.69% 試料6:S 6 =4.68℃/min ε 6 =14.43% 試料7:S 7 =4.50℃/min ε 7 =10.02% このデータから、遠赤外線を発生する代表的な物質であるトルマリンでは、3.92%の省エネ率となった。 また、トルマリンに珪素を混合(試料5)すると、省エネ率が低下するものの、炭素の混合(試料4)により省エネ率が向上し、更に、トルマリンに鉄粉を混合(試料3)すると、トルマリンのみの試料2に比べても約81%の省エネ率向上が図れることがわかった。 また、トルマリンに鉄粉及び珪素(試料7)を混合すると、トルマリンのみの試料1に比べて10.02%まで省エネ率が向上しているだけでなく、トルマリンのみの試料2に比べても約2.56倍の省エネ率向上が図れることがわかった。 更に、トルマリンに鉄粉及び炭素(試料6)を混合すると、トルマリンのみの試料1に比べて14.43%まで省エネ率が向上しているだけでなく、トルマリンのみの試料2に比べても約3.68倍の省エネ率向上が図れることがわかった。 なおここで、燃料を燃焼させた際の全発熱量は、燃焼器具の本来の目的として利用できる有効利用熱量と、排ガス損失あるいは周囲への熱損失等の合計であり、燃焼器具本来の目的に利用できない無効熱量との合計となる。 ここで、特に排ガス損失は、燃焼温度が向上すると、排ガスとして排出されていた燃料が燃焼するので、減少することとなる。 この点、試料3,6,7については、試料1,2,4,5に比べて、温度上昇率が大きい。 このことは、試料3,6,7は、試料1,2,4,5に比べて、早く高温に達し、かつ最高温度も高いことを意味する。 従って、排ガス損失としての無効熱量の一部が有効熱量として利用できるので、燃焼時の熱効率の向上を図ることができるものである。 さらに、もっとも効率がよい試料が、試料6であった。 以下、本発明の第2の実施例を説明する。 下記の実験を行った。 使用燃料:都市ガス(13A) CH 4 :88.0% C 2 H 6 : 5.8% C 3 H 8 : 4.5% C 4 H 10 : 1.7% 火炎形態:噴流拡散火炎 燃料流速:73cm/s 空気流速:27cm/s 初期条件:室温、大気圧(0.1MPa) 上記の状態で、図3に示した測定装置10によって、温度上昇を測定した。 この測定装置10は、連結部20と、この連結部20に固定された燃料パイプ30と、バーナ部40とから形成され、連結部20には空気孔21が設けられ、バーナ部40に突出している燃料パイプ30からの燃料と空気孔21からの空気が混合されてバーナ部40で燃焼するようになっている。 また、燃料パイプ30およびバーナ部40の燃焼部分手前には、遠赤外線発生体50が取り付けられている。 ここで、バーナ部40は、外径80φ、内径60φのステンレス管によって形成され、連結部20から燃料パイプ30の先端までが130mm、連結部20から遠赤外線発生体50先端までが、150mmとなっている。 そしてバーナでの燃焼炎の到達位置には、温度上昇測定装置60が位置させてある。 この温度上昇測定装置60は、全体が120φの円筒状の筒体61として形成され、筒体61の一方面を火炎が当たる火炎面62とし、かつこの火炎面62から離れて、熱電対63が設けられ、筒体61の中の温度を測定している。 またここで、遠赤外線発生体50は、バーナ部40に塗布するエネルギー吸収塗膜51と、エネルギー発生体52とから形成されている。 さらに、エネルギー発生体52は、図4に示したように、鉄製のブロック53および磁石54を内装したコマを単位枠に複数内装させ、さらにこの単位枠の磁石54の側にエネルギーシート57を位置させたものである。 ここで用いる磁石54は、20kG(ガウス)のものである。 なおここで、エネルギー吸収塗膜51は、エネルギーシート57からの電磁波を、バーナ部40等の金属面で反射することなく有効にメタンガスに作用させるために用いるものであり、プライマー58と塗膜59とから形成されている。 プライマー58は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式のエポラ#3000(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 具体的には、プライマー58のA剤185gに、トルマリン(30〜35ミクロン)45g、炭素(パウダー)6gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を110g添加して塗布すると、約10分程度で固化する。 塗膜59は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式のエポラ#3000(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 具体的には、塗膜59のA剤80gに、トルマリン(30〜35ミクロン)112g、炭素(パウダー)12gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を200g添加して塗布する。 なお、トルマリンを混合させないままで、A剤80gに、炭素(パウダー)12gを添加して均一に混合するだけであっても足りる。 なお、前記量は、600,000〜750,000mm 2に塗るための量を示してあり、プライマー58が約0.2mm厚、塗膜59が約0.5mm厚程度となる。 なおここで、プライマー58は、金属面への接着性が要求されるため、トルマリン等の添加量を少なくしてある。 また、塗膜59は単独では接着性が悪いので、2層構造としてある。 また、エネルギーシート57は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式の変性ウレタン樹脂(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 エネルギーシート57のA剤156gに、トルマリン(30〜35ミクロン)240g、鉄(鉄粉)418g、炭素(パウダー)15gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を390g添加混合して、不織布を中間に位置させた枠の中に流し込んで、厚さ2mmのシートを、室温で18時間かけて整形する。 ここでエネルギーシート57は、第1実施例でもっとも省エネ率が大きかったトルマリンと、鉄と、炭素との組み合わせとしてある。 なお、塗膜59に用いる樹脂、あるいはエネルギーシート57に用いる樹脂としては、前記以外にも、使用環境温度が110℃以下の場合には一般的な合成樹脂が、また150℃を越えるような場合にはシリコン樹脂が使用可能である。 そして、下記の試料について、筒体61内の単位時間当たりの温度上昇を測定した。 試料0:遠赤外線発生体なし、磁石なし 試料1:遠赤外線発生体なし、磁石あり 試料11:エネルギーシートなし、エネルギー吸収塗膜あり、磁石なし 試料12:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石なし 試料13:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石あり 試料14:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜あり、磁石あり 試料15:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石あり(ただし、バーナ部40をステンレス製でなく、鉄製とした。) ここで、試料0と試料1についての温度上昇率S nを測定した。 その結果は、下記の通りである。 試料0:S 0 =4.09℃/min 試料1:S 1 =4.20℃/min この結果から、単に磁石を付設するだけで、温度上昇率S nが上昇することがわかった。 これは、磁石からの磁場によって、磁場を通過するメタンガスあるいは酸素の化学種に対して、その対称性を崩す変化が生じて分子レベルでの活性化が生じることによって、温度上昇率S nが向上したと考えられる。 また同時に、試料11〜15についても、温度上昇率S nを測定した。 ここで、試料0の温度上昇率S 0を省エネ率0%とし、試料11〜15について、温度上昇率及び試料0に対する省エネ率を測定した。 省エネ率は下記の数式で計算した。 省エネ率ε=(試料nの温度上昇率−試料1の温度上昇率)/試料1の温度上昇率 その結果は下記の通りである。 試料11:S 1 =4.50℃/min ε 1 =10.02% 試料12:S 2 =4.45℃/min ε 2 = 8.80% 試料13:S 3 =4.73℃/min ε 3 =15.65% 試料14:S 4 =5.06℃/min ε 4 =23.72% 試料15:S 5 =4.96℃/min ε 5 =21.27% このデータから、磁石がない状態でも、エネルギーシートのみ(試料12)あるいはエネルギー吸収塗膜のみ(試料11)を用いるだけでも、省エネ率が向上することがわかった。 さらに、「エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし」の場合の、磁石なし(試料12)に対する磁石あり(試料13)の省エネ率向上の方が、試料0と試料1との間の省エネ率向上よりも大きいことがわかった。 さらに、「エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜あり、磁石あり」の試料14が、最高の省エネ率となった。 なお、試料15は、試料13よりも省エネ率が向上している。 これは、いずれもエネルギー吸収塗膜を用いていないので、バーナ部40をステンレス製でなく、鉄製とした方が、エネルギーシートからの電磁波の金属表面での反射が少ないことが原因であると思われる。 以下、本発明の第3の実施例を説明する。 この第3の実施例では、分光放射率の点から、最適なエネルギーシートを得ようとしたものである。 メタンガスには、1200cm -1程度の波数に、大きな電磁波放射エネルギーの吸収帯が存在している。 そこで、このような波数での波長をメタンガスに投与することによって、メタン分子を始めとしてメタン分子から発する燃焼先駆体である活性化学種の回転・振動運動をより激しく加速させ、火炎温度の上昇を導くことができるものである。 そのためには、前述した1200cm -1程度の波数域での分光放射率が大きい材料が、遠赤外線発生体50の材料に適している。 そこで、第2の実施例における素材配合のエネルギーシートを中心として、下記のように素材の分量をふったエネルギーシートを作成し、分光放射率を測定した。 なお、分光放射率は、黒体塗料の分光放射率を94%としたときの各材料の分光放射率を比率として表示し、1200cm -1の波数域での分光放射率を、100℃に換算して求めた。 また、トルマリンは30〜35ミクロンの粉末、鉄は鉄粉、炭素はパウダーのものを用いた。 試料20:樹脂546g、トルマリン240g、鉄334g、炭素15g 試料21:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素15g 試料22:樹脂546g、トルマリン240g、鉄502g、炭素15g 試料23:樹脂546g、トルマリン192g、鉄418g、炭素15g 試料24:樹脂546g、トルマリン288g、鉄418g、炭素15g 試料25:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素7.5g 試料26:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素22.5g 試料27:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素4g 試料28:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素2g 試料29:樹脂546g、トルマリン240g、鉄200g、炭素7.5g 試料30:樹脂546g、トルマリン240g、鉄600g、炭素7.5g 試料31:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素0g 試料32:樹脂546g、トルマリン500g、鉄418g、炭素15g 各試料の分光放射率は、下記の通りであった。 試料20:84.9 試料21:84.9 試料22:84.5 試料23:75.9 試料24:61.4 試料25:94.0 試料26:85.2 試料27:93.5 試料28:91.4 試料29:81.9 試料30:77.1 試料31:78.9 試料32:81.7 このような結果から、下記のことが確認された。 (1)炭素については、試料21が炭素15gとしているのに対して、試料31,試料28,試料27,試料25,試料26でそれぞれ、0g、2g、4g、7.5g、22.5gとして調合した。 試料31と試料28との比較からしても、炭素の混合が望ましいことであることがわかった、 また、分光放射率を90以上になるように設定するには、1g程度の添加は必要であるものの、その上限としては、12g程度まで添加することも可能であることがわかった。 また、分光放射率から判断すると、最適値が7.5g程度であることもわかった。 (2)鉄については、試料21が鉄418gとしているのに対して、試料29,試料20,試料22,試料30でそれぞれ、200g、334g、502g、600gとして調合した。 また、試料20,試料22はそれぞれ他の素材の量は同一にしてある。 更に、試料29,試料30は、トルマリンが一定のまま、炭素を、前記(1)の最適値である7.5gとして調合したものである。 ここでは、600gの添加を行った試料30が「70台」となっている他は、「80」を越えていることがわかった。 また、分光放射率を90以上に設定するには、炭素を最適値の7.5gにした場合、300g〜450g程度の添加が望ましいことがわかった。 (3)トルマリンについては、試料21がトルマリン240gとしているのに対して、試料23,試料24,試料32でそれぞれ、192g、288g、500gとして調合した。 また、試料21,試料23,試料24,試料32はそれぞれ他の素材の量は同一にしてある。 その結果、試料21の分光放射率が「84.9」と高く、試料23は「75.9」、試料32は「81.7」となっており、試料24は「61.4」となっている。 従って、トルマリンについては、試料21の240g程度が最適であることがわかった。 また、炭素を最適値の7.5gにして実験した結果、分光放射率を90以上になるように設定するには、175g〜600g程度まで使用することができることが確認された。 上述のような、実施例1乃至実施例3を総合的に判断すると、エネルギーシートとしては、トルマリン、炭素、鉄の混合物が樹脂中に分散固定されたものの使用が望ましいことがわかった。 またそこで量的には、トルマリンが175g〜600g程度、炭素が1g〜12g、鉄が300g〜450g程度の量であることが望ましい。 更に、このエネルギーシートの使用に加えて、エネルギー吸収塗膜を塗布し、かつ磁石を使用する場合が最も優れた燃焼効果を発揮するものである。
本発明はメタンガスの燃料活性化装置に関し、ボイラ、発電機等の燃焼機器、エンジン等に用いることができるものであり、メタンガスとなって燃焼するものであれば、燃料自体は気体燃料でも液体燃料でも使用可能なものである。 【発明の名称】メタンガスの燃料活性化装置 【0001】 【技術分野】 [0001] 本発明はメタンガスの燃料活性化装置、更に詳しくは燃焼部分手前にメタンガスを活性化することによってメタンガスの燃焼時の熱効率を向上させるためのメタンガスの燃料活性化装置に関するものである。 【背景技術】 [0002] 従来から、燃焼器具の燃焼時の熱効率の向上は種々研究されていた。 燃焼時の熱効率が5%向上すると、天然資源としての燃料の削減が図られると共に、毎月燃料費用が5%削減できることとなり、大きな産業効果を有することとなる。 このため、例えば特開平11−1707号公報記載の発明のように、バーナの改良を行ったりしたものがあった。 一方、燃焼器具のうちで暖房器具には、暖房効率を向上させるために遠赤外線発生体が設けられているものがあった。 例えば、特開2003−336811に記載されているように、赤熱部の周りにガラス外筒を設け、加熱されたガラス外筒から遠赤外線が発射され、良好な暖房が得られるようになっている。 [0003] ただここで使用する遠赤外線は、遠赤外線を発生する遠赤外線発生体の加熱に伴うものでおり、もっぱら体を温めるために用いられていた。 【特許文献1】特開平11−1707号公報【特許文献2】特開2003−336811公報【発明の開示】 [0004] 本発明の発明者らは、遠赤外線からの放射波によって、燃焼部分手前のメタンガスを活性化させることによる燃焼時の熱効率の向上を考えた。 さらに詳しくは、遠赤外線からの放射波のうち、振動や回転にのみ関与するある特定波長域の電磁波エネルギーをメタン分子に投与することによって、メタン分子をスピンさせ、メタン分子を始めとしてメタン分子から発する燃焼先駆体である活性化学種の回転・振動運動をより激しく加速する。 このことにより、空気中の酸素分子との衝突エ 【0002】 ネルギーが高められ、かつ衝突頻度が高められることとなり、その結果、燃焼反応が促進されて火炎温度の上昇を導くことができるものである。 [0005] そのため、まず遠赤外線を放射するトルマリンに着目し、トルマリンからの遠赤外線を燃焼部分手前のメタンガスに照射して実験を行ったものの、燃焼時の熱効率を向上させたというほどの向上は見られなかった。 この結果を検討したところ、メタンガスの吸収帯に合致した遠赤外線発生体からの放射波を照射することによって、遠赤外線によって、燃焼部分手前のメタンガスを活性化させることができることがわかった。 そこで本発明は、燃焼部分手前のメタンガスを大きく活性化させ、燃焼時の熱効率が向上する遠赤外線発生体を提供することを目的とする。 [0006] 前述した課題を解決するために、本発明のうち、第1の発明は、燃焼部分手前にあたるメタンガス通路に、トルマリン175〜600重量部に鉄粉300〜450重量部及び炭素1〜12重量部を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させたことを特徴とする。 また、第2の発明は、第1の発明の遠赤外線発生体に、更に珪素を混合させて形成したことを特徴とする。 第3の発明は、第1または第2の発明の遠赤外線発生体の周囲に、磁石を配置したことを特徴とする。 [0007] 第4の発明は、燃焼部分手前のメタンガス通路に、樹脂にトルマリン及び炭素を混合してなるプライマーを塗布し、この外面に樹脂にトルマリン及び炭素を混合してなる塗膜を塗布してなるエネルギー吸収塗膜と、そのエネルギー吸収塗膜の周面に設けた、樹脂にトルマリン、鉄粉及び炭素を混合させて形成したエネルギーシート及び磁石とを備えた遠赤外線発生体を位置させたことを特徴とする。 第5の発明は、第4の発明のメタンガス通路として、燃焼部分を含むことを特徴とする。 【0003】 [0008] 第1の発明は、燃焼部分手前にあたるメタンガス通路に、トルマリン175〜600重量部に鉄粉300〜450重量部及び炭素1〜12重量部を混合させて形成した遠赤外線発生体を位置させることによって、燃焼部分手前のメタンガスを活性化させ、メタンガスの全熱量中の有効利用熱量を向上させたものである。 第2の発明は、トルマリン及び鉄粉に珪素を混合させて形成した遠赤外線発生体を用いることによって、第1の発明に比べて、更にメタンガスの全熱量中の有効利用熱量を更に向上させたものである。 [0009] 第3の発明は、第1または第2の発明の効果に加えて、磁石からの磁力によって、メタンガスを活性化させ、更にメタンガスの全熱量中の有効利用熱量を更に向上させたものである。 第4の発明は、燃焼部分手前のメタンガス通路に、樹脂にトルマリン及び炭素を混合してなるプライマーを塗布し、この外面に樹脂にトルマリン及び炭素を混合してなる塗膜を塗布してなるエネルギー吸収塗膜と、そのエネルギー吸収塗膜の周面に設けた、樹脂にトルマリン、鉄粉及び炭素を混合させて形成したエネルギーシート及び磁石とを備えた遠赤外線発生体を位置させたことによって、遠赤外線発生体の効率的利用を図り、燃焼部分手前のメタンガスをさらに活性化させ、メタンガスの全熱量中の有効利用熱量を向上させたものである。 [0010] また、第5の発明は、第4の発明の効果に加えて、メタンガス通路として、燃焼部分を含むことによって、燃焼直前、あるいは燃焼中のメタンガスの活性化を図ったものである。 【図面の簡単な説明】 [0011] [図1]温度上昇測定装置の概略図である。 [図2]試料0〜7の温度上昇率S 1を示したグラフである。 【0004】 [図3]第2の実施例で用いた温度上昇測定装置の概略図である。 [図4]第2の実施例で用いた遠赤外線発生体の詳細図である。 【発明を実施するための最良の形態】 [0012] 以下、本発明の第1の実施例を説明する。 まず最初に、下記の実験を行った。 使用燃料:都市ガス(13A) CH 4 :88.0% C 2 H 6 : 5.8% C 3 H 8 : 4.5% C 4 H 10 : 1.7% 火炎形態:噴流拡散火炎 燃料流速:73cm/s 空気流速:27cm/s 初期条件:室温、大気圧(0.1MPa) 上記の状態で、図1に示した測定装置10によって、温度上昇を測定した。 [0013] この測定装置10は、連結部20と、この連結部20に固定された燃料パイプ30と、バーナ部40とから形成され、連結部20には空気孔21が設けられ、燃料パイプ30からの燃料と空気孔21からの空気が混合されてバーナ部40で燃焼するようになっている。 また、燃料パイプ30およびバーナ部40の燃焼部分手前には、遠赤外線発生体50が取り付けられている。 そしてバーナでの燃焼火炎の到達位置には、温度上昇測定装置60が位置させてある。 この温度上昇測定装置60は、全体が120φの円筒状の筒体61として形成され、筒体61の一方面を火炎が当たる火炎面62とし、かつこの火炎面62から離れて、熱電対63が設けられ、筒体61の内の温度を測定している。 [0014] そして、下記の試料について、筒体61内の単位時間あたりの温度上昇を測定した。 試料0:遠赤外線発生体なし、磁石なし 【0005】 試料1:遠赤外線発生体なし、磁石あり 試料2:トルマリンのみ取り付け、磁石あり 試料3:トルマリン+鉄粉、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g) 試料4:トルマリン+炭素、磁石あり(トルマリン50g、炭素4g) 試料5:トルマリン+珪素、磁石あり(トルマリン50g、ブラックシリカ30g) 試料6:トルマリン+鉄粉+炭素、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g、炭素4g) 試料7:トルマリン+鉄粉+珪素、磁石あり(トルマリン50g、鉄粉110g、ブラックシリカ30g) これらの各試料を、合計重量の90%の重量のウレタン樹脂と混合した後、同一の大きさに成形して試料とした。 [0015] ここで、試料0と試料1についての温度上昇率S nを測定した。 その結果は、下記の通りである。 試料0:S 0 =4.09℃/min 試料1:S 1 =4.20℃/min この結果から、単に磁石を付設するだけで、温度上昇率S nが上昇することがわかった。 これは、磁石によって形成される磁場により、燃焼基部でメタン等の熱分解によって生ずるイオン化された活性化学種が、さらにその反応エネルギーを増すために、若干の火炎温度の上昇を導き、そのことが温度上昇率S nを向上させたと考えられる。 [0016] また同時に、試料2〜7についても、温度上昇率S nを測定した。 その結果を、図2に示す。 ここで、試料0の温度上昇率S 0を省エネ率0%とし、試料1〜7について、温度上昇率及び試料0に対する省エネ率を測定した。 省エネ率は下記の数式で計算した。 省エネ率ε=(試料nの温度上昇率−試料0の温度上昇率)/試料0の温度上昇率 その結果は下記の通りである。 試料1:S 1 =4.20℃/min ε 1 = 2.69% 試料2:S 2 =4.25℃/min ε 2 = 3.92% 【0006】 試料3:S 3 =4.38℃/min ε 3 = 7.09% 試料4:S 4 =4.35℃/min ε 4 = 6.36% 試料5:S 5 =4.20℃/min ε 5 = 2.69% 試料6:S 6 =4.68℃/min ε 6 =14.43% 試料7:S 7 =4.50℃/min ε 7 =10.02% このデータから、遠赤外線を発生する代表的な物質であるトルマリンでは、3.92%の省エネ率となった。 [0017] また、トルマリンに珪素を混合(試料5)すると、省エネ率が低下するものの、炭素の混合(試料4)により省エネ率が向上し、更に、トルマリンに鉄粉を混合(試料3)すると、トルマリンのみの試料2に比べても約81%の省エネ率向上が図れることがわかった。 また、トルマリンに鉄粉及び珪素(試料7)を混合すると、トルマリンのみの試料1に比べて10.02%まで省エネ率が向上しているだけでなく、トルマリンのみの試料2に比べても約2.56倍の省エネ率向上が図れることがわかった。 更に、トルマリンに鉄粉及び炭素(試料6)を混合すると、トルマリンのみの試料1に比べて14.43%まで省エネ率が向上しているだけでなく、トルマリンのみの試料2に比べても約3.68倍の省エネ率向上が図れることがわかった。 [0018] なおここで、燃料を燃焼させた際の全発熱量は、燃焼器具の本来の目的として利用できる有効利用熱量と、排ガス損失あるいは周囲への熱損失等の合計であり、燃焼器具本来の目的に利用できない無効熱量との合計となる。 ここで、特に排ガス損失は、燃焼温度が向上すると、排ガスとして排出されていた燃料が燃焼するので、減少することとなる。 この点、試料3,6,7については、試料1,2,4,5に比べて、温度上昇率が大きい。 このことは、試料3,6,7は、試料1,2,4,5に比べて、早く高温に達し、かつ最高温度も高いことを意味する。 [0019] 従って、排ガス損失としての無効熱量の一部が有効熱量として利用できるので、燃焼時の熱効率の向上を図ることができるものである。 さらに、これらの組み合わせの中でもっとも効率がよい試料が、試料6であった。 【0007】 以下、本発明の第2の実施例を説明する。 下記の実験を行った。 使用燃料:都市ガス(13A) CH 4 :88.0% C 2 H 8 : 5.8% C 3 H 8 : 4.5% C 4 H 10 : 1.7% 火炎形態:噴流拡散火炎 燃料流速:73cm/s 空気流速:27cm/s 初期条件:室温、大気圧(0.1MPa) 上記の状態で、図3に示した測定装置10によって、温度上昇を測定した。 [0020] この測定装置10は、連結部20と、この連結部20に固定された燃料パイプ30と、バーナ部40とから形成され、連結部20には空気孔21が設けられ、バーナ部40に突出している燃料パイプ30からの燃料と空気孔21からの空気が混合されてバーナ部40で燃焼するようになっている。 また、燃料パイプ30およびバーナ部40の燃焼部分手前にあたるメタンガス通路には、遠赤外線発生体50が取り付けられている。 ここで、バーナ部40は、外径80φ、内径60φのステンレス管によって形成され、連結部20から燃料パイプ30の先端までが130mm、連結部20から遠赤外線発生体50先端までが、150mmとなっている。 [0021] そしてバーナでの燃焼火炎の到達位置には、温度上昇測定装置60が位置させてある。 この温度上昇測定装置60は、全体が120φの円筒状の筒体61として形成され、筒体61の一方面を火炎が当たる火炎面62とし、かつこの火炎面62から離れて、熱電対63が設けられ、筒体61の中の温度を測定している。 またここで、遠赤外線発生体50は、バーナ部40に塗布するエネルギー吸収塗膜51と、エネルギー発生体52とから形成されている。 さらに、エネルギー発生体52は、図4に示したように、鉄製のブロック53および磁石54を内装したコマを単位枠に複数 【0008】 内装させ、さらにこの単位枠の磁石54の側にエネルギーシート57を位置させたものである。 ここで用いる磁石54は、20kG(キロガウス)のものである。 [0022] なおここで、エネルギー吸収塗膜51は、エネルギーシート57からの電磁波を、バーナ部40等の金属面で反射することなく有効にメタンガスに作用させるために用いるものであり、プライマー58と塗膜59とから形成されている。 プライマー58は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式のエポラ#3000(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 具体的には、プライマー58のA剤185gに、トルマリン(30〜35ミクロン)45g、炭素(パウダー)6gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を110g添加して塗布すると、約10分程度で固化する。 [0023] 塗膜59は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式のエポラ#3000(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 具体的には、塗膜59のA剤80gに、トルマリン(30〜35ミクロン)112g、炭素(パウダー)12gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を200g添加して塗布する。 なお、トルマリンを混合させないままで、A剤80gに、炭素(パウダー)12gを添加して均一に混合するだけであっても足りる。 なお、前記量は、600,000〜750,000mm 2に塗るための量を示してあり、プライマー58が約0.2mm厚、塗膜59が約0.5mm厚程度となる。 [0024] なおここで、プライマー58は、金属面への接着性が要求されるため、トルマリン等の添加量を少なくしてある。 また、塗膜59は単独では接着性が悪いので、プライマー58とで2層構造としてある。 また、エネルギーシート57は、A剤とB剤とからなる2液混合固化方式の変性ウレタン樹脂(日本特殊塗料株式会社製)をベースに用いている。 エネルギーシート57のA剤156gに、トルマリン(30〜35ミクロン)240g、鉄(鉄粉)418g、炭素(パウダー)15gを添加して均一に混合する。 塗布直前にB剤を390g添加混合して、不織布を中間に位置させた枠の中に流し込んで、厚さ2mmのシートを、室温で18時間かけて整形する。 [0025] ここでエネルギーシート57は、第1実施例でもっとも省エネ率が大きかったトルマリ 【0009】 ンと、鉄と、炭素との組み合わせとしてある。 なお、塗膜59に用いる樹脂、あるいはエネルギーシート57に用いる樹脂としては、前記以外にも、使用環境温度が110℃以下の場合には一般的な合成樹脂が、また150℃を越えるような場合にはシリコン樹脂が使用可能である。 そして、下記の試料について、筒体61内の単位時間当たりのの温度上昇を測定した。 試料0:遠赤外線発生体なし、磁石なし 試料1:遠赤外線発生体なし、磁石あり 試料11:エネルギーシートなし、エネルギー吸収塗膜あり、磁石なし 試料12:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石なし 試料13:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石あり 試料14:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜あり、磁石あり 試料15:エネルギーシートあり、エネルギー吸収塗膜なし、磁石あり(ただし、バーナ部40をステンレス製でなく、鉄製とした。) ここで、試料0と試料1についての温度上昇率S nを測定した。 [0026] その結果は、下記の通りである。 試料0:S 0 =4.09℃/min 試料1:S 1 =4.20℃/min この結果から、単に磁石を付設するだけで、温度上昇率S nが上昇することがわかった。 [0027] また同時に、試料11〜15についても、温度上昇率S nを測定した。 ここで、試料0の温度上昇率S 0を省エネ率0%とし、試料11〜15について、温度上昇率及び試料0に対する省エネ率を測定した。 省エネ率は下記の数式で計算した。 省エネ率ε=(試料nの温度上昇率−試料0の温度上昇率)/試料0の温度上昇率 【0011】 そこで、第2の実施例における素材配合のエネルギーシートを中心として、下記のように素材の分量をふったエネルギーシートを作成し、分光放射率を測定した。 なお、分光放射率は、黒体塗料の分光放射率を94%としたときの各材料の分光放射率を比率として表示し、1200cm −1の波数域での分光放射率を、100℃に換算して求めた。 また、トルマリンは30〜35ミクロンの粉末、鉄は鉄粉、炭素はパウダーのものを用いた。 [0031] 試料20:樹脂546g、トルマリン240g、鉄334g、炭素15g 試料21:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素15g 試料22:樹脂546g、トルマリン240g、鉄502g、炭素15g 試料23:樹脂546g、トルマリン192g、鉄418g、炭素15g 試料24:樹脂546g、トルマリン288g、鉄418g、炭素15g 試料25:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素7.5g 試料26:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素22.5g 試料27:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素4g 試料28:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素2g 試料29:樹脂546g、トルマリン240g、鉄200g、炭素7.5g 試料30:樹脂546g、トルマリン240g、鉄600g、炭素7.5g 試料31:樹脂546g、トルマリン240g、鉄418g、炭素0g 試料32:樹脂546g、トルマリン500g、鉄418g、炭素15g 各試料の分光放射率は、下記の通りであった。 [0032] 試料20:84.9% 試料21:84.9% 試料22:84.5% 試料23:75.9% 試料24:61.4% 試料25:94.0% 試料26:85.2% 試料27:93.5% 【0012】 試料28:91.4% 試料29:81.9% 試料30:77.1% 試料31:78.9% 試料32:81.7% このような結果から、下記のことが確認された。 [0033] (1)炭素については、試料21が炭素15gとしているのに対して、試料31,試料28,試料27,試料25,試料26でそれぞれ、0g、2g、4g、7.5g、22.5gとして調合した。 試料31と試料28との比較からしても、炭素の混合が望ましいことであることがわかった、 また、分光放射率を90%以上になるように設定するには、炭素1g程度の添加は必要であるものの、その上限としては、12g程度まで添加することも可能であることがわかった。 また、分光放射率から判断すると、最適値が7.5g程度であることもわかった。 (2)鉄については、試料21が鉄418gとしているのに対して、試料29,試料20,試料22,試料30でそれぞれ、200g、334g、502g、600gとして調合した。 また、試料20,試料22はそれぞれ他の素材の量は同一にしてある。 更に、試料29,試料30は、トルマリンが一定のまま、炭素を、前記(1)の最適値である7.5gとして調合したものである。 [0034] ここでは、600gの添加を行った試料30が「70%台」となっている他は、「80%」を越えていることがわかった。 また、分光放射率を90%以上に設定するには、炭素を最適値の7.5gにした場合、300g〜450g程度の添加が望ましいことがわかった。 (3)トルマリンについては、試料21がトルマリン240gとしているのに対して、試料23,試料24,試料32でそれぞれ、192g、288g、500gとして調合した。 また、試料21,試料23,試料24,試料32はそれぞれ他の素材の量は同一にしてある。 [0035] その結果、試料21の分光放射率が「84.9%」と高く、試料23は「75.9%」、試料32は「81.7%」となっており、試料24は「61.4%」となっている。 従って、トルマリンについては、試料21の240g程度が最適であることがわかった。 【0013】 また、炭素を最適値の7.5gにして実験した結果、分光放射率を90%以上になるように設定するには、トルマリンを175g〜600g程度まで使用することができることが確認された。 上述のような、実施例1乃至実施例3を総合的に判断すると、エネルギーシートとしては、トルマリン、炭素、鉄の混合物が樹脂中に分散固定されたものの使用が望ましいことがわかった。 [0036] またそこで量的には、トルマリンが175g〜600g程度、炭素が1g〜12g、鉄が300g〜450g程度の量であることが望ましい。 更に、このエネルギーシートの使用に加えて、エネルギー吸収塗膜を塗布し、かつ磁石を使用する場合が最も優れた燃焼効果を発揮するものである。 【産業上の利用可能性】 [0037] 本発明はメタンガスの燃料活性化装置に関し、ボイラー、発電機等の燃焼機器、エンジン等に用いることができるものであり、メタンガスとなって燃焼するものであれば、燃料自体は気体燃料でも液体燃料でも使用可能なものである。 |