スプレイノズル及び脱気器

申请号 JP2015037312 申请日 2015-02-26 公开(公告)号 JP2016161148A 公开(公告)日 2016-09-05
申请人 三菱日立パワーシステムズ株式会社; 发明人 犬塚 泰輔; 笠原 二郎; 藤田 一作; 中村 太一;
摘要 【課題】スプレイノズル及び脱気器において、噴出流量に拘わらず発生する圧 力 損失の増加を抑制して性能の向上を図る。 【解決手段】外周部に複数の噴出口43,44が設けられる外筒31と、外筒31の内部に軸心方向に移動自在に支持されて複数の噴出口43,44と連通可能な複数の第1連通孔45が設けられる内筒32と、軸部47が内筒32に連結されて軸部47の先端部に設けられる弁体48が外筒31の先端開口部42を開閉可能な開閉弁34とを設ける。 【選択図】図2
权利要求

脱気器容器内に復を噴出するスプレイノズルであって、 外周部に複数の噴出口が設けられる外筒と、 前記外筒の内部に軸心方向に移動自在に支持されて前記複数の噴出口と連通可能な複数の第1連通孔が設けられる内筒と、 軸部が前記内筒に連結されて前記軸部の先端部に設けられる弁体が前記外筒の先端開口部を開閉可能な開閉弁と、 を有することを特徴とするスプレイノズル。前記内筒の先端部に複数の第2連通孔が設けられる仕切板が連結され、前記軸部は、前記内筒の軸心方向に沿って配置されて前記仕切板を貫通して連結されることを特徴とする請求項1に記載のスプレイノズル。前記弁体が前記外筒の先端開口部を開放する第1開放位置にあるとき、前記複数の噴出口と前記複数の第1連通孔が連通せず、前記弁体が前記外筒の先端開口部を開放する第2開放位置にあるとき、前記複数の噴出口と前記複数の第1連通孔が連通することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスプレイノズル。前記第1連通孔は、前記内筒の軸心方向に沿う長孔であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスプレイノズル。前記複数の噴出口は、前記外筒の軸心方向に所定間隔を空けて設けられることを特徴とする請求項4に記載のスプレイノズル。前記噴出口は、外側に向けて開口面積が大きくなるテーパ形状をなすことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のスプレイノズル。前記外筒は、外周部に取付フランジが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のスプレイノズル。中空形状をなして下部に出口部が設けられる容器と、 前記容器の上部に設けられる請求項1から請求項7に記載のスプレイノズルと、 前記容器の下部に加熱蒸気を噴出する加熱蒸気噴出配装置と、 を有することを特徴とする脱気器。

说明书全文

本発明は、給から溶存酸素などの不純物を除去する脱気器に使用されるスプレイノズル、このスプレイノズルが使用される脱気器に関するものである。

例えば、原子発電プラントでは、原子炉で生成した蒸気をタービン発電機へ送って発電し、使用後の蒸気を復水器で冷却し、復水として原子炉に戻している。この場合、タービンの駆動に使用された蒸気は、復水器で冷却水により冷却されて復水(低圧の飽和液)に戻された後、復水ポンプにより低圧給水加熱器を経て脱気器に供給される。この脱気器は、復水における溶存酸素や不凝結ガスなどの不純物が除去した後、この復水を主給水ポンプにより高圧給水加熱器などにより加熱してから蒸気発生器に戻す。

従来の脱気器として、例えば、バブリング式の脱気器がある。このバブリング式の脱気器は、上部にスプレイノズルが設けられ、このスプレイノズルにより復水を下方に噴出する一方で、貯水部中に加熱蒸気を噴出させることで多数の気泡を形成する。すると、復水と加熱蒸気とが接触することで、復水中の酸素が加熱蒸気に移行し、脱気することができる。このような脱気器としては、例えば、下記特許文献に記載されたものがある。

特開平11−351507号公報

特開2004−116915号公報

例えば、原子力発電プラントが大きな発電量を確保するためには、蒸気発生器が生成する蒸気量を増加し、蒸気タービンによる発電機の駆動力を増加させる必要がある。すると、復水器が処理する蒸気量(復水量)が増加し、脱気器が大型化する。脱気器は、上述したように、上部のスプレイノズルから復水を噴出し、この復水と加熱蒸気を接触させることで、復水に溶存する酸素が加熱蒸気に移行して除去される。そのため、脱気器が大型化すると、従来のスプレイノズルでは、大流量域での圧力損失が増加してしまうという問題がある。

本発明は、上述した課題を解決するものであり、噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制して性能の向上を図るスプレイノズル及び脱気器を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するための本発明のスプレイノズルは、脱気器容器内に復水を噴出するスプレイノズルであって、外周部に複数の噴出口が設けられる外筒と、前記外筒の内部に軸心方向に移動自在に支持されて前記複数の噴出口と連通可能な複数の第1連通孔が設けられる内筒と、軸部が前記内筒に連結されて前記軸部の先端部に設けられる弁体が前記外筒の先端開口部を開閉可能な開閉弁と、を有することを特徴とするものである。

従って、開閉弁が前進し、弁体が外筒の先端開口部を開放すると、外筒の先端部から復水が噴出され、このとき、噴出口と第1連通孔が連通すると、外筒の側部から復水が噴出される。そのため、噴出流量を増加することができ、そのときの噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制することで性能を向上することができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記内筒の先端部に複数の第2連通孔が設けられる仕切板が連結され、前記軸部は、前記内筒の軸心方向に沿って配置されて前記仕切板を貫通して連結されることを特徴としている。

従って、内筒と開閉弁を仕切板により連結することで、開閉弁と内筒の移動を容易に同期させることができ、第2連通孔により所定量の復水を外筒の先端開口部に供給することができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記弁体が前記外筒の先端開口部を開放する第1開放位置にあるとき、前記複数の噴出口と前記複数の第1連通孔が連通せず、前記弁体が前記外筒の先端開口部を開放する第2開放位置にあるとき、前記複数の噴出口と前記複数の第1連通孔が連通することを特徴としている。

従って、外筒の先端開口部からのみ復水を噴出する小流量噴出状態と、外筒の先端開口部と複数の噴出口の両方から復水を噴出する大流量噴出状態とに切り替えることができ、容易に復水の噴出量を調整することができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記第1連通孔は、前記内筒の軸心方向に沿う長孔であることを特徴としている。

従って、第1連通孔と噴出口を容易に連通させることができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記複数の噴出口は、前記外筒の軸心方向に所定間隔を空けて設けられることを特徴としている。

従って、外筒の先端開口部と複数の噴出口の一部から復水を噴出する中流量噴出状態に切り替えることができ、復水の噴出量を段階的に調整することができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記噴出口は、外側に向けて開口面積が大きくなるテーパ形状をなすことを特徴としている。

従って、噴出口から復水を広範囲にわたって噴出することができると共に、このときの噴出抵抗を低減することができる。

本発明のスプレイノズルでは、前記外筒は、外周部に取付フランジが設けられることを特徴としている。

従って、脱気器容器に対して取付フランジを介して外筒を取付けることで、取付作業性を向上することができると共に、容易に取外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。

また、本発明の脱気器は、中空形状をなして下部に出口部が設けられる容器と、前記容器の上部に設けられる前記スプレイノズルと、前記容器の下部に加熱蒸気を噴出する加熱蒸気噴出配装置と、を有することを特徴とするものである。

従って、スプレイノズルが容器内に復水を噴出し、加熱蒸気噴出配装置からこの復水に対して加熱蒸気が噴出されると、復水と加熱蒸気が接触することで、復水中の酸素が加熱蒸気に移行し、脱気される。このとき、スプレイノズルは、先端部と側部から復水を噴出するため、噴出流量を増加することができ、そのときの噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制することで性能を向上することができる。

本発明のスプレイノズル及び脱気器によれば、スプレイノズルが先端部と側部から復水を噴出するので、噴出流量を増加することができ、そのときの噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制することで性能を向上することができる。

図1は、第1実施形態のスプレイノズルが使用された脱気器を表す概略図である。

図2は、第1実施形態のスプレイノズルの断面図である。

図3は、外筒を表す斜視図である。

図4は、内筒を表す斜視図である。

図5は、小流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図である。

図6は、中流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図である。

図7は、大流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図である。

図8は、スプレイノズルの開度に対する流路面積を表すグラフである。

図9は、スプレイノズルの開度に対する流速を表すグラフである。

図10は、スプレイノズルの開度に対する圧力損失を表すグラフである。

図11は、第2実施形態のスプレイノズルの断面図である。

以下に添付図面を参照して、本発明に係るスプレイノズル及び脱気器の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。

[第1実施形態] 例えば、加圧水型原子炉(PWR)を有する原子力発電プラントにて、原子炉は、一次冷却水を加熱して高温・高圧の蒸気とし、蒸気発生器に供給する。蒸気発生器は、この蒸気(一次冷却水)により二次冷却水を加熱することで蒸気を生成し、蒸気タービンは、この蒸気により駆動することで発電機が発電を行う。復水器は、蒸気タービンを駆動した蒸気を冷却水(海水)により冷却して復水(低圧の飽和液)に戻した後、復水ポンプにより低圧給水加熱器を経て脱気器に供給する。脱気器は、復水における溶存酸素や不凝結ガスなどの不純物が除去した後、主給水ポンプにより復水を高圧給水加熱器などにより加熱してから蒸気発生器に戻す。

図1は、第1実施形態のスプレイノズルが使用された脱気器を表す概略図である。

第1実施形態において、図1に示すように、脱気器10は、容器(脱気器容器)11と、スプレイノズル12と、加熱蒸気供給装置13とを有している。

容器11は、中空形状をなし、横長円筒部における長手方向の両端部が湾曲蓋部により閉塞したものとなっている。この容器11は、上部に複数(本実施形態では、2個)のスプレイノズル12が設けられている。このスプレイノズル12は、蒸気が復水器で冷却されて生成されたて復水を低圧給水加熱器で加熱された後に容器11内に噴出するものである。スプレイノズル12は、容器11の上部であって、容器11の長手方向の両端部側に配置されており、容器11内の上方側に復水を噴出する。また、容器11は、この復水を排出する出口部21が設けられている。

また、容器11は、内部の下方に加熱蒸気を噴出する加熱蒸気噴出配装置13が設けられている。加熱蒸気噴出配装置13は、加熱蒸気配管22と、加熱蒸気供給管23と、加熱蒸気噴出管24とから構成されている。加熱蒸気配管22は、容器11内の上部に容器11の長手方向に沿って配置されている。加熱蒸気供給管23は、容器11の外部からこの容器11の上部を貫通して加熱蒸気配管22における長手方向の中間部に連結されている。加熱蒸気噴出管24は、加熱蒸気配管22における長手方向の両端部側から下方に向けて延出している。この加熱蒸気噴出管24は、加熱蒸気配管22の長手方向に所定間隔を空けて複数設けられており、基端部(上端部)が加熱蒸気配管22に連結され、先端部(下端部)が容器11の底部側に延び、複数の噴出口(図示略)が形成されている。

そのため、各スプレイノズル12は、容器11内に復水を噴出すると、この容器11内に所定量の復水が貯留される。加熱蒸気噴出配装置13は、加熱蒸気を加熱蒸気配管22から加熱蒸気供給管23を通して複数の加熱蒸気噴出管24に供給すると、各加熱蒸気噴出管24は、下部にある複数の噴出口から復水内に加熱蒸気を噴出する。すると、容器11内に貯留された復水と噴出口から噴出された加熱蒸気が接触することで、復水に溶存する酸素が加熱蒸気に移行して除去される。

以下、第1実施形態のスプレイノズルについて詳細に説明する。図2は、第1実施形態のスプレイノズルの断面図、図3は、外筒を表す斜視図、図4は、内筒を表す斜視図、図5は、小流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図、図6は、中流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図、図7は、大流量復水の噴出時におけるスプレイノズルの断面図である。

図2に示すように、容器11は、管台11aにより取付開口部11bが形成されると共に、取付フランジ11cが形成されている。スプレイノズル12は、外筒31と、内筒32と、仕切板33と、開閉弁34とから構成されている。このスプレイノズル12は、容器11における管台11aの取付開口部11bに嵌合し、取付フランジ11cにより取付けられている。

図2から図4に示すように、外筒31は、円筒形状をなし、基端部(上端部)に外径側に延出するリング形状をなす取付フランジ41が一体に設けられ、先端部(下端部)に先端開口部42が形成されている。また、外筒31は、外周部に複数の噴出口43,44が設けられている。複数の噴出口43は、外筒31の基端部側に周方向に所定間隔(等間隔)で形成されている。複数の噴出口44は、外筒31の先端部側に周方向に所定間隔(等間隔)で形成されている。噴出口43,44は、外筒31の軸心方向に所定間隔で形成されている。この場合、噴出口43,44は、軸心方向に対向する格子状に配列したが、周方向にずれた千鳥状に配列してもよい。

内筒32は、外筒31と同様に、円筒形状をなし、基端部(上端部)と先端部(下端部)が開放されている。内筒32は、外径が外筒31の内径より若干小さい寸法に設定されており、外筒31の内部で軸心方向に移動自在に支持されている。内筒32は、複数の噴出口43,44と連通可能な複数の第1連通孔45が設けられている。複数の第1連通孔45は、内筒32の軸心方向に沿う長孔であり、周方向に所定間隔(等間隔)で形成されている。この複数の第1連通孔45は、周方向における位置と数が、噴出口43,44の周方向における位置と数に一致している。そして、第1連通孔45は、幅が噴出口43,44の内径とほぼ一致し、長さが噴出口43と噴出口44の軸心方向の間隔とほぼ一致している。

仕切板33は、円板形状をなし、外径が内筒32の外径と同じ寸法に設定され、外周部が内筒32の下端部に固定されている。仕切板33は、第2連通孔46が周方向に沿って複数設けられている。

開閉弁34は、軸部47と、弁体48とから構成されている。軸部は、外筒11と内筒32と仕切板33の中心位置に軸心方向に沿って配置されており、先端部(下端部)が仕切板33を貫通して連結されている。また、軸部47は、先端部が仕切板33を貫通して弁体48が連結されている。この弁体47は、円板形状をなし、外径が外筒31の内径とほぼ同様の寸法に設定され、先端開口部42に嵌合し、軸方向に移動することでこの先端開口部42を開閉可能となっている。なお、開閉弁34は、軸部47の基端部(上端部)に図示しない駆動装置が設けられており、軸部47を介して弁体48を移動することができる。

そして、開閉弁34の弁体48が外筒31の先端開口部42に嵌合した閉止位置にあるとき、外筒31の複数の噴出口43,44と内筒32の複数の第1連通孔45とは連通しない。この閉止状態から、開閉弁34の弁体48が所定距離だけ前進(下降)し、図5に示すように、弁体48が外筒31の先端開口部42を小量だけ開放する第1開放位置にあるとき、外筒31の複数の噴出口43,44と内筒32の複数の第1連通孔45とは連通しない。この第1開放状態から、開閉弁34の弁体48が所定距離だけ前進し、図6に示すように、弁体48が外筒31の先端開口部42を中量だけ開放する第2開放位置にあるとき、外筒31の複数の噴出口43と内筒32の複数の第1連通孔45が連通し、複数の噴出口44と複数の第1連通孔45とは連通しない。この第2開放状態から、開閉弁34の弁体48が所定距離だけ前進し、図7に示すように、弁体48が外筒31の先端開口部42を大量だけ開放する第3開放位置にあるとき、外筒31の複数の噴出口43,44と内筒32の複数の第1連通孔45が連通する。

このスプレイノズル12は、外筒31の外周部が容器11における管台11aの取付開口部11bに嵌合し、取付フランジ41が取付フランジ11cに密着する。また、連結配管51は、取付フランジ51aが取付フランジ41に密着する。容器11と外筒31と連結配管51は、締結ボルト52により連結される。連結配管51は、復水供給配管53が連結されている。この場合、復水が復水供給配管53から連結配管51を介してスプレイノズル12に所定圧力で供給されている。

ここで、第1実施形態のスプレイノズル12の作用について説明する。

図2に示すように、スプレイノズル12の停止時、開閉弁34は作動せず、弁体48が外筒31の先端開口部42を閉止すると共に、内筒32が外筒31の複数の噴出口43,44を閉止している。図5に示すように、スプレイノズル12から小流量の復水を噴出するとき、開閉弁34が作動して軸部47を介して弁体48を所定距離だけ前進させる。すると、弁体48が外筒31の先端開口部42を小量だけ開放するが、内筒32は外筒31の複数の噴出口43,44を閉止したままとなる。そのため、内筒32内に所定圧力で供給されている復水は、第2連通孔46を通過して外筒31の先端開口部42から小流量だけ噴出される。

図6に示すように、スプレイノズル12から中流量の復水を噴出するとき、軸部47を介して弁体48を更に所定距離だけ前進させる。すると、弁体48が外筒31の先端開口部42を中量だけ開放し、内筒32の複数の第1連通孔45が外筒31の複数の噴出口43に連通するが、複数の噴出口44が閉止されたままとなる。そのため、内筒32内に所定圧力で供給されている復水は、第2連通孔46を通過して外筒31の先端開口部42から中流量だけ噴出されると共に、複数の噴出口43から噴出される。

図7に示すように、スプレイノズル12から大流量の復水を噴出するとき、軸部47を介して弁体48を更に所定距離だけ前進させる。すると、弁体48が外筒31の先端開口部42を大量に開放し、内筒32の複数の第1連通孔45が外筒31の複数の噴出口43,44に連通する。そのため、内筒32内に所定圧力で供給されている復水は、第2連通孔46を通過して外筒31の先端開口部42から大流量噴出されると共に、複数の噴出口43,44から噴出される。

図8は、スプレイノズルの開度に対する流路面積を表すグラフ、図9は、スプレイノズルの開度に対する流速を表すグラフ、図10は、スプレイノズルの開度に対する圧力損失を表すグラフである。

図8にて、スプレイノズルの開度が大きくなると、従来のスプレイノズルでは、図8に点線で示すように、流路面積が線形に増加するが、第1実施形態のスプレイノズル12では、図8に実線で示すように、流路面積が非線形に大きく増加することとなる。また、図9にて、スプレイノズルの開度が大きくなると、従来のスプレイノズルでは、図8に点線で示すように、流速が低下するが、第1実施形態のスプレイノズル12では、図8に実線で示すように、流速がほぼ一定であることとなる。更に、図10にて、スプレイノズルの開度が大きくなると、従来のスプレイノズルでは、図8に点線で示すように、圧力損失が大きく増加するが、第1実施形態のスプレイノズル12では、図8に実線で示すように、圧力損失はほぼ変わらない。

このように第1実施形態のスプレイノズルにあっては、外周部に複数の噴出口43,44が設けられる外筒31と、外筒31の内部に軸心方向に移動自在に支持されて複数の噴出口43,44と連通可能な複数の第1連通孔45が設けられる内筒32と、軸部47が内筒32に連結されて軸部47の先端部に設けられる弁体48が外筒31の先端開口部42を開閉可能な開閉弁34とを設けている。

従って、開閉弁34の弁体48が前進して外筒31の先端開口部42を開放すると、外筒31の先端部から復水が噴出され、このとき、噴出口43,44と第1連通孔45が連通すると、外筒31の側部から復水が噴出される。そのため、噴出流量を増加することができ、そのときの噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制することで性能を向上することができる。

第1実施形態のスプレイノズルでは、内筒32の先端部に複数の第2連通孔45が設けられる仕切板33を連結し、軸部47を内筒32の軸心方向に沿って配置し、仕切板33を貫通して連結している。従って、内筒32と開閉弁34を仕切板33により連結することで、開閉弁34と内筒32の移動を容易に同期させることができ、第2連通孔45により所定量の復水を外筒の先端開口部42に供給することができる。

第1実施形態のスプレイノズルでは、弁体48が外筒31の先端開口部42を開放する第1開放位置にあるとき、複数の噴出口43,44と複数の第1連通孔45が連通せず、弁体48が外筒31の先端開口部42を開放する第2、第3開放位置にあるとき、複数の噴出口43,44と複数の第1連通孔45が連通する。従って、外筒31の先端開口部42からのみ復水を噴出する小流量噴出状態と、外筒32の先端開口部42と複数の噴出口43,44の両方から復水を噴出する中流量噴出状態または大流量噴出状態とに切り替えることができ、容易に復水の噴出量を調整することができる。

第1実施形態のスプレイノズルでは、第1連通孔45を内筒32の軸心方向に沿う長孔としている。従って、第1連通孔45と噴出口43,44を容易に連通させることができる。

第1実施形態のスプレイノズルでは、複数の噴出口43,44を外筒31の軸心方向に所定間隔を空けて設けている。従って、外筒31の先端開口部42と複数の噴出口43,44の一部から復水を噴出する中流量噴出状態に切り替えることができ、復水の噴出量を段階的に調整することができる。

第1実施形態のスプレイノズルでは、外筒31の外周部に取付フランジ41を設けている。従って、容器11に対して取付フランジ41を介して外筒31を取付けることで、取付作業性を向上することができると共に、容易に取外すことができ、メンテナンス性を向上することができる。

また、第1実施形態の脱気器にあっては、中空形状をなして下部に出口部21が設けられる容器11と、容器11の上部に設けられるスプレイノズル12と、容器11の下部に加熱蒸気を噴出する加熱蒸気噴出配装置13とを設けている。従って、スプレイノズル12が容器11内に復水を噴出し、加熱蒸気噴出配装置13からこの復水に対して加熱蒸気が噴出されると、復水と加熱蒸気が接触することで、復水中の酸素が加熱蒸気に移行し、脱気される。このとき、スプレイノズル12は、先端部と側部から復水を噴出するため、噴出流量を増加することができ、そのときの噴出流量に拘わらず発生する圧力損失の増加を抑制することで性能を向上することができる。

[第2実施形態] 図11は、第2実施形態のスプレイノズルの断面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。

第2実施形態において、図11に示すように、スプレイノズル60は、外筒61と、内筒32と、仕切板33と、開閉弁34とから構成されている。

外筒61は、円筒形状をなし、先端部(下端部)に先端開口部62が形成されている。また、外筒61は、外周部に複数の噴出口63,64が設けられている。複数の噴出口63は、外筒61の基端部側に周方向に所定間隔(等間隔)で形成されている。複数の噴出口64は、外筒61の先端部側に周方向に所定間隔(等間隔)で形成されている。噴出口63,64は、外筒31の軸心方向に所定間隔で形成されている。この複数の噴出口63,64は、外側に向けて開口面積が大きくなるテーパ形状をなしている。

なお、内筒32と仕切板33と開閉弁34は、第1実施形態と同様であることから、説明は省略する。

そのため、スプレイノズル12から復水を噴出するとき、開閉弁34が作動し、軸部47を介して弁体48を所定距離だけ前進させる。すると、弁体48が外筒61の先端開口部62を開放し、内筒32の複数の第1連通孔45が外筒61の複数の噴出口63,64に連通する。そのため、内筒32内に所定圧力で供給されている復水は、第2連通孔46を通過して外筒61の先端開口部62から噴出されると共に、複数の噴出口63,64から噴出される。このとき、複数の噴出口63,64は、外側に向けて広がるテーパ形状をなしていることから、復水が広範囲にわたって噴出される。

このように第2実施形態のスプレイノズルにあっては、外筒61に設けられる複数の噴出口63,64を外側に向けて開口面積が大きくなるテーパ形状としている。従って、噴出口63,64から復水を広範囲にわたって噴出することができると共に、このときの噴出抵抗を低減することができる。

なお、上述した実施形態にて、内筒32と開閉弁34の軸部47を仕切板33により連結したが、この構成に限定されるものではない。例えば、内筒32と開閉弁34を複数の連結ロッドにより連結してもよい。

また、上述した実施形態にて、容器11に対して長手方向の端部にそれぞれスプレイノズル12を設けたが、その位置や数に限定されるものではない。

10 脱気器 11 容器(脱気器容器) 12,60 スプレイノズル 13 加熱蒸気供給装置 21 出口部 22 加熱蒸気配管 23 加熱蒸気供給管 24 加熱蒸気噴出管 31,61 外筒 32 内筒 33 仕切板 34 開閉弁 41 取付フランジ 42,62 先端開口部 43,44,63,64 噴出口 45 第1連通孔 46 第2連通孔 47 軸部 48 弁体 51 連結配管 52 締結ボルト 53 復水供給配管

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