Heat recovery apparatus and heat recovery system

申请号 JP2011261849 申请日 2011-11-30 公开(公告)号 JP2013057494A 公开(公告)日 2013-03-28
申请人 Victor Tokuhan Co Ltd; 株式会社ビクター特販; 发明人 HIRATA HIROAKI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To efficiently heat water using the heat of a steam drain, and to control the water temperature obtained.SOLUTION: A heat recovery apparatus 100 for recovering a steam drain comprising steam used in another apparatus and/or comprising a drain resulting from the condensation of steam used in the other apparatus, and thereby recovering the heat contained in the steam drain, the heat recovery apparatus includes: a pump 3 for circulating water stored within a tank 6, via circulation pipes P31 to P34; an ejector 2 for suctioning the steam drain, admixing the same with the circulated water and recovering the steam drain, the ejector being provided between the circulation pipes P31 to P34; and a ballcock 4 and temperature control unit 5 for controlling the temperature of the water inside the tank 6 by replenishing the inside of the tank 6 with tap water after some of the water inside the tank 6 has been discharged when the water inside the tank 6 has reached a pre-set first temperature T1.
权利要求
  • 他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置であって、
    タンク内に貯留された水を、循環配管を介して循環させるポンプと、
    前記循環配管に介設されており、前記蒸気ドレンを吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気ドレンを回収するエゼクタと、
    前記タンク内の水が、予め設定された第1温度に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御を行う第1温度制御手段と、を備えることを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項1に記載の熱回収装置において、
    前記タンクの側面に配設され、他のタンクに貯留された水との温度差によって、対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段を更に備えることを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項2に記載の熱回収装置において、
    前記熱交換手段は、前記タンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より下側に配設され、前記他のタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備えることを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱回収装置において、
    前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設され、水の除鉄を行う永久磁石を更に備えることを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱回収装置において、
    前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離する分離手段を備え、
    前記エゼクタは、前記分離手段によって前記蒸気ドレンから分離された蒸気を吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気を回収することを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項5に記載の熱回収装置において、
    前記分離手段は、前記蒸気ドレンが挿通される第1配管と、
    前記蒸気が挿通される第2配管と、
    前記ドレンが挿通される第3配管と、を備え、
    前記第1配管は、前記第2配管と前記第3配管とに分岐しており、
    前記第2配管は、前記第1配管の上側に接続されていることを特徴とする熱回収装置。
  • 請求項3に記載の熱回収装置と、水が貯留されたリザーブタンクと、を含む熱回収システムであって、
    前記リザーブタンクは、前記リザーブタンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より上側に配設され、前記熱回収装置のタンク内に貯留された水が前記リザーブタンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備え、
    前記熱回収装置の流出口と前記リザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管と、
    前記リザーブタンクの流出口と前記熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管と、を備えることを特徴とする熱回収システム。
  • 請求項7に記載の熱回収システムであって、
    前記第1配管に介設され、前記第1配管の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブと、
    前記第2配管に介設され、前記第2配管の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブと、
    前記リザーブタンク内の水の温度が予め設定された第2温度に到達した場合に、前記第1バルブ及び前記第2バルブを遮断する第2温度制御手段と、を更に備えることを特徴とする熱回収システム。
  • 说明书全文

    本発明は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置及び熱回収システムに関する。

    従来、エゼクタによって他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収する技術が知られている。 例えば、ボイラの給タンクへの補給水路には、エゼクタが設けられており、エゼクタでは、ノズルからディフューザへ水が噴出され、スチームモータの軸封部からの漏れ蒸気が、漏れ蒸気路を介して補給水路へ吸い込まれる漏れ蒸気熱回収構造が開示されている(特許文献1参照)。

    この蒸気熱回収構造によれば、給水タンクへの補給水に漏れ蒸気を混入して、ボイラへの給水を予熱することができる。 なお、以下の説明において、「蒸気ドレン」とは、他の装置(例えば、クリーニング工場のズボンプレッサ、スチームアイロン等)で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなるものを意味する。

    特開2010−48450号公報

    しかしながら、上記特許文献1に記載の蒸気熱回収構造では、補給水路へ吸い込まれる漏れ蒸気に含まれる熱量を制御することが困難であるため、ボイラへ供給される水温を制御することは困難であった。 また、ボイラ以外の装置(例えば、洗濯機等)に供給する他の温度(例えば、40℃)に制御された水を生成することは困難であった。

    本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、蒸気ドレンの熱によって効率的に水を加熱し、得られる水の温度を制御することが可能な熱回収装置及び熱回収システムを提供することを目的としている。 なお、以下の説明において、「水」との用語は、「温水」及び「熱水」を含む広い意味で用いるものとする。

    上記課題を解決するために、本発明に係る熱回収装置は、以下のように構成されている。

    すなわち、本発明に係る熱回収装置は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置であって、タンク内に貯留された水を、循環配管を介して循環させるポンプと、前記循環配管に介設されており、前記蒸気ドレンを吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気ドレンを回収するエゼクタと、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御を行う第1温度制御手段と、を備えることを特徴としている。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、前記エゼクタによって、回収された前記蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク内の水が加熱される。 そして、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度(例えば、80℃)に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御が行われるため、排出される(例えば、ボイラに供給される)水の温度を前記第1温度を含む一定の温度範囲を維持することができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記タンクの側面に配設され、他のタンクに貯留された水との温度差によって、対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段を更に備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、他のタンクに貯留された水との温度差を利用して、対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段が、前記タンクの側面に配設されているため、前記他のタンクに貯留された水を簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記熱交換手段が、前記タンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より下側に配設され、前記他のタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、前記流出口から前記タンク内に貯留された水が流出され、前記流出口より下側に配設された前記流入口から、前記他のタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入されるため、前記他のタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設され、水の除鉄を行う永久磁石を更に備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、水の除鉄を行う永久磁石が、前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設されているため、循環されている水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンに含まれている鉄分が永久磁石に吸着されるため、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンの除鉄を効率的に行うことができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離する分離手段を備え、前記エゼクタが、前記分離手段によって前記蒸気ドレンから分離された蒸気を吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気を回収することが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、前記分離手段によって蒸気ドレンが蒸気とドレンとに分離されることから、蒸気ドレン中の鉄分がドレンの方に残渣として残り、蒸気の方には鉄分が含まれない。 そして、この鉄分を含まない蒸気がエゼクタによって吸引されて、循環されている水と混合されるため、前記蒸気ドレンに含まれる鉄分が水と混合されることがない。 したがって、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気の除鉄を行う必要がない。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記分離手段は、前記蒸気ドレンが挿通される第1配管と、前記蒸気が挿通される第2配管と、前記ドレンが挿通される第3配管と、を備え、前記第1配管が、前記第2配管と前記第3配管とに分岐しており、前記第2配管が、前記第1配管の上側に接続されていることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、前記蒸気ドレンが挿通される第1配管が、前記蒸気が挿通される第2配管と、前記ドレンが挿通される第3配管とに分岐しており、前記第2配管が、前記第1配管の上側に接続されているため、簡素な構成で前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離することができる。

    上記課題を解決するために、本発明に係る熱回収システムは、以下のように構成されている。

    すなわち、本発明に係る熱回収システムは、本発明に係る熱回収装置と、水が貯留されたリザーブタンクと、を含む熱回収システムであって、前記リザーブタンクは、前記リザーブタンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より上側に配設され、前記熱回収装置のタンク内に貯留された水が前記リザーブタンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備え、前記熱回収装置の流出口と前記リザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管と、前記リザーブタンクの流出口と前記熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管と、を備えることを特徴としている。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記熱回収装置の流出口と前記リザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管を介して、前記熱回収装置のタンク内で加熱された水が、前記リザーブタンク内に流入すると共に、前記リザーブタンクの流出口と前記熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管を介して、前記リザーブタンクに貯留された水が前記熱回収装置のタンク内に流入するため、前記リザーブタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収システムは、前記第1配管に介設され、前記第1配管の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブと、前記第2配管に介設され、前記第2配管の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブと、前記リザーブタンク内の水の温度が予め設定された第2温度に到達した場合に、前記第1バルブ及び前記第2バルブを遮断する第2温度制御手段と、を更に備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記リザーブタンク内の水の温度が予め設定された第2温度(例えば、40℃)に到達した場合に、前記第1配管に介設され、前記第1配管の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブ、及び、前記第2配管に介設され、前記第2配管の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブが遮断されるため、前記リザーブタンクに貯留された水の加熱が停止されるので、前記リザーブタンク内の水の温度を前記第2温度(例えば、40℃)を含む一定の温度範囲に維持することができる。

    本発明に係る熱回収装置及び熱回収システムによれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、前記エゼクタによって、回収された前記蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク内の水が加熱される。 そして、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度(例えば、80℃)に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御が行われるため、排出される(例えば、ボイラに供給される)水の温度を前記第1温度に制御することができる。

    本発明に係る熱回収装置の一例を示す正面図である。

    図1の熱回収装置の左側面図である。

    図1の熱回収装置の右側面図である。

    図1の熱回収装置の上面図である。

    図1の熱回収装置に配設される永久磁石、ボールタップ等の一例を示す透視平面図である。

    図5のA−A断面の断面図である。

    図5のB−B断面の断面図である。

    図1の熱回収装置に配設されるエゼクタの一例を示す断面図である。

    本発明に係る熱回収システムの一例を示す図である。

    本発明に係る分離部の一例を示す図である。

    以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

    −熱回収装置100の構造−
    図1は、本発明に係る熱回収装置100の一例を示す正面図である。 図2は、図1の熱回収装置100の左側面図である。 図3は、図1の熱回収装置100の右側面図である。 図4は、図1の熱回収装置100の上面図である。 本実施形態に係る熱回収装置100は、例えば、クリーニング工場等の蒸気を取り扱う各種施設に配設される。

    クリーニング工場においては、ボイラによって蒸気が発生され、発生された蒸気は、ズボンプレッサ、スチームアイロン等に供給される。 ここで、ズボンプレッサ、スチームアイロン等は、特許請求の範囲に記載の「他の装置」に相当する。 ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気(使用済み蒸気)、及び、使用された蒸気が凝縮したドレンは、回収配管P21を経由して熱回収装置100に供給される。 なお、以下の説明においては、ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気、及び、使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなるものを「蒸気ドレン」という。

    まず、図1〜図4を参照して、熱回収装置100の構造について説明する。 熱回収装置100は、永久磁石1、エゼクタ2、ポンプ3、ボールタップ4、温度制御部5、タンク6、及び、点検蓋7を備えている。

    タンク6は、水が貯留されるものであって、ここでは、水量が約250リットルの四柱状の形状のタンクである。 また、タンク6の上部には、水位の昇降に応じて、水道水の供給及び停止を行うボールタップ4が配設され、タンク6の水の水位は、ボールタップ4によって制御される。 なお、ボールタップ4の構造については、図5〜図7を参照して後述する。

    タンク6内の水位が下限水位以下に下がると、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給される。 そして、タンク6内の水位が基準水位に到達すると、ボールタップ4によってバルブが「閉」状態とされて水道水の供給が停止される。 また、例えば、エゼクタ2によって多量のドレンが回収されて、タンク6の水の水位が上限水位を超えた場合には、配管P41、P42を介して、水が排出される。 なお、ボールタップ4は、特許請求の範囲の「第1温度制御手段」の一部に相当する。

    ポンプ3は、例えば、ステンレス(例えば、SUS304)製渦巻きポンプであって、タンク6内に貯留された水を、循環配管P31、P32、P33、P34を介して循環させるものである。 循環配管P32と循環配管P33との接続部には、バルブ31が介設されている。 また、循環配管P33には、圧計32が配設されている。 更に、循環配管P33と循環配管P34との接続部には、エゼクタ2が介設されている。 また、循環配管P34の流出側には、永久磁石1が配設されている。

    バルブ31を開閉することによって、エゼクタ2に供給される(循環される)水の流量を増減することができる。 すなわち、バルブ31の開度が大きい程、エゼクタ2に供給される水の流量を増加することができる。 なお、後述するように、エゼクタ2では、水の流路が絞られるため、バルブ31の開度が大きい程、圧力計32によって計測されるエゼクタ2の流入側の水圧が増大する。

    永久磁石1は、循環配管P34の流出側に配設され、水の除鉄を行うものである。 永久磁石1は、複数の(例えば、5個の)磁区が直列に設けられた、円柱状の棒磁石である。 この場合には、磁区の境界(S極とN極とが対向して隣接する位置)の磁場が最も大きいため、ここでは4箇所の磁区の境界に水中の鉄分が吸着され、除鉄されることになる。 なお、本実施形態では、2本の円柱状の永久磁石1が、略平行に並べられて配設されている(図5参照)。

    点検蓋7は、タンク6の上面に開閉自在に配設され、永久磁石1の点検、取り外し、及び、取り付けを可能にするものである。 すなわち、点検蓋7を開放することによって、永久磁石1に鉄粉等が付着している状況を、外部から視認可能になる。 また、点検蓋7を開放することによって、手又は治具等を点検蓋7から挿入して、永久磁石1を取り外し、付着した鉄粉等を除去した後、永久磁石1を取り付けることができる。

    エゼクタ2は、循環配管P33、P34に介設されており、配管P21(図3参照)を介してズボンプレッサ、スチームアイロン等から供給される蒸気ドレンを吸引して、ポンプ3によって循環されている水と混合することによって蒸気ドレンを回収するものである。 配管P21には、連成計20が配設されている。 連成計20は、エゼクタ2によって発生される負圧を計測するものである。 ここで、エゼクタ2の構造について、図8を用いて後述する。

    配管P21とエゼクタ2との間には、真空破壊バルブ2A及び逆止弁2Bが介設されている。 真空破壊バルブ2Aは、エゼクタ2によって生成され連成計20によって検出される負圧が過大となった場合に、「開」状態として、配管(図示省略)を介して大気(エアー)を吸入することによって、負圧を低減するものである。 逆止弁2Bは、真空破壊バルブ2Aと配管(図示省略)との間に介設され、エゼクタ2から配管への水の流出を防止する弁である。

    −熱回収装置100における温度制御−
    温度制御部5は、タンク6内の水が、予め設定された第1温度T1(例えば、80℃)に到達した場合に、タンク6内の水の一部を排出した後、タンク6内に水道水を補給することによって、タンク6内の水の温度制御を行うものである。 ここで、温度制御部5は、特許請求の範囲の「第1温度制御手段」の一部に相当する。 温度制御部5は、温度計51、サーモスタット52、電動バルブ53、及び、図略の制御部54を備えている。

    電動バルブ53は、タンク6内の水を排出する場合に、制御部54からの指示に従って、「開」状態とされ、タンク6内の水の排出を停止する場合に、制御部54からの指示に従って、「閉」状態とされる電動式のバルブである。 電動バルブ53が、「開」状態とされた場合には、タンク6内の水は、配管P51、P52を経由して、配管P32に流出し、排出される。

    温度計51は、タンク6の水の温度を検出して、検出結果を外部から視認可能に表示するものである。 ここでは、便宜上、温度計51として、タンク6内の水の温度を表示するメータの配設位置に参照符合を付与している。

    サーモスタット52は、タンク6内の水が第1温度T1(例えば、80℃)に到達したか否かを判定するものであって、サーモスタット52によって第1温度T1に到達したと判定されたときに、制御部54は、電動バルブ53を「開」状態とする。 なお、電動バルブ53が「開」状態とされると、タンク6内の水は、配管P51、P52を経由して、配管P32に流出するため、タンク6内の水位が低下する。 そして、タンク6内の水位が下限水位以下に下がると、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給される。 水道水の供給が開始されると、タンク6内の水の温度が低下し始める。

    また、サーモスタット52は、タンク6内の水が第3温度T3(例えば、70℃)に到達したか否かを判定するものであって、サーモスタット52によって第3温度T3に到達したと判定されたときに、制御部54は、電動バルブ53を「閉」状態とする。 すなわち、電動バルブ53が「開」状態となって、タンク6内の水が配管P51、P52を経由して、配管P32に流出し、排出されるのは、タンク6内の水が第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下の範囲にある場合に限られることになる。

    なお、本実施形態においては、電動バルブ53が「開」状態となったときに、タンク6内の水が排出される場合について説明したが、電動バルブ53が「開」状態となったときに、タンク6内の水が他の装置(例えば、ボイラ等)に供給される形態でもよい。

    また、タンク6内で上述のようにして、第1温度T1(例えば、80℃)近傍の温度に制御された水は、配管P61を介して、ボイラへ供給される。 なお、配管P61と図略のボイラとの間にはポンプ(図示省略)が配設されており、タンク6内の水をボイラへ供給する場合には、当該ポンプが駆動される。

    更に、配管P32には、圧送口33が形成され、配管P33には、圧送口34が形成されている。 圧送口33及び圧送口34は、ポンプ3によるポンプ圧を利用して、他の装置(例えば、ボイラ、洗濯機等)へタンク6内の水を圧送する開口である。

    このようにして、ポンプ3によって、タンク6内に貯留された水が、循環配管P31、P32、P33、P34を介して循環される。 そして、循環配管P31、P32、P33、P34に介設されたエゼクタ2によって、蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合することによって蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、エゼクタ2によって、回収された蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク6内の水が加熱される。 そして、タンク6内の水が、予め設定された第1温度T1(例えば、80℃)に到達した場合に、タンク6内の水の一部を排出した後、タンク6内に水を補給することによって、タンク6内の水の温度制御が行われるため、排出される水の温度を概ね第1温度T1に制御することができる。

    本実施形態では、制御部54が、サーモスタット52によって第3温度T3に到達したと判定されたときに、電動バルブ53を「閉」状態とする場合について説明するが、制御部54が、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給されたときに、電動バルブ53を「閉」状態とする形態でもよい。 この場合には、図略のボイラに供給される水の温度は、概ね第1温度T1(例えば、80℃)となり、ボイラに供給する水の温度を更に厳密に制御することができる。

    また、図3に示すように、熱回収装置100のタンク6の側面には、流出口61及び流入口62が形成されている。 流出口61は、タンク6内に貯留された水が流出する開口である。 流入口62は、流出口61より下側に配設され、他のタンク(例えば、図9に示すリザーブタンク200)内に貯留された水がタンク6内に流入する開口である。 ここで、流出口61及び流入口62は、特許請求の範囲に記載の「熱交換手段」に相当する。

    このようにして、流出口61からタンク6内に貯留された水が流出され、流出口61より下側に配設された流入口62から、他のタンク(例えば、図9に示すリザーブタンク200)内に貯留された水がタンク6内に流入されるため、前記他のタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。 なお、対流による熱交換の詳細については、図9を用いて後述する。

    −永久磁石1の配設状態−
    次に、図5〜図7を参照して、永久磁石1の配設状態及びボールタップ4の構造について説明する。 図5は、図1の熱回収装置100に配設される永久磁石1、ボールタップ4等の一例を示す透視平面図である。 図6は、図5のA−A断面を示す断面図である。 図7は、図5のB−B断面を示す断面図である。 まず、図5〜図7を参照して、永久磁石1の配設状態について説明する。

    永久磁石1は、図1に示すように、エゼクタ2の吐出側に接続された循環配管P34の吐出側の水流路内に配設され、水の除鉄を行うものである。 また、永久磁石1は、略U字型に形成された支持部材11によって両端近傍が支持されて固定されている。 なお、支持部材11は、図6に示すように、タンク6内の水の水面より上部に略水平に形成された支持板12の上面に溶接等で立設して固定されている。

    図1等に示すように、永久磁石1の上方には、点検蓋7が設けられているため、点検蓋7を開放することによって、永久磁石1に鉄粉等が付着している状況を、外部から視認可能になる。 また、永久磁石1が、略U字型に形成された支持部材11によって両端近傍が支持されて固定されているため、点検蓋7を開放し、手又は治具等を点検蓋7から挿入して、永久磁石1を持ち上げることによって、支持部材11から容易に取り外すことができる。 更に、永久磁石1に付着した鉄粉等を除去した後、永久磁石1を容易に支持部材11に取り付けることができる。

    また、支持板12及び仕切り板23は、循環配管P34から流出した水の流路を形成するべく形成されている。 すなわち、循環配管P34から流出した水は、図5の矢印V1で示すように、支持板12上を、図5において左側へ流れて、仕切り板23とタンク6との間隙から、図5において上側へ流出して、タンク6内に貯留された水の液面まで流下する。 このように、支持板12及び仕切り板23によって、循環配管P34から流出した水の流路が形成され、その水路上に永久磁石1が固定されているため、効率的に水の除鉄を行うことができる。

    −ボールタップ4の構造及び動作−
    次に、図5〜図7を参照して、ボールタップ4の構造及び動作について説明する。 ボールタップ4は、図7に示すように、浮玉41、支持棒42、弁棒43、開閉弁44、及び、筐体45を備えている。 浮玉41は、支持棒42の先端に固定され、タンク6の液面に浮いて、液面の昇降を検出するものである。 支持棒42は、一方側端部(図7では、左上側端部)が回動自在に筐体45に継合され、他方側端部(図7では、右下側端部)は浮玉41に固定されている。 なお、図5〜図7においては、便宜上、開閉弁44の図示を省略している。

    弁棒43は、開閉弁44を開閉するものであって、一方側端部(図7では、右上側端部)は、支持棒42の支点近傍に回動自在に継合され、他方側端部(図7では、左下側端部)は、筐体45の内部に配設された開閉弁44に回動自在に継合されている。 開閉弁44は、配管P43を介して供給される水道水の開閉を行う弁体であって、弁棒43によって下方に押下されると、「開」状態となり、弁棒43による押下が解除されると、「閉」状態となる。

    ボールタップ4がこのように構成されているため、タンク6の液面が下降して、予め設定された第1位置(例えば、タンク6の上端から170mmの位置)に到達すると、弁棒43によって開閉弁44が押下されて、開閉弁44が「開」状態となって、水道水が配管P43を介してタンク6内に供給される。 また、タンク6の液面が上昇して、予め設定された第2位置(例えば、タンク6の上端から130mmの位置)に到達すると、弁棒43による開閉弁44の押下が解除されて、開閉弁44が「閉」状態となり、水道水のタンク6内への供給が停止される。

    このようにして、タンク6の液面は、ボールタップ4によって、下限位置である第1位置と上限位置である第2位置との間に位置するように制御される。

    また、図5、図7に示すように、仕切り板23と、ボールタップ4を挟んで対向する側のタンク6壁面との間には、平面視において図5に示すように、ボールタップ4の支持棒42と直交する方向に波除板46が立設されている。 波除板46は、循環配管P34から支持板12上に流下した水が支持板12からタンク6内に貯留された水の液面への流下するとき、又は、配管P43から流入される水道水がタンク6内に貯留された水の液面への流下するとき、に発生する波が、ボールタップ4の浮玉41に到達して、浮玉41によって検出される液面位置の検出精度が低下することを防止するものである。 また、波除板46は、一方端(図5では上端)がタンク6壁面に溶接等で固定され、他方端(図5では下端)が仕切り板23に溶接等で固定されている。

    −エゼクタ2の構造及び動作−
    次いで、図8を用いて、エゼクタ2の構造を説明する。 図8は、図1の熱回収装置100に配設されるエゼクタ2の一例を示す断面図である。 エゼクタ2は、水流入口21、第1テーパ部22、第1ノズル23、混合室24、第2テーパ部25、第2ノズル26、滞留室27、水流出口28、及び、ドレン吸込口29を備えている。

    水流入口21は、タンク6内に貯留された水がポンプ3によって圧送され、循環配管P31、P32、P33を順次経由して流入する開口である。 すなわち、水流入口21は、図略の循環配管P33の一方側端部と螺合(又は、嵌合)されている。

    第1テーパ部22は、水流入口21から流入した水を、先窄まり形状のテーパに沿って第1ノズル23に導くものである。 第1ノズル23は、第1テーパ部22の先端に形成され、水流入口21から流入した水を高速で、混合室24へ吐出させるものである。 第1ノズル23から混合室24へ水が高速で吐出されることで、いわゆる「ベンチュリー効果」によって、混合室24内に負圧が発生する。 そして、混合室24内に発生した負圧によって、配管P21(図3参照)を介して供給される蒸気ドレンがドレン吸込口29から吸入され、吸入された蒸気ドレンが第1ノズル23から吐出された水と混合室24で混合される。 蒸気ドレンと水とが混合されたものを、以下の説明において、便宜上「混合液」という。

    第2テーパ部25は、混合室24内の混合液を先窄まり形状のテーパに沿って第2ノズル26に導くものである。 ここで、第2ノズル26の開口面積は、第1ノズル23の開口面積より大きく設定されている。 第2ノズル26は、第2テーパ部25の先端に形成され、混合室24内の混合液を滞留室27に吐出するものである。

    滞留室27は、第2ノズル26から吐出された混合液を一時的に滞留させるものであって、下流側に、水流出口28が形成されている。 水流出口28は、第2ノズル26から吐出された混合液を循環配管P34(図1等参照)を経由して、タンク6内に流入させる開口である。

    上述のような構成を有するエゼクタ2を、図1に示すように、循環配管P33、P34間に介設することによって、配管P21(図3参照)を介して供給される蒸気ドレンをドレン吸込口29から効率的に回収し、回収された蒸気ドレンを、循環されている水と混合させて、蒸気ドレンに含まれる熱量が回収することができる。

    −熱回収システム300の構成及び動作−
    次に、図9を参照して、熱回収装置100とリザーブタンク200と、を含む熱回収システム300について説明する。 図9は、本発明に係る熱回収システム300の一例を示す図である。 熱回収装置100のタンク6の側面には、タンク6内に貯留された水が流出する流出口61と、流出口61より下側に配設され、リザーブタンク200内に貯留された水がタンク6内に流入する流入口62と、が配設されている。 流出口61及び流入口62は、特許請求の範囲に記載の「熱交換手段」に相当する。

    リザーブタンク200は、熱回収装置100のタンク6と同様に、四角柱状の形状のタンクであって、貯留される水量は、約250リットルである。 また、リザーブタンク200は、流入口67及び流出口68を備えている。 流出口68は、リザーブタンク200の側面に形成され、リザーブタンク200内に貯留された水が流出する開口である。 また、流入口67は、リザーブタンク200の側面の流出口68より上側に配設され、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水がリザーブタンク200内に流入する開口である。

    また、熱回収システム300は、第1配管63、第2配管64、第1バルブ65、及び、第2バルブ66を備えている。 第1配管63は、熱回収装置100の流出口61とリザーブタンク200の流入口67とを水の流動が可能に接続する配管である。 また、第2配管64は、リザーブタンク200の流出口68と熱回収装置100の流入口62とを水の流動が可能に接続する配管である。

    第1バルブ65は、第1配管63に介設され、第1配管63における水の流動及び遮断を切り換えるバルブである。 第2バルブ66は、第2配管64に介設され、第2配管64における水の流動及び遮断を切り換えるバルブである。

    なお、上述のように、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水は、エゼクタ2によって回収された蒸気ドレンに含まれる熱量によって加熱され、第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下の範囲に制御される。 ここで、初期状態として、リザーブタンク200内の水の温度が、常温(例えば、25℃)であって、第1バルブ65及び第2バルブ66が閉状態から、開状態に変化された場合について以下に説明する。

    リザーブタンク200内に貯留された水は常温(例えば、25℃)であり、熱回収装置100におけるタンク6内の水の温度は、第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下であるため、リザーブタンク200内に貯留された水の密度は、熱回収装置100におけるタンク6内に貯留された水の密度より大きい。 よって、第2バルブ66が閉状態から開状態に変化すると、第2配管64を経由して、リザーブタンク200内に貯留された水が、熱回収装置100のタンク6内に流入する。

    そして、熱回収装置100のタンク6内の水が押し出されるため、第1配管63を経由して、リザーブタンク200内に流入する。 このようにして、図9の矢印V2で示すように、熱回収装置100のタンク6内では上向きの対流が発生し、リザーブタンク200内では下向きの対流が発生することになる。

    このように、温度の高い水がリザーブタンク200内に流入し、温度の低い水がリザーブタンク200から排出されるため、対流による熱交換が可能となり、リザーブタンク200内の水の温度が上昇することになる。

    このようにして、熱回収装置100の流出口61とリザーブタンク200の流入口67とを水の流動が可能に接続する第1配管63を介して、熱回収装置100のタンク6内で加熱された水が、リザーブタンク200内に流入すると共に、リザーブタンク200の流出口68と熱回収装置100の流入口62とを水の流動が可能に接続する第2配管64を介して、リザーブタンク200に貯留された水が熱回収装置100のタンク6内に流入するため、リザーブタンク200に貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    本実施形態では、熱回収装置100が、タンク6側面に流出口61及び流入口62を備える場合について説明するが、流出口61及び流入口62が連続して形成された開口である形態でもよい。 すなわち、見かけ上、流出口61及び流入口62が1つの開口として形成されている形態でもよい。 同様に、リザーブタンク200の流出口68及び流入口67が、見かけ上、1つの開口として形成されている形態でもよい。 ただし、この場合には、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水と、リザーブタンク200に貯留された水との対流による熱交換を効率的に行うためには、上下方向に長い開口を形成する必要がある。 更に、熱回収装置100のタンク6側面に、流出口61及び流入口62がそれぞれ2個以上形成されている形態でもよい。 同様に、リザーブタンク200の側面に流出口68及び流入口67が、それぞれ2個以上形成されている形態でもよい。

    また、対流による熱交換を効率的に行うために、第1配管63及び第2配管64は、上下方向に離間した位置に配設されていることが好ましい。 第1配管63及び第2配管64が、上下方向に離間した位置に配設されている程、タンク内の水の密度差によって対流する水の流量が増大するからである。 更に、第1配管63及び第2配管64は、対流する水の流れを阻害しないように、充分に大きな径(例えば、直径50mm程度)を有することが好ましい。

    −リザーブタンク200内の水の温度制御−
    更に、熱回収システム300は、リザーブタンク200内の水の温度が予め設定された第2温度T2(例えば、40℃)に到達した場合に、第1バルブ65及び第2バルブ66を遮断する図略の第2温度制御部を備えている。

    具体的には、例えば、第1バルブ65及び第2バルブ66が電動バルブで構成され、リザーブタンク200内の水の温度を検出するセンサを備えており、上記第2温度制御部は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、上記センサによって検出された温度が第2温度T2に到達したときに、第1バルブ65及び第2バルブ66を「閉」状態とする旨の指示を出力すればよい。

    このようにして、リザーブタンク200内の水の温度が予め設定された第2温度T2(例えば、40℃)に到達した場合に、第1配管63に介設され、第1配管63の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブ65、及び、第2配管64に介設され、第2配管64の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブ66が遮断されるため、リザーブタンク200に貯留された水の加熱が停止されるので、リザーブタンク200内の水の温度を第2温度T2(例えば、40℃)に制御することができる。

    なお、クリーニング工場において、上述のように、リザーブタンク200内で40℃の水が生成された場合には、この水を、例えば、洗濯機等に供給することができる。

    本実施形態では、熱回収システム300が、1つのリザーブタンク200を備える場合について説明したが、熱回収システム300が、複数のリザーブタンク200を備える形態でもよい。 この場合には、リザーブタンク200毎に、第2温度T2を設定することが好ましい。

    具体的には、例えば、3つのリザーブタンク200を1つの熱回収装置100に接続する場合には、第1のリザーブタンク200の第2温度T2を60℃に設定し、第2のリザーブタンク200の第2温度T2を50℃に設定し、第3のリザーブタンク200の第2温度T2を40℃に設定すればよい。 この場合には、60℃、50℃、40℃に制御された水を生成することができる。

    −他の実施形態−
    本実施形態では、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収する場合について説明したが、その他の種類の蒸気(例えば、余剰蒸気、漏れ蒸気等)又は蒸気が凝縮したドレンを回収する形態でもよい。

    −分離部8−
    本実施形態では、エゼクタ2に、ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気(使用済み蒸気)、及び、使用された蒸気が凝縮したドレン、からなる蒸気ドレンが供給される場合について説明したが、エゼクタ2に、蒸気ドレンから分離部8によって分離された蒸気が供給される形態でもよい。

    ここで、図10を参照して本発明に係る分離部8について説明する。 図10は、本発明に係る分離部8の一例を示す図である。 分離部8は、蒸気ドレンを蒸気とドレンとを分離するものであって、蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管81と、蒸気が挿通される蒸気配管82と、ドレンが挿通されるドレン配管83と、を備えている。 また、蒸気ドレン配管81は、蒸気配管82とドレン配管83とに分岐しており、蒸気配管82は、蒸気ドレン配管81の上側に接続されている。 なお、分離部8は、特許請求の範囲に記載の「分離手段」に相当する。 また、蒸気ドレン配管81、蒸気配管82、及び、ドレン配管83は、それぞれ、特許請求の範囲に記載の「第1配管」、「第2配管」及び「第3配管」に相当する。

    蒸気配管82は、蒸気ドレン配管81の上側に接続されているため、蒸気ドレン配管81を挿通される蒸気ドレンのうち、蒸気のみがエゼクタ2に吸引されることになる。

    すなわち、蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管81が、蒸気が挿通される蒸気配管82と、ドレンが挿通されるドレン配管83とに分岐しており、蒸気配管82が、蒸気ドレン配管81の上側に接続されているため、簡素な構成で蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離することができる。

    また、分離部8によって蒸気ドレンが蒸気とドレンとに分離されることから、蒸気ドレン中の鉄分がドレンの方に残渣として残り、蒸気の方には鉄分が含まれない。 そして、この鉄分を含まない蒸気がエゼクタ2によって吸引されて、循環されている水と混合されるため、蒸気ドレンに含まれる鉄分が水と混合されることがない。 したがって、タンク6内の水、及び、エゼクタ2によって回収された蒸気の除鉄を行う必要がない。

    上記実施形態では、分離部8が、蒸気ドレン配管81、蒸気配管82及びドレン配管83からなる場合について説明したが、分離部8が、上記以外の方法で蒸気ドレンを蒸気とドレンとを分離するものでもよい。 例えば、分離部8が、蒸気ドレン配管81と、蒸気ドレン配管81の端部に接続されたタンクとを備え、前記タンクの上部に形成され、蒸気が収容される蒸気室から、蒸気配管を介して、鉄分を含まない蒸気がエゼクタ2に供給される形態でもよい。

    本発明は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置及び熱回収システムに利用することができる。

    100 熱回収装置 1 永久磁石 2 エゼクタ 3 ポンプ 4 ボールタップ(第1温度制御手段の一部)
    5 温度制御部(第1温度制御手段の一部)
    51 温度計 52 サーモスタット 53 電動バルブ 54 制御部 6 タンク 61 流出口(熱交換手段の一部)
    62 流入口(熱交換手段の一部)
    7 点検蓋 8 分離部 81 蒸気ドレン配管(第1配管)
    82 蒸気配管(第2配管)
    83 ドレン配管(第3配管)
    300 熱回収システム 63 第1配管 64 第2配管 65 第1バルブ 66 第2バルブ 200 リザーブタンク 67 流入口 68 流出口

    本発明は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収システムに関する。

    本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、蒸気ドレンの熱によって効率的に水を加熱し、得られる水の温度を制御することが可能な熱回収システムを提供することを目的としている。 なお、以下の説明において、「水」との用語は、「温水」及び「熱水」を含む広い意味で用いるものとする。

    上記課題を解決するために、本発明に係る熱回収システムは、以下のように構成されている。

    すなわち、本発明に係る熱回収システムは、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収システムであって、タンク内に貯留された水を、循環配管を介して循環させるポンプと、前記循環配管に介設されており、前記蒸気ドレンを吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気ドレンを回収するエゼクタと、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御を行う第1温度制御手段と、を備えた熱回収装置と、水の流入口が上側に、水の流出口が下側に配設され、水が貯溜されたリザーブタンクと、を含み、前記熱回収装置は、前記タンクの側面に、前記リザーブタンクに貯留された水との温度差によって対流による熱交換を行う熱交換手段が配設され、前記熱回収装置は、前記タンクの側面に、前記リザーブタンクに貯留された水との温度差によって対流による熱交換を行う熱交換手段を備え、前記熱交換手段は、前記タンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、該流出口より下側に配設され、前記リザーブタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備え、前記タンクの流出口は、前記リザーブタンクの流入口と水の流動が可能に接続する第1配管に接続され、 前記タンクの流入口は、前記タンクの流出口より下側に配設された前記リザーブタンクの流出口と水の流動が可能に接続する第2配管に接続されていることを特徴としている。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、 リザーブタンクに貯留された水との温度差を利用して、対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段が、前記タンクの側面に配設されているため、前記リザーブタンクに貯留された水を簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    加えて、前記流出口から前記タンク内に貯留された水が流出され、前記流出口より下側に配設された前記流入口から、前記リザーブタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入されるため、前記リザーブタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。 また、前記流出口が、前記リザーブタンクの流入口と水の流動が可能に接続する第1配管に接続され、前記流入口が、前記流出口より下側に配設された前記リザーブタンクの流出口と水の流動が可能に接続する第2配管に接続されているため、熱回収装置の流出口とリザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管を介して、熱回収装置のタンク内で加熱された水が、リザーブタンク内に流入すると共に、リザーブタンクの流出口と熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管を介して、リザーブタンクに貯留された水が熱回収装置のタンク内に流入するため、リザーブタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収システムは、前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設され、水の除鉄を行う永久磁石を更に備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、水の除鉄を行う永久磁石が、前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設されているため、循環されている水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンに含まれている鉄分が永久磁石に吸着されるため、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンの除鉄を効率的に行うことができる。

    また、本発明に係る熱回収システムは、前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離する分離手段を備え、前記エゼクタが、前記分離手段によって前記蒸気ドレンから分離された蒸気を吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気を回収することが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記分離手段によって蒸気ドレンが蒸気とドレンとに分離されることから、蒸気ドレン中の鉄分がドレンの方に残渣として残り、蒸気の方には鉄分が含まれない。 そして、この鉄分を含まない蒸気がエゼクタによって吸引されて、循環されている水と混合されるため、前記蒸気ドレンに含まれる鉄分が水と混合されることがない。 したがって、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気の除鉄を行う必要がない。

    また、本発明に係る熱回収システムは、前記分離手段は、前記蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管と、前記蒸気が挿通される蒸気配管と、前記ドレンが挿通されるドレン配管と、を備え、前記蒸気ドレン配管が、前記蒸気配管と前記ドレン配管とに分岐しており、前記蒸気配管が、前記蒸気ドレン配管の上側に接続されていることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管が、前記蒸気が挿通される蒸気配管と、前記ドレンが挿通されるドレン配管とに分岐しており、前記蒸気配管が、前記蒸気ドレン配管の上側に接続されているため、簡素な構成で前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離することができる。

    本発明に係る熱回収システムによれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    本発明に係る熱回収

    システムにおける熱回収装置の一例を示す正面図である。

    図1の熱回収装置の左側面図である。

    図1の熱回収装置の右側面図である。

    図1の熱回収装置の上面図である。

    図1の熱回収装置に配設される永久磁石、ボールタップ等の一例を示す透視平面図である。

    図5のA−A断面の断面図である。

    図5のB−B断面の断面図である。

    図1の熱回収装置に配設されるエゼクタの一例を示す断面図である。

    本発明に係る熱回収システムの一例を示す図である。

    本発明に係る分離部の一例を示す図である。

    −熱回収装置100の構造−
    図1は、本発明に係る熱回収システム300における熱回収装置100の一例を示す正面図である。 図2は、図1の熱回収装置100の左側面図である。 図3は、図1の熱回収装置100の右側面図である。 図4は、図1の熱回収装置100の上面図である。 本実施形態に係る熱回収装置100は、例えば、クリーニング工場等の蒸気を取り扱う各種施設に配設される。

    このようにして、流出口61からタンク6内に貯留された水が流出され、流出口61より下側に配設された流入口62から、図 9に示すリザーブタンク200内に貯留された水がタンク6内に流入されるため、 リザーブタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。 なお、対流による熱交換の詳細については、図9を用いて後述する。

    ここで、図10を参照して本発明に係る分離部8について説明する。 図10は、本発明に係る分離部8の一例を示す図である。 分離部8は、蒸気ドレンを蒸気とドレンとを分離するものであって、蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管81と、蒸気が挿通される蒸気配管82と、ドレンが挿通されるドレン配管83と、を備えている。 また、蒸気ドレン配管81は、蒸気配管82とドレン配管83とに分岐しており、蒸気配管82は、蒸気ドレン配管81の上側に接続されている。 なお、分離部8は、特許請求の範囲に記載の「分離手段」に相当する

    100 熱回収装置 1 永久磁石 2 エゼクタ 3 ポンプ 4 ボールタップ(第1温度制御手段の一部)
    5 温度制御部(第1温度制御手段の一部)
    51 温度計 52 サーモスタット 53 電動バルブ 54 制御部 6 タンク 61 流出口(熱交換手段の一部)
    62 流入口(熱交換手段の一部)
    7 点検蓋 8 分離部 81 蒸気ドレン配
    82 蒸気配
    83 ドレン配
    300 熱回収システム 63 第1配管 64 第2配管 65 第1バルブ 66 第2バルブ 200 リザーブタンク 67 流入口 68 流出口

    本発明は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置及び熱回収システムに関する。

    従来、エゼクタによって他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収する技術が知られている。 例えば、ボイラの給水タンクへの補給水路には、エゼクタが設けられており、エゼクタでは、ノズルからディフューザへ水が噴出され、スチームモータの軸封部からの漏れ蒸気が、漏れ蒸気路を介して補給水路へ吸い込まれる漏れ蒸気熱回収構造が開示されている(特許文献1参照)。

    この蒸気熱回収構造によれば、給水タンクへの補給水に漏れ蒸気を混入して、ボイラへの給水を予熱することができる。 なお、以下の説明において、「蒸気ドレン」とは、他の装置(例えば、クリーニング工場のズボンプレッサ、スチームアイロン等)で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなるものを意味する。

    特開2010−48450号公報

    しかしながら、上記特許文献1に記載の蒸気熱回収構造では、補給水路へ吸い込まれる漏れ蒸気に含まれる熱量を制御することが困難であるため、ボイラへ供給される水温を制御することは困難であった。 また、ボイラ以外の装置(例えば、洗濯機等)に供給する他の温度(例えば、40℃)に制御された水を生成することは困難であった。

    本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、蒸気ドレンの熱によって効率的に水を加熱し、得られる水の温度を制御することが可能な熱回収装置及び熱回収システムを提供することを目的としている。 なお、以下の説明において、「水」との用語は、「温水」及び「熱水」を含む広い意味で用いるものとする。

    上記課題を解決するために、本発明に係る熱回収装置は、以下のように構成されている。

    すなわち、本発明に係る熱回収装置は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置であって、タンク内に貯留された水を、循環配管を介して循環させるポンプと、前記循環配管に介設されており、前記蒸気ドレンを吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気ドレンを回収するエゼクタと、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御を行う第1温度制御手段と、を備え、前記エゼクタには、その吐出側に、該エゼクタから吐出される水を前記タンクの上方から該タンク内に流出させる循環配管が接続され、前記タンク内には、当該タンク内に貯留された水の水面より上部に、略水平な支持板と当該タンクの内壁の一部と仕切り板とによって、前記エゼクタの吐出側に接続された循環配管から流出する水の水流路が形成されるとともに、前記支持板の上面に、水の除鉄を行う棒状の永久磁石が、前記水流路と交差する姿勢で着脱自在に固定されたことを特徴としている。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、前記エゼクタによって、回収された前記蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク内の水が加熱される。 そして、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度(例えば、80℃)に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、外部から前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御が行われるため、排出される(例えば、ボイラに供給される)水の温度を前記第1温度を含む一定の温度範囲を維持することができる。

    さらに、水の除鉄を行う永久磁石が、前記エゼクタの吐出側の水流路内に配設されているため、循環されている水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンに含まれている鉄分が永久磁石に吸着されるため、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気ドレンの除鉄を効率的に行うことができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記第1温度制御手段は、前記タンク内の水位の昇降を検出する浮球を有するボールタップを備え、前記タンクには、前記水流路を経て前記支持板から当該タンク内の水面に水が流下するときに発生する波が前記浮球に到達するのを防ぐ波除板が設けられていることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、循環配管から支持板上に流下した水が支持板からタンク内に貯留された水の液面への流下するとき、又は、水道水がタンク内に貯留された水の液面への流下するとき、に発生する波が、ボールタップの浮玉に到達して、浮玉によって検出される液面位置の検出精度が低下することを防止できる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記タンクの上面に、前記永久磁石の点検、取り外し、及び、取り付けを可能にする点検蓋が開閉自在に配設されていることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、点検蓋を開放することによって、永久磁石に鉄粉等が付着している状況を、外部から視認可能になる。 また、点検蓋を開放することによって、手又は治具等を点検蓋から挿入して、永久磁石を取り外し、付着した鉄粉等を除去した後、永久磁石を取り付けることができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記タンクの側面に、他のタンクに貯留された水との温度差によって対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段を更に備え、該熱交換手段は、前記タンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より下側に配設され、前記他のタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、他のタンクに貯留された水との温度差を利用して、対流による熱交換が可能に構成された熱交換手段が、前記タンクの側面に配設されているため、前記他のタンクに貯留された水を簡素な構成で効率的に加熱することができる。 すなわち、前記流出口から前記タンク内に貯留された水が流出され、前記流出口より下側に配設された前記流入口から、前記他のタンク内に貯留された水が前記タンク内に流入されるため、前記他のタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離する分離手段を備え、前記エゼクタが、前記分離手段によって前記蒸気ドレンから分離された蒸気を吸引して、循環されている水と混合することによって前記蒸気を回収することが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、前記分離手段によって蒸気ドレンが蒸気とドレンとに分離されることから、蒸気ドレン中の鉄分がドレンの方に残渣として残り、蒸気の方には鉄分が含まれない。 そして、この鉄分を含まない蒸気がエゼクタによって吸引されて、循環されている水と混合されるため、前記蒸気ドレンに含まれる鉄分が水と混合されることがない。 したがって、前記タンク内の水、及び、前記エゼクタによって回収された前記蒸気の除鉄を行う必要がない。

    また、本発明に係る熱回収装置は、前記分離手段は、前記蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管と、前記蒸気が挿通される蒸気配管と、前記ドレンが挿通されるドレン配管と、を備え、前記蒸気ドレン配管が、前記蒸気配管と前記ドレン配管とに分岐しており、前記蒸気配管が、前記蒸気ドレン配管の上側に接続されていることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収装置によれば、前記蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管が、前記蒸気が挿通される蒸気配管と、前記ドレンが挿通されるドレン配管とに分岐しており、前記蒸気配管が、前記蒸気ドレン配管の上側に接続されているため、簡素な構成で前記蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離することができる。

    上記課題を解決するために、本発明に係る熱回収システムは、以下のように構成されている。

    すなわち、本発明に係る熱回収システムは、本発明に係る熱回収装置と、水が貯留されたリザーブタンクと、を含む熱回収システムであって、前記リザーブタンクは、その下側に配設され、前記リザーブタンク内に貯留された水が流出する少なくとも1つの流出口と、前記流出口より上側に配設され、前記熱回収装置のタンク内に貯留された水が前記リザーブタンク内に流入する少なくとも1つの流入口と、を備え、前記熱回収装置の流出口と前記リザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管と、前記リザーブタンクの流出口と前記熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管と、を備えることを特徴としている。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記熱回収装置の流出口と前記リザーブタンクの流入口とを水の流動が可能に接続する第1配管を介して、前記熱回収装置のタンク内で加熱された水が、前記リザーブタンク内に流入すると共に、前記リザーブタンクの流出口と前記熱回収装置の流入口とを水の流動が可能に接続する第2配管を介して、前記リザーブタンクに貯留された水が前記熱回収装置のタンク内に流入するため、前記リザーブタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    また、本発明に係る熱回収システムは、前記第1配管に介設され、前記第1配管の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブと、前記第2配管に介設され、前記第2配管の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブと、前記リザーブタンク内の水の温度が予め設定された第2温度に到達した場合に、前記第1バルブ及び前記第2バルブを遮断する第2温度制御手段と、を更に備えることが好ましい。

    かかる構成を備える熱回収システムによれば、前記リザーブタンク内の水の温度が予め設定された第2温度(例えば、40℃)に到達した場合に、前記第1配管に介設され、前記第1配管の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブ、及び、前記第2配管に介設され、前記第2配管の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブが遮断されるため、前記リザーブタンクに貯留された水の加熱が停止されるので、前記リザーブタンク内の水の温度を前記第2温度(例えば、40℃)を含む一定の温度範囲に維持することができる。

    本発明に係る熱回収装置及び熱回収システムによれば、ポンプによって、タンク内に貯留された水が、循環配管を介して循環される。 そして、前記循環配管に介設されたエゼクタによって、前記蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、前記エゼクタによって、回収された前記蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって前記蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク内の水が加熱される。 そして、前記タンク内の水が、予め設定された第1温度(例えば、80℃)に到達した場合に、前記タンク内の水の一部を排出した後、前記タンク内に水を補給することによって、前記タンク内の水の温度制御が行われるため、排出される(例えば、ボイラに供給される)水の温度を前記第1温度に制御することができる。

    本発明に係る熱回収装置の一例を示す正面図である。

    図1の熱回収装置の左側面図である。

    図1の熱回収装置の右側面図である。

    図1の熱回収装置の上面図である。

    図1の熱回収装置に配設される永久磁石、ボールタップ等の一例を示す透視平面図である。

    図5のA−A断面の断面図である。

    図5のB−B断面の断面図である。

    図1の熱回収装置に配設されるエゼクタの一例を示す断面図である。

    本発明に係る熱回収システムの一例を示す図である。

    本発明に係る分離部の一例を示す図である。

    以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

    −熱回収装置100の構造−
    図1は、本発明に係る熱回収装置100の一例を示す正面図である。 図2は、図1の熱回収装置100の左側面図である。 図3は、図1の熱回収装置100の右側面図である。 図4は、図1の熱回収装置100の上面図である。 本実施形態に係る熱回収装置100は、例えば、クリーニング工場等の蒸気を取り扱う各種施設に配設される。

    クリーニング工場においては、ボイラによって蒸気が発生され、発生された蒸気は、ズボンプレッサ、スチームアイロン等に供給される。 ここで、ズボンプレッサ、スチームアイロン等は、特許請求の範囲に記載の「他の装置」に相当する。 ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気(使用済み蒸気)、及び、使用された蒸気が凝縮したドレンは、回収配管P21を経由して熱回収装置100に供給される。 なお、以下の説明においては、ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気、及び、使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなるものを「蒸気ドレン」という。

    まず、図1〜図4を参照して、熱回収装置100の構造について説明する。 熱回収装置100は、永久磁石1、エゼクタ2、ポンプ3、ボールタップ4、温度制御部5、タンク6、及び、点検蓋7を備えている。

    タンク6は、水が貯留されるものであって、ここでは、水量が約250リットルの四角柱状の形状のタンクである。 また、タンク6の上部には、水位の昇降に応じて、水道水の供給及び停止を行うボールタップ4が配設され、タンク6の水の水位は、ボールタップ4によって制御される。 なお、ボールタップ4の構造については、図5〜図7を参照して後述する。

    タンク6内の水位が下限水位以下に下がると、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給される。 そして、タンク6内の水位が基準水位に到達すると、ボールタップ4によってバルブが「閉」状態とされて水道水の供給が停止される。 また、例えば、エゼクタ2によって多量のドレンが回収されて、タンク6の水の水位が上限水位を超えた場合には、配管P41、P42を介して、水が排出される。 なお、ボールタップ4は、特許請求の範囲の「第1温度制御手段」の一部に相当する。

    ポンプ3は、例えば、ステンレス(例えば、SUS304)製渦巻きポンプであって、タンク6内に貯留された水を、循環配管P31、P32、P33、P34を介して循環させるものである。 循環配管P32と循環配管P33との接続部には、バルブ31が介設されている。 また、循環配管P33には、圧力計32が配設されている。 更に、循環配管P33と循環配管P34との接続部には、エゼクタ2が介設されている。 また、循環配管P34の流出側には、永久磁石1が配設されている。

    バルブ31を開閉することによって、エゼクタ2に供給される(循環される)水の流量を増減することができる。 すなわち、バルブ31の開度が大きい程、エゼクタ2に供給される水の流量を増加することができる。 なお、後述するように、エゼクタ2では、水の流路が絞られるため、バルブ31の開度が大きい程、圧力計32によって計測されるエゼクタ2の流入側の水圧が増大する。

    永久磁石1は、循環配管P34の流出側に配設され、水の除鉄を行うものである。 永久磁石1は、複数の(例えば、5個の)磁区が直列に設けられた、円柱状の棒磁石である。 この場合には、磁区の境界(S極とN極とが対向して隣接する位置)の磁場が最も大きいため、ここでは4箇所の磁区の境界に水中の鉄分が吸着され、除鉄されることになる。 なお、本実施形態では、2本の円柱状の永久磁石1が、略平行に並べられて配設されている(図5参照)。

    点検蓋7は、タンク6の上面に開閉自在に配設され、永久磁石1の点検、取り外し、及び、取り付けを可能にするものである。 すなわち、点検蓋7を開放することによって、永久磁石1に鉄粉等が付着している状況を、外部から視認可能になる。 また、点検蓋7を開放することによって、手又は治具等を点検蓋7から挿入して、永久磁石1を取り外し、付着した鉄粉等を除去した後、永久磁石1を取り付けることができる。

    エゼクタ2は、循環配管P33、P34に介設されており、配管P21(図3参照)を介してズボンプレッサ、スチームアイロン等から供給される蒸気ドレンを吸引して、ポンプ3によって循環されている水と混合することによって蒸気ドレンを回収するものである。 配管P21には、連成計20が配設されている。 連成計20は、エゼクタ2によって発生される負圧を計測するものである。 ここで、エゼクタ2の構造について、図8を用いて後述する。

    配管P21とエゼクタ2との間には、真空破壊バルブ2A及び逆止弁2Bが介設されている。 真空破壊バルブ2Aは、エゼクタ2によって生成され連成計20によって検出される負圧が過大となった場合に、「開」状態として、配管(図示省略)を介して大気(エアー)を吸入することによって、負圧を低減するものである。 逆止弁2Bは、真空破壊バルブ2Aと配管(図示省略)との間に介設され、エゼクタ2から配管への水の流出を防止する弁である。

    −熱回収装置100における温度制御−
    温度制御部5は、タンク6内の水が、予め設定された第1温度T1(例えば、80℃)
    に到達した場合に、タンク6内の水の一部を排出した後、タンク6内に水道水を補給することによって、タンク6内の水の温度制御を行うものである。 ここで、温度制御部5は、特許請求の範囲の「第1温度制御手段」の一部に相当する。 温度制御部5は、温度計51、サーモスタット52、電動バルブ53、及び、図略の制御部54を備えている。

    電動バルブ53は、タンク6内の水を排出する場合に、制御部54からの指示に従って、「開」状態とされ、タンク6内の水の排出を停止する場合に、制御部54からの指示に従って、「閉」状態とされる電動式のバルブである。 電動バルブ53が、「開」状態とされた場合には、タンク6内の水は、配管P51、P52を経由して、配管P32に流出し、排出される。

    温度計51は、タンク6の水の温度を検出して、検出結果を外部から視認可能に表示するものである。 ここでは、便宜上、温度計51として、タンク6内の水の温度を表示するメータの配設位置に参照符合を付与している。

    サーモスタット52は、タンク6内の水が第1温度T1(例えば、80℃)に到達したか否かを判定するものであって、サーモスタット52によって第1温度T1に到達したと判定されたときに、制御部54は、電動バルブ53を「開」状態とする。 なお、電動バルブ53が「開」状態とされると、タンク6内の水は、配管P51、P52を経由して、配管P42に流出するため、タンク6内の水位が低下する。 そして、タンク6内の水位が下限水位以下に下がると、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給される。 水道水の供給が開始されると、タンク6内の水の温度が低下し始める。

    また、サーモスタット52は、タンク6内の水が第3温度T3(例えば、70℃)に到達したか否かを判定するものであって、サーモスタット52によって第3温度T3に到達したと判定されたときに、制御部54は、電動バルブ53を「閉」状態とする。 すなわち、電動バルブ53が「開」状態となって、タンク6内の水が配管P51、P52を経由して、配管P42に流出し、排出されるのは、タンク6内の水が第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下の範囲にある場合に限られることになる。

    なお、本実施形態においては、電動バルブ53が「開」状態となったときに、タンク6内の水が排出される場合について説明したが、電動バルブ53が「開」状態となったときに、タンク6内の水が他の装置(例えば、ボイラ等)に供給される形態でもよい。

    また、タンク6内で上述のようにして、第1温度T1(例えば、80℃)近傍の温度に制御された水は、配管P61を介して、ボイラへ供給される。 なお、配管P61と図略のボイラとの間にはポンプ(図示省略)が配設されており、タンク6内の水をボイラへ供給する場合には、当該ポンプが駆動される。

    更に、配管P32には、圧送口33が形成され、配管P33には、圧送口34が形成されている。 圧送口33及び圧送口34は、ポンプ3によるポンプ圧を利用して、他の装置(例えば、ボイラ、洗濯機等)へタンク6内の水を圧送する開口である。

    このようにして、ポンプ3によって、タンク6内に貯留された水が、循環配管P31、P32、P33、P34を介して循環される。 そして、循環配管P31、P32、P33、P34に介設されたエゼクタ2によって、蒸気ドレンが吸引されて、循環されている水と混合することによって蒸気ドレンが回収されるため、効率的に蒸気ドレンを回収することができる。

    また、エゼクタ2によって、回収された蒸気ドレンが循環されている水と混合されることによって蒸気ドレンに含まれている熱量が循環されている水に付与されて、タンク6内の水が加熱される。 そして、タンク6内の水が、予め設定された第1温度T1(例えば、80℃)に到達した場合に、タンク6内の水の一部を排出した後、タンク6内に水を補給することによって、タンク6内の水の温度制御が行われるため、排出される水の温度を概ね第1温度T1に制御することができる。

    本実施形態では、制御部54が、サーモスタット52によって第3温度T3に到達したと判定されたときに、電動バルブ53を「閉」状態とする場合について説明するが、制御部54が、ボールタップ4によってバルブが「開」状態とされて水道水が供給されたときに、電動バルブ53を「閉」状態とする形態でもよい。 この場合には、図略のボイラに供給される水の温度は、概ね第1温度T1(例えば、80℃)となり、ボイラに供給する水の温度を更に厳密に制御することができる。

    また、図3に示すように、熱回収装置100のタンク6の側面には、流出口61及び流入口62が形成されている。 流出口61は、タンク6内に貯留された水が流出する開口である。 流入口62は、流出口61より下側に配設され、他のタンク(例えば、図9に示すリザーブタンク200)内に貯留された水がタンク6内に流入する開口である。 ここで、流出口61及び流入口62は、特許請求の範囲に記載の「熱交換手段」に相当する。

    このようにして、流出口61からタンク6内に貯留された水が流出され、流出口61より下側に配設された流入口62から、他のタンク(例えば、図9に示すリザーブタンク200)内に貯留された水がタンク6内に流入されるため、前記他のタンクに貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。 なお、対流による熱交換の詳細については、図9を用いて後述する。

    −永久磁石1の配設状態−
    次に、図5〜図7を参照して、永久磁石1の配設状態及びボールタップ4の構造について説明する。 図5は、図1の熱回収装置100に配設される永久磁石1、ボールタップ4等の一例を示す透視平面図である。 図6は、図5のA−A断面を示す断面図である。 図7は、図5のB−B断面を示す断面図である。 まず、図5〜図7を参照して、永久磁石1の配設状態について説明する。

    永久磁石1は、図1に示すように、エゼクタ2の吐出側に接続された循環配管P34の吐出側の水流路内に配設され、水の除鉄を行うものである。 また、永久磁石1は、略U字型に形成された支持部材11によって両端近傍が支持されて固定されている。 なお、支持部材11は、図6に示すように、タンク6内の水の水面より上部に略水平に形成された支持板12の上面に溶接等で立設して固定されている。

    図1等に示すように、永久磁石1の上方には、点検蓋7が設けられているため、点検蓋7を開放することによって、永久磁石1に鉄粉等が付着している状況を、外部から視認可能になる。 また、永久磁石1が、略U字型に形成された支持部材11によって両端近傍が支持されて固定されているため、点検蓋7を開放し、手又は治具等を点検蓋7から挿入して、永久磁石1を持ち上げることによって、支持部材11から容易に取り外すことができる。 更に、永久磁石1に付着した鉄粉等を除去した後、永久磁石1を容易に支持部材11に取り付けることができる。

    また、支持板12及び仕切り板13は、循環配管P34から流出した水の流路を形成するべく形成されている。 すなわち、循環配管P34から流出した水は、図5の矢印V1で示すように、支持板12上を、図5において左側へ流れて、仕切り板13とタンク6との間隙から、図5において上側へ流出して、タンク6内に貯留された水の液面まで流下する。 このように、支持板12及び仕切り板13によって、循環配管P34から流出した水の流路が形成され、その水路上に永久磁石1が固定されているため、効率的に水の除鉄を行うことができる。

    −ボールタップ4の構造及び動作−
    次に、図5〜図7を参照して、ボールタップ4の構造及び動作について説明する。 ボールタップ4は、図7に示すように、浮玉41、支持棒42、弁棒43、開閉弁44、及び、筐体45を備えている。 浮玉41は、支持棒42の先端に固定され、タンク6の液面に浮いて、液面の昇降を検出するものである。 支持棒42は、一方側端部(図7では、左上側端部)が回動自在に筐体45に継合され、他方側端部(図7では、右下側端部)は浮玉41に固定されている。 なお、図5〜図7においては、便宜上、開閉弁44の図示を省略している。

    弁棒43は、開閉弁44を開閉するものであって、一方側端部(図7では、右上側端部)は、支持棒42の支点近傍に回動自在に継合され、他方側端部(図7では、左下側端部)は、筐体45の内部に配設された開閉弁44に回動自在に継合されている。 開閉弁44は、配管P43を介して供給される水道水の開閉を行う弁体であって、弁棒43によって下方に押下されると、「開」状態となり、弁棒43による押下が解除されると、「閉」状態となる。

    ボールタップ4がこのように構成されているため、タンク6の液面が下降して、予め設定された第1位置(例えば、タンク6の上端から170mmの位置)に到達すると、弁棒43によって開閉弁44が押下されて、開閉弁44が「開」状態となって、水道水が配管P43を介してタンク6内に供給される。 また、タンク6の液面が上昇して、予め設定された第2位置(例えば、タンク6の上端から130mmの位置)に到達すると、弁棒43による開閉弁44の押下が解除されて、開閉弁44が「閉」状態となり、水道水のタンク6内への供給が停止される。

    このようにして、タンク6の液面は、ボールタップ4によって、下限位置である第1位置と上限位置である第2位置との間に位置するように制御される。

    また、図5、図7に示すように、仕切り板13と、ボールタップ4を挟んで対向する側のタンク6壁面との間には、平面視において図5に示すように、ボールタップ4の支持棒42と直交する方向に波除板46が立設されている。 波除板46は、循環配管P34から支持板12上に流下した水が支持板12からタンク6内に貯留された水の液面への流下するとき、又は、配管P43から流入される水道水がタンク6内に貯留された水の液面への流下するとき、に発生する波が、ボールタップ4の浮玉41に到達して、浮玉41によって検出される液面位置の検出精度が低下することを防止するものである。 また、波除板46は、一方端(図5では上端)がタンク6壁面に溶接等で固定され、他方端(図5では下端)が仕切り板13に溶接等で固定されている。

    −エゼクタ2の構造及び動作−
    次いで、図8を用いて、エゼクタ2の構造を説明する。 図8は、図1の熱回収装置100に配設されるエゼクタ2の一例を示す断面図である。 エゼクタ2は、水流入口21、第1テーパ部22、第1ノズル23、混合室24、第2テーパ部25、第2ノズル26、滞留室27、水流出口28、及び、ドレン吸込口29を備えている。

    水流入口21は、タンク6内に貯留された水がポンプ3によって圧送され、循環配管P31、P32、P33を順次経由して流入する開口である。 すなわち、水流入口21は、
    図略の循環配管P33の一方側端部と螺合(又は、嵌合)されている。

    第1テーパ部22は、水流入口21から流入した水を、先窄まり形状のテーパに沿って第1ノズル23に導くものである。 第1ノズル23は、第1テーパ部22の先端に形成され、水流入口21から流入した水を高速で、混合室24へ吐出させるものである。 第1ノズル23から混合室24へ水が高速で吐出されることで、いわゆる「ベンチュリー効果」によって、混合室24内に負圧が発生する。 そして、混合室24内に発生した負圧によって、配管P21(図3参照)を介して供給される蒸気ドレンがドレン吸込口29から吸入され、吸入された蒸気ドレンが第1ノズル23から吐出された水と混合室24で混合される。 蒸気ドレンと水とが混合されたものを、以下の説明において、便宜上「混合液」という。

    第2テーパ部25は、混合室24内の混合液を先窄まり形状のテーパに沿って第2ノズル26に導くものである。 ここで、第2ノズル26の開口面積は、第1ノズル23の開口面積より大きく設定されている。 第2ノズル26は、第2テーパ部25の先端に形成され、混合室24内の混合液を滞留室27に吐出するものである。

    滞留室27は、第2ノズル26から吐出された混合液を一時的に滞留させるものであって、下流側に、水流出口28が形成されている。 水流出口28は、第2ノズル26から吐出された混合液を循環配管P34(図1等参照)を経由して、タンク6内に流入させる開口である。

    上述のような構成を有するエゼクタ2を、図1に示すように、循環配管P33、P34間に介設することによって、配管P21(図3参照)を介して供給される蒸気ドレンをドレン吸込口29から効率的に回収し、回収された蒸気ドレンを、循環されている水と混合させて、蒸気ドレンに含まれる熱量が回収することができる。

    −熱回収システム300の構成及び動作−
    次に、図9を参照して、熱回収装置100とリザーブタンク200と、を含む熱回収システム300について説明する。 図9は、本発明に係る熱回収システム300の一例を示す図である。 熱回収装置100のタンク6の側面には、タンク6内に貯留された水が流出する流出口61と、流出口61より下側に配設され、リザーブタンク200内に貯留された水がタンク6内に流入する流入口62と、が配設されている。 流出口61及び流入口62は、特許請求の範囲に記載の「熱交換手段」に相当する。

    リザーブタンク200は、熱回収装置100のタンク6と同様に、四角柱状の形状のタンクであって、貯留される水量は、約250リットルである。 また、リザーブタンク200は、流入口67及び流出口68を備えている。 流出口68は、リザーブタンク200の側面に形成され、リザーブタンク200内に貯留された水が流出する開口である。 また、流入口67は、リザーブタンク200の側面の流出口68より上側に配設され、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水がリザーブタンク200内に流入する開口である。

    また、熱回収システム300は、第1配管63、第2配管64、第1バルブ65、及び、第2バルブ66を備えている。 第1配管63は、熱回収装置100の流出口61とリザーブタンク200の流入口67とを水の流動が可能に接続する配管である。 また、第2配管64は、リザーブタンク200の流出口68と熱回収装置100の流入口62とを水の流動が可能に接続する配管である。

    第1バルブ65は、第1配管63に介設され、第1配管63における水の流動及び遮断を切り換えるバルブである。 第2バルブ66は、第2配管64に介設され、第2配管64
    における水の流動及び遮断を切り換えるバルブである。

    なお、上述のように、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水は、エゼクタ2によって回収された蒸気ドレンに含まれる熱量によって加熱され、第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下の範囲に制御される。 ここで、初期状態として、リザーブタンク200内の水の温度が、常温(例えば、25℃)であって、第1バルブ65及び第2バルブ66が閉状態から、開状態に変化された場合について以下に説明する。

    リザーブタンク200内に貯留された水は常温(例えば、25℃)であり、熱回収装置100におけるタンク6内の水の温度は、第3温度T3(例えば、70℃)以上、且つ、第1温度T1(例えば、80℃)以下であるため、リザーブタンク200内に貯留された水の密度は、熱回収装置100におけるタンク6内に貯留された水の密度より大きい。 よって、第2バルブ66が閉状態から開状態に変化すると、第2配管64を経由して、リザーブタンク200内に貯留された水が、熱回収装置100のタンク6内に流入する。

    そして、熱回収装置100のタンク6内の水が押し出されるため、第1配管63を経由して、リザーブタンク200内に流入する。 このようにして、図9の矢印V2で示すように、熱回収装置100のタンク6内では上向きの対流が発生し、リザーブタンク200内では下向きの対流が発生することになる。

    このように、温度の高い水がリザーブタンク200内に流入し、温度の低い水がリザーブタンク200から排出されるため、対流による熱交換が可能となり、リザーブタンク200内の水の温度が上昇することになる。

    このようにして、熱回収装置100の流出口61とリザーブタンク200の流入口67とを水の流動が可能に接続する第1配管63を介して、熱回収装置100のタンク6内で加熱された水が、リザーブタンク200内に流入すると共に、リザーブタンク200の流出口68と熱回収装置100の流入口62とを水の流動が可能に接続する第2配管64を介して、リザーブタンク200に貯留された水が熱回収装置100のタンク6内に流入するため、リザーブタンク200に貯留された水を対流による熱交換によって簡素な構成で効率的に加熱することができる。

    本実施形態では、熱回収装置100が、タンク6側面に流出口61及び流入口62を備える場合について説明するが、流出口61及び流入口62が連続して形成された開口である形態でもよい。 すなわち、見かけ上、流出口61及び流入口62が1つの開口として形成されている形態でもよい。 同様に、リザーブタンク200の流出口68及び流入口67が、見かけ上、1つの開口として形成されている形態でもよい。 ただし、この場合には、熱回収装置100のタンク6内に貯留された水と、リザーブタンク200に貯留された水との対流による熱交換を効率的に行うためには、上下方向に長い開口を形成する必要がある。 更に、熱回収装置100のタンク6側面に、流出口61及び流入口62がそれぞれ2個以上形成されている形態でもよい。 同様に、リザーブタンク200の側面に流出口68及び流入口67が、それぞれ2個以上形成されている形態でもよい。

    また、対流による熱交換を効率的に行うために、第1配管63及び第2配管64は、上下方向に離間した位置に配設されていることが好ましい。 第1配管63及び第2配管64が、上下方向に離間した位置に配設されている程、タンク内の水の密度差によって対流する水の流量が増大するからである。 更に、第1配管63及び第2配管64は、対流する水の流れを阻害しないように、充分に大きな径(例えば、直径50mm程度)を有することが好ましい。

    −リザーブタンク200内の水の温度制御−
    更に、熱回収システム300は、リザーブタンク200内の水の温度が予め設定された第2温度T2(例えば、40℃)に到達した場合に、第1バルブ65及び第2バルブ66を遮断する図略の第2温度制御部を備えている。

    具体的には、例えば、第1バルブ65及び第2バルブ66が電動バルブで構成され、リザーブタンク200内の水の温度を検出するセンサを備えており、上記第2温度制御部は、CPU(Central Processing Unit)等を備え、上記センサによって検出された温度が第2温度T2に到達したときに、第1バルブ65及び第2バルブ66を「閉」状態とする旨の指示を出力すればよい。

    このようにして、リザーブタンク200内の水の温度が予め設定された第2温度T2(例えば、40℃)に到達した場合に、第1配管63に介設され、第1配管63の水の流動及び遮断を切り換える第1バルブ65、及び、第2配管64に介設され、第2配管64の水の流動及び遮断を切り換える第2バルブ66が遮断されるため、リザーブタンク200に貯留された水の加熱が停止されるので、リザーブタンク200内の水の温度を第2温度T2(例えば、40℃)に制御することができる。

    なお、クリーニング工場において、上述のように、リザーブタンク200内で40℃の水が生成された場合には、この水を、例えば、洗濯機等に供給することができる。

    本実施形態では、熱回収システム300が、1つのリザーブタンク200を備える場合について説明したが、熱回収システム300が、複数のリザーブタンク200を備える形態でもよい。 この場合には、リザーブタンク200毎に、第2温度T2を設定することが好ましい。

    具体的には、例えば、3つのリザーブタンク200を1つの熱回収装置100に接続する場合には、第1のリザーブタンク200の第2温度T2を60℃に設定し、第2のリザーブタンク200の第2温度T2を50℃に設定し、第3のリザーブタンク200の第2温度T2を40℃に設定すればよい。 この場合には、60℃、50℃、40℃に制御された水を生成することができる。

    −他の実施形態−
    本実施形態では、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収する場合について説明したが、その他の種類の蒸気(例えば、余剰蒸気、漏れ蒸気等)又は蒸気が凝縮したドレンを回収する形態でもよい。

    −分離部8−
    本実施形態では、エゼクタ2に、ズボンプレッサ、スチームアイロン等で使用された蒸気(使用済み蒸気)、及び、使用された蒸気が凝縮したドレン、からなる蒸気ドレンが供給される場合について説明したが、エゼクタ2に、蒸気ドレンから分離部8によって分離された蒸気が供給される形態でもよい。

    ここで、図10を参照して本発明に係る分離部8について説明する。 図10は、本発明に係る分離部8の一例を示す図である。 分離部8は、蒸気ドレンを蒸気とドレンとを分離するものであって、蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管81と、蒸気が挿通される蒸気配管82と、ドレンが挿通されるドレン配管83と、を備えている。 また、蒸気ドレン配管81は、蒸気配管82とドレン配管83とに分岐しており、蒸気配管82は、蒸気ドレン配管81の上側に接続されている。 なお、分離部8は、特許請求の範囲に記載の「分離手段」に相当する。

    蒸気配管82は、蒸気ドレン配管81の上側に接続されているため、蒸気ドレン配管81を挿通される蒸気ドレンのうち、蒸気のみがエゼクタ2に吸引されることになる。

    すなわち、蒸気ドレンが挿通される蒸気ドレン配管81が、蒸気が挿通される蒸気配管82と、ドレンが挿通されるドレン配管83とに分岐しており、蒸気配管82が、蒸気ドレン配管81の上側に接続されているため、簡素な構成で蒸気ドレンを蒸気とドレンとに分離することができる。

    また、分離部8によって蒸気ドレンが蒸気とドレンとに分離されることから、蒸気ドレン中の鉄分がドレンの方に残渣として残り、蒸気の方には鉄分が含まれない。 そして、この鉄分を含まない蒸気がエゼクタ2によって吸引されて、循環されている水と混合されるため、蒸気ドレンに含まれる鉄分が水と混合されることがない。 したがって、タンク6内の水、及び、エゼクタ2によって回収された蒸気の除鉄を行う必要がない。

    上記実施形態では、分離部8が、蒸気ドレン配管81、蒸気配管82及びドレン配管83からなる場合について説明したが、分離部8が、上記以外の方法で蒸気ドレンを蒸気とドレンとを分離するものでもよい。 例えば、分離部8が、蒸気ドレン配管81と、蒸気ドレン配管81の端部に接続されたタンクとを備え、前記タンクの上部に形成され、蒸気が収容される蒸気室から、蒸気配管を介して、鉄分を含まない蒸気がエゼクタ2に供給される形態でもよい。

    本発明は、他の装置で使用された蒸気及び前記他の装置で使用された蒸気が凝縮したドレンの少なくとも一方からなる蒸気ドレンを回収することによって、前記蒸気ドレンに含まれる熱を回収する熱回収装置及び熱回収システムに利用することができる。

    100 熱回収装置 1 永久磁石 2 エゼクタ 3 ポンプ 4 ボールタップ(第1温度制御手段の一部)
    5 温度制御部(第1温度制御手段の一部)
    51 温度計 52 サーモスタット 53 電動バルブ 54 制御部 6 タンク 61 流出口(熱交換手段の一部)
    62 流入口(熱交換手段の一部)
    7 点検蓋 8 分離部 81 蒸気ドレン配管 82 蒸気配管 83 ドレン配管 300 熱回収システム 63 第1配管 64 第2配管 65 第1バルブ 66 第2バルブ 200 リザーブタンク 67 流入口 68 流出口

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