Method and system for incrementally moving teeth

申请号 JP2007054835 申请日 2007-03-05 公开(公告)号 JP4883699B2 公开(公告)日 2012-02-22
申请人 アライン テクノロジー, インコーポレイテッド; 发明人 レリオス アポストロス; ビーズ アンドリュー; ワース ケルシー; ガーフィンクル チェイス; フリーバーガー ブライアン; チシュティ ムハマド; リグリー リチャード;
摘要 A system for repositioning teeth comprises a plurality of individual appliances. The appliances are configured to be placed successively on the patient's teeth and to incrementally reposition the teeth from an initial tooth arrangement, through a plurality of intermediate tooth arrangements, and to a final tooth arrangement. The system of appliances is usually configured at the outset of treatment so that the patient may progress through treatment without the need to have the treating professional perform each successive step in the procedure.
权利要求
  • 複数の漸増的歯再配置器具の使用を含む患者の歯列矯正治療を計画する ためのデジタルデータ組を生成する方法であって、 前記方法は、コンピュータによって実行され、
    前記方法は、
    患者の歯の初期の配列を表す初期のデジタルデータ組を受信する ステップと、
    所望の配列または所定の配列での前記患者の歯を表す最終のデジタルデータ組を生成する ステップと、
    前記初期のデジタルデータ組および前記最終のデジタルデータ組に基づいて、複数の中間のデジタルデータ組を生成する ステップであって、前記複数の中間のデジタルデータ組は、前記患者の歯の中間の配列を表す、ステップ
    を前記コンピュータが実行することを含み、
    前記複数の中間の歯の配列のうちの少なくともいくつかは、前記患者の歯が前記初期の配列から前記最終の配列に向かって移動する際の複数の異なる歯列矯正治療段階を表す、方法。
  • 前記初期のデジタルデータ組は 前記患者の歯の インプレッションのスキャンから生成される、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の異なる歯列矯正治療段階のための前記複数の中間のデジタルデータ組は、対応する治療段階のシェル器具の製造を容易にするように構成されている、請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の器具は、前記複数の中間のデジタルデータ組のうちの少なくともいくつかに基づいて生成され、前記複数の中間のデジタルデータ組は、複数の器具を前記患者の歯に漸次的に適用する前に生成される、請求項1に記載の方法。
  • 前記コンピュータによって生成される前記複数の中間のデジタルデータ組のうちの複数のものを一連の漸次的歯再配置器具を製造するための製造動作に提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記提供することは、前記複数のデジタルデータ組をネットワークを介して遠隔位置に送信することを含み、前記遠隔位置は、製造機械を含む、請求項5に記載の方法。
  • 患者の歯を再配置するための複数の器具を生成する方法であって、
    患者の歯を再配置するための歯列矯正治療計画を受信することであって、前記治療計画は、 初期のデジタルデータ組および最終のデジタルデータ組に基づいて、複数の中間のデジタルデータ組を含み、 前記複数の中間のデジタルデータ組は、前記患者の歯の複数の中間の配列を表し、前記複数の中間の歯の配列のうちの少なくともいくつかは、前記患者の歯が初期の配列から最終の配列に向かって移動する際の複数の異なる歯列矯正治療段階を表し、前記最終の配列は、所望の配列または所定の配列での前記患者の歯を表す、ことと、
    前記複数の中間の配列のうちの少なくとも2つのそれぞれに対する患者の取り外し可能な器具を生成することであって、各患者の取り外し可能な器具は、凹部を有し、前記少なくとも2つの中間の配列に対する器具の凹部は、歯を受け取り1つの配列から次の配列に歯を弾力的に再配置するように異なる形状を有する、ことと を含む方法。
  • 前記少なくとも2つの中間の配列のそれぞれに対する前記患者の取り外し可能な器具は、前記複数の器具を前記患者の歯に漸次的に適用する前に生成される、請求項7に記載の方法。
  • 前記歯列矯正治療計画は、遠隔位置から送信される、請求項7に記載の方法。
  • 说明书全文

    本願は、1997年6月20日に出願された仮出願第60/050,342号において、その請求の範囲を優先権主張する、1997年10月8日に出願された米国特許出願第08/947,080号の一部継続出願であって、その全開示を参照として本願に援用する。

    (発明の背景)
    1. 発明の分野
    本発明は、一般的に、歯列矯正学の分野に関する。 より詳細には、本発明は、最初の歯列から最終的な歯列へと漸増的に歯を移動させるシステムおよび方法に関する。

    審美的またはその他の理由による歯列の変更は、従来、一般に「ブレス」と呼ばれるものを装着することにより行われてきた。 ブレスは、ブラケット、アーチワイヤ、リガチャー、Oリングなど、様々な器具を含む。 器具を患者の歯に装着するのは、臨床(treating)歯列矯正医の診察を多く要する、冗漫で時間のかかる作業である。 その結果、従来の歯列矯正治療は、歯列矯正医の患者診察能を限定し、歯列矯正治療を極めて高価にしている。

    患者の歯にブレスを固定する前に、典型的には、歯列矯正医、歯科医、および/または、患者の歯と顎との構造のX線写真を撮影し得るように、放射線科に、少なくとも一度は予約を入れる。 また、この予備診察の間、または、おそらくその後の診察において、患者の歯のアルギナート(alginate)型が、典型的に取られる。 この型は、治療方法を処方するために、歯列矯正医がX線および写真とともに用いる患者の歯の模型を提供する。 次に、歯列矯正医は、典型的には、一度以上の予約を設定し、その間に患者の歯にブレスが装着される。

    ブレスが最初に装着される際の診察において、まず、歯の表面が弱い酸で処理される。 この酸は、歯に接着されるブラケットおよびバンドに対する、歯の表面の接着特性を最適化する。 ブラケットおよびバンドは、後に装着される他の器具のアンカー(anchor)として機能する。 酸の工程の後、適切な接着材料を用いて、ブラケットおよびバンドが患者の歯に接着される。 セメントが固定するまで、力の掛かる器具は装着されない。 このため、ブラケットおよびバンドが歯に良好に接着しているかを確認するための後の予約を、歯列矯正医が設定するのが一般的である。

    従来のブレスセットにおける第1の力の掛かる器具は、アーチワイヤである。 アーチワイヤは弾力性を有し、ブラケットのスロットを介してブラケットに取り付けられる。 アーチワイヤはブラケットを連結し、力を及ぼして、時間をかけて歯を動かす。 ブラケットへのアーチワイヤの装着を補強するために、捻りワイヤ(twisted wires)または弾力性のOリングが一般的に用いられる。 ブラケットへのアーチワイヤの装着は、歯列矯正学の分野では、「リゲーション(ligation)」として知られており、この処置に用いられるワイヤは、「リガチャー」と呼ばれる。 弾力性のOリングは「プラスチック」と呼ばれる。

    アーチワイヤを配置した後、歯列矯正医の定期的な診察が必要となり、この間、異なる力付与特性を有する異なるアーチワイヤを装着することによるか、または、現行のリガチャーを交換するか締め付けることにより、患者のブレスを調節する。 典型的には、これらの診察は、3週間から6週間ごとに設定される。

    上記に説明したように、従来のブレスを使用することは、冗漫で時間を要するプロセスであり、歯列矯正医院への度重なる来診を要する。 さらに、患者の観点からすれば、ブレスの使用は見栄えが悪く不快であり、感染の危険をもたらし、歯磨きまたは歯間掃除、およびその他の歯科衛生手順を困難にする。

    これらの理由により、歯の位置矯正のための、代替法およびシステムを提供することが望ましい。 そのような方法およびシステムは、経済的であるべきであり、特に、各個別の患者を設定し管理することにおいて、歯列矯正医が要する時間を低減するべきである。 また、この方法およびシステムは、患者にとって、より受容できるものであるべきであり、特に、目立たちにくく、より快適で、感染しにくく、毎日の歯科衛生により適合するべきである。 少なくとも、これらの目的のいくつかが、以下に述べる本発明の方法およびシステムにより達成される。
    2. 背景技術の説明
    歯列矯正治療を完成させるための歯の位置決め具は、Am. J. Orthod. Oral. Surg. 31:297−304ページ(1945)および32:285−293ページ(1946)においてKeslingにより記載されている。 患者の歯の包括的な歯列矯正的再配列のためのシリコン位置決め具は、WarunekらがJ. Clin. Orthod. 23:694−700ページ(1989)に記載している。 歯の位置を完成させ維持するための透明プラスチック維持装置は、70125ルイジアナ州ニューオリンズのRaintree Essix,Inc. および55902ミネソタ州ロチェスターのTru−Tain Plasticsから市販されている。 歯列矯正位置決め具の製作は、米国特許第5,186,623号、第5,059,118号、第5,055,039号、第5,035,613号、第4,856,991号、第4,798,534号、第4,755,139号に記載されている。

    KleemannおよびJanssen(1996)のJ. Clin. Orthodon. 30:673−680ページ、Cureton(1996)の J. Clin. Orthodon. 30:390−395ページ、Chiappone(1980) のJ. Clin. Orthodon. 14:121−133ページ、Shilliday(1971)のAm. J. Orthodontics. 59:596−599ページ、Wells(1970)のAm. J. Orthodontics. 58:351−366ページ、およびCottingham(1969) のAm,J. Orthodontics. 55:23−31ページ、を含む他の刊行物が、歯科位置決め具の製作および使用を記載している。

    Kurodaら(1996)のAm. J. Orthodontics. 110:365−369ページは、焼石膏型をレーザースキャンして、型のデジタル画像を生成する方法を記載している。 また、米国特許第5,605,459号も参照されたい。

    米国特許第5,533,895号、第5,474,448号、第5,454,717号、第5,447,432号、第5,431,562号、第5,395,238号、第5,368,478号、および第5,139,419号は、Ormco Corporationに認可され、歯のデジタル画像を操作して歯列矯正器具を設計する方法を記載している。

    米国特許第5,011,405号は、歯をデジタル的に撮像して、歯列矯正治療のための最適なブラケット位置を決定する方法を記載している。 米国特許第5,338,198号には、三次元模型を作製するため型取りをした歯のレーザースキャニングが記載されている。 米国特許第5,452,219号は、歯の模型をレーザースキャニングし、歯形を削合する方法を記載している。 米国特許第5,607,305号および第5,587,912号には、歯の輪郭のデジタルコンピュータ操作が記載されている。 米国特許第5,342,202号および第5,340,309号には、顎のコンピュータ化されたデジタル撮像が記載されている。 他の関連特許は、米国特許第5,549,476号、第5,382,164号、第5,273,429号、第4,936,862号、第3,860,803号、第3,660,900号、第5,645,421号、第5,055,039号、第4,798,534号、第4,856,991号、第5,035,613号、第5,059,118号、第5,186,623号、および第4,755,139号を含む。

    (発明の要旨)
    本発明は、最初の歯列から最終的な歯列に歯を再配置するための改良された方法およびシステムを提供する。 再配置は、凹部において歯を受け止め、少なくとも3つの逐次的工程の連続において、通常は少なくとも4つの逐次的工程を含み、しばしば少なくとも10の工程を含み、ときに少なくとも25の工程を含み、希に40以上の工程を含んで、それぞれの歯を漸増的に再配置するように構成された凹部を有する一連の器具を含むシステムによって達成される。 最も頻繁には、本方法およびシステムは、10から25の逐次的工程において歯を再配置するが、患者の歯の多くに関わる複雑な場合には、40以上の工程を取り得る。 多くのそのような器具の逐次的使用は、各器具が個々の歯を、典型的には2mm未満、好適には1mm未満、より好適には0.5mm未満の、小さな漸増において動かす構成であることを可能にする。 これらの限定は、単一の器具を用いた際の、歯の任意点の最大限線形移動を基準としている。 もちろん、逐次的器具により提供される動きは通常、任意の特定の歯に対して同一ではない。 従って、歯の一点は一つの器具の使用の結果として、特定の距離に動かされ得、その後、その後の器具により、異なる距離および/または異なる方向に動かされ得る。

    個々の器具は、典型的には後述の型取りにより、歯を受け止める凹部を形成されて有する重合体のシェルを、好適には含む。 各個別の器具は、歯受容凹部が、中間的配列、またはその器具に対しての目標配列に対応する形状を有するように構成される。 即ち、器具が患者によって初めて装着されるとき、歯の或るものは、器具の歪みのない凹部の形状に対して不適合である。 しかしながら、器具は十分に弾力的であるので、不適合な歯を収容し、または順応させ、そのような不適合な歯に対し充分に弾力的な力を付与し、その治療工程に望ましい中間的配列または目標配列にそれらの歯を再配置する。

    本発明によるシステムは、少なくとも、患者の歯を最初の歯列から、個々の歯が漸増的に再配置される第1の中間的配列まで再配置するように選択された形状を有する第1の器具を含む。 本システムは、歯を第1の中間的配列から一つ以上の逐次的中間的配列に、漸次的に再配置するために選択的な形状を有する、少なくとも一つの中間的器具をさらに含む。 本システムは、歯を最後の中間的配列から所望の最終的歯列配列に、漸進的に再配置するために選択的な形状を有する最終的器具をさらに含む。 ある場合においては、後に詳述するように、最終的歯列位置を「超過矯正」するように最終的器具または、複数の器具を形成することが望ましい。

    後に、本発明の方法に関連してより詳細に記載するように、本システムは治療の開始時に計画されて製作される、完全に個別の器具であり得え、従って、器具は単一のパッケージまたはシステムとして患者に提供される。 器具が使用される順序は(例えば連続番号により)明瞭に標識されるので、患者は、歯列矯正医や他の治療専門家により処方された頻度において、器具を各人の歯に装着できる。 ブレスと異なり、患者は、治療の調節が行われるたびに治療専門家を訪れる必要がない。 通常、患者は治療が当初の計画に従い進んでいるかを確認するために定期的に治療専門家を訪れることを望むが、調節が行われるたびに治療専門家を訪れる必要性を排除することによって、より多くの回数で、少量ずつの逐次的工程において治療を行うことが可能になり、それでもなお、個々の患者に治療専門家が掛ける時間を低減できる。 さらに、より快適で、目立ちにくく、患者が取り外せる重合体のシェル装着を使用できることで、患者の追従(compliance)、快適さ、満足を大幅に改善する。

    本発明の方法によると、患者の口腔内に一連の漸増的位置調節器具を配置することにより、患者の歯は、最初の歯列から最終的な歯列に再配置される。 都合のよいことに、器具は接着されないので、処置途中の任意の時点で、患者は器具を装着したり取り替えたりし得る。 一連の最初の器具は、歯を最初の歯列から第1の中間的歯列に再配置するように選択された形状を有する。 最初の中間的配列に近づくか、これを達成した後、一つ以上の追加の(中間的)器具を逐次的に歯に装着する。 そのような追加の器具は、歯を最初の中間的配列から後続する中間的配列に漸次的に再配置するように選択された形状を有する。 治療は、最終的器具を患者の口腔内に配置することにより終了する。 最終的器具は、歯を最後の中間的配列から最終的歯列に漸次的に再配置するように選択された形状を有する。 最終的器具または、一連の複数の器具は、歯列位置を超過矯正するような形状または選択された形状を有する。 即ち、(完全に達成された場合)「最終」として選択された歯列を超えて個々の歯を動かす形状を有する。 そのような超過矯正は、再配置方法が終了したあとで起こり得る退行を相殺するために望ましくあり得る。 即ち、個々の歯の矯正前の位置に向かって戻る動きをいくらか許容してやる。 超過矯正は、また、超過矯正は矯正の速度を速めるのに有益である。 即ち、所望の中間的または最終的位置を超えて配置された形状を備えた器具を有することにより、個々の歯は、その位置により速い速度で変移する。 そのような場合、歯が最終的器具によって規定された位置に到達する前に、治療を終了し得る。 本方法は、通常、少なくとも2つの追加器具を装着することを含み、しばしば少なくとも10の追加器具を装着することを含み、ときに少なくとも25の追加器具を装着することを含み、まれに少なくとも40以上の追加器具を装着することを含む。 逐次的器具は、歯が、その治療段階に対する目標配列に達するか、または(予め設定された許容範囲内に)近づくかしたとき取り替えられる。 典型的には、2日から20日の範囲の間隔で取り替えられ、通常、5日から10日の範囲の間隔で取り替えられる。

    しばしば、その治療段階の「目標」歯列が実際に達成される前の一時点で、器具を取り替えることが所望であり得る。 歯が徐々に再配置され、特定の器具により規定された形状に近づくにつれ、個々の歯に掛かる再配置の力は、大きく減じられることが理解される。 従って、先行する器具により歯が部分的にのみ再配置されたときに、先行器具を後続器具に取り替えることにより、全体の治療期間を低減することが可能であり得る。 従って、FDDSは、実際には、最終的歯列の超過矯正を表している。 これは、治療を速めるとともに患者の退行を相殺し得る。

    一般的に、次の器具への移行は、数々の要因に基づき得る。 最も端的には、所定の日程、または、予期される、または典型的な患者の反応に基づいて、最初に決定された固定の時間間隔(即ち、各器具に対する日数)において器具が取り替えられ得る。 あるいは、実際の患者の反応が考慮され、例えば、患者が現在の器具から歯に対する圧力をもはや知覚しなくなったとき、即ち、装着している器具が容易に患者の歯に適合し、患者がその歯に圧力または不快感をほとんど、または全く経験しなくなったとき、患者は次の器具へ進み得る。 ある場合においては、患者の歯が非常に速く反応するので、治療専門家が一つ以上の器具を省略を決定することが可能であり得る。 即ち、最初に決定された数未満に、用いられる器具の総数を低減する。 これにより特定の患者に対する全体の治療時間を低減し得る。

    別の局面では、本発明の方法は、歯を受け止めて弾力的に再配置し、最終的歯列を形成するような形状を備えた凹部を有する重合体のシェルを含む器具を用いて歯を再配置することを含む。 本発明は、歯を最初の歯列から最終的歯列に再配置するために患者により逐次的に装着される少なくとも3つの器具に対する形状を、治療の最初に決定することを含む方法に対し改良を提供する。 好適には、少なくとも4つの形状を最初に決定し、しばしば少なくとも10の形状、頻繁には少なくとも25の形状、ときに40以上の形状を決定する。 通常、各逐次的形状において凹部により決定される歯の位置は、上記に定義したように、先行する形状により決定される歯の位置から2mm未満で異なり、好適には、1mm未満、しばしば0.5mm未満で異なる。

    本発明のさらに別の局面では、最終的歯列を表すデジタルデータ組の作製するための方法が提供される。 本方法は、最初の歯列を表す最初のデータ組を提供し、最初のデータ組に基づいた視覚的画像を提示することを含む。 次に、視覚的画像が操作され、視覚的画像中の個々の歯を再配置する。 その後、視覚的画像において観察されたように再配置された歯を備える最終的歯列を表す最終的デジタルデータ組が作製される。 好都合なことに、最初のデジタルデータ組は、デジタル化X線画像、コンピュータ支援断層撮影(CATスキャン)により生成された画像、磁気共鳴映像法(MRI)により生成された画像などを含む従来技術により供給し得る。 好適には、画像は三次元画像であり、デジタル化は従来技術を用いて達成され得る。 通常、最初のデジタルデータ組は、(治療前に)従来技術により患者の歯の石膏型を作製することにより提供される。 次に、そのように作製された石膏型を、レーザーまたは他の走査機器を用いて走査し、患者の歯の石膏型の高解像度デジタル表現を作成する。 石膏型の使用が好適であるのは、X線に患者を曝したり、MRIスキャンの不便を被らせないからである。

    好適な実施形態では、標準的な方法を用いて、患者から蝋の咬型も入手される。 蝋の咬型は、中央の歯列位置において、患者の上下の歯列の石膏型が互いに相対的に位置することを可能にする。 次に、石膏型対を走査し、この位置における顎の相対位置での情報を供給する。 その後、この情報を両歯列弓に対するIDDSに組み込む。

    一旦デジタルデータ組が入手されれば、後により詳細に説明するように、コンピュータ支援デザインソフトウェアを備えた最適なコンピュータシステム上に画像を提示し操作し得る。 画像操作は、通常、少なくともいくつかの個々の歯に関する境界を規定することを含み、これにより、コンピュータを介して画像を操作することにより、顎や他の歯に対してその歯の画像を移動させる。 また、歯の咬頭情報を検出するための方法が提供される。 画像操作は、完全に主観的に行われ得る。 即ち、ユーザは、画像のみの観察に基づき、審美的および/または治療的に望ましい様態で、単に歯を再配置し得る。 あるいは、コンピュータシステムは、歯の再配置においてユーザを支援する命令およびアルゴリズムを提供し得る。 ある場合において、完全に自動的様態にて、即ち、ユーザの介入を伴わずに、歯の再配置を行う命令およびアルゴリズムを提供することが可能である。 一旦、個々の歯が再配置されたら、所望の最終的歯列を表す最終的デジタルデータ組が作成され格納される。

    最終歯列を決定するための好適な方法は、治療専門家が、例えば処方箋を書くことにより、最終的歯列を定義する。 歯列矯正処置の所望の結果を定義するための処方箋の使用は、当業者には周知である。 処方箋またはその他の最終的指示が提供されると、次に、処方箋に一致するように画像を操作し得る。 ある場合において、処方箋を解釈し、最終的歯列を表す最終的画像、さらにはデジタルデータ組を生成できるソフトウェアを提供することが可能である。

    さらに別の局面では、本発明による方法は、最初の歯列から最終的歯列へ漸進する一連の分散的歯列を表す複数のデジタルデータ組を作成することを提供する。 そのような方法は、最初の歯列を表すデジタルデータ組の提供を含む(これは、上述の任意の技術により達成し得る)。 最終的歯列を表すデジタルデータ組も提供される。 そのような最終デジタルデータ組は、先述した方法により決定され得る。 次に、複数の逐次的デジタルデータ組が、最初のデジタルデータ組および最終的デジタルデータ組に基づき作成される。 通常、逐次的デジタルデータ組は、選択された個別の歯の最初のデータ組と最終的データ組との間の位置的差を規定し、その差を補間することにより作成される。 そのような補間は、通常少なくとも3つ、しばしば少なくとも4つ、より頻繁には少なくとも10、ときに少なくとも25、希に40以上の、望まれる限り多くの分散段階を介して実施され得る。 多くの場合、補間は、位置的差のいくつか、またはすべてに対する線形補間である。 あるいは、補間は非線形であり得る。 好適な実施形態では、非線形補間は、個々の歯の干渉を避けるために経路計画および衝突検出技術を用いたコンピュータにより自動的に計算される。 位置的差は、歯の任意の点における最大線形移動が2mm以下、通常1mm以下、しばしば0.5mm以下である、歯の移動に対応する。

    しばしば、ユーザは、所定の目標中間的歯列を特定するが、これを「キーフレーム(key frame)と呼び、中間的デジタルデータ組に直接組み込まれる。次に、本発明の方法は、上述の様態、例えば、キーフレーム間の線形または非線形補間により、キーフレーム間の逐次的デジタルデータ組を決定する。キーフレームは、例えば、デジタルデータ組を作成するのに用いるコンピュータにおいて視覚的画像を個別に操作するなど、ユーザによって決定され得る。あるいは、最終的歯列に対する処方箋と同様の様態において、処方箋として、治療専門家により提供され得る。

    さらに別の局面において、本発明による方法は、複数の歯科漸増的位置調節器具を製作することを提供する。 本方法は、直前に概述したように、最初のデジタルデータ組、最終的デジタルデータ組を提供し、目標逐次的歯列を表す複数の逐次的デジタルデータ組を作成することを含む。 次に、逐次的歯列を表す少なくともいくつかのデジタルデータ組に基づき歯科器具が作製される。 好適には、製作工程は、逐次的デジタルデータ組に基づき製作機械を制御して、所望の歯列の逐次的雄型を作製することを含む。 次に、従来の雄型与圧(positive pressure)または真空製作技術を用いて、この雄型の雌型として歯科器具を作製する。 製作機械は、デジタルデータ組に基づいた形状に樹脂を選択的に硬化するために、ステレオリソグラフィー(stereolithography)または、レーザーを走査することにより未硬化の重合体樹脂の塊を選択的に硬化することに依存する他の同様の機械を含み得る。 本発明の方法に利用される他の製作機械は、工作機械(tooling machine)および蝋堆積機械を含む。

    さらに別の局面において、歯科器具を製作するための本発明の方法は、患者のための矯正された歯列を表すデジタルデータ組を提供することを含む。 次に、デジタルデータ組に基づいて矯正された歯列の雄型を作製するために製作機械が使用される。 次に、この雄型の雌型として歯科器具が作製される。 製作機械は、上述したステレオリソグラフィーまたは他の機械であり得、雄型は、従来の雄型与圧または真空型抜き技術により作製される。

    さらに別の局面において、本発明により歯科器具を製造するための方法は、患者のための矯正された歯列を表す第1のデジタルデータ組を提供することを含む。 次に第1のデジタルデータ組から第2のデジタルデータ組を作成する。 第2のデジタルデータ組は、矯正された歯列の雌型を表す。 次に、第2のデジタルデータ組に基づき製作機械を制御して、歯科器具を作製する。 製作機械は、通常、未硬化の樹脂を選択的に硬化して器具を作製することに依存する。 器具は、典型的には、歯を受け入れて、最初の歯列から矯正された歯列に弾力的に再配置するような凹型形状を有する重合体のシェルを含む。

    (図面の簡単な説明)
    図1Aは、患者の顎を示し、本発明の方法および器具によっていかに歯を動かすことができるかを概説する。

    図1Bは、図1Aからの1本の歯を示し、歯の移動距離がいかに決定されるかを明示する。

    図1Cは、図1Aの顎を、本発明の方法により構成された漸増的位置調節器具とともに示す。

    図2は、漸増的位置調節器具のシステムを作成するための、本発明の工程を示すブロック図である。

    図3は、最初の歯列を表す最初のデータ組を操作して、所望の最終的な歯列に対応する最終的なデジタルデータ組を作成するための工程を示すブロック図である。

    図4Aは、本発明の方法のためのイレーザーツールを示すフローチャートである。

    図4Bは、図4Aのプログラムによって消去された空間量を示す。

    図5は、図3のデータ操作において、高解像度および低解像度要素の一致のためのプログラムを示すフローチャートである。

    図6Aは、咬頭検出アルゴリズムの「検出」段階を実行するためのプログラムを示すフローチャートである。

    図6Bは、咬頭検出アルゴリズムの「拒絶(rejection)」段階を実行するためのプログラムを示すフローチャートである。

    図7は、本発明の調節器具を製作するために使用される複数の中間的デジタルデータ組を作成するための方法を示す。

    図8Aは、経路計画アルゴリズムにより実行される工程を示すフローチャートである。

    図8Bは、本発明の1実施形態により「見栄え(visibility)」関数を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図8Cは、本発明の1実施形態により「子供(children)」関数を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図8Dは、図8Aの経路計画工程128を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図9Aは、衝突検出の間において、帰納的衝突試験を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図9Bは、本発明の一実施形態による衝突検出の間において実行されるノード分割を示すフローチャートである。

    図9Cは、衝突検出プロセスに追加の移動情報を供給するための工程を示すフローチャートである。

    図10は、本発明の方法により、中間的および最終的器具の設計を表すデジタルデータ組を利用して、複数の器具を作成するための別のプロセスを示す。

    図11は、本発明の実施形態を援用したデータ処理システムの簡略化されたブロック図を示す。

    (詳細な実施形態の説明)
    本発明によると、複数の別個の器具を用いて漸増的に歯を動かすシステムおよび方法が提供される。 各器具は、比較的小さな量ずつ、一つ以上の患者の歯を漸次的に動かす。 歯の移動は、歯列矯正治療に標準的に関連するものであって、鉛直の中央線に対する3軸方向すべてにおける移動、2つの歯列矯正方向(根の度および捻り)への歯の中央線の回転、および中央線(CL)に対する回転を含む。

    図1Aを参照して、例示的顎100は16本の歯102を含む。 本発明は、最初の歯列から最終的な歯列へと、これらの歯の少なくともいくつかを移動することを意図している。 歯がどのように動かされ得るかを理解するために、歯102の一本を通して任意の中央線(CL)を描く。 この中央線を基準にして、軸104、106、および108により表される直交方向(104は中央線である)に歯を動かし得る。 中央線は、矢印110および112によって、それぞれ示される軸108(根の角度)および軸104(捻り)に対して回転し得る。 さらに、矢印114により表される中央線に対して歯を回転し得る。 従って、歯のすべての可能な自由形の移動を実行し得る。 次に、図1Bを参照して、本発明の方法および装置によって達成される任意の歯の移動の大きさを、歯102における任意の点Pの最大線形移動により定義する。 各点P は、その歯が図1Aにおいて定義された任意の直交または回転方向に移動されるとき、漸増的な変移を被る。 即ち、点は通常、非線形の経路を辿るが、治療の間における任意の2時点にて決定されるとき、歯の任意の点の間には線形の距離が存在する。 従って、任意の点P は、実際は、矢印d により示すような真の線形変移を被り得るが、第2の任意の点P は、弧状の経路に沿って移動し得、その結果、最終的な変移d を被る。 本発明の多くの局面は、任意の特定の歯における方法により誘発された点P の最大限許容できる移動という点において定義される。 そのような最大限の歯の移動は、次に、任意の治療工程において、その歯に対して最大限の移動を被る歯上の点P の最大限の線形移動として定義される。

    次に、図1Cを参照して、本発明によるシステムは、複数の漸増的位置調節器具を含む。 これらの器具は、上記に概述したように、顎における個々の歯の漸増的な再配置を実行することを意図している。 最も広義において、本発明の方法は、任意公知の位置決め具、固定装置、または従来の歯列矯正治療に関連して、歯の位置の完成と維持に対して公知の抜歯器具を使用し得る。 本発明のシステムは、従来の装置およびシステムとは対照的に、患者により漸増的に装着されることを意図した複数のそのような器具を提供し、本明細書に記載するように漸進的な歯の再配置を達成する。 好適な器具100は、歯を受け入れて、ある歯列から後続の歯列に歯を弾力的に再配置するための凹部を有する重合体のシェルを含む。 重合体のシェルは必須ではないが、上下の顎に存在するすべての歯の上に好適に適合する。 しばしば、所定の一部の歯のみが再配置され、他の歯は、再配置される複数の歯または一本の歯に対して再配置器具が弾力的力を付与する際に、再配置器具を適正位置に保持するための土台または固定領域を提供する。 しかしながら、複雑な場合では、治療の間のいくつかの時点において、多くのまたは殆どの歯が再配置される。 そのような場合、動かされる歯が、再配置器具を保持するための土台または固定領域としての役割も果たし得る。 さらに、歯肉および/または口蓋が固定領域の役割を果たし得、これにより、すべての、または殆どすべての歯を同時に再配置することができる。

    図1Cの重合体器具100は、好適には、55902ミネソタ州ロチェスターのTru−Tain PlasticsのTru−Tain0.03インチ熱形成歯科材料などの適切な弾力性重合体の薄板から形成される。 通常、歯上の適正位置に器具を固定するために、ワイヤや他の手段は用いられない。 しかしながら、場合により、器具100に対応する受容部または開口を設けて、歯上に個々の固定具を提供することが望ましいか、または必要であり、これにより、器具は、そのような固定具が存在しない場合不可能な、上方への力を歯に付与することができる。 以下、器具100を製作する詳細な方法を説明する。

    図2を参照して、患者による漸次的な使用のための漸増的位置調節器具を製作し、患者の歯を再配置するための本発明の方法全体を説明する。 第1の工程として、最初の歯列を表すデジタルデータ組を入手する。 以下、これをIDDSと呼ぶ。 IDDSは様々な方法で入手し得る。 例えば、X線、三次元X線、コンピュータ支援断層映像またはデータ組、磁気共鳴映像などの周知の技術を用いて、患者の歯は走査または撮像し得る。 そのような従来映像をデジタル化し、本発明に役立つデータを作成することは周知であり、特許および医学文献に記載されている。 しかしながら、通常、本発明はまず、GraberのOrthodontics:Principle and Practice,Second
    Edition,Saunders,Philadelphia,1969,401から415ページに記載されているような周知の技術により、患者の歯の焼石膏型を入手することに依存する。 歯の型を入手した後、従来のレーザー走査または他の範囲獲得(range aquisition)システムを用いて、デジタル的に走査し、IDDSを作成し得る。 範囲獲得システムにより作成されるデータ組は、もちろん、後に詳細に説明するように、データ組内の画像を操作するために使用されるソフトウエアに適合した他の形式に変換し得る。 歯の焼石膏型の作製およびレーザー走査技術を用いたデジタル模型の作成のための一般的技術は、例えば、参照として全開示を本願に援用する米国特許第5,605,459号に記載されている。

    様々な範囲獲得システムが存在し、一般的に獲得のプロセスが3次元の物体との接触を要するかどうかで分類される。 接触型の範囲獲得システムは、探針を利用し、複数段階の変移および/または回転の自由を有する。 試料の表面を探針がなぞる際に、物理的移動を記録することにより、試料物体のコンピュータ読み出し可能な表現が作成される。 非接触型範囲獲得装置は、反射型または透過型のいずれかであり得る。 様々な反射システムが使用されている。 これらの反射システムには、マイクロ波レーダまたはソナーなど、非光学入射エネルギー源を利用するものがある。 他に光学エネルギーを利用するものもある。 反射光学エネルギーにより動作するこれらの非接触型のシステムは、所定の測定技術を可能にするよう構成された特別器械をさらに含む(例えば、撮像レーダ、三角測量、干渉計測定)。

    好適な範囲獲得システムは、光学、反射、非接触型スキャナーである。 非接触型スキャナーが好適であるのは、本質的に非破壊性であり(即ち、試料物体を損傷しない)、一般的に、より高い獲得解像度により特徴づけられており、比較的短時間で試料を走査するからである。 そのようなスキャナーの一つは、カリフォルニア州モントレーのCyberware,Inc. ,により製造されるCyberware Model 15である。

    また、非接触型または接触型スキャナーのいずれも、カラーカメラを含み得る。 これは、走査能力と同調して、デジタル型式で試料物体のカラー表現を獲得するための手段を提供する。 単に試料物体の形状のみでなく色をも獲得する追加性能の重要性は、後述する。

    また、好適な実施形態においては、蝋の咬型を患者から入手する。 蝋の咬型は、中心歯列において、上下歯列状態の相対位置の走査を可能にする。 これは通常、まずスキャナーの前に歯が上向きになるように下側の型を置き、次に下側の型の上に蝋の咬型を重ね置き、最後に歯を下向きにして、蝋の咬型の上に位置するように上側の型を下側の型の上に重ねることにより達成される。 次に、上下型の相対位置に対する円筒形の走査が獲得される。 走査されたデータは、口腔内の相対的構成と同様に配置された患者の歯列弓の組み合わせである物体を表す中程度の解像度のデジタル模型を提供する。

    デジタル模型は、二つの独立したデジタル模型(各歯列弓ごとに一つ)の配置を誘導する雛形として機能する。 より正確には、例えば、Cyberwareの配列ソフトウェアなどのソフトウェアを用いて、各デジタル歯列弓を交互に整列させ、対走査する。 次に、個々の型を患者の口腔内の歯列弓に対応して、互いに相対的に配置する。

    本発明の方法は、適切なグラフィカルユーザインターフェイス(GUI)および画像を見て修正するのに適したソフトウェアを有するコンピュータまたはワークステーションにおいて、IDDSを操作することに依存する。 ソフトウェアの特定の局面を、以下詳細に説明する。 本方法はデジタルデータのコンピュータ操作に依存しているが、漸次的に異なる形状を有する複数の歯科器具を含む本発明のシステムは、非コンピュータ支援技術により作成し得る。 例えば、上述のように入手された焼石膏型を、ナイフ、鋸、または他の切削道具を使用して切削し得、型内の個々の歯を再配置できる。 その後、不連続の歯を、軟質蝋またはその他の加鍛化材料により適正位置に保持し、次に、患者の歯のそのような矯正焼石膏型を用いて、複数の中間的歯列を作成し得る。 複数の器具の組を作成するために、異なる配列が使用され得るが、一般的には後述するように与圧または真空型抜き技術が使用される。 本発明の器具システムの、そのような手作業による作製は、一般的には、あまり好適ではないが、そのように作製されたシステムは、本発明の範囲内にある。

    再び図2を参照して、IDDSが入手された後、操作のためにデジタル情報をコンピュータまたは他のワークステーションに導入する。 好適な手順では、個々の歯および他の要素を「切り取る」ことで、個々の再配置、またはデジタルデータからの削除を可能にする。 そのように要素を「自由にした」後、ユーザはしばしば治療専門家により提供される処方箋または他の説明書に従う。 あるいは、ユーザは、視覚的形状に基づくか、コンピュータにプログラムされた命令やアルゴリズムを使用して、再配置し得る。 一旦、ユーザが最終的配列に満足すれば、最終的歯列が最終的デジタルデータ組(FDDS)に組み込まれる。

    IDDSおよびFDDSの両方に基づき、複数の中間的デジタルデータ組(INTDDS's)に対応するよう作製される。

    図3は、コンピュータ上でIDDSを操作しFDDSを作製するための例示的技術を示す。 通常、デジタルスキャナーからのデータは、高解像度形式である。 画像を生成するのにコンピュータが要する時間を低減するために、より低い解像度にてIDDSを表すデジタルデータ組の並列組を作成する。 ユーザは、低解像度画像を操作するが、コンピュータは必要に応じて高解像度データ組を更新する。 また、ユーザは、高解像度模型において提供される特別の細部が役立つ場合、高解像度模型を見て操作し得る。 また、IDDSがまだクアドエッジデータ(quad edge data)構造で提示されていない場合は、この形式に変換される。 クアドエッジデータ構造は、Primitives for the Manipulation of General Subdivisions
    and the Computation of Voronoi Diagrams,ACM Transactions of Graphics,Vol. 4,No. 2,April 1985,74から123ページにおいて定義されている標準的な幾何学的データ構造である。 ウイングドエッジ構造など他の幾何学的データ構造も使用し得る。

    最初の工程として、歯、歯肉、および他の口内組織を含む、患者の顎の三次元画像を見るが、通常、ユーザは画像操作および/または器具の最終的作製に不必要な構造を削除する。 模型のこのような不要な構造は、イレーザーツールを用い、ソリッドモデリング減算(solid modeling subtraction)を実行して削除し得る。 ツールはグラフィックボックスにより表示される。 消去される量(ボックスの寸法、位置、および方位)は、GUIを用いるユーザにより設定される。 典型的には、不要な部位は、外側の歯肉領域および元来走査された型の土台を含む。 このツールのための別のアプリケーションは、抜歯および歯の表面を「切削する」ことをシミュレートする。 これは、動かされる歯の最終的位置のために、顎内に追加の空間が要するときに必要である。 治療専門家は、どの歯を削るべきか、および/または、どの歯を抜くべきかを選んで決定し得る。 少量の空間のみが必要なとき、切削は、患者が自分の歯を維持することを可能にする。 もちろん、典型的には、抜歯および切削は、本発明の方法による再配置を導入するに先立って、実際の患者の歯が、抜歯および/または切削されるべきときのみ、治療計画において利用される。

    型の非所望および/または不必要な部分を削除することは、データ処理速度を高め、視覚的表示を高める。 不必要な部分は歯の再配置器具の作製のために必要でない部分を含む。 これらの所望でない部分の削除は、デジタルデータ組の複雑さおよび大きさを低減するので、データ組の操作および他の動作を加速する。

    ユーザがイレーザーツールを配置し採寸して、所望でない部分を消去するようソフトウェアに命令した後で、ユーザによるボックスセット内のすべての三角形(triangle)は削除され、境界三角形は平滑な線形境界を残すように修正される。 ソフトウェアは、ボックス内のすべての三角形を削除し、ボックスの境界に交差するすべての三角形をクリップする。 これは、ボックスの境界上に新規の頂点を生成することを要する。 模型のボックス面において生成された穴は、新規に生成された頂点を用いて再三角化され、閉じられる。

    ソーツールは、移動される個別の歯(または、おそらく歯の群)を定義するのに使用される。 このツールは、スキャンされた画像を個別のグラフィック要素に分離するので、ソフトウェアは、歯または他の要素の画像を、模型の残りの部分から独立させて動かすことができる。 ある実施形態では、ソーツールは、空間内に存在する二本の方形Bスプライン曲線を用いることにより、グラフィック画像をカットするための経路を定義するが、これは、おそらく、開または閉のいずれかの平行面に限られる。 一組の線が二本の曲線を連結し、ユーザに概略のカット経路を提示する。 ユーザは、後述するように、方形Bスプラインの制御点、ソーカットの厚さ、および使用されるイレーザーの数を編集し得る。

    別の好適な実施形態では、ソーを「抜芯」装置として用い、垂直ソーカットにより歯を上方からカットすることにより、歯を分離する。 歯冠および歯冠の直下の歯肉組織は、他の形状から分離され、歯と称して独立単位として取り扱われる。 この模型が移動されるとき、歯齦組織は歯冠に対して動き、患者の口内で歯齦が再形成する様態の一次的概算を生成する。

    各歯は、最初に整備された模型からも分離され得る。 さらに、最初に整備された模型から、歯冠を切り取ることにより、土台が形成される。 作製された模型は、歯を移動させるための土台として使用される。 このことは、後述するように、幾何学的模型から物理的型の最終的製作を容易にする。

    厚さ:歯を分離するのにカットを使用するとき、通常、ユーザは、カットができる限り薄いことを望む。 しかしながら、ユーザは、上述のように例えば周囲の歯を切削するとき、より厚いカットを望み得る。 図形上は、カットは曲線の一方をカット厚さにより限定された曲線として現れる。

    イレーザーの数:カットは、ソーツールの曲線経路の区分的線形の概算として互いに隣接して配置された複数のイレーザーボックスから成る。 ユーザは複数のイレーザを選択するが、これは生成される曲線の洗練を決定する。 即ち、区分の数が多いほど、より正確にカットが曲線に従う。 図形上は、イレーザーの数は、二本の方形Bスプライン曲線に接続された平行線の数により示される。 一旦、ソーカットが完全に特定されれば、ユーザは模型にカットを施す。 カットは消去の連続として実行される。 好適なアルゴリズムを図4Aに示す。 図4Bは、開放端Bスプライン曲線のためのアルゴリズムにおいて記述されたカットの単一消去の反復を示す。 垂直カットに対しては、曲線が、P [O]とP [S]とを閉じて、 P [O]とP [S]とを同一点とする。

    ある実施形態においては、ソフトウェアはユーザにより入力される平滑度基準に基づく一組のイレーザーに、ソーツールが自動的に分配され得る。 理想的表現から平滑性設定により特定された閾値未満の概算表現への逸脱を、エラー基準が測定するまで、ソーは適応的に細分される。 使用される好適なエラー基準は、細分された曲線の線形長さを理想的スプライン曲線の弦長と比較する。 この差が平滑性設定から計算された閾値より大きいとき、細分点がスプライン曲線に沿って付与される。

    ソフトウェアには、プレビュー特性も供給され得る。 プレビュー特性は、カットの対向する側を表す2面として、ソーカットを視覚的に表示する。 これにより、ユーザは、最終カットを模型データ組に付与する前に、検討することができる。

    ソーツールを用いて、ユーザがすべての所望のカット処理を完成した後、複数の図形の纏まり(solid)が存在する。 しかしながら、この時点において、ソフトウェアは、クアドエッジデータ構造のどの三角形が、どの要素に属するのかを決定していない。 ソフトウェアは、データ構造内の任意の開始点を選び、近接(adjacency)情報を用いてデータ構造を測量し、互いに結合された三角形のすべてを発見し、個々の要素を識別する。 このプロセスは、要素がまだ決定されていない三角形から開始され繰り返される。 一旦、すべてのデータが測量されれば、すべての要素が識別されている。

    ユーザにとって、高解像度模型に対してなされたすべての変更は、低解像度模型において同時に発生するように見えるし、その逆も同じである。 しかしながら、異なる解像度の模型の間には、一対一の相関関係は存在しない。 従って、コンピュータは、できる限り規定限界の対象となり得るように、高解像度および低解像度要素を「一致」させる。 このアルゴリズムを図5において説明する。

    咬頭検出:好適な実施形態では、ソフトウェアが歯に対する咬頭を検出する能力を提供する。 咬頭は、歯の咬面における尖形突出である。 咬頭検出は、カット段階が実施される前または後のいずれかに実施され得る。 咬頭検出に使用されるアルゴリズムは、2段階で成っている。 (1)「検出」段階。 この段階においては、歯上の点の組が、咬頭位置の候補として決定される。 および、(2)「拒絶」段階。 この段階においては、点の組からの候補が、咬頭に関する基準の組を満たさない場合、拒絶される。

    「検出」段階のための好適なアルゴリズムを、図6Aに示す。 検出段階では、可能な咬頭が、歯の表面の「島」と見なされ、候補の咬頭は、その島の最頂点とされる。 「最頂点」は、模型の座標系に関連して測定されるが、検出が治療のカット段階の後で実施される場合は、単に各歯の局在の座標系に関連して簡単に測定され得る。

    すべての可能な咬頭の組は、模型の結ばれたボックスの頂点の特定距離内に存在する歯型上のすべての局在的最高点を探すことにより決定される。 第1に、模型の最高点は、第1の候補咬頭として指示される。 この点を介して点の高さが測定される方向に対して垂直な平面が渡される。 次に、この平面は、Z軸に沿った小さな所定距離ごとに下げられる。 さらに、歯に連結されたすべての頂点であって、この平面を超え、いくつかの連結点上にあるものは、複数の咬頭として候補咬頭に関連づけられる。 この工程は、「フラッドフィル(flood fill)」工程と呼ばれる。 各候補咬頭点から、外向きの「フラッド(flooding)」が実行され、この問題において捕らえられる模型の各頂点を、対応する候補咬頭の一部として標識する。 フラッドフィル工程が完了した後、模型の各頂点が検査される。 この平面を超える任意の頂点であって、フラッドフィルの一つにより捕らえられなかった頂点が、候補咬頭のリストに加えられる。 これらの工程は、平面が所定の距離を進むまで繰り返される。

    この反復的方法は、局在的最高点の検索よりも時間が掛かるが、上述の方法は、候補咬頭のより短いリストを生成する。 平面は各工程において微細な距離で下げられるので、雑多なデータによって発生し得る非常に小さな局在的最高点は、省略される。

    「検出」段階の後、咬頭検出アルゴリズムは、「拒絶」段階に進む。 「拒絶」段階のための好適なアルゴリズムを図6Bに示す。 この段階では、各咬頭候補の周囲の局在的形状が分析され、それらが「非咬頭的特徴」を有するかどうかを決定するために分析される。 「非咬頭的特徴」を呈する咬頭候補は、咬頭候補のリストから除外される。

    「非咬頭的特徴」を識別するためには、様々な基準が用いられ得る。 ある試験によると、咬頭候補周囲の表面の局在的曲率を用いて、候補が非咬頭的特徴を有するかどうかが判別される。 図6Bに示すように、咬頭候補周囲の表面の局在的曲率が概算され、大きすぎる(非常に尖鋭な表面)か小さすぎる(非常に平坦な表面)かを判別するために分析され、その場合、候補は咬頭候補のリストから除外される。 本当の咬頭が誤りにより拒絶されないこと確実にするように、最小および最大曲率値には、控えめの値が用いられる。

    別の試験によると、候補咬頭周囲の領域における平均的基準(normal)に基づき、平滑性の基準が計算される。 平均的基準が、咬頭における基準から特定量以上に逸脱している場合、咬頭候補は拒絶される。 好適な実施形態では、基準ベクトルNの咬頭基準CNからの逸脱は、以下の式により概算される。

    1−絶対値(N×CN)、
    ここで、逸脱がなければ値は0であり、NとCNとが垂直のときは1である。

    一旦、歯が分離されると、FDDSがIDDSから作成され得る。 FDDSは、歯列矯正医の処方箋に従い、歯をそれらの最終的処方に移動することにより作成される。 ある実施形態では、処方箋がコンピュータに入力され、コンピュータがアルゴリズム的に歯の最終的位置を計算する。 別の実施形態では、ユーザが、一つ以上の歯を個別に操作して処方箋の限定を満たしながら、歯をそれらの最終的位置に移動し得る。 最終的歯列に到達するために、上述の技術の様々な組み合わせも使用し得ることは、理解されるべきである。

    FDDSを作成するための好適な方法は、特定のシーケンスにおいて歯を移動することを含む。 まず、各歯の中心を標準の歯列弓に整列させる。 次に、歯根が適正な垂直位置になるまで歯を回転させる。 さらに、適正な方向になるように垂直軸の周囲で歯を回転させる。 次に側面から歯を観察して、適正な垂直位置になるよう垂直的に変移させる。 最後に、二つの歯列弓を組み合わせて、歯をわずかに動かし、上下の歯列弓が適正に咬み合うことを確認する。 上下の歯列弓のかみ合わせは、衝突検出アルゴリズムを用いて、歯の接触点を赤色にて明示することでも視覚化される。

    歯およびその他の要素が配置されるか、または除去され、最終的歯列が作成された後、図7に示すように、治療計画を作成する必要がある。 治療計画は、上述した、一連のINTDDS'sおよびFDDSを最終的に作成する。 これらのデータ組を作成するためには、一連の漸次的工程を介した最初の位置から最終的位置までの選択された個々の歯の移動を定義するか、または図に表す必要がある。 さらに、データ組に他の特性を追加して、治療器具において所望の特徴を作製する必要であってもよい。 例えば、画像に蝋のパッチ(wax patches)を付与して、特定目的のための空洞やくぼみを規定することが所望であり得る。 例えば、器具と歯または顎の特定領域との間に空間を維持して、歯肉の痛みを低減し、歯周部の問題を回避し、歯冠(cap)などを準備することが所望であり得る。 さらに、歯上に配置されるアンカーを収容することを意図した受容部または開口を供給して、例えば顎に対して持ち上げるなど、アンカーを要する様態で歯を操作できるようにすることが、しばしば必要である。

    歯の再配置器具を作製するためのいくつかの方法、個別の再配置された歯と他の要素とが、作製を可能にするために、単一の連続的な構成として統合されることを要する。 これらの場合、「蝋のパッチ」を用いて、INTDDS'sの、さもなくば分断された要素を結びつける。 これらのパッチは、歯の下のデータ組において歯肉の上方に付与されるので、歯の再配置器具の形状には影響を及ぼさない。 アプリケーションソフトウェアが、調節可能な寸法を備えたボックスまたは球を含む、模型に付与される様々な蝋のパッチを提供している。 付与される蝋バッチは、ソフトウェアにより、形状の追加片として、他の形状すべてとは区別して取り扱われる。 従って、蝋パッチは、歯および他の要素と同様、治療経路の間において再配置し得る。 上述の垂直抜芯を用いて歯を分離する好適な方法は、これらの「蝋パッチ」の必要性を殆ど除去する。

    この製作プロセスでは、再配置器具を作製するために雄型の作製に依存しており、図形上の模型に蝋パッチを付与することは、同様の付与された蝋パッチを有する雄型を作製する。 この型は歯の雄型であり、器具は歯の雌型であるので、この型を介して器具を作製するとき、型に付与された蝋パッチの周囲にも器具が形成される。 従って、患者の口内に装着されたとき、器具は、器具の内側の空洞表面と患者の歯または歯肉との間に空間を生じる。 さらに、器具内にくぼみ、または開口を形成するためにも蝋パッチは用いられ得る。 これらのくぼみ、または開口は、アンカーを用いなければ達成できない方向に歯を移動させるために歯上に配置されるアンカーを係合する。

    そのような蝋パッチに加えて、通常は歯である、個別の要素が、より小さな、またはより大きな寸法で測られ得、作製された器具は、それぞれきつい具合または緩い具合を有するようになる。

    歯および他の要素の移動の規定において、治療計画は、極度に柔軟的である。 ユーザは、治療段階の数を変更し得、要素の経路および速度を個別に制御し得る。

    治療段階の数:ユーザは、最初から歯の目標状態までの所望の治療段階の数を変更し得る。 移動されない任意の要素は、留まると見なされ、従って、その最終位置は、最初の位置と同じであると見なされる(すべての中間位置に対しても、一つ以上のキーフレームがその要素に対して規定されない限り、同様である)。

    キーフレーム:ユーザは、中間状態を選択して、要素の位置に変更を加えることにより、「キーフレーム」も特定し得る。 反対の指示がない限り、ソフトウェアは、すべてのユーザ特定位置(最初の位置、すべてのキーフレーム位置、および目標位置を含む)を自動的に線形補間する。 例えば、特定の要素に対して最終的位置のみが規定された場合、最初の段階の後の各後続の段階は、単に最終的位値に等しい線形距離、および(4元数(quaternion)により特定された)近似の回転を示す。 ユーザがその要素に対して2つのキーフレームを特定した場合、その要素は、最初の位置から、異なる段階を経て、最初のキーフレームにより規定された位置に線形に「移動」する。 次に、その要素は、おそらく異なる方向で、第2のキーフレームにより規定された位置に線形に移動する。 最終的に、おそらくさらに異なる方向で、目標位置に線形に移動する。

    また、ユーザは、キーフレーム間の非線形補間も特定し得る。 従来様態においては、補間関数を特定するのにスプライン曲線が用いられている。

    これらの処理は、各要素に独自に行われ得るので、そのキーフレームにおける他の要素もユーザーにより動かされない限り、ある要素のキーフレームが他の要素に影響することはない。 ある要素は、段階3と8との間の曲線で加速され得、別の要素は、段階1から5まで線形に移動し、突然方向を変えて、段階10の直線経路において減速する。 この柔軟性は、患者の治療を計画するにあたり、大規模な自由を可能にする。

    ある実施形態では、IDDSおよびFDDSに基づき、ソフトウェアが自動的に治療経路を決定する。 これは通常、各要素、即ち歯が最初の位置から最終的位置に直線経路に沿って移動する速度を決定する経路計画アルゴリズムを用いて達成される。 本発明により使用される経路計画アルゴリズムは、治療経路を決定するが、「ラウンドトリッピング(round−tripping)」は回避する。 これは、歯列矯正医により使用されている用語で、歯を真っ直ぐにするのに絶対的に必要であるより大きな距離において歯を移動することを意味する。 そのような動きは、極度に望ましくなく、否定的な副作用を患者にもたらす可能性がある。 「ラウンドトリッピング」を避けるためには、経路計画アルゴリズムは、最初と最後の位置との間の最短直線経路に移動を限定し、個別の歯の間のすべての干渉を回避することにより、すべての歯の動きを計画し段階化する。

    経路計画アルゴリズムは、任意化された検索技術を利用して、可能な治療計画を説明する構成空間(configuration space)を介して障害のない経路を発見する。 二つのユーザ規定された広域キーフレームの間の計画移動のためのアルゴリズムの好適な実施形態を以下に説明する。 中間的キーフレームを含む期間間隔に対する計画は、中間的キーフレームを含まない下位の部分期間に期間間隔を分割し、これらの間隔のそれぞれを個別に計画して、作成された計画を連結することにより達成される。

    図8Aのフローチャート120は、本発明の一実施形態による簡略化された経路計画アルゴリズムを示す。 図8Aに示すように、第1の工程122は、「構成空間」記述の構築を含む。 この文脈において、「構成」とは、移動を考慮されているすべての歯の位置の所与の組を意味する。 これらの位置のそれぞれは、複数の方法にて記述され得る。 本発明の好適な実施形態においては、この位置は位置の変化を特定するための一つのアファイン変換、および最初の位置から最終的位置までの歯の方向における変化を特定する回転変換により記述される。 各歯の中間位置は、2つの終点の間の位置および方向の補間がどのくらい離れているかを特定する数の対により記述される。 従って、「構成」は移動される各歯に対して2つの数を含み、「構成空間」はそれらの数の対のすべての空間を意味する。 従って、構成空間はデカルト空間であり、その中の任意の位置は、すべての歯の位置を特定すると解釈され得る。

    各歯の開始位置から終了位置までの移動を記述するアファイン変換は、変移および回転要素に分解される。 これらの変換は、構成空間の二次元と考えられるスカラーパラメータにより個別に補間される。 従って、全体の構成空間は、移動される歯ごとに二次元を含み、そのすべてが、その後の検索の間において等しく取り扱われる。

    構成空間は「自由空間」および「障害空間」から成っている。 「自由」構成は、有効な、物理的に実現可能な歯の位置であり、「障害的」位置は、そうでない位置を表す。 構成が自由的であるか障害的であるかを決定するために、構成が記述する歯の位置に対して模型が作製される。 次に、衝突検出アルゴリズムが付与され、歯の表面を記述する任意の形状が交差するかどうかを決定する。 障害が存在しない場合、空間は自由であると見なされ、さもないと障害的である。 衝突検出アルゴリズムを以下、より詳細に説明する。

    工程124では、構成空間に2つのベクトル「S 」、「S 」を取る「見栄え」関数V( S ,S )が、真偽のブール値として入力および戻される。 見栄え関数は、S とS とをつなぐ直線経路が構成空間の自由および障害領域のみを通る場合、および、場合のみ、真の値を返す。 見栄え関数に対する好適なアルゴリズムを図8Bに示す。 見栄え関数は、線 S −S 上で別個に抽出された点における干渉に対する歯の模型を試験することにより概算される。 試験される間隔を再帰的に細分することにより、早期に失格して終了するか、または抽出点の順序を選択するような技術が、見栄え関数の効率を向上させるために使用される。

    図8の工程126では、入力パラメータ「s」が構成空間のベクトルであり、構成空間においてベクトルの組「s 」を返す、「子供」関数C(s)が規定される。 図8Cは、子供関数C(s)を計算するために続く工程を示す簡略化されたフローチャートである。

    組の各ベクトルは、V(s, s )が真であり、その要素のそれぞれが、「s」の対応する要素より大きいか、等しい特性を満たす。 このことは、そのようなベクトルにより表される任意の状態が、任意の障害に遭遇せず、治療により処方されない方向への任意の移動を行うことない「s」から到達可能であることを意味する。 設定された「 s 」の各ベクトルは、ある程度任意に正の量動かすことにより生成される。 次に、見栄え関数が真のブール値を返す場合、見栄え関数V(s, s )が計算され、設定された「 s 」に「s」が追加される。 さらに、そのように生成されたベクトルのそれぞれに対して、その親値「s」のポインタを後の使用のために記録する。

    構成空間が定義された後、工程128において、経路計画は、初期状態「s init 」と最終的状態「s final 」との間で実行される。 図8Dは、図8Aに示す工程128の好適なフローチャートを示す。 図8Dに示すように、工程128aにおいて、初期状態s initのみを最初に含むように、状態「W」の組が規定される。 次に、工程128bにおいて、見栄え関数が起動され、W内の少なくとも一つの状態s に対してV(s, s final )が真であることを決定する。 見栄え関数が偽のブール値を返す場合、工程128cにおいて、状態「W」の組は、W内のすべてのs に対してC(s )の結合(union)で置換される。 工程128bおよび128cは、 V(s, s final )が、Wに属する任意のs に対して真のブール値を返すまで繰り返される。

    工程128dでは、V(s, s final )が真である各s に対して、障害のない経路P が、s からs initまで、親値ポインタをs initまで遡及することにより、構築される。 工程128eでは、次にs initからs finalまでの経路が、s initからs finalまでの最終工程に経路P を結合することにより、構築される。 s からs finalまで複数の経路が存在する場合、工程128fにおいて、各経路の全体の長さが計算される。 最終的に、工程128gにおいて、最短長さの経路が、最終経路として選択される。 選択された経路長さは、治療計画に必要な総時間および段階に対応する。

    生成された最終経路は一連のベクトルを含み、各ベクトルは、移動する歯の変形の変移および回転要素の補間パラメータの値の群を表す。 これらは、ともに歯対歯の干渉を防ぐ歯の移動計画を構成する。

    衝突検出アルゴリズム:本発明により使用される衝突または干渉検出アルゴリズムは、Stefan Gottschalkら(1996)のSIGGRAPHのアルゴリズム、”OBBTree:A Hierarchical Structure for Rapid Interference Detection”に基づく。 SIGGRAPHの記事の内容は、参照として本願に援用する。

    このアルゴリズムは、物体に占有された空間の再帰的細分に対して集中し、バイナリ系図の様態で構成される。 DDS内の歯を表すのに三角形が用いられる。 系図の各ノードは、方向付けバウンディングボックス(DBB)と呼ばれ、そのノードの患者において現れる三角形のサブセットを含む。 親ノードの子供は、それらの間に、親ノードに格納された全ての三角形データを含む。

    ノードのバウンディングボックスは、そのノードのすべての三角形に密接に適合するように方向付けられる。 系図のリーフノードは、理想的には単一の三角形を含むが、一つ以上の三角形をも含み得る。 二つの物体の間の衝突の検出は、物体のOBB系図が交差するかどうかを決定することを要する。 図9Aは、第1の物体からのノード「N1」が第2の物体からのノード「N2」と交差するかどうかを検査する再帰的衝突試験の簡略型のフローチャートを示す。 系図のルートノードがOBBと重複する場合、重複に対して、ルートの子供が検査される。 アルゴリズムは、リーフノードに達するまで再帰的な様態で進む。 この時点において、リーフにおける三角形が衝突に関係しているかどうかを判別するために、ロバスト三角形交差ルーチンが使用される。

    本発明は、SIGGRAPHの記事に記載された衝突検出アルゴリズムにある程度の改良を提供している。 ある実施形態において、本発明は、メモリおよび時間を節約するために安直な様態でOBB系図を構築する独特の方法を提供する。 この方法は、決して衝突に関係しない模型の部分が存在することに基づいており、結果として模型のそのような部分のOBB系図は、計算される必要がない。 図9Bに示すように、OBB系図は、再帰的衝突判別アルゴリズムの間において、必要に応じ系図の内部ノードを分割することにより拡張される。

    本発明の別の実施形態では、模型内の衝突データを必要としない三角形もOB系図を作成するときに考察から特定的に除外され得る。 図9Cに示すように、衝突アルゴリズムに追加の情報が供給され、移動中の物体が特定される。 移動は、2つのレベルで観察される。 物体は、広域意味において「動いている」と概念化され得るか、または他の物体に対して「動いている」と概念化され得る。 追加の情報は、互いに対して静止している物体間の衝突情報の再計算を避けることにより、衝突検出に掛かる時間を改善する。 そのような物体間の衝突の状態は変化しないからである。

    また、本発明のソフトウェアは、初期から目標状態への移動を自動的に動画化する「ムービー」特性も組み込み得、ユーザは任意の時点においてこれを使用し得る。 これは、治療プロセスを通じて、全体の要素の動きを視覚化するのに役立つ。

    要素識別に好適なユーザインターフェイスは、三次元インタラクティブGUIであることを前述した。 三次元GUIは、要素の操作にも好適である。 そのようなインターフェイスは、治療専門家または、デジタル模型要素との即時的および視覚的インタラクションを備えたユーザを備える。 インターフェイス上には、特定の区分を操作するために、コンピュータに命令するための単純な低レベルコマンドのみを許可することが好適である。 換言すれば、操作に使用されるGUIは、例えば、「この要素を右に0.1mm移動せよ」などの種類の命令のみ受け取るインターフェイス上で行われることが好適である。 そのような低レベルコマンドを精密に調整することは有用であるが、単一のインターフェイスが存在する場合、要素操作のプロセスは、冗長であり時間の掛かるインタラクションになる。

    操作プロセスの前か、または最中に、一つ以上の歯要素が、歯根の雛形模型とともに増大される。 歯根の雛形とともに増大される歯の模型の操作は、例えば、歯肉線より下の歯の埋伏を考慮する状況において有用である。 これらの雛形模型は、例えば、患者の歯のX線のデジタル化された表現を含む。

    ソフトウェアは、テキストおよび/または装置の連続番号を含み得るデータ組に注釈を付与することも可能にする。 注釈は、埋め込みテキスト(即ち、3D形状である)として付与され、プリントされた雄型の上に現れる。 注釈は、再配置器具により覆われている口内の部分に配置され得るが、歯の移動に対して重要でない場合、注釈は、配達された再配置器具上に現れ得る。

    上述の要素識別および要素操作ソフトウェアは、操作者の訓練レベルに見合った洗練度で操作されるように設計される。 例えば、要素操作ソフトウェアは、許可できる歯の操作および禁止される歯の操作に関するフィードバックを提供することにより、歯列矯正訓練を欠くコンピュータ操作者を支援し得る。 他方、口腔生理学および歯列移動力学において、より優れた技術を要する歯列矯正医は、単にツールとして、要素識別操作ソフトウェアを単に使用し、アドバイスを使用不能にするか、さもなくば無視し得る。

    一旦、中間的および最終的データ組が作成されれば、図10に示すように器具が製作され得る。 好適には、製作方法は、ステレオリソグラフィー機器のような、高速原型製作装置200を使用する。 特に適切な高速原型製作装置は、カリフォルニア州ヴァレンシアの3DSystemから市販されているModel SLA−250/50である。 高速原型製作装置200は、液体または他の未硬化の樹脂を選択的に三次元形状に硬化し、これを残りの未硬化の樹脂から分離し、洗浄して、直接器具として使用するか、または器具を作製する型として間接的に使用し得る。 原型製作機器200は、個々のデジタルデータ組を受け取り、各所望の器具に対応する一つの構造を生成する。 一般的に、高速原型製造機器200は、非最適機械特性を有する樹脂を利用し、一般的にには患者の使用に許容し得ないので、原型製作機器を治療の各逐次的段階の雄歯型である型の作製に使用することが、結果として、好適である。 雄型が作製された後で、従来の与圧または真空型抜き機械を用い得て、55902ミネソタ州ロチェスターのTru−Tain Plasticsから市販されている0.03インチ熱形成歯科材料のようなより適切な材料から器具を作製する。 適切な与圧型抜き機器は、14150ニューヨーク州トナワンダのGreat Lake Orthodontics,Ltd. からBIOSTARの商標名で市販されている。 型抜き機械250は、雄歯型から望ましい材料にて、各器具を直接作製する。 適切な真空型抜き機器は、Raintree Essix,Incから市販されている。

    製作後、本発明のシステムを含む複数の器具は、好適には、治療専門家にすべて一度に供給される。 器具は何らかの様態において、典型的には連続番号により、器具に直接、またはタグ、袋、あるいは各器具に添付されるか、各器具を封入する他の物品上に標識され、使用の順序を指示する。 選択的に、器具または梱包のどこかに標識された順序において個々の器具を患者が装着することを説明する説明書がシステムに添付され得る。 そのような様態における器具の使用は、最終的な歯列に向けて患者の歯を漸次的に再配置する。

    図11は、本発明を実施したデータ処理システム300の簡略ブロック図である。 データ処理システム300は、典型的には、バスサブシステム304を介して数々の周辺機器と通信する少なくとも一つのプロセッサ302を含む。 これらの周辺機器は、典型的には、格納サブシステム306(メモリサブシステム308およびファイル格納システム314)、ユーザインターフェイス入力および出力のセットの装置318、および、公共交換電話網を含む外部ネットワークへのインターフェイス316を含む。 このインターフェイスは、「モデムおよびネットワークインターフェイス」ブロック316として模式的に示され、通信ネットワークインターフェイス324を介して他のデータ処理システム内の対応するインターフェイス装置に結合される。 データ処理システム300は、端末またはローエンドパーソナルコンピュータ、あるいはハイエンドパーソナルコンピュータ、ワークステーションまたはメインフレームであり得る。

    ユーザインターフェイス入力装置は、典型的には、キーボードを含み得、ポインティング装置およびスキャナをさらに含み得る。 ポインティング装置は、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィックタブレットなどの間接的ポインティング装置、あるいはディスプレイに組み込まれたタッチスクリーンなどの直接的ポインティング装置であり得る。 音声識別システムなど、他の種類のユーザインターフェイス入力装置も可能である。

    ユーザインターフェイス出力装置は、典型的には、プリンタおよび、表示制御器および制御器に結合された表示装置を含む表示サブシステムを含む。 表示装置は、陰極線管(CRT)、液晶表示(LCD)のようなフラットパネル装置、映写装置であり得る。 表示サブシステムは、音響出力のような非視覚的表示も供給し得る。

    格納サブシステム306は、本発明の機能を提供する基本プログラミングおよびデータ構成を維持する。 上述したソフトウェアモジュールは、典型的には、格納サブシステム306に格納される。 格納サブシステム306は、典型的には、メモリサブシステム308およびファイル格納システム314を含む。

    メモリサブシステム308は、典型的には、プログラム実行時の命令およびデータの格納のためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)310、および固定命令が格納されるリードオンリーメモリ(ROM)312などの複数のメモリを含む。 Macintosh互換パーソナルコンピュータにおいては、ROMがオペレーティングシステムの一部を含み、IBM互換パーソナルコンピュータにおいては、これがBIOS(基本入出力システム)を含む。

    ファイル格納サブシステム314は、プログラムおよびデータファイルに対して持続性(不揮発性)格納を提供し、典型的には、少なくとも一つのハードディスクドライブと、少なくとも一つのフロッピー(登録商標)ディスクドライブ(関連するリムーバブル媒体を含む)を含む。 また、CD−ROMドライブおよび光学ドライブ(すべて関連するリムーバブル媒体を含む)などの他のデバイスも含み得る。 さらに、システムは、リムーバブル媒体カートリッジを伴う型のドライブを含み得る。 リムーバブル媒体カートリッジは、例えば、Syquestなどにより市販されているハードディスクカートリッジ、およびIomegaにより市販されているようなフレキシブルディスクカートリッジであり得る。 一つ以上のドライブは、ローカルエリアネットワークのサーバまたはインターネットワールドワイドウェブのサイトなどの遠隔位置に位置し得る。

    本文脈において、「バスシステム」という用語は、様々な要素およびサブシステムが意図されたように互いに通信することを可能にするための任意の機構を含むように、総称的に使用される。 入力装置および表示を例外として、他の要素は、同一の物理的位置に存在する必要はない。 従って、例えば、ファイル格納システムの一部が、様々なローカルエリアまたは電話回線を含む広域ネットワーク媒体を介して接続され得る。 同様に、入力装置および表示も、プロセッサと同一の位置に存在する必要はないが、本発明は、PCおよびワークステーションの環境において、最も頻繁に実施されることを想定している。

    バスシステム304は、単一のバスとして模式的に示されるが、典型的なシステムは、ローカルバスおよび一つ以上の拡張バス(例えば、ADB、SCSI、ISA、EISA、MCA、NuBus、またはPCI)など複数のバスと、シリアルおよびパラレルポートとを有する。 ネットワーク接続は、通常、これらの拡張バスの一つ上におけるネットワークアダプタ、またはシリアルポートのモデム等のデバイスを介して確立される。 クライアントコンピュータは、デスクトップシステムまたはポータブルシステムであり得る。

    スキャナ320は、患者または歯列矯正医から入手された患者の歯の型をスキャンし、スキャンされたデジタルデータ組情報を、後の処理のためにデータ処理システム300に供給する。 分布型の環境では、スキャナ320は、遠隔位置に位置し得、ネットワークインターフェイス324を介して、スキャンされたデジタルデータ組をデータ処理システム300に通信する。

    製作機械322は、データ処理システム300から受け取った中間的および最終的データ組情報に基づき歯科器具を製作する。 分布型の環境では、製作機械322は、遠隔位置に位置し得、ネットワークインターフェイス324を介して、データをデータ処理システム300からデータ組情報を受け取る。

    上記は、本発明の好適な実施形態の完全な説明であるが、多様な選択、変更、および等価方法が用いられ得る。 従って、上記説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の範囲は、添付の請求の範囲により限定される。

    図1Aは、患者の顎を示し、本発明の方法および器具によっていかに歯を動かすことができるかを概説する。

    図1Bは、図1Aからの1本の歯を示し、歯の移動距離がいかに決定されるかを明示する。

    図1Cは、図1Aの顎を、本発明の方法により構成された漸増的位置調節器具とともに示す。

    図2は、漸増的位置調節器具のシステムを作成するための、本発明の工程を示すブロック図である。

    図3は、最初の歯列を表す最初のデータ組を操作して、所望の最終的な歯列に対応する最終的なデジタルデータ組を作成するための工程を示すブロック図である。

    図4Aは、本発明の方法のためのイレーザーツールを示すフローチャートである。

    図4Bは、図4Aのプログラムによって消去された空間量を示す。

    図5は、図3のデータ操作において、高解像度および低解像度要素の一致のためのプログラムを示すフローチャートである。

    図6Aは、咬頭検出アルゴリズムの「検出」段階を実行するためのプログラムを示すフローチャートである。

    図6Bは、咬頭検出アルゴリズムの「拒絶(rejection)」段階を実行するためのプログラムを示すフローチャートである。

    図7は、本発明の調節器具を製作するために使用される複数の中間的デジタルデータ組を作成するための方法を示す。

    図8Aは、経路計画アルゴリズムにより実行される工程を示すフローチャートである。

    図8Bは、本発明の1実施形態により「見栄え(visibility)」関数を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図8Cは、本発明の1実施形態により「子供(children)」関数を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図8Dは、図8Aの経路計画工程128を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図9Aは、衝突検出の間において、帰納的衝突試験を実行するための工程を示すフローチャートである。

    図9Bは、本発明の一実施形態による衝突検出の間において実行されるノード分割を示すフローチャートである。

    図9Cは、衝突検出プロセスに追加の移動情報を供給するための工程を示すフローチャートである。

    図10は、本発明の方法により、中間的および最終的器具の設計を表すデジタルデータ組を利用して、複数の器具を作成するための別のプロセスを示す。

    図11は、本発明の実施形態を援用したデータ処理システムの簡略化されたブロック図を示す。

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