インプラント用キーパー及びその組立体、並びにキーパーの固定方法

申请号 JP2013516376 申请日 2012-05-22 公开(公告)号 JPWO2012161182A1 公开(公告)日 2014-07-31
申请人 日立金属株式会社; 发明人 亮 菊地; 亮 菊地;
摘要 (a) メネジ部を有するアバットメントの頭部を受承する凹部と、凹部と連通するように中央軸線に沿って設けられ、アバットメントのメネジ部より大きい呼び径を有するメネジ部とを有する軟 磁性 材料からなるキーパー本体と、(b) アバットメントのメネジ部と螺合する小径ネジ部と、キーパー本体のメネジ部と螺合する大径ネジ部とを有する二段式ネジ部材とを具備し、アバットメントのメネジ部に小径ネジ部を螺合させ、キーパー本体のメネジ部に大径ネジ部を螺合させた後、キーパー本体を螺着方向に回転させると、二段式ネジ部材によりキーパー本体がアバットメントに強固に締着されることを特徴とするインプラント用キーパー。
权利要求
  • (a) メネジ部を有するアバットメントの頭部を受承する凹部と、前記凹部と連通するように中央軸線に沿って設けられ、前記アバットメントのメネジ部より大きい呼び径を有するメネジ部とを有する軟磁性材料からなるキーパー本体と、(b) 前記アバットメントのメネジ部と螺合する小径ネジ部と、前記キーパー本体のメネジ部と螺合する大径ネジ部とを有する二段式ネジ部材とを具備し、前記アバットメントのメネジ部に前記小径ネジ部を螺合させ、前記キーパー本体のメネジ部に前記大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転させると、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体が前記アバットメントに強固に締着されることを特徴とするインプラント用キーパー。
  • 請求項1に記載のインプラント用キーパーにおいて、前記二段式ネジ部材は前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有し、前記段差部又はテーパ部が前記アバットメントの上端面に係合するまで前記二段式ネジ部材を前記アバットメントの前記メネジ部に螺合させると、前記二段式ネジ部材を軸線方向に正確に位置決めできることを特徴とするインプラント用キーパー。
  • 請求項1又は2に記載のインプラント用キーパーにおいて、前記アバットメントの頭部の少なくとも一部は円錐台状であり、かつ前記キーパー本体の凹部の内面は前記アバットメント頭部の円錐台状部と相補的な円錐状であり、もって前記キーパー本体を前記アバットメントに締着したとき前記アバットメント頭部の前記円錐台状部が前記キーパー本体の前記凹部内面に密着することを特徴とするインプラント用キーパー。
  • 請求項1〜3のいずれかに記載のインプラント用キーパーにおいて、前記キーパー本体の側面部の少なくとも一部がナット状であり、もって前記キーパー本体は前記ナット状側面部に係合する工具を用いて螺着方向に回転自在であることを特徴とするインプラント用キーパー。
  • 請求項1〜4のいずれかに記載のインプラント用キーパーをアバットメントに固定する方法において、前記アバットメントのメネジ部に前記二段式ネジ部材の小径ネジ部を螺合させるとともに、前記キーパー本体のメネジ部に前記二段式ネジ部材の大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転し、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体を前記アバットメントに強固に締着させることを特徴とする方法。
  • 請求項5に記載のインプラント用キーパーをアバットメントに固定する方法において、前記二段式ネジ部材は前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有し、前記段差部又はテーパ部が前記アバットメントの上端面に当接するまで前記二段式ネジ部材の小径ネジ部を前記アバットメントのメネジ部に螺合させた後、前記二段式ネジ部材の大径ネジ部を前記キーパー本体のメネジ部に螺合させ、次いで前記キーパー本体を螺着方向に回転することを特徴とする方法。
  • 顎骨に埋設されたインプラント本体に固定するインプラント用キーパー組立体であって、(a) 頭部と、前記頭部の中央軸線に沿って設けられたメネジ部と、前記頭部の下方に延出し前記インプラント本体に螺着されるオネジ部とを有するアバットメントと、(b) 前記アバットメントの頭部を受承する凹部と、前記凹部と連通するように中央軸線に沿って設けられ、前記アバットメントのメネジ部より大きい呼び径を有するメネジ部とを有する軟磁性材料からなるキーパー本体と、(c) 前記アバットメントのメネジ部と螺合する小径ネジ部と、前記キーパー本体のメネジ部と螺合する大径ネジ部とを有し、前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差状の係止部が形成された二段式ネジ部材とを具備し、前記アバットメントのメネジ部に前記二段� ��ネジ部材の小径ネジ部を螺合させるとともに、前記キーパー本体のメネジ部に前記二段式ネジ部材の大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転すると、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体が前記アバットメントに強固に締着されることを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 請求項7に記載のインプラント用キーパー組立体において、前記二段式ネジ部材は前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有し、前記段差部又はテーパ部が前記アバットメントの上端面に係合するまで前記二段式ネジ部材を前記アバットメントの前記メネジ部に螺合させると、前記二段式ネジ部材を軸線方向に正確に位置決めできることを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 請求項7又は8に記載のインプラント用キーパー組立体において、前記アバットメントの頭部の少なくとも一部は円錐台状であり、かつ前記キーパー本体の凹部の内面は前記アバットメント頭部の円錐台状部と相補的な円錐状であり、もって前記キーパー本体を前記アバットメントに締着したとき前記アバットメント頭部の前記円錐台状部が前記キーパー本体の前記凹部内面に密着することを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 請求項7〜9のいずれかに記載のインプラント用キーパー組立体において、前記キーパー本体の側面部の少なくとも一部がナット状であり、前記ナット状側面部に係合する工具を用いて前記キーパー本体を螺着方向に回転することを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 請求項7〜10のいずれかに記載のインプラント用キーパー組立体において、前記アバットメントは前記頭部の下端から半径方向外方に延出するフランジ部を有し、前記フランジ部の上面外周部は前記キーパー本体の外縁部に当接し、前記フランジ部の下面は前記インプラント本体の上端面に当接することを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 請求項7〜11のいずれかに記載のインプラント用キーパー組立体において、前記アバットメントの頭部は前記インプラント本体の中心軸線に対して傾斜しており、かつ前記アバットメントは前記インプラント本体の中央孔部に挿入される円筒部と、前記円筒部から前記頭部の側面まで延びる貫通孔とを有し、前記貫通孔及び前記円筒部を貫通するネジ部材を前記インプラント本体のメネジ部に螺着することにより、前記アバットメントを前記インプラント本体に固定することを特徴とするインプラント用キーパー組立体。
  • 说明书全文

    本発明は、義歯用磁気アタッチメントをインプラント本体に固定するためのインプラント用キーパー及びその組立体、並びにキーパーの固定方法に関する。

    近年、歯科インプラント治療において、義歯を容易に着脱できるように、顎骨に埋設したインプラント本体に軟磁性材料からなるキーパーを固定し、その上に磁石を内蔵した義歯アタッチメントを磁着させる方式が多用されている。

    米国特許第6,709,270号は、図15に示すように、インプラント本体110に螺合される軟磁性材料からなるキーパー103に、磁石155を内蔵した義歯アタッチメント105を磁着させる磁気式の歯科アタッチメントを開示している。 キーパー103は、上部に設けられた円錐状テーパ部135と、円錐状テーパ部135の上端外周面から突出し、裏側に円環状溝を有するリング部137とを有する。 インプラント本体110はキーパー103のテーパ部135と相補的な円錐状のテーパ凹部115を有する。 インプラント本体110にキーパー103を螺合させると、キーパー103のリング部137の先端部とインプラント本体110の上端部とが当接し、リング部137の先端部が径方向に弾性変形する。 この弾性変形により生じる張によりキーパー103の緩みを防止している。 しかし、米国特許第6,709,270号の義歯アタッチメントでは、リング部137の先端部とインプラント本体110の上端部との接触面積が小さいため、長期間使用するとリング部137の塑性変形により張力が低下し、キーパー110の緩みが生じる怖れがある。

    特開2009-131620号は、図16に示すように、(a) インプラント本体205と、(b) メネジ部243を有する頭部241を有し、インプラント本体205に螺合するアバットメント204と、(c) アバットメント204の頭部241を受承する凹部221、及び凹部221と連通するように中央軸線に沿って設けられたメネジ部222を有する軟磁性材料からなるキーパー本体202と、(d) キーパー本体202のメネジ部222とアバットメント204のメネジ部243に螺合するネジ部材203とからなり、インプラント本体205に螺合したアバットメント204にキーパー本体202を螺着した後、ネジ部材203をキーパー本体202のメネジ部222とアバットメント204のメネジ部243に螺着するインプラント用キーパー組立体を開示している。 しかし、ネジ部材203にはキーパー本体202又はアバットメント204に当接する部分がないので、キーパー本体202及びアバットメント204に螺着するネジ部材203の軸線方向位置を手で調整する必要がある。

    その上、キーパー本体202の頭部は1 mm程度と非常に薄いため、キーパー本体202のメネジ部222のネジ山はネジ部材203と螺合するのに必要最小限の数(3〜4個程度)しかない。 そのため、ネジ部材203の螺合位置がアバットメント204側にずれるとキーパー本体202とネジ部材203との結合強度が不十分になり、また反対側にずれるとネジ部材203の頭部がキーパー本体202の上面から飛び出してしまうので、手によるネジ部材203の正確な位置合わせが必要である。

    従って本発明の目的は、アバットメントに正確かつ簡単に螺着でき、長期間使用しても緩みが起こらないインプラント用キーパーを提供することである。

    本発明の別の目的は、上記インプラント用キーパーをアバットメントに固定する方法を提供することである。

    本発明のさらに別の目的は、キーパー本体と、アバットメントと、それらを螺合するためのネジ部材とからなるインプラント用キーパー組立体を提供することである。

    本発明のインプラント用キーパーは、(a) メネジ部を有するアバットメントの頭部を受承する凹部と、前記凹部と連通するように中央軸線に沿って設けられ、前記アバットメントのメネジ部より大きい呼び径を有するメネジ部とを有する軟磁性材料からなるキーパー本体と、(b) 前記アバットメントのメネジ部と螺合する小径ネジ部と、前記キーパー本体のメネジ部と螺合する大径ネジ部とを有する二段式ネジ部材とを具備し、前記アバットメントのメネジ部に前記小径ネジ部を螺合させ、前記キーパー本体のメネジ部に前記大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転させると、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体が前記アバットメントに強固に締着されることを特徴とする。

    本発明のインプラント用キーパーのアバットメントへの固定方法は、前記アバットメントのメネジ部に前記二段式ネジ部材の小径ネジ部を螺合させるとともに、前記キーパー本体のメネジ部に前記二段式ネジ部材の大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転し、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体を前記アバットメントに強固に締着させることを特徴とする。

    前記二段式ネジ部材は前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有し、前記段差部又はテーパ部が前記アバットメントの上端面に係合するまで前記二段式ネジ部材を前記アバットメントの前記メネジ部に螺合させると、前記二段式ネジ部材を軸線方向に正確に位置決めできるのが好ましい。

    顎骨に埋設されたインプラント本体に固定する本発明のインプラント用キーパー組立体は、(a) 頭部と、前記頭部の中央軸線に沿って設けられたメネジ部と、前記頭部の下方に延出し前記インプラント本体に螺着されるオネジ部とを有するアバットメントと、(b) 前記アバットメントの頭部を受承する凹部と、前記凹部と連通するように中央軸線に沿って設けられ、前記アバットメントのメネジ部より大きい呼び径を有するメネジ部とを有する軟磁性材料からなるキーパー本体と、(c) 前記アバットメントのメネジ部と螺合する小径ネジ部と、前記キーパー本体のメネジ部と螺合する大径ネジ部とを有する二段式ネジ部材とを具備し、前記アバットメントのメネジ部に前記二段式ネジ部材の小径ネジ部を螺合させるとともに、前記キーパー本体の� ��ネジ部に前記二段式ネジ部材の大径ネジ部を螺合させた後、前記キーパー本体を螺着方向に回転すると、前記二段式ネジ部材により前記キーパー本体が前記アバットメントに強固に締着されることを特徴とする。

    上記インプラント用キーパー及びその組立体において、前記二段式ネジ部材は前記小径ネジ部と前記大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有し、前記段差部又はテーパ部が前記アバットメントの上端面に係合するまで前記二段式ネジ部材を前記アバットメントの前記メネジ部に螺合させると、前記二段式ネジ部材を軸線方向に正確に位置決めできるのが好ましい。

    前記アバットメントの頭部の少なくとも一部は円錐台状であり、かつ前記キーパー本体の凹部の内面は前記アバットメント頭部の円錐台状部と相補的な円錐状であり、もって前記キーパー本体を前記アバットメントに締着したとき前記アバットメント頭部の前記円錐台状部が前記キーパー本体の前記凹部内面に密着するのが好ましい。

    前記キーパー本体の側面部の少なくとも一部はナット状であり、前記ナット状側面部に係合する工具を用いて前記キーパー本体を螺着方向に回転するのが好ましい。

    前記アバットメントは前記頭部の下端から半径方向外方に延出するフランジ部を有し、前記フランジ部の上面外周部は前記キーパー本体の外縁部に当接し、前記フランジ部の下面は前記インプラント本体の上端面に当接するのが好ましい。

    前記アバットメントの頭部は前記インプラント本体の中心軸線に対して傾斜しており、かつ前記アバットメントは前記インプラント本体の中央孔部に挿入される円筒部と、前記円筒部から前記頭部の側面まで延びる貫通孔とを有し、前記貫通孔及び前記円筒部を貫通するネジ部材を前記インプラント本体のメネジ部に螺着することにより、前記アバットメントを前記インプラント本体に固定するのが好ましい。

    本発明では大径ネジ部と小径ネジ部を有する二段式ネジ部材を用いるため、軟磁性材料からなるキーパー本体のメネジ部に螺合する大径ネジ部とアバットメントのメネジ部に螺合する小径ネジ部とは互いに逆方向に張力がかかり、キーパー本体とアバットメントとは二段式ネジ部材により強固に締着され、長期間使用してもそれらの緩みが生じない。 また、二段式ネジ部材は小径ネジ部と大径ネジ部との間に段差部又はテーパ部を有するので、二段式ネジ部材をアバットメントのメネジ部に螺合すると段差部又はテーパ部がアバットメントの上端面に係合し、二段式ネジ部材を軸線方向に正確かつ簡単に位置決めすることができる(螺合位置のずれを防止できる)。

    本発明のインプラント用キーパーは、部品点数が少なく、アバットメントへの取り付けが簡単なので、短時間での歯科インプラント治療を可能にする。

    本発明の第一の実施形態によるインプラント用キーパー組立体を示す分解断面図である。

    図1のインプラント用キーパー組立体を示す部分断面図である。

    本発明の第一の実施形態によるインプラント用キーパーを示す斜視図である。

    図3のインプラント用キーパーを示す部分断面斜視図である。

    本発明の第一の実施形態に用いるキーパー本体を示す断面図である。

    図3のインプラント用キーパーをアバットメントに螺着した状態を示す部分断面図である。

    図1のインプラント用キーパー組立体に磁気アタッチメントを吸着させた状態を示す部分断面図である。

    本発明の第二の実施形態によるインプラント用キーパー組立体を示す分解断面図である。

    図8のインプラント用キーパー組立体を示す部分断面図である。

    本発明の第二の実施形態によるインプラント用キーパーをアバットメントに固定した状態を示す拡大部分断面図である。

    本発明の第二の実施形態に用いる二段式ネジ部材を示す平面図である。

    図11(a) の二段式ネジ部材を示す部分断面図である。

    本発明の第二の実施形態によるインプラント用キーパーをアバットメントに螺着するために、二段式ネジ部材をアバットメントに螺合する直前の状態を示す部分断面図である。

    二段式ネジ部材をアバットメントに螺合する様子を示す部分断面図である。

    アバットメントに螺合した二段式ネジ部材にキーパー本体を被せた状態を示す部分断面図である。

    アバットメントに螺合した二段式ネジ部材をキーパー本体に螺合させる様子を示す部分断面図である。

    二段式ネジ部材がアバットメント及びキーパー本体に螺合した後、キーパー本体を螺着方向に回転させる様子を示す部分断面図である。

    二段式ネジ部材によりキーパー本体がアバットメントに強固に締着された状態を示す部分断面図である。

    本発明の第三の実施形態によるインプラント用キーパー組立体を示す分解断面図である。

    図13のインプラント用キーパー組立体を示す部分断面図である。

    米国特許第6,709,270号に記載の磁気式歯科アタッチメントを示す分解断面図である。

    特開2009-131620号に記載のインプラント用キーパー組立体を示す断面図である。

    本発明の実施態様を添付図面を参照して以下詳細に説明するが、一つの実施態様の説明は特に断りがなければ他の実施態様にも適用される。 また、図示の例は限定的でなく、本発明の思想の範囲内で種々の変更が可能である。

    [1] 第一の実施態様
    (a) 構成 本発明の第一の実施態様によるインプラント用キーパー及びその組立体を図1及び図2に示す。 インプラント本体5に固定されるインプラント用キーパー組立体は、インプラント本体5に螺着するアバットメント4と、キーパー1とを具備し、キーパー1は、ネジ穴22を有するキーパー本体2と、キーパー本体2のネジ穴22及びアバットメント4の頭部41のネジ穴45に螺合する二段式ネジ部材3とからなる。

    インプラント本体5は顎骨に埋設するために外周面にオネジ部53を有する円筒状部材であり、アバットメント4の下部オネジ部43を挿入するための中央孔部51と、中央孔部51の奥側に設けられオネジ部43と螺合するメネジ部52と、上端面から中央孔部51と同心円状に突出する円環状凸部54とを有する。 インプラント本体5は、通常のインプラント治療に応じた外径(約3〜6.5 mm)及び長さ(約10 mm)を有するのが好ましい。 インプラント本体5は、顎骨との生体適合性、耐食性及び機械的強度の観点から、純チタン又はチタン合金からなるのが好ましい。 生体適合性を向上させるために、ハイドロオキシアパタイトによる表面処理を施しても良い。

    アバットメント4は、キーパー1のテーパ状凹部21に係合する頭部41と、頭部41の下端より半径方向外方に延出したフランジ部42と、インプラント本体5のメネジ部52に螺着される下部オネジ部43とを有する。 フランジ部42は二段の上面を有し、外方の低い上面部42aにキーパー本体2の底縁部25が当接する。 またフランジ部42の下面42bはインプラント本体5の上端面に接し、下面42bにはインプラント本体5の円環状凸部54が係合する円環状凹部42cが設けられている。 アバットメント4の頭部41は、上端面中央に開口するメネジ部45と、ナット状側面部47とを有し、側面部47の一部はキーパー1のテーパ状凹部21に係合するテーパ面部47aになっている。 アバットメント4はインプラント本体5と同じ材料からなるのが好ましい。

    図1〜図6に示すように、円錐台形状のキーパー本体2は、アバットメント4の頭部41を受承するテーパ状凹部21と、テーパ状凹部21と連通するように上面23の中央に開口するメネジ部22とを有する。 キーパー本体2のメネジ部22は、アバットメント4のメネジ部45より大きい呼び径を有する。 キーパー本体2(高さt1)は円錐台状(D1<D2)であり、円錐状側面24の一部は例えばt1の1/2程度の高さt3を有する八ナット部24aになっている。 勿論八角ナット形状は一例であり、対向面の間隔がJIS B 1181 に適合した六角ナット形状でも良い。 キーパー本体2の上面23の大きさは磁気式義歯アタッチメント9(図7参照)の大きさに応じて適宜設定する。 キーパー本体2のテーパ状凹部21はアバットメント4の頭部41のテーパ面部47aと相補的であるので、テーパ状凹部21はテーパ面部47aと密に係合する。

    二段式ネジ部材3は、アバットメント4のメネジ部45に螺合する小径ネジ部31と、キーパー本体2のメネジ部22に螺合する大径ネジ部32とが同軸的かつ一体的に連結してなり、小径ネジ部31と大径ネジ部32との間に段差部33が設けられている。 二段式ネジ部材3がアバットメント4のメネジ部45に螺合すると、二段式ネジ部材3の段差部33はアバットメント4の上端面46に係合し、二段式ネジ部材3を軸線方向に正確に位置決めする係止部として機能する。 二段式ネジ部材3は、平坦な上端面34にドライバー係合用のクローバー穴34aを有する。 クローバー穴34aの代わりに、JIS B 1117に規定のすり割り又はJIS B 1177に規定の六角穴を用いても良い。

    二段式ネジ部材3の小径ネジ部31の呼び径d1は1.2〜1.8 mm程度であり、大径ネジ部32の呼び径d2は1.6〜3.0 mm程度であるのが好ましい。 小径ネジ部31の呼び径d1はネジとして機能するために最低でも1.2 mm程度は必要である。 また、大径ネジ部32の呼び径d2が3.0 mm超であるとキーパー本体2の上面23の面積が小さくなり、磁気式義歯アタッチメントへの吸着力が弱い。 二段式ネジ部材3の段差部33は、二段式ネジ部材3がアバットメント4への螺合の際にその上端面に係止される程度の大きさである必要があり、そのためには大径ネジ部32の呼び径d2と小径ネジ部31の呼び径d1との比d2/d1は1.2〜1.5程度であるのが好ましい。

    キーパー本体2は、磁気式義歯アタッチメントに磁気的に吸着されるように軟磁性材料で形成する必要があり、優れた軟磁性及び耐食性を有するフェライト系ステンレス鋼(JIS G 4303参照)が好ましい。 二段式ネジ部材3も、磁気式義歯アタッチメントに磁気的に吸着できるようにキーパー本体2と同様に軟磁性材料で形成するのが好ましいが、小さいのでチタンのような非磁性材料で形成しても良い。

    (b) 固定方法 上記インプラント用キーパー1をアバットメント4に固定するには、まず顎骨に埋設されたインプラント本体5のメネジ部52にアバットメント4のオネジ部43を螺合して、インプラント本体5にアバットメント4を固定する。 クローバー穴34aに嵌合するドライバを用いて、二段式ネジ部材3の段差部33がアバットメント4の上端面46に当接するまで、二段式ネジ部材3の小径ネジ部31をアバットメント4のメネジ部45に螺合させる。 次いで、キーパー本体2をアバットメント4に被せ、キーパー本体2のメネジ部22に二段式ネジ部材3の大径ネジ部32を螺合させる。 キーパー本体2の底縁部25がアバットメント4のフランジ部42の上面外周部42aに当接するか、キーパー本体2のテーパ状凹部21がアバットメント4の頭部41の上端面46に当接するまで、キーパー本体2を螺着方向に回転させる。

    キーパー本体2とアバットメント4が当接した状態で、所定のレンチでキーパー本体2を螺着方向(通常右ねじの方向)に回転させ、キーパー本体2をアバットメント4に強固に締着させる。 このとき、二段式ネジ部材3の上端面34はキーパー本体2の上面23から突出しないようにする。 すなわち、二段式ネジ部材3の上端面34をキーパー本体2の上面23と実質的に面一か僅かに低い状態になる。 螺合により二段式ネジ部材3の段差部33はアバットメント4の上端面46に当接するので、二段式ネジ部材3の大径ネジ部32をキーパー本体2のメネジ部22と同じか少し短く設定しておくことにより、二段式ネジ部材3の上端面34の位置決めを正確かつ容易に行うことができる。 また二段式ネジ部材3の段差部33がアバットメント4の上端面46に係止されることにより、キーパー本体2の二段式ネジ部材3への螺合位置がずれることがない。

    図2及び図6に示すように、キーパー本体2の二段式ネジ部材3への螺着により、二段式ネジ部材3の大径ネジ部32のネジ山の下側部分はキーパー本体2のメネジ部22のネジ山の上側部分を押圧し、二段式ネジ部材3の小径ネジ部31のネジ山の上側部分はアバットメント4のメネジ部45のネジ山の下側部分を押圧する。 つまり、二段式ネジ部材3によりキーパー本体2は下方に押圧され、アバットメント4は上方に押圧される。 そのため、キーパー本体2はアバットメント4に強固に締着され、繰り返し荷重がかかっても緩むことはない。

    (c) 磁気アタッチメント 図7に示すように、キーパー本体2の上面23に義歯の磁気アタッチメント9を磁気的に吸着させることにより、義歯を固定する。 磁気アタッチメント9自体は公知のもので良い(例えば、WO 2005/077297号参照)。 図7に示す磁気アタッチメント9は、円形断面の凹部を有する軟磁性材料からなるカップ状ヨーク91と、その凹部に収納され、厚さ方向に磁化された円板状の永久磁石92と、凹部を密封するシール板93からなる。 シール板93は、永久磁石92を凹部内に封止するとともに磁路となる部材であり、軟磁性材料からなる円板状ヨーク931と、その外周に固着された非磁性材料からなるシールリング932で構成されている。 上記軟磁性材料としてはフェライト系ステンレス鋼(例えばSUS447J1)のような耐食性金属が好ましく、上記非磁性材料としてはオーステナイト系ステンレス鋼(例えばSUS316L)のような耐食性金属が好ましい。

    永久磁石92には磁気特性の高いRTB系焼結磁石(例えばNd-Fe-B系異方性焼結磁石)が好適である。 この焼結磁石は、27〜34質量%のR(Yを含む希土類元素の少なくとも一種であり、Nd、Dy及びPrの少なくとも1種を必ず含む。)、0.6〜1.8質量%のB、残部実質的にT(Fe又はCo)からなる組成を有するのが好ましい。 Rが27質量%未満であると保磁力(iHc)が低すぎ、34質量%を超えると残留磁束密度Brが著しく低下する。 Bが0.6質量%未満であると実用に耐える保磁力が得られず、1.8質量%を超えるとBrが著しく低下する。 RTB系焼結磁石のより好ましい組成は、27〜32質量%のR、0.6〜1.8質量%のB、0.0001〜20質量%のCo、0.001〜3質量%のM(Al、Si、Cu、Ga、Nb、Mo及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種)、及び残部実質的にFeからなる。

    [2] 第二の実施態様
    (a) 構成 本発明の第二の実施態様によるインプラント用キーパー及びその組立体を図8〜図10に示す。 第二の実施態様は、キーパー本体2のネジ部材として図11に示す二段式ネジ部材6を用いた点を除いて、基本的に第一の実施態様と同じである。

    二段式ネジ部材6は、下から順に中心軸線に沿ってアバットメント4のメネジ部45に螺合する小径ネジ部61(長さL 1 )と、螺刻されていない小径部63(長さL 3 )と、キーパー本体2のメネジ部22に螺合する大径ネジ部62(長さL 2 )とを一体的に有する。 小径部63は、大径ネジ部62から小径ネジ部61に向かって縮径する第一テーパ部63aと、小径ネジ部61から大径ネジ部62に向かって縮径する第二テーパ部63bとからなる。 二段式ネジ部材6の上端面64にはドライバー嵌合用のクローバー穴64aが設けられている。 クローバー穴64aの代わりに、JIS B 1117に規定のすり割り又はJIS B 1177に規定の六角穴を用いても良い。 二段式ネジ部材6の小径ネジ部61及び大径ネジ部62の呼び径の大きさは二段式ネジ部材3と同じで良い。

    (b) 固定方法 上記キーパー1をアバットメント4に固定するには、図12(a) に示すようにクローバー穴64aに嵌合した工具Dにより二段式ネジ部材6の小径ネジ部61をアバットメント4のメネジ部45に螺合し、次いで図12(b) に示すように二段式ネジ部材6の第一テーパ部63aがアバットメント4の上端面46に当接するまで二段式ネジ部材6を螺着方向に回転させる。 その結果、図12(c) に示すように二段式ネジ部材6の小径ネジ部61のネジ山の上側部分がアバットメント4のメネジ部45のネジ山の下側部分を押圧する状態で、二段式ネジ部材6はアバットメント4に係止される。 キーパー本体2のメネジ部22の長さと二段式ネジ部材6の大径ネジ部62の長さを予め設定しておけば、二段式ネジ部材6の第一テーパ部63aのアバットメント4の上端面46への当接により、二段式ネジ部材6の上端面64を正確かつ容易に位置決めできる。 また二段式ネジ部材6の第一テーパ部63aのアバットメント4の上端面46への当接により二段式ネジ部材6はアバットメント4に係止されるので、キーパー本体2の螺着の際に二段式ネジ部材6の螺合位置がずれることがない。 従って、第一テーパ部63aを係止部と呼ぶことができる。

    図12(d) に示すように、キーパー本体2をアバットメント4に被せ、キーパー本体2のメネジ部22を二段式ネジ部材6の大径ネジ部62と螺合させる。 次いで、キーパー本体2の底縁部25がアバットメント4のフランジ部42に当接するか、キーパー本体2のテーパ状凹部21がアバットメント4の頭部41の上端面46に当接するまでキーパー本体2を螺着方向に回転させる。 図12(e) に示すように、所定のトルク(例えば20〜30 N・cm)に設定したレンチ16でキーパー本体2を螺着方向に回転させ、二段式ネジ部材6によりキーパー本体2をアバットメント4に強固に締着させる。 上記の通りキーパー本体2のメネジ部22及び二段式ネジ部材6の大径ネジ部62は所定の長さに設定されているので、二段式ネジ部材6の上端面64はキーパー本体2の上面23から突出しない(キーパー本体2の上面23と実質的に面一か僅かに低い)。

    キーパー本体2の螺着により、図10及び図12(f) に示すように、二段式ネジ部材6の大径ネジ部62のネジ山の下側部分はキーパー本体2のメネジ部22のネジ山の上側部分を押圧し、二段式ネジ部材6の小径ネジ部61のネジ山の上側部分はアバットメント4のメネジ部45のネジ山の下側部分を押圧する。 つまり、二段式ネジ部材6によりキーパー本体2は下方に押圧され、アバットメント4は上方に押圧される。 そのため、キーパー本体2はアバットメント4に強固に締着され、繰り返し荷重がかかっても緩むことはない。

    図12(a)〜図12(d) に示す手順の代わりに、二段式ネジ部材6の大径ネジ部62をキーパー本体2のメネジ部22に螺合させた後、アバットメント4のメネジ部45に二段式ネジ部材6の小径ネジ部61を螺合しても良い。 その際、二段式ネジ部材6の第一テーパ部63aがアバットメント4の上端面46に当接するまで二段式ネジ部材6をアバットメント4のメネジ部45に螺合させると、二段式ネジ部材6の小径ネジ部61のネジ山の上側部分がアバットメント4のメネジ部45のネジ山の下側部分を押圧した状態で二段式ネジ部材6はアバットメント4に係合する。 またアバットメント4にキーパー本体2を被せた後で、二段式ネジ部材6をキーパー本体2のメネジ部22及びアバットメント4のメネジ部45に順次螺合させても良い。

    [3] 第三の実施態様 本発明の第三の実施態様によるインプラント用キーパー及びその組立体を図13及び図14に示す。 このインプラント用キーパー組立体は、インプラント本体5にネジ8を用いて螺着するアバットメント7と、アバットメント7の頭部71に締着されるキーパー1とを具備する。 キーパー1はキーパー本体2及び二段式ネジ部材6からなる。 キーパー1及びインプラント本体5自体は第二の実施態様のものと同じである。

    アバットメント7は、キーパー本体2に係合する頭部71と、頭部71の下端に連結する拡径部72と、頭部71内を延在する貫通孔77に同軸的に連通し、拡径部72の下面72bから突出する円筒部73とを有する。 拡径部72の上面外周部72aはキーパー1の底縁部25に当接する。 アバットメント7の頭部71は上端面76に開口するメネジ部75を有し、メネジ部75に二段式ネジ部材6の小径ネジ部61が螺合する。 メネジ部75に螺合した二段式ネジ部材6の第一テーパ部63aは頭部71の上端面76と当接するので、アバットメント7の頭部71から突出する二段式ネジ部材6の大径ネジ部62の上端面はキーパー本体2の上面23と実質的に面一か僅かに低い状態になる。

    アバットメント7の頭部71及びそのメネジ部75は円筒部73(貫通孔77)に対して角度αだけ傾斜しているので、ネジ8を挿入する貫通孔77は頭部71の側面に開口している。 角度αは15〜35°の範囲内が好ましく、15〜30°がより好ましい。

    インプラント本体5の中央孔部51にアバットメント7の円筒部73を挿入した後、ネジ部材8をアバットメント7の貫通孔77に入れ、ネジ部材8のオネジ部81をインプラント本体5のメネジ部52に螺合させると、アバットメント7はインプラント本体5に固定される。 アバットメント7へキーパー1を螺着させる方法は第二の実施態様と同じである。

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