スクリューの結合維持具及び結合力維持具付きスクリュー

申请号 JP2014551168 申请日 2013-12-09 公开(公告)号 JPWO2014088116A1 公开(公告)日 2017-01-05
申请人 国立大学法人 鹿児島大学; 国立大学法人 鹿児島大学; 丸山鐵工株式会社; 发明人 宮脇 正一; 正一 宮脇; 孝和 八木; 孝和 八木; 博 友成; 博 友成; 木村 裕一; 裕一 木村; 康夫 大迫; 康夫 大迫; 聡 丸山; 聡 丸山;
摘要 結合 力 維持具(1)は、ミニスクリュー(2)のスクリュー部(3)を挿通させる穴(11)が形成され、ミニスクリュー(2)のヘッド部(5)を受け止める座部(10)を有する。また、結合力維持具(1)は、座部(10)の周囲からミニスクリュー(2)のねじ込み方向に延伸する3本の脚部(13)を有する。各脚部(13)は、座部(10)の周囲から外側に広がるように、かつ、徐々に細くなるように延伸する。ミニスクリュー(2)を 口腔 内の顎骨等に埋入、固定するときには、スクリュー部(3)を結合力維持具(1)の穴(11)に挿通させた状態で顎骨等にねじ込む。これにより、フランジ(7)が座部(10)で受け止められるとともに、フランジ部(7)に押されて3本の脚部(13)の先端が顎骨等の表面に圧接する。これにより、ミニスクリュー(2)の脱落を大幅に減らすことができる。
权利要求

対象部位に埋入させたスクリューの維持を増強するためのスクリューの結合力維持具であって、 前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、 前記座部の周囲から前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部とを備え、 前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で前記スクリューを前記対象部位にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記対象部位に圧接することを特徴とするスクリューの結合力維持具。前記各脚部の先端が尖っており、前記対象部位に食い込むことを特徴とする請求項1に記載のスクリューの結合力維持具。隣り合う前記脚部間が補強部によりつながっていることを特徴とする請求項1に記載のスクリューの結合力維持具。前記スクリューは、歯の移動のための矯正力を付与するときの固定源として用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載のスクリューの結合力維持具。対象部位に埋入させるスクリューであって、 前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、前記座部の周囲から前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部とを有する結合力維持具を備え、 前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で該スクリューを前記対象部位にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記対象部位に圧接することを特徴とする結合力維持具付きスクリュー。前記スクリューと前記結合力維持具との間に、前記結合力維持具を前記対象部位に向けて付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項5に記載の結合力維持具付きスクリュー。前記付勢部材による前記結合力維持具の移動量を規制するストッパーを備えたことを特徴とする請求項6に記載の結合力維持具付きスクリュー。

歯の移動のための矯正力を付与するときの固定源として用いられるスクリューを皮質骨に埋入させた状態で該スクリューの維持力を増強するためのスクリューの結合力維持具であって、 前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、 前記座部の周囲から外側に広がるように、かつ、徐々に細くなるように前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部と、 隣り合う前記脚部間をつなぐ補強部とを備え、 前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で前記スクリューを前記皮質骨にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記皮質骨に圧接することを特徴とするスクリューの結合力維持具。前記各脚部の先端が尖っており、前記皮質骨に食い込むことを特徴とする請求項1に記載のスクリューの結合力維持具。歯の移動のための矯正力を付与するときの固定源として用いられ、皮質骨に埋入させるスクリューであって、 前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、前記座部の周囲から外側に広がるように、かつ、徐々に細くなるように前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部と、隣り合う前記脚部間をつなぐ補強部とを有する結合力維持具と、 前記スクリューと前記結合力維持具との間に設けられ、前記結合力維持具を前記対象部位に向けて付勢する付勢部材とを備え、 前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で該スクリューを前記皮質骨にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記皮質骨に圧接し、その状態から、前記付勢部材により前記各脚部の先端が前記皮質骨に食い込むようにしたことを特徴とする結合力維持具付きスクリュー。前記付勢部材による前記結合力維持具の移動量を規制するストッパーを備えたことを特徴とする請求項3に記載の結合力維持具付きスクリュー。

说明书全文

本発明は、例えば歯科矯正治療に利用して好適なスクリューの結合維持具及び結合力維持具付きスクリューに関する。

歯科矯正治療において、矯正力により目的の歯を移動させるためには、その矯正力に抗する固定源が必要となる。通常、固定源として、他の歯(大臼歯等)、頭部や頸部等が用いられてきた。 しかしながら、他の歯を固定源とする場合、動かしたくない歯が移動してしまうことがあるという欠点があった。また、頭部や頸部を固定源とする場合は、ヘッドギア等の装置を装着しなければ効果がないため、患者の協力が不可欠であるという欠点があった。

Bra・・nemark(a・・はaの上に・・がある表記とする)らによって強固な骨結合(osseo-integration)を示す生体親和性の高いチタン製の人工歯根(デンタルインプラント)が開発されて以降、それを絶対的固定源として用いた歯科矯正治療が1960年代に考案され、利用されるようになってきた。 しかしながら、チタン製のデンタルインプラントは、極めて高価であり埋入部位が限られていることに加え、外科的侵襲が大きく、さらに、強固に骨と結合しているので埋入後には撤去が難しく、一時的に用いるための加強固定としては使用しにくい等の理由から、近年では、骨折等の治療で骨片の固定に用いられていたミニスクリューを固定源に用いた歯科矯正治療が行われるようになってきた(例えば特許文献1や特許文献2を参照)。この技術は、口腔内の例えば顎骨、歯槽骨、頬骨、口蓋骨(以下、「顎骨等」と記す)にミニスクリューを埋入、固定して、このミニスクリューにプレートやワイヤーを支持させて固定するものである。

特開平11−164843号公報

特開2001−187071号公報

ミニスクリューを用いることにより、外科的侵襲が小さく、患者の不快症状も少なくすることができる。最近では、埋入がより容易に行えるセルフドリリング(予め骨に穴をあけず、直接スクリューを埋入できるもの)タイプが主流となってきている。 しかしながら、ミニスクリューは埋入時、歯槽骨内の歯根と歯根の狭いスペースに正確に埋入する必要があるため、常に歯根に接触する危険性をはらんでいる。また、埋入部位や適応症例の制限、歯根への損傷、高度な診断と埋入技術の必要性、約15%は脱落する等の欠点がある。ミニスクリューが脱落する原因として、ミニスクリューの形態や熟練を要する埋入時の操作等に加え、顎骨等内でのミニスクリューと歯根との接触が挙げられている。特にミニスクリューの長さを長くすると、顎骨等の皮質骨(骨の表面1〜3mm程度の部分)を貫通して海綿骨に入っていく部分が長くなるため、脱落の主な原因となる歯根に接触する危険性が増す。 また、埋入の成功率を高めるためには、ミニスクリューと顎骨等の皮質骨との間の物理的な接触面積を増加させて結合力を増加させることが考えられるが、ミニスクリューの直径を大きくすると、脱落の主な原因となる歯根に接触する危険性が増すことに加え、セルフドリリングの際埋入時のトルクが増して、皮質骨に亀裂が走るようなおそれもある。

そのため、従来のミニスクリューを用いる場合、歯根との接触を避けるために、埋入時に安全な位置や挿入度を決定する必要があり、CT等の高額な画像検査やこれに伴う放射線被爆、さらに、高度な診断技術や高度な治療技術が必要となる欠点もあった。 また、混合歯列期の患者(子供)に対しては、永久歯の歯胚が歯槽骨内に存在することから、通常の術式でミニスクリューを埋入すると歯胚を傷つけるため、従来のミニスクリューを用いることができなかった。そのため、平成24年9月に日本矯正歯科学会が作成した歯科矯正用アンカースクリューのガイドラインでは、適応年齢については、原則として成人または永久歯列完成後の成長晩期の若年者に限定されている。 ミニスクリューの安定性を獲得するために、例えば顎骨等の皮質骨と海綿骨に触れるネジの部分のピッチを変えたミニスクリュー等も考案されている。このように成功率を向上させる試みが行われてきているが、口蓋以外の部位において約15%は脱落するというデータもあり、未だ解決方法は得られていない。 以上のようにミニスクリューの埋入後の安定性を得るためには、ある程度の長さと直径が求められるが、その反面、歯根との接触や結合力の低下を招くおそれがあり、これらはトレードオフの関係にある。そのため、従来のミニスクリューは改良が進んでいるにもかかわらず、未だ埋入可能領域の制限があり、脱落や破折のリスクが払拭できないでいるのが現状である。

本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、安全性とスクリューの結合力を飛躍的に高めて、スクリューの脱落を大幅に減らすことと、埋入可能領域の適用範囲を広げることを目的とする。

本発明のスクリューの結合力維持具は、対象部位に埋入させたスクリューの結合力を維持するためのスクリューの結合力維持具であって、前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、前記座部の周囲から前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部とを備え、前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で前記スクリューを前記対象部位にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記対象部位に圧接することを特徴とする。 また、本発明のスクリューの結合力維持具の他の特徴とするところは、前記各脚部の先端が尖っており、前記対象部位に即時あるいは経時的に食い込む点にある。 また、本発明のスクリューの結合力維持具の他の特徴とするところは、隣り合う前記脚部間が補強部によりつながっている点にある。 また、本発明のスクリューの結合力維持具の他の特徴とするところは、前記スクリューは、歯の移動のための矯正力を付与するときの極めて強固な固定源として用いられるものである点にある。 本発明の結合力維持具付きスクリューは、対象部位に埋入させるスクリューであって、前記スクリューのスクリュー部を挿通させる穴が形成され、前記スクリューのヘッド部を受け止める座部と、前記座部の周囲から前記スクリューのねじ込み方向に延伸する複数本の脚部とを有する結合力維持具を備え、前記スクリュー部を前記穴に挿通させた状態で該スクリューを前記対象部位にねじ込むと、前記ヘッド部が前記座部で受け止められるとともに、前記ヘッド部に押されて前記複数本の脚部の先端が前記対象部位に圧接することを特徴とする。 また、本発明の結合力維持具付きスクリューの他の特徴とするところは、前記スクリューと前記結合力維持具との間に、前記結合力維持具を前記対象部位に向けて付勢する付勢部材を設けた点にある。この場合に、前記付勢部材による前記結合力維持具の移動量を規制するストッパーを備えるようにしてもよい。

本発明によれば、結合力維持具よりスクリューの結合力を飛躍的に高めることができ、埋入可能領域の適用範囲も広げることが可能となり、さらに、スクリューの脱落を大幅に減らすことができる。

図1Aは、第1の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の平面図である。

図1Bは、第1の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の側面図である。

図1Cは、第1の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の底面図である。

図2は、第1の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の斜視図である。

図3は、第1の実施形態に係るミニスクリューの斜視図である。

図4は、第1の実施形態に係るミニスクリューと結合力維持具の使用状態を示す図である。

図5は、第2の実施形態に係る結合力維持具付きスクリューを示す斜視図である。

図6Aは、第3の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の平面図である。

図6Bは、第3の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の側面図である。

図6Cは、第3の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の底面図である。

図7は、第3の実施形態に係るスクリューの結合力維持具の斜視図である。

図8は、第4の実施形態に係る結合力維持具付きスクリューを説明するための図である。

図9は、第4の実施形態に係る結合力維持具付きスクリューの変形例を説明するための図である。

図10Aは、ミニスクリューの例を示す図である。

図10Bは、ミニスクリューの例を示す図である。

図10Cは、ミニスクリューの例を示す図である。

図10Dは、ミニスクリューの例を示す図である。

以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。 (第1の実施形態) 本願発明者は、ミニスクリューのみに改善を求めるだけでは不十分と判断し、その補助装置となる「スクリューの結合力維持具」を発明するに至った。 図1A〜図1C、図2に、本発明を適用した第1の実施形態に係るスクリューの結合力維持具1を示す。また、図3に、ミニスクリュー2を示す。

図3に示すミニスクリュー2は、歯科矯正治療において口腔内の顎骨等に埋入して、歯の移動のための矯正力を付与するときの固定源として用いられる。 ミニスクリュー2は、下側からスクリュー部3と、円柱部4と、ヘッド部5とを有する。スクリュー部3が顎骨等に埋入されて、ヘッド部5の一部が口腔内において外部に露出した状態となる。ヘッド部5は、上端側の係合部6と、スクリュー部3の上に位置するフランジ部7とを有する。係合部6は略六角柱形状であり、その上面には十字溝8が形成されている。係合部6の側面にドライバー等のツールを嵌め、又は十字溝8にツールを挿入してツールを係合部6に係合させた状態でツールを回すことにより、スクリュー部3をねじ込むことができる。ヘッド部5において、係合部6とフランジ部7との間には括れ部9が形成されている。この括れ部9や係合部6に、矯正用器具・材料を接続、支持させて固定する。

図1A〜図1C、図2に示す結合力維持具1は、顎骨等に埋入させたミニスクリュー2の維持力を増強するために用いられる。 結合力維持具1は、ミニスクリュー2のヘッド部5を受け止める座部10を有する。座部10の中央には、ミニスクリュー2のスクリュー部3を挿通させる穴11が形成されている。ここで、ミニスクリュー2のフランジ部7の下面は円弧面のテーパー状になっており、これに合わせて座部10も円弧面状の凹形状部12を有する。 また、結合力維持具1は、座部10の周囲からミニスクリュー2のねじ込み方向に延伸する3本の脚部13を有する。各脚部13は、座部10の周囲から外側に円弧状に膨らんで広がるように、かつ、徐々に細くなるように延伸する。隣り合う脚部13間は、内側に凹むようにした円弧面部14でつながっており、この円弧面部14が脚部13の補強部として機能する。

ミニスクリュー2を口腔内の顎骨等に埋入、固定するときには、スクリュー部3を結合力維持具1の穴11に挿通させた状態で顎骨等にねじ込む。これにより、図4に示すように、フランジ7が座部10で受け止められるとともに、フランジ部7に押されて3本の脚部13の先端が顎骨等の表面15に圧接する。本実施形態では、各脚部13の先端を例えば包丁や釘の先端のように三角形錐状或いは円錐状に尖った鋭利な刃や針のような形状として、各脚部13の先端を顎骨等の皮質骨に埋入する時のトルクが5〜30N程度になった場合0.1〜0.9mm程度食い込ませることを想定している。なお、食い込ませる量は限定されるものではなく、必要に応じて0.1mmより小さくてもよいし、0.9mmより大きくてもよい。

本実施形態に係る結合力維持具1を用いることによりミニスクリュー2の結合力を飛躍的に向上させることができ、硬度の高い皮質骨との接触面積が増加し機械的嵌合力が高まることから、ミニスクリュー2の脱落を大幅に減らすことができる。 すなわち、結合力維持具1の脚部13が顎骨等の表面(緻密で強度の高い皮質骨)に圧接し、皮質骨に食い込むので、結合力維持具1に圧接するミニスクリュー2の維持力を飛躍的に高めることができる。 また、ミニスクリュー2には矯正用器具が接続するため、一径方向への引っ張り力が作用する。この場合にも、結合力維持具1の脚部13が引っ張り力に対する抗力を発揮する。特に本実施形態のように各脚部13が外側に広がるように、すなわちミニスクリュー2の径方向に広がるように延伸する形状とすることで、引っ張り力に対する大きな抗力を発揮することができる。したがって、治療中の矯正力の負荷に対してミニスクリュー2が傾いたり、脱落したりするのを防ぐことができる。

以上のようにミニスクリュー2の維持力を飛躍的に向上させることができるので、従来あるミニスクリュー(直径1.2〜2.0mm程度、長さ4.0〜8.0mm程度)はもちろん、従来は使用できなかった長さの短いミニスクリューを使用することも可能になる。これにより、顎骨等内での歯根との接触を回避できるようになるだけでなく、CT等の高額な画像検査や放射線被爆、高度な診断技術や高度な治療技術も不要となる。さらに、乳歯列期や混合歯列期の若年者に対してもミニスクリューを使用できる適応症例の拡大が、従来技術と比較して極めて優位性の高い点である。

また、本発明を適用した結合力維持具1では、3本の脚部13の先端が顎骨等の表面に圧接して皮質骨に食い込む構成としているが、これは次のような理由からである。 すなわち、顎骨等の表面は平坦面とは限らず、凹凸のある複雑な形状である。そのため、例えば円板形状の座金を用いることを考えた場合、座金と顎骨等の表面との間に隙間ができてしまう。それに対して、本発明を適用した結合力維持具1では、顎骨等の表面が凹凸のある複雑な形状であっても、脚部13の先端が鋭利であるため、各脚部13の食い込みが異なることで3本の脚部13の先端を確実に顎骨等の表面に接触させることができる。 また、口腔内において顎骨等は歯肉で覆われている。そのため、例えば円板形状の座金を用いることを考えた場合、座金が歯肉を圧迫して血流の遮断による壊死等が起こる可能性がある。或いは、広い面積(座金の面積分)で歯肉を剥離するという外科的侵襲の大きな処置が必要となる。それに対して、本発明を適用した結合力維持具1では、3本の脚部13の先端を顎骨等の表面に圧接させれば良いので、このような問題は生じない。

(第2の実施形態) 第2の実施形態として、第1の実施形態で説明した結合力維持具1とミニスクリュー2とを一体型とした「結合力維持具付きスクリュー」を説明する。 図5に、本発明を適用した実施形態に係る結合力維持具1付きスクリュー2を示す。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。 結合力維持具1がミニスクリュー2から脱落しないように、かつ、ミニスクリュー2と結合力維持具1とが相対回転可能となるように、スクリュー部3側から抜け止め部材を設ける。なお、フランジ部7があるので、結合力維持具1がミニスクリュー2のヘッド部5方向に抜けることはない。

(第3の実施形態) 図6A〜図6C、図7に、本発明を適用した第3の実施形態に係るスクリューの結合力維持具1を示す。なお、第1の実施形態とは形状が異なるだけであって、基本的構成は同様であり、同じ構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。 本実施形態においても、結合力維持具1は、ミニスクリュー2のヘッド部5を受け止める座部10を有する。座部10の中央には、ミニスクリュー2のスクリュー部3を挿通させる穴11が形成されている。ここで、ミニスクリュー2のフランジ部7の下面は円弧面のテーパー状になっており、これに合わせて座部10も円弧面状の凹形状部12を有する。 また、結合力維持具1は、座部10の周囲からミニスクリュー2のねじ込み方向に延伸する3本の脚部13を有する。各脚部13は、座部10の周囲から外側に広がるように、かつ、徐々に細くなるように延伸する。本実施形態の場合、各脚部13の中央に脚部13の延伸方向に伸びる稜線が形成されている。隣り合う脚部13間は、内側に凹むようにした円弧面部14でつながっており、この円弧面部14が脚部13の補強部として機能する。

(第4の実施形態) 第4の実施形態として、結合力維持具1とミニスクリュー2とを一体型とし、付勢部材を備えた「結合力維持具付きスクリュー」を説明する。 図8に、本発明を適用した実施形態に係る結合力維持具1付きスクリュー2を示す。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。

図8に示すように、ミニスクリュー2は、ヘッド部5を有する。また、結合力維持具1は、ミニスクリュー2のスクリュー部3を挿通させる穴11(図8では不図示)が形成され、ミニスクリュー2のヘッド部5を受け止める座部10と、座部10の周囲からミニスクリュー2のねじ込み方向に延伸する複数本の脚部13とを有する。 なお、本実施形態では、ミニスクリュー2のヘッド部5のフランジ部7がフラットな形状のものを図示するが、第1〜第3の実施形態で説明したようなミニスクリュー2の形状や結合力維持具1の形状としてもかまわない。

本実施形態では、ミニスクリュー2のヘッド部5と結合力維持具1の座部10との間に、板ばねや一重のコイルスプリング等の付勢部材15が可動状態で挟み込まれている。

ミニスクリュー2を口腔内の顎骨等に埋入、固定するときには、図8の左側の状態に示すように、スクリュー部3を結合力維持具1の穴11に挿通させた状態で顎骨等にねじ込む。これにより、図8の真中の状態に示すように、付勢部材15が圧縮されてフランジ7が座部10で受け止められるとともに、フランジ部7に押されて脚部13の先端が顎骨等の表面15に圧接し、皮質骨に食い込む。そして、図8の真中の状態から時間が経過すると(例えば4〜8週間後)、図8の右側の状態に示すように、付勢部材15により、各脚部13の先端が顎骨等の皮質骨に徐々にさらに食い込んだ状態となる。これにより、強固な維持力を発揮することができる。

ここで、ミニスクリュー2には、ストッパー16が装着されている。ストッパー16は、付勢部材15による結合力維持具1の移動量を規制する。このストッパー16により、各脚部13の先端を顎骨等の皮質骨に食い込ませる量を適宜設定することができ、過剰に食い込むのを防止することができる。また、ストッパー16は、結合力維持具1がミニスクリュー2から脱落しないように、かつ、ミニスクリュー2と結合力維持具1とが相対回転可能となるようにした抜け止め部材も兼ねる。なお、ストッパー16の形状等はどのようなものでもよい。 また、別部材としてのストッパー16を持たないタイプとしてもよい。例えば図9に示すように、ヘッド部5とスクリュー部3との間の円柱部4の径を、スクリュー部3の上端より細くして、段差17を有する形状としてもよい。結合力維持具1は、円柱部4の範囲(ヘッド部5の下端からスクリュー部3の上端までの範囲)で移動できるが、付勢部材15により結合力維持具1が付勢されても、段差17でそれ以上移動できなくなる。なお、図9では段差17を有するようにしたが、円柱部4の径がスクリュー部3に向かうにつれて拡径する逆テーパーの形状としてもよい。このように、ミニスクリュー2自体に、結合力維持具1の付勢部材15による移動量を規制するストッパーの役目を負わせる。この形態により、各脚部13の先端を顎骨等の皮質骨に食い込ませる量を適時設定できる。

以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。 例えば第1〜第4の実施形態で示したミニスクリュー2は限定されるものではなく、各種ミニスクリューを用いることができる。図10A〜図10Dに、ミニスクリュー2の例を示す。図10A、図10Bに示すのは、スクリュー部3がまっすぐなタイプである。図10Aに示すのは、緻密で強度の高い皮質骨に螺合する部分のピッチは細かく、海面骨に螺合する部分のピッチは粗くしたダブルピッチのミニスクリュー2である。図10Bに示すのは、スクリュー部3のピッチを全域において等しくしたミニスクリュー2である。また、図10C、図10Dに示すのは、スクリュー部3が先端に向けて縮径するテーパー状のタイプである。図10Cに示すのは、緻密で強度の高い皮質骨に螺合する部分のピッチは細かく、海面骨に螺合する部分のピッチは粗くしたダブルピッチのミニスクリュー2である。図10Dに示すのは、スクリュー部3のピッチを全域において等しくしたミニスクリュー2である。

また、上記実施形態では結合力維持具1が3本の脚部13を有する例を説明したが、その本数は限られるものではない。ただし、2点支持よりも3点支持以上の方が安定性は増すので、3本以上の脚部13を有するのが好ましい。一方、脚部13の数が多くなると、歯肉に圧迫する箇所が増えたり、歯肉を剥離する箇所が増えたりするので、必要最低限の3本とするのが好ましい。 また、各部のサイズ等は歯肉や皮質骨の厚み等に合わせて適宜選択されればよく、限定されるものではない。なお、結合力維持具1の高さは、口腔内において歯肉外に出る部分が極力少なくなるように高さを低くするのが好ましい。

本発明は、スクリューの埋入の長さが十分に確保できないような部位にも使用できるので、顎骨に対してはデンタルインプラントの代替品として、また、神経の走行に十分な配慮が必要な脊椎やその他の整形外科領域、更には一般工業製品にも応用可能である。

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