コラーゲン含有創傷被覆材及び該被覆材を製造する方法

申请号 JP2017545676 申请日 2016-01-11 公开(公告)号 JP2018509209A 公开(公告)日 2018-04-05
申请人 ボティス バイオマテリアルズ ゲーエムベーハー; 发明人 ビーレンスタイン,オリバー; タディッチ,ドラジェン;
摘要 本発明はインプラント、特に創傷被覆材の形のインプラントを製造する方法に関する。インプラントはコラーゲン不織体に包埋されたマグネシウムシート材からなる。【選択図】図2
权利要求

インプラント、特に創傷被覆材を製造する方法であって、マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたシート状構造体をコラーゲン含有調製物で被覆し、該コラーゲン含有調製物を乾燥させる、方法。コラーゲン含有懸濁液を前記コラーゲン含有調製物として使用する、請求項1に記載のインプラントを製造する方法。天然コラーゲンを含む懸濁液を使用する、請求項2に記載のインプラントを製造する方法。マグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体は、メッシュの形である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインプラントを製造する方法。マグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体は、幾何学的に安定している、請求項1〜4のいずれか一項に記載のインプラントを製造する方法。マグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体を支持体に適用する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のインプラントを製造する方法。コラーゲン膜、特に動物又はヒト由来の凍結乾燥した皮膚を前記支持体として使用する、請求項6に記載のインプラントを製造する方法。少なくともマグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体を被覆する前に、前記コラーゲン含有調製物を5.5より高い、好ましくは6.5より高いpH値に調整する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインプラントを製造する方法。前記コラーゲン含有調製物の乾燥を凍結乾燥により行う、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインプラントを製造する方法。インプラント、特に請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法により作製可能なインプラントであって、コラーゲン含有シート状構造体に接合しており、特に該コラーゲン含有シート状構造体に包埋されている、マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたシート状構造体を含む、インプラント。前記インプラントは、支持体、特にコラーゲン膜で構成された支持体を含み、該支持体上に前記コラーゲン含有シート状構造体が配置される、請求項10に記載のインプラント。マグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体は、少なくとも一部に開孔を有し、特にメッシュの形である、請求項10又は11に記載のインプラント。マグネシウム又はマグネシウム合金で構成された前記シート状構造体の厚さは、20μm〜1mm、好ましくは50μm〜300μmである、請求項10〜12のいずれか一項に記載のインプラント。湾曲している、請求項10〜13のいずれか一項に記載のインプラント。前記コラーゲン含有シート状構造体は、不織布及び/又はコラーゲン膜の形である、請求項10〜14のいずれか一項に記載のインプラント。

说明书全文

本発明はコラーゲン含有インプラント、特に創傷被覆材として使用されるコラーゲン含有インプラントに関する。本発明はこのようなインプラントを製造する方法にも関する。

コラーゲン含有創傷被覆材は様々な実施の形態での実施により知られている。例えば、特にコラーゲンで構成された不織布型の創傷被覆材が知られており、この被覆材は天然コラーゲンの懸濁液から作製される。化学的に溶解したコラーゲンから作製されたインプラントとは対照的に、天然コラーゲンから作製された被覆材は一般的に、良好な柔軟性及び引き裂き抵抗を示すという利点がある。

さらにドナー皮膚、特に動物由来のドナー皮膚から作製された創傷被覆材が利用可能である。特にブタ由来の中間層皮膚移植片がこの目的で使用され、該移植片は本質的に無菌のコラーゲン骨格が保たれるように湿式化学処理、特に酸性化及び酸化処理により調製される。このような創傷被覆材は特に熱傷に使用される。

このような既知のインプラントの不利点は、インプラントが屈曲状態では幾何学的に安定せず、すなわち適用場所によっては、インプラントが創傷部から巻き剥がれる(roll off)か、又はインプラントで被覆された欠損部位へと沈みやすいことであり、これは望ましくない。

特に小さい曲げ半径が必要となる顎領域におけるこのようなコラーゲンインプラントの使用が考慮されており、コラーゲンインプラントは予め骨移植片材料が補填されている骨の欠損部位への軟組織の内方成長を妨げるのに使用されることが多い。

背景技術を考慮して、本発明は、少なくとも従来技術の上述の不利点を軽減するという目的に基づいている。

本発明の特定の目的は、特に屈曲状態で幾何学安定性が改善された創傷被覆材を提供することである。

本発明の目的は、独立クレームのいずれか一項に記載されている、インプラントを製造する方法及びインプラントによって既に達成されている。

本発明の好ましい実施の形態及び変形形態は、それぞれの従属クレームの主題によって特定される。

本発明はインプラント、特に創傷被覆材として使用されるインプラントを製造する方法に関する。

本発明によれば、マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたシート状構造体をコラーゲン含有調製物で被覆し、コラーゲン含有調製物を乾燥させる。このようにして、マグネシウムが少なくとも部分的にコラーゲンに封入された、コラーゲンとマグネシウムとを含む複合材が作製される。

シート状構造体は特に、フィルム、メッシュ、布、特に不織布又は編布を指す。シート状構造体は特に0.5平方センチメートルより大きいサイズを有し、使用者が屈曲させることができる。マグネシウム又はマグネシウム合金からなるフィルムを使用することが好ましく、該フィルムは開孔を有していてもよく、特にメッシュの形で与えられていてもよい。

マグネシウムを用いることで、複合材の固有の幾何学安定性の改善が達成される。特に、この複合材は、被覆した欠損部位へと沈みにくい。同時に、マグネシウム又はマグネシウム合金は、留置後、或る特定期間内に分解する生体吸収性材料であり、このことは留置後にインプラントを取り出す必要がないことを意味している。

マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体の被覆は、任意の好適な方法で、特にシート状構造体を上記調製物に浸すか、又はシート状構造体上に上記調製物を注ぐ若しくは吹き付けることにより、シート状構造体を上記調製物で被覆することにより行うことができる。

マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体の被覆により、実質的に連続したコラーゲン層が形成されることが好ましい。特に、コラーゲンの不織布が乾燥後に形成される。

しかしながら、単に一種のフラフ(fluff:毛羽)がマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体上に形成されていることも考えられる。開孔のあるマグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体、特にメッシュの形のシート状構造体を使用することが特に考えられる。後者の実施の形態の変形では、コラーゲン懸濁液から形成されたシート状構造体がマグネシウム又はマグネシウム合金骨格をフラフによってのみ被覆することから、該コラーゲン懸濁液から形成されたシート状構造体も開孔を有し、またメッシュの形になる。このように適用された懸濁液は特に、更なる層、特にコラーゲン膜に対する付着促進剤として働くことができる。

コラーゲン含有調製物は液体であり、乾燥、特に凍結乾燥により凝固する。

特にコラーゲン含有懸濁液がコラーゲン含有調製物として使用される。天然コラーゲンを使用することが好ましく、天然コラーゲンは、コラーゲン原線維が大きく保存されており、化学的に溶解されていないコラーゲンを意味するものである。特に、天然のI型コラーゲンが使用される。このようなコラーゲン懸濁液は、特にドナー皮膚、好ましくはブタ由来のドナー皮膚から作製することができる。この場合、皮膚は例えば細かく刻むことにより機械的に粉砕され、湿式化学的に、好ましくは酸処理及び酸化処理により更に加工することで、特に脂肪の大部分を除去し、実質的に無菌の出発材料が残る。

特に固形分が0.5%〜5%(百分率は常に重量パーセントである)のコラーゲン懸濁液が使用される。

酸処理については、特に塩酸又はリン酸を使用することができる。塩化物イオンを含んでいると、マグネシウムの腐食が進むことから、塩化物イオンを含まない酸、すなわち特にリン酸を使用することが好ましい。

本発明の一実施の形態により与えられるようなマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体はコーティング層、特に不動態化層を有することができる。フッ化マグネシウム不動態化層を有するシート状構造体を使用することが特に考慮される。フッ化マグネシウム不動態化層を有するシート状構造体は、シート状構造体をフッ化素酸に含浸させることにより作製することができる。

コラーゲン含有調製物は、少なくともマグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体を被覆する前に中和する、特に5.5より高い、好ましくは6.5より高いpHに中和することが好ましい。こうすることで、マグネシウム又は不動態化層が溶解するリスクを防ぐ。

中和は塩基性バッファー、特にリン酸バッファー、例えばリン酸三ナトリウムを用いて達成される。

マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたシート状構造体は特にメッシュの形で与えることができる。シート状構造体は開孔のあるシートの形で与えられることが好ましい。これにより、例えばワイヤから編まれたメッシュと比較してより良好な幾何学安定性がもたらされる。

特に開孔が導入された厚さ20μm〜300μmのマグネシウムシートを基材として使用する。

開孔は、結合の改善をもたらす働きがある。

本発明の一実施の形態によれば、マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体を支持体上に適用する。

特に例えば湿式化学的に調製され、凍結乾燥された動物又はヒト由来の皮膚等のコラーゲン膜を支持体として用いる。特に湿式化学的に調製されたブタ由来の中間層皮膚移植片を使用することができる。

マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体を支持体上に適用したら、シート状構造体をコラーゲン含有調製物で被覆し、3成分、すなわち支持体;支持体上に配された、調製物を乾燥することにより形成されたコラーゲン不織布;及びコラーゲン不織布に包埋され、同時に支持体に接合しているマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体からなる複合材を形成することが好ましい。

特にコラーゲン含有懸濁液を使用することによって、マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体を更なる手段により支持体に接合させる必要がない複合材を作製することが可能である。

しかしながらそれでも、複合材の結束性(cohesion)を改善させるために、例えば縫合により、支持体をマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体に接合させることも考えられる。

さらに、マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体は、結合を改善させるために、例えば粗面の形の、又は小さいバーブ(barbs:羽枝)の形のテクスチャを有していてもよい。

しかしながら、マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体を一種のポケットに組み込むことも考えられる。例えば特に、上部のコラーゲン膜と下部のコラーゲン膜とからなる中間層皮膚移植片を調製することが可能である。マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体をこのように形成されたポケットに挿入する。

マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体を2つのコラーゲン膜の間に配置することも考えられる。特に2つのコラーゲン膜から、例えば縫合によりポケットを形成することが可能である。本発明のこの実施の形態は、コラーゲン膜の間に入れる前に、マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体を、後に隣接膜への付着促進剤として働くコラーゲン懸濁液で被覆することを排除するものではない。特にコラーゲン懸濁液でコーティングされたマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体を濡れたまま2つのコラーゲン膜の間に導入した後、任意にコラーゲン膜同士を押し付け、得られる複合材を凍結乾燥する。

本発明により得られる複合材の厚さは4mm未満、好ましくは3mm未満とする。

さらに本発明は特に上記のように作製することができるインプラントに関する。

インプラントは、マグネシウム又はマグネシウム合金で構成されたシート状構造体を含む。このシート状構造体はコラーゲン含有シート状構造体に接合されており、特にマグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体はコラーゲン含有シート状構造体に包埋されている。

しかしながら、コラーゲン含有シート状構造体を隣接マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体と、例えば縫う又は接着することにより接合させることも考えられる。特に上記の支持体、すなわちコラーゲン膜を使用することができる。膜は、例えば織り交ぜる(interweaving)ことによっても接合することができる。

コラーゲン含有シート状構造体は特にコラーゲン不織布とすることができ、該不織布は、天然コラーゲンの懸濁液の凍結乾燥により上記のように調製することができる。

コラーゲン含有シート状構造体は、連続層の形で与えることができるが、開孔を有していてもよい。特にメッシュ状マグネシウム又はマグネシウム合金シート材を用いる場合、該シート材はコラーゲン不織布のフラフのみで被覆されていればよい。

本発明の一実施の形態では、インプラントは支持体、特にコラーゲン膜で構成された支持体を含み、該支持体上にコラーゲン含有シート状構造体が配置される。

マグネシウム又はマグネシウム合金シート状構造体の少なくとも一部に開孔があり、したがって特にメッシュの形で与えられることが好ましい。

マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体の厚さは、好ましくは20μm〜1mm、最も好ましくは50μm〜300μmである。

インプラントは特に湾曲形状を有し、欠損部位に沈まないよう幾何学的に安定している。

これより本発明の主題を、図1〜図4の図面を参照してより詳細に説明する。

本発明によるインプラントを作製する方法を例示により説明する図である。

本発明によるインプラントを作製する方法を例示により説明する図である。

本発明によるインプラントを作製する方法を例示により説明する図である。

インプラントの写真を示す図である。

図1に、本発明の例示的な実施形態では、湿式化学的に調製されたブタ由来の中間層皮膚移植片からなる支持体1の概略図を示している。したがって、この支持体はコラーゲン膜である。

マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体2が支持体1上に置かれている。

この例示的な実施形態では、シート状構造体は、マグネシウム又はマグネシウム合金フィルムからなるメッシュの形で与えられている。この例示的な実施の形態では、メッシュには菱形の開孔がある。

マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体2は、支持体1のエッジ部までは広がっていない。

図2に示されるように、次いで支持体1及びマグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体をコラーゲン含有調製物3で被覆する。

本発明の例示的な実施形態では、このコラーゲン含有調製物はブタ由来の0.5%〜5%のコラーゲン懸濁液である。コラーゲン懸濁液を適用前にリン酸バッファーを用いて中和する、特に7±0.5のpH値に中和する。

この場合、コラーゲン含有調製物3は、好適な取扱いツールを用いて塗る。

そのようにして作製された複合材を、支持体1が十分に湿るまで、15分〜120分間置く。

続いて、凍結乾燥を6時間〜5日間に亘って行う。

ここでは、図3に作製される複合材の概略断面図を示している。

この複合材は支持体1からなっており、本図では、この支持体上で、マグネシウム又はマグネシウム合金のシート状構造体2がコラーゲン含有調製物から形成されたコラーゲン不織布4に包埋されている。

同時に、コラーゲン不織布4は、支持体1との強固な結合をもたらしている。

図4は本発明による複合材の写真であり、ここで異なる層を引き裂いて示している。

コラーゲン膜の形の支持体と、支持体から引き裂かれたコラーゲン不織布4とを、その中に埋包されたマグネシウムのメッシュ5とともに見ることができる。

本発明により、とりわけ複合材を沈ませることなく、骨/顎領域における欠損部位を被覆するのに特に適した幾何学的に安定した生体吸収性膜を容易に得ることが可能になる。

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