最終歯科補綴物の開発に使用される暫間歯科補綴物

申请号 JP2015531988 申请日 2013-09-09 公开(公告)号 JP2015531652A 公开(公告)日 2015-11-05
申请人 バイオメット・3アイ・エルエルシー; 发明人 サッチン,ザカリー・ビィ; ヘリントン,スティーブン・エム; トウズ,ロス・ダブリュ;
摘要 患者の 口腔 内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法は、患者固有の暫間補綴物(PSTP)をスキャンしてスキャンデータを取得することを含む。PSTPは患者の口腔内の歯科インプラントに取付けられる。PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)PSTPから材料を除去すること、(ii)PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、PSTPが物理的に修正される。修正されたPSTPがスキャンされ、修正されたPSTPのスキャンから生成されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として永久補綴物が製作される。
权利要求

患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法であって、前記方法は、 患者固有の暫間補綴物(PSTP)をスキャンして、スキャンデータを取得することと、 患者の口腔内の前記歯科インプラントに前記PSTPを取付けることと、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させることと、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正することとを含む、方法。患者の口腔から前記PSTPを取外すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが患者の口腔から取外された後で行われる、請求項2に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが患者の口腔から取外される前、前記PSTPが患者の口腔から取外された後、またはその両方で行われる、請求項2に記載の方法。物理的に修正されたPSTPをスキャンして、修正されたスキャンデータを取得することをさらに含む、請求項2に記載の方法。取得された修正されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項5に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、取得されたスキャンデータを仮想的に修正することをさらに含む、請求項1に記載の方法。仮想的に修正されたスキャンデータを用いて前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項7に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、取得されたスキャンデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できるかどうか判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPを固定具に取付けることをさらに含み、前記固定具は、スキャンデータを取得するために用いられるスキャナに対して既知の場所に位置決めされる、請求項1に記載の方法。前記固定具は、前記PSTPの非回転特徴と噛合うための非回転特徴を含み、前記PSTPを前記固定具に取付けることは、前記PSTPの前記非回転特徴を前記固定具の前記非回転特徴と噛合わせることを含む、請求項11に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPのボアにスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPのボアの場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する突起を含む、請求項1に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPのインプラント接続にスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPの前記インプラント接続の場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する部分を含む、請求項1に記載の方法。永久補綴物を製造する方法であって、前記方法は、 患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得ることと、 前記スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所を決定することと、 前記スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、仮想PSTPデータを生成することを含む患者固有の暫間補綴物(PSTP)を仮想的に設計することと、 前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPを製造することと、 実質的に前記決定された場所において患者の口腔内に前記歯科インプラントを設置することと、 製造された前記PSTPを患者の口腔内に設置された前記歯科インプラントに取付けることと、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させることと、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することとを含む、方法。実質的に前記決定された場所において患者の口腔内に前記歯科インプラントを設置する際に使用される外科手術ガイドを設計することをさらに含む、請求項15に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正することをさらに含む、請求項15に記載の方法。患者の口腔から前記PSTPを取外すことをさらに含む、請求項17に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが患者の口腔から取外される前、前記PSTPが患者の口腔から取外された後、またはその両方で行われる、請求項18に記載の方法。物理的に修正されたPSTPをスキャンして、修正されたスキャンデータを取得することと、 取得された修正されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として前記永久補綴物を製造することとをさらに含む、請求項18に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPを固定具に取付けることをさらに含み、前記固定具は、前記修正されたスキャンデータを取得するために用いられるスキャナに対して既知の場所に位置決めされ、前記固定具は、前記PSTPの非回転特徴と噛合うための非回転特徴を含み、前記PSTPを前記固定具に取付けることは、前記PSTPの前記非回転特徴を前記固定具の前記非回転特徴と噛合わせることを含む、請求項20に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPのボアにスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPのボアの場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する突起を含む、請求項20に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPのインプラント接続にスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPの前記インプラント接続の場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する部分を含む、請求項20に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)仮想的に設計された前記PSTPから材料を仮想的に除去すること、(ii)仮想的に設計された前記PSTPに材料を仮想的に追加すること、または(iii)その両方によって、前記仮想PSTPデータを仮想的に修正することをさらに含む、請求項15に記載の方法。仮想的に修正された前記仮想PSTPデータを用いて前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項24に記載の方法。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できるかどうか判断することをさらに含む、請求項15に記載の方法。

歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法であって、前記方法は、 患者固有の暫間補綴物(PSTP)をスキャンして、スキャンデータを取得することと、 前記歯科インプラントに前記PSTPを取付けることと、 前記PSTPの審美性が許容できないことに応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正することとを含む、方法。前記歯科インプラントから前記PSTPを取外すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが前記歯科インプラントから取外された後で行われる、請求項2に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが前記歯科インプラントから取外される前、前記PSTPが前記歯科インプラントから取外された後、またはその両方で行われる、請求項2に記載の方法。物理的に修正されたPSTPをスキャンして、修正されたスキャンデータを取得することをさらに含む、請求項2に記載の方法。取得された修正されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項5に記載の方法。前記PSTPの審美性が許容できないことに応じて、取得されたスキャンデータを仮想的に修正することをさらに含む、請求項1に記載の方法。仮想的に修正されたスキャンデータを用いて前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項7に記載の方法。前記PSTPの審美性が許容できることに応じて、取得されたスキャンデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項1に記載の方法。前記PSTPの審美性が許容できるかどうか判断することをさらに含む、請求項1に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPを固定具に取付けることをさらに含み、前記固定具は、スキャンデータを取得するために用いられるスキャナに対して既知の場所に位置決めされる、請求項1に記載の方法。前記固定具は、前記PSTPの非回転特徴と噛合うための非回転特徴を含み、前記PSTPを前記固定具に取付けることは、前記PSTPの前記非回転特徴を前記固定具の前記非回転特徴と噛合わせることを含む、請求項11に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPのボアにスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPのボアの場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する突起を含む、請求項1に記載の方法。スキャンする前に前記PSTPのインプラント接続にスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPの前記インプラント接続の場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する部分を含む、請求項1に記載の方法。永久補綴物を製造する方法であって、前記方法は、 患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得ることと、 前記スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所を決定することと、 前記スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、仮想PSTPデータを生成することを含む患者固有の暫間補綴物(PSTP)を仮想的に設計することと、 前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPを製造することと、 製造された前記PSTPを前記歯科インプラントに取付けることと、 前記PSTPを包囲する許容できる審美性に応じて、前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することとを含む、方法。実質的に前記決定された場所において患者の口腔内に前記歯科インプラントを設置する際に使用される外科手術ガイドを設計することをさらに含む、請求項15に記載の方法。前記PSTPを包囲する許容できない審美性に応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正することをさらに含む、請求項15に記載の方法。前記歯科インプラントから前記PSTPを取外すことをさらに含む、請求項17に記載の方法。前記物理的に修正することは、前記PSTPが前記歯科インプラントから取外される前、前記PSTPが前記歯科インプラントから取外された後、またはその両方で行われる、請求項18に記載の方法。物理的に修正されたPSTPをスキャンして、修正されたスキャンデータを取得することと、 取得された修正されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として前記永久補綴物を製造することとをさらに含む、請求項18に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPを固定具に取付けることをさらに含み、前記固定具は、前記修正されたスキャンデータを取得するために用いられるスキャナに対して既知の場所に位置決めされ、前記固定具は、前記PSTPの非回転特徴と噛合うための非回転特徴を含み、前記PSTPを前記固定具に取付けることは、前記PSTPの前記非回転特徴を前記固定具の前記非回転特徴と噛合わせることを含む、請求項20に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPのボアにスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPのボアの場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する突起を含む、請求項20に記載の方法。前記物理的に修正されたPSTPをスキャンする前に前記PSTPのインプラント接続にスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPの前記インプラント接続の場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する部分を含む、請求項20に記載の方法。前記PSTPを包囲する許容できない審美性に応じて、(i)仮想的に設計された前記PSTPから材料を仮想的に除去すること、(ii)仮想的に設計された前記PSTPに材料を仮想的に追加すること、または(iii)その両方によって、前記仮想PSTPデータを仮想的に修正することをさらに含む、請求項15に記載の方法。仮想的に修正された前記仮想PSTPデータを用いて前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項24に記載の方法。前記PSTPを包囲する審美性が許容できるかどうか判断することをさらに含む、請求項15に記載の方法。患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する際の患者固有の暫間補綴物(PSTP)の使用であって、前記使用は、 前記PSTPをスキャンして、スキャンデータを取得することを含み、前記PSTPの少なくとも一部分はカスタマイズされた解剖学的歯形を有し、さらに、 患者の口腔内の歯科インプラントに前記PSTPを取付けることと、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させることと、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正することとを含む、使用。患者の口腔から前記PSTPを取外すことをさらに含む、請求項1に記載のPSTPの使用。前記物理的に修正することは、前記PSTPが患者の口腔から取外される前、前記PSTPが患者の口腔から取外された後、またはその両方で行われる、請求項2に記載のPSTPの使用。物理的に修正されたPSTPをスキャンして、修正されたスキャンデータを取得することをさらに含む、請求項1〜3のうちいずれか1項に記載のPSTPの使用。取得された修正されたスキャンデータを用いて、修正されたPSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項4に記載のPSTPの使用。患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、取得されたスキャンデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することをさらに含む、請求項1に記載のPSTPの使用。スキャンする前に前記PSTPを固定具に取付けることをさらに含み、前記固定具は、スキャンデータを取得するために用いられるスキャナに対して既知の場所に位置決めされ、前記固定具は、前記PSTPの非回転特徴と噛合うための非回転特徴を含み、前記PSTPを前記固定具に取付けることは、前記PSTPの前記非回転特徴を前記固定具の前記非回転特徴と噛合わせることを含む、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のPSTPの使用。スキャンする前に前記PSTPのボアにスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPのボアの場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する突起を含む、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のPSTPの使用。スキャンする前に前記PSTPのインプラント接続にスキャン補助器具を取付けることをさらに含み、前記スキャン補助器具は、前記PSTPの前記インプラント接続の場所を識別する際に使用される既知の特徴を有する部分を含む、請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のPSTPの使用。永久補綴物を製造する際の患者固有の暫間補綴物(PSTP)の使用であって、前記使用は、 患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得ることと、 前記スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所を決定することと、 前記スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、仮想PSTPデータを生成することを含む前記PSTPを仮想的に設計することと、 前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPを製造することと、 実質的に前記決定された場所において患者の口腔内に前記歯科インプラントを設置することと、 製造された前記PSTPを患者の口腔内に設置された前記歯科インプラントに取付けることと、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させることと、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造することとを含む、使用。患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する際の患者固有の暫間補綴物(PSTP)のシステムであって、前記システムは、 前記PSTPをスキャンして、スキャンデータを取得する第1手段を含み、前記PSTPの少なくとも一部分はカスタマイズされた解剖学的歯形を有し、さらに、 患者の口腔内の歯科インプラントに前記PSTPを取付ける第2手段と、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる第3手段と、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)前記PSTPから材料を除去すること、(ii)前記PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、前記PSTPを物理的に修正する第4手段とを含む、システム。永久補綴物を製造する際の患者固有の暫間補綴物(PSTP)のシステムであって、前記システムは、 患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得る第1手段と、 前記スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所を決定する第2手段と、 前記スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、仮想PSTPデータを生成することを含む前記PSTPを仮想的に設計する第3手段と、 前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPを製造する第4手段と、 実質的に前記決定された場所において患者の口腔内に前記歯科インプラントを設置する第5手段と、 製造された前記PSTPを患者の口腔内に設置された前記歯科インプラントに取付ける第6手段と、 前記PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる第7手段と、 患者の口腔内の前記PSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、前記仮想PSTPデータを用いて前記PSTPの複製として前記永久補綴物を製造する第8手段とを含む、システム。

说明书全文

発明の分野 本開示は、概して最終歯科補綴物の開発に関する。特に本開示は、最終歯科補綴物を開発する際に暫間歯科補綴物を用いることに関する。

発明の背景 局部的または全体的な歯欠損患者の、人工歯列による歯の修復は、典型的に2段階で行われる。第1段階では、歯肉を切開して下地の骨を露出させる。歯科インプラントの形態の人工歯根が、オッセオインテグレーション(osseointegration)のために顎骨に配置される。歯科インプラントは概して、止めねじを収容して合せ部品をその上に保持するためのねじ切りされたボアを含む。第1段階中に、インプラントに重なる歯茎組織が縫合され、オッセオインテグレーションプロセスが続行するにつれて回復する。

オッセオインテグレーションプロセスが完了すると、第2段階が開始される。ここで歯肉組織が再度開かれ、歯科インプラントの端部を露出する。回復コンポーネントまたは回復アバットメントが歯科インプラントの露出した端部に留められ、歯肉組織をその周囲で回復させる。なお、インプラントが設置された直後およびオッセオインテグレーション前に回復アバットメントを歯科インプラントに配置することができ、それにより、ある状況については、オッセオインテグレーションステップと歯肉回復ステップとを1段階プロセスに組合せることができる。

従来の回復アバットメントは概して外形が円形であったが、回復アバットメントを最終的に置換する義歯または補綴物はそうではなかった。したがって、歯肉組織が回復アバットメントの周りで回復し、最終的にインプラントに取付けられる最終補綴物のサイズおよび輪郭ではなく、回復アバットメントのサイズおよび輪郭に近似した歯肉出現外形を生成する。患者の歯肉の出現外形と設置された最終補綴物との間に生じる相違により、歯科医または臨床医を追加的に訪問して、設置プロセスを終了させ、かつ/または設置された最終補綴物の審美的成果(たとえば最終補綴物に当接する患者の歯肉組織の視覚的な外観)を妥協することが必要となる場合があった。したがって、近年、標準的な回復アバットメントが暫間補綴アバットメントで置換されている。

さらに、インプラント歯科修復方法は、最終歯科補綴物を開発するための出発点として固定具レベル(たとえば歯科インプラントレベル)の印象を必要とする以上に進歩している。そのようないくつかの場合、あらかじめ規定された走査体(たとえばBiomet 3i, LLCから入手可能なEncode Healing Abutment)が歯肉回復段階中に歯科インプラントに組付けられる。あらかじめ規定された走査体は、スキャン可能な特徴(たとえばマーカ)を含み、スキャン可能な特徴は、スキャンされ判読されると、最終歯科補綴物を開発する際に用いられる下地の歯科インプラントの場所および方位に関する情報を提供する。

あらかじめ規定された走査体を用いるそのような方法は、多くの利点(たとえば、審美性の向上、複雑度の低下、および場合によっては治療時間の短縮)をもたらすが、そのような方法はスキャン技術に左右される。治療の複雑度をさらに低減し、修復の柔軟性を向上させるために専用のあらかじめ規定された走査体を必要としない、患者固有の修復策が必要である。本開示は、これらおよび他の必要性を解決することに向けられる。

発明の概要 本開示は、あらかじめ規定された走査体を必要とすることなく、永久的な患者固有の補綴物を開発し、製作するための方法を提供する。このように、本開示の方法は、治療の複雑度を低下させ、修復の柔軟性を高め、それによって歯の修復プロセスを向上させることができる。特に、患者固有の暫間補綴物(PSTP)が製作され、次いでスキャンされてPSTPの輪郭および細部をすべて取込むPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。PSTPが患者の口腔内のインプラントに取付けられ、歯肉組織をその周囲で回復させる。続いて、臨床医は、歯肉組織が所望の通りに(たとえば審美的に満足できるように)PSTPの周りで回復したかどうか判断する。そうであれば、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを用いて、PSTPの正確な複製として永久的な患者固有の補綴物が作成される。そうでなければ、必要な修正に応じて、(i)PSTPが物理的に修正され、再スキャンされるか、または(ii)PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される。次いで、永久的な患者固有の補綴物は、(i)修正されたPSTPの再スキャンから生成されたスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを用いた修正されたPSTP、または(ii)PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデル、の正確な複製として作成される。いずれにせよ、PSTP全体をスキャンし、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することによって、(i)永久的な患者固有の補綴物を開発し製作するためにあらかじめ規定された走査体は必要ではなく、(ii)隣接するかつ/または対向する歯列に関するインプラントの場所を決定するためにあらかじめ規定された走査体も必要ではない。

患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法は、患者固有の暫間補綴物(PSTP)をスキャンして、スキャンデータを取得することを含む。PSTPは、患者の口腔内の歯科インプラントに取付けられる。PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、取得されたスキャンデータを用いてPSTPの複製として永久補綴物が製造される。

患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法は、患者固有の暫間補綴物(PSTP)をスキャンして、スキャンデータを取得することを含む。PSTPは、患者の口腔内の歯科インプラントに取付けられる。PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)PSTPから材料を除去すること、(ii)PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、PSTPが物理的に修正される。

患者の口腔内に設置された歯科インプラントへの取付けのための永久補綴物を製造する方法は、患者固有の暫間補綴物(PSTP)のスキャンからスキャンデータを生成することを含む。PSTPが患者の口腔内の歯科インプラントに取付けられ、PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させた後、修正されたスキャンデータが、物理的に修正されたPSTPのスキャンから生成される。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、PSTPが物理的に修正される。

永久補綴物を製造する方法は、患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得ることを含む。スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所が決定される。スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、患者固有の暫間補綴物(PSTP)が仮想的に設計され、仮想PSTPデータが生成される。仮想PSTPデータを用いてPSTPが製造される。実質的に決定された場所において患者の口腔内に歯科インプラントが設置される。製造されたPSTPが患者の口腔内に設置された歯科インプラントに取付けられる。PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できることに応じて、仮想PSTPデータを用いてPSTPの複製として永久補綴物が製造される。

永久補綴物を製造する方法は、患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)データ、口腔内スキャン(IOS)データ、またはその両方を含むスキャンデータを得ることを含む。スキャンデータを用いて、歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の場所が決定される。スキャンデータと歯科インプラントを設置するための患者の口腔内の決定された場所とを用いて、患者固有の暫間補綴物(PSTP)が仮想的に設計され、仮想PSTPデータが生成される。仮想PSTPデータを用いてPSTPが製造される。実質的に決定された場所において患者の口腔内に歯科インプラントが設置される。製造されたPSTPが患者の口腔内に設置された歯科インプラントに取付けられる。PSTPを包囲する歯肉組織を患者の口腔内で回復させる。患者の口腔内のPSTPを包囲する回復した歯肉組織の審美性が許容できないことに応じて、(i)PSTPから材料を除去すること、(ii)PSTPに材料を追加すること、または(iii)その両方によって、PSTPが物理的に修正される。

本開示の追加的な局面は、簡単な説明を以下に示す図面を参照してなされる様々な実装例の詳細な説明を考慮すると当業者にとって明白となるであろう。

図面の簡単な説明 開示の上述および他の利点は、以下の詳細な説明を読み図面を参照すると明白となるであろう。

本開示のいくつかの局面に係るワンピースの暫間補綴物の斜視図である。

本開示のいくつかの局面に係るツーピースの暫間補綴物の斜視図である。

本開示のいくつかの局面に係るスリーピースの暫間補綴物の断面図である。

本開示のいくつかの局面に係る、患者の口腔内に設置する前に暫間補綴物を手作業で修正する臨床医の図示である。

本開示のいくつかの局面に係る暫間補綴物の仮想設計および製作を例示するアニメ化したフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を製造するための様々な方法のフローチャートである。

永久補綴物を開発するために用いられる暫間補綴物を例示する斜視図である。

本開示は様々な修正および代替的な形態が可能であるが、図面では特定の実施形態が例として示されており、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、本開示は、開示される特定の形態に限定されるものとは意図されないことが理解されるべきである。むしろ本開示は、添付の請求項によって規定される本開示の精神および範囲内にあるすべての修正、均等物、および代替例を包含するものである。

例示的な実施形態の説明 図1A、図1Bおよび図1Cを参照して、本開示に係る最終的なまたは永久的な患者固有の補綴物を開発するために、患者固有の暫間補綴物(「PSTP」)10a,10bおよび10cが用いられる。さらに、PSTP10a,10bおよび10cは歯肉回復アバットメントとして機能する。なぜなら、それらの外面は患者の歯肉組織の回復を助けるように輪郭作成されるからである。

具体的に図1Aを参照して、PSTP10aは、フランジ13によって分離される歯肉縁上領域12aおよび歯肉縁下領域12bを有する。PSTP10aは、歯肉縁上領域12aおよび歯肉縁下領域12bが同じ材料(たとえばアクリル樹脂)で形成されるという点で、ワンピースの補綴物である。代替的に、歯肉縁上領域12aは、歯肉縁下領域12bに永久的に取付けられ、PSTPがワンピースの補綴物となる。このような代替例では、歯肉縁上領域12aは第1の材料(たとえばアクリル樹脂)からなり得、歯肉縁下領域12bは第2の材料(たとえばチタンといった金属)からなり得る。

歯肉縁下領域12bは、インプラントの対応する回転防止特徴(たとえば図2のインプラント60)と噛合うための回転防止特徴14(たとえば六形のセクション)を含む。PSTP10aは、止めねじ15を用いてインプラント60上に保持される。PSTP10aの回転防止特徴14は、下地インプラント60の回転防止特徴に対応してインプラント60に関するPSTP10aの相対的な回転を妨げるように、任意の種類の隆起(たとえば多角形隆起、星状隆起、クローバ状隆起など)またはソケット(たとえば多角形ソケット、星状ソケット、クローバ状ソケットなど)であり得る。PSTP10a(および本開示の他のPSTP)は、金、チタン、プラスチック、セラミック、アクリル樹脂、または他の同様の金属もしくは化合物、またはそれらの任意の組合せから作ることができる。

具体的に図1Bを参照して、PSTP10bは、PSTP10bがツーピースの補綴物である以外は、PSTP10aと同様である。すなわち、PSTP10bは、暫間アバットメント21aおよび暫間アバットメントキャップ21b(たとえば暫間クラウン)を含む。ねじ25が暫間アバットメント21aをインプラント60に取付けることができるように、かつ次いでその後暫間アバットメントキャップ21bを暫間アバットメント21aに取付けることができるように、暫間アバットメントキャップ21bは、暫間アバットメント21aから(たとえば、スナップ状にかつ/または摺動するように)取外し可能である。

暫間アバットメント21aは、フランジ23によって分離される歯肉縁上領域22aおよび歯肉縁下領域22bを有する。歯肉縁下領域22bは、インプラント60の対応する回転防止特徴と噛合うための(回転防止特徴14と同じかまたは同様の)回転防止特徴24を含む。暫間アバットメント21aの歯肉縁上領域22aは、1つ以上の保持溝または構造26と、図示されていない回転防止構造(たとえば平面壁または表面)とを含む。保持溝26は、暫間アバットメントキャップ21bの対応するオス型外周特徴または構造27とスナップ型で軸方向に保持係合して噛合うように構成される。保持溝26を含む暫間アバットメント21aおよび対応するオス型外周特徴を含む暫間アバットメント21bの代わりに、歯科用セメントなどを用いて、暫間アバットメント21aを暫間アバットメントキャップ21bと噛合わせる(たとえば互いに保持する)ことができる。

暫間アバットメント21aの回転防止構造(図示せず)は、対応する回転防止構造28と摺動可能に係合して噛合い、暫間アバットメントキャップ21bおよび暫間アバットメント21aの相対的な回転を妨げるように構成される。例示されている実装例では、回転防止構造(図示せず)は、概して暫間アバットメント21aの頂面からフランジ23に延在する。歯科ポストのための回転防止構造(たとえば暫間アバットメントの歯肉縁上領域)についての詳細および例は、各々が本願の譲受人によって共有されている米国特許番号第6,120,293号、第6,159,010号および第8,002,547号に示されている。

具体的に図1Cを参照して、PSTP10cは、PSTP10cがスリーピースの補綴物である以外はPSTP10aおよび10bと同様である。すなわち、PSTP10cは、暫間アバットメント31a、暫間アバットメントキャップ31b、および暫間クラウン31cを含む。ねじ35が暫間アバットメント31aをインプラント60に取付けることができ、次いでその後暫間アバットメントキャップ31bを暫間アバットメント31aに取付けることができるように、暫間アバットメントキャップ31bは暫間アバットメント31aから(たとえばスナップ状におよび/または摺動するように)取外し可能である。さらに、暫間クラウン31cは、暫間アバットメントキャップ31bが暫間アバットメント31aに取付けられる前または後で、暫間アバットメントキャップ31bと噛合わされ、かつ/または接合される。暫間クラウン31cは、セメント(たとえば歯科用セメント)、接着剤、結合剤、しまり嵌め係合、スナップもしくはクリック型係合、ねじもしくはボルト、またはそれらの組合せを用いて、暫間アバットメントキャップ31bに連結されることが企図される。

暫間アバットメント31aは、フランジ33によって分離される歯肉縁上領域32aおよび歯肉縁下領域32bを有する。歯肉縁下領域32bは、インプラント60の対応する回転防止特徴と噛合うための(回転防止特徴14および24と同じかまたは同様の)回転防止特徴34を含む。暫間アバットメント31aの歯肉縁上領域32aは、1つ以上の保持溝または構造36aと、回転防止構造36b(たとえば平面壁または表面)とを含む。保持溝36aは、暫間アバットメントキャップ31bの対応するオス型外周特徴または構造37とスナップ型で軸方向に保持係合して噛合うように構成される。

暫間アバットメント31aの回転防止構造36bは、対応する回転防止構造38と摺動可能に係合して噛合い、暫間アバットメントキャップ31bおよび暫間アバットメント31aの相対的な回転を妨げるように構成される。例示されている実装例では、回転防止構造36bは概して、暫間アバットメント31aの頂面からフランジ33に延在する。

暫間アバットメントおよび/またはPSTPについての追加的な詳細および例は、本願の譲受人によって共有されている米国特許出願公開番号第2012−0295223号に示されている。

図2を参照して、患者53の口腔52内に設置する前にPSTP10a,10b,10cを手作業で修正し、かつ/またはカスタマイズしている臨床医50が示される。すなわち、PSTP10a,10bおよび10cを製作するための1つの方法は、臨床医によって材料をストックまたは標準的な暫間補綴物に対して取除き、かつ/または追加してPSTP10a,10b,10cのうちの1つを作成することである。ストックまたは標準的なPSTPは、解剖学的歯形または非解剖学的歯形(たとえば、円筒状、正方形など)を有することができる。そのような手作業による方法は、PSTP10a,10b,10cが暫間歯として、かつインプラント60が設置された直後には歯肉回復アバットメントとして作用している状態で患者53が去ることができるように、インプラント60を患者の口腔52内に設置した後に患者のそばで行うことができる。

本概念のいくつかの実装例では、PSTPのキットまたはパッケージを臨床医に提供することができる。キット中のPSTPの各々は、所定の寸法および形状のあらかじめ形成された解剖学的歯形を有する。臨床医は適切なPSTPを選択し、特定の患者のために必要に応じて修正を開始することができる。したがって、このような実装例では、必要に応じて修正/カスタマイズすることができ、インプラント60に取付けることができる異なる解剖学的歯形を有する、多様なあらかじめ形成されたPSTPが臨床医に提供される。

図2を参照して説明した手作業による方法の代替例として、図3を参照して、インプラント60が患者63の口腔62内に設置される前に、フライス盤(たとえば5軸フライス盤)および/またはラピッドプロトタイピングマシン80を用いて、PSTP10a,10b,10cを仮想的に/デジタル的に設計し製作することができる。図3に示されるように、任意のインプラントが設置される前に、1つ以上のスキャナ/カメラ65(たとえばe線スキャナなど)を用いて、患者63の口腔62のコンピュータ断層撮影(「CT」)スキャンまたは口腔内スキャン(IOS)を取ることができる。CTおよび/またはIOSスキャンから生成されたスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルは、生成されたスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを処理し、かつ患者63のためにPSTPを仮想的に設計するように構成されたソフトウェア(たとえばCADソフトウェア、グラフィカル撮像ソフトウェアなど)を含むコンピュータシステム70に転送される。具体的には、ソフトウェアは、計画されているインプラント部位73(たとえば、抜歯され、インプラントで置換されることになる部位)を包囲しかつ隣接する患者63の歯および歯肉組織72に関連付けられたスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを評価し、それに応じて仮想PSTP75を設計する。仮想PSTP75が設計された後、仮想暫間補綴物データが生成される。仮想暫間補綴物データは、PSTP(たとえばPSTP10a,10b,10c)を製作するためにフライス削りおよび/またはラピッドプロトタイピングマシン80が実行するための指令を含む。一般にラピッドプロトタイミングについての追加的な詳細は米国特許番号第8,185,224号に見出すことができる。CTスキャンおよびIOSスキャンから骨および軟組織デジタル歯科モデル(たとえば仮想3次元モデル)を作成することについての追加的な詳細は、米国特許出願公開第2011/0129792号に見出すことができる。

PSTPが手作業で修正されるか(図2)、および/または、フライス削りおよび/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて設計され製作される(図3)かに関わらず、PSTP10a,10b,10cの外面は、(たとえば非円形形状の)天然歯によって形成される歯肉出現外形を複製するのに好適であるように構成される。そのため、PSTP10a,10b,10cが患者の口腔内に設置された(たとえばインプラント60に取付けられた)後、患者の歯肉は10a,10b,10cの周囲で回復することが可能となり、その結果、歯肉出現外形は、天然歯の周囲にあったであろうものに近似する。換言すると、PSTP10a,10b,10cは、歯肉回復アバットメントとしても作用する。

図4を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法100について、フローチャートを参照して説明する。最初に、歯科インプラント(たとえばインプラント60)を患者(101)の口腔内に設置する。インプラント60に取付けるべきPSTPをスキャンして、PSTPのスキャンデータおよび/またはPSTPの仮想3次元モデルを取得する(102)。スキャンされたPSTPは、図2を参照して説明したように、臨床医によって手作業で形成しかつ/または修正することができるかまたは、スキャンされたPSTPは、CTおよびIOSデータに基づいて仮想的に設計し、図3を参照して説明されるように機械製造することができる(103)。PSTPはたとえばデンマーク国コペンハーゲンの3Shape A/Sから入手可能な3D歯科用スキャナ(たとえばモデル番号D500,D700,D710,D800およびD810)、またはミネソタ州サンパウロにある3Mから入手可能なLAVA Chairside Oral Scannerといった任意の種類のスキャナを用いて、スキャンすることができる。PSTPのスキャニングは、PSTPの仮想3次元モデルを作成するために用いることができるPSTPに関連付けられたスキャンデータを生成する。したがって、PSTPのスキャニングは、PSTPの仮想3次元モデルとしてディスプレイ装置(たとえばコンピュータモニタ)に表示することができるデジタル形式でPSTPの輪郭、サイズおよび形状をすべて取込む。具体的には、PSTPの仮想3次元モデルがPSTPの完全な仮想複製となるように、PSTP全体がスキャンされる。

PSTPがスキャンされ、スキャンデータが取得された(102)後、PSTPが歯科インプラントに取付けられる(104)。いくつかの実装例では、回転しないように(たとえば、補足的な非回転特徴を用いて)PSTPが歯科インプラントに取付けられ、ねじ留め具(たとえばねじ15,25,35)を用いて適所に保持される。PSTPがインプラントに取付けられた(104)後、患者の歯肉組織をPSTPの周囲で回復させる(105)。歯肉組織は概して、歯肉組織に当接するPSTPの外側輪郭に対応する出現輪郭外形を有する形状に回復する。

歯肉組織を所定量の時間(たとえば1日、2週間、1か月、3か月、6か月、1年など)で回復させた(105)後、PSTPを包囲する歯肉組織の審美性をチェックして、PSTPを包囲する歯肉組織の審美性が許容できるかどうかを判断する(106)。許容できるとは、たとえば患者を治療している臨床医によって判断されるように審美的に満足できるような方法で歯肉組織がPSTPに密着していることを意味する。代替的な実装例では、審美性は、回復が生じた後でPSTPを包囲する歯肉組織を含む患者の口腔内スキャンから生成されたスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを分析するソフトウェアを実行するコンピュータによって許容できると判断することができる。加えて、PSTP自体の審美性をチェックして、たとえば、PSTPの歯肉縁上部分の審美性が許容できる(たとえば、周囲の歯に鑑みて天然歯の寸法、形状、および/または色と一致する)かどうか判断することができる。

歯肉組織および/またはPSTP自体の審美性が許容できると判断された場合(106)、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルに基づいて、PSTPの複製として最終補綴物が製造される(107)。すなわち、たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いてPSTPの実際のかつ物理的な複製を作成するために、PSTPのスキャン(102)からのスキャンデータを用いる。したがって、最終補綴物の外側輪郭は、PSTPの外側輪郭と同じか、または実質的に同じである。最終補綴物は、金、チタン、プラスチック、セラミック、アクリル樹脂、磁器、または他の同様の金属もしくは化合物、またはそれらの任意の組合せからなり得る。

本質的に、PSTPと最終補綴物との違いは、用いられる材料および/またはPSTPと最終補綴物とを作成するのに採用される機械的な構成である。概して、いくつかの実装例では、PSTPはプラスチックからなり、最終補綴物は、磁器がその上を覆っているセラミッククラウンを有するチタン挿入物からなる。したがって、いくつかの実装例では、PSTPは物理的により柔かく(たとえば、より修正しやすいが比較的長持ちしにくく)、最終補綴物は物理的により硬く(より修正しにくいが比較的長持ちする)、より審美的に満足できるものである(色および/またはシェーディングを含む)。異なる機械的な構成とは、最終補綴物の外側輪郭はPSTPの外側輪郭と一致するが、PSTPと比較して、異なる数のサブ部品または部分によって最終補綴物を形成することができることを意味する。たとえば、PSTPは単一片のプラスチックとして形成することができ、最終補綴物は、金属アバットメントおよびそれに取付けられたセラミッククラウンによって形成することができる。

審美性が許容できないと判断された場合(106)、よりよい結果を実現するためにPSTPが物理的に修正される(108)。すなわち、物理的に修正されたPSTPの周りで歯肉組織を追加的に回復させた後、PSTPの修正によってよりよい審美的成果が期待される。患者を治療する臨床医によってPSTPを手作業で修正することができる。代替的に、フライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いてPSTPを修正することができる。PSTPを患者の口腔内に設置した状態で、かつ/またはPSTPを患者の口腔内から取出した状態で、PSTPに修正を行うことができる。修正は、PSTPからの材料の除去、追加的な材料をPSTPに追加すること、PSTPの材料を移動/変形させること(たとえば、曲げる、ねじるなど)、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。

PSTPが物理的に修正された(108)後、修正されたPSTPをスキャンして、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または修正されたPSTPの仮想3次元モデルを取得する(109)。修正されたPSTPから取得されたスキャンデータは、本質的に上記の修正されていないPSTPから取得されたスキャンデータを置換する。修正されたPSTPは、修正されていないPSTPが上記のようにスキャンされる(102)のと同じかまたは同様のやり方でスキャンすることができる(109)。修正されたPSTPがスキャンされた(109)後、PSTPをインプラントに再び取付け(104)、審美性が許容できると分かる(106)まで動作(105)、(108)および(109)が繰り返され、次いで、最新の修正されたPSTPのスキャンからの最新のスキャンデータに基づいて、最終補綴物が製造される(107)。

図5を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法200について、フローチャートを参照して説明する。方法200は、図4の方法100に関して上記した動作(101)〜(109)と同じである動作(201)〜(209)を含む。しかしながら、方法200はさらに、修正されたPSTPがスキャンされた(209)後に動作(210)を含む。修正されたPSTPがスキャンされた(209)後で、方法100でのように審美性を再確認することなく、修正されたPSTP(210)のスキャンからのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルに基づき、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が製造される。すなわち、方法200では、PSTPへの修正(208)後に審美性は再確認されない。方法200において審美性の再確認を行わないことにより、方法100と比較して患者の治療時間が短縮し得る。PSTPへの修正が軽微でありかつ/または歯肉縁上である(たとえば、歯肉組織に当接しないかまたは塞がれないPSTPの部分に修正がなされる)場合、臨床医は、審美性の再確認を行わない場合がある。

図6を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法300について、フローチャートを参照して説明する。方法300は、図4の方法100に関して上記した動作(101)〜(107)と同じである動作(301)〜(307)を含む。しかしながら、方法300は、審美性が許容できないと判断される(306)ことに応じて、動作(108)および(109)を動作(308),(309),(310)と置換する。

審美性が許容できないと判断された場合(306)、患者の口腔(または患者の口腔の一部分)をスキャンして、患者の口腔の少なくとも一部分の追加的なスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを取得する(308)。いくつかの実装例では、設置されたPSTP、その周囲で回復する隣接する歯肉組織、ならびに隣接するおよび/または対向する歯をスキャンして、PSTP、隣接する歯肉組織、ならびに隣接するおよび/または対向する歯のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、初めに取得されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される(309)。具体的には、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルは、患者を治療する臨床医および/または別の設計者によって仮想的に修正される。患者の口腔内にPSTPが残っている状態で、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルに仮想修正を行うことができる(たとえば、仮想修正のためにPSTPを取外す必要はない)。仮想修正は、PSTPの仮想3次元モデルから材料を仮想的に除去すること、および/またはPSTPの仮想3次元モデルに仮想的に材料を追加することを含むことができる。PSTPへの修正が軽微であり(たとえば、修正が歯肉組織の回復に著しく影響せず)、かつ/または歯肉縁上である場合、臨床医は(PSTPを物理的に修正する代わりに)PSTPのスキャンデータを仮想的に修正してもよい(たとえば、歯肉組織に当接しないまたは塞がれないPSTPの部分に修正がなされる)。

PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正された(309)後、PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が製造される(310)。具体的には、方法100でのように審美性を再確認することなく、かつ方法200でのように患者の口腔内に設置されたPSTPを物理的に修正することなく、PSTPの仮想的に修正されたスキャンデータに基づいて、最終補綴物が製造される(310)。すなわち、方法300では、PSTPのスキャンデータに対する仮想修正(309)後に審美性は再確認されず、患者の口腔内に設置されたPSTPは物理的に修正されない。上記のように、方法300において審美性の再確認を行わないことにより、方法100と比較して患者の治療時間が短縮し得る。加えて、PSTPに対する物理的な修正を行わないことにより、そのような物理的な修正中のPSTPの取外しおよび置換に耐えなければならないことに起因する患者の潜在的な不快および組織リモデリングが回避され、かつ/または軽減される。

方法100,200および300と同様のいくつかの代替的な実装例について以下に記載する。第1の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いで、PSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要でない場合、PSTPのスキャンからのスキャンデータおよび/またはPSTP仮想3次元モデルを用いて、PSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第2の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いで、PSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。次いで、PSTPのスキャンからのスキャンデータおよび/またはPSTP仮想3次元モデルを用いて、PSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。歯肉組織を回復させ、次いでPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。そのような実装例では、歯肉組織が回復するのを待つことなく最終補綴物が設計され製作されるため、臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価(たとえば当該部位を視覚的に検査)しない。

第3の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作され、患者の口腔内に設置されたインプラントに取付けられる。歯肉組織を回復させる。回復後、PSTPが取外され、PSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いでPSTPをインプラントに再び取付ける。PSTPのスキャンからのPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを用いて、PSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。したがって、このような代替例では、歯肉組織回復が始まった後でPSTPがスキャンされ、PSTPがインプラントに最初に取付けられる前にはスキャンされない。

第4の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。PSTPがインプラントに取付けられた後、患者の口腔がスキャンされる。具体的には、取付けられたPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯がスキャンされ、取付けられたPSTPならびに患者の隣接するおよび/または対向する歯の追加的なスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。追加的なスキャンデータおよびPSTP全体のスキャンから生成されたスキャンデータは、マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルへとマージすることができる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPが患者の口腔から取外され、物理的に修正される(たとえば、PSTPから材料が取除かれるか、PSTPに材料が追加されるか、またはその両方)。修正されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、修正されたPSTPがインプラントに再び取付けられる。患者の口腔からPSTPを取外して患者の口腔外でPSTPを修正する代わりに、必要な修正が歯肉縁上である場合、PSTPを患者の口腔から取外すことなくPSTPに物理的な修正を行うことができ、患者の口腔内に設置されたままでPSTPをスキャンすることができる(たとえば、PSTPの可視部分のみがスキャンされる)。マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルは、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または修正されたPSTPの仮想3次元モデルを含むように更新される。次いで、更新されたマージされたデータセットおよび/または更新されたマージされた仮想3次元モデルを用いて、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。修正されたPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第5の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPが患者の口腔から取外され、物理的に修正される(たとえば、PSTPから材料が取除かれるか、PSTPに材料が追加されるか、またはその両方)。修正されたPSTPが全体的にスキャンされ、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、修正されたPSTPをインプラントに再び取付ける。次いで、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または修正されたPSTPの仮想3次元モデルを用いて、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。修正されたPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第6の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。PSTPがインプラントに取付けられた後、患者の口腔がスキャンされる。具体的には、取付けられたPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯がスキャンされ、取付けられたPSTPならびに患者の隣接するおよび/または対向する歯の追加的なスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。追加的なスキャンデータおよびPSTP全体のスキャンから生成されたスキャンデータは、マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルへとマージされる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される(たとえば、PSTPの仮想3次元モデルから材料を取除くか、PSTPの仮想3次元モデルに材料を追加するか、またはその両方)。マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルは、PSTPの仮想的に修正されたスキャンデータおよび/またはPSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルを含むように更新される。次いで、更新されたマージされたデータセットおよび/または更新されたマージされた仮想3次元モデルを用いて、PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が設計され、製造される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第7の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作される。製作されたPSTPが全体的にスキャンされ、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される(たとえば、PSTPの仮想3次元モデルから材料が仮想的に取除かれるか、PSTPの仮想3次元モデルに材料が仮想的に追加されるか、またはその両方)。次いで、PSTPの仮想的に修正されたスキャンデータを用いて、PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が設計され、製造される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第8の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いで、たとえば設計ソフトウェア(そのようなソフトウェアの例は本明細書に記載される)を用いてPSTPを仮想的に設計して、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルを作成する。実際のPSTP(たとえばPSTP10a,10b,10c、または異なるPSTP)を製造するために、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルに基づく指令がフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンに送られる。次いで実際のPSTPが製作される。次いで、実際のPSTPが患者の口腔内に設置された歯科インプラントに取付けられる。実際のPSTPがインプラントに取付けられた後、患者の口腔がスキャンされる。具体的には、取付けられた実際のPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯をスキャンして、取付けられた実際のPSTPならびに患者の隣接するおよび/または対向する歯のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。PSTPの仮想設計からのスキャンデータおよび仮想PSTPデータが、マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルへとマージされる。次いで、たとえばマージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルを分析するように構成されたソフトウェアを用いて、患者の口腔内に設置された歯科インプラントの場所が決定される。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、実際のPSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうかを判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される(たとえば、仮想PSTPの仮想3次元モデルから材料が仮想的に取除かれるか、仮想PSTPの仮想3次元モデルに材料が仮想的に追加されるか、またはその両方)。マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルは、仮想PSTPの仮想的に修正された仮想PSTPデータおよび/または仮想PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルを含むように更新される。次いで、更新されたマージされたデータセットおよび/または更新されたマージされた仮想3次元モデルを用いて、仮想PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が設計され、製造される(たとえば倣いフライス盤)(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。実際のPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第9の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いで、たとえば設計ソフトウェア(そのようなソフトウェアの例は本明細書に記載される)を用いて、PSTPが仮想的に設計され、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルを作成する。実際のPSTP(たとえばPSTP10a,10b,10c、または異なるPSTP)を製造するために、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルに基づく指令がフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンに送られる。次いで実際のPSTPが製作される。次いで、実際のPSTPが患者の口腔内に設置された歯科インプラントに取付けられる。実際のPSTPがインプラントに取付けられた後、患者の口腔がスキャンされる。具体的には、取付けられた実際のPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯をスキャンして、取付けられた実際のPSTPならびに患者の隣接するおよび/または対向する歯の仮スキャンデータおよび/または想3次元モデルを生成する。PSTPの仮想設計からのスキャンデータおよび仮想PSTPデータは、マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルへとマージされる。次いで、たとえばマージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルを分析するように構成されたソフトウェアを用いて、患者の口腔内に設置された歯科インプラントの場所が決定される。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、実際のPSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうかを判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要ではないと臨床医が判断したと仮定すると、仮想PSTPの仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が設計され、製造される(たとえば最終補綴物は、磁器でコーティングされたセラミッククラウンを有するチタンアバットメントを含む)。実際のPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

図7を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法400について、フローチャートを参照して説明する。最初に、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルが得られる(401)。スキャンデータおよび/または仮想3次元モデルは、患者の口腔のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンおよび/または口腔内スキャン(IOS)から生成することができる。CTスキャンは、患者の口腔内の骨(たとえば下顎骨)および歯に関する情報を表すスキャンデータを生成し、IOSスキャンは、患者の口腔内の軟組織(たとえば歯肉組織)および歯に関する情報を表すスキャンデータを生成する。ともに、骨、歯および組織情報を用いて、歯科インプラント(たとえばインプラント60)およびそれに取付けられる最終補綴物を含む歯の回復部位を計画する際に使用される患者の口腔の仮想3次元モデルを開発することができる。

具体的には、スキャンデータを得た(401)後、患者の口腔内にインプラントを設置するための所望の場所および/または方位(たとえばピッチ、偏揺れ角、および深さ)が決定される(402)。決定される場所は、たとえば提案されるインプラント部位に隣接する歯の場所、位置および方位、PSTPおよび/または最終補綴物が提案される場所、神経または副鼻洞の場所、および/または患者の顎骨の構成および構造といった多数の異なる変数に基づいて、選択するかまたは決定することができる。

PSTPは、仮想PSTPの仮想3次元モデルを作成するために、設計ソフトウェアを用いて仮想的に設計される(403)。仮想PSTPの仮想3次元モデルを作成するのに使用されるそのようなソフトウェアの例は、デンマーク国コペンハーゲンにある3Shape A/Sから入手可能なCAD設計ソフトウェア、ドイツ国ダルムシュタットのexocad GmbHから入手可能なDentalCAD、英国バーミンガムのDelcam plcから入手可能なDentCADを含む。

仮想的に設計されたPSTPから仮想PSTPデータが生成される(404)。仮想PSTPデータを1組の指令としてフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンに送り、実際のPSTPを製造する(405)ことができる。実際のPSTPは、PSTP10a,10bおよび10cのうちの1つ、または異なるPSTPであり得る。実際のPSTPは、設計ソフトウェアを用いて設計された仮想PSTPの仮想3次元モデルの実質的に正確な複製である。

インプラント(たとえばインプラント60)は、患者の口腔内の、上で決定された(402)実質的に所望の場所に設置される(406)。インプラントが最初に設置される時に実際のPSTPが患者の口腔内に設置される準備ができるように、実際のPSTPが製造された後でインプラントが設置される。代替的に、実際のPSTPが製造される前にインプラントを設置することができる。

歯科インプラントを設置するための外科手術ガイドシステムを用いて、患者の口腔内の実質的に所望の場所にインプラントを設置することができる。そのようなシステムの一例は、Biomet 3i,LLCから入手可能なNavigator(登録商標)外科手術ガイドシステムである。Navigator(登録商標)外科手術ガイドシステムについての追加的な詳細は、本願の譲受人によって共有されている米国特許出願公開番号第2009/0130630号に見出すことができる。

インプラントが設置された(406)後、実際のPSTPがインプラントに取付けられる(407)。いくつかの実装例では、PSTPは、回転しないように(たとえば補足的な非回転特徴を用いて)歯科インプラントに取付けられ、ねじ留め具(たとえばねじ15,25,35)を用いて適所に保持される。PSTPがインプラントに取付けられた(407)後、患者の歯肉組織をPSTPの周囲で回復させる(408)。歯肉組織は概して、歯肉組織に当接するPSTPの外部輪郭に対応する出現輪郭外形を有する形状に回復する。

歯肉組織を所定量の時間(たとえば1日、2週間、1か月、3か月、6か月、1年など)で回復させた(408)後、PSTPを包囲する歯肉組織の審美性をチェックして、PSTPを包囲する歯肉組織の審美性が許容できるかどうかを判断する(409)。審美性チェック(409)は、方法100に関して上記した審美的なチェック(106)と同じである。

歯肉組織および/またはPSTP自体の審美性が許容できると判断された場合(409)、仮想PSTPデータを用いてPSTPの複製として最終補綴物が製造される(410)。すなわち、たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いてPSTPの物理的な複製を作成するために、仮想的に設計されたPSTP(403)から生成された仮想PSTPデータが用いられる。このように、最終補綴物の外側輪郭は、PSTPの外側輪郭と同じかまたは実質的に同じである。なぜなら両者とも同じ仮想PSTPデータを用いて製造されたからである。方法100に関して上記したように、本質的に、PSTPと最終補綴物との相違は、PSTPおよび最終補綴物を作製するために用いられる材料である。

審美性が許容できないと判断された場合(409)、よりよい結果を実現するためにPSTPが物理的に修正され(411)、修正されたPSTPをスキャンして、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または修正されたPSTPの仮想3次元モデルを取得する(412)。物理的な修正(411)および修正されたPSTPのスキャニング(412)は、方法100に関して上記した物理的な修正(108)および修正されたPSTPのスキャニング(109)と同じである。修正されたPSTPがスキャンされた(412)後、PSTPがインプラントに再び取付けられ(407)、審美性が許容できると判断される(409)まで動作(408),(411)および(412)が繰り返され、次いで、最新の修正されたPSTPのスキャンからの最新のスキャンデータに基づき、最終補綴物が製造される(410)。

図8を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法500について、フローチャートを参照して説明する。方法500は、図7の方法400に関して上記した動作(401)〜(412)と同じである動作(501)〜(512)を含む。しかしながら、方法500はさらに、修正されたPSTPがスキャンされた(512)後に動作(513)を含む。修正されたPSTPがスキャンされた(512)後、方法400でのように審美性を再確認することなく、修正されたPSTPのスキャン(512)からのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルに基づいて、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が製造される。すなわち、方法500では、PSTPへの修正(511)後に審美性は再確認されない。方法500の審美性の再確認を行わないことにより、方法400と比較して患者の治療時間が短縮し得る。PSTPへの修正が軽微であり、かつ/または歯肉縁上である(たとえば、歯肉組織に当接しないかまたは塞がれないPSTPの部分に修正がなされる)場合、臨床医は、審美性の再確認を行わない場合がある。

図9を参照して、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法600について、フローチャートを参照して説明する。方法600は、図7の方法400に関して上記した動作(401)〜(410)と同じである動作(601)〜(610)を含む。しかしながら、方法600は、審美性が許容できないと判断される(609)ことに応じて、動作(411)および(412)を動作(611),(612)および(613)と置換する。

審美性が許容できないと判断された場合(609)、患者の口腔をスキャンして、患者の口腔の少なくとも一部分の追加的なスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを取得する(611)。いくつかの実装例では、設置された実際のPSTP、その周囲で回復する隣接する歯肉組織、ならびに隣接するおよび/または対向する歯をスキャンして、実際のPSTP、隣接する歯肉組織、隣接するおよび/または対向する歯のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、初めに生成された仮想PSTPデータ(604)が仮想的に修正される(612)。具体的には、患者を治療している臨床医および/または別の設計者によって、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正される。実際のPSTPが患者の口腔に残っている状態で(たとえば、仮想修正のために実際のPSTPを取外す必要はなく)、仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルに対して仮想修正を行うことができる。仮想修正は、仮想PSTPの仮想3次元モデルから材料を仮想的に取除くこと、および/または仮想PSTPの仮想3次元モデルに材料を仮想的に追加することを含むことができる。PSTPへの修正が軽微であり、かつ/または歯肉縁上である(たとえば、修正が歯肉組織の回復に著しく影響を与えることがない)場合、臨床医は、(実際のPSTPを物理的に修正する代わりに)仮想PSTPの仮想PSTPデータを仮想的に修正し得る(たとえば、歯肉組織に当接しないかまたは塞がれないPSTPの部分に対して修正が行われる)。

仮想PSTPの仮想PSTPデータおよび/または仮想3次元モデルが仮想的に修正された(612)後、仮想PSTPの仮想的に修正された仮想3次元モデルの複製として最終補綴物が製造される(613)。具体的には、方法400でのように審美性を再確認することなく、方法500でのように患者の口腔内に設置された実際のPSTPを物理的に修正することなく、仮想的に修正された仮想PSTPデータに基づいて最終補綴物が製造される。すなわち、方法600では、仮想PSTPデータに対する仮想修正(612)後に審美性は再確認されず、患者の口腔内に設置されたPSTPは物理的に修正されない。上記のように、方法600において審美性の再確認を行わないことにより、方法400と比較して患者の治療時間が短縮し得る。加えて、PSTPに対する物理的な修正を行わないことにより、そのような物理的な修正中のPSTPの取外しおよび置換に耐えなければならないことに起因する患者の潜在的な不快および組織リモデリングが回避され、かつ/または軽減される。

方法400,500および600と同様のいくつかの代替的な実装例について以下に記載する。第1の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデル(たとえばCTデータおよび/またはIOSデータ)を得ることを含む。次いで、患者の口腔内のインプラントの所望の場所および/または方位が決定される。仮想PSTPの3次元モデルが設計される。実際のPSTPは、(たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として製作される。PSTPが製作された後、外科手術ガイドシステム(たとえばNavigator(登録商標)外科手術ガイドシステム)を用いてインプラントが患者の口腔内に設置され、設置されたインプラントに実際のPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要でない場合、最終補綴物は、(実際のPSTPの複製でもある)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として設計され製作される。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第2の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデル(たとえばCTデータおよび/またはIOSデータ)を得ることを含む。次いで、患者の口腔内のインプラントの所望の場所および/または方位が決定される。仮想PSTPの3次元モデルが設計される。実際のPSTPは、(たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として製作される。PSTPが製作された後、外科手術ガイドシステム(たとえばNavigator(登録商標)外科手術ガイドシステム)を用いてインプラントが患者の口腔内に設置され、設置されたインプラントに実際のPSTPが取付けられる。次いで、最終補綴物は、(実際のPSTPの複製でもある)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として設計され製作される。歯肉組織を回復させ、次いでPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。そのような実装例では、歯肉組織が回復するのを待つことなく最終補綴物が設計され製作されるため、臨床医は、いずれかの修正がPSTPおよび/または最終補綴物設計に必要かどうか判断するために当該部位を評価(たとえば当該部位を視覚的に検査)しない。

第3の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデル(たとえばCTデータおよび/またはIOSデータ)を得ることを含む。次いで、患者の口腔内のインプラントの所望の場所および/または方位が決定される。仮想PSTPの3次元モデルが設計される。実際のPSTPは、(たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として製作される。PSTPが製作された後、外科手術ガイドシステム(たとえばNavigator(登録商標)外科手術ガイドシステム)を用いてインプラントが患者の口腔内に設置され、設置されたインプラントに実際のPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPが患者の口腔から取外され、物理的に修正される(たとえば、PSTPから材料が取除かれるか、PSTPに材料が追加されるか、またはその両方)。修正されたPSTPが全体的にスキャンされ、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、修正されたPSTPをインプラントに再び取付ける。患者の口腔からPSTPを取外して患者の口腔外でPSTPを修正する代わりに、必要な修正が歯肉縁上である場合、PSTPを患者の口腔から取外すことなくPSTPに物理的な修正を行うことができ、患者の口腔内に設置されたままでPSTPをスキャンすることができる(たとえば、PSTPの可視部分のみがスキャンされる)。いくつかの実装例では、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルは、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを含むように更新される。次いで、修正されたPSTPのスキャンデータおよび/または修正されたPSTPの仮想3次元モデルを用いて、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が設計され製作される。修正されたPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる(たとえば倣いフライス盤)。

第4の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデル(たとえばCTデータおよび/またはIOSデータ)を得ることを含む。次いで、患者の口腔内のインプラントの所望の場所および/または方位が決定される。仮想PSTPの3次元モデルが設計される。実際のPSTPは、(たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として製作される。PSTPが製作された後、外科手術ガイドシステム(たとえばNavigator(登録商標))を用いてインプラントが患者の口腔内に設置され、設置されたインプラントに実際のPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、仮想PSTPの3次元モデルが仮想的に修正される(たとえば、仮想PSTPの3次元モデルから材料を仮想的に取除くか、仮想PSTPの3次元モデルに材料を仮想的に追加するか、またはその両方)。患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルは、仮想PSTPの仮想的に修正された3次元モデルを含むように更新される。次いで最終補綴物は、患者の歯の状態の更新されたスキャンデータおよび/または更新された仮想3次元モデルを用いて、仮想PSTPの仮想的に修正された3次元モデルの複製として設計され製作される。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

第5の代替例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の歯の状態のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデル(たとえばCTデータおよび/またはIOSデータ)を得ることを含む。次いで、患者の口腔内のインプラントの所望の場所および/または方位が決定される。仮想PSTPの3次元モデルが設計される。実際のPSTPは、(たとえばフライス盤および/またはラピッドプロトタイピングマシンを用いて)仮想PSTPの3次元モデルの実際の複製として製作される。PSTPが製作された後、外科手術ガイドシステム(たとえばNavigator(登録商標)外科手術ガイドシステム)を用いてインプラントが患者の口腔内に設置され、設置されたインプラントに実際のPSTPが取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、仮想PSTPの3次元モデルが仮想的に修正される(たとえば、仮想PSTPの3次元モデルから材料を仮想的に取除くか、仮想PSTPの3次元モデルに材料を仮想的に追加するか、またはその両方)。次いで、仮想PSTPの仮想的に修正された3次元モデルの複製として最終補綴物が設計され製作される。PSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。

方法100,200,300,400,500,600のうちのどれ(または本明細書に記載した代替的な方法の1つ)が実装されるかに関わらず、永久的な患者固有の補綴物を製造してPSTPを置換する。図10に示されるように、PSTP10aは最終補綴物700で置換される。最終補綴物700は、最終補綴物700が最終的または永久アバットメント721aおよび最終的または永久クラウン721bを含む点でPSTP10bと同様である(たとえば、双方ともツーピースの補綴物である)。ねじ725が永久アバットメント721aをインプラント60に取付けることができ、次いで永久クラウン721bをその後歯科用セメントなどを用いて永久アバットメント721aに取付けることができるように、永久クラウン721bは永久アバットメント721aから離れている。

永久アバットメント721aは、フランジ723によって分離される歯肉縁上領域722aおよび歯肉縁下領域722bを有する。歯肉縁下領域722bは、インプラント60の対応する回転防止特徴と噛合うための(回転防止特徴14と同じかまたは同様の)回転防止特徴724を含む。永久アバットメント721aは、チタン、金、セラミック、PEEK(登録商標)、アクリル樹脂、または他の金属、プラスチック、および/または化合物、またはそれらの任意の組合せからなり得る。永久クラウン721bは、セラミック、磁器、金、チタン、PEEK(登録商標)、アクリル樹脂、または他の金属、プラスチック、および/または化合物、またはそれらの任意の組合せからなり得る。

最終補綴物700はツーピースの解決策であるものとして示されているが、最終補綴物は、任意の数の部品からなり得る。たとえば、最終補綴物は、完全にセラミックからなるワンピースであり得る。別の例では、最終補綴物は、歯肉縁上部分上に磁器のコーティングを有するセラミックからなるワンピースであり得る。別の例では、最終補綴物は、磁器のコーティングをその上に有するセラミックからなる、永久クラウンがそれに取付けられたチタンの永久アバットメントを含むことができる。このように、スキャンデータ(または修正されたスキャンデータ)は一体構造のPSTPのスキャンから生成されるが、本明細書に記載される最終補綴物を製造するために用いられるスキャンデータ(または修正されたスキャンデータ)を分割および/または修正して、そこからの多ピースの最終補綴物の製造を補助することができる。

PSTP10a、暫間アバットメント21aおよび31a、ならびに永久アバットメント721aは、歯肉縁下領域、歯肉縁上領域、およびフランジをその間に有するものとして本明細書に示され記載されるが、フランジおよび/または歯肉縁上領域のいずれかの部分は、所与の設置のために歯肉下(たとえば歯肉組織の下方)に配置することができる。同様に、フランジおよび/または歯肉縁下領域のいずれかの部分は、所与の設置のために歯肉縁上(たとえば歯肉組織の上方)に配置することができる。また、本明細書に記載される歯肉縁上領域は、部分的に歯肉縁下および/または部分的に歯肉縁上であるポスト領域と称することができる。すなわち、いくつかの実例では、本明細書に記載される暫間アバットメントの様々な部分を参照すると、歯肉縁上およびポストという用語は交換可能に用いることができる。

図4を参照して説明したように、最終補綴物は、最終補綴物を製作するためにPSTPのスキャンから生成されたスキャンデータを用いて、PSTPの複製として製造される。最終補綴物がPSTPのスキャンデータから製作されたPSTPの正確な複製である代わりに、スキャンデータおよび/またはPSTPの3次元モデルの一部分を修正することができるか、もしくはストックモデル要素と置換することができる。具体的には、そのような代替例では、スキャンデータに表わされるPSTPおよび/またはPSTPの3次元モデルの特徴のうちのいくつかは、アバットメント接続、非回転特徴、着座プラットフォーム、およびねじアクセスホール(たとえば一般にインプラントと相互作用するPSTPの部分)といったストック(非解剖学的)要素と相関する。PSTPのスキャンデータおよび/または3次元モデルは、すべての既知のストック要素を含むCADライブラリと比較することができる。形状マッチングアルゴリズムを用いて、PSTPのスキャンデータおよび/または3次元モデル内においてそのような要素を識別し置換することができ、したがって最終補綴物がスキャンデータから製造されると、PSTPのスキャンデータおよび/または3次元モデルからのパラメータではなくストック設計パラメータを用いて、スキャンデータ内における置換された特徴を製造することができる。

例示されている実装例は、主として単一歯用途のための永久的な患者固有の補綴物の開発に関連して説明したが、本発明は総義歯または部分義歯を支持するためのブリッジおよびバーといった複合歯用途にも有用であることが理解されるべきである。これらの状況において、永久的な患者固有の補綴物は、下地インプラントと係合するための非回転特徴を必ずしも必要としないであろう。なぜなら、最終補綴物は、口腔内の別の構造(たとえば1つ以上の追加的な下地インプラント)によっても支持される(それにより、設計に対して非回転局面を本質的に実現する)からである。いかなる場合も、複合歯のPSTPをスキャンすることから生成されたスキャンデータを用いて必要な情報を取得する永久複合歯の永久的な患者固有の補綴物を製作することで、審美的に満足できる複合歯システムの開発をもたらすことができる。

上記の開示は、永久的な患者固有の補綴物を開発するためにPSTPを用いることに注目している。上述したように、典型的なPSTP10a,10b,10cは、それらの外面が患者の歯肉組織の回復を助けるように輪郭作成されているため、歯肉回復アバットメントとして機能する。上記の実装例のうちのいずれかに述べられているようにPSTPを用いる代わりに、患者固有の歯肉回復アバットメント(「PSHA」)を代わりに用いることができる。PSHAはPSTPと同様であるが、PSHAは暫間歯として機能しない。むしろ、PSHAはその周囲の歯肉組織が解剖学的形状に回復することを助けるようにのみ機能する。したがって、PSHAは、(たとえば食物を咀嚼するために)暫間歯として用いられる患者の歯肉組織から著しい量突出しない。暫間歯解決策が患者に必要でない場合、またはPSTPの設計および製作が過度に複雑である(たとえば、隣接するおよび/または対向する歯が理想的な位置未満である)場合、または治療時間を短縮するためには(たとえば、PSTPを開発し製作するには、PSHAよりも多くの時間がかかる)、臨床医はPSTPの代わりにPSHAを用いることを所望する場合がある。PSHAを用いるそのような解決策では、臨床医は、本明細書に記載されるのと本質的に同じ動作を行って、永久的な患者固有の補綴物を開発し、製作する。主な相違は、PSTPがPSHAで置換される点であり、永久的な患者固有の補綴物は本明細書に記載されるものと同様の方法に従って製作されるであろう。具体的には、いくつかの実装例では、PSHAがスキャンされ、次いで患者の口腔内のインプラントに取付けられる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、いずれかの修正がPSHAおよび/または最終補綴物設計に必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば、当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要でない場合、PSHAのスキャンからのPSHAのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを用いて、最終補綴物がデジタル的に設計され製作される。

開示全体にわたり、PSTPをスキャンして、PSTPの輪郭および詳細をすべて取込むPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することに言及する。物理的な輪郭(たとえばサイズ、形状、寸法など)を取込むことに加えて、永久的な患者固有の補綴物を設計し製作するのに使用するためのPSTPの色を取込むことができる。さらに、本明細書に記載されるスキャン動作のうちのいずれかはカラー情報を取得することを含むことができる。たとえば、設置されたPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯のスキャンをスキャンして、カラー情報を含むPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することができる。

本明細書に記載したように永久的な患者固有の補綴物をPSTPの複製として設計し製作する代わりに、患者の口腔の固定具レベル(たとえばインプラントレベル)モデルを用いて、永久的な患者固有の補綴物を(たとえば少なくとも部分的に)設計し製作することができる。固定具レベルモデルは、患者の口腔の仮想モデルおよび/または物理的モデル(たとえばラピッドプロトタイプモデル)のいずれかであり得る。仮想固定具レベルモデルを用いる場合、永久的な患者固有の補綴物を仮想的に設計することができ(たとえば、物理的モデルを製作する必要はなく)、物理的な固定具レベルモデルを用いる場合、永久的な患者固有の補綴物を手作業で設計することができる。患者の口腔のラピッドプロトタイプモデルは、患者の口腔の固定具レベル仮想3次元モデルからラピッドプロトタイプモデルを製作するラピッドプロトタイピングマシンを用いて作成することができる。患者の口腔のそのような固定具レベル仮想3次元モデルを生成するために、2つのスキャンが取られる。まず、PSTP全体をスキャンして、PSTP全体のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。第2に、設置されたPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯をスキャンして、PSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、ブール演算(たとえば減算動作)を用いて、PSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯の仮想3次元モデルからPSTPの仮想3次元モデルを減算し、その結果、患者の口腔の固定具レベル仮想3次元モデルとなる。迅速な試作指令を、患者の口腔の固定具レベル仮想3次元モデルから生成し、ラピッドプロトタイピングマシンに送り、永久的な患者固有の補綴物を作成する際に使用されるラピッドプロトタイプモデルを製作することができる。いくつかのさらなる代替例によれば、PSTPが(上記のように物理的にまたは仮想的に)修正される場合、患者の口腔の固定具レベル仮想3次元モデルは、永久的な患者固有の補綴物を作成する際に使用されるラピッドプロトタイプモデルとして製作される前に、相応して更新しかつ/または修正することができる。

本明細書において開示された概念のいくつかの実装例によれば、PSTPをスキャンして、PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを取得する。そのような実装例は、スキャナ(たとえばデスクトップスキャナおよび/または口腔内スキャナ)を利用できる臨床医によって典型的に行なわれる。いくつかの実例では、臨床医が適切なスキャナを利用できないため、PSTPを直接スキャンすることができない。したがって、本明細書に記載したようにPSTPをスキャンする代わりに、PSTPの印象が作製される。印象は、PSTPの印象をスキャンすることができる適切なスキャナを利用できる研究所に送られ、そこからPSTPの仮想3次元モデルを生成することができる。印象から生成されたPSTPの仮想3次元モデルは、本明細書に記載されるPSTPの直接スキャンから生成されたPSTPの仮想3次元モデルと同じか、または実質的に同じである。

さらに、印象がスキャンされる代わりに、スキャンすることができるPSTPの印象からPSTPの物理的モデル(たとえば石膏歯型鋳造モデル)を作成することができる。すなわち、印象を用いてPSTPの物理的モデルを作成することができ、適切なスキャナ(たとえばデスクトップおよび/または口腔内スキャナ)を用いてPSTPの物理的モデルをスキャンすることができる。PSTPの物理的モデルのスキャニングはPSTPの物理的モデルのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。これは、本明細書に記載されるPSTPの直接スキャンから生成されるPSTPの仮想3次元モデルと同じであるか、または実質的に同じである。PSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルがどのように得られるとしても(PSTPを直接スキャンするか、PSTPの印象をスキャンするか、またはPSTPの物理的モデルをスキャンするにせよ)、PSTPのそのようなスキャンデータおよび/またはそのような仮想3次元モデルを、この開示の全体にわたって記載される方法および実装例のいずれかに従って用いることができる。

PSTPの印象を取り、かつ/またはPSTPの物理的モデルを作成することに加えて、PSTPが中に設置されている患者の口腔の印象を取ることができる。PSTPを含む患者の口腔の物理的モデルを印象から作製することができる。次いで、患者の口腔の印象および/または物理的モデルをスキャンして、患者の口腔のスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することができる。患者の口腔のそのような仮想3次元モデルは、この開示の全体にわたって記載される方法および実装例のいずれかに従って用いることができる。たとえば、ブール演算(たとえば減算動作)を用いると、(PSTPの印象または物理的モデルのスキャンから取得された)PSTPの仮想3次元モデルを(患者の口腔の印象または物理的モデルのスキャンから取得された)患者の口腔の仮想3次元モデルから取出して、固定具レベル仮想3次元モデルを開発することができる。いくつかの実装例では、開発された固定具レベル仮想3次元モデルのラピッドプロトタイプモデルを、永久的な患者固有の補綴物を設計しかつ/または製作する際に使用するために作製することができる。

PSTPの印象を用いる上記の代替的な実装例によれば、患者の口腔内に設置された歯科インプラント(たとえばインプラント60)への取付けのための永久的な患者固有の補綴物(たとえば最終補綴物)を製造する方法は、患者の口腔内に歯科インプラントを設置することを含む。次いでPSTPが製作される。製作されたPSTPは、印象材料により全体的に型押される。いくつかの実装例では、第1の箱が印象材料で充填され、PSTPのおよそ半分が当該材料内に沈められる。次いで、第2の箱を第1の箱と噛合わせ、次いで組合せられた箱に印象材料が注入される。次いで箱が分離され、PSTPの両半分のネガの印象または画像を残す。いくつかの実装例では、印象の両半分をスキャンして、型押されたPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。型押されたPSTPのそのようなスキャンデータおよびそのような仮想3次元モデルは、PSTPの仮想3次元モデルに加工することができる。他のいくつかの実装例では、印象の両半分を用いてPSTPの物理的モデルが作成され、物理的モデルが全体的にスキャンされ、PSTPの物理的モデルのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。PSTPが型押された後、患者の口腔内に設置されたインプラントにPSTPが取付けられる。PSTPがインプラントに取付けられた後、患者の口腔を型押して、患者の口腔の印象を作成することができる。具体的には、取付けられたPSTPならびに隣接するおよび/または対向する歯が型押される。患者の口腔の印象および/または印象から作製された患者の口腔の物理的モデルをスキャンして、取付けられたPSTPならびに患者の隣接するおよび/または対向する歯の追加的なスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。追加的なスキャンデータおよびPSTPの印象のスキャンから、またはPSTPの物理的モデルのスキャンから生成されたスキャンデータを、マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルへとマージすることができる。歯肉組織を回復させ、次いで臨床医は、PSTPおよび/または最終補綴物設計にいずれかの修正が必要かどうか判断するために当該部位を評価する(たとえば当該部位を視覚的に検査する)。修正が必要である場合、PSTPが患者の口腔から取外され、物理的に修正される(たとえば、PSTPから材料が取除かれるか、PSTPに材料が追加されるか、またはその両方)。修正されたPSTPを型押することができ、そこから修正されたPSTPの修正された物理的モデルを作成することができる。修正されたPSTPの印象または修正されたPSTPの物理的モデルが全体的にスキャンされ、修正されたPSTPを表すスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成する。次いで、修正されたPSTPをインプラントに再び取付ける。患者の口腔からPSTPを取外して患者の口腔外でPSTPを修正する代わりに、必要な修正が歯肉縁上である場合、PSTPを患者の口腔から取外すことなくPSTPに物理的な修正を行うことができ、患者の口腔内に設置されたままでPSTPを型押することができる(たとえば、PSTPの可視部分のみが型押される)。マージされたデータセットおよび/またはマージされた仮想3次元モデルを、修正されたPSTPを表すスキャンデータおよび/または修正されたPSTPを表す仮想3次元モデルを含むように更新することができる。次いで、更新されたマージされたデータセットおよび/または更新されたマージされた仮想3次元モデルを用いて、修正されたPSTPの複製として最終補綴物が設計され、製作される(たとえば倣いフライス盤)。修正されたPSTPが取外され、最終補綴物がインプラントに取付けられる。上記の代替的な実装例では、印象を第1の場所(たとえば臨床医の診察所)で取ることができ、印象および/または物理的モデルのスキャニングを第2の離れた場所(たとえば研究所)で行うことができる。上記の患者の口腔の物理的モデルの作成に加えて、最終補綴物を設計しかつ/または製作する際に使用するために、取得されたスキャンデータから患者の口腔の固定具レベルのラピッドプロトタイプモデルを作成することができる。

本開示の全体にわたり、PSTPをスキャンして、PSTPの輪郭および細部をすべて取込むPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することに言及する。本明細書に開示された概念のいくつかの実装例によれば、PSTPのスキャニングは、PSTPを固定具(図示せず)内に位置決めすること、および/またはPSTPを固定具に取付けることを含む。固定具は、たとえば中心軸を有する非回転特徴(たとえば六角形の隆起など)を含むベース(たとえば材料のブロック)であり得、非回転特徴は、PSTPの対応する非回転特徴(たとえば六角形のソケットなど)と噛合うように構成される。したがって、固定具にPSTPを取付けることにより、(1)PSTPの非回転特徴が固定具の非回転特徴の方位に対応するように、(2)PSTPの中心軸が固定具の非回転特徴の中心軸に対応(たとえば一致)するように、かつ(3)PSTPの着座面が固定具の頂面特徴に対応するように、PSTPが自動的に方位付けされる。固定具(およびその非回転特徴)は、PSTPをスキャンするために用いられるスキャナに関して既知の場所(たとえば位置および方位)に位置決めされる。したがって、固定具にPSTPを取付けることにより、(1)PSTPの非回転特徴の方位と、(2)PSTPの中心軸の場所と、(3)PSTPの着座面の場所と、(4)PSTPのねじアクセスホールの場所とが、スキャナ(および/またはスキャニングソフトウェア)に自動的に提供される。そのため、PSTPの仮想3次元モデルを開発するために互いにまとめる必要のあるスキャンデータ(たとえば画像データ)の量を減らすことによって、PSTPのスキャン(たとえばPSTPに関連付けられたスキャンデータの取得)の正確性を向上させることができる。たとえば、PSTPの非回転特徴の方位を認識することにより、スキャニングソフトウェアが(たとえば、固定具と噛合う既知のPSTPインターフェースに関連付けられたストックデータを用いて)PSTPのインターフェース幾何学的配置(たとえば非回転特徴)を自動的に含むことが可能となる。すなわち、PSTPの非回転特徴に関連付けられたスキャンデータの部分は必要とされず、スキャンデータの残りによってまとめられるストック既知データで置換することができる。同様に、別の例では、PSTPの中心軸を認識することにより、インターフェース幾何学的配置に関して上記したのと同じかまたは同様のやり方でスキャニングソフトウェアがPSTPのねじアクセスホール(たとえば歯科インプラントにPSTPを取付けるためにその中を通るねじを収容するためのボア)を自動的に含むことが可能となる。

本開示の全体にわたり、PSTPをスキャンして、PSTPの輪郭および細部をすべて取込むPSTPのスキャンデータおよび/または仮想3次元モデルを生成することに言及する。本明細書に開示された概念のいくつかの実装例によれば、PSTPのスキャニングは、PSTPをスキャンする前にスキャン補助器具(図示せず)を一時的にPSTPに取付けることを含む。スキャン補助器具は、PSTPのねじアクセスホール(たとえば歯科インプラントにPSTPを取付けるためにその中を通るねじを収容するためのボア)と連結され、かつスキャン補助器具の一部分がPSTPから突出し、PSTPに対して可視となるよう、PSTPから延在するように設計される。スキャン補助器具は、PSTPのねじアクセスホールと(たとえばしまり嵌め型に摺動可能に係合して)係合するための第1の部分と、PSTPのねじアクセスホールから突出するための突起とを含むことができる。突起は、スキャニングソフトウェアによって識別することができ、かつPSTPのねじアクセスホールを直接スキャンすることによって取得するのが難しいねじアクセスホールの細部(たとえばねじアクセスホールの直径、ねじアクセスホールの長さなど)を拡大するために用いることができる既知の特徴(たとえば目盛り、点、ディボット、小隆起、くぼみ、文字、線、切欠きなど)をその外面上に含む。細部を拡大するとは、スキャンされたPSTPの残りに対するスキャン補助器具(具体的には、その上の突起および既知の特徴)の方位について認識することにより、(たとえば、既知のPSTPねじアクセスホールに関連付けられたストックデータを用いて)PSTPのねじアクセスホールをスキャニングソフトウェアが自動的に含むことが可能となることを意味する。すなわち、PSTPのねじアクセスホールに関連付けられたスキャンデータの部分は必要とされず、スキャンデータによってまとめられるストック既知データで置換することができる。

さらに、本明細書に開示された概念のいくつかの実装例によれば、PSTPのスキャニングは、PSTPをスキャンする前に、スキャン補助器具(図示せず)をPSTPのインプラント接続および/または着座面に一時的に取付けることを含む。特に、スキャン補助器具は、インプラント接続(たとえば外部の六角形の隆起)と連結され、かつPSTPの着座面に当接するように設計される。そのため、スキャン補助器具は、スキャン補助器具がPSTPに対して可視となるように、PSTPの着座面から延在する。スキャン補助器具は、(たとえばスキャン補助器具がPSTPのインプラント接続上を摺動するところでしまり嵌め型に摺動可能に係合して)PSTPのインプラント接続と係合するための第1の部分と、PSTPのインプラント接続から延在するための第2の部分とを含むことができる。第2の部分(および/または第1の部分)は、スキャニングソフトウェアによって識別することができ、かつPSTPのインプラント接続および/または着座面を直接スキャンすることによって取得するのが難しいインプラント接続および/または着座面の細部(たとえばインプラント接続の種類、インプラント接続のサイズ/直径、インプラント接続の長さ/高さなど)を拡大するために用いることができる既知の特徴(たとえば目盛り、点、ディボット、小隆起、くぼみ、文字、線、切欠きなど)をその外面上に含む。細部を拡大するとは、スキャンされたPSTPの残りに対するスキャン補助器具(具体的には、その上の第2の部分および既知の特徴)の方位について認識することにより、(たとえば、既知のPSTPインプラント接続および/または着座面に関連付けられたストックデータを用いて)PSTPのインプラント接続および/または着座面をスキャニングソフトウェアが自動的に含むことが可能となることを意味する。すなわち、PSTPのインプラント接続および/または着座面に関連付けられたスキャンデータの部分は必要とされず、スキャンデータによってまとめられるストック既知データで置換することができる。さらに、スキャン補助器具の方位について認識することによって、PSTPのインプラント接続および/または着座面をスキャニングソフトウェアが自動的に含むことが可能となると、PSTPのねじアクセスホールも決定され、自動的に含まれることができる。すなわち、PSTPのねじアクセスホールに関連付けられたスキャンデータの部分は必要とされず、スキャンデータによってまとめられるストック既知データで置換することができる。

本開示を1つ以上の特定の実施形態および実装例を参照して説明したが、当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく多くの変更を行ない得ることを認識するであろう。これらの実施形態および実装例、ならびにそれらの明白な変形例の各々は、添付の請求項に記載される本発明の精神および範囲内にあることが企図される。

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