変更可能作動パラメータを有する歯科矯正補助具及びコネクタ

申请号 JP2017534282 申请日 2015-12-23 公开(公告)号 JP6430019B2 公开(公告)日 2018-11-28
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 ジェイムズ ディー.クリアリー;
摘要
权利要求

上歯列弓と下歯列弓との相対的な位置を移動させるために構成される口腔モジュールであって、 第1の外端部を有し、且つ、上側モジュールの少なくとも一部と同軸のらせん圧縮ばねに連結された上側モジュールであって、概ね近心方向に延びる長手方向軸線を有する上側モジュールと、 前記上側モジュールに接続され、且つ、前記上側モジュールに対して枢動可能に移動可能な下側モジュールであって、第2の外端部まで遠心方向に延びる、下側モジュールと、 前記下側モジュールの前記第2の外端部に接続された第1のコネクタと、を備え、前記下側モジュールは基準軸に対して概ね垂直である第1の軸を中心に前記第1のコネクタに対して弧を描くように回転移動可能であり、該コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で前記第1の軸回りに回転可能であり、前記第2の向きが前記第1の向きに対して前記第2の外端部のより遠位の位置を提供する、力モジュール。前記回転可能な第1のコネクタはアーチ状軸を有する第1のチャネルを含み、該チャネルが前記下側モジュールの前記外端部の回転軸を画定する、請求項1に記載の力モジュール。前記回転軸は、前記上側モジュール及び前記下側モジュールの双方が前記下歯列弓の咬合面に対して実質的に平行であるように、60度以下の弧に沿う、請求項2に記載の力モジュール。前記ばねは、前記第1の向きにおける作動力及び前記第2の向きにおける作動力を含み、前記第2の向きにおける前記作動力は前記第1の向きにおける作動力より大きい、請求項1に記載の力モジュール。前記下側モジュールは前記チャネル内に受入れられる回転止めを含み、前記回転止めはシャフトと止めピンとを含み、前記シャフトは前記下側モジュールに弾性的に取付けられ、前記止めピンは前記チャネル内における受容のために構成され、前記チャネルから前記止めピンを係合解除するために、前記シャフトは概ね頬側方向に移動可能である、前記チャネルから前記止めピンを係合解除する、請求項2に記載の力モジュール。前記コネクタは更に、アーチ状軸を有する第2のチャネルと開口とを含み、前記開口は前記第1及び第2のチャネルの間に配設される、請求項2に記載の力モジュール。前記第1及び第2のチャネルは前記コネクタの対向する縁領域に配設される、請求項6に記載の力モジュール。前記第1及び第2のチャネルへの入口は、第1の基準面内で実質的に同一平面上にある、請求項7に記載の力モジュール。前記コネクタは前記第1の基準面と概ね直交する方向に延びる壁区分を含み、前記壁区分が歯科矯正臼歯器具への取付けのための連結部を含む、請求項8に記載の力モジュール。前記壁区分は接続ピンの受容のための通路を含み、前記通路と前記歯科矯正臼歯器具の凹部との位置合わせは、前記接続ピンが前記第1のコネクタを前記臼歯器具に取付けることを可能にする、請求項9に記載の力モジュール。前記第1のチャネルは前記第1の向きにおいて前記第2のチャネルに対して近心にあり、前記第2のチャネルは前記第2の向きにおいて前記第1のチャネルに対して近心にある、請求項6に記載の力モジュール。口腔内力モジュールの作動力又は再配置力を変更する方法であって、 第1の外端部を有する上側モジュールであって、概ね近心方向に延びる長手方向軸線を有する上側モジュールと、前記上側モジュールに接続され、且つ、前記上側モジュールに対して枢動可能に移動可能な下側モジュールであって、前記下側モジュールの一部が前記上側モジュールの長さの一部に沿って第2の外端部まで遠位に延びる下側モジュールと、前記下側モジュールの前記第2の外端部に接続され、且つ、コネクタの対向する縁領域に隣接して配設される第1及び第2チャネルを含む、第1のコネクタと、を備える力モジュールを提供することであって、前記下側モジュールは基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に前記第1のコネクタに対して弧を描くように回転移動可能であり、前記下側モジュールは前記第1のコネクタにおける前記第1のチャネル内に受入れられる回転止めを含む、力モジュールを提供することと、 前記回転止めを前記第1のチャネルから係合解除することと、 前記コネクタを第2の向きに回転することによって、前記第1のチャネルが前記第2のチャネルに対して遠位の位置に回転されることと、 前記回転止めを前記第2のチャネル内に固定することと、を備える、方法。前記回転止めが、シャフトと、前記第1のチャネル内に受入れられる止めピンと、を含み、前記回転止めを係合解除することは、前記止めピンを前記チャネルから取外すために前記シャフトを概ね顔側方向に移動する行為を含む、請求項12に記載の方法。前記上側モジュールは更に、前記上側モジュールの少なくとも一部と連結され且つ同軸のらせん圧縮ばねを含む、請求項12に記載の方法。前記ばねは、前記回転止めが前記第1のチャネル内に受入れられたときに第1の作動力を含み、前記ばねは、前記回転止めが前記第2のチャネル内に受入れられたときに第2の作動力を含み、前記第2の作動力は前記第1の作動力よりも大きい、請求項14に記載の方法。上歯列弓と下歯列弓との相対的な位置を移動させるために構成される口腔内力モジュールであって、 第1の外端部を有する上側モジュールであって、概ね近心方向に延びる長手方向軸線を有する上側モジュールと、 前記上側モジュールに接続され、且つ、前記上側モジュールに対して枢動可能に移動可能な下側モジュールであって、前記下側モジュールの一部が前上側モジュールの長さの一部に沿って第2の外端部まで遠位に延びる、下側モジュールと、 前記下側モジュールの前記第2の外端部に接続された第1のコネクタと、を備え、前記下側モジュールは基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に前記第1のコネクタに対して弧を描くように回転移動可能であり、該コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で移動可能であり、前記力モジュールは前記第1の向きにおいて第1の作動力を有し、且つ、前記第2の向きにおいて第2の作動力を有する、力モジュール。前記第1の作動力は前記第2の作動力より大きい、請求項16に記載の力モジュール。前記第1の作動力は前記第2の作動力より小さい、請求項16に記載の力モジュール。前記第1のコネクタは前記第1の軸回りに回転可能であり、前記第1のコネクタは前記コネクタの対向する縁領域に配設される第1及び第2のチャネルを含み、前記第1及び第2のチャネルはそれぞれアーチ状軸を含む、請求項16に記載の力モジュール。

说明书全文

歯科矯正の分野は、歯を口腔内の適切な位置に向けて案内、矯正し、これを管理することに関する。矯正治療は、一般に、歯を適切な咬合構成、つまり噛み合わせへと移動させるために、を加えることを伴う。固定器具治療として知られている治療方法の1つは、患者の少なくとも前歯、犬歯、及び小臼歯に固着される、ブラケットと呼ばれる1組の非常に小さいスロット付き器具を使用して行われる。治療の初めに、アーチワイヤとして知られている弾性歯科矯正器具が、ブラケットスロットのそれぞれに受入れられる。アーチワイヤの端部は、典型的には、患者の大臼歯に固着されているバッカルチューブと呼ばれる器具に固定される。

アーチワイヤは、ブラケット及びバッカルチューブの中に最初に設置されるとき、その元の弓状(又は湾曲)形状から撓むが、その後、治療している間に徐々にこの元の形状に戻る。このようにして、アーチワイヤは、治療目的の弱い力を加え、歯を不適切な位置から適切な位置に移動させる。ブラケット、バッカルチューブ、及びアーチワイヤはまとめて、一般に「ブレース(braces)」と呼ばれる。ブレースは、歯及び顔面の審美的外観、咬合機能及び歯科衛生を向上させるために調製されることが多い。多くの場合、1組のブラケット、バッカルチューブ及びアーチワイヤは、上歯列弓及び下歯列弓のそれぞれに対し設けられる。

ブラケット、及び固定器具システムの他の構成要素は、一般に、歯の唇側(即ち、患者の唇及び頬の付近)の表面上に置かれる。ここ数十年の間、当該技術分野の発達により、ブラケットを歯の舌側の表面上に置くことが可能になっている。したがって、アーチワイヤを含む固定器具システムの構成要素は、舌のより近くに配設し、魅力的で審美的に優れた代替物を提供しているがこれは、この器具システムが、視界から本質的に隠されるためである。舌側ブラケットは、歯及び患者ごとに、個別にカスタマイズされた設計を有することが多いがこれは、歯の唇側面とは異なり、舌側の表面は、互いに関連する形状が大幅に異なるため、「1つのサイズが全てに合う」ブラケットの形状は、通常使用することができないためである。歯列弓の舌側の表面にカスタマイズされたブラケットを含む例示的な器具システムが、米国特許第7,811,087号(Wiechmannら)に開示されている。

いくつかの段階の治療中に、更なる口腔内器具を調製して固定器具と共に使用し、特定の種類の不正咬合を矯正することがある。例えば、いくつかの器具は、顎を閉じたときに、下顎第1大臼歯が上顎第1大臼歯に対して過度に遠位(後方向)に位置するオーバーバイト等のクラスII不正咬合を矯正するために使用される。他の器具は、顎を閉じたときに、下顎第1大臼歯が上顎第1大臼歯に対して過度に近心(前方向)に位置するアンダーバイト等、クラスIII不正咬合として知られる、逆の不正咬合を矯正する。

近年、矯正歯科医によって設置され、治療の過程で患者の介入を最少にしか必要としないクラスII及びクラスIII矯正装置が開発されている。これらのデバイスは、以前の一般的なヘッドギアのように、患者のコンプライアンスを必要とせずに、クラスII及びクラスIII不正咬合を有利に矯正する。クラスII及びクラスIII不正咬合を矯正するいくつかの口腔内デバイスが、当該技術分野で知られている。例えば、米国特許第4,708,646号、同第5,352,116号、同第5,435,721号、同第5,651,672号、同第5,964,588号、及び同第8,257,080号は、患者の上歯列弓及び下歯列弓に接続される可撓性及び/又はテレスコープ部材を有する口腔内の咬合矯正装置を記載する。付勢力が部材を通常の直線の向きに付勢し、顎が閉じているときに一方の歯列弓を他方の歯列弓に対して前方又は後方に押す力を与える。

顎の位置が矯正されると、その付勢力は顎を閉じる間に減少し、よって圧縮時により少ない力を与える。これに応じて、従事者は口腔内デバイスの効果的な有効長さを増加させることを選択して、患者の顎に発揮される力が治療中に効果的であり続けることを確実にする。効果的な長さは、患者の口から口腔内デバイスを取り出して、治療を継続するために次に構成部材を変えることで、典型的に増やされるか、ないしは別の方法で変更される。或いは、このようなデバイスに停止部又はカラーを加えて、移動の長さを減らし、供給される作動力を増加させることができる。

更に、これらのデバイスを歯列弓に接続することには、様々な可能性がある。バンド付きヘッドギアのチューブは、上歯列弓への遠位接続をもたらすために、依然として一般に使用されている。しかしながら、これらのバンド付き器具は一般的に好まれてはいない。大臼歯に固着可能な器具は、多くの点で唇側システムと共に使用する上でより好都合であり、一部の矯正歯科医は、こうした器具をバンド付き器具よりも好む。別の選択肢としては、歯列弓への接続は、口腔内デバイスを一方又は両方のアーチワイヤに連結することによって間接的に行うことができる。

クラスII及びクラスIII矯正装置を唇側ブレースに取付けるためには無数の製品及び解決策が存在するにもかかわらず、舌側器具システムについては同様のことが言えない。典型的な取付け方法は、矯正装置の外端に固定をもたらすように、患者の歯列弓の唇側面上のアーチワイヤ及び他の器具の存在に依存するものである。現在の舌側器具システムでは、アーチワイヤは歯の舌側面に近接して位置するため、外端ループへの取付けは、更なる介入がなければ不可能である。また、このような口腔内デバイスを両方のアーチの大臼歯に接続することが有利であり得る。なぜなら、大臼歯の比較的大きな歯根の大きさは、片方の顎を他方の顎に対して移動させるために力を与えるための良い固定位置を提供するためである。

本開示は、唇側、又は舌側に接合する器具システムを有する口腔内デバイス、特に咬合矯正装置の確実な使用を可能とするアセンブリを提供する。アセンブリは、使用中に唇側に取付けられた咬合口腔内デバイスの厚さを減少させる働きをし、適用された治療に対する患者の快適さ、及び同様にコンプライアンス順守を向上させる。更に、空間を有効活用した大臼歯間アタッチメントを確保するために、アセンブリは各歯列弓上のアタッチメント機構間の距離を最小限にする。因みに、有利なことに、コネクタの近心端部が目立つ前歯に対してより遠位の位置に配置されるため、大臼歯間接続はまた、患者にとってより審美的な選択肢を与える。

特に好適な態様では、本開示は、デバイスによって与えられる作動力を変えるために患者の口から口腔内デバイス全体を取り出す必要を減らすか排除するコネクタを提供する。代わりに、口腔内デバイスについて異なるアタッチメントの長さを適用するために、コネクタは部分的に切り離されて回転されてもよく、規定される又は所望されるとおりに作動力を増加又は低下させる。デバイスの他の構成部分はいずれも切り離す必要はない。

第1態様では、本開示は上歯列弓及び下歯列弓の相対的な配置を移動させるように構成される口腔内力モジュールアセンブリを提供する。力モジュールは、第1の外端部を有する第1の部材であって、当該第1の部材の少なくとも一部と同軸のらせん圧縮ばねと連結される第1の部材を備え、第1の部材は概ね近心方向に延びる長さを有する。力モジュールはまた、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1の部材に対して枢動可能に移動可能な第2の部材をも備え、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部まで遠位に延びる。アセンブリは、第2の部材の第2の外端部に接続される第1のコネクタを更に備える。第2の部材は、基準軸に対して概ね垂直である第1の軸を中心に、第1のコネクタに対して弧内で移動可能であり、コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で移動可能であり、ばねは第1の向きにおける第1の作動力、及び第2の向きにおける第2の作動力を有する。

一態様では、本開示は上歯列弓及び下歯列弓の相対的な位置を移動させるように構成される口腔内力モジュールを提供する。力モジュールは、第1の外端部を有する第1の部材を備え、第1の部材は概ね近心方向に延びる長さを有する。力モジュールはまた、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1部材に対して枢動可能に移動可能な第2の部材をも備え、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる。アセンブリは第2の部材の第2の外端部に接続する回転可能な第1のコネクタを更に備え、第2の部材は基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に、第1のコネクタに対して、弧内で移動可能であり、コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で回転可能であり、第2の向きは第1の向きに対して外端部のより遠位の位置を提供する。

本開示はまた、上歯列弓及び下歯列弓の相対的な位置を移動させるための別の口腔内アセンブリをも提供し、アセンブリは、歯への接続のために適合される第1の歯科矯正臼歯装置と、下側モジュールに枢動可能に連結される上側モジュールを備える再配置デバイスであって、上側モジュールは、第1の部材、及び基準軸に沿って移動するために第1の部材に摺動可能に連結される第2の部材とを有するテレスコープ式アセンブリを含み、第2の部材は外端部を有し、下側モジュールは空洞を画定する筐体を備え、筐体の一部はテレスコープ式アセンブリの長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延び、筐体区分は空洞内に受入れられる引張部材を含み、引張部材は張設されており、上歯列弓及び下歯列弓が開いたときにその長さが伸びる、再配置デバイスと、を備える。

別の態様では、本開示は口腔内力モジュールの作動力を変更するための方法を提供する。方法は、第1の外端部を有する第1の部材を含む力モジュールを提供することを含み、第1の部材は概ね近心方向に延びる長さを有する。力モジュールは、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1の部材に対して枢動可能に移動可能な第2の部材を更に備え、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる。回転可能な第1のコネクタは第2の部材の第2の外端部に接続し、コネクタの対向する縁領域に隣接して配設される第1及び第2のチャネルを含み、第2の部材は第1のコネクタに対して基準軸に対して概ね垂直である第1の軸を中心に、弧内で移動可能であり、第2の部材は第1のコネクタの第1のチャネル内に受入れられる回転止めを備える。方法は、第1のチャネルから回転止めを係合解除することと、コネクタを第2の向きに回転させることで、第1のチャネルが第2のチャネルに対して遠位の位置に回転されて第2のチャネル内の回転止めを固定することと、を更に含む。

更に別の態様では、本開示は口腔内力モジュールの作動力を変更するための方法を提供する。方法は、第1の外端を有する第1の部材であって、概ね近心方向に延びる長さを有する第1の部材と、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1の部材に対して枢動可能に移動可能である第2の部材であって、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる第2の部材と、第2の部材の第2の外端部に接続する第1のコネクタであって、当該コネクタの対向する縁領域に隣接するチャネル距離で分離される第1及び第2のチャネルを備える第1のコネクタとを有する力モジュールを提供することを含む方法であって、第2の部材は第1のコネクタに対して、基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に、弧内で移動可能であり、第2の部材は第1のコネクタ内の第1のチャネル内に受入れられる第1の長さを有する取り外し可能な第1の回転止めを含む。方法は、第2の長さを有する第2の回転止めを提供することと、第1のチャネル及び第2の部材から第1の回転止めを係合解除することと、第2のチャネル内及び第2の部材上の第2の回転止めを固定することと、を更に含む。

「備える(comprise)」という用語及びその変形は、こうした用語が説明及び特許請求の範囲に見られる場合、限定の意味を有するものではない。かかる用語は、記載の工程若しくは要素、又は、工程群若しくは要素群の包含を含意するが、他のいずれの工程若しくは要素、又は、工程群若しくは要素群の排除も含意しないことが理解されるだろう。「からなる(consisting of)」により、「からなる」という文言に続くものは何であれ含み、それに限定されることが意図される。したがって、「からなる」という文言は、列挙された要素が必要又は必須であり、他の要素が存在できないことを示す。「から本質的になる(consisting essentially of)」により、その文言の後に列挙された任意の要素を含み、列挙された要素に関して本開示で特定される挙動又は作用に干渉又は寄与しない、他の要素に限定することが意図されている。したがって、「から本質的になる」という文言は、列挙された要素は、必要又は必須のものであるが、他の要素は任意選択であり、列挙された要素の挙動又は作用に実質的に影響するかどうかに応じて、存在してもしなくてもよいことを示す。

「好ましい」及び「好ましくは」という言葉は、一定の状況下で一定の利益を提供できる、本開示の実施形態を指す。しかしながら、同じ又は他の状況下で、他の実施形態が好ましいこともある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。

本出願において、用語「a」、「an」、及び「the」は、1つの実体のみを指すことを意図したものではなく、その説明のために具体的な例が用いられ得る一般的な部類を含む。用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つの」と互換的に使用される。列挙に続く「〜のうちの少なくとも1つ」及び「〜のうちの少なくとも1つを備える」という語句は、その列挙内の項目のうちの任意の1つ、及び、その列挙内の項目のうちの2つ以上の任意の組み合わせを指す。

本明細書で使用するとき、用語「又は」は、全般的に、その内容が明確に他を指示するものではない限り、「及び/又は」を包含する、その通常の意味で用いられる。

用語「及び/又は」は、列挙される要素のうちの1つ又は全て、或いは、列挙される要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。

また、本明細書では、全ての数字は、別段、具体的に記載しない限りは、用語「約」で修飾されるように仮定される。本明細書において、測定された量に関連して使用するとき、用語「約」は、測定をし、測定の対象物及び使用された測定装置の精度と同等の準の注意を行使した当業者によって期待される測定量における変動を指す。

本明細書ではまた、端点による数値範囲の記載は、その範囲内に包摂される全ての数、並びにその端点を含むものである(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。

特性又は属性に対する修飾語として本明細書で使用する場合、用語「一般に」とは、特に具体的に定義されていない限り、この特性又は属性が、当業者によって容易に認識されると思われるが、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではないこと(例えば、定量化可能な特性の場合、+/−20%の範囲内)を意味している。用語「実質的に」とは、特に具体的に定義されていない限り、高度の近似(例えば、定量化可能な特性の場合、+/−10%の範囲内)を意味するが、やはり、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではない。同一、等しい、均一な、一定の、厳密に、などの用語は、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするものではなく、特定の状況に適用可能な、通常の許容誤差又は計測誤差の範囲内にあるものと理解される。

本明細書で使用するとき、「近心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中心に向かう方向を意味する。「遠心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中心から離れる方向を意味する。「咬合側」は、患者の歯の外側の先端に向かう方向を意味する。「歯肉側」とは、患者の歯茎又は歯肉に向けた方向を意味する。「顔側」は、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。「舌側」は、患者の舌に向かう方向を意味する。

本開示の上記の概要は、開示される各実施形態、又は本開示の全ての実現形態を説明することを意図するものではない。以下の説明は、例示的実施形態を、より詳細に例示するものである。本出願の全体を通じた幾つかの箇所では、実施例の列挙を通じて指針が提供されており、これらの実施例は、様々な組み合わせで使用することができる。いずれの場合にも、記載された列挙は、代表的な群としての役割のみを果たすものであり、排他的な列挙として解釈されるべきではない。

唇側ブラケットシステム、及び上側モジュールと下側モジュールとの両方を含む顎間力モジュールの使用を含む歯列矯正治療を受けている患者の例示的な上歯列弓及び下歯列弓の側面図。

図1に示す顎間力モジュールの、力モジュールを舌側方向で見た拡大図。

図1に示す口腔内力モジュールが開位置にあり、上側モジュールのみが断面で示される、側断面図。

図1から図3の下側器具コネクタの断面図。

下側モジュール及び下顎臼歯器具の両方に連結された図4の下側器具コネクタの断面図。

患者の顎が部分的に開かれていること以外は、図1に幾分類似する図。

患者の顎が完全に開かれていること以外は、図6に幾分類似する図。

患者の下歯列弓に対する口腔内力モジュールの回転を制限し得る下側器具コネクタに焦点を当てている、図7の拡大図。

本開示の別の実施形態に係る、口腔内力モジュール及び下側器具コネクタを含む、患者の例示的な上歯列弓及び下歯列弓の拡大側面部分図。

図9に示される、力モジュール及び下側臼歯器具の両方に第1の向きにて連結される、下側器具コネクタの断面図。

図9に示される、力モジュール及び下側臼歯器具の両方に第2の向きにて連結される、下側器具コネクタの断面図。

本開示の別の実施形態に係る、上側モジュール及び下側モジュールの両方、並びに回転可能コネクタを含む再配置デバイスの側面図。

患者の顎が完全に開いていること以外は、図11に幾分類似する図。

患者の顎と歯を省略した、図13の再配置デバイスの図。

図12から図14に示す枢動リンクの近心端からの図。

本開示の別の実施形態に係る、再配置デバイス及び回転可能コネクタの側面図。 上記で特定された図は、本開示の幾つかの実施形態を記載するものであるが、本説明で言及されるように、他の実施形態もまた想到される。全ての場合において、本開示は発明を代表するものとして提示するのであって、限定するものではない。多数の他の修正案及び実施形態を、当業者によって考案することができ、それらは、本発明の原理の範囲及び趣旨の範囲内に含まれることを理解されたい。

図1及び図2に口腔内器具システムの例示的な実施形態を示す。これらの図面は歯科矯正アセンブリを示し、本明細書では数字100を指定し、唇側ブラケットのセットに連結されている。アセンブリ100は、患者の上顎(38)及び下顎(39)の右側に設置されており、側面図で示されている。示すように、上顎38の歯は、上顎中切歯、上顎側切歯、上顎犬歯、上顎第1小臼歯、上顎第2小臼歯、上顎第1大臼歯10、及び上顎第2大臼歯15を含む。同様に、下顎の歯は、下顎中切歯、下顎側切歯、下顎犬歯、下顎第1小臼歯、下顎第2小臼歯、下顎第1大臼歯20、及び下顎第2大臼歯25を含む。

多くのスロット付き歯科矯正器具(即ちブラケット)40は、患者の上顎38の歯に固定され、アーチワイヤ42は、各器具40のアーチワイヤスロット内に受入れられる。エラストマーOリングリガチャー44は、各ブラケット40のタイウイングの周りに延び、アーチワイヤ42をブラケット40のアーチワイヤスロット内に保持する。同様に、いくつかのスロット付き歯科矯正ブラケット46は、患者の下顎39の歯に固定される。アーチワイヤ48は、各ブラケット46のスロット内に受入れられる。エラストマーOリングリガチャーは、各ブラケット46のタイウイングの周りに延び、アーチワイヤ48をブラケット46のアーチワイヤスロット内に保持するようにする。この例では、上側ワイヤ42及び下側ワイヤ48は共に、それらの長手方向軸に対して垂直な平面において、概ね矩形の断面を有する。楕円及び円形断面を含む他のアーチワイヤ構成も可能である。

上側アーチワイヤ42及び下側アーチワイヤ48の右側の遠位端は、それぞれ臼歯器具50及び70のアーチワイヤスロット内に受入れられる。任意選択的に、アーチワイヤ42及び48の端部は、図1及び図2に示すように臼歯器具50及び70の遠位端に隣接する位置で曲げられている。各ブラケット及び臼歯器具は、器具をその対応する歯の顔側表面に接着するための基部又は他の表面を備える。

上顎臼歯器具50は基部52を備える。図示の例では、基部52は、バンド54に固定される。バンド54は患者の右上側の第1大臼歯10を取り囲み、溶接又はロウ付け接合によって上顎臼歯器具50に接続される。任意選択的に、上顎臼歯器具50は大臼歯10に、基部52と大臼歯10のエナメル質表面との間での接着接合などの他の手段によって接続されてもよい。上顎臼歯器具50は、概ね顔側方向に基部52から外側に延び、アーチワイヤスロット58を含む本体部56を有する。図1及び図2に示すように、器具50は、アーチワイヤスロットの頬側開口部を被覆する材料の部分を有する交換可能の器具である。本体部56は、アーチワイヤスロット58に隣接する通路60を含む。本明細書において更に記載される特定の実現形態では、通路60は上顎臼歯器具50に力モジュール110を連結するのに用いられる。舌側ブレースを有する患者を対象とする実施形態では、臼歯チューブ器具は基部及び管状通路のみを必要とし、アーチワイヤスロットは不要である。下顎臼歯器具70は上顎臼歯器具50と同一の特徴をいくらか又は全て含むことができるが(交換可能性を含む)、典型的には基部、本体部、アーチワイヤスロット、及び通路を備える。

アセンブリ100は、上側歯列弓と下側歯列弓との間に治療的力を加える際に協動する要素の組み合わせを含む。示される実施形態では、アセンブリ100は上側アタッチメントデバイス102と、力モジュール110と、下側コネクタ150とを備える。図1及び図2に示すように、上側アタッチメントデバイス102は上顎臼歯器具50内の通路60に連結される。逆側のアーチでは、力モジュール110は下側コネクタ150に連結され、下側コネクタは下顎臼歯器具70の通路80に連結されている。

図2により詳しく示すように、アタッチメントデバイス102は、力モジュール110上のエンドキャップ114の開口部を通って延びる第1のポストを備える。第1のポストは開口部にて枢動可能に移動可能であり、アタッチメントデバイス102が、力モジュール110に対して、顔側−舌側基準軸を中心に円弧上で枢動運動することを可能とする。アタッチメントデバイス102はまた、第1のポストから間隔を有して平行に設けられる第2のポストをも備える。平坦な楕円形プレート107が両方のポストの外端に連結され、アタッチメントデバイス102をエンドキャップ114に確実に連結された関係性で保つように働く。

アタッチメントデバイス102は典型的に、アタッチメントデバイス102を上顎臼歯器具50と「スナップフィット」の関係で連結することを可能とする少なくとも1つの弾性部を備える。この「スナップフィット」の関係性は、米国特許第6,913,460号(Clearyら)及び米国特許出願第8,714,974号(Cleary)に記載の歯科矯正アタッチメントモジュール及び連結部と関連して記載される「スナップフィット」の関係性と類似している。弾性部は治療中にアタッチメントデバイス102を所定の位置かつ臼歯チューブ器具50と係留の関係性に保持する傾向があるが、アタッチメントデバイス102が所望の時に臼歯チューブ器具50から切断されることも可能とする。

現時点で好ましい状況では、アタッチメントデバイス102は、アタッチメントデバイス102及び接続された力モジュール110の、概ね近心−遠心方向に延びる基準軸を中心とした過度の回転移動を制限する助けとなる、少なくとも1つの回転止め105を含む。特定の状況では、アタッチメントデバイス102は、過度の回転移動を更に限定するために、互いに相対的に移動可能な2つの回転止めを、回転止めを臼歯チューブ器具50の壁構造に隣接する特定の有利な動作可能位置に配置するのを容易化するために備える。アタッチメントデバイス102に関する追加の態様及び代替的な構造は、上述の米国特許出願第8,714,974号(Cleary)に記載され、特にコネクタが、当該出願の図11及び図12に記載されている。追加の代替として、力モジュール110を上顎アーチに、米国特許公開第2012/0028207号(Clearlyら)に記載されるコネクタによって連結されてもよい。当該特許公開は、上顎第2小臼歯ブラケットと上顎臼歯チューブとの間の上側ワイヤに連結されるコネクタを示す。動作中、このような代替的なコネクタは、臼歯チューブの近心側に重みが掛かるまでワイヤに沿って遠位に摺動する一方で、力モジュールの第3の部材は、下側アーチブラケットの遠位側に接触するまで下側アーチワイヤに沿って近心に摺動する。

力モジュール110は、米国特許第5,964,588号及び同第8,714,974号(Cleary)に記載のデバイスと特定の態様を共有する。簡潔に言うと、力モジュール110は、下側アーチモジュール140に枢動可能に連結された、近心側に延びる上側アーチモジュール112を備える。上側アーチモジュール112は第1の細長い管状部材113と、摺動かつテレスコープ式の関係性にて第1の部材113に受入れられる第2の細長い円柱状部材120とを備える。上側アーチモジュール112は下側アーチモジュール140に枢動可能に連結されており、上側モジュールの少なくとも一部に沿って遠位に延びる第3の部材142を備える。らせん圧縮ばね118が第1の管状部材113周りに延び、第1の部材113に固定される力モジュールの遠位のエンドキャップ114に接触する外端を有する。ばね118の反対側の端は、内側スリーブ116の外端部に固定される環状備品に接触する。

図3に、上側モジュール112の断面図を示す。上側アーチモジュール112は、管状かつ細長い形状を有する空洞の第1の部材113を備える。第1の部材113の外端部には、上側モジュール112をアタッチメントデバイス102に接続するのを可能とする、円形の開口部を有する外向きに延びるタブを有するエンドキャップ114を備える。上側アーチモジュール112はまた、第1の部材113に少なくとも部分的に受入れられる第2の部材120をも備える。本実施形態における第2の部材120は、外端区分、即ち連結部122に向かって概ね近心方向に延びる中実の円柱状ロッドを備える。特定の実施形態では、第2の部材120は外端部122に対して所定の位置に固定される1つ以上のカラーを備えることができる。カラーは第2の部材120の動きの度合いを、エンドキャップ114及び中央枢動リンク130に向かう方向の両方において制限することができる。

図3を再度参照して、上側アーチモジュール112は任意選択的に、管状材料の円柱部から好ましくは作成されるスリーブ116を備えることができる。スリーブ116は、テレスコープ式に摺動する関係で第1の部材113内に部分的に受入れられる。スリーブ116は第1の部材113に対して、完全に圧縮された位置から、図3に示す延伸位置に、移動可能である。

スリーブ116は、スリーブ116の残りの部分の外径より大きい外径を有する内側のより大きな端部を有する。スリーブ116のこの内側端部は、エンドキャップ114から離れた第1の部材113の近心端部の内径よりも大きい外径を有する。したがって、スリーブ116の内側端部は、第1の部材113に対するスリーブ116の外向きの移動を制限する停止部として機能し、かつ第1の部材113からのスリーブ116の分離を防ぐ停止部としても機能する。

上側アーチモジュール112は、第1の部材113及びスリーブ116の外側周りに延びるらせん圧縮ばね118を更に備える。ばね118の外端はエンドキャップ114に接触し、ばね118の反対側の端は、用いられる場合に、スリーブ116の外端部に固定されるコネクタの円形凹部に受入れられる。ばね118は、図1及び図2ではほぼ完全に圧縮された位置で示されており、図3では弛緩し、延伸した位置で示されている。

第2の部材120はスリーブ116内に部分的に受入れられ、テレスコープ式に長手方向に、スリーブ116及び第1の部材113の中央かつ長手方向の軸に沿って移動可能である。好ましくは、第2の部材120はスリーブ116の内径よりわずかに小さい外径を有し、第2の部材120がスリーブ116内を自由に摺動することを可能にする。好ましくは、第2の部材120の隣接する端は、図1及び図2に示すように力モジュール110がほぼ完全に圧縮されているときは、エンドキャップ114に隣接する第1の部材113の外端とぴったりと重なっており、第2の部材120はエンドキャップ114から食べ物のかすなどを押し出すように機能することができる。

図3により詳しく示すように、枢動リンク130は、近心−遠心延伸通路132及び概ね顔−舌側に延びるヒンジ134を含む、概ね平らな区分を含む。枢動リンク130は、上側モジュール112の近心端部を下側アーチモジュール140の近心端部に接続する。図示する実施形態では、第2の部材120の外側近心端122は通路132内に受入れられる。現時点で好ましい状況では、外側近心端122は使用中、通路132に対して本質的に固定されたままとなる。特定の実現形態では、外側近心端122は通路132内にて、接着剤、はんだ組成物などを介して永久的に固定される。他の実現形態では、第2の部材120が治療中に所望されると(例えば、ばね118と通路132との間に摺動するカラーを含めることによって)交換又は変更できるように、第2の部材120は枢動リンク130に取り外し可能に固定される。第2の部材120と通路132との間の取り外し可能な接続によって、治療従事者に力モジュール110の有効長さを所望により変更可能とすることができる。

下側モジュール140の区分142の近心外端部144は、ヒンジ134にてリンク130に枢動可能に連結されている。ヒンジ134は、平らな枢動リンク130及び区分142の外端144の一部を通って延びるリベット、ピン、又は同様の構造によって作製してもよい。別の例として、ヒンジ134は、任意選択的に所望によりモジュール112、140の分離のために切断し得るビスとねじ式ナットを備えてもよい。他の種類の枢軸及びヒンジも、採用してもよい。ヒンジ134の作製に用いられて上側モジュール及び下側モジュールを連結する構造にかかわらず、ヒンジ134によって得られる回転軸は上側モジュールの長手方向軸の横方向に、概ね顔−舌側方向に延びる。

下側モジュール140は、アセンブリ100が図1及び図2の圧縮した構成にあるときに、枢動リンク130から遠位に、ばね118の長手方向に概ね平行である長手方向軸に沿って延びる第3の区分142を備える。第3の区分142は概ねL字型であり、「L」の底部が外端区分144に対応する。L字型は第3の区分142を、患者の顎が閉じているときにばね118から歯肉方向にずらす傾向があり、力モジュール110の上側及び下側の構成部品の間の干渉を防止する。本発明における好ましい状況では、第3の区分142は、遠位端区分146に向かって延びる一方で、概ね矩形の断面を有する。他の実現形態では、第3の区分142は円形、楕円形、正四形、又は他の断面形状をその長手方向軸に沿って備えてもよい。

第3の区分142はコネクタ150を介して下顎臼歯器具70に連結されて、患者の下側アーチに対する第3の区分142の制御された回転を可能とする。図4により詳しく示すように、下側コネクタ150は基部プレート152、及び基部プレート152の面に対して概ね90度の角度で舌側方向に延びる連結壁区分154を備える。これが、断面図にて「L」字型を提示する。示す実施形態では、基部プレート152及び壁154は、コネクタを第3の区分142及び下顎臼歯器具70にそれぞれ位置合わせさせて連結するのに用いる開口155、157を含む。基部プレート152は概ね平坦であり、図5に示すように下顎臼歯器具70の顔側面に固定されているときにその少なくとも一部を横切って延びる。

アーチ状チャネル156が、コネクタ150の縁領域153に設けられる。以下により詳細に説明するように、アーチ状チャネル156は下側モジュール140上の回転止めと協働して患者の顎が開く時に下側モジュール140の回転移動を制御してもよい。示すように、アーチ状チャネル156は基部プレート152の厚さ全体を貫通せず、底壁部を備える。しかしながら、他の実施形態では、チャネル156は底壁を含まず、したがって基部プレート152を完全に貫通してもよい。チャネル156は咬合及び歯肉端を、下側モジュール140の、基部プレート152周りで弧を描く回転移動を、約20度から約70度まで、いくつかの実施形態では25度から約60度まで、及び特定の実現形態では約30度から約50度までの範囲内に限定するために備える。これらの限定は、患者の顎が閉じているときに下側モジュール140が患者の軟らかい歯肉組織と干渉するのを防止することができ、患者の顎が開くときに枢動リンクの近心−遠心反転又はその破壊を防止することができる。

図5を参照すると、第3の区分142は、第3の区分142がコネクタ150に対して回転可能に取付けられることを可能とするように構成される遠位端連結部146で終わる。端連結部146は、中央開口155と位置合わせ可能である開口147を備える。対応する部品を固定するために、リベット170を位置合わせされた開口147、155に押し通すことができる。別の例として、開口155は内側ねじを備えることができ、対応するねじ山を有するネジが開口147を通って開口155にねじ込まれることを可能とする。遠位端連結部146をコネクタ150に接続するために、開口147はコネクタ150内の対応する開口155の上に配置され、リベット170は位置合わせされた開口147、155に押し込まれる、ねじ込まれる、又はその他の方法で導入される。リベット170は、第3の区分をコネクタ150と接続した関係で解放可能に保持するために、開口147に隣接する遠位端連結部146の一部を被覆する。現時点で好ましい繰り返しでは、リベット170及び開口147、155の両方は円形の断面形状を有し、コネクタ150と第3の区分142との間に回転可能な接続を確立することを可能とする。

第3の区分142は更に任意選択的に、アーチ状チャネル156との係合のための回転止め160を備え、患者の顎が開くときの力モジュールの望ましくない回転を防止する。図1から図7に示す実施形態では、回転止め160は細長いシャフト162及び停止ピン164を備えるが、他の構成も可能である。シャフト162の一端は、遠位端連結部146から離れている、第3の区分142の近心端部144に向かって固定される。反対側の、シャフトの遠位端は、コネクタ150に固定されたときに、アーチ状チャネル156から概ね頬側方向にて配置される。他の実施形態では、回転止め160は第3の区分142の舌側表面に固定されてもよい。停止ピン164はシャフトの遠位端から舌側方向に延び、チャネル156内で受入れられるような大きさに構成される。

シャフト162は好ましくは弾性材料(例えば、ニッケル−チタン合金)から作製され、回転止め160が概ね顔側方向に動いて概ね平坦な構成に戻ってくることを可能とする。弾性によって停止ピン164が治療中に所定の位置及びチャネル156と係留された関係性で保持される傾向があるが、ピン164を所望の時に係合解除できるようにもする。この停止ピン164とチャネル156との間の反転可能な係合によって、治療の経過中に異なる下顎臼歯器具コネクタ又はコネクタ向きを用いることを可能とする。

コネクタ150は、接続壁154及び通路80内にて開口157を通ってねじ込まれるすね部を含むピン90を介して、下顎臼歯器具70に取り外し可能に固定することができる。ピン90は、コネクタ150をピンのすね部に保持する拡大ヘッドを備えることができる。すね部はまた、概ね「L」字型に曲げることができ、通路80内に嵌合するように適合される大きさを有する。一度ピンのすね部が通路80に挿入されると、すね部の外端部が曲げられて、コネクタ150を下顎臼歯器具70及び関連付けられる大臼歯にしっかり連結することができる。しかしながら、他の種類の連結部材、例えばリンク又はワイヤループを、ピン90の代わりに用いてもよい。或いは、連結壁区分154(又は基部プレート152の一部)を、下顎臼歯器具に接着、はんだ付け、又はロウ付けしてもよい。図5に示すように構成されたときに、基部プレート152の少なくとも一部が下顎臼歯器具70の顔側表面の上に延び、連結壁区分154から近心方向に位置する。

コネクタ150は第3の区分142の外端に、メーカー又は任意選択的に従事者によって固定されてもよい。例えば、従事者に特定の患者の口腔に最もよく嵌合する大きさを選択させるために、メーカーが第3の部材142を2つ以上の異なる全体の長さで供給することが好ましい場合がある。その場合には、メーカーはコネクタ150を第3の区分142の遠位端連結部146に永久的に固定するように選択してもよい。

図1及び図2に示すように、力モジュール110は、患者の顎が閉じているときにほぼ完全に圧縮した形態にある。このほぼ完全に圧縮された構成では、上側モジュール112及び下側モジュール140は患者の咬合面に概ね平行であり、ばね118は完全ではないがほぼ圧縮されている。ばね118の固有の付勢力は所望の矯正力を、下顎臼歯器具を外端区分144に向かう方向に付勢することで与え、結果的に下顎が上顎に対して前方向にずれる傾向がある。患者の顎が閉じているときに、停止ピン164はチャネル156の歯肉端と係合することができ、モジュール110が図2の示される向きから見て時計回り方向の更なる動揺を防ぐ。

患者の顎が開くと、上側モジュール112は下側モジュール140に対して枢動リンク130で枢動し、ばね118は第1の部材113及びスリーブ116を反対方向に付勢し始める。図6に示す部分的に開かれた段階では、ばね118はその有効範囲の端に到達し、それ以上完全に圧縮されない。また、下側モジュール140は下側アーチの咬合面に概ね平行のままとなる。顎が図7に示すように更に幅広く開かれると、スリーブ116の拡大内側端部が第1の部材113の内側の狭められた端部と接触する。一度このような接触が起きると、患者の顎が更に広げられることで第2の部材120が枢動リンク130に向かう方向に動かされ、第2の部材120はスリーブ116内で自由に摺動可能である。

更に、第3の区分142は、停止ピン164がチャネル156の咬合端と嵌合するときまでコネクタ150に対して回転する(図8により詳しく示されるとおり)。第2の部材120が可能な移動の最後に到達したと仮定して、コネクタ150及び協働する回転止め160は患者が顎を更に開くことを防止する、又は少なくともそうさせないように働く。第3の区分142の回転にこのような制限を与えなければ、患者の顎が開き過ぎた場合に枢動リンク130が口の奥に向かって遠位に押される可能性がある。このような近心−遠心反転は治療を著しく中断し、歯科矯正アセンブリ100の1つ以上の構成部品を損傷させ、患者にとって大きな不快感を与える可能性がある。

したがって、アセンブリ100はいくつかの利点を提供する: 1)モジュールは、アーチワイヤ、又は他の前方の歯科矯正器具を用いることなく、上側アーチ及び下側アーチの両方に固定可能である。臼歯器具のみが必要であり、力モジュール110を舌側ブレースとの使用に特に好適なものにする。 2)大臼歯間でのアタッチメントを作動力と組み合わせることで、より小型の治療デバイスを提供する。 3)モジュール構成部品は過剰な回転を低減するか防止するが、依然として患者が実質的な不快感なく一般的な状況下で口を開け閉めすることを可能とさせる。

一定期間にわたって、力モジュール110は顎を永久クラスI関係性に向けてずらす。顎の位置が矯正されると、ばね118は顎の閉鎖時にそこまで遠く延伸せず、よって、圧縮時により少ない力を与える。これに応じて、従事者は力モジュール110の効果的な有効長さを増加させるように定めて、患者の顎に掛かる力が効果的であり続けるようにしてもよい。有効長さ(及びそれに従った作動力及び/又は再配置力)は、患者の口から力モジュール110を外して第2の部材120又はばね118を交換することで、増加(又は所望であれば低下)させてもよい。或いは、従事者は1つ以上の停止カラーを第2の部材120の、ばね118と枢動リンク130との間の空間にクリンプして、患者の顎が閉じられたときに第2の部材120が第1の部材113の中まで摺動しないようにすることができる。好適な停止部材は、例えば、米国特許第6,589,051号(Clearly)にて見出すことができるが、他の構成もまた、可能である。

しかしながら、特定の状況では、力モジュールの有効長さを増加させる上記の方法は、従事者又は患者にとって過度に侵襲的であったり、時間を要し過ぎたりする。患者の口から力モジュール110を完全に外すことは、患者への不快感を与える、及び構成部品を損傷するリスクがある。生体内で上側モジュール112の構成部品を交換又は追加しようとすることは、構成部品を間違って取り扱うリスクを増加させ、患者が間違って飲み込んでしまうことに潜在的につながる。

図9は、口から上側モジュール112aを変更したり外したりすることなく力モジュール110aの有効長さを増加させることを可能とするように構成される回転可能コネクタ250を備える力モジュール110aを有する、歯科矯正アセンブリ200を示す。上側モジュール112a及び下側モジュール140aは上記の上側モジュール112及び下側モジュール140と本質的に同一であり、歯科矯正アセンブリ200の他の態様は、コネクタ250の特定の態様を除いて力モジュール110と本質的に同一である。したがって、当業者であれば、力モジュール110の機能的要素は力モジュール110aについて準用し、ここでは詳細に繰り返す必要がないことを理解するであろう。

コネクタ250は基部プレート252に第1のアーチ状チャネル256及び第2のアーチ状チャネル258を含む。第1のチャネル256及び第2のチャネル258は中央開口255の両側に、対向する近心−遠心縁領域に近接して配置される。各チャネル256、258は、基部プレート252周りに弧を描く第3の区分142aの回転移動を制限するための咬合端及び歯肉端を備える。チャネル256、258はまた、基部プレート252の顔−舌側の厚さの少なくとも一部にわたって延びることができるが、典型的に両方とも同じ顔−舌側の深さを有する。第2のチャネル258は基部プレート252の位置に、連結壁254から概ね顔側方向にて設けられる。

2つの相殺するチャネル256、258があることで、力モジュール110aの有効長さが、下顎臼歯器具70aに対する第3の区分142aの位置を変更することで増加されることを可能にする。図10に示す初期の構成では、中央開口255及びチャネル256は下顎臼歯器具70aの顔側表面の少なくともいくらかの上を延び、第3の区分142aの接続点及び上側モジュールと下側モジュールとの間に特定の近心遠心距離を与える。顎の位置が矯正されると、力モジュール110aの有効長さを、その接続点を遠位に移動させることで増加させることができる。コネクタ252はコネクタ252は、ピン90aを取り除くことにより下顎臼歯器具70aから、その後第1アーチ状チャネルから係合離脱した回転止め160aから、分離させることができる。次にコネクタが約180度回転されて、第1のチャネル256が第2チャネル258の遠位に位置し、連結壁区分254の反対の表面が通路80aに隣接して配置される。図11に示すように、一度連結壁区分254が通路80aに対して再度固定されると、第2のチャネル258は下顎臼歯器具70aの遠位端領域に隣接して位置される。停止ピン164aは次に第2のチャネル258と係合してもよい。結果的に、上側モジュールと下側モジュールとの間の近心−遠心距離が減少し、患者の顎が閉じられているときに継続的な治療矯正力を提供する。

したがってコネクタ250の回転は、力モジュール110aの他の構成部品をいずれをも外すことなく、可能である。この簡易化された再作動プロセスは、従事者が力モジュール110aを外したり交換したりする必要がないために、患者と共に過ごすべき時間が短縮される。更に、口の中で外されて潜在的に自由となる、小さな構成部品が少なくなるため、患者への潜在的なリスクも低下する。

能動的な圧縮ばねを有する口腔内力モジュールについては特に有用であるが、本開示のコネクタは他の再配置デバイスと使用することもできる。図12、図13、及び図14に、下顎再配置デバイス310及び回転可能コネクタ380を備える、歯科矯正アセンブリ300のこのような実施形態の一つを示す。当業者であれば、コネクタ250の機能性要素はコネクタ380について準用し、ここでは詳しく繰り返す必要がないことを理解するであろう。デバイス310は、上側モジュール312及び下側モジュール340を備える。示す実施形態では、上側モジュール312は、力モジュール110内の上側モジュール112に幾分類似するテレスコープ式アセンブリを備える。下側モジュール340はばね筐体342とコイルばね348とを備える。テレスコープ式アセンブリは、他の実施形態では、米国特許第6,988,888号(Cleary)に記載されるデバイスの態様を共有する。

テレスコープ式アセンブリは、管状の細長い形状を有する空洞の第1の部材313を備える。第1の部材313の遠位外端部は、連結部を有するエンドキャップ314を備え、上側モジュール312をアタッチメントデバイス302に連結するのを可能とする。第1の部材313の下端部は半径方向に狭められ、第1の部材313の大きい上端の外径よりも小さい内径を呈する。テレスコープ式アセンブリはまた、第1の部材313の中央にある長手方向軸に沿って長手方向での摺動移動のために、第1の部材313に少なくとも部分的に受入れられる第2の部材320をも備える。この実施形態では、第2の部材320は中実の円形断面構成を、その長手方向軸に沿って有するが、他の構成もまた可能である。

第2の部材320の遠位端部は段を有して放射的に拡大し、拡大された第2の部材320の上端は、第1の部材313の下側の狭められた端部を滑り通ることができず、結果的に外方向への移動が制限される。この関係性は、部材を組み立てられた状態で保持するために働く。

特定の実施形態では、第2の部材320は、近心外端区分322に対して所定の位置に固定される1つ以上のカラー329を備えることができる。カラー329は第2の部材320の移動の度合いを、患者の顎がほとんど完全に圧縮されているときに第1の部材313の下端を係合することで、制限することができる。

第2の部材320の外側近心端322は枢動リンク330内に固定されており、枢動リンク330は、近心−遠心に延びる凹部332を含む上側区分331、及びこちらも近心−遠心凹部336を備える下側区分333を備える。ヒンジ334は区分331と区分333との間に設けられ、概ね顔−舌側方向(即ち、第1の部材313及び第2の部材320の長手方向軸と概ね垂直)に延びる回転軸を有する。示す実施形態では、デバイス310の使用中、外側近心端322は凹部332に対して本質的に固定されたままとなる。図15に最もよく示すように、上側区分331及び下側区分333は、ヒンジ334から顔−舌側軸上にてオフセットである。したがって、上側区分331及び凹部332は、下側区分333及び凹部336から概ね顔側方向に設けられる。ヒンジ334は、上側枢動区分331及び下側枢動区分333の一部を通じて延びるリベット、ピン、又は同様の構造338によって生成されてもよい。上記の枢動リンク130と同様に、他の種類の枢軸及びヒンジをも採用してもよい。

下側モジュール340は、アセンブリが図12の圧縮した構成にあるときに、枢動リンク330から遠位に、テレスコープ式アセンブリ312の長手方向軸と概ね平行である長手方向軸に沿って延びるばね筐体342を備える。近心外端343は、遠心外端連結部345上の同様に立体寸法の凹部346と同軸にある凹部344を含む。コイルばね348は、凹部344、346の間の空洞347に設けられ、円柱状プランジャ349周りを同軸に延びる。コイルばね348の一端は近心外側区分343に接触する一方で、他端はプランジャ349に連結されたカラー350に隣接する。円柱状プランジャ349は、近心凹部344及び遠心凹部346の両方にて受入れられ、現時点で好ましい状況では、プランジャは空洞347内で取り外し可能に固定されるが、他の代替案も可能である。円柱状プランジャ349はまた、凹部336に固定的に受入れられ、3つの凹部(336、344、346)を組み立てられた状態で概ね同心円とするために、ばね筐体342を中央枢軸330に接続するように作用する。ばね348は、図12ではほぼ完全に圧縮された位置にて、並びに図13及び図14では延伸位置にて示されている。認識できるように、ばねはプランジャ349と筐体342の両方に対して移動可能である。

ばね筐体342は遠位端連結部345を備え、これは下側モジュールをコネクタ380に回転可能に取付けることを可能とするように構成される。このような接続は、リベットピン、ネジ式ネジ、又は上記のものを含む枢動取付のための他の機構を通して実現されてもよい。ばね筐体342は更に、コネクタ380内のアーチ状チャネル386及び388に連結するための回転止め360を備える。回転止め360は細長いシャフト362及び停止ピン364を備えるが、他の構成も可能である。シャフト362の一端は、近心外側区分343に近接して固定される。シャフト362の一部365は、円柱状ロッド349の少なくとも一部と平行かつ同一の広がりを有するばね筐体342の表面に沿って延びる。シャフト362の遠心部366は第1部365に対して角度を有して延び、停止ピン364をチャネル386の歯肉端に向かって配置し、組立時に停止ピン364がコネクタ380内でより大きく回転することを可能とする。

ばね348のばね定数は、上側モジュール312によって概ね近心方向にて発揮される力が特定量を超過する度に、ばねが延伸し始めるように選択される。好適なばねの例は、ばねに発揮される張力がおよそ0.5lbs(0.2kg)を超過する度に延伸し始め、0.1インチ(2.5mm)延伸したときは、およそ2lbs(0.9kg)の張力を発揮するばねである。しかしながら、より強い又はより弱いばねもまた、特定の治療プログラム及び/又は特定の歯科矯正装置、並びに従事者によって選択された他の構成部品に従って採用してもよい。

好適に、再配置デバイス310は、顎を閉じているときに硬い、固形の止めを提供しない。代わりに、ばね348は顎が閉じるときに徐々に張力を増加させる。このような構造は、アセンブリ300の様々な構成部品に掛かる力が過剰ではなく、疲労又はひびを引き起こさないことを確実とする助けとなる。更に、このような構造は、ブラケット及びバッカルチューブなどの他の様々な歯のアタッチメントが歯にしっかりつながったままでいることを確実にする助けとなる。

一定期間にわたって、再配置デバイス310は顎を永久クラスI関係性に向けてずらす。顎の位置が補正されると、ばね348は顎の閉鎖時にそこまで遠く延伸されず、よって、緊張時により少ない力を与える。それに応じて、従事者は、上述のように、コネクタ380を回転及び再度設置することによって、再配置デバイス310を積極的に再作動するように選択してもよい。結果的に、ばね348はその後、顎がクラスII関係性の位置となったときにより増した距離で延伸し、緊張時に追加の力を与える。

本開示の回転可能コネクタは、ばね付勢された力モジュール及び再配置デバイスでの使用に限定される必要はない。図16に、下顎臼歯コネクタ450に連結される再配置デバイス410を含む別の歯科矯正アセンブリ400を示す。再配置デバイス400は、コネクタ450を除き、米国特許第5,980,427号(Cleary)の図1のデバイスとほとんどが同様であるが、当該特許に開示される全ての他の実施形態が本開示において有用であり得る。要約すると、再配置デバイス410は近心端部及び遠心端部を有する上側リンク412と、近心端部及び遠心端部を有する下側リンク414とを備える。枢軸430は上側リンク412の近心端部を下側リンク414の近心端部に接続する。上側コネクタ420は上側リンクの遠心端部に枢動可能に連結され、下側の回転可能コネクタ450は下側リンク414の遠心端部に枢動可能に連結される。回転可能コネクタ450は、上記のように、回転可能コネクタ250の全ての特徴を備える。上側リンク412及び下側リンク414のそれぞれは、顎が閉じているときに片方の顎を他方の顎に対して前に付勢するのに十分な長さを有する。下側リンク414上の回転止め460は、患者の顎が開いているときと閉じているときの両方にて、下顎臼歯器具に対する下側リンクの過度の回転を防止する。

アセンブリ100、200、300、及び400の構成要素は、当業者に既知の任意の数の方法に従って製造されてもよい。こうした方法には、限定はしないが、ミリング加工、インベストメント鋳造法、金属射出成形、及びラピッドプロトタイピングを含む。現時点で好ましい状況では、本開示の力モジュール及び再配置デバイスの全ての要素(回転可能又は別段のコネクタを含む)は、口腔内環境にて良好な有用性を提供する耐食性材料から製造される。好適な材料としては、例えば、AISI300シリーズタイプなどのステンレス鋼(302又は304を含む)が挙げられるが、セラミック、ポリマー、又は複合材料などの他の材料もまた、採用してもよい。ポリマー構成成分が使用される場合には、これらは、任意選択的に、ミリング加工、射出成形、押出成形、又は積層造形によって形成することができる。好適な積層造形プロセスの例としては、3D印刷プロセス、光造形法、熱溶解積層法、薄膜積層法、レーザ直接積層法、選択的レーザ焼結法、形状堆積法、選択的レーザ溶解法、及び固体下地硬化などの、固体自由形状製作が挙げられる。好適な3D印刷機器の一例は、Objet Geometries Ltd製のEdenブランド500Vプリンタに、FullCure720アクリル系フォトポリマー印刷材料(同じくObject Geometries Ltd.より入手可能)を用いたものが挙げられる。

図面には示さないが、本明細書中に記載される力モジュール、再配置デバイス、及び付属の歯科矯正アセンブリは通常、対で用いられる。図面は患者の口腔の右側に沿って歯科矯正アセンブリを示すが、示される歯科矯正アセンブリに類似する鏡像の第2のアセンブリが典型的には患者の口腔の左側に据え付けられる。このようにして、望まれるように歯列弓を再配置するために、患者の顎の両側に沿って均衡の取れた量の力を提供する。

更なる代替の実施形態では、上記歯科矯正装置のうち1つ又は複数は、クラスIII不正咬合の矯正に適合される。このような矯正は、例えば、アセンブリの片側を上顎臼歯器具に固定される回転可能コネクタに、及びアセンブリのもう片側を下顎臼歯器具に接続することで、得られ得る。前述のように、構成部品間の接続部は、本開示が提供する頑強さ及び機能性の向上から利益を得る。 実施形態

1. 上歯列弓及び下歯列弓の相対的位置を移動させるために構成される口腔内力モジュールであって、第1の外端部を有し、当該第1の部材の少なくとも一部と同軸のらせん圧縮ばねと連結された第1の部材であって、概ね近心方向に延びる長さを有する第1の部材と、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向に第1の部材に対して枢動可能に移動可能な第2の部材であって、第2の部材の一部が第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる第2の部材と、第2の部材の第2の外端部に接続する回転可能な第1のコネクタと、を備え、第2の部材は基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に、第1のコネクタに対して、弧内で移動可能であり、コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で回転可能であり、第2の向きは第1の向きに対して外端部のより遠位の位置を提供する、力モジュール。

2. 回転可能な第1のコネクタはアーチ状軸を有する第1のチャネルを備え、チャネルは第2の部材の外端部について回転軸を画定する、実施形態1に記載の力モジュール。

3. 回転軸は、第1の部材及び第2の部材の両方が下歯列弓の咬合面に実質的に平行であるように、60度以下の弧に沿う、実施形態2に記載の力モジュール。

4. 弧は50度以下である、実施形態3に記載の力モジュール。

5. ばねは、第1の向きにおける第1の作動力、及び第2の向きにおける第2の作動力を含み、第2の向きにおける作動力は第1の向きにおける作動力より大きい、実施形態1〜4のうちのいずれか1つに記載の力モジュール。

6. 第2の部材はチャネル内に受入れられる回転止めを備える、実施形態2に記載の力モジュール。

7. 回転止めはシャフトと停止ピンとを備え、シャフトは第2の部材に弾性的に取付けられており、停止ピンはチャネル内で受入れられるように構成され、シャフトの動きは概ね頬側方向であり、チャネルから停止ピンを係合解除する、実施形態6に記載の力モジュール。

8. コネクタはアーチ状軸を有する第2のチャネル及び開口を更に備え、開口は第1のチャネルと第2のチャネルとの間に設けられる、実施形態2に記載の力モジュール。

9. 第1及び第2のチャネルはコネクタの対向する縁領域上に配設される、実施形態8に記載の力モジュール。

10. 第1及び第2のチャネルへの顔側入口は第1の基準面内にて実質的に同一平面上にある、実施形態9に記載の力モジュール。

11. 前記第2の部材及びコネクタは、開口内で受入れられるヒンジピンを通して枢動可能に連結される、実施形態8〜10のうちのいずれか1つに記載の力モジュール。

12. コネクタは基準面と概ね直交する方向に延びる壁区分を含み、壁区分は歯科矯正臼歯器具への取付けのための連結部を備える、実施形態11に記載の力モジュール。

13. 壁区分は、接続ピンを受入れるための通路を備える、実施形態12に記載の力モジュール。

14. 通路と歯科矯正臼歯器具の凹部とを位置合わせさせることで、接続ピンが第1のコネクタを臼歯器具に取付けることを可能とする、実施形態13に記載の力モジュール。

15. 第1のチャネルは第1の向きにて第2のチャネルに対して近心にあり、第2のチャネルは第2の向きにて第1のチャネルに対して近心にある、実施形態8に記載の力モジュール。

16. 口腔内力モジュールの作動力又は再配置力を変更する方法であって、 第1の外端部を有する第1の部材であって、概ね近心方向に延びる長さを有する第1の部材と、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1の部材に対して枢動可能に移動可能である第2の部材であって、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる第2の部材と、第2の部材の第2の外端部に接続する回転可能な第1のコネクタであって、コネクタの対向する縁領域に隣接して配設される第1及び第2のチャネルを備える回転可能な第1のコネクタと、を備える力モジュールを提供することであって、第2の部材は第1のコネクタに対して、基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に、弧内で移動可能であり、第2の部材は第1のコネクタ内の第1のチャネル内に受入れられる回転止めを備える力モジュールを提供することと、 回転止めを第1のチャネルから係合解除することと、 コネクタを第2の向きに回転することで、第1のチャネルが第2のチャネルに対して遠位の位置に回転することと、 回転止めを第2のチャネル内に固定することと、を含む、方法。

17. 実施形態16に記載の方法であって、回転止めは、第1のチャネル内に受入れられるシャフトと停止ピンとを備え、回転止めを係合解除することは停止ピンをチャネルから取外すためにシャフトを概ね顔側方向に移動させる行為を含む。

18. 上側モジュールは、第1の部材の少なくとも一部に連結し、第1の部材と同軸のらせん圧縮ばねを更に備える、実施形態16に記載の方法。

19. 回転止めが第1のチャネル内に受入れられたときにばねが第1の作動力を含み、回転止めが第2のチャネル内に受入れられたときにばねが第2の作動力を含み、第2の作動力は第1の作動力よりも大きい、実施形態18に記載の方法。

20. 上歯列弓と下歯列弓との相対的な位置を移動させるために構成される口腔内力モジュールであって、 第1の外端部を有し、概ね近心方向に延びる長さを有する第1の部材と、 第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向に第1の部材に対して枢動可能に移動可能な第2の部材であって、当該第2の部材の一部が第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる、第2の部材と、第2部材の第2の外端部に接続される第1のコネクタと、を備える力モジュールであって、第2の部材は第1のコネクタに対して基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に、弧内で移動可能であり、コネクタは第1の向きと第2の向きとの間で移動可能であり、力モジュールは第1の向きにて第1の作動力を有し、第2の向きにて第2の作動力を有する、力モジュール。

21. 第1の作動力は第2の作動力より大きい、実施形態20に記載の力モジュール。

22. 第1の作動力は第2の作動力より小さい、実施形態20に記載の力モジュール。

23. 当該第1の部材の少なくとも一部に連結し、第1の部材と同軸のらせん圧縮ばねを更に備え、回転止めが第1のチャネル内に受入れられたときにばねが第1の作動力を含み、回転止めが第2のチャネル内に受入れられたときにばねが第2の作動力を含み、第2の作動力は第1の作動力より大きい、実施形態20又は22に記載の力モジュール。

24. 第1のコネクタは回転可能である、実施形態20に記載の力モジュール。

25. 第1のコネクタはコネクタの対向する縁領域に配設される第1及び第2のチャネルを備え、第1及び第2のチャネルはそれぞれアーチ状軸を含む、実施形態20に記載の力モジュール。

26. 口腔内力モジュールの作動力を変更する方法であって、 第1の外端部を有し、概ね近心方向に延びる長さを有する第1の部材と、第1の部材に接続し、基準軸に沿った方向にて第1の部材に対して枢動可能に移動可能である第2の部材であって、第2の部材の一部は第1の部材の長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延びる第2の部材と、第2の部材の第2の外端部に接続するコネクタであって、当該コネクタの対向する縁領域に隣接するチャネル距離で分離される第1のチャネルと第2のチャネルとを備える第1のコネクタと、を備える力モジュールを提供することであって、第2の部材は第1のコネクタに対して、基準軸に概ね垂直である第1の軸を中心に弧内で移動可能であり、第2の部材は第1のコネクタ内の第1のチャネル内に受入れられる第1の長さを有する回転止めを備える力モジュールを提供することと、 第2の長さを有する第2の回転止めを提供することと、 第1のチャネル及び第2の部材から第1の回転止めを係合解除することと、第2の回転止めを第2のチャネル内及び第2の部材の上に固定することと、を含む、方法。

27. 第1の回転止めの第1の長さと第2の回転止めの第2の長さとの間の差がチャネル距離と等しい、実施形態26に記載の方法。

28. 上歯列弓と下歯列弓との相対的な位置を移動させるために構成される口腔内アセンブリであって、 歯への接続のために適合される第1の歯科矯正臼歯器具と、下側モジュールに枢動可能に連結される上側モジュールとを備える再配置デバイスと、を備えるアセンブリであって、上側モジュールは、第1の部材、及び基準軸に沿って移動するために第1の部材に摺動可能に連結される第2の部材を有するテレスコープ式アセンブリを備え、第2の部材は外端部を有し、下側モジュールは空洞を画定する筐体を備え、筐体の一部はテレスコープ式アセンブリの長さの一部に沿って第2の外端部に遠位に延伸し、筐体区分は空洞内に受入れられる引張部材を備え、引張部材は張設されており、上歯列弓及び下歯列弓が閉じるとその長さが延びる、アセンブリ。

29. 引張部材はコイルばねである、実施形態28に記載の口腔内アセンブリ。

30. 筐体は、空洞内に受入れられる円柱状プランジャを更に備え、引張部材はプランジャと同軸である、実施形態29に記載の口腔内アセンブリ。

本明細書に引用された特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示は、あたかもそれぞれが個々に組み込まれたかのように、それらの全体が参照により組み込まれる。当業者には、本開示の範囲及び趣旨を逸脱することのない、本開示に対する様々な修正及び変更が明らかであろう。本開示は、本明細書に記載した具体例及び実施例によって不当に制限されるものではないこと、そしてかかる実施例及び実施形態は、以下のような本明細書に記載の請求項によってのみ制限されるように意図された本開示の範囲内の単なる例示として示されることを理解されたい。

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