咀嚼式歯列矯正装置

申请号 JP2016088046 申请日 2016-04-26 公开(公告)号 JP6305460B2 公开(公告)日 2018-04-04
申请人 洪 澄祥; 发明人 洪 澄祥;
摘要
权利要求

咀嚼式歯列矯正装置であって、 剛体で、咀嚼時、取り外し可能な方式で、患者の上顎または下顎歯列弓に装着され、装着時、歯が収められて、変形することなく形状が維持され、且つ、咬合部分を有する矯正ユニットと、 前記矯正ユニット中に形成され、前記矯正ユニットが装着されるとき、位置異常の前記上顎または下顎歯列弓の第一歯を想定される矯正完成状態に移動する形状を有する少なくとも一つの第一凹槽と、 前記第一凹槽に形成されて、前記第一凹槽と前記第一歯との間のを伝達および緩衝する緩衝部材であって、前記矯正ユニットが装着されて、咀嚼時、前記緩衝部材が変形し、前記第一歯に接触して少なくとも咬合面の部分を被覆し、咬合荷重を前記第一歯に転移させる少なくとも一つの緩衝部材と、を有し、 咀嚼時、咬合荷重の作用下で、前記咀嚼式歯列矯正装置の歯列矯正機能が作動されることを特徴とする咀嚼式歯列矯正装置。前記緩衝部材の前記形状は、前記矯正ユニットが装着されて、咀嚼時、さらに、前記第一凹槽中の前記第一歯の動きを誘導することを特徴とする請求項1に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記矯正ユニットは、少なくとも一つの第二凹槽をさらに形成し、前記矯正ユニットが装着されて、咀嚼時、前記第二凹槽が、前記上顎または下顎歯列弓の第二歯に順応し、前記咬合荷重の一部を、前記矯正ユニットから前記第二歯に転移させる形状を有することを特徴とする請求項1に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記咬合部分は、矯正ユニットを未装着の他方の歯列弓と機能的咬合を構築する形状を有し、咀嚼時、装着された前記矯正ユニットは、前記他方の歯列弓の歯と接触し、且つ、外傷が生じないことを特徴とする請求項1に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記矯正ユニットは、前記第一凹槽中に形成される形状記憶部材をさらに有し、前記矯正ユニットが装着されて、咀嚼時、前記形状記憶部材は、変形状態で、前記第一歯の形状に順応し、前記形状記憶部材が、徐々に、記憶された形状に戻るとき、徐々に、前記第一歯に圧力を加えることを特徴とする請求項1に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記矯正ユニットは、咬合床副子であることを特徴とする請求項1に記載の咀嚼式歯列矯正装置。咀嚼式歯列矯正装置であって、 剛体で、咀嚼時、取り外し可能な方式で、患者の上顎歯列弓に装着され、装着時、歯が収められ、変形することなく形状が維持され、且つ、第一咬合部分を有する第一矯正ユニットと、 剛体で、咀嚼時、取り外し可能な方式で、前記患者の下顎歯列弓に装着され、装着時、歯が収められ、変形することなく形状が維持され、且つ、前記第一咬合部分に対応する第二咬合部分を有する第二矯正ユニットと、 前記第一または第二矯正ユニット中に形成され、前記第一および第二矯正ユニットが装着されるとき、位置異常の前記上顎または下顎歯列弓の第一歯を想定される矯正完成状態に移動する形状を有する少なくとも一つの第一凹槽と、 前記第一凹槽に形成されて、前記第一凹槽と前記第一歯との間の力を伝達および緩衝する緩衝部材であって、前記第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、変形し、前記第一歯に接触して少なくとも咬合面の部分を被覆し、咬合荷重を前記第一歯に転移させる少なくとも一つの緩衝部材と、を有し、 咀嚼時、咬合荷重の作用下で、前記咀嚼式歯列矯正装置の歯列矯正機能が作動されることを特徴とする咀嚼式歯列矯正装置。前記緩衝部材の前記形状は、さらに、前記第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、前記第一凹槽中の前記第一歯の動きを誘導することを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一および第二矯正ユニットは、複数の第二凹槽をさらに形成し、それぞれ、前記第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、前記第二凹槽が、前記上顎および下顎歯列弓の複数の第二歯に順応して前記咬合荷重の一部を、前記第一または第二矯正ユニットから前記第二歯に転移させる形状を有することを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一および第二咬合部分は、機能的咬合を構築する形状を有し、且つ、咀嚼時、前記第一および第二矯正ユニットが接触して、外傷が生じないことを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一および第二矯正ユニットは、咬合床副子であることを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一および第二矯正ユニットは、前記第一凹槽中に形成される少なくとも一つの形状記憶部材をさらに有し、前記第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、前記形状記憶部材が、変形状態で、前記第一歯に順応し、前記形状記憶部材が、徐々に、記憶された形状に戻るとき、徐々に、前記第一歯に圧力を加えることを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一咬合部分は平面を形成し、前記第二咬合部分は複数の突起を形成して、前記平面と接触することを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一咬合部分が前記第二咬合部分に接触するとき、同時に、平面と突起が接触し、前記第一咬合部分が前記第二咬合部分から分離するとき、同時に、前記平面が前記突起から分離することを特徴とする請求項13に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一咬合部分が前記第二咬合部分に接触するとき、前記平面と前記突起は、複数の接触点を形成し、前記接触点は曲線で分布し、且つ、前記接触点の位置は、それぞれ、前記上顎歯列弓の各歯の歯槽中央に対応することを特徴とする請求項13に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一および第二咬合部分の厚さの合計は、1.5mm〜2.5mmであることを特徴とする請求項13に記載の咀嚼式歯列矯正装置。前記第一矯正ユニットは、左頬部、右頬部および前記左および右頬部上に形成される複数の制限部を有し、前記制限部は、それぞれ、案内面を有して、前記第二矯正ユニットを誘導するとともに、咀嚼時、前記第一矯正ユニットに相対する前記第二矯正ユニットの可動範囲を、平方向で制限することを特徴とする請求項7に記載の咀嚼式歯列矯正装置。

说明书全文

この出願は、2015年4月27日に出願された中国特許第201510202838.3号から優先権を主張するものであり、その内容は引用によって本願に援用される。

本発明は、歯列矯正技術に関するものであって、特に、咀嚼式歯列矯正装置に関するものである。

歯並びが悪いと、その人の歯の美しさ、機能、健康に影響を与える。影響がある機能は、咀嚼、発音、呼吸等の日常活動である。引き起こされる口腔衛生の問題としては、虫歯、歯周病、歯の異常な摩損等がある。歯列矯正の目的は、歯科機能を改善する位置や方向に、患者の歯の再配置や再調整することである。

従来のブレース(braces)は、アーチワイヤーを用いる加(force-inducing)歯列矯正器具である。アーチワイヤーは予成形され、歯に固定されるブラケットにより歯に相互接続される。はじめて装着されるとき、アーチワイヤーは、弾性的に変形して、位置異常の歯を収め、弾力矯正力をそれらに発揮する。アーチワイヤーは、歯に継続して力を及ぼして、徐々に、それらを矯正完成状態に促す。従来の技術において用いられるクリアアライナーの動作原理も、歯列矯正器具自体の弾性特性を利用する。従来の技術において用いられるクリアアライナーの本体または外殻は、フレキシブル、且つ、変形し、且つ、歯列矯正器具が装着され、元の形状に戻ろうとするとき、弾力矯正力を提供する。クリアアライナーが歯並びの悪い歯に装着されるとき、それは弾性を有するとともに、歯並びの悪い歯を収めようとするが、歯の表面との完全な接触が不可能である。よって、歯に固定される追加部品、たとえば、留め具によって、アライナー本体が歯並びの悪い歯に対しうまく結合して、弾力を供給することが必要である。連続した矯正力を提供し、矯正結果を達成するため、クリアアライナーは、一日20時間以上装着しなければならない。

クリアアライナーは、見えないおよび取り外せるという長所がある。また、患者が容易に歯と歯列矯正器具を洗浄することができるので、取り外し可能な歯列矯正器具は、より良い口腔衛生を促進する。しかし、歯並びの悪い歯に固定される留め具を有するクリアアライナーの使用は、患者にとってかなり苦痛である。現在、矯正治療における認識として、軽い断続的な力が、重い持続した力より好ましく、歯槽骨により、歯を快速に移動させ、歯根吸収のリスクを減少させることがよいとされている。

上述の問題に関し、本発明の目的は、咀嚼時、咬合荷重の作用下で、装置の歯列矯正機能が作動される咀嚼式歯列矯正装置を提供することである。

本発明の一実施態様は、剛体の少なくとも一つの矯正ユニットを有する咀嚼式歯列矯正装置を提供する。矯正ユニットは、咀嚼時、取り外し可能な方式で、患者の上顎または下顎歯列弓に装着され、装着時、歯が収められて、変形することなく矯正ユニットの形状が維持される。矯正ユニットは咬合部分を有する。少なくとも一つの第一凹槽が矯正ユニット中に形成され、且つ、矯正ユニットが装着されるとき、位置異常の上顎または下顎歯列弓の第一歯を想定される矯正完成状態に移動する形状を有する。少なくとも一つの緩衝部材が、第一凹槽に形成されて、前記第一凹槽と前記第一歯との間の力を伝達および緩衝し、矯正ユニットが装着され、咀嚼時、緩衝部材が変形し、第一歯に接触して少なくとも咬合面の部分を被覆し、咬合荷重を第一歯に転移させる。咀嚼時、咬合荷重の作用下で、装置の歯列矯正機能が作動する。

いくつかの実施態様において、緩衝部材の形状は、さらに、矯正ユニットが装着され、咀嚼時、第一凹槽中の第一歯の動きを誘導する。

いくつかの実施態様において、矯正ユニットは、少なくとも一つの第二凹槽をさらに形成し、矯正ユニットが装着され、咀嚼時、第二凹槽が、上顎または下顎歯列弓の第二歯に順応し、咬合荷重の一部が、矯正ユニットから第二歯に転移する形状を有する。

いくつかの実施態様において、咬合部分は、矯正ユニットを未装着の他方の歯列弓と機能的咬合を構築する形状を有し、咀嚼時、装着された矯正ユニットが、他方の歯列弓の歯に効果的に接触し、外傷が生じない。

いくつかの実施態様において、緩衝部材は弾性部材である。

いくつかの実施態様において、矯正ユニットは、第一凹槽中に形成される形状記憶部材をさらに有し、矯正ユニットが装着され、咀嚼時、形状記憶部材は、変形状態で、第一歯の形状に順応し、および、形状記憶部材が、徐々に、記憶された形状に戻るとき、第一歯に徐々に圧力を加える。

いくつかの実施態様において、矯正ユニットは咬合床副子である。

本発明の別の実施態様は、剛体の第一矯正ユニットおよび剛体の第二矯正ユニットをさらに有する咀嚼式歯列矯正装置を提供する。第一矯正ユニットは、咀嚼時、取り外し可能な方式で、上顎歯列弓に装着される。第一矯正ユニットの形状は、装着時、歯が収められ、変形することなく維持される。第一矯正ユニットは第一咬合部分を有する。第二矯正ユニットは、咀嚼時、取り外し可能な方式で、下顎歯列弓に装着される。第二矯正ユニットの形状は、装着時、歯が収められ、変形することなく維持される。第二矯正ユニットは、第一咬合部分に対応する第二咬合部分を有する。少なくとも一つの第一凹槽が、第一または第二矯正ユニット中に形成され、第一および第二矯正ユニットが装着されるとき、位置異常の上顎または下顎歯列弓の第一歯を想定される矯正完成状態に移動する形状を有する。少なくとも一つの緩衝部材が、第一凹槽に形成されて、第一凹槽と第一歯との間の力を伝達および緩衝し、第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、緩衝部材が変形し、且つ、第一歯に接触して少なくとも咬合面の部分を被覆し、咬合荷重を第一歯に転移させる。咀嚼時、咬合荷重の作用下で、装置の歯列矯正機能が作動される。

いくつかの実施態様において、緩衝部材の形状は、さらに、第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、第一凹槽中の第一歯の動きを誘導する。

いくつかの実施態様において、第一および第二矯正ユニットは、複数の第二凹槽をさらに形成し、各第二凹槽は、第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、第二凹槽が、上顎と下顎歯列弓の複数の第二歯に順応し、咬合荷重の一部が、矯正ユニットから第二歯に転移する形状を有する。

いくつかの実施態様において、第一および第二咬合部分は、機能的咬合を構築する形状を有し、咀嚼時、第一および第二矯正ユニット効果的に接触し、且つ、外傷が生じない。

いくつかの実施態様において、緩衝部材は弾性部材である。

いくつかの実施態様において、第一および第二矯正ユニットは咬合床副子である。

いくつかの実施態様において、第一および第二矯正ユニットは、第一凹槽中に形成される少なくとも一つの形状記憶部材をさらに有し、第一および第二矯正ユニットが装着され、咀嚼時、形状記憶部材は、変形状態で、第一歯の形状に順応し、および、形状記憶部材が、徐々に、記憶された形状に戻るとき、第一歯に徐々に圧力を加える。

いくつかの実施態様において、第一咬合部分は平面を形成し、第二咬合部分は複数の突起を形成して、平面と接触する。

いくつかの実施態様において、第一咬合部分が第二咬合部分に接触するとき、同時に、平面と突起が接触し、第一咬合部分が第二咬合部分から分離するとき、同時に、平面が突起から分離する。

いくつかの実施態様において、第一咬合部分が第二咬合部分に接触するとき、平面と突起が複数の接触点を形成し、接触点は曲線で分布し、且つ、接触点の位置は、それぞれ、上顎歯列弓の各歯の歯槽中央に対応する。

いくつかの実施態様において、第一および第二咬合部分の厚さの合計は、1.5mm〜2.5mmである。

いくつかの実施態様において、第一矯正ユニットは、左頬部、右頬部および左および右頬部上に形成される複数の制限部を有し、制限部は、それぞれ、案内面を有し、第二矯正ユニットを誘導するとともに、咀嚼時、第一矯正ユニットに対する第二矯正ユニットの可動範囲を、平方向で制限する。

いくつかの実施態様において、咀嚼式歯列矯正装置を用いる患者は、咀嚼開始時、第一および第二矯正ユニットを、それぞれ、上顎と下顎歯列弓に装着する、または、一矯正ユニットを歯列弓の一つに装着する。続いて、患者が、少なくとも15分咀嚼すると、装置の歯列矯正機能を起動する咬合荷重が生成される。

上記及び他の目的及び本発明の特徴は、添付図面とともに以下の記載を参照することにより明らかとなる。

本発明の一実施態様による患者が咀嚼式歯列矯正装置を装着して咀嚼する状態を示す概略図である。

図1中の咀嚼式歯列矯正装置1の第一および第二矯正ユニットの咬合時を説明する概略図である。

図2AのX部分の拡大図である。

図2Aの第一矯正ユニット上の咬合点の分布を示す概略図である。

別の視野からの第一および第二矯正ユニットを示す概略図である。

本発明の別の実施態様による第一凹槽中の形状記憶部材の構造を説明する概略図である。

本発明の目的、特徴および長所を説明するため、本発明の好ましい実施態様と図面が以下で詳細に示される。

以下の記述において、 “上”、“上方”、“下”、“下方”、“左” および“右” の方位は、図中に示されるように、各構成要素の相対位置間の関係を示すものであり、本発明を限定するものではない。

また、以下の詳細な記述において、第一、第二、第三および第四等の用語が用いられて、各種構成要素、領域またはセクションを記述しているが、これらの構成要素、領域またはセクションはこれらの用語に制限されるべきではない。これらの用語は、一構成要素、領域またはセクションと別の構成要素、領域またはセクションを区別するために用いられる。よって、以下で討論される第一構成要素、領域またはセクションは、第二構成要素、領域またはセクションと称することもでき、本発明の教示を逸脱しない。

図1は、本発明の一実施態様による患者が咀嚼式歯列矯正装置1を装着して咀嚼する状態を示す概略図である。図1に示されるように、咀嚼式歯列矯正装置1は、剛体の第一矯正ユニット100および剛体の第二矯正ユニット200を有し、第一および第二矯正ユニット100と200は、取り外し可能な方式で、それぞれ、患者の上顎歯列弓12および下顎歯列弓22に装着される。患者が自身で取り外し可能であるので、咀嚼式歯列矯正装置1は、日常活動で生じる咀嚼時、たとえば、食事を食べるときやガムを噛むときに装着することができる。

特に、患者が咀嚼式歯列矯正装置1 (第一および第二矯正ユニット100と200)を装着して咀嚼時するとき、上顎および下顎歯列弓12と22の咬合により歯に作用する荷重 (図1の矢印)が、装置1を歯列矯正装置として機能させる駆動力である。矯正ユニット100と200の剛体は硬質であり、変形したり歯に弾性回復力を与えたりせず、且つ、それらの形状は、歯を収めた後維持され、咬合力からの荷重下でも、変形しない。これは、従来の技術において用いられるクリアアライナーのケースと対照的で、クリアアライナーの本体または外殻はフレキシブルで、且つ、位置異常の歯に装着されるとき、変形し、アライナー本体または外殻の弾力を歯列矯正力としている。本発明の実施態様の動作原理は、図2Aと図2Bを参照しながら、以下の段落で詳細に説明する。

いくつかの実施態様において、第一および第二矯正ユニット100と200は、矯正用樹脂または経口適用への使用に適当なその他の材料で形成される咬合床副子である。

図2Aは、図1中の咀嚼式歯列矯正装置1の第一および第二矯正ユニット100と200の咬合時の状態を説明する概略図である。 図2Bは、図2AのX部分の拡大図である。

図2Aと図2Bに示されるように、いくつかの凹槽(recess、リセス)R(上顎および下顎歯列弓12と22両方に対応する破線により示される)が、第一および第二矯正ユニット100と200の内側に形成されて、上顎および下顎歯列弓12と22の歯を収容する。この実施態様において、凹槽Rは、いくつかの第二凹槽R1と一つの第一凹槽R2を有する。第二凹槽R1の位置は、矯正移動を必要としない患者の歯 (第二歯)に対応する。第一および第二矯正ユニット100と200が装着されるとき、第二凹槽R1の形状は、対応する第二歯に順応する。第一凹槽R2の位置は、矯正を必要とする位置異常の患者の歯 (第一歯)に対応する。第一凹槽R2の形状は、想定される(envisioned)矯正完成状態第一歯を移動させる。たとえば、図2Aと図2Bに示されるように、患者は、一個の下顎切歯22A (第一歯)だけ矯正が必要であり、且つ、下顎切歯22Aの矯正完成状態は、僅かに内側に移動させる (図2Bの矢印)ことにより達成される。したがって、第一空間Gが、第一凹槽R2と下顎切歯22A間に形成されて、咀嚼時、下顎切歯22Aを移動させることができる。

緩衝部材S (図2B)が、第一凹槽R2と下顎切歯22A間の第一空間G中にさらに設置される。緩衝部材Sは、柔軟、且つ、非硬化のシリコンベース材料で形成される弾性部材である。この実施態様において、緩衝部材Sは、たとえば、接着により、第一凹槽R2内側で固定される。好ましくは、緩衝部材Sは、位置異常の歯の歯冠全体(つまり、この実施態様中の下顎切歯22A)を被覆する。

次に、咀嚼式歯列矯正装置1の動作原理が、図1A、図2Aおよび図2Bとともに説明される。

患者が、第一および第二矯正ユニット100と200を装着して咀嚼するとき、上顎および下顎歯列弓12と22の咬合咀嚼で生成される荷重が、矯正ユニット100と200から歯に転移し、さらに、歯周靱帯と各歯の隣接する歯槽骨に転移する。 咀嚼中、咬合荷重が、第二歯に接触する第二凹槽R1、および第一凹槽R2を介して歯、および第一歯に接触する緩衝部材Sに転移する。

特に、咀嚼時、咬合力が第二歯に作用する。咬合荷重は、矯正ユニット100と200から第二歯と直接接触する第二凹槽R1を通過して、各第二歯に伝達される。矯正ユニット100と200は、第二歯を支え、且つ、接続して、歯の移動を制限する。第一空間G (緩衝部材Sが固定されている)の形成により、咀嚼時、位置異常の第一歯は移動空間を有する。咬合荷重の作用下で、咬合力は第一歯およびその支持組織(supporting tissue)に伝達されるとともに、緩衝部材Sにより緩衝される。また、咬合荷重の作用下で、緩衝部材Sの形状および弾性特性は、緩衝部材Sを介して、第一歯に軽い誘導力を作用させ、位置異常、且つ、移動中の第一歯が、想定される矯正完成状態に誘導される。位置異常の第一歯が第一凹槽R2に移動するとき、緩衝部材Sは、変形して、第一歯の上部分に接触する。緩衝部材Sは作用力を転移させるだけでなく、作用力の一部を吸収し、歯列矯正期間中、患者が感じる痛みや不快を減少させる。

注目すべきことは、前述の咀嚼式歯列矯正装置1の動作原理が、従来のブレースおよびクリアアライナーと明らかに異なることである。歯の矯正移動は、機械力が歯に作用して、骨再形成(bone remodeling)を生じるプロセスである。歯槽骨の歯の移動は、実際上、歯周靱帯の張力側の新しい骨の形成および圧縮側の骨吸収である。 軽い力が望ましく、それは、直接、骨吸収を生じて、細胞死が少ないからであり、歯槽骨により歯の移動がさらに容易になる。重い持続する力は不適切で、これは、歯周靱帯の細胞死が歯の移動を停止させるとともに、歯の根表面と歯槽壁の長時間の接触が、歯根吸収のリスクを増加させるからである。従来のブレース使用において、矯正ワイヤは、歯に装着されるブラケットに固定されるとともに、歯に持続作用力を加える。従来のクリアアライナーの使用上、アライナー本体は、フレキシブルで、 且つ、位置異常の歯に弾力を供給し、毎日20時間以上の作用力を加える。対照的に、本発明の一実施態様の矯正ユニットの剛体はフレキシブルではなく、咀嚼時に、装置を装着するとき変形しない。本実施形態による咀嚼式歯列矯正装置は、咀嚼時に生成される断続的な短期間の咬合力を利用して、矯正力とし、歯の矯正移動を加速すると同時に、装着時間と不快感を減少させる。

本発明の装置1は、咀嚼時、歯列矯正機能が咬合荷重により作動されるように設計されている。よって、装置1を機能させるため、咀嚼時、機能的咬合を構築する特徴を必要とする。咬合を機能させるため、上顎歯と下顎歯は、顎の咀嚼時の全動きに対し、効果的に接触し、外傷が生じないようにしなければならない。特に、機能的咬合は、下顎の顆の位置が中心位位置(centric relation position)であることが必要であり、顎は、全咀嚼運動において、快適に移動することができる。本発明において、咬合は、装着された矯正ユニットの接触または (その他のいくつかの実施態様において)装着された単一の矯正ユニットと矯正ユニット未装着の他方の歯列弓の接触により行われ、且つ、矯正ユニットの咬合部分は、機能的咬合を構築する特徴を有していなければならない。

図3は、図2Aの第一矯正ユニット100上の咬合点の分布を示す概略図である。図2Aと図3を参照すると、第一矯正ユニット100は第一咬合部分B1を有し、第二矯正ユニット200は、第一咬合部分B1に対応する第二咬合部分B2を有する。咬合部分B1とB2の形状は、矯正ユニット100と200を装着する機能的咬合を構築する特徴を有する。特に、第一咬合部分B1は平面P1を形成し、第二咬合部分B2はいくつかの突起P2を形成して、平面P1と接触する。第一および第二矯正ユニット100と200が咬合する (つまり、第一咬合部分B1と第二咬合部分B2が接触する)時、第一矯正ユニット100上の咬合点B (つまり、平面P1と突起P2により形成される接触点)は曲線で分布し (図3)、且つ、咬合点Bの位置は、 それぞれ、上顎歯列弓12の各歯の歯槽中央に対応する。

咬合の方式は、第一および第二矯正ユニット100と200の接触方式により定義される。この場合、患者が、第一および第二矯正ユニット100と200を装着して咀嚼するとき、同時に、平面P1が突起P2と接触する(第一咬合部分B1が第二咬合部分B2に接触するとき)、または、同時に、突起P2から分離する(第一咬合部分B1が第二咬合部分B2から分離するとき)。さらに、咬合が最大面積で効果的に接触し、且つ、滑動やその他の破壊性動作が生じず、圧力が均一に分布する。故に、矯正の効果と、患者の第一および第二矯正ユニット100と200装着時の快適度が改善される。

図4は、図2Aの第一および第二矯正ユニット100と200の別の視野角を示す概略図である。図2Aと図4を参照すると、この実施態様の第一矯正ユニット100は、左および右頬部上にさらに形成されるいくつかの制限部100A (たとえば、二個の制限部100A)を有する。制限部100Aは、それぞれ、舌側に案内面(図示しない)を形成して、第二矯正ユニット200を誘導する。よって、制限部100Aは、第一矯正ユニット100に対する第二矯正ユニット200の可動範囲を、水平方向で制限することができる (第一および第二矯正ユニット100と200が咬合状態のとき)。図2Aと図4に示されるように、制限部100Aは、上顎犬歯12Cに対応するように設置されているが、上顎歯列弓12の別の歯 (たとえば、小臼歯)に対応するように設置することもできる。

図2Aを参照すると、いくつかの実施態様において、第一矯正ユニット100の第一咬合部分B1の厚さD1と第二矯正ユニット200の第二咬合部分B2の厚さD2の合計 (つまり、D1+D2)は1.5mm〜2.5mmである。

さらに注目すべきことは、患者は、咀嚼式歯列矯正装置1を装着して、短期間 (たとえば、毎食約30分)、咀嚼するだけで、十分な歯の矯正移動を達成することができる。対照的に、従来のブレースは丸一日装着する必要があり、クリアアライナーは毎日20時間以上装着する必要がある。

前述の実施態様において、単一の下顎切歯22A (図2A)は、矯正が必要な第一歯の一例として示されているが、矯正が必要な位置異常にある第一歯の数量は一つに制限されない。

前述の咀嚼式歯列矯正装置は、二個の矯正ユニット(第一矯正ユニット100と第二矯正ユニット200)を有しているが、上顎または下顎歯列弓上に装着される単一の矯正ユニットを有することも可能である。たとえば、位置異常の歯が上顎歯であるとき、患者は、単一の矯正ユニットを上顎歯列弓に装着することができる。 反対に、患者は、下顎歯列弓上に、単一の矯正ユニットを装着することができる。

いくつかの実施態様において、患者が単一の矯正ユニットを装着するとき、矯正ユニットの咬合部分は、また平面を形成する。また、平面は、矯正ユニットが未装着の他方の歯列弓の歯の咬頭(咬合部分上)と、同時に接触または分離することが可能である。さらに、咬合点 (つまり、矯正ユニットの咬合部分の平面と他方の歯列弓の歯の咬合部分上の咬頭により形成される接触点)も曲線で分布し、咬合点の位置は、それぞれ、矯正ユニットを装着した歯列弓の各歯の歯槽中央に対応する。さらに、矯正ユニットは、左および右頬部上に形成されるいくつかの制限部(たとえば、二個の制限部)をさらに有し、制限部は、それぞれ、案内面を形成して、矯正ユニットを未装着の他方の歯列弓の歯を誘導する。したがって、二つが咬合状態であるとき、制限部は、矯正ユニットを装着した歯列弓に対する矯正ユニットが未装着の歯列弓の可動範囲を、水平方向で制限することができる。

剛体の第一および第二矯正ユニット100と200は咬合床副子である。咬合床副子は、透明、半透明、非透明、色付き、パターン化、開口付き、開口なしにできるが、これらの外観に限定されない。

図5は、本発明の別の実施態様による第一凹槽R2中の形状記憶部材の構造を説明する概略図である。図5に示されるように、この実施態様は、咀嚼式歯列矯正装置1’を提供し、患者の上顎または下顎歯列弓に装着される少なくとも一つの矯正ユニット100、矯正ユニット100中に形成され、矯正が必要な位置異常の患者の歯 (第一歯)に対応し、且つ、咀嚼時、第一歯を移動させる第一空間Gを有する第一凹槽R2、第一凹槽R2と第一歯間の第一空間G中に形成される緩衝部材S (点領域で示される)、および、第一凹槽R2中に形成される形状記憶部材Mを有する。形状記憶部材Mは、たとえば、メッシュ構造として構成される。

この実施態様において、矯正ユニット100が装着され、咀嚼時、形状記憶部材Mは、変形状態下で、第一歯に順応し、形状記憶部材Mが徐々に記憶された形状に戻るとき、圧力を徐々に第一歯に加える。さらに特に、形状記憶部材Mが矯正ユニット100に固定される。形状記憶部材Mの記憶された形状は、第一歯の矯正完成状態の形状に順応する。室温下で、形状記憶部材Mは変形状態である。最初に第一歯に装着されるとき、形状記憶部材Mは変形可能であるとともに、延伸して、第一歯の形状に順応する。温度の上昇に伴い、形状記憶部材Mは、徐々に、記憶された形状に戻り、第一歯が圧力を受けるとともに、矯正完成状態に導く(図5の矢印)。

本発明のいくつかの実施例は、さらに、前述の装置を用いて、歯列矯正を実行する方法を提供する。本方法は、患者が、第一および第二矯正ユニットまたは一矯正ユニットを、歯列弓の一つだけに装着する工程、および、患者が、15〜20分、咀嚼する工程、を有する。咀嚼は、食事の際に行われ、つまり、一日三回で、装着時間は、一日約1時間である。咀嚼時に生成される咬合荷重は、装置を、歯列矯正装置として機能させる駆動力を提供する。

本発明の好ましい実施例と利点を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。たとえば、当業者なら、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で、記述される多くの特徴、機能、プロセス、および、材料を変化させることができる。このほか、本発明の範囲は、明細書内の特定の実施態様で記述されるプロセス、機械、製造、組成、装置、方法、および、ステップに限定されず、当業者なら、本発明の開示から、現行の、または、未来で発展するプロセス、機械、製造、組成、装置、方法、および、ステップが、ここで記述される対応する実施態様とほぼ同じ機能を実行できる、あるいは、ほぼ同じ結果を達成することができればよいことが理解できる。したがって、本発明の範囲は、上述のプロセス、機械、製造、組成、装置、方法、および、ステップを含む。このほか、各請求項は、個別の実施例を構成し、且つ、各種請求項の組み合わせは、本発明の範囲に含まれる。

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