口腔内装具とその製造方法及び調節方法

申请号 JP2014533960 申请日 2012-08-31 公开(公告)号 JP6267124B2 公开(公告)日 2018-01-24
申请人 ブルーサム; 发明人 ぺテル ボリス; フルーリー ベルナール;
摘要
权利要求

ユーザーの上顎に対する下顎の前後方向における位置を調節するための口腔内装具であって、 一方が前記口腔内装具を口内に設置したユーザーの上顎の、他方が前記ユーザーの下顎の、各歯列弓に適合する形状であり、各歯列弓の全体に接触する部分(40,50)を含む第1シェルと第2シェル(10,20)と、 前記第1、第2シェル(10,20)が互いに重ねられた状態において前記第1、第2シェル(10,20)を連結している連結装置(30)と を備え、 前記連結装置(30)は、 前記第1シェル(10,20)の表面のうち、前記ユーザーの口内において前記ユーザーの左頬の内面に対向する左側面に沿って前後方向に伸びている棒状の第1タブ(31)、および前記ユーザーの右頬の内面に対向する右側面に沿って前後方向に伸びている棒状の第2タブ(31)と、 前記第2シェル(20,10)の表面のうち、前記ユーザーの口内において前記ユーザーの左頬の内面に対向する左側面に接続された第1調節用ハウジング(32)、および前記ユーザーの右頬の内面に対向する右側面に接続された第2調節用ハウジング(32)と を有し、 前記第1、第2タブ(31)の各々は、前記第1シェルの側面に面した部分からせり出して当該側面に接続されているブリッジと、前記ブリッジの上面又は底面に沿って前後方向に並ぶ第1調節歯(312)の列とを含み、 前記第1、第2調節用ハウジング(32)の各々は前後方向を軸とする筒状であり、側面に、前後方向の全体にわたって切り開かれているスロットを含み、当該スロットの側縁に、前後方向に並ぶ第2調節歯(322)の列を含み、 前記第1調節用ハウジング(32)は、スロットの内側に前記第1タブ(31)のブリッジを通して第2調節歯(322)の列を前記第1タブの第1調節歯(312)の列と前後方向に摺動可能に係合させることができ、前記第2調節用ハウジング(32)は、スロットの内側に前記第2タブ(31)のブリッジを通して第2調節歯(322)の列を前記第2タブの第1調節歯(312)の列と前後方向に摺動可能に係合させることができ、 前記第1、第2調節用ハウジング(32)の第2調節歯(322)の列が摺動して、前記第1、第2タブの第1調節歯(312)の列との係合位置を変えることにより、前記第1、第2シェル(10,20)の前後方向における相対位置が調節可能であり、 前記第1、第2調節用ハウジング(32)の各々は、スロットとは反対側の側面に、当該スロットに向かって移動可能に保持されたロック要素(35)を有し、前記ロック要素(35)は、当該スロットに向かって伸びているロック用突起(351)を含み、 前記第1、第2タブ(31)の各々は、ブリッジとは反対側の側面に、ロック用突起(351)と係合可能なロック用溝(311)を含み、 前記ロック用溝(311)は深さ方向が第1調節歯(312)の高さ方向と交差し、前記ロック用突起(351)は高さ方向が第2調節歯(322)の高さ方向と交差し、 前記第1、第2調節用ハウジング(32)の第2調節歯(322)の列が前記第1、第2タブ(31)の第1調節歯(312)の列と係合した状態において、前記ロック要素(35)は、 前記ロック用突起(351)を前記ロック用溝(311)と係合させて、第2調節歯(322)の列を第1調節歯(312)の列に対して摺動不能にするロック位置と、 前記ロック用突起(351)を前記ロック用溝(311)から外して、第2調節歯(322)の列を第1調節歯(312)の列に対して摺動可能にするアンロック位置と の間で移動可能である ことを特徴とする口腔内装具。前記第1、第2シェル(10,20)は、型を用いた成形及び曲げ加工の一方又は両方によって作られることを特徴とする請求項1に記載の口腔内装具。前記第1、第2シェル(10,20)はポリプロピレンで作られており、各シェルを対応する歯列弓へ適合させることが可能な可撓性を持つことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の口腔内装具。前記連結装置(30)は、 前記第2シェル(20,10)の左側面と前記第1調節用ハウジング(32)との間を接続している翼状の第1支持構造(34)、および前記第2シェルの右側面と前記第2調節用ハウジングとの間を接続している翼状の第2支持構造(34) を更に有し、 前記第1、第2調節用ハウジング(32)、および前記第1、第2支持構造(34)は前記第2シェル(20,10)と一体成形されており、 前記第1、第2支持構造(34)の各々は基端にヒンジを含み、当該ヒンジで折り曲げられることにより、前記第1、第2シェル(10,20)が互いに重ねられた状態において、前記第1支持構造(34)は前記第1調節用ハウジング(32)を前記第1タブ(31)の位置まで移動させることが可能であり、前記第2支持構造(34)は前記第2調節用ハウジング(32)を前記第2タブ(31)の位置まで移動させることが可能である ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の口腔内装具。各シェル(10,20)の含む、前記ユーザーの上側または下側の歯列弓の全体に接触する部分は、前記ユーザーの歯の形状に合致するように熱成形可能な材料で作られたインプリント要素(40,50)を1つずつ有し、各インプリント要素(40,50)は前記第1、第2シェル(10,20)の中に成形されることで、当該シェルに固定されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の口腔内装具。前記インプリント要素(40,50)は、室温では変形不能であるが、加熱されると変形可能になる熱成形可能な材料で作られていることを特徴とする請求項5に記載の口腔内装具。前記インプリント要素(40,50)の材料がポリカプロラクトン(PCL)族であることを特徴とする請求項6に記載の口腔内装具。

说明书全文

本発明は、口腔内装具、特にいびき又は睡眠時無呼吸症候群の治療を目的とした口腔内装具に関する。本発明はまた、その口腔内装具の製造方法及び調節方法に関する。

いびき又は睡眠時無呼吸を治療するための口腔内装具は従来の技術において公知である。この装具は通常上顎スプリントと下顎スプリントとを含み、それらは連結装置によって連結されている。この連結装置によって、上顎スプリントに対する下顎スプリントの位置を調節することができる。大部分の人々に、いびき及び無呼吸が軽減又は解消する顎の位置があることはわかっている。この位置はユーザごとに異なるので、ユーザごとに装具の調節が行えるように、正しい位置を正確に決めることが必要である。従来の技術による装置は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9に記載されている。この装置にはいくつかの問題点がある。スプリント及びそれらの位置を適合させて調節する作業は一般になかなか厄介であり、専門医によって行われなければならない。従って、患者は何度も通院する必要があるので費用が嵩む。また、装具をユーザに正しく適合させるには通常、ユーザの歯の型を作成し、この型に合わせて製造工場でスプリントを作成できるようにする必要がある。装具に求められる品質には特に、不快感を抑えるための小型性と、歯列弓にスプリントを保持するのに十分な能とが挙げられる。この保持能力は特に、夜間の下顎の不整合を確実になくすことを目的とする。さもなければ、効果が損なわれる結果となるからである。加えて、スプリントを連結するシステムは、信頼性と正確性とが高い調節能力、特にミリメートル単位の調節能力を持つことが望ましい。その結果、装具の最適な位置を正確に調節することが可能になる。さらに、特に睡眠中、調節が狂うのを回避するには、その調節はロック可能でなければならない。

現在のところ、既製の装具には、嵩、保持能力、及び調節能力の点で、製造工場に特注される装置に匹敵するものは存在しない。

国際公開第97/04716号

米国特許第5 409 017号明細書

米国特許第5 820 579号明細書

国際公開第02/38090号

国際公開第2006/013238号

米国特許出願公開第2011/0036357号明細書

米国特許第7 354 270号明細書

米国特許出願公開第2005/0081859号明細書

国際公開第2008/023799号

本発明の目的は、上記の問題点のない口腔内装具を提供することである。 具体的には、構造が簡単で、正確な調節が可能で、小型で、装着感が良く、保持力があり、製造及び使用については特注の装具と同等でありながらも安価である口腔内装具を提供することである。 より具体的には、個々のユーザに簡単に適合させることができ、正確かつ簡単に調節すること、すなわち特別な器具を使うことなく調節することができる口腔内装具を提供することである。

本発明による口腔内装具は、ユーザーの上顎に対する下顎の前後方向における位置を調節するための口腔内装具であって、第1シェルと第2シェルとを含む。第1、第2シェルは、一方が、口腔内装具を口内に設置したユーザーの上顎の、他方が、そのユーザーの下顎の、各歯列弓に適合する形状であり、各歯列弓の全体に接触する部分を含む。第1、第2シェルが互いに重ねられた状態において、第1、第2シェルは連結装置によって連結されている。この連結装置は棒状の第1、第2タブと第1、第2調節用ハウジングとを有する。第1タブは、第1シェルの表面のうち、ユーザーの口内においてそのユーザーの左頬の内面に対向する左側面に沿って前後方向に伸びており、第1タブは、そのユーザーの右頬の内面に対向する右側面に沿って前後方向に伸びている。第1調節用ハウジングは、第2シェルの表面のうち、ユーザーの口内においてそのユーザーの左頬の内面に対向する左側面に接続されており、第2調節用ハウジングは、そのユーザーの右頬の内面に対向する右側面に接続されている。第1、第2タブの各々は、第1シェルの側面に面した部分からせり出してその側面に接続されているブリッジと、そのブリッジの上面又は底面に沿って前後方向に並ぶ第1調節歯の列とを含む。第1、第2調節用ハウジングの各々は前後方向を軸とする筒状であり、側面に、前後方向の全体にわたって切り開かれているスロットを含み、そのスロットの側縁に、前後方向に並ぶ第2調節歯の列を含む。第1調節用ハウジングは、スロットの内側に第1タブのブリッジを通して第2調節歯の列を第1タブの第1調節歯の列と前後方向に摺動可能に係合させることができる。第2調節用ハウジングは、スロットの内側に第2タブのブリッジを通して第2調節歯の列を第2タブの第1調節歯の列と前後方向に摺動可能に係合させることができる。第1、第2調節用ハウジングの第2調節歯の列が摺動して、第1、第2タブの第1調節歯の列との係合位置を変えることにより、第1、第2シェルの前後方向における相対位置が調節可能である。

第1、第2調節用ハウジングの各々は、スロットとは反対側の側面に、そのスロットに向かって移動可能に保持されたロック要素を有する。そのロック要素は、スロットに向かって伸びているロック用突起を含む。第1、第2タブの各々は、ブリッジとは反対側の側面に、ロック用突起と係合可能なロック用溝を含む。そのロック用溝は深さ方向が第1調節歯の高さ方向と交差し、ロック用突起は高さ方向が第2調節歯の高さ方向と交差している。 第1、第2調節用ハウジングの第2調節歯の列が第1、第2タブの第1調節歯の列と係合した状態においてロック要素はロック位置とアンロック位置との間で移動可能である。ロック位置では、ロック要素はロック用突起をロック用溝と係合させて第2調節歯の列を第1調節歯の列に対して摺動不能にする。アンロック位置では、ロック要素はロック用突起をロック用溝から外して第2調節歯の列を第1調節歯の列に対して摺動可能にする。

好ましくは、第1、第2シェルは、型を用いた成形及び曲げ加工の一方又は両方によって作られる。 好ましくは、第1、第2シェルはポリプロピレンで作られており、各シェルを対応する歯列弓へ適合させることが可能な可撓性を持つ。

好ましくは、連結装置は翼状の第1、第2支持構造を更に有する。第1支持構造は第2シェルの左側面と第1調節用ハウジングとの間を接続し、第2支持構造は第2シェルの右側面と第2調節用ハウジングとの間を接続している。第1、第2調整用ハウジングおよび第1、第2支持構造は第2シェルに一体成形されている。第1、第2支持構造の各々は基端にヒンジを含む。そのヒンジで折り曲げられることにより、第1、第2シェルが互いに重ねられた状態において、第1支持構造は第1調節用ハウジングを第1タブの位置まで移動させることが可能であり、第2支持構造は第2調節用ハウジングを第2タブの位置まで移動させることが可能である。

好ましくは、各シェルの含む、ユーザーの上側または下側の歯列弓の全体に接触する部分は、そのユーザの歯の形状に合致するように熱成形可能な材料で作られたインプリント要素を1つずつ含む。この場合、各インプリント要素は第1、第2シェルの中に成形されることでそのシェルに固定されている。 好ましくは、インプリント要素は、室温では変形不能であるが、加熱されると変形可能になる熱成形可能な材料で作られている。

好ましくは、インプリント要素は、CAPA(登録商標)を含むポリカプロラクトン(PCL)族から選択された材料で作られている。

本発明の上記及びそれ以外の特徴及び効果は、添付図面を参照しながら、限定的ではない例として示す本発明の実施の形態に関する以下の詳細な説明を読むことで、一層明らかになるであろう。

本発明の実施の形態における装具の背面図であり、2つのシェルが重ねられた状態を示す。

上記重ねられた状態における図1の装具の正面図である。

上記重ねられた状態における、図1、図2の装具の、側面図である。

下顎用シェルを前進させた位置に含む、図3に類似の図である。

図4の装具の平面図である。

上顎用シェルの詳細を示す図である。

下顎用シェルの詳細を示す図である。

本発明の変形例における装具の斜視図であり、両シェルが一体に組み立てられた状態を示す。

図8の装具を調節するための調節システムの詳細を示す図である。

図8の装具をロックするためのロックシステムの詳細を示す図であり、ロック位置にある状態を示す。

図8の装具をロックするためのロックシステムの詳細を示す図であり、アンロック位置にある状態を示す。

ロックシステムの変形例を示す図であり、ロック位置にある状態を示す。

図面を参照するに、本発明の装具は第1シェル10及び第2シェル20を含む。2つのシェルの一方は上顎用シェルであり、他方は下顎用シェルである。図では、上顎用シェル10は上側のシェルとして示されており、下顎用シェル20は下側のシェルとして示されている。各シェルは、丸みを帯びた中空の形状であり、比較的柔軟な材料、たとえばポリプロピレン又はRilsan(登録商標)で作られている。その結果、これらのシェルはいかなるサイズの歯列弓にも適合させることができる。好ましくは、これらのシェルは主に、型を用いた成形によって製造される。

2つのシェルは、調節可能な連結装置30で連結される。 図に示されているように、この連結装置は2つの刻み目付きタブ31を含む。これらの刻み目付きタブ31は装具の一方のシェル、例えば、図6に示されている上顎用シェル10の両側に1つずつ配置されている。他方のシェル、図6の構成では下顎用シェル20は2つの調節用ハウジング32を含む。これらはそれぞれ刻み目付きタブ31を1つずつ収容して、上顎用シェル10に対する下顎用シェル20の位置を正確に定める。

当然のことながら、これらの調節可能な連結装置を逆に配置すること、例えば図8に示されているように、刻み目付きタブを下顎用シェルに配置し、調節用ハウジングを上顎用シェルに配置することは可能であろう。 図9に見られるように、調節用ハウジング32は各々調節歯322を少なくとも1つずつ、特にこの例では調節歯322を複数含む。これ(ら)は刻み目付きタブ31の少なくとも1つの調節歯312と、特にこの例では複数の調節歯312と係合して、装具の位置を正確に調節する。好ましくは、調節歯312、322は相補的な形状、例えば図9に見られるような三形である。好ましくは、刻み目付きタブ31の歯312は軸方向に、すなわち、図1〜4、図8に示されている装具に対して縦方向に向けられている。なお、調節歯312、322がいかなる数、形状、及び向きであってもよいことはわかるであろう。

図7に示されている第2シェル20は2つの調節用ハウジング32を含み、これらは各々、折り曲げ可能な支持構造34によって第2シェル20に接続されている。第2シェル20は、その支持構造34及び調節用ハウジング32と共に、型を用いた成形又は曲げ加工によって製造されてもよい。これにより、この装具の製造方法は特に簡単であり、複雑な作業を要しない。

調節用ハウジング32が機能する姿勢に曲げられているとき、下顎用シェルを上顎用シェルに取り付けるには、刻み目付きタブ31をその調節用ハウジング32に挿入し、その中で前進させたり押し戻したりすることによって装具の位置を正確に調節すればよい。このように調節可能な連結装置30は、例えばケーブルの固定に用いられる結束バンド(clamping collar)と同様に有利に機能する。

ロックシステム35は、個々の患者にとって有効とみなされる配置を固定できる点で有利である。図9〜12はこのロックシステムの例を示す。これらの例では調節用ハウジング32の各々がロック要素35を含む。このロック要素35は少なくとも1つの、好ましくは複数のロック用突起351を含み、刻み目付きタブ31の各々に設けられたロック用ハウジング311と係合するように作られている。

好ましくは、ロック用ハウジング311は、複数の歯311の軸方向に対して交差する方向、特に直交する方向の溝によって形成されている。 図9〜12に見られるように、ロック用突起及びハウジングは相補的な形状の溝を含む。ロック要素35はそれぞれの調節用ハウジング32に対して、図10、12に見られるロック位置と、図9、11に見られるアンロック位置との間で移動可能である。好ましくは、ロック要素35は、アンロック位置で台325と係合する肩部355を含む。これにより、ロック要素35が調節用ハウジング32から偶然に外れることが防止される。好ましくは、ロック要素35は更に、調節用ハウジング32のフランジ326と係合するビード356も含む。このビードは、ロック位置ではフランジの下にあり、アンロック位置ではフランジの上にある。これによって、ロック要素35の移動に対する抵抗を生じさせてロックの不要な解除を回避することができる。

図10、11に示されている変形例では、ロック要素35は内向きの肩部355と外向きのビード356とを2つずつ含む。図12に示されている変形例には外向きの肩部355と内向きのビード356とが2つずつある。一般に、それらの肩部355及びビード356はいかなる数、形状、および向きであってもよい。 図6は刻み目付きタブ31の例を示す。この例では、刻み目付きタブ31は各々、シェル10の片側に沿って延びる棒状部分によって形成されている。この棒状部分はその外面にロック用ハウジング311を含む。この棒状部分は小型のブリッジ(bridge of material)によってシェル10に接続されているので、刻み目付きタブは断面がほぼT字形状であって、シェル10から横方向に延びている。ブリッジは、(図6に示されている状態では)上面に、又は底面に調節歯312を含む。よって、これらの調節歯は、ロック用ハウジング311に対してほぼ垂直に延びている。

図7は、図6の刻み目付きタブと係合するように作られた調節用ハウジング32の例を示す。この変形例では調節用ハウジングは各々、内部で刻み目付きタブが摺動可能な中空ケースを含む。中空ケースには、刻み目付きタブのブリッジを通す縦方向のスロットが形成されている。このスロットの側縁は、調節歯311と係合するように作られた調節歯322を含む。中空ケースの外面には、ロック要素35を取り付け可能にする開口部がある。

図3、図4は、一杯に拡げられた2つの調節位置を示す。図3ではシェル同士が重ねられている。この位置は、下顎用シェルが元に戻されたときの位置にあたる。図4では下顎用シェルが前進した位置にある。 本発明はこうして装具の調節を、いかなる器具も要することなく正確に、特にミリ単位で行うことができる。また必要であれば、両側を非対称に調節することも可能である。調節は、システムにダメージを与えることなく、自由に修正可能である。ロックシステムは自発的な変位及び/又は不要な変位を回避する。

好ましくは、連結装置30には、口の開きを制限する応力が働く。口の開きは、下顎を前進させる装置の満足な作用に有害であることが知られている。従って、この応力の働きも装具の有用性を高める。 連結装置30は、支持構造34の折り曲げに関連するヒンジを含む。これにより、シェル10、20は横方向に、限られた範囲で移動可能であるので、下顎用シェルを押し戻すことなく、装着感を向上させることが可能である。

別の利点として、シェル10、20の各々の中に、本発明の装具は、熱成形可能な材料、すなわち、加熱されると変形可能となる材料で製造されたインプリント(imprint)要素を含む。この種の材料は、使用時の温度では実質的に固く、加熱されると実質的に変形可能であり、特にポリカプロラクトン(polycaprolactone)(PCL)族から選択された材料、具体的にはCAPA(登録商標)を含む。特に有利な側面として、インプリント要素40、50は、それぞれのシェル10、20の中に成形されることでそれらに固定されている。よって、インプリント要素とシェルとの間には、接着層、接続層、又はその他の層は不要である。従って、この装具の製造は簡単化される。

インプリント要素をシェルに固定する能力を向上させることを目的として、シェル10、20は好ましくは、リブ、溝、又は突起などの固定用形状部35、36を含む。図6には第1シェル10が示されているが、この図6には固定用形状部の例も示されている。好ましくは、同様の形状部が第2シェル20にも設けられている。固定用形状部は、インプリント要素がシェルの中に成形される間それらを固定する能力、を強化することができる。

ポリカプロラクトン製のインプリント要素を用いるのが有利である。何故なら、ユーザが、装具を加熱してからその装具に自分自身の歯形を残すことができるからである。一般に、加熱温度は50度を上回らないので、やけどのいかなる危険も避けられる。その後、ユーザは、加熱されたインプリント要素を含む装具を口の中に装着して歯形を付ける。こうして、各歯列弓に対して1つずつ、計2つのスプリントが形成される。冷却後、使用時の温度では歯形は実質的に変形不能のまま残るので、装具が使用されている間、確実にユーザの口に密着し続ける。こうして、ユーザは歯形を作成した後、連結装置30を用いて第1シェル10に対する第2シェル20の位置を調節することでとても簡単に装具を用いることができる。

このように、本発明によって提供される口腔内装具は、簡単にかつ低コストで製造することが可能であって、小売店で入手可能である。各ユーザは、歯形を残して装具の位置を調節することによって、装具を口の中に簡単に装着することができる。このような装着及び調節を実現するのに、ややこしい操作は不要である。従って、本発明の装置は、使いやすくコストも低いので、数多くのユーザによって使用可能である。なお、従来の方法で、すなわち、製造工場で製造されたスプリントが特定の患者の歯には必要である場合、それらのスプリントに刻み目を入れるシステムが利用可能であることがわかるであろう。

以上、本発明について、様々な有利な実施の形態を参照しながら説明したが、当然、本発明はそれら実施の形態には限定されない。それどころか、当業者であれば、添付の特許請求の範囲よって定義される本発明の範囲を逸脱することなしに、有用な変形を施すことが可能であろう。

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