不正咬合を治療するための歯科器具

申请号 JP2014537690 申请日 2012-10-22 公开(公告)号 JP6053806B2 公开(公告)日 2016-12-27
申请人 ルモックス エスアー; 发明人 ルノー ドゥソシュ;
摘要
权利要求

下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具であって、 前端(9)及び後端を有する第1ロッド(3)、 前端(11)及び後端(12)を有する第2ロッド(4)、 前記第1ロッド(3)の前記前端(9)を患者の第1歯列弓に接続できる第1旋回ジョイント(6)、 前記第2ロッド(4)の前記前端を患者の第2歯列弓に接続できる第2旋回ジョイント(8)、 ロッド(3,4)の後端(10,12)を互いに接続することによって、前記器具が開口位置から閉口位置へと遷移でき、それによって開口及び閉口の動きに従うことができる第3旋回ジョイント(7)、 前記第1ロッド(3)及び前記第2ロッド(4)は、剛性を有し、互いに異なる長さを有し、 器具が閉口位置に戻るようにし、それによってロッドが、顎の閉口位置において上顎歯列弓に対する下顎歯列弓の相対的移動を生じることができるよう、前記第3旋回ジョイント(7)が弾性手段(5)によって最短のロッドを支持する歯列弓に接続されることを特徴とする器具。前記第1旋回ジョイント(6)の旋回軸は、歯列弓の犬歯の近傍に配置され、前記第2旋回ジョイント(8)の旋回軸は、対向する歯列弓の第1臼歯の近傍に配置され、前記第3旋回ジョイント(7)の旋回軸は、顎の閉口位置における咬合平面内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の器具。前記第2ロッド(4)は、前記第1ロッドより短く、前記第2ロッド(4)が配置される場所において測定される口腔の開口の大きさに実質的に等しい長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の器具。上顎歯列弓に対する下顎歯列弓の動きは、器具が閉じた状態で実質的に平平面内において起こることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の器具。前記第1ロッド及び第2ロッド(3,4)の長さの比は、0.3〜0.5であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の器具。前記第1ロッド及び第2ロッド(3,4)の少なくとも1つの長さが調整され得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の器具。前記弾性手段(5)は、テンションスプリング(14)を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の器具。前記テンションスプリング(14)のを調整する手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の器具。上顎歯列弓に取り付けられる上側トレイ(1)、 下顎歯列弓に取り付けられる下側トレイ(2)、及び 前記第1ロッド(3)によって前記上側トレイ(1)に接続され、前記第2ロッド(4)によって前記下側トレイ(2)に接続される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の器具 を備える歯科用装置。前記上側トレイ(1)及び前記下側トレイ(2)のうちの少なくとも1つは、液体、半液体、又はゼリー状ポリマー(31)のうちの少なくとも1つである充填材料を含み、その壁を貫通する1つ以上の排出孔(32)を有することによって、前記充填材料が入れられた後に、前記充填材料が囲む歯列弓の大きさにトレイを合わせることが可能である請求項9に記載の歯科用装置。

说明书全文

本発明は、歯牙顔面不整列のための矯正器具の分野に関し、より具体的には、小児及び成人のII級及びIII級欠陥(defects)を矯正し、咬合を改善するために、上顎骨弓に対する下顎骨弓の整復を行う歯科矯正的治療で用いられる器具に関する。本発明による矯正器具は、睡眠時無呼吸に対する保護を提供するために、下顎骨の成長促進、上顎骨の成長促進と共に、夜間の下顎骨の発達を可能にすることを意図される。

小児期顎顔面成長異形症(maxillofacial growth dysmorphosia)は、上顎又は下顎顎前突症又は顎後退症につながり得る。この異形症は、成長アクチベータ(growth activators)と呼ばれる装置又は器具を用いることによって矯正され得る。この成長アクチベータは、顎顔面成長フェーズの間に、制御された応を下顎骨に与え、小児が少なくとも一日のうちの一部は装着する。

より具体的には、下顎骨成長アクチベータは、強制的な前方移動(forced advancement)によって下顎骨の成長を促す装置であり、上顎骨成長アクチベータは、下顎骨の強制的な後退によって上顎骨の成長を促す装置である。

これら器具は、バルターバイオネーターのように1ピースであってもよく、2ピースであってもよい。

異なる種類の下顎骨成長アクチベータが知られている。例えば、II級Lautrouアクチベータが知られており、これは、口蓋・切歯領域に有窓(fenestrated)であり、ヘッドギアと関連付けられた1ピースの器具である。ヘルプストロッドと呼ばれるアクチベータも知られている。リバティロッド(Liberty Rod)と呼ばれるシステム及びヘルプストフリップロック(Herbst Flip Lock)と呼ばれる器具——これらは小児歯科用リング又はキャップ上に設けられ得る——も知られている。

フランケル及びバルターアクチベータも知られている。

このようなアクチベータは、特許出願FR 2 702 141 (Henri Petit)、WO 2004/026163 (Orthotain, Inc.)、WO 86/04806 (Marcel Korn)、EP 0 128 744-A2 (Farel A. Rosenberg)、EP 1 108 397-A1 (Ortho Organizers)、WO 96/41584 (Kussick Orthopedic Systems, LLC)、及びWO 2004/064662 (Orthotain Inc.)に記載されている。

これらのアクチベータにはさまざまな欠点がある。よってある種のアクチベータは、装着するのが難しいが、これはそれらが比較的大きく、口腔外に位置する部品を有するので目立つからであり、さらに開口を制限するからである。他のアクチベータでは、前方に加えられる力が、下側切歯の頬側転位又は上側切歯の舌側転位を起こす。

前方移動型器具も知られており、それらは、下顎骨の前方移動によって咽頭を通過することの支障をなくす。これら器具は、睡眠時無呼吸を治療するためにも用いられる。これらは、特許出願WO 2007/010332 (S. Schmidt and C. Scheeck)、WO 95/14449 (N. Ingemarsson)、WO 2007/146523 (RIC Investments, LLC)、WO 2009/158424 (Bryan Keropian)、WO 2008/048649 (S. Katz and P. Strong)、FR 2 887 140 (Laurent Faucher)、WO 2005/082452 (I. Sanders)、WO 01/52928 (Respironics, Inc.)、WO 2009/096889 (Gellerfors)、EP 1 602 347-A1 (Georges Magnin)、WO 94/23673 (Leonard Halstrom)、WO 2006/058514 (Winfried Toussaint)、WO 2005/000142 (Bryan Keropian)、WO 2007/136551 (Bryan Keropian)、EP 1 203 570-A2 (Winfried Toussaint)、WO 01/45604 (Peter L'Estrange et al.)、WO 2006/125216 (John D. Summer)、WO 2005/074480 (Massachusetts General Hospital)、FR 2 816 203 (Bernard Fleury et al.)、及び特許US 5,427,117 及びUS 5,566,683 (W. Thornton)、SNORFLEXという商品名で販売される製品に関するEP 0 845 962-B1 (M. David et al.)、及びNARVALという商品名で販売される製品に関するFR 2 831 427 B1 (Ph. Mousselon and L. Baratier)に記載されている。

これら矯正器具の中には1つのサイズで販売されているものがある。他には、印象を採得した後でカスタマイズされるものもある。これらは全て、開口を制限するか、又は開口をそもそも不可能にしてしまうという欠点をもつ。場合によっては、前方から力が加えられると、これらは下側切歯の頬側転位を起こし得る。

加えて、軸を中心に互いに旋回可能に配置され、旋回するジョイント又はスイベルジョイントによって歯に、又は歯列弓に取り付けられたロッドを含む矯正器具が知られている。

文献US 4,382,783は、II級欠陥の治療のための、互いに接続された2つの剛性を有するアームを備えるそのような矯正器具を記載し、この矯正器具では、一端が旋回ヒンジによって上顎側臼歯に、他端がヒンジ型リンクによって下顎側臼歯にそれぞれ取り付けられる。ある代替例では、2つのアームを近づけるために、トーションスプリングが中央ジョイントの周りに取り付けられる。これは、上述の器具よりも口腔の開口を大きくすることができるとされてはいるが、それにもかかわらずこの器具は、後方での固定を用いる欠点を有し、特に、中央ヒンジの周りの2つのアームの回転運動と共に、器具が固定される上下臼歯には2つのアーチ上に張力が生じ、これは治療の効果を下げる。さらに、器具を2つのアーチの間で自由に懸架されるヒンジの周りに閉じることは、器具を頬の内膜において動かすリスクをはらむので、使用中に刺激を起こす。

文献WO 99/53859は、中央ヒンジの周りに旋回可能に互いに接続された2つの剛性を有するアームを備える別の歯科矯正器具を記載し、この矯正器具では、2つのアームは、それぞれ、上部及び下部歯列弓のアンカリングポイントに対して支点の周りに旋回可能に取り付けられる。よって、第1アームは、上部歯列弓の臼歯に位置する第1アンカリングポイントの周りに旋回されるようになり、第2アームは、下部歯列弓の犬歯に位置する第2アンカリングポイントの周りに旋回されるようになる。ある代替例では、圧縮バネが下部アームに沿って配置され、口腔の開口を戻す。これは、それぞれの剛性を有するアームのより良い位置付けと、それにより歯列弓に対する力の印加を確実にするとしているが、この器具には、口を開いた状態に維持するという欠点があり、最適な効能は口腔が閉じた位置で得られることから、これは効果がない上に不快である。

本発明の目的は、これらの欠点を少なくとも部分的には克服することであり、下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具を提供することであり、この器具は、咬合している間、上顎骨に対して下顎骨が動かされることを可能にし、それによって口腔の適切な開放を可能にしつつ、上顎歯列弓に対して下顎歯列弓を効果的に再配置する。

本発明の他の目的は、下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具を提供することであり、この器具は、上顎及び下顎歯列弓の成長欠陥が矯正されるように、十分な動きを確保しつつ、装着が楽である。

本発明の他の目的は、下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具を提供することであり、この器具は、継続して一定かつ持続可能なやり方で治療に必要な力を印加することができる。

本発明の他の目的は、下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具を提供することであり、この器具は、単純な構成を有し、安価に大量生産され得る一方で、治療を受けている患者に容易に合わせることができる。

主題 本発明によれば、前記課題は、下顎骨成長、上顎骨成長、及び下顎前方移動を促進する器具によって解決され、この器具は、 前端及び後端を有する第1ロッド、 前端及び後端を有する第2ロッド、 前記第1ロッドの前記前端を患者の第1歯列弓に(すなわち上顎歯列弓に、又は下顎歯列弓に)接続できる第1旋回ジョイント、 前記第2ロッドの前記前端を患者の第2歯列弓に(すなわち下顎歯列弓に、又は上顎歯列弓に)接続できる第2旋回ジョイント、 ロッドの後端を互いに接続することによって、前記器具が開口位置(開放している位置とも呼ばれる)から閉口位置(閉鎖している位置とも呼ばれる)へと遷移でき、それによって開口及び閉口の動きに従うことができる第3旋回ジョイント(7)、 前記第1ロッド及び前記第2ロッドは、比較的剛性を有し、互いに異なる長さを有し、 器具が閉口位置に戻るようにし、それによってロッドが、顎の閉口位置において上顎歯列弓に対する下顎歯列弓の相対的移動を生じることができるよう、前記第3旋回ジョイントが弾性手段によって最短のロッドを支持する歯列弓に接続される。

よって本発明の器具は、異なる長さを有する実質的に剛性のあるロッドを含み、これらロッドは、それぞれ、旋回ジョイント又はヒンジによって歯列弓のうちの一方に接続され、第3旋回ジョイント又はヒンジによって互いに接続されている。前端とは、ロッドの近心端を意味し、後端とは、ロッドの遠心端を意味する。これら第1及び第2ロッドは、口腔の一方の側だけに配置され得るが、そのようなロッドを、歯列弓の外側に、口腔のそれぞれの側に1つずつ、2セット配置することが好ましい。これは、器具によって行われる治療の間、口腔が良好に開口することを確実にできる。

本発明によればより具体的には、器具を閉鎖位置に戻すために、第3旋回ジョイントは、弾性手段によって、最短のロッドを支持する歯列弓に接続されている。よって旋回ジョイントは、歯列弓に接続され、その最短のロッド又は収縮された(retracted)ロッド(後方位置において)と同じレベルにおいて、最短のロッドを旋回可能に支持する。これによって、治療の最適な効果のために閉口の間、上顎骨に対する下顎骨の強制的な前方・後方移動を確実に行うことができる。加えて、器具の第3関節が、最短ロッドを支持する顎の近傍に留まるので、開口動きの大きさは、その長さによって決定され、器具が快適に装着されることを可能にし、したがって開口位置から閉口位置への移動によって生じる不快感を防ぐことができる。

好ましくは、第1旋回ジョイントの旋回軸は、歯列弓の犬歯の近傍に位置し、第2旋回ジョイントの旋回軸は、反対側の歯列弓の第1臼歯の近傍に位置し、第3旋回ジョイントの旋回軸は、顎の閉じた位置における閉口平面内に位置する。

よってII級欠陥を治療するよう意図される器具の場合、本発明の器具は、上側上顎(upper maxilla)のための犬歯における前方取付具を有する第1ロッド、つまりより長いロッド、つまり上側ロッドと、第1下側臼歯における後方取付具を有する第2ロッド、つまりより短いロッドと、を有する。上側ロッドの長さは、下側ロッドの長さよりも長いので、下顎骨の前方移動を可能にする。2つのロッドの間のヒンジピンと、下顎骨支持物とを接続するスプリングは、咬合を前方位置で強制的に行うようにする。この装置の主要な生理学的優位性は、下顎骨における力の後方印加の点であり、これは下側切歯の頬側転位を制限する。同じ手法が、睡眠時無呼吸の状況において夜間の下顎骨前方移動のために用いられる。

下顎骨後退を促進するIII級欠陥を治療するよう意図される器具の場合、本発明の器具は、下顎犬歯における前方取付具を有する第1ロッド、つまりより長いロッド、つまり下側ロッドと、上側第1臼歯における後方取付具を有する第2ロッド、つまりより短いロッドとを有する。下側ロッドの長さは、上側ロッドの長さより長いので、下顎骨の後退を可能にする。2つのロッドの間のヒンジピンと、上顎骨トレイとを接続するスプリングは、咬合を後方位置で強制的に行うようにする。この装置の主要な生理学的優位性は、上顎骨における力の後方印加の点であり、これは上側切歯の頬側転位を制限する。

3つの旋回軸は、互いに平行であり、下顎骨の旋回軸と平行であり、これによって自然な顎の開口及び閉口の動きが確保される。

有利には、第2ロッドは、より短く、それが配置された位置において測定された口腔の開口の大きさに実質的に等しい長さを有する。

このより短いロッドは、顎の閉じた位置における傾斜した位置から、顎が開いた時の実質的に垂直な位置へと、旋回動作を行い、これは、弾性戻り手段の動きの大きさ及びコースを規定する。

好ましくは、上顎歯列弓に対する下顎歯列弓の動きは、器具の閉じた位置における実質的に平な平面内で起こる。

3つの旋回ジョイントは、顎の閉じた位置においては、第1及び第2ジョイントが実質的に同じ平面内に配置されるよう、配置される。これによって、顎の閉じた位置における、咬合平面内においては、歯列弓群の互いに対する動きが可能になり、これは本発明の器具で達成される治療の効果を改善する。

有利には2つのロッドの長さの比は、0.3〜0.5である。多くの試験が研究所で行われた結果、この比が効果的な治療及び口腔の最適な開口を実現することを可能にしたと認められる。実際、最も短いロッドが実質的に垂直な動きをする間、最も長いロッドは、器具の開口位置からの変化の間、実質的に水平な動きをする。

好ましくは、前記ロッドのうちの少なくとも1つの長さは調整され得る。

II級欠陥の治療において、上側ロッドの長さは、下顎骨成長の漸進的矯正を可能にするよう、好ましくは調整可能である。2つの上側ロッドの異なる調整は、下顎骨成長における非対称性を調整することを可能にする。

III級欠陥の治療において、下側ロッドの長さは、上顎骨成長の漸進的矯正、及び下顎骨成長の鈍化を可能にするよう、好ましくは調整可能である。2つの上側ロッドの異なる調整は、下顎骨成長における非対称性を調整することを可能にする。

上顎骨の成長は、ヘッドギアを追加することによって助長され得る(Delaire)。力の印加の点は、上顎トレイの前方部分上に(側切歯及び犬歯の間)有利には配置される。

有利には、前記弾性手段は、テンションスプリングを含む。エラストマー弾性体のような弾性体が、第3旋回ジョイントを歯列弓に接続するのに用いられ得る。しかし、機械的頑丈さ、及び器具の使用期間の間にわたって印加される力の一定さというその特性から、テンションスプリングを用いることが好ましい。

好ましくは、本発明の器具は、前記スプリングの力を調整する手段を含む。これによって、復元力を個々人の敏感さに合わせることができる。

本発明の目的は、上顎歯列弓に取り付けられる上側トレイ、下顎歯列弓に取り付けられる下側トレイ、及び第1ロッドによって上側トレイに接続され、第2ロッドによって下側トレイに接続される、本発明による器具を備える歯科用装置によっても達成することもできる。

そのような歯科用装置は、2つのトレイ、及びトレイ上に旋回可能に配置された本発明の器具を含む。これによって、口腔から装置を容易に取り外すことを可能にしつつ、歯列弓への良好な取付を確実にすることができる。このような装置は、まだ永久歯列を持っていない小児に、より具体的には適している。

有利には、本発明の歯科用装置の上側トレイ及び下側トレイのうちの少なくとも1つは、好ましくは液体、半液体、又はゼリー状ポリマーのうちの少なくとも1つである充填材料を含み、その壁を貫通する1つ以上の排出孔を有することによって、トレイの拡張が可能であり、前記充填材料が入れられた後に、前記充填材料が囲む歯列弓の大きさにトレイを合わせることが可能である。

これによって、本発明の歯科用装置を、それを使う患者の顎の構造に、より正確に合わせることができる。

図1aは、アングルII級欠陥を持つ人の顎の閉じた位置を概略的に示す。

図1bは、開口位置における本発明の器具の配置を示す。

図1cは、閉口位置における本発明の器具の配置を示す。

図2aは、アングルIII級欠陥を持つ人の顎の閉じた位置を概略的に示す。概略的に示す。

図2bは、開口位置における本発明の器具の配置を示す。

図2cは、閉口位置における本発明の器具の配置を示す。

図3aは、アングルIII級欠陥を治療するのに用いられる、開口位置における、本発明の器具の第1実施形態を概略的に示す。

図3bは、アングルII級欠陥を治療するのに用いられる、開口位置における、本発明の器具の第1実施形態を概略的に示す。

図4aは、アングルIII級欠陥を治療するのに用いられる、開口位置における、本発明の器具の第2実施形態を概略的に示す。

図4bは、アングルII級欠陥を治療するのに用いられる、開口位置における、本発明の器具の第2実施形態を概略的に示す。

図5aは、本発明の器具の短いロッドの異なる実施形態を示す。

図5bは、本発明の器具の短いロッドの異なる実施形態を示す。

図6は、本発明の器具の長いロッドの実施形態を示す。

本発明の器具と共に用いられるトレイを作る異なるステップを示す。

本発明の器具と共に用いられるトレイを作る異なるステップを示す。

本発明の器具と共に用いられるトレイを作る異なるステップを示す。

本発明の好ましい実施形態による、添付の図に示される器具15は、第1及び第2トレイ1,2を含み、それぞれ歯列弓の周りに配置されるようになっており、これらトレイは咬合平面(occlusal faces)上で平坦である。それぞれのトレイは概ねU形状であり、トレイ1,2は、それぞれの側部上で第1及び第2の旋回可能に接続されたロッド3,4によって、平行軸を持ち、下顎骨の回転軸と平行な3つの旋回ジョイント又はヒンジ6,7,8によって接続される。この器具は、下に説明するように、自身を歯列弓のうちの1つに接続する弾性戻し手段5を含む。より具体的には、第1トレイ1は、それぞれの側部において、器具の第1ロッド3及び第2ロッド4にトレイを取り付けるよう、器具15の第2トレイ2に接続される。それぞれのロッド3,4は、周辺ジョイントと呼ばれる第1及び第2ジョイント6,8によってトレイ1,2に取り付けられる。より具体的には、第1ロッド3は、第1ヒンジ6によって第1トレイ1に接続され、第2ロッド4は、第2ヒンジ8によって第2トレイ2に接続される。第1及び第2ロッド3,4は、第3ヒンジ7つまり中央ヒンジによって互いに接続される。弾性戻し手段5は、例えば、バネ、又はゴム又はエラストマーでできた弾性体であり、中央ヒンジ7を最も短いロッド4を支持するトレイに接続する。

図3a及び図3bでよりよくわかるように第1実施形態においては、弾性手段は、中央ジョイントピン7及び歯列弓又はトレイに位置する取付手段を接続する張力バネ14であり得る。第1ロッド3は、有利には第2ロッド4より長い。張力バネ14は、中央ジョイントピン7に接続される第1端28、及び第1臼歯の後ろに接続されるよう意図される第2端29を備え、例えばこれは第2臼歯に位置するアンカリング(anchoring)からなる。

図4a及び図4bでよりよくわかるように第2実施形態においては、弾性手段5は、第2ロッド4に沿って配置される張力バネ14であり得て、この張力バネ14は、下に説明されるように、中央ジョイントピン7及びロッド4のスライド17の端部を接続する。

本発明の器具15の第1実施形態においては、図3a及び図4aに示されるように、本発明の器具は、アングルII級欠陥を矯正し、又は睡眠時無呼吸の状況で夜間の下顎骨前方移動を起こすために用いられる。図1及び図2でよりよくわかるように、ヒンジ6,7,8は、ロッド3,4のそれぞれの端部9,10,11,12の近くに取り付けられている。第2ヒンジ8は、第2トレイ1の端部の近く、すなわち第2トレイが下顎歯上に置かれる時に、第1臼歯に位置する。第1ヒンジ6は、有利には、上記トレイが上顎歯に置かれる時に、犬歯に位置する。顎が閉じた位置では、器具は、咬合時、矢印F1の向きに下顎の、上顎に対する強制的前後移動を作り、治療の最適な効果を確実にする。

本発明の器具15の第2実施形態では、図3b及び図4bに示されるように、本発明の器具は、アングルIII級欠陥を矯正する。図4及び図5でよりよくわかるように、ヒンジ6,7,8は、ロッド3,4のそれぞれの端部9,10,11,12の近くに取り付けられている。第2ヒンジ8は、第1トレイ1の端部の近く、すなわち第1トレイが上顎歯上に置かれる時に、第1臼歯に位置する。第1ヒンジ6は、有利には、上記トレイが下顎歯に置かれる時に、犬歯に位置する。顎が閉じた位置では、器具は、咬合時、矢印F2の向きに下顎の、上顎に対する強制的前後移動を作り、治療の最適な効果を確実にする。

第1の代替の実施形態では、図5bでよりよくわかるように、第2ロッド4は、固定長を有する単一の細長い部品として作られ、2つのオリフィス19,20は、ジョイント7及び8のピンと協働するよう、ロッドの端部に設けられる。この場合、患者の形態及び構造に適する長さを有するロッドが選択されるように、異なる長さを有する複数のロッドが提供される。

第2の代替の実施形態では、図5aでよりよくわかるように、ロッド4は、スライド17、スリーブ16、及びテンションスプリング14を備える組立品の形で作られる。スライド17は、大まかには皿型(dished)形状を持ち、ジョイントピン8が貫通する端部オリフィス19を持つヘッド18を有する端部と、テンションスプリング14に接続されている反対端部とを備える。スライド17は、軸方向の動きが可能なようにスリーブ16内に取り付けられる。スリーブ16は、ジョイントピン7が貫通する端部オリフィス20を備える。ロッド4の長さは、変えてもよく、採用されるテンションスプリング14の形状に依存する。これによって患者の形態(morphology)にロッドの長さをよりよく合わせることが可能となる。

ロッド3の代替の実施形態では、図6でよりよくわかるように、ロッド3は、可変長を有する。ロッド3は、その長さ方向にわたって均一に分布された複数のオリフィス22、及び端部オリフィス26が設けられたタブ21を備える組立品である。タブ21は、シース23内でスライドするよう取り付けられており、このシースには、末端オリフィス27と共に、その長さ方向にわたって均一に間隔が空けられた複数のオリフィス24が設けられている。ロッド3の長さは、患者の形態に基づいて決定され、タブ21はシース23の中でスライドし、タブ21の2つのオリフィス22と協働する2つのネジ25で位置が固定される。ロッド3の他の実施形態では(図では見えないが)、ロッドは固定長を有し、異なる長さを有する複数のロッドが提供される。これによって、ロッド3の長さをよりよく患者の形態に、矯正されるべき欠陥(defect)に、さらには治療のさまざまなフェーズに適合させることができる。

ロッド3,4は、任意の適切な材料で作られ得るが、特にポリマー材料又はニッケルフリーステンレス鋼で作られ得る。

トレイ1,2は、任意の適切な材料で作られ得るが、特にポリマー材料で作られ得る。

第1実施形態では、器具は、患者の上顎及び下顎歯の印象から、口腔の開口を測定することによってカスタマイズされる。口腔の最大開口は、第2ロッド4の長さ、つまり顎が完全に開いた時に実質的に垂直な位置に届く最短ロッドを決定する。第1ロッド3の長さ、つまり最長ロッドの長さは、矯正されるべき欠陥の大きさ、つまり上側切歯及び下側切歯間の位置の差によって決定される。

第2実施形態において、器具は、例えば3種類又は4種類の固定された大きさのような、固定された大きさで作られる。この実施形態の代替としては、トレイは、熱成形材料でできており、トレイを軽く熱した後(例えば湯でそれらを柔らかくすることによって)、トレイが顎における歯の形状と最もよく合うようにトレイを上顎及び下顎歯列上に置き、顎を閉じることによって、患者がトレイの形状を患者の歯の形状と合わせることができる。トレイを体温まで冷やせば、この変形は永久的なものとなる。

第3実施形態では、トレイは、標準的な大きさで提供されるが、その患者に特別に合わせられる。図7a〜図7cでよりよくわかるように、上顎トレイ1は、液体、半液体、又はポリマーゲル31のようなゼリー状製品で満たされており、その上側部分には熱成形シート30を備え、その下側部分には、前記製品が通って流れる少なくとも1つの排出孔32(又はスロット)を備える。この実施形態では、患者の上顎歯列上に置かれた上顎トレイは、患者の形態に合わせられる。よって使用中は、シート30(図7a)は、まず使用前に取り除かれ、それからトレイが歯列弓(図7b)の歯の周りに挿入されることで、過剰な液体、半液体、又はゲル31のようなゼリー状製品が上記排出孔32を通って流れ出し得る。上記ポリマー製品は、それから適切な手法によって、例えば体温に冷却すること、又は重合によって、凝固される。そのような重合は、例えば、所定時間の後に硬化させる化学的開始剤によって、又は光化学反応によって行うことができる。図7a〜図7cに示されるように、好ましくは円錐形又はフレアされた(逆テーパー)形状を有する、複数の排出孔32を用いることも可能である。下顎トレイ2は、上顎トレイ1と同様のやり方で作成され得る。

この実施形態は、標準化された製品よりも患者の形態によりよく合った製品を作成することが可能であり、印象から作成されるカスタマイズされた製品よりも安価である。特に、この方法は、単一回の治療で患者の顎にトレイを容易に合わせることができる。

本発明の代替としては、器具は、上顎及び下顎歯列弓それぞれの歯に固定されたリングを接続するワイヤに取り付けられる。

本発明の他の代替の実施形態(不図示)では、器具は、上顎トレイの分岐に固定された横シリンダー(transverse cylinder)を含み、このシリンダーは、それが囲む歯列弓の横方向の拡張を可能にすることによって、当該歯列弓を他方の歯列弓の大きさに合わせることができる。

本発明の他の例及び実施形態は、これら請求項の範囲を逸脱することなく、予見され得る。

1 第1トレイ 2 第2トレイ 3 第1ロッド 4 第2ロッド 5 弾性手段 6 第1ヒンジ 7 第3ヒンジ 8 第2ヒンジ 9 第1ロッドの前端 10 第1ロッドの後端 11 第2ロッドの前端 12 第2ロッドの後端 14 テンションスプリング 15 上顎又は下顎の成長及び下顎の前方移動を促進する器具 16 ショートロッドスリーブ 17 ショートロッドスライド 18 スライドヘッド 19 ジョイントオリフィス 20 ジョイントオリフィス 21 タブ 22 ドリル孔 23 ロングロッドシース 24 ドリル孔 25 ネジ 26 ジョイントオリフィス 27 ジョイントオリフィス 28 第1スプリング端 29 第2スプリング端 30 熱成形シート 31 ポリマーゲル 32 排出孔

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