クラスII及びIII矯正のための矯正モジュール

申请号 JP2015559016 申请日 2014-02-21 公开(公告)号 JP2016511039A 公开(公告)日 2016-04-14
申请人 ウルトラデント プロダクツ インコーポレイテッド; ウルトラデント プロダクツ インコーポレイテッド; 发明人 エム.ラドモール コルビー; エム.ラドモール コルビー; ウッド ブイ.ティモシー; ウッド ブイ.ティモシー; イー.ルイス ポール; イー.ルイス ポール;
摘要 クラスII及び/又はクラスIII不正咬合の矯正に使用される矯正 力 モジュール及びアセンブリは、近位端及び遠位端の間に延びる細長い中空の外側本体、プランジャー、スプリング及びプッシュロッドを含む。プランジャ及びプッシュロッドが、中空の外側本体の異なる端部内に摺動可能に受容されている。スプリングは中空外側本体内に配置され、使用中に力モジュール又はアセンブリが圧縮される(例えば、顎を閉じるとき)と拡張力を提供する。拡張力は、クラスII及び/又はIIIの不正咬合矯正のための所望の矯正力を提供する。外側本体、プランジャ、スプリング、及びプッシュロッドは、構成部品が使用時に入れ子式に圧縮且つ拡張されるために、入れ子式の関係で構成されてもよい。遠位端は、バッカルチューブへの取付けのための曲折可能なピン又はラッチ機構を含むことができる。プッシュロッドは、アーチワイヤに取り付けるためのフック、孔、又はスロットを含むことができる。
权利要求

クラスII及び/又はクラスIII不正咬合を矯正するのに使用するための歯科矯正モジュールアセンブリであって、 近位端及び遠位端の間に延在する中空内部、近位端の近位開口部、及び遠位端の遠位開口部を有する中空の外側本体、 当該外側本体の遠位開口部及び中空内部を通って摺動可能に位置決め可能なプランジャであって、使用中に、当該プランジャの少なくとも近位端が外側本体の中空内部内に位置決めされるプランジャ、 当該外側本体の中空内部内に位置決め可能なスプリングであって、使用中に、当該プランジャに当接し且つ外側本体に対してのプランジャの近位方向運動に抵抗するように構成されたスプリング、 当該近位開口部及び外側本体の中空内部を通って摺動可能に位置決め可能なプッシュロッドであって、使用中に、当該プッシュロッドの少なくとも遠位端が外側本体の中空内部内に位置決めされるプッシュロッド、及び 当該プッシュロッドに配置され、使用中に、外側本体に対するプッシュロッドの遠位方向移動を制限する戻り止め、を備え、 当該外側本体、プランジャ、スプリング、プッシュロッド、及び戻り止めは、当該プッシュロッドが、使用中に、外側本体の中空内部を通って所定距離摺動して前進されたとき、外側本体に対しての当該プランジャの近位方向移動が当該スプリングの圧縮を引き起こし、当該プランジャを外側本体に対して遠位方向に付勢する対抗力を提供するように協力することを特徴とする歯科矯正力モジュールアセンブリ。クラスII及び/又はクラスIII不正咬合を矯正するのに使用するための歯科矯正力モジュールであって、 近位端及び遠位端の間に延在する中空内部、近位端の近位開口部、及び遠位端の遠位開口部を有する中空の外側本体、 当該外側本体の遠位開口部及び中空内部を通って少なくとも部分的に摺動可能に配置されたプランジャ、 当該外側本体の中空内部内に位置決めされるスプリングであって、使用中に、当該プランジャに当接し且つ外側本体に対してのプランジャの遠位方向運動に抵抗するスプリング、 当該近位開口部及び外側本体の中空内部を通って摺動可能に位置決め可能なプッシュロッドであって、使用中に、当該プッシュロッドの少なくとも遠位端が外側本体の中空内部内に位置決めされるプッシュロッド、及び 当該プッシュロッドに配置され、使用中に、外側本体に対するプッシュロッドの遠位方向移動を制限する戻り止め、を備え、 当該外側本体、プランジャ、スプリング、プッシュロッド、及び戻り止めは、当該プッシュロッドが、使用中に、外側本体の中空内部を通って所定距離摺動して前進されたとき、外側本体に対しての当該プランジャの近位方向移動が当該スプリングの圧縮を引き起こし、当該プランジャを外側本体に対して遠位方向に付勢する対抗力を提供するように協力することを特徴とする歯科矯正力モジュール。当該プッシュロッドは、当該スプリングの軸方向の通路を通って摺動可能に位置決め可能なような、直径を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該プランジャは、当該スプリングが圧縮されるとき、当該プッシュロッドの一部を摺動自在に受容するように構成された軸方向の通路を有していることを特徴とする請求項3に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該外側本体、プランジャ、スプリング、及びプッシュロッドは、使用中に、入れ子配列を形成することを特徴とする請求項4に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該外側本体の遠位端に遠位端キャップ及び当該外側本体の近位端に近位端キャップをさらに備え、当該遠位端及び近位端キャップは、使用中に、外側本体の中空内部に当該スプリングを閉じ込めることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該プランジャは、拡大された近位端をさらに備え、当該遠位端キャップは、使用中に、外側本体の中空内部内にプランジャの当該拡大された近位端を閉じ込めるように、プランジャの当該拡大された近位端よりも小さい遠位通路を提供する一方、プランジャの残りの部分が遠位端キャップの遠位通路を通って摺って移動するのを可能にすることを特徴とする請求項6に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該近位端キャップは、戻り止めの近位通路の通過を防止するように、当該プッシュロッドの戻り止めより小さい近位通路を提供する一方、プッシュロッドの残りの部分が近位端キャップの近位通路を通って摺って移動するのを可能にすることを特徴とする請求項6に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。近位端キャップは、当該スプリングの軸方向の通路を通って位置決め可能である中空の遠位方向延長部をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該プランジャの遠位端又はその近傍でブラケット及び/又はアーチワイヤへ取付けるための遠位取付け手段、及び当該プッシュロッドの近位端又はその近傍でアーチワイヤ及び/又はブラケットへ取付けるための近位取付け手段をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該近位取付け手段はフックを備える、ことを特徴とする請求項10に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該フックは、プッシュロッドの長手方向軸に対して120°未満の度を有する主屈曲を有するシェファードフックからなることを特徴とする請求項10に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該近位取付け手段は、プッシュロッドの端部から横方向に延びるフランジ、及びアーチワイヤの通過を可能にする、当該フランジを貫通する孔又はスロットを備えることを特徴とする請求項10に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該孔又はスロットは、プッシュロッドの長手方向軸に対して約5°〜約90°の範囲内の角度を有することを特徴とする請求項13に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該孔又はスロットは、プッシュロッドの長手方向軸に対して約10°〜約70°の範囲内の角度を有することを特徴とする請求項13に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該孔又はスロットは、プッシュロッドの長手方向軸に対して約20°〜約60°の範囲内の角度を有することを特徴とする請求項13に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該遠位取付け手段は、プランジャの遠位端又はその近傍のフランジ、及び当該フランジから延びる曲折可能でバッカルチューブに挿入可能なワイヤを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該遠位取付け手段は、 取付け本体に枢動可能に取付けられ、バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具の通路に挿入可能であるピン部材、及び スナップ嵌合の関係で、当該ピンを選択的にロック及びロック解除する、取付け本体のラッチ部材、 を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該外側本体は、実質的に円形である断面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該外側本体、プランジャ、スプリング、及びプッシュロッドは、金属の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該圧縮可能なスプリングは、Co-Cr系-Ni合金からなることを特徴とする請求項20に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該スプリングは圧縮コイルスプリングであることを特徴とする請求項1又は2に記載の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ。当該力モジュールは、使用中に、プラーク又は食物かすを収集するスペース又はポケットを実質的に含まない実質的に滑らかな外面を提供することを特徴とする請求項1に記載の矯正力モジュール。歯に取付けるように構成された歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯科矯正器具、及びプランジャの遠位端に取付けられた対応するピン又はワイヤを受容するための通路をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の矯正力モジュールアセンブリ。人の歯の歯科矯正ブラケットに取付けるように構成された歯列矯正用アーチワイヤ又はプッシュロッドの近位端に取付けるための人の臼歯上のバンドをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の矯正力モジュールアセンブリ。矯正力モジュールを組み立てる方法であって、請求項1に記載の歯科矯正力モジュールアセンブリを提供し、そして請求項2のような矯正力モジュールを得るべく、中空の外側本体、プランジャ、スプリング及びプッシュロッドをを一緒に組み立てることを備えることを特徴とする方法。歯科矯正バッカルチューブ、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具に矯正力モジュールを解放可能に取付けるための装置であって、 矯正力モジュールの端部に剛性の本体を取付けるための手段を備える剛性の本体、 取付け本体に回動可能に取付けられ、歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯科矯正器具の通路内に挿入可能に構成されたピン部材、及び 取付け本体のラッチ部材であって、ラッチ部材に向かって又は離れて選択的に旋回されたとき、スナップ嵌め関係で当該ピンを選択的にロック及びロック解除するラッチ部材ラッチ部材、 を備えることを特徴とする装置。当該剛性の本体を矯正力モジュールの端部に取付けるための手段は、突出部又は凹部の少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項27に記載の装置。当該剛性の本体、ピン部材、及びラッチ部材は、一種類以上の金属からなることを特徴とする請求項27に記載の装置。当該ラッチ部材は、ピン部材が当該ラッチ部材に挿入され又はそれから取外されたとき、一時的に離れて広がる一対の離間突出部を備えることを特徴とする請求項27に記載の装置。当該ピン部材は、通路に挿入されたとき、ピン部材の遠位端がラッチ部材によって受容されるのを可能にするため、当該ピン部材の遠位端が通路を越えて延びることができるように、歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具を通る通路の長さよりも大きい長さを有することを特徴とする請求項27に記載の装置。歯列矯正力モジュールの端部をバッカルチューブ、又は他の歯科矯正器具に解放可能に取付ける方法であって、 バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具及び請求項27に記載の装置を提供し、 ラッチ部材に対して解放された形態で、ピン部材の遠位端がバッカルチューブ又は他の歯列矯正器具の通路を超えて延びるため、バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具の通路を通してピン部材を挿入し、そして 剛性の本体に対して当該ピン部材をロックするために、当該ピン部材の遠位端を、ラッチ部材に挿入する ことを含むことを特徴とする方法。当該ラッチ部材から当該ピン部材の遠位端のロックを解除し、そして当該ピン部材をバッカルチューブ又は他の歯列矯正器具の通路から除去することをさらに含むことを含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。クラスII及び/又はクラスIII矯正のための矯正力モジュールアセンブリであって、 近位端と遠位端との間に延びる中空の外側本体、 当該外側本体の遠位開口部及び中空内部を通って摺動可能に位置決め可能なプランジャ、 当該外側本体の中空内部内に位置決め可能で、使用中に、当該プランジャに当接するように構成されたスプリング、及び 当該外側本体の近位開口部及び中空内部を通って摺動可能に位置決め可能なプッシュロッドであって、使用中に、当該プッシュロッドの遠位方向への移動を制限する戻り止めを有するプッシュロッド、 を備えることを特徴とする矯正力モジュールアセンブリ。クラスII及び/又はクラスIII矯正のための矯正力モジュールであって、 近位端と遠位端との間に延びる中空の外側本体、 当該外側本体の遠位開口部及び中空内部を通って少なくとも部分的に摺動可能に配置されたプランジャ、 当該中空内部内に配置され、当該プランジャに当接するスプリング、及び 当該外側本体の近位開口部及び中空内部を通って摺動可能に位置決めされ遠位端を有するプッシュロッドであって、当該プッシュロッドの遠位方向への移動を制限する戻り止めを有するプッシュロッド、 を備えることを特徴とする矯正力モジュール。クラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための矯正力モジュールに臼歯ブラケットを結合するためのコネクタであって、当該コネクタは、 概ねL字型のコネクタ本体であって、 遠位端から自由な近位端に向かって長手方向に延びるバッカルチューブ結合脚部であって、 当該自由な近位端は圧縮可能で、バッカルチューブ結合脚部の軸部に対して拡大された拡大ロック用突出部を含み、 当該軸部はバッカルチューブに対応するような大きさにされており、 当該圧縮可能で自由な近位端は、当該拡大されたロック用突出部が圧縮するにつれ、バッカルチューブを通る対応する大きさの通路内に嵌合し、そして、一旦当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブを通る通路の端部を出ると、その後、ロック状態に拡大するように、当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブに挿入されることを許容するバッカルチューブ結合脚部、及び 当該バッカルチューブ結合脚部の遠位端に取付けられ、当該バッカルチューブ結合脚部に対して概ね横方向に延びている力モジュール結合脚部、 を含む概ねL字型のコネクタ本体を備えることを特徴とするコネクタ。当該力モジュール結合脚部は、矯正力モジュールに結合するための手段を備えることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。力モジュール結合脚部は、当該力モジュール結合脚部を力モジュールに結合するため、矯正力モジュールの遠位端近くのフランジの孔に挿入するための大きさであることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該L字型のコネクタ本体は金属からなることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該L字型のコネクタ本体はステンレス鋼からなることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。バッカルチューブ結合脚部は、力モジュール結合脚部よりも大きい直径を有することを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該力モジュール結合脚部は、力モジュールからの当該力モジュール結合脚部の除去を防止するため、バッカルチューブ結合脚部に取付けられた端部と反対側に拡大されたヘッドを含むことを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該力モジュール結合脚部は、当該コネクタが永久的且つ非解放的に当該力モジュールに結合され、当該拡大されたヘッドが当該コネクタの力モジュールのフランジからの解放を防止するように、力モジュールの遠位端の近くのフランジにおける通路を通しての力モジュール結合脚部の挿入後、バッカルチューブ結合脚部の遠位端に、製造中に取付けられることを特徴とする請求項42に記載のコネクタ。バッカルチューブ結合脚部の拡大されたロック用突出部は、近位の自由端に隣接してより狭く、及び遠位端に向かってより厚くなるように、テーパ付けられていることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。バッカルチューブ結合脚部を臼歯ブラケットのバッカルチューブを通る通路に案内するため、バッカルチューブ結合脚部の近位端に当該バッカルチューブ結合脚部の軸部よりも小径であるノーズ部をさらに含むことを特徴とする請求項44に記載のコネクタ。バッカルチューブ結合脚部の圧縮可能な自由端は、バッカルチューブ結合脚部の軸に関して中心付けられたスプリットを含むことを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該スプリットは、バッカルチューブ結合脚部の拡大されたロック用突出部を越えて遠位方向に延びていることを特徴とする請求項46に記載のコネクタ。当該スプリットは、当該バッカルチューブ結合脚部の全長の約10パーセント及び約50パーセントの間にある長さに亘って延びていることを特徴とする請求項46に記載のコネクタ。当該スプリットは、当該バッカルチューブ結合脚部の全長の約20パーセント及び約40パーセントの間にある長さに亘って延びていることを特徴とする請求項46に記載のコネクタ。当該バッカルチューブ結合脚部の遠位端にストッパをさらに備え、当該ストッパは、バッカルチューブ結合脚部の隣接する軸部よりも大きな直径を有し、当該軸部は、当該ストッパが、使用中に、バッカルチューブを介してのバッカルチューブ結合脚部のさらなる挿入を防止するべく作用するように、バッカルチューブ結合脚部の近位端が、使用中に、挿入されるバッカルチューブを通る通路に直径において対応していることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。拡大されたロック用突出部とバッカルチューブ結合脚部の遠位端のストッパとの間の軸部は、一旦バッカルチューブ結合脚部が、使用中に、バッカルチューブの通路内に挿入されると、拡大されたロック用突出部及びストッパがそれらの間にバッカルチューブを捕捉するように、使用中に、バッカルチューブ結合脚部が挿入されるバッカルチューブ通路の長さに本質的に対応する長さを有することを特徴とする請求項50に記載のコネクタ。回転防止のL字型のストッパをさらに含み、 当該回転防止のL字型のストッパが、 第一の長さを有する取付け脚部、及び 自由端と取付け脚部よりも大きい長さの脚部とを有するバッカルチューブ接触用脚部を含み、 当該バッカルチューブ結合脚部に平行になるように当該ストッパの当該取付け脚部は、当該バッカルチューブ接触用脚部が略同一方向で且つL字型コネクタ本体のバッカルチューブ結合脚部に略平行に延びるように、L字型コネクタ本体のバッカルチューブ結合脚部の遠位端に堅く取付けられていることを特徴とする請求項36に記載のコネクタ。当該回転防止のL字型のストッパは、バッカルチューブ結合脚部の遠位端に溶接されていることを特徴とする請求項52に記載のコネクタ。当該力モジュール結合脚部は、当該回転防止のL字型のストッパよりも大きな直径を有することを特徴とする請求項52に記載のコネクタ。クラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための矯正力モジュールに臼歯ブラケットを結合するためのコネクタであって、当該コネクタは、 概ねL字型のコネクタ本体であって、 遠位端から自由な近位端に向かって長手方向に延びるバッカルチューブ結合脚部であって、 当該自由な近位端はスプリットで、バッカルチューブ結合脚部の軸部に対して拡大された拡大ロック用突出部を含み、 当該軸部はバッカルチューブに対応するような大きさにされており、 当該スプリットは、当該拡大されたロック用突出部が圧縮するにつれ、対応する大きさのバッカルチューブ通路内に嵌合し、そして、一旦当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブ通路の端部を出ると、その後、ロック状態に拡大するように、当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブ通路に挿入されることを許容するバッカルチューブ結合脚部、及び 当該バッカルチューブ結合脚部の遠位端に取付けられ、当該バッカルチューブ結合脚部に対して概ね横方向に延びている力モジュール結合脚部、を含む概ねL字型のコネクタ本体、及び 回転防止のL字型のストッパであって、 第一の長さを有する取付け脚部、及び 自由端と取付け脚部よりも大きい長さの脚部とを有するバッカルチューブ接触用脚部を含み、 当該バッカルチューブ結合脚部に平行になるように当該ストッパの当該取付け脚部は、当該バッカルチューブ接触用脚部が略同一方向で且つL字型コネクタ本体のバッカルチューブ結合脚部に平行に延びるように、L字型コネクタ本体のバッカルチューブ結合脚部の遠位端に取付けられている回転防止のL字型のストッパ、 を備えることを特徴とするコネクタ。当該バッカルチューブ結合脚部は、回転防止のL字型のストッパよりも大きい直径を有する力モジュール結合脚部よりも大きな直径を有することを特徴とする請求項55に記載のコネクタ。クラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための矯正力モジュールに臼歯ブラケットを結合するためのコネクタであって、当該コネクタは、 概ねL字型のコネクタ本体であって、 遠位端から自由な近位端に向かって長手方向に延びる軸部であって、バッカルチューブ通路への挿入に対応するような大きさにされている軸を備えるバッカルチューブ結合脚部、 当該自由な近位端の近くに配置され、当該バッカルチューブ結合脚部の軸部に対して拡大された拡大ロック用突出部、 当該バッカルチューブ結合脚部を臼歯ブラケットのバッカルチューブに案内するため、当該バッカルチューブ結合脚部の軸部よりも小径である、バッカルチューブ結合脚部の近位端のノーズ部、 当該ノーズ部の隣接部で最も薄く遠位端に向かって厚くなるようにテーパ付けられた、バッカルチューブ結合脚部の拡大されたロック用突出部、及び 圧縮可能な自由近位端、を備え、 当該圧縮可能な自由近位端は、当該拡大されたロック用突出部が圧縮するにつれ、対応する大きさのバッカルチューブ通路内に嵌合し、そして、一旦当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブ通路の端部を出ると、その後、ロック状態に拡大するように、当該拡大されたロック用突出部がバッカルチューブ通路に挿入されることを許容し、及び 当該バッカルチューブ結合脚部の遠位端に取付けられ、当該バッカルチューブ結合脚部に対して概ね横方向に延びている力モジュール結合脚部、 備えることを特徴とするコネクタ。臼歯ブラケットをクラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための歯科矯正力モジュールに結合するためのコネクタアセンブリであって、当該コネクタアセンブリは、 臼歯ブラケットのバッカルチューブをコネクタ本体に結合するための第一結合用ピン、 矯正力モジュールのフランジを当該コネクタ本体へ結合するための第二結合用ピン、及び コネクタであって、 本体と、 当該本体の歯肉側に形成され、臼歯ブラケットのバッカルチューブを受容するバッカルチューブ受容凹部と、 当該本体の反対側に形成され、力モジュールの遠位端又はその近傍に配置されたフランジを受容するフランジ受容凹部と、 当該本体を通って配置された第一チャネルであって、使用中に、バッカルチューブを当該本体に結合するべく、第一結合用ピンが第一チャネル及びバッカルチューブを通過するように、当該バッカルチューブ受容凹部に軸方向に整列されている、第一チャネルと、 当該本体を通って配置された第二チャネルであって、使用中に、力モジュールのフランジを当該本体に結合するべく、第二結合用ピンが第二チャネル及び力モジュールのフランジを通して配置された孔を通過するように、当該フランジ受容凹部に軸方向に整列されている、第二チャネルと、 を含むことを特徴とするコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、エラストマー材料からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、少なくとも約50%の弾力性を有するエラストマー材料からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、少なくとも約100%の弾力性を有するエラストマー材料からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、少なくとも約300%の弾力性を有するエラストマー材料からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、シリコーンからなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、金属からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、コバルト - クロム合金からなることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、エラストマー材料からなり、且つ、第一結合用ピンは、軸部、軸部に対して拡大された近位ヘッド、及び使用中に第一チャネルの対応する環状凹部に受容されることになる1つ以上の環状突出部を備えることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、バッカルチューブ受容凹部の下方に閉鎖して配置され、使用中にバッカルチューブに接触し、コネクタアセンブリ及び力モジュールの歯から外側に離れての過度の回転を防止するように、バッカルチューブに向かって歯肉上方に延びている回転防止ストッパをさらに備えることを特徴とする請求項58に記載のコネクタアセンブリ。臼歯ブラケットをクラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための歯科矯正力モジュールに結合するためのコネクタアセンブリであって、当該コネクタアセンブリは、 臼歯ブラケットのバッカルチューブをコネクタ本体に結合するための第一結合用ピン、 矯正力モジュールのフランジを当該コネクタ本体へ結合するための第二結合用ピン、及び コネクタであって、 少なくとも約50%の弾力性を有するエラストマー材料から形成された本体と、 当該本体の歯肉側に形成され、臼歯ブラケットのバッカルチューブを受容するバッカルチューブ受容凹部と、 当該本体の反対側に形成され、力モジュールの遠位端又はその近傍に配置されたフランジを受容するフランジ受容凹部と、 当該本体を通って配置された第一チャネルであって、使用中に、バッカルチューブを当該本体に結合するべく、第一結合用ピンが第一チャネル及びバッカルチューブを通過するように、当該バッカルチューブ受容凹部に軸方向に整列されている、第一チャネルと、 当該本体を通って配置された第二チャネルであって、使用中に、力モジュールのフランジを当該本体に結合するべく、第二結合用ピンが第二チャネル及び力モジュールのフランジを通して配置された孔を通過するように、当該フランジ受容凹部に軸方向に整列されている、第二チャネルと、を含むことを特徴とするコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、シリコーンからなることを特徴とする請求項69に記載のコネクタアセンブリ。第一結合用ピンは、軸部、軸部に対して拡大された近位ヘッド、及び使用中に第一チャネルの対応する環状凹部に受容されることになる1つ以上の環状突出部を備えることを特徴とする請求項69に記載のコネクタアセンブリ。臼歯ブラケットをクラスII又はクラスIIIの矯正に使用するための歯科矯正力モジュールに結合するためのコネクタアセンブリであって、当該コネクタアセンブリは、 臼歯ブラケットのバッカルチューブをコネクタ本体に結合するための第一結合用ピン、 矯正力モジュールのフランジを当該コネクタ本体へ結合するための第二結合用ピン、及び コネクタであって、 金属から形成された本体と、 当該本体の歯肉側に形成され、臼歯ブラケットのバッカルチューブを受容するバッカルチューブ受容凹部と、 当該本体の反対側に形成され、力モジュールの遠位端又はその近傍に配置されたフランジを受容するフランジ受容凹部と、 当該本体を通って配置された第一チャネルであって、使用中に、バッカルチューブを当該本体に結合するべく、第一結合用ピンが第一チャネル及びバッカルチューブを通過するように、当該バッカルチューブ受容凹部に軸方向に整列されている、第一チャネルと、 当該本体を通って配置された第二チャネルであって、使用中に、力モジュールのフランジを当該本体に結合するべく、第二結合用ピンが第二チャネル及び力モジュールのフランジを通して配置された孔を通過するように、当該フランジ受容凹部に軸方向に整列されている、第二チャネルと、 バッカルチューブ受容凹部の下方に閉鎖して配置され、使用中にバッカルチューブに接触し、コネクタアセンブリ及び力モジュールの歯から外側に離れての過度の回転を防止するように、バッカルチューブに向かって歯肉上方に延びている回転防止ストッパと、 を含むことを特徴とするコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、ステンレス鋼からなることを特徴とする請求項72に記載のコネクタアセンブリ。コネクタ本体は、コバルト - クロム合金からなることを特徴とする請求項72に記載のコネクタアセンブリ。第一結合用ピンは、軸部、軸部に対して拡大された近位ヘッド、及び使用中に第一チャネルの対応する環状凹部に受容されることになる1つ以上の環状突出部を備えることを特徴とする請求項72に記載のコネクタアセンブリ。第三結合用ピン及びコネクタ本体内の第三チャネルをさらに備え、当該第三チャネルは横向きで第一チャネルに交差しており、且つ第一結合用ピンは、軸部、当該軸部に対して拡大された近位ヘッド、当該軸部に対して拡大された球根状の遠位ヘッド、及び球根状ヘッド近位の軸部に形成された凹部を備え、当該軸部の凹部は、使用中第一結合用ピンが完全に挿入されるとき、第三結合用ピンを受容するように第三チャネルに整列されていることを特徴とする請求項72に記載のコネクタアセンブリ。第一結合用ピンは、拡大された近位ヘッド端部から遠位端へ延びている軸部を備え、 当該遠位端は、第一結合用ピンが第一チャンネル内に挿入されるとき、ピンのスプリット部分が圧縮するのを許容するようにスプリットされており、当該第一結合用ピンは、第一結合用ピンが第一チャネルに挿入されたときに圧縮し、そして一旦第一結合用ピンが完全に挿入されると第一チャンネル内でのピンのロックを助ける、当該ピンのスプリットされた遠位端にロック用突出部をさらに備えていることを特徴とする請求項72に記載のコネクタアセンブリ。

说明书全文

本発明は、歯科矯正学の分野、より詳細には、クラスII及び/又はクラスIII不正咬合を矯正する装置の分野にある。

歯列矯正は、不十分な位置付けや曲がった歯を正しい配置と向きに付勢するための、機械的なの適用を含む歯科の専門分野である。歯科矯正処置は、歯の美容増進のみならず、下顎後退症及び/又は過蓋咬合を矯正するため、歯の医学的に必要な移動のために用いられ得る。例えば、歯列矯正治療は、患者の咬合を改善する、すなわち、上下の歯の対応する空間的なマッチングを強化することができる。

歯列矯正治療の最も一般的な形態は、一緒にして、一般的に「ブレース」と呼ばれている歯科矯正のブラケットとワイヤとの使用を含んでいる。歯科矯正ブラケットは、患者の歯に直接に取付けられる、又は歯に接合される又は他の方法で歯の周りに固定されるバンドに取付けられるように構成された、小さなスロット付きの本体である。一旦、当該ブラケットが、例えば、接着剤又はセメントなどによって、患者の歯に固着されると、湾曲したアーチ状のワイヤがブラケットのスロットに挿入される。

当該ブラケットとアーチ状ワイヤは、適切なアライメントに歯の矯正移動を案内するべく協働する。歯列矯正治療により提供される典型的な矯正の動きは、正しく整列されていない歯の間隔とアライメントを矯正するために必要とされる、横移動、トルク、回転、度付け、平坦化、及び他の動きを含むことができる。

一部の患者の歯列矯正治療は、下歯列弓に対する上歯列弓のアライメントの矯正を含んでいる。一部の患者は、クラスII不正咬合と称される状態を有しており、それは上顎に対する下顎の後退関係を伴う状態であり、永久上顎第一大臼歯の近心頬側咬頭が永久下顎第一大臼歯の頬側溝への近心を塞いでいる(下顎後退症、すなわち、オーバージェットとしても知られている)。他の患者は、クラスIII不正咬合と称される反対の状態を有することができ、そこでは、顎が閉じられたときに下歯列弓が上歯列弓の前方に配置される(下顎突出症、すなわち、ネガティブオーバージェット)。

クラスII及びクラスIIIの不正咬合は、ヘッドギア、弾性、又は口腔内力モジュールのような力適用システムを用いて矯正され得る。ヘッドギアは一般的に好ましくない。それは多くの場合、嵩高であり、患者にとって当惑の源であるからである。口腔内力モジュールは、典型的には、患者によって取り外されないように治療の過程に亘り所定の位置に固定されたままにでき、そして、伝統的なヘッドギアに比べて審美的に反対すべき点が少ないので、益々、受け入れられている。

口腔内力モジュールの例は、特許文献1(WO2012/018648)及び特許文献2(米国特許第5828875号)、特許文献3(米国特許第5738514号)、特許文献4(米国特許第 5711667号)、特許文献5(米国特許第 5562445号)、特許文献6(米国特許第6358046号)、特許文献7(米国特許第6162051号)、特許文献8(米国特許第5964588号)及び特許文献9(米国特許第5944518号)に開示されており、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。

WO2012/018648号公報

米国特許第5828875号明細書

米国特許第5738514号明細書

米国特許第5711667号明細書

米国特許第5562445号明細書

米国特許第6358046号明細書

米国特許第6162051号明細書

米国特許第5964588号明細書

米国特許第5944518号明細書

既存の口腔内力モジュールは、ヘッドギアを超える改善を示しているが、それらはまだ実質的な改善のための機会を提供する欠陥を有している。

クラスII及び/又はクラスIII不正咬合の矯正に使用するための歯科矯正力モジュールアセンブリ及び力モジュールが、本明細書に開示されている。また、本明細書に開示されているのは、バッカルチューブ(buccal tube)及びアーチワイヤ又は他の歯列矯正器具のような、矯正力モジュールを歯列矯正ブラケットに取付けるために、選択的にロック及びロック解除可能な取付け装置である。製造及び使用上のの関連する方法も開示されている。

一実施形態によれば、矯正力モジュールアセンブリは、中空の外側本体、プランジャ(又はプランジャロッド)、(例えば、圧縮可能なコイルスプリング、弾性装置、又は付勢部材としての)スプリング、及びプッシュロッドを含み提供されている。当該プッシュロッドは、組み立てられ、患者の口の中に置かれたときに、クラスII及び/又はクラスIII不正咬合の治療に使用するための力を提供するべく一緒に協働する。当該力モジュールアセンブリは、必要に応じて、分解されて、部分的に組み立てられて、又は完全に組み立てられて提供されてもよい。加えて、一度組み立てられても、患者の口の中への設置を容易にするために必要であればそれは部分的に分解されてもよい。

中空の外側本体は、近位端と遠位端との間に延びる中空内部を有している。外側本体はまた、中空内部へのアクセスを提供する、近位端における近位開口部及び遠位端における遠位開口部を含んでいる。プランジャは、外側本体の遠位開口部と中空内部を通って、遠位開口部と中空内部内に摺動可能に配置可能である。使用時に組み立てられるとき、プランジャの少なくとも近位端は、外側本体の中空内部内に配置される。一実施形態によれば、プランジャの近位端は、主軸に比べて拡大されている。プランジャの近位端よりも小さい遠位通路を有する遠位端キャップが、組み立てられたとき、外側本体の中空内部内で当該プランジャの近位端を閉じ込めるために、当該外側本体の遠位端に配置されてもよい。当該プランジャの主軸は、使用中に、先端キャップの遠位通路を通って摺動可能に配置されてもよい。

スプリングは、外側本体の中空内部内に位置決め可能であり、組み立てられたときは、使用中、プランジャに当接し、外側本体に対するプランジャの近位方向への動きに抵抗する。一実施形態によれば、スプリングは、プランジャの近位端に当接している。プランジャが外側本体に対して近位方向に移動すると、スプリングは圧縮され、使用中にプランジャを遠位方向に付勢する対抗力を提供する。スプリングより小さい近位通路を有する近位端キャップが、組立てのときに、当該スプリングを外側本体の中空内部内に閉じ込めるために、外側本体の近位端に置かれてもよい。

当該プッシュロッドは、プッシュロッドの少なくとも遠位端が、使用中に、外側本体の中空内部内に位置されるように、近位端キャップの近位通路を通って外側本体の中空内部内に摺動自在に位置決め可能である。一実施形態によれば、プッシュロッドは独立して動くことができ、スプリングに係合しない。このことは、使用中において、プッシュロッドの外側本体への及びそれからの自由な不偏な動きを可能にする。しかしながら、プッシュロッドは、ストッパ、カラー、突出部、屈曲部、又は遠位端キャップの近位通路を通過することができない、種々の直径の部分のような戻り止めを含んでもよい。これは、使用中に、外側本体に対してのプッシュロッドの遠位方向の移動を制限する。このようにして、プッシュロッドのさらなる遠位方向移動は、上述のように、対抗力を提供するスプリングを圧縮するように、外側本体がプランジャに対して遠位方向に移動すること及び/又はプランジャが外側本体に対して近位方向に移動することを生じさせる。

別の実施形態によれば、組み立てられた矯正力モジュールが、クラスII及び/又はクラスIII不正咬合を矯正する際に使用するために提供される。当該力モジュールは、近位端と遠位端との間に延在する中空内部、近位端の近位開口部及び遠位端の遠位開口部を有する中空の外側本体を含んでいる。プランジャが、外側本体の遠位開口部及び中空内部を通して、少なくとも部分的に摺動可能に配置されている。スプリングは、外側本体の中空内部内に配置され、そして使用中に、外側本体に対してのプランジャの近位方向移動に抵抗するように、プランジャに当接している。プッシュロッドは、プッシュロッドの少なくとも遠位端が、使用中に外側本体の中空内部内に位置されるように、外側本体の近位開口部及び中空内部を通って摺動可能に位置決め可能である。当該外側本体、プランジャ、スプリング、及びプッシュロッドは、特徴部を有しており、上述したように矯正力モジュールアセンブリに対して協働することができる。

他の実施形態によれば、本明細書に開示される矯正力モジュール及びアセンブリは、別々に又は組み合わせて提供され得る他の特徴部を有することができる。例えば、プッシュロッドは、スプリングの軸方向の通路を通って摺動可能に位置決めできるような、直径を有することができる。近位端キャップは、支持を助け、圧縮中におけるよじれ(kinking)を防止するために、スプリングの軸方向の通路を通って位置決め可能である中空の遠位延長部をさらに含むことができる。プランジャは、スプリングがある点を超えて圧縮されるように、摺動自在にプッシュロッドの一部を受容するように構成された軸方向の通路を有することができる。この方法では、外側本体、プランジャ、スプリング、及びプッシュロッドは、使用中に入れ子構造を形成することができる。力モジュールは、患者の快適さのために、実質的に滑らかな外側表面を提供するように構成されてもよく、それは、プラーク又は食物かすが使用中に集まることができる、スペース又はポケットを実質的に欠いている。外側本体及びプランジャを含む力モジュールは、組織の損傷の低減ために低姿勢にすることができる。

外側本体、プランジャ、スプリング及びプッシュロッドの一つ以上は、ステンレス鋼又は他の生物学的適合性金属などの金属の少なくとも一種を含むことができる。別の実施形態によれば、矯正力モジュールの構成部品の少なくとも幾つかは、成形ポリマー材料を含むことができる。疲労を防止し、そして長い期間に亘りより信頼性のあるスプリングバックを提供するスプリングを提供するために、当該スプリングは、例えば、Elgiloy(登録商標)などのCo-Cr-Ni合金を含むことができる。一実施形態によれば、スプリングは、圧縮コイルスプリングからなる。

本明細書に記載されるような歯列矯正力モジュール又はアセンブリは、バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具への取付けのための、プランジャの遠位端又はその近傍の遠位取付け手段、及びアーチワイヤ及び/又は別の器具への取付けのための、プッシュロッドの近位端又はその近傍に配置された近位取付け手段をさらに含んでもよい。当該遠位及び近位の取付け手段は、矯正力モジュールを歯に取付けるために当該技術分野で知られ、使用されている任意の取付け構造体を備えてもよい。一実施形態によれば、遠位の取付け手段は、歯列矯正ヘッドギアチューブ又はバッカルチューブに挿入され、プランジャを器具に固定するために曲げられる曲折可能なワイヤ又はピンを備えることができる。

プッシュロッドの近位端の近位取付け手段は、使用中に、上部又は下部の歯に取付けられた歯列矯正アーチワイヤ又はブラケットへの摺動可能な又は固定的な取付けのために、フック(例えば、「シェファードフック(shepherd’s hook)」)、又は他の適切な装置又は形状を含むことができる。仮に含まれている場合は、当該シェファードフックは、プッシュロッド軸の軸線に対して、好ましくは120°未満、より好ましくは約115°未満、最も好ましくは約110°(例えば、105°)未満の曲げを有している。代わりに、横方向に延びるフランジを貫通する孔又はスロットを有するロッドが、歯列矯正アーチワイヤへの適切な(例えば、摺動可能な)取付けを提供することができる。

矯正力モジュールは、それらが人の歯にどのように取付けられるかに応じて、クラスII又はクラスIII不正咬合のいずれかを矯正するために使用することができる。クラスII不正咬合を矯正するには、プランジャの遠位端が、バッカルチューブや他の歯列矯正器具などによって上の歯(又は上顎)の臼歯に取付けられ、そして、近位端は、アーチワイヤなどによって下の歯(又は下顎)の犬歯又はその付近に取付けられてもよい。クラスIII不正咬合を矯正するには、プランジャの遠位端が、バッカルチューブ又は他の歯科矯正器具などによって、下の歯(又は下顎)の臼歯に取付けられ、そして、近位端はアーチワイヤなどによって、上の歯(又は上顎)の犬歯又はその付近に取付けられるように、取付けが反転される。もちろん、上記は、どのように医師が矯正力モジュールを使用することを選択することができるかを単に示唆する限定的な説明である。

力モジュールの取付け手段の別の例は、ラッチ機構を含んでいる。ラッチ機構は、剛性の本体と剛性の本体を矯正力モジュールの端部に取付けるための手段、当該本体に回動可能に取付けられ、且つ歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯科矯正器具に挿入可能に構成されたピン部材、及び本体のラッチ部材であって、当該ラッチ部材に向かって又は離れて選択的の旋回されたときに、スナップ嵌めの関係で当該ピンを選択的にロック及びロック解除するラッチ部材を含んでいる。一実施形態によれば、ラッチ部材は、ピン部材がラッチ部材に挿入され又はそれから除去されたときに、一時的に離れて広がる一対の離間された突出部を備えている。この装置は、簡単なインストールを提供し、且つクリップが着脱されているか取外されたかを示す可聴ノイズを提供することができる。ピン部材は、有利には、歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯列矯正器具を通る通路の長さよりも大きい長さを有している。この結果、通路を通して挿入されたとき、ピン部材の遠位部分がラッチ部材によって受容されるのを可能にするために、ピン部材の遠位部分は通路を越えて延びることができる。剛性の本体、ピン部材及びラッチ部材の一つ以上は、一種類以上の金属からなることができる。

本明細書に開示されるような矯正力モジュールアセンブリは、歯に取付けられるように構成され、プランジャの遠位端に取付けられる対応するピン又はワイヤを受容するための通路を含む、1つ以上の歯科矯正バッカルチューブ又は他の歯科矯正器具を選択肢としてさらに含むことができる、本明細書に開示される矯正力モジュールアセンブリはまた、必要に応じて、人の歯の歯科矯正ブラケット又は人の臼歯に取付けられたバンドに取付けるために構成された一つ以上の歯列矯正アーチワイヤをさらに含むことができる。力モジュールは、増大した快適性と衛生のための滑らかな外表面を提供することができる。

本開示の別の実施形態は、矯正力モジュールを臼歯ブラケットのバッカルチューブに結合するためのコネクタを対象としている。当該コネクタは、力モジュール結合脚部がL字の短い脚部を形成しながら、L字の長い脚部を形成するバッカルチューブ結合脚部を含む、略L字状のコネクタ本体を含んでいる。当該バッカルチューブ結合脚部は、力モジュール結合脚部が取付けられる遠位端から自由な近位端に向かって延在している。当該遠位端は、それが、L字型コネクタが共に使用されるバッカルチューブの遠位端に対応するように、「遠位」と称される。バッカルチューブ結合脚部の近位端は、バッカルチューブの近位又は近心端に対応する。当該自由な近位端はスプリットされ、且つまた、一旦脚部がバッカルチューブ内に完全に挿入されると、バッカルチューブ結合脚部をバッカルチューブ内でロックするように、拡大されたロック用突出部を含んでいる。

バッカルチューブ結合脚部の近位端の突出部は、通常は、バッカルチューブを通しては嵌らないような大きさであるが、しかし、スプリットの存在によって、当該脚部の拡大された部分は圧縮することが可能で、当該突出部がバッカルチューブに導入されるのを許容する。一旦突出部がバッカルチューブの反対側の端を出ると、脚部の近位端の突出部の圧縮が解除されるので、その結果、当該突出部は元の形態に戻り、バッカルチューブ結合脚部をバッカルチューブにロックする。バッカルチューブ結合脚部の遠位端はまた、バッカルチューブへのバッカルチューブ結合脚部のさらなる挿入に対するストッパとして作用する、拡大された直径の突出部を含むことができる。

力モジュール結合脚部は、バッカルチューブ結合脚部の遠位端に堅固に取付けられ、バッカルチューブ結合脚部に概ね横方向に延びている。力モジュール結合脚部は、バッカルチューブ結合脚部よりも直径で小さく、且つその軸部は、力モジュールの遠位端の近くのフランジを貫通して形成された孔を通って挿入可能なように寸法決めされている。力モジュール結合脚部は、力モジュール結合脚部がバッカルチューブ結合脚部に取付けられているところの反対側の自由端に堅く取付けられた拡大ヘッドを含むことができる。かかる拡大されたヘッドは、力モジュールのフランジに脚部を固定するために使用することができる。一実施形態によれば、L字型のコネクタ本体は、溶接、はんだ付け、ろう付け、又は他の方法で一緒に取付けられた二つの別個の部品(すなわち、バッカルチューブ結合脚部及び力モジュール結合脚部)から組み立てることができる。二つの部品を一緒に取付ける前に、拡大ヘッドはフランジ通路を通過するには大きすぎるので、拡大ヘッドの反対側の力モジュール結合脚部の端部が、力モジュールのフランジ内の通路を通して挿入されてもよい。一旦力モジュール結合脚部がバッカルチューブ結合脚部に取付け(例えば、レーザ溶接)されると、L字型コネクタは、永久的に且つ非解放的に、力モジュールのフランジに結合される。何故ならば、当該フランジが、一端における力モジュール結合脚部の拡大されたヘッドと他端におけるバッカルチューブ結合脚部の遠位端の大径部との間に捕捉されるであろうからである。

L字型のコネクタ本体に加えて、当該コネクタは回転防止のL字状のストッパをさらに含むことができる。L字型のストッパはまた、二つの脚部、ストッパをバッカルチューブ結合脚部の遠位端に堅く取付ける比較的短い取付け脚部、ならびに、バッカルチューブ結合脚部に概ね平行に且つそれと同じ方向に延び、自由端を有する比較的長いバッカルチューブ接触脚部を含むことができる。当該バッカルチューブ接触脚部は、接触し且つ臼歯ブラケットのバッカルチューブに対するコネクタ本体の過剰な回転を防止するストッパとして作用する。

本開示の別の態様は、臼歯ブラケットをクラスII又はクラスIII矯正処置において使用する歯科矯正力モジュールに結合するための代替的なコネクタアセンブリに向けられている。当該コネクタアセンブリは、コネクタ本体、臼歯ブラケットのバッカルチューブをコネクタ本体に結合する第一結合用ピン、及び矯正力モジュールのフランジをコネクタ本体へ結合する第二結合用ピンを備えている。コネクタ本体は、本体、当該本体の歯肉側に形成され、臼歯ブラケットのバッカルチューブを受容するバッカルチューブ受容凹部、当該本体の反対側に形成され、力モジュールの遠位端又はその近傍に配置されたフランジを受容するフランジ受容凹部、当該本体を通って配置され、当該バッカルチューブ受容凹部に軸方向に整列されている第一チャネル、及び当該本体を通って配置され、当該フランジ受容凹部に軸方向に整列されている第二チネルを含んでいる。使用時には、第一結合用ピンは、第一チャネル及びバッカルチューブに挿入され、バッカルチューブをコネクタ本体に結合する。第二結合用ピンは、同様に、第二チャネル及び力モジュールの遠位端の近くのフランジを通して形成された孔を通過するように挿通され、力モジュールのフランジを当該コネクタ本体に結合する。

一実施形態では、コネクタ本体は、金属、プラスチック、又はエラストマー材料から形成され得る。エラストマー材料(例えば、シリコーン)からの製造は、いくつかのユニークな利点を提供し得る。エラストマー材料は、コネクタ本体が、力モジュール及び/又は患者の顎の動きの結果として、曲折し、屈曲し、及び弾性的に変形することを許容する非常に高い柔軟性と弾力性を示す。かかる弾力性と柔軟性は、患者が日常の活動(例えば、話すこと、食べること、あくびすること等)に共通している、彼又は彼女の顎を繰り返し開き且つ閉じるとき、有利である。コネクタアセンブリは、コネクタ本体に対する力モジュールの遠位端及び臼歯ブラケットに対するコネクタ本体の向きが、上側及び下側の顎が互いに対して移動されるとき、種々の顎の動きに自発的に適応することができる、力モジュールと患者の臼歯に固定された臼歯ブラケットとの間の動的であるが、安全な結合を提供する。

このようにして、力モジュール及び臼歯ブラケットはしっかりと間接的に相互に結合されているが、コネクタ本体はまだ、(一の顎の臼歯に固定されている)臼歯ブラケットと(他の顎のブラケット又はアーチワイヤにその近位端において結合されている)力モジュールとの間の十分で自由な移動を可能にしている。当該結合は、力モジュールが臼歯ブラケットに直接に結合されていないということで間接的であるが、しかし、力モジュール及び臼歯ブラケットとの間のインターフェースとして作用するコネクタ本体を介している。例えば、当該結合機構は、コネクタ本体が、バッカルチューブにおけるピンヒンジ構造の回りに内向き及び外向きに回転することを許容し、また、力モジュールが、力モジュールのフランジにおけるピンヒンジ構造の回りに上向き及び下向きに回転するのを許容する。運動の自由度は、特に、コネクタ本体がエラストマー材料から形成されている実施形態において、コネクタ本体自体が、屈曲し、弾性変形し、且つ必要に応じて適合することができるので、増強される。かかる実施形態はまた、エラストマーのコネクタ本体が、患者の舌、頬、及びそれが接触することができる他の組織に対して、柔らかく、滑らかな、エラストマー表面を提供するので、患者に対し付加的な程度の快適さを提供する。

本発明のこれらの及び他の利益、利点、及び特徴は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲からより十分に明らかになるであろう、又は以下に記載されるような本発明の実施によって知ることができる。

上述の及び他の利益、利点及び本発明の特徴が得られるようにするために、上で簡単に説明した本発明のより具体的な説明が、添付の図面に示されたその具体的な実施形態を参照して行なわれる。図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示し、したがって、その範囲を限定するものと考えるべきではない。

図1Aは、本明細書に開示される例示的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの例示的な実施形態を示す分解斜視図である。

図1Bは、共に組み立てられた図1Aの例示的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図1Cは、中空外側本体の中空内部内に配置されたコイルスプリングを拡張された状態で図説するために、組み立てられた図1Bの矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの中空外側本体の切り欠き断面図である。

図2Aは、別の構造を有するか、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具への取付け手段を有する開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリに使用するためのプッシュロッドの代替実施形態を示す図である。

図2Bは、別の構造を有するか、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具への取付け手段を有する開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリに使用するためのプッシュロッドの代替実施形態を示す図である。

図2Cは、別の構造を有するか、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具への取付け手段を有する開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリに使用するためのプッシュロッドの代替実施形態を示す図である。

図3Aは、別の構造を有するか、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具への取付け手段を有する開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリに使用するためのプッシュロッドの別の実施形態を示す図である。

図3Bは、別の構造を有するか、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具への取付け手段を有する開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリに使用するためのプッシュロッドの別の実施形態を示す図である。

図4Aは、プッシュロッドが外側本体に対して遠位方向に前進されている状態の、図1A−1Cの例示的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図4Bは、中空の外側本体の中空内部内に配置されたコイルスプリングを拡張状態において図説するための、図4Aの矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの中空の外側本体の切り欠き図である。

図4Cは、プッシュロッドが外側本体に対して遠位方向に前進され、及びプランジャが外側本体に対して部分的に近位側に前進されたた状態の図1A−1Cの例示的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図4Dは、中空の外側本体の中空内部内に配置されたコイルスプリングを部分圧縮状態において図説するための、図4Cの矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの中空の外側本体の切り欠き図である。

図4Eは、プッシュロッドが外側本体に対して遠位方向に前進され、及びプランジャが外側本体に対して完全に近位側に前進されたた状態の図1A−1Cの例示的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図4Fは、中空の外側本体の中空内部内に配置されたコイルスプリングを実質的に完全圧縮状態において図説するための、図4Eの矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの中空の外側本体の切り欠き図である。

図5Aは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにピンが使用されている矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図5Bは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにピンが使用されている矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図5Cは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにピンが使用されている矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図5Dは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにピンが使用されている矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図5Eは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにピンが使用されている矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図6Aは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにラッチが使用されている状態の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図6Bは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにラッチが使用されている状態の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図6Cは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにラッチが使用されている状態の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図6Dは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるためにラッチが使用されている状態の矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図である。

図7Aは、本明細書に開示されるような力モジュール又は力モジュールアセンブリが、クラスII不正咬合を矯正するために、上下の顎の間に設置されている患者の上顎と下顎の斜視図である。

図7Bは、本明細書に開示されるような力モジュール又は力モジュールアセンブリが、クラスII不正咬合を矯正するために、上下の顎の間に設置されている患者の上顎と下顎の斜視図である。

図8は、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるために使用することができる別のピンの斜視図であり、ピンはL字型である。

図9は、図8のL字型コネクタピンの断面図である。

図10Aは、L字型コネクタ、臼歯ブラケット、及び力モジュールの斜視図であり、L字型ピンのコネクタは臼歯ブラケットに結合される前である。

図10Bは、L字型コネクタ、臼歯ブラケット、及び図10Aの力モジュールの斜視図であり、L字型コネクタが力モジュールの遠位端を臼歯ブラケットに結合するために、L字型コネクタのバッカルチューブ結合脚が、臼歯ブラケットに挿入されている。

図11は、全ての構成部品が患者の口の中に設置された状態で、L字型コネクタによって臼歯ブラケットに結合される力モジュールの斜視図である。

図12は、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるために使用され得る別のコネクタの斜視図であり、当該コネクタは、弾性コネクタ本体を含んでいる。

図13は、図12のコネクタ本体の歯肉上面図である。

図14は、図12のコネクタ本体の遠位端部を示す別の斜視図である。

図15Aは、図12のコネクタ本体、第一結合用ピン、及び第二結合用ピンを含む例示的なコネクタアセンブリの分解図である。

図15Bは、コネクタ本体をバッカルチューブに結合するために、コネクタ本体の対応する第一チャネルと臼歯ブラケットのバッカルチューブとに挿入された第一結合用ピンを示す、図12のコネクタ本体の断面図である。

図16は、力モジュールの遠位端部の近くのフランジを患者の臼歯に固定されている臼歯ブラケットのバッカルチューブに間接的に結合するために設置された図15Aのコネクタアセンブリの斜視図である。

図17は、歯科矯正バッカルチューブに力モジュール又はアセンブリの端部を取付けるために使用されてもよい別のコネクタの斜視図である。

図18は、図17のコネクタ本体、第一結合用ピン、及び第二結合用ピンを含む例示的なコネクタアセンブリの分解図である。

図19は、代替の結合用ピンの斜視図である。

図20は、本体をバッカルチューブに結合するため、コネクタ本体の対応する第一チャネル及び臼歯ブラケットのバッカルチューブに挿入された第一結合用ピンを示している、図17のコネクタ本体の断面図である。

図21は、力モジュールの遠位端近くのフランジを患者の臼歯に固定された臼歯ブラケットのバッカルチューブに間接的に結合するために設置された、図18のコネクタアセンブリの斜視図である。

I. 序論 本発明は、クラスII及び/又はクラスIIIの不正咬合の矯正に使用するための矯正力モジュール及び力モジュールアセンブリに向けられている。一実施形態では、力モジュールは、遠位端と近位端との間に延びる中空の細長い本体、当該中空の細長い本体内に摺動可能に位置決め可能なプランジャ、当該プランジャを支え動きに抵抗する(圧縮可能なコイルスプリング、弾性スプリング、又はスプリング状本体又は他の付勢部材のような)スプリング、及び中空の細長い本体内に摺動可能に位置決めされるプッシュロッドを含み得る。

矯正力モジュール又はアセンブリが、(例えば、クラスIIの矯正用に)上顎及び下顎の歯の間に取付けられるとき、プランジャの遠位端は、上顎(maxilla)の後方の歯(例えば、臼歯)に取付けられ、一方、プッシュロッドの近位端は、例えば、近心取付け(又は下顎取付け)のアーチワイヤ結合によって、下顎の犬歯に取付けることができる。スプリングは、矯正力モジュール又はアセンブリがクラスII矯正の矯正のための矯正力を与えるために、プランジャ及びプッシュロッドに対して拡張力を提供する。

アセンブリの矯正力モジュールは、力モジュールを下記のように構成することによって、クラスIIIの不正咬合を矯正するために使用することができる。すなわち、近位端が近心取付け(又は上顎取付け)のアーチワイヤ結合によって上顎の犬歯に取付けられ、そして遠位端が下顎(mand1Ble)の後方の歯(例えば、臼歯)に取付けられている。

II. 模範的な矯正力モジュール及びアセンブリ さて、図面が参照される。図1A-1Cは、クラスII及び/又はクラスIIIの不正咬合の矯正に使用するための、本明細書に開示される、模範的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリの実施形態を示している。図1Aは、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ100の分解斜視図である。力モジュール又はアセンブリ100は、細長い中空の外側本体102、プランジャ104(これは、ロッドすなわちプランジャロッドとして具現化又は例示することができる)、圧縮可能なコイルスプリング106、及びプッシュロッド108を含み、これらは使用時に組み立てられたとき、図1B及び図1Cに示すように、入れ子式形態で一緒に収まるように構成されている。

図1Aに戻ると、細長い中空の外側本体102は、近位端と遠位端との間に延びており、外側本体102の近位端及び遠位端に開口する中空内部110を含んでいる。外側本体102は、実質的に円筒形のように、実質的に円形の断面を有するものとして示されているが、必要に応じて他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形等)を有することができる。外側本体102の中空内部110は、一緒に組み立てられたとき、プランジャ104、コイルスプリング106、及びプッシュロッド108の少なくとも一部分が、外側本体102の中空内部101内に配置され得るように、十分に大きい直径を有している。

一実施形態によれば、プランジャ104は、近位端部112から遠位方向に延びるプランジャ104の軸部に比べて拡大された拡大近位端部112をさらに含んでいる。遠位通路120を有する遠位端キャップ118が、外側本体102の遠位端に取付けられ、又は一体物として一緒に一体的に形成されており、組み立てられたとき、外側本体102の中空内部110内に近位端部112を閉じ込めながら、且つ組み立てられたときのプランジャ104の外側本体102に対しての摺動を可能にするようにプランジャ104と協働する。具体的には、遠位通路120は、有利なことに、拡大された近位端部112よりも小さく、遠位通路120を通る近位端部112の通過を阻止するが、そのように組み立てられ且つ使用されるときには、プランジャ104の軸部の摺動を受入れ且つ可能にするのに十分な大きさである。

中空の遠位方向延長部116及び近位方向の通路126を有し得る近位端キャップ114が、組み立てられたとき、外側本体102の中空内部110内にコイルスプリング106を閉じ込めるために、外側本体102の近位端に取付けられる。中空の遠位方向延長部116は、組み立てられるとき、コイルスプリング106の近位部分を通して挿入されるので、使用中に圧縮されたとき、コイルスプリング106を支持し、そのよじれ(kinking)を防ぐことができる。

近位端キャップ114はまた、組み立てられたとき、プッシュロッド108の外側本体102に対する使用中の摺動を可能にするようにプッシュロッド108と協働する。プッシュロッド108の遠位端と軸部は、プッシュロッド108の外側本体102に対しての摺動を可能とするように、近位端キャップ114の近位通路126よりも小さい。プッシュロッド108は、プッシュロッド108の外側本体102に対する相対的な遠位方向の移動を制限するカラー128又は他の戻り止め部材(例えば、突出部又は屈曲部)をさらに含んでいる。本実施形態では、プッシュロッド108は係合しないので、コイルスプリング106によって直接に付勢されることなく移動し得る。このようにして、プッシュロッド108は、カラー128又は別の戻り止め部材が近位端キャップ114及び/又は外側本体102の近位端と当接するまで、外側本体102に対して近位及び遠位方向に自由に摺動することができる、プッシュロッド108の遠位端はまた、近位端キャップ114の近位通路126に自在に挿通され、且つそれから引き出され得る。それにもかかわらず、プッシュロッド108は、近位方向への移動と、外側本体102の中空内部からのプッシュロッド108の引き出しを制限するために、拡大された遠位端(図示せず)を選択肢として含むことができる。プッシュロッド108の遠位方向への移動は、プッシュロッド108の遠位端が近位端キャップ114の遠位方向延長部116を越えコイルスプリング106を通る軸方向の通路を通って延在し、そしてプランジャ104の近位端112に近づくことを引き起こす。プッシュロッド108及びプランジャ104は、コイルスプリング106が圧縮されるにつれ、一緒により近くにされる。図1Aに示す実施形態によれば、プランジャ104は、中空の通路134をさらに含んでおり、これは、コイルスプリング106によって及ぼされる反力に対して患者の顎によって加えられる力に応じて、力モジュール又はアセンブリ100のさらなる圧縮を可能にするために、プッシュロッド108が使用中に入れ子式にプランジャ104内に受容されることを可能にしている。

力モジュール又はアセンブリ100は、クラスII及び/又はクラスIIIの不正咬合の矯正に使用中に、歯列矯正ブラケット又はアーチワイヤにプッシュロッド108を取付ける際に使用するための、プッシュロッド108の近位端から延びるフック130又は他の取付け装置をさらに含んでいる。プランジャ104の遠位端に嵌合するように構成された端部ピース122は、使用中に歯列矯正用ブラケットに、プランジャ104を取付ける際に使用するための、フランジ132又は他の手段を担持している。本実施形態では、端部ピース122は、プランジャ104の遠位端上に嵌合するような大きさに構成された凹部124を有している。端部ピース122はまた、プッシュロッド108が通過するのを可能にする通路を含んでいる。

図1Aに示すように、フック130は、カラー128を越えて延びている主湾曲部131を有し、且つプッシュロッド108の長手方向軸に対する曲げ角度又は曲率の角度を有した「シェパードフック(shepherd´s hook)」である。フック130のメイン湾曲部分131の角度は、120°未満、約117.5°未満、約115℃未満、約110℃未満、約105℃未満、又は約100°未満である角度を有することができる。フック130はさらに、使用中に人の歯に取付けられたアーチワイヤに対して摺動可能な構成でフックをロックするように包み込むことができる、補助屈曲部132を含むことができる。この構成では、矯正力モジュールは、装置が人の歯にどのように取付けられているかに応じて、クラスII及びIIIの不正咬合の両方を矯正するために使用することができる。

図1B及び1Cは、一緒に組み立てられた図1Aの模範的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ100を示す斜視図である。図1Cは、外側本体102の中空内部110内で拡張された状態にあるコイルスプリング106を明らかにするために、外側本体102の切り欠き図をさらに示している。図1B及び図1Cに示すように、外側本体102、プランジャ104、圧縮可能コイルスプリング106及びプッシュロッド108は、組み立てられたとき、入れ子構成で共に嵌っている。図1Bと図1Aに示す構成では、プッシュロッド108の一部が、近位端キャップ114の近位の通路126を通して部分的に挿入されている。

プッシュロッド108は、カラー128が近位端キャップ114に当接するまで、干渉、すなわち、コイルスプリング106によって力が加えられることなく、近位の通路126及び中空内部110内を摺動することができる。このようにして、外側本体102に対してのプッシュロッド108の摺動は、カラー128が近位端キャップ114に当接し、コイルスプリング106がカラー128、近位端キャップ114、コイルスプリング106、及びプランジャ104の近位端112の間の協同的な相互作用によって圧縮されるのが生ずるまで、力モジュール又はアセンブリ100が重大な歯列矯正力を発揮するのを生じさせない。加えて、プッシュロッド108は、端部キャップ114の近位通路126と外側本体102の中空内部110から完全に引き抜かれ得る。これは、患者の顎への歯列矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ100の設置及び/又はそれからの除去を容易にすることができる。

図2A〜図2Cは、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具に取付けるための代替構造又は手段を有する、開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリにおいて使用するためのプッシュロッド208の代替実施形態を示している。カラー又は戻り止め228は、プッシュロッド208の遠位方向への動きを制限するために含まれ得る。図示されるように、プッシュロッド108におけるように、シェパードフック130のようなフックを含むよりもむしろ、プッシュロッド208は、アーチワイヤの通過を可能にするのに十分な大きさの貫通した孔236を有する横方向に延びるフランジ234を含んでいる。孔236は、図2Bに示されるような、プッシュロッド208の長手方向軸に本質的に平行な壁によって画定される孔、又は図2Cに示されるように、プッシュロッド208の長手方向軸に対して傾斜している壁によって画定される孔のような、任意の所望の又は適切な角度を有することができる。一実施形態によれば、孔236の角度αは、力モジュールが使用されている時の、患者の歯上のアーチワイヤに対するプッシュロッド208の角度に応じて選択することができる。例えば、プッシュロッド208の軸に平行である孔が0°であると理解されているなら、傾斜した孔236は、典型的には、0°より大きく90°未満であり、そして約5°から約90°、約7.5°から約80℃、又は約10°から約70°、又は約15から約65°、又は約20°から約60°の範囲であってもよい。

図3A及び3Bは、アーチワイヤ又は他の歯列矯正器具に取付けるための代替構造又は手段を有する、開示された力モジュール及び力モジュールアセンブリにおいて使用するためのプッシュロッド308の他の代替実施形態を示している。カラー又は戻り止め328は、プッシュロッド308の遠位方向の動きを制限するために含まれ得る。図に示すように、プッシュロッド108におけるシェパードフック130ようなフック、又はプッシュロッド208における孔のあるフランジを含むよりもむしろ、アーチワイヤの貫通する通過を可能にするのに十分な大きさのスロット346を有する、横方向に延在するフランジないしは延長部344を含んでいる。スロット346は、図3Bに示すように、プッシュロッド308の長手方向軸に対して任意の所望の又は適切な角度を有することができる。一実施形態によれば、スロット346の角度αは、力モジュールが使用されている時に患者の歯上のアーチワイヤに対するプッシュロッド308の角度に応じて選択されてもよい。例えば、プッシュロッド308の軸に平行である孔が0°であると理解されているなら、傾斜した孔236は、典型的には、0°より大きく90°未満であり、そして約5°から約90°、約7.5°から約80℃、又は約10°から約70°、又は約15から約65°、又は約20°から約60°の範囲であってもよい。

図4A−Fは、図1A-1Cに示されている力モジュール又は力モジュールアセンブリ100と同様に、プッシュロッド408が外側本体402に対して遠位方向に前進し、且つプランジャ404が外側本体402に対して近位方向に前進するときの、種々の位置と圧縮の段階で、模範的な矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400を示している。

図4A及び4Bは、プッシュロッド408が外側本体402に対して遠位方向に完全に挿入され、その結果、カラー428が近位端キャップ414に当接している、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400の構成を示している。図4Bに最もよく見られるように、コイルスプリング406は、外側本体402内において拡張された形態で残っている。何故ならば、外側本体402に相対するプッシュロッド408の遠位方向への移動は、それ自体によっては、カラー428が近位端キャップ414に当接するまで、コイルスプリング406が圧縮される(又は、外側本体402内で完全に拡張されているとき、コイルスプリング406が既に部分的に圧縮されているなら、より圧縮される)のを生じさせないからである。プッシュロッド408は、近位端キャップ414の遠位方向延長部416を通過して示されており、その結果、プッシュロッド408の遠位端は、コイルスプリング406を通る軸方向の通路を通って延在している。以下に示すように、力モジュール又は力モジュールアセンブリ400と、コイルスプリング406とのさらなる圧縮は、プッシュロッド408の遠位端が、プランジャ404の通路434内に入れ子式に受容れられるのを生じさせる。

図4C及び4Dは、プッシュロッド408が外側本体402に対して遠位方向に完全に挿入され、その結果、カラー428が近位端キャップ414に当接している、加えて、プランジャ404が外側本体402に対して近位方向に部分的に移動された、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400の構成を示している。図4Dに最もよく示されるように、コイルスプリング406は、近位端キャップ414とプランジャ404の近位端412との間の外側本体402内で部分的に圧縮されている。コイルスプリングのこの部分的な圧縮(又はさらなる圧縮)は、外側本体402に対するプランジャの近位方向への移動に抵抗し、且つプランジャ404を外側本体402対して遠位方向に付勢する、近位端キャップ414及びプランジャ404の近位端部分412に対する対抗力の発揮に帰する。プランジャ404の近位端部分412と近位端キャップ414とに対してコイルスプリング406によって加えられる力は、スプリング406の強さと、それが圧縮されていた量に応じて変わり得る。コイルスプリング406によって加えられる力は、プランジャ404及びプッシュロッド408を介して、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400によって、それらが取付けられている歯に加えられる力に直接に関係する(又は本質的に等しい)。

図4E及び4Fは、プッシュロッド408が外側本体402に対して遠位方向に完全に挿入され、その結果、カラー428が近位端キャップ414に当接している、加えて、プランジャ404が外側本体402に対して近位方向に完全に移動され、端部ピース422が遠位端キャップ418及び/又は外側本体402の遠位端に当接している、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400の形態を示している。代わりに、端部ピース422が、(例えば、端部ピース422とプランジャ404との間の接合部への過度の応力を回避するために、)端部キャップ414の遠位方向延長部416をプランジャ404の近位端412へ当接させることによって、遠位端キャップ418に達せずに停止することができる(例えば、その結果として、遠位方向延長部416は、近位端412を通過する又はそれに達せずに終了するよりもむしろ、それに当接するような長さと直径をする)。

図4Fに最もよく示されるように、コイルスプリング406は、外側本体402内で近位端キャップ414とプランジャ404の近位端412との間で、高度に(又は最大に)圧縮されている。外側本体402、プランジャ404、及びプッシュロッド408の相対的な長さに応じて、端部ピース422は、プッシュロッド408の遠位端の貫通通過を可能にするために遠位凹部を含むことができる。実際の使用では、コイルスプリング406は、図4E及び4Fに示されている圧縮量が、例示のみであり得るように、完全に圧縮されても又はされなくてもよい。コイルスプリング406の高圧縮は、近位端キャップ414及びプランジャ404の近位端部分412に対して加えられる、外側本体402に対して遠位方向にプランジャ404を付勢する最大の対抗力の結果となる。前述のように、プランジャ404の近位端412と近位端キャップ414に対してコイルスプリング406によって加えられる力は、スプリング406の強さと、それが圧縮されていた量に応じて変わり得る。加えて、コイルスプリング406によって与えられる拡張力は、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ400によって、プランジャ404及びプッシュロッド408を介して、それらが取付けられている歯に加えられる力に、直接に関係している(又は本質的に等しい)。

図5A〜5Eは、本明細書に開示されるような矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリを示す斜視図であり、そこでは、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるために、ピン取付け部材が使用されている。図5Aに示されるように、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ500は、外側本体502、プランジャ504、外側本体502の中空内部内のコイルスプリング(不図示)、及びプッシュロッド508を含んでいる。これらは、図1-4に示された実施形態と同じ又は異なる方法で協働することができる。

力モジュール又はアセンブリ500は、プランジャ504の遠位端に位置される端部ピース522をさらに含む。当該端部ピース522は、使用中に歯列矯正用ブラケットにプランジャ504を取付けるのに使用するためのフランジ532又は他の手段を備えている。本実施形態では、ピン534が、バッカルチューブ550にプランジャ504を取付けるために使用される。ピン534は、バッカルチューブ550のチューブ554の長手方向の通路552を通して挿入するための遠位端536を含んでいる。ピン534はまた、フランジに旋回可能に装着される近位端538を含んでいる。図示の実施形態では、近位端538は、フランジ532における対応する孔を通して位置されて示されている。ピン534の近位端538は、フランジ532における孔からのピン534の引抜けを防止するために、フランジ532の近位側に拡大ヘッドを含むことができる。ピン534の近位端538はまた、図示のように、フランジ532における孔内へのピン534のさらなる挿入を防止するために、フランジ532の遠位側に屈曲部を含んでいる。このようにして、ピンの近位端538における屈曲部と拡大ヘッドは、ピン534をフランジ532に対して所望の不除去で旋回可能な取付け状態に保持するために、フランジ532と協働する。ピン534の旋回性は、使用時にバッカルチューブ550に対する力モジュール又はアセンブリ500の回転運動を可能にする。

図5Bに示すように、ピン534は、遠位端536がチューブ534を通ってそれを越えて出現するまで、チューブ554の長手方向の通路552を通って挿入されている。その後、図5Cに示すように、ピン534の遠位端536は、ピン534をバッカルチューブ550に確実に取付けるために、チューブ534の周りで曲げられている。バッカルチューブ550から力モジュール又はアセンブリ500を取外すためには、遠位端536が実質的に直線状の構成及び/又はピン534の遠位端536のチューブ534からの引き抜きを可能にするのに十分な他の位置に曲げ戻される。

図5D及び5Eは、患者の歯560に取付けられるとき、バッカルチューブ550に対して取付けられている力モジュール又はアセンブリ500を示している。図5Dに示されるように、ピン534の遠位端536は、バッカルチューブ550のチューブを通って挿入されている。ピン534の近位端538の旋回性取付けは、配置時に力モジュール又はアセンブリ500の回転を可能にし、処置を容易にする。図5Eに示されるように、力モジュール又はアセンブリ500のプランジャ504は、ピン534の遠位端536をバッカルチューブ550のチューブの周りに折り曲げることによって、バッカルチューブ550に固定されている。

III. バッカルチューブへ矯正力モジュール又はアセンブリを選択的に取付け及び解放するための模範的なラッチ機構 図6A-6Dは、矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ600の端部をバッカルチューブ650に選択的に着脱するために使用される、模範的なラッチ機構を示している。図6Aに示されるように、力モジュール又はアセンブリ600は、外側本体602、プランジャ604、外側本体602の中空内部内のコイルスプリング(不図示)、及びプッシュロッド608を含む。プッシュロッド608の近位端から延びるフック630及びプランジャ604の遠位端から延びるフランジ634は、クラスII又はクラスIIIの不正咬合を矯正するための処置の間に、患者の顎に力モジュール又はアセンブリ600を取付ける際に使用される。

さらに図示されるように、ラッチ機構は、第1のピボット結合又は構造672によって示されるように、フランジ634に取付けられたメインラッチ本体670を含んでいる。ピボットピン674は、第2のピボット結合又は構造676によってラッチ本体670に旋回可能に接続されている。ラッチ部材678は、空間を挟んで離間された一対の突出部を含む。代わりに、ラッチ部材は、単一の突出部(prong)又はクリップであってもよい。ラッチ部材678は、ピボットピン674が、図6Aに示されるように、ラッチ部材678に向かって回転されるとき、ラッチ部材678の突出部の間(又は単一の突出部クリップに隣接して)にスナップ嵌めの関係で受入れられ且つ選択的にロックされるのを可能にする。ピボットピン674は、スナップ嵌めの関係を克服するために十分な力が加えられ、そしてピボットピン674がラッチ部材678から離れて回転されたとき、ラッチ部材678から選択的にロック解除することができる。

図6B-6Dは、歯660に取付けられたバッカルチューブ650に対し力モジュール又はアセンブリ600を選択的にロックするために使用されているラッチ機構を図解している。図6Bに示すように、ピボットピン674の遠位端は、バッカルチューブ650のチューブ654を通る近位開口部又は通路652の近くに位置されている。第1のピボット結合又は構造672及び/又は第2のピボット結合又は構造676は、力モジュール又はアセンブリ600が設置プロセス中にラッチ機構に対して所望の形態に配置されるのを可能にしている。図6Cに示すように、ピボットピン674の遠位端は、チューブ654を通して挿入され、それを越えて出現している。その後、第2のピボット結合又は構造676は、ラッチ機構の本体670が、ラッチ部材678がピボットピン674の遠位端により近くに運ばれるために、ピボットピン674に向かって回転されるのを可能にしている。図6Dに示されるように、ピボットピン674に向かっての本体670のさらなる回転は、ラッチ部材678がピボットピン674の遠位端とロック係合するのをもたらす。力モジュール又はアセンブリ600が一旦、バッカルチューブ650に取付けられると、それは、プッシュロッド608の近位端におけるフック630によって、反対の顎側の歯に取付けられてもよい。

図6Bに示すように、所望の歯科矯正治療を行うために、バッカルチューブ650は補助フック656を含むことができ、ラッチ機構はまた、所望のような弾性部材を取付けるための補助フック680を含むことができる。

図面7A及び図7Bは、クラスII不正咬合を矯正するために、患者の上顎と下顎との間に取付けられるべく本明細書で開示された矯正力モジュール又は力モジュールアセンブリ700を示している。力モジュール又はアセンブリ700の遠位端は、患者の上顎の歯(例えば、臼歯)のバッカルチューブ750に取付けられている。力モジュール又はアセンブリ700の近位端は、患者の下顎の前歯(例えば、犬歯)のブラケット又はアーチワイヤに取付けられている。

図7Aは、患者の顎が完全に閉じられているときの力モジュール又はアセンブリ700の形態を示す図であり、力モジュール又はアセンブリ700は、最大圧縮状態にある。この形態では、カラー728が外側本体702に当接し、プランジャ704は、外側本体内で近位方向に前進される。このことは、力モジュール又はアセンブリ700の外側本体702内の圧縮スプリング(不図示)が、クラスIIの不正咬合を矯正するために互いに対して移動させるべく、患者の上顎及び/又は下顎の歯を付勢する力を与えることを生じさせる。この例では、力モジュール又はアセンブリ700は、下顎に対する上顎のオーバージェットを矯正する力を与える。

図7Bは、患者の顎が開位置にあるときの、力モジュール又はアセンブリ700の形態を示している。力モジュール又はアセンブリ700のこの形態では、プッシュロッド708が、プッシュロッド708のカラー728が外側本体702の近位端に対して当接しないような、伸長位置にある。この形態では、力モジュール又はアセンブリ700の外側本体702内の圧縮スプリングが患者の上顎及び/又は下顎の歯列弓に対し力を及ぼさない。矯正力は、患者が上及び下の顎を一緒にもたらすにつれ、徐々に及ぼされる。

IV. 矯正力モジュールのバッカルチューブへの選択的取付け及び取外しのための模範的なL型コネクタピン 本開示の別の実施形態は、矯正力モジュールを臼歯ブラケットのバッカルチューブに結合するためのコネクタに向けられている。当該コネクタは、L字の長い脚部を形成するバッカルチューブ結合脚部を含む一方、力モジュール結合脚部がL字の短い脚部を形成している略L字状のコネクタ本体を含んでいる。バッカルチューブ結合脚部は遠位端から自由近位端に向かって延びている。使用中に、臼歯ブラケットのバッカルチューブ内に挿入されるのが、当該自由近位端である。力モジュール結合脚部は、バッカルチューブ結合脚部の遠位端に堅く取付けられている。バッカルチューブ結合脚部の自由近位端は、スプリットされ、又は他の方法で圧縮可能であり、且つまた、脚部が対応するバッカルチューブ内に完全に挿入されると、バッカルチューブ内で当該バッカルチューブ結合脚部をロックするように、拡大されたロック用突出部を含むことができる。力モジュール結合脚部の軸は、力モジュールの遠位端の近くのフランジを通して形成された孔を通って挿入されるように寸法決めされており、力モジュールが力モジュール結合脚部から滑り落ちるのを防止する、取付け端部の反対側の自由端において拡大ヘッドを含むことができる。力モジュール結合脚部が拡大ヘッドを含む場合、当該力モジュール結合脚部の取付け端部は、力モジュール結合脚部のバッカルチューブ結合脚部への取付けの前に、力モジュールのフランジ孔を通して挿入されてもよく、その後に2つの脚部が(例えば、レーザ溶接によって)、堅く一緒に取付けられる。

図8-11は、力モジュール又はアセンブリの端部を歯科矯正バッカルチューブに取付けるために使用することができる代替的なL字型コネクタを示している。

図8-9は、例示的なL字型コネクタ800を示す。コネクタ800は、バッカルチューブ結合脚部802及び力モジュール結合脚部804を含んでいる。バッカルチューブ結合脚部802は、自由な近位端808に向かって遠位端806から長手方向に延びている。力モジュール結合脚部804の第一の端部810は、バッカルチューブ結合脚部802の遠位端806に(例えば、溶接により)取付けられている。力モジュール結合脚部804の反対側の自由端部812は、脚部804の軸部よりも大径である拡大ヘッド814を含んでいる。バッカルチューブ結合脚部802は、その自由な近位端808にスプリット816をさらに含み、同様に、近位端808においても、拡大されたロック用突出部818を含んでいる。ロック用突出部818は、脚部802の軸に対して拡径されている。図に示すように、スプリット816は、自由な近位端808からロック用突出部818を過ぎて遠位方向に脚部802の軸部にまで部分的に延びる凹部又は空洞を備えている。

一実施形態では、当該スプリット816は、脚部802の長手方向中心軸に沿って配置されるように、脚部802に対して中心付けられられてもよい。代わりに、当該スプリットは中心付けられずに、オウセットされるかもしれない。図に示すように、スプリット816は、脚部802を通して舌—唇側に延在してもよい。代わりに、スプリットは、歯肉−咬合側に延在してもよい。スプリット816は、脚部802の全長の約10パーセントと約50パーセントの間の長さに亘って延在してもよい。別の実施形態では、スプリット816の長さは、脚部802の全長の約20パーセントと約40%の間であってもよい。いずれの場合においても、スプリットは、少なくともロック用突出部818の位置まで脚部802の軸内に延在するに十分な長さである。好ましくは、スプリットは、ロック用突出部818の位置を越えて延在する。これは、臼歯ブラケットのバッカルチューブを通って嵌合するべくロック用突出部818がより容易に圧縮されることを許容するからである。

図示されるように、脚部802の自由端808におけるノーズ819は、脚部802の残りの軸部のものよりも小さい直径であってもよい。ロック用突出部818の前縁(leading edge)820は、ノーズ819に隣接して最も薄く反対側の端部に向かって厚くなるように先細り(tapered)にされてもよい。かかるノーズ819は、前縁820の先細りが脚部802のバッカルチューブの中へのより容易な進行性の挿入を提供しつつ、近位端808をバッカルチューブに案内するのを補助する。前縁820がバッカルチューブの遠位端部に漸進的に圧入されるにつれ、スプリット816は、前縁820と突出部818に隣接する脚部802の一部が圧縮するのを可能にし、ロック用突出部818がバッカルチューブ内の通路を通過するのを可能にする。脚部802の軸部に対して拡大された大径ストッパ826が、バッカルチューブへの脚部802の過剰な挿入に対するストッパとして作用するように、遠位端806に設けられてもよい。例えば、ストッパ826は、それがバッカルチューブの通路内に挿入することができないように、バッカルチューブの内側のチューブの直径よりも大きい直径を有してもよい。突出部818及びストッパ826の間の距離は、バッカルチューブの長さに等しいか、又はわずかに長いだけとすることができる。この結果、ロック用突出部818が、バッカルチューブの近位すなわち近心端から延び、そしてバッカルチューブの近位端に接触しながら、脚部802の軸部の中央部分はバッカルチューブ内に受け入れられ、且つストッパ826はバッカルチューブの遠位端に対抗して配置される。

図8に示すように、回り止めのストッパ822が、脚部802の遠位端806に取付けられてもよい。ストッパ822はまた、ストッパ822を遠位端806に堅く取付ける取付け脚部824のみならず、自由端を有するバッカルチューブ接触脚部827を含んでいるL字型であってもよい。図に示すように、脚部827は、取付け脚部824より長くてもよい。図示されるように、ストッパ822の脚部827は、他の角度や形状も可能であるが、バッカルチューブ結合脚部802と略平行で同じ方向に延在してもよい。

一般に断面が円形のものとして示されているが、その構成部品の少なくとも一部は円形以外の断面(例えば、楕円形、正方形、長方形など)を有していてもよいことが理解されるであろう。図8に見られるように、構成部品は、互いに対して異なる厚さ又は直径を有することができる。例えば、バッカルチューブ結合脚部802は、脚部804がストッパ822よりも直径がやや大きくてもよいが、力モジュール結合脚部804及び回転防止ストッパ822の両方よりも大きい直径を有することができる。

コネクタ800は、複数の部品から組み立てることができる。例えば、脚部802、804、及びストッパ822は、最初は互いに分離していてもよい。製造中に、脚部804の端部810が、脚部802の遠位端806に溶接(例えば、レーザ溶接)、はんだ付け、ろう付け、接着剤、又は他の任意の適切な取付け技術により、取付けられてもよい。同様に、ストッパ822の脚部824は、遠位端806にレーザ溶接されるか、そうでなければ取付けられてもよい。端部810を遠位端806に取付ける前に、端部810は、力モジュールが脚部804に永久的に及び解放不能に結合されるように、力モジュールのフランジ内の通路を通して挿入されてもよい。このような実施形態では、力モジュールのフランジは、一方の端部の拡大ヘッド814と他方の端部の脚部802の大径のストッパ826との間に捕捉される(図10A参照)。

図10Aは、別個の臼歯ブラケット832及びL字型のコネクタ800を示し、ここでコネクタ800は、力モジュール830のフランジ部828に結合されて示されている(例えば、この結合は、コネクタ800の製造時に上述したように達成され得る)。臼歯ブラケット832は、貫通孔836を有しているバッカルチューブ834を含んでいる。図10Bは、バッカルチューブ834の貫通孔836内に挿入され、コネクタ800をバッカルチューブ834に結合している脚部802の近位端を示している。

図10Bに示すように一旦結合されると、コネクタ800は、バッカルチューブ834内の脚部802の回りのコネクタ800の回転を可能にするピンヒンジ機構によって、バッカルチューブ834に結合される。このような回転は、歯の表面に対してインアウト(すなわち、唇 - 舌側の)方向である。同様に、コネクタ800は、フランジ828に回転自在に結合されている脚部804の回りの力モジュール830の回転を可能にするピンヒンジ機構によって、力モジュール830に結合されている。このような回転は、歯の表面に対して上下(すなわち、咬合-歯肉の)方向である。

図11に示すように、力モジュール830及び臼歯ブラケット832はしっかりと間接的に互いに結合されているが、コネクタ800は、患者が彼又は彼女の口を開/閉じるとき、臼歯ブラケット832(上顎の臼歯829に固定されている)及び力モジュール830(下顎のブラケット又はアーチワイヤ844にフック842によって、その近位端において結合されている)の間の十分な自由な移動を可能にしている。結合は、力モジュール830が臼歯ブラケット832に直接に結合されていないということで間接的であるが、コネクタ800により、力モジュール830及び臼歯ブラケット832との間のインターフェースとして機能している。当該結合機構は、コネクタ800がバッカルチューブ結合脚部802の回りに内方及び外方へ回転すること、及びまた、力モジュール830が力モジュール結合脚部804回りに上方及び下方に回転することを許容している。

当該結合は、当該結合に含まれる種々の構成部品(例えば、バッカルチューブ834、コネクタ800、フランジ828)が、ピン802とヒンジ804の結果として、患者の顎の動きによって必要とされる、調整、回転、及び互いに対して移動することが許容されながら、患者が彼又は彼女の口を開き及び閉じるのを可能にするという点で動的である。力モジュール830の近位端は、フック842を介して、下歯列弓のアーチワイヤ844に結合されている。フック842は下側のアーチワイヤ844に結合されたように示されているが、力モジュール830の近位端を下側アーチワイヤ844又は下歯列弓のブラケットに結合するためには、任意の適切な又は公知の結合機構が使用されてもよいことは理解されるであろう。

図示した構成は、クラスIIの矯正のためのものである。しかしながら、クラスIII不正咬合の矯正も力モジュールを反対に取付けることによって達成される。換言すると、、近位のフック842が患者の上顎の犬歯の近くのアーチワイヤやブラケットに連結され、一方、力モジュールの遠位端におけるフランジ828がコネクタ800に結合され、当該コネクタ800は、順に、患者の下歯列弓の臼歯に固定された臼歯ブラケット832のバッカルチューブ834に結合されてもよい。また、本明細書に記載されたもの以外の矯正力モジュールが、当該L字型コネクタ(又は本明細書に開示された他のコネクタのいずれか)によってバッカルチューブブラケットに結合されてもよいことが理解されるであろう。

L字型コネクタ800は、任意の適切な材料から形成することができる。模範的な材料は、金属やプラスチックが含まれる。模範的な金属材料は、ステンレス鋼、チタン合金(例えば、ニッケル - チタン)、及び/又はコバルト - クロム合金を含む。種々の模範的なステンレス鋼は、ANSI 17-4、ANSI 400シリーズステンレス鋼、及び/又はANSI 300シリーズステンレス鋼(例えば、ANSI 303,ANSI 304、及び/又はANSI 316)を含んでいる。コネクタ及びその構成部品は、機械加工、金属射出成形、鋳造、引き抜き、又は任意の他の適切な技術によって形成することができる。他の全てのパラメータが等しい(例えば、同一部品厚さ、形状等)場合に、任意の構成部品を機械加工により形成する際は、金属射出成形と比較して、強度が著しく大きいので、金属からコネクタを機械加工することが、金属射出成形と比較して特に好ましい。別の実施形態では、当該コネクタは、任意のそれらがガラスで補強され得る、ポリカーボネート、ナイロン、及び/又はデルリン等の適当な高強度、比較的硬質のプラスチックから形成されてもよい。

V. バッカルチューブへの矯正力モジュールの選択的取付け及び取外しのためのさらなる模範的なコネクタアセンブリ 本開示の別の実施形態は、臼歯ブラケットのバッカルチューブ部分に矯正力モジュールを結合させるための代替的なコネクタ及びコネクタアセンブリに向けられている。当該コネクタアセンブリは、コネクタ本体、臼歯ブラケットのバッカルチューブを当該コネクタ本体に結合する第一結合用ピン、及び矯正力モジュールのフランジを当該コネクタ本体へ結合する第二結合用ピンを備えている。コネクタ本体は、本体、臼歯ブラケットのバッカルチューブを受容するため本体の歯肉側に形成されたバッカルチューブ受容凹部、及び力モジュールの遠位端又はその近傍に配置されたフランジを受容するため本体の反対側に形成されたフランジ受容凹部を含んでいる。当該本体は、本体を通って配置されバッカルチューブ受容凹部に軸方向に整列された第一チャネル、及び本体を通って配置されフランジ受容凹部に軸方向に整列された第二チャネルを、さらに含んでいる。使用時には、第一結合用ピンが、当該第一チャネル及びバッカルチューブを通して挿入され、バッカルチューブをコネクタ本体に結合する。第二結合用ピンも、同様に、第二チャネル及び力モジュールのフランジを通して形成された孔に挿通され、力モジュールのフランジをコネクタ本体に結合する。

コネクタアセンブリは、金属(例えば、ステンレス鋼)、プラスチック、又はエラストマー材料(例えば、シリコーン)等の、任意の適切な材料から形成することができる。いずれの場合にも、アセンブリは、力モジュールと、患者の臼歯に固定された臼歯ブラケットとの間の動的であるが、堅牢な結合機構を提供する。有利なことには、当該結合機構は、必要に応じて、コネクタ本体が一方側において臼歯ブラケットに、及び他方側において力モジュールに対しての、その向き及び空間的関係を自発的に調整することを許容する(例えば、上及び下の顎が互いに対して移動されるとき)。このようにして、患者は、矯正力モジュールが当該コネクタアセンブリを介して臼歯ブラケットに間接的に結合されたまま、通常の活動を継続することができる。

図12-13は、近心端904及び遠位端906を、それぞれ、有している本体902を含む模範的なコネクタ900を示している。バッカルチューブ受容凹部910が、本体902の歯肉側908に形成されている。図14におそらく最も良く見られるように、凹部910はまた、本体902の舌側すなわち「後ろ」側に延びていてもよく、凹部910に臼歯ブラケットのバッカルチューブの挿入を容易にさえしている。咬合側912は、力モジュールの遠位端又はその近傍におけるフランジを受容するために、そこに形成されたフランジ受容凹部914を含んでいる。本体902は、凹部910と軸方向に整列されている第一チャネル916をさらに含み、チャネル916に挿入された結合用ピンが近心部分916a(図13)を介して、バッカルチューブを介して、及びその後、遠位端916b(図13)に通過し、バッカルチューブを本体902に結合する。この結合された形態は、おそらく最も明瞭に図15Bに示されている。

本体902はまた、フランジ受容凹部914に軸方向に整列されている第二チャネル918を含み、チャネル918に挿入された第2結合用ピンが、唇部分918a(図14)、フランジを介して、その後舌部分918b(図14)に通過し、力モジュールのフランジをコネクタ900に結合する。

図15Aは、種々の構成部品がどのように互いに結合されているかをより良く理解するために、分解図で示している。力モジュール920は、その遠位端の近傍に配置されたフランジ922を含んでいる。フランジ922は、モジュール920の長手方向軸に対して横断方向の貫通孔924を含む。フランジ受容凹部914は、フランジ924が完全に凹部918内に着座されたときにチャネル918が貫通孔924と軸方向に整列されるように、その中にフランジ922を受け容れる大きさに構成されている。第二結合用ピン926は、チャネル918に挿入されるような大きさに構成され、貫通孔924がチャネル918の唇側及び舌側部分との間に配置されるように、チャネル918の両方の部分を通過する。その結果、力モジュール920のフランジ922は、結合用ピン926によってコネクタ本体900に結合される。結合用ピン926は、図示のように。単純な円筒状の軸からなってもよい。代替的に、ピン926は、近位の拡大ヘッド、L字型の近位側ヘッド、及び/又は第1の結合用ピン934に関して以下に説明される任意の特徴を含むことができる。

臼歯ブラケット928は、力モジュールのような補助装置に結合するためのバッカルチューブ930を含んでいる。バッカルチューブ930は貫通孔932を含む。バッカルチューブ受容凹部910は、バッカルチューブ930が凹部910内に完全に着座されたときチャネル916が貫通孔932に軸方向に整列されるように、その中にバッカルチューブ930を受容する大きさ及び構成にされている。第一結合用ピン934は、チャネル916に挿入されるような大きさに構成され、近心部分916a、バッカルチューブ930の貫通孔932、及び次に遠位端916b内に通過する。その結果、臼歯ブラケット928のバッカルチューブ930は、結合用ピン934によってコネクタ900に結合され得る。

一旦結合されると、コネクタ900は、ピン934の回りに本体902のインアウト型の回転を許容するピンヒンジ機構によって、バッカルチューブ930に結合される。同様に、コネクタ900は、ピン926の回りに力モジュール920の上下型の回転を許容するピンヒンジ機構によって、力モジュール920に結合されている。このようにして、力モジュール及び臼歯ブラケットは堅牢に且つ間接的に相互に結合されているが、コネクタ本体は、(上顎の臼歯に固定された)臼歯ブラケット928が(下顎のブラケット又はアーチワイヤにその近位端942において結合された)力モジュール920に対して移動するとき、十分に自由な移動をまだ可能にする。当該結合は、力モジュール920が直接に臼歯ブラケット928に結合されていないということで間接的であるが、力モジュール920及び臼歯ブラケット928との間のインターフェースとして機能するコネクタ900を介している。当該結合機構は、コネクタ900が第一結合用ピン934の回りに内向き及び外向きに回転するのを許容し、及びまた、力モジュール920が第二結合用ピン926の回りに上向き及び下向きに回転するのを許容する。

図15Bは、チャネル916に挿入され、近心部分916a、バッカルチューブ930の貫通孔932を通って、チャンネル916の遠位端916bへ通過している結合用ピン934を示している。結合用ピン934は、ピン934の軸部よりも大きい拡大された近位ヘッド940を含むものとして示されている。もちろん、ピン934は、異なって構成されてもよい(例えば、その近位ヘッドにL字型の屈曲を有する、又は拡大ヘッドが全くない)。結合用ピン934はまた、対応する環状凹部936a、938aに係合する環状突出部936、938を含むこともできる。当該環状凹部936a、938aは、対応する突出部を受容するように、チャネル916内で寸法付け、形状付け及び位置付けられている。

コネクタ本体900は、任意の適切な材料(例えば、金属、プラスチック、エラストマー材料、あるいはセラミック)から形成することができるが、1つの実施の形態において、エラストマー材料(例えば、シリコーン)からの製造が好ましい。このような材料は、実質的な弾力性(例えば、少なくとも約50%の伸び率)を示す。このような実施形態では、結合用ピン934(同様に、結合用ピン926)は、金属又は比較的剛性のプラスチックから形成され、本体900の弾性的性質は、本体900が拡大された突出部936、938のチャネル916への進入を許容するように弾性的に撓み、屈曲、及び圧縮することを可能にする。図15Bに見られるように、チャネル916は、突出部936、938より小さな直径であってもよい。弾性の本体900は、結合用ピン934がチャネル916内に押し込まれるにつれ弾性圧縮し、突出部936、938の周りに適応することができ、そして突出部936、938がリーチ凹部936a、938aに到達したとき、環状突出部936、938は、それぞれ、凹部936a、938aにスナップ係合し、結合用ピン934を所定の位置に保持する。コネクタ本体900はエラストマーであるため、結合用ピン934は十分な引張力を加えると引き抜くことができるが、突出部936、938と凹部936a、938aとのロック機構が、不注意によるピンの除去を防止するようにピン934を所定の位置に保持するであろう。

上述のように、本体900は任意の適切な材料から形成することができる。模範的な金属材料は、ステンレス鋼、チタン合金(例えば、ニッケル - チタン)、及び/又はコバルト - クロム合金を含む。種々の例示的なステンレス鋼は、ANSI 17-4,ANSI 400シリーズステンレス鋼、及び/又はANSI 300シリーズステンレス鋼(例えば、ANSI 303,ANSI 304、及び/又はANSI 316)を含んでいる。金属コネクタ本体は、機械加工、金属射出成形、鋳造、又は他の任意の適切な技術によって形成することができる。結合用ピンは、同様に、機械加工、金属射出成形、鋳造、延伸、又は他の任意の適切な技術によって形成することができる。金属から形成されるとき、他の全てのパラメータが等しい(例えば、同一の部品厚さ、形状、等)場合、機械加工により任意の構成部品を形成するときは、金属射出成形と比較して、強度が著しく大きいので、機械加工が特に好ましい。別の実施形態では、コネクタ本体及び/又は結合用ピンは、ポリカーボネート、ナイロン、及び/又はデルリンなどの適切な高強度の比較的剛性のプラスチックで形成することができる。任意のそれらは、強化のためにガラス負荷されてもよい。別の代替品では、本体及び/又は結合用ピンは、セラミックで形成されてもよい。

金属、プラスチック、あるいはセラミック材料を用いることができるが、一実施形態によれば、コネクタ本体はエラストマー材料を含み得る。そのような材料は、熱硬化性又は化学的硬化性のエラストマー(例えば、シリコーン)、又は熱可塑性エラストマーであってもよい。模範的なシリコーン及び使用に適した熱可塑性エラストマー材料は、好ましくは少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、さらにより好ましくは少なくとも約100%、最も好ましくは少なくとも約300%の弾性伸び率を示す。一つの実施形態によれば、弾性伸び率は、約50%〜約2000%の範囲、典型的には、約75%〜約1500%の範囲、より典型的には、約100%〜約1000%の範囲、そして最も典型的には、約300%〜約800%の範囲である。

当該用いられるエラストマー材料は、任意の好適なデュロメータ硬さ値を含むことができる。デュロメータは、硬度、すなわち、恒久的な窪みに抵抗する材料の能力の測定器である。特定のASTM試験手順(例えば、ASTMのD2240)が、当業者に知られるであろう。典型的なデュロメータ値は、約20と約90の間のショアAデュロメータ硬さの範囲であり得る。値が高ければ高い程、材料は堅い。より高い硬度値を示す材料(例えば、ショアDスケールで測定したもの)もまた、使用するのに好適であり得る。

種々のシリコーン材料のいずれをも使用することができる。一つの模範的なシリコーン材料、KEG2000-50A / Bは、オハイオ州アクロンに位置している、アメリカの信越シリコーン(Shin-Etsu Silicones of America)から入手可能である。種々の他の信越シリコーン製品及び他の供給業者からのシリコーン材料を使用することもできる。

使用することができる熱可塑性エラストマーの例は、スチレン - エチレン - ブチレン - スチレン(SEBS)及びVERSAflex(シリコーンと同様の弾性伸び率及び他の特性を示す独占所有権の熱可塑性エラストマーアロイ)を含む。VERSAflexは、イリノイ州マクヘンリー(McHenry)に拠点を置くGLS社によって販売されている。SEBS材料の適切な例は、様々なプロバイダから入手可能なSEBS TPE 45Aである。

VERSAFLEX CL30とVERSAFLEX CL40を含むいくつかの模範的なVERSAFLEX熱可塑性エラストマー材料は、イリノイ州マクヘンリーに位置されたGLS社から入手可能である。GLS社からの種々の他のVERSAFLEX製品を使用することもできる。

追加のエラストマーシリコーン及び使用に適切であり得るシリコーンのような熱可塑性エラストマー材料の例が以下の表に記載されている。

図16は、患者の口腔内に設置され、(患者の上臼歯に臼歯バンド929によって固定されている)臼歯ブラケット928のバッカルチューブ930と力モジュール920のフランジ922との間に結合されているコネクタ900を示している。当該結合は、結合に含まれている様々な構成部品(例えば、バッカルチューブ930、コネクタ900、フランジ922)が、ピンヒンジ934と926の結果として、患者の顎の動きによって必要とされるように、調整、回転、及び互いに対して移動することが許容されながら、患者が彼又は彼女の口を開き且つ閉じるのを許容するという点で動的である。力モジュール920の近位端は、フック942を介して下歯列弓のアーチワイヤ944に結合されている。フック942は下側アーチワイヤ944に結合されているように図示されているが、力モジュール920の近位端を下側アーチワイヤ944又は下歯列弓のブラケットに結合するためには、任意の適切な結合機構が使用されてもよいことが理解されるであろう。図示した形態は、クラスII矯正のためのものである。クラスIII不正咬合の矯正は、力モジュールの反対側への取付けによって達成することができる。換言すると、力モジュールの遠位端におけるフランジ922がコネクタ本体に結合されつつ、近位フック942が患者の上顎の犬歯の近くのアーチワイヤ又はブラケットに結合されてもよい。コネクタ本体は、患者の下歯列弓の臼歯に固定されている臼歯ブラケットのバッカルチューブに順に結合される。

図17は、バッカルチューブ受容凹部910´、フランジ受容凹部914´及び軸方向に凹部910´と整列されている、本体902´を通る第1チャネル916´を含む代替実施形態のコネクタ900´を示している。この結果、使用中において、結合用ピンは、近心部916a´(図20)を通り、凹部910´内のバッカルチューブを通り、その後に遠位端部分916b´(図20)に入る。第2のチャネル918もまた、凹部914´と軸方向に整列されて本体902´に設けられている。この結果、使用中に、第2結合用ピンは唇部918aを通り、凹部914´に受容されたフランジを通り、その後に舌部918bに入る。上述の本体900´の特徴は、図12に示した実施形態に対応して番号付けられた特徴と同様である。加えて、コネクタ本体900´は、チャネル916´内に結合用ピンを保持するのを助ける、対応するピンを受容するように構成された第3のチャネル946´を含んでいる。もう1つの違いは、チャネル916´は、本体902´を完全に貫通して延在するように示されている(図20)ということである。

コネクタ本体900´は、バッカルチューブ受容凹部910´の下方に咬合的に配置された回転防止ストッパ948をさらに含んでいる。ストッパ948は、バッカルチューブに接触して、歯から離れて患者の頬に向かうコネクタ900´(及び結合された力モジュール)の過回転を防止するように、使用中に本体900´の近心から遠位端に且つ凹部910´内に受容されたバッカルチューブに向かい歯肉上向きに延びる壁として構成されてもよい。言い換えれば、ストッパ948は、チャネル916´内に受容されている第一結合用ピンの回りの望まれない過剰な外方への回転を防止するように、患者の顎に対して所望の向きにコネクタ900´及び結合された力モジュールを維持するのに役立っている。

図18は、力モジュール及びバッカルチューブがどのようにコネクタ900´に結合されているかを示す分解図である。概略的な結合機構は、結合用ピン934´が、部分916a´と916b´とでバッカルチューブ930´をそれらの間に挟む状態で、チャンネル916´に挿入されているという点で図15Aのものと同じである。結合用ピン926´は、その唇部と舌部の部分がフランジ922をそれらの間に挟む状態で、チャンネル918´に挿入されている。結合用ピン934´は、拡大された近位ヘッド940´を含むが、結合ピン934´とは下記の点で多少異なって構成されている。すなわち、結合用ピン934´は、その軸部の端部に、やや拡大された又は球根状の遠位ヘッド936´を含むのみならず、球根状のヘッド936´に対し近位側に配置されているピン軸部に形成された(例えば、近位ヘッド940´に近い軸部に形成された)凹部938´を含んでいる。ピン934´の軸部は、一般的に円筒形であってもよく、又は所望に応じて、平坦な表面(例えば、正方形又は長方形の横断面を有する)を含むことができる。図20におそらく最も良く見られるように、球根状のヘッド936´は、チャネル916及びバッカルチューブ930の貫通孔932への挿入を許容するような大きさである。結合用ピン934´が一旦完全に挿入されると、結合用ピン950は、チャネル946内に挿入される。完全に挿入された状態では、(例えば、半球又は他の凹陥の)当該凹部938´は、ピン950がチャネル946内に挿入されるときそれが当該凹部938´に受容されるように、チャネル946と整列されている。ピン934´の軸部は、結合用ピン934´が、ピン950の受容状態から凹部938´を持ち上げるべく「持ち上げられる」のを許容するように、「チャンネル916´に対してより小さい大きさにされてもよい。この構成では、結合用ピン934´は、球根状のヘッド936´がピン950に接触するまで、チャネル916´から部分的に退避され得る。球根状のヘッド936´とピン950との間の接触は、ピン950が最初に除去されるまで、結合用ピン934´のさらなる除去を防止する。

図19は、スプリット遠位端を含む代替の結合用ピン934”を示している。スプリット938”は、ピン934”の当該スプリット部分が、当該ピンがそれぞれのコネクタ900、900´のチャネル916又は916´を介して挿入されるにつれて圧縮されるのを許容する。ピン934”は、ピン934”のスプリット遠位端にロック用突出部936”をさらに含み、それはピン934”が一旦完全に挿入されると、拡大された近位ヘッド940”と協力してピン934”をロックする。例えば、ロック用突出部936”と拡大された近位ヘッド940”との間のピン934”の軸部の長さは、一旦完全に挿入されると、バッカルチューブ及びコネクタが突出部936”とヘッド940”との間でロックされるように、バッカルチューブにチャネル部分916a、916a´及び916b、916b´をプラスした長さに等しくすることができる。ロック用突出部936”の最先端は、ピン934”のスプリット遠位端のチャネル916、916´内への挿入を容易にするために、図示のように先細りにされてもよい。他の適切な結合用ピンの形態は、本開示に照らして当業者には明らかであろう。

図21は、患者の口腔内に設置され、(バンド929によって患者の上臼歯に固定されている)臼歯ブラケット928のバッカルチューブ930と力モジュール920のフランジ922との間に結合された、コネクタ本体900´の斜視図である。当該結合は、結合に含まれている様々な構成部品(例えば、バッカルチューブ930、コネクタ本体900´、フランジ922)が、ピンヒンジ934´と926´の回りの回転によって、患者の顎の動きによって必要とされるように、調整することが許容されながら、患者が彼又は彼女の口を開き且つ閉じるのを許容するという点で動的である。力モジュール920の近位端は、フック942を介して下歯列弓のアーチワイヤ944に結合されている。フック942は下側アーチワイヤ944に結合されているように図示されているが、力モジュール920の近位端を下側アーチワイヤ又は下歯列弓のブラケットに結合するためには、任意の適切な結合機構が使用されてもよいことが理解されるであろう。ストッパ948(図17参照)は、コネクタ900´と結合された力モジュール920が、患者の歯から離れて頬に向かって外側に過度に回転するのを防止している。また、本明細書に記載したもの以外の矯正力モジュールが、上記コネクタ及びコネクタアセンブリのいずれかによってバッカルチューブブラケットに結合されてもよいことが理解されるであろう。

VI. 矯正力モジュール又はアセンブリとラッチ機構を製造するために使用される代表的な材料 本発明の矯正力モジュール及びアセンブリは、1つ以上の金属又は合金及び/又はポリマーのような任意の適切な材料(複数可)から形成され得る。一実施形態によれば、少なくとも外側本体、プランジャ及びプッシュロッドは、ステンレス鋼(例えば、316L)、又は他の生体適合性金属又は合金から作製することができる。別の実施形態によれば、矯正力モジュール及びアセンブリの構成部品の少なくとも一部は、成形ポリマー材料を含むことができる。

疲労を防止し、より信頼性の高いスプリングバック動作と一定の矯正力を長い期間をかけて提供するスプリングを提供するために、当該スプリングは、例えば、Elgiloy(登録商標)などのCo‐Cr-Ni合金を含むことができる。一実施形態によれば、当該スプリングは、圧縮コイルスプリングを備える。

矯正力モジュール及びアセンブリの構成部品は、特定の材料について作動されるのが適している、当技術分野で公知の任意の適切な成形及び/又は機械加工プロセスを用いて製造することができる。例えば、構成部品の少なくとも一部は、機械加工、鋳造、射出成形、金属射出成形(MIM)、積層造形製造プロセス、ドローイング等により作製することができる。少なくとも細長い本体を機械加工することは、構成部品の寸法精度向上が可能であるので、代替技術(例えば、ドローイング)と比較して有利であり得る。このような精度の向上は、より良いフィット感だけでなく、改善された壁の厚さをもたらす。部品の小型化、高強度化、正確なフィット感は、機械加工によって可能である。例えば、機械加工された細長い本体は、ドローイングにより形成された既存の装置よりも実質的に大きい壁厚さを含むことができる。

また、機械加工された装置の全体的な寸法、特に幅は、既存の装置よりも大幅に少ない。これは、既存の力モジュールと比較して有意に低いプロフィールを有する装置を提供し、使用中において快適さを向上させ、口腔軟組織との接触を低減する。また、機械加工は、金属射出成形によって作られた装置と比較して強化された耐久性を提供することができる。

本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形は、文脈が明確に指示しない限り、複数の対象を含み得る。

また、本請求項に係る発明は、その精神又は本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で実施できることが理解されよう。記載された実施形態は、限定的ではなく例示として、すべての点において考慮されるべきである。本発明の範囲は、したがって、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示されている。特許請求の範囲の意味及び均等の範囲内に入るすべての変更は、その範囲内に包含される。

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