下顎前突症のIII級の問題を解決するための口腔用装置、システム、および方法

申请号 JP2014176545 申请日 2014-08-29 公开(公告)号 JP2015058356A 公开(公告)日 2015-03-30
申请人 オーソ−テイン,インク.; Ortho Tain Inc; 发明人 EARL O BERGERSEN;
摘要 【課題】不正咬合を矯正する、 口腔 用装置、システム、および方法を提供する。【解決手段】不正咬合を矯正する、口腔用装置10は、患者の顎および/または歯を、正しい 位置 まで移動させてもよい。該装置の上部本体12と下部本体14は、ヒンジで接続されてもよい。舌状突出部は、上部本体の後部部分から後方に伸びてもよく、該装置が装着される際に患者の上顎に触れてもよい。突出部は、下部本体の前部部分から口に対して前方に伸び、唇に 接触 し、下歯に対して後ろ向きの 力 をかけてもよい。【選択図】図1
权利要求
  • ユーザーの口の不正咬合を矯正するための装置であって、ユーザーが唇、舌、上顎、および歯を有しており、歯には上顎切歯と下顎切歯があり、
    前記装置が、
    切歯に隣接した前部部分と前部部分の後方に位置する後部部分を備えた一般にU字型の上部本体であって、その外部境界を定義する周辺部を備えた上底を有し、および、上部本体の後部部分の周辺部に沿って伸びる壁部を有する、上部本体と、
    切歯に隣接した前部部分を備えた一般にU字型の下部本体であって、その外部境界を定義する周辺部を備えた下底を有し、下底がユーザーの歯の幅よりも大きな幅を有し、下部本体が下部本体中の溝部を定義する下部本体の周辺部に沿って伸びる壁部を有する、下部本体と、
    上部本体の前部部分から後方に伸びる舌状突出部であって、前記装置がユーザーの口の中で装着される際に、ユーザーの上顎に接触する舌状突出部と、
    下部本体の前部部分から口に対して前方に伸びる突出部であって、前記装置がユーザーの口の中で装着され、下歯に対して後ろ向きの力をかける際に、ユーザーの唇に触れる突出部と、
    を備える、装置。
  • 上部本体の上底の後部部分上に隆起した表面をさらに備える、請求項1に記載の装置。
  • 上部本体から一般に水平方向に突き出た棚部をさらに備え、
    棚部は前部の上底に隣接し、ユーザーの口の中で後方に伸び、および、前記装置がユーザーの口の中で装着される際に舌をガイドする表面を設ける、請求項1に記載の装置。
  • 上部本体の前部部分の上底に対して傾斜して伸長する傾斜部をさらに備え、
    傾斜は、上顎切歯上に力を働かせ、前記装置がユーザーの口の中で装着される際に、上顎切歯を前方および後方にガイドする、請求項1に記載の装置。
  • 上底は口の中の最も離れた歯に触れる、請求項1に記載の装置。
  • 舌状突出部の1つの上に隆起した突出部をさらに備え、
    前記装置がユーザーの口の中で装着される際に、隆起した突出部は舌を方向づける、請求項1に記載の装置。
  • 下部本体内の溝部と接触する裏装材をさらに備え、
    裏装材は、下歯に下部本体を付着させ、前記装置がユーザーの口の中で装着される際に、下歯に対して力をかける、請求項1に記載の装置。
  • 前記装置は弾性材料から構築される、請求項1に記載の装置。
  • 溝部は粗面を有する、請求項1に記載の装置。
  • 舌状突出部は、上部本体の前部部分の中心から後方に伸びる中心タブと、上部本体の前部部分から後方に伸びる、中心タブの各側面に隣接した側面タブとを有し、
    前記装置がユーザーの口の中で装着される際に、舌状突出部はユーザーの上顎に触れる、請求項1に記載の装置。
  • 下底は平坦な面を有する、請求項1に記載の装置。
  • 上顎切歯を有する上歯、下歯、口蓋、舌、および唇を含む口を有する患者の不正咬合を矯正するための方法であって、
    前記方法は、
    不正咬合を有する患者の口に前記装置を挿入する工程であって、前記装置が上部本体と下部本体を有し、下部本体が上部本体の下にあり、上部本体が傾斜した面と後方に伸びる舌状タブとを有する前部部分、および、一段高い咬合面を有する後部部分を備え、下部本体が下部本体から伸びるシールドを有し、下部本体が口の中に置かれるとき、シールドは下歯を囲み、および、下部本体が前方延長部と溝部を有する、工程、
    前記装置の上部本体に対して舌を押し付ける工程であって、前記装置が患者の口の中で装着される際に、上部本体の舌状タブが口蓋に触れる、工程、および、
    患者の口の中で後方方向に下歯を押す工程であって、唇が下部本体の前方延長部に触れる、工程を含む、方法。
  • 後部の上歯を下げる工程をさらに含み、一段高い咬合面は後部の上歯に触れる、請求項12に記載の方法。
  • 患者の口に対して前方および下方に上顎切歯をガイドする工程をさらに含み、傾斜面が上顎切歯に触れる、請求項12に記載の方法。
  • 下部本体の溝部に裏装材を加える工程をさらに含み、裏装材が下歯に触れる、請求項12に記載の方法。
  • 硬化性材料で下歯を囲む工程をさらに含み、硬化性材料が硬化する際に下歯と一致する裏装を形成する、請求項12に記載の方法。
  • ユーザーの口の中で上歯および下歯に隣接するように装着される歯列矯正システムであって、前記ユーザーは上顎、下顎、唇、および舌を有し、上歯は上顎切歯と上顎臼歯を有し、下歯は下顎切歯と下顎臼歯を有し、
    前記歯列矯正システムは、
    前部部分と、前部部分の後方に位置した後部部分を備えた上部装置であって、上部装置の後部部分が上顎臼歯に接するように成形される、上部装置、
    外部シールドを有する下部装置であって、外部シールドが下部装置から垂直に下方へ伸びて下部装置内の溝を定義し、下部装置が下顎切歯と下顎臼歯に触れるように成形される、下部装置、
    下部装置内で溝部内の下歯に接する裏装であって、裏装が下歯に下部装置を付着させ、下部装置がユーザーの口の中で装着される際に、下歯に対して力を働かせる、裏装、
    上部装置の前部部分から後方に伸びるタブであって、前記タブが、上部装置がユーザーの口の中で装着される際に、ユーザーの上顎に触れて、下顎に対して前方に上顎を移動させる、タブ、および、
    下部装置の外部シールドからユーザーの口に対して前方に伸びる緩衝装置であって、下部装置がユーザーの口の中で装着される際に、唇は緩衝装置に対して後方への力を働かせて、上顎に対して下顎を後方に移動させる、緩衝装置、
    を含むシステム。
  • 上部装置内の棚部をさらに備え、
    棚部は、上部装置の前部部分の後ろにタブを備えた空胴部を形成する、請求項17に記載のシステム。
  • 下部装置に上部装置を接続するヒンジをさらに備える、請求項17に記載のシステム。
  • 上部装置の後部部分の上に一段高い表面をさらに備え、前記一段高い表面は、上部装置がユーザーの口の中で装着される際に、上顎臼歯を下げるように成形される、請求項17に記載のシステム。
  • ユーザーの口の中での不正咬合を矯正するための装置であって、前記ユーザーは唇、舌、口蓋、および、歯を有し、歯は上顎切歯と下顎切歯とを有し、
    前記装置は、
    上顎切歯に隣接する前部部分と、前部部分の後方に位置する後部部分とを有する、一般にU字型の上部本体であって、上部本体が外部周辺部と内部周辺部を有し、内部周辺部が外部周辺部の内部にあり、および、上部本体が上部本体の外部周辺部に沿って伸びる上唇部シールドを有する、外部本体、
    外部周辺部を有する一般にU字型の下部本体であって、下部本体が下部本体の外部周辺部に沿って伸びる下唇部シールドを有する、下部本体、および、
    上部本体の内部周辺部の後部部分から上方に伸びる舌状突出部であって、該装置がユーザーの口の中で装着される際に、舌状突出部はユーザーの口蓋に触れる、舌状突出部、
    を備える装置。
  • 说明书全文

    本発明は、不正咬合を矯正する、口腔用装置、システム、および方法に関する。 より具体的には、本発明は、不正咬合、とりわけ、下顎前突症を矯正するために、口腔用装置、システム、および方法とともに、口腔用装置の装着に関する。

    本発明は一般に患者に歯の治療を施すものと知られている。 一般に、患者は、例えば、歯科医、歯列矯正医、またはオフィスにいるその他の治療提供者を訪ねてもよい。 歯科医は、例えば、口腔領域および/または顎の撮像および/またはレントゲン写真を含む、様々な技術を駆使して患者を診察してもよい。 診断に達した後、歯科医は患者の状態を矯正するために、患者に口腔用装置を提供してもよい。

    口腔用装置に加えて、歯科医は、患者に口腔用装置を装着しながら行う運動についての指導を与えてもよい。 その運動は例えば、歯を矯正された位置に向けて動かすものであってもよく、不正咬合を矯正するのを支援するものであってもよい。 下顎前突症の場合、口腔用装置と運動が上顎を前に進め、下顎を引っ込め、および、オーバージェットとオーバーバイトをもたらすこともあり、これは、患者の長過ぎる下顎のような将来のIII級問題を矯正および/または防ぐのに理想的なこともある。

    しかしながら、そのような運動は患者にとって退屈であり、および/または、時間を消費するものであるかもしれない。 場合によっては、運動が患者に痛みをもたらすこともある。 したがって、患者は運動をしようという気にならないかもしれず、運動をやめるかもしれず、または、さもなければ、不正咬合に役立つおよび/または不正咬合を矯正するための運動を規則的に行わなくなることもある。 その結果、不正咬合は矯正されず完治しないことになるかもしれない。 その他の場合では、患者には運動を行う時間がないこともある。 運動をしなければ、不正咬合の完全な矯正が阻まれ、あるいは、さもなければ妨げられることもある。

    例えば、1つの特定の疾病は下顎前突症である。 下顎前突症は、顎のいずれかが頭蓋骨の前頭面においてあらかじめ決められた想像線を越えて出ている、骨格体に対する下顎および/または上顎の位置の関係であってもよい。 上顎は対になった上顎骨または上顎からなることもあり、あるいは、上顎を形成するために上顎間縫合で融合することもある2つの部分からなることもある。 同様に、下顎(lower jaw、または、mandible)は、下顎結合部の2つの部分の融合であってもよい。 下顎前突症は、上顎の歯列弓および/または下顎の歯列弓が互いに関わり合う方法を記載するために用いられてもよく、これは上歯および/または下歯が一列に並んでいない不正咬合を含んでいる。

    一般的な歯科、口腔手術、顎顔面の手術、および/または歯科矯正において、下顎前突症は臨床的にまたはX線撮影で頭蓋計測法を用いて評価されてもよい。 下顎前突症の1つ以上のタイプは、患者の上歯および/または下歯が適切に一列に並んでいない、オーバーバイトを含む不正咬合の共通状態をもたらすこともある。 頭蓋計測分析はすべてのタイプの下顎前突症を確定する最も正確な手法かもしれない。 なぜならこのような分析は、骨格体、咬合平面形成、顔面高、軟組織評価、および前歯の角形成の評価を含み得るからである。 頭部X線規格写真内の情報の様々な計算および評価により、臨床医は、歯の関係および/または骨格の関係を客観的に決めることができ、矯正のためのプランを決めることができる。

    とりわけ、下顎前突症は、顔の下三分の一に影響を与える歯牙顔面異常を伴うクラスのIII不正咬合である。 下顎前突症は、下顎切歯が上顎切歯に重なることの多い、下顎の突出を特徴とするものであってもよい。 突き出た下顎は、下顎自体を前方に位置付けることによって引き起こされものであってもよい。

    アングルIII級不正咬合を矯正する際にもっとも良い結果を生み出すために、まず、不正咬合の病因が明らかにされ、次に、適切な様式が決定されてもよい。 アングルIII級不正咬合は3つの種類に分類されてもよい。 A型は真性下顎前突症であり、これは、上顎は正常であるが、下顎が成長し過ぎたことを意味する。 B型は反対咬合を伴う、成長し過ぎた上顎と下顎を特徴としている。 C型は反対咬合を伴う低形成の上顎を示す。 様式は、アングルIII級不正咬合の分類に従って差次的決定されてもよい。

    多くのIII級不正咬合にとって、外科手術が最良の代替策であることもある。 不一致な骨格の量によって、外科的矯正は、下顎の後方移動、上顎の前方移動、または、下顎と上顎の処置の組み合わせからなるものであってもよい。 骨格の不一致を外科的に矯正した後、咬合は通常、I級関係までで歯科矯正的には完了することもある。

    III級不正咬合の外科的矯正、とりわけ、下顎前突症は、様々な方法、例えば、下顎を引っ込めるための両側性の下顎矢状分割術(a bilateral sagittal split osteotomy)、または、上顎を前方に進めるためのLe FortI型処置、または、これらの処置の組み合わせで行われてもよい。 しかしながら、関連する手術のリスクと合併症は、費用の増加とあわせて考慮しなければならない。

    非外科的な代替策は、外科的に達成され得る結果と比較可能な結果をもたらしうる場合、歯科医および/または歯列矯正医は、患者に対してそのような非外科的手法を考慮および/または考慮してもよい。 場合によっては、非外科的な手法は、歯科医、歯列矯正医、および/または、患者の好ましい選択であってもよい。

    例えば、顔の成長による修正は、子どもを育てる際に骨格のIII級顎の不調和を解決する有効な方法かもしれない。 顎カップ(chin cup)、フェイスマスク、顎カップ牽引具と結合した上顎前突部、および、Fraenkelの機能性レギュレーター(functional regulator)III装置を含む歯牙顔面矯正装具が使用されてもよい。 歯科矯正治療と併用した下顎矯正手術は、成人患者の下顎前突症の矯正に必要とされることもある。 一般に、多くの口腔用装置は、患者の歯列を収容するおよび/または移動させるための、上唇部シールド(labial shield)と下唇部シールドを有している。 特定の合には、上部歯列または下部歯列を移動させてもよい。 他の場合には、上部歯列および下部歯列を移動させてもよい。 上唇部シールドが提供されない場合、上部アーチと全体の上部歯列は口腔用装置によって前方に押し出されてもよい。

    したがって、若い患者の下顎前突症を矯正するための非外科的な手法に対するニーズが存在する。 不正咬合、とりわけ、下顎前突症を矯正するために、口腔用装置の装着と組みわせて、不正咬合を矯正するために必要とされる患者の協および/または運動の量を減らすための方法に対するニーズも存在する。

    本発明は不正咬合を矯正するための口腔用装置および方法に関する。 より具体的には、本発明は、不正咬合、とりわけ、下顎前突症を矯正するために、口腔用装置、システム、および方法とともに、口腔用装置の装着に関する。

    この目的を達成するために、本発明の実施形態において、ユーザーの口の不正咬合を矯正するための口腔用装置が提供される。 ユーザーは、唇、舌、上顎、および歯を有している。 歯には上顎切歯と下顎切歯がある。 口腔用装置は、切歯に隣接した前部部分と前部部分の後方に位置する後部部分を備えた、一般にU字型の上部本体を有してもよい。 上部本体は上底を有してもよく、上底の外部境界を定義する周辺を有する。 上部本体は上部本体の後部部分の周辺に沿って伸びる壁を有してもよい。 口腔用装置は、切歯に隣接した前部部分を備えた一般にU字型の下部本体も有してもよい。 下部本体は下底を有してもよく、下底の外部境界を定義する周辺を有する。 下底は、ユーザーの歯の幅よりも大きな幅を有している。 下部本体は、下部本体中の溝部を定義する下部本体の周辺に沿って伸びる壁を有してもよい。 舌突出部は上部本体の前部部分から後方に伸びてもよい。 口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、舌突出部は、ユーザーの上顎に接触してもよい。 突出部は、下部本体の前部部分から口に対して前方に伸びてもよい。 口腔用装置がユーザーの口の中で装着され、下歯に対して後方に力をかけ得る場合、突出部はユーザーの口に触れてもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は、上部本体の上底の後部部分上に隆起した表面を有してもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は、上部本体から一般に平方向に突き出た棚部を有してもよい。 棚部は上部の前方の土台に隣接してもよく、ユーザーの口の中で後方に伸びてもよく、および、口腔用装置がユーザーの口の中で装着されるとき、舌をガイドする表面を提供してもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は、上部本体の前部部分上の上底に対する角度で伸長し得る傾斜を有してもよい。 傾斜は、上顎切歯上に力を働かせてもよく、口腔用装置がユーザーの口の中で装着されるとき、上顎切歯を前方および後方にガイドしてもよい。

    一実施形態では、上底は口の中の最も離れた歯に触れてもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は、舌突出部の1つの上に隆起した突出部を有してもよい。 口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、隆起した突出部は舌を方向づけてもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は、下部本体内の溝部と接触する裏装材を有してもよい。 裏装材は下歯に下部本体に付着させてもよく、口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、下歯に対して力をかけてもよい。

    一実施形態では、口腔用装置は弾性材料から構築されてもよい。

    一実施形態では、溝部は粗面を有してもよい。

    一実施形態では、舌突出部は、上部本体の前部部分の中心から後方に伸びる中心タブと、上部本体の前部部分から後方に伸びる中心タブの各側面に隣接している側面タブを有してもよい。 口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、舌突出部は、ユーザーの上顎に触れてもよい。

    一実施形態では、下底は平面を有してもよい。

    本発明の別の実施形態において、患者の不正咬合を矯正するための方法が提供される。 患者は上顎切歯を有する上歯、下歯、口蓋、舌、および唇を含む口を有している。 該方法は、不正咬合を有する患者の口に口腔用装置を挿入する工程を有してもよい。 口腔用装置は上部本体と下部本体を有し、下部本体は上部本体の下にある。 上部本体は傾斜した面と後方に伸びる舌状タブとを有する前部部分、および、一段高い咬合面を有する後部部分を備えてもよい。 下部本体は下部本体から伸びるシールドを有してもよい。 下部本体が口の中に置かれるとき、シールドは下歯を囲んでもよい。 下部本体は前方延長部と溝部を有してもよい。 該方法は、口腔用装置の上部本体に対して舌を押し付ける工程であって、その結果、口腔用装置が患者の口の中で装着される場合、上部本体の舌状タブが口蓋に触れる、工程を含んでもよい。 該方法は、患者の口の中で後方の方向に下歯を押す工程であって、その結果、唇が下部本体の前方延長部に触れる、工程も含んでもよい。

    一実施形態では、該方法は、後部の上歯を下げる工程であって、その結果、一段高い咬合面が後部の上歯に触れる、工程を含んでもよい。

    一実施形態では、該方法は、患者の口に対して前方および下方に上顎切歯をガイドする工程であって、その結果、傾斜面が上顎切歯に触れる、工程を含んでもよい。

    一実施形態では、該方法は、下部本体の溝部に裏装材を加える工程であって、その結果、裏装材が下歯に触れる、工程を含んでもよい。

    一実施形態では、該方法は、硬化性材料で下歯を囲む工程であって、その結果、硬化性材料が硬化する際に下歯と一致する裏装を形成する、工程を含んでもよい。

    本発明のさらなる実施形態では、ユーザーの口の中で上歯および下歯に隣接するように装着された歯列矯正システムが提供される。 ユーザーは上顎、下顎、唇、および舌を有している。 上歯には上顎切歯と上顎臼歯があり、下歯には下顎切歯と下顎臼歯がある。 歯列矯正システムは、前部部分と、前部部分の後方に位置した前部部分を備えた上部口腔用装置を有してもよい。 上部口腔用装置の後部部分は、上顎臼歯に接するように成形されてもよい。 歯列矯正システムは下部口腔用装置を有してもよく、下部口腔用装置は、下部口腔用装置から垂直に下方へ伸びる外部シールドが下部口腔用装置内の溝を定義する。 下部口腔用装置は下顎切歯と下顎臼歯に触れるように成形されてもよい。 歯列矯正システムは、下部口腔用装置内で溝部内の下歯に接する裏装を有してもよい。 裏装は、下歯に下部口腔用装置を付着させてもよく、下部口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、下歯に対して力を働かせてもよい。 歯列矯正システムは、ユーザーの上顎に触れるために上部口腔用装置の前部部分から後方に伸びるタブを有してもよく、上部口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合に下顎に前方に上顎を移動させてもよい。 歯列矯正システムは、下部口腔用装置の外部シールドからユーザーの口に対して前方に伸びる緩衝装置を有してもよく、その結果、唇は緩衝装置に対して後方への力を働かせ、下部口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合、上顎に対して下顎を後方に移動させる。

    一実施形態では、該システムは上部口腔用装置の中に棚部を有してもよい。 棚部は、上部口腔用装置の前部部分の後ろにタブを備えた空胴部を形成してもよい。

    一実施形態では、該システムは、下部口腔用装置に上部口腔用装置を接続するヒンジを有してもよい。

    一実施形態では、該システムは、上部口腔用装置の後部部分の上に一段高い表面を有してもよい。 一段高い表面は、上部口腔用装置がユーザーの口の中で装着される場合に、上顎臼歯を下げるように成形されてもよい。

    本発明のさらに別の実施形態では、ユーザーの口腔の不正咬合を矯正するため装置が提供される。 該装置は、上顎切歯に隣接する前部部分と、前部部分の後方に位置する後部部分とを有する、一般にU字型の上部本体を備えてもよい。 上部本体は外部周辺部と外部周辺部の内部にある内部周辺部を有してもよい。 上部本体は上部本体の外部周辺部に沿って伸びる上唇部シールドを有してもよい。 外部周辺部を有する一般にU字型の下部本体は、下部本体の外部周辺部に沿って伸びる下唇部シールドを有してもよい。 舌突出部は一般に、上部本体の内部周辺部の後部部分から上方に伸びてもよい。 該装置がユーザーの口の中で装着される場合、舌突出部はユーザーの口蓋に触れてもよい。

    したがって、口腔用装置、および、口腔用装置を使用して不正咬合を矯正する方法を提供することが、本発明の利点である。

    本発明の別の利点は、不正咬合の矯正に必要な時間を減らす、口腔用装置、および、口腔用装置を使用して不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のまた別の利点は、不正咬合を矯正するために患者に要求される運動を減らす、口腔用装置、および、口腔用装置を使用して不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明の別の利点は、口腔用装置、および、口腔用装置を使用して不正咬合を矯正する方法を提供することであって、患者は夜間の受動的な装着時間に口腔用装置を装着してもよいことである。

    本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、大部分の患者が不正咬合を矯正するために口腔用装置を装着する気にさせることである。

    本発明のさらに別の利点は、口腔用装置、および、口腔用装置を使用して不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置が、例えば、睡眠の間に口腔用装置の受動的に装着された状態で患者の歯に付着してもよいことである。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は前歯および/または奥歯に対する圧力をかけてもよい。

    さらに、本発明の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、下部アーチおよび上部アーチで同時に装着されてもよい。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、ユーザーによって加えられる咬合力を必要とすることなく、不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明の別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、歯から遠ざかる口腔用装置の移動を防ぐために成形された、正確な位置への歯の動きをもたらし得る1つ以上のシールドを有する。

    さらに、本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、口蓋を広げるため、および/または、口蓋を前方方向に進めるために、口蓋に対する圧力をかけるべく口蓋に接触してもよい。

    本発明の別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、口腔用装置が歯から滑り落ちるのを防ぎ、歯を効率的に動かす、保持能力を有している。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、2以上の歯のための内表面を有してもよい。

    本発明の別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、上顎と下顎の位置合わせを可能にする。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は弾性材料で作られた装置を備えてもよい。

    またさらなる本発明の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、口蓋の上部アーチの拡大を促すべく想定される一段高い位置に舌を促すために、上部の舌領域にタブを有してもよい。

    また、本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は上部本体の後部部分に口蓋のタブを有することで、口蓋のタブに対して舌で圧力をかけやすくして、口蓋の拡大を促してもよい。

    本発明の別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、使用中に舌を前方に押し出すことを思い出させるために、正中線の上部舌領域に突出部を有してもよい。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、使用中に舌を前方に押し出すことを思い出させるために、口腔用装置の上部舌領域に隆起部を有してもよい。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、使用中に舌を前方に押し出すことを思い出させるために、口腔用装置の上部舌領域に注意喚起用(reminder)の隆起を有してもよい。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、下顎突出部のようなIII級型の顎間関係を矯正するために下顎を引っ込めてもよい。

    本発明のまたさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、口腔用装置の一段高い後部領域と組み合わせて前部の舌部シールドのほぼ完全に取り除くことで、舌状部から歯を押圧する舌によって奥歯を上方向に押し出すことが可能となる。

    本発明の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、正方形、先細り形状、または、通常の形をしたアーチなどの様々なアーチ形状などの装置を提供してもよい。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、任意の領域の口腔用装置にゴム、シリコーン、アクリルなどの材料を用いて、口腔用装置の保持性または適合性を増強する、および、この領域の歯の動きを止めてもよい。

    さらに、本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは様々な大きさの口腔用装置を提供することで、不正咬合を矯正し、および、乳歯、混合歯列、および/または永久歯列の様々な年齢の歯を強化してもよく、ならびに、諸問題が進行するのを防ぐ、および/または、諸問題を矯正してもよい。

    本発明のまたさらなる利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、歯の萌出を制御し、および/または、特定の歯を下げることで、不正咬合を制御してもよい。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、後の段階で規則的な歯列矯正器および/または他のタイプの歯科矯正装置を回避するのに十分なほど歯を強化するものであってもよい。

    本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、これは、通常の顎および/または臼歯関係を有するアングルI級、低い顎および/または通常の位置よりも奥にある臼歯を有するアングルII級、あるいは、低い顎および/または前方位置にある臼歯を有するアングルIII級であろうとなかろうと、顎間関係を矯正してもよい。

    同様に、本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法を提供することであって、口腔用装置は、特定の問題を矯正する際に、より快適でおよび/またはより効率的となるように、様々な弾力性および/または剛性で製造されてもよい。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置を提供することであって、これは、口腔用装置をのどに詰まらせたり、および/または飲み込んだりすることを防ぐものであってもよい。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、患者の咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、若い人の不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、永久歯および/または乳歯が口の中にあるおよび/または口の中で萌出している間に、ヒトの不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のさらなる利点は、口腔用装置、および、口の中の所望の位置に萌出歯をガイドすることによって、ヒトの不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、短時間で不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のまたさらなる利点は、1つの口腔用装置しか必要としない、患者の不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のまた別の利点は、口腔用装置、および、患者の不正咬合を矯正する廉価な方法を提供することである。

    本発明のさらに別の利点は、口腔用装置、および、一般市民にとって魅力的な患者の不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    さらに、本発明の1つの利点は、口腔用装置、および、歯科医または歯列矯正医による(たとえあるにせよ)調整、および/または、(たとえあるにせよ)面会をほとんど必要としない、患者の不正咬合を矯正する方法を提供することである。

    本発明のさらなる特徴と利点は、本発明の好ましい実施形態の詳細な記載と図面に記載されており、これらから明らかとなるであろう。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の側面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の正面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の平面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の背面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の底面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の底面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の側面図を示す。

    本発明の一実施形態における口腔用装置の平面図を示す。

    本発明は、口腔用装置、および、不正咬合を矯正する方法に関する。 より具体的には、本発明は、口腔用装置、および、不正咬合、とりわけ、下顎前突症を矯正するために、口腔用装置の装着と併用した、システムおよび方法に関する。

    ここで図面を参照すると、類似する番号が類似の部品を参照しており、図1−6は、患者の口の中での歯科用および/または歯列矯正用に用いられる口腔用装置(10)の実施形態の様々な図面を例証している。 口腔用装置(10)は、約3歳から8歳の患者によって装着されてもよい。 しかしながら、その他の年齢の患者も口腔用装置(10)を使用してもよい。 口腔用装置(10)は、ゴム、プラスチック、シリコーン、および/または類似の材料から構築されてもよい。 口腔用装置(10)は弾性材料で構築されてもよい。 口の中で装着されるとき、口腔用装置(10)の弾力性は、患者にとってのデバイスの快適さおよび/または性能を改善することもある。

    一実施形態では、口腔用装置(10)は上部本体(12)および下部本体(14)を有してもよい。 上部本体(12)および/または下部本体(14)は、患者の口腔解剖学に対応するように、および/または、患者の口の中で収まるように一般にU字型であってもよい。 もちろん、上部本体(12)および/または下部本体(14)の形状は、患者の口腔解剖学の変更形態に合うような様々な形状で構成されてもよい。 患者の口腔解剖学のばらつきは、口の大きさ、口の形状、患者の歯列弓(arch of the dentition)、患者の年齢、患者の民族性などによるものであってもよい。 したがって、上部本体(12)および/または下部本体(14)の一般的なU字形を、患者次第で、狭めたり、広げたり、長くしたり、および/または、短くしたりしてもよい。 上部本体(12)および/または下部本体(14)の形状は、任意の患者の解剖学的構造のために設計されてもよい。

    上部本体(12)は前部部分(16)と、前部部分(16)の反対側に位置した後部部分(18)を有してもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、前部部分(16)は、患者の口腔の近くおよび/または前面に位置付けられてもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、後部部分(18)は、患者の口腔内の最も離れた場所に位置付けられてもよい。 したがって、上部本体(12)の前部部分(16)は、患者の口の前部にある唇の後方の唇側領域に隣接して位置付けられてもよい。 口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される場合、上部本体(12)は、患者の上顎、上顎骨、および口蓋内の上歯に隣接して配されてもよい。

    下部本体(14)は、前部部分(20)と、前部部分(20)の反対側に位置する後部部分(22)を有してもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、前部部分(20)は、患者の口腔の近くおよび/または前面に位置付けられてもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、後部部分(22)は、患者の口腔内で最も離れた場所に位置付けられてもよい。 したがって、下部本体(14)の前部部分(20)は、患者の口の全部にある唇の後方の唇側領域に隣接して位置付けられてもよい。 口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される場合、下部本体(14)は、患者の下顎および/または下顎骨内の下歯に隣接して配されてもよい。

    上部本体(12)の後部部分(18)は後部端部(24)を有してもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、上部本体(12)の後部部分(18)の後部端部(24)は、患者の口腔から最も離れて、および/または患者の口腔の後部付近に位置付けられてもよい。 したがって、上部本体(12)の後部端部(24)は、患者の上顎臼歯の近くの口の奥付近に配されてもよい。

    下部本体(14)の後部部分(22)も後部端部(26)を有してもよい。 口腔用装置(10)が患者によって装着される場合、下部本体(14)の後部部分(22)の後部端部(26)は、患者の口腔から最も離れて、および/または患者の口腔の後部付近に位置付けられてもよい。 したがって、下部本体(14)の後部端部(26)は、患者の下顎臼歯の近くの口の奥付近に配されてもよい。

    本発明の一実施形態では、口腔用装置(10)は、上顎を前方に進め得る上顎骨の前部部分に舌を押しつける患者によって、上顎骨を前に進めるように設計されてもよい。 一実施形態では、口腔用装置(10)の上部本体(12)は上底(30)を有してもよく、下部本体(14)は下底(31)を有してもよい。 上底(30)は患者の上歯を収容してもよく、下底(31)は患者の下歯を収容してもよい。 下底(31)はさらに下唇部シールド(32)も有してもよい。 しかしながら、上底(30)には唇部シールドは一つも設けられない。

    患者の口腔と上部歯列に対する口腔用装置(10)の形状および/または大きさによって、上歯のなかには、上底(30)に接触しない、および/または上底(30)内部に収まらない、および/または上底(30)に合わないこともある。 同様に、上底(30)は一段高い部分(35)を有してもよい。 一段高い部分(35)は、口腔用装置(10)の上部本体(12)の後部部分(18)の近くに配されてもよい。 一段高い部分(35)は、上部本体(12)の前部部分(16)に向かって前方方向に後部の端部(24)から伸びてもよい。 上部本体(12)はさらに、上部本体(12)に取り付けられる上壁(37)を有してもよい。 上壁(37)は、上部本体(12)の上底(30)上の左上側面(38)と右上側面(39)のそれぞれの後部部分(18)の外周面から上方に垂直に伸びてもよい。 上底(30)は上部歯列のすべておよび/または一部を収容してもよい。 上部の奥歯、例えば、臼歯は、上壁(37)内部の上底(30)に合ってもよい。 患者が口腔用装置(10)を装着する際、一段高い部分(35)は上部の奥歯を下げてもよい。 上部の奥歯の歯列を下げることは、上部の前歯を萌出させるように促すことにより、患者の咬合を深くしてもよい。

    同様に、上壁(37)は、患者にとっての安全性レベルを増加させ得る。 例えば、上壁(37)は、口腔用装置(10)の物理的な大きさを増加させ、その結果、上壁(37)は、患者の口の中での口腔用装置(10)の過度なおよび/または望ましくない移動を阻害し得る。 同様に、上壁(37)は、口腔用装置(10)が呑み込まれることを阻害し得る。

    上顎骨の前進を増加させるために、口腔用装置(10)の実施形態はさらに、例えば、3つの領域で、上方および/または後方方向に延びる突出部および/またはタブも有してもよい。 一実施形態では、中央のタブ(40)は、患者の上顎中切歯のそばに、および、その上に設けられてもよい。 加えて、側方タブ(41)は、中央のタブ(40)の各側部に設けられてもよい。 側方タブ(41)は、患者の口の内部の各側部にある上部側歯および/または犬歯に対して舌側にある、および/またはこれらの上にあってもよい。 したがって、3つのタブ(40)および(41)が一実施形態で設けられてもよい。 しかしながら、本発明は特定の数のタブには限定されず、その他のタブの数も本発明の範囲内で提供され得る。

    中央のタブ(40)には表面(42)と裏面(43)があってもよい。 中央のタブ(40)の表面(42)は一般に平面であってもよい。 同様に、側方タブ(41)にも表面(44)および/または裏面(45)があってもよい。 側方タブ(41)の表面(44)も一般に平面であってもよい。

    口腔用装置(10)が患者によって装着される際、中央のタブ(40)の表面(42)、および/または、側方タブ(41)の1つおよび/または両方の表面(44)は、上顎骨に接触してもよい。 中央のタブ(40)の表面(42)と、本体(15)の上部部分の側方タブ(41)の1つおよび/または両方の表面(44)との組み合わせは、上顎骨の全体部分を押圧してもよい。 したがって、中央のタブ(40)の表面(42)、および/または、側方タブ(41)の1つおよび/または両方の表面(44)との組み合わせは、前上顎骨の全領域に、より完全な圧力を生み出し得る。

    図4に示される実施形態では、注意喚起用(reminder)の隆起(47)は、中央のタブ(40)の裏面(43)の上部辺縁、および/または、側方タブ(41)の1つおよび/または両方の裏面(45)の上部辺縁に配されてもよい。 注意喚起用隆起(47)は、中央のタブ(40)の裏面(43)に、および/または、側方タブ(41)の1つおよび/または両方の裏面(45)の上部辺縁に、一体的に形成されてもよい。 注意喚起用隆起(47)は患者の舌によって検知可能な高くなった突出部であってもよい。 注意喚起用隆起(47)は、一般に、円形、卵形、長方形、および/または、三角形の形状であってもよい。 しかしながら、任意の形状が使用されてもよい。 したがって、口腔用装置(10)が患者によって装着される際に、注意喚起用隆起(47)は患者にとってのガイドとして使用されてもよい。

    例えば、患者の舌は、中央のタブ(40)の裏面(43)上の注意喚起用隆起(47)、および/または、側方タブ(41)の裏面(45)の1つおよび/または両方の注意喚起用隆起(47)の1つおよび/または両方を感じ得る。 注意喚起用隆起(47)は、圧力をかけるべき口腔用装置(10)の適切な領域についての便宜的な兆候を患者に与えるものであってもよい。

    さらに、口腔用装置(10)は、中央のタブ(40)および/または側方タブ(41)の近くに配された上前部の舌部分(50)を有してもよい。 患者の舌は、中央のタブ(40)の裏面(43)、および/または、側方タブ(41)の1つのおよび/または両方の裏面(45)で、注意喚起用隆起(47)を押してもよい。 中央のタブ(40)の裏面(43)、および/または、側方タブ(41)の1つのおよび/または両方の裏面(45)に対して患者の舌によって加えられうる圧力により、中央のタブ(40)の表面(42)、および/または、側方タブ(41)の1つのおよび/または両方の表面(44)は、患者の口蓋の前部部分と接触するようになる。 したがって、患者の舌によってかけられた圧力が、口蓋の前部部分に対して前方に移されることで、口蓋を前に押し出してもよい。 この活動から生じた圧力は、適切な領域の上顎骨全体を前に進めてもよい。 さらに、上顎骨を押す舌が、横口蓋縫合線を開くことで、上顎骨全体が前部および/または前方位置に押し出すことが可能となる。 このようにして舌を押し出すことで、とりわけ若い患者のIII級の下顎の過形成の矯正に役立つこともある。

    一実施形態では、口腔用装置(10)の上方前部の舌部分(50)は棚部(51)を有してもよい。 棚部(51)は、中央のタブ(40)の裏面(43)、および/または、側方タブ(41)の1つおよび/または両方の裏面(45)よりも下に配されてもよい。 棚部(51)は、患者の前部の口蓋および上顎骨に対して口腔用装置(10)を正確に位置付けるために、最も高い位置まで舌を上方に導くべく、前方および上方に傾斜してもよい。 したがって、中央のタブ(40)の裏面(43)上の注意喚起用の隆起部(47)、ならびに/あるいは、側方タブ(41)の裏面(45)の1つおよび/または両方の注意喚起用の隆起部(47)の1つおよび/または両方に加えて、上部の舌部分(50)の棚部(51)の緩やかな傾斜は、上顎骨全体を適切な方向に進めるように舌を導くために使用されてもよい。

    さらに、傾斜(52)は、上部本体(12)の前部部分(20)の上底(30)に対して傾斜して伸張してもよい。 傾斜(52)は、上顎切歯上の力をかけてもよく、口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される際に、上顎切歯を前方および下方に導いてもよい。 傾斜(52)の角度は、患者のオーバージェットおよび/またはオーバーバイトを増加させるために、上顎切歯を前方および/または下方に導いてもよい。 そうすることで、若い患者のIII級の下顎の過形成を矯正するのに役立つこともある。

    上部の舌部分(50)に対して、舌によってかけられた全部および/または前方の圧力に加えて、とりわけ、中央のタブ(40)の裏面(43)上の注意喚起用の隆起部(47)、ならびに/あるいは、側方タブ(41)の裏面(45)の1つおよび/または両方の注意喚起用の隆起部(47)の1つおよび/または両方に加えて、圧力は、後部および/または後方の方向に下部歯列に対して同時にかけられてもよい。 同時の後方への圧力は、緩衝装置(55)の結果であってもよい。 緩衝装置(55)は、口腔用装置(10)の下部部分(14)の前部部分(20)上の下唇部シールド(32)の唇部分にわたって唇側に拡大した領域であってもよい。 下部歯列に対する後方への圧力は、若い患者のIII級の下顎の過形成の矯正で役に立つこともある。 患者の唇は、後部方向に下部歯列を動かすために緩衝装置(55)に対して圧力をかけてもよい。 口の唇と唇構造は緩衝装置(55)に対して連続力を与えてもよく、その一方で口腔用装置(10)は患者の口の中で装着されてもよい。

    ここで図4および5を参照すると、一実施形態では、口腔用装置(10)の下部本体(14)は、下部本体(14)の外周に配された下唇部シールド(32)を有してもよい。 下部本体(14)はさらに内部の突起部(62)を有してもよい。 下唇部シールド(32)と内部の突起部(62)は、下部の溝部(65)を定義してもよい。 口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される際、下部の溝部(65)は患者の下部歯列のすべておよび/または一部を収容してもよい。 患者の口腔および下部歯列に対する口腔用装置(10)の形状および/または大きさ次第で、下歯のいくつかは下部の溝部(65)内部には収まらないこともある。

    図で示されるように、下部本体(14)は、口腔用装置(10)を形成するために上部本体(12)と結合され得る。 口腔用装置(10)の下底(31)に形成された下部の溝部(65)は、下部本体(14)の外周上の下唇部シールド(32)によって、および、下部本体(14)の内周の内部突起部(62)によって、定義されてもよい。

    一実施形態では、患者の口の中での口腔用装置(10)の保持力、および/または、口腔用装置(10)を用いた不正咬合の矯正の有効性を増加させ得る方法が提供されてもよい。 例えば、図6で示されるように、下部本体(14)の下底(31)上の下部の溝部(65)は、裏装材(60)を収容してもよい。 裏装材(60)は例えば、自己硬化型アクリルであってもよい。 一実施形態では、裏装材(60)は、例えば、シリンジ(61)から注入されてもよい。 裏装材(60)を例えば、スパーテル(63)を使用して加えることで、必要に応じて、下部の溝部(65)に裏装材(60)を広げてもよい。

    一実施形態では、口腔用装置(10)の下部本体(14)の下底(31)は、ざらざらした、きめの粗い、および/または、丸い表面(以降、表面(67))を有してもよい。 表面(67)は、下唇部シールド(32)および/または内部の突起部(62)の内部で、および/またはこれに沿って、下部溝部(65)に置かれてもよい。 表面(67)は裏装材(60)を固定してもよい。 表面(67)は、裏装材(60)が下底(31)から離れるようになるのを防いでもよい。 表面(67)は、口腔用装置(10)の下部の溝部(65)に対する裏装材(60)のより優れた付着をもたらしてもよい。 下部の溝部(65)の表面(67)に裏装材(60)を挿入した後に、口腔用装置(10)は患者の口の中に置かれてもよい。 口腔用装置(10)は、患者の下歯に対して強制的に押されてもよい。 特に、下底(31)は、下歯に強制的に押し下げられてもよい。 患者は、裏装材(60)がセットされるまで、圧力下で口腔用装置(10)を維持するために噛みしめてもよい。 裏装材(60)がセットされる際、口腔用装置(10)は患者の口から取り除かれてもよい。

    一実施形態では、裏装材(60)は、例えば、2分半のあいだ、患者の口の中で硬化してもよい。 裏装材(60)は周囲に流れて、下部歯列を少なくとも部分的に囲むおよび/または包むことで、硬化した裏装材(60)の裏装(69)を形成してもよい。 硬化した裏装材(60)の裏装(69)は、図6に示されるように、奥の舌歯の少なくともいくつかの上にぴったり合う裏装であってもよい。 裏装(69)は、口腔用装置(10)と患者の下部歯列の間しっかりとおよび/またはぴったりとフィットしてもよい。 したがって、硬化して裏装(69)なると、裏装材(60)は患者の歯に口腔用装置(10)を固定し得る。 裏装(69)の目的は、口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される際に、患者の下部歯列全体を遠位および/または後方方向に移動させることを可能にすることであってもよい。

    裏装材(60)は、歯が接触し得る任意の領域の口腔用装置(10)に配されてもよい。 例えば、指定されたあるケースでは、下部溝部(65)の正面の下前歯(例えば、切歯)は、裏装材(60)で裏打ちされてもよい。 したがって、下前歯は、後方方向に動かされる際に、傾くことなく動くことを許されてもよい。 しかしながら、その他の場合では、下部溝部(65)の正面の下前歯は、裏装材(60)で裏打ちされてもよい。 例えば、下前歯の叢生の場合、裏装材(60)で、下部溝部(65)の正面の下前歯を裏打ちしない方が好ましいこともある。 したがって、後方の下歯は、遠位に配されてもよく、および/または、後方方向に動かされてもよく、これは、下前歯が動く余地を与えるもので、このことは下前歯の叢生を和らげることもある。

    一実施形態では、口腔用装置(10)は図1に示されるようにヒンジで連結されてもよい。 下部本体(14)を、後部の端部(26)の近くで上部本体(12)につなげることで、患者の上顎および/または下顎の開口が可能となり得る。 ヒンジで連結した口腔用装置(10)は、患者に対する快適さを増加させてもよい。 とりわけ、幼児が口の中で口腔用装置(10)を装着する際、口腔用装置(10)は患者の口の中で安定してもよい。 口腔用装置(10)のヒンジで連結された構造は、患者に対する安全性を増加させてもよい。 例えば、口腔用装置(10)のヒンジで連結された構造は、患者の口の中での口腔用装置(10)の過剰なおよび/または望ましくない動きを防いでもよく、および/または、口腔用装置(10)の誤嚥を防いでもよい。

    したがって、患者がくつろいだり、休んだり、および/または、眠っている夜間に、口腔用装置(10)は装着されてもよい。 しかしながら、起きている時間帯に口腔用装置(10)を使用すれば、矯正が改善され、および/または不正咬合の矯正に必要な時間が短くなることもある。 好ましくは、患者は、眠っている間、および、口蓋の上前部分に舌を押しつけて一日2時間、口腔用装置(10)を装着してもよい。

    患者は、既存の装置で必要とされるほどの協同作用を必要とすることなく、不正咬合を矯正し得る運動を行ってもよい。 この目的のために、患者は、中央のタブ(40)の裏面(43)上の注意喚起用の隆起部(47)、ならびに/あるいは、側方タブ(41)の裏面(45)の1つおよび/または両方の注意喚起用の隆起部(47)の1つおよび/または両方に対して舌を前方に押し当ててもよい。 さらに、歯の動きは、不正咬合の矯正に必要な運動または他の協同作用の量を減らすこともある。 歯の叢生によって患者の口の内部で空間が必要とされる場合、口腔用装置(10)を装着するまえに、1本以上の歯を取り除く、および/または、除去してもよい。

    その結果、患者は、例えば、患者が起きているまたは活動的な昼間に、口腔用装置を装着する必要性を減らせるかもしれない。 しかしながら、不正咬合を矯正する時間全体は伸びることもある。 一例では、患者が不正咬合を矯正するのにかかる全治療時間は、患者が起きているまたは活動的な時間帯の装着時間を減らして、4乃至10か月間から2年以上まで伸びることもある。

    図7および8で例証された別の実施形態では、口腔用装置(10)の上部本体(12)は、上部本体(12)の外周に配された上唇部シールド(70)を有してもよい。 上部本体(12)は、上部本体(12)の後部部分(18)の内周に配された外側の口蓋タブ(72)も備えてもよい。 上唇部シールド(70)と口蓋のタブ(72)は、上部溝(75)を定義してもよい。 口腔用装置(10)が患者の口の中で装着される際、上部溝(75)は患者の上部歯列のいくつかおよび/またはすべてを収容してもよい。 患者の口腔と上部歯列に対する口腔用装置(10)の形状および/または大きさ次第で、上歯のうちのいくつかが上部溝(75)内に収まらなくてもよい。

    図7および8で示されるように、口蓋のタブ(72)は、口腔用装置(10)の上部本体(12)の内周に形成され、および/または、該内周上に形成されてもよい。 口蓋のタブ(72)は、口腔用装置(10)と一体的に形成されてもよい。 口腔用装置(10)の口蓋のタブ(72)は、患者の口蓋に近接、接触、および/または、隣接してもよい。

    口蓋のタブ(72)は、患者が圧力をかける表面を設けてもよい。 例えば、患者は、舌を口蓋のタブ(72)に押しつけることによって口蓋を持ち上げるように命じられるかもしれない。 口蓋のタブ(72)を押圧する舌は側圧をかけ、側圧により、例えば、親指しゃぶりおよび/または指しゃぶりによって引き起こされて狭くなった口蓋を広げられてもよい。 口蓋のタブ(72)を押圧する舌はさらに、引き続き習慣化した指しゃぶりによって口蓋が狭くなるのも阻害するおよび/または防ぐ。 さらに、口蓋のタブ(72)を押圧する舌は、前方向への上顎骨の前進が望ましくない、および/または、患者の状態に適用されない一例においては、狭くなった口蓋を広げる側圧をかけてもよい。

    示されているように、実施形態では、口蓋のタブ(72)は、どこを押すべきか舌に思い出させるために、環状の隆起(73)を有してもよい。 隆起(73)は環状および/または球形であってもよい。 隆起(73)が当業者によって知られているような任意の形状に構築されてもよいことに留意する。

    さらに、口蓋のタブ(72)上の隆起(73)は、口腔を閉じている間、および/または、閉位置で口腔用装置(10)を装着する間に、患者の舌を正しい位置に動かすように患者に思い出させるものであってもよい。 さらに、口蓋のタブ(72)は、患者の飲み込む動作の間、および/または、患者の飲み込む動作の合間の休息期間の間に、舌を正確な位置に動かすよう患者を促してもよい。

    さらに、本発明は、図で例証された部品の特定の配置に限定されない。 本明細書に記載される現在のところ好ましい実施形態に対する様々な変更および修正が当業者に明白なものであることが企図されよう。 そのような変更および修正は、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、かつ、付随する利点を減らすことなく、なされ得る。 したがって、そのような変更と修正は添付の請求項によって包含されることが意図される。

    QQ群二维码
    意见反馈