Human body implant structure, method of assembling the structure and method of disassembling the structure

申请号 JP2010104971 申请日 2010-04-30 公开(公告)号 JP2011072773A 公开(公告)日 2011-04-14
申请人 Arutsuro:Kk; 株式会社アルツロ; 发明人 SHIMODA TSUNEHISA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a dental implant structure which allows fitting and connecting work and separating work between an abutment and denture mount by easy work, a method of assembling such structure, and a disassembling method of the dental implant structure for disassembling the once configured implant for repairing. SOLUTION: A human body implant structure includes: a support anchor which is embedded into a bone body to place and fix a support base onto an upper portion of the support anchor; the support base which is placed on and fixed to an upper portion of the support anchor and configured to be capable of mounting lost-parts; and lost-parts mounted on the support base. Furthermore, the support anchor and the support base are constructed to be detachably fitted into each other via a close contact taper fitting structure, and a stepped portion formed of an upper surface of the support anchor is formed on a boundary between a female threaded hole which is vertically formed in the support base and a vertical hole formed in the upper surface of the support anchor. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • 骨体に埋設し、その上部に支持基台を載置固定するための支持アンカーと、支持アンカーの上部に載置固定し、欠損パーツを装着可能に構成した支持基台と支持基台に装着した欠損パーツとよりなり、
    しかも、支持アンカーと支持基台とは、互いに密着したテーパー嵌合構造を介して着脱自在に嵌着可能に構成すると共に、支持基台に穿設した縦方向の雌ネジ孔と支持アンカーの上面に穿設した縦孔との境に支持アンカー上面からなる段部を形成した ことを特徴とする人体イプラント構造。
  • 骨体としては、顎骨であり、
    支持アンカーとしては、上部にアバットメントを載置固定するためのフィクスチャーと、フィクスチャーの上部に載置固定し、その上部に欠損パーツとしての義歯を載置固定すべく構成したアバットメントとの組合せであり、
    支持基台としては、義歯台であり、
    欠損パーツとしては、義歯であり、
    人体インプラント構造としてはデンタルインプラント構造であり、
    しかも、アバットメントと義歯台とは互いに密着したテーパー嵌合構造を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台に穿設した縦方向の雌ネジ孔とアバットメントに穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔との境にアバットメント上面からなる段部を形成した ことを特徴とする請求項1に記載の人体インプラント構造。
  • 顎骨に埋設したフィクスチャーと、上部に義歯を載置固定すべく構成したアバットメントとは、上半部が支持台に貫通した雄ネジ貫通孔と合致した形状の雄ネジ棒を介して一体に連設したことを特徴とする請求項2に記載の人体インプラント構造。
  • アバットメントに貫通した雄ネジ貫通孔は上方に行くに従って拡開状に形成したことを特徴とする請求項3に記載の人体インプラント構造。
  • i)上部にアバットメントを載置固定するためのフィクスチャーを顎骨に埋設するフィクスチャー設置工程と、
    ii)上部に義歯を載置固定すべく構成したアバットメントをフィクスチャーの上部に載置した後に、アバットメントとフィクスチャーとのそれぞれに相対して穿設した雌ネジ孔及び雄ネジ貫通孔に雄ネジ棒を挿入し別途用意した雄ネジ締込み具により雄ネジ棒をフィクスチャーの雌ネジ孔に螺着してアバットメントをフィクスチャーに連設固定するアバットメント連設工程と、
    iii)アバットメントの上部に義歯台をテーパー嵌合構造を介して着脱自在に載置し、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接しながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合させる義歯台嵌着工程と、
    iv)義歯台を含む歯並び部分を型取りするために型取り樹脂を義歯台を含む歯並び部分に被覆する型取り被覆工程と、
    v)型取り樹脂の上方から別途用意した離反用雄ネジ具を義歯台の雌ネジ孔始端から螺入して先端面をアバットメントの段部に圧接させながら圧接反力を利用してアバットメントと義歯台とを離反させ、口腔内にアバットメントを残留した状態とする義歯台離反工程と、
    vi)アバットメントから離反した義歯台を保有する型取り樹脂を口腔内から取り出して反転し、型取り樹脂の表面に開口した義歯台のテーパー状の嵌合孔にテーパー嵌合構造を介して先端部が嵌合孔と相対する形状を有するダミーの仮止めアンカーを嵌合するアンカー仮止め工程と、
    vii)義歯台のテーパー状の嵌合孔にテーパー嵌合構造を介してダミーの仮止めアンカーを嵌合立設した状態で仮止めアンカーを埋設するように型取り樹脂の表面凹部に石膏などの型取り材を流入する型取り材流入工程と、
    viii)型取り材の硬化後に、義歯台を型取り樹脂内に残留したまま型取り樹脂の表面凹部から仮止めアンカーと共に硬化した型取り材を抜去することにより、石膏などの型取り材による口腔内の歯並び模型を完成する模型作製工程と、
    ix)歯並び模型のインプラント対応箇所に露出した仮止めアンカーのテーパー状の頭部に別途用意した義歯台をテーパー嵌合構造を介して嵌合載置するアンカーへの義歯台嵌着工程と、
    x)周辺の歯並び模型と調整しながら義歯台に義歯を冠歯する冠歯工程と、
    xi)別途用意した離反用雄ネジ具を義歯台の雌ネジ孔始端から螺入して先端面を仮止めアンカーの上端面に圧接させながら圧接反力を利用して仮止めアンカーから義歯台を離反させ取り出す義歯台取り出し工程と、
    xii)取り出した義歯台を患者の口腔内に設置しているアバットメントにテーパー嵌合構造を介して嵌着し、次いで、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接しながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合する最終義歯台嵌着工程と、
    xiii)義歯台の中央に穿設した雌ネジ孔を閉塞するようにした雌ネジ孔閉塞工程と、
    よりなる請求項2に記載の人体インプラント構造を基にした人体インプラント構築方法。
  • 義歯台に縦方向に穿設した雌ねじ孔に螺入した上部雄ネジを雌ネジ孔の上端開口部から螺退して抜去し、その後、上部雄ネジを抜去した雌ネジ孔に別途用意した雄ネジからなる離反用雄ネジ具を螺入し、離反用雄ネジ具の下端面を雌ネジ孔の最下端に位置する段部に当接させた後に更に螺進させることにより義歯台のアバットメントに対する反力を利用して、義歯台をアバットメントから離反させて取り外すことが出来るようにしたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の人体インプラント構造を基にしたその分解方法。
  • フィクスチャーとアバットメントとは、一体構造としたことを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の人体インプラント構造
  • フィクスチャーとアバットメントとは、一体構造としたことを特徴とする請求項5に記載の人体インプラント構築方法
  • フィクスチャーとアバットメントとは、一体構造としたことを特徴とする請求項6に記載の人体インプラント構造を基にしたその分解方法。
  • 義歯台には、欠損パーツとしての義歯を装着するのではなく、歯科矯正用に使用するワイヤーを係止するための係合部を設けることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載の人体インプラント構造。
  • 欠損パーツとしては、義眼、義耳、義鼻のうちの何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載の人体インプラント構造。
  • 说明书全文

    この発明は、デンタルインプラントなどの人体インプラント構造及びかかる構造の構築方法並びに一旦構築したインプラント構造を補修及び点検のために分解するための人体インプラント構造の分解方法に関する。

    事故および疾病などで人体の一部を欠損した場合には、その欠損部分を欠損パーツ、例えば義歯や義眼や義などで補完する技術がある。
    その場合、欠損パーツを人体に取付けるためには、その近傍にある骨体に支持アンカーをインプラントし、支持アンカーに欠損パーツを取付けるための支持基台を取付け、その支持基台に欠損パーツを装着する方法が採用される。
    これらの具体的な欠損パーツとして義歯のデンタルインプラント構造を例にとって説明する。
    すなわち、従来、単一の歯自体を失っている場合のデンタルインプラント構造は顎骨にフィクスチャーと称される人工歯根を埋設して骨の治癒とともに一体化するようにし、この人工歯根に義歯を支持するためのアバットメントと称される支持台を歯肉内に立設し、この支持台上に義歯を冠設した歯冠を接着剤やネジなどで載置固定した構造とし、上記した順序でデンタルインプラント構造が構築されている。 例えば、特許文献1には、フィクスチャーとしてのデンタルインプラントにアバットメントをネジ止めするインプラント構造が開示されている。

    上記特許文献をはじめとするデンタルインプラント構造の具体的な構成を、図56及び図57に示す。 図56に示すものは、歯冠を支持台に接着剤で固定するデンタルインプラント構造101であり、顎骨Bに埋設したフィクスチャー102に歯肉A内に立設したアバットメント103をネジによりネジ止めし、このアバットメント103に鋳造した歯冠104をセメント等の接着剤105で接着する構造である。 他方、図57に示すものは、歯冠を支持台にネジで固定するデンタルインプラント構造111であり、顎骨Bに埋設したフィクスチャー112に歯肉A内に立設したアバットメント113をネジ止めし、このアバットメント113に鋳造した歯冠114をネジ止めする構造としている。 すなわち、上記いずれのインプラント構造の場合も、フィクスチャーとアバットメントとはネジ止めするものであり、歯冠については、アバットメントの外観形状に合わせて鋳造して形成し、これを接着剤やネジなどを用いて載置固定するものである。

    更には、複数の義歯間に架橋して作成する架橋義歯の場合は、架橋される複数の義歯のための支持台を金属などでそれぞれが平行性を保持するように機械で削合して作成し、その上部に歯科用セメントやネジを介して架橋義歯としての歯冠を被せる構造としている。

    特開平7−275266号公報

    しかし、かかる従来のデンタルインプラント構造は、上述したように、アバットメントと称される支持台上に義歯を冠設した歯冠をセメントなどの接着材やネジで載置固定した構造であった。

    セメント等の接着剤で接合したデンタルインプラント構造の補修の場合は、歯冠が支持台に一旦固定されると取り外しが困難であり、歯冠を支持台たるアバットメントごとに破壊して取り外し補修しなければならなかった。 すなわち、長年の使用による耐久期間の経過或いは突発的事象などにより、補修したり、点検したりする必要が生起した場合、歯冠や支持台や歯根などの構成部材を個別に取り外して補修したり点検したりすることが出来にくく、構成部材を破壊して全部或いは一部を除去し新たに作り直す必要があった。 かかる作業は、患者への身体的負荷が増加し、また補修の時間やコスト上も不利であった。 また、唾液によるセメントや鋳造物の金属の溶出が生起する場合があり、健康被害の原因にもなっていた。

    一方、ネジで接合したデンタルインプラント構造の補修の場合は、不測のネジの緩みが生起したり、複雑な精密技工作業が必要になり、鋳造物の金属の溶出による健康被害の原因も解決できなかった。
    更には、いずれの補修形態であっても歯冠の装着時の浮き上がり現象が起こり、浮き上がり部が不衛生になるなどの問題があった。 さらにまた、ネジによる維持の不足から生じる義歯台の離脱や支持台を固定するネジの破折などもありうるという欠点もあった。
    以上のデンタルインプラント構造の説明は、義歯ではない義眼や義耳などの欠損パーツの装着技術においても該当することであった。

    この発明は、骨体に埋設し、その上部に支持基台を載置固定するための支持アンカーと、支持アンカーの上部に載置固定し、欠損パーツを装着可能に構成した支持基台と支持基台に装着した欠損パーツとよりなり、しかも、支持アンカーと支持基台とは、互いに密着したテーパー嵌合構造を介して着脱自在に嵌着可能に構成すると共に、支持基台に穿設した縦方向の雌ネジ孔と支持アンカーの上面に穿設した縦孔との境に支持アンカー上面からなる段部を形成したことを特徴とする人体イプラント構造を提供せんとするものである。

    骨体としては、顎骨であり、支持アンカーとしては、上部にアバットメントを載置固定するためのフィクスチャーと、フィクスチャーの上部に載置固定し、その上部に欠損パーツとしての義歯を載置固定すべく構成したアバットメントとの組合せであり、欠損パーツとしては、義歯であり、人体インプラント構造としてはデンタルインプラント構造であり、しかも、アバットメントと義歯台とは互いに密着したテーパー嵌合構造を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台に穿設した縦方向の雌ネジ孔とアバットメントに穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔との境にアバットメント上面からなる段部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の人体インプラント構造を提供せんとするものである。

    また、顎骨に埋設したフィクスチャーと、上部に義歯を載置固定すべく構成したアバットメントとは、上半部が支持台に貫通した雄ネジ貫通孔と合致した形状の雄ネジ棒を介して一体に連設したことを特徴とする。

    また、アバットメントに貫通した雄ネジ貫通孔は上方に行くに従って拡開状に形成したことを特徴とする。

    また、以下の各工程によりなるデンタルインプラント構造構築方法を提供するものである。
    工程i)
    上部にアバットメントを載置固定するためのフィクスチャーを顎骨に埋設するフィクスチャー設置工程。
    工程ii)
    上部に義歯を載置固定すべく構成したアバットメントをフィクスチャーの上部に載置した後に、アバットメントとフィクスチャーとのそれぞれに相対して穿設した雌ネジ孔及び雄ネジ貫通孔に雄ネジ棒を挿入し別途用意した雄ネジ締込み具により雄ネジ棒をフィクスチャーの雌ネジ孔に螺着してアバットメントをフィクスチャーに連設固定するアバットメント連設工程。
    工程iii)
    アバットメントの上部に義歯台をテーパー嵌合構造を介して着脱自在に載置し、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接しながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合させる義歯台嵌着工程。
    工程iv)
    義歯台を含む歯並び部分を型取りするために型取り樹脂を義歯台を含む歯並び部分に被覆する型取り被覆工程。
    工程v)
    型取り樹脂の上方から別途用意した離反用雄ネジ具を義歯台の雌ネジ孔始端から螺入して先端面をアバットメントの段部に圧接させながら圧接反力を利用してアバットメントと義歯台とを離反させ、口腔内にアバットメントを残留した状態とする義歯台離反工程。
    工程vi)
    アバットメントから離反した義歯台を保有する型取り樹脂を口腔内から取り出して反転し、型取り樹脂の表面に開口した義歯台のテーパー状の嵌合孔にテーパー嵌合構造を介して先端部が嵌合孔と相対する形状を有するダミーの仮止めアンカーを嵌合するアンカー仮止め工程。
    工程vii)
    義歯台のテーパー状の嵌合孔にテーパー嵌合構造を介してダミーの仮止めアンカーを嵌合立設した状態で仮止めアンカーを埋設するように型取り樹脂の表面凹部に石膏などの型取り材を流入する型取り材流入工程。
    工程viii)
    型取り材の硬化後に、義歯台を型取り樹脂内に残留したまま型取り樹脂の表面凹部から仮止めアンカーと共に硬化した型取り材を抜去することにより、石膏などの型取り材による口腔内の歯並び模型を完成する模型作製工程。
    工程ix)
    歯並び模型のインプラント対応箇所に露出した仮止めアンカーのテーパー状の頭部に別途用意した義歯台をテーパー嵌合構造を介して嵌合載置するアンカーへの義歯台嵌着工程。
    工程x)
    周辺の歯並び模型と調整しながら義歯台に義歯を冠歯する冠歯工程。
    工程xi)
    別途用意した離反用雄ネジ具を義歯台の雌ネジ孔始端から螺入して先端面を仮止めアンカーの上端面に圧接させながら圧接反力を利用して仮止めアンカーから義歯台を離反させ取り出す義歯台取り出し工程。
    工程xii)
    取り出した義歯台を患者の口腔内に設置しているアバットメントにテーパー嵌合構造を介して嵌着し、次いで、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接しながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合する最終義歯台嵌着工程。
    工程xiii)
    義歯台の中央に穿設した雌ネジ孔を閉塞するようにした雌ネジ孔閉塞工程。

    また、義歯台に縦方向に穿設した雌ネジ孔に螺入した上部雄ネジを雌ネジ孔の上端開口部から螺退して抜去し、その後、上部雄ネジを抜去した雌ねじ孔に別途用意した雄ネジからなる離反用雄ネジ具を螺入し、離反用雄ネジ具の下端面を雌ネジ孔の最下端に位置する段部に当接させた後に更に螺進させることにより義歯台のアバットメントに対する反力を利用して、義歯台をアバットメントから離反させて取り外すことが出来るようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のデンタルインプラント構造における分解方法を提供せんとするものである。

    フィクスチャーとアバットメントとは、一体構造としたことを特徴とする請求項2から請求項6のいづれか1項に記載の人体インプラント構造及び人体インプラント構築方法並びにその分解方法。

    義歯台には、欠損パーツとしての義歯を装着するのではなく、歯科矯正用に使用するワイヤーを係止するための係合部を設けることを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか1項に記載の人体インプラント構造。

    欠損パーツとしては、義眼、義耳、義鼻のうちの何れか一つであることを特徴とする請求項1に記載の人体インプラント構造。

    請求項1の発明によれば、支持アンカーと支持基台とは互いに密着したテーパー嵌合構造を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、支持基台に穿設した縦方向の雌ネジ孔と支持アンカーに穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔との境にアバットメント上面からなる段部を形成したことにより、支持基台締込み用ネジ具を用いることによりテーパー嵌合構造を介して支持アンカーと支持基台との嵌着を行うことが出来るため確実に両者の嵌着や離脱を行うことが出来ると共に、短時間でインプラントの構築作業ができ、また構築後の補修及び点検も簡単に行え、患者への医療心理負担を可及的に減少することが出来、更には、ネジやセメントによる接着を用いないため複雑な作業を必要とせず簡単な作業でアバットメントと義歯台との嵌着連設作業や離脱作業が行える効果がある。 このように別途用意した支持基台締込み用ネジ具を用いてテーパー嵌合構造を介して支持アンカーと支持基台との嵌着を行うものであるため、セメント接着やネジ螺着を不要としこれらから生起するさまざまなデンタル医療上の問題を回避することが出来る。
    しかも、各ネジ孔の境に段部を形成したので、義歯台締込み用ネジ具を用いてテーパー嵌合構造を介して支持アンカーと支持基台との嵌着を行うに際し、この段部を利用して義歯台締込み用ネジ具による増締め効果を確実にかつ容易に行うことが出来、更には段部に作用する締込み反力を用いて容易に支持アンカーから支持基台を離脱することが出来る効果がある。

    請求項2から請求項4の発明によれば、アバットメントに貫通した雄ネジ貫通孔は上方に行くに従って拡開状に形成し、しかも、顎骨に埋設したフィクスチャーと、上部に義歯を載置固定すべく構成したアバットメントとは、上半部が支持台に貫通した雄ネジ貫通孔と合致した形状の雄ネジ棒を介して一体に連設したことにより、雄ネジ棒により両者を連結した場合アバットメントがこの拡開状の形状を介してフィクスチャーから簡単に抜去されず確実に連設固定が行え、また、必要に応じて雄ネジ棒によりフィクスチャーとアバットメントとの間の両者の増締めが簡単な作業で行えてインプラント構築作業が短時間でかつ低価格でかつ技量に拘わらず正確に行える効果がある。

    請求項5の発明によれば、工程iii)において、アバットメントの上部に義歯台をテーパー嵌合構造を介して着脱自在に載置し、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接しながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合させる義歯台嵌着工程を経るため、セメントなどの接着材を必要とせず、簡単にアバットメントへの義歯台の連設を行うことが出来る効果がある。
    工程v)において、アバットメントと義歯台とを離反させ、工程vi)において、アバットメントから離反した義歯台を保有する型取り樹脂を口腔内から取り出して反転し、型取り樹脂の表面に開口した義歯台のテーパー状の嵌合孔にダミーの仮止めアンカーを嵌合するため、次の型取り材による模型作製の準備が容易にできる効果がある。
    工程vii)とviii)において、型取り樹脂の表面凹部に石膏などの型取り材を流入し、型取り材の硬化後に、義歯台を型取り樹脂内に残留したまま型取り樹脂の表面凹部から仮止めアンカーと共に硬化した型取り材を抜去することにより石膏などの型取り材による口腔内の歯並び模型を完成し、工程ix)において、歯並び模型のインプラント対応箇所に露出した仮止めアンカーのテーパー状の頭部に別途用意した義歯台をテーパー嵌合構造を介して嵌合載置するため、最終に口腔内に設置する義歯台を模型の隣接する歯や他の歯並びとのバランスを考慮しながら作り上げることが出来る効果がある。
    工程x)において、周辺の歯並び模型と調整しながら義歯台に義歯を冠歯し、工程xi)において、別途用意した離反用雄ネジ具を義歯台の雌ネジ孔始端から螺入して先端面を仮止めアンカーの上面に圧接させながら圧接反力を利用して仮止めアンカーから義歯台を離反させ取り出すことにより、口腔内の実際のアバットメントに正確に嵌合し得る義歯台を得ることが出来る効果がある。
    工程xii)において、取り出した義歯台を患者の口腔内に設置しているアバットメントにテーパー嵌合構造を介して嵌着し、次いで、別途用意した義歯台締込み用ネジ具を雌ネジ孔に螺入し、ネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面に当接させながら螺進することによりアバットメントの周面に義歯台の嵌合孔を密着嵌合することが出来、セメントなどの接着材などを用いることなく確実にかつ容易に安全な義歯台を構築することが出来る効果がある。
    工程xiii)において、義歯台の中央に穿設した雌ネジ孔を閉塞することにより、義歯台の雌ネジ孔を閉塞して異物の侵入などを防止し、さらに、フィクスチャーとアバットメントとの接合の緩みを防止することが出来るという効果がある。
    このように請求項4の各工程より構成することにより、義歯台やアバットメントを簡単に脱着することが出来、インプラント構築の熟練者でなくても確実にインプラント構築作業を行うことが出来、患者の医療心理負担を可及的に減少することが出来る効果がある。

    請求項6の発明によれば、義歯台に縦方向に穿設した雌ネジ孔に螺入した上部雄ネジを雌ネジ孔の上端開口部から螺退して抜去し、その後、上部雄ネジを抜去した雌ネジ孔に別途用意した雄ネジからなる離反用雄ネジ具を螺入し、離反用雄ネジ具の下端面を雌ネジ孔の最下端に位置する段部に当接させた後に更に螺進させることにより義歯台のアバットメントに対する反力を利用して、義歯台をアバットメントから離反させて取り外すことが出来るものであるため、簡単に義歯台をアバットメントから取り外してインプラントの補修が簡単に行える効果があり、作業性からもコスト上からも有利な効果がある。

    請求項7から請求項9の発明によれば、フィクスチャーとアバットメントとを一体構造としたことにより、構造を簡単にして確実なインプラント構造と構築方法とその分解方法を提供することができる効果がある。

    請求項10の発明によれば、歯科矯正用に使用するワイヤーを係止するために義歯台を利用することができるので、ワイヤーを確実に係止して正しい歯科矯正が可能となる効果がある。

    請求項11の発明によれば、欠損パーツとしては義眼、義耳、義鼻などとしたことにより、これらの義眼等を欠損部分の近傍に存在する骨体に脱落することなく確実に取付けることができる効果がある。

    本実施形態のデンタルインプラント構造を示す説明図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造を示す分解斜視図である。

    アバットメント及び義歯台の変形例を示す分解斜視図である。

    アバットメント及び義歯台の変形例を示す分解斜視図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解斜視図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す説明図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解正面図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解断面図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す断面図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す正面図である。

    雄ネジ締込み具の使用手順を示す説明図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す説明図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す断面図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す分解斜視図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す説明図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す断面図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造を示す分解斜視図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例を示す説明図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例を示す断面図である。

    入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解斜視図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造を示す分解斜視図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の使用状態を示す説明図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例1を示す分解斜視図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例1の使用状態を示す説明図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例2を示す分解斜視図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例2の使用状態を示す説明図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例3を示す分解斜視図である。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例3の使用状態を示す説明図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    本実施形態のデンタルインプラント構造の構築方法を示す工程図である。

    平行治具の使用手順を示す説明図である。

    平行治具の使用手順を示す説明図である。

    雄ネジ締込み具を示す斜視図である。

    義歯台締込み用ネジ具を示す斜視図である。

    離反用雄ネジ具を示す斜視図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    義歯台離脱用治具の使用手順を示す説明図である。

    人体インプラント構造の使用状態を示す斜視図である。

    義耳インプラント構造を示す説明図である。

    従来のデンタルインプラント構造を示す説明図である。

    従来のデンタルインプラント構造を示す説明図である。

    この発明の実施例を図面に基づき詳説する。

    この発明の実施例であるデンタルインプラント構造及びデンタルインプラント構造の構築方法並びにデンタルインプラント構造の分解方法は、図1〜図53に示すように次のように構成される。

    I[デンタルインプラント構造]
    図1及び図2に示すように、実施例のデンタルインプラント構造1は、顎骨Bに埋設しその上部にアバットメント3を載置固定するためのフィクスチャー2と、フィクスチャー2の上部に載置固定しその上部に義歯5を載置固定すべく構成したアバットメント3と、アバットメント3の上部に載置固定した義歯台4と、義歯台4に設けた義歯5とより構成している。

    しかも、アバットメント3と義歯台4とは互いに密着するように、アバットメント3の外周面と義歯台4の嵌合孔14の内周面とが、互いに対応するテーパー面を形成している。 このように、両者をテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台4に穿設した縦方向の雌ネジ孔11はアバットメント3に穿設した縦方向の縦孔としての雄ネジ貫通孔12よりも大径に形成し、それぞれ連通する各ネジ孔11,12の境にアバットメント3上面からなる段部13を形成している。

    また、アバットメント3に貫通した雄ネジ貫通孔12は上方に行くに従って拡開状のテーパーに形成している。

    また、顎骨Bに埋設したフィクスチャー2と、上部に義歯5を載置固定すべく構成したアバットメント3とは、雄ネジ棒6を介して一体に連設されており、雄ネジ棒6の上半部はアバットメント3に貫通したテーパーの雄ネジ貫通孔12と合致した上方拡開状のテーパーの形状としている。 なお、一方のフィクスチャー2の上部には六形状の凹部を形成し、他方のアバットメント3下部には六角形状の凸部を形成して、フィクスチャー2の凹部にアバットメント3の凸部が嵌着自在となすようにしている。

    アバットメント3は、図1及び図2に示すように、略臼形に形成され、段部13を形成する上面に雄ネジ貫通孔12が開口している。 しかし、アバットメント3は、かかる構成に限定されるものではなく、種々の変形例を用いることができる。

    デンタルインプラント構造の変形例について、図3及び図4を参照しながら説明する。 図3及び図4に示すデンタルインプラント構造の変形例は、上述したデンタルインプラント構造におけるアバットメント3の上面からなる段部13の形状が異なっている。

    すなわち、図3に示すように、アバットメント3の段部13は、上部の中央の雄ネジ貫通孔12の他にさらに、上面の周縁を断面視テーパー状にくり抜いた溝部18が形成されている。 そして、この段部13に対称な形状が義歯台4の嵌合孔14に形成されている。

    このような段部13形状とすることで、アバットメント3に義歯台4を螺入して嵌着した際には、義歯台4の前面と背面とを区別して位置決めを行うことが可能となる。

    次に、図4に示すように、アバットメント3の段部13は、上部の中央の雄ネジ貫通孔12の他にさらに、上面の周縁を半円柱状にくり抜いた凹部19が形成されている。 そして、この段部13に対称な形状が義歯台4の嵌合孔14に形成されている。

    このような段部13形状とすることで、アバットメント3に義歯台4を嵌着した際には、義歯台4の前面と背面とを区別して位置決めを行うことが可能となる。

    なお、本実施形態においては、義歯台4の雌ネジ孔11を、アバットメント3の雄ネジ貫通孔12より大径となるように形成して段部13を形成したが、両者を略同一径として段部13を形成することもできる。 例えば、平面視真円形状で断面視ストレート形状とした雄ネジ貫通孔12を、そのアバットメント3における上面開口部分をかしめるなどして、わずかに略楕円形状とするのである。 そして、義歯台4の雌ネジ孔11の直径を、雄ネジ貫通孔12における略楕円開口をなす前記上面開口部分の長軸相当部分と略同径にすれば、互いに連通する雌ネジ孔11と雄ネジ貫通孔12との境に、アバットメント3の上面からなる段部13を形成することができる。 したがって、この場合でも、アバットメント3から義歯台4を取り外す際には、離反用雄ネジ具Qの平坦部Q3がアバットメント3の前記段部に当接することで取り外すことが出来る。

    なお、このとき、雄ネジ棒6の長さを、上述してきた例よりも短く形成しておき、螺合させた状態のその上端と、略楕円開口をなす前記上面開口部分までの間のストロークで当該雄ネジ棒6をフィクスチャー2から抜去可能にしておけばよい。

    さらに、デンタルインプラント構造の変形例について、図5〜図10を参照しながら説明する。 上記デンタルインプラント構造と同一の構成については、同一の符号を付して重複説明を省略する。 図5は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解斜視図である。 図6は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す説明図である。 図7は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解正面図である。 図8は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す分解断面図である。 図9は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す断面図である。 図10は本実施形態のデンタルインプラント構造の変形例を示す正面図である。

    図5〜図10に示すように、デンタルインプラント構造1は、顎骨に埋設しその上部にアバットメント3を載置固定するためのフィクスチャー2と、フィクスチャー2の上部に載置固定しその上部に義歯5を載置固定すべく構成したアバットメント3と、アバットメント3の上部に載置固定した義歯台4と、義歯台4に設けた義歯5とより構成している。

    しかも、アバットメント3と義歯台4とは互いに密着するように、アバットメント3の外周面と義歯台4の嵌合孔14(図8参照)の内周面とが、互いに対応するテーパー面を形成している。 このように、両者をテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台4に穿設した縦方向の雌ネジ孔11はアバットメント3に穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔12よりも小径に形成し、それぞれ連通する各ネジ孔11,12の境にアバットメント3上面と雄ネジ棒6の六角孔6dからなる段部13を形成している。

    この雄ネジ棒6は、上方に行くに従って大きさの異なる円柱を一体化した形状に形成している。 すなわち、下部部分には、フィクスチャー2の雌ネジ孔15に螺合する雄ネジ部分6aが形成され、中部部分は、上方に行くに従って大きくなる円柱形状に形成され、上部部分は、最大径の円板形状に形成され、その中央には6角形状のネジ孔6dが開口している。

    また、顎骨Bに埋設したフィクスチャー2と、上部に義歯5を載置固定すべく構成したアバットメント3とは、雄ネジ棒6を介して一体に連設されている。 なお、一方のフィクスチャー2の内部には六角形状の凹部2aを形成し、他方のアバットメント3下部には六角形状の凸部3aを形成して、フィクスチャー2の凹部2aにアバットメント3の凸部3aが嵌着自在となすようにしている。

    義歯台4には、上側部分に8角形状の頭部4bが形成され、下側部分にリング形状の係合突起4aが複数形成されている。 フィクスチャー2、アバットメント3、雄ネジ棒6、義歯台4が一体の形態で顎骨Bに埋没している際に、この義歯台4の頭部4bにレンチ工具を取り付けて回動させることで、さらに、フィクスチャー2部分を顎骨Bに埋没させて埋め込み深さの微調整を行うことができる。

    図11に示すように、フィクスチャー2にアバットメント3を装着する際、フィクスチャー2の雌ネジ孔15にアバットメント3を装着し、アバットメント3の雄ネジ貫通孔12から雄ネジ棒6を挿着して、雄ネジ棒6の雄ネジ部分6aをフィクスチャー2の雌ネジ孔15に螺入させる。 このとき雄ネジ棒6の雄ネジ棒上端面6cに開口した段部の一部分としての六角孔6dに別途用意した雄ネジ締込み具Mを嵌着させて回動させることで、フィクスチャー2にアバットメント3を一体装着することとなる。
    なお、雄ネジ締込み具Mは、ドライバ先端部M2が六角形状をなし、雄ネジ棒6の六角孔6dに嵌着自在に形成され、基端側に把持するためのハンドル部M1が形成されている。

    図12に示すように、アバットメント3と義歯台4とのテーパー嵌合状態を離反させる際は、義歯台4上部の雌ネジ孔11から離反用雄ネジ具Qを挿入しつつ螺入して、その先端が段部の一部分としての雄ネジ棒6の六角孔6d底面に到達し、さらに離反用雄ネジ具Qをねじ込むとアバットメント3から義歯台4が離反することとなる。 このとき、アバットメント3と雄ネジ棒6の上端面と義歯台4の嵌合孔14に間隙が形成されて取り外し応力により、テーパー嵌合したアバットメント3と義歯台4とを容易に着脱自在とすることができる。

    なお、上記したデンタルインプラント構造においては、アバットメント3とフィクスチャー2とは別体として雄ネジ棒6で一体に連結するように構成しているが、必ずしも別体に構成することなく、予め一体の構造とすることも可能である。

    上述したアバットメント3とフィクスチャー2とを一体構造としたものを支持アンカーとし、この支持アンカーを顎骨に埋没し、その支持アンカーの上部に入れ歯用或いは矯正用の義歯台を載置固定する入れ歯用或いは矯正用のデンタルインプラント構成の実施例を説明する。

    [入れ歯用のデンタルインプラント構造]
    入れ歯用のデンタルインプラント構造について、図13から図18を参照しつつ説明する。 なお、以下の入れ歯用のデンタルインプラント構造は、上述したデンタルインプラント構造や冠矯義歯用のデンタルインプラント構造にも適用することができるものである。

    図13及び図14に示すように、入れ歯用のデンタルインプラント構造31は、顎骨Bに支持アンカー8を埋没し、その上部に入れ歯用の義歯台34を載置固定すべく構成している。

    しかも、支持アンカー8と入れ歯用の義歯台34とは互いに密着するように、支持アンカー8の上部外周面と義歯台34の嵌合孔14の内周面とが、互いに対応するテーパー面を形成している。 すなわち、両者をテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台34に穿設した縦方向の雌ネジ孔11は支持アンカー8に穿設した縦方向の縦孔としての雄ネジ貫通孔12よりも大径に形成し、それぞれ連通する各ネジ孔11,12の境に支持アンカー8上面からなる段部13を形成している。

    支持アンカー8は、その上部が略臼形に形成されると共に下部がネジ状に形成され、段部13を形成する上面の中央に雄ネジ貫通孔12が開口している。

    入れ歯用の義歯台34の外形は、下方から上方に向って外径の異なるリングを重ねた形状をなしている。 この下部部分は、その外形を大径のリング状に形成され、底部中央には、嵌合孔が開口している。 また、下部部分に連設した中部部分は、その外形を小径のリング状に形成される。 中部部分に連設した上部部分は、その外形を中径のリング状に形成され、上面中央には雄ネジ孔11が開口している。

    図15に示すように、一旦、テーパー嵌合した支持アンカー8と入れ歯用の義歯台34とを離反させるためには、別途用意した離反用雄ネジ具Qを用いるようにしている。 すなわち、離反用雄ネジ具Qを義歯台34の雌ネジ孔11始端に螺入していき、離反用雄ネジ具Qの先端面を支持アンカー8の段部13に圧接させながら圧接反力を利用して支持アンカー8と義歯台34とを離反させることができる。

    図16及び図17に示す支持アンカー38は、顎骨Bに対して斜めにアンカーリングする際に用いるためのものであり、その上部部分に対して斜め方向になるようにアンカー部分が連設されている。 また、支持アンカー38の上面には、アンカー部分の軸方向と一致するように雄ネジ貫通孔12が開口している。 この支持アンカー38を顎骨に斜めに埋没させても、支持アンカー38の上部部分の上面が平状態に維持される。

    図18に示すように、一旦、テーパー嵌合した支持アンカー38と入れ歯用の義歯台34とを離反させるためには、別途用意した離反用雄ネジ具Qを用いるようにしている。 すなわち、離反用雄ネジ具Qを義歯台34の雌ネジ孔11始端に螺入していき、離反用雄ネジ具Qの先端面を支持アンカー38の段部13に圧接させながら圧接反力を利用して支持アンカー38と義歯台34とを離反させることができる。

    上述した入れ歯用のデンタルインプラント構造31を患者の口腔D内に設けることにより、患者は短期間で入れ歯Kを使用することができるようになる(図54参照)。

    [入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例]
    入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例について、図19から図21を参照しつつ説明する。 入れ歯用のデンタルインプラント構造の変形例は、上述した入れ歯用のデンタルインプラント構造31における入れ歯用の義歯台34の外形状が異なるものである。

    図19及び図20に示すように、この入れ歯用の義歯台44の外形は、その上部部分が断面視台形状の截頭円錐形状に形成され、その下部部分が断面視において突出したそろばん形状に形成される。

    上述した入れ歯用のデンタルインプラント構造41を患者の口腔内に設けることにより、患者は短期間で入れ歯を使用することができるようになる。

    図21に示すように、一旦、テーパー嵌合した支持アンカー8と入れ歯用の義歯台44とを離反させるためには、別途用意した離反用雄ネジ具Qを用いるようにしている。 すなわち、離反用雄ネジ具Qを義歯台44の雌ネジ孔11始端に螺入していき、離反用雄ネジ具Qの先端面を支持アンカー8の段部13に圧接させながら圧接反力を利用して支持アンカー8と義歯台44とを離反させることができる。

    なお、上述した入れ歯用の義歯台44は、その使用目的を入れ歯に用いることを前提に説明したが、単歯の義歯を冠設する台として用いるようにしてもよい。

    [矯正用のデンタルインプラント構造]
    矯正用のデンタルインプラント構造について、図22及び図23を参照しつつ説明する。

    矯正用のデンタルインプラント構造51は、上下の顎骨Bに支持アンカー8をそれぞれ埋没し、その上部に矯正用の義歯台54を載置固定すべく構成している。

    矯正用の義歯台54は、断面視台形状の截頭円錐形状に形成され、その外周部に歯科用ワイヤー9を係合させるためのワイヤー係合部55,55を並べて突設している。 すなわち、各ワイヤー係合部55は、側面視L字形状に形成され、外周部54aに立設した脚部56と、その脚部56の先端に設けられ、長方体形状の一方の面を切り欠いて凹状面58が形成された係合部57とから構成される。

    図23に示すように、患者の口腔D内の上顎骨B1と下顎骨B2に支持アンカー8,8をそれぞれ埋没し、それらの上部に矯正用の義歯台54,54をそれぞれテーパー嵌合させて、歯科用ワイヤー9を両義歯台54,54に架けて上下顎B1,B2を固定する。 すなわち、上顎側の義歯台54の係合部57後部に歯科用ワイヤー8を架けて下顎B2へ渡し、下顎側の義歯台54の係合部57の凹状面58にこの歯科用ワイヤー9を架けて、上下顎を固定するようにしている。 かかる構造のワイヤー係合部55を設けることにより、歯科用ワイヤー9を様々な態様で引掛け易く取り付け時間を短縮できる効果がある。

    [矯正用のデンタルインプラント構造の変形例1]
    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例1について、図24及び図25を参照しつつ説明する。

    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例1は、上述した矯正用のデンタルインプラント構造51における矯正用の義歯台54の外形状が異なる。

    矯正用の義歯台64は、断面視台形状の截頭円錐形状に形成され、その外周部64aに歯科用ワイヤー9を係合させるための円柱形状のワイヤー係合部65を突設している。 ワイヤー係合部65には、周面に係合溝65aを形成し、その係合溝65aに貫通孔65bを形成している。

    図25に示すように、患者の口腔D内の上顎骨B1と下顎骨B2に支持アンカー8,8をそれぞれ埋没し、それぞれ上部に矯正用の義歯台64,64をテーパー嵌合させて、歯科用ワイヤー9を両義歯台64,64の円柱形状のワイヤー係合部65,65に架け渡して上下顎を固定する。 すなわち、ワイヤー係合部65の係合溝65aに歯科用ワイヤー9を係合させて使用する他に、貫通孔65bに歯科用ワイヤー9を挿通して上下顎を固定するようにしてもよい。 かかる構造のワイヤー係合部65を設けることにより、歯科用ワイヤー9を引掛け易い効果がある。

    [矯正用のデンタルインプラント構造の変形例2]
    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例2について、図26及び図27を参照しつつ説明する。
    図26に示すように、この矯正用のデンタルインプラント構造71は、上顎骨B1に支持アンカー8を埋没し、その上部に2つのアーム部75,75を有する矯正用の義歯台74を載置固定すべく構成している。

    矯正用の義歯台74は、断面視台形状の截頭円錐形状に形成され、その外周部74aに歯科用ワイヤー9を係合させるためのアーム部75,75を左右方向に配設している。 すなわち、各アーム部75には、その前後方向の両側部に凹状の係合部76,76,76,76が複数形成される。

    図27に示すように、上顎側の各歯EにブラケットFをそれぞれ接着しており、一方、上顎の中央には、支持アンカー8を埋没し、その上部に矯正用の義歯台74を載置した状態とする。 歯科用ワイヤー9が、この義歯台74の左右のアーム部75,75の係合部76,76と各ブラケットF,・・,Fとに取り付けられる。 したがって、各歯Eが歯科用ワイヤー9を介して、矯正用のデンタルインプラント構造71に引き寄せられることで、上顎の歯列の矯正を行うことができる。

    また、左右のアーム部75,75には、先端側から基端側に沿って複数の係合部76,・・,76を設けたが、例えば、アーム部75の基端側の係合部76のみしか使用しない場合には、アーム部75の先端側から3つ目の係合部76付近から切り離して使用してもよい。

    [矯正用のデンタルインプラント構造の変形例3]
    矯正用のデンタルインプラント構造の変形例3について、図28及び図29を参照しつつ説明する。

    図28に示すように、この矯正用のデンタルインプラント構造81は、上顎骨B1に支持アンカー8を埋没し、その上部に2つのアーム部85,85を有する矯正用の義歯台84を載置固定すべく構成している。

    矯正用の義歯台84は、断面視台形状の截頭円錐形状に形成され、その外周部84aに歯科用ワイヤー8を係合させるためのアーム部85,85を左右方向に配設している。 すなわち、一方の右アーム部85は、平面視略Z形状に形成され、他方の左アーム部85は、平面視略逆Z形状に形成されており、各アーム部85,85には、その前後方向の両側部に凹状の係合部86,86,86,86が複数形成される。

    図29に示すように、上顎側の各歯EにブラケットFをそれぞれ接着しており、一方、上顎の中央には、支持アンカー8を埋没し、その上部に矯正用の義歯台84を載置した状態とする。 歯科用ワイヤー9が、この義歯台84の左右のアーム部85,85の係合部86,86と各ブラケットF,・・,Fとに取り付けられる。 したがって、各歯が歯科用ワイヤー9を介して、矯正用のデンタルインプラント構造に引き寄せられることで、上顎の歯列の矯正を行うことができる。 左右のアーム部85,85を上記形状とすることにより、図28に示した矯正用デンタルインプラント構造より各係合部86,86が咽頭部側に位置することが可能となる。

    また、左右のアーム部85,85には、先端側から基端側に沿って複数の係合部86,・・,86を設けたが、例えばアーム部85の基端側の係合部86のみしか使用しない場合には、アーム部75の先端側から3つ目の係合部86付近から切り離して使用してもよい。

    II[デンタルインプラント構造の構築方法]
    図30〜図43に示すように、デンタルインプラント構造構築方法は次のi)〜xiii)の各工程より構成されている。
    なお、本実施例では、単一の歯を失って顎骨Bにインプラントを行う形態を先に説明し、その後に架橋インプラント構造及びその構築方法を説明し、次いで双方のインプラント構造の分解方法の説明を行う。

    すなわち、工程i)は、図30に示すように、上部にアバットメント3を載置固定するためのフィクスチャー2を顎骨Bに埋設するフィクスチャー設置工程よりなる。

    工程ii)は、図31に示すように、上部に義歯5を載置固定すべく構成したアバットメント3をフィクスチャー2の上部に載置した後に、アバットメント3とフィクスチャー2とのそれぞれに相対して穿設した雌ネジ孔15及び雄ネジ貫通孔12に雄ネジ棒6を挿入し別途用意した雄ネジ締込み具Mにより雄ネジ棒6をフィクスチャー2の雌ネジ孔15に螺着してアバットメント3をフィクスチャー2に連設固定するアバットメント連設工程よりなる。

    この状態では、雄ネジ棒6の下部の雄ネジ部分6aはフィクスチャー2に螺合されており、上部のテーパー部分6bはアバットメント3における上方拡開状の雄ネジ貫通孔12のテーパーに嵌合している。 従って、このテーパー嵌合によりアバットメント3は上方には抜けないようになっている。

    工程iii)は、図32に示すように、アバットメント3の上部に義歯台4をテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に載置し、別途用意した義歯台締込み用ネジ具Nを雌ネジ孔11に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面6cに当接するまで螺進することによりアバットメント3の周面に義歯台4の嵌合孔14を密着嵌合させる義歯台嵌着工程よりなる。

    工程iv)は、図33に示すように、義歯台4を含む歯並び部分Cを型取りするために型取り樹脂Lを義歯台4を含む歯並び部分Cに被覆する型取り被覆工程よりなる。 なお、型取り樹脂Lを被覆する前に、義歯台4の雌ネジ孔11に長尺なネジ棒22を螺合しておき、上記型取り被覆工程が完了したのちに、義歯台4からネジ棒22を取り外すようにしている。

    図中、Pは型取り樹脂Lを保持するための型取り容器である。

    工程v)は、図34に示すように、型取り樹脂Lの上方から別途用意した離反用雄ネジ具Qを義歯台4の雌ネジ孔始端に螺入していき、離反用雄ネジ具Qの先端面をアバットメント3の段部13に圧接させながら圧接反力を利用してアバットメント3と義歯台4とを離反させ、口腔D内にアバットメント3を残留した状態とする義歯台離反工程よりなる。

    型取り樹脂Lには、義歯台4の雌ネジ孔11の開口端11aが露出するように開口孔L1を穿設している。

    工程vi)は、図35に示すように、アバットメント3から離反した義歯台4を保有する型取り樹脂Lを口腔D内から取り出して反転し、型取り樹脂Lの表面に開口した義歯台4のテーパー状の嵌合孔14にこの嵌合孔14と相対する形状を有するダミーの仮止めアンカー80を嵌合するアンカー仮止め工程よりなる。 仮止めアンカー80の先端は義歯台4のテーパー状の嵌合孔14と相対する形状、すなわち、患者の口腔D内に残っているアバットメント3のテーパー嵌合構造10と同じ形状を形成している。 なお、仮止めアンカー80は、ダミーのフィクスチャーとダミーのアバットメントとをダミーの雄ネジ棒を介して連結した構造としたが、この構造に限定する必要はなく、ダミーのフィクスチャーとダミーのアバットメントとを一体成形した構造であってもよい。

    工程vii)は、図36に示すように、義歯台4のテーパー状の嵌合孔14にテーパー嵌合構造10を介してダミーの仮止めアンカー80を嵌合立設した状態で仮止めアンカー80を埋設するように型取り樹脂Lの表面凹部L2に石膏などの型取り材Rを流入する型取り材流入工程よりなる。

    この型取り材Rを流入する場合は、インプラントの箇所に限らず歯並びその他の周辺の形状も型取りするものである。

    工程viii)は、図37に示すように、型取り材Rの硬化後に、義歯台4を型取り樹脂L内に残留したまま型取り樹脂Lの表面凹部から仮止めアンカー80と共に硬化した型取り材を抜去することにより、石膏などの型取り材による口腔D内の歯並び模型Sを完成する模型作製工程よりなる。 このとき、従来であれば、アバットメント上に新たに鋳造した義歯台を用いて模型作製を行っていたが、本実施形態では既成の義歯台4を用いて模型作製を行うことができるため、より精密で許容誤差のない歯並び模型Sを形成することが出来る。

    型取り樹脂L内に残留したままの義歯台4を仮止めアンカー80から抜去するに際しては、別途用意した離反用雄ネジ具Qを利用して極限までの締付けによる反力を利用することが出来る(図16参照)。

    工程ix)は、図38に示すように、歯並び模型のインプラント対応箇所に露出した仮止めアンカー80のテーパー状の頭部に別途用意した義歯台4をテーパー嵌合構造10を介して嵌合載置するアンカー80への義歯台嵌着工程よりなる。

    ダミーの仮止めアンカー80と別途用意した義歯台4とを嵌合するに際しては、別途用意した義歯台締込み用ネジ具Nを利用することが出来る。

    工程x)は、図39に示すように、周辺の歯並び模型Sと調整しながら義歯台4に義歯5を冠歯する冠歯工程よりなる。

    工程xi)は、図40に示すように、別途用意した離反用雄ネジ具Qを義歯台4の雌ネジ孔11始端から螺入して先端面を仮止めアンカー80の上端面に圧接させながら圧接反力を利用して仮止めアンカー80から義歯台4を離反させ取り出す義歯台取り出し工程よりなる。

    工程xii)は、図41に示すように、取り出した義歯台4を患者の口腔D内に設置しているアバットメント3にテーパー嵌合構造10を介して嵌着し、次いで、別途用意した義歯台締込み用ネジ具Nを雌ネジ孔11に螺入しネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面6cに当接しながら螺進することによりアバットメント3の周面に義歯台4の嵌合孔14を密着嵌合する最終義歯台嵌着工程よりなる。

    工程xiii)は、図42に示すように、義歯台4の中央に穿設した雌ネジ孔11を閉塞すべく下端を先細状に形成した閉塞用ネジ7を雌ネジ孔11に螺入して先端を雄ネジ棒上端面6cに当接させるようにした雌ネジ孔閉塞工程よりなる。 なお、雌ネジ孔11を閉塞するために閉塞用ネジ7を用いたが、歯科用セメントを用いて閉塞するようにしてもよい。

    図43に示すように、工程xiii)の終了後に義歯5の上端面に穿設した雌ネジ孔11に対応する作業孔16を閉塞体17にて閉塞する。

    このように義歯台4の中央に穿設した雌ネジ孔11に下端を先細状に形成した閉塞用ネジ7を螺入して先端を雄ネジ棒上端面6cに当接させることにより雄ネジ棒6の弛緩を防止してフィクスチャー2からアバットメント3が離反し隙間が生起するのを防止することが出来る効果がある。

    なお、従来は、模型作製のときに鋳造した義歯台を使用していたが本実施形態にかかる義歯台には、既成の義歯台を使用できるため、軽量化することが出来、しかも、鋳造する工程が必要なくなるために、鋳造物からの溶出によるアレルギーの心配がなくなる効果がある。

    なお、従来の方法で顎骨Bにフィクスチャー2を埋没したときに、歯肉Aが治癒するまでの期間はフィクスチャー2上部に蓋としての専用カフを取り付けていたが、本実施形態におけるアバットメント3は、フィクスチャー2に取り付けた状態で専用カフとしても使用することができる。

    また、アバットメント3に義歯台4を装着する際には、上記工程xii)において、歯台締込み用ネジ具Nを雌ネジ孔11内に螺入し、ネジ具先端が下方の雄ネジ棒上端面6cに当接しながら螺進することによりアバットメント3の周面に義歯台4の嵌合孔14を密着嵌合する最終義歯台嵌着工程を経るように構成しているが、最終義歯台嵌着工程では必ずしも雄ネジ孔11に義歯台締込み用ネジ具Nを螺入してアバットメント3の周面に義歯台4を嵌合する必要はなく、テーパー嵌合を利用して単に、アバットメント3の周面に義歯台4を密着するように装着するだけでもよい。

    III[架橋インプラント構造及びその構築方法]
    上記したデンタルインプラント構築方法は単一の歯自体を失っている場合のインプラント構築方法であり、これ以外に複数の義歯をインプラント構築しその間を架橋する場合、あるいは複数の義歯を連結する場合がある。

    しかも、他方のインプラント構築構造は、顎骨と歯並びの状況に応じて傾斜した状態でフィクスチャー2を埋設し、その上方に垂直にアバットメント3を載置して他のアバットメント3と平行性を保持するように構成し、図32に示すように、その間に義歯台4を架橋し義歯20を冠歯する。

    以下、2か所にインプラント構築しその間に義歯を架橋する架橋インプラント構築について説明する。

    まず、一方のインプラント位置におけるインプラント構築はすでに上記した方法と構造で構築する。

    次いで、架橋する歯に隣接する他方のインプラント位置において新たにインプラント構築をする。

    すなわち、図30に示すように、顎骨Bに傾斜した状態でフィクスチャー2を埋設し、そのフィクスチャー2の上部にアバットメント3をやや傾斜して載置固定する。 そして、その上部に義歯台4を載置固定し、義歯台4に義歯5を設ける。

    アバットメント3と義歯台4とは互いに密着したテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義歯台4に穿設した縦方向の雌ネジ孔11はアバットメント3に穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔12よりも大径に形成し、それぞれ連通する各ネジ孔11,12の境にアバットメント上端面からなる段部13を形成する。

    ここで、アバットメント3に嵌着する義歯台4はすでに構築した隣接の義歯台4と平行性を保持するように、すなわち、平行性が保持できず、後述する架橋義歯台21(図32参照)を架設できない、アンダーカット状態とならないように別途用意した平行治具Tにより測量しながら傾斜したアバットメント3をその仮想軸線周りに回転させて平行度合いを調整する(図45参照)。

    このようにして、上記した工程i)、ii)、iii)を遂行する(図30から図32参照)。

    かかる状態では、一方と他方の2個の義歯台4,4が平行に立設されており、次いで、2個の義歯台4,4の係合突起4a,・・,4aを利用してその間に架橋義歯台21を介在連設する。

    かかる状態で、立設された2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21を歯並び部分Cと共に型取り樹脂Lによって上記した工程iv)の型取り被覆工程を遂行する(図33参照)。

    次いで、立設された2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21を一体として上記した工程v)によりそれぞれのアバットメント3から離反し、型取り樹脂Lと一体の2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21を上記した工程vi)により口腔D内から取り出し、型取り樹脂Lと一体のまま2個の義歯台4,4にダミーの仮止めアンカー80をそれぞれに仮止めする(図34から図35参照)。

    次いで、立設された2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21について一体として上記した工程vii)を経ることにより型取り材R流入を行い、その後、硬化した型取り材を上記した工程viii)、ix)により抜去して型取り材による模型を作製し、更には、架橋義歯台21を係合連設した2個の義歯台4,4を別途用意して、模型に立設された2個のダミーの仮止めアンカー80,80に2個の義歯台4,4を嵌合する(図36から図38参照)。

    そして、上記した工程x)において、ダミーの仮止めアンカー80,80に立設された2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21に3個の義歯5,5,5をそれぞれ装着し、次いで、上記した工程xi)において、義歯5,5,5の装着された2個の義歯台4,4を一体として仮止めアンカー80,80から離反させて取り出し、上記した工程xii)において義歯5,5,5の装着された2個の義歯台4,4とその間の架橋義歯台21を患者の口腔D内に設置している2個のアバットメント3,3にテーパー嵌合構造10,10を介して嵌着し、最後に、上記した工程xiii)において各2個の義歯台4,4の雌ネジ孔11,11に閉塞用ネジ7,7をそれぞれ螺入して雌ネジ孔11,11を閉塞する(図39から図43参照)。

    IV[インプラント構造の分解方法]
    上記したデンタルインプラント構造における義歯台の取り外し方法、すなわち、デンタルインプラント構造の分解方法は以下のようにして遂行される。

    図1において、義歯台4に縦方向に穿設した雌ネジ孔11に螺入した閉塞用ネジ7を雌ネジ孔11の上端開口部から螺退して抜去し、その後、図40に示すような方法により、閉塞用ネジ7を抜去した雌ネジ孔11に別途用意した雄ネジからなる離反用雄ネジ具Qを螺入し、離反用雄ネジ具Qの下端面を雌ネジ孔11の最下端に位置する段部13に当接させた後に更に螺進させることにより義歯台4のアバットメント3に対する反力を利用して、義歯台4をアバットメント3から離反させて取り外すことが出来る。

    V[別途用意する治具]
    上記したデンタルインプラント構造の構築方法とインプラント構造の分解方法に関して使用される別途用意した治具は次の通りである。

    (1)工程ii)において使用される雄ネジ締込み具Mは、図46に示すように、上端に円盤上のハンドル部M1を有したドライバであり、ドライバ下端M2は雄ネジ棒上端面6cの溝に係合自在の形状としており、フィクスチャー2にアバットメント3を連設固定するために使用するものであり、雄ネジ棒6をアバットメント3の雄ネジ貫通孔12から挿通してアバットメント3の雄ネジ貫通孔12に雄ネジ締込み具Mを差し込んで雄ネジ棒上端面6cに係合して回転させて締付ける。

    (2)工程iii)、xii)において使用される義歯台締込み用ネジ具Nは、図47に示すように、上端に円盤上のハンドル部N1を有しその中央に義歯台4の雌ネジ孔11と螺合可能なネジ部N2を垂設して構成しており、ネジ部N2の下端は平坦部N3を形成している。

    アバットメント3に義歯台4をテーパー嵌合構造10を介して嵌合した後に義歯台締込み用ネジ具Nを雌ネジ孔11に螺合していくと、下端の平坦部N3がアバットメント3上端の段部13に当接し更に回転させると極限まで螺進した状態で締込みが完了し、アバットメント3に義歯台4が嵌着した状態となる。

    (3)工程v)、xi)において使用される離反用雄ネジ具Qは、図48に示すように、義歯台締込み用ネジ具Nと同様に上端に円盤上のハンドル部Q1を有しその中央に義歯台4の雌ネジ孔11と螺合可能なネジ部Q2を垂設して構成しており、ネジ部Q2の下端は平坦部Q3を形成している。

    アバットメント3から義歯台4を取り外す場合は、義歯台4の雌ネジ孔11に義歯台締込み用ネジ具Nを螺合し、次いで極限まで螺進した状態で更に締め込むと平坦部と段部13との当接部分で反力を生起して義歯台4をテーパー嵌合構造10から離脱して取り外すことが出来る。

    (4)平行治具Tについて 図44に示すように、2か所にインプラント構築しその間に義歯を架橋する架橋インプラント構築においては、一方のインプラント位置においてインプラント構築を行い、次いで、架橋する歯に隣接する他方のインプラント位置において新たにインプラント構築をするに際し、顎骨Bに傾斜した状態でフィクスチャー2を埋設し、そのフィクスチャー2の上部にアバットメント3をやはり傾斜して載置固定し、その上部に義歯台4を垂直に載置固定する。

    すなわち、図45に示すように、アバットメント3に嵌着する義歯台4はすでに構築した隣接の義歯台4と平行性を保持するように別途用意した平行治具により測量しながら義歯台4下部の嵌合孔内面の形状を調整する。

    ここで使用する平行治具Tは、図45に示すように、次のように構成されている。

    すなわち、平行治具Tは、側面に複数の縦溝T6をそれぞれ平行に形成した平面視略L字状の壁体T1と、この壁体の側部に連設した縦割り状の筒状ブラケットT2の内部に嵌着した先端球状の連結ボールT3と、連結ボールT3に連設したハンドル部T5とから構成している。 さらに、筒状ブラケットT2の周面には横断する状態で締付けネジT4を取り付けており、この締付けネジT4を弛緩すると縦割り状の筒状ブラケットT2の周壁が伸縮して連結ボールT3の嵌着状態を弛緩することにより、口腔D内においてL字状の壁体T1の角度を自由に変位することが可能となる。

    平行治具Tを用いて測定する際には、測定治具Vを用いるようにしている。 すなわち、測定治具Vは、アバットメント3に係合するカップ部V1と、カップ部V1の上部に立設したピンV2とからなる。

    使用に際しては、口腔D内におけるアバットメント3,3の外周に測定治具V,Vのカップ部V1,V1を嵌着し、平行治具TのL字状の壁体T1を口腔D内に挿入し、L字状の壁体T1の平行の縦溝T6に測定治具V,VのピンV2,V2が嵌着するか否かによりアバットメント3,3の平行度合いを測定し、各アバットメント3,3の傾倒角度を調節して平行なアバットメント3,3となるようにしている。 なお、ピンV2の一方は、平行治具Tの壁体T1に形成した折曲角部の溝T7に嵌着し、他方のピンV2を壁体T1の溝T8に嵌着しながら平行調整を行う。

    (5)義歯台離脱用治具について 上記した工程v)、xi)において、義歯台4をアバットメント3や仮止めアンカー80から強制的に離脱させるために使用される義歯台離脱用治具Uは、下方開口の略コ字状に形成した治具本体U1の天井板U2に離反用雄ネジ具U3が挿通するだけの孔U4を開口し、治具本体U1の左右側板に義歯台4の周面に先端が当接する挟持ボルトU5を螺合して構成している(図52参照)。

    使用に際しては、口腔D内において雄ネジ締込み具Mを用いてフィクスチャー2から義歯台4と一体のアバットメント3を離脱し、アバットメント3を義歯台離脱用治具Uの治具受台U6に螺合し、治具本体U1を義歯台4の上方から被せて挟持ボルトU5を介して義歯台4の周面に固定し、離反用雄ネジ具U3を上方から雌ネジ孔11に螺合して極限まで締付けながら義歯台4を反対方法に回転させて強制的にテーパー嵌合構造10から義歯台4を離脱させることが出来る(図50から図53参照)。

    以上、I〜V項において述べたのは、デンタルインプラントに関する実施例である。
    しかし、これは人体インプラントにおける一実施例に過ぎず本発明の要旨は、義歯のインプラント技術を含む各種の欠損パーツの人体インプラント技術に関するものである。

    すなわち、欠損パーツとして例えば、義眼、義耳、義鼻などを人体に取付けるに際し、人体欠損部分の近傍の骨体に支持アンカーを埋設し、その上部に支持基台を載置固定し、支持基台に、各種の欠損パーツを装着固定するものである。

    欠損パーツは、義眼Hや義耳Iや義鼻Jなど事故等により人体の一部が欠損した部分を補完するためのものであり、欠損部分に可及的に擬似した人工製作のパーツである。

    これらの欠損パーツの取付けの作業技術は義歯に関して述べたと同様の構造とし、その構造の構築方法と分解方法とを応用することができる。

    以下に義耳を欠損パーツとして耳孔近傍の骨体に支持アンカーを埋没し、その上部に支持基台を載置固定する義耳インプラント構造の実施例を説明する。 以下の義耳インプラント構造は、上述したデンタルインプラント構造と同じものを用いることとしたため、義耳インプラント構造の各構成については、デンタルインプラント構造の各構成と同一符号を付して説明することとした。

    図54に示すように耳孔近傍の骨体Gに支持アンカー8,8を埋設する。 支持アンカー8は義耳アバットメント3と義耳フィクスチャー2とよりなり、両者は、必要に応じて一体ものとして構成してもよい。 義耳アバットメント3の上部には、義耳台4が載置固定されており、義耳台4に義耳Hが取り付けられて欠損した耳を補完する。 この義耳Hは、シリコン等で形成されている。

    しかも、図55及び図56に示すように、義耳アバットメント3と義耳台4とは互いに密着するように、義耳アバットメント3の外周面と義耳台4の嵌合孔14の内周面とが、互いに対応するテーパー面を形成している。 このように、両者をテーパー嵌合構造10を介して着脱自在に嵌着すべく構成すると共に、義耳台4に穿設した縦方向の雌ネジ孔11は義耳アバットメント3に穿設した縦方向の雄ネジ貫通孔12よりも大径に形成し、それぞれ連通する各ネジ孔11,12の境に義耳アバットメント3上面からなる段部13を形成している。

    また、義耳アバットメント3に貫通した雄ネジ貫通孔12は上方に行くに従って拡開状のテーパーに形成している。

    また、耳孔近傍の骨体Bに埋設した義耳フィクスチャー2と、上部に義耳5を載置固定すべく構成した義耳アバットメント3とは、雄ネジ棒6を介して一体に連設されており、雄ネジ棒6の上半部は義耳アバットメント3に貫通したテーパーの雄ネジ貫通孔12と合致した上方拡開状のテーパーの形状としている。 なお、一方の義耳フィクスチャー2の上部には六角形状の凹部2aを形成し、他方の義耳アバットメント3下部には六角形状の凸部3aを形成して、義耳フィクスチャー2の凹部2aに義耳アバットメント3の凸部3aが嵌着自在となすようにしている。

    義耳アバットメント3は、略臼形に形成され、段部13を形成する上面に雄ネジ貫通孔12が開口している。

    なお、本実施形態においては、義耳台4の雌ネジ孔11を、義耳アバットメント3の雄ネジ貫通孔12より大径となるように形成して段部13を形成したが、両者を略同一径として段部13を形成することもできる。 例えば、平面視真円形状で断面視ストレート形状とした雄ネジ貫通孔12を、そのアバットメント3における上端面開口部分をかしめるなどして、わずかに略楕円形状とするのである。 そして、義耳台4の雌ネジ孔11の直径を、雄ネジ貫通孔12における略楕円開口をなす前記上端面開口部分の長軸相当部分と略同径にすれば、互いに連通する雌ネジ孔11と雄ネジ貫通孔12との境に、義耳アバットメント3の上面からなる段部13を形成することができる。 したがって、この場合でも、義耳アバットメント3から義耳台4を取り外す際には、離反用雄ネジ具Qの平坦部Q3が義耳アバットメント3の前記段部に当接することで取り外すことが出来る。

    なお、このとき、雄ネジ棒6の長さを、上述してきた例よりも短く形成しておき、螺合させた状態のその上端と、略楕円開口をなす前記上端面開口部分までの間のストロークで当該雄ネジ棒6を義耳フィクスチャー2から抜去可能にしておけばよい。

    上記した義耳インプラント構造の構築方法、及び義耳インプラント構造の分解方法並びに別途用意する冶具等に関しては、デンタルインプラント構造に関する技術と同様であるので説明を省略する。

    なお、フィクスチャーの外周には、ネジ溝を刻設するようにしてもよい。

    なお、本発明を各実施形態を通して説明したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の主旨を逸脱することのない限り、各構成要素の形状や装置のレイアウトなどは適宜変更することができる。

    B 顎骨C 歯並び部分D 口腔M 雄ネジ締込み具N 義歯台締込み用ネジ具L 型取り樹脂P 型取り容器Q 離反用雄ネジ具1 デンタルインプラント構造2 フィクスチャー3 アバットメント4 義歯台5 義歯6 雄ネジ棒7 閉塞用ネジ10 テーパー嵌合構造11 雌ネジ孔12 雄ネジ貫通孔13 段部14 嵌合孔

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